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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】成膜装置及び成膜装置の水分除去方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/00 20060101AFI20240311BHJP
   C23C 14/34 20060101ALI20240311BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20240311BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
C23C14/00 B
C23C14/34 L
C23C16/44 J
H01L21/31 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021003771
(22)【出願日】2021-01-13
(65)【公開番号】P2021127516
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-05-30
(31)【優先権主張番号】P 2020023678
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002428
【氏名又は名称】芝浦メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】田辺 昌平
(72)【発明者】
【氏名】吉村 浩司
【審査官】西田 彩乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-231344(JP,A)
【文献】特開2017-183379(JP,A)
【文献】特開2019-167618(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0112814(US,A1)
【文献】特表2004-503099(JP,A)
【文献】特開昭61-073879(JP,A)
【文献】特開2010-080789(JP,A)
【文献】特開平07-090568(JP,A)
【文献】特表2007-516346(JP,A)
【文献】特開平09-316631(JP,A)
【文献】特開2010-225847(JP,A)
【文献】特開2017-082291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00
C23C 14/34
C23C 16/44
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を真空とすることが可能なチャンバと、
前記チャンバ内を排気する排気部と、
前記チャンバ内に設けられた回転テーブルによりワークを循環搬送する搬送部と、
前記チャンバ内に設けられ、循環搬送される前記ワークにプラズマ処理を行う複数のプラズマ処理部と、
を有し、
前記複数のプラズマ処理部は、プラズマ処理を行う処理空間をそれぞれ有し、
前記複数のプラズマ処理部のうち少なくとも一つは、循環搬送される前記ワークに対して、スパッタリングにより成膜処理を行う成膜処理部であり、
前記複数のプラズマ処理部のうち少なくとも一つは、前記成膜処理部による成膜処理が行われる前記ワークを前記回転テーブルに搭載しない状態で、前記排気部による排気及び前記回転テーブルの回転とともに、プラズマを発生させて前記回転テーブルを介して前記チャンバ内を加熱することにより、前記チャンバ内の水分を除去する加熱部であることを特徴とする成膜装置。
【請求項2】
前記チャンバ内に着脱可能に設けられ、前記成膜処理部から飛散する成膜材料の前記チャンバ内への付着を防止する防着板を有することを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
【請求項3】
前記チャンバから脱離したガスを冷却することにより、脱離したガス中の水分を除去する冷却装置を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の成膜装置。
【請求項4】
前記チャンバには、ゲートバルブを介して、前記ワークを前記チャンバに搬入及び搬出するための移送チャンバが接続され、
前記移送チャンバに、前記冷却装置が設けられていることを特徴とする請求項3記載の成膜装置。
【請求項5】
前記冷却装置は、冷媒を流通させる冷却コイルと冷凍機を備え、
前記冷却コイルは前記移送チャンバ内部の壁面に沿うように配置されていることを特徴とする請求項4記載の成膜装置。
【請求項6】
前記加熱部による加熱が、前記移送チャンバの前記ゲートバルブを開放した状態で行われることを特徴とする請求項4又は5記載の成膜装置。
【請求項7】
前記加熱部は、
前記処理空間にプロセスガスを導入するプロセスガス導入部と、
前記プロセスガスを導入した前記処理空間に、誘導結合プラズマを発生させるプラズマ発生器と、
を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の成膜装置。
【請求項8】
前記チャンバからの排気に含まれるガスの成分量を測定するガス分析装置と、
前記ガス分析装置により測定されたガスの成分量に基づいて、前記加熱部を制御する制御部と、
を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の成膜装置。
【請求項9】
前記加熱部は、前記回転テーブルにより循環搬送される前記ワークに形成された膜に対して、膜処理を行う膜処理部であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の成膜装置。
【請求項10】
請求項1に記載の成膜装置を用いた成膜装置の水分除去方法であって、
排気部がチャンバの排気を開始する排気開始工程と、
回転テーブルが回転を開始する回転開始工程と、
プロセスガス導入部が処理空間にプロセスガスを導入するプロセスガス導入工程と、
処理対象となるワークを前記回転テーブルに搭載しない状態で、プラズマ発生器が前記処理空間の前記プロセスガスをプラズマ化するプラズマ生成工程と、
前記プロセスガス導入部が前記プロセスガスの導入を停止するプロセスガス停止工程と、
前記プラズマ発生器が前記処理空間の前記プロセスガスのプラズマ化を停止するプラズマ停止工程と、
前記回転テーブルが回転を停止する回転停止工程と、
を含むことを特徴とする成膜装置の水分除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜装置及び成膜装置の水分除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、光ディスクなど各種の製品の製造工程において、例えばウエーハやガラス基板等のワーク上に光学膜等の薄膜を作成することがある。薄膜は、ワークに対して金属等の膜を形成する成膜処理や、形成した膜に対してエッチング、酸化又は窒化等の膜処理等を行うことによって作成することができる。
【0003】
成膜処理あるいは膜処理は様々な方法で行うことができるが、その一つとして、所定の真空度まで減圧したチャンバでプラズマを発生させ、そのプラズマを用いて処理を行う方法がある。成膜処理では、成膜材料から構成されたターゲットを配置したチャンバに不活性ガスを導入し、ターゲットに直流電圧を印加する。プラズマ化した不活性ガスのイオンをターゲットに衝突させ、ターゲットから叩き出された成膜材料をワークに堆積させて成膜を行う。このような成膜処理は、スパッタリングと呼ばれる。膜処理では、電極を配置した真空チャンバにプロセスガスを導入し、電極に高周波電圧を印加する。プラズマ化したプロセスガスのイオン、ラジカル等の活性種をワーク上の膜に衝突させることによって、膜処理を行う。
【0004】
このような成膜処理と膜処理を連続して行えるように、一つのチャンバの内部に回転体である回転テーブルを取り付け、回転テーブル上方の周方向に、成膜用のユニットと膜処理用のユニットを複数配置したプラズマ処理装置がある。成膜用のユニットと膜処理用のユニットは、それぞれ区切られた処理室(成膜室、膜処理室)を有している。各処理室は、回転テーブルに向かう下方が開放されていて、ワークを回転テーブル上に保持して搬送し、複数の処理室の直下を通過させることで、光学膜等の薄膜が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-352018号公報
【文献】特開2010-225847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような成膜装置のチャンバ内の種々の箇所には、成膜処理を継続して行うに従って、成膜用のユニットから飛散した成膜材料が堆積していく。このように堆積した成膜材料が剥離すると、成膜対象となるワークが汚染されることになる。しかし、チャンバの内壁や回転テーブルに直接膜が付着した場合には、これを除去することは非常に困難である。このため、チャンバの内壁、回転テーブルの表面等を覆うように、防着板が着脱可能に設けられている。防着板は、成膜処理時に飛散する成膜材料が付着することにより、チャンバの内壁や回転テーブルの表面に成膜材料が付着することを防止する。
【0007】
このような防着板は、継続して成膜処理を行った後に、付着した膜が剥離してワークを汚染することを防止するため、取り外して洗浄を行う(メンテナンスを行う)必要がある。例えば、チャンバを大気開放して、チャンバから防着板を取り外した後、表面に堆積した膜をサンドブラストによって除去し、さらに純水で洗浄する。洗浄後、乾燥させた後、真空パックした状態で成膜装置まで搬送し、開封して再び成膜装置に取り付けて、成膜を行う。
【0008】
ここで、スパッタリングによる成膜を行う際は、成膜装置のチャンバを高真空域に減圧する。これにより、チャンバ内に存在する不純物を減少させ、かつ平均自由行程が大きくなるように気体分子を減少させることができる。その結果、ターゲットから叩き出された成膜材料がワークに届き、安定して緻密な膜質となる。しかし、防着板を交換した直後は、成膜装置を稼働させてチャンバを排気して減圧しても、チャンバ内の真空度が上がらない状態が長期間継続する。これは、洗浄、乾燥後の防着板を取り付けた時点では、防着板の内部には水分が残留しており、チャンバ内が減圧されるに従って、防着板から大量の水分が発生し続けることによる。
【0009】
更に、メンテナンス等でチャンバ内を大気開放すると、大気中に含まれる水分がチャンバ内の壁や各種の部材に吸着する。このため、防着板に限らず、大気に晒したチャンバ内の部材全般について、水分除去の必要性が生じている。
【0010】
水分はチャンバ内を減圧することで徐々に蒸発し、排気されるため、このような状態は成膜を継続して行うに従って、改善されて行く。しかし、チャンバ内に装着される防着板を含めて、水分を含む部材の数量や面積は非常に大きいため、発生する水分量も多くなる。このため、短時間で完全に水分を除去して、処理に必要な真空度を得ることは困難である。例えば、成膜にとって好ましい状態になるまでには、数日から数週間かかることになる。すると、チャンバ内を大気開放してメンテナンスをした後や、防着板を交換した後は、成膜ができない期間が長期間続くことになり、生産性が低下する。また、水分が残った状態で成膜を行うと、成膜された膜表面の荒れや欠陥が発生するなどの成膜への悪影響を与えるおそれがある。
【0011】
これに対処するため、チャンバ内に赤外線ランプ等の加熱装置を設ける方法(特許文献1)や、加熱したガスを導入してチャンバ内の部材を加熱して、水分の蒸発を促進させる方法(特許文献2)が提案されている。しかしながら、ワークを回転搬送しながら、複数の処理室に亘って処理するようなバッチ式の成膜装置では、処理室ごとに加熱装置を設けたり、加熱した不活性ガスを導入することは、装置構成の複雑化を招き、コストがかかる。
【0012】
防着板については、チャンバ内に装着する前に、加熱炉に入れて除湿(水分を蒸発)しておくことも考えられるが、防着板は一つ一つが大型であるとともに、数が多いため、全てを収容して一括して除湿ができるような加熱炉は、現実的ではない。また、あらかじめ除湿したとしても、チャンバに装着する際には、大気に触れることになるため、再び水分を吸着してしまうことになる。
【0013】
本発明は、上述のような課題を解決するために提案されたものであり、装置の複雑化を招くことなく、チャンバ内の水分除去を促進できる成膜装置及び成膜装置の水分除去方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために、本実施形態の成膜装置は、内部を真空とすることが可能なチャンバと、前記チャンバ内を排気する排気部と、前記チャンバ内に設けられた回転テーブルによりワークを循環搬送する搬送部と、前記チャンバ内に設けられ、循環搬送される前記ワークにプラズマ処理を行う複数のプラズマ処理部と、を有し、前記複数のプラズマ処理部は、プラズマ処理を行う処理空間をそれぞれ有し、前記複数のプラズマ処理部のうち少なくとも一つは、循環搬送される前記ワークに対して、スパッタリングにより成膜処理を行う成膜処理部であり、前記複数のプラズマ処理部のうち少なくとも一つは、前記成膜処理部による成膜処理が行われる前記ワークを前記回転テーブルに搭載しない状態で、前記排気部による排気及び前記回転テーブルの回転とともに、プラズマを発生させて前記回転テーブルを介して前記チャンバ内を加熱することにより、前記チャンバ内の水分を除去する加熱部である。
【0015】
また、本発明の成膜装置の水分除去方法は、成膜装置の水分除去方法であって、排気部がチャンバの排気を開始する排気開始工程と、回転テーブルが回転を開始する回転開始工程と、プロセスガス導入部が処理空間にプロセスガスを導入するプロセスガス導入工程と、処理対象となるワークを前記回転テーブルに搭載しない状態で、プラズマ発生器が前記処理空間の前記プロセスガスをプラズマ化するプラズマ生成工程と、前記プロセスガス導入部が前記プロセスガスの導入を停止するプロセスガス停止工程と、前記プラズマ発生器が前記処理空間の前記プロセスガスのプラズマ化を停止するプラズマ停止工程と、前記回転テーブルが回転を停止する回転停止工程と、を含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、装置の複雑化を招くことなく、チャンバ内の水分除去を促進できる成膜装置及び成膜装置の水分除去方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に係る成膜装置の構成を模式的に示す透視平面図である。
図2図1中のA-A断面図であり、図1の実施形態の成膜装置の側面から見た内部構成の詳細図である。
図3】本実施形態の成膜装置の加熱による水分除去処理のフローチャートである。
図4】本実施形態の成膜装置の一部の構成を模式的に表す断面図である。
図5】本実施形態の成膜装置の一部の構成を模式的に表す断面図である。
図6】本実施形態の成膜装置のメンテナンスから成膜処理の各要素の動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る成膜装置の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
[概要]
図1の透視平面図及び図2の断面図に示すように、成膜装置1は、スパッタリングによりワークW上に成膜を行う装置である。ワークWは、成膜処理が施される対象となる被処理物を指す。ワークWとしては、例えば、ガラス基板やウエーハ等を用いる。但し、プラズマ処理による成膜対象となるものであれば、形状や材質を問わず、ワークWとすることができる。この成膜装置1は、チャンバ10、排気部20、搬送部30、プラズマ処理部40、防着板50、移送チャンバ60、冷却装置70、ガス分析装置80、制御部90を有する。
【0019】
チャンバ10は、内部を真空とすることが可能な容器である。排気部20は、チャンバ10内を排気する。搬送部30は、チャンバ10内に設けられた回転テーブル31により、ワークWを循環搬送する。プラズマ処理部40は、チャンバ10内に設けられ、循環搬送されるワークWにプラズマ処理を行う。プラズマ処理は、プラズマ化したガスを利用して処理対象に行われる各種の処理である。
【0020】
プラズマ処理部40は、複数設けられている。複数のプラズマ処理部40は、それぞれがプラズマ処理を行う処理空間41を有している。複数のプラズマ処理部40のうちの三つは、循環搬送されるワークWに対して、スパッタリングにより成膜処理を行う成膜処理部410である。複数のプラズマ処理部40のうちの一つは、成膜処理部410による成膜処理を行わない状態で、排気部20による排気及び回転テーブル31の回転とともに、プラズマを発生させて回転テーブル31を介してチャンバ10内を加熱することにより、チャンバ10内の水分を除去する加熱部420である。
【0021】
防着板50は、チャンバ10内に着脱可能に設けられ、成膜処理部410から飛散する成膜材料のチャンバ10内への付着を防止する。移送チャンバ60は、ゲートバルブGV1を介して、ワークWをチャンバ10に搬入及び搬出するための容器である。冷却装置70は、チャンバ10から脱離したガス(気体)を冷却することにより、脱離したガス中の水分を除去する装置である。本実施形態の冷却装置70は、移送チャンバ60に設けられている。
【0022】
ガス分析装置80は、チャンバ10から排気されたガスの成分量を測定する装置である。制御部90は、ガス分析装置80により測定されたガスの成分量に基づいて、成膜処理部410及び加熱部420を制御する。
【0023】
[構成]
[チャンバ]
チャンバ10は、図1に示すように、円柱形状の容器であり、その内部は区切部12によって仕切られ、扇形状の複数区画に分割されている。区画の三つには成膜処理部410が配置され、区画の他の一つに加熱部420が配置されている。また、区画の更に他の一つには、移送チャンバ60が接続されている。
【0024】
チャンバ10は、図2に示すように、円盤状の天井10a、円盤状の内底面10b、及び環状の内周面10cにより囲まれて形成されている。区切部12は、円柱形状の中心から放射状に配設された方形の壁板であり、天井10aから内底面10bに向けて延び、内底面10bには未達である。すなわち、内底面10b側には円柱状の空間が確保されている。
【0025】
なお、チャンバ10は、天井10aが着脱可能に設けられている。天井10aを取り外すことにより、チャンバ10の内部の清掃、防着板50の着脱等を含むメンテナンスが可能となる。天井10aは、図示しないOリング等の封止部材を介して装着されることにより、チャンバ10内が密閉される。
【0026】
図5の断面図に示すように、チャンバ10の側壁には、ワークWを搬入搬出するための搬入搬出口101を設けることができる。搬入搬出口101は、移送チャンバ60の側壁に設けられた搬入搬出口102に面している。搬入搬出口102は、ゲートバルブGV1により開閉可能とすることができる。ゲートバルブGV1には、ゲート開閉機構103、扉104、O(オー)リングなどのシール部材105を設けることができる。扉104はゲート開閉機構103によって上下動及び開閉動作を行う。ゲート開閉機構103により扉104が閉まった際には、シール部材105が搬入搬出口102の壁面に押しつけられ、搬入搬出口102が気密に閉鎖される。
【0027】
図1に戻り、区切部12は、プラズマ処理が行われる処理空間41、42を仕切る。つまり、成膜処理部410、加熱部420は、それぞれチャンバ10よりも小さく、互いに離隔した処理空間41、42を有している。区切部12によって処理空間41、42が仕切られることにより、成膜処理部410及び加熱部420からの成膜材料やガスの拡散が抑制される。区切部12の下端と、後述する回転テーブル31との間には、図2に示すように、回転する回転テーブル31上のワークWが通過可能な間隔が形成されている。つまり、区切部12の下縁とワークWとの間に、僅かな隙間が生じるように、区切部12の高さが設定されている。
【0028】
[排気部]
排気部20は、配管及び図示しないポンプ、バルブ等を含む負圧回路を有する。排気部20は、チャンバ10に設けられた排気口11に接続されている。排気部20は、排気口11を通じた排気により、チャンバ10内を減圧して真空とする。
【0029】
[搬送部]
搬送部30は、回転テーブル31、モータ32及び保持部33を有し、ワークWを円周の軌跡である搬送経路L(図1参照)に沿って循環搬送させる。回転テーブル31のワークWの載置面は、区切部12の下端との間にワークWが通過する隙間が空くように配置されている。回転テーブル31は円盤形状を有し、内周面10cと接触しない程度に、チャンバ10内に大きく拡がっている。回転テーブル31は、平面視においてチャンバ10内の各処理空間41を覆うように連続する面を有する。
【0030】
回転テーブル31は金属製であり、例えばステンレス鋼とすることができる。その表面にはプラズマによる損耗を防ぐ耐プラズマ性の表面処理が施されている。
【0031】
モータ32は、回転テーブル31の円中心を回転軸として、所定の回転速度で連続的に回転させる。保持部33は、回転テーブル31の上面に円周等配位置に配設される溝、穴、突起、治具、ホルダ等であり、ワークWを載せたトレイ34をメカチャック、粘着チャック等によって保持する。トレイ34は、ワークWを載せた状態で搬送するための部材である。例えば、トレイ34には、ワークWがマトリクス状に整列配置される。本実施形態の保持部33は、回転テーブル31上に60°間隔で6つ配設される。但し、同時に搬送されるワークW、トレイ34の数は、これには限定されない。
【0032】
[成膜処理部]
成膜処理部410は、プラズマを生成し、成膜材料から構成されるターゲット412を該プラズマに曝す。これにより、成膜処理部410は、プラズマに含まれるイオンを成膜材料に衝突させて、叩き出された粒子をワークW上に堆積させる成膜を行う。図2に示すように、この成膜処理部410は、ターゲット412、バッキングプレート413及び電極414で構成されるスパッタ源と、電源部416とスパッタガス導入部419で構成されるプラズマ発生器を備える。
【0033】
ターゲット412は、ワークW上に堆積されて膜となる成膜材料で構成された板状部材である。ターゲット412は、回転テーブル31に載置されたワークWの搬送経路Lに、離隔して設けられている。ターゲット412の表面は、回転テーブル31に載置されたワークWに対向するように、チャンバ10の天井10aに保持されている。ターゲット412は、平面視で三角形の頂点上に並ぶ位置に3つ設けられている。
【0034】
バッキングプレート413はターゲット412を保持する支持部材である。このバッキングプレート413は各ターゲット412を個別に保持する。電極414は、チャンバ10の外部から各ターゲット412に個別に電力を印加するための導電性の部材であり、ターゲット412と電気的に接続されている。各ターゲット412に印加する電力は、個別に変えることができる。その他、スパッタ源には、必要に応じてマグネット、冷却機構などが適宜具備されている。
【0035】
電源部416は、例えば、高電圧を印加するDC電源であり、電極414と電気的に接続されている。電源部416は、電極414を通じてターゲット412に電力を印加する。回転テーブル31は、接地されたチャンバ10と同電位であり、ターゲット412側に高電圧を印加することにより、電位差が発生する。なお、電源部416は、高周波スパッタを行うためにRF電源とすることもできる。
【0036】
スパッタガス導入部419は、図2に示すように、チャンバ10にスパッタガスG1を導入する。スパッタガス導入部419は、図示しないボンベ等のスパッタガスG1の供給源と、配管418と、ガス導入口417を有する。配管418は、スパッタガスG1の供給源に接続されてチャンバ10を気密に貫通し、チャンバ10の内部に延び、その端部がガス導入口417として開口している。
【0037】
ガス導入口417は、回転テーブル31とターゲット412との間に開口し、回転テーブル31とターゲット412との間に形成された処理空間41に成膜用のスパッタガスG1を導入する。スパッタガスG1としては希ガスが採用でき、アルゴン(Ar)ガス等が好適である。
【0038】
このような成膜処理部410では、スパッタガス導入部419からスパッタガスG1を導入し、電源部416が電極414を通じてターゲット412に高電圧を印加する。すると、処理空間41に導入されたスパッタガスG1がプラズマ化し、イオン等の活性種が発生する。プラズマ中のイオンは、ターゲット412と衝突して成膜材料の粒子を叩き出す。
【0039】
この処理空間41を、回転テーブル31によって循環搬送されるワークWが通過する。叩き出された成膜材料の粒子は、ワークWが処理空間41を通過するときにワークW上に堆積して、粒子による膜がワークW上に形成される。ワークWは、回転テーブル31によって循環搬送され、この処理空間41を繰り返し通過することで成膜処理が行われていく。
【0040】
[加熱部]
加熱部420は、プロセスガスG2が導入された処理空間42内で、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma)を生成することにより、チャンバ10内を加熱する。また、本実施形態の加熱部420は、成膜処理部410によってワークW上に生成された膜に対して、膜処理を行う膜処理部としても機能する。膜処理は、成膜処理により堆積した膜の性質を変化させる処理であり、酸化、窒化、エッチング、アッシング等の処理を含む。例えば、膜処理として、酸化を行う場合、酸素ガスをプラズマ化して化学種を発生させる。発生した化学種に含まれる酸素原子は、ワークW上の膜に衝突して、化合物膜である酸化膜を形成する。
【0041】
加熱部420は、図2に示すように、筒状体421、窓部材422、アンテナ423、RF電源424、マッチングボックス425及びプロセスガス導入部428により構成されるプラズマ発生器を有する。
【0042】
筒状体421は、処理空間42の周囲を覆う部材である。筒状体421は、図1及び図2に示すように水平断面が角丸長方形状の筒であり、開口を有する。筒状体421は、その開口が回転テーブル31側に離隔して向かうように、チャンバ10の天井10aに嵌め込まれ、チャンバ10の内部空間に突出している。筒状体421は、回転テーブル31と同様の金属製であり、イットリア溶射等により、表面に耐プラズマ性、成膜材料の付着防止の処理が施されている。
【0043】
窓部材422は、筒状体421の水平断面と略相似形の石英等の誘電体の平板である。この窓部材422は、筒状体421の開口を塞ぐように設けられ、チャンバ10内のプロセスガスG2が導入される処理空間42と筒状体421の内部とを仕切る。なお、窓部材422は、アルミナ等の誘電体であってもよいし、シリコン等の半導体であってもよい。
【0044】
処理空間42は、加熱部420において、回転テーブル31と筒状体421の内部との間に形成される。この処理空間42を、回転テーブル31の上面が繰り返し通過することで、プラズマを熱源として、輻射により回転テーブル31の温度が上がって、周囲にも熱が伝播していく。つまり、プラズマの熱により、回転テーブル31を介してチャンバ10内が加熱される。また、加熱部420で膜処理を行う際は、処理空間42を、回転テーブル31によって循環搬送されるワークWが繰り返し通過することで、膜処理が行われる。
【0045】
アンテナ423は、コイル状に巻回された導電体であり、窓部材422によってチャンバ10内の処理空間42とは隔離された筒状体421の内部空間に配置され、電流が流されることで電界を発生させる。アンテナ423から発生させた電界が窓部材422を介して処理空間42に効率的に導入されるように、アンテナ423は窓部材422の近傍に配置されることが望ましい。アンテナ423には、高周波電圧を印加するRF電源424が接続されている。RF電源424の出力側には整合回路であるマッチングボックス425が接続されている。マッチングボックス425は、入力側及び出力側のインピーダンスを整合させることで、プラズマの放電を安定化させる。
【0046】
プロセスガス導入部428は、図2に示すように、処理空間42にプロセスガスG2を導入する。プロセスガス導入部428は、図示しないボンベ等のプロセスガスG2の供給源と、配管427、ガス導入口426を有する。配管427は、プロセスガスG2の供給源に接続されて、チャンバ10を気密に封止しつつ貫通してチャンバ10の内部に延び、その端部がガス導入口426として開口している。
【0047】
ガス導入口426は、窓部材422と回転テーブル31との間の処理空間42に開口し、プロセスガスG2を導入する。プロセスガスG2としては、希ガスが採用でき、アルゴンガス等が好適である。また、本実施形態のプロセスガスG2には、アルゴンガスに加えて酸素(O)ガスが添加されている。
【0048】
このような加熱部420では、RF電源424からアンテナ423に高周波電圧が印加される。これにより、アンテナ423に高周波電流が流れ、電磁誘導による電界が発生する。電界は、窓部材422を介して、処理空間42に発生し、プロセスガスG2をプラズマ化し、誘導結合プラズマを発生させる。このプラズマによって、処理空間42を通過する回転テーブル31の表面が加熱される。
【0049】
また、加熱部420により膜処理を行う場合、酸素イオンを含む酸素の化学種が発生し、ワークW上の膜に衝突することにより、膜材料の原子と結合する。その結果、ワークW上の膜は酸化膜となる。ワークWは、チャンバ10内を周方向に沿って何周も周回することで、三つの成膜処理部410と加熱部420を交互に巡回して通過することになり、ワークW上で成膜と膜処理が交互に繰り返されて所望の厚みの膜が成長していく。このため、本実施形態の成膜装置1は、複数の保持部33に保持された複数のワークWに対して、一括して成膜できるバッチ式の装置として構成される。
【0050】
[防着板]
防着板50は、例えば、金属製の板である。防着板50の表面には、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金のプラズマ溶射膜が形成され、表面がサンドブラスト等により粗面化されている。これにより、付着して堆積した膜との密着性を高めて、膜材料の剥離を抑制している。
【0051】
防着板50は、複数を組み合わせることによって、例えば、チャンバ10の内周面10cを覆うように配置されている。また、図示はしないが、回転テーブル31上にも、トレイ34以外の箇所に、防着板50が配置されている。トレイ34も、回転テーブル31への膜材料の付着を防止する防着板50として機能する。区切部12の側面にも防着板50が配置されている。更に、成膜処理部410の処理空間41のターゲット412の周辺にも、防着板50が設けられている。このように、防着板50は、成膜材料が付着する可能性のある場所に適宜配置されている。
【0052】
[移送チャンバ]
移送チャンバ60は、図1図4に示すように、チャンバ10に搬入される前のワークWが収容される内部空間を有する通路である。移送チャンバ60は、ゲートバルブGV1を介してチャンバ10に接続されている。移送チャンバ60の内部空間には、ワークWをチャンバ10との間で搬入、搬出するための搬送装置106が設けられている。移送チャンバ60は、真空ポンプ107の排気によって減圧されており、搬送装置106によってチャンバ10の真空を維持した状態で、未処理のワークWを搭載したトレイ34を、チャンバ10内に搬入し、処理済みのワークWを搭載したトレイ34をチャンバ10から搬出する。
【0053】
図5に示すように、移送チャンバ60には、搬入搬出口102が設けられた側壁と反対側の側壁に、ワークWを搬入搬出するための搬入搬出口108を設けることができる。搬入搬出口108は、後述するロードロック部62の移送チャンバ60の側壁に設けられた搬入搬出口109に面している。搬入搬出口108は、ゲートバルブGV2により開閉可能とすることができる。ゲートバルブGV2には、ゲート開閉機構110、扉111、O(オー)リングなどのシール部材112を設けることができる。扉111はゲート開閉機構110によって上下動及び開閉動作を行う。ゲート開閉機構110により扉111が閉まった際には、シール部材112が搬入搬出口108の壁面に押しつけられ、搬入搬出口108が気密に閉鎖される。
【0054】
図4に示すように、移送チャンバ60には、ゲートバルブGV2を介して、ロードロック部62が接続されている。ロードロック部62は、移送チャンバ60の真空を維持した状態で、搬送装置106によって、外部から未処理のワークWを搭載したトレイ34を、移送チャンバ60内に搬入し、処理済みのワークWを搭載したトレイ34を移送チャンバ60から搬出する装置である。なお、ロードロック部62は、真空ポンプ113の排気によって減圧される。
【0055】
[冷却装置]
冷却装置70は、図1及び図4に示すように、移送チャンバ60に接続されている。冷却装置70は、冷凍機71、冷却コイル72を有し、上記の真空ポンプ107により排気しながら、移送チャンバ60内の水分を、冷凍機71にて冷却される冷却コイル72に凝縮して捕捉する装置である。水分は霜となって捕捉されるので、移送チャンバ60を大気開放させるメンテナンスにて、コイルから霜を取り除くデフロストの作業を行う。
【0056】
冷却コイル72は銅などの金属配管で構成され、内部には液体または気体の冷媒が流通する。冷媒は例えば、フロン系混合気体等の気体とすることができる。冷媒は冷凍機71によって、氷点下の極低温(-150℃~-1℃程度)に冷却されて冷却コイル72の内部を通過する。冷却コイル72は移送チャンバ60の壁面に沿うようにして移送チャンバ60の内部に固定配置されている。冷却コイル72が移送チャンバ60の内部の壁面に沿うように配置されていることにより、冷却される箇所の表面積を増やすことができ、冷却効率を高め、冷却コイル72による水分の捕捉確率を増やすことができる。
【0057】
冷却コイル72の両端は、移送チャンバ60の壁面を貫通して、外部の冷凍機71と連通している。冷凍機71は圧縮機やコンプレッサーを含み、冷却された冷媒を冷却コイル72に流通させることが可能である。
【0058】
[ガス分析装置]
ガス分析装置80は、チャンバ10内のガスの成分量を測定する装置である。ガス分析装置80は、例えば、チャンバ10内のガス中の分子やイオンの質量を測定する質量分析計であり、例えば四重極形質量分析計(Quadrupole Mass Spectrometer)を用いる。ガス分析装置80は、図1に示すように、移送チャンバ60が接続されたチャンバ10の区画に設けられている。なお、ガス分析装置80は、質量分析計に加え、測定された質量に基づいて、チャンバ10内の各成分別の分圧に換算する算出部、換算された各成分別の分圧が時系列で表示される表示部を備えていてもよい。
【0059】
ガス中の成分のうち、水(HO)及びこれに関連する成分である水素(H)及び水酸基(-OH)は、成膜及び真空度に影響を与えるために、除去することが好ましい。これらの成分を、以下、水分関連成分と呼ぶ。
【0060】
[制御部]
制御部90は、排気部20、スパッタガス導入部419、プロセスガス導入部428、電源部416、RF電源424、搬送部30、ゲートバルブGV1、移送チャンバ60、ゲートバルブGV2、ロードロック部62、冷却装置70など、成膜装置1を構成する各種要素を制御する。この制御部90は、PLC(Programmable Logic Controller)や、CPU(Central Processing Unit)を含む処理装置であり、制御内容を記述したプログラム、設定値、しきい値等が記憶されている。
【0061】
具体的に制御される内容としては、成膜装置1の初期排気圧力、ターゲット412及びアンテナ423への印加電力、スパッタガスG1及びプロセスガスG2の流量、導入時間及び排気時間、成膜時間、モータ32の回転速度などが挙げられる。これにより、制御部90は、多種多様な成膜仕様に対応可能である。
【0062】
また、本実施形態の制御部90は、プロセスガスG2の導入、アンテナ423への電力の印加、ゲートバルブGV1、GV2の開閉、冷却コイル72の温度、真空ポンプ107の動作を制御することにより、チャンバ10内の水分を除去する。更に、制御部90は、ガス分析装置80により測定されたガスの成分量に基づいて、加熱部420を制御する。つまり、制御部90は、ガス分析装置80により測定された水分関連成分の質量、または質量に基づいた分圧を監視して、所定のしきい値以下となった場合に、加熱部420のプラズマを停止させるフィードバック制御を行う。
【0063】
なお、以下の説明で、「ゲートバルブGV1を開く」とは、制御部90が、ゲート開閉機構103を制御して扉104を搬入搬出口102から離れる方向に移動させることで、搬入搬出口102を開放し、チャンバ10と移送チャンバ60を連通した空間とすることである。また、「ゲートバルブGV1を閉じる」とは、制御部90が、ゲート開閉機構103を制御して扉104を搬入搬出口102に接近させる方向に移動させてシール部材105に押し付けることで、搬入搬出口102を閉鎖し、チャンバ10と移送チャンバ60の空間を分離することである。
【0064】
また、「ゲートバルブGV2を開く」とは、制御部90が、ゲート開閉機構110を制御して扉111を搬入搬出口108から離れる方向に移動させることで、搬入搬出口108を開放し、移送チャンバ60とロードロック部62を連通した空間とすることである。また、「ゲートバルブGV2を閉じる」とは、制御部90が、ゲート開閉機構110を制御して扉111を搬入搬出口108に接近させる方向に移動させてシール部材112に押し付けることで、搬入搬出口108を閉鎖し、移送チャンバ60とロードロック部62の空間を分離させることである。
【0065】
[動作]
次に、制御部90により制御される成膜装置1の全体動作を説明する。図6はメンテナンス、加熱処理、成膜処理を含む一連の工程における各要素の動作を示したタイミングチャートである。
(メンテナンス)
図6の(1)に示すメンテナンスでは、防着板50をチャンバ10から除去・取付する作業が行われ、チャンバ10が大気開放されており、チャンバ10内の圧力は大気圧となっている。次の加熱処理では、チャンバ10内には、新たな防着板50又は洗浄後の防着板50の設置がなされている。このとき回転テーブル31には、ワークWは搭載されていない。なお、回転テーブル31の保持部33にはトレイ34は載置されていなくてもよい。
【0066】
(加熱処理)
まず、防着板50の除湿のための加熱処理の動作を、図3のフローチャート、図6の(2)を参照して説明する。なお、以下の手順で加熱処理により除湿する方法も、本発明の一態様である。まず、ゲートバルブGV2を閉じた状態で、チャンバ10と移送チャンバ60との間のゲートバルブGV1が開き、排気部20による排気が開始する(排気開始工程:ステップS101)。これにより、図6の(2)に示すように、チャンバ10内とともに移送チャンバ60内が減圧される。また、移送チャンバ60の冷却装置70による冷却と排気も開始する(冷却開始工程:ステップS102)。更に、回転テーブル31が回転を開始する(回転テーブル回転開始工程:ステップS103)。例えば、回転テーブル31は、60rpm程度で回転する。
【0067】
プロセスガス導入部428が、加熱部420の処理空間42内にアルゴンガスと酸素ガスの導入を開始する(プロセスガス導入工程:ステップS104)。このとき、図6の(2)示すように、ガス導入によってチャンバ10内の圧力が僅かに上昇する。そして、プラズマ発生器のRF電源424がONになる(高周波電力を印加する)ことにより、処理空間42に導入されたプロセスガスG2がプラズマ化する(プラズマ生成工程:ステップS105)。例えば、RF電源424はアンテナ423に9kW以上の高周波電力を印加する。これにより、アンテナ423が発生させた電界が、窓部材422を介して、処理空間42に発生する。そして、この電界により、処理空間42に供給されたプロセスガスG2が励起してプラズマが発生する。
【0068】
プラズマの熱により、処理空間42を通過する回転テーブル31が輻射熱によって加熱される。回転テーブル31は処理空間42を通過する毎に加熱され、さらに熱伝導により回転テーブル31全体に熱が拡散する。そして、加熱された回転テーブル31がチャンバ10内の他の空間も通過することで回転テーブル31を介してチャンバ10内が加熱され、チャンバ10の内壁、防着板50等から水分関連成分が離脱するため、チャンバ10内における水分関連成分が一時的に増加する。チャンバ10内の加熱温度は、チャンバ10内の圧力に応じ、水の蒸気圧曲線に従った沸点以上の温度であればよい。本実施形態では、排気開始後に上述のチャンバ10内の加熱が開始され、チャンバ10内における水の沸点が下がるため、大気圧での水の沸点よりも低い温度で水分が蒸発し、水分の除去が促進される。確実な水分の蒸発を行う場合、例えば、80℃以上に加熱されることが好ましい。ガス分析装置80により測定される水分関連成分の分圧の測定値が、所定のしきい値以下となるまでの間(ステップS106のNO)、プラズマの熱による加熱を継続する。
【0069】
この加熱処理時に、移送チャンバ60とチャンバ10の間のゲートバルブGV1は開放された状態となっている。すなわち、移送チャンバ60とチャンバ10が連通した状態で加熱処理が行われる。移送チャンバ60とチャンバ10が連通した一つの空間になっているため、加熱処理が行われているチャンバ10内の部材から脱離したチャンバ10内の水分関連成分は、移送チャンバ60における冷却装置70により捕捉される。このため、一旦上昇した水分関連成分の測定値は、時間の経過に従って減少していく。これに伴い、図6の(2)に示すように、チャンバ10内は減圧される。水分関連成分の測定値がしきい値以下となった場合(ステップS106のYES)、プロセスガス導入部428が、プロセスガスG2の導入を停止して(プロセスガス停止工程:ステップS107)、RF電源424がOFFとなる(高周波電力の印加を停止する)ことによりプラズマ化が停止する(プラズマ停止工程:ステップS108)。なお、アルゴンガスの停止とプラズマ化の停止後、酸素ガスの導入を停止してもよい。更に、回転テーブル31が回転を停止する(回転テーブル回転停止工程:ステップS109)。その後、移送チャンバ60のゲートバルブGV1が閉じられる。排気部20による排気は、成膜処理が開始するまで、さらに、成膜処理の開始以降も引き続き行われる。
【0070】
(成膜処理)
次に、ワークWへの成膜処理の動作を説明する。なお、成膜処理の前に、ゲートバルブGV1を閉じた状態で、搬送装置106がワークWを搭載したトレイ34をロードロック部62から移送チャンバ60に搬入し、冷却装置70によって、ワークW及びトレイ34の除湿がなされているものとする。
【0071】
まず、図6の(3)に示すように、搬送装置106によって、移送チャンバ60から、ワークWを搭載したトレイ34が、チャンバ10内に順次搬入される。保持部33が、搬送装置106により搬入されたトレイ34を、それぞれ個別に保持することにより、ワークWを搭載したトレイ34が、回転テーブル31上に全て載置される。
【0072】
そして、図6の(4)に示すように、チャンバ10内は、排気部20によってチャンバ10内が所定の圧力まで減圧されると、ワークWを載せた回転テーブル31が回転して、所定の回転速度に達する。所定の回転速度に達すると、成膜処理部410によるワークW上への成膜が開始する。すなわち、スパッタガス導入部419が、ガス導入口417を通じて処理空間41にスパッタガスG1を供給する。電源部416がターゲット412に電圧を印加することにより、スパッタガスG1をプラズマ化させる。プラズマにより発生したイオンは、ターゲット412に衝突して粒子を叩き出す。未処理のワークWには、成膜処理部410を通過する際に、表面に粒子が堆積した薄膜が形成される。
【0073】
このように、回転テーブル31の回転により成膜処理部410を通過し、薄膜が形成されたワークWは、加熱部420を通過する過程で薄膜が酸化される。すなわち、プロセスガス導入部428がガス導入口426を通じて、処理空間42に酸素ガスを含むプロセスガスG2を供給する。そして、プラズマによって発生した酸素の化学種は、ワークW上の薄膜に衝突することにより、薄膜が酸化膜となる。なお、図6の(4)に示すように、スパッタガスG1、プロセスガスG2の導入により、チャンバ10内の圧力は僅かに上昇する。
【0074】
このように、稼働している成膜処理部410の処理空間41をワークWが通過することで成膜処理が行われ、稼働している加熱部420の処理空間42をワークWが通過することで酸化処理が行われる。なお、「稼働している」とは、各処理部の処理空間41、42においてプラズマを発生させるプラズマ生成動作が行われていることと同義とする。
【0075】
回転テーブル31は、所定の厚みの酸化膜がワークW上に成膜されるまで、すなわち、シミュレーションや実験などで予め得られた所定の時間が経過するまで、回転を継続する。所定の時間が経過したら、まず成膜処理部410の稼働を停止させ、加熱部420の稼働を停止させる。そして、回転テーブル31の回転を停止させる。その後、図6の(5)に示すように、スパッタガスG1、プロセスガスG2の導入停止により、チャンバ10内の圧力は低下する。そして、ゲートバルブGV1を開放することにより、チャンバ10から移送チャンバ60にワークWが載せられたトレイ34を排出する。さらに、ゲートバルブGV1を閉鎖し、ゲートバルブGV2を開放して、ロードロック部62を介してワークWが載せられたトレイ34を外部に排出する。
【0076】
[作用効果]
(1)以上のように、本実施形態に係る成膜装置1は、内部を真空とすることが可能なチャンバ10と、チャンバ10内を排気する排気部20と、チャンバ10内に設けられた回転テーブル31によりワークWを循環搬送する搬送部30と、チャンバ10内に設けられ、循環搬送されるワークWにプラズマ処理を行う複数のプラズマ処理部40と、を有する。
【0077】
複数のプラズマ処理部40は、プラズマ処理を行う処理空間41、42をそれぞれ有し、複数のプラズマ処理部40のうち少なくとも一つは、循環搬送されるワークWに対して、スパッタリングにより成膜処理を行う成膜処理部410であり、複数のプラズマ処理部40のうち少なくとも一つは、成膜処理部410による成膜処理を行わない状態で、排気部20による排気及び回転テーブル31の回転とともに、プラズマを発生させて回転テーブル31を介してチャンバ10内を加熱することにより、チャンバ10内の水分を除去する加熱部420である。
【0078】
また、本実施形態に係る成膜装置1の水分除去方法は、排気部20がチャンバ10の排気を開始する排気開始工程と、回転テーブル31が回転を開始する回転開始工程と、プロセスガス導入部428が処理空間42にプロセスガスG2を導入するプロセスガス導入工程と、プラズマ発生器が処理空間42のプロセスガスG2をプラズマ化するプラズマ生成工程と、プロセスガス導入部428がプロセスガスG2の導入を停止するプロセスガス停止工程と、プラズマ発生器が処理空間42のプロセスガスG2のプラズマ化を停止するプラズマ停止工程と、回転テーブル31が回転を停止する回転停止工程と、を含む。
【0079】
このように、プラズマの熱により、回転テーブル31を介してチャンバ10内を加熱することにより、チャンバ10内の水分除去を促進することができる。これにより、チャンバ10内の真空度を早期に改善できる。例えば、本実施形態では、3時間程度で、5×10-5Pa程度の真空度を実現できる。このような、スパッタリングによる成膜処理に必要とされる高真空域の真空度に早く到達できることで、膜質が安定した緻密な成膜を高い生産性で行うことができる。排気による減圧のみによる場合には、このような真空度を実現するためには、数日かかっていたため、時間が大幅に短縮される。また、複数のプラズマ処理部40毎に加熱装置を設ける必要がないため、装置構成の複雑化を招くことなく、コストを抑えることができる。
【0080】
成膜処理部410でプラズマを発生させることによっても、加熱は可能である。しかし、成膜処理部410を稼動させると、ターゲット412が消耗し、ターゲット412の交換頻度を早めてしまう。また、チャンバ10内への成膜材料の再付着が生じてしまう。本実施形態では、成膜処理部410とは別の加熱部420によってプラズマを生じさせて加熱するので、ターゲット412の消耗はなく、成膜材料の付着も生じない。また、回転テーブル31は、ワークWに成膜材料を付着させないように、成膜材料を捕捉できる程度の粗さを有するが、メンテナンスで大気開放した際に水分を捕捉してしまう。処理空間42を加熱する際に回転テーブル31を回転することで、回転テーブル31が万遍なく加熱され、回転テーブル31の表面に付着した水分の脱離も行うことができる。
【0081】
(2)成膜装置1は、チャンバ10内に着脱可能に設けられ、成膜処理部410から飛散する成膜材料のチャンバ10内への付着を防止する防着板50を有する。このため、成膜材料が付着した防着板50を洗浄し、チャンバ10内に装着して上記の加熱を行うことで洗浄後の全ての防着板50からの水分を一括して早期に除去することができる。これによりチャンバ10内の環境を水分や成膜材料の残留付着のない清浄な状態に維持し、安定した膜質の成膜を行うことができる。
【0082】
(3)成膜装置1は、チャンバ10から排気されたガスを冷却することにより、排気されたガス中の水分を除去する冷却装置70を有する。このように冷却装置70によって水分を捕捉するため、より高速に水分を除去することができる。
【0083】
(4)チャンバ10には、ゲートバルブGV1を介して、ワークWをチャンバ10に搬入及び搬出するための移送チャンバ60が接続され、移送チャンバ60に冷却装置70が設けられている。このため、加熱されるチャンバ10とは別の移送チャンバ60において、冷却装置70により冷却して水分を捕捉するので、チャンバ10内の熱の影響を抑えて、冷却能力の低下を招くことを防止できる。また、移送チャンバ60は、成膜時は、ゲートバルブGV1を閉鎖することによってチャンバ10から隔離されている。このため、成膜処理中にチャンバ10内が成膜部や膜処理部のプラズマによって再び加熱されても、移送チャンバ60の冷却装置70に捕捉された水分が脱離してチャンバ10内に放出されることがない。これにより成膜処理中にチャンバ10内に水分関連成分が増加するのを防ぐことができる。
【0084】
(5)加熱部420は、処理空間42にプロセスガスG2を導入するプロセスガス導入部428と、プロセスガスG2を導入した処理空間42に、誘導結合プラズマを発生させるプラズマ発生器を有する。
【0085】
このように処理空間42に発生させるプラズマは、アンテナ423によって生成した誘導結合型プラズマであるため、回転テーブル31等へのダメージや発生する粒子による汚染を防止できる。つまり、例えば、チャンバ10内に設けられた電極と回転テーブル31を一対の電極として、アノードとなる電極に高周波電圧を印加してプラズマを発生させる場合には、カソードの一部として作用する回転テーブル31にバイアス電圧がかかりイオンが引き込まれて回転テーブル31の表面がスパッタ(エッチング)されてしまう。このため、回転テーブル31がダメージを受け、スパッタにより生じた粒子が飛び散ることになる。本実施形態では、処理空間42に発生させるプラズマがアンテナ423に高周波電圧を印加して電磁誘導で生じさせる誘導結合プラズマであるため、回転テーブル31にバイアス電圧がかからず、イオンによるスパッタを抑制できるので、回転テーブル31のダメージを抑えることができる。例えば、誘導結合プラズマによるエッチング速度は、筒状電極による場合に比べて、10分の1程度である。
【0086】
(6)成膜装置1は、チャンバ10からの排気に含まれるガスの成分量を測定するガス分析装置80と、ガス分析装置80により測定されたガスの成分量に基づいて、加熱部420を制御する制御部90と、を有する。このため、水分関連成分の量が十分に低減した適切なタイミングで、加熱処理を停止して、成膜処理に移行することができる。
【0087】
(7)加熱部420は、回転テーブル31により循環搬送されるワークWに形成された膜に対して、膜処理を行う膜処理部である。このため、膜処理部とは別に加熱部420を設ける必要がなく、装置構成を簡素化できる。
【0088】
[他の実施形態]
本発明の実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
【0089】
例えば、移送チャンバ60を設けなくてもよい。つまり、加熱によりチャンバ10内に発生した水分を、チャンバ10の排気部20により排気することによっても、除湿の効果が得られる。これにより、より簡素な構成としてコストを抑えることができる。この場合、冷却装置70はなくてもよい。但し、冷却装置70をチャンバ10に設けてもよい。例えば、排気部20に、冷却装置70を設けることにより、除湿の速度を速めてもよい。
【0090】
冷却装置70は、冷凍機と、冷媒が流れる冷却コイルを有するものとしたが、これに限られるものではなく、ペルチェ素子を有する冷却板であってもよい。冷却装置70は、水分を凍結して吸着させる程度の温度に冷却できればよい。
【0091】
ガス分析装置80を設けなくてもよい。つまり、加熱の開始から、シミュレーションや実験などで予め得られた所定の時間が経過した場合に、加熱を停止する制御であってもよい。この場合、「所定の時間」とは、水分関連成分が成膜に影響ない程度まで除去される時間、あるいは、スパッタガスG1を導入する前の予め決められた真空度に到達する時間とすることができる。また、制御部90がガス分析装置80により測定されたガスの成分量に基づいて加熱部420のプラズマを停止させるフィードバック制御を行うのでなく、オペレータがガス分析装置80の表示部に表示された質量または質量に基づいた分圧から判断し、加熱を停止させてもよい。
【0092】
また、水分関連成分の除去とともにチャンバ10内の減圧が行われるため、水分関連成分の測定値がしきい値以下となったとき、チャンバ10内の圧力も、成膜処理時のスパッタガスG1とプロセスガスG2を導入する前の所定の高真空領域の圧力(1×10-4程度)となっている。このため、チャンバ10内の圧力を測定する圧力計をガス分析装置80の代わりに設け、圧力計によって測定したチャンバ10内の圧力がしきい値以下になった場合に加熱を停止してもよい。または、ガス分析装置80ともに圧力計を使用し、水分関連成分の測定値と、チャンバ10内の圧力の測定値とが、ともにしきい値以下になった場合に加熱を停止してもよい。
【0093】
また、ガス分析装置80が検出する水分関連成分として、水(HO)、水素(H)及び水酸基(-OH)の少なくともいずれかであればよい。
【0094】
加熱処理において、回転テーブル31がプラズマ中に存在するイオンによってスパッタされるダメージを抑制するため、ワークWとは異なる基板、例えば、石英等によるダミー基板を載せてもよい。また、プロセスガスG2として使用するガスは、アルゴンガス、窒素ガス、酸素ガスのいずれか一つのみを使用してもよい。例えば、酸素ガスのみを使用することにより、アルゴンガスを使用した場合と比較してスパッタを抑制することができる。さらに、プロセスガスG2としては、プラズマが生成できればよいため、上記で例示したガス以外のガスを使用してもよい。また、プロセスガスG2の流量は加熱処理と成膜処理とで同量であってもよいし、異なるものとしてもよい。
【0095】
プラズマ生成動作の停止の際には、例えば、上述した実施の形態では、プロセスガス導入部428によるプロセスガスG2の導入又はRF電源424による電圧印加の少なくともいずれかの動作を停止させればよい。また、排気開始工程の後に冷却開始工程、回転開始工程が行われることを例示したが、これらは同時に行われたり、または順序を入れ替えてもよい。つまり、加熱処理の各工程の順序は、上記で例示したものには限定されない。
【0096】
プラズマ処理部40の数及びこれに含まれる成膜処理部410、加熱部420の数は、上記で例示した数には限定されない。成膜処理部410、加熱部420はそれぞれ単数であっても複数であってもよい。異種のターゲット材料による複数の成膜処理部410を備え、異種材料による多層の膜を積層できる構成としてもよい。異なる膜処理を行う加熱部420を複数備え、その一部又は全部を加熱による除湿に用いて、より高速な除湿を図ってもよい。
【0097】
ゲートバルブGV1、GV2に設けられる扉は、例えば上述した実施の形態では1つずつとしたが、チャンバ10の搬入搬出口101、移送チャンバ60の搬入搬出口102と搬入搬出口108、ロードロック部62の搬入搬出口109のそれぞれに対向するように設けられていてもよい。つまりチャンバ10、移送チャンバ60、ロードロック部62の各空間の開放・分離を行うことができる扉であれば、上記で例示したものには限定されない。
【符号の説明】
【0098】
1 成膜装置
10 チャンバ
10a 天井
10b 内底面
10c 内周面
11 排気口
12 区切部
20 排気部
30 搬送部
31 回転テーブル
32 モータ
33 保持部
34 トレイ
40 プラズマ処理部
41、42 処理空間
50 防着板
60 移送チャンバ
62 ロードロック部
70 冷却装置
71 冷凍機
72 冷却コイル
80 ガス分析装置
90 制御部
101、102、108、109 搬入搬出口
103、110 ゲート開閉機構
104、111 扉
105、112 シール部材
410 成膜処理部
412 ターゲット
413 バッキングプレート
414 電極
416 電源部
417 ガス導入口
418、427 配管
419 スパッタガス導入部
420 加熱部
421 筒状体
422 窓部材
423 アンテナ
424 RF電源
425 マッチングボックス
426 ガス導入口
428 プロセスガス導入部
図1
図2
図3
図4
図5
図6