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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】印刷システム及び印刷方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240311BHJP
   B41J 2/165 20060101ALI20240311BHJP
   B41J 2/205 20060101ALI20240311BHJP
   B41J 2/21 20060101ALI20240311BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
B41J2/01 201
B41J2/01 451
B41J2/165 501
B41J2/205
B41J2/21
B41J5/30 C
B41J5/30 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020067841
(22)【出願日】2020-04-03
(65)【公開番号】P2021160334
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000137823
【氏名又は名称】株式会社ミマキエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142653
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】村井 厚介
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-202604(JP,A)
【文献】特開2019-142144(JP,A)
【文献】特開2019-107814(JP,A)
【文献】特開2015-223723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 ー 2/215
B41J 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット方式で印刷を行う印刷システムであって、
複数のノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドにインクを吐出させる吐出位置を示す吐出指定データを生成する吐出データ生成部と、
前記吐出指定データに基づいて前記インクジェットヘッドにおける前記複数のノズルのそれぞれにインクを吐出させる吐出制御部と
を備え、
前記吐出制御部は、前記インクジェットヘッドに、予め設定された主走査方向へ印刷対象の媒体に対して相対的に移動しつつインクを吐出する主走査動作の回数であるパス数が複数回になるマルチパス方式で印刷を行わせ、
前記吐出データ生成部は、印刷すべき画像を所定の階調で示す画像データである階調画像データに対し、
吐出するインクの量が所定の正常範囲から外れている前記ノズルである異常ノズルを示す異常ノズル情報に基づいて前記階調画像データの少なくとも一部の濃度の補正を行う濃度補正処理と、
前記濃度補正処理を行った後の前記階調画像データに対して階調数を小さくする処理を行うことで前記吐出指定データを生成する量子化処理と
を行い、
前記濃度補正処理において、
前記マルチパス方式でのパス幅に対応する範囲を補正の単位の領域である補正単位領域にして、濃度の補正を行い、かつ、前記異常ノズルを含む前記補正単位領域に隣接する前記補正単位領域に対しても、濃度の補正を行うことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記濃度補正処理において、前記吐出データ生成部は、前記階調画像データが示す画像の濃度について、前記異常ノズルでインクを吐出する位置に対応する位置の濃度を前記異常ノズル情報に基づいて変化させることで、前記異常ノズルの影響が小さくなるように、前記濃度の補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
互いに異なる色のインクを吐出する複数の前記インクジェットヘッドを備え、
前記濃度補正処理において、前記吐出データ生成部は、それぞれの前記インクジェットヘッドに対応する前記階調画像データに対し、それぞれの前記インクジェットヘッドにおける前記異常ノズルを示す前記異常ノズル情報に基づき、前記濃度の補正を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷システム。
【請求項4】
それぞれの前記インクジェットヘッドに対応する前記階調画像データは、印刷すべき画像を示すカラー画像を印刷に使用するインクの色に合わせて分版処理することで生成されるグレースケール画像を示すデータであることを特徴とする請求項3に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記主走査動作を前記インクジェットヘッドに行わせる主走査駆動部と、
前記主走査方向と直交する副走査方向へ前記媒体に対して相対的に移動する副走査動作を前記インクジェットヘッドに行わせる副走査駆動部と
を更に備え、
前記インクジェットヘッドにおいて、前記複数のノズルは、前記副走査方向における位置を互いにずらして並び、
前記異常ノズル情報は、前記副走査方向において連続して並ぶ複数の前記ノズルを含む範囲であるノズル範囲毎に、前記異常ノズルの影響を示し、
前記ノズル範囲は、前記補正単位領域に対応する領域であり、
前記濃度補正処理において、前記吐出データ生成部は、前記ノズル範囲に対応する領域を単位にして、前記濃度の補正を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項6】
前記吐出制御部は、前記主走査駆動部及び前記副走査駆動部の動作を制御することで、前記マルチパス方式で、前記インクジェットヘッドに前記インクを吐出させ、
前記濃度補正処理において、前記吐出データ生成部は、各回の前記主走査動作において前記異常ノズルを含む前記ノズル範囲からインクを吐出する領域に対し、前記濃度の補正を行うことを特徴とする請求項5に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記異常ノズル情報は、前記インクジェットヘッドにおける前記複数のノズルを用いて所定のテストパターンを印刷することで得られる情報である請求項1から6のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項8】
インクジェット方式で印刷を行う印刷方法であって、
複数のノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドにインクを吐出させる吐出位置を示す吐出指定データを生成し、
前記吐出指定データに基づいて前記インクジェットヘッドにおける前記複数のノズルのそれぞれにインクを吐出させ、
前記インクジェットヘッドが、予め設定された主走査方向へ印刷対象の媒体に対して相対的に移動しつつインクを吐出する主走査動作の回数であるパス数が複数回になるマルチパス方式で印刷を行い、
前記吐出指定データを生成する動作において、印刷すべき画像を所定の階調で示す画像データである階調画像データに対し、
吐出するインクの量が所定の正常範囲から外れている前記ノズルである異常ノズルを示す異常ノズル情報に基づいて前記階調画像データの少なくとも一部の濃度の補正を行う濃度補正処理と、
前記濃度補正処理を行った後の前記階調画像データに対して階調数を小さくする処理を行うことで前記吐出指定データを生成する量子化処理と
を行い、
前記濃度補正処理において、
前記マルチパス方式でのパス幅に対応する範囲を補正の単位の領域である補正単位領域にして、濃度の補正を行い、かつ、前記異常ノズルを含む前記補正単位領域に隣接する前記補正単位領域に対しても、濃度の補正を行うことを特徴とする印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム及び印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェットヘッドを用いて印刷を行う印刷装置であるインクジェットプリンタが広く用いられている。インクジェットヘッドを用いて印刷を行う場合、高い品質での印刷を行うためには、インクジェットヘッドにおけるノズルの特性のバラツキによる影響を低減することが求められる。
【0003】
これに対し、従来、インクジェットヘッドの個体差の影響を低減する方法として、インクジェットヘッドの駆動に用いる駆動信号の波形(ヘッド駆動波形)の電圧を調整する方法や、インクを加温する温度(インク加温温度)を調整して安定化させる方法等が知られている。このような方法を用いる場合、例えば、形成されるインクのドットの径についてインクジェットヘッドの個体差の影響を低減することで、印字濃度のムラを低減することができる。また、従来、インクジェットヘッドの制御の仕方に関し、吐出特性が正常範囲から外れた異常ノズル(不良ノズル)の代わりに他のノズルを使用するリカバリ処理等も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-172260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ヘッド駆動波形の電圧やインク加温温度の安定化によりインクジェットヘッドの個体差の影響を低減しようとする場合、電圧や加温温度の調整を行うための構成が必要になることで、装置のコストが上昇することが考えられる。また、印刷装置の機種等によっては、これらの構成を用いることが難しい場合もある。
【0006】
また、異常ノズルの代わりに他のノズルを使用して印刷を行う場合、例えば、印刷対象の媒体(メディア)に対してインクが着弾するタイミングが正常時と異なることで、印刷結果において、リカバリ処理を行った箇所が目立ちやすくなる場合がある。特に、近接した位置にある複数のノズルを対象にしてリカバリ処理を行う場合等には、印刷の品質への影響が大きくなるおそれがある。そのため、従来、インクジェットヘッドにおけるノズルの特性のバラツキによる影響について、より適切な方法で低減することが望まれていた。そこで、本発明は、上記の課題を解決できる印刷システム及び印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の発明者は、インクジェットヘッドにおける異常ノズルの影響を低減する方法について、鋭意研究を行った。そして、インクジェットヘッドにインクを吐出させる吐出位置を示す吐出指定データを生成するために用いる画像に対して補正を行うことで、異常ノズルの影響を低減することを考えた。また、実際に実験等を行うことで、このような方法で異常ノズルの影響を低減できることを確認した。
【0008】
また、本願の発明者は、更なる鋭意研究により、このような効果を得るために必要な特徴を見出し、本発明に至った。上記の課題を解決するために、本発明は、インクジェット方式で印刷を行う印刷システムであって、複数のノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドにインクを吐出させる吐出位置を示す吐出指定データを生成する吐出データ生成部と、前記吐出指定データに基づいて前記インクジェットヘッドにおける前記複数のノズルのそれぞれにインクを吐出させる吐出制御部とを備え、前記吐出データ生成部は、印刷すべき画像を所定の階調で示す画像データである階調画像データに対し、吐出するインクの量が所定の正常範囲から外れている前記ノズルである異常ノズルを示す異常ノズル情報に基づいて前記階調画像データの少なくとも一部の濃度の補正を行う濃度補正処理と、前記濃度補正処理を行った後の前記階調画像データに対して階調数を小さくする処理を行うことで前記吐出指定データを生成する量子化処理とを行う。
【0009】
このように構成した場合、例えば、濃度補正処理において異常ノズル情報に基づいて階調画像データの補正を行うことで、異常ノズルの影響を低減するように階調画像データの補正を行うことができる。また、量子化処理において、補正後の階調画像データに基づいて吐出指定データを生成することで、異常ノズルの影響が小さくなる吐出指定データを生成することができる。そのため、このように構成すれば、例えば、インクジェットヘッドにおける異常ノズルの影響を適切に低減することができる。
【0010】
この構成において、異常ノズル情報としては、例えば、異常ノズルの位置及び特性を示す情報等を用いることが考えられる。この場合、異常ノズルの位置については、例えば、インクジェットヘッド内での異常ノズルの位置等と考えることができる。また、より具体的に、インクジェットヘッドは、例えば、所定のノズル列方向に複数のノズルが並ぶノズル列を有する。この場合、異常ノズルの位置については、例えば、ノズル列内での異常ノズルの位置等と考えることができる。また、異常ノズル情報において、異常ノズルの特性としては、例えば、異常ノズルが吐出するインクの量と所定の基準量との大小関係や差を示す情報等を用いることが考えられる。
【0011】
また、この構成において、吐出指定データについては、例えば、印刷の解像度に応じて設定される複数の吐出位置においてインクを吐出すべき位置を示すデータ等と考えることができる。また、階調画像データの少なくとも一部の濃度の補正を行うことについては、例えば、階調画像データが示す画像の少なくとも一部の濃度が変化するように階調画像データを補正すること等と考えることができる。また、階調画像データにおける濃度については、例えば、階調画像データが示す画像における色の濃さ等と考えることができる。また、色の濃さについては、例えば、画像を構成する画素の画素値により指定される色の濃さ等と考えることができる。また、濃度補正処理において、吐出データ生成部は、例えば、階調画像データが示す画像の濃度について、異常ノズルでインクを吐出する位置に対応する位置の濃度を異常ノズル情報に基づいて変化させることで、異常ノズルの影響が小さくなるように、濃度の補正を行う。このように構成すれば、例えば、異常ノズルの影響を適切に低減することができる。
【0012】
また、この構成において、印刷システムは、例えば、互いに異なる色のインクを吐出する複数のインクジェットヘッドを備える。この場合、濃度補正処理では、例えば、それぞれのインクジェットヘッドに対応して予め生成される階調画像データに対して補正を行うことが考えられる。より具体的に、この場合、濃度補正処理において、吐出データ生成部は、例えば、それぞれのインクジェットヘッドに対応する階調画像データに対し、それぞれのインクジェットヘッドにおける異常ノズルを示す異常ノズル情報に基づき、濃度の補正を行う。このように構成すれば、それぞれのインクジェットヘッドに対し、異常ノズルの影響を適切に低減することができる。
【0013】
また、この場合、それぞれのインクジェットヘッドに対応する階調画像データとしては、例えば、そのインクジェットヘッドから吐出するインクの色に対応して生成されるグレースケール画像のデータを用いること等が考えられる。より具体的に、それぞれのインクジェットヘッドに対応する階調画像データとしては、例えば、印刷すべき画像を示すカラー画像を印刷に使用するインクの色に合わせて分版処理することで生成されるグレースケール画像を示すデータ等を用いることが考えられる。このように構成すれば、例えば、濃度補正処理において、異常ノズルの影響を低減するための濃度の補正を適切に行うことができる。また、この場合、階調画像データにおける濃度については、例えば、グレースケール画像における画素値により示される濃度等と考えることができる。
【0014】
また、この構成において、印刷システムは、例えば、主走査駆動部及び副走査駆動部を更に備える。この場合、主走査駆動部とは、インクジェットヘッドに主走査動作を行わせる駆動部である。副走査駆動部とは、インクジェットヘッドに副走査動作を行わせる駆動部である。主走査動作については、例えば、予め設定された主走査方向へ印刷対象の媒体に対して相対的に移動しつつインクを吐出する動作等と考えることができる。副走査動作については、例えば、主走査方向と直交する副走査方向へ媒体に対して相対的に移動する動作等と考えることができる。
【0015】
また、インクジェットヘッドにおいて、複数のノズルは、例えば、副走査方向における位置を互いにずらして並ぶ。この場合、異常ノズル情報は、例えば、副走査方向において連続して並ぶ複数のノズルを含む範囲であるノズル範囲毎に、異常ノズルの影響を示す。また、濃度補正処理において、吐出データ生成部は、例えば、ノズル範囲に対応する領域を単位にして、濃度の補正を行う。このように構成すれば、例えば、異常ノズルの影響を抑えるための補正を階調画像データに対して適切に行うことができる。また、この場合、濃度補正処理において、吐出データ生成部は、例えば、階調画像データに対し、異常ノズルを含むノズル範囲に対応する領域を選択して、その領域の濃度について、異常ノズルの影響が小さくなるように補正を行う。このように構成すれば、例えば、異常ノズルの影響を適切に低減することができる。
【0016】
また、このようにして所定のノズル範囲に対応する領域を単位にして階調画像データの補正を行う場合、異常ノズル情報としても、ノズル範囲を単位にして異常ノズルの位置及び特性を示す情報を用いることが考えられる。このように構成すれば、例えば、必ずしもいずれのノズルが異常ノズルであるかまでの識別を行わなくても、異常ノズルを含むノズル範囲を識別するのみで、異常ノズルの影響を抑えるための補正を適切に行うことができる。また、これにより、例えば、異常ノズルの影響を容易かつ適切に低減することができる。また、ノズル範囲としては、例えば、1つのノズルのみを含む範囲を用いること等も考えられる。
【0017】
また、この構成において、吐出制御部は、例えば、主走査駆動部及び副走査駆動部の動作を制御することで、マルチパス方式でのインクの吐出をインクジェットヘッドに行わせる。この場合、マルチパス方式については、例えば、媒体における同じ位置と対向する位置をインクジェットヘッドが通過する主走査動作の回数であるパス数が複数回になる方式等と考えることができる。そして、この場合、濃度補正処理において、吐出データ生成部は、例えば、各回の主走査動作において異常ノズルを含むノズル範囲からインクを吐出する領域に対し、濃度の補正を行う。このように構成すれば、例えば、マルチパス方式での印刷を行う場合において、異常ノズルの影響を適切に低減することができる。
【0018】
また、この構成において、異常ノズル情報としては、例えば、インクジェットヘッドにおける複数のノズルを用いて所定のテストパターンを印刷することで得られる情報等を用いることが考えられる。このように構成すれば、例えば、異常ノズルの特性を適切に検知することができる。また、これにより、例えば、異常ノズルの影響を低減するために用いる異常ノズル情報を適切に作成することができる。
【0019】
また、本発明の構成として、上記と同様の特徴を有する印刷方法等を用いることも考えられる。この場合も、例えば、上記と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、例えば、インクジェットヘッドにおける異常ノズルの影響を適切に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る印刷システム10の構成の一例を示す図である。図1(a)は、印刷システム10の構成の一例を示す。図1(b)は、印刷システム10における印刷実行部12の構成の一例を示す。
図2】異常ノズルの影響について説明をする図である。図2(a)は、異常ノズルが存在するインクジェットヘッド102の状態を簡略化して示す。図2(b)は、異常ノズルが存在するインクジェットヘッド102を用いてインクを吐出した結果を簡略化して示す。
図3】ノズル範囲204の例を示す図である。
図4】異常ノズルの影響を抑えるために行う処理の一例を示すフローチャートである。
図5】本例において行う濃度の補正の効果についてより具体的に説明をする図である。図5(a)は、異常ノズルを含むノズル範囲204の例を示す。図5(b)は、異常ノズルの影響の一例を示す。図5(c)は、本例において行う濃度の補正の一例を示す。
図6】RIP処理部14においてRIP生成データを生成する動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る印刷システム10の構成の一例を示す。図1(a)は、印刷システム10の構成の一例を示す。図1(b)は、印刷システム10における印刷実行部12の構成の一例を示す。以下において説明をする点を除き、本例の印刷システム10は、公知の印刷システムと同一又は同様の特徴を有してよい。
【0023】
本例において、印刷システム10は、印刷対象の媒体(メディア)50に対してインクジェット方式で印刷を行う印刷システムであり、印刷実行部12及びRIP処理部14を備える。印刷実行部12は、媒体50に対してインクを吐出する印刷の動作を実行する部分である。印刷実行部12については、例えば、印刷システム10において印刷装置として機能する部分等と考えることができる。また、印刷実行部12について、例えば、インクジェットプリンタの本体部分等と考えることもできる。本例において、印刷実行部12は、RIP(Raster Image Processor)処理を行うことで生成されるデータであるRIP生成データをRIP処理部14から受け取り、RIP生成データに従ってインクの吐出を行うことで、媒体50に対する印刷の動作を実行する。また、印刷実行部12は、複数のインクジェットヘッド102、プラテン104、主走査駆動部106、副走査駆動部108、及び制御部110を有する。
【0024】
複数のインクジェットヘッド102のそれぞれは、インクジェット方式でインクを吐出する吐出ヘッドであり、印刷に使用する各色のインクを吐出する。この場合、複数のインクジェットヘッド102のそれぞれにより、互いに異なる色のインクを吐出することが考えられる。より具体的に、複数のインクジェットヘッド102のそれぞれは、例えば、カラー印刷での基本色であるプロセスカラーの各色のインクを吐出する。プロセスカラーの各色のインクとしては、例えば、シアン色(C色)、マゼンタ色(M色)、イエロー色(Y色)、及びブラック色(K色)の各色のインクを用いることが考えられる。また、それぞれのインクジェットヘッド102は、所定のノズル列方向に複数のノズルが並ぶノズル列を有し、ノズル列における各ノズルからインクを吐出する。本例において、ノズル列方向は、印刷実行部12において予め設定された副走査方向(図中のX方向)と平行な方向である。この場合、それぞれのインクジェットヘッド102において、複数のノズルは、ノズル列方向へ並ぶことで、副走査方向における位置を互いにずらして並ぶ。
【0025】
プラテン104は、媒体50を上面に載置する台状部材であり、複数のインクジェットヘッド102と対向させた状態で媒体50を保持する。主走査駆動部106は、複数のインクジェットヘッド102に主走査動作を行わせる駆動部である。主走査動作とは、予め設定された主走査方向へ媒体50に対して相対的に移動しつつインクを吐出する動作のことである。また、本例において、主走査方向は、副走査方向と直交する方向(図中のY方向)である。主走査動作時において、主走査駆動部106は、例えば、制御部110の制御に応じて、印刷の解像度に応じて設定される吐出位置に対し、複数のインクジェットヘッド102のそれぞれにおけるそれぞれのノズルにインクを吐出させる。副走査駆動部108は、複数のインクジェットヘッド102に副走査動作を行わせる駆動部である。副走査動作とは、媒体50に対して相対的に副走査方向へ移動する動作のことである。本例において、副走査動作については、例えば、主走査動作の合間に副走査方向へ媒体50を送る動作等と考えることもできる。
【0026】
制御部110は、例えば印刷実行部12におけるCPU等を含む部分であり、印刷実行部12の各部の動作を制御する。また、上記においても説明をしたように、本例において、主走査駆動部106は、制御部110の制御に応じて、複数のインクジェットヘッド102のそれぞれにおけるそれぞれのノズルにインクを吐出させる。この場合、制御部110について、各ノズルからのインクの吐出の制御をしていると考えることができる。また、より具体的に、制御部110は、主走査駆動部106及び副走査駆動部108等の動作を制御することで、各回の主走査動作でのインクの吐出を複数のインクジェットヘッド102に行わせる。また、本例において、制御部110は、主走査駆動部106及び副走査駆動部108等の動作を制御することで、マルチパス方式でのインクの吐出を複数のインクジェットヘッド102に行わせる。この場合、マルチパス方式については、例えば、パス数が複数回になる方式等と考えることができる。また、パス数については、例えば、媒体50における同じ位置と対向する位置をインクジェットヘッド102が通過する主走査動作の回数等と考えることができる。また、マルチパス方式については、例えば、パス幅をノズル長未満にする方式等と考えることもできる。この場合、パス幅については、例えば、1回の副走査動作でのインクジェットヘッドの相対移動量(送り量)に相当する幅等と考えることができる。ノズル長については、例えば、インクジェットヘッドにおいて複数のノズルが並ぶ範囲(副走査方向における範囲)等と考えることができる。また、この場合、パス幅については、例えば、ノズル長をパス数で除した距離に相当する幅になると考えることができる。
【0027】
また、本例において、制御部110は、吐出制御部の一例であり、RIP生成データに基づき、それぞれのインクジェットヘッド102におけるそれぞれのノズルにインクを吐出させる。また、これにより、制御部110は、例えば、印刷すべき画像に応じて決まる吐出位置へ、それぞれのインクジェットヘッド102におけるそれぞれのノズルに、インクを吐出させる。このように構成すれば、例えば、RIP生成データに基づく印刷の動作を適切に実行することができる。
【0028】
また、上記においても説明をしたように、本例において、印刷実行部12は、RIP生成データを、RIP処理部14から受け取る。この場合、RIP処理部14は、例えば、印刷実行部12の構成や印刷実行部12において実行する印刷の動作の設定等に合わせてRIP処理を行うことにより、RIP生成データを生成する。より具体的に、本例において、RIP処理部14は、RIP生成データとして、印刷の解像度に応じて設定される複数の吐出位置においてインクを吐出すべき位置を少なくとも示すデータを生成する。この場合、RIP生成データについて、例えば、吐出指定データの一例と考えることができる。吐出指定データについては、例えば、印刷の解像度に応じて設定される複数の吐出位置においてインクを吐出すべき位置を示すデータ等と考えることができる。
【0029】
また、本例において、RIP処理部14は、吐出データ生成部の一例である。RIP処理部14としては、例えば、RIP処理用のソフトウェアを実行するコンピュータ等を好適に用いることができる。また、RIP処理部14については、例えば、印刷実行部12の動作を制御するコンピュータ等と考えることもできる。また、上記においても説明をしたように、本例において、印刷実行部12における複数のインクジェットヘッド102は、主走査動作を行うことで、媒体50へのインクの吐出を行う。この場合、RIP処理部14は、RIP生成データとして、各回の主走査動作においてそれぞれのインクジェットヘッド102のそれぞれのノズルからインクを吐出する吐出位置を少なくとも示すデータを生成する。
【0030】
また、本例において、RIP処理部14は、それぞれのインクジェットヘッド102におけるそれぞれのノズルの吐出特性を更に考慮して、RIP生成データを生成する。より具体的に、印刷実行部12におけるいずれかのインクジェットヘッド102において、吐出するインクの量が所定の正常範囲から外れているノズルである異常ノズルが存在する場合、RIP処理部14は、異常ノズルの影響を低減するための処理を行って、RIP生成データを生成する。また、この場合、RIP処理部14は、このような処理として、印刷すべき画像を所定の階調で示す画像データに対し、異常ノズルを示す異常ノズル情報に基づいて、濃度の補正を行う。
【0031】
また、上記のように、RIP処理部14としては、例えば、RIP処理用のソフトウェア等を実行するコンピュータ等を好適に用いることができる。この場合、異常ノズル情報については、例えば、RIP処理部14の記憶装置(例えば、HDD等)に予め格納しておき、RIP生成データの生成時に使用することが考えられる。本例によれば、例えば、媒体50への印刷を適切に行うことができる。また、この場合において、異常ノズルの影響を低減するための処理を行ってRIP生成データを生成することにより、異常ノズルの影響を適切に低減することができる。
【0032】
続いて、異常ノズルの影響を低減するための処理について、更に詳しく説明をする。先ず、異常ノズルの影響について、具体的に説明をする。図2は、異常ノズルの影響について説明をする図である。図2(a)は、異常ノズルが存在するインクジェットヘッド102の状態を簡略化して示す。図2(b)は、異常ノズルが存在するインクジェットヘッド102を用いてインクを吐出した結果を簡略化して示す。
【0033】
上記においても説明をしたように、本例において、インクジェットヘッド102は、副走査方向と平行なノズル列方向に並ぶ複数のノズル202を有する。また、図2(a)においては、網掛け模様を異ならせることで異常ノズルを示して、インクジェットヘッド102における複数のノズル202の並びを図示している。より具体的に、図2(a)においては、インクジェットヘッド102におけるノズル202の数を少なくすることで図示を簡略化して、一部のノズル202が異常ノズルになっている状態の例を示している。また、図示した場合においては、図中の上から3、5、6番目のノズル202が異常ノズルになっている。
【0034】
また、異常ノズルが存在するインクジェットヘッド102に主走査動作を行わせた場合、主走査動作において吐出するインクで形成されるインクのドット302の並びは、例えば図2(b)に示すように、異常ノズルの特性を反映することになる。より具体的に、図2(b)においては、異常ノズルで形成するドット302について、正常なノズル202で形成するドット302と網掛け模様を異ならせて図示をしている。そして、この場合、異常ノズルで形成されるドット302が並ぶ位置において、ドット302のサイズが本来のサイズからずれることで、色の濃度のズレが生じると考えられる。また、その結果、印字濃度のムラが生じること等が考えられる。
【0035】
これに対し、本例においては、上記においても説明をしたように、異常ノズル情報を用いて画像データの濃度の補正を行うことで、異常ノズルの影響を低減する。そして、この場合、異常ノズル情報としては、例えば、印刷実行部12(図1参照)におけるそれぞれのインクジェットヘッド102における複数のノズル202を用いて所定のテストパターン(以下、調整用パターンという)を印刷することで得られる情報を用いることが考えられる。より具体的に、この場合、例えば、図2(b)に示すような調整用パターンをそれぞれのインクジェットヘッド102に描かせ、その結果をカメラ又はスキャナ等で読み込み、濃度の濃い位置や薄い位置等を検出することで異常ノズル情報を作成することが考えられる。このように構成すれば、例えば、異常ノズルの特性を適切に検知することができる。
【0036】
また、本例において、異常ノズル情報については、例えば、異常ノズルの位置及び特性等を示す情報等と考えることができる。この場合、異常ノズルの位置については、例えば、インクジェットヘッド102内での異常ノズルの位置等と考えることができる。インクジェットヘッド102内での異常ノズルの位置については、例えば、インクジェットヘッド102におけるノズル列内での異常ノズルの位置等と考えることができる。また、異常ノズル情報において、異常ノズルの特性としては、例えば、異常ノズルが吐出するインクの量と所定の基準量との大小関係や差を示す情報等を用いることが考えられる。
【0037】
ここで、調整用パターンの印刷及び異常ノズル情報の取得については、例えば、所望の印刷物を印刷するためのジョブ(プリントジョブ)に対応する印刷の動作の合間に自動的に行うこと等も考えられる。この場合、例えば、調整用パターンの印刷及びスキャニング等を自動的に行うことで、異常ノズル情報を生成することが考えられる。また、このような動作については、例えば、画像データに対する濃度の補正を自動的に行う動作等と考えることもできる。
【0038】
また、異常ノズルの影響について、より厳密に検知しようとする場合、調整用パターンの各位置へインクを吐出したノズル202について、1つのノズル202を単位にして識別をすることが考えられる。そして、この場合、異常ノズルの影響を低減するための処理についても、1つのノズル202を単位にして行うことが考えられる。しかし、上記においても説明をしたように、本例において、異常ノズルの影響を低減する処理としては、異常ノズルを指定しての直接的な処理等を行うのではなく、画像データの濃度の補正を行うことで、いわば、間接的な処理を行う。そして、この場合、1つのノズル202を単位にして補正のための処理を行おうとすると、処理を行った位置がかえって目立ちやすくなること等も考えられる。
【0039】
そこで、本例においては、例えば図3に示すように、副走査方向において連続して並ぶ複数のノズル202を含む範囲であるノズル範囲204を単位にして、異常ノズルの影響を低減するための処理を行う。図3は、ノズル範囲204の例を示す図である。ノズル範囲204としては、例えば、2~20個程度のノズル202が連続して並ぶ範囲を用いることが考えられる。ノズル範囲204に並ぶノズル202の個数は、好ましくは2~10個程度、更に好ましくは2~5個程度である。また、この場合、異常ノズル情報としては、ノズル範囲204毎に異常ノズルの影響を示す情報を用いる。より具体的に、この場合、異常ノズル情報として、ノズル範囲204を単位にして異常ノズルの位置及び特性を示す情報を用いることが考えられる。
【0040】
本例によれば、例えば、必ずしもいずれのノズルが異常ノズルであるかまでの識別を行わなくても、異常ノズルを含むノズル範囲204を識別するのみで、異常ノズルの影響を抑えるための補正を適切に行うことができる。また、これにより、例えば、異常ノズルの影響を容易かつ適切に低減することができる。また、本例において、ノズル範囲204を単位にして異常ノズルの影響を低減するための処理を行うことについては、例えば、画像データにおいてノズル範囲204に対応する領域の濃度を変化させること等と考えることができる。
【0041】
続いて、異常ノズルの影響を抑えるために本例において行う処理について、より具体的に説明をする。図4は、異常ノズルの影響を抑えるために行う処理の一例を示すフローチャートである。上記においても説明をしたように、本例においては、所定の調整用パターンを印刷することで得られる異常ノズル情報を用いて、異常ノズルの影響を抑えるため処理を行う。そして、この場合、先ず、印刷実行部12により、調整用パターンの印刷を行う(S102)。この場合、印刷実行部12は、例えば、RIP処理部14の指示に応じて、調整用パターンの印刷を行う。また、本例において、印刷実行部12は、マルチパス方式ではなく、1パスの動作により、調整用パターンを印刷する。1パスの動作については、例えば、パス数を1にして行う印刷の動作等と考えることができる。また、印刷実行部12は、各色用のインクジェットヘッド102で描くパターンを区別できるように、調整用パターンの印刷を行う。このような動作については、例えば、1つのインクジェットヘッド102に1つの調整用パターンを描かせる動作等と考えることもできる。
【0042】
また、ステップS102において調整用パターンを描いた後には、カメラ又はスキャナ等を用いて調整用パターンの読み取り(入力)を行い、読み取り結果に基づき、補正の対象となるノズルの範囲(補正対象ノズル範囲)を確認する(S104)。この場合、補正対象ノズル範囲については、例えば、インクジェットヘッド102において異常ノズルを含むノズル範囲204(図2参照)等と考えることができる。
【0043】
また、より具体的に、調整用パターンの読み取りについては、例えば、印刷実行部12に設置したカメラを用いて行うこと等が考えられる。また、この場合、例えば、主走査動作時にインクジェットヘッド102と共に移動するカメラを用いることが考えられる。このように構成すれば、例えば、調整用パターンを印刷した媒体を移動させることなく、調整用パターンの読み取りを行うことができる。また、この場合、調整用パターンを印刷する動作と同時に、調整用パターンの読み取りを行うこと等も考えられる。また、調整用パターンの読み取りについては、例えば、印刷実行部12とは別に用意したカメラやスキャナ等を用いて行ってもよい。
【0044】
また、補正対象ノズル範囲の確認については、例えば、インクジェットヘッド102におけるノズル範囲204と調整用パターンの各位置とを対応付けるソフトウェアを用いて行うことが考えられる。また、このようなソフトウェアとしては、例えば、RIP処理部14においてRIP処理を行うためのソフトウェア(RIPソフトウェア)を用いること等が考えられる。この場合、ステップS104の動作について、例えば、調整用パターンをカメラ又はスキャナ等で読み取った結果をRIPソフトウェアに入力する動作等と考えることもできる。
【0045】
また、本例においては、ステップS104において確認した補正対象ノズル範囲に基づき、画像の濃度の補正を行う。また、より具体的に、この場合、RIP処理部14において、印刷すべき画像を示す画像データに対し、補正単位領域の設定を行う(S106)。この場合、補正単位領域については、例えば、画像データが示す画像において補正の単位となる領域等と考えることができる。また、画像データに対して補正単位領域を設定する動作については、例えば、画像データが示す画像を複数の補正単位領域に分割する動作等と考えることもできる。また、本例においては、マルチパス方式での動作を考慮してインクジェットヘッド102におけるノズル範囲204と補正単位領域とが対応付けられるように、補正単位領域の設定を行う。マルチパス方式での動作を考慮してインクジェットヘッド102におけるノズル範囲204と補正単位領域とが対応付けられることについては、例えば、マルチパス方式において行う各回の主走査動作でそれぞれの補正単位領域へインクを吐出するノズルを含むノズル範囲204がいずれであるかが識別できるようにノズル範囲204と補正単位領域とを対応付けること等と考えることができる。また、この場合、補正単位領域へインクを吐出するノズルについて、例えば、マルチパス方式でのパス数分の主走査動作のうちのいずれかの回の主走査動作で補正単位領域へインクを吐出するノズル等と考えることができる。また、このようにして補正単位領域を設定する動作については、例えば、RIPソフトウェア上にて画像データ(マルチパスプリントデータ)をパス毎(1パス毎)に分割する動作の中で行うこと等が考えられる。
【0046】
また、ステップS106の動作を行った後には、異常ノズルの影響を低減するように、画像データに対して、濃度の補正を行う(S108)。本例において、ステップS108の動作については、RIP処理部14において、RIP生成データを生成する動作の中で行う。また、この場合、RIP処理部14は、異常ノズルに対応する補正単位領域に対して、異常ノズルの影響がより小さくなるように、濃度の補正を行う。異常ノズルに対応する補正単位領域については、例えば、各回の主走査動作において異常ノズルによりインクの吐出が行われる補正単位領域等と考えることができる。また、この場合、ステップS108の動作について、例えば、各回の主走査動作毎(1パス毎)に濃度の補正を行う動作等と考えることもできる。画像データに対して濃度の補正を行う動作については、後に更に詳しく説明をする。
【0047】
また、この場合、RIP処理部14は、濃度の補正を行った後の画像データに基づき、RIP生成データを生成する。また、これにより、RIP処理部14は、濃度の補正の結果について、印刷実行部12で行う印刷動作の制御(印刷制御)に反映する(S110)。本例によれば、例えば、異常ノズルの影響を適切に抑えるための処理を適切に行うことができる。また、これにより、印刷実行部12において、例えば濃度ムラ等が発生すること等を適切に防いで、高い品質の印刷を適切に行うことができる。また、この場合、例えば、インクジェットヘッド102の機種やインクジェットヘッド102の装置構成に依存しない方法により、異常ノズルの影響を適切に抑えることができる。
【0048】
また、上記の説明等から理解できるように、本例において、印刷実行部12は、異常ノズルの代わりに他のノズルを使用するのではなく、異常ノズルも使用して、印刷を行う。この場合、例えば、異常ノズルの代わりに他のノズルを使用する場合と比べ、印刷の品質への影響を抑えつつ、異常ノズルの影響を低減することができる。そのため、本例によれば、例えば、インクジェットヘッド102における複数のノズルの中に異常ノズルが存在する場合にも、異常ノズルの影響を適切に低減することができる。
【0049】
図5は、本例において行う濃度の補正の効果についてより具体的に説明をする図である。図5(a)は、異常ノズルを含むノズル範囲204の例を示す図であり、異常ノズルを含むノズル範囲204の位置について、インクジェットヘッド102中に網掛け模様を付して示す。図中に示す場合において、異常ノズルを含むノズル範囲204は、副走査方向におけるインクジェットヘッド102の中央付近に存在している。そして、この場合、異常ノズルの影響を低減するための処理を行わずに印刷実行部12において印刷の動作を実行すると、例えば図5(b)に示すように、異常ノズルを含むノズル範囲204の位置において濃度にズレが生じることになる。図5(b)は、異常ノズルの影響の一例を示す図であり、異常ノズルの影響を低減するための処理を行わずに印刷の動作を行う場合の印刷の結果(プリント結果)の例を示す。
【0050】
より具体的に、図5(b)においては、元の画像として示すような所定の範囲が一定の濃度で塗りつぶされる画像を示す画像データに基づき、パス数を3とするマルチパス方式での印刷を行う場合の動作の例を図示している。この場合、元の画像については、例えば、異常ノズルの影響を低減するための処理を行わない状態での印刷すべき画像等と考えることができる。また、図の中央部において数字1~5を付して示すインクジェットヘッド102は、連続して行う5回の主走査動作について、副走査方向におけるインクジェットヘッド102の位置を示している。図中のインクジェットヘッド102において、図5(a)と同じ網掛け模様で示す部分は、異常ノズルを含むノズル範囲204を示している。また、図の左側及び右側に示す元の画像及びプリント結果については、ノズル範囲204の境界となる位置に直線(横線)を描いて図示をしている。また、プリント結果については、異常ノズルの影響によって生じる濃度の違いを網掛け模様の違いによって示している。
【0051】
上記の説明等から理解できるように、インクジェットヘッド102において、異常ノズルが存在する場合、異常ノズルから吐出するインクの量にズレが生じることで、媒体上に形成されるインクのドットのサイズにズレが生じることになる。この場合、ドットのサイズのズレについては、例えば、設計上のサイズに対する所定の許容範囲を超えたズレ等と考えることができる。また、その結果、図中にプリント結果として示すように、いずれかの回の主走査動作において異常ノズルを含むノズル範囲204からインクを吐出する部分において、濃度のズレが生じることになる。
【0052】
これに対し、本例においては、例えば図5(c)に示すように、元の画像を示す画像データに対して補正を行うことで、プリント結果における異常ノズルの影響を低減する。図5(c)は、本例において行う濃度の補正の一例を示す図であり、異常ノズルの影響を低減するための処理を行って印刷の動作を行う場合の印刷の結果(プリント結果)の例を示す。図中において網掛け模様を異ならせて示すように、本例においては、印刷すべき画像(元の画像)の一部に対し、濃度の補正を行う。また、より具体的に、この場合、いずれかの回の主走査動作において異常ノズルを含むノズル範囲204からインクを吐出する部分に対応する補正単位領域に対し、異常ノズルの影響が小さくなるように、濃度の補正を行う。この場合、異常ノズルの影響が小さくなるように濃度の補正を行うことについては、例えば、異常ノズルにおける吐出特性のズレ方を補償するように濃度の補正を行うこと等と考えることができる。より具体的に、例えば、吐出量が多くなる異常ノズルに対応する補正単位領域に対しては、濃度を小さく(薄く)するように濃度の補正を行うことが考えられる。また、反対に、吐出量が少なくなる異常ノズルに対応する補正単位領域に対しては、濃度を大きく(濃く)するように濃度の補正を行うことが考えられる。
【0053】
また、この場合、RIP処理部14は、補正後の画像データに基づき、異常ノズルの影響が低減されるRIP生成データを生成する。また、印刷実行部12における制御部110(図1参照)は、このようなRIP生成データに基づき、各回の主走査動作において、インクジェットヘッド102にインクを吐出させる。そして、この場合、図中に補正ありの場合のプリント結果として示すように、より均一な濃度での印刷を行うことが可能になる。
【0054】
また、より具体的に、この場合、RIP処理部14は、補正後の画像データに基づいてRIP生成データを生成することで、吐出量が多くなる異常ノズルに対応する補正単位領域でのドット数(ドットの密度)が少なくなり、吐出量が少なくなる異常ノズルに対応する補正単位領域でのドット数(ドットの密度)が多くなるようなRIP生成データを生成する。このように構成すれば、例えば、異常ノズルの影響を適切に低減することができる。また、吐出するインクの液滴の容量を複数段階で可変なインクジェットヘッド102を用いる場合、RIP処理部14は、補正後の画像データに基づいてRIP生成データを生成することで、例えば、吐出量が多くなる異常ノズルに対応する補正単位領域でのドットサイズが小さくなり、吐出量が少なくなる異常ノズルに対応する補正単位領域でのドットサイズが大きくなるようなRIP生成データを生成する。
【0055】
続いて、本例において行う濃度の補正の動作について、更に具体的に説明をする。図6は、RIP処理部14(図1参照)においてRIP生成データを生成する動作の一例を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートについては、例えば、図4に示すフローチャートとは異なる観点で濃度の補正の動作を示すフローチャート等と考えることができる。
【0056】
RIP生成データを生成する動作において、RIP処理部14は、先ず、例えば、印刷すべき画像(印刷画像)を入力して(S202)、印刷の解像度に合わせて、解像度の変換を行う(S204)。印刷画像の入力や解像度の変換については、例えば、公知のRIP処理で行う動作と同一又は同様に行うことができる。より具体的に、ステップS202で印刷画像の入力については、例えば、カラー画像を示す画像データをRIP処理部14に入力することで行う。また、ステップS204で行う解像度の変換において、RIP処理部14は、印刷実行部12(図1参照)で実行する印刷の解像度に合わせて、解像度の変換を行う。
【0057】
また、ステップS204での動作に続いて、RIP処理部14は、分版処理を行う(S206)。分版処理については、例えば、印刷すべき画像を示すカラー画像を印刷に使用するインクの色に合わせて分版する処理等と考えることができる。分版処理についても、例えば、公知のRIP処理で行う動作と同一又は同様に行うことができる。また、分版処理において、RIP処理部14は、ステップS204で解像度を変換した画像(カラー画像)に基づき、印刷に使用する各色のインクに対応するグレースケール画像を生成する。また、本例において、分版処理で生成されるグレースケール画像を示すデータ(以下、分版データという)は、印刷すべき画像を所定の階調で示す画像データである階調画像データの一例である。分版データについては、例えば、印刷実行部12におけるそれぞれのインクジェットヘッドに対応する階調画像データ等と考えることもできる。それぞれのインクジェットヘッドに対応する階調画像データについては、例えば、それぞれのインクジェットヘッドから吐出するインクの色に対応して生成されるグレースケール画像のデータ等と考えることもできる。
【0058】
また、ステップS206での動作に続いて、RIP処理部14は、印刷実行部12において行うマルチパス方式での動作に合わせて、分版データをパス毎のデータに分割する(S208)。また、より具体的に、本例において、RIP処理部14は、ステップS206で生成した各色のインクの色に対応する分版データに対し、公知のRIP処理で行う動作と同一又は同様にして、パス毎のデータへの分割を行う。この場合、分割後の分版データ(以下、パス分割後データという)についても、階調画像データの一例と考えることができる。また、以降において説明をするパス分割後データに対して行う補正の処理について、階調画像データに対して行う処理の例等と考えることができる。
【0059】
ステップS208での動作については、例えば、RIPソフトウェア上にて画像データをパス毎に分割する動作の例等と考えることができる。また、上記においても説明をしたように、本例においては、図4のステップS106に示した補正単位領域の設定の動作について、画像データをパス毎に分割する動作で行う。より具体的に、ステップS208において、RIP処理部14は、パス分割後データに対し、補正単位領域を設定する。また、補正単位領域を設定する動作において、RIP処理部14は、それぞれの補正単位領域へインクを吐出するノズルを含むノズル範囲204(図3参照)がいずれであるかを識別できるように、ノズル範囲204と補正単位領域とを対応付ける。
【0060】
また、ステップS208での動作に続いて、RIP処理部14は、異常ノズル情報に基づき、パス分割後データに対し、少なくとも一部の濃度の補正(変更)を行う(S210)。この場合、RIP処理部14は、例えば図5を用いて上記において説明をしたように、異常ノズルの影響が小さくなるように、濃度の補正を行う。また、本例において、パス分割後データに対して行う濃度の補正については、例えば、印刷実行部12におけるそれぞれのインクジェットヘッドに対応して予め生成される階調画像データに対して行う補正の動作の例等と考えることができる。また、本例において、ステップS206の動作は、濃度補正処理の動作の一例である。濃度補正処理については、例えば、異常ノズル情報に基づいて階調画像データの少なくとも一部の濃度の補正を行う処理等と考えることができる。また、濃度補正処理の定義の仕方等によっては、例えば、ステップS208において行う少なくとも一部の動作とステップS210で行う動作とを合わせた動作について、濃度補正処理の動作の一例と考えることもできる。
【0061】
また、ステップS210において行う動作に関し、パス分割後データの少なくとも一部の濃度の補正を行うことについては、例えば、パス分割後データが示す画像の少なくとも一部の濃度が変化するようにパス分割後データを補正すること等と考えることができる。また、パス分割後データにおける濃度については、例えば、パス分割後データが示す画像における色の濃さ等と考えることができる。色の濃さについては、例えば、画像を構成する画素の画素値により指定される色の濃さ等と考えることができる。また、本例において、パス分割後データにおける濃度については、例えば、グレースケール画像における画素値により示される濃度等と考えることができる。
【0062】
また、本例において、RIP処理部14は、パス分割後データが示す画像の濃度について、異常ノズルを含むノズル範囲204に対応する補正単位領域の濃度を異常ノズル情報に基づいて変化させることで、異常ノズルの影響が小さくなるように、濃度の補正を行う。この場合、RIP処理部14は、例えば、パス分割後データに対し、異常ノズルを含むノズル範囲204に対応する補正単位領域を選択して、その補正単位領域の濃度について、異常ノズルの影響が小さくなるように補正を行う。また、この場合において、RIP処理部14は、それぞれのインクジェットヘッドに対応するパス分割後データに対し、それぞれのインクジェットヘッドにおける異常ノズルを示す異常ノズル情報に基づき、濃度の補正を行う。このように構成すれば、例えば、異常ノズルの影響を低減するための濃度の補正を適切に行うことができる。また、これにより、例えば、異常ノズルの影響を適切に低減することができる。
【0063】
また、上記においても説明をしたように、本例においては、各回の主走査動作において異常ノズルを含むノズル範囲204からインクを吐出する部分に対応する補正単位領域に対し、異常ノズルの影響が小さくなるように、濃度の補正を行う。このような補正の動作については、例えば、所定のノズル範囲204に対応する領域を単位にして濃度の補正を行う動作の例等と考えることができる。また、このような補正の動作について、例えば、各回の主走査動作において異常ノズルを含むノズル範囲204からインクを吐出する補正単位領域に対して濃度の補正を行う動作等と考えることもできる。
【0064】
また、ステップS210での動作に続いて、RIP処理部14は、補正後のパス分割後データに対し、公知のRIP処理で行う動作と同一又は同様に量子化処理を行って、RIP生成データを生成する(S212)。量子化処理については、例えば、補正後のパス分割後データに対して階調数を小さくする処理を行うことでRIP生成データを生成する処理等と考えることができる。また、量子化処理については、例えば、インクジェットヘッドにおいて吐出可能な液滴(インク滴)の容量で表現可能な階調数に階調を減らす動作等と考えることもできる。また、量子化処理については、例えば、インクジェットヘッドの構成に合わせて行うハーフトーン処理等と考えることもできる。より具体的に、1種類の容量の液滴のみを吐出するインクジェットヘッドを用いる場合、量子化処理について、例えば、画像を2値化する処理等と考えることができる。複数種類の容量の液滴を吐出するインクジェットヘッドを用いる場合、量子化処理について、例えば、液滴の容量の種類に応じた階調数に画像の階調数を減らす処理等と考えることができる。また、複数種類の容量の液滴を吐出するインクジェットヘッドを用いる場合の量子化処理については、例えば、液滴の容量毎に画像を2値化する処理等と考えることもできる。また、ステップS210において補正を行った後の濃度については、例えば、異常ノズルの影響を低減するための調整値の例等と考えることもできる。
【0065】
また、本例において、RIP処理部14は、上記のようにして濃度の補正を行ったパス分割後データに対して量子化処理を行うことで、補正を行わない場合よりも異常ノズルの影響が小さくなるRIP生成データを生成する。そして、RIP処理部14は、このようにして生成したRIP生成データを印刷実行部12へ供給して、印刷実行部12に印刷の動作を行わせる。このように構成すれば、上記のような濃度の補正の結果(調整値)を印刷の動作に適切に反映させることができる。また、これにより、例えば、異常ノズルの影響を適切に低減することができる。
【0066】
続いて、上記において説明をした各構成に関する補足説明等を行う。上記においても説明をしたように、本例においては、複数のノズル202を含む範囲であるノズル範囲204に対応する補正単位領域を単位にして、異常ノズルの影響を低減するための処理を行う。また、このような処理として、例えば、パス分割後データに設定される補正単位領域に対し、異常ノズルの影響が小さくなるように、濃度の補正を行う。この場合、濃度の補正については、異常ノズルを含むノズル範囲204以外のノズル範囲204に対応する補正単位領域に対して更に行ってもよい。より具体的に、例えば、異常ノズルを含むノズル範囲204に対応する補正単位領域に加え、副走査方向においてこの補正単位領域と隣接する補正単位領域に対しても、濃度の補正を行うこと等も考えられる。
【0067】
また、上記においては、主に、複数のノズルを含む範囲をノズル範囲204として用いる場合の動作等について、説明をした。しかし、濃度の補正の仕方の変形例においては、ノズル範囲204として、1つのノズルのみを含む範囲を用いること等も考えられる。この場合、濃度の補正について、例えば、ノズルを単位にして行うと考えることができる。また、より広いノズル範囲204を用いることを考えた場合、ノズル範囲204として、例えば、マルチパス方式でのパス幅に対応する範囲を用いること等も考えることができる。この場合、濃度の補正について、例えば、パス幅を単位にして行うと考えることができる。
【0068】
また、上記においては、図6等を用いて、分版データをパス毎のパス分割後データに分割した後に濃度の補正を行う動作等について、説明をした。しかし、濃度の補正の仕方の変形例においては、濃度の補正について、分割前の分版データに対して行うこと等も考えられる。また、この場合、パス毎のデータへの分割については、例えば、量子化処理を行った後に行うこと等も考えられる。この場合も、補正後の分版データに基づいて量子化処理やパス毎のデータへの分割を行うことで、異常ノズルの影響を抑えるための濃度の補正を適切に行うことができる。また、濃度の補正の仕方の更なる変形例においては、例えば、分版処理を行う前のカラー画像に対し、異常ノズル情報に基づく濃度の補正を行うこと等も考えられる。この場合、例えば、補正の対象とするカラー画像を示すデータについて、階調画像データの一例と考えることができる。
【0069】
また、上記においても説明をしたように、本例においては、所定のテストパターン(調整用パターン)を印刷することで得られる異常ノズル情報に基づき、濃度の補正を行う。これに対し、例えばインクジェットヘッド102の構成や動作等によって吐出特性のズレが生じやすいノズルの位置等が決まる場合等には、調整用パターンを印刷する以外の方法で作成した異常ノズル情報を用いること等も考えられる。この場合、例えば、印刷すべき画像を示す画像データ内のデューティー(Duty)に基づいて作成される異常ノズル情報に基づき、濃度の補正を行うこと等も考えられる。この場合、例えば、デューティーを示す情報を異常ノズル情報として用いることが考えられる。また、例えば、インクジェットヘッドにおける各部の温度を測定して、インクジェットヘッド内に生じる温度ムラに応じて、濃度の補正を行うこと等も考えられる。この場合、例えば、温度ムラを示す情報について、異常ノズル情報の一例と考えることができる。
【0070】
また、上記において説明をしたように、本例において、印刷システム10は、印刷実行部12及びRIP処理部14を備える。この場合、印刷実行部12及びRIP処理部14としては、例えば図1等を用いて上記において説明をしたように、個別の装置を用いることが考えられる。また、この場合、印刷システム10について、例えば、複数の装置により構成されていると考えることができる。これに対し、印刷システム10の構成の変形例においては、例えば、1台の装置により印刷システム10を構成すること等も考えられる。この場合、例えば、印刷実行部12及びRIP処理部14の機能を有する1台のインクジェットプリンタにより印刷システム10を構成すること等が考えられる。また、この場合、印刷システム10を構成するインクジェットプリンタについて、例えば、RIP処理部14の機能を制御部110が有する印刷実行部12に対応する印刷装置等と考えることもできる。また、印刷システム10の構成の更なる変形例においては、3台以上の装置により印刷システム10を構成すること等も考えられる。この場合、例えば、複数の印刷実行部12及びRIP処理部14により印刷システム10を構成すること等が考えられる。また、例えば、印刷実行部12又はRIP処理部14の一部の機能を有する他の装置を更に用いて、3台以上の装置により印刷システム10を構成すること等も考えられる。
【0071】
また、上記においては、印刷システム10について、主に、媒体に対してインクを吐出する場合の構成を説明した。この場合、印刷システム10における印刷実行部12ついて、媒体上に2次元の画像を描くインクジェットプリンタ等と考えることができる。また、印刷システム10の変形例においては、印刷実行部12として、立体的な造形物を造形する3Dプリンタ(3D印刷装置)等を用いることも考えられる。このような場合も、例えば、上記と同一又は同様にして濃度の補正等を行うことで、異常ノズルの影響を適切に低減することができる。また、上記において説明をした濃度の補正については、インクジェットヘッドを用いて液体(インク等)を吐出する構成以外に適用すること等も考えられる。この場合、例えば、有機EL等のディスプレイ装置における発光ムラを抑えるための方法として、上記において説明をした濃度の補正と同様の処理をすること等も考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、例えば印刷システム等に好適に利用できる。
【符号の説明】
【0073】
10・・・印刷システム、12・・・印刷実行部、14・・・RIP処理部、50・・・媒体、102・・・インクジェットヘッド、104・・・プラテン、106・・・主走査駆動部、108・・・副走査駆動部、110・・・制御部、202・・・ノズル、204・・・ノズル範囲、302・・・ドット
図1
図2
図3
図4
図5
図6