(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】携帯電話装置
(51)【国際特許分類】
H04M 1/00 20060101AFI20240311BHJP
H04M 1/724 20210101ALI20240311BHJP
【FI】
H04M1/00 S
H04M1/724
(21)【出願番号】P 2020149881
(22)【出願日】2020-09-07
【審査請求日】2023-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松村 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 国一郎
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 恵太
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 哲
(72)【発明者】
【氏名】高垣 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】三浦 貴和子
(72)【発明者】
【氏名】小林 由樹
(72)【発明者】
【氏名】五ヶ市 壮央
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-046553(JP,A)
【文献】特開2003-018078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話装置であって、
第1の表示状態と、前記第1の表示状態における表示面積より表示面積が広い第2の表示状態との間で表示状態の切り替えが可能な表示装置と、
当該携帯電話装置の第1のユーザと、他の電話装置を用いて通話する第2のユーザとの通話を実行する通話部と、
前記他の電話装置を識別するための識別情報に基づいて前記他の電話装置の電話番号を含む第1の情報を示す第1の画像を生成し、前記識別情報に基づいて前記第1の情報以外の情報を含む前記第2のユーザに関する第2の情報を示す第2の画像を生成する画像生成部と、
前記表示装置の表示状態を前記第1の表示状態から前記第2の表示状態へ切り替える前記第1のユーザによる切替操作を検出する検出部と、
前記表示装置の表示状態が前記第1の表示状態である場合に前記第1の画像を前記表示装置に表示させ、前記検出部によって前記切替操作が検出された場合、前記表示装置の表示状態を前記第2の表示状態に変更し、且つ前記第2の画像を前記表示装置に表示させる表示制御部と、を備え
、
前記画像生成部は、
前記識別情報と、前記表示装置の表示状態が前記第1の表示状態である場合における前記通話の内容を示す通話情報とに基づいて、前記第2の画像を生成する、
携帯電話装置。
【請求項2】
前記画像生成部は、
前記表示装置の表示状態が前記第1の表示状態中に、前記通話部が前記他の電話装置に発信した場合、又は、前記通話部が前記他の電話装置からの着信を受けた場合、前記第2の画像を生成する、請求項1に記載の携帯電話装置。
【請求項3】
前記識別情報は、前記他の電話装置の電話番号及び前記第2のユーザについての名称のうち少なくとも1つを含む、
請求項1
又は2に記載の携帯電話装置。
【請求項4】
前記第2の画像は、前記第2のユーザの住所を含む地図の画像である、
請求項
3に記載の携帯電話装置。
【請求項5】
前記第2の画像は、前記第2のユーザによって提供されるサービスに関する画像である、
請求項
3に記載の携帯電話装置。
【請求項6】
前記第2のユーザの音声を出力するスピーカをさらに備え、
前記通話部は、
前記検出部によって前記切替操作が検出された場合に、前記スピーカから出力される前記第2のユーザの音声を、前記表示装置の表示状態が前記第1の表示状態にある場合に前記スピーカから出力される前記第2のユーザの音声よりも大きくする、
請求項1から
5までのうちいずれか1項に記載の携帯電話装置。
【請求項7】
前記第2のユーザの音声を出力する第1のスピーカ及び第2のスピーカをさらに備え、
前記通話部は、
前記第1の表示状態において前記第1のスピーカから前記第2のユーザの音声を出力し、
前記検出部によって前記切替操作が検出された場合、前記表示装置の表示状態が前記第2の表示状態にある場合に前記第2のスピーカから出力される前記第2のユーザの音声を、前記表示装置の表示状態が前記第1の表示状態にある場合に前記第1のスピーカから出力される前記第2のユーザの音声よりも大きくする、
請求項1から
5までのうちいずれか1項に記載の携帯電話装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通話に用いるだけでなく、各種の情報を表示できるスマートフォンが普及している。特許文献1には、携帯性と大画面表示を兼ね備えた折り畳み型のスマートフォンが開示されている。このスマートフォンは、本体を閉じた状態では小画面の表示状態となり、本体を開いた状態では大画面の表示状態となる。このスマートフォンを用いて第1のユーザが第2のユーザと通話する場合、スマートフォンは本体を閉じた状態で使用されるのが通常である。そして、スマートフォンには第2のユーザが使用する電話装置の電話番号及び第2のユーザの氏名が小画面に表示されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、第1のユーザが第2のユーザと通話する場合、通話中に第2のユーザに関する情報を知ることができれば、第2のユーザと良好な意思疎通を図ることができる。しかしながら、従来のスマートフォンでは、通話中に電話番号及び氏名以外の第2のユーザに関する情報を大画面に表示させる場合、大画面の表示状態において、第1のユーザはスマートフォンを操作する必要があった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなれたものであり、携帯電話装置の操作性を向上することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一態様である携帯電話装置は、第1の表示状態と、前記第1の表示状態における表示面積より表示面積が広い第2の表示状態との間で表示状態の切り替えが可能な表示装置と、当該携帯電話装置の第1のユーザと、他の電話装置を用いて通話する第2のユーザとの通話を実行する通話部と、前記他の電話装置を識別するための識別情報に基づいて前記他の電話装置の電話番号を含む第1の情報を示す第1の画像を生成し、前記識別情報に基づいて前記第1の情報以外の情報を含む前記第2のユーザに関する第2の情報を示す第2の画像を生成する画像生成部と、前記表示装置の表示状態を前記第1の表示状態から前記第2の表示状態へ切り替える前記第1のユーザによる切替操作を検出する検出部と、 前記表示装置の表示状態が前記第1の表示状態である場合に前記第1の画像を前記表示装置に表示させ、前記検出部によって前記切替操作が検出された場合、前記表示装置の表示状態を前記第2の表示状態に変更し、且つ前記第2の画像を前記表示装置に表示させる表示制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、第1のユーザは、表示装置の表示状態を第1の表示状態から第2の表示状態に切り替えることによって、第2のユーザに関する第2の情報を示す第2の画像を、表示装置に表示できる。よって、携帯電話装置の操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】本開示の第1実施形態に係る携帯電話装置の第1の表示状態における外観を示す斜視図である。
【
図1B】同携帯電話装置の第2の表示状態における外観を示す斜視図である。
【
図2】同携帯電話装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】同携帯電話装置の記憶装置に記憶されるテーブルの記憶内容を示す説明図である。
【
図4】同携帯電話装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】同携帯電話装置に表示される第1の画像の一例を示す説明図である。
【
図6】同携帯電話装置に表示される第2の画像の一例を示す説明図である。
【
図7】同携帯電話装置の動作を示すフローチャートである。
【
図8】本開示の第2実施形態に係る携帯電話装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図9】同携帯電話装置に表示される第1の画像の一例を示す説明図である。
【
図10】同携帯電話装置に表示される第2の画像の一例を示す説明図である。
【
図11】同携帯電話装置の動作を示すフローチャートである。
【
図12A】本開示の第3実施形態に係る携帯電話装置の第1の表示状態における外観を示す斜視図である。
【
図12B】同携帯電話装置の第2の表示状態における外観を示す斜視図である。
【
図13】同携帯電話装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図14】本開示の第4実施形態に係る携帯電話装置の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
図1A及び
図1Bは、本開示の第1実施形態である携帯電話装置100Aの外観を示す斜視図である。本実施形態における携帯電話装置100Aは、スマートフォンである。なお、携帯電話装置100Aは、スマートフォン以外の携帯電話機、通話機能を有する可搬型の情報処理装置であってもよい。また、以下の説明では、第1のユーザが携帯電話装置100Aを用いて、他の電話装置のユーザである第2のユーザと通話することを想定する。
【0010】
図1A及び
図1Bに示すように、携帯電話装置100Aは、筐体41及び42と、ヒンジ49とを有する。筐体41及び42は、いずれも直方体の板状の形をした筐体である。筐体41は、その表裏2面の一方に長方形の形をした表示面41Sを有し、筐体42は、その表裏2面の一方に長方形の形をした表示面42Sを有する。これらの表示面41S及び42Sは、携帯電話装置100Aが備える表示装置14(
図2参照)の表示面である。本実施形態において、表示面41S及び42Sは、互いに同じ表示面積を有する。また、筐体41には、スピーカ16とマイクロフォン17とが設けられる。スピーカ16とマイクロフォン17とは、例えば、第1のユーザが携帯電話装置100Aを用いて第2のユーザと通話する場合に、使用される。
【0011】
端面41Eは、それらの4つの端面のうち筐体41の表裏2面の長辺側にある2つの端面うちの1つである。同様に、筐体42は、その表裏2面を囲む4つの長方形形状の端面を有する。端面42Eは、それらの4つの端面のうち筐体42の表裏2面の長辺側にある2つの端面うちの1つである。ヒンジ49は、筐体41及び42を回転可能に連結するいわゆる蝶番である。ヒンジ49は、端面41Eにおいて表示面41Sに臨む長辺の反対側の長辺と、端面42Eにおいて表示面42Sに臨む長辺の反対側の長辺とを連結する。
【0012】
本実施形態では、ヒンジ49が回転することで、表示面41S及び42Sのなすヒンジ角度が変化する。本実施形態において、第1のユーザは、ヒンジ角度を360度とすることにより、
図1Aに示すように、表示面41S及び42Sを外側に向かせ、携帯電話装置100Aの表示装置14の表示状態を、表示面41Sのみにより表示を行う第1の表示状態にできる。また、第1のユーザは、ヒンジ角度を180度とすることにより、
図1Bに示すように、表示面41S及び42Sを自分に対面させられる。この操作によって、携帯電話装置100Aの表示装置14の表示状態は、表示面41S及び42Sの両方による表示を行う第2の表示状態となる。第2の表示状態の表示面積は、第1の表示状態の表示面積より広い。
【0013】
図2は、携帯電話装置100Aのハードウェア構成を例示するブロック図である。
図2に例示される通り、携帯電話装置100Aは、処理装置11、記憶装置12、通信装置13、表示装置14、操作装置15、スピーカ16、マイクロフォン17及び開閉検出装置18を具備するコンピュータである。携帯電話装置100Aの各要素は、単体又は複数のバスで相互に接続される。なお、本願における「装置」という用語は、回路、デバイス又はユニット等の他の用語に読替えてもよい。また、携帯電話装置100Aの各要素は、単数又は複数の機器で構成され、携帯電話装置100Aの一部の要素を省略してもよい。
【0014】
処理装置11は、携帯電話装置100Aの全体を制御するプロセッサであり、例えば単数又は複数のチップで構成される。処理装置11は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成される。なお、処理装置11の機能の一部又は全部は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで実現されてもよい。処理装置11は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0015】
記憶装置12は、処理装置11が読取可能な記録媒体であり、処理装置11が実行する複数のプログラム、及び処理装置11が使用する各種のデータを記憶する。複数のプログラムには、制御プログラムPRが含まれる。また、各種のデータにはテーブルTBLが含まれる。記憶装置12は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等の不揮発性記憶回路と、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶回路とにより構成される。
【0016】
図3は、テーブルTBLの記憶内容を示す説明図である。テーブルTBLには、いわゆる電話帳のデータが格納される。
図3に示されるようにテーブルTBLは、複数のレコードrを記憶する。一つのレコードrは電話番号と名称との組である。名称は、よびな、名前、及び呼称を含む。名称は、「名」、「氏」、「氏名」、「会社名」、「屋号」、及び「施設名」を含む。
【0017】
通信装置13は、移動体通信網又はインターネット等の通信網を介して他の装置と通信する装置である。通信装置13は、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード又は通信モジュールとも表記される。例えば、配信サーバ(図示略)から通信網を介して通信装置13が受信したアプリケーションプログラムが記憶装置12に記憶される。また、通信装置13は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を行う無線装置を含む。加えて、通信装置13は、通信の状況を示す通信情報を処理装置11に出力する。通信の状況は、他の電話装置へ発信したこと、他の電話装置から着信したこと、及び他の電話装置との間で通信が確立したことを含む。
【0018】
表示装置14は、処理装置11による制御のもとで上述した表示面41S及び42Sに各種の画像を表示する。例えば液晶表示パネル、有機EL表示パネル等の各種の表示パネルが表示装置14として好適に利用される。表示面41Sを有する表示装置と、表示面42Sを有する表示装置は、物理的には別個の表示装置である。しかし、本実施形態による携帯電話装置100Aでは、表示面41S及び42Sに跨って1つの画像を表示し、あるいは表示面41Sによる表示と表示面42Sによる表示とを連携させて、1つのまとまった処理を実行する場合もある。そこで、本実施形態では、表示面41Sを有する表示装置と、表示面42Sを有する表示装置とは、1つの表示装置14として扱う。
また、表示装置14は、第1の表示状態と、第1の表示状態における表示面積より表示面積が広い第2の表示状態との間で表示状態の切り替えが可能である。
【0019】
操作装置15は、携帯電話装置100Aが使用する情報を入力するための装置である。操作装置15は、利用者による操作を受付ける。具体的には、操作装置15は、数字及び文字等の符号を入力するための操作と、表示装置14が表示するアイコンを選択するための操作とを受付ける。例えば、表示装置14の表示面に対する接触を検出するタッチパネルが操作装置15として好適である。なお、利用者が操作可能な複数の操作子を操作装置15が含んでもよい。第1のユーザは操作装置15を用いて、第2のユーザが使用する他の電話装置の電話番号を入力できる。
【0020】
スピーカ16は、電気信号を音に変換する装置である。処理装置11はDA変換器を備え、DA変換器によってデジタル信号が変換されたアナログ信号がスピーカ16に供給される。あるいは、スピーカ16の前段にDA変換器が設けられてもよい。この場合、処理装置11は音声データをDA変換器に出力する。第1のユーザが携帯電話装置100Aを用いて第2のユーザと通話する場合、スピーカ16は第2のユーザの音声を出力する。
図1Aに示す例では、スピーカ16を表示装置14の上部に設けたが、本開示はこれに限定されない。例えば、表示装置16の上部に第1のスピーカを設け、表示装置16の下部に第2のスピーカを設けてもよい。2個のスピーカを設ける場合、スピーカ16は、第1のスピーカと第2のスピーカとの総称である。
【0021】
マイクロフォン17は音を電気信号に変換する装置である。処理装置11はAD変換器を備える。処理装置11は、マイクロフォン17から出力されるアナログの音声信号をAD変換器によってデジタルの音声データに変換し、音声データを処理に用いる。あるいは、マイクロフォン17の後段にAD変換器が設けられてもよい。この場合、AD変換器によって音声信号が音声データに変換される。音声データは処理装置11に供給される。第1のユーザが携帯電話装置100Aを用いて第2のユーザと通話する場合、マイクロフォン17には第1のユーザの音声が入力される。
【0022】
開閉検出装置18は、表示装置14の表示状態を検出する装置である。具体的には、開閉検出装置18は、表示面41S及び42Sがなす角度、すなわち、ヒンジ49のヒンジ角度を検出し、ヒンジ角度に応じた大きさを持った検出信号を出力するセンサを含む。開閉検出装置18は、検出信号が示すヒンジ角度θが例えば360°<θ<270°の範囲内にある場合、表示装置14の表示状態が第1の表示状態(閉状態)であることを検出する。また、開閉検出装置18は、検出信号が示すヒンジ角度θが例えば270°<θ<90°の範囲内にある場合、表示装置14の表示状態が第2の表示状態(開状態)であることを検出する。開閉検出装置18は、検出結果を示す検出情報18aを処理装置11に出力する。
【0023】
処理装置11は、記憶装置12に記憶された制御プログラムPRを読み出して、読み出した制御プログラムPRを実行することによって、各種の機能を実現する。
図4は処理装置11の機能を示すブロック図である。
【0024】
処理装置11は、制御プログラムPRを実行することによって、通話部110A、画像生成部120A、検出部130、及び表示制御部140として機能する。
【0025】
通話部110Aは、通信装置13、スピーカ16及びマイクロフォン17を用いて、携帯電話装置100Aの第1のユーザと、第2のユーザとの間の通話を実行する。通話の態様には、通常通話とハンズフリー通話とがある。通常通話は、第1のユーザが携帯電話装置100Aを自分の顔に押し当て通話する態様である。ハンズフリー通話は、第1のユーザが携帯電話装置100Aを自分の顔から離して通話する態様である。通話部110Aは、通話の態様がハンズフリー通話の場合、通話の態様が通常通話の場合と比較して、スピーカ16から出力される音の大きさを大きくする。具体的には、通話部110Aは、スピーカ16に供給する音声信号の振幅を通話の態様に応じて制御する。
また、通話部110Aは、第2のユーザが使用する他の電話装置を識別する識別情報IDを出力する。識別情報IDの詳細は後述する。
【0026】
画像生成部120Aは、第1の画像D1と第2の画像D2とを生成する。第1のユーザが第2のユーザと通話する場合、第1の画像D1は、他の電話装置の電話番号を含む第1の情報を示す。画像生成部120Aは第1の画像D1を生成する場合、画像生成部120Aは通話部110Aから他の電話装置を識別するための識別情報IDを取得する。識別情報IDは、例えば、他の電話装置の電話番号である。識別情報IDは、例えば、第2のユーザについての名称でもよい。あるいは、識別情報IDは、他の電話装置の電話番号及び第2のユーザについての名称のうち少なくとも1つを含む。本実施形態の識別情報IDは、他の電話装置の電話番号と第2のユーザの名称とを含む。通話部110Aは、他の電話装置の電話番号を基にテーブルTBLを参照することによって、第2のユーザの名称を特定し、電話番号と特定された第2のユーザの名称を含む識別情報IDを生成する。
【0027】
図5は、表示装置14の表示面41Sに表示される第1の画像D1の一例を示す平面図である。
図5に示される第1の画像D1は、第2のユーザを示すテキストの画像が領域A11に配置され、電話番号のテキストの画像である「03-5533-1001」が領域A21に配置され、通話中であることを示すアイコンが領域A31に配置される。この例の第1の情報は、第2のユーザは「ABCピザ」であること、他の電話装置の電話番号が「03-5533-1001」であること、通話中であることである。
【0028】
第2の画像D2は、第1の情報以外の情報を含む第2のユーザに関する第2の情報を示す。画像生成部120Aは、識別情報IDに基づいて第2の画像D2を生成する。画像生成部120Aは、例えば、電話番号又は第2のユーザの名称に基づいて第2のユーザの住所を特定する。画像生成部120Aは、例えば、Webブラウザ用いて、電話番号又は第2のユーザの名称を基に住所を検索することによって、第2のユーザの住所を特定する。さらに、画像生成部120Aは、地図アプリを用いて、特定された住所を含む地図の画像を生成し、地図の画像を第2の画像D2としてもよい。この場合、第2の画像D2は第2のユーザの住所を示す位置が中央となる地図であってもよい。このように地図の中央に第2のユーザの住所を位置させることによって、第2のユーザの住所周辺の様子を第1のユーザに知らせることができる。また、画像生成部120Aは、例えば、Webブラウザ用いて、電話番号又は第2のユーザの名称を基に住所を検索することによって、第2のユーザによって提供されるサービスを特定し、特定したサービスに関する画像を生成し、この画像を第2の画像D2としてもよい。
【0029】
図6は、表示装置14の表示面41S及び42Sに表示される第2の画像D2の一例を示す平面図である。
図6に示さる第2の画像D2は、第2のユーザの住所を含む地図の画像が領域B11に配置され、第2のユーザの住所のストリートビューを示す画像が領域B21に配置され、第2のユーザのサービスに関する画像が領域B31に配置される。この例の第2の情報は、第2のユーザの住所を含む地図、第2のユーザの住所のストリートビュー、及び第2のユーザによって提供されるサービスの内容である。第1のユーザは、第2のユーザと通話するだけで、第2のユーザである「ABCピザ」の住所を含む地図、「ABCピザ」のメニュー等を知ることができる。
【0030】
図4に示される検出部130は、表示装置14の表示状態を第1の表示状態から第2の表示状態へ切り替える第1のユーザによる切替操作を検出する。具体的には、検出部130は、検出情報18aに基づいて、表示装置14の表示状態が第1の表示状態から第2の表示状態へ切り替わったことを検出する。
【0031】
表示制御部140は、検出情報18aの示す表示装置14の表示状態が、第1の表示状態である場合に、第1の画像D1を表示装置14に表示させる。この例では、表示装置14の表示状態が第1の表示状態である場合、表示制御部140は表示装置14の表示面41Sに第1の画像D1を表示させる。表示制御部140は、例えば、
図5に示される第1の画像D1を表示装置14の表示面41Sに表示させる。
【0032】
また、表示制御部140は、検出部130によって切替操作が検出された場合、表示装置14の表示状態を第2の表示状態に変更し、且つ第2の画像D2を表示装置14に表示させる。表示制御部140は、例えば、
図6に示される第2の画像D2を表示装置14の表示面41S及び42Sに表示させる。
【0033】
第1のユーザが表示装置14の表示状態を、第1の表示状態から第2の表示状態へ切替える場合、第1のユーザは
図1Aに示される筐体42を矢印Qの方向に回転させる。この表示状態の変更において、表示装置14の表示状態が第2の表示状態となった時に、直ちに第2の画像D2が表示装置14に表示されることが望ましい。表示装置14の表示状態が第1の表示状態中に、第2の画像D2を準備できれば、第2の表示状態の開始から第2の画像D2を表示装置14に表示させることが可能となる。
【0034】
そこで、画像生成部120Aは、表示装置14の表示状態が第1の表示状態中に、第1のユーザと第2のユーザとの間の通話が開始された場合に、第2の画像D2を生成する。具体的には、通話部110Aは、携帯電話装置100Aと他の電話装置との間で通信が確立された場合に、識別情報IDを画像生成部120Aに出力する。画像生成部120Aは、通話部110Aから識別情報IDを取得するタイミングから、識別情報IDに基づいて第2の画像IDを生成する。
【0035】
表示装置14の表示状態が第1の表示状態である場合、表示装置14の表示状態が第2の表示状態である場合と比較して、携帯電話装置100Aは小型になっている。このため、第1のユーザは、通常通話の態様によって、第2のユーザと通話するのが、一般的である。通所通話では、第1のユーザは携帯電話装置100Aを片手で把持し、スピーカ16を耳に押し当て、マイクロフォン17を口元に近づけて通話する。表示装置14の表示状態が第1の表示状態である場合、第1のユーザは、着信又は発信があると、他の電話装置の電話番号等を第1の画像D1を見ることによって認識する。第1のユーザは、他の電話装置の電話番号等を確認した後、携帯電話装置100Aを顔に押し当て通話する。
【0036】
一方、表示装置14の表示状態が第2の表示状態になると、表示装置14には、第2のユーザに関する詳細な情報が表示される。このため、第1のユーザは、表示装置14に表示される第2の画像D2を見ながら、第2のユーザと通話することが多い。このため、通話中に表示装置14の表示状態が、第1の表示状態から第2の表示状態に切り替わった場合は、第1のユーザが操作装置15を操作しなくても、ハンズフリー通話に切り替えることが望ましい。
【0037】
そこで、本実施形態の通話部110Aは、検出部130によって切替操作が検出されたタイミングにおいて、表示装置14の表示状態が第2の表示状態である場合に、スピーカ16から出力される第2のユーザの音声を、表示装置14の表示状態が第1の表示状態にある場合にスピーカ16から出力される第2のユーザの音声よりも大きくする。具体的には、通話部110Aは、第2の表示状態におけるスピーカ16に出力する音声信号の振幅を、第1の表示状態におけるスピーカ16に出力する音声信号の振幅よりも大きくする。なお、スピーカ16が、複数のスピーカによって構成される場合、第1の表示状態において第2のユーザの音声を出力するスピーカと、第2の表示状態において第2のユーザの音声を出力するスピーカとが異なってもよい。例えば、第1の表示状態において第2のユーザの音声を出力するスピーカは第1のスピーカであり、第2の表示状態において第2のユーザの音声を出力するスピーカは第2のスピーカであってもよい。表示状態に応じて第2のユーザの音声を出力するスピーカを変更する場合、第1の表示状態よりも第2の表示状態の方が、第2のユーザの音声が大きいことが好ましい。異なるスピーカを用いることによって、小音量用のスピーカと大音量用のスピーカとを使い分けることができる。
【0038】
なお、画像生成部120Aは、第2の画像D2の生成が完了したことを通話部110Aに通知してもよい。通話部110Aは、通知を取得した場合に、表示装置14の表示状態を第1の表示状態から第2の表示状態へ変更することを促す所定の音を、スピーカ16から出力させてもよい。所定の音がスピーカ16から出力されることにより、第1のユーザは、第2の画像D2を表示する準備が整ったことを知ることができる。なお、第2の画像D2の生成が完了した場合、完了したことを第1のユーザに知らせるために、画像生成部120Aは、表示状態の変更を促す画像を生成し、生成した画像を表示制御部140へ出力してもよい。表示制御部140は、当該画像を表示装置14に表示させる。あるいは、100Aにバイブレーターを設け、バイブレーターを駆動することによって、第2の画像D2の生成が完了したことを第1のユーザに知らせてもよい。振動により知らせる場合、画像生成部120Aは、第2の画像D2の生成が完了した場合、バイブレーターを所定時間だけ駆動する制御信号をバイブレーターに出力すればよい。
【0039】
次に、第1実施形態に係る携帯電話装置100Aの動作を説明する。
図7は、携帯電話装置100Aの動作を示すフローチャートである。処理装置11は、検出情報18aに基づいて、表示装置14の表示状態が第1の表示状態であるか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1の判定結果が否定である場合、処理装置11はステップS1の判定結果が肯定になるまでステップS1を繰り返す。ステップS1の判定結果が肯定である場合、処理装置11は、第1のユーザと第2のユーザとの間の通話が開始されたかを判定する(ステップS2)。通話の開始は、当該携帯電話装置100Aと第2のユーザが使用する他の電話装置との間で通信が確立したことを意味する。具体的には、処理装置11は通信装置13から出力される通信情報に基づいて通話が開始したことを判定する。
【0040】
ステップS2の判定結果が否定である場合、処理装置11は処理をステップS1に戻す。一方、ステップS2の判定結果が肯定である場合、処理装置11は、識別情報IDに基づいて、第1の画像D1を生成する(ステップS3)。
【0041】
次に、処理装置11は、第1の画像D1を表示装置14に表示させる(ステップS4)。表示装置14の表示状態は第1の表示状態であるので、第1の画像D1は表示面41Sに表示される。第1の画像D1は、他の電話装置の電話番号を含む第1の情報を示すので、第1のユーザは、携帯電話装置100Aを閉じた状態で、他の電話装置の電話番号を確認できる。この例の識別情報IDは第2のユーザの名称を含むので、第1の画像D1には、
図5に示されるように、領域A21に位置する電話番号の画像「03-5533-1001」の他に、領域A11に位置する第2ユーザの名称の画像「ABCピザ」が含まれる。
【0042】
次に、処理装置11は、識別情報IDに基づいて第2の画像D2を生成する(ステップS5)。第2の画像D2は、第1の情報以外の情報を含む第2の情報を示す。例えば、
図6に示されるように、第2の画像D2には、電話番号「03-5533-1001」と第2ユーザの名称「ABCピザ」以外の情報として、第2ユーザの住所を含む地図が領域B11に配置され、第2ユーザによって提供されるサービスの内容を示す画像が領域B31に配置される。
【0043】
次に、処理装置11は、表示装置14の表示状態を第1の表示状態から第2の表示状態へ切り替える第1のユーザによる切替操作を検出したか否かを判定する(ステップS6)。具体的には、処理装置11は検出情報18aに基づいて切替操作を検出したか否かを判定する。
【0044】
ステップS6の判定結果が否定である場合、処理装置11は通信情報に基づいて通話が終了しているか否かを判定する(ステップS10)。ステップS10の判定結果が肯定である場合、処理装置11は処理を終了する。一方、ステップS10の判定結果が否定である場合、処理装置11は処理をステップS6に戻す。
【0045】
ステップS6の判定結果が肯定である場合、処理装置11は表示装置14の表示状態を第1の表示状態から第2の表示状態へ変更する(ステップS7)。具体的には、処理装置11は、表示面41Sのみを用いた表示から、表示面41S及び42Sを用いた表示へ変更する。
【0046】
次に、処理装置11は、通話の態様を通常通話からハンズフリー通話へ変更する(ステップS9)。具体的には、処理装置11は、スピーカ16に出力する音声信号の振幅を、通常通話の場合と比較して大きくする。ハンズフリー通話に変更することによって、第1のユーザは、表示面41S及び42Sに表示される第2の画像D2を見ながら、第2のユーザと通話できる。このため、第1のユーザは、大画面の表示装置14に表示される第2のユーザに関する情報を参照しながら、第2のユーザと対話できるので、第2のユーザと良好な意思疎通が可能となる。
【0047】
処理装置11は、ステップS1、ステップS2、ステップS3、及びステップS5において、画像生成部120Aとして機能する。処理装置11は、ステップS4、ステップS7、及びステップS8において、表示制御部140として機能する。処理装置11は、ステップS9及びステップS10において、通話部110Aとして機能する。処理装置11は、ステップS6において、検出部130として機能する。
【0048】
以上、説明したように第1実施形態の携帯電話装置100Aは、第1の表示状態と、第1の表示状態における表示面積より表示面積が広い第2の表示状態との間で表示状態の切り替えが可能な表示装置14と、携帯電話装置100Aの第1のユーザと、他の電話装置を用いて通話する第2のユーザとの通話を実行する通話部110Aと、他の電話装置を識別するための識別情報IDに基づいて記他の電話装置の電話番号を含む第1の情報を示す第1の画像D1を生成し、識別情報IDに基づいて第1の情報以外の情報を含む第2のユーザに関する第2の情報を示す第2の画像D2を生成する画像生成部120Aと、表示装置14の表示状態を第1の表示状態から第2の表示状態へ切り替える第1のユーザによる切替操作を検出する検出部130と、表示装置14の表示状態が第1の表示状態である場合に第1の画像D1を表示装置14に表示させ、検出部130によって切替操作が検出された場合、表示装置14の表示状態を第2の表示状態に変更し、且つ第2の画像D2を表示装置14に表示させる表示制御部140と、を備える。
この携帯電話装置100Aによれば、大画面の第2の表示状態において第2のユーザに関する第2の画像D2を表示装置14に表示するので、第1のユーザは通話中に第2のユーザに関する情報を知ることができる。この場合、第1のユーザは、第2の画像D2を表示装置14に表示させるために、携帯電話装置100Aに対して何らかの入力操作を行う必要が無い。従って、携帯電話装置100Aの操作性及び利便性が向上する。
【0049】
携帯電話装置100Aは、第2のユーザの音声を出力するスピーカ16と、通話部110Aを備える。通話部110Aは、検出部130によって切替操作が検出された場合に、スピーカ16から出力される第2のユーザの音声を、表示装置14の表示状態が第1の表示状態にある場合にスピーカ16から出力される第2のユーザの音声よりも大きくする。
【0050】
通常通話によって通話中に、表示装置14の表示状態が第1の表示状態から第2の表示状態に切り替わった場合、通話の態様をハンズフリー通話に変更する必要がある。携帯電話装置100Aによれば、検出部130によって切替操作が検出された場合、ハンズフリー通話に変更するので、第1のユーザが携帯電話装置100Aに対して何らかの入力操作をする必要がない。従って、携帯電話装置100Aの操作性及び利便性が向上する。また、通話中に、表示装置14の表示状態が第1の表示状態から第2の表示状態に切り替わった後に、再度、第1の表示状態に切り替わった場合、通話部110Aは通話をハンズフリー通話から通常通話に変更してもよい。第1のユーザが、再度、第1の表示状態に切り替えた場合は、第1のユーザが片手の操作による通常通話を意図していると考えられるからである。
【0051】
<第2実施形態>
上述した第1実施形態に係る携帯電話装置100Aは、識別情報IDに基づいて第2の画像D2を生成した。第2実施形態に係る携帯電話装置100Bは、識別情報ID及び通話の内容を示す通話情報Xに基づいて第2の画像D2を生成する点を除いて、第1実施形態の携帯電話装置100Aと同様に構成されている。以下、第2実施形態の携帯電話装置100Bについて、第1実施形態の携帯電話装置100Aと相違する点を説明する。
【0052】
図8は、携帯電話装置100Bの処理装置11が制御プログラムPRを実行することによって実現される機能を示すブロック図である。携帯電話装置100Bの処理装置11は、記憶装置12に記憶される制御プログラムPRを実行することによって、
図4に示される通話部110Aの替わりに通話部110Bとして機能し、
図4に示される画像生成部120Aの替わりに画像生成部120Bとして機能する。
【0053】
通話部110Bは、識別情報ID及び通話情報Xを画像生成部120Bへ出力する点で、通話情報Xを画像生成部120Aに出力しない通話部110Aと相違する。
画像生成部120Bは、通話部110Bから出力される識別情報ID及び通話情報Xに基づいて、第2の画像D2を生成する。通話情報Xは、表示装置14の表示状態が第1の表示状態である場合における通話の内容を示す。具体的には、画像生成部120Bは、通話情報Xに基づいて通話に含まれるキーワードを特定し、特定されたキーワードと識別情報IDに基づいて、第2の画像D2を生成する。キーワードの特定方法は、例えば、第1のユーザの発話に含まれ、且つ、第2のユーザの発話に含まれる一以上の単語としてもよい。あるいは、第1のユーザの発話及び第2のユーザの発話に含まれる複数の単語のうち、最も使用される頻度の高い単語がキーワードとなる。
【0054】
例えば、緊急電話により、第1のユーザが第2ユーザである医師と通話する場合を想定する。また、第1のユーザは、夫に対してAEDを用いた蘇生を試みる必要があるものとする。
図9は、表示装置14の表示面41Sに表示される第1の画像D1の一例を示す平面図である。
図9に示さる第1の画像D1は、緊急電話を示すテキストの画像が領域A12に配置され、電話番号のテキストの画像である「119」が領域A22に配置され、通話中であることを示すアイコンが領域A32に配置される。この例の第1の情報は、通話が緊急電話であること、他の電話装置の電話番号が「119」であること、通話中であることである。
【0055】
また、表示装置14の表示状態が第1の表示状態中に以下の通話がなされたものとする。
第1のユーザ:「夫が倒れています。夫は息をしていません。」
第2のユーザ:「近くにAEDはありますか?」
第1のユーザ:「手元にAEDがありますが、使い方が分かりません。」
第2のユーザ:「AEDの使い方は簡単です。私が説明します。」
【0056】
この通話において、第1のユーザの発話に含まれ、且つ第2のユーザの発話に含まれる単語は、「AED」と「使い方」である。このため、画像生成部120Bは、「AED」及び「使い方」をキーワードとして特定する。また、画像生成部120Bは、識別情報IDの示す電話番号「119」に基づいて、第2のユーザがビデオ電話に対応していることを特定する。さらに、画像生成部120Bは、例えば、Webブラウザ用いて、「AED」と「使い方」を基に検索することによって、AEDの使い方に関する画像を第2の画像D2の一部として生成する。また、画像生成部120Bは、第2のユーザである医師の画像を第2の画像D2の一部として生成する。画像生成部120Bは、AEDを用いた蘇生方法に関する画像を第2の画像D2の一部として生成する。
【0057】
図10は、表示装置14の表示面41S及び42Sに表示される第2の画像D2の一例を示す平面図である。
図10に示さる第2の画像D2は、AEDの使い方に関する画像が領域B12に配置され、第2のユーザである医師の画像が領域B22に配置され、AEDを用いた蘇生方法に関する画像が領域B32に配置される。この例の第2の情報は、AEDの使い方、第2のユーザの姿、及びAEDを用いた蘇生方法である。
【0058】
次に、第2実施形態に係る携帯電話装置100Bの動作を説明する。
図11は、第2実施形態に係る携帯電話装置100Bの動作を示すフローチャートである。第2実施形態に係る携帯電話装置100Aの動作は、
図7に示されるステップS5の替わりにステップS5aを採用する点を除いて、第1実施形態に係る携帯電話装置100Aの動作と同様である。
【0059】
処理装置11は、ステップS5aにおいて、識別情報IDと、表示装置14の表示状態が記第1の表示状態である場合における通話情報Xとに基づいて、第2の画像D2を生成する。処理装置11は、ステップS5aにおいて、画像生成部120Bとして機能する。
【0060】
以上説明したように、第2実施形態に係る携帯電話装置100Bによれば、識別情報IDと通話情報Xとに基づいて、表示装置14の表示状態が第2の表示状態となる場合に、表示装置14に表示される第2の画像D2を生成する。従って、携帯電話装置100Bは第1の表示状態中の通話の内容が考慮された第2の画像D2を生成できる。このため、通話情報Xを考慮せずに識別情報IDに基づいて、第2の画像D2を生成する場合と比較して、有用な情報が第1のユーザに提供される。この結果、携帯電話装置100Bの利便性が向上する。
なお、携帯電話装置100から第2のユーザの端末装置へ、領域B12及び領域B32に表示される情報を送信してもよい。例えば、第2のユーザが医師である場合、端末装置に当該情報が表示されるため、医師は第1のユーザの携帯電話装置100に表示されている情報を確認できる。従って、医師は、知り得た情報を把握しながら、通話によって対処方法などをより分かり易く第1のユーザに説明できる
【0061】
<第3実施形態>
図12A及び
図12Bは、本開示の第3実施形態に係る携帯電話装置100Cの外観を示す斜視図である。本実施形態における携帯電話装置100Cは、表示装置14の詳細な構成が上記第1実施形態に係る携帯電話装置100Aと異なる。また、携帯電話装置100Cは、通話部110Aの替わり通話部110Cを用いる点で、携帯電話装置100Aと異なる。
【0062】
携帯電話装置100Cは、上記第1実施形態と同様、筐体41及び42と、ヒンジ49とを有する。上記第1実施形態において、携帯電話装置100Aは、2つの表示面41S及び42Sを有していた。これに対し、本実施形態における携帯電話装置100Cは、各々長方形形状の3つの表示面43S、44S及び45Sを有する。具体的には、筐体41は、その表裏2面に表示面45S及び44Sを各々有し、筐体42は、その表裏2面のうちの一方の面に表示面44Sを有する。そして、ヒンジ49は、筐体41の長方形形状の端面41Eにおいて表示面43Sに臨む長辺と、筐体42の長方形形状の端面42Eにおいて表示面44Sに臨む長辺とを連結している。
【0063】
本実施形態では、ヒンジ49が回転することで、表示面43S及び44Sのなすヒンジ角度が変化する。本実施形態において、ユーザは、ヒンジ角度を0度とすることにより、携帯電話装置100Cの表示装置14の表示状態を、
図12Aに示すように、表示面43S及び44Sが互いに向き合い、外側を向いた表示面45Sのみにより表示を行う第1の表示状態とできる。また、第1のユーザは、ヒンジ角度を180度とすることにより、携帯電話装置100Cの表示装置14の表示状態を、
図12Bに示すように、表示面41S及び表示面42Sが外側を向き、表示面41S及び表示面42Sの両方により表示を行う第2の表示状態とできる。ここで、表示面43S及び44Sの総表示面積は表示面45Sの表示面積よりも広い。従って、第2の表示状態は、第1の表示状態よりも表示面積が広い表示状態となる。
【0064】
また、筐体41の表示面45Sが位置する面には、表示装置14の表示状態が第1の表示状態となる場合に用いられる第1のスピーカ16aと第1のマイクロフォン17aとが配置される。また、筐体41の表示面43Sが位置する面には、表示装置14の表示状態が第2の表示状態となる場合に用いられる第2のスピーカ16bと第2のマイクロフォン17bとが配置される。
【0065】
図13は、携帯電話装置100Cの処理装置11が制御プログラムPRを実行することによって実現される機能を示すブロック図である。携帯電話装置100Cの処理装置11は、記憶装置12に記憶される制御プログラムPRを実行することによって、
図4に示される通話部110Aの替わりに通話部110Cとして機能する。
【0066】
通話部110Cは表示装置14の表示状態が第1の表示状態となる場合に、第1のマイクロフォン17aを用いて第1のユーザの音声を電気信号に変換し、第1のスピーカ16aから第2のユーザの音声を出力する。
通話部110Cは表示装置14の表示状態が第2の表示状態となる場合に、第2のマイクロフォン17bを用いて第1のユーザの音声を電気信号に変換し、第2のスピーカ16bから第2のユーザの音声を出力する。
【0067】
通話部110Cは、検出部130によって切替操作が検出された場合、表示装置14の表示状態が第2の表示状態にある場合に、第2のスピーカ16bから出力される第2のユーザの音声を、表示装置14の表示状態が第1の表示状態にある場合に第1のスピーカ16aから出力される第2のユーザの音声よりも大きくする。これにより、第1のユーザが操作装置15を操作しなくても、通常通話からハンズフリー通話に切り替わる。
【0068】
第3実施形態の携帯電話装置100Cは、第1実施形態の携帯電話装置100Aと同様の効果を奏する。第3実施形態では、第1の表示状態において、表示面43S及び44Sが向き合う。このため、第1のユーザの指等が表示面43S及び44Sに触れないので、例えば第1の表示状態において、表示面43S及び44Sに設けられたタッチパネルに対する操作を無効にする等の処理が不要になるという利点がある。
【0069】
<第4実施形態>
本開示の第4実施形態に係る携帯電話装置100Dの外観は
図12A及び12Bを参照して説明した第3実施形態に係る携帯電話装置100Cと同様である。携帯電話装置100Dの機能は、通話部110Cの替わりに通話部110Dを用いる点、及び画像生成部120Aの替わりに画像生成部120Bを用いる点を除いて、携帯電話装置100Cの機能と同じである。
【0070】
図14は、処理装置11が制御プログラムPRを実行することによって実現される機能を示すブロック図である。第3実施形態の処理装置11は、記憶装置12に記憶される制御プログラムPRを実行することによって、
図4に示される通話部110Aの替わりに通話部110Cとして機能する。
【0071】
携帯電話装置100Dは、第2実施形態で説明された画像生成部120Bを備える。このため、携帯電話装置100Dは、識別情報IDと通話情報Xとに基づいて第2の画像D2を生成する。この点は、第2実施形態と同じであるので、携帯電話装置100Dは第2実施形態の携帯電話装置100Bと同様の効果を奏する。第4実施形態では、第1の表示状態において、表示面43S及び44Sが向き合う。このため、第1のユーザの指等が表示面43S及び44Sに触れないので、例えば第1の表示状態において、表示面43S及び44Sに設けられたタッチパネルに対する操作を無効にする等の処理が不要になるという利点がある。
【0072】
<変形例>
本開示は、以上に例示した各実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を併合してもよい。
【0073】
(1)画像生成部120A及び120Bは、通話が開始された場合に、第2の画像D2を生成したが、本開示はこれに限定されない。要は、表示装置14の表示状態が、第1の表示状態から第2の表示状態に切り替わる前に、画像生成部120A及び120Bは、第2の画像D2を生成すればよい。例えば、表示装置14の表示状態が第1の表示状態中に、通話部110Aが他の電話装置に発信した場合、又は、通話部110Aが他の電話装置からの着信を受けた場合、画像生成部120A及び120Bは、第2の画像D2を生成してもよい。具体的には、通話部110A及び10Bは、他の電話装置に発信したことを契機に識別情報IDを画像生成部120Aに出力する。また、通話部110A及び110Bは、他の電話装置から着信したことを契機に識別情報IDを画像生成部120A及び120Bに出力する。画像生成部120A及び120Bは、通話部110A及び110Bのうち一方から識別情報IDを取得するタイミングより、識別情報IDに基づいて第2の画像D2を生成してもよい。
【0074】
(2)上記第3実施形態及び第4実施形態において、第2の表示状態では、別個の表示面43S及び44Sにより表示がなされた。しかし、筐体41及び42を跨る連続した1枚の表示面であって、表示面45Sよりも表示面積が広い表示面を表示装置14に設け、この表示面により第2の表示状態での表示を行ってもよい。
【0075】
(3)上記各実施形態では、記憶装置12は、処理装置11が読取可能な記録媒体であり、ROM及びRAMなどを例示したが、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。また、プログラムは、電気通信回線を介して通信網から送信されても良い。なお、基地局は、入力キーなどの入力装置や、ディスプレイなどの出力装置を含んでいてもよい。
【0076】
(4)上記各実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0077】
(5)上記各実施形態において、説明した情報及び信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0078】
(6)上記各実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0079】
(7)上記各実施形態において、判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0080】
(8)上記各実施形態おいて例示したフローチャートにおいて、各ステップの順序を変更してもよい。すなわち、本開示の好適な態様における各処理の順序は、特定の順序に限定されない。
【0081】
(9)上記実施形態に開示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の組合せによって実現される。また、各機能は、単体の装置によって実現されてもよいし、相互に別体で構成された2個以上の装置によって実現されてもよい。
【0082】
(10)上記各実施形態で例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード又はハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称によって呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順又は機能等を意味するよう広く解釈されるべきである。また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0083】
(11)上記各実施形態において、携帯電話装置100A、100B、100C又は100Dは、移動局である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0084】
(12)上記各実施形態において、「接続された(connected)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」されると考えることができる。
【0085】
(13)上記各実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0086】
(14)「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0087】
(15)本願の全体において、例えば、英語におけるa、an及びtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数を含む。
【0088】
(16)本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されないことは当業者にとって明白である。本発明は、特許請求の範囲の記載に基づいて定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。従って、本明細書の記載は、例示的な説明を目的とし、本発明に対して何ら制限的な意味を有さない。また、本明細書に例示した態様から選択された複数の態様を組合わせてもよい。
【符号の説明】
【0089】
16…スピーカ、16a…第1のスピーカ、16b…第2のスピーカ、100A,100B,100C,100D…携帯電話装置、110A,110B,110C,110D…通話部、120A,120B…画像生成部、130…検出部、140…表示制御部、D1…第1の画像、D2…第2の画像、X…通話情報。