(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】作業現場用の表示システム、情報伝達方法
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20240311BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20240311BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20240311BHJP
G06F 3/04845 20220101ALI20240311BHJP
H04L 67/00 20220101ALI20240311BHJP
G06Q 50/08 20120101ALI20240311BHJP
【FI】
G09G5/00 510V
G09G5/00 510A
G09G5/00 555D
G09G5/00 530T
G09G5/00 510H
G09G5/37 600
G06F3/0488
G06F3/04845
H04L67/00
G06Q50/08
(21)【出願番号】P 2019185549
(22)【出願日】2019-10-08
【審査請求日】2022-09-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)「販売時にパンフレットを配布した。」 配布日:2019年7月1日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507118770
【氏名又は名称】株式会社セイビ堂
(74)【代理人】
【識別番号】110002826
【氏名又は名称】弁理士法人雄渾
(72)【発明者】
【氏名】阿部 慎也
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-030178(JP,A)
【文献】特開2019-082933(JP,A)
【文献】特開2012-226525(JP,A)
【文献】特開2002-287723(JP,A)
【文献】特開2011-030075(JP,A)
【文献】特開2019-039240(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0180105(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0011842(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0058283(KR,A)
【文献】国際公開第2015/049931(WO,A1)
【文献】食品工場向け カンタン作業指示ソリューション,Solution Japan 2015 ,2015年12月14日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00-5/42
G06F 3/0488
G06F 3/0484-3/0486
G06F 13/00
G06Q 50/08
H04L 67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外の作業現場における情報伝達用の表示システムであって、
作業現場に配置する表示装置と、
タッチパネルに第1の画像を表示する携帯通信端末と、
第2の画像を制御する画像制御装置と、を備え、
前記第1の画像は、前記タッチパネルに表示されている現場の見取り図、当日の作業工程表、担当者ごとの作業内容のうち、少なくとも一つの情報であり、
前記第2の画像は、警告・警報、騒音、振動、気温、湿度からなる作業現場の環境因子、作業現場の状況の動画、資材搬入・揚重作業の管理システム、施工管理システムのうち、少なくとも一つの情報であり、
前記表示装置は、ディスプレイサイズは30インチ以上であり、LEDビジョンであり、輝度が3000cd/m
2以上であり、ピクセルピッチが3mm以下であ
り、
前記表示装置は、前記第2の画像を継続的に表示しつつ、前記情報伝達が必要な場合にのみ前記第1の画像に切り替え、
前記第1の画像に切り替えた際に、前記第1の画像の隅にワイプとして前記第2の画像も表示する、または、
前記第1の画像の操作を停止後、所定の時間で自動的に前記第2の画像に切り替えることを特徴とする、表示システム。
【請求項2】
前記携帯通信端末の第1の画像の情報は、wifi通信を使用して前記表示装置に送信することを特徴とする、請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記画像制御装置の第2の画像の情報は、SIMカード又はeSIMを介した通信を使用して前記表示装置に送信することを特徴とする、請求項1
又は2に記載の表示システム。
【請求項4】
作業現場における情報伝達方法であって、
請求項1~3のいずれか一項に記載の表示システムを使用し、前記タッチパネルに表示された第1の画像をピンチアウト
またはドラッグすることを特徴とする、情報伝達方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業現場用の表示システム又は作業現場における情報伝達方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工事などの作業現場では、当日の工事計画や、材料の搬入場所などの情報を現場の作業員に伝え、複数の作業員に情報を共有する必要がある。従来の情報伝達方法では、工事計画などの情報を紙媒体に記載し、これを配布することにより情報を共有していた。近年では、作業現場用の表示装置が開発され、ディスプレイに画像を表示することにより、情報を伝達する方法が使用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、作業現場用のサイネージシステムであって、タッチパネルディスプレイを備えた表示装置と、作業現場の環境情報を検出する環境検出装置と、表示装置に表示するサムネイル画像を制御する表示制御装置と、を有するサイネージシステムが開示されている。また、特許文献2には、作業現場用のサイネージシステムであって、表示装置と、表示装置に表示する画像を制御する表示制御装置と、を有するサイネージシステムが開示されている。これらのサイネージシステムは、表示装置を屋外の作業現場の朝礼看板や作業場所に配置するものであり、作業員の安全対策や工事の生産性を加速させ、さらには、近隣住民用に工事概要の説明など、近隣住民への配慮を向上させるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6369885号公報
【文献】特許第6475382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2に記載された作業現場用の表示装置は、タッチパネルを有するディスプレイであることから、画面サイズが小さくなり、多数の作業員に対して同時に情報を伝達することが困難である。そのため、作業員に対して、当日の工事計画や、材料の搬入場所などの情報を伝達する際には、複数の班に分けて説明する必要がある。
【0006】
また、単なる大画面のディスプレイを利用しても、工場の見取り図や工事計画書などの端に小さく記載された事項を説明する場合には、画面から離れた位置では小さくて作業員が見えないなどの問題がある。
【0007】
よって、本発明の課題は、作業現場用の表示装置を大画面化し、さらには、画面の端に表示された事項を見やすく表示するための表示システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、作業現場に配置する表示装置に、タッチパネルを有する携帯通信端末の画面を表示することにより、表示装置を大画面化することが可能となり、また、携帯通信端末のタッチパネルを操作することにより、画面の端に表示された事項を画面の中心に配置したり、ピンチアウトなどの操作により小さな記載事項を大きくしたりすることができることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の表示システム及び情報伝達方法である。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の表示システムは、作業現場用の表示システムであって、作業現場に配置する表示装置と、タッチパネルに第1の画像を表示する携帯通信端末と、を備え、前記携帯通信端末に表示された第1の画像を、前記表示装置に表示することを特徴とする。
【0010】
本発明の表示システムによれば、タッチパネルを有する携帯通信端末の画像を、作業現場に配置する表示装置に表示するため、作業現場用の表示装置を大画面化し、さらには、携帯通信端末側のタッチパネルを操作することにより、大画面の表示装置に表示された画像を操作することができる。これにより、画面の端に小さく表示された事項を、画面の中心に移動したり、大きく表示したりすることができる。
【0011】
また、本発明の表示システムの一実施態様としては、携帯通信端末の第1の画像の情報は、wifi通信を使用して作業現場に配置する表示装置に送信するという特徴を有する。
この特徴によれば、ローカルな通信ネットワークを利用することができるため、情報セキュリティの観点で優れた表示システムを提供することが可能となる。
【0012】
また、本発明の表示システムの一実施態様としては、第2の画像を制御する画像制御装置と、を備え、作業現場に配置する表示装置は、第1の画像と第2の画像を切り替えて表示するという特徴を有する。
この特徴によれば、携帯通信端末のタッチパネルにより表示装置の画面(第1の画像)を操作しない間には、第2の画像として、警告、警報、騒音、振動、気温などの検知器からの情報や、他のアプリケーションの画面を表示することができる。
【0013】
また、本発明の表示システムの一実施態様としては、作業現場に配置する表示装置は、LEDビジョンであり、輝度が3000cd/m2以上であり、ピクセルピッチが3mm以下であるという特徴を有する。
この特徴によれば、遠い位置の作業員だけでなく、近い位置の作業員においても画面を鮮明に視認することが可能となり、多くの作業員に情報を伝達することができる。
【0014】
また、本発明の表示システムの一実施態様としては、画像制御装置の第2の画像の情報は、SIMカード又はeSIMを介した通信を使用して表示装置に送信するという特徴を有する。
この特徴によれば、セキュリティSIMに対応可能な表示システムを提供することが可能となり、広域ネットワークを介して第2の画像の情報を得る場合でも、容易にセキュアな環境を構築することができる。
【0015】
上記課題を解決するための本発明の情報伝達方法は、作業現場における情報伝達方法であって、本発明の表示システムを使用し、タッチパネルに表示された第1の画像をピンチアウトすることを特徴とする。
この情報伝達方法によれば、タッチパネルの簡便な操作により小さく表示された事項を大きく表示することが可能となり、画面の遠方の作業員にも鮮明に視認させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、作業現場用の表示装置を大画面化し、さらには、画面の端に表示された事項を見やすく表示するための表示システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の実施態様における作業現場用の表示システムの概略説明図である。
【
図2】本発明の第2の実施態様における作業現場用の表示システムの概略説明図である。
【
図3】本発明の第3の実施態様における作業現場用の表示システムの概略説明図である。
【
図4】本発明の第4の実施態様における作業現場用の表示システムの概略説明図である。
【
図5】本発明の第5の実施態様における作業現場用の表示システムの概略説明図である。
【
図6】本発明の第6の実施態様における作業現場用の表示システムの概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る作業現場用の表示システム及び作業現場における情報伝達方法の実施態様を詳細に説明する。
なお、実施態様に記載する作業現場用の表示システム及び情報伝達方法については、本発明に係る作業現場用の表示システム及び情報伝達方法を説明するために例示したにすぎず、これに限定されるものではない。
【0019】
本発明の作業現場用の表示システムは、作業現場用の表示システムであって、作業現場に配置する表示装置と、タッチパネルに第1の画像を表示する携帯通信端末と、を備え、前記携帯通信端末に表示された第1の画像を、前記表示装置に表示することを特徴とするものである。
【0020】
作業現場とは、土木工事、解体工事、改修工事、鉄骨工事、足場工事、内装工事、道路工事、イベント会場設営工事、駅工事など、各種の工事を行う現場である。作業現場は、屋外又は屋内のいずれでもよいが、本発明は、広域での情報伝達に適するという観点から、屋外の作業現場であることが好ましい。
【0021】
〔第1の実施態様〕
図1は、本発明の第1の実施態様における表示システム1Aの構造を示す概略説明図である。
本実施態様における表示システム1Aは、
図1に示すように、表示装置2と、タッチパネル31を有する携帯通信端末3とを備えるものである。また、表示システム1Aは、表示装置2と携帯通信端末3がwifi通信により接続されており、携帯通信端末3のタッチパネル31に表示される第1の画像は、表示装置2に送信される。そして、第1の画像は、表示装置2のディスプレイに表示される。
以下、それぞれの構成について詳細に説明する。
【0022】
[表示装置]
表示装置2は、現場作業に配置するものであり、大型のディスプレイを備える。ディスプレイのサイズは、特に制限されないが、例えば、30インチ以上である。表示装置2から遠くに位置する作業員にも情報を視認させることができるという観点から、好ましくは40インチ以上、より好ましくは60インチ以上、更に好ましくは90インチ以上、特に好ましくは120インチ以上である。
【0023】
また、表示装置2のディスプレイのタイプは、特に制限されないが、例えば、LEDビジョン、液晶ビジョンなどが挙げられる。屋外で使用するため、防水・防塵の加工適性や、輝度の向上という観点から、好ましくはLEDビジョンである。
【0024】
表示装置2のディスプレイの輝度は、特に制限されないが、例えば、2000cd/m2以上である。屋外の適用に優れるという観点から、好ましくは2500cd/m2以上であり、より好ましくは3000cd/m2以上であり、更に好ましくは3500cd/m2以上であり、特に好ましくは4000cd/m2以上である。
【0025】
表示装置2のディスプレイのピクセルピッチは、特に制限されないが、例えば、4.0mm以下であり、好ましくは3.5mm以下であり、より好ましくは3.0mm以下である。ピクセルピッチを小さくすることにより、遠い位置の作業員だけでなく、近い位置の作業員においても画面を鮮明に視認することが可能となり、多くの作業員に情報を伝達することができる。
また、携帯通信端末3のタッチパネル31を操作して画面を拡大化すると、画像が粗くなるため、表示装置2から近い位置にいる作業員は特に視認が困難となる。ピクセルピッチを3.0mm以下とすることにより、画面を拡大化した場合でも鮮明な画像が得られ、多くの作業員が画面を視認することができる。
【0026】
図1に示すように、第1の実施態様における表示装置2は、wifi通信の電波を受信するwifi通信部21を備えており、携帯通信端末3からの第1の画像の情報は、wifi通信を使用して表示装置2に送信することができる。wifi通信を使用することにより、ローカルな通信ネットワークを利用することができるため、情報セキュリティの観点で優れた表示システムを提供することが可能となる。
【0027】
また、携帯通信端末3から表示装置2への第1の画像の情報の送信手段は、wifi通信に限定されない。例えば、HDMI(登録商標)などの端子を介する有線通信でもよい。無線通信の規格も特に制限されず、例えば、ブルートゥース(登録商標)を介した通信や、SIMカード又はeSIMを介した携帯電話の電波通信でもよい。セキュリティや通信速度に優れるという観点からwifi通信を使用することが好ましい。
【0028】
[携帯通信端末]
携帯通信端末3は、タッチパネル31を備えるものであれば、特に限定されず、例えば、タブレット、スマートフォン、タッチパネルを有するパーソナルコンピュータ(PC)などが挙げられる。タッチパネルを備えることにより、簡単な操作で、画面の端に表示された事項を、画面の中央に移動したり、大きくしたりすることが可能となる。
【0029】
また、携帯通信端末3は、後述する第2の画像を制御する画像制御装置の管理システムなどの設定に利用してもよい。また、画像制御装置から第2の画像を受信して、第1の画像と第2の画像のいずれか又は両方を表示装置2に表示してもよい。
【0030】
〔第2の実施態様〕
図2は、本発明の第2の実施態様における表示システム1Bの構造を示す概略説明図である。
本実施態様における表示システム1Bは、
図2に示すように、表示装置2と、タッチパネル31を有する携帯通信端末3と、第2の画像を制御する画像制御装置4Aを備え、さらに、表示装置2は、第1の画像と第2の画像を切り替えて表示するものである。
【0031】
第2の実施態様における表示装置2は、wifi通信部21のほかに、携帯電話の電波を受信するSIM受信部22を備える。SIM受信部22とは、SIMカード又はeSIMを介して、広域ネットワークからの情報を受信するものであり、第2の実施態様の表示システム2Bでは、クラウドサーバからなる画像制御装置4Aから第2の画像の情報を受信する。
【0032】
また、第2の実施態様における表示装置2は、携帯通信端末3から受信した第1の画像と、クラウドサーバからなる画像制御装置4Aから受信した第2の画像を切り替えて表示するための切り替え部23を備える。
【0033】
ここで、第1の画像とは、携帯通信端末3のタッチパネル31で操作することができる画像であり、プレゼンテーションなどの情報伝達方法に利用するための画像である。例えば、作業現場の見取り図や、当日の作業工程表や、担当者ごとの作業内容など、細かな文字や図面などを含む画像が適している。
また、第2の画像とは、特段操作をすることなく、自動的に表示する画像である。例えば、遠くからでも視認できるような大きな文字や図面などを含む画像が適している。
【0034】
切り替え部23は、第1の画像と第2の画像の表示の状態を変更するものであれば、どのような形式でもよく、例えば、第2の画像を継続的に表示しつつ、情報伝達が必要な場合にのみ第1の画像に切り替える方法や、第1の画像に切り替えた際に、第1の画像の隅にワイプとして第2の画像も表示する方法などが挙げられる。また、第1の画像の操作を停止後、所定の時間で自動的に第2の画像に切り替えてもよい。
【0035】
[画像制御装置]
画像制御装置4Aは、第1の画像とは異なる第2の画像を制御するための装置であり、例えば、管理システムなどのアプリケーションを実行するクラウドサーバや、気温や湿度、騒音や振動などの作業現場の環境因子を検出する検出器、作業現場の状況を動画として記録するカメラなどが挙げられる。また、第1の画像を表示する携帯通信端末3とは別の携帯通信端末や、PCでもよい。
【0036】
第2の実施態様における表示システム1Bでは、画像制御装置4Aとしてクラウドサーバを備える。クラウドサーバが制御する第2の画像としては、例えば、資材搬入・楊重作業の管理システムや、施工管理システムなど、管理システムの画像を表示することができる。また、クラウドサーバは、PC41と通信することにより各種の管理システムの設定をすることができる。なお、クラウドサーバにおける各種の管理システムの設定は、どのような端末からでも設定することが可能であり、例えば、スマートフォン、タブレット、ノートPCのような携帯通信端末でもよく、また、第1の画像を表示する携帯通信端末3から設定してもよい。
【0037】
クラウドサーバから表示装置2への第2の画像の情報の送信手段は、例えば、光回線などのインターネット通信や、SIMカード又はeSIMを介した携帯電話の電波通信でもよい。また、光回線などのインターネット通信を使用して送信された情報を、無線LANルーターを介して、無線通信により表示装置2に送信してもよい。光回線などの通信網を設置する手間がなく、簡便に表示装置2を設置できるという観点から、SIMカード又はeSIMを介した携帯電話の電波通信を使用することが好ましい。さらには、SIMカード又はeSIMを介した携帯電話の電波通信を使用することにより、セキュリティSIMに対応可能な表示システムを提供することが可能となり、クラウドサーバなどの広域ネットワークを介して第2の画像の情報を得る場合でも、容易にセキュアな環境を構築することができる。
【0038】
〔第3の実施態様〕
図3は、本発明の第3の実施態様における表示システム1Cの構造を示す概略説明図である。
本実施態様における表示システム1Cは、画像制御装置4Bとして、クラウドサーバに代えて、各種の検出器を備えるものである。その他の構成については、第2の実施態様の表示システム1Bと同様である。
【0039】
各種の検出器は、例えば、気温や湿度、騒音や振動などの作業現場の環境因子が挙げられる。気温や湿度の情報を、第2の画像として表示装置2に表示することにより、猛暑による作業員の熱中症の危険などを未然に防ぐことができる。また、騒音や振動の情報を、第2の画像として表示装置2に表示することにより、作業員に対して近隣住民に対して配慮した作業などを促すことができる。
【0040】
〔第4の実施態様〕
図4は、本発明の第4の実施態様における表示システム1Dの構造を示す概略説明図である。
本実施態様における表示システム1Dは、画像制御装置として、クラウドサーバと各種の検出器を備えるものである。その他の構成については、第2の実施態様の表示システム1Bと同様である。
【0041】
第4の実施態様における表示システム1Dは、クラウドサーバからの管理システムなどの第2の画像情報と、警報、警告などの検出器からの第3の画像情報が送信されており、第1の画像が表示されていない場合には、第2の画像と第3の画像のいずれか又は両方を表示する。例えば、管理システムなどの第2の画像を継続的に表示しつつ、気温や湿度の値に応じて熱中症の危険を警告する第3の画像が表示されるなどの表示の切り替えが行われる。また、管理システムなどの第2の画像を継続的に表示しつつ、気温や湿度、騒音や振動などの検出器からの情報をワイプとして表示してもよい。なお、第1の画像情報以外の画像情報は、カメラにより撮影された作業現場の動画や、天気予報などのテレビ画面でもよく、必要に応じて適宜選択することができる。
【0042】
〔第5の実施態様〕
図5は、本発明の第5の実施態様における表示システム1Eの構造を示す概略説明図である。
本実施態様における表示システム1Eは、クラウドサーバである画像制御装置4Aの設定を、携帯通信端末3を用いて設定することができる表示システムである。その他の構成については、第4の実施態様の表示システム1Dと同様である。
【0043】
第5の実施態様の表示システム1Eによれば、携帯通信端末3からクラウドサーバの設定を変更することができるため、作業現場から適宜作業内容の書き換えや入力を行うことができる。
【0044】
〔第6の実施態様〕
図6は、本発明の第6の実施態様における表示システム1Fの構造を示す概略説明図である。
本実施態様における表示システム1Fは、携帯通信端末3からクラウドサーバの設定を変更し、かつ、クラウドサーバからの第2の画像情報を携帯通信端末3で受信する表示システムである。
【0045】
第6の実施態様の表示システム1Fによれば、携帯通信端末3により第1の画像と第2の画像の表示を切り替えるため、表示装置2の装置構成を簡素化することができる。
【0046】
〔情報伝達方法〕
本発明の情報伝達方法は、作業現場における情報伝達方法であって、本発明の表示システムを使用することを特徴とする。本発明の情報伝達方法によれば、本発明の表示システムを使用するため、作業現場に配置された表示装置に表示された事項などをタッチパネルの操作で簡単に変更することができる。よって、プレゼンテーションの内容によって、表示を変更し、作業員の理解度を向上することができる。
【0047】
また、本発明の情報伝達方法は、タッチパネルに表示された第1の画像をピンチアウトすることを特徴とする。ピンチアウトは、タッチパネルの操作の一種であり、例えば、2本の指を広げることにより画面を拡大する操作のことである。
この情報伝達方法によれば、タッチパネルの簡便な操作により小さく表示された事項を大きく表示することが可能となり、画面の遠方の作業員にも鮮明に視認させることができる。
【0048】
また、本発明の情報伝達方法は、タッチパネルに表示された第1の画像をドラッグすることを特徴とする。ドラッグは、タッチパネルの操作の一種であり、例えば、画面を押したままの状態で、指をスライドさせることにより画面の位置を移動する操作のことである。
この情報伝達方法によれば、タッチパネルの簡便な操作により画面の端に表示された事項を画面の中央に移動することが可能であり、すべての作業員から見やすい位置に画像を表示することができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の表示システムは、土木工事、解体工事、改修工事、鉄骨工事、足場工事、内装工事、道路工事、イベント会場設営工事、駅工事など、各種の工事を行う作業現場における表示システムに利用することができる。
また、本発明の情報伝達方法は、作業現場における安全確認や指示内容や作業の段取りなどの情報を周知させるために好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0050】
1A,1B,1C,1D,1E,1F 表示システム、2 表示装置、21 wifi通信部、22 SIM通信部、23 切り替え部、3 携帯通信端末、31 タッチパネル、4A,4B 画像制御装置、41 PC