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特許7451180補強された、その場硬化性の生分解性アンカー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】補強された、その場硬化性の生分解性アンカー
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/56 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
A61B17/56
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019545726
(86)(22)【出願日】2017-11-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-28
(86)【国際出願番号】 US2017060322
(87)【国際公開番号】W WO2018085807
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2019-06-27
【審判番号】
【審判請求日】2022-02-04
(31)【優先権主張番号】62/418,535
(32)【優先日】2016-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519163027
【氏名又は名称】アキュイティブ テクノロジーズ,インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホワイロ,アレックス
(72)【発明者】
【氏名】マッカーシー,マイケル,ピー.
(72)【発明者】
【氏名】トラン,ミン-トゥアン,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】フェッレイラ,ルイ,ジェイ.
【合議体】
【審判長】佐々木 正章
【審判官】安井 寿儀
【審判官】栗山 卓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-95301(JP,A)
【文献】特表2016-534210(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0096611(US,A1)
【文献】特表2007-502152(JP,A)
【文献】特開平9-173435(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0224245(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56- 17/94
A61F 2/08
A61L 27/00- 27/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.アンカー部品を画定する本体
b.本体から延在するアンカー部品の突出部、及び
c.アンカー部品の前方で、全長に沿って及び後方で架橋により固定する硬化性生分解性複合材料
を備え
突出部の断面をアンカー部品の前方端から後方端までの長さ方向に垂直な断面とし、本体の断面を突出部が設けられていない部分の長さ方向に垂直な断面とした場合に、突出部の断面直径が本体の断面直径よりも大きく、
突出部は、実質的に、後方の端部の断面直径が前方の端部の断面直径より大きい円錐形であり、
突出部の後方の端部の断面は、アンカー部品が挿入されるための多孔質の受容骨の骨腔よりも、アンカー部品を骨腔内に圧入可能な程度に大きく、
アンカー部品は、アンカー部品を硬化性生分解性複合材料が導入された骨腔内に導入するにつれ、突出部により硬化性生分解性複合材料を加圧し、多孔質の受容骨の孔内に押し込むように構成され、
硬化性生分解性複合材料がクエン酸エステル系ポリマーを含
アンカー部品を硬化性生分解性複合材料が導入された骨腔内に導入するにつれ、突出部により硬化性生分解性複合材料を加圧し、多孔質の受容骨の孔内に押し込むための、アンカーシステム。
【請求項2】
本体が円筒形である、請求項1に記載のアンカーシステム。
【請求項3】
本体に面がある、請求項1に記載のアンカーシステム。
【請求項4】
アンカー部品が、突出部として、3つの突出部を備える、請求項1に記載のアンカーシステム。
【請求項5】
アンカー部品が、本体の前方端から後方端まで貫通するカニューレ挿入部を有する、請求項1に記載のアンカーシステム。
【請求項6】
本体が、長さ方向に垂直な方向に貫通する交差孔を備える、請求項1に記載のアンカーシステム。
【請求項7】
クエン酸エステル系ポリマーが、ポリ(1,8-オクタンジオール-シトレート)(POC)、メタクリレート化POC(mPOC)、架橋ウレタンドープポリエステル(CUPE)、生分解性フォトルミネセンスポリマー(BPLP)、二重架橋性ポリ(アルキレンマレエートシトレート)(PAMC)、及びクリック可能なPOC系エラストマー(POC-Click)からなる群から選択される、請求項1に記載のアンカーシステム。
【請求項8】
クエン酸エステル系ポリマーは、クエン酸、ジオールモノマー及び二重結合提示モノマーの反応により、アンカー部品の前方で、全長に沿って及び後方で硬化する請求項1に記載のアンカーシステム。
【請求項9】
アンカー部品がポリ(アルキレンマレエートシトレート)(PAMC)を含む、請求項1に記載のアンカーシステム。
【請求項10】
アンカー部品がリン酸カルシウムを含む、請求項1に記載のアンカーシステム。
【請求項11】
リン酸カルシウムがバイオセラミックの一部である、請求項10に記載のアンカーシステム。
【請求項12】
バイオセラミックが、ヒドロキシアパタイト(HA)、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)及び生物活性ガラスからなる群から選択される、請求項11に記載のアンカーシステム。
【請求項13】
本体がクエン酸エステル系ポリマーを含む、請求項1に記載のアンカーシステム。
【請求項14】
出部が骨腔と係合して動きに抵抗する、請求項1に記載のアンカーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筋骨格及び他の解剖学的固定用途に使用するためのアンカーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の骨アンカーは一般に、骨基質内にねじ込まれ又は圧入される固定形状に依存しており、これによりアンカー配置部を取り囲む領域に応力がかかる。この応力があると外科医はアンカーをきわめて近接させて配置することができず、適切に初期固定するためには骨質が高密度である必要がある。また骨は均質なものではなく、従来の固定形状アンカー(fixed geometry anchors)の場合、アンカーが骨に対して緊密に加圧されず、それにより界面がより弱くなり得る領域がいくつか存在する可能性がある。本開示は、従来技術の制限/欠点を克服する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、体内で使用するための、例えば腱若しくは靭帯を骨に固着するための、2つ以上の骨部分を固着するための、又は胸骨切開を閉鎖するためのアンカーシステムを提供することである。開示したアンカーシステムのその他の使用は、当業者には明らかであろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
開示したアンカーシステムは、有利にはクエン酸エステル系生分解性複合材料から製造し、中実(又は実質的に中実)の事前に製造された遠位部分(すなわち、アンカー部品)を備えることができる。アンカー部品は、アンカーの移動に抵抗する1つ以上の突出部/延長部を外面上に備え又は画定してもよい。開示した突出部/延長部は、限定されるものではないが、とげ、刻み目、ねじ山、前述のものの組合せ、又は1つ若しくはいくつかの方向の動きに抵抗するよう設計された様々なサイズ及び外形の他の特徴部を備えることができる。アンカー部品は、例えば限定されるものではないが、円筒形の、円錐形の又は面(例えば六角形、三角形、正方形、若しくはその他)を有する、様々な形状で製造することができる。
【0005】
さらに、アンカー部品には、1つ以上の縫合糸又は縫合糸若しくはケーブル付加用の容器を組み込むことができる。
【0006】
アンカー部品を固定部位に導入する前又は後に、アンカー部品周囲の骨のあらゆる空隙又は開口部を充填し、その固定を改善するために、その場で硬化可能なクエン酸エステル系生分解性複合材料を導入してもよい。生分解性複合材料は固定部位、例えば粘性ゲルへの送達時に、流動性があり、その流動性により、そうでなければ到達できない(かつ、外科医にとって潜在的に未知である)と考えられる空隙への送達が容易になる。注目すべきは、開示された生分解性複合材料を、アンカーを固定部位内に配置する前、アンカーを固定部位内に配置した後、又はそれらの組合せ(すなわち、アンカーを送達する前及び後の両方)にて、固定部位に導入してもよいということである。
【0007】
いくつかの実施形態では、本発明は、骨に対してデバイスを体内で固着する方法であって、
a.骨腔を創設する工程、
b.複合材料を骨腔に導入する工程、及び
c.アンカー部品を骨腔内に挿入する工程
を含み、アンカー部品により複合材料が骨の小さな隙間に押し込まれる、方法を対象とする。
【0008】
いくつかの態様では、アンカー部品は1つ以上の突出部を画定する。いくつかの態様では、アンカー部品の前に複合材料を骨腔内に導入する。いくつかの態様では、複合材料の前にアンカー部品を骨腔内に挿入する。
【0009】
いくつかの実施形態では、複合材料は、例えば、ポリ(1,8-オクタンジオール-シトレート)(POC)、メタクリレート化POC(mPOC)、架橋ウレタンドープポリエステル(CUPE)、生分解性フォトルミネセンスポリマー(BPLP)、二重架橋性ポリ(アルキレンマレエートシトレート)(PAMC)、及びクリック可能なPOC系エラストマー(POC-Click)からなる群から選択されるクエン酸エステル系ポリマーを含む。いくつかの態様では、クエン酸エステル系ポリマーは、クエン酸、ジオールモノマー及び二重結合提示モノマーを一緒に反応させることで製造されている。一実施形態では、複合材料は、ポリ(アルキレンマレエートシトレート)(PAMC)を含む。
【0010】
いくつかの態様では、複合材料はリン酸カルシウムをさらに含む。いくつかの実施形態では、リン酸カルシウムはバイオセラミックの一部である。さらなる実施形態では、バイオセラミックは、ヒドロキシアパタイト(HA)、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)及び生物活性ガラスからなる群から選択される。
【0011】
いくつかの実施形態では、複合材料は、例えば重縮合反応又はフリーラジカル重合によりその場で架橋される。
【0012】
いくつかの実施形態では、複合材料は生分解性である。
【0013】
いくつかの態様では、アンカー挿入器によりアンカー部品を骨腔内に挿入する。いくつかの実施形態では、複合材料は硬化し、骨及びアンカー部品を係合する。いくつかの実施形態では、複合材料をアンカー部品の下及びアンカー部品の上に塗布する。いくつかの実施形態では、突出部により複合材料が加圧される。
【0014】
本発明のいくつかの態様では、アンカー部品は、例えば、ポリ(1,8-オクタンジオール-シトレート)(POC)、メタクリレート化POC(mPOC)、架橋ウレタンドープポリエステル(CUPE)、生分解性フォトルミネセンスポリマー(BPLP)、二重架橋性ポリ(アルキレンマレエートシトレート)(PAMC)、及びクリック可能なPOC系エラストマー(POC-Click)からなる群から選択されるクエン酸エステル系ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、クエン酸エステル系ポリマーは、クエン酸、ジオールモノマー及び二重結合提示モノマーを一緒に反応させることで製造されている。ある特定の実施形態では、アンカー部品はポリ(アルキレンマレエートシトレート)(PAMC)を含む。
【0015】
いくつかの態様では、アンカー部品はリン酸カルシウムをさらに含む。さらなる実施形態では、リン酸カルシウムはバイオセラミックの一部であり、例えばヒドロキシアパタイト(HA)、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)及び生物活性ガラスからなる群から選択してもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、アンカー部品及び複合材料は全体的に又は部分的に、同じ材料から作製される。
【0017】
いくつかの実施形態では、本発明はまた、
a.本体、及び
b.本体から延在する突出部
を備え、突出部が骨腔と係合して動きに抵抗する、アンカー部品デバイスを提供する。
【0018】
いくつかの実施形態では、本体は円筒形である。いくつかの実施形態では、本体には面がある。いくつかの態様では、突出部の断面直径は本体の断面直径よりも大きい。いくつかの実施形態では、3つの突出部がある。いくつかの実施形態では、本体は中実である。
【0019】
いくつかの態様では、アンカー部品はカニューレを画定する。いくつかの態様では、本体は交差孔を備える。いくつかの態様では、本体は縫合糸と相互作用する。
【0020】
いくつかの実施形態では、本発明のアンカー部品は、例えば、ポリ(1,8-オクタンジオール-シトレート)(POC)、メタクリレート化POC(mPOC)、架橋ウレタンドープポリエステル(CUPE)、生分解性フォトルミネセンスポリマー(BPLP)、二重架橋性ポリ(アルキレンマレエートシトレート)(PAMC)、及びクリック可能なPOC系エラストマー(POC-Click)からなる群から選択されるクエン酸エステル系ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、クエン酸エステル系ポリマーは、クエン酸、ジオールモノマー及び二重結合提示モノマーを一緒に反応させることで製造されている。ある特定の実施形態では、アンカー部品はポリ(アルキレンマレエートシトレート)(PAMC)を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、アンカー部品はリン酸カルシウムをさらに含む。さらなる実施形態では、リン酸カルシウムはバイオセラミックの一部である。別の態様では、バイオセラミックは、ヒドロキシアパタイト(HA)、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)及び生物活性ガラスからなる群から選択される。
【0022】
開示したアンカーシステムのその他の特徴、機能、及び有益性は本明細書に記載され、添付の図面と併せて検討される場合にさらに理解されるであろう。
【0023】
同様の参照番号が同様の特徴部を示す添付図面を考慮して以下の説明を参照することによって、本開示及びその利点に関するより完全な理解が得られ得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本開示に係る例示的なアンカー部品の正面図である。
図2A】本開示に係る固定部位を示す図である。
図2B】本開示に係る、アンカー部品の導入前に固定部位内に導入されるクエン酸エステル系生分解性複合材料を示す図である。
図2C】本開示に係る、固定部位に導入され、クエン酸エステル系生分解性複合材料と相互作用する例示的なアンカー部品を示す図である。
図2D】本開示に係る、固定部位にさらに導入され、クエン酸エステル系生分解性複合材料とさらに相互作用するアンカー部品を示す図である。
図2E】本開示に係る、分散したクエン酸エステル系生分解性複合材料と固定部位内で相互作用する完全に挿入されたアンカー部品を示す図である。
図3】本開示に係る、固定部位に完全に挿入された例示的なアンカー部品、及びアンカー部品の上に導入されたクエン酸エステル系生分解性複合材料を示す図である。
図4】本開示に係る、固定部位内でクエン酸エステル系生分解性複合材料によって囲まれた例示的なアンカー部品を示す図である。
図5】本開示に係る、カニューレ挿入部特徴部及び交差孔特徴部を備えた例示的なアンカー部品の正面等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照すると、例示的なアンカー部品10はその遠位端に実質的に円錐形の特徴部12を画定する細長い要素の形態をとる。円錐形特徴部12は、アンカー部品10を固定部位に対して配置し、位置調整するよう機能する。円錐形特徴部12は、アンカー部品10の本体11と一体として形成してもよく、又は本体11に取り付けてもよい。円錐形特徴部12の先細り部分は、本体11の直径よりも小さい直径にまで変化する。別の態様では、整列特徴部12の直径は本体11の近位部分の直径と実質的に等しい。
【0026】
図1に示す例示的実施形態では、本体11は円筒形(又は実質的に円筒形)である。しかし本体11は、例えば限定されるものではないが、円錐形の又は面(例えば六角形、三角形、正方形、若しくはその他)を有する、様々な形状で製造し得る。
【0027】
例示的実施形態では、少なくとも1つの突出部14を本体11の外側に画定する。突出部14は、本体11の隣接部分の断面直径よりも断面直径が大きな、実質的に円錐形でもよい。突出部14は、固定部位の側面を、1つ又はいくつかの方向の動きに抵抗するよう機能する端部15に係合する。図1の例示的実施形態では、別個の突出部を3つ、本体11の軸に沿って画定し、固定部位内でのアンカー部品10の固定を強化する。図1の例示的実施形態では複数の突出部は同じ寸法であるが、当業者には明らかなように、突出部は異なる直径であってよい。
【0028】
別の実施形態では、当業者には明らかなように、突出部14はとげ、刻み目、ねじ山、又は他の特徴部を画定してもよい。上記のように、突出部14の数は手術要件に応じて変化し得る(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15)。一実施形態では、図1に示すように、少なくとも1つの突出部14が本体11の周囲に延在する。別の実施形態では、少なくとも1つの突出部14が本体11の円周部付近に部分的に延在する。突出部14は本体11に取り付けた別個の部品とすることができ、又は本体11と共に作製した(例えば、一体成形した)特徴部とすることができる。突出部14により、固定部位内が確実に密封され、かつ、さらに生分解性複合材料(以下で論じる)が確実に最大限加圧される。
【0029】
本発明のアンカー部品、例えばアンカー部品10は、当業者には明らかであろう様々な材料から製造することができる。複合材料の製造に好適な例示的材料としては、ポリマー又はポリマー複合材料を挙げ得る。例示的実施形態では、ポリマーはクエン酸エステル系ポリマーであってよい。
【0030】
本発明で使用する場合、用語「クエン酸エステル系ポリマー」とは、クエン酸をジオールモノマーと反応させ、加水分解性のエステル結合を含む主鎖を有するポリマーを生成することにより製造されるポリマー化合物を意味する。シトレート及びジオールモノマーとの間の例示的な反応を以下のスキーム1に図示し、ここでHO-R-OHは一般的なジオールモノマーを表す。
【0031】
【化1】
【0032】
ジオールモノマーは、ジオール部分を含み、シトレートと反応してクエン酸エステル系ポリマーを生成することができる任意の有機物質でもよい。例えば、ジオールモノマーは4~12個の炭素を含む脂肪族ジオールでもよい。一実施形態では、ジオールモノマーはオクタンジオールである。別の実施形態では、ジオールモノマーはドデカンジオールである。
【0033】
いくつかの実施形態では、クエン酸エステル系ポリマーは、クエン酸、ジオールモノマー及び二重結合提示モノマー、例えば不飽和二酸を一緒に反応させることで製造し得る。クエン酸エステル系ポリマーの製造に有用な不飽和二酸は、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸又は塩化フマリルを含んでよい。1つの特定の実施形態では、ジオールはポリ(エチレングリコール)を含んでもよく、不飽和二酸は無水マレイン酸を含んでもよい。別の特定の実施形態では、クエン酸エステル系ポリマーを製造するのに有用なクエン酸は、ビニル基含有モノマー、例えば、塩化アクリロイル又は二重結合含有アルコールでキャップされていてもよい。二重結合提示モノマーを介してポリマー主鎖に導入する又はポリマー主鎖のペンダント鎖上に位置する二重結合は、穏和な条件下で、例えばフリーラジカル重合を使用することにより又はイオン架橋により、ポリマーネットワークの形成を可能にする。いくつかの実施形態では、ポリマーネットワーク形成は、二重結合提示モノマー及び/又は遊離のカルボン酸とクエン酸エステル系ポリマー中に存在するヒドロキシル基との間の反応により形成される。
【0034】
用語「クエン酸エステル系ポリマー」は、例えば、Tran et al., Citrate-Based Biomaterials and Their Applications in Regenerative Engineering, Annu. Rev. Mater. Res. 2015, 45:277-310、米国特許第7,923,486号、米国特許第8,530,611号、米国特許第8,574,311号、米国特許第8,613,944号、米国特許第8,911,720号、米国特許第9,145,467号、米国特許第9,492,477号、米国公開第2013/0217790号、米国公開第2016/0075822号、米国公開第2016/0137776号、米国公開第2016/0106878号及び米国公開第2016/0199541号に記載されるような任意のクエン酸エステル系生体材料(CBE)を包含し、各々の全内容は、参考として本明細書に組み込まれる。例えば、クエン酸エステル系ポリマーはポリ(1,8-オクタンジオール-シトレート)(POC)、メタクリレート化POC(mPOC)、架橋ウレタンドープポリエステル(CUPE)、生分解性フォトルミネセンスポリマー(BPLP)、二重架橋性ポリ(アルキレンマレエートシトレート)(PAMC)、又はクリック可能なPOC系エラストマー(POC-Click)でもよい。
【0035】
本発明のアンカー部品、例えばアンカー部品10はまた、クエン酸エステル系ポリマー及びリン酸カルシウムを含む複合材料から製造してもよい。本発明のアンカー部品中に存在するリン酸カルシウムは、遊離のリン酸カルシウム又はバイオセラミックの一部の形態でもよい。いくつかの実施形態では、本発明のアンカー部品中に存在するリン酸カルシウムは、例えばAmbard et al., Journal of Prosthodontics, Vol. 15, No. 5, pp. 321-328に記載されているリン酸カルシウムセメント(CPC)の一部であり、その全内容は、参考として本明細書に組み込まれる。本発明のアンカー部品に含まれ得る例示的なバイオセラミックは、ヒドロキシアパタイト(HA)、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)及び生物活性ガラスでもよい。本発明で使用する場合、用語「生物活性ガラス」とは、SiO2、CaO、Na2O、及びP2O5のうちの1種以上を含むガラスセラミック生体材料のグループを意味する。用語「生物活性ガラス」に含まれるガラスセラミック生体材料の例示的で非限定的な組成を以下の表1に記載する。
【0036】
【表1】
【0037】
本発明のアンカー部品、例えばアンカー部品10は、クエン酸エステル系ポリマーを含む組成物から所望の形状に成形してもよい。さらに、本発明のアンカー部品、例えば部品10には、1つ以上の縫合糸及び/若しくはケーブル、並びに/又は縫合糸若しくはケーブルと協働するための容器を組み込むことができる。
【0038】
本発明のアンカー部品、例えばアンカー部品10の例示的な用途は、以下の図面及び関連の説明からより明らかになるであろう。
【0039】
本発明のアンカー部品に加えて、本発明の硬化性複合材料、例えばクエン酸エステル系生分解性複合材料を固定部位内に導入してもよい。図2パネルA~Eではとりわけ、クエン酸エステル系生分解性複合材料108及びアンカー部品10を固定部位103に導入することを含む例示的な方法を図示する。特に図2パネルAを参照すると、手術領域100は、受容骨102及び固定部位103を含む。固定部位103は一般に、アンカー部品(図2パネルAには示されていない)を収容するために準備された穴又は骨腔を画定する。穴103の正確な直径は手術要件次第であるが、穴103はアンカー部品の突出部の断面よりも小さくも大きくもできる。受容骨102は、実質的に多孔質、例えば海綿骨であり得る。固定部位103の側面104及び底面106により、アンカー部品を挿入するための画定された範囲及び硬化性複合材料(図2パネルAには示されていない)を受け入れるための経路が確立される。
【0040】
本発明の硬化性複合材料は、注入によって固定部位に導入してもよい。例えば図2パネルBを参照すると、クエン酸エステル系生分解性複合材料108を注入シリンジ110によって固定部位103に導入する。本発明の硬化性複合材料、例えば複合材料108は、当業者には明らかであろう様々な材料から製造してもよい。複合材料の製造に好適な例示的材料としては、ポリマー又はポリマー複合材料を挙げ得る。例示的実施形態では、ポリマーは上記のようなクエン酸エステル系ポリマーでもよい。例えば、本発明のクエン酸エステル系生分解性複合材料に含まれるクエン酸エステル系ポリマーは、ポリ(1,8-オクタンジオール-シトレート)(POC)、メタクリレート化POC(mPOC)、架橋ウレタンドープポリエステル(CUPE)、生分解性フォトルミネセンスポリマー(BPLP)、二重架橋性ポリ(アルキレンマレエートシトレート)(PAMC)、又はクリック可能なPOC系エラストマー(POC-Click)でもよい。本発明の硬化性複合材料、例えば複合材料108はまた、クエン酸エステル系ポリマー及びリン酸カルシウムを含む複合材料から製造してもよい。本発明の硬化性複合材料中に存在するリン酸カルシウムは、遊離のリン酸カルシウム又はバイオセラミックの一部の形態でもよい。いくつかの実施形態では、本発明のアンカー部品中に存在するリン酸カルシウムは、リン酸カルシウムセメント(CPC)の一部である。本発明のアンカー部品に含まれ得る例示的なバイオセラミックは、ヒドロキシアパタイト(HA)、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)又はバイオガラスである。
【0041】
本発明の硬化性複合材料、例えば複合材料108を、骨102の小柱構造内の小さく不規則な開口部を充填して固定を補強するために骨腔103内に導入してもよい。導入する複合材料108の具体的な量は一般に固定部位103の体積次第であるが、固定部位103を実質的に充填するのに十分な量の複合材料108が好ましい。
【0042】
本発明の複合材料、例えば複合材料108は、配合物に含まれるバイオセラミック含有量及び/又はポリマーの化学構造に応じた様々な粘度の配合物から調製してもよい。粘度は、実質的に流動性のあるものから、実質的に粘稠な(例えば蜂蜜の粘度)ものまでの範囲のものでよく、場合によってはパテと同様の柔らかいものでもよい。いくつかの実施形態では、本発明のアンカー部品、例えばアンカー部品10、及び本発明の硬化性複合材料、例えば複合材料108は、アンカー/複合材料の機械的特性及び劣化特性をその場で相乗作用させるため、同じ配合のポリマー若しくはポリマー複合材料、異なったセラミック含有量のもの、又は開示したクエン酸エステルポリマー系材料を変化させたものから製造することができる。
【0043】
図2パネルC~Eを参照すると、アンカー部品10を骨腔103内に動かす/導入するにつれ、アンカー部品10は硬化性複合材料108を加圧し、受容骨102の小さな隙間内に圧力をかけて押し込む。特に図2パネルEを参照すると、加圧された硬化性複合材料108は最小抵抗の経路に沿って流れ、そこで骨腔103を取り囲む領域を補強し、かつ骨102と互いに組み合う。一旦架橋されると、複合材料108は部品10を骨102に固着するよう機能し、固定をより強くする。実際、複合材料108がその場で一旦架橋又は硬化されると、複合材料はより大きな領域にわたって負荷を分散して受容骨102を補強し、大きな表面積を提供してアンカー部品10を除去するのに必要な引き抜き力を最大にし、かつ固定をより強くすることができる。
【0044】
複合材料108は、熱を使用する重縮合、赤外線(IR)、紫外線(UV)、化学的な還元-酸化(レドックス)、若しくは超音波により開始されるエネルギー源を使用してフリーラジカル重合を活性化させるフリーラジカル重合、又はイオン架橋により架橋してもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本発明の複合材料108における架橋は、二重結合提示モノマーと遊離のカルボキシル基(carboxylic groups)及び/又は複合材料の調製に使用するクエン酸エステル系ポリマー中に存在するクエン酸におけるヒドロキシル基との間の反応により達成される。複合材料108を架橋するためのその他の方法は、当業者には明らかであろう。
【0045】
固定部位103内を確実に密封し、かつ固定部位103内に適合するようにアンカー10の突出部を設計して、複合材料108が確実に最大限加圧されるようにすることができる。
【0046】
本発明の別の実施形態では、図3を参照すると、手術領域200は受容骨102及び骨腔(隠れている)を含む。この実施形態では、アンカー部品10をアンカー挿入器202によって骨腔内に挿入し、次に硬化性複合材料108をアンカー部品10の上に塗布する。一実施形態では、硬化性複合材料108がアンカー部品10の脇を流れることができるよう、骨腔をアンカー部品10の突出部の断面よりも大きくすることができる。別の実施形態では、硬化性複合材料108がアンカー部品10を貫流することができるよう、アンカー部品10は1つ以上の交差孔を備えることができる。
【0047】
別の実施形態では、骨腔はアンカー部品10の突出部の断面よりもわずかに小さい。アンカー部品10は骨腔内に圧入されて密封を作り出し、硬化性複合材料108はアンカー部品10の上面及び受容骨102の骨腔外縁との間の隙間をさらに封じるよう機能する。
【0048】
別の実施形態では、アンカー部品10を配置した後、アンカー挿入器202にカニューレを挿入して複合材料108をアンカーの後部に送達し、アンカー部品10を受容骨102内に固定化することができるよう、アンカー挿入器202及び注入シリンジ110を同一の器具とすることができる。
【0049】
上述のように、一旦その場で架橋又は硬化すると、硬化性複合材料108は一般にかつ有利には受容骨102と一体化して負荷を分散させる。
【0050】
図4を参照すると、本開示の別の例示的実施形態では、手術領域300は受容骨102及び骨腔(隠れている)を含む。この実施形態は、図2A~2E及び図3の例示的実施形態に関して上述したいくつかの特徴/機能を組み合わせたものである。図4の実施形態では、硬化性複合材料108を注入シリンジ110により骨腔内に導入し、次にアンカー部品10を骨腔内に挿入し、その後、硬化性複合材料をアンカー部品10の上に追加で塗布する。
【0051】
アンカー部品10をアンカー挿入器202により骨腔内に押し出すにつれ、アンカー部品10は硬化性複合材料108を加圧し、圧力により受容骨102の小さな隙間内に押し込む。加圧された硬化性複合材料108は最小抵抗の経路に沿って流れ、そこで骨腔103を取り囲む領域を補強し、骨102と互いに組み合い、一旦架橋されると骨102に固着されて固定をより強くする。硬化性複合材料108がその場で一旦架橋又は硬化すると、複合材料はより大きな領域にわたって負荷を分散して受容骨102を補強し、大きな表面積を提供してアンカーを抜き取るのに必要な引き抜き力を最大にし、固定をより強くすることができる。
【0052】
上記のように、本発明の硬化性複合材料、例えば複合材料108は、熱を使用する重縮合及び/又は赤外線(IR)、紫外線(UV)、化学的な還元-酸化(レドックス)、若しくは超音波により開始されるエネルギー源を使用してフリーラジカル重合を活性化させるフリーラジカル重合により架橋させてよく、その他の方法は当業者には明らかであろう。さらに、固定部位103内を確実に密封し、かつ固定部位103内に適合するようにアンカー10の突出部を設計して、複合材料108が確実に最大限加圧されるようにすることができる。アンカー部品10を一旦骨腔内に完全に挿入し、追加量の硬化性複合材料108をアンカー部品10の上に塗布して、それによりアンカー部品10の上面及び受容骨102の骨腔外縁との間の隙間を封じる。
【実施例
【0053】
以下の実施例は、開示したアンカーシステム及び関連する複合材料の使用方法の非限定的なリストであり、その他の使用は、当業者には明らかであろう。アンカー/複合材料の組合せは、腱若しくは靭帯を骨に近づけるための縫合糸を締め付けるために、2つ以上の骨部分、例えば骨折した鎖骨を互いに近づけるために、又は胸骨切開を閉鎖するために使用することができる。アンカー/複合材料の組合せはまた、プレートを固定するためのポップリベットとして、又は融合/治癒を安定化し、補助するために部位全体に圧縮を加えるためのボタン(button)として使用できる。
【0054】
図5を参照すると、例示的なアンカー部品400は、固定部位に対してアンカー部品400を配置し、位置調整する実質的に円錐形の特徴部402を備える。円錐形特徴部402は本体401に取り付けても、又は本体と共に一体として形成してもよく、一般に円錐形特徴部に対して近位の本体401の直径よりも小さい直径にまで先細りになっている。別の実施形態では、円錐形特徴部402の直径は本体401の他部分の直径と実質的に等しい。この実施形態では、本体401は円筒形であるが、本体401は、例えば限定されるものではないが、円錐形の又は面(例えば六角形、三角形、正方形、又はその他)を有する、様々な形状で製造することができる。本体401の外側には、本体401の隣接部分の断面直径よりも断面直径が大きな、実質的に円錐形の突出部404を少なくとも1つ配置する。突出部404は、固定部位の側面を、1つ又はいくつかの方向の動きに抵抗するよう機能する端部406に係合する。
【0055】
別の実施形態では、当業者には明らかなように、突出部404はとげ、刻み目、ねじ山、又は他の特徴部とすることができる。突出部404の数は手術要件に応じて変化させることができる(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15)。一実施形態では、図5に示すように、少なくとも1つの突出部404が本体401の周囲に延在する。別の実施形態では、少なくとも1つの突出部404が本体401の円周部付近に部分的に延在する。突出部404は本体401に取り付けた別個の部品とすることができ、又は本体401と共に作製した(例えば、本体と一体成形した)特徴部とすることができる。突出部404により、固定部位内が確実に密封され、かつ、さらに複合材料が確実に最大限加圧される。アンカー部品400は、セラミック、ポリマー、又はポリマー複合材料を含むがこれらに限定されない様々な材料から製造することができるが、その他の材料は当業者には明らかであろう。
【0056】
アンカー部品400はカニューレ挿入部412及び交差孔410を備えた状態で設計でき、硬化性ポリマーがそれを貫流し、その中心から放射状に広がり周囲の解剖学的構造と互いに組み合うようにすることができる。さらに、硬化性材料をアンカー部品400用の骨腔内に最初に注入し、次に続けてアンカーを挿入することができる。こうすると、固定を強化するため、硬化性材料を海綿骨層内で加圧することになる。例示的実施形態では、アンカー部品400、カニューレ挿入部412及び交差孔410は、有利にはアンカー部品400を所定位置に配置した後に硬化性ポリマーを導入するよう機能し、それによって硬化性生分解性ポリマーをその場で、アンカー部品400の前方で、全長に沿って及び後方で固定することができる。硬化性ポリマーの粘度は、必要に応じて流れを所望の臨床位置に到達させるのに十分なほど低い。さらに、アンカー部品400には、縫合糸又はケーブルを追加する/縫合糸又はケーブルと相互作用するための、1つ以上の縫合糸及び/又は容器を組み込むことができる。
【0057】
本開示は、例示的な実施形態及びその実施を参照して説明されてきたが、本開示は、そのような例示的な実施形態/実施によって、又はそのような例示的な実施形態/実施に限定されない。むしろ、本明細書で開示されるデバイス、システム、及び方法を、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく修正、強化、及び/又は改良してもよい。
本発明は、以下の態様を含む。
[項1]
骨に対してデバイスを体内で固着する方法であって、
a.骨腔を創設する工程、
b.複合材料を骨腔に導入する工程、及び
c.アンカー部品を骨腔内に挿入する工程
を含み、アンカー部品により複合材料が骨の小さな隙間に押し込まれる、方法。
[項2]
アンカー部品が1つ以上の突出部を画定する、項1に記載の方法。
[項3]
アンカー部品の前に複合材料を骨腔内に導入する、項1に記載の方法。
[項4]
複合材料の前にアンカー部品を骨腔内に挿入する、項1に記載の方法。
[項5]
複合材料がクエン酸エステル系ポリマーを含む、項1に記載の方法。
[項6]
クエン酸エステル系ポリマーが、ポリ(1,8-オクタンジオール-シトレート)(POC)、メタクリレート化POC(mPOC)、架橋ウレタンドープポリエステル(CUPE)、生分解性フォトルミネセンスポリマー(BPLP)、二重架橋性ポリ(アルキレンマレエートシトレート)(PAMC)、及びクリック可能なPOC系エラストマー(POC-Click)からなる群から選択される、項5に記載の方法。
[項7]
クエン酸エステル系ポリマーは、クエン酸、ジオールモノマー及び二重結合提示モノマーを一緒に反応させることにより製造された、項5に記載の方法。
[項8]
複合材料がポリ(アルキレンマレエートシトレート)(PAMC)を含む、項7に記載の方法。
[項9]
複合材料がリン酸カルシウムをさらに含む、項5に記載の方法。
[項10]
リン酸カルシウムがバイオセラミックの一部である、項9に記載の方法。
[項11]
バイオセラミックが、ヒドロキシアパタイト(HA)、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)及び生物活性ガラスからなる群から選択される、項10に記載の方法。
[項12]
複合材料がその場で架橋される、項1に記載の方法。
[項13]
複合材料が重縮合反応により架橋される、項12に記載の方法。
[項14]
複合材料がフリーラジカル重合により架橋される、項12に記載の方法。
[項15]
複合材料が生分解性である、項1に記載の方法。
[項16]
アンカー挿入器によりアンカー部品を骨腔内に挿入する、項1に記載の方法。
[項17]
複合材料が硬化し、骨及びアンカー部品を係合する、項1に記載の方法。
[項18]
複合材料をアンカー部品の下及びアンカー部品の上に塗布する、項1に記載の方法。
[項19]
突出部が複合材料を加圧する、項2に記載の方法。
[項20]
アンカー部品がクエン酸エステル系ポリマーを含む、項1に記載の方法。
[項21]
クエン酸エステル系ポリマーが、ポリ(1,8-オクタンジオール-シトレート)(POC)、メタクリレート化POC(mPOC)、架橋ウレタンドープポリエステル(CUPE)、生分解性フォトルミネセンスポリマー(BPLP)、二重架橋性ポリ(アルキレンマレエートシトレート)(PAMC)、及びクリック可能なPOC系エラストマー(POC-Click)からなる群から選択される、項20に記載の方法。
[項22]
クエン酸エステル系ポリマーは、クエン酸、ジオールモノマー及び二重結合提示モノマーを一緒に反応させることにより製造された、項20に記載の方法。
[項23]
アンカー部品がポリ(アルキレンマレエートシトレート)(PAMC)を含む、項22に記載の方法。
[項24]
アンカー部品がリン酸カルシウムをさらに含む、項20に記載の方法。
[項25]
リン酸カルシウムがバイオセラミックの一部である、項24に記載の方法。
[項26]
バイオセラミックが、ヒドロキシアパタイト(HA)、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)及び生物活性ガラスからなる群から選択される、項25に記載の方法。
[項27]
アンカー部品及び複合材料が全体的に又は部分的に、同じ材料から作製される、項1に記載の方法。
[項28]
a.本体、及び
b.本体から延在する突出部
を備え、突出部が骨腔と係合して動きに抵抗する、
アンカー部品デバイス。
[項29]
本体が円筒形である、項28に記載のアンカー部品。
[項30]
本体に面がある、項28に記載のアンカー部品。
[項31]
突出部の断面直径が本体の断面直径よりも大きい、項28に記載のアンカー部品。
[項32]
3つの突出部がある、項28に記載のアンカー部品。
[項33]
本体が中実である、項28に記載のアンカー部品。
[項34]
カニューレを画定する、項28に記載のアンカー部品。
[項35]
本体が交差孔を備える、項28に記載のアンカー部品。
[項36]
本体が縫合糸と相互作用する、項28に記載のアンカー部品。
[項37]
クエン酸エステル系ポリマーを含む、項28に記載のアンカー部品。
[項38]
クエン酸エステル系ポリマーが、ポリ(1,8-オクタンジオール-シトレート)(POC)、メタクリレート化POC(mPOC)、架橋ウレタンドープポリエステル(CUPE)、生分解性フォトルミネセンスポリマー(BPLP)、二重架橋性ポリ(アルキレンマレエートシトレート)(PAMC)、及びクリック可能なPOC系エラストマー(POC-Click)からなる群から選択される、項37に記載のアンカー部品。
[項39]
クエン酸エステル系ポリマーは、クエン酸、ジオールモノマー及び二重結合提示モノマーを一緒に反応させることにより製造された、項37に記載のアンカー部品。
[項40]
ポリ(アルキレンマレエートシトレート)(PAMC)を含む、項39に記載のアンカー部品。
[項41]
リン酸カルシウムをさらに含む、項37に記載のアンカー部品。
[項42]
リン酸カルシウムがバイオセラミックの一部である、項41に記載のアンカー部品。
[項43]
バイオセラミックが、ヒドロキシアパタイト(HA)、β-リン酸三カルシウム(β-TCP)及び生物活性ガラスからなる群から選択される、項42に記載のアンカー部品。

【符号の説明】
【0058】
10 アンカー部品
11 本体
12 円錐形特徴部
14 突出部
15 端部
103 骨腔(固定部位)
108 複合材料
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4
図5