IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 馭勢科技(北京)有限公司の特許一覧

特許7450982インテリジェントコネクテッドビークル用の制御システム及び制御方法
<>
  • 特許-インテリジェントコネクテッドビークル用の制御システム及び制御方法 図1
  • 特許-インテリジェントコネクテッドビークル用の制御システム及び制御方法 図2
  • 特許-インテリジェントコネクテッドビークル用の制御システム及び制御方法 図3
  • 特許-インテリジェントコネクテッドビークル用の制御システム及び制御方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】インテリジェントコネクテッドビークル用の制御システム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 50/00 20060101AFI20240311BHJP
   B60W 30/08 20120101ALI20240311BHJP
   B60W 30/10 20060101ALI20240311BHJP
   B60W 50/04 20060101ALI20240311BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20240311BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
B60W50/00
B60W30/08
B60W30/10
B60W50/04
G08G1/09 F
G08G1/09 V
G08G1/16 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022536846
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-20
(86)【国際出願番号】 CN2019125779
(87)【国際公開番号】W WO2021119964
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】520003435
【氏名又は名称】馭勢科技(北京)有限公司
【氏名又は名称原語表記】UISEE TECHNOLOGIES (BEIJING) LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 401, Building 2 NO. 85, Hongan Road, Fangshan District, Beijing 102402, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 玉新
(72)【発明者】
【氏名】陳 建成
【審査官】楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-154554(JP,A)
【文献】特開2016-013751(JP,A)
【文献】国際公開第2017/154152(WO,A1)
【文献】特開2019-191839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00~60/00
G08G 1/00~ 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センシング情報を取得するように構成されるセンサ群と、
前記センシング情報に基づいて感知情報と位置決定情報を取得するように構成される感知・位置決定モジュールと、
前記感知情報と位置決定情報に基づいて車両計画制御情報を決定するように構成される計画制御モジュールと、
前記感知情報と位置決定情報に基づいて車両安全制御情報を決定するように構成される安全制御モジュールと、
車両状態評価結果を決定するように構成される機能評価モジュールと、
リスク評価結果を決定するように構成されるリスク評価モジュールと、
前記機能評価モジュールの動作状態と前記リスク評価モジュールの動作状態に基づいて前記車両計画制御情報と前記車両安全制御情報を仲裁して、車両実行情報を決定するように構成されるロジック仲裁モジュールと、
前記車両実行情報に基づいて車両走行を制御するように構成される実行モジュールと、を備え
前記センサ群は更に、自身状態情報を監視し、且つ自身状態情報を前記機能評価モジュールに送信することができ、
前記リスク評価モジュールは、
前記センシング情報と前記位置決定情報によりリスク監視情報を決定するように構成されるリスク監視ユニットと、
前記リスク監視情報、前記車両計画制御情報及び前記車両安全制御情報によりリスク評価結果を決定するように構成されるリスク評価ユニットと、を備え、
前記リスク監視ユニットは、
走行可能エリア内の環境を監視して走行可能エリア監視情報と走行可能エリア監視サブユニットの状態情報を取得するように構成される走行可能エリア監視サブユニットと、
車体周囲の環境を監視して衝突監視情報と衝突監視サブユニットの状態情報を取得するように構成される衝突監視サブユニットと、を備えることを特徴とするインテリジェントコネクテッドビークル用の制御システム。
【請求項2】
前記感知・位置決定モジュールは、
前記センシング情報に基づいて車両自身状態と車外環境を感知して、前記感知情報を取得するように構成される感知ユニットと、
前記センシング情報に基づいて車両の位置情報を取得して、前記位置決定情報を得るように構成される位置決定ユニットと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記計画制御モジュールが走行快適性、時効性、適用性に基づいて車両の走行を計画するステップと、
前記安全制御モジュールが走行安全性、安定性及び衝突結果に基づいて車両の走行を計画するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記計画制御モジュールは、
前記感知情報、前記位置決定情報、前記車両状態評価結果及び前記リスク評価結果により計画情報を決定するように構成される計画ユニットと、
前記計画情報に基づいて車両計画制御情報を決定するように構成される計画運動制御ユニットと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
前記安全制御モジュールは、
前記感知情報、前記位置決定情報、前記車両状態評価結果及び前記リスク評価結果により安全計画情報を決定するように構成される安全計画ユニットと、
前記安全計画情報に基づいて車両安全制御情報を決定するように構成される安全挙動制御ユニットと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項6】
前記機能評価モジュールは、
前記センサ群、感知・位置決定モジュール、計画制御モジュール、安全制御モジュール、機能評価モジュール及び実行モジュールの動作状態をリアルタイムで監視するように構成される機能監視ユニットと、
各モジュールの動作状態に基づいて車両状態評価結果を決定するように構成される機能評価ユニットと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項7】
前記機能監視ユニットは、
前記センサ群、感知・位置決定モジュール、計画制御モジュール、安全制御モジュール、機能評価モジュール及び実行モジュールに故障が発生したか否かを監視するように構成される故障監視サブユニットと、
前記センサ群、感知・位置決定モジュール、計画制御モジュール、安全制御モジュール、機能評価モジュール及び実行モジュールが失効したか否かを監視するように構成される機能監視サブユニットと、を備えることを特徴とする請求項6に記載の制御システム。
【請求項8】
前記請求項1~のいずれか一項に記載の制御システムに基づく制御方法であり、
センシング情報を取得するステップと、
前記センシング情報に基づいて感知情報と位置決定情報を取得するステップと、
前記感知情報、位置決定情報、車両状態評価結果及びリスク評価結果に基づいて車両計画制御情報を決定するステップと、
前記感知情報、位置決定情報、車両状態評価結果及びリスク評価結果に基づいて車両安全制御情報を決定するステップと、
車両自身の状態情報に基づいて車両状態評価結果を取得するステップと、
前記センシング情報、前記位置決定情報、車両計画制御情報及び車両安全制御情報に基づいてリスク評価結果を決定するステップと、
リスク評価結果、車両状態評価結果、車両計画制御情報及び車両安全制御情報に基づいて仲裁して、車両実行情報を決定するステップと、
前記車両実行情報に基づいて車両走行を制御するステップと、を含むことを特徴とするインテリジェントコネクテッドビークル用の制御方法。
【請求項9】
前記感知情報と位置決定情報により車両計画制御情報を決定することは、
前記感知情報、位置決定情報、車両状態評価結果及びリスク評価結果を受信するステップと、
前記感知情報、位置決定情報、車両状態評価結果及びリスク評価結果により計画情報を決定するステップと、
前記計画情報を解析して車両計画制御情報を取得するステップと、を含むことを特徴とする請求項に記載の制御方法。
【請求項10】
前記感知情報と位置決定情報により車両安全制御情報を決定することは、
前記感知情報、位置決定情報、車両状態評価結果及びリスク評価結果を受信するステップと、
前記感知情報、位置決定情報、車両状態評価結果及びリスク評価結果により安全計画情報を決定するステップと、
前記安全計画情報を解析して車両安全制御情報を取得するステップと、を含むことを特徴とする請求項に記載の制御方法。
【請求項11】
車両自身の状態情報により車両状態評価結果を取得することは、
前記センサ群、感知・位置決定モジュール、計画制御モジュール、安全制御モジュール及び実行モジュールの状態情報を受信するステップと、
前記状態情報により、前記センサ群、感知・位置決定モジュール、計画制御モジュール、安全制御モジュール及び実行モジュールの動作状態を取得するステップと、
前記センサ群、感知・位置決定モジュール、計画制御モジュール、安全制御モジュール、機能評価モジュール及び実行モジュールの動作状態により車両状態評価結果を決定するステップと、を含むことを特徴とする請求項に記載の制御方法。
【請求項12】
前記センシング情報、前記位置決定情報、計画制御モジュールの状態と計画情報、及び安全制御モジュールの状態と安全計画情報によりリスク評価結果を決定することは、
前記センシング情報と前記位置決定情報を受信し、且つ前記センシング情報と前記位置決定情報によりリスク監視情報を決定するステップと、
前記リスク監視情報、車両計画制御情報及び車両安全制御情報によりリスク評価結果を決定するステップと、を含むことを特徴とする請求項に記載の制御方法。
【請求項13】
プロセッサ、メモリ及び通信インターフェースを備える車載機器であり、前記通信インターフェースが前記プロセッサと前記メモリにデータ接続され、
前記プロセッサが前記メモリに記憶されたプログラム又は命令を呼び出すことによって、請求項8~12のいずれか一項に記載の方法のステップを実行することを特徴とする車載機器。
【請求項14】
プログラム又は命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であり、前記プログラム又は命令がコンピュータに請求項8~12のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させることを特徴とする非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インテリジェント車両の技術分野に関し、具体的には、インテリジェントコネクテッドビークル用の制御システム及び制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インテリジェントコネクテッドビークル技術の絶え間ない発展に伴い、インテリジェントコネクテッドビークルは徐々に知的エージェント補助運転から、知的エージェント独立運転に変わってきている。また、インテリジェントコネクテッドビークルは絶えず知能化している過程で、伝統的な車両に対して多くの差異を生じていた。例えば、ハイレベルのインテリジェントコネクテッドビークルは運転者の制御から完全に離脱しており、故障発生時に独立して判断し且つレベルを低くする等が必要になる。無視してはならないことは、インテリジェントコネクテッドビークルと人間運転者による運転のスタイルが大きく相違しており、高度の知能化に伴って高い走行リスクが生じる点である。従って、ハイレベルのインテリジェントコネクテッドビークルは実用化可能か否かに関しては安全性が肝心な点となる。
【0003】
多数のインテリジェントコネクテッドビークルの制御システムはやはり伝統的な車両の制御システムを基に開発されており、制御システムアーキテクチャが簡単過ぎて、冗長制御が硬直し過ぎるので、運転者又は監視者が制御を補助し、ひいては引き受けて管理する必要があり、これによって、知的エージェントは走行中に良好な自己意志決定、監視管理、故障診断及び車両走行リスク回避が不可能になる。
【0004】
従って、従来の制御システムのアーキテクチャはハイレベルのインテリジェントコネクテッドビークルの独立運転要求を満たすことができない。どのようにハイレベルのインテリジェントコネクテッドビークルの運転特性及び走行条件に合わせて、信頼的な制御システムアーキテクチャを構築するかは、現状で迫って解決しようとする肝心な技術的問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、本発明は、従来技術において制御システムアーキテクチャが簡単で、冗長制御が硬直し過ぎるので、インテリジェントコネクテッドビークルの安全性要求を満たせないという問題を解決するために、インテリジェントコネクテッドビークル用の制御システム及び制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明の第1側面は、
センシング情報を取得するように構成されるセンサ群と、
前記センシング情報に基づいて感知情報と位置決定情報を取得するように構成される感知・位置決定モジュールと、
前記感知情報、位置決定情報、車両状態評価結果及びリスク評価結果に基づいて車両計画制御情報を決定するように構成される計画制御モジュールであって、前記車両状態評価結果は機能評価モジュールによって生成されたものであり、前記リスク評価結果はリスク評価モジュールによって生成されたものである計画制御モジュールと、
前記感知情報、位置決定情報、車両状態評価結果及びリスク評価結果に基づいて車両安全制御情報を決定するように構成される安全制御モジュールと、
前記センサ群、感知・位置決定モジュール、計画制御モジュール、安全制御モジュール及び実行モジュールの状態情報に基づいて車両状態評価結果を決定するように構成される機能評価モジュールと、
前記センシング情報、前記位置決定情報、計画制御モジュールの状態と計画情報、及び安全制御モジュールの状態と安全計画情報に基づいてリスク評価結果を取得するように構成されるリスク評価モジュールと、
前記機能評価モジュールと前記リスク評価モジュールの状態、前記車両状態評価結果及び前記リスク評価結果に基づいて前記車両計画制御情報と前記車両安全制御情報を仲裁して車両実行情報を取得するように構成されるロジック仲裁モジュールと、
前記車両実行情報に基づいて車両走行を制御するように構成される実行モジュールと、を備えるインテリジェントコネクテッドビークル用の制御システムを提供する。
【0007】
上記目的を実現するために、本発明の第2側面は、本発明の実施例に係る前記制御システムに基づいて提案された制御方法であり、
センシング情報を取得するステップと、
前記センシング情報により感知情報と位置決定情報を取得するステップと、
前記感知情報、位置決定情報、車両状態評価結果及びリスク評価結果により車両計画制御情報を決定するステップと、
前記感知情報、位置決定情報、車両状態評価結果及びリスク評価結果により車両安全制御情報を決定するステップと、
車両自身の状態情報により車両状態評価結果を取得するステップと、
前記センシング情報、前記位置決定情報、車両計画制御情報及び車両安全制御情報によりリスク評価結果を決定するステップと、
機能評価モジュールの動作状態及びリスク評価モジュールの動作状態により前記車両計画制御情報と前記車両安全制御情報を仲裁して、車両実行情報を決定するステップと、
前記車両実行情報を実行するステップと、を含むインテリジェントコネクテッドビークル用の制御方法を提供する。
【0008】
上記目的を実現するために、本発明の第3側面は、プロセッサ、メモリ及び通信インターフェースを備える車載機器であり、前記通信インターフェースが前記プロセッサと前記メモリにデータ接続され、
前記プロセッサが前記メモリに記憶されたプログラム又は命令を呼び出すことによって、本発明の実施例に係る制御方法のステップを実行する車載機器を提供する。
【0009】
上記目的を実現するために、本発明の第4側面は、プログラム又は命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であり、前記プログラム又は命令がコンピュータに本発明の実施例に係る制御方法のステップを実行させる非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るインテリジェントコネクテッドビークル用の制御システムにおいて、計画制御モジュールは感知情報と位置決定情報に基づいて車両計画制御情報を決定し、安全制御モジュールは感知情報と位置決定情報に基づいて車両安全制御情報を決定し、機能評価モジュールは車両状態評価結果を決定し、リスク評価モジュールはリスク評価結果を決定し、ロジック仲裁モジュールは機能評価モジュールの動作状態とリスク評価モジュールの動作状態に基づいて車両計画制御情報と車両安全制御情報を仲裁して、車両実行情報を決定し、これによって車両実行情報をより正確にして、インテリジェントコネクテッドビークルの走行リスクを低減させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図面は本発明を更に理解させるためのものであり、明細書の一部となり、下記の具体的な実施形態と共に本発明を解釈するが、本発明を限定するものにならない。
図1】本発明の実施例に係るインテリジェントコネクテッドビークルの全体構成図である。
図2】本発明の実施例に係るインテリジェントコネクテッドビークル用の制御システムの例示的ブロック図である。
図3】本実施例に係るインテリジェントコネクテッドビークル用の制御方法のフローチャートである。
図4】本実施例に係る車載機器の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。ここに記載の具体的な実施形態は本発明を説明、解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定する意図がないことを理解すべきである。
【0013】
インテリジェントコネクテッドビークルのセキュリティアーキテクチャとしてやはり伝統的な車両セキュリティアーキテクチャを踏襲しているインテリジェントコネクテッドビークルは安全性が悪いという問題に対して、本実施例は、車両制御命令を状態評価結果、リスク評価結果、車両計画制御情報及び車両安全制御情報に合わせて決定して、車両制御命令の正確率を高くして、更にインテリジェントコネクテッドビークルの安全性を高くしたインテリジェントコネクテッドビークル用の制御システムと制御方法を提供する。
【0014】
図1は本実施例に係るインテリジェントコネクテッドビークルの全体構成図である。図1に示すように、インテリジェントコネクテッドビークルはセンサ群10、インテリジェント運転システム20、車両実行システム30及びクラウドサーバ40を備え、インテリジェント運転システム20とクラウドサーバ40が通信できる。
【0015】
センサ群10は、センシング情報を取得するように構成される。センサ群10は、カメラ、レーザレーダ、ミリ波レーダ、全地球測位システム(Global Positioning System;GPS)、圧力センサ、IMU、角度センサ及び速度センサのうちの少なくとも1つを含むが、それらに限定されない。
【0016】
インテリジェント運転システム20は、センサ群10のセンシング情報を受信し、且つセンシング情報に基づいて実行情報を生成するように構成される。
【0017】
車両実行システムは、実行情報を受信し、実行情報に従って車両走行を制御するように構成される。いくつかの実施例では、車両実行システムは、ステアリングシステム、ブレーキシステム及び駆動システムを含むが、それらに限定されない。ステアリングシステム、ブレーキシステム及び駆動システムは車両分野における成熟したシステムであって、ここで詳細な説明を省略する。
【0018】
クラウドサーバとインテリジェント運転システム20は通信して、インテリジェントコネクテッドビークルを統一的に協調管理する。いくつかの実施例では、クラウドサーバは1つ以上のインテリジェントコネクテッドビークルと対話して、複数のインテリジェントコネクテッドビークルの管理等を統一的に協調させることに利用可能である。いくつかの実施例では、インテリジェント運転システム20とクラウドサーバは無線通信ネットワーク(GPRSネットワーク、Zigbeeネットワーク、Wifiネットワーク、3Gネットワーク、4Gネットワーク、5Gネットワーク等の無線通信ネットワークを含むが、それらに限定されない)を介して無線通信する。
【0019】
いくつかの実施例では、クラウドサーバは車両サービス業者の構築したクラウドサーバであり、クラウドストレージとクラウドコンピューティングの機能を提供する。いくつかの実施例では、クラウドサーバにおいて車両側アーカイブを作成する。いくつかの実施例では、車両側アーカイブにはインテリジェント運転システム20のアップロードする各種の情報を記憶する。いくつかの実施例では、クラウドサーバは車両側で生成する運転データをリアルタイムで同期できる。
【0020】
いくつかの実施例では、クラウドサーバはデータウェアハウスとデータ加工プラットフォームを含んでもよく、ここで、データウェアハウスにはクラウドサーバの作成した車両側アーカイブを記憶する。いくつかの実施例では、データウェアハウスは各種のソース業務システムからデータを統一的にデータウェアハウスに取りまとめ、且つデータ加工プラットフォームで加工して車両側に用いることができる。
【0021】
いくつかの実施例では、クラウドサーバは1つのサーバであってもよいし、1つのサーバ群であってもよい。サーバ群は集中型であってもよいし、分散型であってもよい。分散型サーバは、タスクの複数の分散型サーバへの割り当てと最適化に寄与し、伝統的な集中型サーバにおける資源不足と応答上のネックといった欠陥を解消する。いくつかの実施例では、クラウドサーバはローカル又は遠隔のものであってもよい。
【0022】
いくつかの実施例では、クラウドサーバは路側機(RSU:Road Side Unit)とインテリジェントコネクテッドビークルの情報を取得することに利用可能であり、情報をインテリジェントコネクテッドビークルに送信できる。いくつかの実施例では、クラウドサーバは、インテリジェントコネクテッドビークルの情報により、路側機におけるインテリジェントコネクテッドビークルに対応する検出情報をインテリジェントコネクテッドビークルに送信できる。
【0023】
いくつかの実施例では、インテリジェントコネクテッドビークルは更にインテリジェント運転システム20と車両実行システム30に接続される車両CANバスを含んでもよい。インテリジェント運転システム20と車両基礎実行システムとの間の情報のやり取りは車両CANバスを介して伝達する。
【0024】
いくつかの実施例では、インテリジェントコネクテッドビークルは、運転者によって人工運転モードで車両走行を制御してもよいし、インテリジェント運転システム20によって無人運転方式で車両走行を制御してもよい。人工運転モードでは、運転者は車両走行を制御する装置を操作することによって車両を運転し、車両走行を制御する装置は、例えば、ブレーキペダル、ステアリングホイール及びアクセルペダル等を含むが、それらに限定されない。車両走行を制御する装置は直接車両基礎実行システムを操作して車両走行を制御できる。
【0025】
いくつかの実施例では、インテリジェントコネクテッドビークルは無人運転車両であってもよく、車両の運転制御はインテリジェント制御システム20が制御命令を出力して車両実行システム30によって実行される。
【0026】
図2は本発明の実施例に係るインテリジェントコネクテッドビークル用の制御システムの例示的ブロック図である。いくつかの実施例では、この制御システムは図1におけるインテリジェント制御システム20の一部の機能を実現でき、インテリジェントコネクテッドビークルの走行を制御するためのものである。
【0027】
図2に示すように、インテリジェントコネクテッドビークル用の制御システムは、センシング受信モジュール201、感知・位置決定モジュール202、計画制御モジュール203、安全制御モジュール204、機能評価モジュール205、リスク評価モジュール206、ロジック仲裁モジュール207、実行モジュール208及びインテリジェントコネクテッドビークルに利用可能な他の若干のユニットに分けることができる。
【0028】
センシング受信モジュール201は、センサ群10のセンシング情報を受信し、且つ前記センシング情報を感知・位置決定モジュール202、計画制御モジュール203、安全制御モジュール204、機能評価モジュール205、リスク評価モジュール206に伝送するように構成される。ここで、前記センサ群10は、カメラ、レーザレーダ、ミリ波レーダ、圧力センサ、IMU、角度センサ、速度センサ等のうちの1種又は多種を含むが、それらに限定されない。前記センシング情報は環境情報と車両状態情報を含む。ここで、環境情報は障害物、歩行者、周囲車両、走行可能エリア、道路標示等を含む。車両状態情報は車速、前輪偏向角度、加速度、減速度、ステアリングホイールの操舵角、ブレーキ、アクセル等の状態を含む。
【0029】
いくつかの実施例では、センサ群10は更に、自身状態情報を監視し、且つ自身状態情報をセンシング受信モジュール201を介して機能評価モジュール205に送信することができる。前記自身状態情報はセンサ群10における各センサの動作状態等を含む。
【0030】
感知・位置決定モジュール202は、前記センシング情報に基づいて感知情報と位置決定(測位)情報を決定するように構成される。感知・位置決定モジュール202は更に、自身の状態を感知し、且つ状態情報を計画制御モジュール203、安全制御モジュール204、機能評価モジュール205及びリスク評価モジュール206に伝送する。
【0031】
いくつかの実施例では、感知・位置決定モジュール202は感知ユニット2021と位置決定ユニット2022を備える。ここで、感知ユニット2021は感知情報を取得する。具体的には、感知ユニット2021は、センシング情報に基づいて車両自身状態と車外環境を感知して、感知情報を取得するように構成される。いくつかの実施例では、感知情報は、例えば車両走行速度、車両加速度、車両におけるハードウェアの動作状態等の車両自身状態情報を含む。いくつかの実施例では、感知情報は更に、例えば車両走行可能エリア、障害物、車両周囲歩行者及び他の車両等の車外環境情報を含む。
【0032】
いくつかの実施例では、位置決定ユニット2022は、前記センシング情報に基づいて車両の位置情報を取得して、位置決定情報を得るように構成される。いくつかの実施例では、位置決定ユニット2022はGPS、IMU、標識による位置決定モジュール等に基づいて車両の位置情報を取得する。いくつかの実施例では、位置決定情報は更に視覚センサ、レーザレーダ等によって位置を決定でき、例えば、V-SLAM、Lidar-SLAM等の方式で取得する。
【0033】
計画制御モジュール203は、前記感知情報と位置決定情報に基づいて車両計画制御情報を決定する。ここで、前記車両計画制御情報は走行快適性、時効性及び適用性に基づいて生成される。いくつかの実施例では、計画制御モジュールは更にV2Xデータ、高精度地図等のデータの少なくとも1種に合わせてルートを計画、決定できる。いくつかの実施例では、前記計画制御モジュールは更に、車両状態評価結果及び/又はリスク評価結果を受信して車両計画制御情報を決定し、且つ前記感知情報、位置決定情報、車両状態評価結果及びリスク評価結果に基づいて車両計画制御情報を決定する。
【0034】
いくつかの実施例では、車両計画制御情報は車両の車速、前輪偏向角度、加速度、減速度、ステアリングホイールの操舵角、ブレーキ、アクセル等の制御情報を含む。
【0035】
いくつかの実施例では、計画制御モジュール203は、計画ユニット2031と計画運動制御ユニット2032を備える。ここで、計画ユニット2031は計画情報を生成するように構成される。いくつかの実施例では、前記計画ユニットは、感知モジュールと位置決定モジュールの生成した感知・位置決定情報に基づいて計画情報を生成する。前記計画ユニットは更に、V2Xデータ、高精度地図等のデータの少なくとも1種に合わせて計画情報を生成できる。いくつかの実施例では、前記計画情報は、希望ルート、挙動(例えば、車両追従、追越し、停車、迂回等を含むが、それらに限定されない)、車両進行方向、車両速度、車両の希望加速度、希望するステアリングホイールの操舵角等を含むが、それらに限定されない。いくつかの実施例では、前記計画ユニットは車両状態評価結果及び/又はリスク評価結果を受信して計画情報を決定する。前記計画ユニットは乗客の快適性に基づいて計画し、ここで、前記乗客の快適性は走行快適性、走行時効性、走行適用性等を含む。計画ユニットは生成した計画とポリシーを計画運動制御ユニットに伝送する。
【0036】
いくつかの実施例では、計画ユニット2031は取得した計画情報及び計画ユニット2031の性能を計画運動制御ユニット2032に伝送する。
【0037】
計画運動制御ユニット2032は、前記計画情報に基づいて車両計画制御情報を決定するように構成される。ここで、前記車両計画制御情報とは車両基礎制御システムの実行情報を指す。いくつかの実施例では、計画運動制御ユニットは、車両制御情報を下して、希望ルートに従って走行するように車両基礎実行システムに車両を制御させ、例えば、ステアリングホイール、ブレーキ及びアクセルを制御することによって車両に対して横方向と縦方向制御を行う。例えば、最大加速度が5m/Sを超えなく、最大操舵角が15°を超えないように計画する。
【0038】
安全制御モジュール204は、前記感知情報と位置決定情報に基づいて車両安全制御情報を生成するように構成される。ここで、前記車両安全制御情報は走行安全性、安定性及び衝突結果に基づいて生成される。いくつかの実施例では、安全制御モジュールは更に車両状態評価結果とリスク評価結果に基づいて車両安全制御情報を決定し、即ち、感知情報、位置決定情報、車両状態評価結果及びリスク評価結果に基づいて車両安全制御情報を決定し、インテリジェントコネクテッドビークルに高確実性の制御ポリシーを提供する。
【0039】
いくつかの実施例では、安全制御モジュール204は計画ユニット2041と安全挙動制御ユニット2042を備える。ここで、計画ユニット2041は安全計画情報を生成するように構成される。いくつかの実施例では、前記計画ユニット2041は感知モジュールと位置決定モジュールの生成した感知・位置決定情報に基づいて安全計画情報を生成する。前記計画ユニット2041は更に、V2Xデータ、高精度地図等のデータの少なくとも1種に合わせて安全計画情報を生成できる。いくつかの実施例では、前記安全計画情報は、挙動(例えば、車両追従、追越し、停車、迂回等を含むが、それらに限定されない)、車両進行方向、車両速度、車両の希望加速度、希望するステアリングホイールの操舵角等を含むが、それらに限定されない。いくつかの実施例では、前記安全計画ユニットは車両状態評価結果及び/又はリスク評価結果を受信して安全計画情報を決定する。前記安全計画ユニットは走行安全性、安定性及び衝突結果に基づいて車両の走行を計画する。安全計画ユニットは生成した計画とポリシーを計画運動制御ユニットに伝送する。
【0040】
安全挙動制御ユニット2042は、前記安全計画情報に基づいて車両安全制御情報を決定するように構成される。ここで、安全計画制御情報とは車両基礎制御システムの実行情報を指す。いくつかの実施例では、安全挙動制御ユニットは、車両制御情報を下して、希望ルートに従って走行するように車両基礎実行システムに車両を制御させ、例えば、ステアリングホイール、ブレーキ及びアクセルを制御することによって車両に対して横方向と縦方向制御を行う。いくつかの実施例では、車両安全制御情報を生成する時に、車両安全計画情報は、車両スリップ率、ヨー角、ロール角等の安全要素を考慮するが、それらに限定されない。例えば、車両スリップ率が20%を超えなく、車両のヨー角とロール角を安全範囲内に保持する。
【0041】
機能評価モジュール205は、車両状態評価結果を生成するように構成される。ここで、機能評価モジュール205は、前記センサ群10、感知・位置決定モジュール202、計画制御モジュール203、安全制御モジュール204及び実行モジュール208の動作状態をリアルタイムで監視し、第1監視結果を決定し、且つ第1監視結果に基づいて上記機能モジュールの機能を評価して、車両状態評価結果を得る。ここで、第1監視結果は、ソフトウェア、ハードウェアの故障監視と機能失効監視結果を含むが、それらに限定されない。
【0042】
いくつかの実施例では、機能評価モジュール205は、前記センサ群10、感知・位置決定モジュール202、計画制御モジュール203、安全制御モジュール204及び実行モジュール208の状態をリアルタイムで監視し、第1監視結果を取得し、更に第1監視結果により上記モジュールの損害度合いに対してレベル分け評価を行って、車両状態評価結果を得る。いくつかの実施例では、第1監視結果は、ソフトウェア、ハードウェアの故障監視と機能失効監視結果を含むが、それらに限定されない。
【0043】
いくつかの実施例では、機能評価モジュール205は機能監視ユニット2051と機能評価ユニット2052を備える。ここで、機能監視ユニットは第1監視情報を生成するように構成される。前記第1監視情報は機能モジュールのソフトウェアとハードウェアに対する故障監視情報と機能失効検出情報を含む。ここで、前記機能モジュールはセンサ群10、感知・位置決定モジュール202、計画制御モジュール203、安全制御モジュール204、機能評価モジュール205及び実行モジュール208を含む。
【0044】
いくつかの実施例では、機能監視ユニットは故障監視サブユニッと機能監視サブユニッを備え、ここで、故障監視サブユニッは、前記センサ群10、感知・位置決定モジュール202、計画制御モジュール203、安全制御モジュール204、機能評価モジュール205及び実行モジュール208の状態をリアルタイムで監視して、対応する故障監視情報を得るように構成される。機能監視サブユニッは、前記センサ群10、感知・位置決定モジュール202、計画制御モジュール203、安全制御モジュール204、機能評価モジュール205及び実行モジュール208の状態をリアルタイムで監視して、失効したか否かを判断するように構成される。
【0045】
機能評価ユニット2052は、車両状態評価結果を決定するように構成される。いくつかの実施例では、機能評価ユニット2052は、前記第1監視結果により前記車両自身の安全性を評価して、車両状態評価結果を決定するように構成される。いくつかの実施例では、機能評価ユニット2052は車両状態評価結果を計画制御モジュール203と安全制御モジュール204に送信する。いくつかの実施例では、機能評価ユニット2052の決定した車両状態評価結果が変わった時に、計画制御モジュール203は車両状態評価結果に応じて車両計画制御情報を修正する。いくつかの実施例では、安全制御モジュール204は車両状態評価結果に応じて車両安全制御情報を修正する。
【0046】
リスク評価モジュール206は、リスク評価結果を決定するように構成される。いくつかの実施例では、リスク評価モジュール206は、前記センシング情報、前記位置決定情報、計画制御モジュールの状態と計画情報、及び安全制御モジュールの状態と安全計画情報に基づいてリスク評価結果を取得するように構成される。
【0047】
いくつかの実施例では、リスク評価モジュール206はリスク監視ユニットとリスク評価ユニットを備える。いくつかの実施例では、前記リスク監視ユニットは前記センシング情報と位置決定情報に基づいてリスク監視情報を決定する。前記リスク監視情報は衝突監視情報、走行可能エリア監視情報等を含むが、それらに限定されない。いくつかの実施例では、前記リスク評価モジュールは、リスク評価の独立性を確保するように、前記感知・位置決定モジュールとは独立したセンサを使用してもよい。
【0048】
前記リスク監視ユニットはリスク監視情報を決定したら、リスク監視情報をリスク評価ユニットに送信する。
【0049】
リスク監視ユニットは走行可能エリア監視サブユニット401と衝突監視サブユニット402を備える。走行可能エリア監視サブユニット401は、走行可能エリア内の環境を監視して走行可能エリア監視情報と走行可能エリア監視サブユニットの状態情報を取得するように構成される。いくつかの実施例では、衝突監視サブユニット402は、車体周囲の環境を監視して衝突監視情報と衝突監視サブユニットの動作状態を取得するように構成される。いくつかの実施例では、衝突監視情報はセンシング情報、位置決定情報及び周囲環境に対するリアルタイムな監視により取得できる。いくつかの実施例では、衝突監視情報は独立したセンサによって直接取得される。いくつかの実施例では、走行可能エリア監視情報は、天気、速度、歩行者/動物等の要素を含むが、それらに限定されない。
【0050】
リスク評価ユニット2062は、前記リスク監視情報、前記車両計画制御情報及び前記車両安全制御情報によりリスク評価結果を決定するように構成される。いくつかの実施例では、リスク評価ユニットは更にリスク監視ユニット、計画ユニット、安全計画ユニットの動作状態によりリスク評価結果を決定する。
【0051】
いくつかの実施例では、リスク評価ユニット2402は更に、車両速度、運転スタイル、天気、道路状況複雑度等の情報に合わせて車両における全体的なリスクを評価して、リスク評価結果を決定することができる。いくつかの実施例では、リスク評価ユニット2062は前記リスク評価結果を計画ユニット2031、安全計画ユニット2041及びロジック仲裁モジュール207に送信する。ここで、計画制御モジュール203はリスク評価結果に応じて車両計画制御情報を修正する。安全制御モジュール204はリスク評価結果に応じて車両安全制御情報を修正する。例えば、リスク評価結果としてリスクレベルがレベル2である時に、時効性を満たすように最低時速を限定する必要がある。計画制御モジュール203と安全制御モジュール204は、車両計画制御情報と安全制御情報を対応的に修正でき、最低時速を90km/hに限定し、且つこの最低時速に基づいて車両計画制御情報と車両安全制御情報を対応的に修正する。
【0052】
いくつかの実施例では、計画制御モジュール203と安全制御モジュール204は更に最大操舵角度を限定でき、例えば、最大操舵角度を15°に限定し、且つこの最大操舵角度に基づいて車両計画制御情報と車両安全制御情報を修正する。
【0053】
ロジック仲裁モジュール207は、車両実行情報を決定するように構成される。ここで、前記ロジック仲裁モジュールは前記車両計画制御情報と安全制御情報に基づいて車両実行情報を決定する。いくつかの実施例では、ロジック仲裁モジュールは更に前記機能評価モジュールの動作状態と前記リスク評価モジュールの動作状態により車両実行情報を決定する。
【0054】
例えば、ロジック仲裁モジュール207は、リスクレベルが低いリスク評価結果に基づいて、計画制御情報を実行情報と決定でき、リスクレベルが高い時に、安全制御情報を実行情報と決定できる。前記リスクレベルが車両安全又は乗客の身の安全を脅かしているレベルとなる時に、なるべく早く減速するか、なるべく早く停車することを選択できる。機能評価結果として機能モジュールに障害が存在したり失効した時に、減速又は停車するように車両を制御できる。
【0055】
いくつかの実施例では、インテリジェントコネクテッドビークルのリスクレベルが低い時に、例えば、リスクレベルがレベル2よりも低い時に、ロジック仲裁モジュール207は車両計画制御情報を選択できる。いくつかの実施例では、インテリジェントコネクテッドビークルのリスクレベルが高い時に、例えば、リスクレベルがレベル4の時に、ロジック仲裁モジュール207は車両安全制御情報を選択できる。いくつかの実施例では、インテリジェントコネクテッドビークルはより高いリスクが存在する時に、例えば、リスクレベルがレベル5以上の時に、ロジック仲裁モジュール207は車速を一時的に保持しながら、時機を待って一時的に停車することを選択でき、又は、車速を低減しながら、時機を待って一時的に停車することを選択できる。いくつかの実施例では、インテリジェントコネクテッドビークルはより高いリスクが存在する時に、例えば、リスクレベルがレベル5以上の時に、ロジック仲裁モジュール207は最大減速度で減速することを選択でき、例えば、12.5m/Sの減速度で減速する。
【0056】
実行モジュール208は、前記車両実行情報に基づいて車両走行を制御するように構成される。いくつかの実施例では、実行モジュール208は、ロジック仲裁モジュール207の送信した車両実行情報を受信し、且つ車両実行情報に基づいて車両走行を制御する。いくつかの実施例では、実行モジュール208は、車台、ステアリングシステム、動力システム、ブレーキシステム及びその車両の他のハードウェアを含むが、それらに限定されない。いくつかの実施例では、実行モジュールは、前記車両実行情報を解析し、且つそれぞれ車両の各ハードウェアに対応する実行信号を送信する。実行モジュールは更に自身動作状態を監視し、且つ動作状態を機能評価モジュールに送信することができる。
【0057】
説明すべきことは、本実施形態に関わる各モジュールが全てロジックモジュールであり、実際の応用で、1つのロジックユニットが1つの物理ユニットであってもよく、1つの物理ユニットの一部であってもよく、更に複数の物理ユニットの組合で実現してもよい点である。また、本発明の独創部分を目立たせるために、本実施形態においては本発明で示された技術的問題の解決に対して緊密な関係を持たないユニットが導入されていないが、本実施形態に他のユニットが存在しないことを意味するというわけではない。
【0058】
図3は本実施例に係るインテリジェントコネクテッドビークル用の制御方法のフローチャートである。この制御方法の実行主体は本実施例に係る制御システムであり、制御システムの具体的な構造についてはここで詳細な説明を省略する。いくつかの実施例では、本実施例に係る制御方法はインテリジェントコネクテッド自動運転車両に応用可能である。
【0059】
図3に示すように、インテリジェントコネクテッドビークル用の制御方法は下記のステップ301、ステップ302、ステップ303、ステップ304、ステップ305、ステップ306、ステップ307及びステップ308を含んでもよい。
【0060】
301で、センシング情報を取得する。
【0061】
センシング情報は、センサ群によって取得され、且つセンシング受信モジュールを介してインテリジェント制御システムに伝送される。センシング情報は環境情報と車両状態情報を含む。ここで、環境情報は障害物、歩行者、周囲車両、走行可能エリア、道路標示等を含む。車両状態情報は車速、前輪偏向角度、加速度、減速度、ステアリングホイールの操舵角、ブレーキ、アクセル等の状態を含む。
【0062】
いくつかの実施例では、センサ群は更に、自身状態情報を監視し、且つ自身状態情報をセンシング受信モジュールを介してインテリジェント制御システムに伝送する。ここで、自身状態情報はセンサ群における各センサの動作状態等を含む。
【0063】
302で、前記センシング情報に基づいて感知情報と位置決定情報を取得する。
【0064】
ここで、感知情報は、例えば、車両走行速度、車両加速度、車両におけるハードウェアの動作状態等の車両自身状態情報を含む。いくつかの実施例では、感知情報は更に、例えば、車両走行可能エリア、障害物、車両周囲歩行者及び他の車両等の車外環境情報を含む。
【0065】
位置決定情報に関してはGPS、IMU、標識による位置決定モジュール等に基づいて車両の位置情報を取得する。いくつかの実施例では、位置決定情報は更に視覚センサ、レーザレーダ等により位置を決定することによって、例えば、V-SLAM、Lidar-SLAM等の方式で取得できる。
【0066】
303で、感知情報と位置決定情報に基づいて車両計画制御情報を決定する。
【0067】
ここで、車両計画制御情報は車両の車速、前輪偏向角度、加速度、減速度、ステアリングホイールの操舵角、ブレーキ、アクセル等の制御情報を含む。
【0068】
いくつかの実施例では、前記感知情報、位置決定情報、車両状態評価結果及びリスク評価結果により車両計画制御情報を決定する。
【0069】
具体的には、前記感知情報、位置決定情報、車両状態評価結果及びリスク評価結果を受信し、前記感知情報、位置決定情報、車両状態評価結果及びリスク評価結果により計画情報を決定し、前記計画情報を解析して車両計画制御情報を取得する。
【0070】
304で、感知情報と位置決定情報に基づいて車両安全制御情報を決定する。
【0071】
ここで、安全計画情報は前記感知情報と位置決定情報に基づいて生成される情報である。安全計画情報は感知情報と位置決定情報により、更にV2Xデータ、高精度地図等のデータの少なくとも1種に合わせて生成される情報である。
【0072】
いくつかの実施例では、前記感知情報、位置決定情報、車両状態評価結果及びリスク評価結果により車両安全制御情報を決定する。
【0073】
具体的には、前記感知情報、位置決定情報、車両状態評価結果及びリスク評価結果を受信し、前記感知情報、位置決定情報、車両状態評価結果及びリスク評価結果により安全計画情報を決定し、前記安全計画情報を解析して車両安全制御情報を取得する。
【0074】
305で、前記センシング情報、前記位置決定情報、車両計画制御情報及び車両安全制御情報に基づいてリスク評価結果を決定する。
【0075】
いくつかの実施例では、前記センシング情報、前記位置決定情報、計画制御モジュールの動作状態と計画情報、及び安全制御モジュールの動作状態と安全計画情報によりリスク評価結果を決定する。いくつかの実施例では、リスク評価モジュールは、インテリジェントコネクテッドビークルの走行環境を監視し、且つセンシング情報、前記位置決定情報、計画制御モジュールの状態と計画情報、及び安全制御モジュールの状態と安全計画情報によりインテリジェントコネクテッドビークルのリスクを評価する。いくつかの実施例では、リスク評価結果は1~6のレベルを含み、異なるレベルはリスク度合いが異なることを示す。
【0076】
いくつかの実施例では、リスク評価結果は、前記センシング情報と前記位置決定情報を受信し、且つ前記センシング情報と前記位置決定情報によりリスク監視情報を決定するステップと、前記リスク監視情報、車両計画制御情報及び車両安全制御情報によりリスク評価結果を決定するステップとによって決定される。具体的には、計画制御モジュールの状態と計画情報、及び安全制御モジュールの状態と安全計画情報を受信するステップと、走行可能エリア内の環境を監視して走行可能エリア監視情報と状態情報を取得するステップと、車体周囲の環境を監視して衝突監視情報と状態情報を取得するステップと、前記センシング情報、位置決定情報、計画制御モジュールの状態と計画情報、安全制御モジュールの状態と安全計画情報、走行可能エリア監視情報と状態情報、衝突監視情報と状態情報によりリスク評価結果を取得するステップとによって決定される。
【0077】
いくつかの実施例では、走行可能エリア監視情報を取得する時に、天気状況、車両速度、歩行者/動物等の要素の少なくとも1種を考慮できる。いくつかの実施例では、リスク評価結果を取得する時に、車両現在速度、運転スタイル、計画情報、安全計画情報、リスク監視情報、走行可能エリア監視情報等の要素の少なくとも1種を総合的に考慮できる。
【0078】
いくつかの実施例では、リスク評価結果は安全制御モジュール、計画制御モジュール及びロジック仲裁モジュールに伝送される。
【0079】
306で、車両自身の状態情報に基づいて車両状態評価結果を取得する。
【0080】
いくつかの実施例では、前記センサ群、感知・位置決定モジュール、計画制御モジュール、安全制御モジュール及び実行モジュールの状態情報を受信し、前記状態情報により前記センサ群、感知・位置決定モジュール、計画制御モジュール、安全制御モジュール及び実行モジュールの動作状態を取得し、前記センサ群、感知・位置決定モジュール、計画制御モジュール、安全制御モジュール、機能評価モジュール及び実行モジュールの動作状態により車両状態評価結果を決定する。
【0081】
307で、リスク評価結果、車両状態評価結果、車両計画制御情報及び車両安全制御情報に基づいて仲裁して、車両実行情報を決定する。
【0082】
いくつかの実施例では、機能評価モジュールの動作状態、リスク評価モジュールの動作状態、前記車両状態評価結果及び前記リスク評価結果により前記車両計画制御情報と前記車両安全制御情報を仲裁して車両実行情報を取得する。
【0083】
いくつかの実施例では、リスク評価結果におけるリスクレベルと機能損害レベル、リスク評価モジュールと機能評価モジュールの状態により、車両計画制御情報と車両安全制御情報を仲裁し、即ち、ロジック仲裁モジュールは車両計画制御情報又は車両安全制御情報を車両実行情報と決定する。
【0084】
308で、前記車両実行情報に基づいて車両走行を制御する。いくつかの実施例では、実行モジュールはロジック仲裁モジュールの仲裁した実行情報を実行する。
【0085】
上記の各種の方法のステップ分割は明らかに説明することのみを目的とし、実現時に1ステップに合併したり、若干のステップを分割して複数のステップに分解したりしてもよく、同じロジック関係を含むものであれば、当該特許の保護範囲に含まれるものとする。アルゴリズムと流れの核心的設計を変更することなく、アルゴリズム又は流れに重要でない修正を追加したり、重要でない設計を導入したりしても、やはり当該特許の保護範囲に含まれる。
【0086】
本実施例に係るインテリジェントコネクテッドビークル用の制御方法においては、感知・位置決定モジュールはセンシング情報により感知情報と位置決定情報を取得し、計画制御モジュールは感知情報、位置決定情報、リスク評価結果、車両状態評価結果により車両計画制御情報を取得し、安全制御モジュールは感知情報、位置決定情報、リスク評価結果、車両状態評価結果により車両安全制御情報を取得し、機能評価モジュールは各ユニットの状態により車両状態評価結果を取得し、リスク評価モジュールは走行可能エリア監視情報、衝突監視情報により、更に計画制御モジュールの状態と計画情報、安全制御モジュールの状態と安全計画情報に合わせてリスク評価結果を取得し、ロジック仲裁モジュールはリスク評価結果、車両状態評価結果により車両計画制御情報と車両安全制御情報を仲裁し、且つ仲裁結果を実行モジュールに送信して実行する。計画制御モジュールと安全制御モジュールによって同時に性能と安全といった2角度から異なる運転条件でのポリシー実行情報を取得し、各ユニット、モジュールの故障、失効等の問題を考慮しただけでなく、走行ポリシーリスクをも考慮し、そして応答時間を減少した。ロジック仲裁モジュールはリスク評価結果と性能評価結果により仲裁し、これによって車両実行情報をより正確にして、インテリジェントコネクテッドビークルの走行リスクを低減させる。
【0087】
図4は本実施例に係る車載機器の構成模式図である。自動運転車両は、少なくとも1つのプロセッサ401、少なくとも1つのメモリ402及び少なくとも1つの通信インターフェース403を含む車載機器を備える。プロセッサ401とメモリ402はバスシステム404によって接続される。通信インターフェース403は外部デバイスとの情報伝送を行うように構成される。バスシステム404はプロセッサ401とメモリ402を含む各コンポーネント間の接続通信を行うように構成されることが理解可能である。バスシステム404はデータバスに加えて、更に電源バス、制御バス及び状態信号バスを含む。説明の便宜上、図4において各種のバスが全てバスシステム404とされている。
【0088】
本実施例におけるメモリ402は揮発性メモリ又は非揮発性メモリであってもよいし、揮発性と非揮発性メモリの両方を含んでもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、メモリ402には、実行可能モジュール又はデータ構造、或いはそれらの部分集合、或いはそれらの拡張集合、オペレーティングシステムとアプリケーションが記憶されている。
【0090】
ここで、オペレーティングシステムは、例えば、フレームワーク層、コアライブラリ層、駆動層等各種のシステムプログラムを含み、各種の基本サービスを実現し、ハードウェアに基づくタスクを処理するように構成される。アプリケーションは、例えば、メディアプレーヤー(Media Player)、ブラウザ(Browser)等各種のアプリケーションを含み、各種のアプリケーションサービスを実現するように構成される。本開示の実施例に係るインテリジェントコネクテッドビークル用の制御方法を実現するプログラムはアプリケーションに含めてもよい。
【0091】
本実施例では、プロセッサ401は、メモリ402に記憶されたプログラム又は命令を呼び出すことによって、具体的には、アプリケーションに記憶されたプログラム又は命令であってよく、本開示の実施例に係るインテリジェントコネクテッドビークルの制御システムと制御方法の各実施例のステップを実行する。
【0092】
本実施例に係るインテリジェントコネクテッドビークルの制御システムと制御方法は、プロセッサ401に用いることができ、又はプロセッサ401によって実現することができる。プロセッサ401は信号処理能力を有する集積回路チップであってよい。実現過程では、上記方法の各ステップはプロセッサ401のハードウェアの集積論理回路又はソフトウェア形態の命令によって完成できる。上記のプロセッサ401は、共通プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor;DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit;ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array;FPGA)又は他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲート又はトランジスタ論理デバイス、離散ハードウェアコンポーネントであってよい。共通プロセッサはマイクロプロセッサ又はいかなる一般のプロセッサ等であってよい。
【0093】
本実施例に係るインテリジェントコネクテッドビークルの制御方法のステップは、ハードウェアのデコーダによって実行して遂行し、又はデコーダ中のハードウェアとソフトウェアユニットを組み合せて実行して遂行するように直接体現してもよい。ソフトウェアユニットは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ、プログラマブル読み取り専用メモリ又は電気的消去可能なプログラマブルメモリ、レジスタなど、本分野でよく用いられている記憶媒体に位置してもよい。この記憶媒体はメモリ402に位置し、プロセッサ401はメモリ402中の情報を読み取り、そのハードウェアと提携して方法のステップを遂行する。
【0094】
本実施例は更に、プログラム又は命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であり、前記プログラム又は命令がコンピュータにインテリジェントコネクテッドビークルの制御方法の各実施例のステップを実行させる非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供し、繰り返して説明することを回避するために、ここで詳細な説明を省略する。
【0095】
説明すべきことは、本明細書において、技術用語の「含む」、「からなる」又はその他のあらゆる変形は非排他的包含を含むように意図され、それにより一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素のみならず、明示されていない他の要素、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素をも含む点である。特に断らない限り、語句の「1つの……を含む」により限定される要素は、該要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に別の同じ要素がさらに存在することを排除するものではない。
【0096】
以上の実施形態は本発明の原理を説明するために採用された例示的実施形態に過ぎず、本発明を限定するものとならないことが理解可能である。当業者であれば、本発明の主旨と実質から逸脱することなく、種々の変形と改良を施すことができ、これらの変形と改良も本発明の保護範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4