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特許7451168医用画像処理装置、及び医用画像処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】医用画像処理装置、及び医用画像処理システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20240311BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20240311BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240311BHJP
【FI】
A61B6/03 560J
A61B6/03 560G
A61B5/055 380
G06T7/00 612
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019229761
(22)【出願日】2019-12-19
(65)【公開番号】P2021097731
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森島 大静
(72)【発明者】
【氏名】奥畑 大悟
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-171437(JP,A)
【文献】特開2015-066023(JP,A)
【文献】特開2009-219655(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0072196(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055、6/00-6/58、8/00-8/15
G06T 1/00-19/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の3次元画像データである第1の3次元画像データと、当該被検体の3次元画像データであって当該第1の3次元画像データとは異なる第2の3次元画像データとを取得する取得部と、
前記第1の3次元画像データに含まれる前記被検体の特徴点と、前記第2の3次元画像データに含まれる前記被検体の特徴点とを抽出する抽出部と、
前記第1の3次元画像データに含まれる前記被検体の断面画像である第1断面画像と、前記第2の3次元画像データに含まれる前記被検体の断面画像である第2断面画像との少なくとも一方に対して画像処理を実行する画像処理部と、
前記画像処理部が前記画像処理を実行した前記第1断面画像に含まれる部位を指定する指定部と、
前記指定部が指定した前記部位に含まれる前記特徴点に基づいて、前記第1の3次元画像データに含まれる前記被検体から前記第1断面画像を取得する位置と、前記第2の3次元画像データに含まれる前記被検体から前記第2断面画像を取得する位置とを同一の位置に合わせる位置合わせ部と、
を備え
前記画像処理部は、複数の前記部位が示された一覧から前記部位が選択された場合に、当該部位に対応する前記画像処理を実行し、
前記指定部は、前記画像処理部が実行した前記画像処理に対応する前記部位を指定する、
医用画像処理装置。
【請求項2】
前記位置合わせ部は、剛体の部位である剛体部位に含まれる前記特徴点に基づいて、前記第1の3次元画像データに含まれる前記被検体から前記第1断面画像を取得する位置と、前記第2の3次元画像データに含まれる前記被検体から前記第2断面画像を取得する位置とを同一の位置に合わせ、
前記指定部は、前記画像処理部が実行した前記画像処理に対応する部位を指定し、
前記位置合わせ部は、前記画像処理に対応する前記部位を前記指定部が指定した場合に、前記指定部が指定した前記部位に含まれる前記特徴点に基づいて、前記第1の3次元画像データに含まれる前記被検体から前記第1断面画像を取得する位置と、前記第2の3次元画像データに含まれる前記被検体から前記第2断面画像を取得する位置とを同一の位置に合わせる、
請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記第1断面画像と、前記第2断面画像とを表示する表示部を更に備え、
前記位置合わせ部は、前記指定部が指定した前記部位に含まれる前記特徴点に基づいて、前記第1の3次元画像データに含まれる前記被検体から前記第1断面画像を取得する位置と、前記第2の3次元画像データに含まれる前記被検体から前記第2断面画像を取得する位置とを同一の位置に合わせ、
前記表示部は、前記位置合わせ部が前記被検体の位置を合わせることにより同一の断面位置となった前記第1断面画像と、前記第2断面画像とを表示する、
請求項1又は2に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
前記画像処理部は、前記第1断面画像と前記第2断面画像とが表示された画面で受け付けられた操作により指示された前記画像処理を実行し、
前記指定部は、前記第1断面画像、又は前記第2断面画像に含まれる前記部位であって、前記画像処理に対応する前記部位を指定する、
請求項3に記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
同一の断面位置の前記第1断面画像と、前記第2断面画像とを表示させる操作を受け付ける操作部を更に備え、
前記表示部は、前記操作部が同一の断面位置を表示させる操作を受け付けたことを条件に、同一の断面位置の前記第1断面画像と、前記第2断面画像とを表示する、
請求項3に記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
前記画像処理部は、前記画像処理として前記第1断面画像と、前記第2断面画像とのコントラストを変更する、
請求項1から請求項の何れか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項7】
被検体の3次元画像データである第1の3次元画像データと、当該被検体の3次元画像データであって当該第1の3次元画像データとは異なる第2の3次元画像データとを取得する取得部と、
前記第1の3次元画像データに含まれる前記被検体の特徴点と、前記第2の3次元画像データに含まれる前記被検体の特徴点とを抽出する抽出部と、
前記第1の3次元画像データに含まれる前記被検体の断面画像である第1断面画像と、前記第2の3次元画像データに含まれる前記被検体の断面画像である第2断面画像との少なくとも一方に対して画像処理を実行する画像処理部と、
前記画像処理部が前記画像処理を実行した前記第1断面画像に含まれる部位を指定する指定部と、
前記指定部が指定した前記部位に含まれる前記特徴点に基づいて、前記第1の3次元画像データに含まれる前記被検体から前記第1断面画像を取得する位置と、前記第2の3次元画像データに含まれる前記被検体から前記第2断面画像を取得する位置とを同一の位置に合わせる位置合わせ部と、
を備え
前記画像処理部は、複数の前記部位が示された一覧から前記部位が選択された場合に、当該部位に対応する前記画像処理を実行し、
前記指定部は、前記画像処理部が実行した前記画像処理に対応する前記部位を指定する、
医用画像処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用画像処理装置、及び医用画像処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、経過観察等において、CTやMRI等が取得した今回の3次元情報に含まれる被検体と、過去の3次元情報に含まれる被検体との同一位置の断面画像を並べて表示する場合がある。3次元情報間で被検体の位置を合わせる場合、医用画像処理装置は、骨盤等の剛体部位から抽出した特徴点に基づいて3次元情報間での位置合わせを行う。そして、医師等は、診断したい部位まで断面位置を移動させることで、診断したい部位の断面画像を並べて表示させる。
【0003】
しかしながら、体動や呼吸等の影響により部位の位置は変化する。そのため、医用画像処理装置は、3次元情報間の被検体の位置を剛体部位で合わせても、断面画像間で異なる部位を表示してしまう場合がある。そのため、医師等は、同一部位の断面画像を並べて表示させるために微調整を行わなければならなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-063936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、体動や呼吸等に影響されにくい位置合わせを行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の医用画像処理装置は、取得部と、抽出部と、画像処理部と、指定部と、位置合わせ部とを備える。前記取得部は、被検体の3次元画像データである第1の3次元画像データと、当該被検体の3次元画像データであって当該第1の3次元画像データとは異なる第2の3次元画像データとを取得する。前記抽出部は、前記第1の3次元画像データに含まれる前記被検体の特徴点と、前記第2の3次元画像データに含まれる前記被検体の特徴点とを抽出する。前記画像処理部は、前記第1の3次元画像データに含まれる前記被検体の断面画像である第1断面画像と、前記第2の3次元画像データに含まれる前記被検体の断面画像である第2断面画像との少なくとも一方に対して画像処理を実行する。前記指定部は、前記画像処理部が前記画像処理を実行した前記第1断面画像に含まれる部位を指定する。前記位置合わせ部は、前記指定部が指定した前記部位に含まれる前記特徴点に基づいて、前記第1の3次元画像データに含まれる前記被検体から前記第1断面画像を取得する位置と、前記第2の3次元画像データに含まれる前記被検体から前記第2断面画像を取得する位置とを同一の位置に合わせる。そして、前記画像処理部は、複数の前記部位が示された一覧から前記部位が選択された場合に、当該部位に対応する前記画像処理を実行する。前記指定部は、前記画像処理部が実行した前記画像処理に対応する前記部位を指定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本実施形態に係る医用画像処理システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、本実施形態に係る医用画像処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、比較画面の一例を示す図である。
図4図4は、部位選択画像を有する比較画面の一例を示す図である。
図5図5は、断面位置のずれの一例について説明する図である。
図6図6は、断面位置の修正の一例について説明する図である。
図7図7は、本実施形態に係る医用画像処理装置が実行する表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、医用画像処理装置及び医用画像処理システムの実施形態について詳細に説明する。なお、本願に係る医用画像処理装置及び医用画像処理システムは、以下に示す実施形態によって限定されるものではない。
【0009】
図1は、本実施形態に係る医用画像処理システム1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、医用画像処理システム1は、モダリティ10、PACS(Picture Archiving and Communication System)20、及び医用画像処理装置30を備えている。また、各システム及び各装置は、ネットワークを介して通信可能に接続されている。なお、図1に示す構成は、一例であり、各システム及び各装置の台数は任意に変更してもよい。また、図1に示されていない装置がネットワークに接続されていてもよい。
【0010】
モダリティ10は、被検体の3次元の情報である3次元画像データを生成する。例えば、モダリティ10は、X線CT(Computed Tomography)装置や、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等の画像診断装置である。モダリティ10は、指定された患者等の被検体の3次元画像データを生成する。3次元画像データとは、3次元画像データとしてのX線CT画像データや、3次元画像データとしてのMRI画像データ等である。そして、モダリティ10は、生成した3次元画像データをPACS20に送信する。
【0011】
PACS20は、モダリティ10が生成した3次元画像データを保管するサーバ装置である。例えば、PACS20は、サーバやワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。更に詳しくは、PACS20は、モダリティ10から3次元画像データを受信する。そして、PACS20は、3次元画像データを自装置の記憶回路等に記憶する。
【0012】
医用画像処理装置30は、3次元画像データからアナトミカルランドマークを抽出する。ここで、アナトミカルランドマークは、被検体の解剖学的な特徴点である。そして、医用画像処理装置30は、アナトミカルランドマークに基づいて、3次元画像データ間で位置合わせを行う。これにより、医用画像処理装置30は、複数の3次元画像データ間で同一位置の断面画像を表示する。例えば、医用画像処理装置30は、サーバやワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。
【0013】
次に、本実施形態に係る医用画像処理装置30の構成について説明する。
【0014】
図2は、本実施形態に係る医用画像処理装置30の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る医用画像処理装置30は、ネットワークインタフェース310と、記憶回路320と、入力インタフェース330と、ディスプレイ340と、処理回路350とを有する。
【0015】
ネットワークインタフェース310は、処理回路350に接続されており、ネットワークを介して、モダリティ10、及びPACS20との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。更に詳しくは、ネットワークインタフェース310は、各システムから各種の情報を受信し、受信した情報を処理回路350に出力する。例えば、ネットワークインタフェース310は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
【0016】
記憶回路320は、処理回路350に接続されており、各種データを記憶する。例えば、記憶回路320は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
【0017】
入力インタフェース330は、操作者から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路350に出力する。例えば、入力インタフェース330は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力インタフェース、音声入力インタフェース等の入力装置によって実現される。なお、入力インタフェース330は、医用画像処理装置30とは別体に設けられた操作装置から操作に対応する電子信号を受け付ける接続インタフェース等の制御回路であってもよい。
【0018】
ディスプレイ340は、処理回路350から出力される各種情報や各種画像を表示する。例えば、ディスプレイ340は、有機EL(Electro Luminescence)モニタや、液晶モニタや、CRT(Cathode Ray Tube)モニタや、タッチパネル等の表示装置によって実現される。例えば、ディスプレイ340は、操作者の指示を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)や、各種の表示用の画像データ、処理回路350による各種の処理結果を表示する。
【0019】
処理回路350は、医用画像処理装置30が有する各構成要素を制御する。例えば、処理回路350は、プロセッサによって実現される。さらに詳しくは、本実施形態に係る処理回路350は、取得機能351、抽出機能352、位置合わせ機能353、表示機能354、操作機能355、画像処理機能356、及び指定機能357を有する。
【0020】
ここで、例えば、図2に示す処理回路350の構成要素である取得機能351、抽出機能352、位置合わせ機能353、表示機能354、操作機能355、画像処理機能356、及び指定機能357が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路320に記憶されている。処理回路350は、各プログラムを記憶回路320から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路350は、図2の処理回路350内に示された各機能を有することとなる。
【0021】
なお、取得機能351、抽出機能352、位置合わせ機能353、表示機能354、操作機能355、画像処理機能356、及び指定機能357の全ての処理機能がコンピュータによって実行可能な1つのプログラムの形態で、記憶回路320に記録されていてもよい。例えば、このようなプログラムは、医用画像処理プログラムとも称される。この場合、処理回路350は、医用画像処理プログラムを記憶回路320から読み出し、読み出した医用画像処理プログラムを実行することで医用画像処理プログラムに対応する取得機能351、抽出機能352、位置合わせ機能353、表示機能354、操作機能355、画像処理機能356、及び指定機能357を実現する。
【0022】
取得機能351は、取得部の一例である。取得機能351は、複数の3次元画像データをPACS20から取得する。すなわち、取得機能351は、被検体の3次元画像データである第1の3次元画像データと、同一の被検体の3次元画像データであって当該第1の3次元画像データとは異なる第2の3次元画像データとを取得する。更に詳しくは、第1の3次元画像データは、被検体の3次元画像データである。第2の3次元画像データは、第1の3次元画像データの比較対象であって、第1の3次元画像データの被検体と同一の被検体の3次元画像データである。例えば、第1の3次元画像データは、直近に取得された3次元画像データである。第2の3次元画像データは、第1の3次元画像データと同一の被検体から過去に取得された3次元画像データである。
【0023】
抽出機能352は、抽出部の一例である。抽出機能352は、第1の3次元画像データに含まれる被検体の特徴点と、第2の3次元画像データに含まれる被検体の特徴点とを抽出する。すなわち、抽出機能352は、取得機能351が取得した3次元画像データのそれぞれからアナトミカルランドマークを抽出する。
【0024】
位置合わせ機能353は、位置合わせ部の一例である。位置合わせ機能353は、抽出機能352が抽出したアナトミカルランドマークに基づいて、第1の3次元画像データに含まれる被検体から断面画像を取得する位置と、第2の3次元画像データに含まれる被検体から断面画像を取得する位置とを同一の位置に合わせる。すなわち、位置合わせ機能353は、複数の3次元画像データ間の被検体の位置を合わせるレジストレーションを実行する。更に詳しくは、位置合わせ機能353は、第1の3次元画像データに含まれる被検体の骨盤等の剛体の部位である剛体部位にあるアナトミカルランドマークと、第2の3次元画像データに含まれる被検体の骨盤等の剛体の部位である剛体部位にあるアナトミカルランドマークとの位置を合わせる。これにより、位置合わせ機能353は、骨盤等の剛体の部位である剛体部位にあるアナトミカルランドマークに基づいて、第1の3次元画像データに含まれる被検体から断面画像を取得する位置と、第2の3次元画像データに含まれる被検体から断面画像を取得する位置とを同一の位置に合わせる。また、位置合わせ機能353は、後述する画像処理機能356が実行した画像処理に対応する部位を指定機能357が指定した場合に、指定機能357が指定した部位であって、第1の3次元画像データに含まれる被検体の部位にあるアナトミカルランドマークと、指定機能357が指定した部位であって、第2の3次元画像データに含まれる被検体の部位にあるアナトミカルランドマークとの位置を合わせる。これにより、位置合わせ機能353は、画像処理機能356が実行した画像処理に対応する部位を指定機能357が指定した場合に、指定機能357が指定した部位に含まれるアナトミカルランドマークに基づいて、第1の3次元画像データに含まれる被検体から断面画像を取得する位置と、第2の3次元画像データに含まれる被検体から断面画像を取得する位置とを同一の位置に合わせる。
【0025】
表示機能354は、表示部の一例である。表示機能354は、第1の3次元画像データに含まれる被検体の断面画像である第1断面画像と、第2の3次元画像データに含まれる被検体の断面画像である第2断面画像とを表示する。
【0026】
ここで、図3は、比較画面G1の一例を示す図である。図3に示す比較画面G1は、第1の3次元画像データの断面画像と、第2の3次元画像データの断面画像とを有している。医師等の医療従事者は、第1の3次元画像データの断面画像と、第2の3次元画像データの断面画像とを比較することで、経過観察等を行う。
【0027】
また、位置合わせ機能353は、指定機能357が指定した部位に含まれるアナトミカルランドマークに基づいて、第1の3次元画像データに含まれる被検体から断面画像を取得する位置と、第2の3次元画像データに含まれる被検体から断面画像を取得する位置とを同一の位置に合わせる。そして、表示機能354は、位置合わせ機能353が複数の3次元画像データ間の被検体の位置を合わせることにより同一の断面位置となった第1断面画像と、第2断面画像とを比較画面G1に表示する。
【0028】
また、表示機能354は、3次元画像データにおける被検体の断面位置が移動された場合に、該当する断面位置の断面画像を表示する。例えば、表示機能354は、第1の3次元画像データの断面位置を移動させた場合に、第2の3次元画像データの断面位置も同様に移動する。これにより、表示機能354は、第1の3次元画像データと、第2の3次元画像データとついて同一の断面位置の断面画像を表示する。なお、表示機能354は、複数の3次元画像データを並べて表示する形態に限らず、複数の3次元画像データを重ねて表示してもよい。
【0029】
操作機能355は、操作部の一例である。操作機能355は、入力インタフェース330を制御して、画像処理を指定する操作を受け付ける。例えば、操作機能355は、複数の部位が示された一覧から部位を選択する操作を受け付ける。ここで、部位とは、臓器、骨、血管、筋肉等の人体の部分である。これにより、操作機能355は、事前に設定された部位に応じた画像処理を指定する操作を受け付ける。
【0030】
ここで、図4は、部位選択画像G11を有する比較画面G1の一例を示す図である。比較画面G1は、複数の部位が示された一覧から部位を選択する操作を受け付ける部位選択画像G11を有している。更に詳しくは、表示機能354は、比較画面G1において、マウスの右ボタンが押下された場合に、メニュー画像G12を表示する。そして、表示機能354は、メニュー画像G12において、コントラストの変更を意味する「階調プリセット」にマウスのカーソルが合わせられた場合に、部位選択画像G11を表示する。部位選択画像G11に含まれる各部位には、ウィンドウ設定が対応付けられている。ウィンドウ設定とは、ウィンドウレベル及びウィンドウ幅が含まれる。ウィンドウ幅は、コントラストの分解能の幅を示す設定である。ウィンドウレベルは、ウィンドウ幅の中央値を示す設定である。操作機能355は、部位選択画像G11から部位を選択する操作を受け付ける。これにより、表示機能354は、医師等が読影したい部位に応じたコントラストで断面画像を表示する。
【0031】
また、操作機能355は、画像処理を指示する操作を受け付ける。例えば、操作機能355は、比較画面G1等において、マウスをドラッグする操作等によりウィンドウ設定を指定する操作を受け付ける。なお、操作機能355は、マウスをドラッグする操作に限らず、数値の入力等の他の方法によりウィンドウ設定を指定する操作を受け付けてもよい。
【0032】
また、操作機能355は、同一の断面位置の第1断面画像と、第2断面画像とを表示させる操作を受け付ける。例えば、指定機能357が指定した部位に含まれるアナトミカルランドマークに基づいて、第1の3次元画像データに含まれる被検体から断面画像を取得する位置と、第2の3次元画像データに含まれる被検体から断面画像を取得する位置とが同一の位置に合わせられた場合に、表示機能354は、同一の断面位置を表示させるか否かを確認する確認画面を表示する。操作機能355は、確認画面において、同一の断面位置を表示させるか否かを指示する表示操作を受け付ける。表示機能354は、操作機能355が同一の断面位置を表示させる操作を受け付けたことを条件に、同一の断面位置の第1断面画像と、第2断面画像とを表示する。これにより、医師等は、同一の断面位置を表示させるか、現在の表示を維持するかを任意に選択することができる。
【0033】
画像処理機能356は、画像処理部の一例である。画像処理機能356は、第1の3次元画像データに含まれる被検体の断面画像である第1断面画像と、第2の3次元画像データに含まれる被検体の断面画像である第2断面画像との少なくとも一方に対して画像処理を実行する。例えば、画像処理機能356は、部位選択画像G11から部位を選択する操作を操作機能355が受け付けた場合に、選択された部位に対応付けられたウィンドウ設定が示すコントラストに変更する画像処理を実行する。すなわち、画像処理機能356は、画像処理として第1断面画像と、第2断面画像とのコントラストを変更する。なお、画像処理機能356は、第1断面画像、及び第2断面画像の両方に限らず、何れか一方に対して画像処理を実行するものであってもよい。
【0034】
また、画像処理機能356は、操作により指示された設定に表示態様を変更する画像処理を実行する。具体的には、操作機能355は、ドラッグ等の操作により、ウィンドウレベルやウィンドウ幅の具体的な数値を指定する操作を受け付ける。そこで、画像処理機能356は、ドラッグ等の操作を操作機能355が受け付けた場合に、操作により指示されたウィンドウ設定が示すコントラストに変更する画像処理を実行する。
【0035】
また、画像処理機能356は、第1断面画像と第2断面画像とが表示された比較画面G1で受け付けられた操作により指示された画像処理を実行する。具体的には、画像処理機能356は、比較画面G1において、ドラッグ等の操作によりウィンドウレベルやウィンドウ幅等のウィンドウ設定が変更された場合に、変更後のウィンドウ設定が示すコントラストに変更する画像処理を実行する。医師等は、比較画面G1において所望の部位が明確に表示されていない場合に、ドラッグ等の操作によりウィンドウレベルやウィンドウ幅を変更することで断面画像のコントラストを変更する。これにより、医師等は、所望の部位の断面画像を表示させる。
【0036】
なお、画像処理機能356は、コントラストに限らず、他の画像処理を実行してもよい。例えば、画像処理機能356は、エッジ強調処理であってもよいし、スムージング処理であってもよいし、擬似カラー処理であってもよいし、その他の画像処理であってもよい。エッジ強調処理は、各部位の境界の強調する処理である。スムージング処理は、周囲の情報を使用して境界を滑らかにする処理である。擬似カラー処理は、CT値等の値ごとに割り当てられた色で表示することで、擬似的なカラー画像を表示する処理である。
【0037】
指定機能357は、指定部の一例である。指定機能357は、画像処理機能356が実行した画像処理に対応する部位を指定する。すなわち、指定機能357は、画像処理機能356が実行した画像処理に対応する部位を、位置合わせ機能353が複数の3次元画像データ間の被検体の位置を合わせるために使用するアナトミカルランドマークが含まれる部位に指定する。また、指定機能357が指定する部位は、肺等の非剛体部位であってもよい。そして、位置合わせ機能353は、第1の3次元画像データに含まれる被検体の指定された部位のアナトミカルランドマークと、第2の3次元画像データに含まれる被検体の指定された部位のアナトミカルランドマークと、第1の3次元画像データに含まれる被検体の指定機能357が指定した部位に含まれるアナトミカルランドマークとの位置を合わせる。これにより、位置合わせ機能353は、指定機能357が指定した部位に含まれるアナトミカルランドマークに基づいて、第1の3次元画像データに含まれる被検体から断面画像を取得する位置と、第2の3次元画像データに含まれる被検体から断面画像を取得する位置とを同一の位置に合わせる。
【0038】
ここで、位置合わせ機能353は、複数の3次元画像データ間の被検体の位置を合わせる場合に、骨盤等の形状が変化しにくい剛体部位に有るアナトミカルランドマークに基づいて、複数の3次元画像データ間の被検体から断面画像を取得する位置を合わせる。そして、表示機能354は、同一の断面位置の断面画像を表示する。ところが、剛体部位に有るアナトミカルランドマークを使用して被検体の位置合わせを行うと、表示機能354は、断面位置を場合に、同一の部位を表示することができないことがある。
【0039】
ここで、図5は、断面位置のずれの一例について説明する図である。また、図5は、骨盤に有るアナトミカルランドマークを使用して、3次元画像データAの被検体と、3次元画像データBの被検体との位置を合わせている。図5に示すように断面位置が骨盤の略中央にある場合、表示機能354は、3次元画像データAについては被検体の骨盤の略中央の断面画像を表示し、3次元画像データBについては被検体の骨盤の略中央の断面画像を表示する。このように、表示機能354は、被検体の同一位置の断面を表示する。
【0040】
しかし、図5に示すように、呼吸を行った場合に横隔膜の動きに伴い肺の位置は変化する。また、呼吸に限らず、体動等の様々な要因により肺の位置は変化する。そのため、図5に示すように断面位置が肺の略中央にある場合、表示機能354は、3次元画像データAについては被検体の肺の略中央の断面画像を表示するが、3次元画像データBについては被検体の肺の略中央よりも下方の断面画像を表示する。このように、表示機能354は、骨盤にあるアナトミカルランドマークを使用して被検体の位置合わせを行うと、表示機能354は、被検体の同一の部位を表示することができない場合がある。
【0041】
ここで、図6は、断面位置の修正の一例について説明する図である。図6に示すように、骨盤にあるアナトミカルランドマークを使用して被検体の位置合わせを行うと、呼吸等により肺の位置が異なっているため、表示機能354は、肺の同一位置の断面画像を表示ことができない。
【0042】
そこで、指定機能357は、画像処理機能356が実行した画像処理に対応する部位にあるアナトミカルランドマークを使用して、複数の3次元画像データ間の被検体の位置を合わせるように位置合わせ機能353に要求する。例えば、図6に示すように、画像処理機能356が実行した画像処理により肺が特定された場合、指定機能357は、肺にあるアナトミカルランドマークを使用して、複数の3次元画像データ間の被検体の位置を合わせるように位置合わせ機能353に要求する。
【0043】
位置合わせ機能353は、指定された部位にあるアナトミカルランドマークを使用して、複数の3次元画像データ間の被検体から断面画像を取得する位置を合わせる。その結果、表示機能354は、被検体の同一位置の断面画像を表示することができる。例えば、図6に示すように指定機能357は、肺にあるアナトミカルランドマークを使用して、複数の3次元画像データ間の被検体の位置を合わせる。その結果、表示機能354は、3次元画像データA及び3次元画像データBについて、肺の略同一位置の断面画像を表示することができる。以下にて、指定機能357について説明する。
【0044】
例えば、指定機能357は、部位選択画像G11から選択された部位に対応する画像処理を画像処理機能356が実行した場合に、画像処理機能356が実行した画像処理に対応する部位を指定する。すなわち、部位選択画像G11から選択された部位に対応するウィンドウ設定が示すコントラストに変更する画像処理を画像処理機能356が実行した場合に、指定機能357は、部位選択画像G11から選択された部位を指定する。ここで、医師等は、部位選択画像G11から読影対象の部位を選択する。よって、位置合わせ機能353は、読影対象の部位に含まれるアナトミカルランドマークで複数の3次元画像データ間の被検体の位置を合わせることができる。
【0045】
また、指定機能357は、操作により指示された画像処理を画像処理機能356が実行した場合に、画像処理機能356が実行した画像処理に対応する部位を指定する。すなわち、指定機能357は、ドラッグ等の操作により指示されたウィンドウ設定が示すコントラストに変更する画像処理を画像処理機能356が実行した場合に、ウィンドウ設定に対応する部位を指定する。例えば、記憶回路320は、ウィンドウ設定と、部位とが対応付けられた情報テーブルを記憶する。指定機能357は、指示されたウィンドウ設定に対応付けられた部位を情報テーブルから抽出することでウィンドウ設定に対応する部位を特定する。そして、指定機能357は、特定した部位を、位置合わせ機能353が複数の3次元画像データ間の被検体の位置を合わせるために使用するアナトミカルランドマークが含まれる部位に指定する。
【0046】
また、指定機能357は、比較画面G1で受け付けられた操作により指示された画像処理を画像処理機能356が実行した場合に、第1断面画像、又は第2断面画像に含まれる部位であって、画像処理に対応する部位を指定する。すなわち、指定機能357は、比較画面G1で受け付けられたドラッグ等の操作により指示されたウィンドウ設定が示すコントラストに変更する画像処理を画像処理機能356が実行した場合に、第1断面画像、又は第2断面画像に含まれる部位であって、ウィンドウ設定に対応する部位を指定する。医師等は、読影対象の部位が明確に表示されていない場合に、ドラッグ等の操作により指示されたウィンドウ設定を変更して適切なコントラストにすることで、読影対象の部位が明確に表示する。すなわち、第1断面画像、又は第2断面画像に含まれる部位が読影対象の部位であると推定することができる。よって、指定機能357は、指定する部位の条件として、第1断面画像、又は第2断面画像に含まれる部位であることを加えることで、読影対象の部位であることの精度を向上させることができる。
【0047】
次に、本実施形態に係る医用画像処理装置30が実行する表示処理について説明する。図7は、本実施形態に係る医用画像処理装置30が実行する表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0048】
取得機能351は、読影対象の3次元画像データと、この3次元画像データと比較する3次元画像データとをPACS20から取得する(ステップS1)。
【0049】
抽出機能352は、取得機能351が取得したそれぞれの3次元画像データから被検体のアナトミカルランドマークを抽出する(ステップS2)。
【0050】
位置合わせ機能353は、抽出機能352が抽出した3次元画像データに含まれる被検体のアナトミカルランドマークを使用して、複数の3次元画像データ間の被検体の位置を合わせる(ステップS3)。
【0051】
表示機能354は、位置合わせ機能353により合わせられた被検体の同一位置の断面画像を比較画面G1に表示する(ステップS4)。
【0052】
操作機能355は、比較画面G1に表示された断面画像に対して画像処理を実行する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS5)。例えば、操作機能355は、3次元画像データのコントラストを変更する操作を受け付けたか否かを判定する。画像処理を実行する操作を受け付けていない場合(ステップS5;No)、表示機能354は、ステップS5において、比較画面G1の表示を継続する。
【0053】
画像処理を実行する操作を受け付けた場合(ステップS5;Yes)、画像処理機能356は、操作に対応した画像処理を実行する(ステップS6)。例えば、画像処理機能356は、受け付けた操作が示すウィンドウ設定が示すコントラストに変更する画像処理を実行する。
【0054】
指定機能357は、画像処理機能356が実行した画像処理に対応する部位を、位置合わせ機能353が複数の3次元画像データ間の被検体の位置を合わせるために使用するアナトミカルランドマークが含まれる部位に指定する(ステップS7)。
【0055】
位置合わせ機能353は、指定された部位あるアナトミカルランドマークを使用して、複数の3次元画像データ間の被検体の位置を合わせる(ステップS8)。
【0056】
表示機能354は、被検体の同一位置の断面画像を比較画面G1に表示するかを確認する確認画面を表示する(ステップS9)。
【0057】
操作機能355は、確認画面において、被検体の同一位置の断面画像を比較画面G1に表示する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS10)。被検体の同一位置の断面画像を比較画面G1に表示する操作を受け付けていない場合(ステップS10;No)、表示機能354は、ステップS4に移行する。すなわち、表示機能354は、コントラストが変更された断面画像であって、断面位置が変更されていない断面画像を有する比較画面G1を表示する。
【0058】
被検体の同一位置の断面画像を比較画面G1に表示する操作を受け付けた場合(ステップS10;No)、表示機能354は、被検体の同一位置の断面画像を比較画面G1に表示する(ステップS11)。そして、医用画像処理装置30は、ステップS4に移行して、比較画面G1の表示を継続する。
【0059】
医用画像処理装置30は、比較画面G1の表示を終了する操作を受け付けた場合に、表示処理を終了する。
【0060】
以上のように、本実施形態に係る医用画像処理装置30は、アナトミカルランドマークを使用して被検体の位置を合わせた第1断面画像と、第2断面画像とを表示する。また、医用画像処理装置30は、コントラストを変更する等の画像処理を実行した場合に、実行した画像処理に対応した部位を特定する。そして、医用画像処理装置30は、特定した部位にあるアナトミカルランドマークを使用して被検体の位置を合わせる。医師等は読影対象の部位に応じたコントラストで読影を行うため、医用画像処理装置30は、コントラストに対応した部位を特定することで、読影対象の部位を特定することができる。その結果、本実施形態に係る医用画像処理装置30は、読影対象の部位にあるアナトミカルランドマークで被検体の位置を合わせるため、体動や呼吸等に影響されにくい位置合わせを行うことができる。
【0061】
また、上記した実施形態では、医用画像処理装置30が特徴的な機能を備えている場合を例に説明した。しかしながら、医用画像処理装置30が備えている取得機能351、抽出機能352、位置合わせ機能353、表示機能354、操作機能355、画像処理機能356、及び指定機能357等のこれらの機能の全部又は一部は、モダリティ10が備えていてもよいし、PACS20が備えていてもよいし、これら以外の装置又はシステムが備えていてもよい。
【0062】
また、上述した実施形態では、単一の処理回路350によって各処理機能が実現される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、処理回路350は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路350が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路350に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
【0063】
上述した各実施形態の説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。ここで、メモリにプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合には、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
【0064】
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶部等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)-ROM、FD(Flexible Disk)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
【0065】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、体動や呼吸等に影響されにくい位置合わせを行うことができる。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0067】
1 医用画像処理システム
10 モダリティ
20 PACS
30 医用画像処理装置
310 ネットワークインタフェース
320 記憶回路
330 入力インタフェース
340 ディスプレイ
350 処理回路
351 取得機能
352 抽出機能
353 位置合わせ機能
354 表示機能
355 操作機能
356 画像処理機能
357 指定機能
G1 比較画面
G11 部位選択画像
G12 メニュー画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7