(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】さつま芋の加工器
(51)【国際特許分類】
A47J 43/28 20060101AFI20240311BHJP
A23N 15/00 20060101ALI20240311BHJP
A47J 17/14 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
A47J43/28
A23N15/00 Z
A47J17/14
(21)【出願番号】P 2022167205
(22)【出願日】2022-09-29
【審査請求日】2022-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】522407318
【氏名又は名称】川崎 司
(74)【代理人】
【識別番号】100154357
【氏名又は名称】山▲崎▼ 晃弘
(72)【発明者】
【氏名】川崎 司
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3144876(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 43/28
A23N 15/00
A47J 17/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸したさつま芋が通過させられる筒状の刃であって、筒状の第1の刃の部分を有する、筒状の刃と、
前記筒状の刃の外面から前記筒状の刃の軸線に対して傾くように延びる柄であって、該柄の一部に第2の刃の部分が設けられている、柄と
を備え、
前記柄は、前記柄の前記筒状の刃への取付部に前記第2の刃の部分を有し、
前記第2の刃の部分は、前記筒状の刃の前記外面と鋭角をなし、
前記筒状の刃の前記軸線の方向において、前記第2の刃の部分は、前記第1の刃の部分と同じ方向を向いている、
さつま芋の加工器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸かしたさつま芋の皮むきを簡易簡略化させ、干し芋の原料となる皮をむいたさつま芋の生産性や品質を向上させることを可能にする、さつま芋の加工器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の丸干し加工は、刃物により、蒸かしたさつま芋の皮や外周側をそぎ落とし、それを円柱状に成形していくものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来、干し芋の原料となるさつま芋の加工は、作業者の個人の感覚によるものであり、生産性も悪く、太さにバラつきが生じていた。それ故、皮をむいたさつま芋の乾燥時間を同じにすると、干し芋の品質を安定させることが困難であった。
【0004】
本発明は、蒸したさつま芋の皮むきの生産性を高めるとともに、干し芋の原料となる皮をむいたさつま芋の太さのバラつきを抑えることを可能にする、さつま芋の加工器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一態様は、
蒸したさつま芋が通過させられる筒状の刃であって、筒状の第1の刃の部分を有する、筒状の刃と、
前記筒状の刃の外面から前記筒状の刃の軸線に対して傾くように延びる柄であって、該柄の一部に第2の刃の部分が設けられている、柄と
を備え、
前記柄は、前記柄の前記筒状の刃への取付部に前記第2の刃の部分を有し、
前記第2の刃の部分は、前記筒状の刃の前記外面と鋭角をなし、
前記筒状の刃の前記軸線の方向において、前記第2の刃の部分は、前記第1の刃の部分と同じ方向を向いている、
さつま芋の加工器
を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の上記一態様によれば、上記構成を備えるので、蒸したさつま芋の皮むきの生産性を高めることを可能にするとともに、干し芋の原料となる皮をむいたさつま芋の太さのバラつきを抑えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】筒状の刃と刃の
部分がついた柄とを組み立てた加工器を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態に係るさつま芋の加工器10を図1に示す。図1(a)は加工器10の正面図であり、図1(b)は加工器10の左側面図である。図2は、加工器10のうちの筒状の刃1を示す。図2(a)は筒状の刃1の正面図であり、図2(b)は筒状の刃1の右側面図である。図3は、加工器10のうちの柄2を示す。図3(a)は柄2の正面図であり、図3(b)は柄2の右側面図であり、図3(c)は柄2の底面図であり、図3(d)は図3(a)の柄2を拡大して示す図ある。図4は、加工器10の使用方法を示す図であり、加工器10をさつま芋に向けて相対的に動かし加工するところを示す図である。
【0009】
加工器10は、筒状の刃1と、そこから延出する柄2とを有する。筒状の刃1は、その一端に形成された筒状の刃の部分(以下、第1の刃の部分)1aを有する。第1の刃の部分1aは、先端が鋭利になっている。図1(a)から明らかなように、第1の刃の部分1aは、先端に向かって縮径するように形成されている。
【0010】
図1(a)に示すように、柄2は、筒状の刃1の外面から筒状の刃1の軸線Aに対して傾くように延びる。柄2は、平板状である。柄2の一部に、刃の部分(以下、第2の刃の部分)2aが設けられている。柄2は、柄2の筒状の刃1への取付部に第2の刃の部分2aを有する。図1(a)において、第2の刃の部分2aは、筒状の刃1の外面と鋭角をなす。
【0011】
図1(a)から明らかなように、筒状の刃1の軸線Aの方向において、第2の刃の部分2aは、第1の刃の部分1aと同じ方向を向いている。したがって、図4に示すように、加工器10において筒状の刃1の第1の刃の部分1a側から筒状の刃1の内側にさつま芋を通すとき、第1の刃の部分1aと第2の刃の部分2aとはそれぞれさつま芋側を向く。
【0012】
この加工器10は、両端を切り落とし蒸かしたさつま芋(食材)を手に持ち、片方の端の中心から縦方向へスライドさせることにより、丸干し用に加工されたさつま芋の成形を行うことができる。加工器10は、力や技術を必要とせずにさつま芋を加工する製造方法(成形)を提供することができ、さつま芋に対して縦方向に加工器10を相対的にスライドさせることで、筒状の刃1でさつま芋をくり抜き成形することができ、加工にかかる時間や形状の差を無くすことができ、作業効率、完成精度を向上させることができ、誰でも容易にさつま芋を加工することを可能にする。このように、加工器10を用いて丸干し加工を行えば、蒸したさつま芋の皮むきの生産性を高めるとともに、品質(味や食感)をも一定に保つことが可能となる。本発明の丸干し加工器10は干し芋の丸干し加工に利用することができる。
【符号の説明】
【0013】
1 筒状の刃
1a 刃の部分(第1の刃の部分)
2 柄
2a 刃の部分(第2の刃の部分)
10 加工器
【要約】
【課題】丸干し芋の加工において、刃物でそぎ落とし形を成形していく加工方法では生産効率並びに品質の安定を維持することが出来ないため、丸干し芋の加工作業の簡略化を図る器具を提供する。
【解決手段】先端が鋭利になっている筒状の刃により材料をくり抜き太さを均一にし、皮を切るための刃がついた柄を組み合わせた構造の器具により、大幅に生産性を向上させ品質の安定性を図ることが可能となる。
【選択図】
図1