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特許7450904ヒンジ及びヒンジを備える折り畳み可能な機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】ヒンジ及びヒンジを備える折り畳み可能な機器
(51)【国際特許分類】
   F16C 11/04 20060101AFI20240311BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20240311BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
F16C11/04 F
G06F1/16 312F
H04M1/02 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019161542
(22)【出願日】2019-09-04
(65)【公開番号】P2021038827
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】592264101
【氏名又は名称】下西技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 禎治
(72)【発明者】
【氏名】保富 英雄
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107277197(CN,A)
【文献】特開2000-186710(JP,A)
【文献】特表2014-519626(JP,A)
【文献】中国実用新案第205423515(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 11/00-11/12
G06F 1/16
H04M 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な機器の回動部に設けられるヒンジであって、
前記回動部の回動軸と直交する方向に沿って、隣接した状態で一列に配置される複数個の回動部材と、
隣接する前記回動部材同士が当接した状態を保持した状態で、隣接する前記回動部材を連結する連結部材と、を備え、
前記回動部材における隣の回動部材と対向する側の面は、前記回動部の全開状態において隣りの回動部材と当接する全開時当接部と、前記回動部の閉塞状態において隣の回動部材と当接する閉塞時当接部と、を備え
前記回動部材は、前記回動部材における前記回動部の回動軸の軸方向に開口する支持孔を備え、
前記連結部材は、棒状の部材であって一対の延出する部分と前記一対の延出する部分を連結する部分とを備えて構成され、
前記連結部材は、前記連結部材の一方の延出する部分が隣接する前記回動部材のうち一方の回動部材の支持孔に挿入され、前記連結部材の他方の延出する部分が隣接する前記回動部材のうち他方の回動部材の支持孔に挿入されて、隣接する前記回動部材を連結する、
ヒンジ。
【請求項2】
前記複数個の回動部材それぞれは、前記全開状態において、前記回動部材が並ぶ方向に沿って設けられた、2つの前記支持孔を有し、
前記連結部材は、隣接する前記回動部材のうち一方の回動部材における前記2つの支持孔のうち、隣接する前記回動部材のうち他方の回動部材側に位置する支持孔に、前記連結部材の一方の延出する部分が挿入され、隣接する前記回動部材のうち他方の回動部材における前記2つの支持孔のうち、隣接する前記回動部材のうち一方の回動部材側に位置する支持孔に、前記連結部材の他方の延出する部分が挿入されて、隣接する前記回動部材を連結する、
請求項1に記載のヒンジ。
【請求項3】
前記回動部材における隣の回動部材と対向する側の面は、前記回動部の回動軸方向からみて、前記全開時当接部と前記閉塞時当接部とが連続する多角形状に構成される、
請求項1または請求項2に記載のヒンジ。
【請求項4】
前記回動部材は、三個以上備えられる、
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のヒンジ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のヒンジを備える折り畳み可能な機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉可能な機器の回動部に設けられるヒンジの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、開閉可能な機器の回動部に設けられるヒンジは種々知られている。
また、前記ヒンジには、折り畳み可能に構成されるフレキシブルディスプレイの回動部に設けられるものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2017-510065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記ヒンジは、複数個のギア部材や連結ブラケット等を備えて構成され、回動部の全開状態または閉塞状態を保持するための構成が比較的複雑なものとなっていた。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、回動部の全開状態または閉塞状態で保持可能なものを簡易な構成で実現することができるヒンジを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、開閉可能な機器の回動部に設けられるヒンジであって、前記回動部の回動軸と直交する方向に沿って、隣接した状態で一列に配置される複数個の回動部材と、隣接する前記回動部材同士が当接した状態を保持した状態で、隣接する前記回動部材を連結する連結部材と、を備え、前記回動部材における隣の回動部材と対向する側の面は、前記回動部の全開状態において隣りの回動部材と当接する全開時当接部と、前記回動部の閉塞状態において隣の回動部材と当接する閉塞時当接部と、を備え、前記回動部材は、前記回動部材における前記回動部の回動軸の軸方向に開口する支持孔を備え、前記連結部材は、棒状の部材であって一対の延出する部分と前記一対の延出する部分を連結する部分とを備えて構成され、前記連結部材は、前記連結部材の一方の延出する部分が隣接する前記回動部材のうち一方の回動部材の支持孔に挿入され、前記連結部材の他方の延出する部分が隣接する前記回動部材のうち他方の回動部材の支持孔に挿入されて、隣接する前記回動部材を連結するものである。
【0008】
請求項2においては、前記複数個の回動部材それぞれは、前記全開状態において、前記回動部材が並ぶ方向に沿って設けられた、2つの前記支持孔を有し、前記連結部材は、隣接する前記回動部材のうち一方の回動部材における前記2つの支持孔のうち、隣接する前記回動部材のうち他方の回動部材側に位置する支持孔に、前記連結部材の一方の延出する部分が挿入され、隣接する前記回動部材のうち他方の回動部材における前記2つの支持孔のうち、隣接する前記回動部材のうち一方の回動部材側に位置する支持孔に、前記連結部材の他方の延出する部分が挿入されて、隣接する前記回動部材を連結するものである。
【0009】
請求項3においては、前記回動部材における隣の回動部材と対向する側の面は、前記回動部の回動軸方向からみて、前記全開時当接部と前記閉塞時当接部とが連続する多角形状に構成されるものである。
【0010】
請求項4においては、前記回動部材は、三個以上備えられるものである。
【0011】
請求項5においては、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のヒンジを備える折り畳み可能な機器とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、回動部の全開状態または閉塞状態で保持可能なものを簡易な構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るヒンジを備えるフレキシブルディスプレイの全開状態を示す平面図。
図2】同じくヒンジを示す斜視図。
図3】同じくヒンジを示す正面図。
図4】同じくヒンジを示す平面図。
図5】同じくヒンジの閉塞状態を示す正面図。
図6】同じくヒンジの回動途中状態を示す正面図。
図7】同じくヒンジを示す平面図。
図8】同じくヒンジを示す斜視図。
図9】同じくヒンジを示す正面図。
図10】同じくヒンジの閉塞状態を示す正面図。
図11】同じくヒンジの全開状態を示す正面図。
図12】同じくヒンジを示す正面図。
図13】同じくヒンジを示す平面図。
図14】同じくヒンジを示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態に係るヒンジ1について、図1から図14を用いて説明する。
なお以下において、図3中における上方、即ちヒンジ1の全開状態(回動部101の全開状態)を回動軸102の軸心方向からみて、上方をヒンジ1の上方とし、左右方向をヒンジ1の左右方向として説明するが、ヒンジ1の方向をこれに限定するものではない。
【0015】
ヒンジ1は、開閉可能な機器の回動部に設けられる。以下においてヒンジ1は、フレキシブルディスプレイ100の回動部101に設けられる構成として説明するが、ヒンジ1が設けられる機器や用途等についてはこれに限定するものではく、開閉可能な機器の回動部に広く適用可能である。ヒンジ1は、例えば、事務機器の本体にトナーカートリッジを交換するためのハッチ(蓋)を開閉可能に連結する用途、自動車の車体にボンネットを開閉可能に連結する用途、便器に便座を開閉可能に連結する用途等に用いることもできる。
【0016】
図1に示すように、フレキシブルディスプレイ100は、各種の情報を表示可能に構成される表示装置であり、折り畳み可能に構成される。フレキシブルディスプレイ100の折り畳む際に回動する部分は、回動部101として構成される。フレキシブルディスプレイ100は、回動部101を二ヵ所備えるが回動部101の個数はこれに限定するものではなく、回動部101を一カ所または三ヵ所以上備える構成であってもよいものとする。
【0017】
ヒンジ1は、フレキシブルディスプレイ100の回動部101に、回動軸102の軸心方向に沿って四個ずつ設けられる。もっとも、ヒンジ1がフレキシブルディスプレイ100の回動部101に設けられる個数は、これに限定されるものではなく、回動部101の仕様に応じて適宜選択することができる。ヒンジ1は、回動部101の全開状態において回動部101の回動角度が180°、閉塞状態において回動部101の回動角度が0°となるように設定される。
図2から図5に示す如く、ヒンジ1は、複数個(六個)の回動部材10・10・・・と、複数個(前後五個ずつ)の連結部材20・20・・・と、を備える。
【0018】
回動部材10は、全開時当接部12と、閉塞時当接部11と、一対の支持孔13・13とを備える。
複数個の回動部材10は、回動部101の回動軸102と直交する方向(左右方向)に並べて配置される。隣合う回動部材10同士は、互いに当接した状態とされる。
回動部材10は、断面形状が回動部101の回動軸102の軸心方向からみて(側面視で)六角形状で左右対称に構成される。隣合う側の面(ヒンジ1の全開状態において隣の回動部材10と対向する側の面)は、多角形状に構成される。隣合う側の面は、側面視略V字状(鈍角なV字状)に構成される。回動部101の回動方向の内側(回動軸102側)の面と全開状態において対向する側の面との境界部分が、側面視で直線状に切取られるように構成される。
【0019】
回動部材10における全開状態において隣りの回動部材10と当接する部分は、全開時当接部12として構成される。前記隣合う側の面の切取られる部分は、閉塞時当接部11として構成され、閉塞状態において隣の回動部材10と当接する。
回動部材10の全開時当接部12と閉塞時当接部11とは、回動部101の回動軸102と直交する方向に連続する。
【0020】
回動部材10の支持孔13は、回動部材10における回動部101の回動軸102の軸心方向の面を(前後方向に)貫通するように構成される。支持孔13は、回動部材10における回動部101の回動軸102の軸心方向側の面(前方の面と後方の面)に開口する。一対の支持孔13は、回動部材10の上下略中央部において左右に並べて配置される。
【0021】
連結部材20は、弾性変形可能な、金属素材、ゴム素材、またはナイロン等の伸び性の高い樹脂素材等で構成され、隣合う回動部材10の隣合う側の面同士が当接した状態を保持した状態で、隣合う回動部材10を連結する。連結部材20は、隣合う回動部材10の面同士を互いに近接する方向に付勢する。連結部材20は、ヒンジ1の全開状態には隣合う回動部材10の全開時当接部12同士が当接し、また、ヒンジ1の閉塞状態には隣合う回動部材10の閉塞時当接部11同士が当接した状態となるように隣合う回動部材10を連結する。
連結部材20は、丸棒状の部材であって、一対の前後方向に延出する部分と当該一対の延出する部分を連結する部分とを備える平面視略U字状に構成される。連結部材20の直径は、回動部材10の支持孔13の直径と略同一に構成される。
【0022】
連結部材20の一方の前後方向に延出する部分は、隣合う回動部材10のうち一方の回動部材10の支持孔13(左方か右方のうちいずれか一方の支持孔13)に挿入され、また、連結部材20の他方の前後方向に延出する部分は、隣合う回動部材10のうち他方の回動部材10の支持孔13(左方か右方のうちいずれか他方の支持孔13)に挿入される。回動部材10が連結部材20に対して回動可能なように、連結部材20の一方の延出する部分と他方の延出する部分は回動部材10の支持孔13に圧入される。連結部材20は、一方の延出する部分と他方の延出する部分とによって隣合う回動部材10の面同士を互いに近接する方向に付勢することによって、隣合う回動部材10の隣合う側の面同士が当接した状態を保持する。連結部材20は、このような状態が保持されて、隣合う回動部材10を連結する。
【0023】
以上のように、回動部材10は、全開時当接部12と閉塞時当接部11とを備えることから、回動部101の全開状態において隣合う回動部材10の全開時当接部12同士が当接して全開状態を超えて回動部101が回動することを規制し、また、回動部101の閉塞状態において隣合う回動部材10の閉塞時当接部11同士が当接して閉塞状態を超えて回動部101が回動すること規制する。
このように構成されることから、回動部101の全開状態または閉塞状態で保持可能なものを簡易な構成で実現することができる。またこのように構成されることから、回動部101が設定範囲(例えば、全開状態または閉塞状態)を超えて回動した際にフレキシブルディスプレイ100を構成する電子素子等が破損することを防止することができるものを簡易な構成で実現することができる。
【0024】
以上のように、回動部材10における隣の回動部材10と対向する側の面は、回動部101の回動軸102の軸心方向からみて、全開時当接部12と閉塞時当接部11とが連続する多角形状に構成される。
このように構成されることから、回動部101の全開状態または閉塞状態で保持可能なものを簡易な構成で実現することができる。
【0025】
以上のように、回動部材10は、支持孔13を備え、連結部材20は、連結部材20の一方の延出する部分が隣合う回動部材10のうち一方の回動部材10の支持孔13に挿入され、連結部材20の他方の延出する部分が隣合う回動部材10のうち他方の回動部材10の支持孔13に挿入されて、隣合う回動部材10を連結する。
このように構成されることから、回動部101の全開状態または閉塞状態で保持可能なものを簡易な構成で実現することができる。
【0026】
以上のように、連結部材20は、隣合う回動部材10の面同士を互いに近接する方向に付勢し、回動部101の全開状態または閉塞状態で隣合う回動部材10同士が当接した状態とされる。また、回動部材10が連結部材20に対して回動可能なように、連結部材20の一方の延出する部分と他方の延出する部分は回動部材10の支持孔13に圧入される。
このように構成されることから、回動部101の全開状態(フレキシブルディスプレイ100が平坦な状態)、または、閉塞状態(フレキシブルディスプレイ100が折り畳まれた状態)をある程度保持することができるものを簡易な構成で実現することができる。
【0027】
さらに、ヒンジ1では、閉じる方向または開く方向に回動した状態(開閉途中の状態)においても、連結部材20が隣合う回動部材10の面同士を互いに近接する方向に付勢し、連結部材20によって付勢されて隣合う回動部材10の全開時当接部12と閉塞時当接部11との境界部分(角部)同士が当接した状態とされる(図6参照)。
このため、回動部101の開閉途中の状態の開閉角度を保持することができるものを簡易な構成で実現することができる。
【0028】
以上のように、ヒンジ1は、回動部材10を六個(三個以上)備えることによって、少なくとも回動部材10が二個の構成のときに比べて、回動部101が回動した状態(回動部材10が左右方向に並んだ状態以外の状態)において回動部101を緩やかに湾曲させる構成とすることができる。
このため、回動部101を比較的緩やかに湾曲させない構成のものに比べて、回動部101が回動したときにフレキシブルディスプレイ100を構成する電子素子等が破損することを防止することができる。
なお、ヒンジ1は回動部材10を六個備える構成としたが、回動部材10の個数は、これに限定されるものではなく、ヒンジ1の仕様に応じて適宜選択することができる。もっとも、回動部101を緩やかに湾曲させるにあたっては、回動部材10の個数は比較的多いことが好ましい。
【0029】
図8に示すように、回動部材10の支持孔13が回動部材10の前方または後方の面のいずれか一方側の面のみに開口する構成とし、連結部材20は、前方または後方のいずれか一方側のみに設けられる構成とすることもできる。
このように構成することによって、ヒンジ1を構成する部品点数を削減することができ、また、ヒンジ1をよりコンパクトに構成することができる。
【0030】
ヒンジ1は、回動部材10の隣合う側の仕様を変更することによって、全開状態の回動角度または閉塞状態の回動角度をヒンジ1が設けられる機器の仕様に応じて適宜の角度に設定することができる。図9から図11に示すように、例えば、ヒンジ1は、全開状態において回動部101の回動角度が180°、閉塞状態において回動部101の回動角度が360°となるように設定することもできる。
このとき、回動部材10の隣合う側の面は、側面視略V字状(比較的鋭角なV字状)に構成される。閉塞時当接部11が切取られるように構成されることに加えて、回動部材10の回動部101の回動方向の外側(回動軸102側と反対側)の面と全開状態において対向する側の面との境界部分が、側面視で直線状に切取られるように構成される。前記隣合う側の面の切取られる部分は、全開時当接部12として構成され、全開状態において隣の回動部材10と当接する。
【0031】
図12から図13に示すように、回動部材10は、一個の支持孔13を備える構成とすることもできる。
このとき、支持孔13は、回動部材10の上下略中央部且つ左右中央部に配置される。
またこのとき、連結部材20の一方の前後方向に延出する部分は、隣合う回動部材10のうち一方の回動部材10の支持孔13に挿入され、また、連結部材20の他方の前後方向に延出する部分は、隣合う回動部材10のうち他方の回動部材10の支持孔13に挿入される。
このように構成することによって、ヒンジ1を構成する部品点数を削減することができ、また、ヒンジ1をよりコンパクトに構成することができる。
【0032】
回動部材10が所定の突起を備え、連結部材20が所定の孔を備え、回動部材10の突起が連結部材20の孔に挿入されることによって、連結部材20が隣合う回動部材10を連結する構成とすることもできる。このようなヒンジ1の実施形態について以下において説明するが、図1から図13に記載のヒンジ1と同様の構成の説明については適宜省略するものとする。
【0033】
図14に示すように、回動部材10は、全開時当接部12と、閉塞時当接部11と、一対の突起部14とを備える。
一対の突起部14・14は、回動部材10における回動部101の回動軸102の軸心方向側の面(前後の面)から前方または後方に突出するように構成される。突起部14は円柱状に構成される。突起部14は、回動部材10の上下略中央部且つ左右略中央部配置される。
【0034】
連結部材20は、平板状の部材であって、左右方向を長手方向とする側面視略長丸状に構成される。
連結部材20は、一対の挿入孔21・21を備える。連結部材20の挿入孔21は、連結部材20を前後方向に貫通するように構成される。一対の挿入孔21は、連結部材20の上下略中央部において左右に並べて配置される。連結部材20の挿入孔21の直径は、回動部材10の突起部14の直径と略同一に構成される。
【0035】
そして、連結部材20における一対のうち一方の挿入孔21に、隣合う回動部材10のうち一方の回動部材10の突起部14が挿入され、また、連結部材20における一対のうち他方の挿入孔21に、隣合う回動部材10のうち他方の回動部材10の突起部14に挿入される。連結部材20は、このような状態が保持されて、隣合う回動部材10を連結する。
【0036】
このように構成されることから、回動部101の全開状態または閉塞状態で保持可能なものを簡易な構成で実現することができる。またこのように構成されることから、回動部101が設定範囲(例えば、全開状態または閉塞状態)を超えて回動した際にフレキシブルディスプレイ100を構成する電子素子等が破損することを防止することができるものを簡易な構成で実現することができる。
【0037】
なお、ヒンジ1は、フレキシブルディスプレイ100内の回動部分内に設けられる構成としたが、複数個の回動部材10のうち一部の回動部材10が機器の一部分に固定される構成とすることもできる。例えば、両端の回動部材10が一方の連結対象物と他方の連結対象物にそれぞれ固定されて、一方の連結対象物が他方の連結対象物に対して回動する構成とすることもできる。
また、回動部材10における回動部101の回動軸102方向の長さは、仕様に応じて適宜の長さに設定することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 ヒンジ
10 回動部材
11 閉塞時当接部
12 全開時当接部
13 支持孔
14 突起部
20 連結部材
21 挿入孔
100 フレキシブルディスプレイ
101 回動部
102 回動軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14