(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】三次元部品の表面を印刷または被覆するための設備
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20240311BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20240311BHJP
B41J 3/407 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
B41J2/01 109
B25J13/08 Z
B41J3/407
(21)【出願番号】P 2020571673
(86)(22)【出願日】2019-06-19
(86)【国際出願番号】 EP2019066241
(87)【国際公開番号】W WO2019243440
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-06-13
(32)【優先日】2018-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515161032
【氏名又は名称】エスエムアールシー オートモーティブ ホールディングス ネザーランズ ベスローテン フェンノートシャップ
(73)【特許権者】
【識別番号】520446104
【氏名又は名称】ロボ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ボニフェイス ジェローム
(72)【発明者】
【氏名】リシュブール ロムアルド
(72)【発明者】
【氏名】デマルキ ミシェル
【審査官】中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-094882(JP,A)
【文献】特開2014-117930(JP,A)
【文献】特開2016-088071(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0056671(US,A1)
【文献】特開2017-024408(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102012212469(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0167817(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02873496(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00931649(EP,A1)
【文献】米国特許第09266354(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01
B41J 3/407
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品の表面を印刷および/または被覆するための設備であって、この設備は、
-少なくとも5度の自由度を有する移動装置上に取り付けられた、装飾されるべき若しくは被覆されるべき部品を受け入れ、保持することができる部品支持体と、
-少なくとも1つの印刷ヘッドを含む印刷手段と、
-移動の速度および/または位置決め座標を含む、部品の位置決めおよび/または移動のパラメータを測定することができる、センサ手段と、
装飾されるべき部品の表面上にスプレーされた物質を少なくとも部分的に乾燥および/または架橋するための乾燥手段と、
前記センサ手段によって送られた信号を利用し、少なくとも前記印刷手段および前記移動装置を制御することができる計算、管理および制御手段と、含み、
前記印刷手段、前記センサ手段、および前記乾燥手段は、固定された支持構造上に並列的に配置され、
前記移動装置および前記支持構造は、互いに相互に面して配置されており、空間基準フレームが、前記固定された支持構造に割り当てられており、第1の軸は前記移動装置と前記支持構造の間の距離を決定し、第2の軸は前記印刷手段、センサ手段、および乾燥手段の方向に対応し、第3の軸は前記2つの軸と直角であり、
前記印刷手段は、少なくとも1度の自由度を有する、回転および/または並進移動可能である少なくとも2つの単色または2色印刷ヘッドを含み、前記印刷ヘッドは、選択された印刷ヘッドが設定されている、部品の表面の印刷を可能にする決定された空間位置に1つずつ選択的に移動されることができ、前記選択的な移動は、前記計算、管理および制御手段の下で、かつ、プログラムされたデータに従ってなされ、前記計算、管理および制御手段は、前記支持構造および前記決定された空間位置に対する部品の移動をも決定する、設備。
【請求項2】
前記印刷ヘッドは、前記第3の軸上に線形に並列的に配置されており、この軸上で摺動することにより一緒に移動され、これは、前記計算、管理および制御手段によって駆動される適当な並進アクチュエータの下でなされる、請求項1記載の設備。
【請求項3】
前記印刷ヘッドは、前記第2の軸のまわりに円形に配置されており、この軸を中心として一緒に回転移動可能であり、これは、前記計算、管理および制御手段によって駆動される適当な並進アクチュエータの下でなされる、請求項1記載の設備。
【請求項4】
前記印刷ヘッドの各々はまた、前記第1の軸上で摺動することによって、各ヘッドに対して特定の、または、すべてのヘッドに対して共通の適当な駆動されるアクチュエータの作用の下で個々に移動可能である、請求項2記載の設備。
【請求項5】
前記印刷ヘッドは、前記第2の軸上に線形に並列的に配置されており、一方では、この軸上で摺動することによって一緒に移動可能であり、他方では、前記第1の軸上で摺動することによって個々に移動可能であり、これは、前記計算、管理および制御手段によって駆動される適当な並進アクチュエータの下でなされる、請求項1記載の設備。
【請求項6】
前記印刷ヘッドは、前記3つの軸上で個々に摺動することによって移動される設備によって前記支持構造上または中に取り付けられており、これは、前記計算、管理および制御手段によって駆動される適当な並進アクチュエータの下でなされる、請求項1記載の設備。
【請求項7】
前記支持構造は、印刷を可能にする前記決定された空間位置を構成する孔を有するフードを備え、この孔は、必要ならば、印刷ヘッドの通過を可能にする、請求項1記載の設備。
【請求項8】
前記支持構造は、前記印刷ヘッドのための保守ステーションのラックまたは貯蔵棚ユニットを含み、前記設備は、前記印刷ヘッドを前記ラックまたは前記貯蔵棚ユニットのその位置から前記決定された空間位置に、またその逆に、選択的に移動させるように構成された、少なくとも5度の自由度を有する第2の移動装置を含み、前記印刷ヘッドは、この印刷ヘッドによる印刷または被覆作業の進行に亘ってこの位置に保持され、または、部品の移動と合わせて移動される、請求項1記載の設備。
【請求項9】
前記第2の移動
装置は、ロボットアームを含み、前記ロボットアームは、その自由端に、自動駆動装置を備えた自動ツールローダ(14)を備え、前記自動ツールローダ上に、印刷プログラムを有する前記プログラムされたデータに従った印刷作業のために選択された前記印刷ヘッドが、一時的にまたは互換的に取り付けられ、前記印刷プログラムに従った前記印刷作業中の各印刷ヘッドの作業およびインクの流れの管理は、前記第2の移動装置の移動と合わせて、前記計算、管理および制御手段によって取り扱われる、請求項8記載の設備。
【請求項10】
前記設備は、4つの単色印刷ヘッドを含み、各印刷ヘッドは、各々が同じ色のインクを射出するための平行な少なくとも2列のオリフィスを含む、請求項1記載の設備。
【請求項11】
前記設備は、2つの2色印刷ヘッドを含み、各印刷ヘッドは、各々が同じ色のインクを噴射するための2列のオリフィスを含む、請求項1記載の設備。
【請求項12】
前記少なくとも5度の自由度を有する移動装置は、6軸ロボットアームである、請求項1記載の設備。
【請求項13】
前記印刷手段は、インクスプレーである、請求項1記載の設備。
【請求項14】
前記印刷手段、前記センサ手段、および前記乾燥手段は、固定された支持構造上に並列的に配置され、支持されており、前記固定された支持構造は、ベースプレート、および、張り出し材から選択される、請求項1記載の設備。
【請求項15】
前記プログラムされたデータは、印刷プログラムである、請求項1記載の設備。
【請求項16】
少なくとも5度の自由度を有する前記第2の移動装置は、6軸ロボットアーム
である、請求項8記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、自動化設備による部品の表面の処理および被覆の分野、特に、複雑な形態、とりわけ三次元形態の表面上のパターンのスプレー印刷に関し、その主題は、好ましくはインクジェット型印刷手段を実行することによって、かかる部品の表面を印刷および/または被覆するための設備である。
【0002】
関係する部品は、とりわけ、自動車内部クラッド部品からなることができる。
【背景技術】
【0003】
既知のように、そして例えば独国特許出願公開第102012212469(A1)号明細書、米国特許出願公開第2009/0167817(A1)号明細書、欧州特許出願公開第2873496(A1)号明細書、および同第0931649(A1)号明細書によって示されているように、インクジェット型印刷手段によって部品を印刷するためには、物質、例えばインキを噴射するプリントヘッドを固定状態のままである部品に対してロボットアームによって動かすのがよい。
【0004】
しかしながら、大抵の場合には4色組立体を組み込んだ印刷手段は、一般に、嵩張っており、しかも、これら印刷手段を、特に高速で動かすことは複雑である。これは、これらの印刷手段がさらに、印刷ヘッドの真下に配置されていて物質の液滴を部分的に乾燥させるモジュールと関連している場合には尚更そうである。さらに、印刷ヘッドは、ロボットアームの急速な運動に起因して乱れまたは位置の変化を受ける場合がある。これらの乱れを制限するためには、次いで、ロボットアームの移動速度を制限する必要があるが、それにより印刷量および産業効率が低下する。さらに、印刷ヘッドの向きの突然の変化の結果として、印刷品質が悪影響を受ける。実際、印刷ヘッド内部において、空気は、物質が重力に起因して流れるのを阻止するために僅かに低い圧力状態にある。しかしながら、向きの突然の変化の結果として、周囲圧力と印刷ヘッド内部の圧力のバランスが変化し、したがって物質の噴射の乱れが生じる。最後に、印刷ヘッドの物質供給ユニットをロボットアーム上に据え付けることもまた困難である。
【0005】
これらの欠点を緩和するために、特に本出願人によって、その仏国出願第1750260号、仏国出願第1751064号、および、仏国出願第1854024号において、印刷ヘッドおよび乾燥手段が固定され、すなわち、不動および静止状態であり、部品だけが、多軸ロボットアーム上に取り付けられることによって、印刷中に移動される設備を実行することが提案されてきた。
【0006】
これらの設備ではまた、印刷ヘッドは、単一の4色カラー印刷ヘッドからなり、単一の4色カラー印刷ヘッドは、正面から見て、
図1に示されているような異なる色(B=黒、Y=黄色、C=シアン、M=マゼンタ)を噴射するためのノズルまたはオリフィスの形態を一般的に示している。
【0007】
これらのオリフィスは、スプレーされる交互の色で鉛直(Z軸)方向に積み重ねられた列に配置されており、積み重なりのノズルの2つの次々の列に属する同じ色のノズルの間の分離「e」が、印刷の解像度を決定する。
【0008】
しかしながら、かかる4色印刷ヘッドは、以下に示されるような或る数の欠点を呈する。
【0009】
かくして、かかる4色印刷ヘッドは、Z方向(略鉛直方向)に著しい嵩(高さ)を有する。この特徴は、(ロボットアームに取り付けられた)部品の移動速度の変化のために印刷の量および均一性の問題を引き起こす。さらに、ノズルの列の配色交互性のために、同じ色を供給する2つの次々の列を分離する比較的著しい距離が、同じ色のこれらのノズルの列の相互同期を困難にする。このため、三次元表面上に生じる印刷品質は最適にならない。最後に、色の続き順位が、ノズルの列の色割り当てによって物理的に課され、4色ヘッドの制限された解像度は、良好な印刷品質を得るために行われるいくつかの印刷パス、したがって、著しい時間のロスを必要とする。
【0010】
米国特許第9266354号明細書により、固定された支持構造上に円形配置に従って取り付けらえた複数の2色または単色印刷ヘッドおよび乾燥/架橋手段を含む印刷設備が知られている。
【0011】
装飾される部品は、その一部が、第1の並進移動ユニット、並びに、互いに平行でない、それらの1つが第1のユニットの並進軸線と一致する軸線を中心とする回転移動のための第2および第3のユニットを含む支持装置によって、印刷ヘッドおよび乾燥/架橋手段の正面に移動される。
【0012】
この設備は、複雑で比較的嵩高な構造を有し、加えて、処理することができる三次元表面の形態の多様性に関して著しい制限を有する。最後に、この設備は、上記のヘッドおよび手段に対応する多数の印刷および乾燥位置を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】独国特許出願公開第102012212469(A1)号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0167817(A1)号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2873496(A1)号明細書
【文献】欧州特許出願公開第0931649(A1)号明細書
【文献】仏国出願第1750260号
【文献】仏国出願第1751064号
【文献】仏国出願第1854024号
【文献】米国特許第9266354号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、上述の少なくとも主な欠点を緩和することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的のため、その主題は、部品の表面、特に三次元表面を印刷および/または被覆するための設備であって、この設備は、本質的に、
-装飾されるべき若しくは被覆されるべき、かつ、例えば6軸ロボットアームのような、少なくとも5度の自由度を有する移動装置上に取り付けられた部品を受け入れ、保持することができる部品支持体と、
-少なくとも1つの印刷ヘッドからなる、インクスプレーまたは同様な印刷手段と、
部品の位置決めおよび/または移動のパラメータ、特に移動の速度および/または位置決め座標を測定することができる、センサ手段と、
-装飾されるべき部品の表面上にスプレーされた物質を少なくとも部分的に乾燥および/または架橋するためのあり得る手段と、
-前記センサ手段によって送られた信号を利用し、少なくとも前記印刷手段および前記移動装置を制御することができる計算、管理および制御手段と、含み、
前記印刷手段、前記センサ手段、および前記あり得る乾燥手段は、ベースプレート、直立体、張り出し材等の固定された支持構造上に並列的に配置され、例えば積み重ねられており、
前記移動装置および前記支持構造は、互いに相互に面して配置されており、空間基準フレームが、前記固定された支持構造に割り当てられており、第1の軸は前記移動装置と前記支持構造の間の距離を決定し、第2の軸は前記印刷手段、センサ手段、およびあり得る乾燥手段の方向に対応し、第3の軸は前記2つの軸と直角であり、
前記印刷設備は、前記印刷手段が、少なくとも1度の自由度を有する、回転および/または並進移動可能である少なくとも2つの単色または2色印刷ヘッドからなり、前記ヘッド)は、部品の表面の印刷を可能にする決定された空間位置に1つずつ選択的に移動されることができ、これは、前記計算、管理および制御手段の下で、前記支持構造および前記決定された空間位置に対する部品の位置をも決定するプログラムされたデータ、例えば印刷プログラムに従って、なされる、ことを特徴とする設備である。
【0016】
本発明は、以下の説明により良好に理解され、以下の説明は、非限定的な実施例によって与えられかつ添付の概略的な図面を参照して説明されるいくつかの好ましい実施形態に関する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】従来技術の単一の4色カラー印刷ヘッドの異なる色を噴射するためのノズルまたはオリフィスの図である。
【
図2】本発明の一実施形態による印刷設備の概略側面図である。
【
図3】
図3A-
図3Cは、本発明の第1の変形実施形態(整合された印刷ヘッドの軸上の並進移動)による、印刷手段、センサ手段、および、乾燥手段の部分に対応する、
図2の詳細Aの部分側面図(3A)、部分正面図(3B)、および、部分頂面図(3C)である。
【
図4】
図4Aおよび
図4Bは、異なる色の2つの単色ヘッドを備えた2つの連続する印刷シーケンスを示している。
【
図5】
図5-
図5Cは、本発明の第2の変形実施形態(印刷ヘッドの軸のまわりの円形配置および回転移動)による、
図2の詳細Aの部分側面図(5A)、部分正面図(5B)、および、部分頂面図(5C)である。
【
図6】
図6Aおよび
図6Bは、本発明の第3の変形実施形態(整合された印刷ヘッドの2つの垂直方向の並進移動)による、
図2の詳細Aの部分側面図(6A)および部分正面図(6B)である。
【
図7】本発明の第4の変形実施形態(印刷ヘッドは、3つの互いに直交する方向に移動されることができる)による、この支持構造における印刷手段およびハウジングを示す、
図2の詳細Aの一部の斜視および透視図である。
【
図8】技術状態による4色印刷ヘッドに関する、および、本発明による単色印刷ヘッドに関する、1つおよび同じ色をスプレーするためのノズルの列の間の距離Dおよびdをそれぞれ概略的かつ比較的に示している。
【
図9】
図9Aおよび
図9Bは、技術状態による4色印刷ヘッドのための(
図9A)および本発明による単色印刷ヘッドのための(
図9B)、非平坦表面上の印刷解像度に関するノズルの2つの列の間の間隔および生じるずれを概略的に示している。
【
図10】印刷設備の支持構造の正面図によって、技術状態の4色ヘッド(左側)と本発明による単色ヘッド(単一または2つの2色)(右側)との垂直方向嵩の差を概略的に示している。
【
図11】本発明による印刷設備のもう1つの実施形態を、部分概観の形態で、概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図2および
図11は、部品2の表面2’、特に非平坦または三次元表面を印刷および/または被覆するための設備1であって、この設備1は、本質的に、
-装飾されるべき若しくは被覆されるべき、かつ、例えば6軸ロボットアームのような、少なくとも5度の自由度を有する移動装置4上に取り付けられた部品2を受け入れ、保持することができる部品支持体3と、
-少なくとも1つの印刷ヘッド6または7からなる、インクスプレーまたは同様な印刷手段5と、
-部品2の位置決めおよび/または移動のパラメータ、特に移動の速度および/または位置決め座標を測定することができる、センサ手段8と、
-装飾されるべき部品2の表面2’上にスプレーされた物質を少なくとも部分的に乾燥および/または架橋するためのあり得る手段9と、
-センサ手段8によって送られた信号を利用し、少なくとも印刷手段7および移動装置4を制御することができる計算、管理および制御手段10と、を含む。
【0019】
印刷手段7、センサ手段8、およびあり得る乾燥手段9は、ベースプレート、直立体、張り出し材等の固定された支持構造11上に並列的に配置され、例えば積み重ねられている。
【0020】
移動装置4および支持構造11は、互いに相互に面して配置されており、空間基準フレームX、Y、Zが、固定された支持構造に割り当てられており、第1の軸Xは移動装置4と支持構造11の間の距離を決定し、第2の軸Zは印刷手段、センサ手段、およびあり得る乾燥手段5、8、9の方向に対応し、第3の軸Yは2つの軸XおよびZと直角である。
【0021】
本発明によれば、
図3-
図10に現われているように、印刷手段5は、少なくとも1度の自由度を有する、回転および/または並進移動可能である少なくとも2つの単色6または2色7印刷ヘッドからなり、前記ヘッド6、7は、部品2の表面2’の印刷を可能にする決定された空間位置PSDに1つずつ選択的に移動されることができ、これは、計算、管理および制御手段10の下で、支持構造11および決定された空間位置PSDに対する部品2の位置をも決定するプログラムされたデータ、例えば印刷プログラムに従って、なされる。
【0022】
上記構成によって、本発明は、手段5、8、9の積み重ねの軸(図面中のZ軸)上の大変嵩高であり、したがって、同じ色のノズルの列が間隔を隔てて配置される多色印刷ヘッドに関連した欠点をなくすことを可能にする。
【0023】
さらに、印刷を可能にする単一の空間位置PSDの手段5の異なるヘッド6、7の精細度が、印刷の進行中に運動中の部品に対する異なるヘッド6、7の相対的な移動および位置決めの運動学を簡単化およびより正確にすることを可能にする。
【0024】
最後に、同じ色に割り当てられた同様なノズル、または噴射オリフィス30の列を互いに近づけることを可能にすることによって、得られる分解能は、著しく高くなる(
図8-
図10参照)。位置PSDは、より大きい簡単化およびより良好な効率のためにセンサ8および乾燥手段9の位置と通常整合しており、かつ、直ぐに隣接している。
【0025】
図2の実施形態および
図3-
図7の変形例では、印刷ヘッド6、7は支持構造11に対して移動可能であるけれども、少なくとも部分的に支持構造11中に留まる。
【0026】
第1の変形実施形態によれば、
図3に示されているように、印刷ヘッド6、7は、第3の軸Y上に線形に並列的に配置されることができ、この軸に沿って摺動することによって一緒に移動されることができ、これは、計算、管理および制御手段10によって駆動される適当な並進アクチュエータの下でなされる。
【0027】
異なる単色ヘッド6は、バー形態の多ヘッド5を形成する1つおよび同じモジュールの一部を形成することができ、水平(図面では、軸Y)方向に列で、したがって、最小鉛直(図面では、軸Z)方向嵩で配置されることができる。ヘッド6のブロックの並進案内は、構造11の一部を形成するレールまたはランナ等を使用してなされることができる。
【0028】
センサ手段8および乾燥手段9は、通常、前記構造11上に固定的に取り付けらており、処理の正確性をなおさらに増大させるために、印刷ヘッド6のように、移動可能であるように設けられることもできる。
【0029】
図4Aおよび
図4Bは、
図1による設備1であって、
図3A-
図3Cによる印刷ヘッド5を含む設備1を使用して表面2’を印刷するための方法の2つの次々の手順ステップを示している。
【0030】
第1のステップ(
図4A)では、色シアンに割り当てられた印刷ヘッド6、7は、センサ手段8および乾燥/架橋手段9の軸に対して垂直な軸Y(水平方向)上の並進によって、センサ手段8および乾燥/架橋手段9の軸(位置PSD)において位置決めされる。多軸ロボットアーム4は、計算、管理および制御手段10によって実行される所定の印刷プログラムに従って表面2’上にシアン色のインクをスプレーする前記ヘッド6、7の正面に部品2を移動させ、計算、管理および制御手段10は、部品2の相対位置および移動パラメータに関するセンサ手段8によって供給される情報をも利用する。
【0031】
乾燥/架橋手段9は、付着された液滴の固定および少なくとも部分的な固化を確実にする。
【0032】
手段10の制御の下で、次いで、バー形態の多ヘッド5は、色マゼンタに割り当てられたヘッド6、7が位置PSDにあるように、リニアアクチュエータ(図示せず)によって駆動されて、1つのノッチだけ移動される。もう一度、インクは、部品2が活動ヘッド6、7(マゼンタヘッド)の正面にある間に、所定のプログラムに従ってスプレーされ、液滴は、手段9によって乾燥される。次いで、これらのステップは、印刷サイクルを完了させるために、その他の2つの色のために繰り返される。
【0033】
可能性として、印刷サイクルのすべては、さらに良好な解像度を得るために、(先行する印刷サイクル中の印刷ヘッド6、7の位置に対して)印刷ヘッド6、7の大変低い慎重なオフセットをもって繰り返されることができる。
【0034】
図5に示されている第2の変形実施形態によれば、印刷ヘッド6、7は、第2の軸Zのまわりに円形に配置されることができ、この軸Zを中心として一緒に回転移動されることができ、これは、計算、管理および制御手段10によって駆動される適当な回転アクチュエータ(図示せず)の作用の下でなされる。
【0035】
上記の変形例と同じように、印刷方法は、軸Zを中心とした部分的な回転(ここでは4分の1回転)だけ異なる印刷ヘッド6を組み合わせたモジュールを回動させることよって次々のステップで実行される。
【0036】
前と同様に、センサ8および乾燥手段9は、通常固定されているが、印刷ヘッド6と付随して移動されるように設計されることができる。
【0037】
上記の2つの変形例に関する、また上記の2つの変形例と両立する追加の特徴によれば、印刷ヘッド6、7の各々は、第1の軸X(図示せず)上を摺動することによって、各ヘッド6、7に対して特定の、または、すべてのヘッドに対して共通の適当な駆動されるアクチュエータ(図示せず)の作用の下で個々に移動されることもできるように構成されることができる。
【0038】
この追加の特徴の結果、操作および着けのより大きな融通性が生じ、スプレー距離に関し、より大きな支配、より良好な制御、およびより大きな融通性が得られる。
【0039】
図6に示されている、本発明の第3の変形実施形態によれば、印刷ヘッド6、7は、第2の軸Z上に線形に並列的に配置されることができ、他方、第1の軸X上を摺動することによって、個々に移動されることができ、これは、制御およびプログラム可能なコンソール10′が関連することができる、計算、管理および制御手段10(例えば、プログラム可能な論理制御器)によって駆動される適当な並進アクチュエータ(図示せず)の作用の下でなされる。
【0040】
印刷ヘッド6、7を制御するためのシーケンスは、有利には、次々に、先ず初めに、着けられる色の選択のための軸Z上での摺動、次いで、関係する噴射オリフィス13(ノズル)を装飾されるべき表面に近づけるための軸X上での摺動を含む。
【0041】
最後に、
図7に示されているように、印刷ヘッド6、7は、3つの軸X、Y、および、Z上で個々に摺動することによって移動される設備によって支持構造11上または中に取り付けられるようにされることができ、これは、計算、管理および制御手段10によって駆動される適当な並進アクチュエータの下でなされる。
【0042】
当業者は、図面に示されている鉛直方向Zおよび水平方向XY配向は、最もありふれた例としてのみ示されていることを理解する。実際、部品2を移動させるための装置4の構造および適当な配向に従って、これらの軸X、Y、および、Zは、転回させることができ、そのとき、軸Zは、もはや鉛直方向に対応しない(変形例図示せず)。
【0043】
有利には、支持構造11は、印刷を可能にする所定の空間位置PSDを構成する孔12’を有するフード12を備え、この孔12’は、必要ならば、印刷ヘッド6、7の通過を可能にする。
【0044】
手段5、8および9の鉛直方向に積み重ねられた配置の場合には、フード12を備えた支持構造11は、有利には単純でほとんど嵩を有しない柱の形態を取る。
【0045】
図11に概略的に示されている、本発明の第2の実施形態によれば、支持構造11は、印刷ヘッド6、7のためのラック、または、保守ステーションのための所蔵棚ユニットからなり、前記設備1は、少なくとも5度の自由度を有する第2の移動装置4’、好ましくは、選択的には印刷ヘッド6、7をラックまたは貯蔵棚ユニット11中のその位置から所定の空間位置PSDに、またその逆に移動させるように構成された第2の6軸ロボットアームを含み、これは、計算、および制御手段10の制御の下でなされる。前記印刷ヘッド6、7は、この印刷ヘッド6、7による印刷または被覆作業の進行に亘ってこの位置PSDに保持され、または、可能性として部品2の移動と合わせて移動される、
【0046】
有利には、第2のロボットアーム4’は、その自由端に、自動ツールローダ14を備え、自動ツールローダ4’上には、一時的にかつ互換可能に、計画された印刷作業のために選択された印刷ヘッド6、7が取り付けられることができ、支持ロボットアーム4’のあり得る運動と合わせた各印刷ヘッド6、7の操作およびインクの流れの管理は、手段10によって取り扱われる。
【0047】
各印刷ヘッド6、7は、使用されていないときには、設備のこの第2の実施形態では、支持構造11に貯蔵される(受け入れ場所の寸法および数は、品質および量の観点での必要に合わされる)。
【0048】
各ヘッド6、7は、インク再循環を特徴付けることができるか、或いはできず、わずかな真空圧力の管理は、コンピュータ化され(手段10)、リアルタイムでロボット4’の運動および関係するヘッド6、7の配向に合わされる。自動ツール交換器14上の各ヘッド6、7の取り付けは、取り付けられたヘッドの任意の配向が、ロボット4’の動作球中のどこででも作業することを可能にする。
【0049】
印刷色を着けるために、ロボット4’は、自動ツール交換器14を使用して、貯蔵ラック11から対応する色のヘッド6、7を取り出す。
【0050】
インクおよび印刷ヘッドを制御するためのパラメータは、有利には、ヘッドがロボット4’のリストの端で始動されるときに、リアルタイムでロボット4’のリストの運動を補償するようになっている。
【0051】
本発明の第2の実施形態の文脈では、当業者は、各印刷ヘッド6、7が、以下の2つの形態で使用されることができることを理解するであろう。すなわち:
-実行されるヘッドは、固定された印刷ヘッドとしてロボットによって位置決めされる(支持された部品印刷原理、部品は、その他のロボット4’によって固定されたヘッドの正面に移動されるであろう)。処理されるべき部品の形態のために設定される作業位置を変える可能性は、印刷軌道に責任を負うロボットの軌道のプログラム化を大きく簡単化することを可能にする。
-部品2は、第1のロボット4によって支持され、印刷ヘッドは、第2のロボット4’によって支持され、2つのロボット4および4’は、手段10の制御の下で協働して作動する。それは、はるかにより嵩高な部品を、かつそれらのすべての面上で処理する可能性を広げる。
【0052】
好ましくは、異なる印刷ヘッド6、7はすべて、同様な構造および外形を有する。
【0053】
図3-
図7に現れている第1の実施形態によれば、設備1は、好ましくは、4つの単色印刷ヘッド6を含み、各ヘッド6は、同じ色のインクを噴射するための少なくとも2つの平行なオリフィス13の列を含む(特に、
図8および
図9参照)。非常に高い印刷解像度が求められるときには、各ヘッド6は、変形例として、与えられた色のために単一の列のオリフィス13だけを含むのがよい。
【0054】
図10に部分的に示されている第2の実施形態によれば、設備1は、2つの2色印刷ヘッド7を含むのがよく、各ヘッド7は、各々が同じ色のインクを噴射するための2つのオリフィス13の列を含む2つの2色ヘッド6の組立体からなる。
【0055】
手段4、4’、5、8、9、および、12の実用的な生産、並びに、駆動および印刷プログラムの設計は、当業者、特にオートメーションおよび自動化印刷システムの専門家の範囲内にある。
【0056】
有利には、設備1は、例示的な例として(特に
図2参照)本出願人の名義の仏国特許出願第1854024号で言及されている印刷サイクルを管理するために(センサ手段8によって得られ、手段10によって開発された)部品2の表面2’の瞬間分数移動速度を利用することができる。
【0057】
同様に、乾燥および/または架橋手段9は、有利には、例示的な例として本出願人の名義の仏国特許出願第1750260号に説明され、示されているビーム調節手段を備えた照射源を含むのがよい。
【0058】
明らかに、本発明は、説明され、添付の図面に示された実施形態に制限されない。変更は、本発明の保護の範囲からいかなる仕方でも逸脱することなく、とりわけ種々の要素の構造の観点から、或いは技術的均等物を代替することによって可能のままである。