(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
G03B 17/02 20210101AFI20240311BHJP
G03B 17/20 20210101ALI20240311BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20240311BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20240311BHJP
【FI】
G03B17/02
G03B17/20
H04N23/50
H04N23/60
(21)【出願番号】P 2019225292
(22)【出願日】2019-12-13
【審査請求日】2022-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】井崎 優子
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特許第6591003(JP,B1)
【文献】特開2008-046481(JP,A)
【文献】特開2019-192559(JP,A)
【文献】特開2015-075594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/02
G03B 17/20
H04N 23/50
H04N 23/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の押下ボタンと、前記第1の押下ボタンとは異なる第2の押下ボタンと、を有する撮像装置であって、
前記第1の押下ボタン及び前記第2の押下ボタンとは異なる特定の操作部材と、
第1の動作モードでは、前記第1の押下ボタンの押下操作に応じて、
前記特定の操作部材に対する操作のロック状態を切り替える切替機能を実行し、前記第1の動作モードとは異なる第2の動作モードでは、前記第1の押下ボタンの押下操作に応じて、前記切替機能とは異なる機能を実行する、ように制御する制御手段と、
を有し、
前記第1の押下ボタン及び前記第2の押下ボタンは、前記撮像装置の背面において互いに隣り合う位置に設けられており、前記第1の押下ボタンは、前記第2の押下ボタンよりも前記撮像装置の側面側の位置に設けられており、
前記第1の押下ボタンは、前記背面のうち、前記第2の押下ボタンが設けられている面よりも前記撮像装置の前面側となる面に設けられており、前記第1の押下ボタンの押下面は、前記第2の押下ボタンが設けられている面よりも前記撮像装置の前面側となるように前記第1の押下ボタンが設けられている、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
第1の押下ボタンと、前記第1の押下ボタンとは異なる第2の押下ボタンと、を有する撮像装置であって、
前記第1及び第2の押下ボタンとは異なる特定の操作部材と、
第1の動作モードでは、前記第1の押下ボタンの押下操作に応じて、
前記特定の操作部材に対する操作のロック状態を切り替える切替機能を実行し、前記第1の動作モードとは異なる第2の動作モードでは、前記第1の押下ボタンの押下操作に応じて、前記切替機能とは異なる機能を実行する、ように制御する制御手段と、
を有し、
前記第1の押下ボタン及び前記第2の押下ボタンは、前記撮像装置の背面において互いに隣り合う位置に設けられており、前記第1の押下ボタンは、前記第2の押下ボタンよりも前記撮像装置の側面側の位置に設けられており、
前記第1の押下ボタンが設けられている面から当該第1の押下ボタンの押下面までの前記第1の押下ボタンの高さは、前記第2の押下ボタンが設けられている面から前記第2の押下ボタンの押下面までの前記第2の押下ボタンの高さよりも小さく、
前記第2の押下ボタンが設けられている面は、前記第1の押下ボタンの押下面よりも前記第1の押下ボタンの高さ方向に高くなる位置に設けられている、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1の動作モードであるか前記第2の動作モードであるかに関わらず、前記第2の押下ボタンの押下操作に応じて、同様の機能を実行するように制御する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第2の押下ボタンの押下操作に応じて、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとを切り替える機能を実行するように制御する、ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1の動作モードは撮影モードであり、前記第2の動作モードは再生モードである、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第2の動作モードは、画像を再生する再生モード、撮影の直後に前記撮影で得られた画像を表示するレビュー表示画面を表示するモード、設定メニュー画面を表示するモードのうち、少なくとも1つである、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記撮像装置の背面には表示部が設けられており、
前記第2の押下ボタンは、前記第1の押下ボタンよりも前記表示部の近傍に設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第1の動作モードにおいて前記第1の押下ボタンの押下操作により前記特定の操作部材に対する操作がロック状態にあるときに、前記制御手段は、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードに切り替えられた場合に、前記第2の動作モードでは、前記特定の操作部材に対する操作のロック状態を解除する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第1の押下ボタンが設けられている面から当該第1の押下ボタンの押下面までの前記第1の押下ボタンの高さは、前記第2の押下ボタンが設けられている面から前記第2の押下ボタンの押下面までの前記第2の押下ボタンの高さ、よりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記切替機能により前記第1の押下ボタンの押下操作に応じてロック状態に切り替える前記特定の操作部材を、複数の操作部材の中から選択する選択手段を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記選択手段は、前記第1の押下ボタンの押下操作に応じてロック状態に切り替える前記特定の操作部材を、前記複数の操作部材の中から複数選択可能であることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記第1の押下ボタンに隣接して配置される複数の押下ボタンは、前記第2の押下ボタンが設けられている面と略同等の平面上に設けられることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は操作部材の有効/無効の切替が行える電子機器に関し、特に操作部材をロックするための操作部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な操作部材が搭載された電子機器において、誤操作防止のために操作部材をロックするか、ロックを解除するかを切り替えるロックレバーやロックボタンが搭載されているものが知られている。特許文献1には、ロックレバーによって操作部材をロックし、ロックされている操作部材が操作されると、対象の操作部材はロックされている旨を警告することが開示されている。警告表示により、ユーザーは行った操作が無効であることを直感的に認識することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし特許文献1のように、操作部材をロックするための専用のロックレバーやロックボタンを搭載すると、機器の小型化の妨げとなる。一方で、操作部材をロックする機能を、他の機能を有した操作部材に割り当て可能にした場合に、他の機能を有した操作部材が誤って操作されやすい位置に配置されていると、ユーザーの意図に反してロック機能を割り当てた操作部材が操作される可能性がある。すなわち、ユーザーの意図に反してロック設定状態が切り替わってしまい、ユーザーの意図ではない操作部材の操作により設定値の変更が行われてしまう可能性がある。
【0005】
そこで本発明は、専用のロック部材無しに操作部材のロック設定状態の切替が可能で、かつ、ユーザーの意図しない操作部材のロック設定状態の切替を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、
第1の押下ボタンと、前記第1の押下ボタンとは異なる第2の押下ボタンと、を有する撮像装置であって、前記第1の押下ボタン及び前記第2の押下ボタンとは異なる特定の操作部材と、第1の動作モードでは、前記第1の押下ボタンの押下操作に応じて、前記特定の操作部材に対する操作のロック状態を切り替える切替機能を実行し、前記第1の動作モードとは異なる第2の動作モードでは、前記第1の押下ボタンの押下操作に応じて、前記切替機能とは異なる機能を実行する、ように制御する制御手段と、
を有し、前記第1の押下ボタン及び前記第2の押下ボタンは、前記撮像装置の背面において互いに隣り合う位置に設けられており、前記第1の押下ボタンは、前記第2の押下ボタンよりも前記撮像装置の側面側の位置に設けられており、前記第1の押下ボタンは、前記背面のうち、前記第2の押下ボタンが設けられている面よりも前記撮像装置の前面側となる面に設けられており、前記第1の押下ボタンの押下面は、前記第2の押下ボタンが設けられている面よりも前記撮像装置の前面側となるように前記第1の押下ボタンが設けられている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、専用のロック部材無しに操作部材のロック設定状態の切替が可能で、かつ、ユーザーの意図しない操作部材のロック設定状態の切替を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】デジタルカメラ100の構成を示すブロック図である。
【
図4】撮影モード処理でのロック操作に応じた処理のフローチャートである。
【
図5】撮影モード処理でのロック可能なロック対象操作部材操作時の表示制御処理のフローチャートである。
【
図7】LV画像を表示する撮影待機画面であって、簡易的な情報表示に設定されている場合の表示例である。
【
図8】LV画像を表示しない撮影待機画面であって、設定内容の一覧画面に設定されている場合の表示例である。
【
図10】デジタルカメラ100の削除ボタンについて説明する図である。
【
図11】ロックに関する設定メニュー画面の表示例である。
【
図12】デジタルカメラ100の削除ボタンについての配置説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0010】
図1(a)、(b)に本発明を適用可能な装置の一例としてのデジタルカメラ100の外観図を示す。
図1(a)はデジタルカメラ100の前面斜視図であり、
図1(b)はデジタルカメラ100の背面斜視図である。
図1(a)では、着脱可能なレンズユニット150(交換レンズ)を取り外した場合の外観図である。
図1において、表示部28は画像や各種情報を表示する、カメラ背面に設けられたファインダー外表示部である。シャッターボタン61は撮影指示を行うための操作部である。モード切替スイッチ60は各種モードを切り替えるための操作部である。端子カバー40は外部機器との接続ケーブルとデジタルカメラ100とを接続する接続ケーブル等のコネクタ(不図示)を保護するカバーである。メイン電子ダイヤル71は操作部70に含まれる回転操作部材であり、このメイン電子ダイヤル71を回すことで、シャッター速度や絞りなどの設定内容の変更等が行える(設定値の変更機能を有する)。電源スイッチ72はデジタルカメラ100の電源のON及びOFFを切り替える操作部材である。サブ電子ダイヤル73は、操作部70に含まれる回転操作部材であり、選択枠の移動や画像送りなどを行える。十字キー74は操作部70に含まれ、上、下、左、右部分をそれぞれ押し込み可能な十字キー(4方向キー)である。十字キー74の押した部分に応じた操作が可能である。SETボタン75は操作部70に含まれ、押しボタンであり、主に選択項目の決定などに用いられる。
【0011】
ロックボタン76は操作部70に含まれ、押下に応じて、メイン電子ダイヤル71、サブ電子ダイヤル73、タッチパネル70a、M-Fnバー82、コントロールリング83への操作を有効/無効にする、ロック設定状態の切替を順に行える。すなわち、ロックボタン76が押下されるたびに、押下前がロック状態であればアンロック状態に、押下前がアンロック状態であればロック状態に切り替えられる。M-Fnバー82、コントロールリング83については後述する。ロックボタン76でロックされる、前述したロック可能なロック対象操作部材は、ユーザーの意図しない操作が行われる可能性があり、ユーザーが設定した値から意図せず変化してしまうと、操作性が悪くなる。このような誤操作を防止するために、ロック対象操作部材をロックする。ここではロック対象操作部材として選択可能な、ロック可能操作部材として、メイン電子ダイヤル71、サブ電子ダイヤル73、タッチパネル70a、M-Fnバー82、コントロールリング83を取り上げたが、これに限らない。また、ロック対象操作部材は、ユーザーが設定メニュー画面で任意に設定することができる。
【0012】
図1(b)の拡大/縮小ボタン77は操作部70に含まれ、撮影モードのライブビュー表示において拡大モードのON、OFF、及び拡大モード中の拡大率の変更や、拡大された再生画像の拡大率を低減させ、画像を縮小させる操作ボタンである。再生モードにおいては再生画像を拡大/縮小し、拡大率を増加/現象させるためのボタンとして機能する。削除ボタン78は操作部70に含まれ、後述する撮影処理において記録媒体200に記録した画像ファイルを消去するための操作ボタンである。画像の再生中に押下すると、表示している画像を消去するか否かを選択することができる。画像の再生中以外の設定メニュー画面等では、削除ボタン押下によって削除ボタンに割り当てられた機能、例えば、前の画面に戻ることや一階層上のページや項目に遷移するなどの画像消去とは別の機能が実行される。再生ボタン79は操作部70に含まれ、撮影モードと再生モードとを切り替える操作ボタンである。撮影モード中に再生ボタン79を押下することで再生モードに移行し、記録媒体200に記録された画像のうち、最新の画像を表示部28に表示させることができる。メニューボタン81は操作部70に含まれ、設定メニュー画面へ遷移するための操作ボタンである。M-Fn(マルチファンクション)バー82は操作部70に含まれ、横方向に操作可能な操作部材(操作バー)である。スライド操作と両端のタッチ操作に、様々な機能を割り当てることができる。
【0013】
通信端子10はデジタルカメラ100が後述するレンズユニット150(着脱可能)と通信を行う為の通信端子である。接眼部16は、接眼ファインダー(覗き込み型のファインダー)の接眼部であり、ユーザーは、接眼部16を介して内部のEVF(Electric View Finder)29に表示された映像を視認することができる。EVF29はファインダー内表示部である。接眼検知部57は接眼部16に撮影者が接眼しているか否かを検知する接眼検知センサーである。蓋202は記録媒体200を格納したスロットの蓋である。グリップ部90は、ユーザーがデジタルカメラ100を構えた際に右手で握りやすい形状とした保持部である。グリップ部90を右手の小指、薬指、中指で握ってデジタルカメラを保持した状態で、右手の人差指で操作可能な位置にシャッターボタン61、メイン電子ダイヤル71が配置されている。また、同じ状態で、右手の親指で操作可能な位置に、サブ電子ダイヤル73が配置されている。
【0014】
図2は、本実施形態によるデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。
図2において、レンズユニット150は、交換可能な撮影レンズを搭載するレンズユニットである。レンズ103は通常、複数枚のレンズから構成されるが、ここでは簡略して一枚のレンズのみで示している。通信端子6はレンズユニット150がデジタルカメラ100と通信を行う為の通信端子である。レンズユニット150は、この通信端子6と前述の通信端子10を介してシステム制御部50と通信し、内部のレンズシステム制御回路4によって絞り駆動回路2を介して絞り1の制御を行う。その後AF駆動回路3を介して、レンズ103を変位させることで焦点を合わせる。
【0015】
コントロールリング83は、レンズユニット150のレンズ鏡筒回りに回転操作可能なダイヤル操作部材である。
【0016】
焦点検出部11は、システム制御部50にデフォーカス量情報を出力する。システム制御部50はそれに基づいてレンズユニット150を制御し、位相差AFを行う。
【0017】
シャッター101は、システム制御部50の制御で撮像部22の露光時間を自由に制御できるフォーカルプレーンシャッターである。
【0018】
撮像部22は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子である。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。
【0019】
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、または、後述するメモリ制御部15からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行う。画像処理部24により得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。
【0020】
メモリ制御部15は、A/D変換器23、画像処理部24、メモリ32間のデータ送受を制御する。A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24およびメモリ制御部15を介して、あるいは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28、EVF29に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0021】
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはメモリ制御部15を介して表示部28、EVF29により表示される。表示部28、EVF29は、LCDや有機EL等の表示器上に、メモリ制御部15からの信号に応じた表示を行う。A/D変換器23によってA/D変換されメモリ32に蓄積されたデータを、表示部28またはEVF29に逐次転送して表示することで、ライブビュー表示(LV表示)を行える。以下、ライブビューで表示される画像をライブビュー画像(LV画像)と称する。
【0022】
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばFlash-ROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
【0023】
システム制御部50は、少なくとも1つのプロセッサーまたは回路からなる制御部であり、デジタルカメラ100全体を制御する。前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。システムメモリ52には、例えばRAMが用いられ、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等が展開される。また、システム制御部50はメモリ32、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。
【0024】
システムタイマー53は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
【0025】
モード切替スイッチ60は、操作部70に含まれる操作部材であり、システム制御部50の動作モードを静止画撮影モード、動画撮影モード等のいずれかに切り替える。静止画撮影モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)、プログラムAEモード(Pモード)、がある。また、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、カスタムモード等がある。モード切替スイッチ60により、ユーザーは、これらのモードのいずれかに直接切り替えることができる。あるいは、モード切替スイッチ60で撮影モードの一覧画面に一旦切り換えた後に、表示された複数のモードのいずれかを選択し、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0026】
第1シャッタースイッチ62は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の撮影準備動作を開始する。
【0027】
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから撮像された画像を画像ファイルとして記録媒体200に書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。第2シャッタースイッチのONが継続されると、デジタルカメラ100は、予め決められた連写可能速度に依存する速度で連写(連続撮影)を行う。
【0028】
電源制御部80は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
【0029】
記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0030】
通信部54は、無線または有線ケーブルによって接続し、映像信号や音声信号の送受信を行う。通信部54は無線LAN(Local Area Network)やインターネットとも接続可能である。また、通信部54は、Bluetooth(登録商標)やBluetooth Low Energyでも外部機器と通信可能である。通信部54は撮像部22で撮像した画像(ライブビュー画像を含む)や、記録媒体200に記録された画像を送信可能であり、また、外部機器から画像やその他の各種情報を受信することができる。
【0031】
姿勢検知部55は重力方向に対するデジタルカメラ100の姿勢を検知する。姿勢検知部55で検知された姿勢に基づいて、撮像部22で撮影された画像が、デジタルカメラ100を横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像であるかを判別可能である。システム制御部50は、姿勢検知部55で検知された姿勢に応じた向き情報を撮像部22で撮像された画像の画像ファイルに付加したり、画像を回転して記録したりすることが可能である。姿勢検知部55としては、加速度センサーやジャイロセンサーなどを用いることができる。姿勢検知部55である、加速度センサーやジャイロセンサーを用いて、デジタルカメラ100の動き(パン、チルト、持ち上げ、静止しているか否か等)を検知することも可能である。
【0032】
接眼検知部57はファインダーの接眼部16に対する目(物体)161の接近(接眼)および離脱(離眼)を検知する(接近検知)、接眼検知センサーである。システム制御部50は、接眼検知部57で検知された状態に応じて、表示部28とEVF29の表示(表示状態)/非表示(非表示状態)を切り替える。より具体的には、少なくともデジタルカメラ100が撮影待機状態、かつ、撮像部22で撮像されたライブビュー画像の表示先の切替設定が自動切替設定である場合において、非接眼中は表示先を表示部28として表示をオンとし、EVF29は非表示とする。また、接眼中は表示先をEVF29として表示をオンとし、表示部28は非表示とする。接眼検知部57は、例えば赤外線近接センサーを用いることができ、EVF29を内蔵するファインダーの接眼部16への何らかの物体の接近を検知することができる。物体が接近した場合は、接眼検知部57の投光部(不図示)から投光した赤外線が反射して赤外線近接センサーの受光部(不図示)に受光される。受光された赤外線の量によって、物体が接眼部16からどの距離まで近づいているか(接眼距離)も判別することができる。このように、接眼検知部57は、接眼部16への物体の近接距離を検知する接眼検知を行う。非接眼状態(非接近状態)から、接眼部16に対して所定距離以内に近づく物体が検出された場合に、接眼されたと検出するものとする。接眼状態(接近状態)から、接近を検知していた物体が所定距離以上離れた場合に、離眼されたと検出するものとする。接眼を検出する閾値と、離眼を検出する閾値は例えばヒステリシスを設けるなどして異なっていてもよい。また、接眼を検出した後は、離眼を検出するまでは接眼状態であるものとする。離眼を検出した後は、接眼を検出するまでは非接眼状態であるものとする。なお、赤外線近接センサーは一例であって、接眼検知部57には、接眼とみなせる目や物体の接近を検知できるものであれば他のセンサーを採用してもよい。
【0033】
また操作部70の一つとして、表示部28に対する接触を検知可能なタッチパネル70aを有する。タッチパネル70aと表示部28とは一体的に構成することができる。例えば、タッチパネル70aは光の透過率が表示部28の表示を妨げないように構成され、表示部28の表示面の上層に取り付けられる。そして、タッチパネル70aにおける入力座標と、表示部28の表示画面上の表示座標とを対応付ける。これにより、恰もユーザーが表示部28上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を提供できる。システム制御部50はタッチパネル70aへの以下の操作。あるいは状態を検出できる。
・タッチパネル70aにタッチしていなかった指やペンが新たにタッチパネル70aにタッチしたこと。すなわち、タッチの開始(以下、タッチダウン(Touch-Down)と称する)。
・タッチパネル70aを指やペンでタッチしている状態であること(以下、タッチオン(Touch-On)と称する)。
・タッチパネル70aを指やペンでタッチしたまま移動していること(以下、タッチムーブ(Touch-Move)と称する)。
・タッチパネル70aへタッチしていた指やペンを離したこと。すなわち、タッチの終了(以下、タッチアップ(Touch-Up)と称する)。
・タッチパネル70aに何もタッチしていない状態(以下、タッチオフ(Touch-Off)と称する)。
【0034】
タッチダウンが検出されると、同時にタッチオンであることも検出される。タッチダウンの後、タッチアップが検出されない限りは、通常はタッチオンが検出され続ける。タッチムーブが検出されるのもタッチオンが検出されている状態である。タッチオンが検出されていても、タッチ位置が移動していなければタッチムーブは検出されない。タッチしていた全ての指やペンがタッチアップしたことが検出された後は、タッチオフとなる。
【0035】
これらの操作・状態や、タッチパネル70a上に指やペンがタッチしている位置座標は内部バスを通じてシステム制御部50に通知され、システム制御部50は通知された情報に基づいてタッチパネル70a上にどのような操作が行なわれたかを判定する。タッチムーブについてはタッチパネル70a上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル70a上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。所定距離以上をタッチムーブしたことが検出された場合はスライド操作が行なわれたと判定するものとする。タッチパネル上に指をタッチしたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作をフリックと呼ぶ。フリックは、言い換えればタッチパネル70a上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でタッチムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行なわれたと判定できる(スライド操作に続いてフリックがあったものと判定できる)。
【0036】
更に、複数箇所(例えば2点)を同時にタッチして、互いのタッチ位置を近づけるタッチ操作をピンチイン、互いのタッチ位置を遠ざけるタッチ操作をピンチアウトと称する。ピンチアウトとピンチインを総称してピンチ操作(あるいは単にピンチ)と称する。タッチパネル70aは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサー方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いても良い。方式によって、タッチパネルに対する接触があったことでタッチがあったと検出する方式や、タッチパネルに対する指やペンの接近があったことでタッチがあったと検出する方式ものがあるが、いずれの方式でもよい。
【0037】
本実施形態では、デジタルカメラ100における、ロック可能なロック対象操作部材のロック設定状態を切り替えた場合や、ロックしている操作部材への操作を行った場合の通知の表示制御処理について説明する。また本実施形態では、表示部28の解像度は横900pixel×縦600pixelとする。
【0038】
本実施形態ではロック操作(例えばロックボタン76の押下)によって、ロック対象操作部材のロック設定状態を切り替えることができる。ロック対象操作部材は、
図11に示すような設定メニュー画面で設定することが可能である。
図11(a)の設定候補1101~1105に示すように、ロック可能操作部材が表示される。設定候補1101~1105はそれぞれ操作部材をアイコンで示している。カーソルが表示されている操作部材の名称を領域1110に表示する。設定候補1102、1105に示すように、チェックボックスにチェックを入れることで、ロック設定状態を切り替えるロック対象操作部材として設定できる。
【0039】
設定候補1101はメイン電子ダイヤル71を示しており、上に凸の半円で示すアイコンで描いている。設定候補1102はサブ電子ダイヤル73を示しており、下に凸の半円で示すアイコンで描いている。設定候補1103はタッチパネル70aを示しており、右手人差し指のアイコンで描いている。設定候補1104はM-Fnバー82を示しており、
図1(b)のM-Fnバー82に示すような横方向に長い長方形のアイコンで描いている。設定候補1105はコントロールリング83を示しており、円筒状の部材の一部を輪切りにし、円周方向に操作可能であることを示すアイコンで描いている。
図11(a)では、設定候補1101にカーソルが表示され、領域1110にはメイン電子ダイヤルと表示されている。本実施形態では、ロック対象操作部材として選択(設定)可能なロック可能操作部材として、メイン電子ダイヤル71、サブ電子ダイヤル73、タッチパネル70a、M-Fnバー82、コントロールリング83の5つの操作部材をあげたが、これに限らない。例えば、十字キー74と共に選択項目を指示する際などに使用される、コントローラーホイール(不図示)と呼ばれる回転操作可能な操作部材でもよい。コントローラーホイールは、十字キー74の円周外側や十字キー74の代替として配置され、回転操作の操作量に応じてデジタルカメラ100の各部を制御する。
【0040】
また、本実施形態では、ユーザーは設定メニュー画面において、ロック可能操作部材のそれぞれに対して、設定項目の設定変更機能を任意に割り当てることができる。しかし、初めから操作部材に割り当てられる項目が決められている(固定されている)形態でもよい。すなわち、操作部材と項目の設定変更機能が紐づいて予め決められている場合にも、本実施形態を適用することが可能である。予め、操作部材と項目の設定変更機能が紐づいていれば、ユーザーは所望の項目の設定内容を変更する際に、どの操作部材を操作すれば良いかを認識しやすい。
【0041】
図11(a)では、サブ電子ダイヤル73とコントロールリング83とが、ロック対象操作部材として設定されている場合を図示している。
【0042】
図3~
図5はロック可能なロック対象操作部材への操作のロック設定状態の切替、ロック対象操作部材への操作が行われた場合の表示制御を行うフローチャートである。この制御処理は、システム制御部50が、不揮発性メモリ56に格納されたプログラムをシステムメモリ52に展開して実行することにより実現される。
図3~
図5のフローチャートは、デジタルカメラ100を撮影モードで起動し、撮影待機状態である場合に開始される。
【0043】
S300では、システム制御部50は、不揮発性メモリ56を参照して、ロックフラグが1であるか否かを判定する。ロックフラグが1である場合は、S301に進み、ロックフラグが0である場合は、S302へ進む。ロックフラグとは、ロック操作によって切り替えた、ロック設定状態を示すフラグである。ロックフラグが1であれば、ロック対象操作部材はロックされており(ロック状態であり)、ロックフラグが0であれば、ロック対象操作部材はロックされていない(アンロック状態である)。S300においてロックフラグを確認するのは、後述する撮影モード処理ではない他のモード処理においては、ロックフラグに関わらず、ロック対象操作部材への操作を可能にするためである。他のモード処理から撮影モード処理に遷移した場合にロックフラグが1であれば、ロック対象操作部材をロック状態に設定する。デジタルカメラ100の電源がOFFからONになった場合にも、同様の理由でロックフラグを確認する。
【0044】
S301では、システム制御部50は、ロック対象操作部材をロックし、S303へ進む。すなわち、ロック状態に設定する。不揮発性メモリ56を参照し、ユーザーが設定メニュー画面で設定したロック対象操作部材をロックする。具体的には、
図11(a)に示すような設定である場合は、サブ電子ダイヤル73とコントロールリング83をロックし、メイン電子ダイヤル71とタッチパネル70aとM-Fnバー82はロックしない。
【0045】
S302では、システム制御部50は、ロック対象操作部材をロックせず(ロック対象操作部材への操作を可能にし)、S303へ進む。すなわち、アンロック状態に設定する。不揮発性メモリ56を参照し、ユーザーが設定メニュー画面へ設定したロック対象操作部材への操作を可能にする。
【0046】
S303では、システム制御部50は、表示部28に撮影待機画面を表示する。本実施形態の撮影待機画面は、
図7(c)に示すようなLV画像を表示する画面と、
図8(a)に示すような設定内容の一覧画面の2種類がある。
【0047】
S304では、システム制御部50は、ロック操作があったか否かを判定する。例えば、ロックボタン76の押下があったか否かを判定する。ロック操作があった場合は、S305へ進み、押下がなかった場合はS306へ進む。また、ロック機能(ロック/アンロックの切替機能)が割り当てられた他の操作部材に対する操作があった場合も、S304はYesと判定する。ロック専用ではない他の操作部材にロック機能を割り当て可能とすることで、ロックボタン専用の操作部材を搭載しないようにして、小型化、省スペースを図ることも可能である。例えば削除ボタン78のような、撮影待機状態では使用しない機能を有したボタンにロック機能を割り当ててもよい。ロック機能の他のボタンへの割り当てについては
図11(b)を用いて後述する。
【0048】
S305では、システム制御部50は、ロック操作に応じた処理を行う。S305の処理については、
図4のフローチャートを用いて後述する。
【0049】
S306では、システム制御部50は、ロック対象操作部材への操作があったか否かを判定する。操作があった場合は、S307へ進み、なかった場合はS308へ進む。例えば、
図11(a)に図示した設定状態であれば、サブ電子ダイヤル73もしくはコントロールリング83への操作があるとYesと判定し、メイン電子ダイヤル71、タッチパネル70a、M-Fnバー82に対する操作があってもYesとは判定しない。
【0050】
S307では、システム制御部50は、ロック対象操作部材への操作が行われた場合の表示制御処理を行う。S307の処理については、
図5のフローチャートを用いて後述する。
【0051】
S308では、システム制御部50は、第1シャッタースイッチ62がオンになったか否かを判定する。第1シャッタースイッチ62がオンになった場合は、S309へ進み、そうでない場合はS323へ進む。第1シャッタースイッチ62がオンとは、前述したようにシャッターボタン61が半押しされている状態を示す。すなわち、ユーザーは撮影を行おうとしていることが想定できる。
【0052】
S309では、システム制御部50は、フォーカスモードがAFモードに設定されているか否かを判定する。AFモードに設定されている場合は、S310へ進み、そうでない場合(MFモードに設定されている場合)は、S311へ進む。AFモード/MFモードの切り替えは、設定メニュー画面やレンズユニット150の外部に備えられているスイッチなどで切り替えられる。
【0053】
S310では、システム制御部50は、AF枠位置に基づいてAF処理を行う。
【0054】
S311では、システム制御部50は、AEやAWB等のその他の撮影準備処理を行う。
【0055】
S312では、システム制御部50は、第2シャッタースイッチ64がオンになったか否かを判定する。第2シャッタースイッチ64がオン、すなわち、シャッターボタン61が全押しされた場合は、S313へ進み、そうでない場合は、S321へ進む。
【0056】
S313では、システム制御部50は、撮像された画像を画像ファイルとして記録媒体200に記録するまでの一連の撮影処理を行う。
【0057】
S314では、システム制御部50は、クイックレビューの表示を開始する。クイックレビューとは、S313において撮影した画像を、撮影直後に一時的に表示部28に表示するレビュー表示画面のことを指す。なお、クイックレビューとして撮影した画像を表示部28に一時的に表示する時間は、ユーザーが設定メニュー画面で任意に設定することができる。撮影処理後にクイックレビューを表示しないようにする設定もできる。
【0058】
S315では、システム制御部50は、クイックレビューを表示してから所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間経過した場合は、S316へ進み、そうでない場合はS317へ進む。
【0059】
S316では、システム制御部50は、S314で表示したクイックレビュー表示を終了し、撮影待機画面へ戻り、S323へ進む。S314で述べたように、S313において撮影した画像を一時的に表示するクイックレビューの表示時間は、ユーザーが任意に設定することができる。S313において撮影を行っても、クイックレビューを表示部28に表示しないように設定することもできる。すなわち、S314~S316をスキップして、S313から直接S323へ進むようにしてもよい。また、S313での撮影処理前に撮影待機画面として、
図7(c)のようなLV画像を表示していた場合は、LV画像の表示画面へ戻り、
図8(a)のような設定内容の一覧画面を表示していた場合は、設定内容の一覧画面へ戻る。
【0060】
S317では、システム制御部50は、S304と同様に、ロック操作があったか否かを判定する。ロック操作があった場合は、S318へ進み、そうでない場合はS319へ進む。
【0061】
S318では、システム制御部50は、S314で表示部28に表示したクイックレビューの表示を終了し、S305へ進む。クイックレビューで撮影した画像を表示している間に、ロック操作が行われた場合、ユーザーは次の動作に移るためにロック対象操作部材のロック設定状態を変更したいと考えていると想定できる。例えば、ロック対象操作部材がロックされている状態で撮影を行い、クイックレビューで撮影した画像を確認した結果、シャッタースピードや露出補正値などの設定内容を変更して再度撮影を行いたい、と考える場合がある。このような場合には、ユーザーはロック操作(例えば、ロックボタン76の押下)を行い、変更したい設定項目が割り当てられているロック対象操作部材のロックを解除して、素早く設定内容の変更を行い、撮影を行いたいと考えている可能性が高い。そのため、表示部28にクイックレビュー表示中であったとしても、ロック操作があった場合は、押下に応じてクイックレビューの表示を終了し、S305のロック操作に応じた処理を行う制御とする。このような制御にすることで、ユーザーはたとえクイックレビューで画像が表示されていても、ロック操作によって素早くロック対象操作部材のロック設定状態を変更することができ、操作性が良い。また、シャッターチャンスを逃す可能性を低減できる。
【0062】
S319では、システム制御部50は、S306と同様に、ロック対象操作部材への操作があったか否かを判定する。操作があった場合はS321へ進み、そうでない場合はS315へ戻る。
【0063】
S320では、S301と同様に、システム制御部50は、不揮発性メモリ56を参照し、ロックフラグが1であるか否かを判定する。ロックフラグが1である場合は、S315へ戻り、ロックフラグ0である場合は、S321へ進む。
【0064】
S321では、システム制御部50は、S314で表示部28に表示したクイックレビューの表示を終了し、S305へ進む。クイックレビューで撮影した画像を表示している間に、ロックされていない(アンロック状態の)対象操作部材が操作された場合を考える。ユーザーはクイックレビューで撮影した画像を確認した結果、シャッタースピードや露出補正値などの設定内容を変更して、再度撮影を行いたい、と考える場合がある。そのため、表示部28にクイックレビューを表示中であっても、ロック対象操作部材が操作されたことに応じて、クイックレビューの表示を終了し、S307のロック対象操作部材操作時の表示制御処理を行う。これにより、ユーザーはたとえクイックレビューで画像が表示されていても、ロック対象操作部材に割り当てられた設定項目の設定内容を素早く変更し、撮影動作に移ることができる。一方で、ロックされている(ロック状態の)対象操作部材が操作された場合、ロック対象操作部材に割り当てられている設定変更機能によって設定内容が変更されることはない。そのため、クイックレビューの表示を継続する。
【0065】
S322では、システム制御部50は、第1シャッタースイッチ62のオンが継続しているか否かを判定する。第1シャッタースイッチ62のオンが継続している場合は、S312に戻り、そうでない場合はS323へ進む。
【0066】
S323では、システム制御部50は、モード切替操作があったか否かを判定する。モード切替操作があった場合は、S324へ進み、そうでない場合はS326へ進む。モード切替操作とは、再生ボタン79やメニューボタン81の押下などを指す。例えば再生ボタン79が押下されると、撮影した画像を再生する再生モード処理へ遷移する。メニューボタン81が押下されると、設定メニュー画面へ遷移する。つまり、モード切替操作が行われたということは、ユーザーは撮影モード処理ではない別のモードへ遷移したいと考えている。
図3のフローチャートは撮影モード処理において実行されるため、撮影モード処理とは異なる、例えば再生モード処理へ遷移した場合には、
図3のフローチャートとは異なったフローチャートで制御される。
【0067】
S324では、システム制御部50は、S301と同様に、不揮発性メモリ56を参照し、ロックフラグが1であるか否かを判定する。ロックフラグが1である場合は、S325へ進み、ロックフラグが0である場合は、他のモード処理(
図6のフローチャート)へ進む。
【0068】
S325では、システム制御部50は、S324においてロックフラグが1であったことから、ロックされているロック対象操作部材のロックを解除し(アンロックし)、他のモードへ進む。撮影モード処理において撮影待機状態である場合、ユーザーは撮影を行おうとしているが、素早く撮影を行うために撮影待機状態を維持しつつ、レンズユニット150を交換したりデジタルカメラ100を肩から掛けたりした状態でいる可能性がある。このような状況において、ロック対象操作部材がロックされていないと、前述したように、ロック対象操作部材がユーザーの意図ではなく操作されてしまい、ユーザーが設定した設定内容から意図せず変更されてしまう。ユーザーが設定した設定内容で素早く撮影を行いたいと考えている場合に、意図せず設定内容が変更されてしまうと素早く所望の設定内容で撮影を行うことができず、撮影機会を損失してしまう。このような問題を生じさせないために、撮影待機状態である間は、ロック操作に応じてロック対象操作部材のロック設定状態を切り替えるようにする。一方で、撮影待機状態(すなわち撮影モード処理)ではないモードに遷移した場合には、ロック対象操作部材をロックする必要がない。具体的には、モードが撮影モード処理から再生モード処理へと遷移した場合には、ユーザーは記録媒体200に保存されている画像を再生したいと考えている。再生モード処理ではロック対象操作部材は、表示部28に再生した画像送りや拡大操作を行うために利用される。このような場合、たとえ前述したように再生モード処理の状態でデジタルカメラ100を肩から掛けたとしても、ロック対象操作部材が意図せず操作されたことに応じて画像が送られたりするのみで、撮影モード処理のように設定内容が変化することはない。撮影モード処理において設定内容が意図せず変化してしまうと、ユーザーは撮影機会を損失してしまうが、それと比較して画像送りが意図せず行われたとしても、撮影機会を損失することはない。むしろ、ロック対象操作部材がロックされていると、スムーズに画像を確認できない。ユーザーが再生モード処理において撮影を行いたいと考えた場合には、再生モードから撮影モードへと遷移する操作(例えばシャッターボタン61の押下など)を行えば素早く撮影モードへと遷移することができる。また、再生モード処理においてロック対象操作部材が操作されたとしても、再生モード処理ではロック対象操作部材の操作に応じた処理は設定内容の変更ではなく、別の処理になり、ユーザーが設定していた設定内容から変更されることはない。これらの理由から、撮影モード処理以外においては、ロック対象操作部材のロック設定状態(ロックフラグ)は無視し、ロック対象操作部材への操作を受け付けるようにする。
【0069】
S326では、システム制御部50は、撮影待機状態が終了したか否かを判定する。例えば、電源OFFなどによって撮影待機状態が終了した場合は、撮影モード処理のフローチャートを終了し、そうでない場合は、S301へ戻る。
【0070】
図4は、
図3のS305で説明したロック操作に応じた処理のフローチャートである。
図3のS304においてYesと判定された場合、すなわち、ロックボタン76の押下などのロック操作があった場合に開始される。
図4のフローチャートについては、主に
図7(a)~(c)を用いて、ロック操作が行われた場合の表示形態について説明する。
図7(a)~(c)は表示部28においてLV画像に重畳して表示される簡易的な情報表示の表示例である。なお、
図4、
図7では、表示部28での表示を行う例を説明するが、表示先がEVF29の場合は、同様の表示をEVF29で行うものとする。操作部70に含まれる情報表示の切替ボタン(インフォボタン)が押下される度に、簡易的な情報表示→詳細な情報表示→設定内容の一覧画面→情報表示なし(LV画像のみ)、といった表示情報の切替を行う。領域704a~領域707a内に、それぞれ項目704b~項目707bを表示する。項目704b~項目707bはそれぞれ、シャッタースピード、F値(絞り値)、露出補正値、ISO感度である。項目704b~項目707bの表示順序はこれに限らない。また、領域704a~領域707aの大きさは、表示する項目に応じて変化させる。また、ロック対象操作部材としてタッチパネル70aが設定されていた場合に、タッチパネル70aがロックされていなければ、項目の表示領域(領域704a~707a)の背景色をLV画像とは異なる表示形態とする。すなわち、項目704b~項目707bが操作対象であることがわかるように表示する。タッチパネル70aがロックされている場合は、項目の表示領域(領域704a~707a)の背景色をLV画像と異ならせない表示形態とする。すなわち、操作対象ではなく、単に現在の設定状態を表示したものであることがわかるように表示する。なお、項目の表示領域を識別可能にする表示形態は前述したものに限らず、ユーザーが領域704a~707aへのタッチ操作が可能であるか否かを視認できればよいため、領域の枠表示のみで識別可能にしてもよい。
【0071】
S401では、システム制御部50は、表示部28にモードガイドのガイド表示がされているか否かを判定する。ガイド表示がされている場合は、S402に進み、そうでない場合はS403に進む。ガイド表示とは、モード切替スイッチ60を操作することで各種モードを切り替えた際に表示される、ガイドのことを指す。モード切替操作を行った際に、切り替わった後のモードと、各種モードがどのようなモードなのかを説明するものである。例えば、ユーザーがAUTO撮影モードからP(プログラム)モードへ変更したとすると、プログラムモードを示すアイコンと、「カメラの各種機能を設定して撮影できます。」といったようなモードの説明を示すガイド表示が表示部28に所定時間表示される。モード切替から所定時間(例えば6秒)が経過すると、モードガイドは自動的に非表示となる。なお、
図7(a)に示すように表示部28にライブビュー画像と共に、アイコン701のような表示形態で、現在のモードを示す。
図7(a)ではアイコン701は「M」と表示されており、マニュアルモードであることをユーザーは視認することができる。
【0072】
S402では、システム制御部50は、表示部28に表示されているモードガイドの表示を終了し、撮影待機画面へ遷移する。
図3のS304においてロック操作があった場合にガイド表示中であったとしても、ユーザーはロック操作によりロック対象操作部材のロック設定状態を変更したいと考えていることが想定できる。そのため、たとえガイド表示中であっても、ガイド表示を終了する。
【0073】
S403では、システム制御部50は、BUSY中か否かを判定する。BUSY中である場合は、本フローチャートを終了し、そうでない場合はS404へ進む。BUSY中とされるのは、具体的に以下のような場合がある。ユーザーが連続撮影(連写)を行っている際に、静止画や動画の記録を継続的に行うためのワークメモリであるメモリ32の空き容量が不足し、記録媒体200に画像の書き込み処理の最中。また、画像を複数枚(ここでは3枚とする)撮影し、それらを画像処理部24で合成することで特殊な画像を記録する場合に、撮影した3枚の画像から1枚の画像を合成する合成処理の処理中。記録媒体200に記録する画像の生成中(現像中)などであることがあげられる。前述したような場合には、システム制御部50が画像処理などの内部処理に多くのメモリを割くため、表示部28へのLV画像の表示や、記録媒体200を参照した画像の再生などを行うことができない。本実施形態では、EVF29と表示部28以外に設定内容などの情報を常時表示する表示部を備えていない。そのため、BUSY中にロック操作に応じてロック設定状態を切り替えてしまうと、後述するロック設定状態の切替を知らせる通知を表示することができない。これにより、ユーザーが認識できない間にロック設定状態が切り替わってしまい、ユーザーの混乱を招く可能性がある。そのため、本実施形態ではBUSY中はロック操作による操作部材のロック設定状態の切替は受け付けない。
【0074】
S404では、システム制御部50は、不揮発性メモリ56を参照し、ロック操作が行われる前のロックフラグが1であるか否かを判定する。ロックフラグが1である(ロック操作前にロック状態だった)場合は、S405へ進み、ロックフラグが0である(ロック操作前にアンロック状態だった)場合は、S406へ進む。
【0075】
S405では、システム制御部50は、ロック対象操作部材のロックを解除し、ロックフラグを0とする。また、表示部28に「ロック解除しました」という文言を表示する。本実施形態では、デジタルカメラ100はEVF29と表示部28以外に、設定内容を常時表示する表示部は備えていない。そのため、ロック操作でロック設定状態を切り替えたタイミングで通知を行わなければ、ユーザーは設定メニュー画面に遷移して確認しない限りは、ロック対象操作部材のロック設定状態を確認することができない。また、ユーザーが意図せずロック操作を行った可能性も考えられるため、ロック操作によるロック対象操作部材のロック設定状態の切替を通知する。
図7(a)に表示例を示す。通知内容としては、表示部28に表示したLV画像に重畳して、領域703a内に、通知内容としてのメッセージ702a「ロック解除しました」の表示を行う。領域703aの大きさは、後述する
図7(b)の領域703bと同じ大きさにしてもよいし、メッセージ702aの大きさに応じて変化させてもよい。これにより、ユーザーは現在のロック対象操作部材のロック設定状態を、ロック操作のタイミングで容易に確認することができる。
【0076】
S406では、システム制御部50は、ロック対象操作部材をロックし、ロックフラグを1とする。また、通知内容として、表示部28に「ロックしました」という文言とロックした部材のアイコンの両方を表示する。本実施形態では、ロック対象操作部材をユーザーが設定メニュー画面で任意に設定でき、ロック対象操作部材を複数とすることもできる。そのため、ユーザーはどの操作部材がロック対象操作部材であるか覚えているのは難しく、ユーザーはロック操作により、どの操作部材がロックされたのか認識しづらい。そのため、ロック操作に応じて(ロック対象操作部材をロックしたことに応じて)、
図7(b)のメッセージ702bとアイコン711、712のように、2つの通知内容を表示する。これによって、どの操作部材がロックされたのかをユーザーが認識できる。
図7(b)の表示例では、アイコン711と712から、サブ電子ダイヤル73とコントロールリング83がロック状態になったことがわかる。S405においてロック対象操作部材のロックを解除した場合には、設定メニュー画面で設定できる操作部材が全て操作可能になる。そのため、
図7(a)のように、文言でロック設定状態の変化を通知するだけで、操作部材を示すアイコンを表示する必要はない。ただし、ロックを解除する際にも、文言とアイコンの両方を表示してもよい。また、S406において文言とアイコンを表示するのではなく、ロック操作に応じて、
図11(a)で説明したロック対象操作部材の設定メニュー画面に遷移し、ロック設定状態を示す文言を表示するようにしてもよい。これにより、ユーザーがロック対象操作部材として設定した部材を確認もしくは変更ができ、より確実にロック設定状態の認識ができる。また、ロック対象操作部材を変更するために、わざわざ設定メニュー画面に遷移する必要がない。なお、ロック対象操作部材がロックされたことを示すために、前述したメッセージ702bとアイコン711、712とは異なる、ロック状態を示すLOCKアイコン(不図示)を表示するようにしてもよい。このLOCKアイコンは、S407において後述する所定時間が経過してもロック対象操作部材がロックされている間は表示を継続する。これによりユーザーは、ロック対象操作部材がロックされていることを視認することができる。
【0077】
S407では、システム制御部50は、S405とS406において表示部28に表示した文言、もしくは、文言とアイコンの表示開始から所定時間経過したか否かを判定する。所定時間経過した場合は、S408へ進み、そうでない場合はS409へ進む。ここでいう所定時間は、例えば2秒程度の時間を指す。
【0078】
S408では、システム制御部50は、S405、S406で表示したロック対象操作部材のロック設定状態の通知の表示を終了する。すなわち、
図7(a)に示す、メッセージ702a、領域703a、もしくは
図7(b)に示す、メッセージ702b、領域703b、アイコン711,712の表示を終了し、
図7(c)のような表示にする。このとき、例えば
図7(a)、(b)のように、LV画像に重畳してロック設定状態の通知を表示していた場合は、ロック設定状態の通知の表示を終了し、
図7(c)に示すように、表示部28へのLV画像の表示は継続する。
図7(a)~(c)ではLV画像に重畳して通知が表示される場合を説明したが、
図8(a)を用いて後述する設定内容の一覧画面に重畳してロック設定状態の通知が表示された場合は、通知の表示を終了し、表示部28に設定内容の一覧画面を継続して表示する。
【0079】
S409では、S304と同様に、システム制御部50は、ロック操作があったか否かを判定する。ロック操作があった場合は、S410へ進み、そうでない場合は
図4のフローチャートを終了し、
図3のS306へ戻る。
【0080】
S410では、S408と同様に、システム制御部50は、S405、S406で表示したロック対象操作部材のロック設定状態の通知の表示を終了する。すなわち、
図7(a)に示すメッセージ702aと領域703a、
図7(b)に示すメッセージ702b、領域703b、アイコン711、712の表示を終了する。S407においてNoと判定されたことから、ロック設定状態の表示開始から所定時間経過していない状態で、ロック操作があったことがわかる。このような場合、ユーザーはロック操作があった場合にロックされるロック対象操作部材の確認、現在のロック対象操作部材のロック設定状態の確認、どの部材がロックされるのか、のうちいずれかの確認を行いたいことが考えられる。そのため、ロック設定状態の通知の表示開始から所定時間経過していない間にロック操作があった場合は、素早くロック設定状態の通知の表示を終了し、ロック操作に伴う制御を再開する(
図4のフローチャートを始めから行う)。
【0081】
前述したように、ロック操作に応じて部材のロックが解除された場合には、
図7(a)に示すように「ロック解除しました」という文言を表示部28に表示する。部材がロックされた場合には
図7(b)に示すように「ロックしました」という文言とロックされた部材のアイコンを、表示部28に表示する。ロック状態になった場合には文言での通知に加えてアイコンを表示することで、ユーザーはロック設定状態の切替と、ロックされたロック対象操作部材とを認識することができる。なお、
図7(a)、(b)では、ロック設定状態を示す通知をLV画像の一部に重畳して表示し、LV画像全体が視認できなくなることはないような表示形態としているが、LV画像(表示部28)全体に通知が表示されるようにしてもよい。
【0082】
図5は、
図3のS307で説明したロック対象操作部材が操作された場合の表示制御処理についてのフローチャートである。
図3のフローチャートのS306においてYesと判定された場合、すなわち、ロック対象操作部材への操作があった場合に開始される。
【0083】
S501では、システム制御部50は、表示部28にロック設定状態の通知の表示があるか否かを判定する。具体的には、
図7(a)、(b)に示す、メッセージ702a,702bやアイコン711、712、領域703a,703bの表示があるか否かを判定する。ロック設定状態の通知がある場合は、S502に進み、そうでない場合は、S503へ進む。
【0084】
S502では、システム制御部50は、
図4のS408、S410と同様に、ロック設定状態の通知の表示を終了し、S503へ進む。
【0085】
S503では、システム制御部50は、ロックフラグが1であるか否かを判定する。ロックフラグが1である場合は、S504へ進み、そうでない場合は、S505へ進む。
【0086】
S504では、システム制御部50は、ロック対象操作部材への操作に応じた機能の実行を行わない。S503においてYesと判定されたことから、
図3のS306においてユーザーが操作した部材はロックされている。そのため、ユーザーによるロックされている部材への操作が行われたとしても、該当部材への操作を無効、すなわち、操作に応じた設定項目の設定内容の変更などは行わない(操作に応じた機能は実行しない)。例えば、サブ電子ダイヤル73にISO感度を変更する機能が割り当てられていた場合を考える。サブ電子ダイヤル73がロック対象操作部材に設定されており、ロックされている(ロックフラグが1である)場合には、サブ電子ダイヤル73が操作されてもISO感度は変更しない。
【0087】
S505では、システム制御部50は、ロック対象操作部材の操作を有効にする。S503においてNoと判定されたことから、
図3のS306においてユーザーが操作部材はロックされていないことがわかる。そのため、ユーザーによる部材への操作が行われたら、ロック対象操作部材への操作を有効、すなわち、操作に応じた設定項目の設定内容の変更などを行う(操作に応じた機能を実行する)。例えば、サブ電子ダイヤル73にISO感度を変更する機能が割り当てられていた場合を考える。サブ電子ダイヤル73がロック対象操作部材に設定されており、ロックされていない(ロックフラグが0である)場合には、サブ電子ダイヤル73が操作されたことに応じてISO感度を変更する。
【0088】
S506では、システム制御部50は、表示部28に表示されている画面が、設定内容の一覧画面であるか否かを判定する。設定内容の一覧画面である場合は、S507へ進み、そうでない場合はS511へ進む。設定内容の一覧画面とは、
図8(a)~(d)に示すような、撮影に関する設定内容を一覧表示した画面表示のことを指す。設定内容の一覧画面は、前述の情報表示の切替ボタン(例えばインフォボタン)の操作によって切り替え可能な画面の1つである。設定内容の一覧画面に表示されている設定項目のうち、F値、シャッタースピード、ISO感度の項目については、設定項目の表示領域に設定内容と共に操作部材のアイコンを表示することで、ユーザーが理解しやすいようにしている。例えば、シャッタースピードの変更を行う機能がメイン電子ダイヤル71に割り当てられているため、メイン電子ダイヤル71を示すアイコン801aがシャッタースピードを示す項目801bと共に表示される。F値の変更を行う機能がコントロールリング83に割り当てられているため、コントロールリング83を示すアイコン802aが、F値を示す項目802bと共に表示される。このように、設定項目と操作部材アイコンを対応づけて表示することで、ユーザーはどの操作部材を操作すればどの設定項目の設定内容を変更することができるか認識することができる。この一覧画面によって、ユーザーが接眼部16から離眼し表示部28を見ている状態で、現在設定されている設定内容を一覧で確認したり、ロック対象操作部材を操作して所望の設定項目の設定内容を変更したりしながら他の設定を確認することができる。例えば、
図8(a)の例では、項目800は現在マニュアルモードであることを示している。マニュアルモードの場合、ユーザーがアイコン801aが示すメイン電子ダイヤル71を操作して項目801bの設定内容(シャッタースピード)を変更したとしても、他の項目の設定内容には変化がない。例えばこの場合、ユーザーはF値(項目802b)とISO感度(項目803b)、露出補正値の設定内容を見ながら、全体の露出のバランスが悪くならないようにシャッタースピードを調整する。Tv(シャッター優先)モードの場合、ユーザーが項目801bの設定内容を変更すると、露出の要素となる他の設定内容がそれに応じて自動的に変更される場合が生じる。このような場合に、設定内容の一覧画面を表示していると、他の設定内容を確認しながら所望の項目の設定内容を変更することができ、ユーザーにとっては操作性が良い。なお、前述した設定内容の一覧画面は、本実施形態では、表示部28のみに表示する。すなわち、情報表示の切替で設定内容の一覧画面に設定している場合は、接眼検知部57で接眼を検知していない場合に、表示部28にLV画像ではなく設定内容の一覧画面を表示する。接眼検知部57で接眼を検知している場合は、EVF29にLV画像を表示する。
【0089】
S507では、システム制御部50は、
図3のS306において操作された部材に割り当てられた機能が何であるかの判定を行う。操作された部材に割り当てられた機能が露出要素である、F値、シャッタースピード、ISO感度、露出補正値のいずれかの設定変更機能であった場合は、S509へ進み、それ以外が割り当てられていた場合は、S508へ進む。F値、シャッタースピード、ISO感度、露出補正値は、ユーザーが撮影を行う際に重要な設定内容である。これらは撮影後に画像処理などで調整することはできず、撮影時にのみ調整ができる値であるため、重要な設定内容である。そのため、
図8(a)で表示した設定内容の一覧画面の中でも、他の設定項目の表示領域よりも大きな表示領域を割り当てている。また、例えばユーザーが操作した部材に割り当てられた項目がF値であった場合に、ユーザーが撮影しているモードによっては、F値の変更に応じて、他の設定内容も連動して変動することもある。そのため、撮影時に重要とされる設定項目の表示領域を他の設定内容よりも大きな領域に表示し、ユーザーが視認しやすいようにする。
【0090】
S508では、システム制御部50は、設定内容の一覧画面において、
図3のS306において操作された操作部材で変更可能な設定内容の表示領域の大きさが所定値以上であるか否かを判定する。例えば、表示領域の面積が所定面積以上、表示領域の面積の画面全体に対する比が所定比率以上、表示領域の幅が所定値以上、表示領域の高さが所定値以上のいずれかの条件を満たす場合に、Yesと判定する。所定値以上である場合は、S509へ進み、そうでない場合はS510へ進む。S507で判定した通り、操作された部材に割り当てられた機能はF値、シャッタースピード、ISO感度、露出補正値以外の、重要度の低い設定項目の設定変更機能である。これらの設定項目については、設定項目の表示領域の大きさに基づいて、後述するS510の処理とするか、S509の処理とするかを切り替える。
【0091】
S509では、システム制御部50は、設定項目の表示領域にロック状態であることを示す表示を行う。例えば、
図3のS306において操作された部材がメイン電子ダイヤル71であり、メイン電子ダイヤル71にはシャッタースピードが割り当てられていたとする。S503においてYesと判定されたことから、メイン電子ダイヤル71はロック状態である。したがって、シャッタースピードの表示領域にロック状態であることを示す表示を行う。
図8(d)にこのときの表示例を示す。シャッタースピードの設定を示すための表示領域801に、「LOCK」の文字列を表示し、ロックされていることを示している。S508で述べたように、シャッタースピードは撮影を行う上で重要度の高い項目であり、表示領域が大きい。そのため、
図8(d)に示すような「LOCK」の表示を行うだけの十分な大きさがあり、設定項目の表示領域に表示することができる。また、操作されたロック対象操作部材がアンロック状態で、ロック対象操作部材に割り当てられた変更機能の項目が、露出要素、もしくは、表示領域の大きさが所定値以上の項目の場合は、項目の表示領域内で設定の変更内容が表示される(S514で後述)。そのため、ロックされていない場合にユーザーが見るであろう位置(表示領域内)に「LOCK」の文字列の表示を行ったほうが、ユーザーは操作されたロック対象操作部材がロックされていることを認識しやすい。
【0092】
S510では、システム制御部50は、一覧画面のうち、操作されたロック対象操作部材に割り当てられた機能に対応する設定項目の表示領域を他の設定項目と識別可能に表示する。それに加えて、画面下部の領域830に、ロックされていることを示す「LOCK」の文字列を表示する。このときの表示例を
図8(e)に示す。領域830はS515で後述するように、シャッタースピード、F値、ISO感度、露出補正値以外の設定項目の設定候補を表示するために共通に用いられる領域である。一覧画面における露出要素(シャッタースピード、F値、ISO感度、露出補正値)以外の設定項目の表示領域は小さい。そのため、割り当て項目の設定内容が表示されている領域には「LOCK」の文字列814をすることができない。たとえ表示ができたとしても、小さな表示になってしまうため、ユーザーが文字列814を視認できない可能性がある。そのため、操作されたロック対象操作部材に割り当てられた設定項目の表示領域(例えば領域811)よりも大きい領域830に文字列814を表示する。さらには、ユーザーが見ていると想定できる位置とは異なる位置に文字列814を行うため、ユーザーが文字列814を認識できない可能性がある。操作部材がロック状態であるため設定内容が変わらない上に、文字列814も視認できないと、操作性が悪い。そのため、文字列814の表示位置を視認しやすくするために、
図8(e)に示すような表示形態とする。例えば、操作された操作部材に割り当てられた項目がホワイトバランスである場合、ホワイトバランスの設定状態を表示する領域以外の、設定内容の一覧画面全体をグレーアウトし、領域811と領域830が強調される(目立つ)ようにする。また、領域830に文字列814を表示する。これにより、ユーザーが操作した部材に割り当てられた項目の表示領域(領域811)と、ロックされていることを識別することができる。同様に、
図8(f)に示すように、AFモードの設定変更機能が割り当てられた操作部材がロックされており、かつ、操作された場合は、一覧画面においてAFモードの表示領域816以外をグレーアウトし、領域830に文字列814を行う。つまり、露出要素以外で表示領域が小さい場合は、操作されたロック対象操作部材に割り当てられている機能が異なっていても、文字列814は共通の領域である領域830に表示する。このような表示にすることで操作されたロック対象操作部材に割り当てられた項目と、操作した操作部材がロックされていることをユーザーが視認することができる。これにより、ロックを解除するのか、別のロック対象操作部材を操作するのかなど、次の操作に移りやすく操作性が良い。なお、対象の項目の表示領域以外の設定の一覧画面をグレーアウトする例を説明したが、グレーアウトに限らず、対象の項目の表示領域が識別可能になるような表示形態であれば他の表示方法でもよい。
【0093】
一方、S511は、設定内容の一覧画面ではなく、
図7のような、LV画像と設定内容に関する情報が表示されていた場合である。S511では、システム制御部50は、操作されたロック対象操作部材に対応する設定内容の表示領域の表示形態を変化させる。
図7(c)に示す状態で、ユーザーがロック状態であるサブ電子ダイヤル73を操作した場合を考える。サブ電子ダイヤル73にはISO感度の設定変更機能が割り当てられており、ユーザーの操作に応じてISO感度の表示領域である領域707aに、ISO感度の設定内容に代えてロックされていることを示す「LOCK」の文字列を表示する。
【0094】
一方、ロックされていない状態の場合、S512では、S506と同様に、システム制御部50は、表示部28に設定内容の一覧画面が表示されているか否かを判定する。設定内容の一覧画面が表示されている場合は、S513へ進み、そうでない場合はS516へ進む。
【0095】
S513では、S507と同様に、システム制御部50は、
図3のS306において操作された部材に割り当てられた項目についての判定を行う。操作された部材に割り当てられた項目が、シャッタースピード、F値、ISO感度、露出補正値のいずれかであった場合は、S514へ進み、そうでない場合は、S515へ進む。
【0096】
S514では、システム制御部50は、操作された部材に割り当てられた項目の、設定項目の表示領域内で、S505で変更された設定内容(設定値)を示すように表示を変更する。例えば
図3のS306において操作された部材がサブ電子ダイヤル73であった場合は、
図8(a)においてISO感度を表示するための領域803に表示された項目803bの表示を更新する(例えばAUTO→100と変更する)。
【0097】
S515では、システム制御部50は、領域830において、操作されたロック対象操作部材に割り当てられた設定項目の設定候補を表示するとともに、S505で変更された設定内容を識別可能に表示する。例えば、M-Fnバー82にホワイトバランスが割り当てられている場合には、M-Fnバー82への操作に応じて、
図8(b)に示すように領域811にカーソルが表示され、領域830にホワイトバランスの設定内容として選択可能な複数の候補を表示する。
図8(b)の例では、候補812(AWB)にカーソルがあたっており、現在の設定内容がAWBであることがわかる。この状態からM-Fnバー82を操作して、カーソルを候補813に移動させて決定(OK)ボタンの押下、もしくは候補813の位置でカーソルが表示されたまま所定時間経過により、候補813が示す設定内容(ストロボ)が設定される。それとともに、領域811にストロボを示すアイコンが表示(変更)される。また、M-Fnバー82にAFモードの切替機能が割り当てられている場合には、
図8(c)に示すように、AF方式を表示する領域816にカーソルを表示し、操作に応じて変更される設定項目がAFモードであることを示す。また、領域830にAFモードの候補項目である、ONE SHOTを示す候補817とSERVOを示す候補818が表示される。すなわち、たとえロック対象操作部材に割り当てられた機能が異なる設定項目の変更機能であったとしても、露出要素以外の項目である場合は、領域830に設定候補を表示する。このように、露出要素以外、もしくは、表示領域の大きさが所定値以下の場合は、共通の領域である領域830に設定候補を表示する。
【0098】
S516は、設定内容の一覧画面ではなく、LV画像が表示されていた場合である。S516では、システム制御部50は、S505で設定変更された設定項目の表示領域において設定内容の表示・変更を行う。具体的には、
図7(a)に示す、シャッタースピード(項目704b)の設定変更機能が割り当てられた対象操作部材が操作された場合は、シャッタースピードが表示されている表示領域(領域704a)で設定内容の変更が行われる。
【0099】
S517では、システム制御部50は、S509~S511で表示した「LOCK」の文字列の表示、または、S514~S516で表示した設定内容の候補の表示開始から所定時間経過したか否かを判定する。所定時間経過した場合は、S518へ進み、そうでない場合はS519へ進む。ここでの所定時間は1秒程度であるが、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよいし、「LOCK」の文字列の表示は表示時間を短く、設定内容の候補の表示は表示時間を長くするなど、内容に応じて表示する時間を可変にするようにしてもよい。
【0100】
S518では、システム制御部50は、S509~S511で表示した「LOCK」の文字列の表示、もしくは、S514~S516で表示した設定内容の候補の表示を終了し、
図3のS308へと進む。
【0101】
S519では、システム制御部50は、
図3のS304、
図4のS409と同様に、ロック操作があったか否かを判定する。ロック操作があった場合は、S521へ進み、そうでない場合はS520へ進む。
【0102】
S520では、S518と同様に、システム制御部50は、表示を終了し、
図3のS305に戻る(
図4のフローチャートを開始する)。
【0103】
S521では、システム制御部50は、
図3のS306と同様に、ロック対象操作部材への操作があったか否かを判定する。操作があった場合は、S522へ進み、そうでない場合はS517へ戻る。
【0104】
S522では、S518、S520と同様に、システム制御部50は、表示を終了し、
図3のS307に戻る(
図5のフローチャートを開始する)。
【0105】
前述したように、表示部28に
図8(a)のような設定内容の一覧画面を表示している際に、ロック状態でロック対象操作部材が操作されると、条件に応じて、ロックされている旨を示す通知の表示位置を異なるようにした。具体的には、操作部材に対応する設定項目の種別(露出要素であるか否か)、または、その項目を表示する表示領域の大きさに応じて、ロックされている旨を示す通知の表示位置を異なるようにした。
図8(b)に示すように、アンロック状態で操作された操作部材に対応する項目が露出要素に関する項目以外である場合は、設定変更候補群を、設定項目の表示領域とは別の共通領域に表示する。ロック状態である場合は、
図8(e)に示すように、操作された操作部材に対応する項目の表示領域が強調されるように、他の領域を視認しにくくし、ロックされている旨の通知を共通領域に表示する。このような表示にすることで、露出要素項目以外の、撮影に関してそれほど重要度が高くない項目であっても、設定項目を表示する領域を識別可能に表示することでロック状態の操作部材に対応する項目を視認できる。さらには、設定変更候補群が表示される位置に、ロックされている旨の表示を行うことで、ロックされていない場合に見るであろう共通領域と同じ位置を見て、ロックされていることが認識できるため、わかりやすい。
【0106】
また、
図8(d)に示すように、操作された部材に対応する項目が露出要素に関する項目である場合は、その項目の設定項目の表示領域内で設定内容を変更し、ロック状態であれば、同じ表示領域内にロックされている旨の表示を行う。これにより、重要度が高い露出要素に関する項目の場合は、ロックされていない場合に見るであろう設定項目の表示領域と同じ位置を見て、ロックされていることが認識できるためわかりやすい。さらには、露出要素に関する設定内容を変更したことに伴って、近傍に表示される他の露出要素の設定内容も確認しつつ、変更することができる。
【0107】
このように制御することで、設定項目の表示領域の大小にかかわらず、操作部材がロックされていることや、どの設定項目がロックされて設定変更することができない状態であるかをユーザーが判別しやすい。なお、本実施形態ではS508をスキップして、S507から直接S509あるいはS510へと進むようにしてもよい。すなわち、一覧画面での表示領域の大きさに依らず、部材に割り当てられている項目のみで判定するようにしてもよい。
【0108】
図9(a)、(b)に、
図8(a)~(f)で説明した一覧画面に代わる他の例として、ユーザーが任意に移動や大きさの変更ができる、一覧画面の表示例を示す。例えば、マニュアルモードを示す項目901aの領域901bの大きさが最小単位(1枠)であるとすると、日時を示す項目902aの領域902bの大きさは2枠使用している。ホワイトバランスの設定を示す項目903aの領域903bは1枠で、AF方式の詳細を示す項目904aの領域904bは6枠(2行×3列)使用している。このように、ユーザーは設定内容の一覧画面について、任意に表示位置や表示領域の大きさを変更することができる。なお、具体的に、最小単位である1枠は、縦110pixel×横280pixelの大きさとする。このように、設定項目ごとに表示領域の大きさが変更できる場合に、設定項目の種別に関わらず、設定項目を表示する表示領域の大きさに基づいてロックされている旨を表示する位置を異ならせるようにしてもよい。すなわち、前述のS507の判定を行わず、S508の処理に基づいてS509の処理を行うか、S510の処理を行うかを異ならせてもよい。この例では、前述した露出要素以外の項目であっても、表示領域を大きくすることが可能であり、表示領域が大きくなる(面積が広くなる)ことで、部材のロック設定状態の通知を、設定項目の表示領域に表示できるようになる。なお、ここでの所定値とは、最小単位(1枠)のこととする。本実施形態では、表示領域が2枠あれば、表示領域に「LOCK」の文字列の表示が可能であるとする。
【0109】
図6は、
図3のS325に続いて実行される、他のモードへ遷移した際のフローチャートについて説明する。ここでは他のモードの例として、再生モード処理のフローチャートを説明する。この制御処理は、システム制御部50が、不揮発性メモリ56に格納されたプログラムをシステムメモリ52に展開して実行することにより実現される。
【0110】
S601では、システム制御部50は、シングル再生を行う。シングル再生とは、記録媒体200に記録されている画像を表示部28に拡大することなく等倍で1枚のみ表示することを指す。
【0111】
S602では、システム制御部50は、メイン電子ダイヤル71への操作があったか否かを判定する。操作があった場合は、S609へ進み、そうでない場合は、S603へ進む。再生モード処理では、メイン電子ダイヤル71への操作に応じて、表示部28に表示した画像が送られる(画像送り)。
【0112】
S603では、システム制御部50は、M-Fnバー82への操作があったか否かを判定する。M-Fnバー82への操作があった場合は、S609へ進み、そうでない場合はS604へ進む。M-Fnバー82への操作に応じて、メイン電子ダイヤル71への操作同様に、画像送りが行われる。M-Fnバー82は左右にタップ操作や長タッチ操作可能な操作部がある。左右にタップ操作を行うことで一枚ずつ画像を送ることができ、長タッチ操作を行うことで一枚ずつの画像送りを連続して行える。
【0113】
S604では、システム制御部50は、タッチパネル70aへの操作があったか否かを判定する。タッチパネル70aへの操作があった場合は、S605へ進み、そうでない場合はS606へ進む。タッチパネル70aへの操作は、メイン電子ダイヤル71やM-Fnバー82への操作と同様に画像送りに使用できることもあれば、タッチパネル70aへのピンチイン/ピンチアウト操作によって、画像を拡大/縮小することができる。
【0114】
S605では、システム制御部50は、S604で判定したタッチパネル操作が拡大/縮小指示であったか否かを判定する。拡大/縮小指示があった場合は、S608へ進み、そうでない場合(ここでは、左右方向へのタッチムーブ操作があった場合であるものとする)はS609へ進む。タッチパネル70aへの拡大/縮小指示とは、タッチパネル70aへのピンチイン/ピンチアウト操作を指す。
【0115】
S606では、システム制御部50は、その他の操作があったか否かを判定する。その他の操作があった場合は、S607へ進み、そうでない場合はS610へ進む。
【0116】
S607では、システム制御部50は、その他の操作に応じた処理を実行する。例えば、設定メニュー画面を表示させて各種の設定や、削除ボタン78の押下に応じて、表示している画像を削除したりできる。
【0117】
S608では、システム制御部50は、表示している画像の拡大もしくは縮小を行う。
【0118】
S609では、システム制御部50は、再生画像の画像送り(他の画像への切替)を行う。
【0119】
S610では、システム制御部50は、再生モード処理が終了したか否かを判定する。終了した場合は、
図6のフローチャートを終了し、そうでない場合はS601へ戻る。再生モード処理の終了とは、再生ボタン79やシャッターボタン61の押下により撮影待機状態に遷移(撮影モード処理に遷移)したり、電源OFFしたりすることを指す。
【0120】
このように本実施形態では、ロック設定状態にかかわらず、メイン電子ダイヤル71、タッチパネル70a、M-Fnバー82などのロック対象操作部材への操作があったことに応じて、再生モードにおける割り当て機能を実行する。
【0121】
<ロック切替機能を割当可能な操作部材の説明>
ロック操作部材76以外の操作部材のうち、前述のロック操作(ロックとアンロックを切り替える切替操作)を行える操作部材として設定可能な操作部材について説明する。本実施形態では、ロック操作を行える操作部材として設定可能な操作部材、すなわち、ロック切替機能を割り当て可能な操作部材を、操作部70のうち、削除ボタン78だけに制限する。これは、削除ボタン78が他の操作部材に比べて、ユーザーが意図せずに操作してしまう可能性の低い操作部材だからである。
【0122】
ロック切替機能は、誤って実行されてしまうことを特に防止すべき機能である。ロック切替機能が誤って実行されてしまうと、ユーザーがロックしたつもりであったのにアンロックされてしまい、意図しない設定変更などが行われてしまう恐れがある。そもそも意図しない設定変更が行われないようにロックしたのに、ロック解除が意図せず行われて意図しない設定変更が行われたのでは、ロックした目的を達成できず、本末転倒である。逆に、ロック/アンロックの切替が誤って実行され、ユーザーがアンロックしていたつもりであったのにロックされてしまうと、ユーザーが被写体に合わせた設定変更を行って撮影を行おうとした場合も設定変更が行われてしまい、失敗撮影や撮影機会の損失を招く。このように、ロック切替機能が誤って行われることのデメリットは大きく、ロック切替機能は誤操作を特に防止すべき機能である。
【0123】
図11(b)に、ロック切替機能を割り当てる操作部材を設定する設定画面の表示例を示す。ロック切替機能を割り当てる操作部材を設定する設定項目1120に関して、選択肢1120a(「削除ボタン」)と選択肢1120b(「割り当てなし」)の2つが表示され、ユーザーはいずれか1つの選択肢を選択して設定することができる。すなわち、ユーザーがロック切替機能を割り当てる操作部材として選択可能なのは、削除ボタン78だけである。
【0124】
図10(a)~(c)を用いて、削除ボタン78が他の操作部材に比べて誤って操作される可能性を低減するように構成されていることを説明する。
【0125】
図10(a)は、デジタルカメラ100を底面側から見た場合の、削除ボタン78付近の拡大外観図である。削除ボタン78は、デジタルカメラ100の背面(撮像しようとしている被写体側と反対側の面)の中でもやや窪んだ平面1001に配置されている。本実施形態においては、平面1001に配置される操作部材は削除ボタン78だけである。一方、再生ボタン79、十字キー74、SETボタン75は、デジタルカメラ100の背面のうち、平面1002に配置されている。平面1001は、平面1002に比べてカメラの前後方向(図示のZ軸方向)に距離Z1だけ低い。そのため、大きい面積の操作体によって削除ボタン78を押下しようとしても、平面1002に妨げられ、削除ボタン78は押下できない。従って削除ボタン78は、意図的に指先で操作しないと押下できず、誤って操作される可能性が低い。
【0126】
図10(b)は、デジタルカメラ100を底面側から見た場合の、削除ボタン78付近の拡大外観図であり、
図10(a)よりもさらに拡大して簡略化した模式図である。再生ボタン79が、平面1002から高さD2だけ突起しているのに対し、削除ボタン78は平面1001から高さD2より低い、高さD1だけしか突起しない。すなわち、高さD1<高さD2である。これも、削除ボタン78が再生ボタン79などの他の操作部材に比べて押下しにくい要因である。削除ボタン78の突起する高さD1をゼロとし、平面1001よりも低い位置まで押下しないといけないように構成してもよい。このようにすると、指先を立てて押下しないと平面1001より低い位置まで押し込めないため、意図的でない操作によって削除ボタン78が押下されてしまう可能性を、より低減することができる。
【0127】
なお、削除ボタン78にロック切替機能を割り当てた場合、撮影モードにおいては削除ボタン78の押下に応じてロック切替機能を実行する(ロック操作として受け付ける)。一方、削除ボタン78にロック切替機能を割り当てていても、再生モードで削除ボタン78が押下された場合には、ロック切替機能は実行せず、画像を削除する処理(記録媒体200からの画像ファイルの削除、あるいは削除するか否かを問う画面の表示)を行う。画像の削除も、誤って実行すると意図しない画像の喪失につながるため、誤操作されることを特に防止すべき処理である。このように、再生モードにおいて特に誤操作を防止すべき削除機能と、撮影モードにおいて特に防止すべきロック切替機能とを同じ操作部材(削除ボタン78)に割り当てられるようにした。このようにすることで、誤操作しにくい構成とした操作部材をそれぞれの機能のために2つ設ける必要がない。すなわち、操作部材の増大を招くことなく、2つの機能の誤操作を効率的に防止することができる。
【0128】
図10(c)に、ごみ箱マークの模式図を示す。削除ボタン78の操作面、あるいは、削除ボタン78の近傍に、ごみ箱を模したごみ箱マークが印刷されている。このマークを見ることにより、ユーザーは、削除ボタン78が画像削除を行うための操作部材であることを認識することができる。言い換えれば、ごみ箱マークによって、削除ボタン78は誤操作に特に注意すべき操作部材であることをユーザーに認識させることができる。これによって、削除ボタン78が不用意に操作されてしまう可能性を、より低減することができる。
【0129】
なお、ロック切替機能が割り当てられたロックボタン76、ロック切替機能が割当可能な削除ボタン78は、グリップ部90を把持する手の指(親指)で操作可能な位置に配置されている。これは、左手でレンズユニット150(交換レンズ)を支え、右手でグリップ部90を把持するような、撮影待機時におけるカメラの保持状態において、素早くロック/アンロックの切替操作を行えるようにするためである。誤操作を防止するためにロック状態にしてカメラを持ち運び、撮影したい被写体を見つけた時点でカメラを構え(上記の保持状態にして)、ロックを解除し、被写体に合わせて設定変更をしたうえで撮影を行う、という使い方が想定される。この使い方において、ロック切替機能は上記のようなカメラの保持状態を解除せずに素早く実行できる必要がある。そのため、ロックボタン76、削除ボタン78を前述のような配置としている。逆に、ロック切替機能を、デジタルカメラ100の背面の左側のメニューボタン81のような位置の操作部材に割り当ててしまうと、前述した撮影待機時における一般的なカメラの保持状態をいったん解除して持ち変えないと操作することができない。この持ち変えている間に、撮影機会を逃す可能性がある。従って、メニューボタン81のような位置の操作部材は、本実施形態ではロック切替機能を割当可能な操作部材とはしていない。
【0130】
なお、本実施形態では、ロック切替機能を割当可能な操作部材を削除ボタン78に制限する例を説明したが、これに限るものではない。
図10(a)で説明したように、他の操作部材が配置された面よりも低い面に配置された操作部材であれば、削除ボタン78とは異なる操作部材(すなわち、再生モードでの割当機能が画像削除ではない操作部材)にロック切替機能を割り当てられるようにしてもよい。また、
図10(b)で説明したように、突起の高さが他の操作ボタンの高さよりも低い操作部材であれば、削除ボタン78とは異なる操作部材(すなわち、再生モードでの割当機能が画像削除ではない操作部材)にロック切替機能を割り当てられるようにしてもよい。
【0131】
図10(a)、(b)を用いて前述した、削除ボタン78の配置位置とは別の配置位置の例を、
図12(a)、(b)を用いて説明する。
【0132】
図12(a)は、デジタルカメラ100の背面左上部の拡大外観図である。削除ボタン78は、ユーザーが右手でグリップ部90を把持している際に、被写体と反対側にあるデジタルカメラ100の背面部の表示部28よりも上側(シャッターボタン61側)、かつ、接眼部16の左方向側に配置される。また、削除ボタン78と同様に接眼部16の左方向側に配置されているメニューボタン81よりも接眼部16に近い位置に配置されている。これにより、大きい面積の操作体によって削除ボタン78を操作しようとしても、接眼部16に妨げられ操作できない。
【0133】
図12(b)は、デジタルカメラ100の背面左上部の断面図である。削除ボタン78とメニューボタン81の間に突起部1201を設ける。すなわち、削除ボタン78は接眼部16と突起部1201の間に挟まれた位置に配置されるため、接眼部16と突起部1201によって意図的でない操作は妨げられる。そのため、ユーザーは意図的に指先を立てて押下しなければ削除ボタン78を押下することはできない。これによって、ユーザーの意図ではない操作によって削除ボタン78が押下される可能性を低減することができる。
【0134】
また、前述した削除ボタンの配置位置やボタン構造だけでなく、ユーザーが削除ボタンを使用する場面についても関係がある。本実施形態では、ロック機能によってロック設定状態を切り替えるのは撮影待機状態のみであり、
図6に示すような再生モード処理に遷移した場合には、ロック設定状態にかかわらずロック対象操作部材のロックは解除される(
図3のS325)。そのため、ロック設定状態を切り替える操作ボタンは、撮影待機状態(撮影モード処理)でのみ使用する。一方で削除ボタンはユーザーが記録媒体200を参照して画像を再生している場合に使用する。削除ボタンの主な機能は、画像を再生する再生画面(再生モード処理)における画像の削除であるが、設定メニュー画面において、一階層上の上位層へ戻るための戻る機能などとしての機能も有する。また、再生モード処理でも撮影モード処理でもないモード処理において別の機能が割り当てられることもある。具体的には、シャッターボタン61押下により撮影した画像を一時的に表示するクイックレビュー画面(
図3のS314)や、撮影に関する設定内容を一覧表示する設定内容確認画面などがある。そのため、削除ボタンにロック機能を割り当てたとしても、画像削除の機能とロック機能とが競合することがなく、不都合は生じない。
【0135】
前述したような理由から、デジタルカメラ100にロック機能を有した専用ボタンを配置せずとも、ロック対象操作部材のロック設定状態の切替が可能となる。さらには、前述した条件を満たす他の機能を有した操作ボタンであることから、ユーザーの意図しない操作部材のロック設定状態の切替を低減することができる。これにより操作部材の増大を防止し、筐体の小型化を実現できる。
【0136】
なお、システム制御部50が行うものとして説明した前述の各種制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェア(例えば、複数のプロセッサーや回路)が処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0137】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、前述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0138】
また、前述した実施形態においては、本発明をデジタルカメラに適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず、複数の操作部材と、複数の操作部材をロック設定状態に切り替えることができる操作部材を有する電子機器であれば適用可能である。すなわち、本発明はパーソナルコンピュータや携帯電話端末、携帯型の画像ビューワ、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダーなどに適用可能である。
【0139】
また、撮像装置本体に限らず、有線または無線通信を介して撮像装置(ネットワークカメラを含む)と通信し、撮像装置を遠隔で制御する制御装置にも本発明を適用可能である。撮像装置を遠隔で制御する装置としては、例えば、スマートフォンやタブレットPC、デスクトップPCなどの装置がある。制御装置側で行われた操作や制御装置側で行われた処理に基づいて、制御装置側から撮像装置に各種動作や設定を行わせるコマンドを通知することにより、撮像装置を遠隔から制御可能である。また、撮像装置で撮影したライブビュー画像を有線または無線通信を介して受信して制御装置側で表示できるようにしてもよい。
【0140】
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。