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特許7451462情報処理装置、情報処理装置の制御方法、記憶媒体、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法、記憶媒体、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20240311BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240311BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240311BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240311BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20240311BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240311BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20240311BHJP
   G09G 5/22 20060101ALI20240311BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
G06F3/0481
B41J29/38 204
G03G21/00 386
G06F3/12 310
G06F3/12 335
G06F3/14 320A
G09G5/00 510P
G09G5/02 B
G09G5/22 630Z
H04N1/00 350
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021087566
(22)【出願日】2021-05-25
(65)【公開番号】P2022180846
(43)【公開日】2022-12-07
【審査請求日】2023-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 宣生
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-125739(JP,A)
【文献】特開2015-069234(JP,A)
【文献】特開2016-218896(JP,A)
【文献】特開2019-219884(JP,A)
【文献】特開2021-057685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01、 3/048-3/04895
3/14、 3/12
B41J 29/38
G03G 21/00
G09G 5/00- 5/42
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消耗品の残量を表示する色である残量表示色を示す第1の情報と、前記消耗品の残量を表示する表示領域における背景色を示す第2の情報と、を取得する取得手段と、
前記第1の情報が示す残量表示色と前記第2の情報が示す背景色とを比較する比較手段と、
前記比較手段での比較結果に基づいて前記表示領域の表示を制御する表示制御手段と、
を有し、
前記表示制御手段は、前記比較手段での比較の結果、前記第1の情報が示す残量表示色と前記第2の情報が示す背景色とが近似することを示す所定の条件を満たす場合に、前記第1の情報が示す残量表示色と前記第2の情報が示す背景色の少なくとも一方を変更して前記表示領域に前記消耗品の残量を表示するように制御し、
前記表示制御手段は、複数の消耗品のそれぞれの前記第1の情報が示す残量表示色のうち前記所定の条件を満たす残量表示色が少なくとも一つある場合、変更後の残量表示色と他の消耗品の残量表示色との差が所定の閾値内とはならないように残量表示色を変更して表示するように制御することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記第1の情報が示す残量表示色と前記第2の情報が示す背景色との色差よりも大きい色差となるように、前記第1の情報が示す残量表示色と前記第2の情報が示す背景色の少なくとも一方を変更した色で前記表示領域に前記消耗品の残量を表示するように制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記比較手段は、複数の消耗品のそれぞれについて、前記第1の情報が示す残量表示色と前記第2の情報が示す背景色とを比較することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の条件は、前記第1の情報が示す残量表示色と前記第2の情報が示す背景色との色差が閾値未満であることを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記所定の条件を満たさない場合には、前記第1の情報が示す残量表示色と前記第2の情報が示す背景色とを変更せずに前記表示領域に前記消耗品の残量を表示するように制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記所定の条件を満たす場合、オペレーティングシステムのユーザインターフェイスの表示モードに応じて、前記第1の情報が示す残量表示色を変更するように制御することを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記表示モードがライトモードである場合とダークモードである場合とで変更後の残量表示色が異なる色となるように制御することを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記所定の条件を満たす場合、前記表示領域における残量表示の背景に所定のパターンを描画するように制御することを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記取得手段は、前記消耗品が用いられている周辺装置から残量表示色を示す第1の情報と前記消耗品の残量の情報とを取得することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記消耗品は、インクカートリッジ、トナーカートリッジ、テープ、廃インクカートリッジ、または廃トナーカートリッジであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
少なくとも1つのコンピュータを、請求項1乃至10のいずれか1項に記載された情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
少なくとも1つのコンピュータを、請求項1乃至10のいずれか1項に記載された情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【請求項13】
消耗品の残量を表示する色である残量表示色を示す第1の情報と、前記消耗品の残量を表示する表示領域における背景色を示す第2の情報と、を取得する取得工程と、
前記第1の情報が示す残量表示色と前記第2の情報が示す背景色とを比較する比較工程と、
前記比較工程での比較結果に基づいて前記表示領域の表示を制御する表示制御工程と、
を有し、
前記表示制御工程では、前記比較工程での比較の結果、前記第1の情報が示す残量表示色と前記第2の情報が示す背景色とが近似することを示す所定の条件を満たす場合に、前記第1の情報が示す残量表示色と前記第2の情報が示す背景色の少なくとも一方を変更して前記表示領域に前記消耗品の残量を表示するように制御し、
前記表示制御工程では、複数の消耗品のそれぞれの前記第1の情報が示す残量表示色のうち前記所定の条件を満たす残量表示色が少なくとも一つある場合、変更後の残量表示色と他の消耗品の残量表示色との差が所定の閾値内とはならないように残量表示色を変更して表示するように制御することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、消耗品の残量表示制御の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
消耗品の残量を表示する技術がある。例えば、特許文献1では、周辺装置で使用している消耗品の残量および色情報等の情報を、周辺装置から受け取ったアプリケーションが、受け取った情報を用いて消耗品の残量を表示する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-195953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
消耗品の残量が表示される領域の背景色は、周辺機器から受け取った情報とは別個に独立して設定される。このため、消耗品の残量を示す残量色と背景色とが近似した場合、ユーザが消耗品の残量を認識し難い虞がある。
【0005】
本開示は、ユーザが消耗品の残量を認識し易くする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、消耗品の残量を表示する色である残量表示色を示す第1の情報と、前記消耗品の残量を表示する表示領域における背景色を示す第2の情報と、を取得する取得手段と、前記第1の情報が示す残量表示色と前記第2の情報が示す背景色とを比較する比較手段と、前記比較手段での比較結果に基づいて前記表示領域の表示を制御する表示制御手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記比較手段での比較の結果、前記第1の情報が示す残量表示色と前記第2の情報が示す背景色とが近似することを示す所定の条件を満たす場合に、前記第1の情報が示す残量表示色と前記第2の情報が示す背景色の少なくとも一方を変更して前記表示領域に前記消耗品の残量を表示するように制御し、前記表示制御手段は、複数の消耗品のそれぞれの前記第1の情報が示す残量表示色のうち前記所定の条件を満たす残量表示色が少なくとも一つある場合、変更後の残量表示色と他の消耗品の残量表示色との差が所定の閾値内とはならないように残量表示色を変更して表示するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ユーザが消耗品の残量を認識し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】システムにおけるハードウェア構成の一例を示す図である。
図2】残量表示を行うソフトウェアのブロック構成を示す図である。
図3】消耗品残量情報リストの例を示す図である。
図4】表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図5】表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
図6】判定処理の一例を示すフローチャートである。
図7】残量表示色を変更する処理の一例を示すフローチャートである。
図8】表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
図9】色を変更する処理の詳細を示すフローチャートである。
図10】表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
図11】背景色を変更する処理の詳細を示すフローチャートである。
図12】網掛けのパターンを描画した図である。
図13】表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
図14】消耗品残量情報の表示画面を示す図である。
図15】表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
図16】表示画面において枠線を描画した図である。
図17】表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
図18】枠線を追加する処理の詳細を示すフローチャートである。
図19】残量表示を行うソフトウェアのブロック構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本開示の好適な実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は本開示事項を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせすべてが本開示の解決手段に必須のものとは限らない。
【0010】
<<第1実施形態>>
本実施形態では、情報処理装置と周辺装置とがネットワークを介して接続されているシステムを例に挙げて説明する。情報処理装置としては、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、またはタブレット端末などの各種の装置が挙げられる。周辺装置としては、例えば、ネットワーク対応型のプリンタ、複写機、ファクシミリ、スキャナ、デジタルカメラ、または、これらの複合機能を備える複合機等が挙げられる。情報処理装置には、周辺装置を制御したり、状態をモニタしたりするようなアプリケーションが搭載されている。この種のアプリケーションは、周辺装置の製造元が提供するアプリケーションもあれば、製造元とは関係ない所謂サードパーティ製のアプリケーションもあり得る。
【0011】
この種のアプリケーションにおいては、周辺装置から取得した情報を基に、消耗品残量を表示することが行われている。この場合、アプリケーションは、周辺装置から取得した情報を基に消耗品の残量を表示する消耗品残量色を決定する。一方で、消耗品の残量を示す表示領域において、背景色は、周辺装置から取得した情報とは別個に独立して決定される。例えば、オペレーティングシステム(以下、OSと称す)で動作するアプリケーションであれば、背景色は、OSの表示モード(ライトモードまたはダークモード等)に依存して設定される。あるいは、アプリケーションによって固定の色が背景色に設定される。
【0012】
このため、例えば、プリンタのインクカートリッジのインク残量を表示する残量バーの背景色がホワイトであった場合において、インク色がホワイトである場合、残量バーの表示色もホワイトとなる。この結果、ユーザがホワイトのインクの残量を認識出来ない場合が生じ得る。同様の現象は、情報処理装置に限らず、周辺装置自体においても生じ得る。即ち、周辺装置に搭載されている表示パネルに消耗品残量情報を表示する場合において、消耗品残量色が、装着されるインクカートリッジ等によって動的に変化する装置であれば同様の現象が生じ得る。
【0013】
そこで、本実施形態では、消耗品の残量を示す表示領域における背景色と、消耗品残量色とが近似する場合(例えば、色差が所定の閾値内の場合)、ユーザの視認性を向上させる処理を行う。以下、具体的な構成を説明する。
【0014】
<ハードウェア構成>
図1は、本実施形態が動作するシステムにおけるハードウェア構成の一例を示す図である。図1では、主として、ホストコンピュータである情報処理装置101のハードウェア構成を中心に示している。
【0015】
情報処理装置101は、入力インタフェース110、CPU111、ROM112、RAM113、外部記憶装置114、出力インタフェース115、及び入出力インタフェース116を有する。入力インタフェース110には、キーボード118およびポインティングデバイス117などの入力デバイスが接続されている。出力インタフェース115には、表示部119などの表示デバイスが接続されている。尚、表示部119がタッチパネルディスプレイであってもよく、表示部119が入出力デバイスを兼ねていてもよい。
【0016】
ROM112には、初期化プログラムが格納されている。外部記憶装置114には、アプリケーションプログラム群、OS、およびプリンタドライバなどの各種のプログラム、ならびに、その他の各種のデータが格納されている。RAM113は、外部記憶装置114に格納される各種のプログラムを実行する際のワークメモリ等として使用される。
【0017】
本実施形態では、CPU111が、ROM112または外部記憶装置114に格納されたプログラムの手順に従って処理を行うことによって、後述の機能及び後述するフローチャートに係る処理が実現される。また、CPU111が、ROM112または外部記憶装置114に格納されたプログラムの手順に従って処理を行うことによって、CPU111が、後述する消耗品残量表示ソフトウェア201(図2)として機能する。そして、表示部119に消耗品の残量が表示されることになる。
【0018】
周辺装置102は、入出力インタフェース116を介して、情報処理装置101と接続されている。尚、図1に示す例では、情報処理装置101と、周辺装置102及び表示部119とが別個の構成であるものとして示しているが、これらが一つの情報処理装置として構成されていてもよい。その場合、情報処理装置101を、周辺装置102自体とみなすことができ、周辺装置に搭載される表示部119に残量情報が表示されることになる。
【0019】
<ソフトウェア構成図>
図2は、本実施形態の消耗品の残量表示を行うソフトウェアのブロック構成を示す図である。情報処理装置101と周辺装置102とは、ネットワーク210を介して接続され、相互に通信可能である。本実施形態では、ネットワーク210としてLAN(Local Area Network)を想定しているが、WAN(Wide Area Network)であってもよい。また、ネットワークの接続形態としては、有線無線を問わず、これらが混在していてもよい。情報処理装置101は、ネットワーク210を介して接続された周辺装置102の制御を行う。尚、情報処理装置101と周辺装置102との接続は、ネットワークではなくUSB接続等のケーブル接続であってもよい。
【0020】
情報処理装置101は、消耗品残量表示ソフトウェア201を備えている。消耗品残量表示ソフトウェア201は、表示情報生成部202と、表示情報出力部203とを有する。表示情報生成部202は、周辺装置102から情報を受け取り、表示部119に消耗品の残量を表示するための表示情報を生成する。表示情報は、例えば後述する図4で示すような消耗品残量情報の画面を表示するために用いられる情報である。表示情報出力部203は、表示情報生成部202が生成した表示情報を用いて表示部119に所定の画面を出力する。このように、消耗品残量表示ソフトウェア201は、表示情報を生成し、生成した表示情報を用いて表示部119に所定の画面を表示する表示制御を行う。
【0021】
<消耗品残量リスト>
図3は、消耗品残量情報リストの例を示す図である。消耗品残量情報リストとは、消耗品残量表示ソフトウェア201が周辺装置102から受け取る消耗品残量情報の一例である。図3の消耗品残量情報リスト301の例では、周辺装置102がプリンタである場合を想定し、消耗品としてインクカートリッジの情報を示している。消耗品残量情報には、消耗品種別306、消耗品残量307、消耗品表示色308、および消耗品名称309が含まれている。図3の例では、消耗品A302から消耗品D305までの4つの消耗品に関する情報が周辺装置102から取得されている。
【0022】
<表示画面>
図4は、表示部119に表示される画面の一例を示す図である。図4に示す消耗品残量情報を示す表示画面401は、消耗品残量表示ソフトウェア201の表示情報生成部202が生成した表示情報を用いて表示情報出力部203によって表示されている。
【0023】
図4の表示画面401は、図3の消耗品残量情報リスト301に基づいて生成され、表示されている。例えば、図4の表示画面401の中の表示文字列402~405には、図3の消耗品名称309に含まれている文字列が表示されている。即ち、表示文字列402は消耗品A302、表示文字列403は消耗品B303、表示文字列404は消耗品C304、表示文字列405は消耗品D305の消耗品名称309を、それぞれ表示している。
【0024】
表示情報生成部202は、消耗品残量情報リスト301の消耗品表示色308から、残量バー406~409に用いる表示色(残量表示色という)をそれぞれ設定(決定)する。表示情報生成部202は、消耗品残量情報リスト301の消耗品残量307から、残量バー406~409の長さをそれぞれ設定する。表示情報出力部203は、設定した長さおよび表示色で残量バー406~409を表示画面401に表示する。
【0025】
本実施形態の消耗品残量表示ソフトウェア201を用いない場合、この残量バー406~409の背景410~412の色(背景色という)は、消耗品表示色とは別個に独立して設定される。このため、消耗品残量情報リスト301に含まれる消耗品表示色308の値に依っては、残量バー406~409の残量表示色と背景410~413の背景色とが近似することがある。この場合、例えば残量バー406と背景410とをユーザが識別し難いことがある。同様に、残量バー407と背景411、残量バー408と背景412、および残量バー409と背景413を、ユーザが識別し難いことがある。
【0026】
本実施形態においては、表示情報生成部202が、消耗品表示色308の情報に基づいて、残量バーと背景とをユーザが適切に認識可能な残量表示色を設定する例を説明する。尚、OKボタン414が押下されると、表示画面401を閉じる。
【0027】
<フローチャート>
図5は、本実施形態における消耗品残量表示ソフトウェア201において行われる、図4の消耗品残量情報の表示画面401の表示制御処理の一例を示すフローチャートである。図5のフローチャートで示される一連の処理は、CPU111が外部記憶装置114に記憶されているプログラムコードをRAM113に展開し実行することにより行われる。あるいはまた、図5におけるステップの一部または全部の機能をASIC、FPGA、または電子回路等のハードウェアで実現してもよい。尚、各処理の説明における記号「S」は、当該フローチャートにおけるステップであることを意味する。上記説明は、図5以降のフローチャートにおいても同様である。消耗品残量表示ソフトウェア201は、ユーザから消耗品残量情報の表示画面を表示する指示があった場合に、表示情報生成部202に図5の処理を実行させる。
【0028】
S501で表示情報生成部202は、周辺装置102から消耗品残量情報を取得する。具体的には、図3に示す消耗品残量情報リスト301を取得する。次に、S502で表示情報生成部202は、残量バーのデフォルトの背景色を取得する。背景色は、OSの表示モード(ライトモードまたはダークモード等)に依存して設定される場合もあれば、アプリケーション(消耗品残量表示ソフトウェア)によって固定の色が設定される場合もある。
【0029】
次に、S503からS510では、消耗品の個数分のループ処理が行われる。即ち、一つの消耗品に対してそれぞれS503からS510の処理が順次行われる。S504で表示情報生成部202は、S501で取得した消耗品残量情報の中から消耗品名称309を取得し、消耗品名称309に含まれている文字列を表示文字列に設定する。例えば、表示情報生成部202は、消耗品A302の消耗品名称309に含まれている文字列を、表示文字列402に設定する。以下、フローチャートの説明では、消耗品A302を処理対象の消耗品としている例で説明する。
【0030】
次に、S505で表示情報生成部202は、S501で取得した消耗品残量情報の中から消耗品残量307を取得し、消耗品残量307の値を消耗品の残量バー406の長さに設定する。次に、S506で表示情報生成部202は、S501で取得した消耗品残量情報の中から消耗品表示色308を取得し、その色値を消耗品の残量バー406の表示色に設定する。次に、S507で表示情報生成部202は、消耗品の残量を表示する表示領域の背景410(即ち、残量バーの背景)の背景色に、デフォルト背景色を設定する。デフォルト背景色は、前述のように、表示モードに依存して設定されたり、アプリケーションによって固有の色が設定されたりする。
【0031】
次に、S508で表示情報生成部202は、消耗品の残量バーの背景410の背景色と消耗品の残量バー406の残量表示色とが近似しているかの判定を行う。
【0032】
図6は、S508における判定処理の一例を示すフローチャートである。図6の判定処理では、2色の近似判定をL***色空間で判定する例を示す。表示情報生成部202は、S508の判定処理を実行時にS601から処理を実行する。
【0033】
S601で表示情報生成部202は、消耗品の残量バーの背景410の背景色と消耗品の残量バー406の残量表示色とをそれぞれL***色空間に変換する。尚、既に残量バーのデフォルト背景色の色変換処理が終了している場合には、消耗品の残量バー406の残量表示色のみ色変換処理を行えばよい。変換された消耗品の残量バーの背景410の背景色のL、a、b値をそれぞれL1、a1、b1とし、消耗品の残量バー406の残量表示色のL、a、b値をL2、a2、b2とする。
【0034】
次に、S602で表示情報生成部202は、消耗品の残量バーの背景410の背景色と消耗品の残量バー406の残量表示色との色差ΔEabを算出する。色差ΔEabの算出は、式1を用いて行えばよい。尚、式1では、上記の各値を下付き文字の形式で示している。
【0035】
【数1】
【0036】
S603で表示情報生成部202は、S602で算出した色差ΔEabが、閾値未満であるかを判定する。閾値は、消耗品残量表示ソフトウェア201が保持している任意の定数である。以下、この閾値を第1閾値ともいう。第1閾値は、全ての消耗品で共通の閾値としてもよいし、消耗品ごとに異なる閾値としてもよい。表示情報生成部202は、色差ΔEabが閾値未満である場合、S605に進み、消耗品の残量バーの背景410の背景色と消耗品の残量バー406の残量表示色とが近似していると判定する。一方、色差ΔEabが閾値以上である場合、S604に進み、表示情報生成部202は、消耗品の残量バーの背景410の背景色と消耗品の残量バー406の残量表示色とが近似していないと判定する。
【0037】
図5に戻り、説明を続ける。S508において表示情報生成部202は、背景410の背景色と、残量バー406の表示色とが近似していると判定した場合、S509に進み、そうでない場合、S510に進む。S510において、全ての消耗品を処理対象とする処理が完了した場合、S520に処理が進み、未処理の消耗品がある場合、S503に戻り処理を繰り返す。
【0038】
S509で表示情報生成部202は、処理対象の消耗品の残量バー406の残量表示色を変更する。そして、S510へ進む。
【0039】
図7は、S509における消耗品の残量バー406の残量表示色を変更する処理の一例を示すフローチャートである。図7は、L***色空間の明度を表すL値を変更することで、残量表示色と背景色との識別性を向上させる例である。表示情報生成部202は、S509を実行時にS701から処理を開始する。
【0040】
S701で表示情報生成部202は、消耗品の残量バーの背景410の背景色と、残量バー406の残量表示色との色差が所定の閾値となる、消耗品の残量バー406の残量表示色のL2値を算出する。本例では、S701における所定の閾値とは、図6の603で説明した第1閾値と同じであるものとする。L2値の算出方法は、式1において、L1、a1、a2、b1、b2を既知数とし、L2のみを未知数として算出すればよい。L2値は、式1からも明らかなように、2つの値が算出される。
【0041】
次に、S702で表示情報生成部202は、S701で算出した2つのL2値が、ともに有効範囲内であるかを判定する。有効範囲内であると判定した場合は、S704に進み、どちらか一方の値が有効範囲外であると判定した場合は、S703に進む。S702における有効範囲内であるかの判定は、適用している色空間の値の範囲内であるかの否かに基づいて行われる。
【0042】
どちらか一方の値が有効範囲外であると判定した場合、S703で表示情報生成部202は、S701で算出した有効範囲内のL2値を消耗品の残量バー406の残量表示色のL値に設定する。そして、図7の処理を終了しS509に戻る。
【0043】
一方、2つのL2値の両方が有効範囲内である場合、S704で表示情報生成部202は、情報処理装置101のOSのユーザインターフェイス(以下、UIと称す)の表示モードを確認する。そして、UIの表示モードが、消耗品残量表示ソフトウェア201に適用されているかを判定する。UIの表示モードが適用されていると判定した場合は、S706に進み、UIの表示モードが適用されていないと判定した場合は、S705に進む。
【0044】
UIの表示モードが適用されていない場合、S705で表示情報生成部202は、S701で算出された2つのL2値のうち、消耗品の消耗品表示色308に近いL2の値を残量バー406の残量表示色のL値に設定する。そして、図7の処理を終了する。
【0045】
一方、UIの表示モードが適用されている場合、S706で表示情報生成部202は、UIの表示モードを判定する。ここではUIの表示モードには、ライトモードおよびダークモードの2つの表示モードがある前提とする。UIの表示モードがライトモードであると判定した場合はS707に進み、ダークモードであると判定した場合はS708に進む。
【0046】
S707で表示情報生成部202は、S702で算出された2つのL2値のうち、小さいほうの値を消耗品の残量バー406の残量表示色のL値に設定する。そして、図7の処理を終了しS509に戻る。ここでL2値のうち小さいほうの値を適用するのは、ライトモードでは背景色の明度が大きいので、残量表示色の明度を下げて背景色との識別性を向上させるためである。
【0047】
一方、S708で表示情報生成部202は、S702で算出された2つのL2値のうち大きいほうの値を消耗品の残量バー406の残量表示色のL値に設定する。そして、図7の処理を終了しS509に戻る。ここでL2のうち大きいほうの値を適用するのは、ダークモードでは背景色の明度が小さいので、残量表示色の明度を上げて背景色との識別性を向上させるためである。
【0048】
以上の処理を、処理対象の消耗品全てに対して行う。即ち、上記の説明では、消耗品A302を例に挙げて説明したが、消耗品B303、消耗品C304、および消耗品D305を処理対象とした処理が、同様に行われる。以上の処理を行うことで、残量バーの背景色と残量バーの残量表示色とが近似している場合、近似している残量表示色を変更する処理が行われる。これにより、残量バーの背景色と残量バーの残量表示色とが近似することが解消されるので、ユーザは、残量表示色を識別し易くなる。
【0049】
図5に戻り、説明を続ける。S503からS510のループ処理を抜けると、S520に処理が進む。S520で表示情報生成部202は、残量表示色の変更をしたかを判定する。即ち、S509の処理が行われたかを判定する。残量表示色の変更が行われていない場合、S531に処理が進み、残量表示色の変更が行われた場合、S521に処理が進む。
【0050】
S521で表示情報生成部202は、残量表示色の中で近似しているものがあるかを判定する。例えばS509の残量表示色の変更により、他の消耗品の残量表示色と近似する色が発生する可能性がある。他の消耗品の残量表示色と近似する消耗品があると、ユーザは、残量表示色を識別し難くなる。このため、S521で、残量表示色同士の近似性の判定が行われる。尚、S521の判定は、S508の判定と同様にして行えばよい。その際の閾値(第2閾値という)は、前述した第1閾値であってもよいし、第1閾値とは異なる閾値であってもよい。残量表示色の中で近似しているものがある場合、S522に処理が進み、そうでない場合、S531に処理が進む。
【0051】
S522で表示情報生成部202は、近似している残量表示色を変更する。ここで、近似している残量表示色同士を第1残量表示色および第2残量表示色とする。例えば第1残量表示色が、S509または2回目以降のS522で変更が行われた残量表示色であり、第2残量表示色は、S509または2回目以降で変更が行われていない残量表示色である場合、第1残量表示色を変更する。一方、いずれの残量表示色もS509または2回目以降で変更が行われた残量表示色の場合、いずれの残量表示色を変更してもよい。残量表示色の変更は、色差が第2閾値となるように、L値を変更すればよい。その後、S521に戻り、処理が繰り返される。
【0052】
S531で表示情報出力部203は、これまでの処理で設定した内容(表示情報)に基づいて、消耗品残量情報を表示部119に出力して表示し、処理を終了する。
【0053】
以上、説明したように、本実施形態においては、周辺装置から取得した消耗品の残量表示色と、残量表示領域の背景の背景色との色差を求める。そして、色差が所定の閾値以内である場合、消耗品の残量表示色を変更する処理が行われる。これにより、ユーザが消耗品の残量を認識し易くなる。尚、本実施形態で説明した例では、明度のみを変更するため、周辺装置から取得した消耗品の色の色味を保った状態で、ユーザが消耗品の残量表示色とその背景色とを識別することを容易にすることができる。
【0054】
<<第2実施形態>>
第1実施形態では、消耗品残量を表示する表示領域における背景色と残量表示色とが近似している場合、残量表示色を変更する処理を説明した。ここで、残量表示色を変える処理を行う場合、実際の消耗品の色の印象とは異なる色に変更されてしまう場合がある。具体的には、消耗品表示色308の色情報がホワイト(RGB値が0xFF:0xFF:0xFFに近い色)、またはブラック(RGB値が0x00:0x00:0x00に近い色)である場合である。そして、図7のS703が処理される場合である。この場合、残量表示色がグレーに近い色となってしまい、実際のインク色のイメージと異なってしまう虞がある。そこで本実施形態では、基本的には残量表示色を変更する処理を行うものの、背景色と残量表示色とを考慮して、状況に応じて背景色を変更する処理を行う例を説明する。尚、基本的な構成は、第1実施形態と同様であるので、説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0055】
図8は、本実施形態における消耗品残量表示ソフトウェア201における表示制御処理の一例を示すフローチャートである。図8においてS801からS811は、S809の処理を除いて第1実施形態で説明したS501からS510およびS531の例と同様であるので、S809以外の処理の説明は省略する。尚、図8には示していないが、第1実施形態で説明したS520~S522の処理を、第1実施形態と同様にS810のループを抜けた後に実行してもよい。
【0056】
本実施形態では、S809で表示情報生成部202は、消耗品の残量表示色を変更するか、または、背景色を変更する。即ち、本実施形態で表示情報生成部202は、消耗品の残量表示色を変更するだけではなく、背景色を変更する場合もある点で第1実施形態と異なる処理を行う。
【0057】
図9は、S809の消耗品の残量表示色を変更するか、または、背景色を変更する処理の詳細を示すフローチャートである。図9のフローチャートにおいて、S901~S902の処理は、S701~S702の処理と同様である。また、S903~S907の処理は、S704~S708の処理と同様である。即ち、図9のフローチャートにおいて第1実施形態で説明した図7の処理との相違部分は、S902の判定において、算出された2つのL2値のうちのどちらか一方の値が有効範囲外であると判定された場合の処理である。この場合、S908に処理が進む。
【0058】
S908で表示情報生成部202は、消耗品の残量バー406の残量表示色が、ブラックまたはホワイトであるかを判定する。ブラックはRGB値が0x00:0x00:0x00、ホワイトはRGB値が0xFF:0xFF:0xFFである。表示情報生成部202は、上記のRGB値と一致する場合にホワイトまたはブラックであると判定してもよいし、RGB値が一定の範囲内である場合にホワイトまたはブラックであると判定してもよい。S908で表示情報生成部202が、消耗品の残量バー406の残量表示色がホワイトまたはブラックであると判定した場合、S910に進み、そうでない場合はS909に進む。
【0059】
S909の処理は、図7のS703と同じ処理である。即ち、S909で表示情報生成部202は、S901で算出した有効範囲内のL2の値を消耗品の残量バー406の残量表示色のL値に設定する。そして、図9の処理を終了しS809に戻る。一方、S910で表示情報生成部202は、消耗品の残量バーの背景410の背景色と消耗品の残量バー406の表示色との色差が閾値となる背景410の背景色のL1値を算出する。本例の閾値は、第1実施形態で説明した第1閾値と同じである。そして、S911に進む。L1値の算出方法は、式1においてL2、a1、a2、b1、b2を既知数とし、L1のみを未知数として算出すればよい。
【0060】
S911で表示情報生成部202は、S910で算出した有効範囲内のL1値を消耗品の残量バーの背景410の背景色のL値に設定し、図9の処理を終了しS809に戻る。尚、S911の有効範囲内であるかの判定は、適用している色空間の値の範囲内であるかの否かで判定すればよい。
【0061】
以上、説明したように、本実施形態では、第1実施形態の処理に加えて、消耗品の残量表示色がホワイトまたはブラックの場合には背景色を変更する処理を行う。本実施形態では、ユーザが消耗品の残量表示色とその背景色との識別が容易になることに加えて、消耗品の実際の色と近い残量表示色を表示できる。これにより、ユーザが消耗品をイメージし易いという効果を得ることができる。
【0062】
<<第3実施形態>>
第1実施形態では、消耗品残量を表示する表示領域における背景色と残量表示色とが近似している場合、残量表示色を変更する処理を説明した。本実施形態では、消耗品残量を表示する表示領域における背景色と残量表示色とが近似している場合、背景色を変更する処理を説明する。尚、基本的な構成は、第1実施形態と同様であるので、説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0063】
図10は、本実施形態における消耗品残量表示ソフトウェア201における表示制御処理の一例を示すフローチャートである。図10においてS1001からS1011は、S1009の処理を除いて第1実施形態で説明したS501からS510およびS531の例と同様であるので、S1009以外の処理の説明は省略する。尚、本実施形態では、第1実施形態で説明したS520~S522の処理は、行わない。S1009で表示情報生成部202は、消耗品の残量バーの背景410の背景色を変更する。
【0064】
図11は、S1009における消耗品の背景色を変更する処理の詳細を示すフローチャートである。
【0065】
S1101で表示情報生成部202は、消耗品の残量バーの背景410の背景色と消耗品の残量バー406の表示色との色差が閾値となる背景410の背景色のL1値を算出する。本例の閾値は、第1実施形態で説明した第1閾値と同じである。そして、S1102に進む。L1値の算出方法は、式1におけるL2、a1、a2、b1、b2を既知数とし、L1のみを未知数として算出すればよい。
【0066】
S1102で表示情報生成部202は、S1101で算出した2つのL1値がともに有効範囲内であるかを判定し、有効範囲内であると判定された場合は、S1104に進み、どちらか一方の値が有効範囲外であると判定された場合は、S1103に進む。S1102の有効範囲内であるかの判定は、適用している色空間の値の範囲内であるかの否かで判定する。
【0067】
S1103で表示情報生成部202は、S1101で算出した有効範囲内のL1値を消耗品の残量バーの背景410の背景色のL値に設定する。そして、図11の処理を終了しS1009に戻る。
【0068】
一方、S1104で表示情報生成部202は、情報処理装置101のOSのUIの表示モードを確認する。そして、UIの表示モードが、消耗品残量表示ソフトウェア201に適用されているかを判定する。UIの表示モードが適用されていると判定された場合は、S1106に進み、UIの表示モードが適用されていないと判定された場合は、S1105に進む。
【0069】
UIの表示モードが適用されていない場合、S1105で表示情報生成部202は、S1101で算出された2つのL1値のうち、残量バーのデフォルトの背景色に近いL1値を背景410の背景色のL値に設定する。そして、図11の処理を終了する。
【0070】
S1106で表示情報生成部202は、UIの表示モードを判定する。第1実施形態と同様に、ここではUIの表示モードがライトモードおよびダークモードの2つがある前提とする。UIの表示モードがライトモードであると判定した場合はS1107に進み、ダークモードであると判定した場合はS1108に進む。
【0071】
S1107で表示情報生成部202は、S1102で算出された2つのL1値のうち大きいほうの値を消耗品の残量バーの背景410の背景色のL値に設定する。そして、図11の処理を終了しS1009に戻る。ここでL1値のうち大きいほうの値を適用するのは、ライトモードでは背景色の明度が大きいので、背景色の明度を更に上げて残量表示色との識別性を向上させるためである。
【0072】
一方、S1108で表示情報生成部202は、S1102で算出された2つのL1値のうち小さいほうの値を消耗品の残量バーの背景410の背景色のL値に設定する。そして、図11の処理を終了しS1009に戻る。ここでL1のうち小さいほうの値を適用するのは、ダークモードでは背景色の明度が小さいので、背景色の明度を更に下げて残量表示色との識別性を向上させるためである。
【0073】
以上、説明したように、本実施形態においては、周辺装置から取得した消耗品の残量表示色と、残量表示領域の背景の背景色との色差を決定する。そして、色差が所定の閾値以内である場合、背景色を変更する。本実施形態では背景色のみを変更するため、周辺装置から取得した消耗品色は変更しない。そのため、ユーザが実際の消耗品色と、消耗品残量とを認識し易いといった効果を有する。
【0074】
尚、以上で説明した処理によれば、残量バーの背景色と残量表示色とが近似している消耗品は、背景色が変更される。即ち、近似している消耗品の背景色だけが変更される。ここで、変形例として、一つの消耗品の背景色が変更される場合、他の消耗品の背景色も全て同様に変更してもよい。これにより、統一感のある表示態様となるため、ユーザの視認性をより向上させることができる。その際、例えば、第1消耗品の背景色を変更したことに応じて第2消耗品の背景色を変更した場合、その第2消耗品の背景色が第2消耗品の残量表示色と近似していないことを確認する。第2消耗品の変更後の背景色が第2消耗品の残量表示色と近似している場合には、再度、背景色の変更を行い、全ての消耗品における残量表示色と近似していない背景色を全ての消耗品に適用すればよい。
【0075】
<<第4実施形態>>
実施形態3では、消耗品残量を表示する表示領域における背景色と残量表示色とが近似している場合、背景色を変更する処理を説明した。本実施形態では、背景色を変更するのではなく、背景に網掛け等のパターンを描画する処理を説明する。尚、基本的な構成は、第1実施形態と同様であるので、説明は省略し、相違点を中心に説明する。
【0076】
図12は、図4の表示画面401において、消耗品の残量バーの背景410~413に、網掛けのパターン1201~1204を描画した図である。
【0077】
図13は、本実施形態における消耗品残量表示ソフトウェア201における表示制御処理の一例を示すフローチャートである。図13においてS1301からS1311は、S1309の処理を除いて第1実施形態で説明したS501からS510およびS531の例と同様であるので、S1309以外の処理の説明は省略する。尚、本実施形態では、第1実施形態で説明したS520~S522の処理は、行わない。
【0078】
S1309で表示情報生成部202は、すべての消耗品の背景パターンを追加する処理を行う。即ち、第1実施形態では、処理対象となる消耗品の残量表示色を変更するのに対して、本実施形態では、背景に網掛け等のパターン1201を描画する点で相違する。また、本実施形態では、背景色と残量表示色とが近似している消耗品が一つでもある場合、すべての消耗品の残量バーの背景410~413に、網掛け等のパターン1201~1204を描画する。パターンは、網掛けである必要はなく、任意のパターンを描画することができる。パターンは、消耗品残量表示ソフトウェア201で固定のパターンを設定しても良いし、ユーザによって選択させてもよい。また、視認性を統一させるために、全ての消耗品の410~413は、同一のパターンを描画することが好ましいが、一部の消耗品の背景に、異なるパターンを描画してもよい。また、各消耗品の背景に、それぞれ異なるパターンを描画してもよい。
【0079】
以上、説明したように、本実施形態においては、周辺装置から取得した消耗品の残量表示色と、残量表示領域の背景の背景色との色差を求める。そして、色差が所定の閾値以内である場合、背景に網掛け等のパターンを描画する。本実施形態では周辺装置から取得した消耗品色は変更しない。そのため、ユーザが実際の消耗品色と消耗品残量とを認識し易いといった効果を有する。
【0080】
<<第5実施形態>>
第1実施形態から第4実施形態においては、残量バーを用いて消耗品の残量を表示する例を説明したが、本実施形態では、文字列で残量状態を表示する例を説明する。
【0081】
図14は、本実施形態の消耗品残量情報の表示画面1401を示す図である。表示画面1401は、表示情報生成部202で生成された表示情報に基づいて表示情報出力部203によって表示部119に表示される。消耗品残量情報リスト301の消耗品A302を文字列1402、消耗品B303を文字列1403、消耗品C304を文字列1404、消耗品D305を文字列1405にそれぞれ表示している。表示情報生成部202は、消耗品残量情報リスト301の消耗品表示色308から、文字列1402~1405の文字色をそれぞれ決定する。また、表示情報生成部202は、消耗品残量情報リスト301の消耗品残量307から、残量のパーセント表示を決定する。そして、表示情報出力部203は、決定した情報に基づいて表示画面1401を表示部119に表示する。
【0082】
本実施形態の消耗品残量表示ソフトウェア201を用いない場合、消耗品残量情報の表示画面1401の背景1406の色は、消耗品の文字色とは別個に独立して設定される。例えば、OSで動作するアプリケーションであれば、OSの表示モード(ライトモードまたはダークモード等)に依存して設定されるか、またはアプリケーションによって固定の色が設定される。そのため、消耗品残量情報リスト301の消耗品表示色308の値に依っては、背景1406の背景色と文字色とが近似してユーザが文字を認識し難いことがある。
【0083】
本実施形態では表示情報生成部202が、消耗品表示色308の情報から、ユーザが残量表示の文字列1402~1405と背景1406とを適切に認識可能な文字列1402~1405の表示色を設定する処理を説明する。
【0084】
図15は、本実施形態における消耗品残量表示ソフトウェア201における表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0085】
S1501で表示情報生成部202は、周辺装置102から消耗品残量情報として、消耗品残量情報リスト301を取得する。次に、S1502で表示情報生成部202は、表示画面のデフォルトの背景色を取得する。背景色は、OSの表示モード(ライトモードまたはダークモード等)に依存して設定されるか、またはアプリケーションによって固定の色が設定される。次に、S1503で表示情報生成部202は、S1502で取得したデフォルトの背景色を、表示画面1401の背景1406の背景色に設定する。
【0086】
次に、S1504からS1510では、消耗品の個数分のループ処理が行われる。即ち、一つの消耗品に対してそれぞれS1504からS1510の処理が順次行われる。
【0087】
S1505で表示情報生成部202は、消耗品名称309を取得し、その値を表示画面1401の文字列1402に設定する。以下、フローチャートの説明では、消耗品A302を処理対象の消耗品としている例で説明する。次に、S1506で表示情報生成部202は、消耗品の消耗品残量307を取得し、その値を文字列1402に設定する。次に、S1507で表示情報生成部202は、消耗品の消耗品表示色308を取得し、その値を表示画面1401の文字列1402の文字表示色に設定する。
【0088】
次に、S1508で表示情報生成部202は、背景1406の背景色と文字列1402の文字表示色とが近似しているかを判定する。S1508の判定は、図6で説明した処理と同等の処理を行えばよいので、詳細な説明は省略する。本実施形態では、背景1406の背景色のL、a、b値をそれぞれL1、a1、b1とし、消耗品残量情報の文字列1402の文字表示色のL、a、b値をL2、a2、b2とすればよい。S1508で表示情報生成部202は、背景1406の背景色と文字列1402の文字表示色とが近似していると判定した場合、S1509に進み、近似していないと判定した場合は、S1510に進む。
【0089】
S1509で表示情報生成部202は、消耗品の消耗品残量情報の文字列1402の文字表示色を変更し、S1510へ進む。消耗品残量情報の文字列1402の文字表示色の変更方法は、図7の処理フローに示した例と同等の処理である。その際、前述したように、背景1406の背景色のL、a、b値をそれぞれL1、a1、b1とし、消耗品残量情報の文字列1402の文字表示色のL、a、b値をL2、a2、b2とすればよい。
【0090】
尚、図15には示していないが、第1実施形態で説明したS520~S522の処理を第1実施形態と同様にS1510のループを抜けた後に実行してもよい。即ち、文字表示色を変更したことに応じて他の消耗品の文字表示色と近似する場合、さらに文字表示色を変更する処理を行ってもよい。
【0091】
以上、説明したように、本実施形態においては、周辺装置から取得した消耗品の残量表示色と、残量表示領域の背景の背景色との色差を求める。そして、色差が所定の閾値以内である場合、消耗品の文字表示色を変更する。これにより、ユーザが消耗品の残量を認識し易くなる。尚、本実施形態では明度のみを変更するため、周辺装置から取得した消耗品の色の色味を保った状態で、ユーザが消耗品の文字表示色とその背景色とを識別することが容易になる。
【0092】
<<第6実施形態>>
第4実施形態では、消耗品の残量を示す表示領域の背景色と残量表示色とが近似している場合、背景に網掛け等のパターンを描画する例を説明した。本実施形態では消耗品の残量を示す残量バーとその背景とに枠線を描画する処理を説明する。
【0093】
図16は、図4の表示画面401において、消耗品の残量バー406~409、および、残量バーの背景410~413に、枠線1601~1604をそれぞれ描画した図である。
【0094】
図17は、本実施形態における消耗品残量表示ソフトウェア201における表示制御処理の一例を示すフローチャートである。図17においてS1701からS1711は、S1709の処理を除いて第1実施形態で説明したS501からS510およびS531の例と同様であるので、S1709以外の処理の説明は省略する。尚、図17には示していないが、第1実施形態で説明したS520~S522の処理を第1実施形態と同様にS1710のループを抜けた後に実行してもよい。以下、フローチャートの説明では、消耗品A302を処理対象の消耗品としている例で説明する。
【0095】
本実施形態では、S1709で表示情報生成部202は、消耗品の残量バー406、および、残量バーの背景410に枠線1601を追加する処理を行う。ここで描画する枠線1601の表示色は、消耗品残量表示ソフトウェア201が保持している一定の色でもよい。ただしその場合、消耗品の残量バー406の表示色と、残量バーの背景410の背景色、または、追加した枠線1601の表示色とが近似している場合、枠線を描画しても認識性が向上しない。そこでS1309で表示情報生成部202は、枠線を追加時に図18に示す処理を行い、枠線の表示色を決定する。
【0096】
図18は、S1709における残量バーとその背景とに枠線を追加する処理の詳細を示すフローチャートである。S1801で表示情報生成部202は、枠線1601の表示色にデフォルトの枠線表示色を設定し、S1802に進む。S1802で表示情報生成部202は、枠線1601の枠線表示色と、消耗品の残量バー406の残量表示色、または、枠線1601の枠線表示色と残量バーの背景410の背景色とが近似しているかの判定を行う。色が近似していると判定した場合はS1803に進み、色が近似していないと判定した場合は図18の処理を終了し、S1709に戻る。色が近似しているか否かの判定は、第1実施形態で説明した処理と同様である。
【0097】
S1803で表示情報生成部202は、枠線1601の表示色のL***色空間の明度を表すL値を算出しS1804に進む。即ち、枠線1601の表示色と消耗品の残量バー406の残量表示色とが近似せず、かつ、枠線1601の表示色と残量バーの背景410の背景色とが近似しない、L値を算出する。S1804~S1810の処理は、第1実施形態の図7のS702~S708の処理と、それぞれ同様の処理であるので、説明は省略する。このようにして表示情報生成部202は枠線1601の表示色を設定し、図18の処理を終了しS1709に戻る。以上が本実施形態の処理の説明である。
【0098】
尚、図15の処理によれば、残量バーの残量表示色と背景色とが近似している場合、枠線を追加する処理が行われることになる。即ち、近似していない消耗品には、枠線は追加されないが、近似していない消耗品にも枠線を追加する処理を行ってもよい。即ち、S1710のループを抜けた後に、いずれかの消耗品において枠線を追加する処理が行われた場合、他の消耗品にも枠線を追加する処理を行ってもよい。この場合、他の消耗品に追加される枠線の色は、消耗品ごとにそれぞれ残量バーの残量表示色および背景色に近似していない色を決定してもよい。あるいは、全ての消耗品で、残量バーの残量表示色および背景色に近似していない範囲において共通の色で枠線を追加する処理が行われてもよい。
【0099】
以上、説明したように、本実施形態においては、周辺装置から取得した消耗品の残量表示色と、残量表示領域の背景の背景色との色差を求める。そして、色差が所定の閾値以内である場合、残量バーとその背景に枠線を描画する。本実施形態では周辺装置から取得した消耗品色および背景色は変更しない。そのため、ユーザが実際の消耗品色と、消耗品残量とを認識し易くなる。
【0100】
<<その他の実施形態>>
上記の実施形態では、情報処理装置上で単独で動作する消耗品残量表示ソフトウェア201を例に挙げて説明したが、この例に限られない。例えば、図19のように情報処理装置101上のOSの印刷システム1901に組み込まれる1つのソフトウェアであってもよい。この場合、消耗品残量表示ソフトウェア201は、プリンタ1902から取得した消耗品残量情報を表示することになる。
【0101】
上記の実施形態では、消耗品の例として、インクカートリッジを説明したが、これに限られない。例えば、消耗品は、トナーカートリッジ、テープ、廃インクカートリッジ、または廃トナーカートリッジなどであってもよい。その他、周辺装置で用いられる消耗品であり、かつ、色情報が用いられる消耗品であれば、どのような消耗品であってもよい。
【0102】
また、上記の実施形態では、背景色は、各消耗品で共通の背景色である例を説明したが、これに限られない。例えば、背景が透過色の場合または表示画面において背景がグラデーションとなっている場合などにおいては、各消耗品での背景色が異なる場合がある。また、単一の消耗品の背景部分についても、複数の色が用いられることもある。このような場合でも、上述した実施形態の処理を行うことで、同様の効果を得ることができる。
【0103】
また、上記の実施形態では、2色の近似判定を行う際に、2色をL***色空間に変換して、変換後の色空間における色差を算出する例を説明したが、これに限られない。2色の近似判定は、任意の色空間のユークリッド距離を用いて行うことができる。従って、例えば、デバイス依存の色空間において近似判定を行ってもよいし、デバイス非依存の色空間において近似判定を行ってもよい。
【0104】
また、上記の実施形態では、例えば残量表示色と背景色とが所定の閾値内である場合、色差がその所定の閾値となるように変更する例を説明した。しかしながら、色差の変更範囲はこの限りではなく、所定の閾値から一定の幅を持った範囲において色差が変更するように各実施形態の処理を行ってもよい。
【0105】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0106】
101 情報処理装置
102 周辺装置
201 消耗品残量表示ソフトウェア
202 表示情報生成部
203 表示情報出力部
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