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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】塗膜の形成方法
(51)【国際特許分類】
   B05D 1/02 20060101AFI20240311BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20240311BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20240311BHJP
   F22B 37/10 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
B05D1/02 A
B05D7/00 Z
B05D7/24 301Z
F22B37/10 602A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020101532
(22)【出願日】2020-06-11
(65)【公開番号】P2021194575
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳生 里紗
(72)【発明者】
【氏名】太原 俊男
(72)【発明者】
【氏名】久保 貴博
(72)【発明者】
【氏名】中谷 祐二郎
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-071899(JP,A)
【文献】国際公開第2008/117665(WO,A1)
【文献】特開平02-151671(JP,A)
【文献】特開2004-107558(JP,A)
【文献】特開昭60-144597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/00-7/26
F22B 37/00-37/78
F28F 11/00-27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の伝熱管が密集して配設され、伝熱管と、隣接する伝熱管との間に狭隘部が形成されている既設の発電プラント用機器に、金属または炭素から構成される固体状物質と、液状の塗料とを混合した防錆あるいは伝熱塗料の塗膜を形成する塗膜の形成方法であって、
前記狭隘部に対して奥行き方向に挿入可能、かつ、前記防錆あるいは伝熱塗料を輸送可能であり、かつノズルヘッド施工角を変更できる管状のポール部と、
当該ポール部の先端部に設けられ、前記狭隘部に対して奥行き方向に挿入可能、かつ、噴霧角度を30°~120°で変更して、前記防錆あるいは伝熱塗料を噴出するノズル部と、
を用い、ノズルヘッド施工角の変更と、ノズル噴霧角度の変更により、既設の発電プラント用機器に塗膜を形成して防錆効果を発現する、あるいは、伝熱特性の維持・改善のためのメンテナンスを実施する
ことを特徴とする塗膜の形成方法。
【請求項2】
前記固体状物質が、粒子状、繊維状、片状、カプセル状のいずれか一つ以上の金属であり、成膜後における金属重量の割合が60%以上となる
ことを特徴とする請求項1に記載の塗膜の形成方法。
【請求項3】
前記固体状物質として、粒子状、繊維状、片状、カプセル状のいずれか一つ以上の炭素で構成される物質を含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の塗膜の形成方法。
【請求項4】
エアレス塗装機を用い、二次圧力を6.5Mpa以上、13Mpa以下の範囲として前記防錆あるいは伝熱塗料の塗膜を形成する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の塗膜の形成方法。
【請求項5】
エアー塗装機を用い、前記ノズル部の口径を、1mm以上、3.5mm以下の範囲として前記防錆あるいは伝熱塗料の塗膜を形成する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の塗膜の形成方法。
【請求項6】
多数の伝熱管からなる伝熱管群に対して、一方の面から少なくとも第1の角度と第2の角度と角度を変えて2度塗膜を形成する工程と、
多数の伝熱管からなる伝熱管群に対して、他方の面から前記第1の角度及び第2の角度の対角から角度を変えて2度塗膜を形成する工程と
を具備する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の塗膜の形成方法。
【請求項7】
前記伝熱管群が、コンバインドサイクル発電方式のプラントに設置された排熱回収ボイラに設けられている
ことを特徴とする請求項6に記載の塗膜の形成方法。
【請求項8】
塗膜を形成する工程の前、塗膜を形成する工程の途中、塗膜を形成する工程の後の少なくともいずれかにおいて、空気あるいは不活性ガスを吹き付ける工程を有する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の塗膜の形成方法。
【請求項9】
前記防錆塗料が、塗布対象物の金属部分に対して、電位が低い金属元素を含有する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の塗膜の形成方法。
【請求項10】
前記防錆塗膜が、ケイ酸塩、リン酸塩、亜硝酸塩、クロム酸塩、およびアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種を含有する
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の塗膜の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、塗膜の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー供給の方式は複数種あり、現在主力となっている方式に、コンバインドサイクル発電方式がある。コンバインドサイクル発電方式のプラントは、ガスタービンを燃焼ガスによって駆動し、排ガスを排熱回収ボイラ(HRSG)に送る。排熱回収ボイラは、その主たる部分が、伝熱管と呼ばれるフィンつきの配管で構成されており、伝熱管の外面に排ガスを流通させ、伝熱管内を流通する熱水や蒸気に排ガスの余熱を移送する。コンバインドサイクル発電方式のプラントでは、排ガスの余熱を利用して蒸気を生成し、得られた蒸気を蒸気タービンに導いて発電機を駆動している。これにより、従来の各種発電方式以上の高効率の発電プラントを実現している。
【0003】
一方、上記コンバインドサイクル発電の方式に不可欠な機器である排熱回収ボイラは、その機器内部において、腐食環境を形成しやすい機器でもある。排熱回収ボイラは、運転時は高温となり、停止時は外気温度と同等の温度となることから、その機器内部に高湿度環境を形成しやすく、特に停止時リスクが高まる。機器内部の高湿度化は、降雨等による外部環境の湿度からの影響も受け、内部器材(熱交換部の伝熱管やスタブ等)は、腐食発生のリスクを有する。
【0004】
排熱回収ボイラは、数階建ての規模を有する大型機器であり、伝熱管の本数は数百本にもなる。伝熱管が腐食により錆層の形成を生じる場合、伝熱管の主たる要求性能である熱伝達は、錆層により阻害されるため、熱伝達効率が低下する深刻な問題となる。また、腐食により機器の損傷が生じた場合、部材の減肉や局部腐食による薄肉化が生じ、機器としての耐久性を低下させ、甚大な場合には、熱水や蒸気の漏洩が誘発される。
【0005】
また、伝熱管の外面に腐食が発生・進行し、粗錆層が形成されると、プラント起動時、ガスタービンから排熱回収ボイラに送り込まれる排ガスの気流によって剥離を生じる。剥離した錆は、煙突等を通って排熱回収ボイラから外部環境へと排出されるケースがあり、周囲に飛散する等の問題がある。
【0006】
そのため、排熱回収ボイラ内に腐食が発生しないよう、排熱回収ボイラに設置前の部材に対して、防錆対策として塗装や溶射を行うことが検討されている。一方で、排熱回収ボイラの構成は、高い熱回収効率を得るために最適化されており、多くの場合、伝熱管が密集して配置されている。従って、伝熱管やスタブ等の配管や部品に上記のような、塗装や溶射による防錆対策を試みることは、プラント設置後については、実質的に不可能であるとされてきた。
【0007】
特に、防錆塗装や溶射は、防錆対象表面を適切に被覆する必要があり、不十分な塗膜・溶射層の形成は、機能発現を阻害し有効な効果を得られないリスクを有するためである。したがって、機器の設置後に発生し進行した錆については、排熱回収ボイラを起動させる前に、錆の除去を行うメンテナンス(例えば気吹掃除等)を行っているプラントも多い。一方、排熱回収ボイラの内部は、伝熱管等が密集し、入り組んでいるため、腐食対策、錆の飛散対策の作業が困難であった。
【0008】
この様な背景を受け、特許文献1では、排熱回収ボイラに空調設備を設置し、内部の全領域を空調することで錆を発生させないようにする手法が提案されている。このような手法は原理的にも効果的でありその効果も確認されてきているが、既設機、フットプリントに余裕の少ない設計、経年設備に対しての設置には課題がある。また特許文献2では、発生した錆を排熱回収ボイラの外部に放出させないようにするために、伝熱管に生成した錆を洗浄する手法が提案されている。しかしこの手法では、錆の発生を効果的に抑制することは難しい場合もあり、腐食抑制のための手法にはまだ課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2018-119694号公報
【文献】特開2002-62091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、既設の排熱回収ボイラ等の発電プラント用機器の腐食を抑制することのできる塗膜の形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態の塗膜の形成方法は、多数の伝熱管が密集して配設され、伝熱管と、隣接する伝熱管との間に狭隘部が形成されている既設の発電プラント用機器に、金属または炭素から構成される固体状物質と、液状の塗料とを混合した防錆あるいは伝熱塗料の塗膜を形成する塗膜の形成方法であって、前記狭隘部に対して奥行き方向に挿入可能、かつ、前記防錆あるいは伝熱塗料を輸送可能であり、かつノズルヘッド施工角を変更できる管状のポール部と、当該ポール部の先端部に設けられ、前記狭隘部に対して奥行き方向に挿入可能、かつ、噴霧角度を30°~120°で変更して、前記防錆あるいは伝熱塗料を噴出するノズル部と、を用い、ノズルヘッド施工角の変更と、ノズル噴霧角度の変更により、既設の発電プラント用機器に塗膜を形成して防錆効果を発現する、あるいは、伝熱特性の維持・改善のためのメンテナンスを実施する
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る塗膜の形成方法を説明するための図。
図2】実施形態に係る塗膜の形成方法を説明するための図。
図3】実施形態に係る塗膜の形成方法を説明するための図。
図4】噴霧角度が約30°の場合の状態を模式的に示す図。
図5】噴霧角度が約60°の場合の状態を模式的に示す図。
図6】噴霧角度が約100°の場合の状態を模式的に示す図。
図7】ノズル部及びポール部の変形例の構成を模式的に示す図。
図8】ノズル部及びポール部の変形例の構成を模式的に示す図。
図9】ノズル部及びポール部の変形例の構成を模式的に示す図。
図10】(a)、(b)は施行状態を説明するための図。
図11】ノズル部と施工箇所との距離の関係を説明するための図。
図12】実際の施行プロセスを説明するための図。
図13】傘部に塗膜を形成する場合を説明するための図。
図14】(a)、(b)、(c)は施行状態を説明するための図。
図15】(a)、(b)、(c)は施行状態を説明するための図。
図16】ポール部にノズル部の角度を変更できる機構を有する例を示す図。
図17】ポール部にノズル部の角度を変更できる機構を有する例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態の塗膜の形成方法について、図面を参照して説明する。
【0014】
先ず、図1を参照して排熱回収ボイラ内の伝熱管の配置例について説明する。この排熱回収ボイラの例では、伝熱管は水平方向に並べられており、図1中左側に図示されているのが最前面(1列目)の伝熱管であり、この最前面の伝熱管から図1中右側に向けて、2列目の伝熱管、3列目の伝熱管が示してある。各列における伝熱管間隔(伝熱管の中心間の間隔)は84mmであり、各列の伝熱管と伝熱管との間に形成されている間隔は約20mm(20.5mm)である。また、各列の間の伝熱管間隔(伝熱管の中心間の間隔)は100mmである。1列目、2列目、3列目の伝熱管は千鳥に配列されている。なお、図1中左側に示してあるように、各伝熱管は、内部に流体が流れる配管部(母管)と、この配管部の周囲に突出するように設けられた、伝熱効率を高めるための多数のフィンとを具備している。
【0015】
上記構成の排熱回収ボイラ内の伝熱管に塗膜を形成する場合、各列の伝熱管の間に約20mmの間隔が開いているため、これより細い径のノズル部11及びポール部10(例えばノズル径16mm、ポール径12mm)を使用すれば、1列目と2列目までの伝熱管へのアプローチが可能である。しかし、伝熱管の塗装や溶射においてノズル及びポール等を伝熱管の間隙へ挿入する場合、最少の間隙となるのは、伝熱管のフィン先同士の接点で決まる間隙の間隔(以降、最少間隙と記載する。)となる。この最少間隙は、図1に示す場合約10mmであり、隣接する伝熱管同士が形成する間隙(約20mm)の半分程度となっている。従って、隣接する伝熱管が形成する間隙(約20mm)への挿入が可能なノズル11及びポール10であっても、実際には奥行き方向への挿入ができない。このように、伝熱管配列の奥行き方向への塗膜形成は難易度が高かった。従って、実際には、既に建設が終了している既設の排熱回収ボイラに対する、防錆あるいは伝熱改善のために塗装や溶射等の実施は困難であった。
【0016】
本実施形態では、狭隘部に対して奥行き方向に挿入可能、かつ、防錆あるいは伝熱塗料を輸送可能な管状のポール部10と、当該ポール部10の先端部に設けられ、狭隘部に対して奥行き方向に挿入可能、かつ、30°~120°の角度で防錆あるいは伝熱塗料を噴出するノズル部11と、を用いて、既設の発電プラント用機器である排熱回収ボイラに塗膜を形成する。本実施形態では、上記したように、伝熱管と隣接する伝熱管とによって形成される狭隘部の最少間隙(Y)は10mmとなっている。これに対して、ポール部10の径(X)は8mm、ノズル部11の径(X)が10mmとなっている。すなわち、X≦Yの関係にある。この実施形態によれば、図1に示すように、ノズルは奥行き方向垂直に伝熱管の間に挿入が可能である。また、図2に示すように、本実施形態では、伝熱管の奥行き方向垂直ではなく、千鳥に配列された伝熱管に対し、ノズル部11及びポール部10の出し入れも可能となり、2列目以降の3列目の伝熱管等に対しても塗膜の形成が可能である。この関係性を有する構成は、密集して配列される伝熱管に対し、奥行き方向に配列された伝熱管への塗装あるいは溶射による成膜を可能とする。
【0017】
図3は、ポール10の径を6mm、ノズル11の径を8mmとした場合について示してある。この場合、ノズル部11及びポール部10が、伝熱管の間の狭隘部に対して、奥行き方向への出し入れ、ポールの長手方向への出し入れ、挿入角度の変更、あるいは、ポールの回転軸方向への回転が可能な形状、機構、あるいは寸法を有する例である。前述したX≦Yの関係において、Yと比較してXが十分に小さい場合、ノズル部10及びポール部11が、伝熱管の間の狭隘部に対して、二列目以降奥行き方向数列まで容易に出し入れが可能となる。ポール部10は、例えば伝熱管の千鳥配列により形成される極めて狭い間隙を出入りすることが可能な径となり、径が小さいことにより生じる空間的な自由度は、伝熱管同士の間に対しポール部10を差し込んでいる最中のポール部10の可動自由度を広げ、同列に配される数本の伝熱管へのアプローチが可能となる。これにより、一度の挿入箇所において、水平方向あるいは斜め方向へもポールを動かすことができ、塗り損ねのリスクが低減される。また、一度の挿入による塗装効率の向上も期待できる。
【0018】
本実施形態においては、固体状物質と、液状の塗料とを混合した防錆塗料を使用する。固体状物質は、金属、炭素から構成される物質であり、この固体状物質は、粒子状、繊維状、片状、カプセル状のいずれか一つ以上の形態を有している。固体状物質が金属の場合、例えば、成膜後における金属重量の割合が60%以上となる量が含まれている。従って、上記のようにポール部10の径及びノズル部11の径を細くすると固体状物質が詰まり防錆塗料をスプレーできなくなる可能性が高い。
【0019】
本実施形態において、エアレス塗装機を使用する場合、二次圧の適正化により、適切な塗布が可能となる。塗装機の動作においては、一時圧及び二次圧が吐出圧を決めるパラメータの一つであり、本実施形態においては、二次圧を6.5MPa以上、13.5MPa以下に調節して塗装を行う。二次圧の設定範囲において、より望ましくは7.5MPa以上、12.5MPa以下に設定する。吐出の様相により、吐出圧は適正に設定するものとする。なお、吐出圧が高すぎても塗布対象に対する塗料の付着性が低下してしまう。
【0020】
例えば、塗装機としては、例えばアネスト岩田株式会社製のALS-433C等を使用することができる。なお、この時の圧力倍率の一例としては、30:1等とすることが好ましい。
【0021】
本実施形態において、エアー塗装機を使用する場合、塗装ノズルの口径を、1mm以上、3.5mm以下とすることによって、詰まりや固化等の発生を抑制することができ、必要十分な塗料の吐出量も確保できる。より好ましくは、塗装ノズルの口径を、2mm以上、2.5mm以下とする。
【0022】
例えば、塗装機としては、例えばアネスト岩田株式会社製の塗装機にW-200-201G等を使用することができる。ま、塗料ノズルの口径の一例としては2.0mmである。
【0023】
適切な塗膜厚みを有する塗膜の形成を実現する手段の一つに、塗りすぎ(過度の厚膜)・塗り損ね(非被覆箇所の形成等)の抑制がある。しかし、例えばプラント構造物などは、形状が複雑であるにも関わらず、構造が巨大であることにより、適切な塗膜の形成と、一定以上の塗布の効率を求められることが多い。例えば、排熱回収ボイラなどでは、配管総数が一万本以上となるものもあるほど、施工対象物が非常に大きく施工面積も大きい。この塗膜形成範囲、あるいは施工効率を左右する大きな要素の一つが、噴霧角度(吹付角度)である。噴霧角度が狭すぎると、必要被覆箇所を十分にカバーできない、あるいは、著しい塗布効率の低下を招く恐れがある。反対に、噴霧角度が広すぎると、施工対象でない個所に飛散する。飛散した塗料は、不要箇所に付着するほか、施工者の負担になる、塗料の過剰消費にもつながる。
【0024】
例えば、図4は、噴霧角度が約30°の場合の模式図である。噴霧角度が30°の場合には、概ね1本の伝熱管が主たる施工対象となる。噴霧角度が狭いため、四か所からの挿入と噴霧が必要となるが、その分、過剰な多層塗となる可能性を低減できる。30°より噴霧角度が小さいと、塗り残しが出てくる可能性がある。
【0025】
例えば、図5は、噴霧角度が約60°の場合の模式図である。施工対象の形状・配置にもよるが、噴霧角度が60°の場合には、概ね2本の伝熱管が主たる施工対象となる。噴霧角度は広めであり二か所からの挿入と噴霧でも必要施工が可能となる。噴霧角度が狭い場合と比較すると、噴霧時間は短縮される。また、少ない挿入箇所からの塗装でも塗膜形成が可能であるため、過剰な多層塗となる可能性を低減できる他、図5に示した挿入箇所以外からも挿入して噴霧可能であり、一か所の挿入からの重ね塗りでなく、二か所以上の異なる挿入箇所からの噴霧により多層化することも可能である。
【0026】
例えば、図6は、噴霧角度が100°の場合の模式図である。施工対象の形状・配置にもよるが、噴霧角度が100°の場合には、概ね3本の伝熱管が主たる施工対象となる。噴霧角度は極めて広く、二か所からの挿入と噴霧でも必要施工が可能となる。噴霧角度が狭い場合と比較すると、噴霧時間が大幅に短縮される。また、少ない挿入箇所からの塗装でも塗膜形成が可能であるため、過剰な多層塗となる可能性を低減できる。挿入頻度が低くても施工対象をカバーしきれる可能性が高い他、挿入箇所を増やすことにより、薄い塗膜を多層化して形成する理想膜の形成等も可能である。したがって、施工対象が膨大であるにもかかわらず、施工時間に制約があるケース等に向く。一方で、同じ塗布時間で同じ塗料を噴霧する場合、噴出される塗料の密度は低くなりやすい傾向がある。これを、抜き差しによる移動を伴いながら施工することにより、施工箇所とノズル先端の距離を一時的に近づけ、より密に成膜することもできる。
【0027】
以上の理由により、ノズル部11の噴霧角度(図1に双方向矢印で示す。)は、30°以上120℃以下の範囲とすることが好ましく、60°以上100℃以下の範囲とすることがさらに好ましい。ノズル部11の構造による塗膜の飛散粒子の分布形態は限定されず、直進ノズル、円形(円内も飛散有り:扇形ノズル、充円錐ノズル、広角山形扇形ノズル等)、円形(円内の飛散は少なく円周部が主たる飛散部:空円錐ノズル等)、楕円形(偏心均等扇形ノズル等)、複数分割(スズランノズル、スズラン六角10頭口、等)等いずれの形態でもよい。伝熱管への塗装では、伝熱管の間隙をノズルヘッドが移動する場合、その多くは最少間隙を通過しながら進む。一方、噴霧角度が狭いとノズル移動方向への塗出が多くなり、間隙を形成する伝熱管への塗料の付着効率の低下に繋がる。一方、例えば60°等で噴射を実施すると、伝熱管のフィン部分及び母管部分へも塗料が付着しやすくなり、付着効率の向上が見込める。
【0028】
図7乃至9は、ノズル部11及びポール部10の形状のうち、ノズル部11、ポール部10、あるいは、ノズル部11とポール部10の接続箇所のいずれか一箇所以上の形状が、構造的あるいは材料的に可変である例である。図7は、ポール部10がフレキシブルに変形可能で変形した状態を維持可能な例である。図8は、上部から見ると直線状のポール部10が、側面側から見ると角度を有する例である。図9は、ポール部10が可動部を有する例である。いずれもポール部10及びノズル部11の狭隘部への出し入れ時は寸法的に問題が無いが、ノズル先端が、伝熱管の最少間隔より広い箇所に位置する際、ノズルからの噴射角に自由度が生まれる構成をとる。この構成によれば、ノズル部11及びポール部10は最少間隙Yを通過可能であり、より広い間隙部においてポール部10を回転させる、上下動させる、先端部を稼動させる等の塗装方向に対する自由度を得ることが可能となる。一度の挿入による塗装方向の自由度の向上は、塗装効率を向上するのみならず、塗装対象物が複雑な形状を有する場合にも、形状に追従した塗膜の形成を可能とすることができる。
【0029】
図10は、伝熱管に対して外部から内部へとノズル部11とポール部10を差し込み、連続的あるいは断続的に、狭隘部を通過させ、狭隘部寸法とノズルあるいはポール径から算出される可動寸法制限範囲に差し込み角度を保持、あるいは変化させて施工を行う場合の例を示している。図10(a)は、施工対象箇所が、ノズル部11の挿入箇所から比較的近い場合の例となり、ノズル部11のあおり角度の尤度が高い場合を示す。施工対象物に対し、一度の挿入で、挿入角度を変えることにより、比較的広範囲の施工が可能となることがわかる。
【0030】
一方、図10(b)は、施工対象箇所が、ノズル部11の挿入箇所から奥行き方向に深い箇所に位置する場合の例であり、ノズル部11のあおり角度の尤度が低い場合を示す。挿入箇所(施工対象物外面側)から、施工対象箇所(施工対象物内面側)に向かってノズル部11及びポール10を抜き差しして施工を実施する。併せて、ポール部10を用いてノズル部11の先端をあおるが、施工外面側に位置する施工対象物により、あおることが可能な範囲は狭まる場合の例である。最初の差し込み時の位置で施工し、ポール部10の角度を変えることで隣接する伝熱管も施工可能となる。ノズル部11及びポール部10の抜き差しとあおりを併用することにより、奥行き方向、併せて、抜き差しのみで施工する範囲以上の範囲を施工対象とすることが可能となる。
【0031】
図11に、施工対象との距離の関係を示す。施工時の施工対象物とノズル部の先端との距離のうち、もっとも短い距離をLiとすると、Lo(塗膜吹付時の吹付範囲の外周部の点までの距離)は、施工対象物の形状が特異な形状である場合を除き、Li<Loの関係となる。LiとLoの関係は、噴霧角度が大きくなればなるほど、Loが大きくなる傾向にある。一方で、適切な塗膜の形成には、適切な施工距離で施工されることが必要であり、Loが5mm以上300mm以下となるように施工することが好ましい。これにより、施工対象物との距離が遠く、噴霧した塗料等の不足による塗膜のムラが抑制される。併せて、施工対象物とノズルの接触を回避することで、施工後の塗膜の部分的除去による適切でない塗膜の形成を抑止することが可能となる。
【0032】
図12は、実際の施行プロセスを説明するための図である。例えば、施工対象物に対する施工方向は、面への塗装は一方向からの施工で実施が可能なケースが多い。一方、施工対象物が大型の場合や、移動ができない対象物の場合で、180°以上の施工対象面を有する際には、施工方向は二方向以上必要となる。塗膜は、その塗膜に期待される機能の発現のために施工されるものであり、機能により、要求被覆率、塗り斑、非被覆部の期待値や許容値が異なる。それぞれ一定値以上の成膜を必要とすることは共通しており、値自体は種々のケースにより差異はあるものの、施工する塗膜の作用と効力範囲により定まる必要膜厚、膜性状、被覆率を満たす機構を有する。
【0033】
排熱回収ボイラ内で伝熱管に塗装を実施する場合、多くは、防錆あるいは熱伝達効率の向上を期待して実施する。防錆塗装あるいは熱伝達効率改善塗装を、伝熱管周方向について、全て被覆する場合のプロセスを、図12(1)~図12(4)のプロセスに分けて示す。まず、ノズルの進行、及び後退で所定の箇所に塗膜を形成する(1)。次に、アプローチする伝熱管方向は同じで、(1)とは異なる伝熱管同士の間隙から異なる角度で同様の施工を実施する(2)。この二つのプロセスにより、伝熱管の一方向側の塗膜は形成が可能である。排熱回収ボイラでは、数列~十数列程度の配管が配列されており、各ブロックに区切って配列がなされている。次に、伝熱管群の1つのブロックに対し、反対側から先の施工の対角にて同様の施工を実施する(3)、(4)。これにより、伝熱管の周方向全体への塗膜の形成が可能となる。
【0034】
また、図13に示すように、傘部の表裏はそれぞれ大型構造物の間隙を、ノズルを通過させて施工を実施する。ノズルヘッド施工角の変更と、ノズル広角の変更により、二つの施工角からの施工で成膜が可能となる。過剰な足場の設置や狭小空間への侵入無く、施工対象物の施工必要面に塗膜を形成できる施工を実施することが可能となる。
【0035】
図14は、伝熱管の母管及びフィン部への施行状態を説明するための図である。狭隘部に対し、伝熱管同士の隙間に倣い、垂直方向にポール部10を操作する際の図を(a)に示す。この成膜は、伝熱管から一定以上の距離がある場合は伝熱管の母管及びフィン部のうち、母管側の成膜比率が高くなる傾向があり(b)、ノズルと母管が近接する場合には、母管及びフィン部を被覆する比率が高くなる場合がある。この距離を適正化することで、母管、フィン部いずれにも適切な塗膜を形成することが可能となる(c)。また、吹き出し穴が複数あるノズルの場合、一度の挿入で、距離あるいは吹き付け角度、吹き付け方向に対して自由度の高い施工が可能となる。
【0036】
図15は、伝熱管の間の狭隘部に対し、ポール部10の一箇所を人力あるいは冶具等で固定して、先端を操作して施工する際の例を示している。このような成膜は、伝熱管から一定以上の距離がある場合は伝熱管の母管及びフィン部のうち、フィン部の成膜比率が高くなる傾向があり(a)(b)、操作方向により、フィン部の上下面に対し塗膜が成膜される(b)、(c)。ノズルと母管が近接する場合には、母管及びフィン部の両方を被覆する。従って、図14に示したプロセスと図15に示したプロセスを組み合わせたプロセスで施工を実施することで、母管及びフィン部の塗膜性状をコントロールし、適切な塗膜を形成できる。
【0037】
図16は、ポール部10の先端近傍に、ノズル部11の角度を変更できる機構を有する例を示している。これは、ノズル自体に吹き付け角度を可変とする機構が含まれる仕様であってもよい。機械構造的に可変なものも、また、ジャグリングノズルの様な、自由度の高いノズルであってもよい。吹き付け角度が可変であるため、母管及びフィン部に対して、角度変更毎に吹きつけを変更することが可能となる。このとき、伝熱管同士の隙間に倣い、垂直方向にポールを操作することで、より高効率に、伝熱管の母管及びフィン面に塗膜を施工することが可能となる。
【0038】
図17は、ポール部10の先端近傍に、ノズル部11の角度を変更できる機構を有し、それが伝熱管の長手方向に対して垂直に施工角度の変更が可能な場合の例を示している。この例によれば、母管に対して概ね垂直に配置されるフィン部分の、塗料に対する阻害因子としての作用を低減することが可能となる。これにより、母管部分に対して広範囲に、比較的均等な塗膜を形成することが可能となる。
【0039】
上記した各塗膜の形成方法において、塗料の施工前、施工中(乾燥前)、施工後、のいずれか一つ以上において、空気あるいは不活性ガス等のガスを吹き付けることが好ましい。例えば、施工前に不活性ガスを吹き付けることで塵埃や粗錆層を除去する。施工中については、ガスを吹き付けることで、塗膜や塗液の付着ムラや厚みムラを低減し、塗膜の均一化や非被覆部の低減の効果を有する。施工後については、未硬化成分の乾燥や、塗膜の乾燥を速める効果を有する。なお、加温ガスや水蒸気の吹き付け含め、ガス条件をコントロールしたガスの吹き付けも含まれる。これにより、塗膜の硬化を促進し、乾燥時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0040】
上記した各塗膜の形成方法において、形成された塗膜が、防錆の他、被覆、伝熱(熱伝達)、断熱、撥水化あるいは浸水化する表面改質、帯電あるいは静電、表面付着物への浸潤、表面付着物の剥離、表面付着物の固着のうちの、いずれか一つ以上の機能を有するものとすることができる。
【0041】
被覆の一例として、有機樹脂被覆による基材の保護があり、基材部を保護する役割を有する。なお、物理的なあたり等に対する保護の場合、塗装対象全体の被覆が必須とはならいケースもある。環境遮断を目的とする場合には、全体の被覆が重要となる。
【0042】
防錆の場合は、例えば犠牲陽極作用を有する塗料の場合には、望ましくは、塗装対象全体を被覆する形態をとる必要がある。ただし、犠牲陽極作用は、電気力線の及ぶ範囲、電気防食の及ぶ範囲に必要量の塗膜の形成があれば、有期的には十分な基材保護性を発揮するため、使用寿命や塗り替え時期等によっては全体の被覆が無くともよい。
【0043】
伝熱については、基材部あるいは基材付着部より熱伝達の高いものを表面に施工することで伝熱を促進する例となる。被覆面積については、塗膜の方が基材より伝熱性が高い場合や、界面における伝熱性を高く確保できる場合には、全面塗装も望ましい。一方で、伝熱性の低下箇所や一部の箇所への成膜でも改善が見られる場合には、一部であってもよい。断熱においては、概ね伝熱の反対作用としてとらえられる。
【0044】
撥水化としては、例えば水膜形成を嫌う箇所において、水膜の形成を抑制する例がある。飛来成分の溶け込みの防止や水を介しての反応の抑制等の効果を得る。親水化については、概ね反対作用をもたらし、濃縮や結晶化を妨げる効果を有する。
【0045】
帯電あるいは静電については、電気的な物性を付与し、例えばその後の電着塗装の効果を向上するなどの効果を発現する場合がある。表面付着物への浸潤は、例えば断熱層として振舞う粗錆層に金属を含む成分を侵入させ塗膜化する様な形態をとる。この形成層が容易剥離性を有するものは、層を剥離することで表面付着物を一緒に除去可能である。反対に、形成層が付着物ごと基材に強固に固定できる形態は、表面付着物の固着を行い、付着物の脱落を防止する形態となる。
【0046】
塗膜が、塗布対象あるいは塗布対象物表面に付着した付着物に伝熱性能を付与する形態では、金属成分を含む塗膜を形成する。伝熱管表面に酸化皮膜や粗錆が生じている場合や付着物が付着している場合、金属成分を含む塗膜は、錆層の孔やクラックに浸潤し、基材と接触、あるいは錆層を抱きこむ複合層となる。塗膜や複合層の伝熱性能が高い場合、錆や付着物による熱伝達の低下を緩和し、伝熱性能を改善できる。
【0047】
塗膜が、防錆、腐食発生抑制あるいは腐食環境緩和作用を有する形態について説明する。防錆機能の発現は様々な形態があるが、例えば、チューブ状物質やカプセルに防錆薬品を含有する防錆塗料を使用する場合がある。この例によれば、防錆薬品が塗膜から染み出すことで、基材が露出している箇所や塗膜下の防食を進める。多くは、基材表面への膜の形成やpHのコントロールにより防錆性能を発現する。この場合、塗膜により被塗装対象を覆うことが望ましい反面、防錆の必要な箇所への一定以上の塗膜の形成であっても、一部効果を得ることが可能である。
【0048】
塗膜が、環境調整型、皮膜形成型、反応抑制型、堆積型、犠牲陽極型のいずれか一つ以上もしくは両方の作用を発現しうる塗膜である形態がある。防食の手法に厳密な制限は無く、防食作用を含む塗膜を形成する場合は、実施形態に含まれる。それぞれの防食作用や、本来の機器の機能発現に対するデメリットを勘案して、完全被覆、部分被覆については選択することができる。
【0049】
塗膜が、塗布対象物の金属部分に対し、亜鉛、アルミ、錫を代表とする電位的に低い元素を含有する場合について説明する。例えば、排熱回収ボイラの伝熱管のうち、多くは炭素鋼である。これに、炭素鋼の主たる構成物である鉄より電位の低い元素を含む塗装を行うことで、犠牲陽極作用を発現させる効果を得ることができる。
【0050】
次に、塗膜が、ケイ酸塩、リン酸塩、亜硝酸塩、クロム酸塩、およびアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種を含有する場合について説明する。各塩はそれぞれ防錆作用を発現する塩であり、塗膜から基材近傍の水膜内にあるいは露出箇所に作用することで、防錆効果を発現する。被塗装対象物の被覆面積が高いことが望ましいが、例えば気化性である亜硝酸塩等を含む塗膜では、必ずしも完全被覆でなくとも防錆効果を発揮できる。
【0051】
なお、上記した説明ではいずれの場合も、ノズル部及びポール部で表記をしているが、塗料あるいは粒子等が通過し吹き付ける機構を有するものであればどのようなものでもよい。ノズルは、適切なチップあるいはチップレスでも詰りの生じにくいものを共に使用し、適切な塗装条件で使用する。また、電動や圧縮空気等で作動できる塗装機や、塗料を攪拌するホッパー、溶射粉末を適切にふるう補器等を適宜組み合わせて実施することができる。
【0052】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
10……ポール部、11……ノズル部。
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