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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】マイクロフォン装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/56 20210101AFI20240311BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20240311BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
G03B17/56 J
H04N23/50
H04R1/02 107
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020045495
(22)【出願日】2020-03-16
(65)【公開番号】P2021148830
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】永野 秀章
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-050681(JP,A)
【文献】特開2008-180914(JP,A)
【文献】特開2008-175924(JP,A)
【文献】実開平03-061793(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0210324(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/56
H04N 23/50
H04R 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置の外部アクセサリ装着部に装着される接続部と、
マイクエレメントを収納したマイク本体と、
前記接続部と前記マイク本体との間に配置された弾性部材と、
前記接続部と前記マイク本体を係合するための係合部材と、
を備え、
前記接続部は、前記弾性部材と接続され、
前記弾性部材は、前記マイク本体と接続され、
前記係合部材は、前記接続部と前記マイク本体とを前記弾性部材の弾性が発現されない状態に係合する第1の位置と、前記接続部と前記マイク本体とを前記弾性部材の弾性が前記第1の位置より発現される状態で接続させる第2の位置を移動し、前記第1の位置において前記マイク本体の係合部に係合して前記接続部と前記マイク本体とを係合させ、前記第2の位置において前記マイク本体の係合部から離脱する
ことを特徴とするマイクロフォン装置。
【請求項2】
前記外部アクセサリ装着部に係合穴が設けられており、
前記係合部材は、前記第2の位置において前記係合穴に係合してロックピンとして機能することを特徴とする請求項1記載のマイクロフォン装置。
【請求項3】
前記係合部材と前記マイク本体との係合が解除されることによって前記接続部と前記マイク本体とは、前記弾性部材の弾性が発現される状態で接続することを特徴とする請求項1又は2記載のマイクロフォン装置。
【請求項4】
前記係合部材を操作する操作部材を備え、
前記係合部材は、前記操作部材の操作に連動して、前記第1の位置と第2の位置を移動することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のマイクロフォン装置。
【請求項5】
前記操作部材は、回転運動を直線運動に変更することによって前記係合部材を前記第1の位置から第2の位置へ移動させることを特徴とする請求項記載のマイクロフォン装置。
【請求項6】
前記操作部材には、前記係合部材の前記第2の位置から前記第1の位置への移動を制限する制限手段が設けられていることを特徴とする請求項又は記載のマイクロフォン装置。
【請求項7】
前記弾性部材は、前記接続部が前記外部アクセサリ装着部に装着された際、前記撮像装置で発生し、前記接続部を介して前記マイク本体に伝達される振動を低減することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のマイクロフォン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロフォン装置に関し、特に、撮像装置に外部アクセサリとして装着されるマイクロフォン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像装置の外部アクセサリとして、撮像装置に設けられたアクセサリシューへ装着して使用する外付けマイクロフォン装置が知られている。外付けマイクロフォン装置を撮像装置に装着して動画撮影を行う場合、撮像装置に取り付けられたレンズの駆動振動や、撮像装置を操作した際の操作振動がマイクロフォン装置に伝わってノイズとして録音されてしまうという問題がある。
【0003】
このような問題に対し、特許文献1には、撮像装置へ装着する接続部とマイク本体との間に、弾性部材からなるダンパー構造を設けることによって、撮像装置からマイクフォン装置へ伝達される振動を低減する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6164415号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術のマイクロフォン装置は、撮像装置へ装着する接続部とマイク本体との間に弾性部材を配置したものであるために、マイクロフォン装置を撮像装置へ着脱しようとする際に使い勝手が低下するという問題があった。即ち、例えば、ユーザーがマイクロフォン装置におけるマイク本体を把持して撮像装置のアクセサリシューへマイクロフォン装置を装着しようとする際、マイク本体に対して装着部が弾性的に変位することがある。このため、マイクロフォン装置を装着させようとする操作力がアクセサリシューへの挿入方向に効率よく加わらず、操作性が低下する虞がある。また、撮像装置のアクセサリシューに装着されたマイクロフォン装置を取り外そうとしてマイク本体を把持した際も同様に、アクセサリシューからの取り外し方向へ操作力が効率よく加わらず操作性が低下するという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、撮像装置へ装着した録音状態においては撮像装置からの振動の伝達を低減し、撮像装置への着脱時には良好な操作性を確保することができるマイクロフォン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載のマイクロフォン装置は、撮像装置の外部アクセサリ装着部に装着される接続部と、マイクエレメントを収納したマイク本体と、前記接続部と前記マイク本体との間に配置された弾性部材と、前記接続部と前記マイク本体を係合するための係合部材と、を備え、前記接続部は、前記弾性部材と接続され、前記弾性部材は、前記マイク本体と接続され、前記係合部材は、前記接続部と前記マイク本体とを前記弾性部材の弾性が発現されない状態に係合する第1の位置と、前記接続部と前記マイク本体とを前記弾性部材の弾性が前記第1の位置より発現される状態で接続させる第2の位置を移動し、前記第1の位置において前記マイク本体の係合部に係合して前記接続部と前記マイク本体とを係合させ、前記第2の位置において前記マイク本体の係合部から離脱することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮像装置へ装着した録音状態においては撮像装置からの振動の伝達を低減し、撮像装置へ着脱させる際には、良好な操作性を確保することができるマイクロフォン装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係るマイクロフォン装置と、マイクロフォン装置が装着される撮像装置を示す斜視図である。
図2図1のマイクロフォン装置を撮像装置のアクセサリシューに装着した状態を示す斜視図である。
図3図1のマイクロフォン装置におけるアクセサリシューの分解斜視図である。
図4図1のマイクロフォン装置におけるアクセサリシューの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0011】
図1は、実施の形態に係るマイクロフォン装置200と、マイクロフォン装置200が装着される撮像装置を示す斜視図である。図1において、図1(a)は、撮像装置を前面側から見た斜視図であり、図1(b)は、背面側から見た斜視図である。
【0012】
図1において、撮像装置としてのデジタルカメラ100は、当該デジタルカメラ100の上面にモード切替スイッチ160を備えており、上面の前方にシャッターボタン161を備えている。モード切替スイッチ160は、動画撮影モードを含む各種モードを切り替えるための操作部材である。シャッターボタン161は、撮影指示を行うための操作部材である。
【0013】
また、デジタルカメラ100は、背面に表示部128を備えており、表示部128の側部及び下部に操作部170を備えている。表示部128は、画像や各種情報を表示する表示部である。操作部170は、ユーザーからの動画撮影開始操作を含む各種操作を受け付ける各種スイッチ、ボタン、ダイヤル、タッチパネル等の操作部材である。操作部170の近傍に、電源スイッチ172が設けられている。電源スイッチ172は、デジタルカメラ100の電源のON及びOFFを切り替える操作部材である。
【0014】
また、デジタルカメラ100の前面には、着脱可能なレンズ装置120が装着されている。レンズ装置120は、レンズ鏡筒121と、当該レンズ鏡筒121内に収納されたズーム、焦点調整および手振れ補正等を行うためのレンズ群とで構成されている。レンズ鏡筒121内には、各種レンズ群を駆動するためのモーターが収納されている。
【0015】
また、デジタルカメラ100の上面中央部には、外部アクセサリ装着部としてのアクセサリシュー110が配置されている。アクセサリシュー110には、マイクロフォン装置200をはじめとする外部アクセサリが装着される。デジタルカメラ100のアクセサリシュー110には、シュープレート112および図示省略した電気接点が設けられている。
【0016】
シュープレート112は、マイクロフォン装置200の後述するシュー金具222が係合される係合部である。マイクロフォン装置200のシュー金具222は、デジタルカメラ100の背面側からシュープレート112に挿入される。シュー金具222をシュープレート112に挿入することによって、マイクロフォン装置200が撮像装置100に係合する。図示省略した電気接点は、マイクロフォン装置200のアクセサリシュー210に設けられた電気接点(図示省略)と電気的に接続する。また、デジタルカメラ100のアクセサリシュー110には、後述するマイクロフォン装置200のロックピン218が挿抜される係合穴114が形成されている。
【0017】
マイクロフォン装置200は、アクセサリシュー210とマイク本体250から主として構成されている。アクセサリシュー210は、デジタルカメラ100との接続部であり、マイク本体250の下方に配置されている。アクセサリシュー210をデジタルカメラ100のアクセサリシュー110に対して所定方向から挿入することによって、マイクロフォン装置200はデジタルカメラ100に装着される。
【0018】
マイク本体250は、上部の円筒形のマイクケース255と、下部のフロントケース251およびリアケース252とから主として構成されている。マイクケース255の内部には、音声を音声信号として出力する1つ又は複数のマイクエレメント(図示省略)が収納されている。リアケース252の内部には、制御基板253が収納されている。マイクケース255に収納されたマイクエレメントは、制御基板253と電気的に接続されている。マイクエレメントから出力された音声信号は、制御基板253で、例えば、音声合成等の所定の処理が行われた後、アクセサリシュー210を介してデジタルカメラ100へ送信される。
【0019】
次に、マイクロフォン装置200のアクセサリシュー210の構成について説明する。
【0020】
図2は、図1のマイクロフォン装置200を撮像装置(デジタルカメラ100)のアクセサリシュー110に装着した状態を示す背面斜視図である。図2において、図2(a)は、アクセサリシュー210のロックレバー215が第1の位置にある状態を示す背面斜視図であり、図2(b)は、アクセサリシュー210のロックレバー215が第2の位置にある状態を示す背面斜視図である。
【0021】
図2において、アクセサリシュー210は、ロックレバー215、該ロックレバー215に設けられたレバー部215a、シュー金具222、係止解除釦216、アクセサリシュー保持部材217等で構成されている。
【0022】
ロックレバー215は、リング状に形成され、周方向の一部に、当該ロックレバー215を回動操作するためのレバー部215aが設けられている。ロックレバー215は、レバー部215aを操作することによって、第1の位置(図2(a))と第2の位置(図2(b))との間で回動する。ロックレバー215が第1の位置にあるとき、当該ロックレバー215は、ロック解除状態であり、マイクロフォン装置200を撮像装置100から離脱可能な状態である。一方、ロックレバー215が第2の位置にあるとき、当該ロックレバー215は、ロック状態であり、マイクロフォン装置200の撮像装置100からの離脱が制限される状態である。
【0023】
シュー金具222は、デジタルカメラ100のアクセサリシュー110に設けられたシュープレート112に挿入するための部材である。シュー金具222をデジタルカメラ100のシュープレート112に挿入することによって、マイクロフォン装置200がデジタルカメラ100に装着される。
【0024】
ロックレバー215のレバー部215aの近傍には、係止解除釦216が設けられている。ロックレバー215を第1の位置から第2の位置へ移動させると、自動的に、ロックレバー215は、その移動が制限されたロック状態となる。係止解除釦216は、ロックレバー215のロック状態を解除するための操作部材である。係止解除釦216を押下することによって、ロックレバー215は、第2の位置から第1の位置へ回動できる状態となる。
【0025】
マイクロフォン装置200をデジタルカメラ100に装着する場合、ユーザーは、まずロックレバー215を図2(a)に示す第1の位置にする。次いで、ユーザーは、マイク本体250を把持し、当該マイク本体250の下部のアクセサリシュー210のシュー金具222をデジタルカメラ100のアクセサリシュー110のシュープレート112に挿入する。これによって、マイクロフォン装置200がデジタルカメラ100へ装着される。
【0026】
マイクロフォン装置200をデジタルカメラ100へ装着した後、ユーザーは、ロックレバー215を図2(b)に示した第2の位置へ回動する。これによって、後述する係合部材としてのロックピン218が、アクセサリシュー110の係合穴114と係合し、マイクロフォン装置200のデジタルカメラ100からの脱落が防止される。ロックピン218は、マイクロフォン装置200とデジタルカメラ100との係合状態を安定させる係合部材として機能する。
【0027】
一方、マイクロフォン装置200をデジタルカメラ100から取り外す場合、ユーザーは、まず、係止解除釦216を押下する。次いで、ユーザーは、ロックレバー215を図2(b)の第2の位置から図2(a)の第1の位置へ回動してロックピン218とアクセサリシュー110の係合穴114との係合状態を解除する。その後、ユーザーは、マイクロフォン装置200のマイク本体250を把持してデジタルカメラ100からマイクロフォン装置200を取り外す。すなわち、マイク本体250のアクセサリシュー210に設けられたシュー金具222をデジタルカメラ100のアクセサリシュー110のシュープレート112から引く抜くことによってマイクロフォン装置200をデジタルカメラ100から取り外す。
【0028】
アクセサリシュー保持部材217は、ロックレバー215の回動動作に連動して、図2中、上下方向に移動する。アクセサリシュー保持部材217は、ロックレバー215が第1の位置から第2の位置に向かって回動されることによって下降し、シュー金具222と協働してアクセサリシュー110のシュープレート112を挟持する。
【0029】
図3は、図1のマイクロフォン装置200におけるアクセサリシュー210の分解斜視図である。
【0030】
図3において、アクセサリシュー210の一部は、マイク本体250の構成部材であるフロントケース251及びリアケース252に挟持されている。
【0031】
アクセサリシュー210は、ダンパー保持プレート212、ダンパー保持部材213、ロックレバー215、中間部材220、アクセサリシュー保持部材217、接点保持部材221及びシュー金具222から主として構成されている。
【0032】
アクセサリシュー210と、マイク本体250のフロントケース251及びリアケース252とは、ショックダンパー211を介して接続される。ショックダンパー211は、例えばエラストマー、ゲル、ゴム等で形成された弾性部材である。ショックダンパー211には嵌入孔211aが形成されている。嵌入孔211aは、ダンパー保持部材213に形成された突起部213aに嵌入された後、ダンパー保持プレート212とダンパー保持部材213がビス214によって固定される。これにより、ショックダンパー211がダンパー保持部材213に固定される。
【0033】
ショックダンパー211には、溝部211bが形成されている。溝部211bには、フロントケース251の内面に設けられたリブ251a及びリアケース252の内面に設けられたリブ252aが挿入される。溝部211bにフロントケース251のリブ251a及びリアケース252のリブ252aを挿入し、固定することによって、アクセサリシュー210とマイク本体250(図2参照)が、弾性部材であるショックダンパー211を介して接続される。
【0034】
デジタルカメラ100を用いて、例えば、動画撮影をしている際、デジタルカメラ100のレンズ装置120で焦点調整または手振れ補正が行われると、各種レンズ群を駆動するためのモーターが駆動する。このとき、モーターから駆動振動が発生し、駆動振動はデジタルカメラ100のアクセサリシュー110を介して、マイクロフォン装置200のアクセサリシュー210へ伝達する。しかしながら、アクセサリシュー210へ伝達した駆動振動は、弾性部材であるショックダンパー211で抑制されるので、マイク本体250への振動の伝達が低減される。
【0035】
ショックダンパー211が固定されたダンパー保持部材213、中間部材220、接点保持部材221およびシュー金具222は、ダンパー保持部材213に設けられた複数のビス223によって一体に固定される。
【0036】
中間部材220は、軸部224aおよびネジ部224bを有する段付きビス224によって、アクセサリシュー保持部材217に締結されている。段付きビス224には付勢バネ225が装着されており、中間部材220は、付勢バネ225によって付勢された状態で、アクセサリシュー保持部材217に締結されている。すなわち、アクセサリシュー保持部材217および段付きビス224は、段付きビス224の軸部224aに外挿された付勢バネ225により、常に、図3中、上方へ付勢されている。
【0037】
ロックレバー215は、ダンパー保持部材213と中間部材220とによって、回動可能に支持されている。ロックレバー215の内周部には、昇降カム215cが形成されている。昇降カム215cはアクセサリシュー保持部材217の外周部に形成された複数の突起部217aに当接している。従って、ロックレバー215が回動することによって、昇降カム215cと突起部217aとのカム作用により、アクセサリシュー保持部材217が上下方向に移動する。すなわち、ロックレバー215は、回転運動を直線運動に変更することによってアクセサリシュー保持部材217を上下方向に移動させる。
【0038】
具体的には、ロックレバー215を第1の位置から第2の位置(ロック状態、図2(b)参照)に回動させると、アクセサリシュー保持部材217が下降する。一方、ロックレバー215を第2の位置から第1の位置(ロック解除状態、図2(a)参照)に回動させると、アクセサリシュー保持部材217が上昇する。
【0039】
ロックピン218は、ロックピンバネ219により常に、図3中、下方向へ付勢されており、アクセサリシュー保持部材217の下降に連動して下降し、アクセサリシュー保持部材217の上昇に連動して上昇する。
【0040】
接点保持部材221には、デジタルカメラ100のアクセサリシュー110と電気的に接続されるように構成された電気接点(図示省略)が収納されている。そして、接点保持部材221のフレキシブル基板挿入部221aにフレキシブル基板227が挿入され、当該フレキシブル基板227の一端が接点保持部材221の内部に配置された電気接点と電気的に接続する。フレキシブル基板227の他端は、中間部材220の開口部220b、ダンパー保持部材213の開口部213b、ダンパー保持プレート212の開口部212b及びフロントケース251の開口部251cを介して上方に延び制御基板253に接続する。これによって、デジタルカメラ100のアクセサリシュー110と、マイク本体250のリアケース252に設けられた制御基板253が電気的に接続される。
【0041】
次に、マイクロフォン装置200のアクセサリシュー210の動作について詳細に説明する。
【0042】
図4は、図1のマイクロフォン装置200におけるアクセサリシュー210の縦断面図である。図4において、図4(a)は、図2(a)のA-A断面図、図4(b)は、図2(b)のB-B断面図である。なお、図4(a)および図4(b)は、一のロックピン218の中心を通る断面として表示されている。
【0043】
図4(a)において、ロックピン218の上部がダンパー保持プレート212の開孔212aを貫通し、フロントケース251の係合孔251bに係合している(第1の位置)。このとき、アクセサリシュー210とマイク本体250の一部であるフロントケース251およびリアケース252とはショックダンパー211を介して接続されているものの、ロックピン218によって直接的に係合されている。従って、アクセサリシュー210とマイク本体250は互いに移動できない状態、すなわち、ショックダンパー211の弾性が発現されない状態で固定されている。
【0044】
従って、ユーザーがマイク本体250を把持しながらマイクロフォン装置200をデジタルカメラ100へ装着しようとした際、アクセサリシュー210がマイク本体250に対して弾性的に移動しないので、安定して装着することが可能となる。また、ユーザーがマイク本体250を把持しながらマイクロフォン装置200をデジタルカメラ100から取り外そうとした際も同様に、安定した状態で取り外すことが可能となる。
【0045】
さらに、マイクロフォン装置200の装着時および取り外し時にショックダンパー211へ負荷がかかりにくい構成となるので、繰り返し着脱によるショックダンパー211の劣化を軽減することが可能となる。
【0046】
一方、図4(b)は、図4(a)の状態のロックレバー215が図2中、右方向に回動されることによって、アクセサリシュー保持部材217が下降した状態を示している。アクセサリシュー保持部材217が下降することによって、ロックピン218がフロントケース251の係合孔251bから離脱して係合が解除されている(第2の位置)。また、このとき、ロックピン218の下端部は、シュー金具222から下方に突出し、アクセサリシュー110の係合穴114と係合する。これによって、マイクロフォン装置200のアクセサリシュー210と、デジタルカメラ100のアクセサリシュー110とが強固に接続される。従って、マイクロフォン装置200とデジタルカメラ100とが強固に接続され、マイクロフォン装置200のデジタルカメラ100からの脱落が防止される。
【0047】
このとき、アクセサリシュー210とマイク本体250は、ショックダンパー211を介して、当該ショックダンパー211の弾性が発現された状態で接続される。この状態は、アクセサリシュー210とマイク本体250とが互いに弾性的に移動可能に接続される接続状態である。すなわち、デジタルカメラ100のレンズ装置120で発生したモーターの駆動振動等の振動の伝達はショックダンパー211で抑制され、マイク本体250へ伝達され難くなるので、高音質での録音が可能となる。
【0048】
本実施の形態によれば、接続部であるアクセサリシュー210とマイク本体250とを弾性部材(211)の弾性が発現されない状態に係合する第1の位置と、弾性部材の弾性が発現される状態で接続させる第2の位置を移動するロックピン218を設けた。これによって、本実施の形態に係るマイクロフォン装置は、デジタルカメラ100へ装着した録音状態においてはデジタルカメラ100からの振動の伝達を低減し、デジタルカメラ100へ着脱させる際には、良好な操作性を確保することができる。
【0049】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0050】
100 デジタルカメラ(撮像装置)
110 アクセサリシュー
200 マイクロフォン装置
210 アクセサリシュー(接続部)
211 ショックダンパー(弾性部材)
215 ロックレバー
218 ロックピン
250 マイク本体
図1
図2
図3
図4