(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】ファッション推薦サーバ、ファッション推薦システム、ファッション推薦方法およびファッション推薦プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20240311BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20240311BHJP
【FI】
G06Q30/0251
G06Q30/0601 330
(21)【出願番号】P 2019082388
(22)【出願日】2019-04-24
【審査請求日】2022-04-21
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505300841
【氏名又は名称】株式会社ZOZO
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】金山 裕樹
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-220200(JP,A)
【文献】特開2014-241123(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0078747(US,A1)
【文献】国際公開第2017/216919(WO,A1)
【文献】特表2004-507822(JP,A)
【文献】特開2009-217451(JP,A)
【文献】特開2003-208525(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0255920(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0026084(US,A1)
【文献】米国特許第09904949(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0109778(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成員が所属する特定団体のファッション傾向を示すファッション情報を記憶する記憶部と、
前記構成員の操作による入力情報を受け付ける第1取得部と、
前記入力情報を受け付けたことに応じて、前記ファッション情報に応じたファッション製品を、前記構成員に推薦する製品とする推薦部と、
前記推薦する製品を、前記構成員に提示する第1提示部と、
前記特定団体に所属する複数の構成員から、ファッションに関する情報を取得する第2取得部と、
前記複数の構成員の前記ファッションに関する情報を用いて、前記特定団体の前記ファッション情報を推定する推定部と、
前記特定団体についての注文情報を取得する第3取得部と、
前記注文情報に対するファッション製品を、前記特定団体に発送する発送管理部と、
を備
え、
前記注文情報は、前記特定団体に所属する複数の構成員から取得した、前記推薦する製品に対する注文を集計したものである、
ファッション推薦サーバ。
【請求項2】
前記入力情報は、ファッションに関する情報であり、
前記推薦部は、前記入力情報と、前記ファッション情報とに応じたファッション製品を、前記推薦する製品とする、
請求項1に記載のファッション推薦サーバ。
【請求項3】
前記ファッションに関する情報は、好みのデザイン、好みの色、衣類のカテゴリ、衣類の数量、コーディネート、ドレスコード、及び、前記構成員が着用した衣類の情報の少なくとも何れかである、
請求項2に記載のファッション推薦サーバ。
【請求項4】
前記特定団体に所属する他の構成員が指定した衣類を、前記構成員に提示する第2提示部を備え、
前記第1取得部は、前記構成員に提示した画面に対する操作による入力情報を受け付ける、
請求項2に記載のファッション推薦サーバ。
【請求項5】
前記第2提示部は、前記他の構成員が指定した衣類と共に、前記他の構成員に関する情報を提示する、
請求項4に記載のファッション推薦サーバ。
【請求項6】
前記ファッションに関する情報は、ファッション製品の注文履歴、好みのデザイン、好みの色、衣類のカテゴリ、コーディネート、ドレスコード、及び、前記構成員が着用した衣類の情報の少なくとも何れかである、
請求項5に記載のファッション推薦サーバ。
【請求項7】
前記ファッションに関する情報は、ファッション製品の注文履歴と、前記注文履歴に含まれるファッション製品に対する構成員の評価とを含む、
請求項6に記載のファッション推薦サーバ。
【請求項8】
前記第2取得部は、前記ファッションに関する情報として、前記特定団体において活動している際の前記構成員を撮影した画像を受け付け、
前記推定部は、前記複数の構成員の各々についての前記画像を用いて、前記特定団体の前記ファッション情報を推定する、
請求項5に記載のファッション推薦サーバ。
【請求項9】
前記ファッション傾向は、前記特定団体における禁止基準を含み、
前記第1提示部は、前記推薦する製品のうち、前記禁止基準に該当する製品について、前記禁止基準に該当することを関連付けて、前記構成員に提示する、
請求項1~請求項8の何れかに記載のファッション推薦サーバ。
【請求項10】
前記ファッション傾向は、前記特定団体における禁止基準を含み、
前記第1提示部は、前記推薦する製品のうち、前記禁止基準に該当しない製品を、前記構成員に提示する、
請求項1~請求項9の何れかに記載のファッション推薦サーバ。
【請求項11】
前記構成員の前記推薦する製品の画像に対する操作に応じて、前記推薦する製品を、前記構成員が購入する対象として受け付ける第
4取得部を備え、
前記第1提示部は、前記推薦する製品の画像を、前記構成員の操作する端末に表示させる、
請求項9又は請求項10に記載のファッション推薦サーバ。
【請求項12】
記憶装置と、ファッション推薦サーバとを含む推薦システムであって、
前記記憶装置は、構成員が所属する特定団体のファッション傾向を示すファッション情報を記憶する記憶部を備え、
前記ファッション推薦サーバは、
前記構成員の操作による入力情報を受け付ける第1取得部と、
前記入力情報を受け付けたことに応じて、前記ファッション情報を前記記憶装置から取得し、前記ファッション情報に応じたファッション製品を、前記構成員に推薦する製品とする推薦部と、
前記推薦する製品を、前記構成員に提示する第1提示部と、
前記特定団体に所属する複数の構成員から、ファッションに関する情報を取得する第2取得部と、
前記複数の構成員の前記ファッションに関する情報を用いて、前記特定団体の前記ファッション情報を推定する推定部と、
前記特定団体についての注文情報を取得する第3取得部と、
前記注文情報に対するファッション製品を、前記特定団体に発送する発送管理部と、
を備
え、
前記注文情報は、前記特定団体に所属する複数の構成員から取得した、前記推薦する製品に対する注文を集計したものである、
ファッション推薦システム。
【請求項13】
プロセッサを備えるコンピュータが、
構成員が所属する特定団体のファッション傾向を示すファッション情報を記憶するステップと、
前記構成員の操作による入力情報を受け付けるステップと、
前記入力情報を受け付けたことに応じて、前記ファッション情報に応じたファッション製品を、前記構成員に推薦する製品とするステップと、
前記推薦する製品を、前記構成員に提示するステップと、
前記特定団体に所属する複数の構成員から、ファッションに関する情報を取得するステップと、
前記複数の構成員の前記ファッションに関する情報を用いて、前記特定団体の前記ファッション情報を推定するステップと、
前記特定団体についての注文情報を取得するステップと、
前記注文情報に対するファッション製品を、前記特定団体に発送するステップと、
を実行
し、
前記注文情報は、前記特定団体に所属する複数の構成員から取得した、前記推薦する製品に対する注文を集計したものである、
ファッション推薦方法。
【請求項14】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるための推薦プログラムであって、前記推薦プログラムは、前記プロセッサに、
構成員が所属する特定団体のファッション傾向を示すファッション情報を記憶するステップと、
前記構成員の操作による入力情報を受け付けるステップと、
前記入力情報を受け付けたことに応じて、前記ファッション情報に応じたファッション製品を、前記構成員に推薦する製品とするステップと、
前記推薦する製品を、前記構成員に提示するステップと、
前記特定団体に所属する複数の構成員から、ファッションに関する情報を取得するステップと、
前記複数の構成員の前記ファッションに関する情報を用いて、前記特定団体の前記ファッション情報を推定するステップと、
前記特定団体についての注文情報を取得するステップと、
前記注文情報に対するファッション製品を、前記特定団体に発送するステップと、
を実行
させ、
前記注文情報は、前記特定団体に所属する複数の構成員から取得した、前記推薦する製品に対する注文を集計したものである、
推薦プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、特定団体ごとのファッション傾向に基づいてファッション製品を推薦するファッション推薦サーバ、ファッション推薦システム、ファッション推薦方法およびファッション推薦プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、Webサイトで衣類を個人向けに通信販売するサービスが普及している。例えば、特許文献1には、ユーザの好みに適した衣類を推薦し、ユーザの手元に直接届けるシステムについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、私服通勤を推奨し、従業員がファッションを楽しむことができる職場が増えてきている。しかしながら、職場・職種によってカジュアル度合いが異なるため、特許文献1に記載されるシステムのように、ユーザの好みに適した衣類が推薦されても、通勤には着用できない場合があるという課題があった。
【0005】
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、特定団体ごとのファッション傾向に基づいてファッション製品を推薦するファッション推薦サーバ、ファッション推薦システム、ファッション推薦方法およびファッション推薦プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示の第1の観点に係るファッション推薦サーバは、特定団体の構成員のファッション傾向に関するファッション情報を特定団体ごとに記憶する記憶部と、構成員からのファッション製品に関する入力情報を取得する入力情報取得部と、入力情報を入力した構成員の所属する特定団体のファッション情報に基づいて、入力情報に応じたファッション製品を推薦するファッション製品推薦部と、を備える。
【0007】
また、上記目的を達成するため、本開示の第2の観点に係るファッション推薦システムは、特定団体の構成員のファッション傾向に関するファッション情報を特定団体ごとに記憶する記憶部と、構成員からのファッション製品に関する入力情報を取得する入力情報取得部と、入力情報を入力した構成員の所属する特定団体のファッション情報に基づいて、入力情報に応じたファッション製品を推薦するファッション製品推薦部と、を備える。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本開示の第3の観点に係るファッション推薦方法は、特定団体の構成員のファッション傾向に関するファッション情報を特定団体ごとに記憶するステップと、構成員からのファッション製品に関する入力情報を取得するステップと、入力情報を入力した構成員の所属する特定団体のファッション情報に基づいて、入力情報に応じたファッション製品を推薦するステップと、を備える。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本開示の第4の観点に係るファッション推薦プログラムは、上述のファッション推薦方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、特定団体ごとのファッション傾向に基づいてファッション製品を推薦することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る衣類推薦システム1の構成図である。
【
図2】衣類推薦サーバ10の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】従業員情報DB122の一例を示す図である。
【
図6】会社Aに所属する従業員の注文情報の画面例を示す図である。
【
図7】会社Aに所属する従業員の注文情報の画面例を示す図である。
【
図9】従業員端末30の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図10】衣類推薦システム1の処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図11】衣類推薦サーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
【0013】
<実施形態>
(実施形態の概要)
本実施形態に係るシステムは、特定団体(企業など)ごとのファッション傾向に基づいてファッション製品(衣類など)を推薦する。昨今、私服通勤を推奨し、特定団体の構成員(従業員など)がファッションを楽しむことができる職場が増えてきている。しかしながら、職場・職種によってカジュアル度合いが異なるため、ユーザの好みに適したファッション製品が推薦されても、職場の雰囲気にそぐわないなど、推薦されたファッション製品が楽しめないことがあった。
【0014】
そこで、本実施形態では、特定団体の構成員からのファッション製品に関する注文等の入力情報を受け付け、当該特定団体の構成員のファッション傾向(よく着用する服装や、ドレスコードなど)に関するファッション情報に基づいて、入力情報に適したファッション製品を推薦する。これにより、ユーザ(構成員)は、ユーザの好みだけでなく、企業ごとのファッション傾向にも適したファッション製品が推薦されるため、プライベート・通勤の両方で、推薦されたファッション製品を楽しむことができる。
【0015】
また、近年、Webサイトを利用した個人向け通信販売であって、ユーザの好みに適したファッション製品をユーザの手元に直接届けるサービスが提供されている。しかしながら、当該サービスのように、ユーザの手元に直接配達すると、販売側にとっては輸送コストが個別に発生し、収益を圧迫する。また、ユーザ側にとっては、配達物の受け取りのために在宅するなど、予定を調整しなければならない煩わしさがある。
【0016】
そこで、本実施形態では、上述のように、構成員からの注文等の入力情報に応じて推薦したファッション製品の発送を、団体単位で行う。これにより、販売側は、ファッション製品の発送を団体(職場)単位で行うため、ユーザからの注文に対し個別に発送するよりも輸送コストを削減することができる。また、ユーザは、日中過ごす事が多い職場に推薦されたファッション製品が配達されるため、製品を確実に受け取ることができ、予定を調整しなければいけない煩わしさがなくなる。
【0017】
なお、本実施形態に係る「特定団体」は、共通の目的を有する複数の構成員から成る集合体のことをいう。「特定団体」は、例えば、企業、官公庁、部活、サークル等であり、以下では、一例として「企業」の場合について説明する。
【0018】
また、本実施形態に係る「ファッション製品」は、身体に着用するもののことであって、例えば、衣類や、靴、ベルト、眼鏡、ピアス、ネックレス、指輪、スカーフ、帽子等の小物等である。また、「ファッション製品」は、ユーザが日常的に携帯するものを含んでもよい。例えば、スマートフォンやタブレット、PC、ウェアラブル端末などの携帯情報端末や、文房具、財布、カバン、水筒などであってもよい。以下では、一例として「衣類」の場合について説明する。
【0019】
(衣類推薦システム1の構成)
図1は、本実施形態に係る衣類推薦システム1の構成図である。
図1を参照して、衣類推薦システム1の構成について説明する。
【0020】
図1において、衣類推薦システム1は、ファッション推薦システムに相当し、衣類推薦サーバ10と、注文サーバ20と、従業員端末30-1,30-2,…,30-N(Nは自然数。また、特に区別する必要がない限り、従業員端末30と記載する。)と、を備え、インターネット等のネットワークNWを介して通信可能に接続される。
【0021】
衣類推薦サーバ10は、ファッション推薦サーバに相当し、企業ごとに発注された注文情報に適した衣類を推薦する機能と、衣類の発送を企業ごとに管理する機能とを有する。衣類推薦サーバ10は、企業ごとのファッション傾向に関する服飾情報(後述)を記憶し、衣類の注文情報を発注した企業ごとの服飾情報に基づいて、その企業の従業員として相応しい衣類を推薦する。また、衣類推薦サーバ10において推薦された衣類は、企業ごとに発送が管理される。企業ごとに発送管理された衣類に関する情報は、例えば、衣類を保管する倉庫の管理者端末(
図1において不図示)に送信される。そして、当該情報に基づいて、発送する衣類がパッケージされ、企業単位で衣類が配送される。
【0022】
注文サーバ20は、従業員端末30から送信された衣類の注文を、当該従業員端末30を保有するユーザ(従業員)が所属する企業ごとに集計し、集計した注文情報を衣類推薦サーバ10に送信する。なお、
図1において、注文サーバ20は1台のみ記載されているが、企業ごとに当該企業に所属する従業員からの注文を受け付けるサーバ装置を備えていてもよい。すなわち、衣類推薦システム1において、各企業に備えられた注文サーバ20が、当該企業に所属する従業員からの衣類の注文を集計し、衣類推薦サーバ10に注文情報を送信する構成としてもよい。また、衣類推薦サーバ10に注文サーバ20の機能を備えさせてもよい。
【0023】
従業員端末30は、従業員が保有する情報処理端末であって、例えば、スマートフォンやタブレット端末、スマートウォッチ、ヘッドマウントディスプレイ、パーソナルコンピュータ等によって実現される。なお、本実施形態では、「従業員」とは、衣類推薦システム1において、衣類推薦サーバ10に衣類の注文を発注する各企業に所属する者のことをいう。従業員端末30には、たとえば、衣類推薦システム1において衣類の提供を受けるためのプログラム(例えば、スマートフォン専用のアプリ)がインストールされる。
【0024】
(衣類推薦サーバ10の機能構成)
図2は、衣類推薦サーバ10の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2を参照して、衣類推薦サーバ10の機能構成について説明する。
【0025】
衣類推薦サーバ10は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、衣類推薦サーバ10は、衣類推薦サーバ10を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、ディスプレイ等)を有してもよい。
【0026】
通信部110は、ネットワークNWに接続された注文サーバ20等と通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ、または通信用ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェアや、プログラム等により実現できる。
【0027】
記憶部120は、コンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するための記憶装置であって、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。記憶部120は、服飾情報DB(データベース)121と、従業員情報DB122と、を有する。
【0028】
服飾情報DB121は、従業員のファッション傾向に関する服飾情報(ファッション情報に相当。)を企業ごとに記憶するデータベースである。私服通勤(オフィスカジュアル)を推奨する企業が増えているが、職場・職種によってカジュアル度合いが異なるため、どのような私服であればオフィスでも着用できるのか判断に迷う従業員が多い。そこで、本実施形態に係る衣類推薦サーバ10では、企業ごとに、従業員のファッション傾向に関する服飾情報を記憶し、服飾情報に基づいて、従業員が所属している企業に相応しい衣類を推薦する(詳細については後述する)。なお、「従業員のファッション傾向」とは、従業員が好む洋服やアクセサリーなどのファッションアイテムに関する情報であり、各企業におけるドレスコード(服装規定)を含む。また、従業員が好む髪型や芸能人、企業の年齢構成や役職構成、所在地に関する情報など、企業や従業員の属性に関する情報を含んでもよい。ここで、「ドレスコード」とは、例えば、会社AではポロシャツはNG(着用不可)、また、会社Bではジーンズは着用してもよいが、穴あきなどのダメージ加工したものはNGなど、各企業(職場)において着用するのにふさわしくない服装などを規定するものをいう。
【0029】
なお、各企業の服飾情報は、後述する傾向推定部134によって推定されたファッション傾向に基づいて服飾情報DB121に記憶されてもよいし、各企業によって予め登録されてもよい。
【0030】
従業員情報DB122は、衣類推薦システム1を利用する企業の従業員ごとのファッションの好み等を記憶するデータベースである。例えば、従業員が予め好みのファッションを登録しておいてもよいし、衣類推薦システム1における従業員の注文履歴や、従業員が利用する他のファッション販売サイト等における購入履歴が登録されるようにしてもよい。これらの履歴から公知の技術によって従業員のファッションの好みを推定することができる。
【0031】
また、従業員情報DB122には、従業員のファッションの好みだけでなく、従業員の所属部門、職位、年収等が登録されてもよい。一般的に、これらの違いにより、オフィスにおける接客の機会などが異なり、相応しい服装の基準が変わってくるからである。
【0032】
図3は、服飾情報DB121の一例を示す図である。
図3に示すように、企業ごとに、ファッション傾向などがタイプ別に関連付けられている。なお、
図3に示す服飾情報DB121は、一例であり、これらに限られない。
【0033】
「タイプ」欄には、ファッション傾向として、それぞれタイプ1,2,3…が示されている。タイプは、例えば、「カジュアル系」、「モード系」、「フォーマル系」などの具体的なファッションタイプが示される。なお、ファッションタイプの名称は、スタイリスト等によって名付けられるものであって、タイプの名称はこれらに限られない。
【0034】
「衣類」欄には、従業員がよく着用する衣類として、それぞれ衣類1,2,3…が示されている。衣類は、例えば、「ポロシャツ」、「パーカー」、「チノパンツ」、「デニムパンツ」、「カーゴパンツ」などの洋服、小物などのファッションアイテム、よく着用する衣類の色、無地、ボーダー柄、Vネックなどのデザインであってもよい。
【0035】
また、「NG」欄には、ドレスコードとして、それぞれ基準1,2,3…が示されている。基準は、例えば、「スニーカー、ジーンズ」など、着用不可の衣類が具体的に表示されていたり、「ノースリーブ」、「ショート丈(膝上7センチ以上)」など、好ましくない肌の露出の程度、「レオパード柄」、「ダメージ加工」など好ましくない柄、デザインや加工が表示されていたりしてもよい。
【0036】
図4は、従業員情報DB122の一例を示す図である。
図4に示すように、従業員ごとに、従業員が所属する企業、所属部門、好みの衣類などが関連付けられている。なお、
図4に示す従業員情報DB122は、一例であり、これらに限られない。
【0037】
「企業」欄には、従業員が所属する企業名として、それぞれ会社A,B…が示されている。例えば、衣類推薦システム1を、福利厚生の一つとして利用し、従業員に衣類の提供を行っている企業名であってよい。
【0038】
「部門」欄には、従業員が所属している具体的な部門名であってもよいし、外勤や内勤などの勤務形態であってもよい。職位や年収であってもよい。
【0039】
「好みの衣類」欄には、「パーカー」,「ニット」などの衣類、「タートルネック」,「黒」などのデザインや色であってもよい。また、従業員情報DB122には、衣類推薦システム1における従業員の注文履歴や、他のファッション販売サイトの購入履歴などが含まれていてもよい。
【0040】
図2に戻って、制御部130について説明する。制御部130は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、衣類推薦サーバ10の記憶部120に記憶されている各種プログラム(衣類推薦プログラムに相当。)がRAM(Random Access Memory)を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0041】
制御部130は、注文情報取得部131と、衣類推薦部132と、提示部133と、傾向推定部134と、評価受付部135と、配送管理部136と、を有する。なお、制御部130の内部構成は、
図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0042】
注文情報取得部131は、入力情報取得部に相当し、注文サーバ20から、従業員の注文を集計した注文情報を取得する。取得した注文情報は、企業ごとに服飾情報DB121に格納される。また、従業員ごとに、従業員情報DB122に格納される。なお、従業員からの衣類の注文は、好みのデザインや色、衣類のカテゴリ(カットソーやパンツなど)を指定したものであってもよいし、単に衣類の数量などを指定したものであってもよい。
【0043】
衣類推薦部132は、ファッション製品推薦部に相当し、注文情報取得部131が取得した注文情報を発注した企業の服飾情報に基づいて、注文情報に応じた衣類を推薦する。例えば、衣類推薦部132は、服飾情報DB121から、注文情報を発注した企業の服飾情報を取得する。また、従業員情報DB122から、注文情報に含まれる従業員の好みなどを取得する。そして、従業員の好みと、企業のファッション傾向に関する服飾情報とから、所属する企業の雰囲気に相応しい衣類を推薦する。
【0044】
提示部133は、注文ファッション提示部や推薦ファッション提示部に相当し、従業員端末30を保有する従業員が所属する企業から発注された注文情報、衣類推薦部132が推薦した衣類などを提示する。また、提示部133は、従業員端末30に対し、ファッションに関するアンケートを提示する。
【0045】
図5は、アンケートの画面例を示す図である。
図5において、従業員端末30の(タッチパネル)ディスプレイ300には、複数の画像310が表示されている。各画像310は、異なるファッションアイテムを映した画像である。従業員が、好みのファッションアイテムの画像の右下領域に付されたハートマークをタップすると、色が白からグレーに変わる。すなわち、ハートマーク311が付された画像310は従業員の好みではなく、ハートマーク312が付された画像310は従業員の好みであることを示している。
【0046】
図6は、会社Aに所属する従業員の注文情報の画面例を示す図である。
図6において、会社Aに所属する従業員が保有する従業員端末30の(タッチパネル)ディスプレイ300には、複数の画像320が表示されている。各画像320は、注文サーバ20が受け付けた、会社Aに所属する他の従業員が注文した衣類を示す画像である。画像は、衣類を撮影した静止画や、衣類を着用したモデルの動画であってもよいし、衣類のイラストであってもよい。また、衣類を説明するテキストであってもよい。従業員が、好みの衣類の画像の右下領域に付されたハートマークをタップすると、色が白からグレーに変わる。すなわち、ハートマーク321が付された画像320は従業員の好みではなく、ハートマーク322が付された画像320は従業員の好みであることを示している。
【0047】
図7は、会社Aに所属する従業員の注文情報の画面例を示す図である。
図7の例は、衣類の注文をした従業員を示す画像330が、衣類を示す画像320に付されている点が、
図6の例と異なる。ディスプレイ300を閲覧している会社Aの従業員が、画像320に示される衣類が、当該衣類を注文した(画像330が示す)従業員に似合うと評価して、画像330の傍に付されたサムズアップマークをタップすると、色が白からグレーに変わる。すなわち、サムズアップマーク331が付された画像320は、その衣類を注文した従業員に似合っているとの評価(「いいね」の評価)であり、サムズアップマーク332が付された画像320は、その衣類を注文した従業員に似合っていないという評価をしていることを示している。なお、各画像320について、「いいね」の評価をした従業員の数などを表示するようにしてもよい。
【0048】
他の従業員から似合っているか否かの評価を受けることで、自身のファッションセンスに自信が持て、また、ファッションを通じて、社内コミュニケーションを円滑に図ることができるようになる。
【0049】
図8は、推薦された衣類の画面例を示す図である。
図8において、従業員端末30の(タッチパネル)ディスプレイ300には、複数の画像が表示されている。各画像は、衣類推薦部132が推薦した衣類を示す画像である。ここで、提示部133は、企業のファッション傾向に合った衣類ではあるが、会社Aのドレスコードには適していない衣類については、NGマーク343を付して従業員に提示する。従業員は、推薦された衣類のうち、購入したい衣類の画像をタップすると、画像が白からグレーに変わる。例えば、画像341は購入しない衣類、画像342は購入する衣類(注文確定)であることを示している。
【0050】
推薦された衣類にNGマークを付すことで、従業員の好みには合っているが、従業員の所属する企業や職場では着用出来ない可能性があることを従業員に通知することができ、従業員に購入するか否かの判断を促すことができる。これにより、プライベートでしか着用できない衣類については購入しない、など予算に制約のある従業員にとっては、経済的な判断ができる。
【0051】
なお、提示部133は、ドレスコードに適さない衣類を予め除外して従業員端末30に提示するようにしてもよい。これにより、従業員は、プライベートでも通勤でもいつでも着用できる衣類のみを選択することができる。
【0052】
図2に戻って、傾向推定部134は、企業ごとの従業員のファッション傾向を推定する。例えば、衣類推薦システム1に対する従業員の初回ログイン時に、上述の提示部133が、従業員に対してファッションに関するアンケートを提示する。そして、アンケートの回答を企業ごとに記憶部120に記憶し、アンケートの回答に基づいて、当該従業員が所属する企業のファッション傾向を推定する。
【0053】
なお、アンケートには、従業員の好みの色やデザイン、出勤時に着用する衣類、コーディネート、ドレスコードなどを、選択肢を提示して選択させてもよいし、文字入力させてもよい。また、洋服や小物などのファッションアイテムの画像を提示して、好みの画像を選択させ、選択された画像から、ドレスコードを含むファッション傾向を推定してもよい。例えば、特定の衣類に対し、好みである従業員がいない場合は、当該従業員の所属する企業では、その特定の衣類はドレスコードに適さない(NGである)と判断してもよい。
【0054】
また、傾向推定部134は、従業員情報DB122に格納された、衣類推薦システム1における従業員の注文履歴に基づいて、当該従業員が所属する企業のファッション傾向を推定してもよい。
【0055】
また、傾向推定部134は、企業に所属する従業員の姿を撮影した画像に基づいて、当該企業のファッション傾向を推定してもよい。例えば、従業員端末30から、従業員自身の勤務時(すなわち、特定団体での活動時)の姿を撮影した画像を衣類推薦サーバ10にアップロードさせる。そして、傾向推定部134は、所定の従業員数以上についてアップロードされた画像に基づいて、その従業員が所属する企業においてよく着用される服装を推定する。また、企業内でカメラを設置し、ファッション傾向を推定するために従業員を撮影するようにしてもよい。企業において撮影された画像は、衣類推薦サーバ10にアップロードされ、服飾情報DB121に格納してもよい。
【0056】
また、傾向推定部134は、企業から発注された注文情報に対する、評価受付部135(後述)が受け付けた評価に基づいて、ファッション傾向を推定してもよい。
図6および
図7において説明したように、他の従業員からも「いいね」の評価を受けた衣類は、よりその企業における従業員の好みを反映しており、ファッション傾向を推定する際の精度を向上させることができる。
【0057】
評価受付部135は、提示部133が提示した衣類(
図6および
図7参照)に対する評価を受け付ける。例えば、
図6や
図7において、従業員が注文した衣類に対する「いいね」の評価、注文した従業員に対して、注文した衣類が似合うという評価を受け付ける。傾向推定部134は、上述したように、受け付けた評価に基づいて、ファッション傾向を推定する。
【0058】
発送管理部136は、提示部133が提示した、推薦された衣類(
図8参照)に応じて従業員によって選択された衣類(注文が確定した衣類)に基づいて、企業に発送する衣類を決定する。なお、発送管理部136は、衣類推薦部132が推薦した衣類のうち所定の数量を、企業に発送する衣類として決定してもよい。企業単位で衣類を発送するため、発送先の企業において従業員に衣類を選択させ、選択されなかった衣類については返品を受け付けるようにしても、輸送コストは従業員の自宅などに個別に配送するよりも削減することができるからである。
【0059】
なお、注文サーバ20は、従業員端末30から受け付けた注文を、企業ごとに集計した注文情報を衣類推薦サーバ10に送信するが、一般的なサーバ装置の機能で実現可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0060】
(従業員端末30の機能構成)
図9は、従業員端末30の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図9を参照して、従業員端末30の機能構成について説明する。なお、本実施形態の従業員端末30は、
図9の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0061】
従業員端末30は、例えば、スマートフォンを含む携帯電話機や、タブレット端末や、ノート型PCや、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末である。また、従業員端末30には、眼鏡型や時計型の情報処理端末であるウェアラブルデバイス(wearable device)も含まれる。さらに、従業員端末30には、インターネット等に接続可能な通信機能や、位置情報を取得するための情報処理機能を有する種々のスマート機器が含まれてもよい。例えば、従業員端末30には、自動車などのスマートビークル(Smart vehicle)などが含まれてもよい。
【0062】
図9において、従業員端末30は、通信部310と、入力部320と、出力部330と、撮影部340と、制御部350と、記憶部360と、を有する。
【0063】
通信部310は、衣類推薦サーバ10、注文サーバ20等と、ネットワークNWを介した通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0064】
入力部320は、ユーザから各種操作を受け付ける入力インタフェースである。例えば、入力部320は、従業員端末30に備えられた操作キーやボタン、タッチパネル、音声入力のためのマイク等によって実現される。
【0065】
出力部330は、各種情報を出力するための表示装置や、スピーカであって、例えば、液晶ディスプレイやスマートスピーカ等によって実現される。なお、従業員端末30にタッチパネルが採用される場合には、入力部320の一部と出力部330とは一体化される。例えば、衣類推薦サーバ10から送信された、推薦された衣類に関する情報は、出力部330の表示装置に表示される。
【0066】
撮影部340は、被写体を撮影するカメラである。例えば、撮影部340は、従業員端末30を保有する従業員の勤務時や活動時の姿を撮影する。後述する制御部350は、撮影した画像を、通信部310を介して衣類推薦サーバ10に送信するよう制御する。
【0067】
制御部350は、例えば、コントローラであり、CPUやMPU等によって、従業員端末30内部の記憶部360に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部350は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0068】
制御部350は、従業員端末30において入力された注文や購入の指示を注文サーバ20や衣類推薦サーバ10に送信する処理等を制御する。例えば、制御部350は、従業員端末30の衣類推薦システム1を利用するためのプログラム(例えば、スマートフォン専用アプリ)を実行制御する。プログラムは、予め従業員端末30にインストールされていてもよいし、従業員端末30を保有するユーザによる操作に従って衣類推薦サーバ10(または、各種プログラムを提供する外部サーバ)からダウンロードされ、従業員端末30にインストールされてもよい。
【0069】
制御部350は、注文受付部351と、情報取得部352と、出力制御部353と、を有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を、RAMを作業領域として上述したプログラムを実行することにより、実現または実行する。
【0070】
注文受付部351は、入力部320を介して、従業員から衣類の注文を受け付ける。
【0071】
情報取得部352は、通信部310を介して、衣類推薦サーバ10から、従業員が所属している企業において集計された注文情報や、推薦された衣類に関する情報を取得する。また、注文サーバ20からファッションに関するアンケートを取得する。
【0072】
出力制御部353は、情報取得部352が取得した注文情報や推薦された衣類に関する情報(
図5~8参照)を出力部330に出力するよう制御する。
【0073】
記憶部360は、CPUやMPU等のコントローラによって実行される各種プログラムや、撮影部340によって撮影された画像、制御部350によって取得された情報等を記憶する。制御部350は、記憶された画像や情報等を、所定のタイミングで衣類推薦サーバ10に送信するようにしてもよい。
【0074】
(衣類推薦システム1における処理の流れ)
図10は、衣類推薦システム1の処理の流れを示すシーケンス図である。
図10を参照して、衣類推薦システム1における処理の流れを説明する。なお、
図10で示す処理は、衣類推薦システム1の処理の一例である。衣類推薦システム1の処理として、この他にも、上述した衣類推薦サーバ10の各機能構成等の処理を組み合わせてもよい。
【0075】
ステップS101において、従業員端末30は、従業員の操作により、衣類推薦システム1にログインする。ログインの際、従業員は、従業員の所属する企業や、従業員番号など、企業および従業員を識別する識別情報を入力するようにしてもよい。
【0076】
ステップS102において、従業員端末30は、注文サーバ20に対し、ステップS101で入力された識別情報を送信する。
【0077】
ステップS103において、注文サーバ20は、ログインした従業員の識別情報に基づいて、当該ログインが初回であるか否かを確認する。
【0078】
ステップS104において、注文サーバ20は、ステップS103において初回ログインと判断した場合は、従業員端末30に対し、ファッションに関するアンケートを送信する。
【0079】
ステップS105において、従業員端末30は、送信されたアンケートをディスプレイなどに表示して従業員にアンケートを提示し、従業員からアンケートの回答を受け付ける。
【0080】
ステップS106において、従業員端末30は、注文サーバ20に対しアンケートの回答を送信する。
【0081】
ステップS107において、注文サーバ20は、従業員端末30から受信したアンケートの回答を衣類推薦サーバ10に送信する。なお、注文サーバ20は、アンケートの回答を受信する度に衣類推薦サーバ10に送信するのではなく、所定期間に受信したアンケートの回答を送信するようにしてもよい。
【0082】
ステップS108において、衣類推薦サーバ10は、アンケートを回答した従業員が所属する企業に関連付けてアンケートの回答を記憶する。
【0083】
なお、ステップS104~S108において処理されたアンケートの実施は、衣類推薦システム1を利用する契約をした企業に対し、契約時に予めアンケートを実施しておいてもよい。アンケートに対する回答を回収するタイミングは、衣類推薦サーバ10において、ファッション傾向を推定する前であれば、どのようなタイミングであってもよい。
【0084】
ステップS109において、衣類推薦サーバ10は、ステップS108において記憶したアンケートの回答に基づいて、企業ごとにファッション傾向を推定する。推定したファッション傾向は服飾情報として服飾情報DB121に企業ごとに記憶する。
【0085】
なお、ファッション傾向の推定は、アンケートの回答の他に、従業員の注文履歴や、勤務時の姿を撮影した画像、従業員からの評価(
図6および7参照)に基づいて、推定してもよい。衣類推薦サーバ10は、これらの情報を、衣類推薦システム1を運用する過程で従業員端末30や注文サーバ20から定期的に取得し、ファッション傾向の推定を再度行って、服飾情報を更新する。
【0086】
ステップS110において、従業員端末30は、従業員からの操作により、衣類の注文を受け付ける。
【0087】
ステップS111において、従業員端末30は、ステップS110において受け付けた注文を注文サーバ20に送信する。
【0088】
ステップS112において、注文サーバ20は、受け付けた注文を企業ごとに集計する。
【0089】
ステップS113において、注文サーバ20は、企業ごとに集計した注文情報を衣類推薦サーバ10に送信する。
【0090】
ステップS114において、衣類推薦サーバ10は、注文情報を取得する。
【0091】
ステップS115において、衣類推薦サーバ10は、服飾情報DB121から注文情報を発注した企業の服飾情報を取得する。また、従業員情報DB122から衣類を注文した従業員に関する情報(好みや所属など)を取得する。そして、衣類推薦サーバ10は、これらに基づいて、注文情報に適した衣類を推薦する。
【0092】
ステップS116において、衣類推薦サーバ10は、ステップS115において推薦した衣類に関する情報を、衣類の注文に対応する従業員端末30に送信する。
【0093】
ステップS117において、従業員端末30は、衣類推薦サーバ10から受信した、推薦された衣類に関する情報をディスプレイなどに表示して、従業員に提示する。例えば、
図8で示したように、推薦された衣類の画像に、企業のドレスコードに適さない衣類には「NG」マークを付して提示する。または、ドレスコードに適さない衣類を除外して提示する。
【0094】
ステップS118において、従業員端末30は、従業員から、推薦された衣類のうち、購入する衣類の選択を受け付ける。すなわち、注文を確定させる。
【0095】
ステップS119において、従業員端末30は、選択された衣類に関する情報を衣類推薦サーバ10に送信する。
【0096】
ステップS120において、衣類推薦サーバ10は、推薦された衣類のうち、ステップS118において従業員が選択した衣類を、発送する衣類として決定する。
【0097】
ステップS121において、衣類推薦サーバ10は、ステップS120において決定した衣類を、企業ごとに発送管理する。例えば、発送リストを作成し、衣類を保管する倉庫などの管理者端末に送信する。
【0098】
以上のようにして、衣類推薦システム1における処理は終了する。
【0099】
(ハードウェア構成図)
図11は、衣類推薦サーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。衣類推薦サーバ10は、コンピュータ501に実装される。コンピュータ501は、CPU502と、主記憶装置503と、補助記憶装置504と、インタフェース505と、を備える。
【0100】
衣類推薦サーバ10の各構成要素の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置504に記憶されている。CPU502は、プログラムを補助記憶装置504から読み出して主記憶装置503に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU502は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置503に確保する。当該プログラムは、具体的には、コンピュータ501に、企業ごとの従業員のファッション傾向に関する服飾情報に基づいて衣類を推薦し、企業単位で推薦した衣類の発送を管理する衣類推薦プログラムである。
【0101】
なお、補助記憶装置504は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インタフェース505を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムがネットワークを介してコンピュータ501に配信される場合、配信を受けたコンピュータ501が当該プログラムを主記憶装置503に展開し、処理を実行してもよい。
【0102】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置504に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。なお、
図11に示したハードウェア構成は、従業員端末30、および広告主端末40も同様の構成としてもよい。これらの装置における各構成要素の動作も、上述の衣類推薦サーバ10と同様に、補助記憶装置に記憶されたプログラムに従ったCPUにより実現する。
【0103】
(効果の説明)
上述したように、本実施形態に係る衣類推薦システムは、従業員からの衣類の注文を企業ごとに受け付け、当該企業の従業員のファッション傾向(よく着用する服装や、ドレスコードなど)に関する服飾情報に基づいて、注文に適した衣類を推薦する。そして、推薦された衣類の発送は、企業単位で行う。これにより、従業員は、自身の好みだけでなく、企業ごとのファッション傾向にも適した衣類が推薦されるため、プライベート・通勤の両方で、推薦された衣類を楽しむことができる。また、販売側は、衣類の発送を企業(職場)単位で行うため、従業員からの注文に対し個別に発送するよりも輸送コストを削減することができる。また、従業員は、日中過ごす事が多い職場に衣類が配達されるため、注文した衣類を確実に受け取ることができ、予定を調整しなければいけない煩わしさがなくなる。
【0104】
また、本実施形態に係る衣類推薦システムは、ファッション傾向を従業員に対するファッションに関するアンケートに基づいて、企業のファッション傾向を推定する。実際に勤務している従業員からの回答を得ているので、精度よくファッション傾向を推定することができる。
【0105】
また、本実施形態に係る衣類推薦システムは、従業員の注文履歴や勤務時や活動時における姿を撮影した画像に基づいて、企業のファッション傾向を推定する。アンケートに加え、他の方法によっても、従業員のファッションに関する意識や好みを判断することができるので、より精度よくファッション傾向を推定することができる。
【0106】
また、本実施形態に係る衣類推薦システムは、企業に属する従業員が注文した衣類の情報を当該企業に属する他の従業員に提示し、他の従業員から、その注文した衣類に対する評価を受け付ける。そして、受け付けた評価に基づいてファッション傾向を推定する。従業員が注文している衣類のうち、自分の好みであるか否かを他の従業員から評価されることで、従業員全体の衣類の好みが分かり、より精度よくファッション傾向を推定することができる。
【0107】
また、本実施形態に係る衣類推薦システムは、推薦された衣類についてドレスコードに関する情報(NGマーク)を付して注文した従業員に提示する。推薦された衣類にNGマークを付すことで、従業員の好みには合っているが、従業員の所属する企業や職場では着用出来ない可能性があることを従業員に通知することができ、従業員に購入するか否かの判断を促すことができる。これにより、プライベートでしか着用できない衣類については購入しない、など予算に制約のある従業員にとっては、経済的な判断ができる。
【0108】
また、本実施形態に係る衣類推薦システムは、ドレスコードに適さない衣類を予め除外して従業員に提示してもよい。これにより、従業員は、プライベートでも通勤でもいつでも着用できる衣類のみを選択することができる。
【0109】
<実施形態の変形例>
上述の実施形態では、特定団体の構成員からのファッション製品に関する注文等の入力情報を受け付け、当該特定団体の構成員のファッション傾向に関するファッション情報に基づいて、入力情報に適したファッション製品を推薦した。変形例として、特定団体の構成員は、ファッション製品に関する問い合せ、検索、照会(閲覧)、SNSなどへの投稿等の入力を行ってもよい。すなわち、ファッション推薦サーバは、特定団体の構成員から、例えば、構成員が興味のあるファッション製品について検索キーワード等の入力情報を取得し、当該特定団体のファッション情報に基づいて、入力情報に応じたファッション製品を推薦してもよい。これにより、特定団体の構成員は、推薦されたファッション製品を参考にして、自身がよく立ち寄る店舗や、Webサイト等で、選択に迷うことなく購入することができる。
【0110】
本実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0111】
1 衣類推薦システム、10 衣類推薦サーバ、20 注文サーバ、30 従業員端末、110,310 通信部、120,360 記憶部、121 服飾情報DB、122 従業員情報DB、130,350 制御部、131 注文情報取得部、132 衣類推薦部、133 提示部、134 傾向推定部、135 評価受付部、136 発送管理部、320 入力部、330 出力部、340 撮影部、351 注文受付部、352 情報取得部、353 出力制御部、501 コンピュータ、502 CPU、503 主記憶装置、504 補助記憶装置、505 インタフェース