(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
A01F 12/60 20060101AFI20240311BHJP
A01D 67/02 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
A01F12/60
A01D67/02
(21)【出願番号】P 2020124736
(22)【出願日】2020-07-21
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】楠瀬 善雄
(72)【発明者】
【氏名】池田 直哉
(72)【発明者】
【氏名】國松 翔太
(72)【発明者】
【氏名】市谷 拓也
(72)【発明者】
【氏名】中平 武利
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-128413(JP,A)
【文献】特開平09-187161(JP,A)
【文献】特開2006-020546(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0137003(US,A1)
【文献】特開2019-092477(JP,A)
【文献】特開2011-109981(JP,A)
【文献】特開2015-065875(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 12/60
A01D 67/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀処理された穀粒を貯留するグレンタンクと、
前記グレンタンクの前方に配置される運転部と、
を備え、
前記グレンタンクは、
前側に配置される前壁と、
機体横幅方向の一側に配置され、前壁と接続される側壁と、
前記側壁に設けられ、前記グレンタンク内に前記穀粒を導入するために用いられる入口部と、
前記前壁に設けられ、前記運転部から前記入口部を視認可能にする窓と、
を有
し、
前記窓は、前記前壁の機体横幅方向の一側に設けられた第1窓と、前記前壁の機体横幅方向の他側に設けられた第2窓と、から構成され、
前記第1窓及び前記第2窓は、それぞれの上端の高さ位置が上下方向で互いに異なるように配置されていることを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1に記載のコンバインであって、
前記グレンタンクは、
前記グレンタンクの内部空間の前記入口部の下方に配置されて、当該グレンタンクに貯留される前記穀粒を検出する穀粒センサを有し、
前記窓は、前記穀粒センサを前記運転部から視認可能にするように配置されていることを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコンバインであって、
前記窓は、前記グレンタンクの内部空間の後側領域のうち、下側に位置する領域を前記運転部から視認可能にするように配置されていることを特徴とするコンバイン。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載のコンバインであって、
前記グレンタンクは、
前記側壁と対向し、かつ、機体横幅方向で外部を向くように機体横幅方向の他側に配置され、前壁と接続される別の側壁と、
前記別の側壁に設けられ、前記別の側壁の後側であって下側に配置される後側窓と、
を有することを特徴とするコンバイン。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか一項に記載のコンバインであって、
前記運転部は、
運転座席と、
前記運転座席を覆うキャビンと、を有し、
前記キャビンは、
前記運転座席の後方に、前記窓の少なくとも一部と対向するように配置される運転部側窓を有することを特徴とするコンバイン。
【請求項6】
請求項5に記載のコンバインであって、
前記キャビンは、前記運転座席の後方に設けられる内壁を有し、
前記運転部側窓は、前記内壁よりも後方に配置されていることを特徴とするコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、穀稈を刈り取って脱穀する収穫機としてのコンバインが知られている。コンバインは、脱穀処理後の穀粒を貯留するためのグレンタンクと、当該コンバインを操作するための運転部と、を備える。グレンタンクは、運転部の後方に配置される。特許文献1,2は、この種のコンバインを開示する。
【0003】
特許文献1のコンバインは、刈取部と、刈取部からの刈取り穀稈を脱穀処理する脱穀装置と、脱穀装置により脱穀処理された穀粒を貯留するグレンタンクと、グレンタンクの前方に配置された運転部と、を備える。グレンタンクにおいては、運転部の運転席に面する前壁に、第1確認と、第2確認窓と、が設けられている。第1確認窓及び第2確認窓は、運転座席の後方に位置し、左右方向に並べられている。
【0004】
特許文献2のコンバインは、刈取装置と、脱穀装置と、脱穀装置により脱穀処理された穀粒を貯留するグレンタンクと、グレンタンクの前方に配置された操縦部(運転部)と、を備える。グレンタンクにおいては、前側壁の上部に前側透明点検蓋が設けられている。また、グレンタンクにおいては、天井部材に、上側透明点検蓋が開閉自在に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-101800号公報
【文献】特許第5561347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1のコンバインは、脱穀処理された穀粒を、揚穀装置によりグレンタンクの上部開口部を介して当該グレンタンク内に送り込む。この構成において、第1確認窓及び第2確認窓はグレンタンク内の穀粒の貯留量を運転部から確認可能にするためのものに過ぎず、グレンタンクの上部開口部の様子(例えば、上部開口部における穀粒の詰まり)を確認するためのものではない。そのため、グレンタンク内への穀粒の送り込みに関する不具合が発生し得る上部開口部を容易に視認することができるようにはなっておらず、運転部からのグレンタンク内の視認性について改善の余地があった。
【0007】
また、上記特許文献2のコンバインは、脱穀処理された穀粒を、脱穀装置の揚穀装置の吐出口からグレンタンク内に送り込む。この構成において、前側透明点検蓋は、グレンタンク内の穀粒の選別状態や穀粒の量を操縦部から視認可能にするためのものに過ぎない。吐出口の様子(脱穀装置の処理具合)を視認するためには、前側透明点検蓋ではなく、上側透明点検蓋が用いられるようになっている。即ち、吐出口の様子を運転部から視認するようにはなっていない。そのため、運転部からのグレンタンク内の視認性について改善の余地があった。
【0008】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、運転部からのグレンタンク内の視認性を向上させることができるコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0010】
本発明の観点によれば、以下の構成のコンバインが提供される。即ち、このコンバインは、グレンタンクと、運転部と、を備える。前記グレンタンクは、脱穀処理された穀粒を貯留する。前記運転部は、前記グレンタンクの前方に配置される。前記グレンタンクは、前壁と、側壁と、入口部と、窓と、を有する。前記前壁は、前記グレンタンクの前側に配置される。前記側壁は、機体横幅方向の一側に配置され、前記前壁と接続される。前記入口部は、前記側壁に設けられ、前記グレンタンク内に前記穀粒を導入するために用いられる。前記窓は、前記前壁に設けられ、前記運転部から前記入口部を視認可能にする。前記窓は、前記前壁の機体横幅方向の一側に設けられた第1窓と、前記前壁の機体横幅方向の他側に設けられた第2窓と、から構成される。前記第1窓及び前記第2窓は、それぞれの上端の高さ位置が上下方向で互いに異なるように配置される。
【0011】
これにより、窓を用いて、運転部からのグレンタンク内の視認性を向上させることができる。運転部にいるオペレータは、例えば、グレンタンクに関して、入口部に詰まりが発生していないこと、及び、入口部に設けられた穀粒の移送部材が正常に作動していることを、運転部から確認することができる。また、第1窓及び第2窓により、窓についての上下方向の連続性を確保し易くなる。よって、グレンタンク内の視認性を向上させることができる。
【0012】
前記のコンバインにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記グレンタンクは、穀粒センサを有する。前記穀粒センサは、前記グレンタンクの内部空間の前記入口部の下方に配置されて、当該グレンタンクに貯留される前記穀粒を検出する。前記窓は、前記穀粒センサを前記運転部から視認可能にするように配置されている。
【0013】
これにより、オペレータは、グレンタンクにおける穀粒の貯留量を運転部から視認することができるので、穀粒の貯留の増加とこれに対する満量センサの反応状態とを把握して、満量センサの異常の発生を容易に認識することができる。
【0014】
前記のコンバインにおいては、前記窓は、前記グレンタンクの内部空間の後側領域のうち、下側に位置する領域を前記運転部から視認可能にするように配置されていることが好ましい。
【0015】
これにより、コンバインの刈取作業の開始時に得られる穀粒が前述の領域に移送される点を考慮して、このときに得られた穀粒を確認することができる。従って、コンバインの刈取作業が正常に開始されたか否かを容易に認識することができる。
【0016】
前記のコンバインにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記グレンタンクは、別の側壁と、後側窓と、を有する。前記別の側壁は、前記側壁と対向し、かつ、機体横幅方向で外部を向くように機体横幅方向の他側に配置され、前壁と接続される。前記後側窓は、前記別の側壁に設けられ、前記別の側壁の後側であって下側に配置される。
【0017】
これにより、コンバインの外部にいるオペレータ等が、第3窓を通じて、グレンタンクの内部空間における前述の領域にアクセスすることが可能となる。従って、例えば、コンバインの刈始作業の開始時に得られた穀粒を第3窓から外部取り出して確認したり、穀粒の排出時に穀粒がグレンタンク内に残留しないように穀粒を外部に取り出して排出したりすることができる。
【0018】
前記のコンバインにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記運転部は、運転座席と、前記運転座席を覆うキャビンと、を有する。前記キャビンは、運転部側窓を有する。前記運転部側窓は、前記運転座席の後方に、前記窓の少なくとも一部と対向するように配置される。
【0019】
これにより、キャビン内からでも運転部側窓を通じてグレンタンク内を確認することができる。
【0020】
前記のコンバインにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記キャビンは、前記運転座席の後方に設けられる内壁を有する。前記運転部側窓は、前記内壁よりも後方に配置される。
【0021】
これにより、運転部側窓をグレンタンクに極力近づけて、運転部にいるオペレータがグレンタンク側を見たとき、当該オペレータにとって運転部側窓から窓を通じてグレンタンク内を覗き込み易くすることができる。従って、運転部にいるオペレータにとってのグレンタンク内の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態に係るコンバインの全体的な構成を示す左側面図。
【
図3】グレンタンクと運転部との関係を示す左側面図。
【
図7】運転部から窓の第1窓を通じて視認することができるグレンタンク内の一部を示す図。
【
図8】運転部から窓の第2窓を通じて視認することができるグレンタンク内の別の一部を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るコンバイン1の全体的な構成を示す左側面図である。
図2は、コンバイン1の全体的な構成を示す右側面図である。
【0026】
以下の説明で「前」というときは、コンバイン1が刈取作業を行うために進む方向を意味する。以下の説明で「左」「右」というときは、コンバイン1が前進する方向に向かって左及び右を意味するものとする。左右方向は、コンバイン1(その機体)の機体横幅方向に相当する。
【0027】
図1又は
図2に示すように、コンバイン1は、クローラ部3と、刈取部5と、脱穀部7と、選別部9と、グレンタンク11と、排出オーガ13と、運転部15と、エンジン17と、を備える。コンバイン1の機体は、脱穀部7、選別部9、グレンタンク11、及び、運転部15を含む。
【0028】
クローラ部3は、コンバイン1の機体の下部に設けられている。クローラ部3は、無端状のクローラを備えた走行装置として構成されている。
【0029】
刈取部5は、コンバイン1の機体の前部に設けられている。刈取部5は、稲、麦又は大豆等の作物の穀稈の株元を刈り取ることができる。
【0030】
脱穀部7は、コンバイン1の機体の左部に備えられている。脱穀部7は、刈取部5よりも後方に配置されている。脱穀部7は、刈取部5で刈り取られた穀稈を脱穀する。
【0031】
選別部9は、コンバイン1の機体の左部に備えられている。選別部9は、脱穀部7の下方に配置されている。選別部9は、脱穀部7で脱穀された穀粒を選別して取り出す。
【0032】
グレンタンク11は、コンバイン1の機体の右部に備えられている。グレンタンク11は、選別部9の右側方に配置されている。グレンタンク11は、脱穀部7による脱穀後に選別部9で選別された穀粒(脱穀処理された穀粒)を貯留する。グレンタンク11は、その後端部に設けられた支軸を中心として右側に旋回して、機体に対し右側に開くことができる。
【0033】
排出オーガ13は、グレンタンク11に対して設けられている。排出オーガ13は、グレンタンク11に貯留された穀粒を当該グレンタンク11の外部に排出する排出装置として構成されている。
【0034】
運転部15は、コンバイン1の機体の右部に備えられている。運転部15は、グレンタンク11の前方に配置されている。運転部15には、コンバイン1を運転するオペレータが座る運転座席21、及び、オペレータが指示するための操作部材(例えば、ステアリングホイール23)、運転座席21及び各種操作部材を覆うキャビン25等が備えられている。
【0035】
エンジン17は、コンバイン1の機体の右部に設けられている。エンジン17は、グレンタンク11の後方に配置されている。なお、エンジン17の位置はグレンタンク11の後方に限られず、例えば運転部15の下方でかつグレンタンク11の前方であっても良い。
【0036】
次に、
図3、
図4及び
図5を参照して、グレンタンク11の構成について説明する。
図3は、グレンタンク11と運転部15との関係を示す左側面図である。
図4は、グレンタンク11の左側の構成を示す斜視図である。
図5は、グレンタンク11の右側の構成を示す斜視図である。
【0037】
グレンタンク11は、脱穀部7及び選別部9による脱穀処理後の穀粒を貯留するために用いられる。グレンタンク11は、コンバイン1において、脱穀部7及び選別部9の右側に配置されている。脱穀処理後、穀粒は、
図1の揚穀コンベヤ31により選別部9からグレンタンク11内に送り込まれる。
【0038】
図3に示すように、グレンタンク11は、前後方向において、運転部15に対して、その後方で対向しつつ隣り合うように配置されている。また、グレンタンク11は、左右方向において、脱穀部7及び選別部9と隣り合うよう配置されている。
【0039】
そして、グレンタンク11と脱穀部7及び選別部9との間に、揚穀コンベヤ31が配置されている。揚穀コンベヤ31は、例えばバケット式の運搬装置として構成される。揚穀コンベヤ31は、脱穀処理後の穀粒を選別部9から上方へ運び、グレンタンク11の上部に設けられた投入口(入口部)33を介して当該グレンタンク11内に投入することができる。
【0040】
図4に示すように、グレンタンク11内においては、その底部に下部排出コンベヤ35が設けられている。下部排出コンベヤ35の一部(長手方向一端部である後端部)は、グレンタンク11外で排出オーガ13と接続されている。下部排出コンベヤ35は、投入口33から導入された穀粒(グレンタンク11に貯留されている穀粒)を後方へ送り、排出オーガ13に搬送することができる。
【0041】
図4又は
図5に示すように、グレンタンク11は、前壁41、後壁43、左側壁(側壁)45、右側壁(別の側壁)47、天井壁51及び底壁53によって区画された内部空間を有する。前壁41、後壁43、左側壁45、右側壁47、天井壁51及び底壁53は、それぞれ、板状部材から構成されている。
【0042】
前壁41は、左側壁45の前側部分、右側壁47の前側部分、天井壁51の前側部分、及び、底壁53の前側部分のそれぞれを接続するように、グレンタンク11の前側に配置されている。
図3に示すように、前壁41は、運転部15のすぐ後方に位置し、運転部15の後端部と対向するように配置されている。
【0043】
前壁41には、窓61が設けられている。窓61は、少なくとも1つの窓から構成される。本実施形態では、窓61は、第1窓61aと、第2窓61bと、から構成されている。なお、窓61の構成は、本実施形態のように2つの窓(第1窓61a及び第2窓61b)を備える構成に限定されない。
【0044】
窓61(第1窓61a)は、運転部15にいるオペレータ、例えば、
図3に示すように、運転部15で運転座席21に座った状態で振り返ったオペレータ57に、グレンタンク11内における少なくとも投入口33付近をグレンタンク11の内部空間を介して視認させることができるように構成されている。
【0045】
また、窓61(第2窓61b)は、運転部15にいるオペレータ、例えば、
図3に示すように、運転部15で運転座席21に座った状態で振り返ったオペレータ57に、グレンタンク11の内部空間の後側領域のうち、下側で、かつ、右側(機体横幅方向で側壁と対向する側)に位置する後述の領域111を運転部15から視認させることができるように構成されている。なお、窓61の詳細については後述する。
【0046】
後壁43は、左側壁45の後側部分、右側壁47の後側部分、天井壁51の後側部分、及び、底壁53の後側部分のそれぞれを接続するように、グレンタンク11の後側に配置されている。後壁43は、前壁41に対して、その後方で所定間隔をあけて配置されている。
【0047】
左側壁45は、前壁41の左側部分、後壁43の左側部分、天井壁51の左側部分、及び、底壁53の左側部分のそれぞれを接続するように、グレンタンク11の左側(機体横幅方向の一側)に配置されている。左側壁45は、左右方向において、揚穀コンベヤ31を挟むように、脱穀部7及び選別部9と隣り合うように配置されている。
【0048】
左側壁45の上部に、投入口33が設けられている。投入口33は、グレンタンク11内に穀粒を導入するために用いられる。本実施形態では、投入口33は、左側壁45の前後中央位置よりも前側に配置されている。具体的は、投入口33は、左側壁45において、その前端部、即ち左側端部が前壁41と接続される部分の近傍に配置されている。
【0049】
投入口33は、揚穀コンベヤ31に接続されている。投入口33と揚穀コンベヤ31との接続部に、ディスク式の移送部(レベリングディスク)71が設けられている(
図7参照)。移送部71は、穀粒を揚穀コンベヤ31からグレンタンク11内に送り込む。揚穀コンベヤ31で移送部71に到達した穀粒は、移送部71により跳ね飛ばされて、グレンタンク11内に投入(移送)される。
【0050】
また、左側壁45には、穀粒センサ73が設けられている。穀粒センサ73は、グレンタンク11の内部空間に対面するように、投入口33の下方に配置されている。穀粒センサ73は、グレンタンク11に貯留される穀粒をグレンタンク11の穀粒貯留量の限界値に相当する高さで検出することができる。
【0051】
本実施形態において、穀粒センサ73は、グレンタンク11内において、投入口33の下方でその近傍に配置されている。穀粒センサ73は、例えば感圧式のセンサとして構成され、グレンタンク11内の穀粒量が増加する際に穀粒が当該穀粒センサ73の高さまで到達したことを検出する。
【0052】
そして、運転部15にいるオペレータ、例えば、
図3に示すように、運転部15で運転座席21に座った状態で振り返ったオペレータ57がグレンタンク11内における少なくとも投入口33付近を視認する際に、窓61(第1窓61a)が、投入口33に加えて、穀粒センサ73をグレンタンク11の内部空間を介して視認させることができるようになっている。
【0053】
なお、穀粒センサ73は、本実施形態では満量センサとして構成されている。しかし、穀粒センサ73は、満量センサに限らず、グレンタンク11内の穀粒の量(高さ位置)を検出するセンサであれば良く、例えば、そのセンサを複数の高さ位置のそれぞれに設けられたセンサの集合とすることができる。この場合には、各センサを視認させることができるように、窓61を設定することができる。
【0054】
右側壁47は、前壁41の右側部分、後壁43の右側部分、天井壁51の右側部分、及び、底壁53の右側部分のそれぞれを接続するように、グレンタンク11の右側(機体横幅方向の他側)に配置されている。右側壁47は、左右方向において左側壁45と所定間隔をあけて対向し、機体の右側外部を向くように配置されている。
【0055】
図5に示すように、右側壁47には、少なくとも1つの後側窓75が設けられる。本実施形態では、後側窓75が1つ設けられている。後側窓75は、右側壁47の後側でかつ下側(グレンタンク11の左右中央位置よりも後側でかつ上下中央位置よりも下側)に配置されている。
【0056】
後側窓75は、開口部77と、開閉部79と、を有する。開口部77は、グレンタンク11の内部空間を外部に繋ぐように開口する。開閉部79は、開口部77を開閉することができる。開閉部79は、例えば開閉シャッターから構成され、開口部77を開閉するために当該開口部77に対して上下方向にスライド可能に設けられる。
【0057】
これにより、オペレータ等が、後側窓75を通じて、グレンタンク11の外部からその内部空間に、具体的には、グレンタンク11内の後側領域のうち、下側でかつ右側に位置する領域111(
図8参照)にアクセスすることが可能となる。従って、この領域111に溜まった穀粒を、オペレータ等がグレンタンク11の外部に取り出すことができる。
【0058】
例えば、コンバイン1の刈取作業の開始時には、穀粒が、移送部71により投入口33から後方へ向かって投入されて、グレンタンク11内における領域111に溜まる。そのため、この穀粒を後側窓75から取り出すことが可能となる。よって、この穀粒をグレンタンク11の外部に取り出して確認することで、刈取作業の開始時における穀粒の状態を把握することができる。
【0059】
開閉部79は、透明な部材又は不透明な部材から構成される。開閉部79が透明な部材から構成される場合には、当該開閉部79を通じてグレンタンク11内(特に領域111)に外光を差し込ませて、その視認性を向上させることができる。例えば、穀粒をグレンタンク11の外部に取り出すことなく(開閉部79を閉状態にしたまま)、穀粒の確認を可能にすることができる。
【0060】
天井壁51は、前壁41の上側部分、後壁43の上側部分、左側壁45の上側部分、及び、右側壁47の上側部分のそれぞれを接続するように、グレンタンク11の上側に配置されている。天井壁51は、機体の上側外部に向くように配置されている。
【0061】
図4及び
図5に示すように、天井壁51には、少なくとも1つの上側窓81が設けられる。本実施形態では、上側窓81が1つ設けられている。上側窓81は、天井壁51の前後中央位置より前側に配置されている。なお、上側窓81の数及び設置位置は、それぞれ、任意に設定可能である。
【0062】
上側窓81は、開口部83と、開閉部85と、を有する。開口部83は、グレンタンク11の内部空間を外部に繋ぐように開口する。開閉部85は、開口部83を開閉することができる。開閉部85は、例えば開口部83の縁部にヒンジを介して取り付けられ、開口部83を開閉するために当該開口部77に対して近接又は離間する方向に回転可能に設けられる。開閉部85は、透明な部分を有する部材から構成されている。
【0063】
これにより、上側窓81を通じて、外光をグレンタンク11内に差し込ませることができる。従って、上側窓81により、グレンタンク11内を明るくすることができる。そのため、オペレータ等に対して、グレンタンク11内の視認性を向上させることができる。なお、開閉部85は、外光をグレンタンク11内に差し込ませ得る部材から構成されていれば良い。
【0064】
底壁53は、前壁41の下側部分、後壁43の下側部分、左側壁45の下側部分、及び、右側壁47の下側部分のそれぞれを接続するように、グレンタンク11の底側に配置されている。底壁53は、上下方向において、天井壁51に対しその下方で所定間隔をあけて配置されている。
【0065】
底壁53付近に、下部排出コンベヤ35が配置されている。下部排出コンベヤ35は、前後方向に延びるように設けられている。下部排出コンベヤ35は、グレンタンク11の後側外部へ突出し、その突出部分でグレンタンク11の後方で排出オーガ13と接続されている。
【0066】
次に、
図3から
図8を参照して、グレンタンク11における窓61について説明する。
図6は、グレンタンク11の構成を示す正面図である。
図7は、運転部15から窓61の第1窓61aを通じて視認することができるグレンタンク11内の一部を示す図である。
図8は、運転部15から窓61の第2窓61bを通じて視認することができるグレンタンク11内の別の一部を示す図である。
【0067】
図3から
図6に示すように、本実施形態において、窓61は、第1窓61aと、第2窓61bと、から構成されている。第1窓61a及び第2窓61bは、グレンタンク11の前部(前壁41)において、左右方向に所定間隔をあけて並ぶように配置されている。
【0068】
第1窓61aは、当該第1窓61aを通じて、運転部15にいるオペレータ(例えば、運転座席21に座っている状態で振り返ったオペレータ57)がグレンタンク11内の一部を視認することを可能にする。第1窓61aは、グレンタンク11の前壁41の左側に設けられている。
【0069】
第1窓61aは、第1開口部91と、第1閉塞部93と、を有する。第1開口部91は、運転部15の後方で、グレンタンク11の内部空間を外部に繋ぐように開口する。第1閉塞部93は、第1開口部91を覆って閉じる。第1閉塞部93は、透明な部材から構成されている。第1閉塞部93を構成する透明な部材は、グレンタンク内を視認することができる程度の透明度を有する部材であれば良い。
【0070】
第2窓61bは、当該第2窓61bを通じて、運転部15にいるオペレータ(例えば、運転座席21に座っている状態で振り返ったオペレータ57)がグレンタンク11内の別の一部を視認することを可能にする。第2窓61bは、グレンタンク11に前壁41の右側に設けられている。
【0071】
第2窓61bは、第2開口部95と、第2閉塞部97と、を有する。第2開口部95は、運転部15の後方で、グレンタンク11の内部空間を外部に繋ぐように開口する。第2閉塞部97は、第2開口部95を覆って閉じる。第2閉塞部97は、透明な部材から構成されている。第2閉塞部97を構成する透明な部材は、グレンタンク内を視認することができる程度の透明度を有する部材であれば良い。
【0072】
このように、第1窓61a及び第2窓61bは、前壁41において、第1窓61aが左側に位置し、かつ、第2窓61bが位置するように、左右方向に並べられている。また、第1窓61a及び第2窓61bは、前壁41の上部に配置されている。
【0073】
本実施形態において、第1窓61a及び第2窓61bは、それぞれ、矩形状に形成されている。第1窓61a及び第2窓61bは、それぞれ、前壁41において長手方向が上下方向に沿うように配置されている。第1窓61a及び第2窓61bは、略同じ形状を有する。なお、第1窓61a及び第2窓61bのそれぞれの形状は、特に限定されず、互いに異なる形状を有していても良い。
【0074】
第1窓61a及び第2窓61bは、それぞれの上端の高さ位置が上下方向で互いに異なるように配置されている。本実施形態では、
図6に示すように、第1窓61a(第1開口部91)の上端の高さ位置が、第2窓61b(第2開口部95)の上端の高さ位置に対して、高さ方向(上下方向)において所定の上下方向長さL1を確保した状態で上方に配置されている。
【0075】
ここで、第1窓61aの下端の高さ位置は、第2窓61bの下端の高さ位置に対して、高さ方向において下方に配置されている。また、第1窓61aと第2窓61bとは、高さ方向において一部重複するように並べられている。即ち、第2窓61bの上端の高さ位置が、第1窓61aの下端の高さ位置よりも上方に位置するように設定されている。
【0076】
図3及び
図6に示すように、第1窓61a及び第2窓61bは、それぞれの少なくとも一部をキャビン25に設けられた運転部側窓101と前後方向で対向するように配置されている。運転部側窓101は、キャビン25(運転部15)の後端部に、即ち運転座席21よりも後方に配置されている。
【0077】
本実施形態において、運転部側窓101は矩形状に形成されている。運転部側窓101は、前壁41の上部と同程度の高さ位置に配置されている。運転部側窓101は、
図6に示すように、正面視で第1窓61a及び第2窓61bのそれぞれの少なくとも一部と重なり合うことができる大きさを有する。
【0078】
運転部側窓101は、運転部側開口部103と、運転部側閉塞部105と、を有する。運転部側開口部103は、グレンタンク11の前壁41の前方で、キャビン25の内部空間を外部に繋ぐように開口する。運転部側閉塞部105は、運転部側開口部103を覆って閉じる。運転部側閉塞部105は、透明な部材から構成されている。運転部側閉塞部105を構成する透明な部材は、グレンタンク内を視認することができる程度の透明度を有する部材であれば良い。
【0079】
これにより、運転部15にいるオペレータ(例えば、運転座席21に座っている状態で振り返ったオペレータ57)は、運転部15の後方に位置するグレンタンク11側を見たとき、運転部側窓101から第1窓61aを通じてグレンタンク11内の一部を視認することができる。また、運転部15にいるオペレータは、運転部側窓101から第2窓61bを通じてグレンタンク11内の別の一部を視認することができる。
【0080】
詳細には、
図5及び
図6に示すように、グレンタンク11の前壁41は、平面視において左右方向途中部(左右中央部付近)で曲げられるように、概ね左右方向に延びるように設けられている。具体的には、前壁41は、グレンタンク11を機体に対し右側に開いた際に、運転部15との干渉を回避するために、当該前壁41の左側部分41aが右側部分41bから斜め後方へ延びるように設けられている。
【0081】
即ち、前壁41は、左側部分41aと、右側部分41bと、を有する。右側部分41bは、グレンタンク11の右側に配置され、前後方向と略垂直な方向に広がっている。左側部分41aは、右側部分41bに連続する右端部よりも左端部が後方に位置するように、右側部分41bに対して概ね後方に位置しつつ傾斜するように広がっている。
【0082】
そして、前壁41の左側部分41aに、第1窓61aが設けられている。第1窓61aは、左側部分41aの上部に配置されている。第1窓61aは、第1開口部91が前後方向に開口するように配置されている。
【0083】
前壁41の右側部分41bに、第2窓61bが設けられている。第2窓61bは、第2開口部95が前後方向に開口するように配置されている。第2窓61bは、右側部分41bの上部に配置されている。
【0084】
従って、第1窓61aは、第2窓61bよりも後方に位置するように配置されている。また、前述のとおり、第1窓61aは、その上端の高さ位置が第2窓61bの上端の高さ位置よりも上方に位置するように配置されている。なお、このようにして並べられた第1窓61aと第2窓61bとの左右間隔は、特に限定されず、任意に設定可能である。
【0085】
図7に示すように、第1窓61aは、本実施形態では運転部15にいるオペレータにキャビン25の運転部側窓101から、当該第1窓61a及びグレンタンク11の内部空間を通じて、投入口33の少なくとも一部をグレンタンク11内の一部として視認させ得る。よって、オペレータは、運転部15にいながら、投入口33付近に設けられた移送部71の少なくとも一部、更には穀粒センサ73の少なくとも一部を視認することもできる。
【0086】
従って、運転部15にいるオペレータは、投入口33の詰まりが発生していないこと、移送部71が正常に作動していること等を運転部15から確認することができる。また、運転部15にいるオペレータは、グレンタンク11における穀粒の貯留量を運転部15から視認することができる。よって、例えば、穀粒の貯留量の増加により穀粒が穀粒センサ73に達しているにもかかわらず、穀粒センサ73が反応しない場合に、オペレータは、穀粒センサ73の異常の発生を容易に把握することができる。
【0087】
図8に示すように、第2窓61bは、本実施形態では運転部15にいるオペレータがキャビン25の運転部側窓101から、当該第2窓61b及びグレンタンク11の内部空間を通じて、グレンタンク11内の後側領域のうち、下側で、かつ、右側に位置する領域111を運転部15から視認させ得る。
【0088】
従って、前述のようにコンバイン1の刈取作業の開始時に得られる穀粒が移送部71により領域111に移送される点を考慮して、このときに領域111に送られた穀粒を運転部15からでも確認することが可能となる。よって、オペレータは、運転部15にいながら、コンバイン1の刈取作業が正常に開始されたか否かを判断することができる。
【0089】
また、
図3に示すように、運転部15のキャビン25においては、運転座席21よりも後方に、運転部側窓101に加えて、内壁115が設けられている。内壁115は、キャビン25の内部空間、即ち運転部15におけるオペレータの居住空間に対面するよう配置されている。また、内壁115は、運転座席21の後方において運転部側窓101の周囲に配置されている。
【0090】
内壁115における運転座席21側の前面115aは、その運転部側開口部103が前後方向に開口した状態で、
図8に示すように、運転部側窓101に対して所定の前後方向長さL2を有する空間が形成されるように前方に配置されている。そのため、運転部側窓101は、グレンタンク11の極力近くに設けられたうえで、運転部15にいるオペレータ57にとって内壁115よりも後方に位置するものとなっている。
【0091】
従って、運転部15にいるオペレータは、内壁115に邪魔されることなく、前述の空間を介して運転部側窓101に顔を近づけて、運転部側窓101から第1窓61a又は第2窓61bを通じて、グレンタンク11内を覗き込むことが可能となる。よって、運転部15にキャビン25が備えられるコンバイン1において、グレンタンク11内の視認性を向上させることができる。
【0092】
以上に説明したように、本実施形態のコンバイン1は、グレンタンク11と、運転部15と、を備える。グレンタンク11は、脱穀部7による脱穀後に選別部9により選別された穀粒を貯留する。運転部15は、グレンタンク11の前方に配置される。グレンタンク11は、前壁41と、左側壁45と、投入口33と、窓61(第1窓61a)と、を有する。前壁41は、グレンタンク11の前側に配置される。左側壁45は、左側に配置され、前壁41と接続される。投入口33は、左側壁45に設けられ、グレンタンク11内に穀粒を導入するために用いられる。窓61は、前壁41に設けられ、運転部15から投入口33を視認可能にする。
【0093】
これにより、窓61(第1窓61a)を用いて、運転部15からのグレンタンク11内の視認性を向上させることができる。オペレータは、例えば、グレンタンク11に関して、投入口33に詰まりが発生していないこと、及び、投入口33に設けられた穀粒の移送部71が正常に作動していることを、運転部15から確認することができる。
【0094】
また、本実施形態のコンバイン1において、グレンタンク11は、穀粒センサ73を有する。穀粒センサ73は、グレンタンク11の内部空間の投入口33の下方に配置されて、当該グレンタンク11に貯留される穀粒を検出する。窓61は、穀粒センサ73を運転部15から視認可能にするように配置されている。
【0095】
これにより、オペレータは、グレンタンク11における穀粒の貯留量を運転部15から視認することができるので、穀粒の貯留の増加とこれに対する穀粒センサ73の反応状態とを把握して、穀粒センサ73の異常の発生を容易に認識することができる。
【0096】
また、本実施形態のコンバイン1において、窓61(第2窓61b)は、グレンタンク11の内部空間の後側領域のうち、下側に位置する領域111を運転部15から視認可能にするように配置されている。
【0097】
これにより、コンバイン1の刈取作業の開始時に得られる穀粒が領域111に移送される点を考慮して、このときに得られた穀粒を確認することができる。従って、コンバイン1の刈取作業が正常に開始されたか否かを容易に認識することができる。
【0098】
また、本実施形態のコンバイン1において、グレンタンク11は、右側壁47と、後側窓75と、を有する。右側壁47は、左側壁45と対向し、かつ、左右方向で外部を向くように右側に配置され、前壁41と接続される。後側窓75は、右側壁47に設けられ、右側壁47の後側であって下側に配置される。
【0099】
これにより、コンバイン1の外部にいるオペレータ等が、後側窓75を通じて、グレンタンク11の内部空間における領域111にアクセスすることが可能となる。従って、例えば、コンバイン1の刈取作業の開始時に得られた穀粒を後側窓75から外部に取り出して確認したり、穀粒の排出時に穀粒がグレンタンク11内に残留しないように穀粒を外部に取り出して排出したりすることができる。しかも、グレンタンク11の内部空間に後側窓75から外光を取り込むことが可能となり、グレンタンク11の内部空間(特に領域111)の視認性を向上させることができる。
【0100】
また、本実施形態のコンバイン1において、運転部15は、運転座席21と、運転座席21を覆うキャビン25と、を有する。キャビン25は、運転部側窓101を有する。運転座席21の後方に、窓61の少なくとも一部(第1窓61a及び第2窓61bのそれぞれの少なくとも一部)と対向するように配置される。
【0101】
これにより、キャビン25内からでも運転部側窓101を通じてグレンタンク11内を確認することができる。
【0102】
また、本実施形態のコンバイン1において、キャビン25は、運転座席21の後方に設けられる内壁115を有する。運転部側窓101は、内壁115よりも後方に配置される。
【0103】
これにより、運転部側窓101をグレンタンク11に極力近づけて、運転部15にいるオペレータがグレンタンク11側を見たとき、当該オペレータにとって運転部側窓101から窓61を通じてグレンタンク11内を覗き込み易くすることができる。従って、運転部15にいるオペレータにとってのグレンタンク11内の視認性を向上させることができる。
【0104】
また、本実施形態のコンバイン1において、窓61は、前壁41の左側に設けられた第1窓61aと、前壁41の右側に設けられた第2窓61bと、から構成される。第1窓61a及び第2窓61bは、それぞれの上端の高さ位置が上下方向で互いに異なるように配置される。
【0105】
これにより、第1窓61a及び第2窓61bにより、窓61についての上下方向の連続性を確保し易くなる。よって、グレンタンク11内の視認性を向上させることができる。
【0106】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0107】
窓61の構成、即ち窓61を構成する窓の数及び形状は、それぞれ、特に限定されない。窓61は、グレンタンク11の内部空間を介して投入口33を運転部15から視認可能にするものであれば良い。また、上記の実施形態のように窓61が第1窓61a及び第2窓61bから構成される場合、それぞれの形状は特に限定されない。
【0108】
上記の実施形態において、第1窓61aの設置位置は、特に限定されず、前壁41の左側部分41aにおける任意位置に設定可能である。第2窓61bの設置位置は、特に限定されず、第2窓61bの上端位置が第1窓61aの上端位置と上下方向で異なるのであれば、前壁41の右側部分41bにおける任意の位置に設定可能である。
【0109】
上記の実施形態では、窓61に係る構成は、グレンタンク11のほか、運転部15にキャビン25を備えるコンバイン1に適用しているが、キャビンを備えない他のコンバインに適用することもできる。
【0110】
右側壁47における後側窓75は、複数設けられても良い。右側壁47における後側窓75の数は任意に設定可能である。
【0111】
天井壁51における上側窓81は、複数設けられても良い。天井壁51の数は任意に設定可能である。また、天井壁51の設置位置も任意に設定可能である。例えば、上側窓81は、上記の実施形態における設置位置に比べて投入口33により近い位置に設置することができる。
【0112】
上述の教示を考慮すれば、本発明が多くの変更形態及び変形形態をとり得ることは明らかである。従って、本発明が、添付の特許請求の範囲内において、本明細書に記載された以外の方法で実施され得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0113】
1 コンバイン
11 グレンタンク
15 運転部
21 運転座席
25 キャビン
33 投入口(入口部)
41 前壁
45 左側壁(側壁)
47 右側壁(別の側壁)
61 窓
61a 第1窓
61b 第2窓
73 穀粒センサ
75 後側窓
101 運転部側窓
111 領域
115 内壁