(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
C08L 9/06 20060101AFI20240311BHJP
C08L 7/00 20060101ALI20240311BHJP
C08L 9/00 20060101ALI20240311BHJP
C08K 3/36 20060101ALI20240311BHJP
C08L 91/00 20060101ALI20240311BHJP
C08L 93/04 20060101ALI20240311BHJP
C08L 45/00 20060101ALI20240311BHJP
C08L 61/10 20060101ALI20240311BHJP
C08K 5/39 20060101ALI20240311BHJP
C08K 5/548 20060101ALI20240311BHJP
B60C 1/00 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
C08L9/06
C08L7/00
C08L9/00
C08K3/36
C08L91/00
C08L93/04
C08L45/00
C08L61/10
C08K5/39
C08K5/548
B60C1/00 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020014391
(22)【出願日】2020-01-31
【審査請求日】2023-01-05
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513158760
【氏名又は名称】ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100104374
【氏名又は名称】野矢 宏彰
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム・ジョエル・ダニエル・デルビル
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・ジーン-マリー・カエス
(72)【発明者】
【氏名】パスカル・パトリック・シュタイナー
(72)【発明者】
【氏名】カルロ・カンツ
【審査官】西山 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-052883(JP,A)
【文献】特開2012-052028(JP,A)
【文献】国際公開第2016/111331(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00- 13/08
B60C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加硫性ゴム組成物を特徴とする空気入りタイヤであって、前記加硫性ゴム組成物が、
ゴム重量を基準にして30~50重量パーセントの結合スチレン含有率と10~30重量パーセントのビニル1,2含有率、および-40℃~-20℃の範囲のTgを有するスチレン-ブタジエンゴム75~85phr;
天然ゴムまたは合成ポリイソプレン0~25phr;
-110℃~-90℃のTgを有するシス-1,4ポリブタジエン0~20phr;
シリカ100~150phr;
ポリテルペン樹脂、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂およびロジン酸
樹脂を含む、組み合わせた樹脂20~40phr;
油30~60phr;
硫黄含有有機ケイ素化合物5~25phr
を含む、空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記ゴム組成物が、1,6-ビス(N,N’ジベンジルチオカルバモイルジチオ)-ヘキサン0.5~5phrを含むことを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記硫黄含有有機ケイ素化合物が、3-(オクタノイルチオ)-1-プロピルトリエトキシシランおよびビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドを含むことを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記ゴム組成物が、天然ゴム15~25phrを含むことを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記ゴム組成物が、天然ゴム5~15phrおよびシス-1,4ポリブタジエン5~15phrを含むことを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記ポリテルペン樹脂が、アルファピネン樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項7】
前記アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂がオクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項8】
前記組み合わせた樹脂が、ポリテルペン樹脂20~30phr、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂1~10phrおよびロジン酸
樹脂1~5phrを含むことを特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
タイヤが良好なウェットスキッド抵抗、低い転がり抵抗および良好な摩耗特性を有することは非常に望ましい。ウェットスキッド抵抗および牽引特性を犠牲にすることなく、タイヤの摩耗特性を改善するのは従来非常に困難であった。これらの性質は、タイヤを製造する際に用いられるゴムの動的粘弾性に大いに依存する。
【0003】
転がり抵抗を減少させてタイヤのトレッド摩耗特性を改善するために、高反発性のゴムが、タイヤトレッドゴムコンパウンドを製造する際に従来から利用されてきた。他方、タイヤのウェットスキッド抵抗を上げるために、大きいエネルギー損を受けるゴムが、一般にタイヤのトレッドに利用されてきた。これら2つの粘弾性的に一致しない性質のバランスを取るために、様々な種類の合成と天然ゴムの混合物が通常、タイヤトレッドに利用されている。例えば、スチレン-ブタジエンゴムとポリブタジエンゴムとの様々な混合物が、一般に自動車タイヤトレッド用のゴム系材料として使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第4,843,120号
【文献】米国特許第5,137,998号
【文献】米国特許第5,047,483号
【文献】米国特許第5,272,220号
【文献】米国特許第5,239,009号
【文献】米国特許第5,061,765号
【文献】米国特許第5,405,927号
【文献】米国特許第5,654,384号
【文献】米国特許第5,620,939号
【文献】米国特許第5,627,237号
【文献】米国特許第5,677,402号
【文献】米国特許第6,103,842号
【文献】米国特許第6,559,240号
【文献】米国特許第5,504,135号
【文献】米国特許第6,103,808号
【文献】米国特許第6,399,697号
【文献】米国特許第6,410,816号
【文献】米国特許第6,248,929号
【文献】米国特許第6,146,520号
【文献】米国特許出願公開第2001/00023307号
【文献】米国特許出願公開第2002/0000280号
【文献】米国特許出願公開第2002/0045697号
【文献】米国特許出願公開第2001/0007049号
【文献】欧州特許出願公開第0839891号
【文献】特開2002097369号
【文献】スペイン特許第2122917号
【文献】米国特許第7,214,731号
【文献】米国特許第4,704,414号
【文献】米国特許第6,123,762号
【文献】米国特許第6,573,324号
【文献】米国特許第6,608,125号
【非特許文献】
【0005】
【文献】the Institute of Petroleum, United Kingdomによって発行された、Standard Methods for Analysis & Testing of Petroleum and Related Products and British Standard 2000 Parts, 2003年、62版
【文献】“Rosin and Rosin Derivatives”Encyclopedia of Chemical Technology, Second Edition, 1968、475~508頁
【文献】Journal of the American Chemical Society、60巻、304頁(1930年)
【文献】The Vanderbilt Rubber Handbook(1978), 344~346頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、加硫性ゴム組成物を含むトレッドを有する空気入りタイヤであって、エラストマー100重量部(phr)当たりの重量部として表して、
ゴム重量を基準にして30~50重量パーセントの結合スチレン含有率と10~30重量パーセントのビニル1,2含有率、および-40℃~-20℃の範囲のTgを有するスチレン-ブタジエンゴム75~85phr;
天然ゴムまたは合成ポリイソプレン0~25phr;
-110℃~-90℃のTgを有するシス-1,4ポリブタジエン0~20phr;
シリカ100~150phr;
ポリテルペン樹脂、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂およびロジン酸を含む、組み合わせた樹脂20~40phr;
油30~60phr;
硫黄含有有機ケイ素化合物5~25phr
を含む、空気入りタイヤを対象とする。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、加硫性ゴム組成物を含むトレッドを有する空気入りタイヤであって、エラストマー100重量部(phr)当たりの重量部として表して、
ゴム重量を基準にして30~50重量パーセントの結合スチレン含有率と10~30重量パーセントのビニル1,2含有率、および-40℃~-20℃の範囲のTgを有するスチレン-ブタジエンゴム75~85phr;
天然ゴムまたは合成ポリイソプレン0~25phr;
-110℃~-90℃のTgを有するシス-1,4ポリブタジエン0~20phr;
シリカ100~150phr;
ポリテルペン樹脂、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂およびロジン酸を含む、組み合わせた樹脂20~40phr;
油30~60phr;
硫黄含有有機ケイ素化合物5~25phr
を含む、空気入りタイヤを対象とする。様々な実施形態において、加硫ゴム組成物は、下記成分を有していてもよい:
【0008】
【0009】
語句「オレフィン性不飽和を含有するゴムまたはエラストマー」は、様々な合成ゴムだけでなく天然ゴムとその様々な未加工および再生形態の両方を含むように意図される。本発明の記載において、「ゴム」、「エラストマー」という用語は、他に規定されない場合は、交換可能に使用されてもよい。用語「ゴム組成物」、「配合ゴム」および「ゴムコンパウンド」は、様々な原料および材料とブレンドまたは混合されたゴムを指すために交換可能に使用され、そのような用語は、ゴム混合またはゴム配合技術の当業者に周知である。
【0010】
ゴム組成物の1つの成分は、スチレン-ブタジエンゴム、75~85phrであり、ここで、スチレン-ブタジエンゴムは、i)ゴム重量を基準にして30~50重量パーセントの結合スチレン含有率と10~40重量パーセントのビニル1,2含有率、および約-40℃~約-20℃のTgを有する溶液重合スチレン-ブタジエンゴムである。
【0011】
スチレン-ブタジエンゴムとして、適切な溶液重合スチレン-ブタジエンゴムは、例えば、オルガノリチウム触媒によって有機炭化水素溶媒の存在下で製造されてもよい。ゴム状ポリマーを製造するのに用いられる重合は、一般にモノマーを含む有機重合媒体にオルガノリチウム開始剤を添加することによって開始される。そのような重合は、一般に連続的な重合技法を使用して行なわれる。そのような連続的な重合において、モノマーおよび開始剤は、有機重合媒体に連続的に添加され、合成されたゴム状ポリマーは連続的に引き抜かれる。そのような連続的な重合は、一般に複数の反応器システムにおいて遂行される。適切な重合方法は、例えば、米国特許第4,843,120号;第5,137,998号;第5,047,483号;第5,272,220号;第5,239,009号;第5,061,765号;第5,405,927号;第5,654,384号;第5,620,939号;第5,627,237号;第5,677,402号;第6,103,842号;および第6,559,240号に開示されているように当業界で公知である。スチレン-ブタジエンゴムとして、適切な溶液重合スチレン-ブタジエンゴムは、TrinseoなどからのSE-SLR(登録商標)6430などのように市販されている。そのような溶液重合スチレン-ブタジエンゴムは、当業界で公知のように、スズまたはシリコンカップリングされていてもよい。一実施形態において、適切なSSBRは、少なくとも部分的にシリコンカップリングされていてもよい。
【0012】
ゴム組成物の別の成分は、天然ゴムまたは合成ポリイソプレン約0~約25phrである。一実施形態において、ゴム組成物は、天然ゴムまたは合成ポリイソプレン15~25phrを含む。一実施形態において、ゴム組成物は、天然ゴムまたは合成ポリイソプレン5~15phrを含む。
【0013】
ゴム組成物の別の成分は、ポリブタジエンゴムまたはポリブタジエン(BR)としても公知のシス-1,4ポリブタジエン0~約20phrである。一実施形態において、ゴム組成物は、シス-1,4ポリブタジエン5~15phrを含む。適切なポリブタジエンゴムは、例えば、1,3-ブタジエンの有機溶液重合によってリチウムまたはネオジム触媒を使用して調製されてもよい。BRは、好都合には、例えば、少なくとも90パーセントのシス1,4含有率、および-90~-110℃の範囲のガラス転移温度Tgを有することを特徴とすることができる。適切なブタジエンゴムは、例えばGoodyearからのBudene(登録商標)1223などのように、市販されている。
【0014】
本明細書において言及したエラストマーまたはエラストマー組成物のガラス転移温度またはTgへの言及は、エラストマー組成物の事例の未硬化状態またはことによると硬化状態におけるそれぞれのエラストマーまたはエラストマー組成物のガラス転移温度を表わす。Tgは、示差走査熱量計(DSC)によって、毎分10℃の昇温速度でピーク中央値として適切に求めることができる。
【0015】
ゴム組成物はまた、30~60phrのプロセスオイルを含んでもよい。プロセスオイルは、一般にエラストマーを増量するために使用される増量油としてゴム組成物に含まれてもよい。プロセスオイルはまた、ゴム配合時の油の直接添加によってゴム組成物に含まれていてもよい。使用されるプロセスオイルは、エラストマー中に存在する増量油、および配合時に加えられるプロセス油の両方に含まれてもよい。一実施形態において、ゴム組成物は低PCA油を含む。適切な低PCA油は、業界で公知である、軽度抽出溶媒和物(MES)、処理蒸留物芳香族系抽出物(TDAE)、残留芳香族系抽出物(RAE)、SRAE、および重質ナフテン油を含むがこれらに限定されない;例えば以下を参照すること:米国特許第5,504,135号;第6,103,808号;第6,399,697号;第6,410,816号;第6,248,929号;第6,146,520号;米国特許出願公開第2001/00023307号;第2002/0000280号;第2002/0045697号;第2001/0007049号;欧州特許出願公開第0839891号;特開2002097369号;スペイン特許第2122917号。
【0016】
適切な低PCA油は、IP346法によって求めて3重量パーセント未満の多環式芳香族含有率を有するものを含む。IP346法の手順は、the Institute of Petroleum, United Kingdomによって発行された、Standard Methods for Analysis & Testing of Petroleum and Related Products and British Standard 2000 Parts, 2003年、62版に見つけることができる。
【0017】
また、芳香族、パラフィン、ナフテンおよび植物油を含む他の油が使用されてもよい。
樹脂がゴム組成物中に使用されてもよく、一般に約20~約40phrの範囲の量で存在する。適切な樹脂は、アルファメチルスチレン樹脂、クマロン-インデン樹脂とクマロン樹脂の混合物を含むクマロン型樹脂、ナフテン油、フェノール樹脂ならびにロジンを含む。他の適切な樹脂は、フェノール-テルペン樹脂、例えばフェノール-アセチレン樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノール-ホルムアルデヒド樹脂、テルペン-フェノール樹脂、ポリテルペン樹脂、およびキシレン-ホルムアルデヒド樹脂を含む。さらに適切な樹脂は、石油炭化水素樹脂、例えば合成ポリテルペン樹脂;芳香族炭化水素樹脂;スチレンおよびアルファメチルスチレンの重合から得られた樹脂;脂肪族炭化水素樹脂;ジシクロペンタジエン樹脂などの脂肪族環状炭化水素樹脂;脂肪族芳香族系石油樹脂;水素化炭化水素樹脂;炭化水素粘着性樹脂;脂肪族脂環式石油樹脂;ロジン誘導体;およびテルペン樹脂を含む。一実施形態において、樹脂は、スチレンおよびアルファメチルスチレンのカチオン重合によって合成された炭化水素樹脂、ならびにクマロン-インデン樹脂から選択される。
【0018】
一実施形態において、樹脂は、ポリテルペン樹脂、アルキルフェノール-ホルムアルデヒド樹脂、およびロジン酸の組み合わせを含む。一実施形態において、樹脂は、ポリテルペン樹脂20~30phr、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂1~10phr、ロジン酸1~5phrを含む。
【0019】
適切なポリテルペン樹脂は、例えば、リモネン、アルファピネンおよびベータピネンの少なくとも1つ、約60℃~約160℃の範囲の軟化点を有するポリマーで構成されてもよい。一実施形態において、ポリテルペン樹脂は、115℃の軟化点(ASTMテスト方法E2858T)を有するアルファピネンのホモポリマーを含む、DRTからの樹脂Dercolyte A115である。
【0020】
様々なアルキルフェノール/ホルムアルデヒド樹脂の代表は、例えば、アルキルフェノールが、例えば、tert-オクチルフェノールまたはtert-ブチルフェノールで構成され、例えば、ホルムアルデヒドおよびそのようなアルキルフェノールの生成物などの樹脂である。tert-オクチルフェノールは、そのようなアルキルフェノール/ホルムアルデヒドゴム粘着付与樹脂用の最も一般的なアルキルフェノールであると考えられる。SI GroupからのSP-1068樹脂は、本明細書において非反応性のアルキルフェノール/ホルムアルデヒド樹脂として典型的な樹脂と考えられる。(パラ-tert-オクチルフェノールおよびホルムアルデヒドの反応生成物として形成されたパラ-tert-オクチルフェノール/ホルムアルデヒド樹脂)。
【0021】
シリカに富むゴム組成物中に使用するのに適しているロジン酸は、ガムロジン酸、ウッドロジン酸およびトール油ロジン酸、ならびに、その水素化および不均化形態を含み、これらは、当業者に周知である。例えば、Encyclopedia of Chemical Technology, Second Edition, 1968、475~508頁にある”Rosin and Rosin Derivatives”を参照すること。
【0022】
ロジン酸および誘導体に由来する樹脂が使用されてもよい。ゴムおよびウッドロジンはほとんど同じ組成を有するが、様々な異性体の量は様々であってもよい。それらは通常約10重量パーセントの中性材料、2個の二重結合を含有する53重量パーセントの樹脂酸、1個の二重結合を含有する13重量パーセントの樹脂酸、16重量パーセントの完全飽和樹脂酸および芳香環を含むが不飽和を含まない、2パーセントのデヒドロアビエチン酸を含む。また約6パーセントの酸化した酸が存在する。ジ不飽和酸の代表は、アビエチン酸、レボピマール酸およびネオアビエチン酸を含む。モノ不飽和酸の代表は、デキストロピマール酸およびジヒドロアビエチン酸を含む。代表的な飽和ロジン酸はテトラヒドロアビエチン酸である。
【0023】
加硫性ゴム組成物は、約100~約150phrのシリカを含んでもよい。ゴムコンパウンドにおいて使用されてもよい、一般に用いられる珪質顔料は、従来の火成および沈殿させた珪質顔料(シリカ)を含むが、沈殿されたシリカが好ましい。本発明において好ましく用いられる従来の珪質顔料は、例えば、可溶性ケイ酸塩、例えば、ケイ酸ナトリウムの酸性化によって得られたものなどの沈殿させたシリカである。
【0024】
そのような従来のシリカは、例えば窒素ガスを使用して測定して、好ましくは1グラム当たり約40~約600平方メートルの範囲、より普通には約50~約300平方メートルの範囲のBET表面積を有することを特徴とすることができる。表面積を測定するBET法は、Journal of the American Chemical Society、60巻、304頁(1930年)に記載されている。
【0025】
また従来のシリカは、通常、約100~約400、より普通には約150~約300の範囲のフタル酸ジブチル(DBP)吸収値を有することを特徴としてもよい。
従来のシリカは、例えば電子顕微鏡によって求めて0.01~0.05ミクロンの範囲の平均究極粒子寸法を有すると予想されてもよいが、シリカ粒子は、寸法がさらに小さくてよく、またはことによるとより大きくてもよい。
【0026】
様々な市販のシリカ、例えば本明細書において例示のみでありこれらに限定されないが、PPG Industriesからの名称210、243、315などを有するHi-Sil商標の下で市販されているシリカ;Rhodiaからの、例えばZ1165MPおよびZ165GRの名称を有する、入手可能なシリカ、およびDegussa AGから入手可能な、例えば名称VN2およびVN3を有するシリカなどが使用されてもよい。
【0027】
予備疎水化した沈降シリカが使用されてもよい。予備疎水化とは、シリカが前処理されていること、すなわち、予備疎水化沈降シリカが、ゴム組成物へのその添加に先立って少なくとも1種のシランでの処理によって疎水化されることを意味する。適切なシランは、アルキルシラン、アルコキシシラン、オルガノアルコキシシリルポリスルフィドおよびオルガノメルカプトアルコキシシランを含むがこれらに限定されない。代替として、ゴム内でシリカカップリング剤とインサイチューで沈降シリカを反応させる代わりにゴムと前処理されたシリカを混ぜ合わせる前に、沈降シリカは、例えば、アルコキシオルガノメルカプトシランまたはアルコキシシランとアルコキシオルガノメルカプトシランの組み合わせで構成されるシリカカップリング剤で前処理されてもよい。例えば、米国特許第7,214,731号を参照すること。様々な前処理された沈降シリカについては、例えば、米国特許第4,704,414号、第6,123,762号および第6,573,324号を参照すること。適切な前処理または予備疎水化したシリカは、例えばPPGからのAgilon 400のように市販されている。
【0028】
適切なカーボンブラックは、1~20phrの範囲で使用することができる。カーボンブラックの代表的な例は、N110、N121、N134、N220、N231、N234、N242、N293、N299、S315、N326、N330、M332、N339、N343、N347、N351、N358、N375、N539、N550、N582、N630、N642、N650、N683、N754、N762、N765、N774、N787、N907、N908、N990およびN991を含む。適切なカーボンブラックは、9~220g/kgの範囲のヨウ素吸収および34~150cm3/100gの範囲のDBP吸油数を有する。一実施形態において、カーボンブラックは、ASTM-D1510による130~210g/kgの範囲のヨウ素吸収、およびASTM D-2414による110~140cc/100gの範囲のDBP吸油数を有する。
【0029】
一実施形態において、タイヤトレッドで使用されるゴム組成物は、慣用的硫黄含有有機ケイ素化合物を含んでいてもよい。適切な硫黄含有有機ケイ素化合物の例は、式:
Z-Alk-Sn-Alk-Z I
[式中、Zは、
【0030】
【0031】
(式中、R1は、1~4炭素原子のアルキル基、シクロヘキシルまたはフェニルであり;R2は、1~8炭素原子のアルコキシまたは5~8炭素原子のシクロアルコキシである)
からなる群から選択され、
Alkは、1~18炭素原子の二価炭化水素であり、
nは2~8の整数である]
を有するものである。
【0032】
本発明に従って使用されてもよい硫黄含有有機ケイ素化合物の特別の例としては、以下のものを含む:3,3’-ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’-ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’-ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3’-ビス(トリエトキシシリルプロピル)オクタスルフィド、3,3’-ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、2,2’-ビス(トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3,3’-ビス(トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、3,3’-ビス(トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、3,3’-ビス(トリブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’-ビス(トリメトキシシリルプロピル)ヘキサスルフィド、3,3’-ビス(トリメトキシシリルプロピル)オクタスルフィド、3,3’-ビス(トリオクトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3’-ビス(トリヘキソキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’-ビス(トリ-2”-エチルヘキソキシシリルプロピル)トリスルフィド、3,3’-ビス(トリイソオクトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3’-ビス(トリ-t-ブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、2,2’-ビス(メトキシジエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、2,2’-ビス(トリプロポキシシリルエチル)ペンタスルフィド、3,3’-ビス(トリシクロネキソキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3’-ビス(トリシクロペントキシシリルプロピル)トリスルフィド、2,2’-ビス(トリ-2”-メチルシクロヘキソキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(トリメトキシシリルメチル)テトラスルフィド、3-メトキシエトキシプロポキシシリル3’-ジエトキシブトキシ-シリルプロピルテトラスルフィド、2,2’-ビス(ジメチルメトキシシリルエチル)ジスルフィド、2,2’-ビス(ジメチルsec.ブトキシシリルエチル)トリスルフィド、3,3’-ビス(メチルブチルエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3’-ビス(ジt-ブチルメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、2,2’-ビス(フェニルメチルメトキシシリルエチル)トリスルフィド、3,3’-ビス(ジフェニルイソプロポキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3’-ビス(ジフェニルシクロヘキソキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’-ビス(ジメチルエチルメルカプトシリルプロピル)テトラスルフィド、2,2’-ビス(メチルジメトキシシリルエチル)トリスルフィド、2,2’-ビス(メチルエトキシプロポキシシリルエチル)テトラスルフィド、3,3’-ビス(ジエチルメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,3’-ビス(エチルジ-sec.ブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’-ビス(プロピルジエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3’-ビス(ブチルジメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、3,3’-ビス(フェニルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3-フェニルエトキシブトキシシリル3’-トリメトキシシリルプロピルテトラスルフィド、4,4’-ビス(トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、6,6’-ビス(トリエトキシシリルヘキシル)テトラスルフィド、12,12’-ビス(トリイソプロポキシシリルドデシル)ジスルフィド、18,18’-ビス(トリメトキシシリルオクタデシル)テトラスルフィド、18,18’-ビス(トリプロポキシシリルオクタデセニル)テトラスルフィド、4,4’-ビス(トリメトキシシリル-ブテン-2-イル)テトラスルフィド、4,4’-ビス(トリメトキシシリルシクロヘキシレン)テトラスルフィド、5,5’-ビス(ジメトキシメチルシリルペンチル)トリスルフィド、3,3’-ビス(トリメトキシシリル-2-メチルプロピル)テトラスルフィド、3,3’-ビス(ジメトキシフェニルシリル-2-メチルプロピル)ジスルフィド
一実施形態において、硫黄含有有機ケイ素化合物は3,3’-ビス(トリメトキシまたはトリエトキシシリルプロピル)スルフィドである。一実施形態において、硫黄含有有機ケイ素化合物は、3,3’-ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドおよび3,3’-ビス(トリエトキシシリルプロピルテトラスルフィド)である。したがって式Iに関して、Zは
【0033】
【0034】
[式中、R2は、2~4炭素原子、あるいは2個の炭素原子のアルコキシであり;
alkは、2~4炭素原子、あるいは3個の炭素原子を含む二価の炭化水素であり;
nは、2~5、あるいは2または4の整数である]であってもよい。
【0035】
別の実施形態において、適切な硫黄含有有機ケイ素化合物は、米国特許第6,608,125号に開示されている化合物を含む。米国特許第6,608,125号に開示されているように、これらの硫黄含有有機ケイ素化合物は、式G-C(==O)-S-CH2CH2CH2SiX3[式中、各Xは独立して選択されるRO-基であり、各Rは、水素、不飽和を含んでも含まなくてもよいアルキル、アルケニル基、アリール基、およびアラルキル基からなる群から独立して選択され、水素以外のそのような部分は1~18炭素原子を有し、Gは6~8炭素原子の一価アルキルである]のものである。一実施形態において、硫黄含有有機ケイ素化合物は、3-(オクタノイルチオ)-1-プロピルトリエトキシシラン、CH3(CH2)6C(=O)-S-CH2CH2CH2Si(OCH2CH3)3を含み、これは、GE SiliconesからNXT(商標)として市販されている。
【0036】
一実施形態において、硫黄含有有機ケイ素化合物は、3,3’-ビス(トリエトキシプロピルシリル)テトラスルフィドおよび3-(オクタノイルチオ)-1-プロピルトリエトキシシランの組み合わせである
ゴム組成物中の硫黄含有有機ケイ素化合物の量は、使用される他の添加剤の水準に応じて様々である。概して言えば、化合物の量は、5~25phrの範囲である。
【0037】
ゴム組成物が、例えば、硫黄供与体、硬化助剤、例えば、活性剤および遅延剤、ならびに加工添加剤、例えば油、粘着付与樹脂および可塑剤を含む樹脂、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、抗酸化剤、オゾン劣化防止剤および釈解薬などの様々な一般に使用される添加材料との、様々な硫黄加硫性の構成要素ゴムの混合などのゴム配合技術において一般に公知の方法によって配合されることは、当業者によって容易に理解される。当業者に知られているように、硫黄加硫性材料および硫黄加硫された材料(ゴム)の意図される使用に応じて、上記に挙げた添加剤が選択され、一般に従来の量で使用される。硫黄供与体の代表的な例は、元素の硫黄(遊離の硫黄)、アミンジスルフィド、ポリマーのポリスルフィドおよび硫黄オレフィン付加物を含む。一実施形態において、硫黄加硫剤は元素硫黄である。硫黄加硫剤は、0.5~8phrの範囲、あるいは1.5~6phrの範囲の量が用いられてもよい。典型的な量の粘着付与樹脂は、使用される場合、約0.5~約10phr、通常、約1~約5phrを含む。典型的な量の加工助剤は約1~約50phrを含む。典型的な量の抗酸化剤は約1~約5phrを含む。代表的な抗酸化剤は、例えばジフェニル-p-フェニレンジアミン他、例えば、The Vanderbilt Rubber Handbook(1978), 344~346頁に開示されているものなどであってもよい。典型的な量のオゾン劣化防止剤は約1~5phrを含む。使用される場合、ステアリン酸を含むことができる典型的な量の脂肪酸は、約0.5~約3phrを含む。典型的な量の酸化亜鉛は約2~約5phrを含む。典型的な量のワックスは約1~約5phrを含む。多くの場合、微晶質のワックスが使用される。典型的な量の釈解剤は約0.1~約1phrを含む。典型的な釈解剤は、例えばペンタクロロチオフェノールおよびジベンズアミドジフェニルジスルフィドであってもよい。
【0038】
促進剤は、加硫のために必要とされる時間および/または温度を制御し、加硫物の性質を改善するために使用される。一実施形態において、単一の促進剤系、すなわち一次促進剤が使用されてもよい。一次促進剤は、約0.5~約4、あるいは約0.8~約1.5phrの範囲の合計量で使用されてもよい。別の実施形態において、一次および二次促進剤の組み合わせが使用されてもよく、二次促進剤は、活性化し加硫物の性質を改善するために約0.05~約3phrなどのより少ない量で使用される。これらの促進剤の組み合わせは、最終的な性質に相乗効果を生み出すと予想されてもよく、どちらかの促進剤の単独使用によって作製されたものより多少良好である。さらに、通常の加工温度に影響を受けないが、通常の加硫温度で満足すべき硬化を生ずる遅効性促進剤が使用されてもよい。加硫遅延剤もまた使用されてもよい。本発明において使用されてもよい適切な種類の促進剤は、アミン、ジスルフィド、グアニジン、チオ尿素、チアゾール、チウラム、スルフェンアミド、ジチオカルバメートおよびザンセートである。一実施形態において、一次促進剤はスルフェンアミドである。第2の促進剤が使用される場合、二次促進剤は、グアニジン、ジチオカルバメートまたはチウラム化合物であってもよい。
【0039】
他の硬化剤が使用されてもよく、LanxessからのVulcurenとして利用可能な1,6-ビス(N,N’ジベンジルチオカルバモイルジチオ)-ヘキサン0.5~5phrを含むがこれらに限定されない。
【0040】
ゴム組成物の混合は、ゴム混合技術における当業者に公知の方法によって達成することができる。例えば、原料は、通常、少なくとも2つの段階、すなわち、少なくとも1つの非生産的な段階、続いて生産的混合段階において混合される。硫黄加硫剤を含む最終硬化剤は、通常、従来、「生産的(productive)」混合段階と呼ばれる最終段階において混合され、ここで、通常、先行する非生産的混合段階の混合温度より低い、ある温度または最終温度で混合が行われる。「非生産的(non-productive)」および「生産的」混合段階という用語は、ゴム混合技術の当業者には周知である。ゴム組成物は、熱力学的混合ステップにかけられてもよい。熱力学的混合ステップは、一般に、140℃~190℃の間のゴム温度を生ずるように適切な期間、混合機または押出機での機械式作業を含む。熱力学的作業の好適な継続時間は、運転条件および成分の量および性質の関数として変わる。例えば、熱力学的作業は1~20分であってもよい。
【0041】
ゴム組成物は、タイヤの様々なゴム成分中に組み込まれてもよい。例えば、ゴム成分は、トレッド(トレッドキャップおよびトレッド基体を含む)、サイドウォール、エイペックス、チェーファー、サイドウォールインサート、ワイヤーコートまたはインナーライナーであってもよい。一実施形態において、コンパウンドはトレッドである。
【0042】
本発明の空気入りタイヤは、レース用タイヤ、乗用車用タイヤ、航空機用タイヤ、農業用、土木機械用、オフロード用、トラック用タイヤなどであってもよい。一実施形態において、タイヤは、乗用車用またはトラック用タイヤである。また、タイヤは、ラジアルでもバイアスであってもよい。
【0043】
本発明の空気入りタイヤの加硫は、一般に約100℃~200℃の範囲の従来の温度で行なわれる。一実施形態において、加硫は、約110℃~180℃の範囲の温度で遂行される。プレスまたは金型での加熱、過熱蒸気または熱風を用いる加熱などの通常の加硫プロセスのいずれが使用されてもよい。そのようなタイヤは、そのような技術の当業者に公知であり、容易に明白になる様々な方法によって、構築、成形、成型、硬化することができる。
【0044】
以下の実施例は、説明する目的で提示され、本発明を限定するものではない。部はすべて、ほかに特別に確認されない限り、重量部である。
【実施例1】
【0045】
この実施例において、本発明によるゴムコンパウンドが例証される。量をすべてphrで示した表1の配合表を使用して、多段階の混合手順で3種のゴムコンパウンドを混合した。次いで、タイヤトレッドとしてコンパウンドを製作し、様々な性能指数について試験した。表2の指数としてより高い値が望ましい。表2で分かるように、本発明の試料1および2は、対照と比べて、湿潤ブレーキ性のかなりの改善を示し、転がり抵抗およびトレッド摩耗性の改善を示した。
【0046】
【0047】
【0048】
[発明の実施形態]
1. 加硫性ゴム組成物を含む空気入りタイヤであって、加硫性ゴム組成物が、
ゴム重量を基準にして30~50重量パーセントの結合スチレン含有率と10~30重量パーセントのビニル1,2含有率、および-40℃~-20℃の範囲のTgを有するスチレン-ブタジエンゴム75~85phr;
天然ゴムまたは合成ポリイソプレン0~25phr;
-110℃~-90℃のTgを有するシス-1,4ポリブタジエン0~20phr;
シリカ100~150phr;
ポ リテルペン樹脂、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂およびロジン酸を含む、組み合わせた樹脂20~40phr;
油30~60phr;
硫黄含有有機ケイ素化合物5~25phr
を含む、空気入りタイヤ。
【0049】
2. ゴム組成物が1,6-ビス(N,N’ジベンジルチオカルバモイルジチオ)-ヘキサン0.5~5phrを含む、1に記載の空気入りタイヤ。
3. 硫黄含有有機ケイ素化合物が、3-(オクタノイルチオ)-1-プロピルトリエトキシシランおよびビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドを含む、1に記載の空気入りタイヤ。
【0050】
4. ゴム組成物が天然ゴム15~25phrを含む、1に記載の空気入りタイヤ。
5. ゴム組成物が、天然ゴム5~15phrおよびシス-1,4ポリブタジエン5~15phrを含む、1に記載の空気入りタイヤ。
【0051】
6. ポリテルペン樹脂がアルファピネン樹脂である、1に記載の空気入りタイヤ。
7. アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂がオクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂である、1に記載の空気入りタイヤ。
【0052】
8. 組み合わせた樹脂が、ポリテルペン樹脂20~30phr、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂1~10phrおよびロジン酸1~5phrを含む、1に記載の空気入りタイヤ。
【0053】
9. 加硫性ゴム組成物を含む空気入りタイヤであって、加硫性ゴム組成物が、
ゴム重量を基準にして30~50重量パーセントの結合スチレン含有率と10~30重量パーセントのビニル1,2含有率、および-40℃~-20℃の範囲のTgを有するスチレン-ブタジエンゴム75~85phr;
天然ゴムまたは合成ポリイソプレン15~25phr;
シリカ100~150phr;
ポリテルペン樹脂20~30phr、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂1~10phrおよびロジン酸1~5phrを含む、組み合わせた樹脂20~40phr;
油30~60phr;
硫黄含有有機ケイ素化合物5~25phr
を含む、空気入りタイヤ。
【0054】
10. ポリテルペン樹脂がアルファピネン樹脂である、9に記載の空気入りタイヤ。
11. アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂がオクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂である、9に記載の空気入りタイヤ。
【0055】
12. 加硫性ゴム組成物を含む空気入りタイヤであって、加硫性ゴム組成物が、
ゴム重量を基準にして30~50重量パーセントの結合スチレン含有率と10~30重量パーセントのビニル1,2含有率、および-40℃~-20℃の範囲のTgを有するスチレン-ブタジエンゴム75~85phr;
天然ゴムまたは合成ポリイソプレン5~15phr;
-110℃~-90℃のTgを有するシス-1,4ポリブタジエン5~15phr;
シリカ100~150phr;
ポリテルペン樹脂20~30phr、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂1~10phrおよびロジン酸1~5phrを含む、組み合わせた樹脂20~40phr;
油30~60phr;
硫黄含有有機ケイ素化合物5~25phr
を含む、空気入りタイヤ。
【0056】
13. ポリテルペン樹脂がアルファピネン樹脂である、12に記載の空気入りタイヤ。
14. アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂がオクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂である、12に記載の空気入りタイヤ。