(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20240311BHJP
G03G 15/01 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
G03G15/08 390A
G03G15/01 113
(21)【出願番号】P 2020095729
(22)【出願日】2020-06-01
【審査請求日】2023-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 雅俊
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-220435(JP,A)
【文献】特開2014-038162(JP,A)
【文献】特開2005-091574(JP,A)
【文献】特開2006-010758(JP,A)
【文献】特開2012-128017(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0321354(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00-13/01
13/08
13/095
13/34
15/01
15/08
15/095
15/36
21/00-21/02
21/14-21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像ローラと、
モータと、
前記モータを制御するモータ制御部と、
前記モータの回転駆動力を前記現像ローラに伝達するように構成された駆動列と、
前記駆動列による前記モータの回転駆動力の前記現像ローラへの伝達、非伝達を切り替えるように構成された駆動切替手段と、
前記モータに流れる電流値を検知するように構成された電流検知手段と、
前記現像ローラの回転量に関わる情報を取得するように構成された取得手段と、
を有する画像形成装置において、
前記取得手段は、(i)前記駆動切替手段によって前記回転駆動力が前記現像ローラへ伝達される状態となった伝達タイミングと、(ii)非伝達となった非伝達タイミングと、に基づいて、
前記伝達タイミングから前記非伝達タイミングの間における前記現像ローラの回転量に関わる情報を取得するように構成され、
前記伝達タイミングと前記非伝達タイミングは、前記電流検知手段が検知する電流値の変化から取得されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記取得手段は、前記モータの回転量に関わる情報を取得するように構成され、
前記取得手段は、前記伝達タイミングにおいて前記取得手段が取得した前記モータの前記回転量に関わる情報と、前記非伝達タイミングにおいて前記取得手段が取得した前記モータの前記回転量に関わる情報と、に基づいて、前記現像ローラの回転量に関わる情報を取得するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記モータは、ステータコアとステータコアに巻かれたコイルとを有するステータと、永久磁石を含むロータと、を有し、
前記モータ制御部は、前記コイルの通電を制御するように構成されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子のON/OFFを制御するように構成されたパルスを出力する出力手段と、を有し、
前記取得手段は、前記モータの回転に同期して生成されるパルスをカウントすることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記電流検知手段が検知する電流値に基づいて取得される前記ロータの位置に基づいて、前記モータの回転量に相関する値をカウントするように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記モータの回転速度を取得するように構成された速度取得手段を有し、
前記取得手段は、前記伝達タイミングから前記非伝達タイミングまでの時間から取得される前記現像ローラの回転時間と、前記速度取得手段が取得した前記回転速度と、に基づいて、前記現像ローラの回転量に関わる情報を取得するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記モータは、ステータコアとステータコアに巻かれたコイルとを有するステータと、永久磁石を含むロータと、を有し、
前記モータ制御部は、前記コイルの通電を制御するように構成されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子のON/OFFを制御するためのパルスを出力するように構成された出力手段と、を有し、
前記速度取得手段は、前記ロータの速度を検出するように構成されたホール素子を有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記現像ローラを複数有し、
前記モータは、複数の前記現像ローラのための単一の駆動源であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記駆動切替手段は、複数の前記現像ローラのそれぞれの前記伝達タイミングと前記非伝達タイミングが互いに異なるタイミングとなるように、前記伝達、非伝達を切り替えるように構成され、
前記取得手段は、複数の前記現像ローラの減速比を用いて、複数の前記現像ローラそれぞれの回転量に関わる情報を取得するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記取得手段が取得した前記現像ローラの回転量に関わる情報に基づいて前記現像ローラが寿命に達したことを報知するように構成された報知手段を有することを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記駆動切替手段は、前記駆動列の途中に設けられたクラッチと、前記クラッチを制御するステッピングモータと、を有することを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
現像ローラと、
モータと、
前記モータを制御するように構成されたモータ制御部と、
前記モータの回転駆動力を前記現像ローラに伝達するように構成された駆動列と、
前記駆動列による前記モータの回転駆動力の前記現像ローラへの伝達、非伝達を切り替えるように構成された駆動切替手段と、
前記モータに流れる電流値を検知するように構成された電流検知手段と、
前記現像ローラの回転量に関わる情報を取得するように構成された取得手段と、
を有する画像形成装置において、
前記取得手段は、(i)第1のタイミングで取得される前記モータの回転に関わる第1の情報と、(ii)第2のタイミングで取得される前記モータの回転に関わる第2の情報と、に基づいて、
前記第1のタイミングから前記第2のタイミングの間における前記現像
ローラの回転量に関わる情報を取得するように構成され、
前記取得手段は、前記電流検知手段が検知する電流値の変化に基づいて前記第1のタイミングと前記第2のタイミングを決定するように構成されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
前記第1のタイミングは、前記電流検知手段によって検知された前記電流値が増加したタイミングであり、前記第2のタイミングは、前記電流検知手段によって検知された前記電流値が減少したタイミングであることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第1の情報と前記第2の情報は、(i)前記モータの回転量、(ii)前記モータの回転速度、および(iii)前記モータの回転時間、のうち少なくとも一つに関わる情報を含むことを特徴とする請求項11または12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記第1のタイミングは、前記駆動切替手段によって、前記現像ローラに前記回転駆動力が伝達状態となったタイミングであり、前記第2のタイミングは、前記駆動切替手段によって、前記現像ローラに前記回転駆動力が非伝達状態となったタイミングであることを特徴とする請求項11~13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記現像ローラを複数有し、
前記モータは、複数の前記現像ローラのための単一の駆動源であることを特徴とする請求項11~14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータを具備した、例えば、複写機、プリンタ、あるいはファクシミリ装置などの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の回転部材の駆動源には、ブラシレスモータや、ステッピングモータ等が用いられている。現像ローラにおいては、特許文献1のように駆動源と現像ローラ間の駆動伝達経路に現像ローラの駆動/非駆動を切り替える手段を配置し、画像形成の直前に現像ローラの回転を開始することで現像ローラの総回転量を短くするようにしている。又、画像形成装置内の現像ローラの総回転量を正確に測定するために現像ローラの回転を検出するセンサを配置することで、現像ローラの寿命を検出する特許文献2のようなものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-292868号公報
【文献】特開2001-109340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように駆動源と現像ローラ間の駆動伝達経路に現像ローラの駆動/非駆動を切り替える手段を有している場合、駆動源の回転量と現像ローラの回転量は一致しない。従って、現像ローラの回転量を直接的に検出するセンサを配置しない構成においては、現像ローラの回転量を正確に見積もることが困難であるという課題がある。一方、特許文献2のように現像ローラの回転を検出するセンサを配置した場合には、センサ追加によるコストアップやセンサを配置するスペースが必要になることによる製品サイズアップという懸念がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題を鑑みてなされたものである。その目的は、省スペース・低コストで現像ローラの回転量或いはそれに相当する情報をより精度よく見積もることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明における画像形成装置は、
現像ローラと、
モータと、
前記モータを制御するモータ制御部と、
前記モータの回転駆動力を前記現像ローラに伝達するように構成された駆動列と、
前記駆動列による前記モータの回転駆動力の前記現像ローラへの伝達、非伝達を切り替えるように構成された駆動切替手段と、
前記モータに流れる電流値を検知するように構成された電流検知手段と、
前記現像ローラの回転量に関わる情報を取得するように構成された取得手段と、
を有する画像形成装置において、
前記取得手段は、(i)前記駆動切替手段によって前記回転駆動力が前記現像ローラへ伝達される状態となった伝達タイミングと、(ii)非伝達となった非伝達タイミングと、に基づいて、前記伝達タイミングから前記非伝達タイミングの間における前記現像ローラの回転量に関わる情報を取得するように構成され、
前記伝達タイミングと前記非伝達タイミングは、前記電流検知手段が検知する電流値の変化から取得されることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明における画像形成装置は、
現像ローラと、
モータと、
前記モータを制御するように構成されたモータ制御部と、
前記モータの回転駆動力を前記現像ローラに伝達するように構成された駆動列と、
前記駆動列による前記モータの回転駆動力の前記現像ローラへの伝達、非伝達を切り替
えるように構成された駆動切替手段と、
前記モータに流れる電流値を検知するように構成された電流検知手段と、
前記現像ローラの回転量に関わる情報を取得するように構成された取得手段と、
を有する画像形成装置において、
前記取得手段は、(i)第1のタイミングで取得される前記モータの回転に関わる第1の情報と、(ii)第2のタイミングで取得される前記モータの回転に関わる第2の情報と、に基づいて、前記第1のタイミングから前記第2のタイミングの間における前記現像ローラの回転量に関わる情報を取得するように構成され、
前記取得手段は、前記電流検知手段が検知する電流値の変化に基づいて前記第1のタイミングと前記第2のタイミングを決定するように構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
現像ローラの回転を検出するセンサを無くすことによる省スペース化・低コスト化と正確に現像ローラの回転量を或いはそれに相当する情報をより精度良く見積もることの両立が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】実施例におけるAモータの駆動構成について説明する図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0010】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例を
図1~
図7に基づいて説明する。但し、本実施例はあくまで例示であり、本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
【0011】
図1は電子写真プロセスを用いたタンデム方式のカラー画像形成装置の構成図である。同図を用い、画像形成装置の構成について画像形成動作を説明する。タンデム方式のカラー画像形成装置はイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナーを重ねあわせることでフルカラー画像を出力できるように構成されている。
【0012】
そして各色の画像形成のために、レーザスキャナ(11Y、11M、11C、11K)とカートリッジ(12Y、12M、12C、12K)が備えられている。カートリッジ(12Y、12M、12C、12K)は、図中矢印の方向に回転する感光体(13Y、13M、13C、13K)と、感光体に接するように設けられた感光体クリーナ(14Y、14M、14C、14K)、帯電ローラ(15Y、15M、15C、15K)、及び現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)を有した現像器から構成されている。
【0013】
更に各色の感光体(13Y、13M、13C、13K)には中間転写ベルト19が接して設けられ、この中間転写ベルト19を挟み、対向するように一次転写ローラ(18Y、18M、18C、18K)が設置されている。
【0014】
本実施例における画像形成装置は、Aモータ101とBモータ102、Cモータ103を有している。Aモータ101は、現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)を回転させるためのモータであり、
図2にて後述する。不図示のBモータ102は、感光体(13Y、13M、13C)を回転させるためのモータである。不図示のCモータ103は、中間転写ベルト19と感光体13Kを回転させるためのモータである。Aモータ101
、Bモータ102、Cモータ103ともに、DCブラシレスモータであり、各ローラをどのモータが回転させるかについては本実施例に限定されるものではない。
【0015】
用紙21を格納するカセット22の搬送下流には給紙ローラ25、分離ローラ26a、26b、レジローラ27が設けられており、レジローラ27の用紙搬送方向下流側近傍に搬送センサ28が設けられている。さらに搬送経路下流側には、中間転写ベルト19と接するように二次転写ローラ29、そして二次転写ローラ29の下流に定着器30が配設されている。
【0016】
また、レーザプリンタの制御部であるコントローラ31が設けられており、ROM32a、RAM32b、タイマ32c等を具備したCPU(中央演算処理装置)32、及び各種入出力制御回路(不図示)等で構成されている。
【0017】
次に電子写真プロセスについて簡単に説明する。カートリッジ(12Y、12M、12C、12K)内の暗所にて、感光体(13Y、13M、13C、13K)表面を帯電ローラ(15Y、15M、15C、15K)により均一に帯電させる。感光体(13Y、13M、13C)は、Bモータ102の駆動力が、ギアによって駆動伝達されることによって回転する構成になっている。同様に感光体13K、中間転写ベルト19は、Cモータ103の駆動力がギアによって駆動伝達されることによって回転する構成になっている。
【0018】
次にレーザスキャナ(11Y、11M、11C、11K)により画像データに応じて変調したレーザ光を感光体(13Y、13M、13C、13K)表面に照射する。そして、レーザ光が照射された部分の帯電電荷が除去されることで、感光体(13Y、13M、13C、13K)表面に静電潜像を形成する。現像器では一定量のトナー層が保持された現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)から現像バイアスによりトナーを感光体(13Y、13M、13C、13K)上の前記静電潜像に付着させる。このようにすることで、各色のトナー画像を感光体(13Y、13M、13C、13K)表面に形成する。
【0019】
感光体(13Y、13M、13C、13K)表面上に形成されたトナー画像は、感光体(13Y、13M、13C、13K)と中間転写ベルト19とのニップ部において一次転写ローラ(18Y、18M、18C、18K)に印加された一次転写バイアスにより中間転写ベルト19に引きつけられる。
【0020】
さらに、CPU32がベルト搬送速度に応じたタイミングにより各カートリッジ(12Y、12M、12C、12K)における画像形成タイミングを制御し、それぞれのトナー像を中間転写ベルト19上に順次転移させる。このようにすることにより、最終的に中間転写ベルト19上にフルカラー画像が形成される。
【0021】
一方、カセット22内の用紙21は給紙ローラ25により搬送され、分離ローラ26a、26bにより、用紙21が一枚だけレジローラ27を通過して、二次転写ローラ29へ搬送される。その後、レジローラの下流にある二次転写ローラ29と中間転写ベルト19とのニップ部において中間転写ベルト19上のトナー像は用紙21に転写され、最後に用紙21上のトナー画像は定着器30により加熱定着処理され、画像形成装置外に排出される。本実施例における画像形成装置は外気の環境温度を測定する環境温度センサ40を備えており、測定された環境温度に応じた画像形成の設定を行うことが可能となっている。
【0022】
次に
図2を用いて、現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)を回転させるための駆動構成について説明する。現像ローラを回転させるための駆動構成は、単一の駆動源としてのAモータ101と、駆動列としての、ギア列による駆動伝達手段(YA、YB、MA、MB、CA、CB、KA、KB)と、駆動切替手段としての、Dモータ104およ
びDモータ104によって制御されるメカクラッチ(105Y、105M、105C、105K)と、によって構成される。Dモータ104の駆動は、コントローラ31(CPU32)により制御される。
【0023】
Aモータ101は、ブラシレスモータであり、Aモータ101において発生した回転力は、ギア列による駆動伝達手段(YA、MA、CA、KA)によって、駆動列の途中のメカクラッチ(105Y、105M、105C、105K)まで伝達される。Dモータ104は、回転位置制御が可能なモータ(例えばステッピングモータ)であり、Dモータを所定回転分回転させると、メカクラッチが接続状態になる。すると、Aモータ101からメカクラッチ(105Y、105M、105C、105K)まで伝達された回転駆動力は、ギア列による駆動伝達手段(YB、MB、CB、KB)を介して、順次、現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)まで駆動伝達される。その結果、現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)が回転する。
【0024】
次に、Aモータ101を回転させるためのモータ構成について説明する。まず、モータ制御部120について、より詳細に説明する。
図3にモータ制御部120の構成を示す。モータ制御部120はAモータ101を回転させるための回路である。モータ制御部120は、例えばマイコン121を用いた演算処理手段を備える。マイコン121は、CPUの他、通信ポート122、ADコンバータ129、カウンタ123、不揮発メモリ124、基準クロック生成部125、PWMポート127、電流算出部128を内蔵する。
【0025】
カウンタ123は、基準クロック生成部125が生成した基準クロックを基にカウント動作を行い、該カウント値により、入力されたパルスの周期の計測や、Aモータ101の回転と同期したPWM信号の生成などを行う。PWMポート127は、6本の端子を備え、ハイ側信号3本(U-H、V-H、W-H)と、ロー側信号3本(U-L、V-L、W-L)のPWM信号を出力する。
【0026】
モータ制御部120は、ハイ側3個、ロー側3個のスイッチング素子により構成された3相のインバータ131を備える。スイッチング素子としては、例えばトランジスタやFETが使用できる。各スイッチング素子は、ゲートドライバ132を介してPWMポート127に接続され、PWMポート127から出力されるPWM信号によってON/OFFの制御が可能である。各スイッチング素子は、PWM信号がHでONし、LでOFFするものとする。
【0027】
インバータ131のU、V、W相出力133は、モータのコイル135、136、137に接続されており、各スイッチング素子のON/OFF制御により、各コイル135、136、137に流すコイル電流の通電を制御することができる。各コイル135、136、137に流れたコイル電流は、電流検知部により検知される。
【0028】
電流検知部は、電流センサ130、アンプ部134、ADコンバータ129、電流値算出部128から構成される。電流値算出部128は、マイコンに内蔵されたCPUによる演算機能で達成されるが、電流値算出を行える専用ハードウェアを、マイコン内に設けても良い。
【0029】
まず、コイルに流れた電流は、電流センサ130により電圧に変換される。該電圧は、アンプ部134で増幅およびオフセット電圧の印加が行われ、マイコンのADコンバータ129に入力される。例えば、電流センサ130が、1A当たり0.01Vの電圧を出力し、アンプ部134での増幅率が10倍、印加されるオフセット電圧が1.6Vとすると、-10A~+10Aの電流が流れた際のアンプ部134の出力電圧は0.6~2.6Vとなる。
【0030】
ADコンバータ129は、例えば0~3Vの電圧を0~4095のAD値として出力する。従って、-10A~+10Aの電流が流れた際のAD値は、おおよそ819~3549となる。なお、電流の正負は、電流が3相インバータ131からAモータ101に流れる場合を+とする。
【0031】
電流値算出部128は、AD変換されたデータ(以後、AD値と記述する)に所定の演算を施し、電流値を算出する。すなわち、AD値から、オフセット値を減算し、さらに所定の係数を乗算して、電流値を求める。なお、ここで算出される電流値は実際の電流値そのものでなくとも、それに相関のある値を相当させることができ、ここではそのような値を求める場合にも電流値を求めると記載する。オフセット値は、オフセット電圧1.6VのAD値となるので、おおよそ2184となり、係数は、おおよそ0.00733となる。オフセット値は、コイル電流を流していないときのAD値を読み込み、記憶しておき使用する。係数は、あらかじめ不揮発メモリ124に標準係数として保存しておく。
【0032】
マイコン121によってゲートドライバ132を介して3相インバータ131を制御することで、Aモータ101のコイル135、136、137に電流を流す。マイコン121は、電流センサ130、アンプ部134、ADコンバータ129によってコイルに流れる電流を検知し、検知したコイルに流れる電流からAモータ101のロータ位置及び速度を算出する。以上により、マイコン121は、Aモータ101を回転制御することができる。
【0033】
続いて、
図4を用いてAモータ101の構造について説明する。Aモータ101は、6スロットのステータ140と、4極のロータ141からなり、ステータ140は、それぞれステータコアに巻かれるU相、V相、W相の各コイル135、136、137を備える。ロータ141は、永久磁石により構成され、2組のN極/S極を備える。U層、V層、W層の各コイル135、136,137は、インバータ出力62と接続されている。
【0034】
続いて
図5を用いて本実施例における特徴的な部分であるAモータ101とAモータ101の負荷である現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)の動作について説明する。最初にタイミングAで、モータ制御部120は、Aモータ101を、Aモータと現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)が非接続状態において、起動する。
【0035】
続いて、コントローラ31はDモータを起動する。Dモータが回転することで、タイミングBで、メカクラッチ105Yが接続し、現像ローラ16Yが回転を開始する。メカクラッチ105は、駆動源からの駆動力を入力する入力部と、その駆動力の伝達先と接続されている出力部とから構成される。メカクラッチ105が接続状態になると、この入力部と出力部とが機械的/磁気的に接続され、入力部へ入力される駆動力が、出力部へ伝達される。この状態を接続状態とする。同様にタイミングC、D、Eにおいてそれぞれ、メカクラッチ105M、105C、105Kが接続することによって現像ローラ16M、16C、16Kが回転を開始する。Aモータ101の負荷トルクは、伝達タイミングとしてのタイミングB、C、D、Eにて順次大きくなっていく。
【0036】
プリントジョブが完了した後、コントローラ31はDモータを回転させ、非伝達タイミングとしてのタイミングF、G、H、Iにて、メカクラッチ105Y、105M、105C、105Kが非接続状態にする。これにより、現像ローラ16Y、16M、16C、16Kの回転は、順次停止する。最後に、タイミングJにてAモータ101の回転を停止させる。
【0037】
このような構成とすることで、一つのモータであったとしても各ステーションの画像形
成の直前に、現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)の回転開始、回転終了をすることができる。さらには、現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)の回転量を短くすることができ、現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)の寿命を延ばすことが可能になる。
【0038】
しかしながら、Aモータ101の回転開始タイミングと現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)回転開始タイミングは異なる。このため、Aモータ101の回転に関わる情報から、現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)の回転量を正確に算出することができない。ここで、Aモータ101の回転量に関わる情報とは、Aモータ101のモータ回転量そのものでも良いし、回転時間でも良い。また、予め用意されたシーケンスから、現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)の回転開始、回転停止タイミングを把握し、回転量を予測したとしても、メカクラッチ105Y、105M、105C、105Kを用いた現像ローラ16Y、16M、16C、16Kの接続・非接続を切り替える機構の応答性にはばらつきが存在する。よって機構のばらつき分は、現像モータの回転数誤差となってしまう。
【0039】
本実施例においては、機構のばらつきを出さずに現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)の回転量を測定する方法について
図6を用いて説明する。
【0040】
図6は、横軸を時間に、Aモータ101の電流値とAモータ101の回転量カウンタを表している。Aモータ101に流れる電流値は、電流センサ130によって検出することが出来、Aモータ101の電流値によって、Aモータ101にかかるトルク及びトルク変化を検出することが可能である。即ち、
図6に示されるAモータ101の電流値の変化は、
図5におけるAモータ101の負荷トルク推移に対応する。
【0041】
電流値Aモータの101の電流値はタイミングB、C、D、Eで上がる方向に変化しており、タイミングF、G、H、Iで減る方向に変化している。Aモータの101の電流値の変化は、Aモータ101にかかるトルクの変化を表している。
【0042】
Bタイミングは、現像ローラ16Yがメカクラッチ105Yによって接続されたタイミング、Fタイミングは、現像ローラ16Yがメカクラッチ105Yによって非接続となったタイミングである。Cタイミングは、現像ローラ16Mがメカクラッチ105Mによって接続されたタイミング、Gタイミングは、現像ローラ16Mがメカクラッチ105Mによって非接続となったタイミングである。
【0043】
Dタイミングは、現像ローラ16Cがメカクラッチ105Cによって接続されたタイミング、Hタイミングは、現像ローラ16Cがメカクラッチ105Cによって非接続となったタイミングである。Eタイミングは、現像ローラ16Kがメカクラッチ105Kによって接続されたタイミング、Iタイミングは、現像ローラ16Kがメカクラッチ105CKよって非接続となったタイミングである。
【0044】
現像ローラ16Yの回転量Cyは、FタイミングにおけるAモータ101回転量カウンタ値Cy_OFFからBタイミングにおけるAモータ101の転量カウンタ値Cy_ONを減算し、Aモータ101の回転数に対する現像ローラ16Yの回転数比率(減速比k)を掛けることで求められる。以下、モータに対する現像ローラの減速比kとは、この回転数の比率のことを指す。
【0045】
現像ローラ16Mの回転量Cmは、GタイミングにおけるAモータ101回転量カウンタ値Cm_OFFからCタイミングにおけるAモータ101回転量カウンタ値Cm_ONを減算し、減速比kを掛けることで求めることが可能である。ここでの減速比kは、Aモ
ータ101に対する現像ローラ16Mの減速比である。
【0046】
現像ローラ16Cの回転量Ccは、HタイミングにおけるAモータ101回転量カウンタ値Cc_OFFからDタイミングにおけるAモータ101回転量カウンタ値Cc_ONを減算し、減速比kを掛けることで求めることが可能である。ここでの減速比kは、Aモータ101に対する現像ローラ16Cの減速比である。
【0047】
現像ローラ16Kの回転量Ckは、IタイミングにおけるAモータ101回転量カウンタ値Ck_OFFからEタイミングにおけるAモータ101回転量カウンタ値Ck_ONを減算し、減速比kを掛けることで求めることが可能である。ここでの減速比kは、Aモータ101に対する現像ローラ16Kの減速比である。以上により、現像ローラ上に回転数を検出するようなセンサを無くしつつ、正確に現像ローラの総回転量を算出することの両立が可能になる。
【0048】
続いて、本実施例を説明する制御に関して
図7のフローチャートを用いて説明する。プリントシーケンスがスタートすると、CPU32は、S101においてモータ制御部120に対して、Aモータ101を起動するように指示する。
【0049】
続いて、CPU32は、S102でAモータ101が起動完了を確認できたタイミングで、S103にてDモータ104の回転を開始させる。CPU32は、S104にて現像ローラ16Yが回転開始したBタイミングを、Aモータ101の電流値が上昇方向に変化したことにより検出する。Aモータ101の電流値の上昇するBタイミングは、CPU32が電流検知部からの検出データを読み込むことで判別する。
【0050】
続いて、CPU32は、S105にてBタイミングにおけるAモータの回転量カウンタ値Cy_onを取得する。本実施例においては、モータに流れる電流からAモータ101のロータ位置を算出し、算出したロータ位置から回転量カウンタ値をカウントしている。しか、Aモータ101上にセンサ(FG出力、ホール素子)を配置する等でも同様のことが達成でき、本実施例に記載された形態に限定されるものではない。
【0051】
CPU32は、S106にて、現像ローラ16Mが回転開始したCタイミングをAモータ101の電流値が上昇方向に変化したことにより検出する。また、S108にて、現像ローラ16Cが回転開始したDタイミングをAモータ101の電流値が上昇方向に変化したことにより検出する。さらに、S110にて、現像ローラ16Kが回転開始したEタイミングをAモータ101の電流値が上昇方向に変化したことにより検出する。
【0052】
続いてS107、S109、S111にて、CPU32は、CタイミングにおけるAモータの回転量カウンタ値Cm_on、DタイミングにおけるAモータの回転量カウンタ値Cc_on、EタイミングにおけるAモータの回転量カウンタ値Ck_onを取得する。
【0053】
続いて、CPU32は、Dモータ104を回転停止する。これによりメカクラッチの接続状態が維持される。CPU32は、S113においてプリントシーケンス終了処理開始タイミングになったところで、S114にて、Dモータ104を回転開始する。次に、CPU32は、S115にて現像ローラ16Yが回転停止したFタイミングを、Aモータ101の電流値が減少方向に変化したことにより検出する。
【0054】
続いて、S116にてFタイミングにおけるAモータの回転量カウンタ値Cy_offを取得する。CPU32は、S117、S119、S121にて、現像ローラ16Mが回転停止したGタイミング、現像ローラ16Cが回転停止したHタイミング、現像ローラ16Kが回転停止したIタイミングをAモータ101の電流値が減少方向に変化したタイミ
ングにより検出する。
【0055】
続いてCPU32は、S118、S120、S122にてGタイミングのAモータの回転量カウンタ値Cm_off、HタイミングにおけるAモータの回転量カウンタ値Cc_off、IタイミングにおけるAモータの回転量カウンタ値Ck_offを取得する。
【0056】
そして、S123で、CPU32は、Dモータ104を回転停止する。S124にて、以下の計算式を用いて現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)の回転量を算出することでプリントシーケンスは終了となる。
現像ローラ16Yの回転量:Cy=(Cy_оff-Cy_оn)*k
現像ローラ16Mの回転量:Cm=(Cm_оff-Cm_оn)*k
現像ローラ16Cの回転量:Cc=(Cc_оff-Cc_оn)*k
現像ローラ16Kの回転量:Ck=(Ck_оff-Ck_оn)*k
【0057】
なお、上に説明したフローチャートでは、取得手段として、CPU32が、各現像ローラの回転量を取得するよう説明を行ってきたが、それに限定されない。例えばタイミングBからタイミングFの経過時間、つまり、現像ローラ16Yがメカクラッチ105Yによって接続されたタイミングから、非接続になるまでの時間を回転量に相当させても良い。メカクラッチの接続-非接続間のAモータ101の回転時間は、現像ローラの回転量に相関するからである。他の色の現像ローラについても同様である。そして、CPU32は、Aモータ101からの回転駆動力が現像ローラへ伝達される状態となった伝達タイミングと、非伝達となった非伝達タイミングと、に基づいて、現像ローラの回転量に関わる情報を取得できる。
【0058】
そして、本シーケンスによって算出された回転量をプリントシーケンスが発生する度に、積算していくことで、現像ローラの総回転量を算出することが可能になる。総回転量を算出することにより、現像ローラの寿命を把握することが可能になる。寿命の到達を把握した場合には、報知手段として、例えば、操作パネル50に、現像ローラの寿命が尽きたことを表示してユーザに報知することができる。報知手段の制御はCPU32が行う。
【0059】
以上により、現像ローラ上に回転数を検出するようなセンサを無くしつつ、正確に現像ローラの総回転量を算出することの両立が可能になる。なお、本実施例においては、現像ローラの回転量、もしくは回転量に関わる情報を算出し取得する取得手段として、CPU32が機能していたが、これに限られない。すなわち、上述のようにマイコン121が検出した値に基づき、コントローラ31のCPU32が現像ローラの回転量に関わる情報を算出しても良い。もしくは、マイコン121が取得手段として、現像ローラの回転量に関わる情報を算出・取得しその算出結果をコントローラ31にシリアル通信線を介して渡しても良い。或いは、現像ローラの回転量に関わる情報を算出する際の演算を、マイコン121とCPU32で分業するような形態でも構わない。
【0060】
(実施例2)
前述した実施例1では、Aモータ101のコイルに流れる電流の変化から、現像ローラの回転開始タイミングと回転終了タイミングを検出し、Aモータ101の回転量をカウントする手段によって現像ローラの回転量を算出する例について説明を行った。本実施例では、Aモータ101上にホール素子を有するモータにおいて、モータに流れる電流の変化から、現像ローラの回転開始タイミングと回転終了タイミングを検出する。そして、現像ローラの回転時間とAモータ101の速度からモータの回転量を算出する例について説明する。
【0061】
以下では、本実施例について、実施例1と異なる点を主として説明し、共通する構成に
ついては、同一符号を付けて説明を省略する。
【0062】
図8にモータ制御部120の構成を示す。モータ制御部120はAモータ101を回転させるための回路である。電流検知部は、電流センサ200、ADコンバータ129、電流値算出部128から構成される。
【0063】
まず、モータへの電流は、電流センサ200により電圧に変換され、マイコンのADコンバータ129に入力される。電流値算出部128は、AD値に所定の演算を施し、電流値を算出する。Aモータ101上には、ロータの回転を検出するためのホール素子201、202、203を有し、ホール素子によって出力された電圧は、アンプ部134によって増幅された上で、マイコン121に入力される。
【0064】
マイコン121は、回転速度取得手段としての、ホール素子201、202、203、アンプ部134、ADコンバータ129によってAモータ101のロータ位置及び速度を算出する。マイコン121は、ホール素子201、202、203によって検出したロータ位置情報を元に、ゲートドライバ132を介して3相インバータ131を制御する。そして、Aモータ101のコイル135、136、137に電流を流し、Aモータ101を回転させる。以上により、マイコン121は、Aモータ101を回転制御することができる。
【0065】
図9は、横軸を時間に、縦軸にAモータ101の電流値を表している。Bタイミング、Cタイミング、Dタイミング、Eタイミングは現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)が回転開始したタイミングであり、このタイミングでの時間をTb、Tc、Td、Teとする。Fタイミング、Gタイミング、Hタイミング、Iタイミングは現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)が回転停止したタイミングであり、このタイミングでの時刻をTf、Tg、Th、Tiとする。
【0066】
以上により、現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)の回転時間は、以下式によって求めることができる。
現像ローラ16Y回転時間Ty=Tf-Tb
現像ローラ16M回転時間Tm=Tg-Tc
現像ローラ16C回転時間Tc=Th-Td
現像ローラ16K回転時間Tk=Ti-Te
【0067】
現像ローラの回転量は、現像ローラの回転時間に対して、モータの回転速度VとAモータ101に対する現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)の減速比kを掛けることで算出することができる。以上により、現像ローラ上に回転数を検出するようなセンサを無くしつつ、正確に現像ローラの総回転量を算出することの両立が可能になる。
【0068】
続いて本実施例を説明する制御に関して
図10のフローチャートを用いて説明する。CPU32は、プリントシーケンスがスタートし、S101、S102にてAモータ101を起動すると、S103にてDモータ104を回転開始する。CPU32は、S201、S202、S203、S204にて現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)が回転開始したタイミングであるBタイミング、Cタイミング、Dタイミング、Eタイミングにおける時刻Tb、Tc、Te、Tfを取得する。
【0069】
CPU32は、S113にてプリントシーケンスの終了処理を開始し、S114にてDモータ104を回転開始する。CPU32は、S205、S206、S207、S208にて現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)が回転停止したタイミングであるFタイミング、Gタイミング、Hタイミング、Iタイミングにおける時刻Tf、Tg、Th
、Tiを取得する。
【0070】
そして、S123で、CPU32はDモータ104を回転停止する。S209にて、以下の計算式を用いて現像ローラ(16Y、16M、16C、16K)の回転量を算出することでプリントシーケンスは終了となる。
現像ローラ16Yの回転量:Cy=(Tf-Tb)*V*k
現像ローラ16Mの回転量:Cm=(Tg-Tc)*V*k
現像ローラ16Cの回転量:Cc=(Th-Td)*V*k
現像ローラ16Kの回転量:Ck=(Ti-Te)*V*k
本シーケンスによって算出された回転量をプリントシーケンスが発生する度に、積算していくことで、現像ローラの総回転量を算出することが可能になる。総回転量を算出することにより、現像ローラの寿命を把握することが可能になる。
【0071】
以上により、現像ローラ上に回転数を検出するようなセンサを無くしつつ、正確に現像ローラの総回転量を算出することの両立が可能になる。なお、本実施例においても実施例1と同様に、現像ローラの回転量を算出し取得する取得手段として、CPU32が機能していたが、これに限られない。すなわち、上述のようにマイコン121が検出した値に基づき、コントローラ31のCPU32が現像ローラの回転量を算出しても良い。もしくは、マイコン121が取得手段として、現像ローラの回転量を算出・取得しその算出結果をコントローラ31にシリアル通信線を介して渡しても良い。或いは、現像ローラの回転量を算出する際の演算を、マイコン121とCPU32で分業するような形態でも構わない。
【0072】
本実施例では、現像ローラを複数有するタンデム方式の画像形成装置を例示したが、現像ローラを一つ備えるモノクロ方式の画像形成装置に対しても本発明が適用可能なことは言うまでもない。また、本実施例においては、ブラシレスモータの電流の変化によってトルクの変化を検出し、ブラシレスモータの駆動力が駆動伝達切り替え手段によって伝達状態になったタイミングと非伝達になったタイミングを検出している。ステッピングモータやブラシモータにおいても、回転数を検出し、モータに流す電流にフィードバックするような構成であれば、電流を検出することで、トルクの変化を検出することが可能である。そのため、本発明は、ステッピングモータやブラシモータにおいても適用可能である。
【符号の説明】
【0073】
101…Aモータ、104…Dモータ、32…CPU、120…モータ制御部、105Y、105M、105C、105K…メカクラッチ、16Y、16M、16C、16K…現像ローラ