(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】プラズマを用いたワーク処理用のシステム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240311BHJP
H01L 21/673 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/68 U
(21)【出願番号】P 2021505186
(86)(22)【出願日】2019-06-10
(86)【国際出願番号】 US2019036328
(87)【国際公開番号】W WO2020027919
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2022-06-10
(32)【優先日】2018-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391019120
【氏名又は名称】ノードソン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ボールデン,トーマス,ヴイ.
(72)【発明者】
【氏名】ハロウン,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】コンドラショフ,ボブ
(72)【発明者】
【氏名】ガイン,ジョン
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-049150(JP,A)
【文献】特開平10-298767(JP,A)
【文献】特開2006-032344(JP,A)
【文献】特開2003-347182(JP,A)
【文献】国際公開第2006/041169(WO,A1)
【文献】特表2010-502016(JP,A)
【文献】特開平10-070088(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0211820(US,A1)
【文献】特表2013-533640(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0041061(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/673
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマを用いてワークを処理する装置であって、
処理ガスを受容する処理空間を部分的に画定するチャンバであって、プラズマを用いた前記ワークの処理中に真空下にあるチャンバと、
前記処理空間の下側端を画定するベース組立体であって、周縁を有し、ワークを受容するように構成されるワークホルダーと、外周縁を有するバッフルプレートと、側壁を有して前記バッフルプレートに結合している電極と、前記電極の前記側壁の外面を囲むチャンバベースとを備え、前記バッフルプレートの前記外周縁の少なくとも大部分は前記電極の前記側壁の内側表面に近接してはいるが直接は接触しないベース組立体と、
前記処理ガスを前記処理空間に導入する、前記チャンバの中の処理ガス供給ポートと、
前記電極を備え、前記ワークを処理するために前記処理ガスから前記処理空間内でプラズマを提供するように動作可能なプラズマ励起源であって、プラズマを用いた前記ワークの処理中に前記処理空間を排気するために前記バッフルプレートの前記外周縁の前記少なくとも大部分と前記電極の前記側壁の前記内側表面とはギャップを画定するように配置されているプラズマ励起源と、
を備える装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記ベース組立体は流路を画定し、前記流路を介して、前記処理空間が前記ベース組立体から排気される装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、
前記流路は、第2の鉛直部分から横方向にオフセットする第1の鉛直部分を備える装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、
前記第1の鉛直部分は第1の鉛直通路によって画定され、前記第2の鉛直部分は第2の鉛直通路によって画定され、前記第2の鉛直通路は前記第1の鉛直通路から横方向にオフセットする装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、
前記電極は前記ベース組立体内で前記チャンバベースと前記バッフルプレートとの間に鉛直に位置決めされ、前記第1の鉛直通路は前記電極によって画定され、前記第2の鉛直通路は前記チャンバベースによって画定される装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であって、
前記バッフルプレートと前記電極とは結合して、前記バッフルプレートと前記電極との間に内部空間を画定し、前記バッフルプレートと前記電極との間の前記内部空間は、前記処理空間の排気の直後に、前記流路の一部分を画定し、前記電極と前記バッフルプレートとは互いに相対的に固定されている装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であって、
前記バッフルプレートと前記電極との間で前記内部空間によって画定される前記流路の前記一部分は、前記電極によって画定される前記第1の鉛直通路に先立って第1の横部分を備える装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、
前記電極は前記チャンバベースに結合し、前記第1の鉛直通路は前記チャンバベースまで通っている装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、
前記チャンバベースは前記第1の鉛直通路の後で前記流路の第2の横部分を画定するように構成される円形チャネルを画定する装置。
【請求項10】
請求項9に記載の装置であって、
前記電極の少なくとも一つと前記チャンバベースとの中心に対する前記流路の前記第1の横部分の第1円周方向と、前記中心に対する前記流路の前記第2の横部分の第2円周方向とは、実質的に互いに逆である装置。
【請求項11】
請求項9に記載の装置であって、
前記第2の鉛直通路は前記チャンバベースの前記円形チャネルの床によって画定される装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、
前記チャンバベースの底部端に結合される真空プレートを有し、前記結合されたチャンバベースと前記真空プレートとは真空源に接続された真空ポートを有して構成される真空空間を画定する装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、
前記真空空間は前記流路の第3の横部分を画定し、前記流路の前記第3の横部分は前記真空空間の周部と前記真空ポートとから横に延在する装置。
【請求項14】
請求項5に記載の装置であって、
前記電極は二以上の鉛直通路を画定し、前記チャンバベースは二以上の鉛直通路を画定し、前記電極によって画定された前記二以上の鉛直通路は前記チャンバベースによって画定された前記二以上の鉛直通路のそれぞれからオフセットする装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であって、
前記電極によって画定された前記二以上の鉛直通路は4つの鉛直通路を含み、前記チャンバベースによって画定された前記二以上の鉛直通路は4つの鉛直通路を含み、前記電極によって画定された前記4つの鉛直通路は、前記チャンバベースによって画定された前記4つの鉛直通路のそれぞれから、前記電極と前記チャンバベースとのうちの少なくとも一方の中心に対して少なくとも30度だけ円周方向にオフセットする装置。
【請求項16】
請求項15に記載の装置であって、
前記電極によって画定された前記4つの鉛直通路は、前記チャンバベースによって画定された前記4つの鉛直通路のそれぞれから、前記電極と前記チャンバベースとのうちの少なくとも一方の中心に対して少なくとも45度だけ円周方向にオフセットする装置。
【請求項17】
請求項2に記載の装置であって、
前記流路の第1部位は前記ギャップにより画定され、前記流路の第2部位は前記流路の前記第1部位の直後の水平部位を備える装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置であって、
前記流路の前記水平部位は前記バッフルプレートの少なくとも一部と前記電極の少なくとも一部との間に画定される装置。
【請求項19】
請求項17に記載の装置であって、
前記流路の第3の鉛直部分は前記ベース組立体の真空空間から延在する真空導管によって画定される装置。
【請求項20】
請求項1に記載の装置であって、
前記バッフルプレートの前記外周縁の全体は前記電極の前記側壁の前記内側表面に近接してはいるが直接は接触しない装置。
【請求項21】
請求項1に記載の装置であって、さらに、
前記バッフルプレートと前記電極とに向かう第1の方向に前記
ワークを選択的に下降させ、前記バッフルプレートと前記電極とから離れる第2の方向に前記
ワークを選択的に上昇させるように構成されたリフト機構と、
前記電極と前記バッフルプレートとは、互いに直接接触するように結合されている装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2018年7月30日に出願された米国仮特許出願第62/712,051号の利益を主張し、その開示内容は、引用することにより本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は、加工対象品(以下、ワーク)を処理するためのシステムに関する。より詳細には、本開示は、ワークのプラズマ処理に関する。
【背景技術】
【0003】
プラズマ処理システムは、種々の産業用途において、ワークの表面特性を改質するために、一般的に使用されている。例えば、プラズマ処理システムは、集積回路、電子パッケージ、半導体用途におけるプリント回路基板、ソーラーパネル、水素燃料電池の部品、自動車の部品、フラットパネルディスプレイにおいて使用される矩形ガラス基板の表面をプラズマ処理するために日常的に使用されている。
【0004】
しかしながら、プラズマ処理には、幾つかの特有の課題がある。例えば、特に、処理中にワークを高温に保持する必要があるプラズマ処理中における、熱発生が一般的な課題としてある。熱発生を無視すると、オペレーターが火傷を負うリスクのある作業環境が生み出される可能性があり、このような作業環境は、プラズマ処理システム用又は装置用のガード又はバリア等、このリスクに対処するために高額な費用のかかる対策を生産施設がとらない限り生み出され得る。また、これらの安全対策には、典型的には、各システム又は装置のための更なる床面積が必要となる。過剰な熱は、望ましくない熱としてのエネルギー損失を補償するために必要とされる更なるエネルギーに起因して作業コストの増加をもたらす可能性もある。これらの欠点及び他の欠点が本開示において対処される。
【発明の概要】
【0005】
プラズマ処理又は加工の種々の態様に関するシステム、方法、及び装置が本明細書で開示される。ワークホルダー組立体の熱的分離に関する例示的な装置において、装置は、ワークのプラズマ処理を実施するためにプラズマを生成する処理空間を少なくとも部分的に画定するチャンバを備える。装置は、チャンバの下側端を少なくとも部分的に画定するベース組立体を更に備える。ベース組立体の内周は、ベース組立体の中の開口を画定する。装置は、ベース組立体の中の開口の中に少なくとも部分的に位置決めされるワークホルダー組立体を更に備える。ワークホルダー組立体は、外周と上側表面とを有して構成されるワークホルダー本体を含む。上側表面はワークを受容するように構成される。また、一以上の加熱要素は、ワークホルダー組立体を形成し、ワークホルダー本体に少なくとも部分的に接触している。ベース組立体の内周とワークホルダー本体との外周は、ワークホルダー本体に少なくとも部分的に外接し、ベース組立体をワークホルダー本体から熱的に分離するギャップを画定する。
【0006】
プラズマ処理されたワークの冷却をモニタリングすることに関する例示的な方法において、ワークは、プラズマ処理を実施するように構成される装置に位置決めされる。プラズマ処理が終了すると、ワークは、温度センサを備える非加熱式冷却ステーションに位置決めされる。温度センサによって、ワークの温度が閾値より低いと判定される。温度が閾値より低いと判定することに基づいて、ワークは冷却ステーションから離される。
【0007】
プラズマ処理されたワークの冷却をモニタリングすることに関する例示的なシステムにおいて、システムは、搬送装置と、プラズマ処理装置と、非加熱式冷却ステーションとを備える。プラズマ処理装置はプラズマ処理を実施するように構成され、搬送装置はワークを受容するように構成される。非加熱式冷却ステーションは温度センサを有して構成される。搬送装置は、プラズマ処理装置にワークを位置決めし、プラズマ処理が終了すると、非加熱式冷却ステーションにワークを位置決めするように更に構成される。搬送装置は、温度センサによって、ワークの温度が閾値より低いと判定するように構成される。温度が閾値より低いと判定されると、搬送装置は、更なる位置決めのためにワークを受容するように構成される。
【0008】
プラズマ処理装置のベース組立体、例えば、ベース組立体の電極又は他のプラズマ励起源を液体冷却することに関する例示的な装置において、装置は、処理空間を部分的に画定するチャンバを備える。また、装置は、ベース組立体を備え、ベース組立体は上側表面を有する。ベース組立体の上側表面は、チャンバの下側端とベース組立体との中の開口を少なくとも部分的に画定する。加熱式ワークホルダーは、ベース組立体の中の開口の中に位置決めされ、ワークを受容するように構成される。装置は、ワークを処理する処理空間内でプラズマを提供するように動作可能なプラズマ励起源を更に備える。装置は、液体冷却導管を更に備え、液体冷却導管は、プラズマ励起源に近接し、プラズマ励起源を冷却するために液体を受容するように構成される。
【0009】
装置のチャンバの中の均一な真空に関する例示的な装置において、装置は、処理ガスを受容するための処理空間を部分的に画定するチャンバを備える。チャンバは、プラズマを用いたワークの処理中に真空下にある。装置は、処理空間の下側端を画定するベース組立体を更に備える。ベース組立体は、周縁を有し、ワークを受容するように構成されるワークホルダーを備える。ベース組立体は、周縁を有し、ワークホルダーの周縁を囲むバッフル組立体を更に備える。ベース組立体は、バッフル組立体の周縁を囲むチャンバベースを更に備える。ワークホルダーは、処理空間の下側端の少なくとも第2の部分を画定する上側表面を有する。装置は、処理ガスを処理空間に導入する、チャンバの中の処理ガス供給ポートを備える。装置は、ワークを処理するために処理ガスから処理空間内でプラズマを提供する、電極等のプラズマ励起源を備える。装置は、プラズマを用いたワークの処理中に上記処理空間を排気するためにバッフル組立体の周縁の全体の周りに途切れなく延在する排気開口を備える。
【0010】
引用することにより本明細書の一部をなす添付の図面は、実施形態を示し、本明細書とともに、方法及びシステムの原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の一実施形態によるプラズマ処理システムの斜視図である。
【
図2】本開示の一実施形態によるプラズマ処理システムの側面図である。
【
図3】本開示の一実施形態によるプラズマ処理システムのベース組立体の少なくとも所定の部分の上面図である。
【
図4】本開示の一実施形態によるプラズマ処理システムの構成部品の分解斜視図である。
【
図5A】本開示の一実施形態によるベース組立体の一部分の拡大上面図である。
【
図5B】本開示の一実施形態によるベース組立体の一部分の拡大斜視図である。
【
図6】本開示の一実施形態によるベース組立体の電極及び例示的なチャンバベースの上面図である。
【
図7】本開示の一実施形態による電極及び下に位置決めされたチャンバベースの所定の部分の上面図である。
【
図8】本開示の一実施形態によるベース組立体の構成部品の分解斜視図である。
【
図9】本開示の一実施形態によるベース組立体の斜視断面図である。
【
図10】本開示の一実施形態によるベース組立体の所定の部分の拡大斜視断面図である。
【
図11】本開示の一実施形態によるベース組立体の斜視断面図である。
【
図12】本開示の一実施形態によるプラズマ処理システムを示す図である。
【
図13】本開示の一実施形態による方法フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1~
図3を参照すると、プラズマ処理システム10は、ベース組立体14の上に位置決めされた蓋組立体12を含む。ベース組立体14は、ワークホルダー組立体20を備える。ワークホルダー組立体20は、ワークホルダー又はチャック22を有し、ワークホルダー又はチャック22は、その上側表面24上でワーク26を保持するように構成される。ワーク26は、
図2に示され、図における視認性のために、ワークホルダー組立体20の上に懸垂保持されて位置決めされる。ベース組立体14は、一以上の積み重ね式のリフトプレート31を有するリフト機構30を更に備え、リフト機構30は、選択的に、未処理のワーク26をワークホルダー22上に下げ、処理されたワーク26をワークホルダー22から上げるように構成される。積み重ね式のリフトプレート31はセラミックとすることができる。
【0013】
ベース組立体14は電極40を更に備える。蓋組立体12は、同様に、対の片方の上側電極(図示せず)を備え、上側電極は、ベース組立体14の電極40とともに、ワーク26を処理するために必要とされるプラズマ生成をもたらす。ベース組立体14は、チャンバベース50を更に備え、チャンバベース50は、概して、上述したワークホルダー組立体20、リフト機構30、及び電極40を含む、ベース組立体14の種々の他の構成部品を支持する。チャンバベース50は、それぞれが上側表面52を有する一以上の鉛直な側壁51を備える。
【0014】
ベース組立体14は、真空プレート60を更に備え、真空プレート60は、チャンバベース50の底部に取り付けられ、真空空間を有して構成され、この真空空間を介してプラズマ処理の非反応処理ガス、プラズマ、及び他の副産物が真空ポンプ61に引き込まれる。真空ポンプ61は、処理空間の中の全圧を、プラズマ生成を容易にするのに十分に低い準大気圧レベルに維持するように動作する。真空導管62は、真空空間から通じる真空プレート60の中のポートにおいて、真空プレート60の底部に取り付けられる。真空導管62は、真空空間から真空ポンプ61への、引き込まれた処理ガス、プラズマ、及び他の副産物の流れを可能にする。
【0015】
蓋組立体12は、ベース組立体14に対して蓋組立体12を鉛直に上げ下げするように構成される位置決め装置16に機械的に結合される。図示する実施形態において、位置決め装置16は、一対のカプラーを備え、一対のカプラーのそれぞれが、一方の側で蓋組立体12に取り付けられ、他方の側で一対の鉛直レールのうちの一方のレール上に搭載される。鉛直レール上でのカプラーの鉛直方向移動は、同様に、ベース組立体14に向かう又はそこから離れる蓋組立体12の移動をもたらす。
図1と
図2とに示す位置決め装置16は、1つの例示的な構成に過ぎず、他の位置決め機構を、同様の効果のために使用することができる。
【0016】
上げた位置において、蓋組立体12は、
図1と
図2とに示すように、ベース組立体14との接触から外れる。下げた(すなわち、閉鎖した)位置において、蓋組立体12とベース組立体14とは、互いに接触している。図示する実施形態において、蓋組立体12は、それぞれが下側縁19を有する鉛直な側壁18を備える。蓋組立体12が下げられてベース組立体14と接触状態になると、蓋組立体12の側壁18の下側縁19とチャンバベース50の側壁51の対応する上側表面52とは互いに同一面をなすように係合した状態になる。蓋組立体12の側壁18とチャンバベースの側壁51との同一面をなす係合により、蓋組立体12とベース組立体14との間にシールが形成される。蓋組立体12の側壁18とチャンバベースの側壁51との同一面をなす係合は、蓋組立体12とベース組立体14との間にシールを形成するための1つの例示的な構成に過ぎず、本開示はそのように限定されない。
【0017】
蓋組立体12が下げられてベース組立体14と同一面をなすように係合した状態となって、両者の間にシールを形成すると、チャンバは、蓋組立体12とベース組立体14との内部寸法によって画定される。チャンバの上部分は、蓋組立体12の一以上の構成部品によって画定することができる。上側電極、特に、上側電極の底部表面は、チャンバの上部分を少なくとも部分的に画定することができる。さらに、蓋組立体12の側壁18のうちの一以上の側壁の内側表面は、チャンバの上部分を更に少なくとも部分的に画定することができる。
【0018】
チャンバの底部分は、
図3の上面図において最も良好に見られるように、ベース組立体14の一以上の構成部品の上側表面によって全体的に画定することができる。チャンバの底部分は、ワークホルダー22の上側表面24によって少なくとも部分的に画定することができる。チャンバの底部分の第1の部分は、ワークホルダー22の上側表面24によって少なくとも部分的に画定することができ、チャンバの底部分の第2の部分は、ワークホルダー22の上側表面以外のベース組立体14の上側表面によって少なくとも部分的に画定することができる。リフト機構30の積み重ね式のリフトプレート31のうちの一以上は、チャンバの底部分を更に少なくとも部分的に画定することができる。例えば、一以上の積み重ね式のリフトプレート31のうちの最も上のリフトプレート31の上側表面33は、チャンバの底部分を少なくとも部分的に画定することができる。別の実施形態において、バッフルプレート70は、チャンバの底部分を少なくとも部分的に画定することもできる。さらに、ベース組立体14の電極40は、チャンバの底部分を少なくとも部分的に画定することもできる。電極40は、図示する実施形態において、一以上の積み重ね式のリフトプレート31によって電極40の上側表面上で部分的に覆われる。それでもなお、電極40の露出する外周の上側表面41は、チャンバの底部分を少なくとも部分的に画定することもできる。さらに、チャンバベース50は、チャンバの底部分、特に、チャンバベース50の露出した任意の上側表面を少なくとも部分的に画定することができる。
【0019】
幾つかの実施形態において、リフト機構30は、設けない、又は、別のタイプのリフト機構と置換されるものとすることができる。そのような実施形態において、チャンバの底部分は、別様にベース組立体14の最も上の構成部品によって少なくとも部分的に画定することができる。例えば、そのような構成を有するベース組立体14は、本明細書で説明するバッフルプレートと同じ又は同様のバッフルプレートを備えることができる。別の例において、リフトプレート31は、静止プレート又は別のタイプの静止構成部品と置換することができる。静止プレート又は別の静止構成部品は、例えば、平坦な又は実質的に平坦な上側表面を有して構成することができる。平坦な又は実質的に平坦な上側表面は、チャンバの底部分を少なくとも部分的に画定することができる。
【0020】
蓋組立体12とベース組立体14とのシール係合によってそのように画定されると、処理空間は、その中に位置決めされたワーク26をプラズマ処理するのに適する。ワーク26の処理中に、電源34からの電力は、ベース組立体14の電極40と蓋組立体12の上側電極との間に印加され、処理空間の中に電磁場を生成する。電磁場は、処理空間の中に存在する(ガス供給源36によって提供される)処理ガスの原子又は分子をプラズマ状態に励起し、プラズマ状態は、プラズマ処理の継続時間にわたって、電源34からの電力の印加によって維持される。
【0021】
プラズマからの構成種は、ワーク26上の露出した材料に接触し、それと相互作用して、所望の表面改質を実施する。プラズマは、処理ガスの化学的性質、処理領域の内部の圧力、及び、電極に印加される電力量及び/又は周波数等のパラメーターを選択することによって、ワーク26の所望の表面改質を実施するように構成される。処理システムは、プラズマプロセス(例えば、エッチングプロセス)がいつ所定のエンドポイントに達したかを自動的に認識するエンドポイント認識システム(図示せず)を含むことができる、又は、代替的に、プラズマプロセスは、プロセスレシピの経験的に決定された時間に基づいて計時することができる。
【0022】
述べたように、ベース組立体14は、プラズマ処理中にワーク26を支持するように構成されるワークホルダー22を備えるワークホルダー組立体20を含む。例えば、ワークホルダー22の上側表面24はワーク26を支持することができる。ワークホルダー組立体20は、ワーク26のプラズマ処理の前及び/又は最中等に、ワークホルダー22によって支持されるワーク26に熱を伝達するように更に構成される。したがって、ワークホルダー22は、それ自体で加熱される。そのため、ワークホルダー組立体20は、ワークホルダー22に近接して位置決めされた、ワークホルダー22に接触して位置決めされた、又はワークホルダー22の中に少なくとも部分的に埋め込まれた一以上の加熱要素を備える。幾つかの実施形態において、ワークホルダー22を加熱しなくてもよく、したがって、加熱要素をワークホルダー組立体20から省くことができる。
【0023】
同様に既に述べたように、ベース組立体14は、リフト機構30を更に備えることができ、リフト機構30は、プラズマ処理を予期する等により、保持されたワーク26をワークホルダー22上に選択的に下げるように構成される。リフト機構30は、同様に、プラズマ処理の終了時等で、ワーク26をワークホルダー22上のワーク26の位置から選択的に上げるように構成される。リフト機構30は、(ひとまとめに又は個々に)内周32を有する一以上の積み重ね式のリフトプレート31を備えることができる。リフトプレート31のうちの一以上は、それぞれが別々に可動である二以上のセグメントで形成することができる。例えば、
図3に示す上側のリフトプレート31は、セグメント31a~31dを有して構成される。1つの例において、セグメント31a、31b、及び31dは、セグメント31cが静止したままである間に、ワークホルダー22からワーク26を持ち上げるために上げることができる。
【0024】
リフトプレート31のうちの一以上はそれぞれ、それぞれのリフトプレート31の中に中央の開口35を画定することができる。開口35は、予期されるワーク26のサイズに従ってサイズ決定され、それにより、ワーク26の外周は、リフトプレート31の開口35の内周32(又は、その少なくとも一部分)においてリフトプレート31によって支持される。
図1と
図2とに示すように、リフトプレート31の最も下の位置に移動すると、ワークホルダー22の少なくとも上側部分は、リフトプレート(複数の場合もある)31の開口(複数の場合もある)35の中に位置決めされる。この最も下の位置に移動したときにワーク26を支持する場合、ワーク26は、いつでもプラズマ処理ができる状態でワークホルダー22上に載ったままにされることになる。幾つかの実施形態において、ワークホルダー22の上側表面24は、最も上のリフトプレート31の上側表面33と同じ高さとすることができる。他の実施形態において、ワークホルダー22は、最も上のリフトプレート31の開口35からわずかに突出することができる。ワークホルダー22からワーク26を取り除くために、リフトプレート31のうちの一以上は、最も下の位置から上げられる。ワーク26の縁は、上げられたリフトプレート31のうちの少なくとも1つのリフトプレートの開口35の内周32の少なくとも一部分によって捕捉され、上げられる。ベース組立体14は、レーザーセンサ等の一以上の位置センサを有して構成されて、リフトプレート31のうちの一以上及び/又はワーク26の位置を、それらがリフト機構30によって上げられる又は下げられる間に検出する。
【0025】
プラズマ処理システム10は、一以上の冷却導管等の、ベース組立体14の冷却システムに給送する冷却供給源38を備える。一以上の冷却導管は、電極40等のベース組立体14の一以上の構成部品の中に埋め込むことができる。
【0026】
対象となるワーク26の例示的なプラズマ処理作業において、蓋組立体12は、上げた位置にあり、ワーク26は、リフト機構30等によって、ワークホルダー22上に位置決めされる。蓋組立体12は、下げられることでベース組立体14と接触し、両者の間にシールを形成する。処理空間を提供するチャンバが、それにより形成される。チャンバは、真空ポンプ61によって真空下に保持される。ガス供給源36からの処理ガスは、蓋組立体12の処理ガス入口37を介してチャンバの処理空間に提供される。蓋組立体12の上側電極とベース組立体14の電極40とは、電源34によって励磁され、それにより、処理ガスから処理空間内でプラズマを生成させる。ワーク26のプラズマ処理が終了すると、処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物は、真空ポンプ61によってチャンバから排気される。
【0027】
処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物は、ベース組立体14の種々の構成部品内で及び/又はその間で形成される一以上のチャネル又は流路を介して排気される。例示的な流路は、離散的な鉛直部分及び水平(すなわち、横)部分を備えることができる。例示的な流路は、鉛直部分と水平部分との間で交互に変わるものとすることができる。流路の鉛直部分は、ベース組立体14の構成部品のうちの一以上を通る鉛直通路によって画定することができる。流路の水平部分は、ベース組立体14の2つの構成部品の間で画定することができる。流路の水平部分のうちの一以上の水平長さは、流路の鉛直部分のうちの一以上の鉛直方向高さより大きい。流路の水平部分のうちの二以上の水平長さは、流路の鉛直部分のうちの二以上の鉛直方向高さの両方より大きい。
【0028】
蓋組立体12は、ベース組立体14から持ち上げられ、プラズマ処理されたワーク26が取り除かれる。プラズマ処理作業の更なる反復を、その後実施することができる。
均一な真空を有するプラズマチャンバ
【0029】
同様の参照符号が図において同様の特徴を指す
図4~
図8を参照すると、プラズマ処理システム10の構成部品によって形成されるプラズマチャンバの中に設けられる均一な真空に関するプラズマ処理システム10の態様が、ここで少なくとも部分的に説明されるものとする。プラズマ処理システム10のそのような態様の説明は、このサブセクションに限定されない。プラズマチャンバの中に設けられる均一な真空に関するプラズマ処理システム10の、同じ、更なる、又は代替の態様は、本開示全体を通して見出だすことができる。
【0030】
図4は、リフト機構30、バッフルプレート70、ワークホルダー組立体20、チャンバベース50、及び真空プレート60を含む、ベース組立体14の幾つかの構成部品の鉛直方向分解斜視図を示す。種々のコネクタ及び同様のものは、例示を明確にするために
図4から排除されている。
図5Aと
図5Bとは、バッフルプレート70と電極40との間に画定される一以上のギャップ77を含む、ベース組立体14の所定の部分の拡大図を示す。
図6は、電極40とチャンバベース50との上面図を示し、電極40とチャンバベース50との間の嵌合を示す。
図7は、電極40の下に影で示すチャンバベース50の所定の部分とともに、電極40の上面図を示す。
図8は、バッフルプレート70、電極40、チャンバベース50、及び真空プレート60の鉛直方向分解斜視図を示す。
図8は、上記構成部品を通る、処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物の流路を更に示す。
【0031】
チャンバベース50から始めて、チャンバベース50の上側部分は、概して、電極40を少なくとも部分的に支持する。チャンバベース50と電極40との間の結合は、両者間の熱的遮断(thermal break)によって制限することができる。一以上のOリング(例えば、第1のチャネルOリング94及び第2のチャネルOリング92)又は他のタイプのシール要素は、チャンバベース50と電極40との間の接触点を実質的に提供するが、別様に両者の間に空間(すなわち、熱的遮断)をもたらす。真空プレート60は、チャンバベース50の下側に留められる。すなわち、真空プレート60は、チャンバベース50の床80の底部表面82に接続される。既に述べたように、チャンバベース50は、それぞれが上側表面52と内側表面53とを有する外側の側壁51を備える。側壁51は、概して、側面に対して、チャンバベース50の内部構成部品を閉囲する。
【0032】
チャンバベース50は、チャンバの処理空間の中に、プラズマ処理から生じる真空で引き込まれた処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物の流れを収容するように構成されるチャネル58を更に備える。チャネル58は、全体的に閉囲された導管として形成され、チャンバベース50内で処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物の横の(すなわち、X軸及びZ軸に沿う)流れをもたらすように構成することができる。チャネル58は、処理ガス及びプラズマの流れを、チャネル58の上部表面の中の一以上の開口から受容することができる。処理ガス及びプラズマの流れは、チャネル58の底部表面の中の一以上の開口を介してチャネル58を出ることができる。チャネル58に至る少なくとも1つの上部開口は、チャネル58の円周に沿って、チャネル58からの少なくとも1つの底部開口からオフセットすることができる。互いにオフセットして、少なくとも1つの上部開口と少なくとも1つの底部開口とは、鉛直(Y)軸を共有しない。例えば、チャネル58に至る上部開口のうちの2つ以上は、チャネル58からの底部開口のうちの2つ以上からオフセットすることができる。別の例として、チャネル58に至る上部開口のそれぞれは、チャネル58からの底部開口のそれぞれからオフセットすることができる。
【0033】
少なくとも
図4~
図8に示す実施形態において、チャネル58の側面は、同心円形構造、すなわち、外側円形構造56と内側円形構造55とによって画定され、内側円形構造55は外側円形構造56と離間した関係にある。チャネル58は、(X軸とZ軸とにおいて)途切れのない円形チャネルとして同様に形成される。チャネル58の底部は、チャンバベース50の床80の上側表面81によって少なくとも部分的に画定される。チャネル58の上部は、電極40の底部表面(図示せず)によって少なくとも部分的に画定される。第1のチャネルOリング94と第2のチャネルOリング92とは、外側円形構造56と内側円形構造55との上部にそれぞれ位置決めされる。ベース組立体14が組み立てられると、第1のチャネルOリング94及び第2のチャネルOリング92とは、電極40と外側円形構造56との間及び電極40と内側円形構造55との間のシールをそれぞれ提供する。
【0034】
チャネル58は、チャンバベース50の床80によって少なくとも部分的に画定され、かつ、床80を通過する一以上の下向きの通路54を有して構成される。一以上の通路54は、チャネル58から、真空プレート60によって画定された真空空間64への、真空で引き込まれた処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物の流れを可能にする。一以上の通路54は、チャネル58の中の異なる場所に形成することができる。例えば、一以上の通路54は、チャネル58の円周の周りに均等に分配することができる。例えば、2つの通路54は、チャネル58内で互いに対向して位置付けることができる。すなわち、2つの通路54は、約180度だけ互いからオフセットすることができる。別の例として、3つの通路54を、約120度間隔で、チャネル58内で位置付けることができる。代替的に、一以上の通路54は、チャネル58の周りに不規則な間隔で位置付けることができる。少なくとも
図4~
図8に示す実施形態において、チャネル58は、チャネル58の周りに約90度間隔で位置付けられる4つの通路54を有して構成される。チャネル58は、チャネル58の円周の周りに位置決めされた一以上のスペーサー57を有して更に構成される。スペーサー57は、チャネル58内で処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物の流れにおける乱流をもたらし、それにより、チャンバの中の真空の均一性を促進することができる。
【0035】
チャンバベース50は、プラズマ処理中に周囲圧力に維持される内部空間83を有して構成される。内部空間83は、内側円形構造55の内側表面85によって側面を画定される。内部空間83は、床80の上側表面81によって底部を、そして、主にワークホルダー組立体20(例えば、
図9と
図10とに示す断熱体ピース(insulator piece)104の底部表面106)によって、また、程度少なく、電極40によって上部が画定される。内部空間83内で、チャンバベース50の床80は、切れ込み84を有して構成される。切れ込みは、チャンバベース50の本体の中に形成され、周囲環境に出る一対のボア96(
図6)に対して開放し、それにより、内部空間83が周囲圧力に維持されることを可能にする。
【0036】
ワークホルダー組立体20と電極40とは、チャンバベース50の上にほぼ鉛直に位置決めされる。ワークホルダー組立体20は電極40に結合され、電極40はチャンバベース50に結合される。ワークホルダー組立体20は、電極の中の中央の開口の内周49において、ワークホルダー組立体20のフランジ23を電極40に結合することによって電極40に結合され、それにより、フランジ23は、電極40の下側に近接するが、接触はしない。そのように結合されると、少なくともワークホルダー22の上側部分は、電極40の中央の開口を通して突出する。電極40は、次に、チャンバベース50に結合し、それにより、電極40の側壁44の外側表面47は、チャンバベース50の側壁51の内側表面53に対して同一面上で離間される。ワークホルダー組立体20が電極40に結合され、電極40がチャンバベース50に結合されると、ワークホルダー組立体20は、チャンバベース50の床80と直接接触しないが、床80のほぼ上に位置決めされ、したがって、チャンバベース50の内部空間83の上側境界を画定する。
【0037】
電極40は、上側表面43を有する窪んだ床42を有して構成される。床42の外側境界は、電極40の側壁44の内側表面48によって少なくとも部分的に画定される。床42の外側境界は、対応する角部要素88の凸状縁89によって少なくとも部分的に更に画定される。角部要素88の上側表面は側壁44の上側表面と同一面上にある。角部要素88は、側壁44の一部を備えるものと考えることができる。角部要素88のうちの1つは、リフトばね組立体88aとすることができる。
【0038】
一以上の隆起コネクタ又は搭載ボス45は、側壁44の内側表面48に接して窪んだ床42の周囲に位置決めされる。幾つかの実施形態において、隆起コネクタ45(又は同様の隆起構造)は、窪んだ床42上の他の箇所に位置決めすることができる。隆起コネクタ45に結合することによって、バッフルプレート70は電極40に結合される。隆起コネクタ45の高さは、電極40の窪んだ床42と側壁44の内側表面との間の鉛直方向における中間点とすることができる。バッフルプレート70は、バッフルプレート70の内周75と電極40との内周49に近接して、コネクタ103(
図9及び
図10)によって、電極40に更に結合される。コネクタ103を受容するように構成される電極40の部分は、窪んだ床42から、隆起コネクタ45の高さと同じ又は同様の高さに上げられる。窪んだ床42から上げられて、隆起コネクタ45は、内部空間97が、窪んだ床42の上側表面43とバッフルプレート70の底部表面78(
図4~
図8において完全には見えない)との間で画定されることを可能にすることができる。内部空間97は、バッフルプレート70の外周74と電極40の側壁44との間で形成されるギャップ77、及び、窪んだ床42に形成された一以上の通路46から、処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物の横の(X軸とZ軸とに沿う)流れを少なくとも部分的に提供する。
【0039】
窪んだ床42は、電極40を貫通する下向きの一以上の通路46を画定する。
図4~
図8に示す実施形態は、4つの通路46を備えるが、本開示はそのように限定されない。例えば、窪んだ床42は、1つの通路46、2つの通路46、又は3つ以上の通路46を画定することができる。通路46は、電極40の内部空間97からチャンバベース50のチャネル58まで真空で引き込まれた処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物の下方流を提供する。通路46は、窪んだ床42の中の種々の場所に位置決めすることができる。例えば、通路46は、電極40の内周49によって画定される開口に中心がある理論的円周の周りに一定間隔で位置決めすることができる。この理論的円周の中心は、電極40の中心と考えることができる。1つの例として、2つの通路46を有する実施形態は、2つの通路46が互いに対向して(すなわち、互いから約180度で)位置決めされているものとすることができる。3つの通路46を有する実施形態は、2つの通路46が理論的円周の周りに約120度間隔で位置決めされているものとすることができる。4つの通路46を有する実施形態は、通路46が理論的円周の周りに約90度間隔で位置決めされているものとすることができる。
【0040】
チャンバベース50のチャネル58の中に位置する通路54に関して上で述べたように、電極40の通路46は、通路54から横にオフセットするように位置決めされる(例えば、共通の鉛直軸がない)。例えば、通路46のうちの少なくとも1つは、通路54のうちの少なくとも1つからオフセットすることができる。別の例において、通路46のうちの少なくとも2つは、通路54のうちの少なくとも2つからオフセットすることができる。さらに、電極40の通路46のそれぞれは、
図4~
図8に示す実施形態等において、チャンバベース50の通路54の全てからオフセットすることができる。
【0041】
電極40の通路46とチャンバベース50の通路54との間のオフセットは、電極40の中心及び/又は内側円形構造55又は外側円形構造56によって画定される円周の中心(例えば、チャンバベース50、又はベース組立体14を通る処理ガス、プラズマ、及びプラズマ副産物の流れに関連する少なくともチャンバベース50の部分の中心)に対する相対オフセットの度数で参照することができる。例えば、相対オフセットの度数は、
図4~
図8に示す実施形態においてそうであるように、約45度とすることができる。他の例として、相対オフセットの度数は、少なくとも又は約15度、少なくとも又は約30度、少なくとも又は約60度、少なくとも又は約75度、少なくとも又は約90度、少なくとも又は約120度、又は少なくとも又は約180度とすることができる。相対オフセットは、電極40の少なくとも1つの通路46とチャンバベース50の最も近い通路54との、又は、その逆の相対オフセットを指すことができる。相対オフセットは、電極40の少なくとも1つの通路46とチャンバベース50の最も近い2つの通路54との、又は、その逆の相対オフセットを指すことができる。いずれの場合も、
図4~
図8に示す実施形態に当てはまるものとすることができる。
【0042】
バッフルプレート70は、電極40の隆起コネクタ45に結合して、バッフルプレート70を全体的に電極40に結合することができる。電極40に結合すると、バッフルプレート70の上側表面72は、隆起角部88の上側表面を含む電極40の上側表面41と同一面となる。バッフルプレート70は、バッフルプレート70の中心に開口71を画定する内周75を有する。バッフルプレート70の内周75は、電極40の内周49に鉛直に実質的に整列する。開口71は、ワークホルダー22を収容するように構成される。
【0043】
バッフルプレート70の外周74は、隆起角部88の凸状縁89に形状が全体的に対応する凹状縁76を含む。バッフルプレート70の外周74は、電極40の内側表面48(凸状縁89を含むことができる)に直接接触しないが、内側表面48に近接する。幾つかの実施形態において、外周74の全体は、側壁44の内側表面48に直接接触しないが、内側表面48に近接する。他の実施形態において、外周74は、側壁44の内側表面48に部分的に接触し、側壁44の内側表面48に部分的に近接するが、側壁44の内側表面48に直接接触しない。更に他の実施形態において、外周74の大部分は、側壁の内側表面48に接触しないが、内側表面48に近接し、外周74の小部分は、側壁44の内側表面48に接触する。
【0044】
バッフルプレート70の外周74と電極40の側壁44の内側表面48との間の空間的関係は、形成されたチャンバの処理空間から、処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物がそこを通って流れるギャップ77を画定する。ギャップ77は、バッフルプレート70及び/又は電極40の対応する側面の長さ(又はその所定の部分)に沿って細長いものとすることができる。
【0045】
幾つかの実施形態において、結合したバッフルプレート70と電極40の一方の側面のギャップ77は、実質的に側面の全長にわたって細長いものとすることができ、それにより、このギャップ77は、隣接する側面の第2のギャップ77に連接する。結合したバッフルプレート70と電極40の側面のそれぞれのギャップ77は、そのように構成することができ、したがって、バッフルプレート70の外周74の周りに遮断なく完全に延在するギャップ77を提供する。他の実施形態において、ギャップ77は、結合したバッフルプレート70と電極40の1つの側面の長さの大部分に沿って細長いが、隣接する側面の第2のギャップ77に連接しない。そのため、ギャップ77(ここで、結合したバッフルプレート70と電極40の両側のそれぞれのギャップ77をひとまとめに指す)は、バッフルプレート70の外周74の大部分の周りに延在することができるが、ギャップ77の中に遮断を備える場合がある。更に他の実施形態において、結合したバッフルプレート70と電極40の1つの側面に対応するギャップ77(遮断のある一連のギャップ77をひとまとめに指す)は、一以上の遮断がない状態で側面の長さの大部分に延在しない。しかし、それでもなお、ギャップ77(やはり、遮断のある一連のギャップ77をひとまとめに指す)は、バッフルプレート70の外周74の大部分を覆うことができる。
【0046】
図4~
図8に示す実施形態において、ギャップ77は、バッフルプレート70の外周74の大部分の周りに形成されるが、結合したバッフルプレート70と電極40との角部で遮断される。特に、リフト機構30(例えば、リフトプレート31)の角部は、電極40の隆起角部88を覆って位置決めされ、したがって、隆起角部88の凸状縁89とバッフルプレート70の凹状縁76との間の空間を通り、電極40の内部空間97に入る処理ガス及びプラズマの直接流を防止する。さらに、電極40の隆起コネクタ45のそれぞれは、ギャップ77の中の短い遮断を効果的にもたらす。
【0047】
ギャップ77は、ベース組立体14の鉛直方向断面で観察すると、鉛直部分77a(
図10参照)及び水平部分77b(同様に
図10参照)として構成することができる。ギャップ77の鉛直部分77aは、バッフルプレート70の外周74と電極40の側壁44の内側表面48とによって画定される。
図10に見られる断面において観察すると、鉛直部分77aは、Y軸に沿って細長いが、X軸に沿って制限される。そのため、処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物の鉛直方向流は、ギャップ77の鉛直部分77a内で促進される。しかし、鉛直部分77aの中のいずれの水平流も厳しく制限される。ギャップの水平部分77bは、電極40の窪んだ床42及びバッフルプレート70の底部表面78によって画定される。ギャップ77の水平部分77bは、特に、側壁44の内側表面48から電極40の内周49へ内側方向に、電極40とバッフルプレート70との間の内部空間97に実質的に対応することができる。鉛直部分77aと対照的に、ギャップ77の水平部分77bは、鉛直なY軸にではなく、水平なX軸に沿って細長い(
図10の断面でみたときにおいて)。そのため、ギャップ77の水平部分77bにおける処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物の流れは、X軸に沿って促進されるが、鉛直のY軸に沿って厳しく制限される。
【0048】
ギャップ77の寸法は、ベース組立体14を通る処理ガスとプラズマとの流れを変更するように構成することができる。例えば、ギャップ77の(バッフルプレート70から電極40までの)0.5mm~2mmの幅を、処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物の流れを抑えるために小さくすることができ、一方、ギャップ77の幅を、処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物の流れを増やすために大きくすることができる。ギャップ77の縦方向の寸法は、同様の効果のために構成することができる。
【0049】
リフト機構30は、最も下のリフトプレート31の底部表面がバッフルプレート70の上側表面72と電極40の隆起角部88の上側表面とに接触している状態で、バッフルプレート70及び/又は電極40に結合される。リフト機構30の角部は、隆起角部88の凸状縁89とバッフルプレート70の外周74の凹状縁76との間で画定された空間を覆う。中央の開口35は、リフト機構30内で画定され、ワークホルダー22を少なくとも部分的に収容するように構成される。
【0050】
チャンバベース50の下で、真空プレート60の側壁66の上側表面68は、チャンバベース50の底部表面82に結合する。真空空間64は、チャンバベース50の底部表面82、側壁66の内側表面67、及び真空プレート60の床65によって画定される。真空空間64は、通路54のうちの一以上を介してチャネル58から処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物を受容するように構成される。真空プレート60の床65は、真空ポンプ61に対する、真空空間64の中の処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物の流れを可能にするポート63(例えば、単一のポート63のみ)を有して構成される。
【0051】
図5Aと
図5Bとを特に参照すると、ベース組立体14の角部の拡大図が示される。
図5Aは、実質的に上面図を示し、
図5Bは斜視図を示す。
図5Aと
図5Bとは、少なくともギャップ77を画定するバッフルプレート70と電極40との間の離間した関係を明確に示すために少なくとも部分的に提供される。例えば、
図5Aと
図5Bとは、ギャップ77の(例えば、バッフルプレート70の中心に対する)内側表面がバッフルプレート70の外周74によって画定されることを示す。ギャップ77の外側表面は、電極40の側壁44の内側表面48によって画定される。
図5Aは、隆起コネクタ45のうちの2つ、及び、この特定の隆起コネクタ45が、隆起した角部によってもたらされるギャップ77の中の遮断を増大させることを更に示す。電極Oリング90又は他のタイプのシール要素は、電極40の側壁44の上側表面に位置する。電極Oリング90は、蓋組立体12の一以上の構成部品とのシールを少なくとも部分的に作成する。チャンバベースOリング86又は他のタイプのシール要素は、チャンバベース50の側壁51の上側表面52に位置する。チャンバベースOリング86は、蓋組立体12の対の片方の表面とのシールを少なくとも部分的に作成する。
【0052】
図6を特に参照すると、電極40とチャンバベース50との上面図が示される。
図6は、電極40とチャンバベース50との相対的な位置決めを少なくとも部分的に示す。(示す)電極40の左下角は参照文字Aでマーク付けされ、電極40の右上角は参照文字Bでマーク付けされる。(示す)チャンバベース50の左下角は参照文字A’でマーク付けされ、チャンバベース50の右上角は参照文字B’でマーク付けされる。電極40とチャンバベース50とが結合されると、A及びBとマーク付けされた電極40の角は、A’及びB’とマーク付けされたチャンバベース50の角にそれぞれ整列する。
図6は、チャンバベース50の内部空間83を周囲環境に対して開放するボア96を更に示す。
【0053】
図7を特に参照すると、電極40の上面図が示される。
図7は、影で示されるチャンバベース50のチャネル58と通路54とを更に示して、チャンバベース50がベース組立体14内で電極40の下に位置することを反映する。図示するように、電極40は4つの通路46を有して構成され、チャンバベース50は同様に、4つの通路54を有して構成される。チャネル58は、チャネル58の真上の通路46の位置に実質的に対応するように位置決めされる。そのため、電極40の内部空間97の中の真空で引き込まれた処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物は、通路46を通り、チャネル58の中に下に移動する。チャネル58に入ると、また、電極40の通路46とチャンバベース50の通路54との間の相対オフセットによって、処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物は、チャネル58内で、時計回りに及び/又は反時計回りに(チャンバベース50の上面図による)流れなければならない。
【0054】
図7は同様に、電極40の通路46の例示的な間隔、チャンバベース50の通路54の例示的な間隔、及び電極40の通路46とチャンバベース50の通路54との例示的な相対オフセットを示す。これらの例において、電極40の通路46は、90度間隔で均等に離間する。チャンバベース50の通路54は同様に、90度間隔で均等に離間する。電極40の通路46とチャンバベース50の通路54との間の相対オフセットは45度である。例えば、通路54aと通路54bとは、通路46aに最も近い通路54である。通路54a及び54bのそれぞれは、通路46aから45度だけオフセットする。
【0055】
図8は、真空プレート60、チャンバベース50、電極40、及びバッフルプレート70の鉛直方向分解斜視図を示す。
図8は、ベース組立体14を通る、真空で引き込まれた処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物の例示的な流路98を更に示す。最初に、処理ガス及びプラズマは、形成されたチャンバの処理空間の中にある。処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物は、処理空間からギャップ77(
図8では明示的に示さない)を通って流れ、ここでは、バッフルプレート70の外周74における流路98の下方転回で示される。処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物は、ギャップ77を通り、窪んだ床42とバッフルプレート70の底部表面78との間の内部空間97に流れる。内部空間97の低い鉛直プロファイルのために、流路98は、全体的に横方向に強制される。この例において、処理ガスとプラズマとは、電極40の示す通路46に対して横に、そして、通路46を通して下方にチャンバベース50のチャネル58まで流れる。チャネル58内で、処理ガスとプラズマとは、時計回り方向、反時計回り方向、又はその組み合わせの方向に流れることができる。示す例において、流路98の少なくとも一部分は、チャンバベース50の示す通路54に向かって反時計回りに移動する。通路54を流れて、処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物は、チャンバベース50の底部表面82、側壁66の内側表面67、及び真空プレート60の床65によって画定された真空空間64の中に引き込まれる。真空空間64の中の処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物は、真空ポンプ61によって、最初に真空プレート60の中のポート63を通り、次に、真空導管62を通って引き込まれる。
【0056】
少なくとも部分的にそのように構成されるベース組立体14、及び、そこを通る、結果として得られる流路(例えば、流路98)は、ともに引き寄せられた蓋組立体12とベース組立体14とによって形成される処理空間及び/又はチャンバの改善された流れ特性に寄与することができる。例えば、改善された流れ特性は、処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物が処理空間からベース組立体14の中にかつそこを通って真空で引き込まれるとき等に、処理ガス、プラズマ、及び他のプラズマ副産物の流れの改善された均一性を含むことができる。さらに、本開示に従って少なくとも部分的に構成されるベース組立体14は、排気用の単一経路のせいで普通なら必要とされることになるよりも少数の真空シールを可能にすることができる。さらに、そのように少なくとも部分的に構成されるベース組立体14は、真空プレート60にわたって真空を分配することによって、真空空間64を排気する単一ポートアクセス(例えば、ポート63)の使用を可能にし、途切れない多枝管として働く。
断熱式(thermally insulated)ワークホルダー
【0057】
同様の参照符号が図において同様の特徴を指す
図9と
図10とを参照すると、断熱式ワークホルダー組立体(例えば、チャック)が、ここで、少なくとも部分的に述べられるものとする。プラズマ処理システム10のそのような態様の説明は、このサブセクションに限定されない。断熱式ワークホルダー組立体に関するプラズマ処理システム10の、同じ、更なる、及び代替の態様は、本開示全体を通して見出だすことができる。
【0058】
図9は、ベース組立体14の斜視断面図を示す。
図10は、ベース組立体14の一部分の拡大斜視断面図を示す。
【0059】
ワークホルダー組立体20とベース組立体14の近接構成部品とは、ワークホルダー組立体20をベース組立体14の他の近接構成部品から個々に及びひとまとめに熱的に分離するように構成される。すなわち、ワークホルダー組立体20とベース組立体14の近接構成部品とは、ワークホルダー組立体20からベース組立体14の近接部分への熱伝達を最小にするように構成される。例えば、ワークホルダー組立体20は、ワークホルダー22、熱をワークホルダー22に提供するように構成される一以上の加熱要素25、及び、ワークホルダー22以外のベース組立体14の他の構成部品に対する熱伝達を最小にするように構成される断熱体ピース104を備える。別の例として、ワークホルダー組立体20及びベース組立体14の近接構成部品は、ワークホルダー22とベース組立体14の近接構成部品との間のギャップ110を最小にするように個々に又はひとまとめに構成される。ギャップ110は、ワークホルダー22とベース組立体14の近接構成部品との間の熱的遮断を与える。
【0060】
加熱要素25は、例えば、一以上の抵抗加熱要素を備えることができる。加熱要素25は、ワークホルダー22と接触し、ワークホルダー22に対する熱伝達を行うために位置することができる。
図9と
図10とに示すワークホルダー組立体20において、加熱要素は、ワークホルダー22の中に部分的に埋め込まれ、それにより、加熱要素25の底部は、断熱体ピース104の上部表面105と同一面になる。加熱要素25をワークホルダー22の中に埋め込むことによって、ワークホルダー22に対する熱伝達は、他の構成部品に対する熱損失を最小にしながら、最大になる。例えば、ワークホルダー22は、加熱要素25の3つの側面(内側、外側、及び上部)からの加熱要素25からの熱を直接吸収する。加熱要素25は、一連の同心リングとして形成されるが、他の配置構成も企図される。ワークホルダー22は、ワークホルダー22の温度を測定するために、熱電対等の温度センサ102を備える。
【0061】
断熱体ピース104は、円形の加熱要素25を用いた交互配置構成の中に設けられるコネクタ99によってワークホルダー22に結合される。結合されると、断熱体ピース104は、断熱体ピース104の上部表面105によって、加熱要素25とワークホルダー22の底部とほぼ同一面をなすように係合した状態に保持される。断熱体ピース104は、ワークホルダー22と加熱要素25とに対する底部カバーとして役立つこともできる。幾つかの実施形態において、ワークホルダー組立体20は、断熱体ピース104の下に位置する別個のカバーを有して構成することができる。断熱体ピース104は、ワークホルダー組立体20とチャンバベース50との間の雰囲気圧力の内部空間83に温度センサ102を露出させる中央の開口113を有して構成される。断熱体は、少なくとも230℃に耐えるように構成することができる。断熱体ピース104は、約0.69W/mKの熱伝導率と約982℃の最大使用温度を有する雲母とから形成することができる。
【0062】
幾つかの実施形態において、コネクタ99は、金属クランプ等のクランプとすることができる。クランプは、ステンレス鋼で作られ、ロープロファイルを有することができる。クランプは、断熱体ピース104の下に位置することができる。3つのクランプを、1つの加熱要素25について設けることができるが、二以上の任意の数のクランプを使用して、各加熱要素25を留めることができる。各クランプは、2つの加熱要素25等、一以上の加熱要素25に及ぶこともできる。クランプは、加熱要素25とワークホルダー22との間の界面を改善し、それにより、ワークホルダー22に対する熱伝達の効率を改善することができる。したがって、加熱要素25のエネルギーと温度とを、ワークホルダー22の温度を達成するために下げることができる。
【0063】
ワークホルダー22は、ワークホルダー22がそれによって電極40に結合される外側のフランジ23を有して構成される。結合すると、フランジ23の上部表面109は、電極40の内周49の近くの電極40の底部表面108に直接接触しないが、底部表面108に近接する。そのような結合によって提供されるフランジ23の上部表面109と電極40の底部表面108との間の空間は、ワークホルダー22とベース組立体14の他の近接構成部品との間にギャップ110の水平部分を形成することができる。ワークホルダー22のフランジ23は、ボルトコネクタ等の一以上のコネクタを使用して、電極40に結合される。コネクタは、
図9と
図10とに示す断面では見えないが、上記コネクタ用のフランジ23と電極40の中の開口とが
図4に示される。
【0064】
Oリング107又は他のタイプのシール要素は、フランジ23の上部表面109と電極40の底部表面108との間に設けられる。Oリング107は、熱伝達を最小にするように構成される材料から作られる。コネクタ以外に、Oリング107は、ワークホルダー22と電極40との間の更なる接触点である。
図9と
図10とに示す実施形態において、そのような接触点は、コネクタとOリング107とのみに制限される。ワークホルダー22と電極40との間の熱伝達のための考えられる手段は、コネクタと第1のチャネルOリング94とに同様に制限される。そのため、コネクタと第1のチャネルOリング94とは、ワークホルダー22(及び全体としてワークホルダー組立体20)と電極40との間の熱伝達を最小にするように(位置決め、材料、サイズ等が)構成される。例えば、Oリング107は、実質的にフランジ23の外周に位置決めされ、それにより、加熱要素25から、最大距離に、ほぼ最大距離に、又は別様にかなりの距離に位置決めされる。
【0065】
ギャップ110は、鉛直の(又は、実質的に鉛直の)第1の部分110a及び水平の(又は、実質的に水平の)第2の部分110bを含む。水平の第2の部分110bは、フランジ23の上部表面109と電極40の底部表面108とに対応し、かつそれらによって画定される。ギャップ110の水平の第2の部分110bにおける遮断は、電極40とフランジ23との間の第1のチャネルOリング94とコネクタとによってもたらされる遮断に制限される。ギャップ110の水平の第2の部分110bは鉛直の第1の部分110aに連接する。
【0066】
鉛直の第1の部分110aは、ワークホルダー22の側面112に全体的に対応する。鉛直の第1の部分110aは、フランジ23とワークホルダー22の上側表面24との間でワークホルダー22の側面112に及ぶ。ギャップ110の鉛直の第1の部分110aは、ワークホルダー22の側面112によって少なくとも部分的に内側が画定される。鉛直の第1の部分110aの外側は、電極40の内周49によって少なくとも部分的に画定される。鉛直の第1の部分110aの外側は、バッフルプレート70の内周75によって更に少なくとも部分的に画定される。鉛直の第1の部分110aの外側は、リフト機構30のリフトプレート31の内周32によってなお更に少なくとも部分的に画定される。
【0067】
ギャップ110の鉛直の第1の部分110aは、フランジ23とワークホルダー22の上側表面24との間で鉛直方向に途切れず、遮断されない。ギャップ110の鉛直の第1の部分110aは、ワークホルダー22の側面112の周りに水平に途切れず、遮断されない。そのため、ギャップ110の鉛直の第1の部分110aは遮断されず、ワークホルダー22の側面112と(ワークホルダー組立体20自体の他の構成部品を除く)ベース組立体14の任意の他の構成部品との間に接触点が存在しない。
【0068】
冷却導管120は、電極40に埋め込まれ、冷却剤を流すように構成され、それにより、電極40の近接部分と他の構成部品とからの熱を吸収する。第1のチャネルOリング94とフランジ23と電極40との間のコネクタに近接する冷却導管120との位置決めは、ワークホルダー22からの熱伝達を更に抑制する。
【0069】
1つの実施形態において、プラズマ処理システム10は、複数のワークを処理するための作業空間を画定するエンクロージャに関連する。作業空間は大気圧に保持される。ワーク入力装置は、例えばロボットなど、外部からそのエンクロージャに複数のワークを受容するように構成される。プラズマ処理システム10等のプラズマ処理装置は、エンクロージャの中に位置決めされ、プラズマ処理装置の真空条件下でプラズマ処理を実施するように構成される。真空条件における圧力は大気圧より低い。搬送装置は、ワーク入力装置からワークを受け取り、ワークをプラズマ処理のためにプラズマ処理装置に位置決めするように構成される。エンクロージャはワークを受容するとき大気圧にあるが、エンクロージャのサイズは、印加される真空が、エンクロージャを迅速に排気し、それにより、真空条件を効果的に維持することができるほどに十分に小さい。
【0070】
本開示の一以上の態様に従って構成されるベース組立体14によって、多数の利点が実現される。例えば、ギャップ110の鉛直の第1の部分110aにわたる任意の直接接触点、したがって、同様に直接熱伝達をなくすこと、及び、ギャップ110の水平の第2の部分110bにわたる直接接触点をそれらのコネクタと第1のチャネルOリング94とに制限することによって、ワークホルダー組立体20の優れた熱的分離が達成される。加熱要素25と断熱体ピース104との構成は、熱的分離に更に寄与するとともに、加熱要素25からワークホルダー22へのより効率的な熱伝達を可能にする。熱的分離は、ベース組立体14の他の構成部品を、人間が触れても安全である温度に維持することができる。ベース組立体14の他の構成部品を、人間が触れても安全である接触安全(safe-to-touch)温度に維持することによって、ガード又は熱障壁についての必要性がなくされる又は低減され、作業者の安全が改善され、プラズマ処理システム10の設置面積が低減される。さらに、ベース組立体14の他の構成部品に対して少ない熱が喪失され、加熱要素25からワークホルダー22への熱伝達が改善されるため、加熱要素25に電力供給するために少ないエネルギーが必要とされ、したがって、作業コストを下げる。改善された熱的分離と熱伝達とは同様に、プラズマ処理システム10のための減少した昇温時間を与える。
電極のための液体冷却
【0071】
同様の参照符号が図において同様の特徴を指す
図9と
図10との並びで
図1を更に参照すると、電極の液体冷却に関するプラズマ処理システム10の態様が、ここで、少なくとも部分的に説明されるものとする。プラズマ処理システム10のそのような態様の説明は、このサブセクションに限定されない。電極の液体冷却に関するプラズマ処理システム10の、同じ、更なる、及び代替の態様は、本開示全体を通して見出だすことができる。
【0072】
図11は、ベース組立体14の斜視断面図を示す。
図11に示すベース組立体14は、ほぼ電極40において水平に(X-Z平面上で)切断される。そのため、
図11は、チャンバベース50のチャネル58につながる通路46を有して構成される電極40を示す。ワークホルダー22の側面112と電極40の内周49とが更に示される。
【0073】
電極40は、電極40の中に埋め込まれる冷却導管120を有して構成される。冷却導管120は、電極40の周囲を全体的に囲む。ベース組立体14の中の冷却導管120の鉛直(Y軸)位置は、ギャップ110の水平の第2の部分110bの鉛直位置にほぼ対応する。冷却導管120の鉛直位置は、第1のチャネルOリング94の鉛直位置に更にほぼ対応する。冷却導管は、電極40の4つの側面に対応する、第1の部分120a、第2の部分120b、第3の部分120c、及び第4の部分120dを有してそれぞれ構成される。
【0074】
冷却導管120は、冷却供給源38(
図2)によって給送される。水は、例えば、冷却剤として役立つことができるが、他のタイプの冷却剤を使用することもできる。電極40は、冷却供給源38から冷却剤を受容する冷却剤入口122を有して構成される。冷却剤は、冷却剤入口122を介して冷却導管120の第1の部分120aに渡される。それにより、冷却剤は、電極40を通って冷却導管120の中に流れる。冷却剤が冷却導管120を通って流れるため、冷却剤は、ワークホルダー組立体20の熱的分離を克服した任意の熱等の、電極40からの熱を吸収する。冷却剤は、処理空間内でのプラズマ生成と蓋組立体12の電極との電気伝導とによってもたらされる熱を更に吸収する。冷却導管120の場所は、Oリング107、第1のチャネルOリング94、及び第2のチャネルOリング92の近くでの熱伝達を更に抑制する。
【0075】
電極40は、冷却剤出口124を有して構成され、冷却剤出口124において、冷却導管120を通過した冷却剤が冷却導管120の第4の部分120dを出る。加熱された冷却剤は、冷却供給源38に戻り、冷却供給源38は、受け取った冷却剤から熱を消散させるために一以上のヒートシンク等を備えることができる。冷却供給源38は、冷却剤を再生利用して冷却導管120に戻す。
【0076】
液体冷却式の電極40を有して構成されるプラズマ処理システム10によって多数の利点が実現される。例えば、電極40を液体冷却することに関する開示の少なくとも幾つかの態様に従って構成されるプラズマ処理システム10は、プラズマ処理システム10が、普通なら可能であるよりコンパクトであることを可能にする。そのように構成されないシステムにおいて、加熱式ワークホルダーとシステムの構成部品との間により大きい空気空間が必要とされる。
ワーク冷却モニタリング
【0077】
同様の参照符号が図において同様の特徴を指す
図12と
図13とを参照すると、ワーク冷却モニタリングに関するワーク処理システム200の態様が、ここで、少なくとも部分的に説明されるものとする。ワーク処理システム200のそのような態様の説明は、このサブセクションに限定されない。ワーク冷却モニタリングに関するワーク処理システム200の、同じ、更なる、又は代替の態様は、本開示全体を通して見出だすことができる。
【0078】
図12は、ワーク226(例えば、
図1~
図10に関して説明したワーク26)に対してプラズマ処理を実施するように構成されるワーク処理システム200を示す。ワーク処理システム200は、ワーク226に対してプラズマ処理を実施するように構成されるプラズマ処理装置220を備える。プラズマ処理装置220は、
図1~
図10に関して説明したプラズマ処理システム10と同じ又は同様とすることができる。
【0079】
ワーク処理システム200は、装置、ステーション、ワーク格納部、又は搬送コンテナ等の間でワーク226を搬送するように構成される搬送装置250を更に備える。ワーク処理システム200は、温度センサ232を有して構成される冷却ステーション230を更に備える。冷却ステーション230は非加熱式冷却ステーションとすることができる。冷却ステーション230は、プラズマ処理されたワーク226(
図11において影で示す)を搬送装置250から受け取り、ワーク226が冷却するときのワーク226の温度を測定するように構成される。
【0080】
冷却ステーション230は、コントローラ240に通信可能に接続することができ、したがって、冷却ステーション230は、ワーク温度に関するメッセージをコントローラに送信することができる。明確に示すために
図11に示さないが、コントローラ240は、プラズマ処理装置220、搬送装置250、及び第2の装置260を含むワーク処理システム200の他の構成部品に通信可能に接続することができる。
【0081】
コントローラは、汎用コンピューター、専用コンピューター、他の形態のコンピューティング装置、ソフトウェア、又はその組み合わせとして実装することができる。いずれにしても、コントローラは、プロセッサ及びメモリを備える。メモリは、命令を記憶することができ、命令は、プロセッサによって実行されると、コントローラに、ワーク冷却をモニタリングすることに関する作業を含む、本明細書で述べる作業を実施するようにさせる。コントローラ240は、コンピューターネットワークインターフェースを含む一以上の通信インターフェースを更に備えることができる。コントローラ240は、キーボード、ポインティング装置、及びモニター等の、コントローラ240との人間相互作用を可能にする一以上の入力及び/又は出力装置を更に備えることができる。
【0082】
コントローラ240は、ワーク処理システム200の構成部品のうちの一以上と統合することができる。例えば、コントローラ240は、冷却ステーション230、プラズマ処理装置220、及び/又は搬送装置250と統合することができる。そのため、そのように構成される冷却ステーション230、プラズマ処理装置220、及び/又は搬送装置250は、少なくともワーク226を冷却することに関してワーク処理システム200の作業を管理し指示することができる。
【0083】
コントローラ240は、ワーク226の温度を記述する温度データ、及び、経過した冷却時間等の他の関連する態様を含むデータを冷却ステーション230から受信するように構成される。コントローラ240は、温度データを処理し、温度データに基づいて、ワーク226が十分に冷たく、かつ、関連する処理作業を進める準備ができているか否かを判定する。例えば、コントローラ240は、ワークが、別の装置、ステーション、コンテナ等に搬送されるべきと判定することができる。1つの例として、コントローラ240は、ワークの温度が閾温度値より低いか否かを判定することができる。低い場合、コントローラ240は、ワーク226の冷却が終了したと見なされるべきであることを示すメッセージを冷却ステーション230に送信することができる。または、ワーク226が閾温度値より低くないとコントローラ240が判定する場合、コントローラ240は、ワーク226が、更なる冷却のために冷却ステーション230に保持されるべきであることを示すメッセージを冷却ステーション230に送信することができる。
【0084】
ワーク処理システムは、ワークの更なる処理を実施するように構成される装置等の第2の装置260を更に備えることができる。ワーク処理システム200は、処理されたワーク226を受容するように構成される、フロントオープニングユニバーサル(又はユニファイド)ポッド(FOUP:Front Opening Universal Pod)及び機器フロントエンドモジュール(EFEM:Equipment Front End Module)等のワークコンテナ270を備える、又は、その他の方法でそれに関連する。
【0085】
図13は、冷却ステーション230等の冷却ステーションにおいてワーク冷却をモニタリングすることに関するフロー
図300である。ステップ310にて、ワーク(例えば、ワーク226)は、プラズマ処理プロセスを実施するように構成される装置(例えば、プラズマ処理装置220)に位置決めされる。それにより、プラズマ処理プロセスをワークに対して実施することができる。ステップ320にて、プラズマ処理プロセスの終了に続いて、ワークは、搬送装置250等によって、非加熱式冷却ステーションに位置決めされる。
【0086】
ステップ330にて、ワークの温度は、冷却ステーションに関連する温度センサ(例えば、温度センサ232)によって決定される。冷却ステーションは、例えば、温度センサを備えることができる。ワークの温度に基づいて、ワークの温度が閾温度値より低いと判定される。閾温度値は、例えば、ワークが更なる処理のために進めることができる最大温度とすることができる。温度が閾温度値より低いという判定を、冷却ステーションと通信状態にあるコントローラ(例えば、コントローラ240)が実施することができる。コントローラは、ワークの温度が閾温度値より低いか否かを示すメッセージを冷却ステーションに送信することができる。コントローラは、付加的に又は代替的に、搬送装置が冷却ステーションからワークを取り除くことを示すメッセージを搬送装置に送信することができる。
【0087】
ステップ340にて、温度が閾温度値より下がったと判定することに基づいて、ワークは冷却ステーションから離される。ワークは、例えば、搬送装置によって冷却ステーションから離すことができる。ワークは、その後、種々の種類の更なる処理のために第2の装置(例えば、第2の装置260)まで搬送することができる。付加的に又は代替的に、ワークは、格納又は他の搬送のために、コンテナ(例えば、ワークコンテナ270)の中に置くことができる。
【0088】
本明細書で述べるワーク冷却モニタリングに関する態様は多数の利点を提供する。例えば、そのような態様は、より速くかつ良好な品質の処理されたワークをもたらすワーク処理を提供する。例えば、所定の一定の冷却時間を使用する冷却ステーションは、ワークが、必要とされるよりも長い時間にわたって、冷却ステーションとともにあることを可能にする場合があり、それにより、スループット効率を減少させる。所定の一定の冷却時間を使用する冷却ステーションは同様に、ワークが、冷却ステーションから時期尚早に移動されるように合図する場合があり、それにより、不満足な品質のプラズマ処理されたワークの数を増加させる。
【0089】
本明細書と添付の特許請求の範囲とで用いる場合、定冠詞、不定冠詞で示される単数の用語は、文脈において明確な別段の指示がない限り、複数の対象物をも含む。本明細書において、「約」或る特定の値から及び/又は「約」別の特定の値までという範囲が示される場合がある。そのような範囲が示される場合、別の実施形態は、この或る特定の値から及び/又はこの別の特定の値を含む。同様に、頭に「約」が使用されることで値が近似値として示される場合、この特定の値は、別の実施形態を形成することが理解されよう。これらの範囲のそれぞれの端点は、他の端点と関連していても、他の端点と独立していても、有意であることが更に理解されよう。
【0090】
本明細書において値の範囲を列挙することは、本明細書において他に指示されない限り、その範囲の中に入る別々の各値を個々に参照する簡潔な方法としての役割を果たすことを意図するにすぎず、本明細書において個々に列挙されたかのように、別々の各値が本明細書に組み込まれる。本明細書において説明される全ての方法は、本明細書において他に指示されない限り、又は文脈によって明確に否定されない限り、任意の適切な順序において実行することができる。
【0091】
「選択の」又は「選択的に」は、その後に記載する事象又は状況が起こっても起こらなくてもよく、この記載は上記事象又は状況が起こる場合及び起こらない場合を含むことを意味する。
【0092】
本明細書の説明と特許請求の範囲全体とを通して、用語「備える」及びcomprising及びcomprisesのような当該用語の変形は、「...を含むが、それには限定されない」を意味し、また、例えば、他のコンポーネント、完全体、又は工程を排除することを意図されない。「例示的な」は「...の一例」を意味し、好ましい又は理想的な実施形態の指示を伝えることを意図されない。「等」は制限的な意味では使用されず、説明のためのものである。
【0093】
開示される方法及びシステムを実施するために使用することができるコンポーネントが開示される。これらの及び他のコンポーネントが、本明細書で開示され、また、これらのコンポーネントの組み合わせ、サブセット、相互作用、群等が開示されるとき、これらのコンポーネントの、それぞれの種々の個々の及び集合的な組み合わせ及び順序について具体的な言及を明示的に開示しない場合があるが、全ての方法及びシステムについて、それぞれが、本明細書で特に企図され述べられたことが理解される。これは、開示される方法の工程を含むが、それに限定されない本願の全ての態様に当てはまる。そのため、実施することができる種々の更なる工程が存在する場合、これらの更なる工程のそれぞれが、開示される方法の任意の特定の実施形態又は実施形態の組み合わせによって実施することができることが理解される。
【0094】
方法及びシステムは、好ましい実施形態及び特定の例に関連して述べられたが、本明細書の実施形態が制限的でなく例証的であることを全ての点で意図されるため、範囲が、述べた特定の実施形態に限定されることが意図されない。
【0095】
明示的に別段の定めのない限り、本明細書に示したいかなる方法も、その工程が或る特定の順序で実施されることが必要であるように解釈されるようには決して意図されていない。したがって、方法請求項が、その工程がたどるべき順序を実際に記載していないか、又は、特許請求の範囲若しくは明細書において、工程が特定の順序に限定されるべきであるということが別段具体的に言及されていない場合、いかなる点でも、順序が推測されることは決して意図されていない。これは、工程の又は動作フローの配置に関する論理上の事柄、文法上の構成又は句読法から導出される明白な意味、明細書に記載した実施形態の数又はタイプを含む、解釈に対する任意のあり得る非明示的な根拠に適用される。
【0096】
当業者であれば、権利範囲又は趣旨から逸脱することなく様々な変更形態及び変形形態を作成することができることが明らかとなろう。他の実施形態は、本明細書に開示する詳細及び実施を考慮することから当業者には明らかとなろう。明細書及び実施の形態は例示としてのみであって真の権利範囲及び趣旨は特許請求の範囲で示されることを意図している。