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特許7450958節約された炭素排出量に関連する炭素クレジットを計算する方法およびポータブル電子装置
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  • 特許-節約された炭素排出量に関連する炭素クレジットを計算する方法およびポータブル電子装置 図1
  • 特許-節約された炭素排出量に関連する炭素クレジットを計算する方法およびポータブル電子装置 図2
  • 特許-節約された炭素排出量に関連する炭素クレジットを計算する方法およびポータブル電子装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】節約された炭素排出量に関連する炭素クレジットを計算する方法およびポータブル電子装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240311BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 6
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022067583
(22)【出願日】2022-04-15
(65)【公開番号】P2022164637
(43)【公開日】2022-10-27
【審査請求日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】110113694
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】506187511
【氏名又は名称】國立中興大學
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】リン コアン チュイ
(72)【発明者】
【氏名】スー チュン ウェイ
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-038234(JP,A)
【文献】特開2009-199351(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0284600(US,A1)
【文献】国際公開第2010/021059(WO,A1)
【文献】特開2012-083882(JP,A)
【文献】特開2005-196583(JP,A)
【文献】特開2012-014215(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0292921(US,A1)
【文献】特開2006-058942(JP,A)
【文献】特開2010-061698(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0172017(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用したルートの各ラウンドで節約された炭素排出量に関連する炭素クレジットを計算する方法であって、
前記ルートは、
複数のノードと、
隣接する2つの前記ノードの間にそれぞれある複数のセグメントと、を含み、
節約された炭素排出量に関連する炭素クレジットを計算する方法は、ユーザが移動時に携帯してユーザに運ばれてユーザとともに移動するポータブル電子装置により実行されるものであって、
前記節約された炭素排出量に関連する炭素クレジットを計算する方法は、
単回炭素排出量を計算するステップと、
炭素排出平均量を計算するステップと、
単回排出比較量を計算するステップと、
累積比較炭素クレジットをアップデートするステップと、
炭素排出平均量をアップデートするステップと、
セグメント基準排出量を計算するステップと、
セグメント排出差分量を計算するステップと、
累積差分炭素クレジットをアップデートするステップと、を備えるものであり、
前記ポータブル電子装置は、
ディスプレーと、
衛星航法モジュールと、
記憶媒体と、
前記ディスプレーと前記衛星航法モジュールと前記記憶媒体とに電気的に接続されるプロセッサと、を備え、
前記記憶媒体、移動手段の異なるタイプにそれぞれ対応する複数の所定の炭素排出係数が記憶されており、
前記単回炭素排出量を計算するステップは、
記セグメントを通り抜けるときにユーザが使する移動手段のタイプの情報が入力インターフェースを介して当該ポータブル電子装置に入力されて、当該ポータブル電子装置が前記移動手段のタイプの情報を受け付けて取し、
前記ポータブル電子装置が前記セグメントを移するとき、前記衛星航法モジュールは、当該ポータブル電子装置が前記セグメントを通り抜ける間の連続する時間インスタンスにおいて前記ポータブル電子装置の位置を判断し、前記プロセッサは、前記衛星航法モジュールによって判断された前記位置に基づいて移動の距離を計算し、
前記プロセッサは、前記距離に前記移動手段のタイプに対応する所定の炭素排出係数を乗じた積であるセグメント炭素排出量を計算し、セグメントごとの計算されたセグメント炭素排出量は前記記憶媒体に記憶し、
さらに、前記プロセッサは、前記ポータブル電子装置が最後の1つの前記ノードに移動した後、前記ルートにおけるすべての前記セグメントの前記セグメント炭素排出量を合算することにより、前記ルートを利用したこのラウンドの単回炭素排出量を計算し、ラウンドごとの計算された単回炭素排出量を前記記憶媒体に記憶していき、
前記炭素排出平均量を計算するステップは、
前記プロセッサが、前記ルートについて過去に計算された複数の過去の単回炭素排出量の平均値を炭素排出平均量として算出し、
前記単回排出比較量を計算するステップは、
前記プロセッサが、前記炭素排出平均量からこのラウンドの前記単回炭素排出量を減算した値に基づいて、単回排出比較量を計算し、
前記累積比較炭素クレジットをアップデートするステップは、
前記プロセッサが、前記単回排出比較量を前記記憶媒体に記憶されている累積比較炭素クレジットに加算し、前記累積比較炭素クレジットをアップデートし、
前記炭素排出平均量をアップデートするステップは、
前記プロセッサが、このラウンドの前記単回炭素排出量と前記ルートについての複数の過去の前記単回炭素排出量とを平均し、前記炭素排出平均量をアップデートし、
前記セグメント基準排出量を計算するステップは、
前記プロセッサが、前記セグメントにおいて用いられ得る移動手段の異なるタイプにそれぞれ対応する複数の所定の炭素排出係数のうち最も小さいものを最小の炭素排出係数として、前記距離に前記最小の炭素排出係数を乗じた積であるセグメント基準排出量を計算し、
前記セグメント排出差分量を計算するステップは、
前記ポータブル電子装置が前記最後の1つの前記ノードに移動した後、前記プロセッサが、前記セグメントのそれぞれに対して、前記セグメント基準排出量から前記セグメント炭素排出量を減算して、セグメント排出差分量を計算し、
前記累積差分炭素クレジットをアップデートするステップは、
前記プロセッサが、前記セグメント排出差分量を前記記憶媒体に記憶された累積差分炭素クレジットに加算して、前記累積差分炭素クレジットをアップデートする
ことを特徴とする節約された炭素排出量に関連する炭素クレジットを計算する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の節約された炭素排出量に関連する炭素クレジットを計算する方法において、
前記単回排出比較量を計算するステップは、
前記炭素排出平均量が前記単回炭素排出量より大きい場合は、前記炭素排出平均量から前記単回炭素排出量を減算して前記単回排出比較量を計算し、
前記炭素排出平均量が前記単回炭素排出量以下である場合は、前記単回排出比較量にゼロを割り当てる
ことを特徴とする節約された炭素排出量に関連する炭素クレジットを計算する方法。
【請求項3】
請求項1に記載の節約された炭素排出量に関連する炭素クレジットを計算する方法において、
前記累積差分炭素クレジットをアップデートするステップは、
前記プロセッサが、前記セグメント排出差分量のうちの正のものを、前記記憶媒体に記憶された累積差分炭素クレジットに加算して、前記累積差分炭素クレジットをアップデートする
ことを特徴とする節約された炭素排出量に関連する炭素クレジットを計算する方法。
【請求項4】
請求項1に記載の節約された炭素排出量に関連する炭素クレジットを計算する方法において、
前記炭素排出係数のそれぞれは、異なる速度にそれぞれ対応する複数の値を含み、
前記セグメント炭素排出量を計算することは、
前記プロセッサが、前記衛星航法モジュールによって判断された前記位置に基づいて、前記ポータブル電子装置が前記セグメントを通り抜ける際の平均速度を計算することと、
前記プロセッサが、前記距離に前記移動手段のタイプに対応する前記所定の炭素排出係数の目標値を乗じて、前記セグメント炭素排出量を得ることであって、前記目標値は、前記ポータブル電子装置の前記平均速度に対応する前記所定の炭素排出係数の前記複数の値の1つであることと、を含む
ことを特徴とする節約された炭素排出量に関連する炭素クレジットを計算する方法。
【請求項5】
請求項1に記載の節約された炭素排出量に関連する炭素クレジットを計算する方法において、
前記セグメント基準排出量を計算するステップにおいて、
前記最小の炭素排出係数は、徒歩という移動手段のタイプに対応する炭素排出係数を除いた所定の炭素排出係数のうちの最も小さいものとする
ことを特徴とする節約された炭素排出量に関連する炭素クレジットを計算する方法。
【請求項6】
ディスプレーと、
衛星航法モジュールと、
記憶媒体と、
前記ディスプレーと前記衛星航法モジュールと前記記憶媒体とに電気的に接続されるプロセッサと、を備え、
前記記憶媒体、移動手段の異なるタイプにそれぞれ対応する複数の所定の炭素排出係数が記憶されており、
ユーザが移動時に携帯してユーザに運ばれてユーザとともに移動して、ユーザが利用したルートの各ラウンドで節約された炭素排出量に関連する炭素クレジットを計算するポータブル電子装置であって、
前記ルートは、
複数のノードと、
隣接する2つの前記ノードの間にそれぞれある複数のセグメントと、を含み、
当該ポータブル電子装置は、
単回炭素排出量を計算するステップと、
炭素排出平均量を計算するステップと、
単回排出比較量を計算するステップと、
累積比較炭素クレジットをアップデートするステップと、
炭素排出平均量をアップデートするステップと、
セグメント基準排出量を計算するステップと、
セグメント排出差分量を計算するステップと、
累積差分炭素クレジットをアップデートするステップと、を実行し、
前記単回炭素排出量を計算するステップは、
記セグメントを通り抜けるときにユーザが使する移動手段のタイプの情報が入力インターフェースを介して当該ポータブル電子装置に入力されて、当該ポータブル電子装置が前記移動手段のタイプの情報を受け付けて取し、
前記ポータブル電子装置が前記セグメントを移するとき、前記衛星航法モジュールは、当該ポータブル電子装置が前記セグメントを通り抜ける間の連続する時間インスタンスにおいて前記ポータブル電子装置の位置を判断し、前記プロセッサは、前記衛星航法モジュールによって判断された前記位置に基づいて移動の距離を計算し、
前記プロセッサは、前記距離に前記移動手段のタイプに対応する所定の炭素排出係数を乗じた積であるセグメント炭素排出量を計算し、セグメントごとの計算されたセグメント炭素排出量は前記記憶媒体に記憶し、
さらに、前記プロセッサは、前記ポータブル電子装置が最後の1つの前記ノードに移動した後、前記ルートにおけるすべての前記セグメントの前記セグメント炭素排出量を合算することにより、前記ルートを利用したこのラウンドの単回炭素排出量を計算し、ラウンドごとの計算された単回炭素排出量を前記記憶媒体に記憶していき、
前記炭素排出平均量を計算するステップは、
前記プロセッサが、前記ルートについて過去に計算された複数の過去の単回炭素排出量の平均値を炭素排出平均量として算出し、
前記単回排出比較量を計算するステップは、
前記プロセッサが、前記炭素排出平均量からこのラウンドの前記単回炭素排出量を減算した値に基づいて、単回排出比較量を計算し、
前記累積比較炭素クレジットをアップデートするステップは、
前記プロセッサが、前記単回排出比較量を前記記憶媒体に記憶されている累積比較炭素クレジットに加算し、前記累積比較炭素クレジットをアップデートし、
前記炭素排出平均量をアップデートするステップは、
前記プロセッサが、このラウンドの前記単回炭素排出量と前記ルートについての複数の過去の前記単回炭素排出量とを平均し、前記炭素排出平均量をアップデートし、
前記セグメント基準排出量を計算するステップは、
前記プロセッサが、前記セグメントにおいて用いられ得る移動手段の異なるタイプにそれぞれ対応する複数の所定の炭素排出係数のうち最も小さいものを最小の炭素排出係数として、前記距離に前記最小の炭素排出係数を乗じた積であるセグメント基準排出量を計算し、
前記セグメント排出差分量を計算するステップは、
前記ポータブル電子装置が前記最後の1つの前記ノードに移動した後、前記プロセッサが、前記セグメントのそれぞれに対して、前記セグメント基準排出量から前記セグメント炭素排出量を減算して、セグメント排出差分量を計算し、
前記累積差分炭素クレジットをアップデートするステップは、
前記プロセッサが、前記セグメント排出差分量を前記記憶媒体に記憶された累積差分炭素クレジットに加算して、前記累積差分炭素クレジットをアップデートする
ことを特徴とする節約された炭素排出量に関連する炭素クレジットを計算するポータブル電子装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、炭素排出量の統計管理に関連し、特に、炭素クレジットを計算する方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化を抑えるため、多くの国々は、世界中の温室効果ガスの総排出量を制限するためのいくつかの重要な条約(京都議定書、パリ協定など)に署名し、温室効果ガスが地球の平均気温の上昇に与える影響を低減しようとしている。一部の国において、温室効果ガスの排出において二酸化炭素は最多である。
【0003】
先進国にとって既存の炭素排出量を削減するコストと難しさは非常に高いため、国際連合は炭素排出量取引制度を承認し、二酸化炭素を排出する権利(炭素クレジットとも呼ばれる)を商品として取引する。これによって、企業や国は、他の企業や国から炭素クレジットを購入し、温室効果ガスの排出削減量を得る。
【0004】
従来の炭素クレジットを計算するアプローチは、1年目に炭素排出量統計方法を提出して承認を受け、2年目に1年間の炭素排出データを収集し、2年目の炭素排出データに基づいて炭素排出量ベースラインが検証された後、3年目に1年間の炭素排出データを収集し、3年目の炭素排出データと炭素排出量ベースラインと比較して炭素クレジットを得る。3年目の炭素排出量が炭素排出量ベースラインより小さい場合にのみ、炭素クレジットは正の値となる。
【0005】
従って、従来のアプローチは時間とコストがかかる。通常、このようなアプローチを実行する予算と能力を持つのは、大企業だけである。
【0006】
国際交通フォーラム2010によると、交通機関の炭素排出量は発電に次いで多く、総排出量の24%を占めている。しかしながら、一般の人が毎日の通勤通学について炭素クレジットを計算する従来のアプローチを実行することは困難である。さらに、転職や転校や引っ越しによって通勤通学ルートが変更される可能性があり、3年連続で同じ通勤通学ルートを維持することは容易ではないため、炭素クレジットは効果的に利用されない可能性がある。
【0007】
特許文献1は、炭素クレジットの形成及び取引方法とそのシステムとを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】中国特許出願公開第104766237号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本開示の目的は、炭素排出量のベースラインを確立するのにかかる時間を短縮することができ、且つ、従来技術の欠点を少なくとも1つ軽減することができる炭素クレジットを計算する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
炭素クレジットは、利用したルートの各ラウンドで節約された炭素排出量に関連する。ルートは、複数のノードと、隣接する2つのノードの間にそれぞれある複数のセグメントと、を含む。該方法はポータブル電子装置により実行され、
ポータブル電子装置がルートに沿って移動している際に、セグメントのそれぞれに対して、セグメント炭素排出量計算手順を実行するステップであって、セグメント炭素排出量計算手順は、
ポータブル電子装置を運んでセグメントを通り抜けるように使用される移動手段のタイプを得ることと、
ポータブル電子装置がセグメントを通り抜けるように移動した距離を判断することと、
距離に移動手段のタイプに対応する所定の炭素排出係数を乗じた積であるセグメント炭素排出量を計算することと、を含む、ステップと、
ポータブル電子装置が最後の1つのノードに移動した後、ルートにおけるすべてのセグメントのセグメント炭素排出量を合算することにより、ルートを利用したこのラウンドの単回炭素排出量を計算するステップと、
単回炭素排出量と炭素排出平均量とに基づいて、単回排出比較量を計算するステップであって、炭素排出平均量はルートについて過去に計算された複数の過去の単回炭素排出量の平均である、ステップと、
単回排出比較量を予め決められた累積比較炭素クレジットに加算し、累積比較炭素クレジットをアップデートするステップと、
アップデートされた累積比較炭素クレジットを出力するステップと、
単回炭素排出量と複数の過去の単回炭素排出量とを平均し、炭素排出平均量をアップデートするステップと、を含む。
【0011】
本開示の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照する以下の実施形態の詳細な説明において明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の一実施形態に係るポータブル電子装置が示されているブロック図である。
図2図2は、本開示の一実施形態に係る炭素クレジットを計算する方法が示されているフローチャートである。
図3図3は、本開示の一実施形態に係る同じルートに沿って移動する3つの通勤手段の炭素排出量の一例が示されている模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照し、本開示の一実施形態に係るポータブル電子装置1は、炭素クレジットを計算するように用いられる。ポータブル電子装置1は、ディスプレイ11と、衛星航法モジュール12と、記憶媒体13と、ディスプレイ11と衛星航法モジュール12と記憶媒体13とに電気的に接続するプロセッサ14と、を含む。いくつかの実施形態において、ポータブル電子装置1は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートウェアラブルデバイス(例えば、スマートウオッチ)などの1つであってもよく、ディスプレイ11は、液晶ディスプレイ(LCD)、LEDディスプレイ、又はOLEDディスプレイであってもよく、衛星航法モジュール12は、例えば、全地球測位システム(GPS)、ロシアの衛星測位システム(GLONASS)、北斗衛星測位システム、ガリレオ測位システムなどの全地球的航法衛星システム(GNSS)に対応する回路チップまたは電子モジュールであってもよく、記憶媒体13は、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SDD)、フラッシュメモリ、またはメモリカードであってもよく、プロセッサ14は、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、特定用途向け命令セットプロセッサ(ASIP)、またはデジタル信号プロセッサであってもよい。なお、ポータブル電子装置1と衛星航法モジュール12と記憶媒体13とプロセッサ14とは、前述の例に限定されず、本開示で紹介される動作を実行することができる他のデバイス、モジュール、チップ、または回路によって実行されることができる。
【0014】
衛星航法モジュール12は、連続する時間インスタンスにおいてポータブル電子装置1がどこに位置するかを判断することによって、ポータブル電子装置1の複数の位置を得る。
【0015】
記憶媒体13は、移動手段の異なるタイプにそれぞれ対応する複数の所定の炭素排出係数と、炭素排出平均量と、炭素排出平均量に対応する複数の過去の単回炭素排出量と、累積比較炭素クレジットと、累積差分炭素クレジットと、を記憶する。炭素排出平均量は、ルートについて過去に計算された複数の過去の単回炭素排出量の平均である。
【0016】
図2を参照すると、本開示の一実施形態に係る炭素クレジットを計算する方法が示されている。該方法は、例えば、図1に示されているポータブル電子装置1によって実行されてもよいが、これに限定されない。炭素クレジットは、利用したルートの各ラウンドで節約された炭素排出量に関連する。ルートは、複数のノードと、隣接する2つのノードの間にそれぞれある複数のセグメントと、を含む。該方法は、以下のステップS1からステップS7を含む。
【0017】
ステップS1において、ポータブル電子装置1は、ユーザに運ばれてルートに沿って移動する。
【0018】
ステップS2において、ポータブル電子装置1がルートに沿って移動している際に、ポータブル電子装置1は、ルートのセグメントのそれぞれに対して、セグメント炭素排出量計算手順を実行する。セグメント炭素排出量計算手順は、サブステップS21からサブステップS24を含む。
【0019】
サブステップS21において、プロセッサ14は、ユーザがポータブル電子装置1を運んでセグメントを通り抜けるように使用される移動手段のタイプを得る。例えば、セグメントを通り抜けるように、ユーザは、バスを利用する、乗用車(以下、自動車と称する)を運転する、オートバイに乗る、または自転車に乗る場合に、移動手段のタイプはバス、自動車、オートバイ、または自転車となる。いくつかの実施形態において、ユーザは、徒歩でセグメントを通り抜けてもよい。そのような場合には、移動手段のタイプは徒歩である。いくつかの実施形態において、プロセッサ14は、ユーザ入力に従って移動手段のタイプを得る。例えば、ユーザは、ドロップダウンメニューからセグメントを通り抜ける移動手段のタイプを示す選択肢を選択してもよい。いくつかの実施形態において、ポータブル電子装置1は、ユーザ入力を受け取る入力インタフェース(図示せず)を含み、入力インタフェースは、例えば、キーボード、タッチパネル、または入力インタフェースとディスプレイ11とを同時に実現するタッチスクリーンである。
【0020】
サブステップS22において、プロセッサ14は、セグメントを通り抜けるポータブル電子装置1の移動距離(セグメントの開始ノードからセグメントの終了ノードまで通過するようにポータブル電子装置が移動した距離)を判断する。具体的には、プロセッサ14は、ポータブル電子装置1がセグメントを通り抜ける間に衛星航法モジュール12によって判断された位置に基づいて、移動距離を計算する。
【0021】
サブステップS23において、プロセッサ14は、サブステップS22で判断された移動距離にサブステップS21で得た移動手段のタイプに対応する所定の炭素排出係数の1つを乗じた積であるセグメント炭素排出量を計算する。プロセッサ14は、計算されたセグメント炭素排出量を記憶媒体13に記憶する。
【0022】
サブステップS24において、プロセッサ14は、サブステップS22で判断された移動距離に所定の炭素排出係数のうち最も小さいものである最小の炭素排出係数を乗じた積であるセグメント基準排出量を計算する。いくつかの実施形態において、最小の炭素排出係数は、徒歩という移動手段のタイプに対応する炭素排出係数を除いた所定の炭素排出係数のうちの最も小さいものである。いくつかの実施形態において、セグメントについて用いられ得る移動手段に関する情報は、ユーザ入力を介してプロセッサ14に提供されてもよい。この場合、ユーザは、メニューから、ユーザがセグメントを通り抜けるために利用可能な用いられ得る移動手段のタイプを示す選択肢を選択してもよい。
【0023】
例えば、セグメントのそれぞれに対して、セグメントが、バスルート、電車ルート、または高速鉄道ルートに一致する(すなわち、セグメントの両端にあるノートが公共輸送ルートの2つの停留所に対応する)場合に、バス、電車、または高速鉄道の炭素排出量のうち最も小さいものは、セグメント基準排出量を計算する根拠として使用される。セグメントが、バスルート、電車ルート、または高速鉄道ルートのいずれとも一致しない場合には、オートバイの炭素排出量が、セグメント基準排出量を計算する根拠として使用される。
【0024】
ステップS3において、ポータブル電子装置1が最後の1つのノードに移動した後、プロセッサ14は、ルートにおけるすべてのセグメントのセグメント炭素排出量を合算することにより、同ルートを利用したこのラウンドの単回炭素排出量を計算する。そして、プロセッサ14は、同ルートを利用する次のラウンドのための追加の過去の単回炭素排出量として使用されるように、このラウンドの単回炭素排出量を記憶媒体13に記憶する。いくつかの実施形態において、プロセッサ14は、衛星航法モジュール12によって判断された位置に基づいて(すなわち、ポータブル電子装置1の現在位置がルートの所定の目的地に一致するかどうかに基づいて)、ポータブル電子装置1が最後の1つのノードに移動したかどうかを判断する。他の実施形態において、プロセッサ14は、ユーザ入力に従って、例えば、ポータブル電子装置1の特定の物理ボタンまたは仮想ボタンが操作されたかどうかに基づいて、ポータブル電子装置1が最後の1つのノードに移動したかどうかを判断してもよい。
【0025】
ステップS4において、プロセッサ14は、ステップS3で計算された単回炭素排出量と記憶媒体13に記憶されている炭素排出平均量とに基づいて、単回排出比較量を計算する。そして、プロセッサ14は、計算された単回排出比較量を、予め決められ且つ記憶媒体13に記憶されている累積比較炭素クレジットに加算し、累積比較炭素クレジットをアップデートする。いくつかの実施形態において、ユーザが初めてルートを利用する前に、記憶媒体13に記憶されている累積比較炭素クレジットはゼロに等しい。ポータブル電子装置1は、アップデートされた累積比較炭素クレジットを出力する。具体的には、プロセッサ14は、ディスプレイ11を制御してアップデートされた累積比較炭素クレジットを表示する。
【0026】
いくつかの実施形態において、単回排出比較量は以下のように計算される。即ち、炭素排出平均量が単回炭素排出量より大きい場合には、プロセッサ14が炭素排出平均量から単回炭素排出量を減算することによって単回排出比較量を得て、炭素排出平均量が単回炭素排出量以下である場合には、プロセッサ14が単回排出比較量にゼロを割り当てる。しかしながら、他の実施形態において、プロセッサ14は、炭素排出平均量から単回炭素排出量を直接に減算することによって単回排出比較量を得てもよく、すなわち、単回排出比較量は負の値であり得る。
【0027】
ステップS5において、プロセッサ14は、単回炭素排出量と、炭素排出平均量に対応し且つルートについて過去に計算された過去の単回炭素排出量と、を平均し、炭素排出平均量をアップデートする。具体的には、プロセッサ14は、単回炭素排出量と過去の単回炭素排出量とを平均して平均値を得て、平均値を炭素排出平均量として記憶媒体13に記憶し、炭素排出平均量をアップデートする。
【0028】
ステップS6において、ポータブル電子装置1が最後の1つのノードに移動した後、セグメントのそれぞれに対して、プロセッサ14は、サブステップS24で計算されたセグメント基準排出量からサブステップS23で計算されたセグメント炭素排出量を減算し、セグメント排出差分量を得る。
【0029】
ステップS7において、プロセッサ14は、セグメントのセグメント排出差分量のうち正のものを、予め決められ且つ記憶媒体13に記憶されている累積差分炭素クレジットに加算し、累積差分炭素クレジットをアップデートする。いくつかの実施形態において、ユーザが初めてルートを利用する前に、記憶媒体13に記憶されている累積差分炭素クレジットはゼロに等しい。セグメント排出差分量のうち正のものは、セグメント排出差分量のうち正の値を有するものである。具体的には、プロセッサ14は、セグメントのセグメント排出差分量のうち正のものを、記憶媒体13に記憶されている累積差分炭素クレジットに加算して和を得て、和を累積差分炭素クレジットとして記憶媒体13に記憶し、累積差分炭素クレジットをアップデートする。ポータブル電子装置1は、アップデートされた累積差分炭素クレジットを出力する。具体的には、プロセッサ14は、ディスプレイ11を制御してアップデートされた累積差分炭素クレジットを表示する。
【0030】
なお、ステップS4で計算された累積比較炭素クレジットとステップS7で計算された累積差分炭素クレジットとは異なる方法を用いて計算された炭素クレジットであり、ユーザは、この2種類の炭素クレジットから後続の炭素排出取引に最も有益な1つを選択することができる。従って、いくつかの実施形態において、累積比較炭素クレジット及び累積差分炭素クレジットの1つのユーザ選択(以下、選択された炭素クレジット)を受信すると、ポータブル電子装置1は、選択された炭素クレジットを、ポータブル電子装置1と通信するサーバ(図示せず)に送信し、サーバは選択された炭素クレジットを用いて炭素排出取引を行うことができる。
【0031】
以下の表1から表4及び図3を参照し、本開示の一実施形態に係る炭素クレジットを計算する方法を説明するために、全長6キロメートルのルートを例として取り上げる。この場合、ルートは通勤ルートである。通勤ルートは通常、高度の反復性と不変性とを有するため、炭素クレジットの計算及び認証に通勤ルートを使用することは実用的で意義がある。ルートは、3つのセグメントを含み、3つのセグメントはそれぞれ、1.5キロメートル(すなわち、ルートの0キロメートルから1.5キロメートルまで)、3キロメートル(すなわち、ルートの1.5キロメートルから4.5キロメートルまで)、及び1.5キロメートル(すなわち、ルートの4.5キロメートルから6キロメートルまで)の距離を有する。
【0032】
第1の通勤手段において、3つのセグメントで使用される移動手段はそれぞれ、徒歩、自転車、及び自転車である。従って、このルートを利用するこのラウンドの単回炭素排出量は0キログラムである。
【0033】
第2の通勤手段において、3つのセグメントで使用される移動手段はそれぞれ、自動車、自転車、及び自転車である。従って、このルートを利用するこのラウンドの単回炭素排出量は0.297キログラムである。
【0034】
第3の通勤手段において、3つのセグメントで使用される移動手段はすべて自動車である。従って、このルートを利用するこのラウンドの単回炭素排出量は1.19キログラムである。
【0035】
3つのセグメントそれぞれのセグメント基準排出量を計算する際、例として、0キロメートルから1.5キロメートルの間にあるセグメント及び4.5キロメートルから6キロメートルの間にあるセグメントは、バスルート、電車ルート、又は高速鉄道ルートに一致しないが、1.5キロメートルから4.5キロメートルの間にあるセグメントはバスルートに一致すると想定される。従って、0キロメートルから1.5キロメートルの間にあるセグメントと、1.5キロメートルから4.5キロメートルの間にあるセグメントと、4.5キロメートから6キロメートルの間にあるセグメントとについて、オートバイ、バス、及びオートバイの炭素排出量がそれぞれ、セグメント基準排出量を計算する根拠として使用される。いくつかの実施形態において、1.5キロメートルから4.5キロメートルの間にあるセグメントのセグメント基準排出量は、バスの炭素排出量をバスの平均乗客数(例えば、20)で割ることによって計算される。3つのセグメントのセグメント基準排出量の合計は、0.37キログラムである。
【0036】
【表1】
【0037】
なお、いくつかの実施形態において、徒歩という移動手段のタイプの所定の炭素排出係数以外に、他の異なるタイプの用いられ得る移動手段にそれぞれ対応する所定の炭素排出係数は、ガソリン燃料車に関連する炭素排出係数である。しかしながら、他の実施形態において、それらは電動車に関連する炭素排出係数であってもよく、自動車に関連する炭素排出係数は、政府によって発表された電動車の炭素排出係数に従って計算されてもよく、または1キロメートルあたりの電動車によって消費される電力及び政府によって発表された電力消費量の炭素排出係数に基づいて代わりに計算されてもよい。
【0038】
表2を参照すると、最初の4日間は第3の通勤手段を採用し、5日目は第1の通勤手段を採用した5日間の通勤ルーチンが、説明のために例として取り上げられる。5日目で得た累積比較炭素クレジットは1.19であるが、5日目で得た累積差分炭素クレジットはわずか0.37である。これは、最初の4日間は炭素排出量が比較的に多い手段(すなわち、第3の通勤手段)を選択したため、最初の4日間の炭素排出平均量と比較して5日目の炭素排出量の削減量が著しく高くなったからである。節約された炭素排出量として0.37の累積差分炭素クレジットのみを使用すると、実際の節約された炭素排出量は過小評価されることになる。従って、この場合、1.19の累積比較炭素クレジットが、実際の節約された炭素排出量をより代表するものになる。このようにして、ユーザは、より高い累積比較炭素クレジットを得るために、自分の習慣的な通勤手段をより低い炭素排出量を有する通勤手段に変更するように動機付けられる可能性がある。
【0039】
【表2】
【0040】
表3を参照すると、5日間すべてで第1の通勤手段を採用した5日間の通勤ルーチンが、説明のために例として取り上げられる。各日の単回炭素排出量はゼロであるため、各日で得た累積比較炭素クレジットもゼロである。しかしながら、各セグメント基準排出量より低い炭素排出量を有する通勤手段が選択されたため、この場合、5日目で得た1.85の累積差分炭素クレジットは、実際の節約された炭素排出量をより代表するものである。このようにして、ユーザは、より高い累積差分炭素クレジットを得るために、炭素排出量がセグメント基準排出量より低い通勤手段を採用する長期的な習慣を身につけるように動機付けられる可能性がある。
【0041】
【表3】
【0042】
表4を参照すると、1日目から5日目でそれぞれ、第2の通勤手段、第2の通勤手段、第1の通勤手段、第3の通勤手段、及び第2の通勤手段を採用した5日間の通勤ルーチンが、説明のために例として取り上げられる。2日目について、1日目及び2日目は同じ通勤手段を採用したため、2日目の単回炭素排出量はアップデートされる前の炭素排出平均量(すなわち、1日目の単回炭素排出量)と同じであり、従って、2日目の累積比較炭素クレジットはゼロである。その一方、1日目及び2日目のセグメント排出差分量の一部は正の値を有する(すなわち、セグメント炭素排出量の一部は対応するセグメント基準排出量より低い)ため、2日目の累積差分炭素クレジットは0.478に達する。
【0043】
4日目について、4日目に採用した第3の通勤手段は他の日に比べてより高い単回炭素排出量を有するため、更新される前の炭素排出平均量(0.198)は4日目の単回炭素排出量(1.19)より低い。従って、4日目の単回排出比較量はゼロであり、4日目の累積比較炭素クレジットは3日目と同じ数値(0.297)に保たれる。その一方、4日目のセグメント排出差分量のすべては負の値を有するため、4日目の累積差分炭素クレジットは3日目のものと同一である。
【0044】
ユーザは、より高い累積比較炭素クレジット及び累積差分炭素クレジットを得るために、ルート内の各セグメントの距離及びセグメントを通り抜けるのにかかる時間を考慮した後、より低い炭素排出量を有する車両を選択するように動機付けられる可能性がある。
【0045】
【表4】
【0046】
従って、本開示の炭素クレジットを計算する方法は、少なくとも以下の利点を有する。
1.ユーザは、ポータブル電子装置1を用いて、ルートを利用した各ラウンドの単回炭素排出量を計算し、次のラウンドの単回炭素排出量を計算するための根拠となる炭素排出平均量をアップデートするため、炭素排出量ベースラインを確立するのに何年もかからないため、炭素排出量ベースラインを確立するのにかかる時間を効果的に短縮することができる。
2.炭素排出量ベースラインを確立するのにかかる時間を短縮することによって、ユーザは毎日の通勤から炭素クレジットを容易に累積することができ、従って、炭素クレジットを効果的に使用することができる。
3.炭素排出量の少ない通勤手段をよく選択するユーザに対して、この方法は、セグメント基準排出量に基づいて累積差分炭素クレジットも計算するため、炭素クレジットの過小評価を防ぐ。
4.ルートは高度の反復性と不変性とを有する通勤ルートであり得るため、炭素クレジットの計算及び認証にとっては実用的で意義がある選択肢である。
【0047】
なお、他の実施形態において、移動手段の異なるタイプにそれぞれ対応し且つ記憶媒体13に記憶されている複数の所定の炭素排出係数はそれぞれ、異なる速度にそれぞれ対応する複数の値を含む。サブステップS23において、プロセッサ14は、ポータブル電子装置1がセグメントを通り抜ける間に衛星航法モジュール12によって判断された位置に基づいて、セグメントを通り抜ける際のポータブル電子装置1の平均速度を計算し、サブステップS22で判断された移動距離に、サブステップS21で得た移動手段のタイプに対応する所定の炭素排出係数の目標値をかけて、セグメント炭素排出量を得る。ここで、目標値は、ポータブル電子装置1の平均速度に対応する複数の値の1つである。
【0048】
いくつかの実施形態において、車両状態、道路種別(例えば、地方道路、高速道路)、及び道路または交通状況(例えば、交通渋滞)を、所定の炭素排出係数の調整パラメータとして使用することも可能である。
【0049】
要約すると、本開示に係る炭素クレジットを計算する方法は、ポータブル電子装置1を使用し、ルートを利用した各ラウンドの単回炭素排出量を計算し、将来の炭素クレジット計算の計算根拠となる炭素排出平均量をアップデートする。従って、炭素排出量ベースラインを確立するのにかかる時間を効果的に短縮することができる。さらに、通常低炭素排出量の通勤手段を採用するユーザに対して、該方法は、累積差分炭素クレジットを計算する根拠としてセグメント基準排出量を使用することができるため、炭素クレジットの過小評価を防ぐ。
【0050】
上記の説明では、説明の目的のために、実施形態の完全な理解を提供するために多数の特定の詳細が述べられた。しかしながら、当業者であれば、一又はそれ以上の他の実施形態が具体的な詳細を示さなくとも実施され得ることが明らかである。また、本明細書における「一実施形態」「一つの実施形態」を示す説明において、序数などの表示を伴う説明は全て、特定の態様、構造、特徴を有する本開示の具体的な実施に含まれ得るものであることと理解されたい。更に、本明細書において、時には複数の変化例が一つの実施形態、図面、又はこれらの説明に組み込まれているが、これは本明細書を合理化させるためのもので、本開示の多面性が理解されることを目的としたものであり、また、一実施形態における一又はそれ以上の特徴あるいは特定の具体例は、適切な場合には、本開示の実施において、他の実施形態における一またはそれ以上の特徴あるいは特定の具体例と共に実施され得る。
【0051】
以上、本開示の実施形態および変化例を説明したが、本開示はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【符号の説明】
【0052】
1 ポータブル電子装置
11 ディスプレー
12 衛星航法モジュール
13 記憶媒体
14 プロセッサ
図1
図2
図3