(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】トイレキャビネットおよびトイレキャビネットの設置方法
(51)【国際特許分類】
A47K 17/00 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
A47K17/00
(21)【出願番号】P 2019148775
(22)【出願日】2019-08-14
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】坂本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 嘉彦
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-116583(JP,U)
【文献】特開2018-153367(JP,A)
【文献】特開2018-155034(JP,A)
【文献】特開2000-27265(JP,A)
【文献】特開2005-307651(JP,A)
【文献】特開2011-252279(JP,A)
【文献】特開2015-190256(JP,A)
【文献】特開2019-58576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 17/00-17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ空間における便器と前記便器の後方の第1壁部との間に設けられる幕板と、
前記便器と前記第1壁部との間の空間に設けられ、前記第1壁部および前記トイレ空間の床部の少なくとも一方に支持され、前記便器側に前記幕板が取り付けられる幕板取付部と、を有するトイレキャビネットであって、
前記トイレキャビネットは、少なくとも一方の側部が、前記便器の側方の第2壁部と間隔をあけるように設置され、
前記幕板は、前記第2壁部と間隔をあけるように前記幕板取付部に取り付けられ、
前記第1壁部と前記幕板との間の空間は、
前記第2壁部に向けて開口し、前記側部と前記第2壁部との間の空間からアクセス可能であるトイレキャビネット。
【請求項2】
前記幕板には、開口部が形成されている
請求項1に記載のトイレキャビネット。
【請求項3】
前記開口部は、前記便器と前後方向に重なるように配置され、
前記開口部の縁部と前記便器との間には、隙間が形成されている
請求項2に記載のトイレキャビネット。
【請求項4】
前記第1壁部と前記幕板との間の上部側に設けられ、前記第1壁部と前記幕板との間の空間とその上方とを連通および遮断可能な開閉部材を有し、
前記開閉部材は、上下方向に移動することで前記第1壁部と前記幕板との間の空間とその上方とを連通または遮断するように構成されている
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトイレキャビネット。
【請求項5】
前記幕板は、下端部が前記トイレ空間の床面の上方に間隔をあけて位置するように設けられる
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトイレキャビネット。
【請求項6】
トイレ空間における便器の後方の第1壁部および前記トイレ空間の床部の少なくとも一方に幕板取付部を固定し、
前記幕板取付部に前記第1壁部および前記便器の側方の第2壁部と間隔をあけるように幕板を固定すると共に、前記第1壁部と前記幕板との間に、前記第2壁部に向けて開口し、前記第2壁部側から前記第1壁部と前記幕板との間の空間にアクセス可能にする開口部を形成するトイレキャビネットの設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トイレキャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレ空間における便器とこの便器の後方の壁部との間に設けられるトイレキャビネットが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなトイレキャビネットは、両側面とも便器の側方の壁部と当接している。このようなトイレキャビネットの中には、幕板と、幕板を取り付けるための幕板取付部とを有し、壁部や床部に固定した幕板取付部に対して幕板を取り付けるトイレキャビネットがある。幕板は、両側面が便器の側方の壁部と当接している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トイレキャビネットの両側面が便器の側方の壁部と当接しているため、トイレキャビネットの幅寸法は、便器の両側方の壁部の間隔の寸法に設定する必要がある。壁部や床部に固定した幕板取付部に対して幕板を取り付けるトイレキャビネットの場合、壁部や床部に固定した幕板取付部に幕板を取り付ける工程では、幕板取付部の公差および幕板の公差が影響するため、幕板を便器の両側方の壁部の間に納めることに手間がかかることがある。
【0005】
そこで、本開示は、便器の両側方の壁部の間隔に関わらず設置することができるトイレキャビネットおよびトイレキャビネットの設置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係るトイレキャビネットは、トイレ空間における便器と前記便器の後方の第1壁部との間に設けられる幕板と、前記便器と前記第1壁部との間の空間に設けられ、前記第1壁部および前記トイレ空間の床部の少なくとも一方に支持され、前記便器側に前記幕板が取り付けられる幕板取付部と、を有するトイレキャビネットであって、前記トイレキャビネットは、少なくとも一方の側部が、前記便器の側方の第2壁部と間隔をあけるように設置され、前記幕板は、前記第2壁部と間隔をあけるように前記幕板取付部に取り付けられ、前記第1壁部と前記幕板との間の空間は、前記第2壁部に向けて開口し、前記側部と前記第2壁部との間の空間からアクセス可能である。
上記目的を達成するため、本開示に係るトイレキャビネットの設置方法は、トイレ空間における便器の後方の第1壁部および前記トイレ空間の床部の少なくとも一方に幕板取付部を固定し、前記幕板取付部に前記第1壁部および前記便器の側方の第2壁部と間隔をあけるように幕板を固定すると共に、前記第1壁部と前記幕板との間に、前記第2壁部に向けて開口し、前記第2壁部側から前記第1壁部と前記幕板との間の空間にアクセス可能にする開口部を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】トイレキャビネットの一例を示す斜視図である。
【
図2】トイレキャビネットの一例を示す平面図である。
【
図3】トイレキャビネットの一例を示す正面図である。
【
図4】トイレキャビネットの一例を示す側面図である。
【
図12】第1幕板、第2幕板および第3幕板の配置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1および
図2に示すように、本実施形態によるトイレキャビネット1は、トイレ空間11に便器12および手洗い器13と共に設置されている。以下では、便座に着座した使用者の前方となる側を前側、その反対側を後側とし、前側と後側とを結ぶ方向を前後方向とする。前後方向と直交する水平方向を左右方向とし、左右方向の右側および左側は、便座に着座し前側を向く使用者の右側および左側と同じ側とする。便器12の後側には、壁面が前後方向を向く第1壁部14が設けられる。便器12の両側方には、壁面が左右方向を向く第2壁部15,16が設けられる。便器12の左側の第2壁部15を左側第2壁部15とし、便器12の右側の第2壁部15を右側第2壁部16(
図2参照)とする。トイレ空間11の出入口18(
図2参照)は、便器12の前側に設けられている。便器12は、第1壁部14寄りに設けられている。
【0009】
便器12は、洗浄水を流す方式が水頭圧を使用しない水道直結式や加圧式で、洗浄水を貯留するタンク(ロータンク)が便器12の便器本体121(便鉢122、および洗浄機能や脱臭機能などの各種装置が設けられる機能部123が設けられる部分)の後方に連続して設けられていない、所謂タンクレストイレの便器である。以下では、上記のような洗浄水を貯留するタンクが便器本体121の後方に連続して設けられていない便器をタンクレストイレの便器と称することがある。本実施形態の便器12には、タンクが便器本体121の後方に設けられておらず便器本体121の内部や下側に設けられている便器や、タンクが便器本体121の後方であっても便器本体121と配管を介して接続され便器本体121と連続していない便器は、上記のタンクレストイレの便器に含むものとする。便器12と接続される給水管は、第1壁部14に設けられた止水栓に接続されている。便器12と接続される排水管は、第1壁部14の後方の排水管に接続されている。
【0010】
手洗い器13は、左側第2壁部15に取り付けられている。本実施形態では、手洗い器13の給排水は、便器12の給水管に給排水と別系統ではなく統合されている。手洗い器13と接続される給水管は、止水栓から分岐される。手洗い器13と接続される排水管は、便器12の排水管に接続され、便器12の排水とともに第1壁部の後方の排水管に流れるように構成されている。手洗い器13に接続された給水管および排水管は、第1壁部14および左側第2壁部15に沿って配管されている。
【0011】
図1-
図4に示すように、トイレキャビネット1は、便器12の後に第1壁部14に沿って設けられる第1キャビネット2と、便器12の左に第1キャビネット2と離間し左側第2壁部15に沿って設けられる第2キャビネット4と、第1壁部14と左側第2壁部15とがなす角部17(
図1、
図2参照)に沿って設けられ第1キャビネット2と第2キャビネット4とを接続する第3キャビネット6と、を有している。
【0012】
第1キャビネット2は、平面視形状が左右方向に長い長方形で、左側の端部が左側第2壁部15と離間している。第2キャビネット4は、平面視形状が前後方向に長い長方形で、後側の端部が第1壁部14と離間している。第2キャビネット4は、手洗い器13の後側に設けられ、前側の縁部が手洗い器13と当接している。
【0013】
図2に示すように、第1キャビネット2の左側の端部2aは、第2キャビネット4の右側の端部(第2幕板43の表面431)よりも右側に位置している。すなわち、第1キャビネット2の左側の端部2aと左側第2壁部15との間隔は、第2キャビネット4の左右方向の寸法よりも大きく設定されている。第2キャビネット4の後側の端部4aは、第1キャビネット2の前側の端部(第1幕板23の表面23a)よりも前側に位置している。すなわち、第2キャビネット4の後側の端部4aと第1壁部14との間隔は、第1キャビネット2の前後方向の寸法よりも大きく設定されている。第3キャビネット6は、第1キャビネット2の左側の端部5aと第2キャビネット4の後側の端部4aとの間に設けられている。
【0014】
本実施形態では、第1キャビネット2、第2キャビネット4および第3キャビネット6は、ほぼ同じ高さ寸法に形成される。第1キャビネット2、第2キャビネット4および第3キャビネット6は、それぞれの便器12側の面に幕板23,43,62が設けられている。第1キャビネット2、第2キャビネット4および第3キャビネット6の幕板23,43,62は、床面111から浮いた状態に配置され、これらの下端部23d,43d,62dが床面111から約200mm上方となる同じ高さに連続して配置されている。第1キャビネット2および第2キャビネット4の幕板23,43の上端部23e,43eは、床面111から約750mm上方となる同じ高さに配置されている。第3キャビネット6の幕板62の上端部62eは、第1キャビネット2および第2キャビネット4の幕板23,43の上端部23e,43eよりもやや下側となる高さに配置されている。トイレキャビネット1は、便器12の便蓋124が起立して開状態となった際の上端部124a、および便器12の便座が起立して開状態となった際の上端部の高さよりも下側に設けられている。トイレキャビネット1は、トイレ空間の高さ方向の中央となる高さよりも下側に設けられている。トイレキャビネット1は、少なくとも下部側が便器本体121の上端部よりも下側に配置されている。手洗い器13についても第1キャビネット2、第2キャビネット4および第3キャビネット6とほぼ同じ高さ寸法に形成され、ほぼ同じ高さに配置されている。
【0015】
図5に示すように、第1キャビネット2は、第1壁部14に固定される第1固定フレーム部22(幕板取付部)と、第1固定フレーム部22の前側に着脱可能な第1幕板23(幕板)と、第1固定フレーム部22の上側に取り付けられた第1天板24と、を有している。
【0016】
第1固定フレーム部22は、上下方向に間隔をあけて第1壁部14に固定される上側固定板部31および下側固定板部32と、左右方向に間隔をあけて配置され上側固定板部31および下側固定板部32それぞれに上側固定板部31および下側固定板部32よりも前方に突出するように固定される一対の突出板部33と、上側固定板部31と下側固定板部32との間の高さにおいて一対の突出板部33の間に設けられる棚板部34と、上側固定板部31の右側の端部に上側固定板部31よりも前方に突出するように固定される右側突出板部35と、第1固定フレーム部22の床面111からの高さを調整する固定フレーム高さ調整部材36と、を有している。
【0017】
上側固定板部31は、板面が長方形となる長尺の平板状に形成されている。上側固定板部31は、左右方向に延びて板面が前後方向を向く向きで第1壁部14に固定されている。下側固定板部32は、板面が長方形となる長尺の平板状に形成されている。下側固定板部32は、板面が左右方向に延びて前後方向を向く向きで第1壁部14に固定されている。上側固定板部31および下側固定板部32は、ネジなどの固定具で第1壁部14に固定されている。
【0018】
上側固定板部31は、下側固定板部32よりも左右方向に長く形成されている。上側固定板部31は、左側の端面31aが下側固定板部32の左側の端面32aよりも左側に位置し、右側の端面31bは、下側固定板部32の右側の端面32bの鉛直方向上側に位置している。第1壁部14に止水栓などやコンセントが設けられている場合は、上側固定板部31および下側固定板部32は、止水栓やコンセントを避けるように設置される。
【0019】
一対の突出板部33は、互いに同じ形状で長尺の平板状に形成されている。一対の突出板部33は、上下方向に延びて板面が左右方向を向く向きで上側固定板部31および下側固定板部32に固定されている。一対の突出板部33は、上下方向の寸法(長さ寸法)が上側固定板部31の上端面31cから下側固定板部32の下端面32cまでの寸法と同じ寸法に形成されている。一対の突出板部33は、上端面33aが上側固定板部31の上端面31cの高さとなり、下端面33bが下側固定板部32の下端面32cの高さとなるように上側固定板部31および下側固定板部32に固定されている。
【0020】
一対の突出板部33は、それぞれ上端部近傍が上側固定板部31に前側から固定されている。一対の突出板部33のうちの左側の突出板部33は、下端部近傍が下側固定板部32に左側から固定されている。一対の突出板部33のうちの右側の突出板部33は、下端部近傍が下側固定板部32に右側から固定されている。一対の突出板部33には、上下方向の中間部に後側に開口する切り欠き部331が形成されている。切り欠き部331は、給水管、排水管や電気配線などを設置可能に構成されている。
【0021】
棚板部34は、長尺の平板状に形成されている、棚板部34は左右方向に延びて板面が上下方向を向く向きで一対の突出板部33の間に配置され、一対の突出板部33それぞれの上下方向の中間部と連結されている。棚板部34は、後端面が第1壁部14と当接し、前端面が一対の突出板部33それぞれの前端面と略面一となるように設けられている。棚板部34は一対の突出板部33それぞれの切り欠き部331よりも上側に設けられている。棚板部34の上面は、物品などを載置可能となっている。
【0022】
右側突出板部35は、平板状に形成され、板面が左右方向を向く鉛直面となる向きで、上側固定板部31の右側の端部に前側から固定されている。右側突出板部35の上端部は、上側固定板部31の上端部と同じ高さに配置され、右側突出板部35の下端部は、上側固定板部31の下端部と同じ高さに配置されている。
【0023】
固定フレーム高さ調整部材36は、下側固定板部32に固定され下側固定板部32よりも下方に突出する突出板部361と、突出板部361の下端部に取り付けられて上下方向の寸法を調整可能なアジャスタ362と、を有している。本実施形態では、2つの固定フレーム高さ調整部材36が左右方向に間隔をあけて設けられている。固定フレーム高さ調整部材36は、便器12の後側に前後方向に重なるように設けられている。このため、固定フレーム高さ調整部材36は、便器12の前側からは見えにくくなっている。
【0024】
第1固定フレーム部22は、上側固定板部31、下側固定板部32、一対の突出板部33、棚板部34、右側突出板部35、および固定フレーム高さ調整部材36を組み立てた状態で第1壁部14に固定される。第1固定フレーム部22を第1壁部14に固定するには、まず、第1固定フレーム部22を仮置きして固定フレーム高さ調整部材36のアジャスタ362を床面111と当接させ、アジャスタ362を調整して第1固定フレーム部22の高さを調整する。そして、第1固定フレーム部22の高さが決定したら、上側固定板部31および下側固定板部32を第1壁部14に固定する。上側固定板部31および下側固定板部32は、第1壁部14の柱や間柱にネジなどで固定されたり、第1壁部14の石膏ボードなどの下地材に樹脂プラグアンカーを用いて固定されたりしている。
【0025】
一対の突出板部33には、第1幕板23を係止するための第1係止部371および第2係止部372が取り付けられている。一対の突出板部33のうちの右側の突出板部33には、第1幕板23を係止するための第3係止部373および第4係止部374がさらに取り付けられている。右側突出板部35にも、第1幕板23を係止するための第5係止部375が取り付けられている。
【0026】
第1係止部371は、一対の突出板部33の互いに対向する側面の下部側に取り付けられている。第1係止部371には、鋼板を加工した第1金具72が使用されている。第1金具72は、L字形状に形成され、L字形を形成する一方の片となる第1板部721と、他方の片となる第2板部722と、を有している。第1板部721と第2板部722とは、直角を成すように接続されている。第1金具72は、第1板部721が後述する第2金具71と係合し、第2板部722が突出板部33に固定される。
【0027】
第1係止部371の第1金具72は、第2板部722の板面が左右方向を向き第1板部721の板面が前後方向を向く姿勢となり、第2板部722が一対の突出板部33の互いに対向する側面に固定されている。第1板部721は、第2板部722の前縁部から対向する突出板部33に向かって突出している。第2板部722は、ネジなどの固定具で突出板部33に固定されている。第1板部721は、突出板部33の前端面よりもやや前側に位置している。
【0028】
第2係止部372は、一対の突出板部33の互いに対向する側面の上部側に取り付けられている。第2係止部372は、一対の突出板部33に固定されたネジ73で構成されている。ネジ73は、円柱状のネジ部731と、ネジ部731よりも径が大きくネジ部731の軸線方向の一方の端部に同軸に連結された頭部732と、を有している。第2係止部372のネジ73は、軸線が左右方向に延びる向きで、ネジ部731が右側の突出板部33に対しては左側から挿入され、左側の突出板部33に対して右側から挿入されている。
【0029】
ネジ部731は、全体が突出板部33に挿入されず、頭部732と連結されている側が突出板部33から突出している。頭部732は、突出板部33と左右方向に離間し、突出板部33との間に隙間733が形成されている。この隙間733は、
図6に示す第2被係止部252の金具75における突出板部752の先端部分753の厚さ寸法よりもやや大きく設定されている。
【0030】
第3係止部373は、右側の突出板部33における右側の面の下部側に取り付けられている。第3係止部373は、第1面ファスナ741と、第1面ファスナ741を右側の突出板部33に固定するL字形金具742と、を有している。
L字形金具742は、L字形状に形成され、L字形を形成する一方の片となる第1板部743と、他方の片となる第2板部744と、を有している。第1板部743と第2板部744とは、直角を成すように接続されている。L字形金具742は、第1板部743に第1面ファスナ741が取り付けられ、第2板部744が突出板部33に固定される。
【0031】
第3係止部373のL字形金具742は、第2板部744の板面が左右方向を向き第1板部743の板面が上下方向を向く姿勢となり、第2板部744が右側の突出板部33の右側の面に固定されている。第1板部743は、第2板部722の下縁部から右側に向かって突出している。第2板部744は、ネジなどの固定具で突出板部33に固定されている。第1板部743の上面には、第1面ファスナ741が取り付けられている。
【0032】
第4係止部374は、右側の突出板部33における右側の面の上部側に取り付けられている。第4係止部374には、第1係止部371と同様の第1金具72が使用されている。第4係止部374の第1金具72は、第2板部722の板面が左右方向を向き第1板部721の板面が前後方向を向く姿勢となり、第2板部722が右側の突出板部33の右側の面に固定されている、第1板部721は、第2板部722の前縁部から右側に向かって突出している。第4係止部374においても、第1板部721が突出板部33の前端面よりもやや前側に位置している。
【0033】
第5係止部375は、右側突出板部35における左側の面の上部側に取り付けられている。第5係止部375には、第1係止部371および第4係止部と同様の第1金具72が使用されている。第5係止部375の第1金具72は、第2板部722の板面が左右方向を向き第1板部721の板面が前後方向を向く姿勢となり、第2板部722が右側突出板部35の左側の面に固定されている。第1板部721は、第2板部722の前縁部から左側に向かって突出している。第5係止部375においても、第1板部721が突出板部33の前端面よりもやや前側に位置している。第4係止部374と第5係止部375とは同じ高さで左右方向に重なる位置に配置されている。
【0034】
第1幕板23は、平板状に形成され板面が前後方向を向いた姿勢で第1固定フレーム部22の前側に取り付けられる。第1幕板23の上記の姿勢における前面を表面とし、後側の面を裏面とする。以下の説明では、第1幕板23は、上記の姿勢であるものとする。第1幕板23は、第1壁部14に設けられた電源コンセントや止水栓の一部、第1幕板23と第1壁部14との間に設けられた給水ホースや給電コード、第1固定フレーム部22の棚板部34に載置された物品などを隠すことができる。第1幕板23は、第1固定フレーム部22の下側で第1幕板23よりも低い位置に設けられた設備や物品なども便器12の前方から見えにくくすることができる。トイレ空間11のリフォームによりトイレキャビネット1を設置する場合には、撤去した器具類の取付穴や取付具などを全てまたは部分的に、第1幕板23が隠したり見えにくくしたりすることができる。
【0035】
第1幕板23は、下端部23dが床面111の上方に間隔をあけて位置し、床面111から浮いた状態に設けられる。第1幕板23の下端部23dと床面111との間隔は、例えば、掃除道具、給水ホース、給電コード、ゴミ箱(例えば、サニタリーボックス)などを挿通または設置できるように構成されている。
【0036】
「第1幕板23が床面111から浮いた状態」とは、第1幕板23の下端部23dと床面111との間が空部となっているものとする。例えば、第1幕板23の下端部23dが床面111の上方に間隔をあけて位置していても、床面111に台輪などの部材が設けられていて、台輪など部材の上側に第1幕板23が載って設けられている状態は、「第1幕板23が床面111から浮いた状態」に含まないものとする。第1幕板23の下端部23dが床面111の上方に間隔をあけて位置していても、第1幕板23が台輪などの部材の前側に設けられ、第1幕板23の下端部23dの近傍が台輪などの部材の前側に当接または隙間を介して近接して重なっている状態も、「第1幕板23が床面111から浮いた状態」に含まないものとする。
【0037】
第1幕板23は、左側の縁部23fが第1固定フレーム部22の左側の突出板部33よりも左側に位置し、右側の縁部23gが第1固定フレーム部22の右側の突出板部35よりも右側に位置している。第1幕板23の右側の縁部23gは、便器12の右側に位置する右側第2壁部16と離間している。後述するが、第1天板24の右側の縁部(開閉天板部241の右側の縁部241b)も、便器12の右側に位置する右側第2壁部16と離間している。第1幕板23の右側の縁部23gと第1天板24の右側の縁部とは、左右方向の位置が同じ位置となっていて、右側第2壁部16との間隔が略同じ寸法となっている。第1キャビネット2の右側の側部2bには、第1幕板23の右側の縁部23gおよび第1天板24の右側の縁部が配置されている。第1キャビネット2の右側の側部2bと右側第2壁部16との間隔は、人の手が入り、掃除道具(例えば、薄型のブラシなど)、給水ホース、給電コードなどを設置可能に構成されている。
【0038】
第1幕板23は、左右に2つに分割され、左側に配置される左側第1幕板231と、右側に配置される右側第1幕板232と、を有している。左側第1幕板231および右側第1幕板232は、それぞれ第1固定フレーム部22に着脱可能に構成されている。左側第1幕板231および右側第1幕板232は、同じ高さ寸法に形成され、同じ高さに配置されている。左側第1幕板231および右側第1幕板232は、それぞれの表面が面一となるように配置されている。
【0039】
左側第1幕板231には、下部側の左右方向の中間部に、下側に開口する切り欠き部233(開口部)が形成されている。左側第1幕板231が便器12の後方に設置されると、切り欠き部233には便器12と接続される給水管、排水管が設置される。
【0040】
図6に示すように、左側第1幕板231の後面には、第1固定フレーム部22の第1係止部371に係止される第1被係止部251と、第1固定フレーム部22の第2係止部372に係止される第2被係止部252と、が取り付けられている。
【0041】
図6および
図7に示すように、第1被係止部251は、左側第1幕板231の裏面231bにおける下部側に取り付けられている。第1被係止部251には、鋼板を加工した第2金具71が使用されている。第2金具71は、左側第1幕板231の裏面231bに沿って固定される固定板部711と、固定板部711の下縁部から後に突出する突出板部712と、突出板部712の後縁部から下側に延びる鉛直板部713と、鉛直板部713から下側に向かって漸次前側に延びる第1傾斜板部714と、第1傾斜板部714の下縁部からさらに下側に向かって漸次後側に延びる第2傾斜板部715と、を有している。第2金具71は、弾性変形可能に構成されている。
【0042】
固定板部711は、ネジなどの固定具で左側第1幕板231の裏面231bに固定されている。鉛直板部713は、左側第1幕板231の裏面231bと平行に設けられている。本実施形態では、第1被係止部251は、2つ設けられ、左側第1幕板231における切り欠き部233の左右方向の両側に1つずつ設けられている。
【0043】
第1被係止部251の第2金具71は、左側第1幕板231の裏面231bに固定されると、鉛直板部713、第1傾斜板部714および第2傾斜板部715が、それぞれ第1幕板23の裏面23bと離間し、突出板部712の下側で、鉛直板部713、第1傾斜板部714および第2傾斜板部715と、左側第1幕板231の裏面231bとの間に隙間(以下、係止空部716とする)が形成される。本実施形態では、第2金具71は、左側第1幕板231以外の部材にも固定されている。第2金具71が左側第1幕板231以外の部材に固定されている場合でも、突出板部712よりも第2傾斜板部715側で、鉛直板部713、第1傾斜板部714および第2傾斜板部715と、固定されている面との間の隙間を係止空部716とする。
【0044】
図7に示すように、第1傾斜板部714と第2傾斜板部715との接続部分には、角部718が形成されている。この角部718は、左側第1幕板231の裏面231bに向かって突出している。角部718と左側第1幕板231の裏面231bとの間隔が、鉛直板部713と左側第1幕板231の裏面231bとの間隔よりも小さく設定されている。角部718と左側第1幕板231の裏面231bとの間隔は、第1係止部371の第1金具72の第1板部721の厚さ寸法よりもやや小さく設定されている。
【0045】
第1金具72と第2金具71とは、第2金具71と左側第1幕板231の裏面231bとの間の係止空部716に、第1金具72の第1板部721が挿入されることで互いに係合するように構成されている。すなわち、第1係止部371は、第2金具71の第2係止空部717に第1被係止部521の第1金具72の第1板部721が挿入されることで第1被係止部251を係止している。
【0046】
上述したように、第1被係止部251の第2金具71の角部718と左側第1幕板231の裏面231bとの間隔は、第1係止部371の第1金具72の第1板部721の厚さ寸法よりもやや小さく設定されている。このため、第1板部721が係止空部716に挿入される際には、第1板部721が角部718とあたり、角部718と左側第1幕板231の裏面231bとの間隔を広げるように第2金具71を弾性変形させる。そして、第2金具71の復元力によって角部718が第1板部721を左側第1幕板231の裏面231bに押し付け、第1板部721が第2金具71と左側第1幕板231の裏面231bとに挟持された状態となる。
【0047】
図6に戻り、第2被係止部252は、左側第1幕板231の裏面231bにおける2つの第1被係止部251それぞれの鉛直方向上側に1つずつ、計2つ設けられている。第2被係止部252は、鋼板を加工した金具75が使用されている。金具75は、左側第1幕板231の裏面231bに沿って固定される固定板部751と、固定板部751から後に突出する突出板部752と、を有している。固定板部751は、ネジなどの固定具で左側第1幕板231の裏面231bに固定されている。突出板部752は、先端部分753の板面が左右方向を向く平板状に形成されている。突出板部752の先端部分753には、左右方向に貫通し、下部側に開口する切り欠き部754が形成されている。
【0048】
第2被係止部252は、突出板部752の先端部分753が、第2係止部372のネジ部731の頭部732と第1固定フレーム部22の突出板部33との間に位置し、突出板部752の切り欠き部754に、下側から第2係止部372のネジ部731が挿入されることで第2係止部372に引っ掛かった状態となり、第2係止部372に係止される。
【0049】
左側第1幕板231を第1固定フレーム部22に取り付けるには、左側第1幕板231を第1固定フレーム部22の前側において第1固定フレーム部22よりも高い位置から下方スライドさせる。左側第1幕板231の第1被係止部251を第1固定フレーム部22の第1係止部371に係止させ、左側第1幕板231の第2被係止部252を第1固定フレーム部22の第2係止部372に係止させるようにする。これにより、左側第1幕板231が第1固定フレーム部22に取り付けられる。
【0050】
左側第1幕板231を第1固定フレーム部22から外すには、左側第1幕板231を上方に引き上げる。左側第1幕板231の第1被係止部251を第1固定フレーム部22の第1係止部371から外し、左側第1幕板231の第2被係止部252を第1固定フレーム部22の第2係止部372から外す。これにより、左側第1幕板231が第1固定フレーム部22から外される。
【0051】
図6に示すように、本実施形態では、左側第1幕板231には、第1固定フレーム部22に対する高さを調整する幕板高さ調整部材26が取り付けられている。幕板高さ調整部材26は、左側第1幕板231の裏面231bにおける高さ方向の中間部に左右方向に間隔をあけて2つ設けられている。幕板高さ調整部材26は、左側第1幕板231に固定されるL字形金具261と、L字形金具261に取り付けられるネジ262と、を有している。
【0052】
L字形金具261は、L字形を形成する一方の片で左側第1幕板231に固定される固定板部263と、L字形を形成する他方の片で固定板部263から後側に突出する突出板部264と、を有している。固定板部263は、平板状に形成され、板面が前後方向を向く鉛直面となる向きに配置されている。突出板部264は、平板状に形成され突出板部264の下縁部から後側に突出し板面が水平面となる向きに配置されている。突出板部264には、上下方向に貫通する孔部265が左右方向に間隔をあけて2つ形成されている。孔部265は、上側からネジ262が螺合可能に構成され、所望の高さにおいてネジ262を係止可能に構成されている。
【0053】
幕板高さ調整部材26は、第1固定フレーム部22の棚板部34よりも上側に配置され、ネジ262の下端部262aが棚板部34の上面と当接するように構成されている。幕板高さ調整部材26は、ネジ262が突出板部264から下側に突出する寸法を調整することで、第1固定フレーム部22に対する左側第1幕板231の高さを調整できるように構成されている。
【0054】
右側第1幕板232の裏面232bには、第1固定フレーム部22の第3係止部373に係止される第3被係止部253と、第1固定フレーム部22の第4係止部374に固定される第4被係止部254と、第1固定フレーム部22の第5係止部375に固定される第5被係止部255と、が取り付けられている。
【0055】
第3被係止部253は、右側第1幕板232の裏面232bの下部側における左側の縁部近傍に取り付けられている。第3被係止部253は、第2面ファスナ761と第2面ファスナ761を右側第1幕板232の裏面232bに固定する固定部材762と、を有している。固定部材762は、箱状の部材で下端面が水平面となるように右側第1幕板232の裏面232bに固定されている。固定部材762の下端面に第2面ファスナ761が取り付けられている。
【0056】
第4被係止部254は、右側第1幕板232の裏面232bの上部側における左側の縁部近傍に取り付けられている。第5被係止部255は、右側第1幕板232の裏面232bの上部側における右側の縁部近傍に取り付けられている。第4被係止部254および第5被係止部255には、第1被係止部251と同様の第2金具71が用いられている。
【0057】
右側第1幕板232を第1固定フレーム部22に取り付けるには、右側第1幕板232を、第1固定フレーム部22の前側において第1固定フレーム部22よりも高い位置から下方スライドさせる。右側第1幕板232の第3被係止部253の第2面ファスナ761を第1固定フレーム部22の第3係止部373の第1面ファスナ741と接着させ、右側第1幕板232の第4被係止部254および第5被係止部255を第1固定フレーム部22の第4係止部374および第5係止部375に係止させるようにする。これにより、右側第1幕板232が第1固定フレーム部22に取り付けられる。
【0058】
右側第1幕板232を第1固定フレーム部22から外すには、右側第1幕板232を上方に引き上げる。右側第1幕板232の第3被係止部253を第1固定フレーム部22の第3係止部373から外し、左側第1幕板231の第4被係止部254および第5被係止部255を第1固定フレーム部22の第4係止部374および第5係止部375から外す。これにより、右側第1幕板232が第1固定フレーム部22から外される。
【0059】
図5に示すように、第1天板24は、右側に位置し第1固定フレーム部22の上方を開閉する開閉天板部241(開閉部材)と、左側に位置し第1固定フレーム部22Dに固定された固定天板部242と、を有している。固定天板部242の左側の縁部は、左側第1幕板231の左側の縁部と左右方向に同じ位置に配置されている。開閉天板部241の右側の縁部は、右側第1幕板232の右側の縁部と左右方向に同じ位置に配置されている。開閉天板部241の下側かつ右側第1幕板232の後側となる第1固定フレーム部22の右側の側部は、側板などは設けられておらず、右側に開口している。
【0060】
開閉天板部241は、板面が長尺の長方形となる平板状に形成され、長さ方向が左右方向となる向きで第1固定フレーム部22の上側固定板部31の上端部に丁番243を介して回動可能に取り付けられている。開閉天板部241の左側の縁部241aは、第1固定フレーム部22の左側の突出板部33の上側に位置している、開閉天板部241の右側の縁部241bは、第1固定フレーム部22の右側突出板部35よりも右側に突出している。
図2および
図3に示すように、開閉天板部241の右側の縁部241bは、便器12の右側に位置する右側第2壁部16と離間している。
【0061】
開閉天板部241は、板面が水平面となる姿勢(閉姿勢とする)となると第1固定フレーム部22の上部を閉塞している。閉姿勢の開閉天板部241における後側の縁部を後縁部241cとし、前側の縁部を前縁部241dとする。
図5に示すように、開閉天板部241は、後縁部241cの近傍に丁番243が固定されている。丁番243の回動軸は、左右方向に延びている。開閉天板部241は、回動して前縁部241dが後縁部241cの上側となる姿勢(開姿勢とする)となると第1固定フレーム部22の上部を開放している。開閉天板部241が開姿勢となると、第1固定フレーム部22の棚板部34の上部が上方に開口するため、棚板部34の上に物品を収納したり、棚板部34の上に収納された物品を取り出したりすることができる。
【0062】
開閉天板部241は、前縁部241dが第1幕板23の裏面(左側第1幕板231の裏面231b、右側第1幕板232の裏面232b)と当接し、上面241eが第1幕板23の上端部23e(左側第1幕板231の上端部、右側第1幕板232の上端部)よりも下側に位置している。閉姿勢の開閉天板部241を開姿勢とするには、開閉天板部241の右側の縁部241bと右側第2壁部16との間隔に上側から手を入れて、開閉天板部241の右側の縁部241bの近傍を把持して行う。上述しているように、開閉天板部241の右側の縁部241bは、第1固定フレーム部22の右側突出板部35よりも右側に突出しているため、開閉天板部241における右側突出板部35よりも右側の部分を把持することができる。開姿勢の開閉天板部241を閉姿勢とする場合にも、開閉天板部241の右側の縁部241bの近傍を把持して行う。なお、開姿勢の開閉天板部241を閉姿勢とする場合には、開閉天板部241の前縁部241dの近傍や左側の縁部241aの近傍を把持してもよい。
【0063】
固定天板部242は、第1固定フレーム部22の左側の突出板部33よりも左側の部分の上部に配置されている。固定天板部242は、左側の突出板部33にL字形金具などで固定されている。固定天板部242の奥行き寸法は、開閉天板部241の奥行き寸法(前縁部241dと後縁部241cとを結ぶ方向の寸法)とほぼ同じ寸法に設定されている。固定天板部242は、前縁部が左側第1幕板231の裏面231bと当接し、上面が第1幕板23の上端部23eよりも下側に位置している。
【0064】
図8に示すように、第2キャビネット4は、便器12の左側に設けられて便器12(
図1参照)と左側第2壁部15との間の空間を閉塞する第2カバー部41と、左側第2壁部15に固定され、第2カバー部41を着脱可能な第2固定フレーム部42(第2幕板取付部)と、を有している。
【0065】
図8、
図9に示すように、第2カバー部41は、第2幕板43と、第2幕板43と連結された第2天板44と、第2幕板43に取り付けられて第2固定フレーム部42に係止される第2幕板被係止部45(
図9参照)と、第2天板44に設けられて第2固定フレーム部42に係止される第2天板被係止部46(
図9参照)と、を有している。
【0066】
第2幕板43は、平板状に形成されている。第2幕板43は、第2カバー部41が第2固定フレーム部42に取り付けられると、板面が左右方向を向いた姿勢で第2固定フレーム部42の右側に配置される。第2幕板43の上記の姿勢における右側を向く面を表面431とし、左側を向く面を裏面432とする。以下の説明では、第2幕板43は、上記の姿勢であるものとする。第2幕板43は、左側第2壁部15に設けられた電源コンセントや、第2幕板43と左側第2壁部15との間に設けられた給水ホースや給電コードなどを隠すことができる。第2幕板43は、第2固定フレーム部42の下側で第2幕板43よりも低い位置に設けられた設備や物品などもトイレ空間11にいる人から見えにくくすることができる。トイレ空間11のリフォームによりトイレキャビネット1を設置する場合には、撤去した器具類の取付穴や取付具などを全てまたは部分的に、第2幕板43が隠したり見えにくくしたりすることができる。
【0067】
第2幕板43は、下端部43dが床面111の上方に間隔をあけて位置し、床面111から浮いた状態に設けられる。第2幕板43の下端部43dと床面111との間隔は、例えば、掃除道具、給水ホース、給電コードなどを挿通または設置できるように構成されている。「第2幕板43が床面111から浮いた状態」とは、第2幕板43の下端部43dと床面111との間が空部となっているものとする。例えば、第2幕板43の下端部43dが床面111の上方に間隔をあけて位置していても、床面111に台輪などの部材が設けられていて、台輪など部材の上側に第2幕板43が載って設けられている状態は、「第2幕板43が床面111から浮いた状態」に含まないものとする。第2幕板43の下端部43dが床面111の上方に間隔をあけて位置していても、第2幕板43が台輪などの部材の前側に設けられ、第2幕板43の下端部43dの近傍が台輪などの部材の前側に当接または隙間を介して近接して重なっている状態も、「第2幕板43が床面111から浮いた状態」に含まないものとする。
【0068】
第2幕板43には、上部側の前側部分に、板面を貫通する開口部433が形成されている。開口部433には、トイレットペーパーホルダーが設置されるように構成されている。第2天板44は、平板状に形成され板面が上下方向を向いた姿勢で第2幕板43の上端部43eのやや下側に連結されている。
【0069】
第2幕板被係止部45は、第2幕板43の裏面432の下部側における前後方向に間隔をあけた2か所にそれぞれに第1被係止部251と同様に第2金具71が取り付けられることで設けられている。突出板部712の下側で、鉛直板部713、第1傾斜板部714および第2傾斜板部715と第2幕板43の裏面432との間には、係止空部716が形成されている。
【0070】
第2天板被係止部46は、第2天板44の下面の左側の縁部近傍における前後方向に間隔をあけた2か所にそれぞれに第1金具72が取り付けられることで設けられている。
【0071】
第2固定フレーム部42は、互いに上下方向に間隔をあけて左側第2壁部15に固定される上側固定板部51および下側固定板部52と、上側固定板部51および下側固定板部52を前後方向から挟んだ状態で上側固定板部51および下側固定板部52にそれぞれに固定され、上側固定板部51および下側固定板部52よりも右側に突出する一対の突出板部53と、一対の突出板部53それぞれに固定され第2幕板被係止部45を係止する第2幕板係止部55と、上側固定板部51に固定され第2天板被係止部46を係止する第2天板係止部56と、を有している。
【0072】
上側固定板部51は、板面が長方形となる長尺の平板状に形成されている。上側固定板部51は、前後方向に延びて板面が左右方向を向く向きで左側第2壁部15に固定されている。下側固定板部52は、板面が長方形となる長尺の平板状に形成されている。下側固定板部52は、上側固定板部51と同じ長さ寸法に形成されている。下側固定板部52は、板面が前後方向に延びて左右方向を向く向きで左側第2壁部15に固定されている。下側固定板部52は、上側固定板部51の鉛直方向下側に配置されている。上側固定板部51および下側固定板部52は、ネジなどの固定具で左側第2壁部15に固定されている。
【0073】
一対の突出板部53は、互いに同じ長尺の平板状に形成されている。一対の突出板部53は、上下方向に延びて板面が前後方向を向く向きで上側固定板部51および下側固定板部52に固定されている。一対の突出板部53には、第1固定フレーム部22の一対の突出板部33と同様に切り欠き部531が形成されている。切り欠き部531は、給水管、排水管や電気配線などを設置可能に構成されている。一対の突出板部53は、上端部が上下方向の寸法(長さ寸法)が上側固定板部51の上端部と同じ高さに配置され、下端部が下側固定板部52の下端部よりも下側に配置されている。
【0074】
第2幕板係止部55は、一対の突出板部53の互いに対向する側面に第1金具72が固定されることで設けられている。第2幕板係止部55の第1金具72は、第2固定フレーム部42の一対の突出板部53に対して、第1係止部371の第1金具72が第1固定フレーム部22の一対の突出板部33に取り付けられているのと同様に取り付けられている。
【0075】
図10に示すように、第2天板係止部56は、上側固定板部31の右側の面に第2金具71が固定されることで構成されている。第2天板係止部56の第2金具71では、突出板部712の下側で、鉛直板部713、第1傾斜板部714および第2傾斜板部715と、上側固定板部31の右側の面との間に係止空部716が形成されている。
【0076】
図11に示すように、第3キャビネット6は、第1キャビネット2の左側の端部2a(
図2参照)と第2キャビネット4の後側の端部4a(
図2参照)との間の空間に形成された収納部61と、収納部61に対する便器12(
図1参照)が設けられている側に取り付け可能に構成され第1キャビネット2と第2キャビネット4との間隔を開閉可能な第3幕板62と、収納部61の上部に設置可能に構成され収納部61の上方を開閉可能な第3天板63と、を有している。
【0077】
図2に示すように、収納部61は、第1壁部14と左側第2壁部15とがなす角部17の内側に設けられ、上下方向に長い空間に形成されている。収納部61は、第1壁部14と、左側第2壁部15と、第1キャビネット2の左側の端部2aと、第2キャビネット4の後側の端部4aとに囲まれている。
図11に示すように、収納部61は、上下方向の中間部に上下方向に間隔をあけて設けられた2つの棚板65と、2つの棚板65を第1壁部14に固定する固定板部66と、2つの棚板65のうちの上側の棚板65の左側に設けられる左側板部67と、を有している。収納部61は、棚板65の上部には、物品が収納され、下側の棚板65の下部には、手洗い器13(
図2参照)の給水管、排水管や電気配線が配置される。
【0078】
2つの棚板65は、それぞれ平板状に形成され、板面が水平面となる向きに配置される。2つの棚板65は、固定板部66を介して第1壁部14に固定され、L字形金具で第2壁部に固定されている。固定板部66は、平板状に形成され、板面が前後方向を向き、後面が第1壁部14と面接触するように固定されている。固定板部66は、下端部に下側の棚板65が固定され、上下方向の中間部に上側に棚板65が固定されている。下側の棚板65は、床面111よりも上方に位置している。固定板部66の上端部の上には、第3天板63が載置される。
【0079】
2つの棚板65は、同じ形状で、それぞれ板面が長方形の1つの角部を斜めに切除した五角形に形成されている。棚板65の板面の5つの端面を第1~第5端面651~655とし、第1~第5端面651~655がこの順に連続しているものとする。第1~第5端面651~655は、第1端面651と第3端面653とが左側第2壁部15と平行に配置され、第2端面652と第4端面654とが第1端面651および第3端面653と直交し第1壁部14と平行に配置され、第5端面655が他の端面に対して斜めに配置されている。
【0080】
図12に示すように、棚板65は、第1端面651が右側を向き、第2端面652が後側を向いて固定板部66と当接し、第3端面653が左側を向いて左側第2壁部15と当接し、第4端面654が前側を向き、第5端面655が前側かつ右側となる斜め前方を向いている。第1端面651は、第1キャビネット2の左側の端部2aよりも左側に配置されている。第4端面654は、第2キャビネット4の後側の端部4aよりも後側に配置されている。第5端面655は、第1キャビネット2の前側かつ左側の角部(第1幕板23の表面23aと左側の端面とがなす角部)2cと第2キャビネット4の後側かつ右側の角部(第2幕板43の表面431と後側の端面とがなす角部)4cとを結ぶ線よりも左側かつ後側となる斜め後ろ側に配置されている。
【0081】
上側の棚板65の上面における第5端面655の近傍には、第3幕板62の第3幕板上側被係止部691を係止する第3幕板上側係止部681が取り付けられている。第3幕板62上側係止部68には、第1金具72が使用されている。第3幕板上側係止部681の第1金具72は、第2板部722の板面が上下方向を向き第1板部721の板面が第5端面655と平行となる斜め方向を向く姿勢となり、第2板部722が上側の棚板65の上面に固定され、第1板部721が第2板部722の前縁部から上側に向かって突出している。第2板部722は、ネジなどの固定具で上側の棚板65に固定されている。第1板部721は、上側の棚板65の第5端面655よりもやや便器12側に位置している。
【0082】
下側の棚板65の上面における第5端面655の近傍には、第3幕板62の第3幕板下側被係止部692を係止する第3幕板下側係止部682が取り付けられている。第3幕板下側係止部682は、第3面ファスナ77で構成され、下側の棚板65の上面における第5端面655の縁部近傍に取り付けられている。
【0083】
図11-
図13に示すように、第3幕板62は、長尺の板状の部材で、棚板65に係止されると、上下方向に延びる向きに配置されている。以下の第3幕板62の説明では、第3幕板62が棚板65に係止されているものとする。第3幕板62における上下に延びる方向を長さ方向とし、長さ方向に直交する方向を幅方向とする。第3幕板62は、一方の面が平面状に形成され、他方の面が一方の面側に凹んだ円弧面状に形成されている。第3幕板62は、一方の面が棚板65の第5端面655に沿い、他方の面が第1壁部14と左側第2壁部15とがなす角部17から便器12に向かう方向を向いている。第3幕板62の他方の面は、角部17に向かって凹んだ円弧面となっている。第3幕板62の一方の面を裏面622とし、他方の面を表面621とする。第3幕板62は裏面622が棚板65に係止される。
【0084】
第3幕板62は、表面621が裏面622よりも幅方向に大きく形成されている。第3幕板62の幅方向の両端面624,625は、表面621および裏面622に対して直角とならず、表面から裏面に向かって第3幕板62の幅方向の内側に向かうように傾斜している。第3幕板62の幅方向の一方側の端面を第1端面624とし、他方側の端面を第2端面625とすると、第1端面624と第2端面625とは、裏側から表側に向かって漸次互いに離間するように幅方向に対称となる向きを向いている。第1端面624と表面621とは、鋭角を成している。第1端面624と表面621との角部を第1角部626とする。第2端面625と表面621とは、鋭角を成している。第2端面625と表面621との角部を第2角部627とする。
【0085】
図12に示すように、第3幕板62は、棚板65に係止されると、第1角部626および第1端面624の幅方向の一方側の部分が第1幕板23の前側に重なって配置され、第2角部627および第2端面625の幅方向の他方側の部分が第2幕板43の右側に重なって配置される。平面視において第1端面624を含む面624aと第2端面625を含む面625aとがなす角度θ1は、90°よりも大きく設定されている。第3幕板62は、第1端面624が第1幕板23と面接触せず、第1角部626が第1幕板23と線接触している。第3幕板62は、第2端面625が第2幕板43と面接触せず、第2角部627が第2幕板43と線接触している。
【0086】
第3幕板62の裏面622には、上部側に第3幕板上側被係止部691が取り付けられ、下部側に第3幕板下側被係止部692が取り付けられている。第3幕板上側被係止部691は、第3幕板上側係止部681に係止される。第3幕板上側被係止部691には、第2金具71が用いられている。第3幕板下側被係止部692は、第4面ファスナ781と第4面ファスナ781を第3幕板62に取り付けるL字形金具782と、を有している。L字形金具782は、L字形の一方の片となる第1板部783と、他方の片となる第2板部784とを有している。第1板部783は、第3幕板62の裏面に固定されている。第2板部784は、板面が水平面となる向きで第3幕板62の裏面から突出している。第4面ファスナ781は、第2板部784の下面に取り付けられている。第4面ファスナ781は、第3幕板下側係止部682の第3面ファスナ77に上側から接着される。
【0087】
第3幕板62は、棚板65に係止されると、上端部62eが第1幕板23および第2幕板43の上端部23e,43eよりもやや下側に配置され、下端部62dが第1幕板23および第2幕板43の下端部23d、43dと同じ高さ(床面111よりも上側の高さ)に配置される。第3幕板62は、棚板65に係止されると、床面111から浮いた状態となり、下端部62dが床面111の上方に間隔をあけて位置するように設けられる。第3幕板62の下端部62dと床面111との間隔は、例えば、掃除道具、給水ホース、給電コードなどを挿通または設置できるように構成されている。
【0088】
「第3幕板62が床面111から浮いた状態」とは、第3幕板62の下端部62dと床面111との間が空部となっているものとする。例えば、第3幕板62の下端部62dが床面111の上方に間隔をあけて位置していても、床面111に台輪などの部材が設けられていて、台輪など部材の上側に第3幕板62が載って設けられている状態は、「第3幕板62が床面111から浮いた状態」に含まないものとする。第3幕板62の下端部62dが床面111の上方に間隔をあけて位置していても、第3幕板62が台輪などの部材の前側に設けられ、第3幕板62の下端部62dの近傍が台輪などの部材の前側に当接または隙間を介して近接して重なっている状態も、「第3幕板62が床面111から浮いた状態」に含まないものとする。
【0089】
第3幕板62は、棚板65に係止されると、第1壁部14と左側第2壁部15とがなす角部17に設けられた給水ホースや給電コード、棚板65に載置された物品などを隠すことができる。第3幕板62は、棚板65の下側で第3幕板62よりも低い位置に設けられた設備や物品なども見えにくくすることができる。
【0090】
図1および
図2に示すように、第3天板63は、収納部61、第3幕板62、第1キャビネット2の左側の端部2aの近傍、第2キャビネット4の後側の端部4aの近傍の上方に着脱可能に設置されている。第3天板63は、第1幕板23の上端面、第2幕板43の上端面、固定板部66の上端面に載置されている。
【0091】
図11に示すように、第3天板63は、板面が長方形の1つの角部を切除した形状に形成されている。板面の5つの端面を第1~第5端面631~635とし、第1~第5端面631~635がこの順に連続しているものとする。第1~第5端面631~635は、第1端面631と第3端面633とが平行に配置され、第2端面632と第4端面634とが第1端面631および第3端面633と直交する向きで平行に配置され、第5端面635が他の端面に対して斜めに配置されている。第5端面635は、第3天板63の内側に凹むように湾曲している。
【0092】
第3天板63は、収納部61の上部に載置されると、第1端面631が右側を向き、第2端面632が後側を向いて第1壁部14と対向し、第3端面633が左側を向いて左側第2壁部15と対向し、第4端面634が前側を向き、第5端面635が前側かつ右側となる斜め前方を向いている。第1端面631は、第1天板24の左側の縁部よりも右側に配置されている。第3天板63の第1端面631近傍は、第1天板24の上部に被さっている。第4端面634は、第2天板44の後側の縁部よりも前側に配置されている。第3天板63の第4端面634の近傍は、第2天板44の上に被さっている。第5端面635は、第1キャビネット2の前側かつ左側の角部(第1幕板23の表面23aと左側の端面とがなす角部)と第2キャビネット4の後側かつ右側の角部(第2幕板43の表面431と後側の端面とがなす角部)とを結ぶ線よりも左側かつ前側となる斜め前方に配置されている。第5端面635は、第3幕板62の前面よりも便器12側に突出している。
【0093】
第3天板63は、第1キャビネット2の第1天板24と、第2キャビネット4の第2天板44に跨るように設置されている。第3天板63は、上方に持ち上げることで第1キャビネット2の第1天板24および第2キャビネット4の第2天板44から離れ、収納部61の上部を開放する。第3天板63を上方に持ち上げる際には、第3天板63における第3幕板62の前面よりも便器12側に突出している第5端面635の近傍を把持することで、第3天板63を容易に持ち上げることができる。
【0094】
第3天板63は、下面における第1端面631に沿った縁部、および第4端面634に沿った縁部にパッキン636が取り付けられている。第3天板63は、第3キャビネット6の上部に着脱可能に構成されていて、第3キャビネット6の上部に取り付けられると、パッキン636が第1天板24の上面および第2天板44の上面に当接する。
【0095】
上記の実施形態によるトイレキャビネット1は、第1キャビネット2の第1幕板23は、右側第2壁部16と間隔をあけるように第1固定フレーム22に取り付けられる。これにより、第1幕板23の左右方向の寸法は、右側第2壁部16と第3キャビネット6との左右方向の間隔と一致しなくてもよいため、第1幕板23をトイレ空間11の左右方向の寸法(左側第2壁部15と右側第2壁部16との間隔)に関わらず設置することができる。
【0096】
上記の実施形態によるトイレキャビネット1では、第1キャビネット2の右側の端部全体が、左右方向に対向する右側第2壁部16と間隔をあけるように設置される。これにより、第1キャビネット2の左右方向の寸法は、右側第2壁部16と第3キャビネット6との左右方向の間隔と一致しなくてもよいため、第1キャビネット2をトイレ空間11の左右方向の寸法(左側第2壁部15と右側第2壁部16との間隔)に関わらず設置することができる。
【0097】
上記の実施形態によるトイレキャビネット1では、第1壁部14と第1幕板23との間の空間が、右側第2壁部16に向けて開口している。このため、右側第2壁部16と第1キャビネット2との間隔から第1壁部14と第1幕板23との間の空間にアクセスすることができ、第1壁部14と第1幕板23との間の空間に設けられた設備配管などの取り回しやメンテナンスなどを行いやすい。
【0098】
上記の実施形態によるトイレキャビネット1では、第1幕板23には、切り欠き部233が形成されている。このため、切り欠き部233から第1壁部14と第1幕板23との間の空間にアクセスすることができ、第1壁部14と第1幕板23との間の空間に設けられた設備配管などの取り回しやメンテナンスなどを行いやすい。
【0099】
上記の実施形態によるトイレキャビネット1では、第1天板24の開閉天板部241は、上下方向に移動することで第1壁部14と第1幕板23との間の空間とその上方とを連通または遮断するように構成されている。これにより、第1壁部14と第1幕板23との間の空間を上方から使用することができる。
【0100】
上記の実施形態によるトイレキャビネット1では、第1幕板23は、下端部23dがトイレ空間11の床面111の上方に間隔をあけて位置するように設けられている。これにより、トイレ空間11および第1幕板23の清掃性がよいとともに、第1キャビネット1を浮遊感のあるデザインとすることができる。
【0101】
本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記の実施形態によるトイレキャビネット1では、第1キャビネット2、第2キャビネット4および第3キャビネット6は、同じ高さ寸法で同じ高さに配置されているが、それぞれ異なる高さ寸法で異なる高さに配置されていてもよい。第1キャビネット2、第2キャビネット4および第3キャビネット6が取り付けられる高さは、適宜設定されてよい。第1キャビネット2、第2キャビネット4および第3キャビネット6それぞれの幕板23,43,62は、下端部が床面と当接していてもよい。
【0102】
上記の実施形態では、便器12は、タンクが便器本体121の後方に連続して設けられていないタンクレストイレの便器であるが、上記のようなタンクレストイレ以外のトイレの便器であってもよい。上記の実施形態では、トイレキャビネット1は、手洗い器13と共に設置されているが、手洗い器13とは別に設置されていてもよい。
【0103】
上記の実施形態によるトイレキャビネット1では、第1キャビネット2とともに第2キャビネット4および第3キャビネット6が設けられているが、便器12の後側の第1キャビネットのみが設けられていてもよい。第1キャビネット2は、内部にトイレ用品などの物品を収容可能であるが、設備配管のみが収容されるように構成されていてもよい。第1キャビネット2は、タンク付き便器のタンクが収容されていてもよい。
【0104】
上記の実施形態によるトイレキャビネット1では、第1壁部14と第1幕板23との間の空間が、右側第2壁部16側に開口しているが、第1キャビネット2の側部に側板が設けられ、右側第2壁部16側に開口していなくてもよい。
【0105】
上記の実施形態によるトイレキャビネット1では、第1幕板23には、下部側に切り欠き部233が形成されているが、切り欠き部233が形成されていなくてもよい。第1幕板23に切り欠き部が形成される場合、その形状や数は適宜設定されてよい。
【0106】
上記の実施形態によるトイレキャビネット1では、第1天板24の開閉天板部241は、上下方向に移動することで第1壁部14と第1幕板23との間の空間とその上方とを連通または遮断するように構成されているが、第1天板24は、開閉しない構成であってもよい。
【0107】
上記の実施形態によるトイレキャビネット1では、第1幕板の下端部がトイレ空間11の床面111の上方に間隔をあけて位置するように設けられているが、第1幕板の下端部がトイレ空間11の床面111と当接していてもよい。
【符号の説明】
【0108】
1 トイレキャビネット、2 第1キャビネット、2b 側部、11 トイレ空間、12 便器、14 第1壁部、15 左側第2壁部、16 右側第2壁部(第2壁部)、22 第1固定フレーム部(幕板取付部)、23 第1幕板(幕板)、23d 下端部、23g 縁部、24 第1天板、111 床面、233 切り欠き部(開口部)、241 開閉天板部(開閉部材)