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特許7451482ゴム製品の製造方法及びそれに用いるワーク保持具セット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】ゴム製品の製造方法及びそれに用いるワーク保持具セット
(51)【国際特許分類】
   B29C 43/34 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
B29C43/34
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021202673
(22)【出願日】2021-12-14
(65)【公開番号】P2023088049
(43)【公開日】2023-06-26
【審査請求日】2022-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003263
【氏名又は名称】三菱電線工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾野 武
(72)【発明者】
【氏名】奥田 真規
(72)【発明者】
【氏名】岡本 克也
(72)【発明者】
【氏名】牧野 大介
(72)【発明者】
【氏名】西村 寛
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-170854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 43/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム製品の製造方法であって、
第1ワーク保持具に設けられた複数の第1ワーク保持部のそれぞれで、前記ゴム製品となるワークを、その一方側の面が露出するように出し入れ可能に保持し、それに続いて、前記第1ワーク保持具で保持した複数のワークに対して第1処理を行い、
前記第1処理の後、前記第1ワーク保持具における前記複数の第1ワーク保持部で前記複数のワークを保持した側に、第2ワーク保持具を、前記第2ワーク保持具に設けられた複数の第2ワーク保持部のそれぞれが前記第1ワーク保持具の対応する第1ワーク保持部に対向するように配置し、前記第1ワーク保持具及び前記第2ワーク保持具を反転させて、前記第1ワーク保持具の前記複数の第1ワーク保持部で保持した前記複数のワークのそれぞれを、前記第2ワーク保持具の対応する第2ワーク保持部に移動させるとともに、前記複数の第2ワーク保持部のそれぞれで、前記ワークを、その他方側の面が露出するように出し入れ可能に保持し、それに続いて、前記第2ワーク保持具で保持した前記複数のワークに対して第2処理を行うゴム製品の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載されたゴム製品の製造方法において、
前記第1処理及び/又は前記第2処理が外観検査処理であるゴム製品の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたゴム製品の製造方法において、
前記ゴム製品がゴム製のシール材であるゴム製品の製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載されたゴム製品の製造方法において、
前記複数のワークを、前記第1ワーク保持具又は前記第2ワーク保持具で保持した状態で二次加硫させるゴム製品の製造方法。
【請求項5】
ゴム製品の製造に用いられるワーク保持具セットであって、
各々、前記ゴム製品となるワークを、その一方側の面が露出するように出し入れ可能に保持する複数の第1ワーク保持部が設けられた第1ワーク保持具と、
各々、前記ワークを、その他方側の面が露出するように出し入れ可能に保持する複数の第2ワーク保持部が設けられた第2ワーク保持具と、
を含み、
前記第1ワーク保持具における前記複数の第1ワーク保持部で複数のワークを保持した側に、前記第2ワーク保持具を、前記複数の第2ワーク保持部のそれぞれが前記第1ワーク保持部の対応する第1ワーク保持部に対向するように配置し、前記第1ワーク保持具及び前記第2ワーク保持具を反転させたとき、前記第1ワーク保持具の前記複数の第1ワーク保持部で保持した前記複数のワークのそれぞれが、前記第2ワーク保持具の対応する第2ワーク保持部に移動するワーク保持具セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム製品の製造方法及びそれに用いるワーク保持具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴム製品や樹脂製品のように同時に複数の製品を成形して製造するような場合、それらの複数の製品を1ロットとして工程送りが行われる。特許文献1には、同時に成形した複数の射出成形品を、成形金型から型の配列を保ったまま取り出し、それぞれコンテナの各収納室に収納して次工程に送ることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-314481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、ゴム製品を効率的に製造することができる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ゴム製品の製造方法であって、第1ワーク保持具に設けられた複数の第1ワーク保持部のそれぞれで、前記ゴム製品となるワークを、その一方側の面が露出するように出し入れ可能に保持し、それに続いて、前記第1ワーク保持具で保持した複数のワークに対して第1処理を行い、前記第1処理の後、前記第1ワーク保持具における前記複数の第1ワーク保持部で前記複数のワークを保持した側に、第2ワーク保持具を、前記第2ワーク保持具に設けられた複数の第2ワーク保持部のそれぞれが前記第1ワーク保持具の対応する第1ワーク保持部に対向するように配置し、前記第1ワーク保持具及び前記第2ワーク保持具を反転させて、前記第1ワーク保持具の前記複数の第1ワーク保持部で保持した前記複数のワークのそれぞれを、前記第2ワーク保持具の対応する第2ワーク保持部に移動させるとともに、前記複数の第2ワーク保持部のそれぞれで、前記ワークを、その他方側の面が露出するように出し入れ可能に保持し、それに続いて、前記第2ワーク保持具で保持した前記複数のワークに対して第2処理を行うものである
【0006】
本発明は、ゴム製品の製造に用いられるワーク保持具セットであって、各々、前記ゴム製品となるワークを、その一方側の面が露出するように出し入れ可能に保持する複数の第1ワーク保持部が設けられた第1ワーク保持具と、各々、前記ワークを、その他方側の面が露出するように出し入れ可能に保持する複数の第2ワーク保持部が設けられた第2ワーク保持具とを含み、前記第1ワーク保持具における前記複数の第1ワーク保持部で複数のワークを保持した側に、前記第2ワーク保持具を、前記複数の第2ワーク保持部のそれぞれが前記第1ワーク保持部の対応する第1ワーク保持部に対向するように配置し、前記第1ワーク保持具及び前記第2ワーク保持具を反転させたとき、前記第1ワーク保持具の前記複数の第1ワーク保持部で保持した前記複数のワークのそれぞれが、前記第2ワーク保持具の対応する第2ワーク保持部に移動する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1ワーク保持具で一方側の面が露出するように保持した複数のワークに第1処理を行った後、複数のワークを、第1ワーク保持具から第2ワーク保持具に移動させ、第2ワーク保持具で他方側の面が露出するように保持した複数のワークに第2処理を行うことができることから、これらの第1ワーク保持具と第2ワーク保持具とを含むワーク保持具セットを用い、それらで保持する複数のワークを1単位として、ゴム製品を効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る製造方法により製造するシール材の斜視図である。
図2A】成形金型の平面図である。
図2B図2AにおけるIIB-IIB断面図である。
図3】シール材のプレス成形の説明図である。
図4A】第1ワーク保持具の平面図である。
図4B図4AにおけるIVB-IVB断面図である。
図5A】成形金型の中型から第1ワーク保持具へのワークの移動の第1の説明図である。
図5B】成形金型の中型から第1ワーク保持具へのワークの移動の第2の説明図である。
図6A】第2ワーク保持具の平面図である。
図6B図6AにおけるVIB-VIB断面図である。
図7A】第1ワーク保持具から第2ワーク保持具へのワークの移動の第1の説明図である。
図7B】第1ワーク保持具から第2ワーク保持具へのワークの移動の第2の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について説明する。
【0010】
図1は、実施形態に係る製造方法により製造するゴム製品のゴム製のシール材10を示す。このシール材10は、大径円柱体11と小径円柱体12とが同軸で積層されるように一体に設けられた形状に形成されている。このシール材10は、大径円柱体11側の端面がシール面111に構成されており、例えば電磁弁や方向制御弁等の封止部材として用いられる。
【0011】
次に、実施形態に係るシール材10の製造方法について説明する。
【0012】
図2A及びBは、シール材10の製造に用いる成形金型20を示す。この成形金型20は、厚さ方向に上から順に積層された各々が板状の上型21、中型22、及び下型23を備える。上型21及び下型23は、いずれも平板で構成されているとともに、それぞれの下面及び上面が平坦な成形面に構成されている。中型22には、各々、厚さ方向に貫通した複数の成形孔24が設けられている。複数の成形孔24は、中型22の平面視及び底面視のそれぞれにおいて、横方向に間隔をおいて整列するとともに、縦方向にも間隔をおいて整列するように配置され、且つ表裏同一の配置で設けられている。各成形孔24は、シール材10と同一形状であって、大径円柱体11に対応する上型21側の大径円筒孔241と、小径円柱体12に対応する下型23側の小径円筒孔242とが同軸に設けられた形状に形成されている。各成形孔24は、両側の開口が上型21及び下型23の成形面でそれぞれ封じられることによりシール材10の形状のキャビティCを形成する。
【0013】
シール材10を製造する際には、まず、図3に示すように、下型23の直上に中型22を積層し、そこに形成される複数の成形孔24による有底孔のそれぞれに未架橋ゴム組成物Rを充填した後、中型22の直上に上型21を積層し、各々に未架橋ゴム組成物Rが充填された複数のキャビティCが内部に構成された成形金型20を組み立てる。
【0014】
次いで、成形金型20を熱盤間に挟持して所定時間の加熱及び加圧をすることによりプレス成形を行う。このとき、各キャビティC内において、未架橋ゴム組成物Rが一次加硫されてシール材10となるワークWが成形される(一次加硫工程)。
【0015】
次いで、成形金型20から上型21及び下型23を外した後、成形されたワークWが各成形孔24に内嵌めされた状態の中型22を取り出し、それらの複数のワークWを中型22から図4A及びBに示す第1ワーク保持具30に移動させる。
【0016】
第1ワーク保持具30は、例えばステンレス等の金属製のトレイ状部材で構成されている。第1ワーク保持具30の一方側の面には、各々、有底円筒孔に形成された複数の第1ワーク保持部31が設けられている。複数の第1ワーク保持部31は、中型22の複数の成形孔24の配置と同一の配置で設けられている。有底円筒孔の各第1ワーク保持部31は、内径がワークWの大径円柱体11の外径よりもやや大きく且つ深さがワークWの大径円柱体11の高さよりもやや大きい。各第1ワーク保持部31には、ワークWの大径円柱体11が収容され、その端面のシール面111が第1ワーク保持部31の底面に接触するので、シール材10の要部であるシール面111に傷や歪みが生じるのを回避する観点から、第1ワーク保持部31の底面は、平坦面であることが好ましい。
【0017】
ワークWを中型22から第1ワーク保持具30に移動させる際には、図5Aに示すように、第1ワーク保持具30の直上に、中型22を、前者の複数の第1ワーク保持部31が設けられた一方側の面と、後者の大径円筒孔241側の面とが接触するとともに、前者の複数の第1ワーク保持部31のそれぞれに後者の対応する成形孔24が対向するように積層する。その後、中型22から間隔をおいてワーク離型部材40を配置する。ワーク離型部材40の中型22と対向する側には、中型22の複数の成形孔24の配置と同一の配置で複数の突き出しピン41が設けられている。
【0018】
図5Bに示すように、ワーク離型部材40を中型22に近接させ、中型22の複数の成形孔24のそれぞれに内嵌めされたワークWを、その小径円柱体12の端面をワーク離型部材40の対応する突き出しピン41で押圧して打ち抜き、成形孔24から離型して第1ワーク保持具30の対応する第1ワーク保持部31に落下させ、それにより、複数のワークWを、中型22から第1ワーク保持具30に同時に移動させる。
【0019】
このとき、有底円筒孔の第1ワーク保持部31には、ワークWの大径円柱体11が遊びを有して収容され且つ小径円柱体12が開口から突出するように設けられるので、第1ワーク保持具30は、複数の第1ワーク保持部31のそれぞれで、ワークWを、その一方側である小径円柱体12側の面が露出するように出し入れ可能に保持することとなる。また、第1ワーク保持具30は、複数のワークWを、中型22でのそれらの配置を維持した状態で保持することとなる。
【0020】
一方、各ワークWは、中型22から至近距離の第1ワーク保持具30に打ち抜かれるので、有底円筒孔の第1ワーク保持部31の底面に大径円柱体11の端面のシール面111が接触した状態の安定した姿勢を保って保持されることとなる。また、各ワークWは、隣接するワークWと間隔が保たれるので、ワークW同士の密着が規制されるとともに、細かいバリの付着が抑制されることとなる。
【0021】
続いて、第1ワーク保持具30から中型22を分離し、第1ワーク保持具30で保持した複数のワークWに対して第1外観検査処理を行う(第1外観検査工程)。第1外観検査処理は、第1ワーク保持具30で保持した複数のワークWを、小径円柱体12側から俯瞰するように外観を検査し、傷や欠損等を有する不良品の有無を確認するとともに、不良品を発見した場合にそれを排除する処理である。第1外観検査処理は、目視によって行ってもよく、また、画像処理によって行ってもよい。不良品を発見した場合には、そのワークWを第1ワーク保持具30から取り除く。なお、バリ除去等の仕上げ処理が必要なワークWがある場合には、第1外観検査処理に先立って、第1ワーク保持具30からそのワークWを取り出して仕上げ処理を行った後に第1ワーク保持具30に戻す。
【0022】
第1外観検査処理の後、第1ワーク保持具30の複数の第1ワーク保持部31で保持した複数のワークWを、図6A及びBに示す第2ワーク保持具50に移動させる。
【0023】
第2ワーク保持具50は、例えばステンレス等の金属製のトレイ状部材で構成されている。第2ワーク保持具50には、各々、貫通円筒孔に形成された複数の第2ワーク保持部51が設けられている。複数の第2ワーク保持部51は、第1ワーク保持具30の複数の第1ワーク保持部31の配置と同一の配置で設けられている。各第2ワーク保持部51は、内径がワークWの小径円柱体12の外径よりもやや大きく且つ大径円柱体11の外径よりも小さい。各第2ワーク保持部51の深さは、第2ワーク保持具50の厚さと同一であって、ワークWの小径円柱体12の高さよりも大きい。
【0024】
ワークWを第1ワーク保持具30から第2ワーク保持具50に移動させる際には、図7Aに示すように、第1ワーク保持具30の直上に、第2ワーク保持具50を、各々がワークWを保持した前者の複数の第1ワーク保持部31が設けられた一方側の面と、後者の複数の第2ワーク保持部51が設けられた一方側の面とが接触するとともに、前者の複数の第1ワーク保持部31のそれぞれに後者の対応する第2ワーク保持部51が対向するように積層する。これにより、第1ワーク保持具30における複数の第1ワーク保持部31で複数のワークWを保持した側に、第2ワーク保持具50を、第2ワーク保持具50に設けられた複数の第2ワーク保持部51のそれぞれが第1ワーク保持具30の対応する第1ワーク保持部31に対向するように配置する。このとき、第1ワーク保持具30の複数の第1ワーク保持部31のそれぞれから突出したワークWの小径円柱体12は、第2ワーク保持具50の対応する第2ワーク保持部51に挿入されることとなる。
【0025】
図7Bに示すように、第1ワーク保持具30及び第2ワーク保持具50を反転させて、第1ワーク保持具30の複数の第1ワーク保持部31で保持した複数のワークWのそれぞれを、第2ワーク保持具50側に落下させることにより、第2ワーク保持具50の対応する第2ワーク保持部51に移動させる。
【0026】
このとき、貫通円筒孔の各第2ワーク保持部51には、ワークWの大径円柱体11が周縁に係合するとともに開口から突出するように設けられ且つ小径円柱体12が遊びを有して収容されるので、第2ワーク保持具50は、複数の第2ワーク保持部51のそれぞれで、ワークWを、その他方側である大径円柱体11側の面が露出するように出し入れ可能に保持することとなる。また、第2ワーク保持具50は、複数のワークWを、第1ワーク保持具30でのそれらの配置を維持した状態で保持することとなる。
【0027】
一方、各ワークWは、第1ワーク保持具30から至近距離の第2ワーク保持具50に移動するので、貫通円筒孔の第2ワーク保持部51に安定した姿勢を保って保持されることとなる。また、各ワークWは、隣接するワークWと間隔が保たれるので、ワークW同士の密着が規制されることとなる。
【0028】
続いて、第2ワーク保持具50から第1ワーク保持具30を分離し、第2ワーク保持具50で保持した複数のワークWに対して第2外観検査処理を行う(第2外観検査工程)。第2外観検査処理は、第2ワーク保持具50で保持した複数のワークWを、大径円柱体11側から俯瞰するように外観を検査し、傷や欠損等を有する不良品の有無を確認するとともに、不良品を発見した場合にそれを排除する処理である。第2外観検査処理は、目視によって行ってもよく、また、画像処理によって行ってもよい。不良品を発見した場合には、そのワークWを第2ワーク保持具50から取り除く。
【0029】
第2外観検査処理の後、複数のワークWを保持した第2ワーク保持具50を、そのままオーブンに入れて所定時間の加熱を行う。このとき、各ワークWは、二次加硫されてシール材10となる(二次加硫工程)。また、各ワークWは、隣接するワークWと間隔が保たれ、ワークW同士の重なり等の接触が規制されるので、ワークW同士の接触痕が形成されることが防止されるとともに、二次加硫不足の部分が生じることが抑制されることとなる。
【0030】
そして、第2ワーク保持具50で保持した複数のシール材10を、その状態で包装工程に送る。
【0031】
以上のシール材10の製造方法によれば、第1ワーク保持具30で一方側である小径円柱体12側の面が露出するように保持した複数のワークWに第1外観検査処理を行った後、複数のワークWを、第1ワーク保持具30から第2ワーク保持具50に移動させ、第2ワーク保持具50で他方側である大径円柱体11側の面が露出するように保持した複数のワークWに第2外観検査処理を行うことができ、さらに完成した複数のシール材10を第2ワーク保持具50で保持した状態で包装工程まで送ることができる。このことから、これらの第1ワーク保持具30と第2ワーク保持具50とを含むワーク保持具セットを用い、それらで保持する複数のワークW乃至シール材10を1単位として、シール材10を効率的に製造することができる。また、第1ワーク保持具30と第2ワーク保持具50とのワーク保持具セットを用いることにより、複数のワークWの一方側である小径円柱体12側の面及び他方側である大径円柱体11側の面の両面の検査を行うことができる。
【0033】
上記実施形態では、第1ワーク保持具30の第1ワーク保持部31を有底円筒孔及び第2ワーク保持具50の第2ワーク保持部51を貫通円筒孔でそれぞれ構成したが、特にこれらに限定されるものではなく、ワークWを安定した姿勢を保って保持するものであれば、その他の囲いや突起等であってもよい。
【0034】
上記実施形態では、成形金型20の中型22から複数のワークWを同時に打ち抜いて第1ワーク保持具30に移動させる構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、成形金型20からワークWを離型してバリ除去等の仕上げ処理を行った後、ワークWを個別に手作業で第1ワーク保持具30に整列させてもよい。
【0035】
上記実施形態では、第2ワーク保持具50で保持した状態で複数のワークWを二次加硫させる構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、第1ワーク保持具30で保持した状態で複数のワークWを二次加硫させてもよい。
【0036】
上記実施形態では、ワークWを中型22から第1ワーク保持具30に移動させた後に第1検査処置を行う構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、ワークWに対して検査処理以外の加工処理を行ってもよい。同様に、上記実施形態では、ワークWを第1ワーク保持具30から第2ワーク保持具50に移動させた後に第2検査処置を行う構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、ワークWに対して検査処理以外の加工処理を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、ゴム製品の製造方法及びそれに用いるワーク保持具セットの技術分野について有用である。
【符号の説明】
【0038】
10 シール材(ゴム製品)
11 大径円柱体
111 シール面
12 小径円柱体
20 成形金型
21 上型
22 中型
23 下型
24 成形孔
241 大径円筒孔
242 小径円筒孔
30 第1ワーク保持具
31 第1ワーク保持部
40 ワーク離型部材
41 突き出しピン
50 第2ワーク保持具
51 第2ワーク保持部
C キャビティ
R 未架橋ゴム組成物
W ワーク
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B