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特許7450966摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法及び装置
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  • 特許-摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法及び装置 図1
  • 特許-摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法及び装置 図2
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  • 特許-摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法及び装置 図4
  • 特許-摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法及び装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 17/00 20060101AFI20240311BHJP
   A01G 7/00 20060101ALI20240311BHJP
   A01D 46/04 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
A01G17/00
A01G7/00 601A
A01D46/04 Z
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022147953
(22)【出願日】2022-09-16
(65)【公開番号】P2023043885
(43)【公開日】2023-03-29
【審査請求日】2022-11-09
(31)【優先権主張番号】202111089054.6
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522303571
【氏名又は名称】中国農業科学院都市農業研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬 偉
(72)【発明者】
【氏名】楊 其長
(72)【発明者】
【氏名】楊 曉
(72)【発明者】
【氏名】張 梅
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-031428(JP,U)
【文献】実開平04-048952(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第108307903(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112273046(CN,A)
【文献】特開2016-021902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 17/00
A01G 7/00
A01D 46/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
茶の木を平面にして栽培し、補助装置を利用して茶の木を壁面状の形にし、茶の木によって形成された壁面の厚さを予め設定した幅以下にすることによって、摘採ロボットは茶の木の側面から茶葉を摘採できることを含み、
補助装置を利用して茶の木を壁面状の形にすることは、具体的には、
補助装置を利用して茶の木の枝を固定させて、茶の木の枝を茶の木の主幹から離れた方向に向かって水平に成長させることと、
茶の木の枝の茶の木の主幹から離れた端を茶の木の主幹の方向に向かって曲げ、補助装置を利用して曲げた後の茶の木の枝を固定させて、茶の木の枝を茶の木の主幹に近い方向に向かって水平に成長させることと、
茶の木の枝の茶の木の主幹に近い端を茶の木の主幹から離れた方向に向かって曲げ、補助装置を利用して曲げた後の茶の木の枝を固定させて、茶の木の枝を茶の木の主幹から離れた方向に向かって水平に成長させることと、を含むことを特徴とする摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法。
【請求項2】
茶の木によって形成された壁面の厚さは、20cm以下であり、茶の木によって形成された壁面の高さは、300cmより大きいことを特徴とする請求項1に記載の摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法。
【請求項3】
複数の茶の木を列ごとに植え、各列の茶の木は、少なくとも1本の茶の木を含み、各列の茶の木の全ての茶の木によって形成された壁面は同じ方向にあることを特徴とする請求項1に記載の摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法。
【請求項4】
2列の茶の木ずつ並んで植え、並んで植えた2列の茶の木の間に反射板が設けられることを特徴とする請求項に記載の摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法。
【請求項5】
各列の茶の木は、少なくとも2本の茶の木を含み、各列の茶の木で隣接する2本の茶の木の枝は重畳して設けられることを特徴とする請求項に記載の摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法。
【請求項6】
作業ロボットの自動的な移動を利用して、茶の木の側面から茶の木に補光することによって、茶の木の摘採面に充分な光の照射を提供することをさらに含むことを特徴とする請求項1ないしのいずれか一項に記載の摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法に使用される摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培装置であって、
茶の木の枝を固定することによって、茶の木を壁面状の形にするために用いられる補助装置を含み、
前記補助装置は、ベースと、前記ベースに固定される補助ブラケットとを含み、前記補助ブラケットは、支持縦柱と、前記支持縦柱に接続される多段の金属フレームとを含み、前記金属フレームの前記支持縦柱の高さ方向における位置は調整可能であり、
補光摘採装置をさらに含み、前記補光摘採装置は、作業ロボットと、機械アームと、補光摘採機とを含み、
前記機械アームは、前記作業ロボットに取り付けられ、前記補光摘採機は、前記機械アームに取り付けられ、前記補光摘採機は、補光ライトと、摘採機とを含むことを特徴とする摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培装置。
【請求項8】
前記機械アームは、順に接続される第1垂直アームセグメントと、水平アームセグメントと、第2垂直アームセグメントとを含み、前記第1垂直アームセグメントは、前記作業ロボットに回転可能に接続され、前記水平アームセグメントは、前記第1垂直アームセグメントに回転可能に接続され、前記第2垂直アームセグメントは、前記水平アームセグメントに回転可能に接続され、前記補光摘採機は、前記第2垂直アームセグメントに取り付けられることを特徴とする請求項に記載の摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スマート農業装置の技術分野に関し、特に、摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
茶葉は経済的価値が高く、茶葉の栽培は農家の重要な収入源である。茶葉の栽培方法はスマート装置の使用に向け、機械化とロボット作業が行いやすいようにすべきであり、栽培に適するようにロボットを設計する従来の方式を、栽培方法がロボットの作業に適するように発展させていかなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、上記の技術的課題を解決し又は少なくとも部分的に上記の技術的課題を解決するために、摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、茶の木を平面にして栽培し、補助装置を利用して茶の木を壁面状の形にし、茶の木によって形成された壁面の厚さを予め設定した幅以下にすることによって、摘採ロボットは茶の木の側面から茶葉を摘採できることを含む、摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法を提供する。
【0005】
選択可能で、補助装置を利用して茶の木を壁面状の形にすることは、具体的には、
補助装置を利用して茶の木の枝を固定させて、茶の木の枝を茶の木の主幹から離れた方向に向かって水平に成長させることと、
茶の木の枝の茶の木の主幹から離れた端を茶の木の主幹の方向に向かって曲げ、補助装置を利用して曲げた後の茶の木の枝を固定させて、茶の木の枝を茶の木の主幹に近い方向に向かって水平に成長させることと、
茶の木の枝の茶の木の主幹に近い端を茶の木の主幹から離れた方向に向かって曲げ、補助装置を利用して曲げた後の茶の木の枝を固定させて、茶の木の枝を茶の木の主幹から離れた方向に向かって水平に成長させることと、を含む。
【0006】
選択可能で、茶の木によって形成された壁面の厚さは、20cm以下であり、茶の木によって形成された壁面の高さは、300cmより大きい。
【0007】
選択可能で、複数の茶の木を列ごとに植え、各列の茶の木は、少なくとも1本の茶の木を含み、各列の茶の木の全ての茶の木によって形成された壁面は同じ方向にある。
【0008】
選択可能で、2列の茶の木ずつ並んで植え、並んで植えた2列の茶の木の間に反射板が設けられる。
【0009】
選択可能で、各列の茶の木は、少なくとも2本の茶の木を含み、各列の茶の木で隣接する2本の茶の木の枝は重畳して設けられる。
【0010】
選択可能で、前記摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法は、作業ロボットの自動的な移動を利用して、茶の木の側面から茶の木に補光することによって、茶の木の摘採面に充分な光の照射を提供することをさらに含む。
【0011】
本開示は、さらに、茶の木の枝を固定することによって、茶の木を壁面状の形にするために用いられる補助装置を含むことを特徴とする、摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培装置を提供し、
前記補助装置は、ベースと、前記ベースに固定される補助ブラケットとを含み、前記補助ブラケットは、支持縦柱と、前記支持縦柱に接続される多段の金属フレームとを含み、前記金属フレームの前記支持縦柱の高さ方向における位置は調整可能である。
【0012】
選択可能で、前記摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培装置は、補光摘採装置をさらに含み、前記補光摘採装置は、作業ロボットと、機械アームと、補光摘採機とを含み、
前記機械アームは、前記作業ロボットに取り付けられ、前記補光摘採機は、前記機械アームに取り付けられ、前記補光摘採機は、補光ライトと、摘採機とを含む。
【0013】
選択可能で、前記機械アームは、順に接続される第1垂直アームセグメントと、水平アームセグメントと、第2垂直アームセグメントとを含み、前記第1垂直アームセグメントは、前記作業ロボットに回転可能に接続され、前記水平アームセグメントは、前記第1垂直アームセグメントに回転可能に接続され、前記第2垂直アームセグメントは、前記水平アームセグメントに回転可能に接続され、前記補光摘採機は、前記第2垂直アームセグメントに取り付けられる。
【発明の効果】
【0014】
本開示の実施例によって提供される技術的解決手段は、従来の技術と比べて次の利点を有する。
本開示によって提供される摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法は、茶の木を平面にして栽培し、補助装置を利用して茶の木を壁面状の形にし、茶の木によって形成された壁面の厚さを予め設定した幅以下にするものであり、このように形成させた茶の木の形は、摘採ロボットが茶の木の側面から茶葉を摘採して、機械化収穫の目的を達成して、収穫効率を向上させるために役立つ。このような芸術性のある栽培方法を採用すると、観賞価値を付与して、観光収入を増やし、都市部農業の魅力を向上させるとともに、ロボット作業に役立つ。
【0015】
本開示によって提供される摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培装置は、補助装置を利用して茶の木の枝を固定することによって、茶の木を設計した形状に確定させ、茶の木が成長する過程で、補助装置の金属フレームの縦柱の高さ方向における位置を調整することによって、茶の木の形態の段階的な調整を実現し、最終的に茶の木を壁面状の形にすることで、管理の装置化と利便性を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
ここに記される図面は、本明細書を構成する部分として明細書に組み込まれ、本開示に適合する実施例を示しており、明細書と共に本開示の原理の解釈に供する。
次に、本開示の実施例又は従来の技術による技術的解決手段をより明瞭に説明するために、実施例又は従来の技術の説明に必要な図面を簡単に紹介し、言うまでもないが、当業者は、新規性のある作業をせず、これらの図面からさらに他の図面を得ることができる。
図1図1は、本開示の実施例に記載の摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法を採用して栽培した茶の木の形の模式図である。
図2図2は、本開示の実施例に記載の摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培装置の補光摘採装置を採用して茶の木の壁に作業することの構造模式図である。
図3図3は、本開示の実施例に記載の摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法を採用して栽培した重畳・密植型茶の木の構造模式図である。
図4図4は、本開示の実施例に記載の摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培装置の補助装置を採用して茶の木を固定することの構造模式図である。
図5図5は、本開示の実施例に記載の摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培装置の作業ロボットの機械アームの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本開示の上記の目的、特徴及び利点をより明瞭に理解できるように、本開示の解決手段を一層説明する。なお、矛盾が生じない限り、本開示の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせることができる。
【0018】
下記の説明では本開示の充分な理解のために多くの詳細を記しているが、本開示はここで説明されるのと違う他の方式で実施されてもよく、言うまでもないが、明細書の実施例は、全ての実施例ではなく、本開示の実施例の一部に過ぎない。
【0019】
図1及び図2に示されるとおり、本開示の特定の実施例によって提供される摘採ロボットの作業に適する茶の木(茶樹)の壁状栽培方法は、茶の木を平面にして栽培し、補助装置を利用して茶の木を壁面状の形にし、茶の木によって形成された壁面の厚さを予め設定した幅以下にすることによって、摘採ロボットは茶の木の側面から茶葉を摘採できることを含む。図1は、本開示の茶の木の壁状栽培方法を採用して栽培した茶の木1の正面模式図を示し、図2は、本開示の茶の木の壁状栽培方法を採用して栽培した茶の木1の側面模式図を示している。
【0020】
本開示の摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法を採用すると、高壁状の形を有する茶の木を栽培することができ、このような芸術性のある栽培方法は、観賞価値を付与することができ、高い壁を利用して迷宮を設計することで、観光収入を増やし、都市部農業の魅力を向上させるとともに、摘採ロボットの作業に役立つ。
【0021】
特定の実施例では、図1及び図4に示されるとおり、補助装置を利用して茶の木を壁面状の形にすることは、具体的には、
補助装置を利用して茶の木の枝を固定させて、茶の木の枝を茶の木の主幹から離れた方向に向かって水平に成長させるステップS1と、
茶の木の枝の茶の木の主幹から離れた端を茶の木の主幹の方向に向かって曲げ、補助装置を利用して曲げた後の茶の木の枝を固定させて、茶の木の枝を茶の木の主幹に近い方向に向かって水平に成長させるステップS2と、
茶の木の枝の茶の木の主幹に近い端を茶の木の主幹から離れた方向に向かって曲げ、補助装置を利用して曲げた後の茶の木の枝を固定させて、茶の木の枝を茶の木の主幹から離れた方向に向かって水平に成長させるステップS3と、を含む。
【0022】
ステップS3後に、必要ならばステップS2、S3を繰り返して、茶の木を最終的に、厚さの小さく、高さの高い高壁状の構造に形成させ、かつ、茶の木の枝を下方から上方へと次第に湾曲する迷宮状の構造に形成させることができ、これによって摘採ロボットの収穫に適し、かつ、茶の木の観賞価値を向上させる。
【0023】
特定の実施例では、図1及び図2に示されるとおり、茶の木によって形成された壁面の厚さは、20cm以下であり、茶の木によって形成された壁面の高さは、300cmより大きく、このような茶の木の壁面は、摘採ロボットの収穫に適するだけでなく、茶の木の観賞価値を増やすことができ、かつ、茶の木によって形成された壁面の厚さが小さいため、茶の木によって形成された壁面の高さを300cmより大きく設定することによって、茶の木の茶葉生産高を保証する。当然ながら、茶の木によって形成された壁面の厚さと高さは上記に具体的に限定されず、必要ならば合理的に設定することができる。
【0024】
特定の実施例では、図2に示されるとおり、複数の茶の木を列ごとに植え、各列の茶の木は、少なくとも1本の茶の木を含み、各列の茶の木の全ての茶の木によって形成された壁面は同じ方向にある。このように植えた茶の木は、摘採ロボットが収穫しやすいため、収穫効率が効果的に向上するのだろう。
【0025】
さらに、図2に示されるとおり、2列の茶の木ずつ並んで植え、並んで植えた2列の茶の木の間に反射板5が設けられる。反射板5は光線を効果的に反射できるため、茶の木の反射板5に背く側から茶の木に補光する時に、光線はなるだけ当該茶の木に照射できるため、光線が茶の木の他側から出射することが避けられ、このようにして補光効率を効果的に向上させることができ、また、茶の木の反射板5に背く側から茶の木に補光するのは、茶の木の茶葉が補光側に向かって成長して、茶葉の摘採面が大きくなり、外側に向くことに役立ち、これによって摘採ロボットは茶の木の補光側から茶葉を摘採するために役立つ。
【0026】
さらに、図3に示されるとおり、各列の茶の木は、少なくとも2本の茶の木を含み、各列の茶の木で隣接する2本の茶の木の枝は重畳して設けられる。このようにすれば、茶の木の茶葉生産高を向上させるとともに、摘採ロボットの単位面積当たり摘採する茶葉の数を向上させ、茶の木の栽培に要するスペースも節約している。
【0027】
特定の実施例では、図2に示されるとおり、本開示の特定の実施例によって提供される摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培方法は、摘採ロボットの自動的な移動を利用して、茶の木の側面から茶の木に補光することによって、茶の木の摘採面に充分な光の照射を提供し、かつ、茶葉が補光側に成長するよう促すことで、後の摘採に役立つことをさらに含む。
【0028】
図4に示されるとおり、本開示の特定の実施例によって提供される摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培装置は、茶の木の枝を固定することによって、茶の木を壁面状の形にするために用いられる補助装置を含む。具体的には、補助装置は、ベース4と、ベース4に固定される補助ブラケットとを含み、補助ブラケットは、支持縦柱2と、支持縦柱2に接続される多段の金属フレーム3とを含み、金属フレーム3の支持縦柱2の高さ方向における位置は調整可能である。
【0029】
本開示の実施例によって提供される摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培装置は、補助装置を利用して茶の木の枝を固定することによって、茶の木を設計した形状に確定させ、茶の木が成長する過程で、補助装置の金属フレームの縦柱の高さ方向における位置を調整することによって、茶の木の形態の段階的な調整を実現し、最終的に茶の木を壁面状の形にすることで、管理の装置化と利便性を実現する。
【0030】
特定の実施例では、最初に、補助装置の多段の金属フレーム3を利用して茶の木の枝を固定させて、茶の木の枝を水平状態(図3参照)に確定させることで、茶の木の枝を茶の木の主幹から離れた方向に向かって水平に成長させてもよい。茶の木の枝が水平方向に所定の時間成長した後、茶の木の枝の茶の木の主幹から離れた端を茶の木の主幹の方向に向かって曲げ、かつ、金属フレーム3の縦柱の高さ方向における位置を調整してもよく、補助装置を利用して曲げた後の茶の木の枝を固定させて、茶の木の枝を茶の木の主幹に近い方向に向かって水平に成長させる。茶の木の枝が水平方向に所定の時間成長した後、茶の木の枝の茶の木の主幹に近い端を茶の木の主幹から離れた方向に向かって曲げ、かつ、金属フレームの縦柱の高さ方向における位置を調整してもよく、補助装置を利用して曲げた後の茶の木の枝を固定させて、茶の木の枝を茶の木の主幹から離れた方向に向かって水平に成長させる。このようにして、茶の木の枝を複数回曲げ、固定した後に、最終的に茶の木は高壁状の形を形成している。
【0031】
特定の実施では、多段の金属フレーム3と支持縦柱2、支持縦柱2とベース4はボルトによって取り外し可能に接続され、これによって各段の金属フレーム3はいずれも1本ずつ取り外すことができ、輸送と保管に役立つ。
【0032】
図2に示されるとおり、本開示の特定の実施例によって提供される摘採ロボットの作業に適する茶の木の壁状栽培装置は、補光摘採装置をさらに含み、当該補光摘採装置は、作業ロボット6と、機械アーム7と、補光摘採機8とを含み、機械アーム7は、作業ロボット6に取り付けられ、補光摘採機8は、機械アーム7に取り付けられ、補光摘採機8は、補光ライト801と、摘採機802とを含み、補光ライト801は、茶の木の壁に補光して、茶葉が補光側に成長するように促すことで、後の摘採に役立つためのものであり、摘採機802は、成熟している茶葉を摘採するために用いられる。
【0033】
実現に当たっては、補光摘採機は2つの機能を有する。1つは補光であり、1列又は複数列のled補光ライト801を採用し、かつ、調整器によって光の強度を定量的に調整してもよい。具体的には、補光ライト801は白色光、赤色光及び緑色光を組み合わせるledバンクライトであってもよい。もう1つは摘採であり、1つ又は複数の摘採機802が設けられてもよい。摘採機として具体的にはプッシュ・フォールド式の構造を採用して収穫してもよい。茶の木は、補助装置によって、高壁面の形へと確定される。反射板5は2列の茶の木の間に配置され、作業ロボット6は往復して走行し、1回当たり1列の木に対する作業を実現し、補光又は収穫作業を実現する。機械アーム7は、補光摘採機8を連れて作業させるために用いられ、作業時は補光摘採機8を持ち上げ、作業完了後に機械アーム7を折り畳めば、体積が縮小するため、輸送に役立つ。
【0034】
特定の実施例では、図5に示されるとおり、機械アーム7は、順に接続される第1垂直アームセグメント701と、水平アームセグメント702と、第2垂直アームセグメント703とを含み、第1垂直アームセグメント701が作業ロボット6に回転可能に接続されるため、機械アーム7を使用しない時は倒して、輸送と保管に役立つことを実現する。水平アームセグメント702が第1垂直アームセグメント701に回転可能に接続されるため、機械アーム7を使用しない時は幅の距離を超えている分のアームセグメントを引き戻すことを実現する。第2垂直アームセグメント703が水平アームセグメント702に回転可能に接続されるため、第2垂直アームセグメント703を垂直状態から水平状態に変えて、第2垂直アームセグメント703に取り付けられる補光摘採機8を連れて垂直状態から水平状態に変えることで、輸送と保管に役立つことを実現する。
【0035】
実現に当たっては、3つの回転機構は、それぞれ、3つのモーターによって駆動されて、同時に動作して茶の木の壁に対する多方向の補光及び摘採を実現でき、かつ、作業終了後の機械アーム7の輸送と保管にも役立つ。
【0036】
特定の実施例では、作業ロボット6は、動力システムを含み、動力システムは、二次電池及び太陽電池を含み、二次電池と太陽電池はいずれも作業ロボット6に電力を提供するために用いられる。作業ロボット6が作業する時には、太陽電池を優先して使用して給電することができ、太陽電池の残量が少ない時には、二次電池を使って給電してもよく、このようにして効果的にエネルギーを節約できる。
【0037】
なお、本明細書では、「第1」や「第2」などの関係性のある用語が、特定の対象又は動作を別の対象又は動作と区分するために使用されるものに過ぎず、必ずしもこれらの対象又は動作の間に実際にもこのような関係又は順番があることを求めたり、示唆したりするものではない。また、用語「含む」、「有する」又は他の任意の類似する用語が、非排他的な包括をカバーすることによって、一連の要素を含む過程、方法、物体又は機器はそれらの要素だけを含むのではなく、明記していない他の要素をさらに含み、又はそのような過程、方法、物体若しくは機器に固有的な要素をさらに含む。特に限定がない限り、文言「1つの…を含む」によって限定される要素には、前記要素を含む過程、方法、物体又は機器に別の同じ要素がさらに存在してもよい。
【0038】
上述したのが、当業者は本開示を理解又は実現できるように、本開示の特定の実施形態を記載したものに過ぎない。それら実施例に対する様々な修正が、当業者にとって自明なものであり、本明細書において定義される一般的な原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく他の実施例において実現できる。そのために、本開示は、本明細書に記載の実施例に限定されず、本明細書において開示される原理及び新規な特徴に一致する最大の範囲に適合するものでなければならない。
【符号の説明】
【0039】
図中、1…茶の木、2…支持縦柱、3…金属フレーム、4…ベース、5…反射板、6…作業ロボット、7…機械アーム、701…第1垂直アームセグメント、702…水平アームセグメント、703…第2垂直アームセグメント、8…補光摘採機、801…補光ライト、802…摘採機。
図1
図2
図3
図4
図5