(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】振分け装置及び仕分けシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 47/46 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
B65G47/46 C
(21)【出願番号】P 2019177068
(22)【出願日】2019-09-27
【審査請求日】2022-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001834
【氏名又は名称】三機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100072718
【氏名又は名称】古谷 史旺
(74)【代理人】
【識別番号】100097319
【氏名又は名称】狩野 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100151002
【氏名又は名称】大橋 剛之
(74)【代理人】
【識別番号】100201673
【氏名又は名称】河田 良夫
(72)【発明者】
【氏名】菱沼 信也
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭53-036286(JP,U)
【文献】特開2001-080733(JP,A)
【文献】特開平11-157642(JP,A)
【文献】特開2011-063449(JP,A)
【文献】特開平04-112125(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送コンベヤの搬送経路に沿って移動する物品を払出経路に送り出す際に、送り出される前記物品を前記払出経路の幅方向に対して振り分ける振分け装置において、
上面視において、前記搬送経路の上流側に位置する長手方向である回転軸方向の一端が、前記一端とは反対側の他端よりも前記搬送経路から離れて位置し、且つ前記一端から前記他端にかけての周面の上部が前記搬送経路における搬送面よりも上方に位置するように、前記搬送経路と前記払出経路との間に配置される第1の回転ローラを含む複数の回転ローラと、
前記払出経路に送り出される前記物品の移動方向を変化させるように、前記複数の回転ローラの回転時における回転速度を制御する制御装置と、
を有することを特徴とする振分け装置。
【請求項2】
請求項1に記載の振分け装置において、
前記第1の回転ローラは、前記払出経路に向けて送り出される前記物品の送出し方向に対して、前記物品が前記第1の回転ローラに乗り上げたときに前記物品が前記第1の回転ローラに接地される面積に基づいた角度傾いて配置されることを特徴とする振分け装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の振分け装置において、
前記第1の回転ローラは、回転軸方向における一端から他端に向けて、前記搬送経路における搬送方向の下流側に対して上り傾斜した状態で配置されることを特徴とする振分け装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の振分け装置において、
前記複数の回転ローラは、前記第1の回転ローラよりも前記払出経路側に配置される第2の回転ローラを含み、
前記第2の回転ローラは、上面視において、前記搬送経路の上流側に位置する長手方向である回転軸方向の一端が前記第1の回転ローラよりも前記搬送経路から離れて位置するとともに前記第1の回転ローラの中心近傍に位置し、且つ、前記一端とは反対側の他端が前記一端よりも前記搬送経路から離れて位置し、且つ、前記一端から前記他端にかけての周面の上部が前記搬送面よりも上方に位置するように、前記搬送経路と前記払出経路との間に配置されることを特徴とする振分け装置。
【請求項5】
請求項4に記載の振分け装置において、
前記第2の回転ローラは、前記第2の回転ローラの前記周面の上部が、前記第1の回転ローラの前記周面の上部よりも高く位置し、且つ前記第2の回転ローラの回転軸方向における一端から他端に向けて、前記搬送経路における搬送方向の下流側に対して上り傾斜した状態で配置されることを特徴とする振分け装置。
【請求項6】
請求項5に記載の振分け装置において、
前記第2の回転ローラの傾斜角度は、前記第1の回転ローラの傾斜角度よりも大きく設定されることを特徴とする振分け装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の振分け装置において、
前記制御装置は、前記物品の配送先に基づいて、前記複数の回転ローラの回転時における回転速度を制御することを特徴とする振分け装置。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の振分け装置において、
前記制御装置は、前記物品の大きさに基づいて、前記複数の回転ローラの回転時における回転速度を制御することを特徴とする振分け装置。
【請求項9】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の振分け装置において、
前記制御装置は、前記払出経路の幅方向における領域を示す入力情報に基づいて、前記複数の回転ローラの回転時における回転速度を制御することを特徴とする振分け装置。
【請求項10】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の振分け装置において、
前記制御装置は、前記払出経路の近傍に位置する人物の位置情報に基づいて、前記複数の回転ローラの回転時における回転速度を制御することを特徴とする振分け装置。
【請求項11】
物品を搬送する搬送コンベヤと、
前記搬送コンベヤ
の搬送経路におけ
る搬送方向とは異なる方向に送り出された前記物品が払い出される払出しシュートと、
上面視において、前記搬送コンベヤの上流側に位置する長手方向である回転軸方向の一端が、前記一端とは反対側の他端よりも前記搬送コンベヤから離れて位置し、且つ前記一端から前記他端にかけての周面の上部が前記搬送コンベヤにおける搬送面よりも上方に位置するように、前記搬送コンベヤと前記払出しシュートとの間に配置される第1の回転ローラを含む複数の回転ローラと、
前記払出しシュートに払い出される前記物品の移動方向を変化させるように、前記複数の回転ローラの回転時における回転速度を制御する制御装置と、
を有することを特徴とする仕分けシステム。
【請求項12】
請求項11に記載の仕分けシステムにおいて、
前記第1の回転ローラは、前記払出しシュートに向けて送り出される前記物品の送出し方向に対して、前記物品が前記第1の回転ローラに乗り上げたときに前記物品が前記第1の回転ローラに接地される面積に基づいた角度傾いて配置されることを特徴とする仕分けシステム。
【請求項13】
請求項11又は請求項12に記載の仕分けシステムにおいて、
前記第1の回転ローラは、回転軸方向における一端から他端に向けて、前記搬送コンベヤの
前記搬送経路における搬送方向の下流側に対して上り傾斜した状態で配置されることを特徴とする仕分けシステム。
【請求項14】
請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の仕分けシステムにおいて、
前記複数の回転ローラは、前記第1の回転ローラよりも前記払出しシュート側に配置される第2の回転ローラを含み、
前記第2の回転ローラは、上面視において、前記搬送コンベヤの上流側に位置する長手方向である回転軸方向の一端が前記第1の回転ローラよりも前記搬送コンベヤから離れて位置するとともに前記第1の回転ローラの中心近傍に位置し、且つ、前記一端とは反対側の他端が前記一端よりも前記搬送コンベヤから離れて位置し、且つ、前記一端から前記他端にかけての周面の上部が前記搬送面よりも上方に位置するように、前記搬送コンベヤと前記払出しシュートとの間に配置されることを特徴とする仕分けシステム。
【請求項15】
請求項14に記載の仕分けシステムにおいて、
前記第2の回転ローラは、前記第2の回転ローラの前記周面の上部が、前記第1の回転ローラの前記周面の上部よりも高く位置し、且つ前記第2の回転ローラの回転軸方向における一端から他端に向けて、前記搬送コンベヤの
前記搬送経路における搬送方向の下流側に対して上り傾斜した状態で配置されることを特徴とする仕分けシステム。
【請求項16】
請求項15に記載の仕分けシステムにおいて、
前記第2の回転ローラの傾斜角度は、前記第1の回転ローラの傾斜角度よりも大きく設定されることを特徴とする仕分けシステム。
【請求項17】
請求項11から請求項16のいずれか1項に記載の仕分けシステムにおいて、
前記制御装置は、前記物品の配送先に基づいて、前記複数の回転ローラの回転時における回転速度を制御することを特徴とする仕分けシステム。
【請求項18】
請求項11から請求項16のいずれか1項に記載の仕分けシステムにおいて、
前記制御装置は、前記物品の大きさに基づいて、前記複数の回転ローラの回転時における回転速度を制御することを特徴とする仕分けシステム。
【請求項19】
請求項11から請求項16のいずれか1項に記載の仕分けシステムにおいて、
前記制御装置は、前記払出しシュートの幅方向における領域を示す入力情報に基づいて、前記複数の回転ローラの回転時における回転速度を制御することを特徴とする仕分けシステム。
【請求項20】
請求項11から請求項16のいずれか1項に記載の仕分けシステムにおいて、
前記制御装置は、前記払出しシュートの近傍に位置する人物の位置情報に基づいて、前記複数の回転ローラの回転時における回転速度を制御することを特徴とする仕分けシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流センター等に使用され、入荷した物品(搬送物)を仕分ける際に用いられる振分け装置又は仕分けシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
物流センターに入荷した物品(搬送物)は、例えばトラックなど輸送手段から荷卸しされた後、物流センター内に設けた搬送ルート上を搬送される。搬送ルート上を搬送される過程で、搬送物は、搬送ルートの側方に設けられた複数の払出しシュートのうち、目的の払出しシュートに仕分けられる。目的の払出しシュートへと仕分けられた搬送物は、払出しシュートの先端の領域に滞留される。払出しシュートの先端部分の領域(以下、滞留部)に滞留された搬送物は、作業者により行き先毎に拾い上げられて、かご台車に集積された後、トラックなどの輸送手段である配送車や貨物機に積み込まれて物流センターから出荷される。
【0003】
搬送ルート上を搬送される搬送物を目的の払出しシュートに仕分ける方法として、例えば、載置した搬送物を搬送ルートに直交する方向に移動させるキャリアベルトを備えた走行台車を搬送ルートに沿って走行させ、搬送物を目的の仕分けシュート(払出しシュートに相当)に払い出す前に、キャリアベルトを駆動して、搬送物をキャリアベルトの移動方向における、目的の仕分けシュート側の端部まで予め移動させて停止させることが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1では、搬送物を目的の仕分けシュートに払い出す前に、キャリアベルトを駆動して、搬送物をキャリアベルトの移動方向における、目的の仕分けシュート側の端部まで予め移動させて停止させておくことで、目的の仕分けシュートへの仕分け時のキャリアベルトの駆動から引き込みローラによる搬送物の引き込み開始までの、搬送物の移動距離を最小限にし、搬送物とキャリアベルトの間でスリップが発生する場合や、重量がある搬送物を仕分ける際のキャリアベルトの駆動モータの負荷が大きい場合に生じる、仕分けシュートに払い出される搬送物の放出軌跡のばらつきを最小限にでき、その結果、仕分けシュートのシュート幅を抑えることができる。
【0005】
また、この他に、搬送手段により搬送経路に沿った搬送面を形成する遊転ローラ群を備えた直進搬送装置と、搬送面を形成するローラ群が配設され、向き変更装置により回転する回転体を有する分岐搬送装置とを、分岐搬送装置が分岐搬送手段側に位置するように、経路幅方向に並置し、搬送経路の幅方向において分岐搬送装置が配置される側に寄せた状態で搬送物を搬送することが提案されている(特許文献2参照)。
【0006】
特許文献2では、搬送経路の幅方向において分岐搬送装置が配置される側に寄せた状態で搬送物を搬送することで、回転体の回転の有無に関わらず、搬送経路を搬送される搬送物の重心は分岐搬送装置上に位置することになるので、分岐搬送装置の各ローラの回転によって、例えば回転体が回転していない場合には搬送経路を直進でき、また、回転体が回転した場合には、各ローラにより仕分け方向に送り出され、また、分岐搬送装置と分岐搬送手段との間のフィードローラにより確実に搬送物が引き込まれるので、搬送物を確実に仕分けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第3311603号公報
【文献】特許第4576987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、搬送経路を搬送される過程で仕分けられた搬送物は、作業者による集積作業(メークアップ作業)により行き先毎に拾い上げられて、かご台車に集積される。このメークアップ作業は、仕分けられた搬送物から配送エリアが同一の搬送物を選別し、また、選別された搬送物をかご台車に効率的に集積することから時間の掛かる作業である。その一方で、搬送設備では、搬送物の搬送速度の高速化や振分け機構の高速化が進んでいることから、搬送物の仕分け能力が向上している。したがって、払出しシュートの滞留部には、払出しシュートに仕分けられた搬送物で満杯状態となりやすい。払出しシュートに仕分けられた搬送物は、大きさや重量の異なる搬送物であることから、例えば払出しシュートに滞留する搬送物のうち、軽い搬送物や小さい搬送物は、重い搬送物に押しつぶされ損傷する可能性が高い。したがって、払出しシュートの滞留部の搬送物が満杯状態にならないように搬送物の搬送、搬送物の払い出しを改善する必要がある。
【0009】
しかしながら、特許文献1では、目的の仕分けシュートへの仕分け時のキャリアベルトの駆動から引き込みローラによる搬送物の引き込み開始までの、搬送物の移動距離を最小限にすることで、搬送物の搬送軌跡がほぼ同一となるように仕分けることを前提とした発明であり、払出しシュートの滞留部における搬送物の滞留状態を改善するものではない。
【0010】
また、特許文献2では、分岐搬送装置に設けた回転体を回転させて、回転体が有するローラの向きを変えることで、搬送物を搬送手段に受け渡すか、分岐搬送手段に受け渡すかを行うものである。したがって、分岐搬送手段として払出しシュートを想定した場合、回転体の回転角度を変更することで搬送物の搬送方向を変更し、払出しシュートの幅方向に複数列に払い出すことができるため、払出しシュートの滞留部における搬送物の滞留状態を改善することは可能である。
【0011】
しかしながら、従来の仕分けシステムを有する場合には、仕分けシステム全体を交換する必要があり、コストが掛かる。また、特許文献2の場合には、回転体の回転角度を変更することで搬送物の搬送方向を変更するが、スラットコンベヤのシューで搬送物を分岐搬送手段に強制的に押し出すほど分岐させる方向へ搬送物を送り出す強い力はかからないので、その分、払出しシュートの幅方向に搬送物がばらつきやすいことから、幅が広い払出しシュートが必要となる。この幅が広い払出しシュートは、仕分けシステム内に設置する払出しシュートの数を減少させる要因となることから、配送エリア毎に搬送物を仕分けることができなくなる恐れがある。
【0012】
本発明は、簡単な構成で、仕分けコンベヤから払い出される物品の振り分けに対する自由度を高め、また、メークアップ作業の作業効率の低下や滞留する搬送物の積層による搬送物の損傷を防止することができるようにした振分け装置や、仕分けシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために、本発明の振分け装置は、搬送コンベヤの搬送経路に沿って移動する物品を払出経路に送り出す際に、送り出される前記物品を前記払出経路の幅方向に対して振り分ける振分け装置において、上面視において、前記搬送経路の上流側に位置する長手方向である回転軸方向の一端が、前記一端とは反対側の他端よりも前記搬送経路から離れて位置し、且つ前記一端から前記他端にかけての周面の上部が前記搬送経路における搬送面よりも上方に位置するように、前記搬送経路と前記払出経路との間に配置される第1の回転ローラを含む複数の回転ローラと、前記払出経路に送り出される前記物品の移動方向を変化させるように、前記複数の回転ローラの回転時における回転速度を制御する制御装置と、有することを特徴とする。
【0014】
また、前記第1の回転ローラは、前記払出経路に向けて送り出される前記物品の送出し方向に対して、前記物品が前記第1の回転ローラに乗り上げたときに前記物品が前記第1の回転ローラに接地される面積に基づいた角度傾いて配置されることを特徴とする。
【0015】
また、前記第1の回転ローラは、回転軸方向における一端から他端に向けて、前記搬送経路における搬送方向の下流側に対して上り傾斜した状態で配置されることを特徴とする。
【0016】
また、前記複数の回転ローラは、前記第1の回転ローラよりも前記払出経路側に配置される第2の回転ローラを含み、前記第2の回転ローラは、上面視において、前記搬送経路の上流側に位置する長手方向である回転軸方向の一端が前記第1の回転ローラよりも前記搬送経路から離れて位置するとともに前記第1の回転ローラの中心近傍に位置し、且つ、前記一端とは反対側の他端が前記一端よりも前記搬送経路から離れて位置し、且つ、前記一端から前記他端にかけての周面の上部が前記搬送面よりも上方に位置するように、前記搬送経路と前記払出経路との間に配置されることを特徴とする。
【0017】
この場合、前記第2の回転ローラは、前記第2の回転ローラの前記周面の上部が、前記第1の回転ローラの前記周面の上部よりも高く位置し、且つ前記第2の回転ローラの回転軸方向における一端から他端に向けて、前記搬送経路における搬送方向の下流側に対して上り傾斜した状態で配置されることが好ましい。
【0018】
さらに、前記第2の回転ローラの傾斜角度は、前記第1の回転ローラの傾斜角度よりも大きく設定されることが好ましい。
【0019】
また、前記制御装置は、前記物品の配送先に基づいて、前記複数の回転ローラの回転時における回転速度を制御することが好ましい。また、前記制御装置は、前記物品の大きさに基づいて、前記複数の回転ローラの回転時における回転速度を制御することが好ましい。さらに、前記制御装置は、前記払出経路の幅方向における領域を示す入力情報に基づいて、前記複数の回転ローラの回転時における回転速度を制御することが好ましい。この他に、前記制御装置は、前記払出経路の近傍に位置する人物の位置情報に基づいて、前記複数の回転ローラの回転時における回転速度を制御することが好ましい。
【0020】
また、本発明の仕分けシステムは、物品を搬送する搬送コンベヤと、前記搬送コンベヤの搬送経路における搬送方向とは異なる方向に送り出された前記物品が払い出される払出しシュートと、上面視において、前記搬送コンベヤの上流側に位置する長手方向である回転軸方向の一端が、前記一端とは反対側の他端よりも前記搬送コンベヤから離れて位置し、且つ前記一端から前記他端にかけての周面の上部が前記搬送コンベヤにおける搬送面よりも上方に位置するように、前記搬送コンベヤと前記払出しシュートとの間に配置される第1の回転ローラを含む複数の回転ローラと、前記払出しシュートに払い出される前記物品の移動方向を変化させるように、前記複数の回転ローラの回転時における回転速度を制御する制御装置と、を有することを特徴とする。
【0021】
また、前記第1の回転ローラは、前記払出しシュートに向けて送り出される前記物品の送出し方向に対して、前記物品が前記第1の回転ローラに乗り上げたときに前記物品が前記第1の回転ローラに接地される面積に基づいた角度傾いて配置されることを特徴とする。
【0022】
また、前記第1の回転ローラは、回転軸方向における一端から他端に向けて、前記搬送コンベヤの搬送経路における搬送方向の下流側に対して上り傾斜した状態で配置されることを特徴とする。
【0023】
また、前記複数の回転ローラは、前記第1の回転ローラよりも前記払出しシュート側に配置される第2の回転ローラを含み、前記第2の回転ローラは、上面視において、前記搬送コンベヤの上流側に位置する長手方向である回転軸方向の一端が前記第1の回転ローラよりも前記搬送コンベヤから離れて位置するとともに前記第1の回転ローラの中心近傍に位置し、且つ、前記一端とは反対側の他端が前記一端よりも前記搬送コンベヤから離れて位置し、且つ、前記一端から前記他端にかけての周面の上部が前記搬送面よりも上方に位置するように、前記搬送コンベヤと前記払出しシュートとの間に配置されることを特徴とする。
【0024】
この場合、前記第2の回転ローラは、前記第2の回転ローラの前記周面の上部が、前記第1の回転ローラの前記周面の上部よりも高く位置し、且つ前記第2の回転ローラの回転軸方向における一端から他端に向けて、前記搬送コンベヤの前記搬送経路における搬送方向の下流側に対して上り傾斜した状態で配置されることを特徴とする。
【0025】
さらに、前記第2の回転ローラの傾斜角度は、前記第1の回転ローラの傾斜角度よりも大きく設定されることが好ましい。
【0026】
また、前記制御装置は、前記物品の配送先に基づいて、前記複数の回転ローラの回転時における回転速度を制御することが好ましい。また、前記制御装置は、前記物品の大きさに基づいて、前記複数の回転ローラの回転時における回転速度を制御することが好ましい。さらに、前記制御装置は、前記払出しシュートの幅方向における領域を示す入力情報に基づいて、前記複数の回転ローラの回転時における回転速度を制御することが好ましい。この他に、前記制御装置は、前記払出しシュートの近傍に位置する人物の位置情報に基づいて、前記複数の回転ローラの回転時における回転速度を制御することが好ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、仕分けコンベヤから払い出される払出しシュートと仕分けコンベヤとの間に本発明の装置を割り込ませるだけでよく、また、払出しシュートとして幅が狭い払出しシュートを用いることができる。その結果、同一数の払出しシュートを用いた場合には仕分けシステムの占有スペースを縮小できる一方で、仕分けシステムの占有スペースを縮小しない場合には払出しシュートの設置数を増やすことが可能となる。
【0028】
本発明によれば、上記の構成により、仕分けコンベヤから払い出される物品の振り分けに対して自由度を高め、メークアップ作業の作業効率の低下や滞留する搬送物の積層による搬送物の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の仕分けシステムの一例を示す上面図である。
【
図2】払出しシュート近傍の構成の一例を示す上面図である。
【
図3】払出しシュート近傍の構成の一例を示す斜視図である。
【
図7】物品を払出しシュートの幅方向に分割した2つの領域に振り分ける際の説明図である。
【
図8】振分け機構と、スラットコンベヤ装置との位置関係を示す説明図である。
【
図9】第1モータローラに乗り上げた物品に働く力の関係を示す説明図である。
【
図10】仕分けシステムの電気的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図11】配送先に応じて、物品を振り分ける場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本実施形態について説明する。
図1は、仕分けシステムの一例を示す図、
図2は、払出しシュート近傍の構成の一例を示す図である。仕分けシステム10は、仕分けコンベヤ装置11、送込みコンベヤ装置12,13、及び複数の払出しシュート14を有する。仕分けコンベヤ装置11は、送込みコンベヤ装置12,13から受け渡された物品(以下、搬送物と称する)100を搬送ルートに沿って搬送させた後、複数の払出しシュート14のいずれかに払い出す。
【0031】
仕分けコンベヤ装置11は、ストレートコンベヤ装置やカーブコンベヤ装置などの複数台のコンベヤ装置を有し、複数のコンベヤ装置が搬送物100の搬送経路が無端状となるように配置した構成である。仕分けコンベヤ装置11に使用されるコンベヤ装置としては、例えばスラットコンベヤ装置が挙げられる。
【0032】
詳細については図示を省略するが、スラットコンベヤ装置20は、搬送物100の搬送方向の上流端と下流端にそれぞれ回転自在に左右一対のスプロケットを配置し、これら上流端と下流端の左右一対のスプロケットにそれぞれ左右一対の駆動チェーンを張設し、左右の駆動チェーン間に渡って、搬送物100を下方から支持する複数のスラット21を備えた構成で、前記駆動チェーンを駆動することによって、スラット21を搬送方向(
図2中A方向)へ移動させながら、搬送物100を搬送するものである。
【0033】
スラットコンベヤ装置20が有する複数のスラット21は、スライドシュー22と呼ばれる送出手段を各々備える。スライドシュー22は、スラット21の長手方向に移動可能となるように、2枚のスラット21の間に外嵌される。スライドシュー22は、搬送面をなすスラット21の下方に設置される案内部23又は案内部24に沿って、自身の下方に延びるピン部を倣い作動させて移動する。スライドシュー22は、複数の払出しシュート14の各々に対応して設けられた分岐案内部25のいずれかに案内されることで、スラット21の長手方向に沿って移動する。スライドシュー22の両側面22a,22bは、搬送物100を押圧する押圧面として機能する。スライドシュー22の両側面22a,22bを押圧面22a,22bと称する。なお、押圧面22a,22bは、搬送方向(
図2中A方向)に対して角度θ(一例として、θ=20°)傾斜している。
【0034】
ここで、案内部23と各分岐案内部25の上流側端部との分岐部分には、スライドシュー22が有する磁性体22cに吸着作用を及ぼす吸引装置26が設けられる。吸引装置26は、例えば2つの永久磁石と、2つの永久磁石の間に設けられた電磁石から構成される。吸引装置26は、電磁石への電流の給電時に電磁石の吸着作用を発生させ、スライドシュー22の磁性体22cを分岐案内部25に沿って移動させる。つまり、スライドシュー22が、案内部24側に移動する。スライドシュー22の磁性体22cが分岐案内部25に沿って移動させると、スラット21に保持された搬送物100がスライドシュー22によってスラット21の長手方向に押し出され、払出しシュート14に払い出される。搬送物100を払出しシュート14に向けて払い出す際に用いるスライドシュー22の数は、例えば搬送する搬送物100の大きさ(最大長)に合わせて設定される。
【0035】
一方、電磁石に電流の給電が実施されていないときは電磁石の吸着作用は発生しないので、スライドシュー22の磁性体22cは、分岐案内部25に沿って移動することはなく、案内部23に沿って移動する。したがって、スライドシュー22は、スラット21の長手方向において所定位置に保持されたままとなる。
【0036】
なお、
図2においては、払出しシュート14を搬送物100の搬送方向(
図2中A方向)に対して左側(
図2において、スラットコンベヤ装置20の下方側)に配置しているため、分岐案内部25は案内部23から案内部24に向けて延出され、また、吸引装置26は、案内部23から分岐する分岐案内部25の上流側端部に配置されている。しかしながら、払出しシュート14が配置される位置は、搬送物100の搬送方向に対して左側だけでなく、右側に配置している場合もある。この場合、分岐案内部25は、案内部24から案内部23に向けて延出され、また、吸引装置26は、案内部24から分岐する分岐案内部25の上流側端部に配置することが好ましい。
【0037】
本実施形態では、仕分けコンベヤ装置11として、スラットコンベヤ装置を例に挙げて説明するが、スラットコンベヤ装置の他に、複数のローラを回転させながら搬送物100を搬送するローラコンベヤ装置、テールプーリ及びヘッドプーリの各々に無端ベルトを巻き掛け、無端ベルトの走行により搬送物100を搬送するベルトコンベヤなどを用いることも可能である。例えばローラコンベヤ装置を用いる場合には、ローラコンベヤ装置が有する複数のローラの各々にスライドシューを外嵌し、スライドシューをローラの軸方向に移動させることで、搬送物100を払出しシュート14に払い出す構成としてもよいし、ダイバータの回動により搬送物100を払出しシュート14に払い出す構成としてもよい。また、ベルトコンベヤ装置の場合には、無端ベルトを走行させる構成を有することから、スライドシューの構成ではなく、一般的なダイバータの回動により搬送物100を払出しシュート14に払い出す構成とすればよい。さらに、搬送台車を複数台連結し、搬送台車上にクロスベルトである台車走行方向に直交する方向に走行するベルトコンベヤ装置を載置する、クロスベルトソータ装置であってもよい。
【0038】
図2又は
図3に示すように、スラットコンベヤ装置20と払出しシュート14との間には、振分け機構30が設けられる。振分け機構30は、後述する制御装置54と組み合わせることで、請求項に記載の振分け装置に相当する。なお、
図3においては図示を省略しているが、振分け機構30は、架台などの保持部材に保持されている。なお、振分け機構30は、後述する2本のモータローラの両端における頂点が、スラットコンベヤ装置20の搬送面20aよりも高い状態で固定される(
図6参照)。
【0039】
図4は振分け機構の斜視図、
図5は振分け機構の上面図である。また、
図6は振分け機構の側面図である。
図4、
図5及び
図6に示すように、振分け機構30は、一例として、2本のモータローラ31,32、及びこれらモータローラを軸支する保持板33を含む。
【0040】
モータローラ31,32は、後述する制御装置54によって駆動制御される。モータローラ31は、保持板33に固定された軸受け用のブラケット35,36により軸支される。同様にして、モータローラ32は、保持板33に固定された軸受け用のブラケット37,38に軸支される。以下、上流側に配置されるモータローラ31を第1モータローラ31、下流側に配置されるモータローラ32を第2モータローラ32と称する。
【0041】
第1モータローラ31は、スライドシュー22によりスラットコンベヤ装置20の側方に向けて押し出される搬送物100の下面が摺接され、第1モータローラ31のローラ部分の回転により発生する接線方向の力により搬送物100を払出しシュート14に向けて引き込む。また、第2モータローラ32は、第1モータローラ31により搬送物100が引き込まれる過程で搬送物100の下面が摺接され、第2モータローラ32のローラ部分の回転により発生する接線方向の力により搬送物100を払出しシュート14に向けて引き込む。
【0042】
第1モータローラ31は、
図5に示す上面視において、第1モータローラ31の上流側端部が、下流側端部よりも、仕分けコンベヤ装置11から離れた位置となるように配置される。第1モータローラ31の回転軸(L1)方向と、仕分けコンベヤ装置11(詳細には、スラットコンベヤ装置20)における搬送方向Aとがなす角度は、例えばθ
1である。
【0043】
第2モータローラ32は、
図5に示す上面視において、第1モータローラ31の外側(スラットコンベヤ装置20の側方に配置される第1モータローラ31よりもスラットコンベヤ装置20から離れた位置)に配置される。第2モータローラ32の上流側端部は、第1モータローラ31の回転軸(L1)方向における中央近傍に配置され、第2モータローラ32の下流側端部は、第2モータローラ32の上流側端部よりも、スラットコンベヤ装置20から離れた位置に配置される。ここで、第1モータローラ31の回転軸(L1)と、第2モータローラ32の回転軸(L2)とがなす角度は、例えばθ
2である。
【0044】
また、第1モータローラ31及び第2モータローラ32は、上流側端部から下流側端部に向けて上り傾斜するように各々配置される。ここで、第1モータローラ31は、上流側の端面の頂点P1を基準とすると、下流側の端面の頂点P2の高さが例えば+1(mm)となるように傾斜して配置される。また、第2モータローラ32は、第1モータローラ31の上流側の端面の頂点P1を基準とすると、上流側の端面の頂点P3の高さが例えば+2(mm)、下流側の端面の頂点P4の高さが例えば+6(mm)となるように傾斜して配置される。つまり、第2モータローラ32の傾斜角度は、第1モータローラ31の傾斜角度よりも大きく設定されている。なお、各モータローラの端面における頂点の高さは一例を示したにすぎず、搬送物の大きさなどによって適宜設定されるものである。
【0045】
このように、第1モータローラ31及び第2モータローラ32を上流側から下流側に向けて各々上り傾斜させることで、送り出される搬送物を確実に受け止める、言い換えれば、送り出される搬送物の下面をモータローラに接地させることができるようにしている。なお、第2モータローラ32の傾斜角度を第1モータローラ31の傾斜角度を大きくすることで、第1モータローラ31に搬送物が乗り上げたときには、搬送物の前端部が浮き上がる。第2モータローラ32の傾斜角度を第1モータローラ31の傾斜角度と同一とした場合、第1モータローラ31に乗り上げることで浮き上がる搬送物を接地させることができなくなる。したがって、第1モータローラ31に乗り上げることで浮き上がる搬送物を下流側に位置する第2モータローラ32に確実に接地させるために、第2モータローラ32の傾斜角度を、第1モータローラ31の傾斜角度よりも大きく設定している。
【0046】
ここで、第1モータローラ31及び第2モータローラ32において、搬送物100が乗り上げたときに、各ローラ表面が搬送物100の下面に対して滑る場合があり、このような場合には、各モータローラの回転による力を搬送物に伝達することができない。したがって、第1モータローラ31及び第2モータローラ32のローラ表面には、全周に亘って、滑り止め用のテープを貼付してもよい。なお、各モータローラ表面が搬送物100の下面に対して滑らない場合には、滑り止め用のテープを貼付する必要はない。
【0047】
上述したように、第1モータローラ31及び第2モータローラ32は、後述する制御装置54によって駆動制御される。なお、制御装置54による駆動制御としては、例えば第1モータローラ31及び第2モータローラ32の回転速度の制御が挙げられる。
【0048】
上述したように、振分け機構30の第1モータローラ31の上流側の端面の頂点P1は、スラットコンベヤ装置20の搬送面20aに対して、例えば15mm程度上方に位置する。つまり、スラットコンベヤ装置20のスライドシュー22によりスラットコンベヤ装置20の幅方向に向けて送り出される搬送物100は、払出しシュート14に送り出される直前で、第1モータローラ31、第2モータローラ32の順に乗り上げ、これらモータローラの回転による力を受ける。その結果、第1モータローラ31、第2モータローラ32の順に乗り上げた搬送物100は、スラットコンベヤ装置20における搬送方向に働く力が低減される一方で、スラットコンベヤ装置20の幅方向に働く力が加わる。このとき、第1モータローラ31及び第2モータローラ32の回転速度によって、スラットコンベヤ装置20の幅方向に働く力が増減する。言い換えれば、第1モータローラ31及び第2モータローラ32の回転が低回転となる(言い換えれば、第1モータローラ31及び第2モータローラ32の回転速度が遅い)場合には、スラットコンベヤ装置20の幅方向に働く力は小さいので、スラットコンベヤ装置20から引き込まれた搬送物100は、
図7中H方向に送り出され、払出しシュート14の領域D1に払い出される。一方、第1モータローラ31及び第2モータローラ32の回転が高回転となる(言い換えれば、第1モータローラ31及び第2モータローラ32の回転速度が速い)場合には、スラットコンベヤ装置20の幅方向に働く力は大きくなるので、スラットコンベヤ装置20から引き込まれた搬送物100は、
図7中I方向に送り出され、払出しシュート14の領域D2に払い出される。
【0049】
次に、振分け機構30が配置される位置について説明する。払出しシュート14とスラットコンベヤ装置20との相対位置は固定である。したがって、スラットコンベヤ装置20における搬送方向において、スライドシュー22の移動が完了する位置は一定である。
図2に示すように、スラットコンベヤ装置20のスライドシュー22の押圧面22aの移動軌跡と仕分けコンベヤ装置の搬送方向とのなす角度はθである。
図8に示すように、搬送物100を押し出す際のスライドシュー22の押圧面22aの軌跡は、
図8中符号Jで示す二点鎖線となる。また、スライドシュー22が移動することで、スライドシュー22によりスラットコンベヤ装置20から払出しシュート14に向けて送り出される搬送物100の重心Gの移動軌跡は、
図8中符号で示す二点鎖線Kとなる。ここで、スライドシュー22により払出しシュート14に送り出される搬送物100を払出しシュート14の幅方向の上流側の領域に振り分けるときには、搬送物100は、第1モータローラ31に対して、搬送物100の下面の面積の50%以上の範囲に乗り上げることが好ましい。したがって、振分け機構30は、振分け機構30を構成する第1モータローラ31の下流側端部の頂点P2が搬送物100の重心Gの移動軌跡K上に位置する、又は搬送物100の重心Gの移動軌跡Kと、搬送物100を送り出すスライドシュー22の押圧面22aの移動軌跡Jとの間の領域となるように配置されることが好ましい。
【0050】
次に、仕分けコンベヤ装置の搬送方向に対する、振分け機構30を構成するモータローラを傾斜させる角度について
図9を用いて説明する。以下、スライドシュー22により送り出される搬送物100の移動方向を
図9中水平方向として説明する。以下、搬送物100の長さをL、搬送物100の幅をWとする。以下では、搬送物100が、第1モータローラ31に対して、搬送物100の下面の面積の50%の範囲に乗り上げる場合を説明する。ここで、
図9においては、符号Rで示す領域が、搬送物100の下面の面積の50%の領域である。
【0051】
なお、搬送物100の大きさは仕分けコンベヤ装置11によって搬送されると想定される搬送物100の大きさである。ここで、モータローラが搬送物100の下面の面積の50%の範囲で摺接する場合、スラットコンベヤ装置20の側方に設置される第1モータローラ31の設置角度θ3は、以下の(1)式となる。なお、設置角度θ3は、スライドシュー22により送り出される搬送物100の送り出し方向と、第1モータローラ31の回転軸(L1)方向とがなす角度である。
【0052】
θ3=tan-1(W/2L) ・・・(1)
また、スライドシュー22により送り出される搬送物100の速度をV1とした場合、第1モータローラ31の回転速度V2は、以下の(2)式となる。
【0053】
V2=V1×sinθ3 ・・・(2)
したがって、第1モータローラ31により引き込まれる搬送物100が払出しシュート14に向けて払い出される速度をVとすると、搬送物100が払出しシュート14に向けて払い出される速度Vは、以下の(3)式になる。
【0054】
V={V1
2+V2
2+2×V1×V2×cos(180-θ3)}0.5・・・(3)
なお、搬送物100が第1モータローラ31に乗り上げたときには、第1モータローラ31の回転に基づいた力が搬送物100に加わる。例えば、回転する第1モータローラ31の力をF1としたとき、第1モータローラ31の力F1は、以下の(4)式となる。なお、F1は、第1モータローラ31の回転軸(L1)方向に直交する方向に働く力である。
【0055】
F1=H1×μ1 ・・・(4)
なお、記号H1は、第1モータローラ31の回転時に第1モータローラ31の接線方向に働く力、記号μ1は、搬送物100と第1モータローラ31との間の摩擦係数である。
【0056】
また、スライドシュー22により送り出される搬送物100に働く力F2は、以下の(5)式となる。
【0057】
F2=P×0.3×μ2 ・・・(5)
なお、記号Pは、搬送物100の重量、記号μ2は搬送物100とスラットコンベヤ装置20との間の摩擦係数である。
【0058】
ここで、搬送物100が第1モータローラ31に乗り上げたときに搬送物100に加わる力の合力は、搬送物100が払出しシュート14に向けて送り出される力F3となる。したがって、合力F3は、以下の(6)式で表される。
【0059】
F3={F12+F22+2×F1×F2×cos(90-θ3)}0.5・・・(6)
また、スライドシュー22により送り出される搬送物100の送出し方向に直交する方向に加わる力をF4とすると、F4は、以下の(7)式で表される。
【0060】
F4=F1×sin(90-θ3) ・・・(7)
したがって、スライドシュー22により搬送物100が送り出される方向と、第1モータローラ31に引き込まれた搬送物100が払出しシュート14に払い出される方向とがなす角度をθ4とすると、角度θ4は、以下の(8)式で表される。
【0061】
θ4=sin-1(F4/F3) ・・・(8)
上述したように、本実施形態では、第1モータローラ31の回転速度の制御を行うことを前提にしている。例えば、第1モータローラ31の回転が低回転となるときの回転速度をV2Lとし、第1モータローラ31の回転が高回転となるときの回転速度をV2Hとする。回転する第1モータローラ31の力F1は、第1モータローラ31の回転速度に依存する。その結果、第1モータローラ31の回転速度は、引き込まれた搬送物100が払出しシュート14に払い出される方向とがなす角度θ4に影響を与える。つまり、第1モータローラ31の回転速度がV2Lとなる場合には角度θ4が小さく、第1モータローラ31の回転速度がV2Hとなる場合には角度θ4が大きくなる。つまり、第1モータローラ31の回転速度によって、搬送物100の移動方向が変化する。なお、第2モータローラ32の設置角度(第1モータローラ31の回転軸(L1)方向と、第2モータローラ32の回転軸(L2)方向とがなす角度)θ2も、第1モータローラ31を設置するときと同様の原理で求めることができる。
【0062】
ここで、スラットコンベヤ装置20の搬送方向(
図2中A方向)を基準とした場合、第1モータローラ31は、回転軸(L1)方向と、スラットコンベヤ装置20の搬送方向とがなす角度θ
1は、一例としてθ
1=2.3°、第2モータローラ32の設置角度θ
2はθ
2=4.7°である。
【0063】
図10は、仕分けシステム10の電気的構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、
図10においては、スラットコンベヤ装置20及び送込みコンベヤ装置12,13の電気的構成については省略し、搬送物100を払出しシュート14に払い出す際の構成について記載している。仕分けシステム10は、送込みコンベヤ装置12,13、スラットコンベヤ装置20、振分け機構30、仕分け情報取得部51、入力情報取得部52、位置情報取得部53及び制御装置54を含む。
【0064】
仕分け情報取得部51は、例えば送込みコンベヤ装置12,13の各々に設けられ、搬送物100に貼付されたバーコードなどの識別子を仕分け情報として取得するバーコードリーダ51a,51bが挙げられる。なお、仕分け情報には、搬送物100の大きさや、配送先の情報などが挙げられる。
【0065】
入力情報取得部52は、搬送物100を払い出すときの、払出しシュート14における仕分領域(
図2中、払出しシュート14の幅方向における中心から左側の領域D1、又は右側の領域D2)の情報を入力情報として取得する。入力情報取得部52としては、一例として、払出しシュート14の近傍に設置される操作ボタン52aや、メークアップ作業を行う作業者が保持するマイク52bなどが挙げられる。入力情報取得部52が操作ボタン52aの場合、入力情報取得部52は、払出しシュート14における複数の仕分領域の各々に合わせた数の操作ボタンを有する。つまり、入力情報取得部52が操作ボタン52aの場合には、仕分領域に合わせた操作ボタン52aを操作することで、入力情報が取得される。また、入力情報取得部52がマイク52bの場合、マイク52bは作業者が発した音声を入力情報として取得する。ここで、払出しシュート14に設定される仕分領域のうち、払出しシュート14の幅方向の中心から左側の領域(搬送方向の下流側の領域)を第1仕分領域D1、払出しシュート14の幅方向の中心から右側の領域(搬送方向の上流側領域)を第2仕分領域D2とする(
図7参照)。つまり、作業者が第1仕分領域D1か第2仕分領域D2を表す音声を発することで、入力情報が取得される。
【0066】
位置情報取得部53は、例えば払出しシュート14近傍でメークアップ作業を実施する作業者の位置情報を取得する。位置情報取得部53は、例えばレーザスキャナ53a,53bなどの検知エリア内の障害物(人)の位置が割り出せる三次元情報取得装置である。これらレーザスキャナ53a,53bは、払出しシュート14における搬送物100の払出し方向の下流側端部、言い換えれば、払い出された搬送物100が滞留される滞留部に配置される。なお、レーザスキャナ53aは、
図7に示す払出しシュート14の近傍の領域のうち、スラットコンベヤ装置20における搬送方向の下流側の領域(
図7中領域E1)を検出領域とする。また、レーザスキャナ53bは、
図7に示す払出しシュート14の近傍の領域のうち、スラットコンベヤ装置20における搬送方向の上流側の領域(
図7中領域E2)を検出領域とする。
【0067】
本実施形態では、仕分け情報取得部51、入力情報取得部52及び位置情報取得部53の構成を全て有する仕分けシステム10としているが、仕分けシステム10においては、仕分け情報取得部51、入力情報取得部52又は位置情報取得部53のいずれか1つの取得部を有するものであればよい。
【0068】
制御装置54は、スラットコンベヤ装置20、送込みコンベヤ装置12,13の駆動制御や、振分け機構30が有する第1モータローラ31に内蔵されたモータ31a、第2モータローラ32に内蔵されたモータ32aの駆動制御を行う。なお、制御装置54は、搬送物100の大きさ、搬送物100の配送先、配送エリア及び払い出す払出しシュートの位置をまとめたテーブルデータを記憶部54aに記憶している。これにより、搬送物100に貼付されたシールや搬送物100の外周面に印刷されたバーコードを読み取ることで、搬送物100を目的の払出しシュート14に払い出すことができる。
【0069】
最後に、搬送物100の配送エリアに基づいて搬送物100を払い出す場合について、
図11のフローチャートを用いて説明する。なお、配送先が第1の配送エリアとなる搬送物100を第1仕分領域D1に、配送先が第1の配送エリアとは異なる第2の配送エリアとなる搬送物100を第2仕分領域D2に振り分ける場合を説明する。
【0070】
ステップS101は、仕分け情報を取得する処理である。上述したように、仕分け情報取得部51は、送込みコンベヤ装置12又は送込みコンベヤ装置13のいずれかにより送り出される搬送物100に付与されるバーコードの情報を読み取る。そして、仕分け情報取得部51は、バーコードの情報を制御装置54に送信する。
【0071】
ステップS102は、搬送物の仕分け位置を設定する処理である。制御装置54は、仕分け情報取得部51により読み取られたバーコードの情報から得られる配送先の住所に基づいて、配送先の住所が含まれる配送エリアを特定する。そして、制御装置54は、特定した配送エリアに対応付けられた払出しシュート14と、払出しシュート14において振り分けられる領域とを設定する。
【0072】
ステップS103は、仕分けコンベヤ装置により搬送物が目的の位置まで搬送されたか否かを判定する処理である。例えば搬送物100を払い出す払出しシュート14の位置から吸引装置26までの位置は予め固定された位置にある。したがって、ステップS103では、制御装置54は、吸引装置26が設けられた位置を目的の位置として設定し、搬送物100が、吸引装置26が設けられた位置まで搬送されたか否かを判定する。なお、ステップS103の判定処理の具体例として、吸引装置26が設けられた位置まで搬送された搬送物100を検出するセンサを仕分けコンベヤ装置11に設け、制御装置54は、該センサの検出信号の有無によりステップS103の判定処理を行えばよい。例えばセンサにより搬送物100が検出されたときには、制御装置54は、仕分けコンベヤ装置11により搬送物100が目的の位置まで搬送されたと判断し、ステップS103の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS104に進む。一方、例えばセンサにより搬送物100が検出されないときには、制御装置54は、仕分けコンベヤ装置11により搬送物100が目的の位置まで搬送されていないと判断し、ステップS103の判定処理の結果をNoとする。この場合、制御装置54は、ステップS103の判定処理の結果がYesとなるまでステップS103の判定処理を繰り返し実行する。
【0073】
ステップS104は、吸引装置を駆動(通電)する処理である。制御装置54は、吸引装置26に通電を行うことで、電磁石によるスライドシュー22の磁性体22cを吸引する。これにより、スライドシュー22の磁性体22cが吸引装置26に吸引され、分岐案内部25に案内される。したがって、スライドシュー22がスラット21に沿って移動する。
【0074】
ステップS105は、配送先を含む配送エリアが第1の配送エリアであるか否かを判定する処理である。ステップS102により、搬送物100の配送先及び該配送先を含む配送エリアが特定されている。配送先が第1の配送エリアである場合、制御装置54はステップS105の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS106に進む。一方、配送先が第1の配送エリアではなく、第2の配送エリアである場合、制御装置54は、ステップS105の判定処理の結果をNoとする。この場合、ステップS109に進む。
【0075】
ステップS106は、仕分け機構の第1モータローラ及び第2モータローラが停止中であるか否かを判定する処理である。第1モータローラ31及び第2モータローラ32に対する駆動制御をしていない場合には、第1モータローラ31及び第2モータローラ32は、回転を停止している。このとき、制御装置54は、ステップS106の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS107に進む。一方、すでに第1モータローラ及び第2モータローラを駆動させている場合、制御装置54は、ステップS106の判定処理の結果をNoとする。この場合、ステップS108に進む
ステップS107は、第1モータローラ及び第2モータローラを回転速度V2Lにて回転させる処理である。制御装置54は、第1モータローラ31及び第2モータローラ32のローラ部が回転速度V2Lにて回転するように制御する。ステップS107の処理を行うと、制御装置54は、ステップS112に進む。
【0076】
上述したステップS106の判定処理の結果がNoとなる場合、ステップS108に進む。
【0077】
ステップS108は、仕分け機構の第1モータローラ及び第2モータローラの回転速度がV2Lであるか否かを判定する処理である。第1モータローラ31及び第2モータローラ32の駆動制御を行っている場合、第1モータローラ31及び第2モータローラ32は回転速度V2L又は回転速度V2Hのいずれかの速度で回転している。例えば、第1モータローラ31及び第2モータローラ32を、回転速度V2Lにて駆動させている場合には、制御装置54は、ステップS108の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS112に進む。一方、第1モータローラ31及び第2モータローラ32を、回転速度V2Lにて駆動させていない、言い換えれば回転速度V2Hで駆動させている場合には、制御装置54は、ステップS108の判定処理の結果をNoとする。この場合、ステップS107に進む。
【0078】
この場合、第1モータローラ31及び第2モータローラ32の回転速度がV2Lとなるように制御される。したがって、スラットコンベヤ装置20から送り出される搬送物100が、配送先が第1の配送エリアである搬送物である場合には、振分け機構30により払出しシュート14の第1仕分領域D1に払い出される。
【0079】
一方、ステップS105の判定処理の結果がNoとなる場合、つまり、配送先が第1の配送エリアでない場合には、ステップS109に進む。
【0080】
ステップS109は、仕分け機構の第1モータローラ及び第2モータローラが停止中であるか否かを判定する処理である。なお、このステップS109の判定処理は、ステップS106と同一の処理である。例えば第1モータローラ31及び第2モータローラ32に対する駆動制御をしていない場合には、第1モータローラ31及び第2モータローラ32は、回転を停止している。このとき、制御装置54は、ステップS109の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS110に進む。一方、すでに第1モータローラ及び第2モータローラを駆動させている場合、制御装置54は、ステップS109の判定処理の結果をNoとする。この場合、ステップS111に進む
ステップS110は、第1モータローラ及び第2モータローラを回転速度V2Hにて回転させる処理である。制御装置54は、第1モータローラ31及び第2モータローラ32のローラ部が回転速度V2Hにて回転するように制御する。ステップS110の処理を行うと、制御装置54は、ステップS112の処理を実行する。
【0081】
上述したステップS109の判定処理の結果がNoとなる場合、ステップS111に進む。
【0082】
ステップS111は、仕分け機構の第1モータローラ及び第2モータローラの回転速度がV2Hであるか否かを判定する処理である。第1モータローラ31及び第2モータローラ32の駆動制御を行っている場合、第1モータローラ31及び第2モータローラ32は回転速度V2L又は回転速度V2Hのいずれかの速度で回転している。例えば、第1モータローラ31及び第2モータローラ32を、回転速度V2Hにて駆動させている場合には、制御装置54は、ステップS111の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS112に進む。一方、第1モータローラ31及び第2モータローラ32を、回転速度V2Hにて駆動させていない、言い換えれば回転速度V2Lで駆動させている場合には、制御装置54は、ステップS111の判定処理の結果をNoとする。この場合、ステップS110に進む。
【0083】
この場合、第1モータローラ31及び第2モータローラ32の回転速度がV2Hとなるように制御される。したがって、スラットコンベヤ装置20から送り出される搬送物100が配送先が第1の配送エリアでない搬送物である場合には、振分け機構30により払出しシュート14の第2仕分領域D2に払い出される。
【0084】
ステップS112は、一定時間経過したか否かを判定する処理である。制御装置54は、振分け機構30を駆動してからの経過時間を計測している。振分け機構30を駆動してから一定時間経過している場合には、制御装置54は、ステップS112の判定処理の結果をYesとする。この場合、ステップS113に進む。振分け機構30を駆動してから一定時間経過していない場合には、制御装置54は、ステップS112の判定処理の結果をNoとする。この場合、制御装置54は、ステップS112の判定処理の結果がYesとなるまで、ステップS112の処理を繰り返し実行する。なお、上述した一定時間とは、例えばスライドシュー22により送り出される搬送物100が払出しシュート14に到達するまでの時間である。なお、この時間は、予め実験やシミュレーションなどの結果に基づいて設定される。
【0085】
ステップS113は、第1モータローラ及び第2モータローラを停止させる処理である。制御装置54は、第1モータローラ31及び第2モータローラ32への給電を停止させる。これにより、第1モータローラ31及び第2モータローラ32の回転が停止される。
【0086】
なお、第1モータローラ31及び第2モータローラ32の回転を停止させる必要はなく、振分け機構30の状態に関わらず、第1モータローラ31及び第2モータローラ32を回転させ続けるのであれば、ステップS106、ステップS109の処理は省略してよい。この場合、ステップS106、ステップS109の代わりに、ステップS108、ステップS111にて説明した、第1モータローラ31、第2モータローラ32の回転速度を判定し、各モータローラの回転速度を必要に応じて切り替えればよい。
【0087】
このように、振分け機構30を構成する第1モータローラ31及び第2モータローラ32の回転速度を切り替えることで、配送先に応じた搬送物100の振り分けを適切に行うことができる。その結果、作業者は、搬送物100が払出領域毎に滞留せずにメークアップ作業を行うことができ、メークアップ作業の効率化を図ることが可能となる。また、振分け機構を構成する第1モータローラ31及び第2モータローラ32の回転速度を切り替えることで、払出しシュート14に払い出される搬送物100は、第1モータローラ31及び第2モータローラ32に必ず乗り上げる。その結果、スライドシュー22によって送り出される搬送物100の送り出し方向への推進力を減衰される。これと同時に、回転する第1モータローラ31及び第2モータローラ32により、送り出される搬送物100の送出し方向と直交する方向への推進力が搬送物に付与される。その結果、振分け機構30によって引き込まれた搬送物100は、スライドシュー22の送出し方向に沿って移動するのではなく、スライドシュー22の送出し方向に対して所定の角度振られた方向に送り出される。つまり、搬送物100の払出しシュートの幅方向を横切る距離が振分け機構30を設けない場合に比べて短くなるので、払出しシュートの幅を狭く設定することが可能となる。また、仕分けシステム10では、多数の配送先に合わせて多数の払出しシュートを搬送コンベヤ装置11の側方に所定の間隔を空けて配置しており、本実施形態を用いることで、これら払出しシュート14の配置間隔を狭めることができる。その結果、仕分けシステム10をコンパクトにすることができ、仕分けシステム10が占有するスペースを縮小しない場合には、更に多くの払出しシュートを設置することが可能となる。
【0088】
なお、配送先の配送エリアによって、搬送物100を第1仕分領域D1と第2仕分領域D2とに振り分けているが、搬送物100の大きさによって払い出す仕分領域を振り分けるようにしてもよい。このような場合には、大きさの異なる搬送物を同一の仕分領域に振り分けることがなくなるので、例えば小さい搬送物が大きい搬送物に押圧されることに起因した搬送物の破損を防止することが可能となる。
【0089】
また、この他に、操作ボタン52aの入力やマイク52bによる音声の入力などの入力情報に基づいて、搬送物100を払い出す仕分領域を振り分けるようにしてもよい。さらに、作業者の位置、詳細には作業者がメークアップ作業をしている位置に基づいて搬送物100を払い出す仕分領域を振り分けるようにしてもよい。操作ボタン52aの入力やマイク52bによる音声の入力などの入力情報や作業者の位置に基づいて搬送物100を払い出す仕分領域を振り分ける場合には、メークアップ作業に合わせて搬送物を振り分けることで、メークアップ作業により払出しシュートの滞留部から取り除かれた搬送物のスペースに新たな搬送物を払い出すことができる。その結果、搬送物の払い出しが偏ることがなくなり、効率的に搬送物を払い出すことが可能となる。
【0090】
本実施形態では、搬送経路に配置されたスラットコンベヤ装置20から払出経路となる払出しシュート14に搬送物を払い出す場合を説明しているが、搬送経路に配置されたスラットコンベヤ装置20から、他の搬送コンベヤ装置に搬送物を振り分けて送り出す場合にも、本発明を用いることが可能である。
【0091】
本実施形態では、第1モータローラ31及び第2モータローラ32の2本のモータローラを有する振分け機構30の場合を一例として説明しているが、払い出す搬送物の振分け状態をさらに細分化する場合には、3以上のモータローラを配置してもよい。
【0092】
払い出す搬送物をさらに細分化して振り分ける場合、モータローラの回転速度を3以上の回転速度から選択することも可能であるが、例えば各モータローラの端面の頂点がスラットコンベヤ装置20の搬送面20aよりも上方に位置する第1位置と、各モータローラの端面の頂点がスラットコンベヤ装置20の搬送面20aよりも下方に位置する第2位置との間で各モータローラを昇降させる昇降装置を振分け機構に設け、昇降装置による各モータローラの昇降制御と、各モータローラが第1位置にあるときに、各モータローラの回転速度の切替制御とを組み合わせて行うことも可能である。
【符号の説明】
【0093】
10…仕分けシステム、11…仕分けコンベヤ装置、12,13…送込みコンベヤ装置、14…払出しシュート、20…スラットコンベヤ装置、22…スライドシュー、30…振分け機構、31…第1モータローラ、32…第2モータローラ、51…仕分け情報取得部、52…入力情報取得部、53…位置情報取得部、54…制御装置