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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】防爆機器への充電システムおよび充電器
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240311BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20240311BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20240311BHJP
   G08B 21/14 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
H02J7/00 A
H02J7/02 G
H02J7/10 B
G08B21/14
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020023558
(22)【出願日】2020-02-14
(65)【公開番号】P2021129448
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000190301
【氏名又は名称】新コスモス電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】都 大介
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-125601(JP,A)
【文献】特開2000-059985(JP,A)
【文献】特開昭52-119291(JP,A)
【文献】特開2004-336838(JP,A)
【文献】特開2015-128846(JP,A)
【文献】特開2021-129449(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H01M 10/42 -10/48
G08B 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電池を着脱可能な防爆対応のガス検知器と、
前記ガス検知器に装着された前記充電池を充電する充電器と、
前記ガス検知器に前記充電池が装着されているか否かに基づいて、前記充電池を充電する充電モードと、商用電源からの電力により前記ガス検知器を駆動する商用電源駆動モードとのうちから、前記充電器の動作モードを選択する制御を行う制御部と、を備える、防爆機器への充電システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記充電池に対応する電圧に基づいて、前記ガス検知器に前記充電池が装着されているか否かを検出する制御を行うように構成されている、請求項1に記載の防爆機器への充電システム。
【請求項3】
前記ガス検知器は、乾電池を着脱可能に構成されており、
前記制御部は、前記ガス検知器に前記充電池および前記乾電池のいずれが装着されているかを検出するとともに、前記ガス検知器に前記充電池が装着されていることが検出された場合、前記充電モードを選択し、前記ガス検知器に前記乾電池が装着されていることが検出された場合、前記ガス検知器に装着された前記乾電池に電力を供給しない乾電池モードを選択する制御を行うように構成されている、請求項1または2に記載の防爆機器への充電システム。
【請求項4】
前記充電池および前記乾電池の一方は、外周側面に側面電極を含み、
前記ガス検知器は、前記側面電極と電気的に接続される端子部を含み、
前記制御部は、前記側面電極と前記端子部とが接続されているか否かに基づいて、前記ガス検知器に前記充電池および前記乾電池のいずれが装着されているかを検出する制御を行うように構成されている、請求項3に記載の防爆機器への充電システム。
【請求項5】
前記ガス検知器は、前記充電池からの電力により前記ガス検知器を駆動する際と、前記商用電源駆動モードにおいて前記商用電源からの電力により前記ガス検知器を駆動する際との両方において用いられる、共通の配線部を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の防爆機器への充電システム。
【請求項6】
前記充電器は、前記ガス検知器に供給する電力を制御する保護回路を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の防爆機器への充電システム。
【請求項7】
充電池を着脱可能なガス検知器に装着された前記充電池を充電する充電器本体と、
前記ガス検知器に前記充電池が装着されているか否かに基づいて、前記充電池を充電する充電モードと、商用電源からの電力により前記ガス検知器を駆動する商用電源駆動モードとのうちから、動作モードを選択する制御を行う制御部と、を備える、充電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、防爆機器への充電システムおよび充電器に関し、特に、ガス検知器を備える防爆機器への充電システムおよびガス検知器の充電器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、充電池を備えるガス検知器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、酸素ガス、硫化水素ガスなどの被検ガスを検知する可搬型ガス検知器が開示されている。この可搬型ガス検知器は、可充電型電池パック(充電池)を備えている。また、この可搬型ガス検知器は、可充電型電池パックにより駆動されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-209438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1には明記されていないが、上記特許文献1に記載されたような可搬型ガス検知器を、定位置に置いて使用する仮定置式のガス検知器として使用したいという要望がある。しかしながら、上記特許文献1に記載された可搬型ガス検知器では、可搬型ガス検知器を仮定置式のガス検知器として使用したい場合にも、可充電型電池パックによりガス検知器が駆動されるため、可搬型ガス検知器の駆動時間が短いという不都合がある。このため、可搬型ガス検知器を仮定置式のガス検知器として使用することが困難であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ガス検知器に装着された充電池を充電することができ、かつ、充電器に接続されたガス検知器を、仮定置式のガス検知器として使用することが可能な防爆機器への充電システムおよび充電器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による防爆機器への充電システムは、充電池を着脱可能な防爆対応のガス検知器と、ガス検知器に装着された充電池を充電する充電器と、ガス検知器に充電池が装着されているか否かに基づいて、充電池を充電する充電モードと、商用電源からの電力によりガス検知器を駆動する商用電源駆動モードとのうちから、充電器の動作モードを選択する制御を行う制御部と、を備える。
【0008】
この発明の第1の局面による防爆機器への充電システムでは、上記のように、ガス検知器に充電池が装着されているか否かに基づいて、充電池を充電する充電モードと、商用電源からの電力によりガス検知器を駆動する商用電源駆動モードとのうちから、充電器の動作モードを選択する制御を行う制御部を設ける。これにより、ガス検知器に充電池を装着することにより充電モードが制御部により選択された場合には、ガス検知器に装着された充電池を充電することができる。また、ガス検知器に充電池を装着しないことにより商用電源駆動モードが制御部により選択された場合には、商用電源からの電力によりガス検知器を駆動することができるので、充電器に接続されたガス検知器を、仮定置式のガス検知器として使用することができる。これらの結果、ガス検知器に装着された充電池を充電することができ、かつ、充電器に接続されたガス検知器を、仮定置式のガス検知器として使用することが可能な防爆機器への充電システムを提供することができる。
【0009】
上記第1の局面による防爆機器への充電システムにおいて、好ましくは、制御部は、充電池に対応する電圧に基づいて、ガス検知器に充電池が装着されているか否かを検出する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、充電池の装着の有無に応じて変化する電圧に基づいて、ガス検知器に充電池が装着されているか否かを検出することができるので、ガス検知器に充電池が装着されているか否かを容易かつ確実に検出することができる。
【0010】
上記第1の局面による防爆機器への充電システムにおいて、好ましくは、ガス検知器は、乾電池を着脱可能に構成されており、制御部は、ガス検知器に充電池および乾電池のいずれが装着されているかを検出するとともに、ガス検知器に充電池が装着されていることが検出された場合、充電モードを選択し、ガス検知器に乾電池が装着されていることが検出された場合、ガス検知器の乾電池に電力を供給しない乾電池モードを選択する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、ガス検知器に充電池が装着されているために充電を要する場合、充電モードが制御部により選択されることにより、ガス検知器に装着された充電池に適切に充電することができる。また、ガス検知器に乾電池が装着されているために充電を要しない場合、乾電池モードが制御部により選択されることにより、ガス検知器に装着された乾電池に電力を供給しないようにすることができる。その結果、ガス検知器に装着された乾電池に誤って充電が行われることを抑制することができるので、誤った充電に起因して乾電池から電解液が漏れる液漏れが発生することを抑制することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、充電池および乾電池の一方は、外周側面に側面電極を含み、ガス検知器は、側面電極と電気的に接続される端子部を含み、制御部は、側面電極と端子部とが接続されているか否かに基づいて、ガス検知器に充電池および乾電池のいずれが装着されているかを検出する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、単に側面電極と端子部とが接続されているか否かを検出するだけで、ガス検知器に充電池および乾電池のいずれが装着されているかを検出することができるので、ガス検知器に充電池および乾電池のいずれが装着されているかを簡単に検出することができる。
【0012】
上記第1の局面による防爆機器への充電システムにおいて、好ましくは、ガス検知器は、充電池からの電力によりガス検知器を駆動する際と、商用電源駆動モードにおいて商用電源からの電力によりガス検知器を駆動する際との両方において用いられる、共通の配線部を含む。このように構成すれば、充電池からの電力によりガス検知器を駆動する際の配線部と、商用電源駆動モードにおいてAC電源からの電力によりガス検知器を駆動する際の配線部とを、別個に独立して設ける場合に比べて、配線部の数を減らすことができるので、その分だけ、ガス検知器の構造を簡素化することができる。なお、構造の制限が厳しい防爆対応のガス検知器において、共通の配線部により構造を簡素化することができることは、非常に効果的である。
【0013】
上記第1の局面による防爆機器への充電システムにおいて、好ましくは、充電器は、ガス検知器に供給する電力を制御する保護回路を含む。このように構成すれば、ガス検知器に保護回路を設ける場合に比べて、ガス検知器の構造を簡素化することができる。
【0014】
この発明の第2の局面による充電器は、充電池を着脱可能なガス検知器に装着された充電池を充電する充電器本体と、ガス検知器に充電池が装着されているか否かに基づいて、充電池を充電する充電モードと、商用電源からの電力によりガス検知器を駆動する商用電源駆動モードとのうちから、動作モードを選択する制御を行う制御部と、を備える。
【0015】
この発明の第2の局面による充電器では、上記のように、ガス検知器に充電池が装着されているか否かに基づいて、充電池を充電する充電モードと、商用電源からの電力によりガス検知器を駆動する商用電源駆動モードとのうちから、動作モードを選択する制御を行う制御部を設ける。これにより、上記第1の局面による防爆機器への充電システムと同様に、ガス検知器に装着された充電池を充電することができ、かつ、充電器に接続されたガス検知器を、仮定置式のガス検知器として使用することが可能な充電器を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、上記のように、ガス検知器に装着された充電池を充電することができ、かつ、充電器に接続されたガス検知器を、仮定置式のガス検知器として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施形態による防爆機器への充電システムを示した模式図である。
図2】一実施形態による防爆機器への充電システムの充電モードを説明するための模式図である。
図3】一実施形態による防爆機器への充電システムの商用電源駆動モードを説明するための模式図である。
図4】一実施形態による防爆機器への充電システムの充電池および乾電池を説明するための模式図である。
図5】一実施形態による防爆機器への充電システムの保護回路を説明するための模式図である。
図6】一実施形態による防爆機器への充電システムの動作モード選択処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1図5を参照して、一実施形態による防爆機器への充電システム100の構成について説明する。
【0020】
(防爆機器への充電システムの構成)
図1に示すように、防爆機器への充電システム100は、充電池121を着脱可能な防爆対応のガス検知器10と、ガス検知器10に装着された充電池121を充電する非防爆の充電器20とを備えている。ガス検知器10は、所定の防爆規格に基づく防爆構造(本質安全防爆構造など)を有している。
【0021】
(ガス検知器の構成)
ガス検知器10の構成について説明する。
【0022】
ガス検知器10は、可搬型のガス検知器である。ガス検知器10は、ユーザが携帯して持ち運ぶことが可能なように構成されている。
【0023】
ガス検知器10は、電力の供給先としての内部回路11を備えている。内部回路11は、制御部11aと、ガスセンサ11bとを含んでいる。
【0024】
制御部11aは、CPU(中央演算処理装置)を含んでおり、ガスセンサ11bによるガス検知動作などのガス検知器10の全体の動作を制御するように構成されている。
【0025】
ガスセンサ11bは、検知対象のガスを検知するように構成されている。ガスセンサ11bは、たとえば、酸素、可燃性ガス(メタンなど)、硫化水素、一酸化炭素などのガスを検知する。ガスセンサ11bは、検知対象のガスの種類に応じて、1または複数設けられている。
【0026】
なお、内部回路11は、制御部11a、ガスセンサ11bに加えて、液晶表示部、LED点灯部、ガス吸引ポンプなどを含んでいる。
【0027】
また、ガス検知器10は、複数(2つ)の電池部(電池パック)12aおよび12bを備えている。複数の電池部12aおよび12bは、並列に接続されている。また、複数の電池部12aおよび12bは、内部回路11に電力を供給することにより、ガス検知器10を駆動するように構成されている。複数の電池部12aおよび12bの各々は、直列に接続された複数(2つ)の充電池121を含んでいる。
【0028】
また、ガス検知器10は、複数(2つ)の給電用配線部13aおよび13bを備えている。給電用配線部13aは、内部回路11と電池部12aとを電気的に接続するように構成されている。給電用配線部13aは、電池部12aの充電池121からの電力を内部回路11に供給するように構成されている。また、給電用配線部13bは、内部回路11と電池部12bとを電気的に接続するように構成されている。給電用配線部13bは、電池部12bの充電池121からの電力を内部回路11に供給するように構成されている。なお、給電用配線部13aおよび13bは、特許請求の範囲の「配線部」の一例である。
【0029】
また、ガス検知器10は、複数(2つ)の充電用配線部14aおよび14bを備えている。充電用配線部14aは、充電器20と電池部12aとを電気的に接続するように構成されている。充電用配線部14aは、充電器20からの電力を電池部12aの充電池121に供給するように構成されている。また、充電用配線部14bは、充電器20と電池部12bとを電気的に接続するように構成されている。充電用配線部14bは、充電器20からの電力を電池部12bの充電池121に供給するように構成されている。
【0030】
また、ガス検知器10は、複数の外部露出端子部15を備えている。複数の外部露出端子部15は、充電器20の後述する複数の外部露出端子部21に電気的に接続されるように構成されている。これにより、充電器20からガス検知器10に電力を供給して、ガス検知器10に装着された充電池121を充電することが可能である。
【0031】
(充電器の構成)
充電器20の構成について説明する。
【0032】
充電器20は、交流電力を直流電力に変換するACアダプタ30を介して、交流電力を供給する商用電源40に接続されて使用されるように構成されている。また、充電器20は、机上などの所定の載置面に載置した状態で使用されるように構成されている。
【0033】
充電器20は、充電器本体20aを備えている。充電器本体20aには、ガス検知器10の複数の外部露出端子部15に対応するように、複数の外部露出端子部21が設けられている。複数の外部露出端子部21は、ガス検知器10の複数の外部露出端子部15に電気的に接続されるように構成されている。複数の外部露出端子部21は、ばね端子部により構成されている。複数の外部露出端子部21は、ガス検知器10が充電器20に接続された際、弾性変形するように構成されている。
【0034】
また、充電器本体20aには、電源回路22が設けられている。電源回路22は、レギュレータを含み、電流および電圧を制御可能に構成されている。具体的には、電源回路22は、後述する制御部24からの制御信号に基づいて、ACアダプタ30を介した商用電源40からの電力の電流および電圧を制御するように構成されている。
【0035】
また、充電器本体20aには、リレー23が設けられている。リレー23は、複数の電池部12aおよび12bへの充電電力の供給を切り替えるために設けられている。具体的には、リレー23は、制御部24からの制御信号に基づいて、電池部12aに充電電力を供給する第1の状態と、電池部12bに充電電力を供給する第2の状態とを切り替えるように構成されている。
【0036】
また、充電器本体20aには、制御部24が設けられている。制御部24は、CPU(中央演算処理装置)を含んでおり、ガス検知器10への充電動作などの充電器20の全体の動作を制御するように構成されている。
【0037】
ここで、本実施形態では、図2および図3に示すように、制御部24は、ガス検知器10に充電池121が装着されているか否かに基づいて、充電池121を充電する充電モードと、商用電源40からの電力によりガス検知器10を駆動する商用電源駆動モードとのうちから、充電器20の動作モードを選択する制御を行うように構成されている。なお、図2および図3では、理解の容易化のために、制御部24などの一部の構成の図示を省略している。
【0038】
図2に示すように、制御部24は、ガス検知器10に充電池121が装着されている場合、充電池121を充電する充電モードを選択する制御を行うように構成されている。充電モードでは、制御部24は、充電対象の電池部を切り替えつつ、複数の電池部12aおよび12bに充電する制御を行うように構成されている。
【0039】
具体的には、制御部24は、リレー23を第1の状態に切り替えることにより、充電対象の電池部を電池部12aに切り替える制御を行うように構成されている。この場合、電源回路22が充電用配線部14aに電気的に接続されるので、電源回路22(商用電源40)からの電力が充電用配線部14aを介して電池部12aの充電池121に供給される。これにより、電池部12aへの充電が行われる。
【0040】
同様に、制御部24は、リレー23を第2の状態に切り替えることにより、充電対象の電池部を電池部12bに切り替える制御を行うように構成されている。この場合、電源回路22が充電用配線部14bに電気的に接続されるので、電源回路22(商用電源40)からの電力が充電用配線部14bを介して電池部12bの充電池121に供給される。これにより、電池部12bへの充電が行われる。
【0041】
制御部24は、たとえば一定時間間隔で充電対象の電池部を切り替えつつ、複数の電池部12aおよび12bに充電する制御を行うように構成されている。また、制御部24は、複数の電池部12aおよび12bへの充電制御を行う場合、一定電流および一定電圧の電力を供給する定電流定電圧制御により電力を供給するように、電源回路22を制御するように構成されている。なお、一定電流(一定電圧)とは、完全に一定値である必要はなく、所定の範囲内に電流値(電圧値)が収まることを意味している。
【0042】
また、図3に示すように、制御部24は、ガス検知器10に充電池121が装着されていない場合、商用電源40からの電力によりガス検知器10を駆動する商用電源駆動モードを選択する制御を行うように構成されている。商用電源駆動モードでは、制御部24は、ACアダプタ30および電源回路22を介した商用電源40からの電力を内部回路11に供給する制御を行うように構成されている。
【0043】
商用電源駆動モードでは、電源回路22がリレー23を介して給電用配線部13aおよび充電用配線部14aに電気的に接続されるので、電源回路22(商用電源40)からの電力が給電用配線部13aおよび充電用配線部14aを介して内部回路11に供給される。これにより、内部回路11への電力供給が行われる。なお、図3では、給電用配線部13aおよび充電用配線部14aを介して内部回路11に電力が供給される例を示しているが、給電用配線部13bおよび充電用配線部14bを介して内部回路11に電力が供給されてもよい。
【0044】
給電用配線部13a(13b)は、充電池121からの電力によりガス検知器10を駆動する際と、商用電源駆動モードにおいて商用電源40からの電力によりガス検知器10を駆動する際との両方において共通に用いられるように構成されている。また、充電用配線部14a(14b)は、充電モードにおいて商用電源40からの電力によりガス検知器10に装着された充電池121を充電する際と、商用電源駆動モードにおいて商用電源40からの電力によりガス検知器10を駆動する際との両方において共通に用いられるように構成されている。
【0045】
また、制御部24は、内部回路11への電力供給制御を行う場合、一定電圧の電力を供給する定電圧制御により電力を供給するように、電源回路22を制御するように構成されている。なお、一定電圧とは、完全に一定値である必要はなく、所定の範囲内に電圧値が収まることを意味している。
【0046】
また、本実施形態では、制御部24は、充電池121に対応する電圧に基づいて、ガス検知器10に充電池121が装着されているか否かを検出する制御を行うように構成されている。具体的には、制御部24は、電池部12aの充電池121に対応する電圧および電池部12bの充電池121に対応する電圧の両方に基づいて、ガス検知器10に充電池121が装着されているか否かを検出する制御を行うように構成されている。
【0047】
制御部24は、外部露出端子部15および外部露出端子部21を介して、電池部12aの充電池121に対応する電圧および電池部12bの充電池121に対応する電圧をガス検知器10から取得する制御を行うように構成されている。そして、制御部24は、ガス検知器10から取得した電池部12aの充電池121に対応する電圧および電池部12bの充電池121に対応する電圧の両方が所定のしきい値(たとえば、0.05V)以下である場合、ガス検知器10に充電池121が装着されていないことを検出する制御を行うように構成されている。また、制御部24は、ガス検知器10から取得した電池部12aの充電池121に対応する電圧および電池部12bの充電池121に対応する電圧の両方が所定の範囲内(たとえば、1.4V以上4.0V以下)である場合、ガス検知器10に充電池121が装着されていることを検出する制御を行うように構成されている。
【0048】
また、本実施形態では、図4に示すように、ガス検知器10は、二次電池である充電池121だけでなく、一次電池である乾電池122も着脱可能に構成されている。すなわち、ガス検知器10は、電池駆動である場合、充電池121または乾電池122のいずれかにより駆動されるように構成されている。充電池121および乾電池122は、同一の円筒形状を有している。ガス検知器10には、たとえば、単三型の乾電池122および単三型の乾電池122と同一形状の充電池121を用いることができる。
【0049】
充電池121は、外周側面にプラス電極およびマイナス電極以外の側面電極121aを含んでいる。具体的には、充電池121は、マイナス電極の近傍の外周側面に側面電極121aを含んでいる。一方、乾電池122は、外周側面に側面電極を含んでいない。たとえば、充電池121では、外装(ラベル)の一部を切り取ることにより、側面電極121aを形成するとともに、乾電池122では、外装を切り取らないことにより、側面電極を形成しないようにすることができる。このような外装は、たとえば、防爆機器への充電システム100の製造元からユーザに対して提供することができる。側面電極121aは、ガス検知器10に設けられた判別端子部16と電気的に接続されるように構成されている。判別端子部16は、複数(4つ)の充電池121に対して1つだけ設けられている。なお、判別端子部16は、特許請求の範囲の「端子部」の一例である。
【0050】
また、本実施形態では、制御部24は、ガス検知器10に充電池121および乾電池122のいずれが装着されているかを検出するとともに、ガス検知器10に充電池121が装着されていることが検出された場合、充電モードを選択し、ガス検知器10に乾電池が装着されていることが検出された場合、ガス検知器10に装着された乾電池122に電力を供給しない乾電池モードを選択する制御を行うように構成されている。
【0051】
具体的には、制御部24は、側面電極121aと判別端子部16とが接続されているか否かに基づいて、ガス検知器10に充電池121および乾電池122のいずれが装着されているかを検出する制御を行うように構成されている。制御部24は、側面電極121aと判別端子部16とが接続されている場合、ガス検知器10に充電池121が装着されていることを検出する制御を行うように構成されている。また、制御部24は、側面電極121aと判別端子部16とが接続されていない場合、ガス検知器10に乾電池122が装着されていることを検出する制御を行うように構成されている。
【0052】
また、図1に示すように、充電器20は、保護回路25を備えている。保護回路25は、電源回路22とリレー23との間に設けられている。また、保護回路25は、ガス検知器10に供給する電力を制御するように構成されている。
【0053】
具体的には、図5に示すように、保護回路25は、コンデンサ、抵抗、ヒューズ、サイリスタ、基準電圧ICを含む電気回路により構成されている。保護回路25は、電圧が所定値以上となった場合、基準電圧ICに電流が流れることにより、サイリスタがオンになり、ヒューズが溶断するように構成されている。これにより、保護回路25は、電圧が所定値以上となった場合、ガス検知器10への電力供給を遮断するように構成されている。なお、図5に示す例は、保護回路25の一例であり、保護回路25は図5に示す例には限られない。基準電圧ICとしては、リファレンスICの直列型やリファレンスICの並列型(シャント型)を使用することができる。
【0054】
保護回路25は、電源回路22、制御部24などが設けられたメイン基板とは別個に設けられたサブ基板に設けられている。
【0055】
(動作モード選択処理)
次に、図6を参照して、本実施形態の防爆機器への充電システム100の充電器20による動作モード選択処理をフローチャートに基づいて説明する。フローチャートの各処理は、充電器20の制御部24により行われる。
【0056】
充電器20の電源が投入されると、図6に示すように、まず、ステップS1において、スタンバイ状態(待機状態)になるように充電器20が動作される。
【0057】
そして、ステップS2において、ガス検知器10が充電器20にセットされたか否かが検出される。ステップS2において、ガス検知器10が充電器20にセットされていないことが検出された場合、ステップS1に進み、スタンバイ状態が継続される。また、ステップS2において、ガス検知器10が充電器20にセットされていることが検出された場合、ステップS3に進む。
【0058】
そして、ステップS3において、電圧に基づいて、ガス検知器10に電池(充電池121または乾電池122)が装着されているか否かが検出される。ステップS3において、ガス検知器10に電池が装着されていないことが検出された場合、ステップS4に進む。
【0059】
そして、ステップS4において、商用電源駆動モードが選択される。商用電源駆動モードでは、定電圧制御によりガス検知器10に電力が供給されて、ガス検知器10が駆動される。その後、動作モード選択処理が終了される。
【0060】
また、ステップS3において、ガス検知器10に電池(充電池121または乾電池122)が装着されていることが検出された場合、ステップS5に進む。
【0061】
そして、ステップS5において、ガス検知器10に充電池121が装着されているか否かが検出される。すなわち、ステップS5では、側面電極121aと判別端子部16とが接続されているか否かに基づいて、ガス検知器10に充電池121および乾電池122のいずれが装着されているかが検出される。ステップS5において、ガス検知器10に充電池121が装着されていることが検出された場合、ステップS6に進む。
【0062】
そして、ステップS6において、充電モードが選択される。充電モードでは、定電流定電圧制御によりガス検知器10に電力が供給されて、ガス検知器10の充電池121が充電される。その後、動作モード選択処理が終了される。
【0063】
また、ステップS5において、ガス検知器10に充電池121が装着されていないことが検出された場合、ステップS7に進む。すなわち、ステップS5において、ガス検知器10に乾電池122が装着されていることが検出された場合、ステップS7に進む。
【0064】
そして、ステップS7において、乾電池モードが選択される。乾電池モードでは、ガス検知器10に電力が供給されない。その後、動作モード選択処理が終了される。
【0065】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0066】
本実施形態では、上記のように、ガス検知器10に充電池121が装着されているか否かに基づいて、充電池121を充電する充電モードと、商用電源40からの電力によりガス検知器10を駆動する商用電源駆動モードとのうちから、充電器20の動作モードを選択する制御を行う制御部24を設ける。これにより、ガス検知器10に充電池121を装着することにより充電モードが制御部24により選択された場合には、ガス検知器10に装着された充電池121を充電することができる。また、ガス検知器10に充電池121を装着しないことにより商用電源駆動モードが制御部24により選択された場合には、商用電源40からの電力によりガス検知器10を駆動することができるので、充電器20に接続されたガス検知器10を、仮定置式のガス検知器10として使用することができる。これらの結果、ガス検知器10に装着された充電池121を充電することができ、かつ、充電器20に接続されたガス検知器10を、仮定置式のガス検知器10として使用することができる。
【0067】
また、本実施形態では、上記のように、制御部24を、充電池121に対応する電圧に基づいて、ガス検知器10に充電池121が装着されているか否かを検出する制御を行うように構成する。これにより、充電池121の装着の有無に応じて変化する電圧に基づいて、ガス検知器10に充電池121が装着されているか否かを検出することができるので、ガス検知器10に充電池121が装着されているか否かを容易かつ確実に検出することができる。
【0068】
また、本実施形態では、上記のように、ガス検知器10を、乾電池122を着脱可能に構成する。また、制御部24を、ガス検知器10に充電池121および乾電池122のいずれが装着されているかを検出するとともに、ガス検知器10に充電池121が装着されていることが検出された場合、充電モードを選択し、ガス検知器10に乾電池122が装着されていることが検出された場合、ガス検知器10の乾電池122に電力を供給しない乾電池122モードを選択する制御を行うように構成する。これにより、ガス検知器10に充電池121が装着されているために充電を要する場合、充電モードが制御部24により選択されることにより、ガス検知器10に装着された充電池121に適切に充電することができる。また、ガス検知器10に乾電池122が装着されているために充電を要しない場合、乾電池122モードが制御部24により選択されることにより、ガス検知器10に装着された乾電池122に電力を供給しないようにすることができる。その結果、ガス検知器10に装着された乾電池122に誤って充電が行われることを抑制することができるので、誤った充電に起因して乾電池122から電解液が漏れる液漏れが発生することを抑制することができる。
【0069】
また、本実施形態では、上記のように、充電池121を、外周側面に側面電極121aを含むように構成する。また、ガス検知器10を、側面電極121aと電気的に接続される判別端子部16を含むように構成する。また、制御部24を、側面電極121aと判別端子部16とが接続されているか否かに基づいて、ガス検知器10に充電池121および乾電池122のいずれが装着されているかを検出する制御を行うように構成する。これにより、単に側面電極121aと判別端子部16とが接続されているか否かを検出するだけで、ガス検知器10に充電池121および乾電池122のいずれが装着されているかを検出することができるので、ガス検知器10に充電池121および乾電池122のいずれが装着されているかを簡単に検出することができる。
【0070】
また、本実施形態では、上記のように、ガス検知器10を、充電池121からの電力によりガス検知器10を駆動する際と、商用電源駆動モードにおいて商用電源40からの電力によりガス検知器10を駆動する際との両方において用いられる、共通の給電用配線部13aおよび13bを含むように構成する。これにより、充電池121からの電力によりガス検知器10を駆動する際の配線部と、商用電源駆動モードにおいてAC電源からの電力によりガス検知器10を駆動する際の配線部とを、別個に独立して設ける場合に比べて、配線部の数を減らすことができるので、その分だけ、ガス検知器10の構造を簡素化することができる。なお、構造の制限が厳しい防爆対応のガス検知器10において、共通の給電用配線部13aおよび13bにより構造を簡素化することができることは、非常に効果的である。
【0071】
また、本実施形態では、上記のように、充電器20を、ガス検知器10に供給する電力を制御する保護回路25を含むように構成する。これにより、ガス検知器10に保護回路25を設ける場合に比べて、ガス検知器10の構造を簡素化することができる。
【0072】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0073】
たとえば、上記実施形態では、ガス検知器は防爆対応機器であり、充電器は非防爆の機器である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、充電器も防爆対応機器であってもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、本発明の制御部が、充電器に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、本発明の制御部が、ガス検知器に設けられていてもよい。すなわち、ガス検知器の制御部が、充電器の動作モードを選択する制御などの制御を行うように構成されていてもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、ガス検知器が、4つの充電池または4つの乾電池が装着されるように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ガス検知器が、1つ、2つ、3つまたは5つ以上の充電池または乾電池が装着されるように構成されていてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、ガス検知器が、充電池および乾電池を着脱可能(使用可能)に構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ガス検知器が、充電池のみを着脱可能(使用可能)に構成されていてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、ガス検知器が、2つの電池部を備えている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ガス検知器が、1つまたは3つ以上の電池部を含んでいてもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、電池部が、2つの電池を含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、電池部が、1つまたは3つ以上の電池を含んでいてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、制御部が、2つの電池部の充電池の電圧に基づいて、ガス検知器に充電池が装着されているか否かを検出する制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部が、2つの電池部のうちのいずれか一方のみの充電池の電圧に基づいて、ガス検知器に充電池が装着されているか否かを検出する制御を行うように構成されていてもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、充電池に側面電極が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、乾電池に側面電極が設けられていてもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、側面電極が、マイナス電極の近傍に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、側面電極が、プラス電極の近傍に設けられていてもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、判別端子部が、複数の電池に対して1つだけ設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、判別端子が、複数の電池部の各々に対して1つずつ設けられていてもよい。また、判別端子部が、複数の電池の各々に対して1つずつ設けられていてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、給電用配線部は、充電池からの電力によりガス検知器を駆動する際と、商用電源駆動モードにおいて商用電源からの電力によりガス検知器を駆動する際との両方において共通に用いられるように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、充電池からの電力によりガス検知器を駆動する際の配線部と、商用電源駆動モードにおいて商用電源からの電力によりガス検知器を駆動する際の配線部とが、互いに独立して別個に設けられていてもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、充電用配線部は、充電モードにおいて商用電源からの電力によりガス検知器に装着された充電池を充電する際と、商用電源駆動モードにおいて商用電源からの電力によりガス検知器を駆動する際との両方において共通に用いられるように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、充電モードにおいて商用電源からの電力によりガス検知器に装着された充電池を充電する際の配線部と、商用電源駆動モードにおいて商用電源からの電力によりガス検知器を駆動する際の配線部とが、互いに独立して別個に設けられていてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、保護回路が、充電器に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、保護回路が、ガス検知器に設けられていてもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0087】
10 ガス検知器
13a、13b 給電用配線部(配線部)
16 判別端子部(端子部)
20 充電器
20a 充電器本体
24 制御部
25 保護回路
40 商用電源
100 防爆機器への充電システム
121 充電池
121a 側面電極
122 乾電池
図1
図2
図3
図4
図5
図6