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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20240311BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
G03G21/16 133
G03G21/16 176
G03G15/08 340
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019206345
(22)【出願日】2019-11-14
(65)【公開番号】P2021081470
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】呉服 秀一
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-139185(JP,A)
【文献】特開2010-185915(JP,A)
【文献】特開2018-128646(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0016779(US,A1)
【文献】特開2017-198855(JP,A)
【文献】特開2007-264073(JP,A)
【文献】特開2011-059296(JP,A)
【文献】特開2018-180385(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00
13/08
13/095
13/34-15/00
15/08
15/095
15/36
21/00-21/02
21/14-21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持するための感光ドラムと、前記感光ドラムにトナーを供給するための現像ローラと、前記現像ローラに担持させるための前記トナーを収容するトナー収容部と、を含む画像形成部が設けられた装置本体と、
前記トナー収容部に補給するための前記トナーを収容するトナー容器であって、前記装置本体に着脱可能なトナー容器と、
を備える画像形成装置において、
前記装置本体は、
前記トナー容器が前記トナー収容部へ前記トナーを補給できる第1位置に前記トナー容器を装着可能である装着部と、
前記トナー容器が前記装着部に着脱される時に前記トナー容器が通過する開口部であって前記装着部の前記第1位置にある前記トナー容器の端面が露出する開口部と、
前記トナー容器のトナー残量に相関する相関値を取得する取得部と、
前記開口部を開閉するように構成された開閉部材であって、前記開口部を閉じている場合に前記第1位置にある前記トナー容器の前記端面と直接的に面するように設けられた開閉部材と、
前記開閉部材の開閉を検知する開閉検知部と、
前記トナー容器を前記装着部から離脱させる離脱方向において、前記トナー容器を前記第1位置から前記第1位置よりも下流側にある第2位置へ移動させる移動動作を行うように構成された移動機構と、
前記移動機構を制御する制御部と、
を有し、
前記相関値が所定条件を満たすことを第1条件、前記開閉検知部が前記開閉部材は開いていることを検知していることを第2条件、とした場合、前記制御部は、前記第1条件及び前記第2条件の双方を満たす場合は前記移動動作を実行し、前記第1条件及び前記第2条件の少なくとも一方を満たさない場合は前記移動動作を実行しないように、前記移動機構を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成部、前記トナー容器、及び前記開口部は、それぞれ複数の画像形成部、複数のトナー容器、及び複数の開口部の一つであり、
前記開閉部材は、前記複数の開口部を開閉するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記移動機構は、
前記トナー容器が前記離脱方向に移動する方向の付勢力を前記トナー容器に加えている付勢部材と、
前記トナー容器が前記第1位置から前記離脱方向へ移動することを前記付勢力に抗して規制する規制位置と、前記トナー容器が前記第1位置から前記離脱方向に移動することを許容する許容位置と、の間を移動可能に構成された規制部材と、
を有し、
前記移動動作は、前記規制部材を前記規制位置から前記許容位置へ移動させて前記トナー容器を前記付勢力によって前記第1位置から前記第2位置へ移動させる動作であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記規制部材は係合部を有し、前記離脱方向に交差する方向に移動できるように構成され、
前記トナー容器は前記離脱方向に延びる面に前記係合部と係合するように構成された被係合部を有し、
前記規制部材の前記係合部は、前記規制位置にある時に前記トナー容器の前記被係合部と係合することで前記トナー容器の前記離脱方向への移動を抑制し、前記許容位置にある時に前記トナー容器に係合しないように前記トナー容器の前記被係合部から離れるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記開閉部材が完全に開いた後に前記トナー容器が前記第1位置から前記第2位置へ移動が開始されるように前記移動機構を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記開閉検知部は、前記開閉部材が完全に閉じている完全閉位置にあるか否かを検知するように構成され、
前記制御部は、前記開閉検知部において前記完全閉位置にある状態から前記完全閉位置にない状態に変化したことが検知されたタイミングから所定時間経過した後に前記トナー容器の前記第1位置から前記第2位置へ移動が開始されるように前記移動機構を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記開閉部材は、前記開口部を閉じている状態において、前記離脱方向における前記トナー容器の下流側の端面に最も近い開閉部材であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記装置本体は、前記トナー容器の前記トナー残量に相関する相関値を出力する、トナー残量検出部を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記トナー容器は、把手を有し、
前記開閉部材が開かれている状態において、前記トナー容器が前記第1位置にあるときは、前記把手が前記装置本体の外部に露出せず、前記トナー容器が前記第2位置にあるときは前記把手が前記装置本体の外部に露出する、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記装置本体は、レーザービームを前記感光ドラムに照射して前記感光ドラムに静電潜像を形成するスキャナユニットであって、重力方向において前記画像形成部と前記トナー容器の間に設けられたスキャナユニットを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記装置本体は、前記トナー容器から受け取った前記トナーを前記トナー収容部まで搬送するトナー搬送部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記装置本体は、前記トナー容器から受け取った前記トナーを前記トナー収容部まで搬送するトナー搬送部を有し、
前記トナー搬送部は、前記離脱方向に見ると、前記スキャナユニットとオーバラップしている、
ことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリなどの、電子写真方式を用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置として、感光ドラムや現像ローラ等のプロセス部材が装置本体にある状態でトナー容器を装置本体に対して着脱可能に構成したものが知られている。このような構成の画像形成装置は、トナーがなくなった場合に、トナー容器だけを交換することで画像形成を行うことができる。
【0003】
ところで、トナー容器を交換する際、特許文献1に記載のように、表示手段にトナー容器の交換を促すメッセージをユーザに出し、ユーザがメッセージを選択することでトナー容器が取り出し位置に移動させられる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許5307200
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の構成においては、トナー容器を交換するためにはユーザがメッセージを選択する作業が必要となる。
【0006】
本発明は、ユーザのトナー容器の交換を更に簡易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面は、トナー像を担持するための感光ドラムと、前記感光ドラムにトナーを供給するための現像ローラと、前記現像ローラに担持させるための前記トナーを収容するトナー収容部と、を含む画像形成部が設けられた装置本体と、前記トナー収容部に補給するための前記トナーを収容するトナー容器であって、前記装置本体に着脱可能なトナー容器と、を備える画像形成装置において、前記装置本体は、前記トナー容器が前記トナー収容部へ前記トナーを補給できる第1位置に前記トナー容器を装着可能である装着部と、前記トナー容器が前記装着部に着脱される時に前記トナー容器が通過する開口部であって前記装着部の前記第1位置にある前記トナー容器の端面が露出する開口部と、前記トナー容器のトナー残量に相関する相関値を取得する取得部と、前記開口部を開閉するように構成された開閉部材であって、前記開口部を閉じている場合に前記第1位置にある前記トナー容器の前記端面と直接的に面するように設けられた開閉部材と、前記開閉部材の開閉を検知する開閉検知部と、前記トナー容器を前記装着部から離脱させる離脱方向において、前記トナー容器を前記第1位置から前記第1位置よりも下流側にある第2位置へ移動させる移動動作を行うように構成された移動機構と、前記移動機構を制御する制御部と、を有し、前記相関値が所定条件を満たすことを第1条件、前記開閉検知部が前記開閉部材は開いていることを検知していることを第2条件、とした場合、前記制御部は、前記第1条件及び前記第2条件の双方を満たす場合は前記移動動作を実行し、前記第1条件及び前記第2条件の少なくとも一方を満たさない場合は前記移動動作を実行しないように、前記移動機構を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザが直観的に交換すべきトナー容器を認識し、容易に交換することができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1に関するトナー容器が移動を示すフローチャートである。
図2】実施例1に関する画像形成装置の全体構成を示す主断面図である。
図3】実施例1に関するトナー容器が収納された状態を示す説明図である。
図4】実施例1に関するドアの開閉検知方法を示す説明図である。
図5】実施例1に関する移動機構によりトナー容器を移動する状態を示す説明図である。
図6】実施例1に関するトナー容器と収納口の関係を示す説明図である。
図7】実施例2に関する規制部材が移動する方法を示す説明図である。
図8】実施例3に関するトナー容器が装着完了位置に装着された状態を示す説明図である。
図9】実施例3に関する規制部材が規制位置、非規制部材へ移動した状態を示す説明図である。
図10】実施例3に関する規制部材がトナー容器の装着により移動する状態を示す説明図である。
図11】実施例1~3に係る制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施例1]
本発明の画像形成装置1における実施例1について説明する。図2は画像形成装置1の装置本体100の全体構成を示す主断面図である。装置本体100の下部には、カセット2が引き出し可能に収納されている。カセット2の端部付近にはカセット給送部3が配設される。カセット2にそれぞれ転写材を積載収容し転写材を1枚毎に分離し、レジストローラ5に給送するようになっている。
【0011】
装置本体100はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各々に対応する画像形成部6Y、6M、6C、6Kを、横一列に並設してなる画像形成部6を備えている。画像形成部6は、像担持体である感光体ドラム7Y、7M、7C、7K、感光体ドラム7の表面を均一に帯電する帯電部8Y、8M、8C、8K、静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像装置9Y、9M、9C、9Kを有する。以後、感光ドラム7Y~7Kを感光ドラム7、帯電装置8Y~8Kを帯電部8、現像装置9Y~9Kを現像装置9とする。更に、画像形成部6は、感光体ドラム7に残っている残留トナーを除去する感光体クリーニングブレード10Y、10M、10C、10K(感光体クリーニングブレード10)を有する。また、現像装置9には各色毎に対応した現像ローラ11Y、11M、11C、11K(現像ローラ11)が各感光体ドラム7に対して当接離間可能な構成で設けられている。現像装置9は、現像ローラ11に担持させるためのトナーを収容するトナー収容部9Ya、9Ma、9Ca、9Ka(トナー収容部9a)を備える。画像情報に基づいてレーザービームを照射して感光体ドラム7上に静電潜像を形成するスキャナユニット12が画像形成部6の下部に設けられている。
【0012】
スキャナユニット12とカセット2との間に設けられた装着部101Y、101M、101C、101Kは、トナー容器13Y、13M、13C、13K(トナー容器13)が略水平に配設するように装着可能に構成されている。トナー容器13の内部には、各色に対応した補給用トナーと、トナーを攪拌(搬送)する攪拌部材(搬送部材)130が設けられている。また、トナー垂直搬送部14Y、14M、14C、14K(トナー搬送部14)は、トナー容器13から受け取ったトナーを上方に搬送し、現像装置9のトナー収容部9aにトナーを供給する。トナー容器13、及びトナー搬送装置14は、トナー搬送部14の下部に配設されたトナー搬送駆動部15Y、15M、15C、15K(トナー搬送駆動部15)によって駆動する。
【0013】
現像装置9の上部には中間転写ユニット16が設けられている。中間転写ユニット16は、二次転写部17側を下方にして略水平に配置されている。各感光体ドラム7に対向する中間転写ベルト18は、回転可能な無端状のベルトであり、複数の張架ローラに張架されている。中間転写ベルト18の内面には、一次転写ローラ19Y、19M、19C、19K(一次転写ローラ19)が中間転写ベルト18を介して各感光体ドラム7と一次転写部20Y、20M、20C、20K(一次転写部20)を形成する位置にそれぞれ配置されている。各一次転写部20で、電圧が印加される一次転写ローラ19によって、各感光体ドラム7から中間転写ベルト18にトナー像が転写される。本実施例では、中間転写ベルト18、中間転写ベルト18を張架する複数の張架ローラ、各一次転写ローラ19を備えるユニットを中間転写ユニット16として装置本体に着脱可能な構成にしている。
【0014】
二次転写部材である二次転写ローラ21は、中間転写ベルト18に接触し、中間転写ベルト18を介して対向側のローラと二次転写部17を形成している。二次転写部17で、中間転写ベルト18上に転写されたトナー像は転写材に二次転写される。二次転写で転写材に転写しきれず、中間転写ベルト18上に残留したトナーがクリーニングユニット22により除去される。クリーニングユニット22で除去されたトナーは、トナー搬送部23を経由しトナー回収容器24へ搬送され、蓄積される。
【0015】
その後、転写材は定着装置25に搬送され、定着装置25の内部にある加熱ユニット25aと、加熱ユニット25aに圧接する加圧ローラ25bとで形成されるニップを通過する。定着装置25を通過した転写材は、排出ローラ対26へ搬送され、積載部27に排出される。
【0016】
装置本体100の背面側には、装置本体100内に設けられている各種モータやファン、ソレノイド等のアクチュエータに電圧を供給する低圧電源装置(不図示)が設けられている。中間転写ベルト18とトナー回収容器24の間の空間には、帯電装置8・現像装置9・一次転写ローラ19・二次転写ローラ21等に高圧を印加するための高圧電源装置23を配置している。
【0017】
(トナー容器の装置本体に対する着脱)
図3(a)に、トナー容器13が装着部101に装着された状態、図3(b)にG線上でのトナー容器13の断面図を示す。トナー容器13が装着完了した位置を装着完了位置B(第1位置)とする。この第1位置は、トナー搬送部14を用いて図2に示すトナー容器13から現像装置9のトナー収容部9aにトナーが搬送できる位置である。
【0018】
トナー容器13は、スキャナユニット12とカセット2の間にある開口部101a(図4)を通過して装着部101に装着及び離脱できるように構成されている。トナー容器13を装着部101に装着する方向を装着方向A、トナー容器を収納部から取り出す方向を取り出し方向(離脱方向)Fとする。取り出し方向F側には、開口部101aをカバーするドア(開閉部材)102が配置される。ドア102は、装置本体100の開口部101aをカバーする閉位置と、開口部101aをカバーしない開位置との間を移動するように構成されている。ドア102は、複数のトナー容器13Y、13M、13C、13Kにそれぞれ対応する開口部101Ya、101Ma、101Ca、101Kaを開閉するように構成されている。
【0019】
図4(a)は、ドア102が閉位置にあるときのドア102近傍の断面図であり、図4(b)(c)は、ドア102が開位置にあるときのドア102近傍の断面図及び斜視図を示す。ドア102の開閉を検知するための開閉検知部としてドアセンサ103が装置本体100に配置される。ドア102が閉位置にあるとき、ドア102に設けられた凸部104がドアセンサ103と接触し、ドア102が閉位置にあることを検知する。ドア102が開位置にあるとき、凸部104がドアセンサ103から離れているので、ドア102が開位置にあることを検知する。図11に制御部200による制御ブロック図を示す。ドアセンサ103の検知信号は、図11に示す制御部200に送られる。
【0020】
(トナー残量検知)
次に、本実施例のトナー容器13のトナー残量検知ついて説明する。本実施例においては、光透過式のトナー残量検知を採用している。光透過式トナー残量検知とは、トナー容器13内に検知光を通過させ、その検知光の通過時間によってトナー容器内に収納されているトナーの残量を検出する方式である。攪拌部材130がトナー容器内で回転することでトナーを攪拌しており、この攪拌部材の回転周期ごとに検知光の通過時間を測定する。トナー容器内にトナーが大量に入っている状態では検知光はトナー容器内を通過せず、トナーが消費されるにつれて検知光が通過するようになるので、トナー消費とともに検知光が検知される時間が長くなることを利用してトナー残量を検知している。
【0021】
具体的には、図3(b)に示したように、トナー容器13の枠体105の対向する一端側の壁105a、他端側の壁105bにそれぞれ光透過部材106a、106bが配置される。装置本体100の装着部101に装着されているトナー容器13の光透過部材106aに対向する位置に発光部材107、光透過部材106bに対向する位置に受光部108を配置している。受光部材108は、トナー容器13にトナーがない場合に発光部材107から発せられ光透過部材106a及び106bを透過した光を受光できるように配置されている。トナー容器13のトナー残量が多い場合には、受光部材108は、発光部材107から発せられた光が光透過部材106aと106bの間にあるトナーで遮られるため、受光しないもしくは受光している時間が短くなる。トナー容器13のトナー残量が少なくなると、光透過部材106aと106bの間にあるトナーも少なくなり、発光部材107が発した光を受光部材108が受光している時間が長くなる。つまり、発光部材107が発した光を受光部材108が受光している時間は、トナー容器13のトナー残量に相関のある相関値である。図11に示す取得部としての制御部200は、受光部材108の出力値(検知時間)を取得する。制御部200は、受光部材108の出力(検知時間)が所定値(所定時間)を超えるという所定条件を満足しているどうかに応じてトナー容器13の交換が必要であるかどうかを判断する。
【0022】
尚、本実施例は、トナー残量検知として光透過式の検知方法を用いたが、トナー容器13のトナー残量と相関がある相関値を用いる方法であれば他の方法でも良い。例えば、トナー残量に応じて変わるトナー容器13の重量(相関値)を測定する方法や、トナー残量に応じて変わる電極間の静電容量(相関値)を検知する方法などでも良い。
【0023】
また、ピクセルカウントのような画像情報からトナー残量を推定する方法を用いても良い。ピクセルカウントとは、1画素で消費されるトナー量とビデオ信号の黒画素数(相関値)とを乗じて算出したトナー消費量を、カートリッジ未使用状態でのトナー量から減じてトナー残量推定値を算出する方法である。また、ピクセルカウント以外のトナー残量推定方法としてトナー容器13内に設けられた攪拌部材(搬送部材)130の総回転数や総回転量をトナー残量に関する相関値として用いることができる。
【0024】
(トナー容器の移動機構)
図5に、トナー容器13を図3に示す装着完了位置Bである第1位置から取り出すための位置(第2位置)まで移動させる機構について説明する。トナー容器13は、移動部材109によって押されて取り出し方向Fにおける下流側にある第2位置まで移動する。移動部材109は、移動部材109に設けた移動ラック110と、モータMが正回転して回転する移動ギア111と、が噛み合うことで移動する。移動機構は、移動部材109、移動ラック10、移動ギア111、モータMを含む。
【0025】
トナー容器13を取り出し方向Fに移動させた後、トナー容器13を装着できるように、モータMを逆回転させて移動部材109を装着方向Aに移動させる。
【0026】
モータMのON/OFF、回転方向、回転スピードは、図11の制御部200で制御される。つまり、制御部200は、モータMを制御することによって、トナー容器13を第1位置から第2位置へ移動させる移動動作を実行することができる。
【0027】
(トナー容器の移動条件)
本実施例においては、トナー容器13のトナー残量が多い場合は、トナー容器のトナーを現像装置9に補給する動作を続ける。トナー容器13のトナー残量が少ない場合は、装置本体100に設けたパネル(不図示)にトナー容器の交換が必要という情報を表示する。パネルがない製品形態では、LED(不図示)を点灯することで、ユーザにトナー容器13の交換を促してもよい。
【0028】
図1に、トナー容器13の移動に関するフローチャートを示す。図6(a)に装着完了位置B(第1位置)にあるトナー容器13の斜視図を示す。図6(b)に2位置にあるトナー容器の斜視図を示す。
【0029】
図1に示すように、トナー残量検知によってトナー容器13内のトナー残量を検知することによってトナー容器の交換が必要であるかどうか(f1)をみる。f1においてYESの場合は、ドアセンサ103によってドア102が開位置にあるかどうかを検知(f2)する。f2においてもYESの場合は、移動機構によってトナー容器13を取り出し方向Fに移動させる(f3)。f1及びf2の少なくとも一方においてNOの場合はいずれもトナー容器13を移動機構によって移動させない。つまり、本実施例においては、制御部200は、トナー容器13の交換が必要であるという第1条件と、ドアが開位置にあるという第2条件と、の双方を満足する場合、トナー容器13が第1位置から第2位置へ移動するように移動機構を制御する。また、制御部200は、第1条件と第2条件の少なくも一方を満足しない場合は、トナー容器13を移動させない。本実施例における第1条件は、受光部材108の受光時間が所定時間よりも長いことであり、第2条件は、ドアセンサ103はドアが開位置にあることを検知していることである。 上記制御によって、ユーザは、交換する必要があるトナー容器13が装着部101において第1位置から第2位置まで移動するので、視覚的に、直観的に交換が必要なトナー容器13が分かるという効果がある。特に、表示部(オペレーションパネル)がない画像形成装置においても、交換が必要なトナー容器13を認識することができる。更に、第2位置は第1位置よりも取り出し方向の下流側であるので、トナー容器13が把持しやすく交換作業が行いやすい。
【0030】
移動部材109は、取り出し方向Fへ移動してトナー容器13を移動させた後、装着方向A側へ移動し、再度トナー容器13を入れられる状態となる。
【0031】
ここで、図6(b)において、トナー容器13Yは第2位置にあり、トナー容器13M、13C、13Kは第1位置にある。第2位置にあるトナー容器13Yは、把手233が装置本体100の外部に露出しているので取り出しやすい。第1位置にあるトナー容器13M、13C、13Kは、把手233が装着本体100の外部に露出していないので、ユーザが誤ってカートリッジを取り出すことを防止でき、トナーが残っていることも認識できる。 [実施例2]
以下に、本発明に係る実施例2について説明する。実施例2では、実施例1に対してトナー容器13の取り出し方向Fに移動を規制する規制部材112が設けられている点が異なる。
【0032】
図7(a)は、規制部材112が規制位置Cにある状態、図7(b)は規制部材112が非規制位置Dにある状態を示す。規制部材112は、モータMの駆動によって回転する規制ギア114と噛み合うことで、規制位置Cと、非規制位置Dと、の間を移動する。トナー容器13の第1位置から取り出し方向Fへの移動を規制する規制位置C(図7(a))と、トナー容器13の移動を規制しない非規制部材D(図7(b))と、の間を移動する。
【0033】
規制部材112は、規制位置Cまで移動するとトナー容器13に設けた被係合部120と係合する。これにより、トナー容器13の取り出し方向Fへの移動が規制される。トナー容器13を取り出す際、規制部材112は、被係合部120が接触しない位置である非規制位置Dまで移動し、トナー容器13は取り出し可能となる。
【0034】
規制部材112は、トナー容器13のトナー残量の検知結果によって、規制位置C、及び非規制位置Dに移動する。規制部材112は、トナー容器13のトナー残量が残っている状態では、規制位置Cに移動し、トナー残量がなければ非規制位置Dに移動する。トナー容器13が再度、第1位置まで装着された際、非規制位置Dから規制位置Cに移動し、規制を行う。
【0035】
したがって、規制部材112を設けることで、トナー容器13にトナーが残っている状態では規制部材112により取り出しを規制し、トナーがない状態では取り出し可能となる。
【0036】
[実施例3]
実施例3では、実施例1および2に示した移動機構、及び、規制部材の変形例を示す。図8において、トナー容器13は、トナー容器13に接触している移動部材109を介して第1弾性部材(付勢部材)115によって取り出し方向F(第1位置から第2位置へ向かう方向)に付勢されている。
【0037】
規制部材112は、トナー容器13の取り出し方向Fの移動を第1弾性部材115の付勢力に抗して規制する規制位置Cと、トナー容器13の取り出し方向Fの移動を許容する非規制位置(許容位置)Dと、の間を移動する。
【0038】
規制部材112は、第2弾性部材116によって装着方向Aと交差する方向にであって規制位置Cに向かう方向に付勢される。
【0039】
図9(a)及び図9(b)はそれぞれ、規制部材112が規制位置C及び非規制位置Dにある状態の解除カム121の位相を示す。図11の制御部200によってモータMを駆動させて解除カム121を回転させることによって、規制部材112を規制位置Cから非規制部材Dに移動させる。
【0040】
図8に示すように、規制部材112及びトナー容器13はそれぞれ取り出し方向Fに交差する方向に延び、互いに係合するように構成された係合面119及び被係合面120を有する。規制部材112の係合面119とトナー容器13の被係合面120とが係合することで、トナー容器13の取り出し方向F側への移動が規制される。
【0041】
解除カム121を回転させて規制部材112が非規制位置Dに移動すると、第1弾性部材115の付勢力によって移動部材109がトナー容器13を押圧しトナー容器13が取り出し方向F側へ移動する。これにより、トナー容器13は第1位置から第2位置まで移動し、トナー容器13を取り出し可能となる。規制部材112はトナー容器13が取り出された後、モータMの駆動力によって解除カム121を回転させて、規制位置Cまで弾性部材116の付勢力で移動させる。
【0042】
次に、規制部材112が規制位置Cにある状態でトナー容器13を装置部101に装着する場合について説明する。
【0043】
図10(a)は、規制位置Cにある規制部材112がトナー容器13との接触を開始した状態を示す。図10(b)は、トナー容器13が装着方向Aに移動することによって規制部材112が非規制部材Dまで押し下がった状態を示す。規制部材112には、装着方向Aに向かうほどトナー容器に近づく方向に傾斜した第1傾斜面117、トナー容器13には、装着方向Aと反対方向に向かうほど規制部材112に近づく方向に傾斜した第2傾斜面118をそれぞれ有する。トナー容器13が装着方向Aに移動している時に、規制部材112の第1傾斜面117がトナー容器13の第2傾斜面118に接触し規制部材112に規制位置Cから非規制部材Dに向かう方向の力が働く。よって、トナー容器13の装着動作により規制部材112が規制位置Cから非規制位置Dに移動して、トナー容器13は装着完了位置である第1位置まで移動可能となる。
【0044】
図8に示したように、トナー容器13が第1位置まで装着されると、第1傾斜面117と第2傾斜面118は、互いに接触しない位置にそれぞれ配置される。トナー容器13が第1位置まで装着されると、規制部材112は第2弾性部材116の付勢力によって非規制部材Dから規制位置Cに移動してトナー容器13の取り出し方向Fへの移動を規制する。
【0045】
従って、ユーザはトナー容器13を第1位置まで挿入すると、規制部材112によって規制されて取り出せなくなり、トナー容器13の装着が完了したことが分かりやすい。よって、トナー容器13の不完全装着を抑制できる。また、実施例3では、移動部材109は第1弾性部材115の弾性力を利用し、第1位置から第2位置まで移動するため、駆動部を制御する必要がないシンプルな構成になっている。
【0046】
また、実施例1~3において、制御部200は、ドア102が完全に開いた後にトナー容器13の第1位置から第2位置への移動が開始されるように移動機構を制御することが好ましい。具体的には、制御部200は、ドア102が開いたことをドアセンサ103が検知したタイミングから0.5~2.0秒後にドア102が開くように移動機構のモータMの駆動を開始する(実施例1~3は、1.0秒後に設定されている)。これはトナー容器13が第1位置から第2位置へ移動する際に、閉位置から開位置へ移動するドア102に衝突することを防止するためである。閉位置から開位置に移動しているドア102にトナー容器13が衝突しないタイミングであれば、トナー容器13の移動が開始されるタイミングは、ドア102が完全に開く前でも良い。
【0047】
また、実施例1~3に係る発明は、トナー容器にかぎらず、現像装置やトナー回収容器など装置本体に対して着脱可能であって交換が必要なものに対して適用できる。
【符号の説明】
【0048】
1 画像形成装置
4 記録材
6 画像形成部
7 感光体ドラム
13 トナー容器
102 ドア
103 ドアセンサ
109 移動部材
112 規制部材
115 弾性部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11