(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】変電所監視制御システム
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20240311BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
G05B23/02 X
H02J13/00 311R
G05B23/02 301J
H02J13/00 301J
H02J13/00 J
(21)【出願番号】P 2020150182
(22)【出願日】2020-09-07
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【氏名又は名称】木内 光春
(72)【発明者】
【氏名】ケビン ストモ
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-056330(JP,A)
【文献】特開2017-108511(JP,A)
【文献】特開2001-125630(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変電所内の機器の監視制御を行う操作用端末が設けられ、前記操作用端末には切り替えスイッチが設置され、前記切り替えスイッチは前記機器の操作権限である制御権を前記操作用端末に与えるローカル状態と前記制御権を前記操作用端末に与えないリモート状態とに切り替えるように構成された変電所監視制御システムにおいて、
前記切り替えスイッチがローカル状態またはリモート状態であることを示すスイッチ状態情報および外部から取得した運転員の操作元情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された情報に基づき前記機器に対する前記操作用端末からの制御権が成立しているか否かを判定する制御権判定部と、
前記制御権判定部の判定結果に基づいて前記運転員による前記操作用端末からの制御権が成立する前記機器のシンボルと前記運転員による前記操作用端末からの制御権が成立しない前記機器のシンボルとを、電力系統の単結図のインターフェース画面上に識別して表示する機器シンボル識別表示部と、
を備え
、
前記記憶部は、前記切り替えスイッチの切り替えを実施したユーザのアカウント情報と、前記切り替えスイッチの切り替え時の時刻情報とのうち、少なくとも一方を制御権関連情報として記憶し、
運転員が電力系統の単結図のインターフェース画面上に表示される前記機器のシンボルにインターフェースカーソルを近づけると、前記記憶部に記憶された情報を表示する情報表示部を備えた変電所監視制御システム。
【請求項2】
前記切り替えスイッチにおけるローカル状態またはリモート状態が変更された時、前記切り替えスイッチの状態変更を検知する変更検知部を備え、
前記記憶部は、前記変更検知部からの検知結果に基づいて前記切り替えスイッチのスイッチ状態情報を更新し、
前記制御権判定部は、前記変更検知部の検知結果を受けて前記制御権の成否を判定する請求項1に記載の変電所監視制御システム。
【請求項3】
前記制御権判定部が前記操作用端末における前記制御権の不成立を判定した場合に当該判定の原因となった前記切り替えスイッチを切り替え対象スイッチとして特定するスイッチ特定部と、
機器制御のインターフェース画面上に前記切り替え対象スイッチに関する情報を表示するスイッチ情報表示部と、を備えた請求項1
または2に記載の変電所監視制御システム。
【請求項4】
前記スイッチ特定部が特定した前記切り替え対象スイッチをリモート状態からローカル状態へと切り替える切り替え制御部を備えた請求項
3に記載の変電所監視制御システム。
【請求項5】
前記切り替え対象スイッチが前記切り替え制御部によるリモート状態からローカル状態への切り替えが許可されるスイッチであるか否かを判定するスイッチ判定部と、
前記切り替え対象スイッチは前記切り替え制御部によるリモート状態からローカル状態への切り替えが許可されないスイッチであると前記スイッチ判定部が判定した場合、前記切り替え制御部による切り替えができない旨のメッセージを表示する切り替え不可メッセージ表示部と、を備えた請求項
4に記載の変電所監視制御システム。
【請求項6】
階層構造を持つように複数のレベルを設定してレベル単位で前記機器の監視制御を行う変電所監視制御システムであって、前記切り替えスイッチがローカル状態またはリモート状態であることを前記レベルごとにリスト化して表示するリスト表示部を備えた請求項1~
5のいずれか1項に記載の変電所監視制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作用端末における変電所内の機器の制御権の有無を識別して表示する変電所監視制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、変電所監視制御システムは、監視制御サーバと、変電所内の機器の制御操作を行う操作用端末と、電力系統の保護制御装置とから構成されている。変電所監視制御システムはSAS(Substation Automation System)、監視制御サーバはSC(Station Computer)、操作用端末はHMI(Human Macine Interface)、保護制御装置はIED(Intelligent Electronic Device)と称する。
【0003】
近年の変電所には、階層構造を持つように複数のレベルが設定されている。複数のレベルとは、上位から下位に向かってステーションレベル、ベイレベル、プロセスレベルなどである。ステーションレベルには上位制御所のテレコン装置や集中監視制御装置、SASのHMIなどを含み、その上位がネットワークレベルとなる。ベイレベルは各回線に対応するベイ制御装置、ローカル制御盤や保護装置などを含む階層である。プロセスレベルは各種の機器や各機器用のローカル盤などを含む。各レベル間および同一レベルに含まれる機器間はLANによって結合されている。
【0004】
SASのHMIは変電所内の機器の制御権が付与されることで当該HMIから各機器の監視制御を行うことができる。SASには階層的なレベルが複数設定されるため、HMIには、機器の制御権を切り替える切り替えスイッチ(以降、本明細書では43スイッチと呼ぶ)がレベルごとに複数設置されている。HMIにおける機器の制御権とは、機器に対するHMIからの制御権限を意味する。
【0005】
HMIからの機器の制御権は、変電所の運用状況、例えば回線ごとのメンテナンスなどによって変化する。この制御権の変更を実現するために43スイッチがHMIに設置されている。つまり、機器の制御権を切り替える43スイッチとは、HMI側に機器の制御権を与えるローカル状態と、HMI側に機器の制御権を与えないリモート状態とに切り替えるスイッチである。43スイッチの種類としては、HMIからオンオフ切り替えが可能なソフトウェアスイッチと、HMIからはオンオフ切り替えが効かない物理的なスイッチがある。
【0006】
このようなSASでは、運転員がHMIから変電所内の機器を制御操作するたびに、当該HMIにおける制御操作に関して、機器の制御権が成立するか否かの判断を行う必要がある。そこで、機器の制御権の成否判断を行うべく、判定ロジックが採用されている。判定ロジックでは、43スイッチのリモート状態またはローカル状態を示すスイッチ状態情報と、各運転員に設定される運転員の操作元情報とを組み合わせている。運転員の操作元情報とは、運転員がローカル運転員であることを示すローカル運転員情報や、運転員がリモート運転員であることを示すリモート運転員情報である。すなわち、判定ロジックでは、43スイッチのスイッチ状態情報と、運転員の操作元情報とを取得し、論理演算子(AND,OR,NOT、XOR等)を用いて、HMIからの機器の制御権の成立または不成立を出力する。
【0007】
HMIからの機器の制御権が不成立であれば、運転員はHMIから機器の制御操作を行うことが許可されていないことになる。この場合、運転員の制御操作は誤操作になり、操作は失敗として扱われて、操作終了となる。なお、変電所内の一般的な機器の制御操作では、二挙動制御方式を標準とするので、機器の制御操作は選択段階と制御段階の2つの段階に分けられる。つまり、運転員はまずHMIから機器を選択し、ここで制御権の不成立によりHMIからの操作が許可されなかった場合に、選択中の機器を解除して操作が失敗となり操作終了となる。
【0008】
操作が失敗となって終了した場合、操作終了と同時に、HMIの画面には制御操作の失敗というイベントメッセージが表示されて、運転員に対して制御権が無いことが通知される。以上のようなSASによれば、機器の制御権を持たない運転員による機器の誤操作、あるいは機器の制御権が成立していないHMIによる機器の誤操作を、防止することができ、SAS運用における安全性を確保することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
階層的なレベルを複数持つSASでは、レベルごとに設けた43スイッチが相当な数になる。そのため、従来のSASでは、運転員がHMIから機器を選択した段階で、当該機器の制御権の成否を運転員自身が正確に把握することは難しかった。従って、HMIからの機器の制御権が無いにもかかわらず、運転員がHMIから機器の制御操作を実施してしまい、制御権が不成立と判定されて、制御操作が失敗に終わることになる。
【0011】
制御操作が失敗した場合、その都度、操作用端末における機器の制御権の状況を確認する必要がある。また、従来のSASでは、制御権の不成立原因を提示することはない。このため、操作の失敗要因を人間系によって調査しなくてはならない。その結果、制御操作が失敗すると、多大な作業時間を要することになり、運転員の作業負担が増大した。
【0012】
本発明の実施形態では、操作用端末における機器の制御権の成否を識別して表示することにより、操作用端末における機器の制御権の状況を容易に確認することができ、運転員の作業負担を軽減することが可能な変電所監視制御システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するため、本発明の実施形態に係る変電所監視制御システムは、変電所内の機器の監視制御を行う操作用端末が設けられ、前記操作用端末には切り替えスイッチが設置され、前記切り替えスイッチは前記機器の操作権限である制御権を前記操作用端末に与えるローカル状態と前記制御権を前記操作用端末に与えないリモート状態とに切り替えるように構成された変電所監視制御システムにおいて、前記切り替えスイッチがローカル状態またはリモート状態であることを示すスイッチ状態情報および外部から取得した運転員の操作元情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された情報に基づき前記機器に対する前記操作用端末からの制御権が成立しているか否かを判定する制御権判定部と、前記制御権判定部の判定結果に基づいて前記運転員による前記操作用端末からの制御権が成立する前記機器のシンボルと前記運転員による前記操作用端末からの制御権が成立しない前記機器のシンボルとを、電力系統の単結図のインターフェース画面上に識別して表示する機器シンボル識別表示部と、を備え、前記記憶部は、前記切り替えスイッチの切り替えを実施したユーザのアカウント情報と、前記切り替えスイッチの切り替え時の時刻情報とのうち、少なくとも一方を制御権関連情報として記憶し、運転員が電力系統の単結図のインターフェース画面上に表示される前記機器のシンボルにインターフェースカーソルを近づけると、前記記憶部に記憶された情報を表示する情報表示部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】第1の実施形態での単結図のインターフェース画面の表示例を示す図
【
図5】第2の実施形態での単結図のインターフェース画面の表示例を示す図
【
図7】第3の実施形態での機器制御インターフェース画面の表示例を示す図
【
図11】第4の実施形態での43スイッチの切替制御シーケンスのインターフェース画面の表示例を示す図
【
図12】第4の実施形態での43スイッチの切替制御シーケンスのインターフェース画面の表示例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
(構成)
図1~
図3を用いて第1の実施形態について説明する。
図1は第1の実施形態の概要を示すブロック図、
図2は第1の実施形態のHMIのブロック図、
図3は第1の実施形態での単結図のインターフェース画面の表示例を示す図である。
【0016】
図1に示す符号1は、SASにて変電所内の機器の制御操作を行うHMIである。SASの監視制御対象である変電所は、ステーションレベルおよびプロセスレベルを持つ。ステーションレベルの上位にはネットワークレベルが設定される。
図1に示すように、変電所には回線A1、回線A2、回線A Transが含まれている。これらの回線にはそれぞれ、ベイ制御装置3が設けられており、ベイ制御装置3にはローカル制御盤4が接続されている。
【0017】
ステーションレベル及びプロセスレベルにはそれぞれ、機器の制御権を切り替える43スイッチ2が設けられている。43スイッチ2には下位の43スイッチ2の状態を受け取る端子が接続されている。例えば、ステーションレベルの43スイッチ2にはステーションレベルの下にある43スイッチ2の状態を受け取る端子が接続される。この端子は論理演算子の役割を果たす。論理演算子においてANDの場合、下位のベイ制御装置3がすべてリモート状態Rになった時に、制御権はHMI1に有する。また、すべてローカル状態Lになった時に、制御権はすべて各回線のベイ制御装置3側に有する。リモート状態Rとローカル状態Lとが混在する場合、回線毎に制御権が異なる。
【0018】
プロセスレベルの43スイッチ2には、プロセスレベルの下にある各機器の43スイッチ2の状態を受け取る端子が接続される。この端子も論理演算子の役割を果たす。論理演算子においてANDの場合、下の機器がすべてリモート状態Rになった時に、制御権はローカル制御盤4に有する。また、すべてローカル状態Lになった時に、制御権はすべて各機器のローカル側に有する。リモート状態Rとローカル状態Lとが混在する場合、機器毎に制御権が異なる。
【0019】
プロセスレベルの43スイッチ2には、回線ごとに、開閉器およびこれを制御するローカル盤5aと、遮断器およびこれを制御するローカル盤5bが接続されている。なお、ローカル制御盤4やローカル盤5a、5bといった構成要素に関しては回線A1および回線A2に示し、回線A Transではこれらの図示を省いたが、回線A Transも回線A1および回線A2と同様の構成要素を有している。ベイ制御装置3やローカル盤5a、5bにも43スイッチ2が設置されている。
【0020】
図2にHMI1のブロック図を示す。
図2に示すように、HMI1には、記憶部11と、変更検知部12と、制御権判定部13と、機器シンボル識別表示部14と、が設けられている。記憶部11は、各43スイッチ2からスイッチ状態情報を取得し、外部から運転員の操作元情報を取得して、これらの情報を記憶する。
【0021】
43スイッチ2のスイッチ状態情報とは、43スイッチ2の各スイッチ状態がローカル状態Lなのか、またはリモート状態Rなのかを示す情報である。運転員の操作元情報には、運転員がローカル運転員であることを示すローカル運転員情報と、運転員がリモート運転員であることを示すリモート運転員情報がある。
【0022】
変更検知部12は、43スイッチ2におけるローカル状態またはリモート状態が変更された時、状態が変更された43スイッチ2から、変更後のスイッチ状態情報を検知する。変更検知部12は、検知したスイッチ状態情報を記憶部11および制御権判定部13に送る。記憶部11では、変更検知部12から送られた検知結果に基づいて43スイッチ2のスイッチ状態情報を更新する。
【0023】
制御権判定部13では、記憶部11に記憶された43スイッチ2のスイッチ状態情報および運転員の操作元情報に基づき、論理演算子(AND,OR,NOT、XOR等)を用いて、操作した運転員によるHMI1からの機器の制御権の成立または不成立という判定結果を出力する。また、制御権判定部13は変更検知部12からスイッチ状態情報を受け取った場合、このスイッチ状態情報と運転員の操作元情報とから、機器の制御権の成立または不成立という判定結果を出力する。制御権判定部13が制御権の成否判定を行うタイミングは、変更検知部12が43スイッチ2のローカル状態またはリモート状態の変更を検出した時でもよいし、記憶部11において43スイッチ2のスイッチ状態情報の記憶を更新した時でもよい。
【0024】
制御権判定部13の出力が機器の制御権成立となっていれば、操作した運転員によるHMI1からの制御操作に関して機器の制御権が許可されていることになり、その運転員はHMI1からの機器の制御操作が可能となる。反対に、制御権判定部13の出力が制御権不成立であれば、HMI1あるいは運転員自身には機器の制御権は許可されていないことになる。この場合には、当該運転員によるHMI1からの制御操作は誤操作となる。
【0025】
機器シンボル識別表示部14は、制御権判定部13の判定結果に基づいて、操作した運転員によるHMI1からの制御権が成立する機器のシンボルと、操作した運転員によるHMI1からの制御権が成立しない機器のシンボルとを、電力系統の単結図のインターフェース画面15(
図3に図示。以下、単に単結図画面15とも呼ぶ)上に識別して表示する。
【0026】
機器シンボル識別表示部14により機器のシンボルが識別して表示される画面は、機器の制御権を表示する画面なので、この画面を表示するモードを制御権表示モードと呼ぶ。
図3の下段に制御権表示モードを示す。制御権表示モードでは、機器シンボル識別表示部14は、長方形の機器のシンボルを囲む枠部分(つまり長方形の各辺)の線の色を、別の色で表示する。具体的には、機器シンボル識別表示部14は、制御権が成立する機器のシンボルの枠部分の線を黒で表示し、制御権が不成立の機器のシンボルの枠部分の線をグレーで表示する。
【0027】
単結図画面15では制御権表示モードとは別に通常表示モードも設定されている。
図3の上段に通常表示モードを示す。通常表示モードでは、変電所内の機器の状態だけを表示する。単結図画面15が通常表示モードをとる時、機器シンボル識別表示部14は、単結図画面15上に変電所内の機器の状態を識別して表示する。
図3の上段に示した通常表示モードでは、機器シンボル識別表示部14は、長方形の機器のシンボルを、機器の開閉状態に基づいて、白抜きと、グレーの塗りつぶしに、識別して表示する。
【0028】
機器シンボル識別表示部14は、単結図画面15において制御権表示モードと通常表示モードとを切り替え可能である。また、
図3に示すように、単結図画面15ではモード表示ボタン16を表示するように設定されている。運転員がモード表示ボタン16をタッチすることで、機器シンボル識別表示部14は通常表示モード(
図3の上段側)から制御権表示モード(
図3の下段側)に切り替えて表示する。
【0029】
(作用)
図3に示したSASは、110kV母線に接続された回線と220kV母線に接続された回線とを備える。このうち、110kV母線に接続された回線はSASのHMI1から操作される。この場合、ステーションレベルの43スイッチ2はローカル状態Lにあり、機器の制御権はSASのHMI1が有している。
【0030】
220kV母線に接続された回線は、上位制御所からリモート操作される。この場合、ステーションレベルの43スイッチ2はリモート状態Rにあり、機器の制御権は上位制御所が有している。ここで回線A1が補修作業中だと、プロセスレベルの43スイッチ2はローカル状態Lであり、ローカル制御盤4が回線A1に含まれる機器の制御権を有することになる。この場合、回線A1に含まれる機器に関しては、上位制御所からはもちろんのこと、HMI1からの操作も許可されない。
【0031】
以上のようなSASにおいて、運転員が単結図画面15上のモード表示ボタン16をタッチすると、通常表示モードが制御権表示モードに切り替わる。つまり、単結図画面15は
図3の上段の表示から下段の表示へと切り替わる。機器シンボル識別表示部14は、単結図画面15上に、機器状態の識別表示に加えて、HMI1からの制御権が成立する機器のシンボルと、操作した運転員によるHMI1からの制御権が成立しない機器のシンボルとを識別して表示する。具体的には、機器の開閉状態を示すべく機器のシンボルが白抜きあるいはグレーの塗りつぶしで表示すると同時に、制御権が成立する機器のシンボルは枠部分の線を黒色で表示し、制御権が不成立の機器のシンボルは枠部分の線をグレーで表示する。
【0032】
(効果)
前述したように、HMI1からの機器の制御権の成否は、43スイッチ2のスイッチ状態情報と運転員の操作元情報とに基づいて判定するが、複数の階層的なレベルを持つSASでは43スイッチ2を多数有しているので、仮に43スイッチ2のスイッチ状態がすべて明示されたとしても、運転員は、43スイッチ2のスイッチ状態を見ただけで、HMI1からの機器の制御権の成否を把握することは困難である。
【0033】
そこで第1の実施形態では、記憶部11に43スイッチ2のスイッチ状態情報および運転員の操作元情報を記憶しておき、制御権判定部13が記憶部11に記憶された情報に基づいてHMI1における機器の制御権の成否を判定し、この判定結果に基づき、機器シンボル識別表示部14が、制御権表示モードになった単結図画面15上に、制御権が成立する機器のシンボルと、制御権が成立しない機器のシンボルとを、識別して表示する。このため、運転員は、当該運転員によるHMI1からの制御権が成立する機器と、当該運転員によるHMI1からの制御権が成立しない機器とを、単結図画面15を見ただけで、的確に把握することが可能である。
【0034】
しかも、第1の実施形態では、43スイッチ2におけるローカル状態またはリモート状態が変更された時、変更検知部12が43スイッチ2のローカル状態またはリモート状態の変更を検知し、記憶部11は変更検知部12からの検知結果を反映させて43スイッチ2のスイッチ状態情報を更新する。そのため、制御権判定部13は、変更検知部12が検知した43スイッチ2のスイッチ状態情報に基づいて、運転員によるHMI1からの機器の制御権の成否判定を行うことができる。
【0035】
従って、第1の実施形態においては、HMI1からの制御権の成否をリアルタイムで把握することが可能である。その結果、回線の補修作業の終了後に43スイッチ2の戻し忘れなどが起きたとしても、運転員はHMI1から制御権が成立する機器と、HMI1から制御権が成立しない機器とを、単結図画面15を通して、正確に確認することが可能である。
【0036】
このような第1の実施形態によれば、HMI1からの機器の制御権が不成立となっている場合に、運転員は制御権が成立していると誤って判断する心配がなくなり、HMI1による機器の制御操作の誤操作を回避することできる。その結果、制御操作が失敗するたびに機器の制御権の状況を確認する必要がなくなる。これにより、運転員はHMI1による機器の制御操作をスムーズに行うことが可能となり、作業負担を大幅に軽減化することができる。
【0037】
(第2の実施形態)
(構成)
第2の実施形態について、
図4、
図5を用いて説明する。
図4は第2の実施形態に係るHMIのブロック図、
図5は第2の実施形態での単結図のインターフェース画面の表示例を示す図である。第2の実施形態の基本的な構成要素は前記第1の実施形態と同じであり、第1の実施形態と同様の構成要素に関しては同一符号を付して説明は省略する。第2の実施形態の記憶部11では、43スイッチ2のスイッチ状態情報や運転員の操作元情報に加えて、43スイッチ2の切り替えを実施したユーザのアカウント情報と、43スイッチ2の切り替え時の時刻情報とを制御権関連情報として記憶する。
【0038】
図4に示すように、第2の実施形態に係るHMI6には、上記の構成要素に加えて、情報表示部17が設けられている。運転員が単結図画面15上に表示される機器のシンボルにインターフェースカーソルを一定の距離まで近づけると、情報表示部17は、ポップアップダイアログボックス18(
図5に示す)に、記憶部11に記憶された情報を表示する。
図5では、ポップアップダイアログボックス18の表示例を示す。
【0039】
図5に示すように、ポップアップダイアログボックス18には、運転員がインターフェースカーソルを近づけた機器が含まれる「回線および機器の名称」、「現在制御権を有する側」、「現制御権に変更した時刻および管理者」が表示される。「現制御権に変更した時刻および管理者」は記憶部11に記憶された制御権関連情報から導かれる。すなわち、「現制御権に変更した時刻」は43スイッチ2の切り替え時の時刻情報から導かれ、「現制御権に変更した管理者」は43スイッチ2の切り替えを実施したユーザのアカウント情報から導かれる。
【0040】
運転員がインターフェースカーソルを単結図画面15上の機器のシンボルから一定の距離以上離すと、情報表示部17はポップアップダイアログボックス18の表示を終了させる。情報表示部17は、ポップアップダイアログボックス18の表示を制御権表示モードの時のみに有効として、通常表示モードではポップアップダイアログボックス18の表示は無効とする。そのため、通常表示モードでは、運転員が単結図画面15上の機器のシンボルにインターフェースカーソルを近づけても、ポップアップダイアログボックス18が表示されることはない。
【0041】
(作用および効果)
以上のような構成を有する第2の実施形態では、記憶部11が、43スイッチ2の切り替えを実施したユーザのアカウント情報や43スイッチ2の切り替え時の時刻情報を含む制御権関連情報、43スイッチ2のスイッチ状態情報と、運転員の操作元情報として記憶している。そして、運転員がモード表示ボタン16を操作して単結図画面15を制御権表示モードにし、その上でインターフェースカーソルを機器のシンボルに近づけると、情報表示部17がポップアップダイアログボックス18内に、カーソルを近づけた機器が含まれる「回線および機器の名称」、「現在制御権を有する側」、「現制御権に変更した時刻および管理者」を表示することができる。
【0042】
そのため運転員は、単結図画面15を通して、インターフェースカーソルを近づけた機器について、機器が含まれる回線および機器の名称、現在制御権を有する側、現制御権に変更した時刻および管理者を、効率よく知ることができる。従って、運転員は、HMI6から制御可能な機器の制御権の状況を明確に把握することができる。
【0043】
例えば、「現制御権に変更した時刻および管理者」の表示を見ることで、運転員は、HMI6からの機器の制御権が不成立であっても、43スイッチ2の切り替えがいつ行われたのか、誰によって行われたのか、といったことを把握することができる。このため運転員は、HMI6からの機器の制御権が不成立となったとしても、その要因を落ち着いて推測することができ、制御権の成立に向けての適切な対処を行うことが可能である。このような第2の実施形態によれば、運転員の作業負担の軽減化をさらに進めることができる。
【0044】
また、第2の実施形態では、ポップアップダイアログボックス18の表示は制御権表示モードの時のみ有効であり、通常表示モードの単結図画面15では、機器状態の表示がポップアップダイアログボックス18によって隠れる心配がない。従って、第2の実施形態では良好な操作視認性を維持することができる。
【0045】
(第3の実施形態)
(構成)
第3の実施形態について、
図6~
図8を用いて説明する。
図6は第3の実施形態のHMIのブロック図、
図7は第3の実施形態での機器制御インターフェース画面の表示例を示す図である。
図8は第3の実施形態の概要を示すブロック図である。第3の実施形態の基本的な構成要素は前記第1の実施形態と同じであり、前記第1の実施形態と同様の構成要素に関しては同一符号を付して説明は省略する。
【0046】
図6に示すように、第3の実施形態に係るHMI7には、上記の構成要素に加えて、スイッチ特定部19と、スイッチ情報表示部20と、リスト表示部21と、警告部22と、が設けられている。スイッチ特定部19は、制御権判定部13がHMI7における制御権の不成立を判定した場合に判定の原因となった43スイッチ2を切り替え対象スイッチとして特定する。スイッチ情報表示部20は、スイッチ特定部19が特定した43スイッチに関する情報を、機器制御インターフェース画面23上に表示する。
【0047】
図7に示した機器制御インターフェース画面23の例では、切り替え対象43スイッチとして、回線A Transにおけるローカル制御盤4とベイ制御装置3を示し、それらをローカル状態からリモート状態に切り替えることを示している。具体的には、スイッチ情報表示部20は、「切替対象の43スイッチ」として、「43ローカル制御盤 Local→Remote」及び「43ベイ制御装置 Local→Remote」を、機器制御インターフェース画面23上に表示する。
図7の機器制御インターフェース画面23では、回線A Transにおいて「現在制御権を有している」のはローカル制御盤4であると表示する。第3の実施形態において、ローカル制御盤4が制御権を有している状態とは、
図8に示した通りである。
【0048】
図7に示すように、リスト表示部21は、回線A Transでは上位制御所がリモート状態(R1)であり、SAS、ベイ制御装置3、ローカル制御盤4、機器のローカル盤5がローカル状態(Local)であり、機器のローカル盤5がリモート状態(Remote)であることを、リスト化して機器制御インターフェース画面23上に表示している。警告部22は、制御権判定部13がHMI7における機器の制御権は不成立であると判定した場合に、この判定を、「制御権により制御実行がブロックされている。」という警告メッセージとして機器制御インターフェース画面23上に表示する。
【0049】
(作用および効果)
以上のような第3の実施形態では、リスト表示部21が、43スイッチ2がローカル状態またはリモート状態であることを、レベルごとにリスト化して機器制御インターフェース画面23に表示する。このため運転員は、変電所全体における43スイッチ2のスイッチ状態を効率よく把握することができる。
【0050】
また、第3の実施形態では、制御権判定部13がHMI7からの機器の制御権の不成立を判定した場合に、警告部22が「制御権により制御実行がブロックされている。」という警告メッセージを機器制御インターフェース画面23上に表示する。従って、運転員はスイッチ状態HMI7からの機器の制御権が不成立となったことを即座に把握することができ、制御権の成立に向けての対処を迅速に移行することができる。
【0051】
また、第3の実施形態では、HMI7からの機器の制御権の不成立という判定の原因となった43スイッチ2を、スイッチ特定部19が切り替え対象43スイッチとして特定し、スイッチ情報表示部20が、切り替え対象となる43スイッチ2を、機器制御インターフェース画面23上に表示する。従って、運転員は、どの43スイッチ2をローカル状態からリモート状態に切り替えれば、HMI7からの制御権が不成立から成立に変わるのかを正確に認識することができる。これにより、HMI7からの制御権が不成立の機器に関して、制御権を成立させるための43スイッチ2の切り替え作業を、効率よく実施することができる。
【0052】
(第4の実施形態)
(構成)
第4の実施形態について、
図9~
図12を用いて説明する。
図9は第4の実施形態のHMIのブロック図、
図10は第4の実施形態のフローチャートを示す図、
図11、
図12は第4の実施形態での43スイッチの切替制御シーケンスのインターフェース画面の表示例を示す図である。第4の実施形態の基本的な構成要素は前記第3の実施形態と同じであり、前記第3の実施形態と同様の構成要素に関しては同一符号を付して説明は省略する。
【0053】
図9に示すように、第4の実施形態に係るHMI8には、上記の構成要素に加えて、切り替えスイッチ制御部24と、スイッチ判定部25と、切り替え不可メッセージ表示部26とを備えている。切り替えスイッチ制御部24は、スイッチ特定部19が特定した切り替え対象スイッチをリモート状態からローカル状態へと切り替える。
【0054】
スイッチ判定部25は、切り替え対象スイッチが切り替えスイッチ制御部24によるリモート状態からローカル状態への切り替えが許可されるスイッチであるか否かを判定する。切り替え対象スイッチは、切り替えスイッチ制御部24によるリモート状態からローカル状態への切り替えが許可されないスイッチであるとスイッチ判定部25が判定した場合、切り替え不可メッセージ表示部26は、切り替えスイッチ制御部24による切り替えができない旨の警報メッセージを、43スイッチの切替制御シーケンスのインターフェース画面27上に表示する(
図11参照)。また、第4の実施形態では、切り替えスイッチ制御部24による自動切替を実行する時に、運転員に確認を取る(
図12参照)。
図12に示す画面において「実行」ボタンを押したら、切替実行を実施し、「キャンセル」ボタンを押すと、選択・制御操作終了となる。
【0055】
前述したように、変電所内の一般的な機器制御操作では、二挙動制御方式を標準とする。二挙動制御方式では、操作は選択段階と制御段階の2つの段階に分けられている。そこで、第4の実施形態では
図9のフローチャートに示すように操作に行う。まずHMI8から機器を選択して(S01)、動作確認試験を行う(S02)。動作確認試験の結果が不合格であれば、選択解除となる(S03)。
【0056】
動作確認試験の結果が合格であれば、制御権の条件を判定する(S04)。制御権が成立すれば、IEDに機器選択指令を出す(S05)。制御権が不成立であれば、制御権の不成立を判定した原因すなわち制御権成立の失敗要因を示す(S06)。続いて、スイッチ特定部19が切り替え対象スイッチを特定することにより、制御実行できる状態にするために切り替えが必要となる43スイッチ2を示す(S07)。
【0057】
次にローカル制御盤4の43スイッチ2又はローカル制御盤階層の下にある43スイッチ2はリモート状態にあるかどうかを確認する(S08)。43スイッチ2がリモート状態でなければ(S08のNo)、43スイッチ2はローカル状態ということになり、選択解除となる(S03)。ここで、切り替え対象となる43スイッチ2が、ローカル制御盤4の43スイッチ2又はローカル制御盤4の階層より下にある43スイッチ2であれば、これらの43スイッチ2は、切り替えスイッチ制御部24によって切り替えができない物理的な43スイッチ2である。このため、スイッチ判定部25は、切り替え対象となる43スイッチ2を、切り替えスイッチ制御部24によるリモート状態からローカル状態への切り替えが許可されないスイッチであると判定する。
【0058】
切り替え対象となる43スイッチ2がこのようなスイッチである場合、切り替え不可メッセージ表示部26は、切り替えスイッチ制御部24による切り替えができない旨のメッセージを43スイッチの切替制御シーケンスのインターフェース画面27上に表示する。
図11の43スイッチの切替制御シーケンスのインターフェース画面27は、切り替えスイッチ制御部24による自動切り替えができないときに、運転員に警報メッセージを表示する場合の画面表示である。
【0059】
図11に示すように、切り替え不可メッセージ表示部26が、<注意>として、「ローカル制御盤又はローカル制御盤階層の下にある43スイッチはシステムの自動切替制御に対応していないため、制御操作は失敗として終了する。」と表示する。この画面での「OK」ボタンは、警報メッセージの承認を、運転員から受けるボタンである。
【0060】
43スイッチ2がリモート状態であれば(S08のYes)、切り替えスイッチ制御部24によるリモート状態からローカル状態への切り替えは可能である。このとき、スイッチ情報表示部20が、スイッチ状態をローカル状態からリモート状態に切り替える43スイッチ2を43スイッチの切替制御シーケンスのインターフェース画面28上に表示し、切替制御シーケンスによる該当43スイッチ2の切り替えの実施に関して運転員に確認する(S09)。運転員からの確認が取れない場合には(S09のNo)には、選択解除となる(S03)。
【0061】
図12に示す画面表示により運転員からの確認が取れた後(S09のYes)、運転員が「実行」ボタンをタッチすると、切り替えスイッチ制御部24が切り替え対象スイッチをローカル状態からリモート状態へと切り替えて各43スイッチ2の切り替え実行を行い(S10)、選択された機器の操作を制御段階に継続して、IEDに機器選択指令を出す(S05)。
【0062】
なお、第4の実施形態では、制御権判定部13による出力が成立になるという条件か、あるいは、前記「キャンセル」ボタンのタッチによる運転員からの操作キャンセル指令が来るという条件が満たされない限り、当該操作は選択中の状態で保留とする。また、所定のタイムアウト時間までに、前記2つの条件のいずれかが満たされない場合は、当該操作を終了とする。
【0063】
(作用および効果)
以上のような第4の実施形態では、切り替えスイッチ制御部24によって、スイッチ特定部19の特定した切り替え対象スイッチをローカル状態からリモート状態へと切り替えることができるので、HMI8からの機器の制御権に関する判定は不成立から成立に変わることになり、運転員はHMI8から機器の制御を行うことができる。このため運転員は、43スイッチの切り替え作業を簡単に行うことができ、作業負担が軽減する。
【0064】
また、第4の実施形態では、スイッチ特定部19が切り替え対象スイッチを特定した場合でも、ただちに43スイッチの切り替え作業を行うのではなく、まずスイッチ判定部25によって、切り替え対象スイッチが切り替えスイッチ制御部24によるローカル状態からリモート状態への切り替えが許可されるスイッチであるか否かを判定する。そして、切り替え対象スイッチが、切り替えスイッチ制御部24によるローカル状態からリモート状態への切り替えが許可されないスイッチであるとスイッチ判定部25が判定した場合には、切り替え不可メッセージ表示部26は、切り替えスイッチ制御部24による切り替えができない旨のメッセージを、43スイッチの切替制御シーケンスのインターフェース画面27上に表示する。従って、切り替えスイッチ制御部24により切り替え対象スイッチがローカル状態からリモート状態への切り替えがなされていない状況のまま、運転員がHMI8による機器の制御操作の誤操作を実施する心配がない。これにより、HMI8による機器の制御操作の誤操作を確実に回避することでき、運転員の作業負担を軽減することができる。
【0065】
(他の実施形態)
本発明のいくつかの複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0066】
例えば、第1の実施形態において、機器シンボル識別表示部14は、HMI1からの制御権が成立する機器のシンボルと、操作した運転員によるHMI1からの制御権が成立しない機器のシンボルとを、機器のシンボルを囲む枠部分の線の色で識別表示したが、線の色に限定されるものではない。すなわち、HMI1からの制御権が成立する機器のシンボルと、操作した運転員によるHMI1からの制御権が成立しない機器のシンボルとの間で、識別可能な表示であれば適宜選択可能であり、例えば、シンボルの形状や模様などを、制御権成立の機器のシンボルと、制御権不成立の機器のシンボルとで、変えるようにしてもよい。
【0067】
また、第2の実施形態において、情報表示部17は、変更検知部12が検知したスイッチ状態情報、つまりスイッチ状態情報の変更を表示するようにしてもよい。さらに、情報表示部17は、制御権判定部13が従来の判定結果とは異なる判定結果を出力した場合に判定結果の変更を表示するようにしてもよい。このような情報表示部17を有する実施形態では、運転員が単結図画面15上に表示される機器のシンボルにインターフェースカーソルを近づけると、43スイッチ2のスイッチ状態情報の変更および制御権判定部13の判定結果の変更を表示することができる。これにより、運転員はより効率よく制御操作を行うことができ、作業負担の軽減化を図ることができる。
【符号の説明】
【0068】
1、6、7、8 HMI
2 43スイッチ
3 ベイ制御装置
4 ローカル制御盤
5a、5b ローカル盤
11 記憶部
12 変更検知部
13 制御権判定部
14 機器シンボル表示部
15 単結図のインターフェース画面
16 モード表示ボタン
17 情報表示部
18 ポップアップダイアログボックス
19 スイッチ特定部
20 スイッチ情報表示部
21 リスト表示部
22 警告部
23 機器制御インターフェース画面
24 切り替えスイッチ制御部
25 スイッチ判定部
26 切り替え不可メッセージ表示部
27、28 43スイッチの切替制御シーケンスのインターフェース画面