IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ファミリーネット・ジャパンの特許一覧

<>
  • 特許-物件管理装置及び物件管理方法 図1
  • 特許-物件管理装置及び物件管理方法 図2
  • 特許-物件管理装置及び物件管理方法 図3
  • 特許-物件管理装置及び物件管理方法 図4
  • 特許-物件管理装置及び物件管理方法 図5
  • 特許-物件管理装置及び物件管理方法 図6
  • 特許-物件管理装置及び物件管理方法 図7
  • 特許-物件管理装置及び物件管理方法 図8
  • 特許-物件管理装置及び物件管理方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】物件管理装置及び物件管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/163 20240101AFI20240311BHJP
【FI】
G06Q50/163
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020193272
(22)【出願日】2020-11-20
(65)【公開番号】P2022081991
(43)【公開日】2022-06-01
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】500487882
【氏名又は名称】株式会社ファミリーネット・ジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 やよい
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 啓
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-038568(JP,A)
【文献】特開2014-142710(JP,A)
【文献】特開2004-021825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 ー 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産の物件管理装置において、
物件毎に購入情報、所有情報、居住情報を含むステータス情報を有する物件情報が格納されている物件情報格納手段と、
会員登録の受付及び登録された会員からの前記ステータス情報の変更を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が前記会員登録時に受け付けた前記会員にかかる個人情報を、前記購入情報、前記所有情報、前記居住情報のいずれかと紐付ける紐付手段と、
前記会員に対して所定の情報を送信可能な送信手段と、
を有し、
前記紐付手段は、既に会員の前記個人情報が紐付けされている前記ステータス情報に対して、異なる会員の前記個人情報の紐付けが要求された場合は、前記異なる会員の前記個人情報は既に紐付けられている前記個人情報とは区別して紐付け、既に紐付けられている前記個人情報が示す前記会員に対して確認情報を前記送信手段に送信させる、
ことを特徴とする物件管理装置。
【請求項2】
記紐付手段は、受け付けた前記ステータス情報の変更内容に基づいて前記購入情報、前記所有情報、前記居住情報の紐付け関係を変更することを特徴とする請求項に記載の物件管理装置。
【請求項3】
前記受付手段は、物件の購入、所有、居住のステータスに応じてそれぞれ異なるコードとなる招待コードを受け付け、
前記紐付手段は、前記招待コードに基づいて前記購入情報、前記所有情報、前記居住情報の紐付け関係を変更することを特徴とする請求項2に記載の物件管理装置。
【請求項4】
前記送信手段は、前記ステータス情報に紐付けられた前記会員に対して、当該ステータス情報の内容に応じた提供情報を送信することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に物件管理装置。
【請求項5】
物件情報が格納されている物件情報格納手段を有し、前記物件情報は、物件毎に購入情報、所有情報、居住情報を含むステータス情報を有し、前記購入情報、前記所有情報、前記居住情報にはそれぞれ個別に個人情報が紐付け可能となっている物件管理装置で実行される物件管理方法であって、
ユーザからの紐付要求情報を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップで受け付けた前記紐付要求情報に基づいて、前記購入情報、前記所有情報、前記居住情報のいずれかと前記ユーザの個人情報とを紐付ける紐付ステップと、
前記紐付ステップにおいて、既に会員の前記個人情報が紐付けされている前記ステータス情報に対して、異なる会員の前記個人情報の紐付けが要求された場合は、前記異なる会員の前記個人情報は既に紐付けられている前記個人情報とは区別して紐付け、既に紐付けられている前記個人情報が示す前記会員に対して確認情報を前記物件管理装置の送信手段に送信させる送信ステップと、
を含むことを特徴とする物件管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不動産物件の管理を行う物件管理装置及び物件管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マンション等の不動産物件は、購入して所有すると、所有者が居住したり賃貸したりすることにより使用される。また、所有者が売却すると次の所有者が居住したり賃貸したりする。
【0003】
現在ではネットワーク環境の発達に伴い、購入時等にオンラインで物件の選択や各種手続等が行えるようにしているものもある。
【0004】
例えば、特許文献1では、ユーザ端末のユーザが、受付装置に対し画面を介して分譲マンションの購入予約申込みや購入申込みを行なうことが記載されている。この受付装置は、ユーザ端末より購入申込みを受付けると、これを仲介装置に通知し、売買契約書類データのやり取りを行ない、分譲マンション販売業者およびユーザ間の売買契約の締結を仲介する。また、金融機関端末より通知された融資結果に従って融資契約書類データのやり取りを行ない。金融機関およびユーザ間の購入資金融資契約の締結を仲介する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-58736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
賃貸物件等では、管理会社等が提供するインターネット接続サービスに入居者が加入できる物件もある。このような接続サービスは、単にインターネット接続に限らず、入居者への各種付加価値サービス等の提供も行われている。
【0007】
しかしながら、上記したような入居者専用のサービスの場合、所有のみで他人に賃貸するようなケースでは、所有者は何らサービスの提供が受けられない。また、特許文献1に記載の発明は購入時の手続きに特化したものであり、例えば引き渡し後については何ら考慮されていない。また、中古で物件を購入する場合や、物件を複数所有する場合もありうる。したがって、現状では購入、所有、入居といった各段階を一貫して管理することができなかった。
【0008】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、物件の所有や入居等を一貫して管理することができる物件管理装置及び物件管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載された発明は、不動産の物件管理装置において、物件毎に購入情報、所有情報、居住情報を含むステータス情報を有する物件情報が格納されている物件情報格納手段と、会員登録の受付及び登録された会員からの前記ステータス情報の変更を受け付ける受付手段と、前記受付手段が前記会員登録時に受け付けた前記会員にかかる個人情報を、前記購入情報、前記所有情報、前記居住情報のいずれかと紐付ける紐付手段と、前記会員に対して所定の情報を送信可能な送信手段と、を有し、前記紐付手段は、既に会員の前記個人情報が紐付けされている前記ステータス情報に対して、異なる会員の前記個人情報の紐付けが要求された場合は、前記異なる会員の前記個人情報は既に紐付けられている前記個人情報とは区別して紐付け、既に紐付けられている前記個人情報が示す前記会員に対して確認情報を前記送信手段に送信させる、ことを特徴とする物件管理装置である。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本発明によれば、物件情報がステータス情報を有し、ステータス情報に含まれる所有情報、居住情報にはそれぞれ個別に個人情報が紐付け可能となっている。このようにすることにより、所有と居住について個別に個人情報が紐付けられるので、所有のみ、所有して居住、居住のみといった各状態について管理することが可能となる。したがって、物件の所有や入居等を一貫して管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態にかかる物件管理装置を有するシステムの概略構成図である。
図2図1に示されたサーバ装置の機能構成図である。
図3】購入情報、所有情報、居住情報の構成例である。
図4】物件Aを新築購入したユーザWが売却するまでの動作を時系列に示した図である。
図5】物件Aを賃貸入居したユーザXが引っ越すまでの動作を時系列に示した図である。
図6】物件Aを中古購入したユーザYが売却するまでの動作を時系列に示した図である。
図7】物件Aの入居済みオーナーであるユーザZが物件Bを新築購入し引っ越すまでの動作を時系列に示した図である。
図8】サーバ装置における購入情報、所有情報、居住情報の紐付け動作についてのフローチャートである。
図9】サーバ装置における購入情報、所有情報、居住情報の紐付け解除の動作についてのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態にかかる物件管理装置を図1図9を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる物件管理装置を有するシステムの概略構成図である。
【0013】
システムは、物件管理装置としてのサーバ装置10と、ユーザ端末20と、を備えている。そして、サーバ装置10とユーザ端末20とは、インターネット等のネットワークNで互いに通信可能に接続されている。
【0014】
サーバ装置10は、周知のサーバコンピュータであり、マイクロプロセッサ等の演算装置やハードディスクドライブ等の記憶装置、通信インターフェース等の通信装置等を備えている。本実施形態におけるサーバ装置10の機能構成を図2に示す。図2に示したように、サーバ装置10は、受付手段11と、送信手段12と、紐付手段13と、物件情報格納手段14と、を備えている。これらの手段は、サーバ装置10の記憶装置に格納されたコンピュータプログラムをマイクロプロセッサが実行することにより実現される。
【0015】
受付手段11は、ユーザ端末20から送信される会員登録情報等を受け付ける。会員登録情報の詳細は後述する。受付手段11は、例えば通信インターフェース等が機能する。
【0016】
送信手段12は、ユーザ端末20に対して後述する購入者向け情報、オーナー向け情報、居住者向け情報等を送信する。送信手段12は、例えば通信インターフェース等が機能する。送信手段12は、会員に対して所定の情報が送信可能となっている。
【0017】
紐付手段13は、受付手段11が受け付けた会員登録情報等に基づいて、物件情報格納手段14に格納されている購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dと、会員情報14aと、を紐付ける。紐付手段13の紐付け動作については後述する。紐付手段13は、例えばマイクロプロセッサ等が機能する。
【0018】
物件情報格納手段14は、本システムのサービス提供を受ける会員の情報(会員情報)や物件毎の各種情報(物件情報)が格納されている。本実施形態では、会員情報14aと、ステータス情報として購入情報14bと所有情報14cと居住情報14dとが物件毎に格納されている。物件情報格納手段14は、例えばハードディスクドライブ等の記憶装置が機能する。
【0019】
会員情報14aは、本システムのサービス提供を受ける会員の個人情報が格納されている。会員情報の内容としては、会員番号、パスワード、メールアドレス、氏名等が挙げられる。
【0020】
購入情報14bは、当該住戸を購入(契約)した会員情報と紐付けるための情報が格納されている。紐付けるための情報としては、例えば会員番号が挙げられる(パスワードやメールアドレス等会員情報に含まれる他の情報であってもよい)。所有情報14cは、当該住戸を所有する会員情報と紐付けるための情報が格納されている。紐付けるための情報としては、購入情報14bと同様に例えば会員番号が挙げられる。居住情報14dは、当該住戸に居住する会員情報と紐付けるための情報が格納されている。紐付けるための情報としては、購入情報14bと同様に例えば会員番号が挙げられる。
【0021】
ここで、上述した購入情報14bの購入とは物件(住戸)を購入する契約が成立している状態であり引き渡し前の状態である。所有情報14cの所有とは物件の引き渡しがされた状態であり居住の有無は問わない状態である。居住情報14dの居住とは所有や賃貸に関わらず実際に居住していることを示す状態である。
【0022】
購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dの構成例について図3を参照して説明する。図3に示すように、購入情報14bは、物件14b1と、棟14b2と、部屋14b3と、紐付先14b4と、からなる。物件14b1は、例えば〇〇マンション等の物件名が設定される。棟14b2は、当該物件が複数棟から構成される場合は棟番号等が設定される。部屋14b3は、101号室等の部屋番号等が設定される。紐付先14b4は、上述したように会員情報と紐付けるための情報が格納される。紐付先14b4は、原則として一の会員情報のみが紐付け可能である。所有情報14c、居住情報14dも構成は購入情報14bと同様である。
【0023】
即ち、物件情報は、物件毎に少なくとも所有情報14c、居住情報14dが含まれるステータス情報を有し、所有情報14c、居住情報14dにはそれぞれ個別に会員情報14a(個人情報)が紐付け可能となっている。
【0024】
このように本実施形態では、購入情報14bと所有情報14cと居住情報14dとが独立して設けられている。そのため、同じ部屋であっても購入者と所有者と居住者が異なる状況を管理することが可能となる。また、所有者のみが変更となった場合であってもシステム上は居住者に関する情報に何ら影響を及ぼすことが無い。さらに、1人のユーザが複数物件を所有していても管理が容易であるし、あるユーザ自身はある物件に賃貸で居住し、他の物件を所有するといった状態の管理も容易である。ここで、特許請求の範囲に記載の物件毎とは、例えばマンションであれば部屋(住戸)毎を意味する。つまり、購入情報14bの場合であれば、部屋14b3毎を意味し、〇〇マンション全体を意味しない。
【0025】
ユーザ端末20は、例えば周知のスマートフォンやパーソナルコンピュータ等で構成されている。ユーザ端末20は、マイクロプロセッサ等の演算装置やSSD等の記憶装置、通信回路や通信インターフェース等の通信装置、表示画面及びタッチパネルやキーボード等の操作装置等を備えている。
【0026】
また、ユーザ端末20は、サーバ装置10と通信し、各種操作や情報を受信するためのアプリ(アプリケーションプログラム)がインストールされている。
【0027】
次に、上述した構成のシステムおいて、物件を新築購入したユーザが売却するまでの動作を図4を参照し、物件を賃貸入居したユーザの動作を図5を参照し、物件を中古購入したユーザの動作を図6を参照し、物件の入居済みオーナーが他の物件を新築購入し引っ越しするまでの一連動作を図7を参照してそれぞれ説明する。
【0028】
(物件を新築購入したユーザが売却するまでの動作)
図4は物件Aを新築購入したユーザWが売却するまでの動作を時系列に示した図である。図4の上段はユーザWがユーザ端末20において上述したアプリに対して行う操作を示し、中段はサーバ装置10からアプリへの情報配信内容を示す。さらに、図4の下段は購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dのそれぞれの紐付先の内容を示す。
【0029】
まず、物件Aを購入する際にはユーザWはアプリを操作して物件Aの購入の招待コードを入力する。購入の招待コードは、例えば契約時に不動産販売業者から渡されるカードに文字列等として印刷されており、当該カードを参照して入力する。また、招待コードをQRコード(登録商標)で構成して、スマートフォンのカメラ等で撮影することで入力してもよい。そして、会員登録するために、初回利用手続きをする。ここで入力する登録情報は、上述したパスワード、メールアドレス、氏名等である。会員番号はシステム上で自動的に付与する。
【0030】
上記のようにして会員登録されると、紐付手段13により物件情報格納手段14の物件Aの購入情報14bにはユーザWの会員情報14aが紐付けられる。なお、図中では、理解を容易にするため「Wの会員情報」と記載しているが実際はユーザWの会員情報14aと紐付けできる情報(例えば会員番号等)であればよい。
【0031】
そして、登録されたユーザWには、サーバ装置10から物件Aの購入者向けの情報が例えばアプリの画面上又は電子メール等で配信される。即ち、送信手段12は、ステータス情報に紐付けられた会員に対して、当該ステータス情報の内容に応じた提供情報を送信する。また、この時点では、物件情報格納手段14の物件Aの所有情報14cと居住情報14dとは「空」となっている。この「空」は会員情報14aと紐付けされていないことを示している。
【0032】
次に、物件Aが引き渡される際にはユーザWはアプリを操作して物件Aのオーナーの招待コードを入力する。オーナーの招待コードは、購入時と同様に、例えば引き渡し時に不動産販売業者から渡されるカードに文字列等として印刷されており、当該カードを参照して入力する。また、招待コードをQRコード(登録商標)で構成して、スマートフォンのカメラ等で撮影することで入力してもよい。
【0033】
オーナーの招待コードが入力されると、紐付手段13により物件情報格納手段14の物件Aの所有情報14cにはユーザWの会員情報14aが紐付けられる。このとき物件Aの購入情報14bはユーザWの会員情報14aが紐付けられたままで変化しない。物件Aの居住情報14dは、「空」のままである。そして、物件Aが引き渡されたユーザWには、サーバ装置10から物件Aのオーナー向けの情報が例えばアプリ画面上又は電子メール等で配信される。なお、所有情報14cの紐付けはオーナーがするに限らず、売主会社の社員等が事業所に設置された端末等から行ってもよい。
【0034】
次に、物件Aに入居する際にはユーザWはアプリを操作して物件Aの部屋内(住戸内)に表示された入居の招待コードを入力する。この招待コードは、部屋内のクローゼット内等にシールに印刷して貼り付けてもよいし、部屋の設備等の取扱説明書内に印刷して表示してもよい。この招待コードも文字列に限らずQRコード(登録商標)で構成してもよい。あるいは部屋に設置された端末等に表示してもよいし、端末から取得する場合は、Bluetooth(登録商標)等の他の通信手段により取得してもよい。この入居の招待コードは、実際に物件に入居したときに入力するのが望ましいので、部屋内で取得するようにしている。
【0035】
入居の招待コードが入力されると、紐付手段13により物件情報格納手段14の物件Aの居住情報14dにはユーザWの会員情報14aが紐付けられる。このとき物件Aの購入情報14b、所有情報14cはユーザWの会員情報14aが紐付けられたままで変化しない。そして、物件Aに入居したユーザWには、サーバ装置10から物件Aのオーナー向けの情報及び居住者向け情報が例えばアプリ画面上又は電子メール等で配信される。
【0036】
ユーザWが物件Aから退去して引っ越す場合はアプリで引っ越し操作を行う。すると、紐付手段13により物件情報格納手段14の物件Aの居住情報14dの紐付けが解除され「空」状態となる。但し、物件Aの売却を伴わないので、物件Aの購入情報14b及び所有情報14はユーザWの会員情報が紐付けられたままである。また、サーバ装置10から物件Aのオーナー向けの情報のみが例えばアプリ画面上又は電子メール等で配信される。
【0037】
ユーザWが物件Aを売却する場合はアプリで引き渡し操作を行う。すると、紐付手段13により物件情報格納手段14の物件Aの購入情報14b及び所有情報14cの紐付けが解除され「空」状態となる。また、この時点で新たな居住者がいる場合は居住情報14dに新居住者の会員情報が紐付けられている。新オーナーの会員情報の紐付けは、上述したユーザW等から招待コードの表示されたカード等を譲り受けて同様の操作をすればよい。詳細は、図6の物件を中古購入したユーザの動作で説明する。また、ユーザWは物件Aを売却したのでサーバ装置10からは物件Aに関する情報の配信はなくなる。
【0038】
但し、ユーザWが物件Aを売却しても賃借人として居住する場合は、居住情報14dには、ユーザWの会員情報が紐付けられる。そして、サーバ装置10から物件Aの居住者向けの情報のみが例えばアプリ画面上又は電子メール等で配信される。
【0039】
即ち、受付手段11は、会員からのステータス情報の変更(引っ越し操作、引き渡し操作)を受け付け可能であり、紐付手段13は、受け付けたステータス情報の変更内容に基づいて所有情報14c、居住情報14dのいずれかの紐付け関係を変更している。
【0040】
(物件を賃貸入居したユーザの動作)
図5は物件Aを賃貸入居したユーザXが引っ越すまでの動作を時系列に示した図である。図5の上段はユーザXがユーザ端末20において上述したアプリに対して行う操作を示し、中段はサーバ装置10からアプリへの情報配信内容を示す。さらに、図5の下段は購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dのそれぞれの紐付先の内容を示す。
【0041】
まず、物件Aに入居する際にはユーザXはアプリを操作して物件Aの入居の招待コードを入力する。この招待コードは、ユーザWの入居時と同様に、物件Aの部屋内に表示等されている。そして、会員登録するために、初回利用手続きをする。入力する会員情報は、上述したパスワード、メールアドレス、氏名等である。
【0042】
入居の招待コードが入力されると、物件情報格納手段14の物件Aの居住情報14dにはユーザXの会員情報14aが紐付けられる。このとき物件Aの購入情報14b、所有情報14cは購入者や所有者の会員情報14aが紐付けられている。そして、物件Aに入居したユーザXには、サーバ装置10から物件Aの居住者向け情報が例えばアプリ画面上又は電子メール等で配信される。
【0043】
ユーザXが物件Aから退去して引っ越す場合はアプリで引っ越し操作を行う。すると、物件情報格納手段14の物件Aの居住情報14dの紐付けが解除され「空」または状態となる。また、サーバ装置10からの物件Aに関する情報の配信はなくなる。
【0044】
(物件を中古購入したユーザの動作)
図6は物件Aを中古購入したユーザYが売却するまでの動作を時系列に示した図である。図6の上段はユーザYがユーザ端末20において上述したアプリに対して行う操作を示し、中段はサーバ装置10からアプリへの情報配信内容を示す。さらに、図6の下段は購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dのそれぞれの紐付先の内容を示す。
【0045】
まず、物件Aを購入したユーザYはアプリを操作して物件Aのオーナーの招待コードを入力する。この招待コードは、前のオーナーから直接的または不動産会社等を介して間接的に引き継いだものである。つまり、図4で説明したユーザWと同様にカード等に印刷された文字列等を入力する。そして、会員登録するために、初回利用手続きをする。入力する会員情報は、上述したパスワード、メールアドレス、氏名等である。
【0046】
上記のようにして会員登録されると、物件情報格納手段14の物件Aの購入情報14bと所有情報14cにはユーザYの会員情報14aが紐付けられる。そして、登録されたユーザYには、サーバ装置10から物件Aのオーナー向けの情報が例えばアプリ画面上又は電子メール等で配信される。また、物件情報格納手段14の物件Aの居住情報14dは、賃借人が居住している場合は居住者の会員情報が紐付けられ、空室の場合は「空」となる。
【0047】
ユーザYが物件Aを売却する場合はアプリで引き渡し操作を行う。すると、物件情報格納手段14の物件Aの購入情報14b及び所有情報14cの紐付けが解除され「空」状態となる。また、ユーザYは物件Aを売却したのでサーバ装置10からは物件Aに関する情報の配信はなくなる。
【0048】
(物件の入居済みオーナーが他の物件を新築購入し引っ越しするまでの一連動作)
図7は物件Aの入居済みオーナーであるユーザZが物件Bを新築購入し引っ越すまでの動作を時系列に示した図である。図7の上段はユーザZがユーザ端末20において上述したアプリに対して行う操作を示し、中段はサーバ装置10からアプリへの情報配信内容を示す。さらに、図7の下段は物件Aの購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dのそれぞれの紐付先及び物件Bの購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dのそれぞれの紐付先の内容を示す。
【0049】
まず、ユーザZは物件Aを所有し居住しているため、物件Aの購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dはユーザZの会員情報が紐付けられている。そして、ユーザZが、物件Bを購入すると、アプリを操作して物件Bの購入の招待コードを入力する。なお、ユーザZは既に物件Aを購入時に会員登録済みであるので初回利用手続きは省略できる。
【0050】
上記のようにして物件Bの購入者となると、物件情報格納手段14の物件Bの購入情報14bにはユーザZの会員情報14aが紐付けられる。また、物件情報格納手段14の物件Bの所有情報14cと居住情報14dとは「空」となっている。また、物件Aの購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dに変更はない。そして、ユーザZには、サーバ装置10から物件Aのオーナー向け情報、居住者向け情報に加えて物件Bの購入者向けの情報が例えばアプリ画面上又は電子メール等で配信される。
【0051】
次に、物件Bが引き渡される際にはユーザZはアプリを操作して物件Bのオーナーの招待コードを入力する。オーナーの招待コードが入力されると、物件情報格納手段14の物件Bの所有情報14cにはユーザZの会員情報14aが紐付けられる。このとき物件Bの購入情報14bはユーザZの会員情報14aが紐付けられたままで変化しない。物件Bの居住情報14dは「空」のままである。また、物件Aの購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dに変更はない。そして、物件Aが引き渡されたユーザWには、サーバ装置10から物件Aのオーナー向け情報、居住者向け情報に加えて物件Bのオーナー向けの情報が例えばアプリ画面上又は電子メール等で配信される。
【0052】
次に、物件Bに入居する際にはユーザZはアプリを操作して物件Bの部屋内に表示された入居の招待コードを入力する。入居の招待コードが入力されると、物件情報格納手段14の物件Bの居住情報14dにはユーザZの会員情報14aが紐付けられる。このとき物件Bの購入情報14b、所有情報14cはユーザZの会員情報14aが紐付けられたままで変化しない。また、物件Aの購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dに変更はない。そして、物件Bに入居したユーザZには、サーバ装置10から物件Aのオーナー向けの情報及び居住者向け情報に加えて物件Bのオーナー向けの情報及び居住者向け情報が例えばアプリ画面上又は電子メール等で配信される。
【0053】
次に、ユーザZが物件Aから退去して引っ越すためにアプリで引っ越し操作を行う。すると、物件情報格納手段14の物件Aの居住情報14dの紐付けが解除され「空」状態となる。但し、物件Aの売却を伴わないので、物件Aの購入情報14b及び所有情報14はユーザZの会員情報が紐付けられたままである。また、物件Bの購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dに変更はない。また、サーバ装置10から物件Aのオーナー向けの情報及び物件Bのオーナー向けの情報及び居住者向け情報が例えばアプリ画面上又は電子メール等で配信される。
【0054】
次に、上述したサーバ装置10における購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dの紐付けや解除の動作について図8及び図9のフローチャートを参照して説明する。図8及び図9のフローチャートは図2に示した紐付手段13で実行される。
【0055】
図8は、購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dの紐付動作のフローチャートである。まず、招待コードからユーザ端末20から入力されたか判定する(ステップS101)。購入の招待コードが入力された場合は(ステップS101;購入)、購入情報14bに当該招待コード入力にかかる会員情報を紐付ける(ステップS102)。オーナーの招待コードが入力された場合は(ステップS101;オーナー)、所有情報14cに当該招待コード入力にかかる会員情報を紐付ける(ステップS103)。部屋内(入居)の招待コードが入力された場合は(ステップS101;入居)、居住情報14dに当該招待コード入力にかかる会員情報を紐付ける(ステップS104)。招待コードが入力されない場合は(ステップS101;入力なし)、ステップS101で待機する。
【0056】
即ち、ステップS101が受付ステップ、ステップS102~S104が紐付ステップとして機能する。また、招待コード及びそれに付随して送信される情報が紐付要求情報に該当する。
【0057】
図9は、購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dの紐付解除動作のフローチャートである。まず、ユーザ端末20から引っ越し操作を示す情報が入力されたか判定する(ステップS201)。つまり、ユーザがアプリを操作して引っ越し操作を行ったか判定する。引っ越し操作が行われた場合は(ステップS201;Yes)、対象となる物件の居住情報14dの紐付けを解除する(ステップS202)。つまり「空」にする。一方、引っ越し操作が行われない場合は(ステップS201;No)、ステップS203に進む。
【0058】
次に、ユーザ端末20から引き渡し操作を示す情報が入力されたか判定する(ステップS203)。つまり、ユーザがアプリを操作して引き渡し操作を行ったか判定する。引き渡し操作が行われた場合は(ステップS203;Yes)、対象となる物件の購入情報14b及び所有情報14cの紐付けを解除する(ステップS204)。つまり「空」にする。一方、引き渡し操作が行われない場合は(ステップS203;No)、そのままフローチャートを終了する。
【0059】
上述したフローチャートでは、引っ越し操作と引き渡し操作を1つのフローチャートにまとめたが、それぞれ独立したフローチャートとしてもよい。
【0060】
また、ユーザが引っ越し操作や引き渡し操作を怠ってしまい、新居住者や新オーナーからの紐付け要求が発生した場合は、紐付手段13は、新居住者や新オーナーの会員情報を既存の会員情報と区別して紐付けてもよい。つまり、例外的に重複して紐付けられる。この場合、新居住者や新オーナーの会員情報の紐付けは仮として扱い各種情報提供等は行わない。そして、サーバ装置10は、システム管理者等に重複登録発生の通知を行ってもよい。あるいは現在の居住者やオーナーに通知をしてもよい。即ち、紐付手段13は、既に会員情報が紐付けされているステータス情報に対して、異なる会員情報14aの紐付けが要求された場合は、既に紐付けられている会員情報14aが示す会員に対して確認情報を送信手段12に送信させてもよい。
【0061】
システム管理者等で引っ越しや引き渡しの確認が取れた場合は、システム管理者等により、購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dを変更すればよい。また、現在の居住者やオーナーに通知した場合は、現在の居住者やオーナーが引っ越しや引き渡しの操作を行えばよい。なお、新居住者や新オーナーからの紐付け要求が誤りであった場合は、当該新居住者や新オーナーに登録(紐付け)できない旨等の通知を行ってもよい。登録できない旨等の通知後、仮の紐付けは解除する。
【0062】
以上に説明した本実施形態によれば、物件管理装置であるサーバ装置10は、物件情報が格納されている物件情報格納手段14を有している。そして、物件情報格納手段14には、物件毎に購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dが含まれるステータス情報を有し、購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dにはそれぞれ個別に個人情報が紐付け可能となっている。このようにすることにより、購入、所有、居住についてそれぞれ個別に会員情報が紐付けられるので、所有のみ、所有して居住、居住のみといった各状態について管理することが可能となる。さらに1人のユーザが複数物件を所有する場合や、所有物件と居住物件が異なる場合等の管理が容易となる。したがって、物件の所有や入居等を一貫して管理することができる。
【0063】
また、サーバ装置10は、会員登録を受け付ける受付手段11と、受付手段11が受け付けた会員にかかる個人情報を、購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dのいずれかと紐付ける紐付手段13と、を有している。このようにすることにより、物件管理にあたり会員登録をする必要があるので、管理する個人情報を限定することができ、さらに個人情報を適切に管理することができる。また、紐付手段13によりそれぞれのステータス情報と会員情報とを独立して紐付けることができる。
【0064】
また、受付手段11は、会員からの引っ越しや引き渡しといったステータス情報の変更を受け付け可能であり、紐付手段13は、受け付けたステータス情報の変更内容に基づいて購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dのいずれかの紐付先を変更している。このようにすることにより、引っ越しや売却といった行為に応じてステータス情報を変更することができる。
【0065】
また、会員に対して情報を送信可能な送信手段12を有し、紐付手段13は、既に会員情報が紐付けされているステータス情報に対して、異なる会員情報14aの紐付けが要求された場合は、既に紐付けられている会員情報が示す会員に対して確認情報を送信手段12に送信させてもよい。このようにすることにより、既存のオーナーや居住者に引き渡しや引っ越しの操作を促すことができる。また、新たな紐付け要求が誤りである場合に確認が容易になる。
【0066】
また、送信手段12は、ステータス情報に紐付けられた会員に対して、当該ステータス情報の内容に応じた提供情報を送信している。このようにすることにより、購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dの各情報に紐付けられている間は、購入者向け情報、オーナー向け情報、居住者向け情報といった提供情報を送信することができる。したがって、各ステータスに応じた情報提供を行って会員の満足度を向上させることができる。
【0067】
なお、上述した実施形態では、ステータス情報として、購入情報14b、所有情報14c、居住情報14dを設けたが、所有情報14c、居住情報14dだけでもよい。つまり、少なくとも所有と居住の管理が行えればよい。
【0068】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の物件管理装置及び物件管理方法の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0069】
10 サーバ装置(物件管理装置)
11 受付手段
12 送信手段
12 紐付手段
14 物件情報格納手段
14a 会員情報
14b 購入情報
14c 所有情報
14d 居住情報
20 ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9