(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】トナー
(51)【国際特許分類】
G03G 9/097 20060101AFI20240311BHJP
G03G 9/087 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
G03G9/097 365
G03G9/087 325
G03G9/087 331
(21)【出願番号】P 2019226669
(22)【出願日】2019-12-16
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】辻本 大祐
(72)【発明者】
【氏名】高橋 徹
(72)【発明者】
【氏名】菅原 庸好
(72)【発明者】
【氏名】細井 一人
(72)【発明者】
【氏名】北村 伸
(72)【発明者】
【氏名】大山 一成
(72)【発明者】
【氏名】西村 悠
(72)【発明者】
【氏名】佐野 仁思
(72)【発明者】
【氏名】石上 恒
【審査官】中山 千尋
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-031312(JP,A)
【文献】特開平07-244403(JP,A)
【文献】特開2000-338720(JP,A)
【文献】特開2002-012657(JP,A)
【文献】特開2012-242448(JP,A)
【文献】特開2017-045048(JP,A)
【文献】特開2006-106414(JP,A)
【文献】特開2013-205579(JP,A)
【文献】特開2011-203511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
結着樹脂及び極性基含有オレフィン共重合体を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂は、下記一般式〔1〕で表される
シリコーンユニットを有する変性ポリエステルを含有し、
該変性ポリエステルの含有量が、該結着樹脂中、50.0質量%以上であり、
該変性ポリエステルは、該シリコーンユニットを0.5質量%以上5.0質量%以下含有し、
該極性基含有オレフィン共重合体は、極性を有するユニットとポリオレフィンユニットとを有する重合体であり、
該極性を有するユニットが、α,β-不飽和カルボン酸およびその誘導体、不飽和ニトリルおよびその誘導体からなる群より選択されるいずれかの化合物に由来するユニットであることを特徴とするトナー。
【化1】
(式中、R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素、メチル基またはフェニル基を表し、nは、10~80の整数を表す。)
【請求項2】
該極性基含有オレフィン共重合体は、該極性を有するユニットを2.0質量%以上60.0質量%以下含有する請求項1に記載のトナー。
【請求項3】
該極性基含有オレフィン共重合体は、GPCによる分子量分布において、重量平均分子量(Mw)が5.0×10
3以上7.0×10
4以下である請求項1または2に記載のトナー。
【請求項4】
該トナー粒子は、結着樹脂100質量部当たり、該極性基含有オレフィン共重合体を0.10質量部以上20.0質量部以下含有する請求項1~3のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項5】
該シリコーンユニットは、前記一般式〔1〕中のR
1およびR
2がいずれもメチル基である請求項1~
4のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項6】
該極性基含有オレフィン共重合体が有する該ポリオレフィンユニットが、ポリプロピレンユニットである請求項1~5のいずれか1項に記載のトナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法、及び静電記録法などに用いられる静電荷像を現像するためのトナーに関する。
【背景技術】
【0002】
複写機およびプリンターが広く普及するに従い、トナーに要求される性能もより高度になっている。近年では、プリントオンデマンド(POD)と呼ばれる、製版工程を経ずに直接印刷するデジタル印刷技術が注目されている。POD市場では、幅広いメディア(紙種)に対応しながら、長期間にわたり高速で且つ、多量に出力する場合であっても、従来よりも高品質な画質のプリント成果物を安定的に得ることが求められる。そのため、トナーには、幅広い定着領域を有することや高い帯電維持性を有することに加えて、長期的に安定した流動性を維持することが求められている。
【0003】
特許文献1では、ポリエステルにシリコーンオイルを結合させた複合ポリエステルを含有するトナーを用いる事で、帯電安定性及び耐ブロッキング性に優れたトナーが開示されている。
【0004】
また、特許文献2では、ゾルゲル法により形成された大粒径シリカ粒子をトナー粒子に添加することで、トナーの流動性を維持させる提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-12657号公報
【文献】特開2012-163623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のトナーは、トナーの定着性や帯電安定性は良好だが、シリコーン部オイルに由来する部分とポリエステル樹脂の官能基に由来する部分が表面に不均一に存在しており、トナー1粒子表層での付着力分布に関してばらつきがあった。そのため、微小な領域で見た場合にはトナー間で流動性に差が生じ、転写時に僅かなレベルでのドットの乱れが起こることで、画像のガサツキが生じやすいものであった。このような現象は、帯電の影響を受けやすい低湿環境下で特に顕著である。また、トナー1個粒子表層での付着力分布が不均一となることで、定着時に画像上のトナー像が定着部材の影響で乱れる定着爆発という現象が起こりやすい。その結果、画像には尾引きと呼ばれる画像弊害が起こる。
【0007】
一方、特許文献2の発明においては、大粒径シリカ粒子を用いることで、トナーの流動性を向上させている。しかしながら、長期間使用された場合では、シリカ粒子がトナー粒子表面からキャリアなどへ移行したり、トナーへ埋没したりするために、トナー母体の結着樹脂部分が表層に露出することになり、母体由来の流動性の影響を受ける。その結果、長期に渡って高品質な画像を得ることを考えた場合には、改善の余地があった。
【0008】
本発明は上述した課題を解決するためになされるものであり、その目的は、幅広い定着領域を有すると共に、低湿環境下で長期に渡って使用された場合においても、ガサツキや尾引きが抑制された高画質な画像のプリントが可能なトナーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、結着樹脂及び極性基含有オレフィン共重合体を有するトナー粒子を含有するトナーであって、該結着樹脂は、下記一般式〔1〕で表されるシリコーンユニットを有する変性ポリエステルを含有し、該変性ポリエステルの含有量が、該結着樹脂中、50.0質量%以上であり、該変性ポリエステルは、該シリコーンユニットを0.5質量%以上5.0質量%以下含有し、該極性基含有オレフィン共重合体は、極性を有するユニットとポリオレフィンユニットとを有する重合体であり、該極性を有するユニットが、α,β-不飽和カルボン酸およびその誘導体、不飽和ニトリルおよびその誘導体からなる群より選択されるいずれかの化合物に由来するユニットであることを特徴とするトナーに関する。
【0010】
【化1】
(式中、R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素、メチル基またはフェニル基を表し、nは、10~80の数を表す。)
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、幅広い定着領域を有すると共に、低湿環境下で長期に渡って使用された場合においても、ガサツキや尾引きが抑制された高画質な画像のプリントが可能なトナーを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明において、数値範囲を示す「○○以上××以下」や「○○~××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
【0013】
本発明者らは、幅広い定着領域を有すると共に、トナーの各粒子の表層での付着力分布の均一性の更なる向上を目的として、鋭意検討を行った。その結果、下記一般式〔1〕で表されるシリコーンユニットを有する変性ポリエステルと極性基含有オレフィン共重合体を含有する構成に到達した。このようなトナーを用いることで、優れた定着領域が得られ、更に、低湿環境下で長期に渡って使用された場合においても、ガサツキや尾引きの抑制された画像が得られるようになることを見出した。
【0014】
【化2】
(式中、R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素、メチル基またはフェニル基を表し、nは、10~80の整数を表す。)
【0015】
本発明の効果が得られた理由は以下のように考えている。
【0016】
本発明における変性ポリエステルは、極性を有するユニットとポリオレフィンユニットとを有する重合体である。ポリエステルユニットは極性が高く、シリコーンユニットは極性が低いため、極性が高いユニットと極性が低いユニットとが化学的に結合した樹脂である。
【0017】
極性が低いシリコーンユニットを有することで、結着樹脂の表面自由エネルギーを効果的に下げることができ、定着時の高温分離性が向上する。しかしながら、シリコーンユニットを有する樹脂を用いた場合、特に低湿環境下における画像のガサツキが低下することが本発明者らの検討により分かった。これは、トナー表層に極性が高いポリエステルユニットと極性が低いシリコーンユニットが存在することで、トナーの各粒子の表層での付着力分布が不均一になり、転写時に僅かなレベルでのドットの乱れが起こり、その結果、ガサツキが低下したと考えられる。また、トナーの各粒子の表層での付着力分布が不均一となることで、定着時に画像上のトナー像が定着部材の影響で乱れる尾引きという現象が起こりやすい。その結果、尾引きと呼ばれる画像弊害が起こる。
【0018】
一方で、極性基含有オレフィン共重合体については、極性を有するユニットが、α,β-不飽和カルボン酸およびその誘導体、不飽和ニトリルおよびその誘導体の少なくともいずれかに由来するユニットであることを特徴とする。
【0019】
本発明者らが鋭意検討した結果、変性ポリエステルと極性基含有オレフィン共重合体を含有するトナーを用いることで、高温分離性と、低湿環境下における画像のガサツキや尾引きが抑制されたトナーを得ることができる。
【0020】
その理由としては、以下のように考えている。
【0021】
極性基含有オレフィン共重合体のオレフィンユニットは、分子内に嵩高い部分がないため、トナー中で比較的自由に動くことのできることに加えて、極性が低いためトナー表層に存在しやすい。また変性ポリエステルのシリコーンユニットも極性が低いためトナー表層に存在しやすい。更に、親和性の高いオレフィンユニットがトナー表層に存在するため、変性ポリエステルは、より安定的にトナー表層に存在することができる。
【0022】
一方、極性基含有オレフィン共重合体の極性基部は、極性が高いためトナー内部に存在しやすい。その際に、変性ポリエステル中の極性が高いポリエステルユニットと相互作用することで、極性が高いポリエステルユニットがトナー表層に出ることを抑制できる。
【0023】
その結果、トナーの各粒子の表層は、極性の低いシリコーンユニット部が均一に存在することになり、付着力分布が均一かつ低付着力となることで、低湿環境下における画像のガサツキや尾引きが良好に抑制されたトナーを得ることができる。
【0024】
以上のことから、変性ポリエステルと極性基含有オレフィン共重合体を含有するトナーを用いることで、良好な高温分離性が得られ、低湿環境下における画像のガサツキや尾引きを抑制できるようになる。
【0025】
以下、各成分について詳細に記載する。
【0026】
[極性基含有オレフィン共重合体]
本発明における極性基含有オレフィン共重合体は、極性を有するユニットを2.0質量%以上60.0質量%以下含有することが好ましく、5.0質量%以上50.0質量%以下含有することがより好ましく、10.0質量%以上20.0質量%以下含有することがさらに好ましい。極性を有するユニットの含有量が上記範囲内であることにより、極性を有するユニットがトナー表層に出ることなく内部により安定的に存在しやすくなる。そのため、親和性の高い変性ポリエステル中のポリエステルユニットをトナー内部により安定的に存在させることができる。その結果、トナーの各粒子の表層での付着力分布が均一かつ低付着力となることで、低湿環境下における画像のガサツキや尾引きが良好に抑制されており、優れた高温分離性を有するトナーを得ることができる。
【0027】
本発明における極性基含有オレフィン共重合体は、GPCによる分子量分布において、重量平均分子量(Mw)が5.0×103以上7.0×104以下であることが好ましく、1.0×104以上5.0×104以下であることがより好ましい。極性基含有オレフィン共重合体の重量平均分子量が上記範囲内であることにより、トナー中において、極性基含有オレフィン共重合体がトナー表層近傍により安定的に存在できる。そのため、変性ポリエステル中のシリコーンユニットがより均一にトナーの各粒子の表層に存在することができる。その結果、トナーの各粒子の表層での付着力分布が均一かつ低付着力となることで、低湿環境下における画像のガサツキや尾引きが良好に抑制されており、優れた高温分離性を有するトナーを得ることができる。
【0028】
本発明における極性基含有オレフィン共重合体は、結着樹脂100質量部当たり、0.10質量部以上20.0質量部以下含有することが好ましく、0.50質量部以上10.0質量部以下含有することがより好ましい。極性基含有オレフィン共重合体の含有量が上記範囲内であることにより、トナー中において、極性基含有オレフィン共重合体がトナー表層近傍により安定的に存在できる。そのため、変性ポリエステル中のシリコーンユニットがより均一にトナーの各粒子の表層に存在することができる。その結果、トナーの各粒子の表層での付着力分布が均一かつ低付着力となることで、低湿環境下における画像のガサツキや尾引きが良好に抑制されており、優れた高温分離性を有するトナーを得ることができる。
【0029】
極性基含有オレフィン共重合体を構成する成分について詳述する。
【0030】
極性基含有オレフィン共重合体は、極性を有するユニットとオレフィンユニットの双方を有する共重合体である。
【0031】
極性を有するユニットは、α,β-不飽和カルボン酸(反応性の炭素-炭素二重結合とカルボキシ基とを有する化合物)およびその誘導体、不飽和ニトリル(反応性の炭素-炭素二重結合とシアノ基とを有する化合物)およびその誘導体からなる群より選択されるいずれかの化合物に由来するユニットを有する。
【0032】
“由来するユニット”とは、上記の化合物を重合した際に形成される、反応性の炭素-炭素二重結合が、単結合となった状態のユニットのことである。
【0033】
不飽和ニトリルとしては、(メタ)アクリロニトリル及びシアノスチレン等が挙げられる。
【0034】
α,β-不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びこれらの無水物、並びにマレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル及びイタコン酸モノメチル等が挙げられる。
【0035】
極性基含有オレフィン共重合体は、α,β-不飽和カルボン酸およびその誘導体、不飽和ニトリルおよびその誘導体の少なくともいずれかに由来するユニット、ポリオレフィンに加えて、その他のモノマー(a)との共重合体であってもよい。
【0036】
その他のモノマー(a)としては、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-ヒドロキシスチレン、p-アセトキシスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、フェニルスチレン、ベンジルスチレンなどのスチレン系モノマー;酢酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;ビニルメチルエーテルのようなビニルエーテル系モノマー;塩化ビニルのようなハロゲン元素含有ビニル系モノマー;ブタジエン、イソブチレンなどのジエン系モノマー及びこれらの併用が挙げられる。
【0037】
また、ポリエステルを主成分とする結着樹脂の場合には、極性基含有オレフィン共重合体がポリエステル成分とポリオレフィンとが反応した構造を有する化合物であってもよい。
【0038】
オレフィンユニットは、例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等が挙げられる。
【0039】
オレフィンユニットは、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される最大吸熱ピークのピーク温度が60℃以上110℃以下であることが好ましく、70℃以上80℃以下であることがより好ましい。また、オレフィンユニットは、重量平均分子量(Mw)が900以上50000以下であることが好ましい。
【0040】
また、極性基含有オレフィン共重合体の製造時の反応性の観点から、ポリプロピレンのように枝分かれ構造を持つことが好ましい。
【0041】
オレフィンユニットの含有割合は、極性基含有オレフィン共重合体の総量に対して、5.0質量%以上30.0質量%以下であることが好ましく、10.0質量%以上20.0質量%以下であることがより好ましい。
【0042】
なお、本発明において、極性基含有オレフィン共重合体の製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
【0043】
上記のような極性基含有オレフィン共重合体であれば、ポリエステル親和性部位である極性を有するユニットと、シリコーンユニット親和性部位であるポリプロピレンユニットとが、それぞれシリコーンユニットを有する変性ポリエステルに対して最適化される。その結果、変性ポリエステル中のシリコーンユニットがより均一にトナーの各粒子の表層に存在することができる。その結果、トナーの各粒子の表層での付着力分布が均一かつ低付着力となることで、低湿環境下における画像のガサツキや尾引きが良好に抑制されており、高温分離性に優れたトナーを得ることができる。
【0044】
[変性ポリエステル]
変性ポリエステルの含有量は、結着樹脂中、50.0質量%以上であることが好ましい。シリコーンユニットを有する変性ポリエステルが結着樹脂の主成分であることにより、変性ポリエステル中のシリコーンユニットがより均一にトナーの各粒子の表層に存在することができる。その結果、トナーの各粒子の表層での付着力分布の均一性がより向上し、低湿環境下における画像のガサツキや尾引きが良好に抑制されており、高温分離性に優れたトナーを得ることができる。
【0045】
変性ポリエステルのポリエステルユニットを構成する成分について詳述する。なお、以下の成分は種類や用途に応じて種々のものを一種又は二種以上用いることができる。
【0046】
ポリエステルユニットを構成する2価の酸成分としては、以下のジカルボン酸又はその誘導体が挙げられる。フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸のようなベンゼンジカルボン酸類又はその無水物若しくはその低級アルキルエステル;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸のようなアルキルジカルボン酸類又はその無水物若しくはその低級アルキルエステル;炭素数の平均値が1以上50以下のアルケニルコハク酸類又はアルキルコハク酸類、又はその無水物若しくはその低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸のような不飽和ジカルボン酸類又はその無水物若しくはその低級アルキルエステル。
【0047】
一方、ポリエステルユニットを構成する2価のアルコール成分としては、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、水素化ビスフェノールA、式(I-1)で表されるビスフェノール及びその誘導体:
【0048】
【化3】
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基であり、x、yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0以上10以下である。)
及び式(I-2)で示されるジオール類。
【0049】
【化4】
(式中、R’はエチレン又はプロピレン基であり、x’、y’はそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x’+y’の平均値は0以上10以下である。)
【0050】
本発明で使用される、ポリエステルユニットの構成成分は、上述の2価のカルボン酸化合物及び2価のアルコール化合物以外に、3価以上のカルボン酸化合物、3価以上のアルコール化合物を構成成分として含有してもよい。
【0051】
3価以上のカルボン酸化合物としては、特に制限されないが、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。また、3価以上のアルコール化合物としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等が挙げられる。
【0052】
本発明で使用される、ポリエステルユニットの構成成分は、上述した化合物以外に、1価のカルボン酸化合物及び1価のアルコール化合物を構成成分として含有してもよい。具体的には、1価のカルボン酸化合物としては、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸などが挙げられ、また、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、テトラコンタン酸、ペンタコンタン酸などが挙げられる。
【0053】
また、1価のアルコール化合物としては、ベヘニルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、テトラコンタノールなどが挙げられる。
【0054】
変性ポリエステルのシリコーンユニットを構成する成分について詳述する。なお、以下の成分は種類や用途に応じて種々のものを一種又は二種以上用いることができる。
【0055】
シリコーンユニットは、下記一般式〔1〕で表されるシリコーンユニットを有する。
【0056】
【化5】
(式中、R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素、メチル基またはフェニル基を表し、nは、10~80の整数を表す。)
【0057】
シリコーンユニットを構成するために用いる成分としては、一般式〔1〕の末端にポリエステルと化学的に反応する官能基を有するシリコーンオイルを用いることができる。ポリエステルと反応する官能基としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基等が挙げられる。
【0058】
シリコーンオイルの末端の官能基は、ポリエステルとの反応性を制御する観点から、ヒドロキシ基またはカルボキシル基であることが好ましい。
【0059】
シリコーンオイルの官能基の価数は特に制限されない。但し、ポリエステルの主骨格にシリコーンユニットが導入された場合、シリコーンユニットをより均一にトナーの各粒子の表層に存在させることができるため、シリコーンオイルの両末端に官能基を有する2価のシリコーンオイルを用いることが好ましい。
【0060】
また、変性ポリエステルは、シリコーンユニットを0.5質量%以上5.0質量%以下含有することが好ましい。
【0061】
変性ポリエステルの製造方法については、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、前述の2価のカルボン酸化合物および2価のアルコール化合物及び官能基を有するシリコーンオイルをエステル化反応又はエステル交換反応、及び縮合反応を経て重合し、ポリエステル樹脂を製造する。重合温度は、特に制限されないが、180℃以上290℃以下の範囲が好ましい。ポリエステル樹脂の重合に際しては、例えば、チタン系触媒、スズ系触媒、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等の重合触媒を用いることができる。
【0062】
変性ポリエステルの軟化点は、85℃以上150℃以下であることが好ましく、100℃以上150℃以下がより好ましい。変性ポリエステルの軟化点が上記範囲であることにより、変性ポリエステル中のシリコーンユニットがより均一にトナーの各粒子の表層に存在することができる。その結果、上述したトナーの各粒子の表層での付着力分布の均一性がより向上し、低湿環境下における画像のガサツキや尾引きがより良好に抑制されており、高温分離性に優れたトナーを得ることができる。
【0063】
なお、軟化点は、以下のようにして測定される。樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT-500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
【0064】
本発明においては、「流動特性評価装置 フローテスターCFT-500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。なお、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax-Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとSminの和となるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度Tmである。
【0065】
測定試料は、約1.3gのサンプルを、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT-100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
【0066】
CFT-500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
【0067】
[トナー]
本発明のトナーは、磁性一成分トナー、非磁性一成分トナー、二成分現像剤用の非磁性トナーのいずれのトナーとしても使用できる。
【0068】
磁性一成分トナーとして用いる場合、着色剤としては、磁性酸化鉄粒子が好ましく用いられる。磁性1成分トナーに含まれる磁性酸化鉄粒子としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトのような磁性酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む磁性酸化鉄;Fe,Co,Niのような金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,Cd,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との合金、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0069】
磁性酸化鉄粒子の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、30質量部以上150質量部以下が好ましい。
【0070】
非磁性一成分トナー、及び二成分現像剤用の非磁性トナーとして用いる場合の着色剤としては、以下のものが挙げられる。
【0071】
黒色の顔料としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックが用いられる。
【0072】
イエロー色に好適な着色剤としては、顔料又は染料を用いることができる。顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12、13、14、15、17、23、62、65、73、74、81、83、93、94、95、97、98、109、110、111、117、120、127、128、129、137、138、139、147、151、154、155、167、168、173、174、176、180、181、183、191、C.I.バットイエロー1,3,20が挙げられる。染料としては、C.I.ソルベントイエロー19、44、77、79、81、82、93、98、103、104、112、162等が挙げられる。これらのものを単独又は2以上のものを併用して用いる。
【0073】
シアン色に好適な着色剤としては、顔料又は染料を用いることができる。顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15;1、15;2、15;3、15;4、16、17、60、62、66等、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45が挙げられる。染料としては、C.I.ソルベントブルー25、36、60、70、93、95等が挙げられる。これらのものを単独又は2以上のものを併用して用いる。
【0074】
マゼンタ色に好適な着色剤としては、顔料又は染料を用いることができる。顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,48;2、48;3、48;4、49,50,51,52,53,54,55,57,57;1、58,60,63,64,68,81,81;1、83,87,88,89,90,112,114,122,123,144、146,150,163,166、169、177、184,185,202,206,207,209,220、221、238、254等、C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35が挙げられる。マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,52、58、63、81,82,83,84,100,109,111、121、122等、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27等、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40等、C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28等の塩基性染料等が挙げられる。これらのものを単独又は2以上のものを併用して用いる。
【0075】
磁性体以外の着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、1質量部以上20質量部以下が好ましい。
【0076】
トナーに離型性を与えるために、離型剤(ワックス)を用いてもよい。本発明に用いられるワックスの一例としては、次のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、オレフィン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化型ワックス;カルナバワックス、ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’-ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m-キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系共重合モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
【0077】
本発明において特に好ましく用いられる離型剤は、脂肪族炭化水素系ワックスである。例えば、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒、メタロセン触媒で重合した低分子量の炭化水素;石炭又は天然ガスから合成されるフィッシャートロプシュワックス;高分子量のオレフィンポリマーを熱分解して得られるオレフィンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から得られる合成炭化水素ワックス、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素ワックスがよい。さらにプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行ったものが、より好ましく用いられる。特にアルキレンの重合によらない方法により合成されたワックスがその分子量分布からも好ましいものである。
【0078】
ワックスを添加するタイミングは、トナー製造時に添加してもよいし、結着樹脂の製造時に添加してもよい。また、これらワックスは、一種類を単独で使用してもよいし二種類以上を併用してもよい。ワックスは、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下添加することが好ましい。
【0079】
本発明のトナーは、荷電制御剤として、既知の荷電制御剤を用いることができる。具体的には、アゾ系鉄化合物、アゾ系クロム化合物、アゾ系マンガン化合物、アゾ系コバルト化合物、アゾ系ジルコニウム化合物、カルボン酸誘導体のクロム化合物、カルボン酸誘導体の亜鉛化合物、カルボン酸誘導体のアルミ化合物、カルボン酸誘導体のジルコニウム化合物が挙げられる。カルボン酸誘導体としては、芳香族ヒドロキシカルボン酸が好ましい。また、荷電制御樹脂も用いることもできる。必要に応じて一種類又は二種類以上の荷電制御剤を併用してもかまわない。荷電制御剤は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下添加することが好ましい。
【0080】
尚、トナーの平均円形度は、0.960以上0.980以下であることが、トナーの帯電性の観点から好ましい。
【0081】
本発明のトナーにおいては、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のために、シリカ微粉体をトナー粒子に外添することが好ましい。シリカ微粉体は、窒素吸着によるBET法による比表面積が30m2/g以上500m2/g以下であることが好ましく、50m2/g以上400m2/g以下であることがさらに好ましい。また、トナー粒子100質量部に対して、シリカ微粉体を0.01質量部以上8.00質量部以下用いることが好ましく、0.10質量部以上5.00質量部以下用いることがより好ましい。
【0082】
シリカ微粉体のBET比表面積は、例えば比表面積測定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)、GEMINI2360/2375(マイクロメティリック社製)、トライスター3000(マイクロメティリック社製)を用いてシリカ微粉体の表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出することができる。
【0083】
シリカ微粉体は、必要に応じ、疎水化、摩擦帯電性コントロールの目的で未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシラン化合物又は、その他の有機ケイ素化合物のような処理剤で、あるいは種々の処理剤を併用して処理されていることも好ましい。
【0084】
さらに本発明のトナーには、必要に応じて他の外添剤を添加してもよい。このような外添剤としては、例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラ定着時の離型剤、滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粉体が挙げられる。帯電補助剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナなどの金属酸化物が挙げられる。滑剤としては、ポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末が挙げられる。研磨剤としては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末が挙げられる。
【0085】
本発明におけるトナー粒子を製造する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、粉砕法、乳化凝集法、懸濁重合法、溶解懸濁法などが挙げられる。
【0086】
粉砕法により製造されるトナー粒子は、例えば下記のようにして製造される。変性ポリエステル、極性基含有オレフィン共重合体及び必要に応じてその他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミルのような混合機により充分混合する。混合物を二軸混練押出機、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練する。その際、ワックス、磁性酸化鉄粒子及び含金属化合物を添加することもできる。溶融混練物を冷却固化した後、粉砕及び分級を行い、トナー粒子を得る。この際、微粉砕時の排気温度を調整することで、トナー粒子の平均円形度を制御することができる。さらに必要に応じて、トナー粒子と外添剤をヘンシェルミキサーのような混合機により混合し、トナーが得られる。
【0087】
混合機としては、以下のものが挙げられる。ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)。
【0088】
混練機としては、以下のものが挙げられる。KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。
【0089】
粉砕機としては、以下のものが挙げられる。カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボエ業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。
【0090】
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、イノマイザ(ホソカワミクロン社製)、シータコンポーザ(徳寿工作所社製)、メカノミル(岡田精工社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、トナー粒子の表面処理を行い、トナー粒子の平均円形度を制御することもできる。
【0091】
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級する。その後、得られた所望の粒度の熱処理トナー粒子表面に、所望量の外添剤を外添処理する。外添処理する方法としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン株式会社製)等の混合装置を外添機として用いて、撹拌・混合する方法が挙げられる。その際、必要に応じて、さらに流動化剤等の外添剤を外添処理しても良い。
【0092】
本発明のトナーを二成分現像剤用の非磁性トナーとして用いる場合、併用されるキャリアとしては、通常のフェライト、マグネタイト等のキャリアや樹脂コートキャリアを使用することができる。また、樹脂中に磁性粉が分散されたバインダー型のキャリアコアも用いることができる。
【0093】
樹脂コートキャリアは、キャリアコア粒子とキャリアコア粒子表面を被覆(コート)する樹脂である被覆材からなる。被覆材に用いられる樹脂としては、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン-アクリル系樹脂;アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素含有樹脂;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;ポリビニルブチラール;アミノアクリレート樹脂が挙げられる。その他には、アイオモノマー樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は複数を併用することができる。
【0094】
次に本発明に関わるトナー粒子の粒度分布の測定方法に関して記載する。
【0095】
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
【0096】
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
【0097】
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー粒子を分散した前記(5)電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
【実施例】
【0098】
以上、本発明の基本的な構成と特色について述べたが、以下、実施例に基づいて具体的に本願発明について説明する。しかしながら、本発明は何らこれに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り「部」及び「%」は、質量基準である。
【0099】
<結着樹脂1の製造>
・ビスフェノールAエチレンオキサイド(2.2モル付加物): 50.0モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド(2.2モル付加物): 50.0モル部
・テレフタル酸: 90.0モル部
・無水トリメリット酸: 10.0モル部
上記ポリエステルユニットを構成するモノマー97質量部及び両末端にヒドロキシ基を有するシリコーンオイル(KF-6001、信越化学工業(株)製)3部を、チタンテトラブトキシド500ppmと共に5リットルオートクレーブに混合した。
【0100】
そこに、還流冷却器、水分分離装置、N2ガス導入管、温度計及び攪拌装置を付し、オートクレーブ内にN2ガスを導入しながら230℃で縮重合反応を行った。所望の軟化点になるように反応時間を調整し、反応終了後、容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂1を得た。結着樹脂1のTmは130℃、Tgは55℃であった。
【0101】
<結着樹脂2~8の製造>
シリコーンオイルの添加量を変更し、反応時間を調整してTm、Tgを変更した以外は結着樹脂1の製造に従い、結着樹脂2~8を得た。
【0102】
【0103】
<極性基含有オレフィン共重合体1の製造>
温度計及び攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン300.0部、ポリプロピレン(融点90℃)10.0部を入れ充分溶解し、窒素置換後、スチレン68.0部、メタクリル酸10.0部、ブチルアクリレート12.0部、及びキシレン250.0部の混合溶液を180℃で3時間滴下し重合した。さらにこの温度で30分間保持し、脱溶剤を行い、極性基含有オレフィン共重合体1を得た。得られた極性基含有オレフィン共重合体1の組成を表2に示す。
【0104】
<極性基含有オレフィン共重合体2~12の製造>
極性基含有オレフィン共重合体1の製造において、表2に示すオレフィンの種類、含有量、極性基含有ユニットの種類、含有量、その他のモノマーの種類、含有量となるように適宜条件を変更した。それ以外は、極性基含有オレフィン共重合体1の製造例と同様の操作を行い、極性基含有オレフィン共重合体2~12を得た。得られた極性基含有オレフィン共重合体の組成を表2に示す。
【0105】
【0106】
(トナー1の製造)
・結着樹脂1 100.0部
・極性基含有オレフィン共重合体1 5.0部
・C.I.ピグメントブルー 15:3 4.0部
【0107】
上記材料をヘンシェルミキサーで予備混合した後、二軸混練押し出し機によって、160℃で溶融混練した。
【0108】
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミルで微粉砕した。
【0109】
得られた微粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)6.0μmの負摩擦帯電性のトナー粒子を得た。
【0110】
該トナー粒子100部に対して、疎水化処理したシリカ微粒子(BET法で測定した窒素吸着による比表面積が140m2/g)2.0部を外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー1を得た。
【0111】
[キャリアの製造]
(磁性コア粒子の製造)
・Fe2O3 62.7部
・MnCO3 29.5部
・Mg(OH)2 6.8部
・SrCO3 1.0部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。
【0112】
その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕及び混合した。得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。
【0113】
このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記の通りであった。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d
【0114】
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393
仮焼フェライトをクラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100部に対し、水を30部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。さらに、得られたスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
【0115】
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100部に対して、分散剤としてのポリカルボン酸アンモニウム1.0部、及び、バインダーとしてのポリビニルアルコール2.0部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子の粒度を調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
【0116】
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
【0117】
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)が37.0μmの磁性コア粒子を得た。
【0118】
(被覆樹脂の製造)
・シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8%
・メチルメタクリレートモノマー 0.2%
・メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4%
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
・トルエン 31.3%
・メチルエチルケトン 31.3%
・アゾビスイソブチロニトリル 2.0%
【0119】
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレートモノマー、メチルメタクリレートモノマー、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、及びメチルエチルケトンを、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに入れた。セパラブルフラスコ内に、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加し、5時間還流して重合させた。
【0120】
得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させた。得られた沈殿物を濾別後、真空乾燥して樹脂を得た。
【0121】
30部の該樹脂を、トルエン40部及びメチルエチルケトン30部の混合溶媒に溶解して、樹脂溶液(固形分濃度30%)を得た。
【0122】
(被覆樹脂溶液の調製)
・樹脂溶液(固形分濃度30%) 33.3%
・トルエン 66.4%
・カーボンブラック(Regal330;キャボット社製) 0.3%
(一次粒子の個数平均粒径:25nm、窒素吸着比表面積:94m2/g、DBP吸油量:75ml/100g)
【0123】
上記材料を、ペイントシェーカーに投入し、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、1時間分散を行った。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過を行い、被覆樹脂溶液を得た。
【0124】
(被覆樹脂のコート)
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに、被覆樹脂溶液及び磁性コア粒子を投入した(被覆樹脂溶液の投入量は、磁性コア粒子100部に対して、樹脂成分として2.5部)。
【0125】
投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後に冷却した。
【0126】
得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)が38.2μmの磁性キャリアを得た。
【0127】
[二成分現像剤1の調製]
トナー1と磁性キャリアを、磁性キャリア90部に対して、トナー1が10部になるように、V型混合機(V-10型:株式会社徳寿製作所)を用いて、0.5s-1、回転時間5minの条件で混合して二成分現像剤1を調製した。
【0128】
得られた二成分現像剤1を用いて以下の評価を行った。
【0129】
<実施例1>
キヤノン製フルカラー複写機imagePRESS C800又はその改造機を用い、以下の評価を実施した。
【0130】
該画像形成装置は、像坦持体として静電潜像を形成させる感光体を有し、感光体の静電潜像を二成分現像剤によりトナー像として現像する現像工程を有する。
【0131】
さらに、現像されたトナー像を中間転写体に転写し、その後に中間転写体のトナー像を紙に転写する転写工程を有し、紙上のトナー像を熱により定着する定着工程を有する。
【0132】
この画像形成装置のシアンステーションの現像器に、二成分現像剤1を投入し、下記評価を行った。
【0133】
<耐ホットオフセット性の評価>
キヤノン製フルカラー複写機imagePRESS C800の定着器を外部へ取り出し、複写機外でも動作し、定着温度、プロセススピードを任意に設定可能となるように改造した外部定着器を用いた。この外部定着器を用いてN/L環境下で通紙を行った。
【0134】
耐ホットオフセット性は、50g/m2紙を用いて、A4横置きで先端から5cmの全域が画像濃度0.5のハーフトーン、それ以外がベタ白という未定着画像を通紙することにより評価した。上記方法により作成した未定着画像を、定着装置の加熱体を210~240℃の温度範囲で5℃おきに温調し、プロセススピード50mm/sec、ニップ幅を13mmに設定し、A4縦置きで100枚通紙後、上記のA4横置きの画像を通紙して定着させた。この際の白地部に現れるオフセットのレベルを目視確認した。
A:オフセットが全く発生しない。
B:定着温度240℃で、A4縦置きで通紙した部分以外の端部にうっすらとオフセットが発生した。
C:定着温度230℃で、A4縦置きで通紙した部分以外の端部にうっすらとオフセットが発生した。
D:顕著なオフセットが発生、あるいは、定着温度220℃以下で、うっすらとしたオフセットが発生した。
【0135】
<ガサツキの評価>
ガサツキはドット再現性で評価した。低温低湿環境下(5℃、5%RH)で、印字比率5%のテストチャートを1万枚まで連続出力後、ハーフトーン(30H)画像を形成し、この画像のドット再現性について以下の基準に基づき評価した。
【0136】
記録媒体には、高白色用紙GF-C081(81.4g/m2、キヤノンマーケティングジャパン(株))を使用した。なお、30H画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hをベタ白(非画像)とし、FFHをベタ画像(全面画像)とするときのハーフトーン画像である。
【0137】
画像はデジタルマイクロスコープVHX-500(レンズワイドレンジズームレンズVH-Z100 キーエンス社製)を用い、ドット1000個の面積を測定した。
【0138】
ドット面積の個数平均(S)とドット面積の標準偏差(σ)を算出し、ドット再現性指数を下記式により算出した。
【0139】
そして、ハーフトーン画像のドット再現性指数(I)で評価した。ドット再現性指数(I)は値が小さいほどドット再現性に優れていることを示している。
【0140】
ドット再現性指数(I)=σ/S×100
(評価基準)
A:Iが1.0未満
B:Iが1.0以上1.5未満
C:Iが1.5以上2.0未満
D:Iが2.0以上4.0未満
E:Iが4.0以上6.0未満
F:Iが6.0以上
【0141】
<尾引きの評価>
記録媒体には、GF-R070(67.0g/m2、キヤノンマーケティングジャパン(株))を使用した。なお、低温低湿環境下(5℃、5%RH)に48時間以上放置して十分に乾燥させた(水分量3%未満)。
【0142】
低温低湿環境下(5℃、5%RH)で、4ドットラインを20ドットスペースで並べたヨコ線画像チャートを用い、画像上の横線から発生した尾引きを数えて下記判断基準により判定した。
A:尾引き発生なし。
B:横線1ラインあたり1個以下の尾引き発生。
C:横線1ラインあたり2個以下の尾引き発生。
D:横線1ラインあたり3個以下の尾引き発生。
E:横線1ラインあたり4個以上の尾引き発生。
【0143】
以上の各評価項目において、二成分現像剤1は全てA判定であった。
【0144】
(トナー2~16の製造)
結着樹脂と極性基含有オレフィン共重合体の種類及び量を表3のように変更した以外は、トナー1の製造と同様にして、トナー2~16を得た。
【0145】
【0146】
(二成分現像剤2~16の調製)
トナーを表4のように変更した以外は、二成分現像剤1の製造と同様にして、二成分現像剤2~13を調製した。
【0147】
<実施例2~13、比較例1~3>
二成分現像剤2~16を用いる以外は同様にして、二成分現像剤1と同様の評価を行った。評価結果を表4に示す。
なお、実施例7~13は参考例として記載するものである。
【0148】