(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】無線デバイスによる無線通信用の分散型アンテナネットワーク
(51)【国際特許分類】
H04W 36/32 20090101AFI20240311BHJP
H04W 4/44 20180101ALI20240311BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20240311BHJP
H04W 36/30 20090101ALI20240311BHJP
H01Q 3/44 20060101ALI20240311BHJP
H01Q 13/20 20060101ALI20240311BHJP
H04B 7/022 20170101ALI20240311BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
H04W36/32
H04W4/44
H04W16/28
H04W36/30
H01Q3/44
H01Q13/20
H04B7/022
H04B7/06 100
(21)【出願番号】P 2021505304
(86)(22)【出願日】2019-07-09
(86)【国際出願番号】 US2019041053
(87)【国際公開番号】W WO2020027990
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2022-05-20
(32)【優先日】2018-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520347775
【氏名又は名称】ピヴォタル コムウェア インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ドイチュ ブライアン マーク
(72)【発明者】
【氏名】ヒッチェン シャノン リー
(72)【発明者】
【氏名】カッコ アレクサンダー レムリー
【審査官】三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-207626(JP,A)
【文献】特表2013-539949(JP,A)
【文献】特開2014-075788(JP,A)
【文献】特表2014-531826(JP,A)
【文献】特開2007-306273(JP,A)
【文献】特開2010-226457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
H01Q 3/44
H01Q 13/20
H04B 7/022
H04B 7/06
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介した通信を遠隔的に提供するためのシステムであって、
非固定型で複数のユーザによって使用される
遠隔位置にある複数の無線デバイスとの無線双方向通信を提供するように動作可能な固定型の複数の表面散乱アンテナと、
ネットワークコンピュータと、
を備え、前記ネットワークコンピュータは、
命令を格納するためのメモリと、
1又は2以上のプロセッサと、
を含み、前記1又は2以上のプロセッサは、前記命令を実行して、
複数のユーザによって使用される前記複数の無線デバイスと双方向に伝達される無線信号を検出するために前記複数の
表面散乱アンテナのうちの1又は2以上を用いることと、
前記複数の無線デバイスの少なくとも一部との最適な無線双方向通信を現在位置で提供するようにアンテナを選択するように、前記検出された無線信号の複数の特性と、前記1又は2以上のアンテナの性能とを用いることと、
各無線デバイスのタイプ、前記複数の無線デバイスの一部の1又は2以上を運ぶ各乗り物の速度、前記複数の無線デバイスの一部の1又は2以上を運ぶ歩行者の位置、前記検出された無線信号との現在の干渉、前記選択されたアンテナの現在の負荷及び前記ネットワークの現在の負荷を含む前記検出された無線信号の複数の特性に基づいて、前記選択されたアンテナによって前記複数の無線デバイスのうちの1又は2以上の一部との無線双方向通信を提供するために1又は2以上の波形を動的に決定することであって、前記決定された波形は、前記選択されたアンテナが前記複数の無線デバイスの1又は2以上の一部に双方向で伝達する無線信号の形状、位相、又は方向のうちの1又は2以上を調整するものである、動的に決定することと、
1又は2以上の他の選択されたアンテナと前記選択されたアンテナ上の前記現在の負荷のバランスをとるために前記1又は2以上の他の選択されたアンテナと前記複数の無線デバイスの1又は2以上の他の一部との間で無線双方向通信を提供するように、1又は2以上の動的に決定された他の波形を採用することと、
各選択されたアンテナにおける現在の負荷と各他の選択されたアンテナの現在の負荷との間の第1の負荷のバランス、各無線デバイスによって各選択された又は他の選択されたアンテナを用いて双方向に伝達されるデータの量のための第2の負荷のバランス、各選択された又は他の選択されたアンテナを用いて双方向に伝達することが可能とされた複数の無線デバイスの間の第3の負荷のバランス、又は、各選択された又は他の選択されたアンテナの負荷性能の間の第4の負荷のバランスのうちの1又は2以上を提供するように、各選択されたアンテナのための1又は2以上の動的に決定された波形及び各他の選択されたアンテナのための前記1又は2以上の他の動的に決定された波形を修正することと、
を含む、アクションを遂行する通信プラットフォームエンジンのインスタンスを作成すること、
を含むアクションを遂行する、
システム。
【請求項2】
前記1又は2以上の無線デバイスは、船舶、航空機、列車、トラック、バス、自動車、オートバイ、又は自転車を含むタイプの乗り物に位置する前記1又は2以上のユーザによって使用される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
新しい現在位置で前記1又は2以上の無線デバイスとの無線双方向通信を提供するために、前記複数の
表面散乱アンテナのうちの別のものを選択すること、
前記1又は2以上の無線デバイスに対して前記新しい現在位置で最適な無線双方向通信を提供するために、別の波形を決定すること、
前記決定された波形を用いて、前記別のアンテナと前記1又は2以上の無線デバイスとの間の無線双方向通信を改善することであって、前記別の決定された波形は、前記別のアンテナが双方向に伝達する無線信号の形状又は方向のうちの1又は2以上を定めること、
をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記アンテナを選択することは、前記現在位置に先に位置したことのある他の無線デバイスに関する経験的知識、アンテナ特性、距離、1又は2以上の乗り物内に位置する前記1又は2以上の他の無線デバイスの移動速度、事象、負荷バランス情報、前記複数の
表面散乱アンテナのトポロジ、飛行計画、航路、高速道路地図、鉄道線路地図、ハイキングコース、全地球測位システム(GPS)情報、前記選択されたアンテナが伝達した前記無線信号との先に検出された干渉、天候、メンテナンス事象、又は他の第三者の情報を含む、他の情報に基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
各波形の前記決定は、1又は2以上のクラウドシステム又はエッジコンピューティングデバイスで遠隔的に行われ、各選択されたアンテナによって提供される前記無線信号の構成は、それぞれ対応する決定された波形に基づいて局所的に行われる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
選択されたアンテナが双方向に伝達する前記無線信号の干渉を決定すること、
前記選択されたアンテナに対して、前記決定された1又は2以上の波形に対する調整を決定して、前記決定された干渉を補償すること、
前記1又は2以上の調整された波形を用いて、前記選択されたアンテナが双方向に伝達する前記無線信号の干渉を補償すること、
前記決定された干渉と、前記選択されたアンテナに対して前記決定された1又は2以上の波形に与えられた前記調整とを特定するレポートを提供すること、
とをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
乗り物が移動すると見込まれる進路上の1又は2以上の位置に対して各アンテナを事前選択すること、歩行者の無線デバイスが位置すると見込まれる位置で無線通信を提供するために各アンテナを事前選択すること、選択された各アンテナに与えられる各決定された波形を事前選択すること、アンテナのメンテナンス推奨事項、アンテナのアップグレード推奨事項、物理環境のメンテナンス推奨事項、選択されたアンテナによって特定の日、時間又は事象のために或る物理的な位置で提供される無線通信に関する負荷の予測を含む、1又は2以上のアクションを遂行するために使用される、1又は2以上のモデル、予測、又は推奨事項を提供するために、1又は2以上の機械学習エンジンを用いることをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の表面散乱アンテナは、ホログラフィックメタサーフェスアンテナ(HMA)である、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
ネットワークを介した通信を遠隔的に提供するための方法であって、1又は2以上のプロセッサを含むネットワークコンピュータが、
複数のユーザが使用する1又は2以上の
非固定型の複数の無線デバイスによって伝達される無線双方向信号を検出するために複数の
固定型のアンテナのうちの1又は2以上を用いるステップと、
現在位置で前記1又は2以上の無線デバイスの少なくとも一部との最適な無線双方向通信を提供するようにアンテナを選択するように、前記検出された無線信号の複数の特性と、前記複数の
固定型のアンテナの性能とを用いるステップと、
各無線デバイスのタイプ、前記複数の無線デバイスの一部の1又は2以上を運ぶ各乗り物の速度、前記複数の無線デバイスの一部の1又は2以上を運ぶ歩行者の位置、前記検出された無線信号との現在の干渉、前記選択されたアンテナの現在の負荷及び前記ネットワークの現在の負荷を含む前記検出された無線信号の複数の特性に基づいて、前記選択されたアンテナによって前記複数の無線デバイスのうちの1又は2以上の一部との無線双方向通信を提供するために1又は2以上の波形を動的に決定するステップであって、前記1又は2以上の決定された波形は前記選択されたアンテナが前記複数の無線デバイスの1又は2以上の一部に双方向で伝達する無線信号の形状、位相、又は方向のうちの1又は2以上を調整する、動的に決定するステップと、
1又は2以上の他の選択されたアンテナと前記選択されたアンテナ上の前記現在の負荷のバランスをとるために前記1又は2以上の他の選択されたアンテナと前記複数の無線デバイスの1又は2以上の他の一部との間で無線双方向通信を提供するように、1又は2以上の動的に決定された他の波形を採用するステップと、
各選択されたアンテナにおける現在の負荷と各他の選択されたアンテナの現在の負荷との間の第1の負荷のバランス、各無線デバイスによって各選択された又は他の選択されたアンテナを用いて双方向に伝達されるデータの量のための第2の負荷のバランス、各選択された又は他の選択されたアンテナを用いて双方向に伝達することが可能とされた複数の無線デバイスの間の第3の負荷のバランス、又は、各選択された又は他の選択されたアンテナの負荷性能の間の第4の負荷のバランスのうちの1又は2以上を提供するように、各選択されたアンテナのための1又は2以上の動的に決定された波形及び各他の選択されたアンテナのための前記1又は2以上の他の動的に決定された波形を修正するステップと、
を含む、アクションを遂行する通信プラットフォームエンジンのインスタンスを作成するステップを含む、前記方法のアクションを遂行するための命令を実行する、方法。
【請求項10】
前記1又は2以上の無線デバイスは、船舶、航空機、列車、トラック、バス、自動車、オートバイ、又は自転車を含むタイプの乗り物に位置する前記1又は2以上のユーザによって使用される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記1又は2以上の無線デバイスとの無線双方向通信を新しい現在位置で提供するために、前記複数の
固定型のアンテナのうちの別のものを選択するステップと、
前記1又は2以上の無線デバイスに対して前記新しい現在位置で最適な無線双方向通信を提供するために、別の波形を決定するステップと、
前記決定された波形を用いて、前記別のアンテナと前記1又は2以上の無線デバイスとの間の無線双方向通信を改善するステップであって、前記別の決定された波形は前記別のアンテナが双方向に伝達する無線信号の形状又は方向のうちの1又は2以上を定めるステップと、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記アンテナを選択するステップは、前記現在位置に先に位置したことのある他の無線デバイスに関する経験的知識、アンテナ特性、距離、1又は2以上の乗り物内に位置する前記1又は2以上の他の無線デバイスの移動速度、事象、負荷バランス情報、前記複数の
固定型のアンテナのトポロジ、飛行計画、航路、高速道路地図、鉄道線路地図、ハイキングコース、全地球測位システム(GPS)情報、前記選択されたアンテナが伝達した前記無線信号との以前検出された干渉、天候、メンテナンス事象、又は他の第三者の情報を含む、他の情報に基づく、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
各波形の前記決定は、1又は2以上のクラウドシステム又はエッジコンピューティングデバイスで遠隔的に行われ、各選択されたアンテナによって提供される前記無線信号の構成は、それぞれ対応する決定された波形に基づいて局所的に行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記選択されたアンテナが双方向に伝達する前記無線信号の干渉を決定するステップと、
前記選択されたアンテナに対して、前記1又は2以上の決定された波形に対する調整を決定して、前記決定された干渉を補償するステップと、
前記1又は2以上の調整された波形を用いて、前記選択されたアンテナが双方向に伝達する前記無線信号の干渉を補償するステップと、
前記決定された干渉と、前記選択されたアンテナに対して前記1又は2以上の決定された波形に与えられた前記調整とを特定するレポートを提供するステップと、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
乗り物が移動すると見込まれる進路上の1又は2以上の位置に対して各アンテナを事前選択すること、歩行者の無線デバイスが位置すると見込まれる位置で無線通信を提供するために各アンテナを事前選択すること、選択された各アンテナに与えられる各決定された波形を事前選択すること、アンテナのメンテナンス推奨事項、アンテナのアップグレード推奨事項、物理環境のメンテナンス推奨事項、選択されたアンテナによって特定の日、時間又は事象のために或る物理的な位置で提供される無線通信に関する負荷の予測を含む、1又は2以上のアクションを遂行するために使用される、1又は2以上のモデル、予測、又は推奨事項を提供するために、1又は2以上の機械学習エンジンを用いるステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の
固定型のアンテナは、ホログラフィックメタサーフェスアンテナ(HMA)である、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
ネットワークを介した通信を遠隔的に提供するためのネットワークコンピュータであって、
命令を格納するためのメモリと、
1又は2以上のプロセッサと、
を含み、前記1又は2以上のプロセッサは、前記命令を実行して、
複数のユーザによって使用される
非固定型の複数の無線デバイスが伝達する無線双方向信号を検出するために複数の固定型のアンテナのうちの1又は2以上を用いることと、
前記1又は2以上の無線デバイスの少なくとも一部との最適な無線双方向通信を現在位置で提供するようにアンテナを選択するように、前記検出された無線信号の複数特性と、複数の
固定型のアンテナの性能とを用いることと、
各無線デバイスのタイプ、前記複数の無線デバイスの一部の1又は2以上を運ぶ各乗り物の速度、前記複数の無線デバイスの一部の1又は2以上を運ぶ歩行者の位置、前記検出された無線信号との現在の干渉、前記選択されたアンテナの現在の負荷及び前記ネットワークの現在の負荷を含む前記検出された無線信号の複数の特性に基づいて、前記選択されたアンテナによって前記複数の無線デバイスのうちの1又は2以上の一部との無線双方向通信を提供するために1又は2以上の波形を動的に決定することであって、前記1又は2以上の決定された波形は、前記選択されたアンテナが双方向で前記複数の無線デバイスの1又は2以上の一部に双方向で伝達する無線信号の形状、位相、又は方向のうちの1又は2以上を調整するものである、動的に決定することと、
1又は2以上の他の選択されたアンテナと前記選択されたアンテナ上の前記現在の負荷のバランスをとるために前記1又は2以上の他の選択されたアンテナと前記複数の無線デバイスの1又は2以上の他の一部との間で無線双方向通信を提供するように、1又は2以上の動的に決定された他の波形を採用することと、
各選択されたアンテナにおける現在の負荷と各他の選択されたアンテナの現在の負荷との間の第1の負荷のバランス、各無線デバイスによって各選択された又は他の選択されたアンテナを用いて双方向に伝達されるデータの量のための第2の負荷のバランス、各選択された又は他の選択されたアンテナを用いて双方向に伝達することが可能とされた複数の無線デバイスの間の第3の負荷のバランス、又は、各選択された又は他の選択されたアンテナの負荷性能の間の第4の負荷のバランスのうちの1又は2以上を提供するように、各選択されたアンテナのための1又は2以上の動的に決定された波形及び各他の選択されたアンテナのための前記1又は2以上の他の動的に決定された波形を修正することと、
を含む、アクションを遂行する通信プラットフォームエンジンのインスタンスを作成すること、
を含むアクションを遂行する、ネットワークコンピュータ。
【請求項18】
前記1又は2以上の無線デバイスは、船舶、航空機、列車、トラック、バス、自動車、オートバイ、又は自転車を含むタイプの乗り物に位置する前記1又は2以上のユーザによって使用される、請求項17に記載のネットワークコンピュータ。
【請求項19】
新しい現在位置で前記1又は2以上の無線デバイスとの無線双方向通信を提供するために、前記複数の
固定型のアンテナのうちの別のものを選択すること、
前記1又は2以上の無線デバイスに対して前記新しい現在位置で最適な無線双方向通信を提供するために、別の波形を決定すること、
前記決定された波形を用いて、前記別のアンテナと前記1又は2以上の無線デバイスとの間の無線双方向通信を改善することであって、前記別の決定された波形は、前記別のアンテナが双方向に伝達する無線信号の形状又は方向のうちの1又は2以上を定めること、
をさらに含む、請求項17に記載のネットワークコンピュータ。
【請求項20】
前記アンテナを選択することは、前記現在位置に先に位置したことのある他の無線デバイスに関する経験的知識、アンテナ特性、距離、1又は2以上の乗り物内に位置する前記1又は2以上の他の無線デバイスの移動速度、事象、負荷バランス情報、前記複数の
固定型のアンテナのトポロジ、飛行計画、航路、高速道路地図、鉄道線路地図、ハイキングコース、全地球測位システム(GPS)情報、前記選択されたアンテナが伝達した前記無線信号との先に検出された干渉、天候、メンテナンス事象、又は他の第三者の情報を含む、他の情報に基づく、請求項17に記載のネットワークコンピュータ。
【請求項21】
各波形の前記決定は、1又は2以上のクラウドシステム又はエッジコンピューティングデバイスで遠隔的に行われ、各選択されたアンテナによって提供される前記無線信号の構成は、それぞれ対応する決定された波形に基づいて局所的に行われる、請求項17に記載のネットワークコンピュータ。
【請求項22】
選択されたアンテナが双方向に伝達する前記無線信号の干渉を決定すること、
前記選択されたアンテナに対して、前記1又は2以上の決定された波形に対する調整を決定して、前記決定された干渉を補償すること、
前記1又は2以上の調整された波形を用いて、前記選択されたアンテナが双方向に伝達する前記無線信号の干渉を補償すること、
前記決定された干渉と、前記選択されたアンテナに対して前記1又は2以上の決定された波形に与えられた前記調整とを特定するレポートを提供すること、
とをさらに含む、請求項17に記載のネットワークコンピュータ。
【請求項23】
乗り物が移動すると見込まれる進路上の1又は2以上の位置に対して各アンテナを事前選択すること、歩行者の無線デバイスが位置すると見込まれる位置で無線通信を提供するために各アンテナを事前選択すること、選択された各アンテナに与えられる各決定された波形を事前選択すること、アンテナのメンテナンス推奨事項、アンテナのアップグレード推奨事項、物理環境のメンテナンス推奨事項、選択されたアンテナによって特定の日、時間又は事象のために或る物理的な位置で提供される無線通信に関する負荷の予測を含む、1又は2以上のアクションを遂行するために使用される、1又は2以上のモデル、予測、又は推奨事項を提供するために、1又は2以上の機械学習エンジンを用いることをさらに含む、請求項17に記載のネットワークコンピュータ。
【請求項24】
ネットワークを介した通信を遠隔的に提供するための命令を含むコンピュータ可読非一時的媒体であって、1又は2以上のプロセッサを含むネットワークコンピュータが、
複数のユーザによって使用される
非固定型の複数の無線デバイスによって伝達される無線双方向信号を検出するために複数の
固定型のアンテナのうちの1又は2以上を用いるステップと、
現在位置で複数の無線デバイスの少なくとも一部との最適な無線双方向通信を提供するようにアンテナを選択するように、前記検出された無線信号の複数の特性と、前記複数の
固定型のアンテナの性能とを用いるステップと、
各無線デバイスのタイプ、前記複数の無線デバイスの一部の1又は2以上を運ぶ各乗り物の速度、前記複数の無線デバイスの一部の1又は2以上を運ぶ歩行者の位置、前記検出された無線信号との現在の干渉、前記選択されたアンテナの現在の負荷及び前記ネットワークの現在の負荷を含む前記検出された無線信号の複数の特性に基づいて、前記選択されたアンテナによって前記複数の無線デバイスのうちの1又は2以上の一部との無線双方向通信を提供するために1又は2以上の波形を動的に決定するステップであって、前記1又は2以上の決定された波形は前記選択されたアンテナが前記複数の無線デバイスの1又は2以上の一部に双方向で伝達する無線信号の形状、位相、又は方向のうちの1又は2以上を調整する、動的に決定するステップと、
1又は2以上の他の選択されたアンテナと前記選択されたアンテナ上の前記現在の負荷のバランスをとるために前記1又は2以上の他の選択されたアンテナと前記複数の無線デバイスの1又は2以上の他の一部との間で無線双方向通信を提供するように、1又は2以上の動的に決定された他の波形を採用するステップと、
各選択されたアンテナにおける現在の負荷と各他の選択されたアンテナの現在の負荷との間の第1の負荷のバランス、各無線デバイスによって各選択された又は他の選択されたアンテナを用いて双方向に伝達されるデータの量のための第2の負荷のバランス、各選択された又は他の選択されたアンテナを用いて双方向に伝達することが可能とされた複数の無線デバイスの間の第3の負荷のバランス、又は、各選択された又は他の選択されたアンテナの負荷性能の間の第4の負荷のバランスのうちの1又は2以上を提供するように、各選択されたアンテナのための1又は2以上の動的に決定された波形及び各他の選択されたアンテナのための前記1又は2以上の他の動的に決定された波形を修正するステップと、
を含む、アクションを遂行する通信プラットフォームエンジンのインスタンスを作成するステップ、
を含む、アクションを遂行するための命令を実行する、コンピュータ可読非一時的媒体。
【請求項25】
前記1又は2以上の無線デバイスは、船舶、航空機、列車、トラック、バス、自動車、オートバイ、又は自転車を含むタイプの乗り物に位置する前記1又は2以上のユーザによって使用される、請求項24に記載の媒体。
【請求項26】
前記1又は2以上の無線デバイスとの無線双方向通信を新しい現在位置で提供するために、前記複数の
固定型のアンテナのうちの別のものを選択するステップと、
前記1又は2以上の無線デバイスに対して前記新しい現在位置で最適な無線双方向通信を提供するために、別の波形を決定するステップと、
前記決定された波形を用いて、前記別のアンテナと前記1又は2以上の無線デバイスとの間の無線双方向通信を改善するステップであって、前記別の決定された波形は前記別のアンテナが双方向に伝達する無線信号の形状又は方向のうちの1又は2以上を定めるステップと、
をさらに含む、請求項24に記載の媒体。
【請求項27】
前記アンテナを選択するステップは、前記現在位置に先に位置したことのある他の無線デバイスに関する経験的知識、アンテナ特性、距離、1又は2以上の乗り物内に位置する前記1又は2以上の他の無線デバイスの移動速度、事象、負荷バランス情報、前記複数の
固定型のアンテナのトポロジ、飛行計画、航路、高速道路地図、鉄道線路地図、ハイキングコース、全地球測位システム(GPS)情報、前記選択されたアンテナが伝達した前記無線信号との以前検出された干渉、天候、メンテナンス事象、又は他の第三者の情報を含む、他の情報に基づく、、請求項24に記載の媒体。
【請求項28】
各波形の前記決定は、1又は2以上のクラウドシステム又はエッジコンピューティングデバイスで遠隔的に行われ、各選択されたアンテナによって提供される前記無線信号の構成は、それぞれ対応する決定された波形に基づいて局所的に行われる、請求項24に記載の媒体。
【請求項29】
前記選択されたアンテナが双方向に伝達する前記無線信号の干渉を決定するステップと、
前記選択されたアンテナに対して、前記1又は2以上の決定された波形に対する調整を決定して、前記決定された干渉を補償するステップと、
前記1又は2以上の調整された波形を用いて、前記選択されたアンテナが双方向に伝達する前記無線信号の干渉を補償するステップと、
前記決定された干渉と、前記選択されたアンテナに対して前記1又は2以上の決定された波形に与えられた前記調整とを特定するレポートを提供するステップと、
をさらに含む、請求項24に記載の媒体。
【請求項30】
乗り物が移動すると見込まれる進路上の1又は2以上の位置に対して各アンテナを事前選択すること、歩行者の無線デバイスが位置すると見込まれる位置で無線通信を提供するために各アンテナを事前選択すること、選択された各アンテナに与えられる各決定された波形を事前選択すること、アンテナのメンテナンス推奨事項、アンテナのアップグレード推奨事項、物理環境のメンテナンス推奨事項、選択されたアンテナによって特定の日、時間又は事象のために或る物理的な位置で提供される無線通信に関する負荷の予測を含む、1又は2以上のアクションを遂行するために使用される、1又は2以上のモデル、予測、又は推奨事項を提供するために、1又は2以上の機械学習エンジンを用いるステップをさらに含む、請求項24に記載の媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ネットワーク・オペレーション・センタ(NOC)と複数の無線デバイスとの間に無線通信を可能にするために、地上の位置に分散配置されたアンテナネットワークを使用することに関する。さらに、一部の実施形態では、アンテナは、歩行者及び/又は乗客が使用する無線デバイスの無線通信を提供するために、歩行者の既知の物理的位置に対応する位置に、及び/又は、地表で及び/又は上空の大気圏内で乗客を運ぶ1又は2以上の種類の乗り物のための進路に分散配置される。
【背景技術】
【0002】
携帯電話デバイスなどの無線デバイスは、世界的に無線通信の主要な様式となっている。最初には、携帯デバイスは、無線通信ネットワークにより、音声通信、テキストメッセージ、及び多少制限されたインタネットアクセスを提供することができた。しかしながら、より新しい世代の無線通信ネットワークは、携帯デバイスのユーザに実質的により多くのサービスを提供するに足りるだけ、帯域幅が拡大され、待ち時間が低減されている。これらのサービスとしては、製品の購入、請求書の支払い、映画のストリーミング、ビデオゲームのプレイ、オンライン学習、デートなどを挙げることができる。また、無線通信ネットワークの各新世代に関して、その無線信号の周波数及び強度は、携帯デバイスにより少ない待ち時間でより多くの帯域幅を提供するため、一般に高められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
残念ながら、多くの場合、これらの新世代の無線通信ネットワークに対する無線デバイスのアクセスは、歩行者或いは航空機、船舶、列車、自動車、又はバスなどの乗り物の乗客にとって一貫性がない。また、次世代無線通信ネットワークが採用する既存の分散型アンテナネットワークは、通常、高速移動する乗り物の乗客又は無線通信を妨げる場所に位置する歩行者が使用する無線デバイスに対して、最適化されていない。歩行者の場合、これらの位置は、建築構造物、地理的特徴、又は無線通信を妨げる他のアンテナを含む場合がある。従って、このような分散型アンテナネットワークが利用できる場合でも、無線デバイスのユーザは、これらの新しい無線通信ネットワークへのアクセスが難しい可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1A】ホログラフィック・メタサーフェス・アンテナ(HMA)の例示的なインスタンスを形成するような態様で電磁波を伝播するように配置された複数のバラクタ素子を備えた例示的な表面散乱アンテナの一実施形態を示す図である。
【
図1B】組み合わさって電磁波の物体波形を提供する基準波形及びホログラム波形(変調関数)を説明する、合成アレイの一実施形態の図である。
【
図1C】例示的な表面散乱アンテナ用の例示的な変調関数の一実施形態を示す図である。
【
図1D】
図1Cの変調関数によって生成された電磁波の例示的なビームの実施形態を示す図である。
【
図2A】ネットワークオペレーションセンタ、通信プラットフォームエンジン、HMA、ネットワーク、並びに進路上の異なる位置にいる歩行者又は乗り物内の乗客とすることのできる無線デバイスのユーザの配置を含む、例示的な環境の一実施形態の図である。
【
図2B】HMAの複数のインスタンスに関する例示的な配置の別の実施形態の側面図である。
【
図2C】HMAの複数のインスタンスに関する例示的な配置のさらに別の実施形態の上面図である。
【
図2D】進路に沿って移動する航空機の図であり、ビームは、航空機の乗客が使用する無線デバイスに対して、その進路に沿って異なる位置に配置された複数のHMAから提供される無線通信を改善するために、無線信号の進路に沿ってリアルタイムに配置される。
【
図2E】進路に沿って移動する自動車の図であり、ビームは、自動車の乗客が使用する無線デバイスに対して、その進路に沿って異なる位置に配置された複数のHMAから提供される無線通信を改善するために、無線信号の進路に沿ってリアルタイムに配置される。
【
図2F】進路に沿って移動する歩行者の図であり、ビームは、歩行者が使用する無線デバイスに対して、その進路に沿って異なる位置に配置された複数のHMAから提供される無線通信を改善するために、無線信号の進路に沿ってリアルタイムに配置される。
【
図2G】道路上の自動車内の乗客が使用する比較的少数の無線デバイスとの無線通信を提供する無線信号の1つのビームと、道路に隣接して位置する歩行者が使用する比較的少数の無線デバイスとの無線通信を提供する無線信号の別ビームの図である。
【
図2H】道路上の自動車内の乗客が使用される比較的多数の無線デバイスの一部分との無線通信を提供する無線信号の1つのビームと、道路上の自動車内の乗客が使用するその多数の無線デバイスの別部分との無線通信を提供する無線信号の別ビームの図である。
【
図2I】公園内の歩行者が使用する比較的少数の無線デバイスとの無線通信を提供する無線信号の1つのビームと、公園に隣接して位置する自動車内の乗客が使用する比較的少数の無線デバイスとの無線通信を提供する無線信号の別ビームの図である
【
図2J】公園内の歩行者が使用する比較的多数の無線デバイスの一部分との無線通信を提供する無線信号の1つのビームと、公園内の歩行者が使用するその多数の無線デバイスの別部分との無線通信を提供する無線信号の別ビームの図である。
【
図3】
図2Aに示すようなシステムに含めることができる例示的なコンピュータデバイスの一実施形態の図である。
【
図4A】乗り物内の乗客が使用する無線デバイスからの無線信号を検出し、表面散乱アンテナを用いて乗り物内のこれらの無線デバイスとの改善された無線通信を提供するための処理に関する流れ図である。
【
図4B】乗り物内の乗客が使用する無線デバイスとの無線通信における問題を検出し、乗り物内のこれらの無線デバイスとの無線通信を提供するために使用される表面散乱アンテナの是正を決定するための処理に関する流れ図である
【
図5A】所定位置の歩行者が使用する無線デバイスからの無線信号を検出し、表面散乱アンテナを用いてその位置でこれらの無線デバイスとの改善された無線通信を提供するための処理に関する流れ図である。
【
図5B】所定位置の歩行者が使用する無線デバイスとの通信における問題を検出し、その位置で無線デバイスとの無線通信を提供するために使用される表面散乱アンテナの是正を決定するための処理に関する流れ図
【
図6A】表面散乱アンテナと歩行者及び/又は乗り物の乗客が使用する無線デバイスとの間の無線通信における過負荷の問題を決定し、無線通信において負荷を共有する1又は2以上の他の表面散乱アンテナを決定して無線装置との無線通信を改善するための処理に関する流れ図である。
【
図6B】ユーザが使用する無線デバイスのための、表面散乱アンテナと1又は2以上の他のアンテナとの間の無線通信における干渉を決定し、波形の調整を決定して、干渉を補正し、表面散乱アンテナと移動する乗り物内の無線デバイスとの間の無線通信を改善するための処理に関する流れ図である。
【
図7】本発明の1又は2以上の実施形態に従って、通信プラットフォームエンジンが、クライアント(乗り物内のユーザが使用する無線デバイス及び/又は歩行者が使用する無線デバイス)、ネットワークオペレーションセンタ、管理者、及び他のユーザの間に改善された無線通信を提供できるようにするクラウドコンピューティングシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明は、以下で添付図面を参照してより詳細に説明されるが、これらは本発明の一部を構成し、例証として本発明を実施することのできる特定の実施形態を示すものである。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載する実施形態に限定されると解釈するべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が周到且つ完全なものとなり、当業者に対して本発明の範囲を十分に伝えるために提供されている。とりわけ、本発明は、方法又はデバイスとして具体化することができる。従って、本発明は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、又はソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとることができる。従って、以下の説明は、限定的な意味で理解するべきでない。
【0006】
本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、以下の用語は、文脈上明らかに他を意味しない限り、本明細書で明示的に関係する意味を受け持つ。本明細書で使用する「一実施形態では」という句は、同じ実施形態を指す可能性はあるが、必ずしもそうではない。同様に、本明細書で使用する「別の実施形態では」という句は、異なる実施形態を指す可能性はあるが、必ずしもそうではない。本明細書で使用するように、用語「又は」は、包括的な「又は」機能語であり、文脈上明らかに他を意味しない限り、用語「及び/又は」と等価である。用語「に基づく」は排他的ではなく、文脈上明らかに他を意味しない限り、記載されない付加的な因子に基づくことを許容する。さらに、本明細書の全体を通して、「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」の意味は、複数形への言及を包含する。「~に(in)」の意味は、「~の中に(in」及び「~の上に(on)」を包含する。
【0007】
本明細書で使用するように、用語「エンジン」は、C、C++、Objective-C、COBOL、JavaTM、PHP、Perl、JavaScript、Ruby、VBScript、C#と言ったMicrosoft.NETTM言語などのプログラミング言語で記述可能な、ハードウェア又はソフトウェアの命令に具体化された論理を指す。エンジンは、実行可能なプログラムにコンパイルする、又はインタプリタ形式のプログラミング言語で記述することができる。ソフトウェアエンジンは、他のエンジンから又はそれ自身から呼び出し可能である。本明細書に記載するエンジンは、他のエンジン又はアプリケーションと統合可能な、又はサブエンジンに分割可能な1又は2以上の論理モジュールを指す。エンジンは、非一時的なコンピュータ可読媒体又はコンピュータ記憶デバイスに格納され、1又は2以上の汎用コンピュータ上に格納されてそれらにより実行され、これによって、エンジンを提供するように構成された専用コンピュータを作り出すことができる。
【0008】
本明細書で使用するように、用語「無線デバイス」は、ユーザが、他の無線通信デバイスの1又は2以上のユーザ又は遠隔位置にあるコンピューティングリソースと無線通信するために使用することのできる、何らかの固定型、非固定型、又は携帯型の無線通信デバイスを指す。無線デバイスにより、ユーザは、ネットワークを介して、例えば、ウェブサイト、アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)、データベース、データストア、サーバ、クライアント、ホストコンピュータ、クラウドコンピューティングリソース、アプリケーションなどの1又は2以上の遠隔位置にあるコンピューティングリソースに無線でアクセスすることができる。1又は2以上の実施形態では、無線デバイスは、ユーザ端末、携帯電話、スマート携帯電話、ポケットベル、ノートブックコンピュータ、デスクトップコンピュータ、サーバコンピュータ、ネットワーク機器、基地局、アクセスポイント、スイッチ、ルータなどのうちの1又は2以上として動作することができる。
【0009】
以下、本発明の一部の態様に関する基本的な理解を提供するために、本発明の実施形態を簡潔に説明する。この簡潔な説明は、広範囲に亘る概要として意図したものではない。重要な又は決定的な要素を特定すること、又は本発明の範囲を定める又は別の方法で狭めることを意図するものではない。その目的は単に、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、いくつかの概念を簡略化した形で提示することに過ぎない。
【0010】
簡単に言えば、様々な実施形態は、複数の表面散乱アンテナの1又は2以上と、歩行者及び/又は地表、水域内、又は上空の大気圏内又は大気圏外の進路に沿って移動することができる乗り物の乗客であるユーザが使用する1又は2以上の無線デバイスとの間における無線通信の提供を自動化するプラットフォームに関する。複数の表面散乱アンテナの1又は2以上を用いて、歩行者及び/又は乗り物の乗客が使用する1又は2以上の無線デバイスによって伝達される無線信号を検出する。1又は2以上の実施形態では、検出された無線信号の特性と複数の表面散乱アンテナとを用いて表面散乱アンテナを選択し、歩行者に及び/又は乗客に進路上の現在位置で、無線デバイスとの最適な無線通信を提供する。地表、水域内、又は上空の進路の方向及び長さは未知でもよく、又は経験側、飛行計画、鉄道線路地図、道路地図、航路、ハイキング地図、水深チャートなどの他の情報に基づいて既知でもよい。
【0011】
1又は2以上の実施形態では、特定の波形、例えば、選択された表面散乱アンテナに対するアンテナパターンを決定して、乗り物の乗客及び/又は歩行者が使用する無線デバイスとの無線通信を提供する。決定された波形は、選択された表面散乱アンテナによって使用され、表面散乱アンテナと無線デバイスとの間の無線通信を改善する。また、1又は2以上の実施形態では、決定された波形が提供する改善には、表面散乱アンテナによって無線デバイスに伝達される無線信号の形状、位相、又は方向のうちの1又は2以上の調整が含まれる。さらに、1又は2以上の実施形態では、乗り物の種類には、船舶、航空機、列車、トラック、バス、自動車、オートバイ、自転車などが含まれる。また、航空機の種類には、飛行機、ヘリコプタ、ドローン、ジェット機、グライダ、熱気球、飛行船、凧、係留気球、ロケット、ミサイルなどのうちの1又は2以上を含めることができる。加えて、1又は2以上の実施形態では、決定された波形を用いて、乗り物自体が使用する1又は2以上の無線デバイスとの無線通信を提供することができ、この無線デバイスは、乗客が使用する無線デバイスに提供される無線通信とは別に又はそれと組み合わせて通信を行うことができる。
【0012】
1又は2以上の実施形態では、歩行者及び/又は乗り物の乗客が、1又は2以上の進路上の新しい現在位置に移動する時、別の表面散乱アンテナを選択して、1又は2以上の進路上の新しい現在位置において歩行者及び/又は乗り物の乗客の無線デバイスとの最適な無線通信を提供することができる。さらに、選択された別の表面散乱アンテナに対して別の波形を動的に決定して、移動している乗り物の乗客及び/又は歩行者が使用する無線デバイスとの新しい現在位置での無線通信を提供する。また、別の決定された波形を用いて、別の選択された表面散乱アンテナが伝達する無線信号の形状、位相、又は方向のうちの1又は2以上を動的に配置することによって、別の選択された表面散乱アンテナと、乗り物の乗客及び/又は歩行者が使用する1又は2以上の無線デバイスとの間の無線通信を改善する。
【0013】
1又は2以上の実施形態では、各表面散乱アンテナの最適な選択は、1又は2以上の進路を以前移動したことのある他の乗り物の乗客及び/又は他の歩行者に基づく経験的知識、表面散乱アンテナの特性、速度、天候、事象、距離、帯域幅、ネットワーク容量、事象、負荷バランス情報、複数の表面散乱アンテナのトポロジ、飛行計画、航路、GPS情報、飛行中の情報、高速道路地図、鉄道線路地図、ハイキングコース、選択された表面散乱アンテナが先に伝達した無線信号との検出された干渉、天候、メンテナンス事象、機械学習モデル、又は何らかの他の第三者の情報を含む、他の情報に基づく。
【0014】
1又は2以上の実施形態では、各波形の決定は、ネットワークを介してクラウドコンピューティングシステム、リモートサーバコンピュータなどでリモートで実行される。また、各選択された表面散乱アンテナが伝達する無線信号に対する表面散乱アンテナパターン/波形の配置は、対応する決定された波形の各々に基づき、選択された表面散乱アンテナで局所的に実行することができる。加えて、1又は2以上の実施形態では、各波形の決定は、選択された表面散乱アンテナのうちの1又は2以上に配置された1又は2以上のコンピューティングリソース、エッジコンピューティングリソース、リモートコンピュータシステム、又はクラウドコンピューティングシステムにより実行することができる。
【0015】
1又は2以上の実施形態では、選択された表面散乱アンテナのうちの1又は2以上によって提供される無線通信における干渉が検出されると、形状、方向、又は位相に対する調整を決定して、選択された各表面散乱アンテナ用の波形に対する干渉を動的に補償する。例えば、動的な補償は、選択された表面散乱アンテナが設置された物理的環境における運動、一時的変化、及び/又は持続的な変化のうちの1又は2以上によって生じる干渉を軽減するために、波形に対する1又は2以上の変更の形態をとることができる。この運動及び/又は変化には、選択された表面散乱アンテナによって提供される無線通信を妨げる高くなりすぎた樹木、風に乗って前後に動く木の枝、又は新しい建物などを含めることができる。 また、検出された干渉と、選択された各表面散乱アンテナ用の各波形に与えられた各補償調整とを特定するためにレポートが提供される。
【0016】
1又は2以上の実施形態では、選択された表面散乱アンテナのうちの2又は3以上によって提供される無線通信における不均衡が実質的に同じ物理的位置で検出されると、選択された各表面散乱アンテナ用の波形に対して形状、方向、又は位相を動的に決定して、負荷の不均衡を補償する。この補償は、選択された各表面散乱アンテナの負荷を、それらの容量、特性、性能などに部分的に基づいて均等化するために提供することができる。また、2又は3以上の選択された表面散乱アンテナに関する1又は2以上の負荷不均衡及び動的な補償調整を特定するためにレポートが提供される。
【0017】
1又は2以上の実施形態では、1又は2以上の機械学習エンジンを用いて、1又は2以上のモデル、推奨事項、又は予測を提供し、それらを使用して、乗り物が移動すると見込まれる進路上の1又は2以上の位置に対して各表面散乱アンテナを事前に選択すること、歩行者の無線ユーザデバイスが位置すると見込まれる位置で無線通信を提供するために各表面散乱アンテナを事前に選択すること、選択された各表面散乱アンテナに与えられる他の決定された波形、表面散乱アンテナのメンテナンス推奨事項、表面散乱アンテナのアップグレード推奨事項、物理環境のメンテナンス推奨事項、選択された表面散乱アンテナによって特定の日、時間又は事象について或る物理的位置でもたらされる無線通信に関する負荷の予測などを事前に選択することができる。
【0018】
加えて、1又は2以上の実施形態では、複数のアンテナは、ビーム形成を提供する表面散乱アンテナである。また、1又は2以上の表面散乱アンテナは、実質的に同じ物理的位置に又は同じ物理的筐体内に位置決めすることができる。さらに、1又は2以上の実施形態では、表面散乱アンテナは、1又は2以上のホログラフィックメタサーフェスアンテナ(HMA)などを含むことができる。
【0019】
1又は2以上の実施形態では、5G、4G、3G、2G、LTE、TDMA、GPRS、CDMA、GSM、WiFi、WiMAXなどといった、異なるタイプの無線通信プロトコルを用いて、異なる無線信号を1又は2以上の表面散乱アンテナで伝達することができる。また、これらの異なるタイプの無線通信プロトコルは、異なるタイプのサービスに用いることができる。
【0020】
加えて、1又は2以上の実施形態では、HMAは制御可能な素子の配置を使用して、物体波を生成することができる。また、1又は2以上の実施形態では、制御可能な素子は、2又は3以上の異なる状態を有する個別の電子回路を用いることができる。このようにして、物体波は、制御可能な素子の1又は2以上に関する電子回路の状態を変えることによって変更することができる。ホログラム関数などの制御関数を用いて、特定の物体波に関する個別の制御可能な素子の現在の状態を規定することができる。1又は2以上の実施形態では、ホログラム関数は、予め決定すること、又は様々な入力及び/又は条件に応じてリアルタイムで動的に生成することができる。1又は2以上の実施形態では、予め決定されたホログラム関数のライブラリを提供することができる。1又は2以上の実施形態では、何らかのタイプのHMAを用いて本明細書に記載するビームを生成することができる。
【0021】
例示的な動作環境
図1Aは、基準波105を散乱素子に送達することのできる波動伝播構造体104又は他の配置に沿って分散させた複数の散乱素子102a、102bを含む、表面散乱アンテナ100(すなわち、HMA)の形態のHMAの一実施形態を示す。波動伝播構造体104は、例えば、マイクロストリップ、コプレーナ導波路、平行平板導波路、誘電体ロッド又はスラブ、閉じた又は管状の導波路、基板一体型導波路、又は構造体に沿って又は構造体内で基準波105の伝播をサポートすることのできる何らかの他の構造体とすることができる。基準波105は、波動伝播構造体104に入力される。散乱素子102a、102bは、波動伝播構造体104内に埋め込まれた、波動伝播構造体104の表面に位置決めされた、又は波動伝播構造体104のエバネッセント近傍部位内に位置決めされた散乱素子を含むことができる。このような散乱素子の例には、米国特許第9,385,435号、米国特許第9,450,310号、米国特許第9,711,852号、米国特許第9,806,414号、米国特許第9,806,415号、米国特許第9,806,416号、及び米国特許第9,812,779号、並びに米国公開第2017/0127295号、米国公開第2017/0155193号、及び米国公開第2017/0187123号に開示されたものが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これら全てが参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれる。また、散乱素子の何らかの他の好適な種類又は配置を使用することができる。
【0022】
また、表面散乱アンテナは、波動伝播構造体104を、基準波供給源(図示せず)に結合された給電構造体108に結合させるように構成された少なくとも1つの供給コネクタ106を含むことができる。供給構造体108は、伝送線路、導波管、或いは供給コネクタ106を介して波動伝播構造体104内に送出することのできる電磁信号を供給可能な何らかの他の構造体とすることができる。供給コネクタ106は、例えば、同軸-マイクロストリップコネクタ(例えば、SMA-PCBアダプタ)、同軸-導波管コネクタ、モード整合移行セクションなどとすることができる。
【0023】
散乱素子102a、102bは、1又は2以上の外部入力に応じて調整可能な電磁特性を有する調整可能散乱素子である。調整可能散乱素子は、電圧入力(例えば、能動素子(バラクタ、トランジスタ、ダイオードなど)に対する、又は調節可能な誘電材料(強誘電体又は液晶など)を組み込む素子に対するバイアス電圧)、電流入力(例えば、電荷キャリアの能動素子への直接注入)、光学入力(例えば、光活性材料の照射)、場入力(例えば、非線形磁性材料を含む素子に対する磁場)、機械的入力(例えば、MEMS、アクチュエータ、油圧)などに応じて調整可能な素子を含むことができる。
図1Aの概略的な例では、第1の電磁特性を有する第1の状態に調整された散乱素子が第1の素子102aとして図示されており、一方で第2の電磁特性を有する第2の状態に調整された散乱素子が第2の素子102bとして図示されている。第1及び第2の電磁特性に対応する第1及び第2の状態を有する散乱素子の記述は、限定を意図するものではない。すなわち、実施形態は、別々の複数の異なる電磁特性に対応する別々の複数の状態から選択するように別々に調整可能である、又は連続した異なる電磁特性に対応する連続した状態から選択するように連続的に調整可能である散乱素子を提供することができる。
【0024】
図1Aの例では、散乱素子102a、102bはそれぞれ、第1及び第2の電磁特性の関数である、基準波105に対する第1及び第2の結合を有する。例えば、第1及び第2の結合は、基準波の周波数又は周波数帯域における散乱素子の第1及び第2の偏波とすることができる。第1及び第2の結合のために、第1及び第2の散乱素子102a、102bは、基準波105によく応答して、それぞれの第1及び第2の結合の関数である(例えば、結合に比例する)振幅を有する複数の散乱電磁波を生成する。散乱電磁波の重ね合わせは、この例では表面散乱アンテナ100から放射される物体波110として示される電磁波を構成する。
【0025】
図1Aは、散乱素子102a、102bの1次元アレイを示している。2次元又は3次元のアレイも使用できることを理解されたい。加えて、これらのアレイは、異なる形状を有することができる。さらに、
図1Aに示すアレイは、隣接する散乱素子の間で等距離の間隔を有する散乱素子102a、102bの規則的アレイであるが、他のアレイは不規則とすることができる、又は隣接する散乱素子の間で異なる又は可変な間隔を有することができることを理解されたい。また、特定用途向け集積回路(ASIC)109は、散乱素子102a、102bの列の動作を制御するために使用される。さらに、コントローラ110は、アレイ内の1又は2以上の列を制御する1又は2以上のASICの動作を制御するために使用することができる。
【0026】
図1Bに図示するように、散乱素子102a、102bのアレイを用いて、基準波供給源から基準波(Ψ
ref)105を受け取る散乱素子に変調パターン107(例えば、ホログラム関数、H)を適用することにより、少なくとも所望のビームパターンに近い遠方場ビームパターンを生成することができる。
図1Bの変調パターン又はホログラム関数107を正弦波として図示するが、非正弦関数(非反復関数又は不規則関数を含む)も使用できることが認識されよう。
図1Cは、変調パターンの一例を示し、
図1Dは、その変調パターンを用いて生成されたビームの一例を示す。
【0027】
少なくとも一部の実施形態では、コンピューティングシステムは、所望のビームパターンの近似をもたらすことになるRFエネルギを受け取る散乱素子102a、102bに適用するらめの変調パターンを計算する、選択する(例えば、変調パターンのルックアップテーブル又はデータベースから)、又は別の方法で決定することができる。少なくとも一部の実施形態では、所望の遠方場ビームパターンの場記述が提供され、自由空間の伝達関数又は何らかの他の適切な関数を用いて、所望の遠距離ビームパターンの放射をもたらす表面散乱アンテナの開口面における物体波(Ψobj)110を決定することができる。基準波105を物体波110内に散乱させる変調関数(例えば、ホログラム関数)を決定することができる。変調関数(例えば、ホログラム関数)は、基準波105によって励起される散乱素子102a、102bに適用されて物体波110の近似を形成し、この物体波は、開口面から放射されて少なくとも近似的に所望の遠方場ビームパターンを生成する。
【0028】
少なくとも一部の実施形態では、ホログラム関数H(すなわち、変調関数)は、基準波複素共役と物体波の積、すなわち、Ψref
*Ψobjに等しい。少なくとも一部の実施形態では、表面散乱アンテナは、例えば、選択されたビーム方向(例えば、ビームステアリング)、選択されたビーム幅又は形状(例えば、幅の広い又は狭いビーム幅を有するファンビーム又はペンシルビーム)、選択されたヌル配置(例えば、ヌルステアリング)、選択された複数ビーム配置、選択された偏波状態(例えば、直線偏波、円偏波、又は楕円偏波)、選択された全体位相、又はそれらの何らかの組み合わせを提供するように調整することができる。代替的に又は追加的に、表面散乱アンテナの実施形態は、選択された近接場放射プロファイルを提供するように、例えば、近接場集束又は近接場ヌルを提供するように調整することができる。
【0029】
表面散乱アンテナは、少なくとも一部の実施形態では遠方場放射パターン又はビームを生成するように動的に調整可能なホログラフィックビームフォーマと見なすことができる。一部の実施形態では、表面散乱アンテナは、実質的に1次元の散乱素子配置を有する実質的に1次元の波動伝播構造体104を含む。別の実施形態では、表面散乱アンテナは、実質的に2次元の散乱素子配置を有する実質的に2次元の波動伝播構造体104を含む。少なくとも一部の実施形態では、散乱素子102a、102bのアレイを用いて、例えば
図1Cに示すように、幅狭で指向性のある遠方場ビームパターンを生成することができる。散乱素子102a、102bのアレイを用いて、他の形状を備えたビームを生成できることも理解されたい。
【0030】
少なくとも一部の実施形態では、幅狭の遠方場ビームパターンは、ホログラフィックメタサーフェスアンテナ(HMA)を用いて生成することができ、範囲が5~20度の幅を有することができる。ビームパターンの幅は、ビームの最大広がりとして特定すること又はビームの特定領域、例えば3dB減衰時の幅などで定義することができる。幅を特定するために何らかの他の適切な方法又は定義を使用することができる。
【0031】
多くの用途ではより幅広のビームパターン(「放射パターン」とも呼ばれる)が望ましいが、達成可能な幅は、単一のHMAによって制限され、さもなければ単一のHMAを用いては得られない場合がある。HMAの複数のインスタンスをHMAのアレイに配置して、より幅広の複合遠方場ビームパターンを生成することができる。しかしながら、個々のHMAからの個々のビームパターンは、多くの場合、相互作用して複合遠方場ビームパターンを変化させるので、、本発明の1又は2以上の実施形態を採用しない少なくとも一部の事例では、HMAの複数インスタンスの出力の単純な組み合わせが、所望の又は意図する構成を達成しない複合遠方場ビームパターンを生成することを認識されたい。
【0032】
図2Aは、1又は2以上のデータセンタ(図示せず)からデータを伝達するためのシステムの概観を示し、データセンタは、1又は2以上のリモート及び/又はローカルのネットワークオペレーションセンタ230を用いて、複数のHMAにデータを経路指定し、HMAは、無線信号の形態で進路に沿って移動する1又は2以上の乗り物236にデータを伝達すする。図示のように、1又は2以上のデータセンタ237から伝達されたデータは、1又は2以上のNOC230によってネットワーク232を介して1又は2以上のHMA234へ部分的に経路指定され、HMA234は、進路に沿って移動する1又は2以上の乗り物236に対して、特定の位置で無線信号形態のデータを伝達するように選択される。
【0033】
一部の実施形態では、1又は2以上のデータセンタ、例えばデータセンタ237は、ネットワーク232に通信可能に接続することができる。様々な実施形態の少なくとも1つでは、データセンタ237は、プライベートデータセンタ、パブリックデータセンタ、パブリッククラウド環境、又はプライベートクラウド環境の一部とすることができる。一部の実施形態では、データセンタ237は、物理的に組織の管理下にあるサーバルーム/データセンタとすることができる。データセンタ237は、ネットワークコンピュータの1又は2以上の筐体、例えば筐体238及び筐体239を含むことができる。
【0034】
筐体238及び筐体239は、データセンタ237内のネットワークコンピュータ及び/又はブレードサーバの筐体(例えば、ラック、キャビネットなど)とすることができる。一部の実施形態では、筐体238及び筐体239は、ネットワークオペレーションセンタのサーバ、通信プラットフォームエンジンのサーバ、ストレージコンピュータなど、又はそれらの組み合わせとして動作するように配置された1又は2以上のネットワークコンピュータを組み込むように構成することができる。さらに、1又は2以上のクラウドインスタンスは、筐体120及び筐体122に組み込まれる1又は2のネットワークコンピュータ上で動作することができる。
【0035】
また、データセンタ237は、1又は2以上のパブリック又はプライベートのクラウドネットワークを組み込むことができる。従って、データセンタ237は、ネットワーク232と類似した及び/又はネットワーク232を含むネットワークなどの、1又は2以上のネットワークによって相互接続された複数の物理的ネットワークコンピュータを備えることができる。データセンタ237は、1又は2以上のクラウドインスタンス(図示せず)を可能にすること及び/又は提供することができる。クラウドインスタンスの数及び構成は、個々のユーザの要求、クラウドネットワークの配置、運用上の負荷、性能上の考慮事項、アプリケーションのニーズ、運用方針などに応じて変わる場合がある。様々な実施形態の少なくとも1つでは、データセンタ237は、ハードウェアリソース、プライベートクラウドリソース、パブリッククラウドリソースなどの組み合わせを含むハイブリッドネットワークとして構成することができる。
【0036】
ネットワーク232は、ネットワークオペレーションセンタのコンピュータを、通信プラットフォームエンジンのコンピュータを含む他のコンピューティングデバイスと接続するように構成することができる。ネットワーク232は、限定するものではないが、USBケーブル、BluetooothTM、Wi-FiTMなどといった、リモートデバイスと通信するための様々な有線及び/又は無線の技術を含むことができる。一部の実施形態では、ネットワーク232は、ネットワークコンピュータを他のコンピューティングデバイスと接続するように構成されたネットワークとすることができる。様々な実施形態では、デバイス間で伝達される情報は、プロセッサ可読命令、リモート要求、サーバ応答、プログラムモジュール、アプリケーション、生データ、制御データ、システム情報(例えば、ログファイル)、ビデオデータ、音声データ、画像データ、テキストデータ、構造化/非構造化データなどを含むがこれらに限定されない、様々な種類の情報を含むことができる。一部の実施形態では、この情報は、1又は2以上の技術及び/又はネットワークプロトコルを用いてデバイス間で伝達することができる。
【0037】
一部の実施形態では、このようなネットワークには、様々な有線ネットワーク、無線ネットワーク、又はそれらの様々な組み合わせを含めることができる。様々な実施形態では、ネットワーク232は、1つの電子デバイスから別の電子デバイスへ情報を伝達するために、様々な形態の通信技術、トポロジ、コンピュータ可読媒体などを使用することができる。例えば、ネットワーク232は、インタネットに加えて、LAN、WAN、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、キャンパスエリアネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、直接通信接続(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポートを介した)など、又はそれらの様々な組み合わせを含むことができる。
【0038】
様々な実施形態において、ネットワーク内及び/又はネットワーク間の通信リンクには、撚り対線、光ファイバ、オープンエアレーザ、同軸ケーブル、従来型電話サービス(POTS)、導波管、音響、完全な又は部分的な専用デジタル回線(T1、T2、T3、又はT4など)、Eキャリア、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)、デジタル加入者回線(DSL)、無線リンク(衛星リンクを含む)、或いは当業者に公知の他のリンク及び/又はキャリア機構を含めることができるが、これらに限定されない。さらに、通信リンクは、例えば、DS-0、DS-1、DS-2、DS-3、DS-4、OC-3、OC-12、OC-48などを含むがこれらに限定されない、種々のデジタル信号伝達技術の中から様々なものをさらに採用することができる。一部の実施形態では、ルータ(又は他の中間ネットワークデバイス)は、1つのネットワークから別のネットワークに情報を転送することが可能となるように、様々なネットワーク(異なるアーキテクチャ及び/又はプロトコルに基づくものを含む)の間のリンクとして機能を果たすことができる。別の実施形態では、リモートコンピュータ及び/又は他の関連する電子デバイスは、モデム及び一時的電話リンクを介してネットワークに接続することができる。本質的に、ネットワーク232は、様々な通信技術を含むことができ、これによって情報はコンピューティングデバイス間を移動することができる。
【0039】
ネットワーク232は、一部の実施形態では様々な無線ネットワークを含み、それらは、可搬型ネットワークデバイス、リモートコンピュータ、有線ネットワーク、他の無線ネットワークなどを接続するように構成することができる。無線ネットワークには、少なくともクライアントコンピュータにインフラストラクチャ指向の接続を提供するために、独立型アドホックネットワークなどをさらにオーバーレイすることのできる、種々のサブネットワークのうちの様々なものを含めることができる。このようなサブネットワークには、メッシュネットワーク、無線LAN(WLAN)ネットワーク、セルラネットワークなどを含めることができる。様々な実施形態の1又は2以上において、本システムは、2以上の無線ネットワークを含むことができる。
【0040】
ネットワーク232は、複数の有線及び/又は無線の通信プロトコル及び/又は技術を使用することができる。様々な世代の例(例えば、ネットワークが使用できる通信プロトコル及び/又は技術の第3世代(3G)、第4世代(4G)、又は第5世代(5G))には、移動体通信用グローバルシステム(GSM)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、拡張データGSM環境(EDGE)、符号分割多重アクセス(CDMA)、広帯域符号分割多重アクセス(W-CDMA)、符号分割多重アクセス2000(CDMA2000)、高速下りパケットアクセス(HSDPA)、ロングタームエボリューション(LTE)、ユニバーサル移動通信システム(UMTS)、エボリューションデータオプティマイズド(Ev-DO)、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMax)、時分割多重アクセス(TDMA)、直交周波数分割多重(OFDM)、超広帯域(UWB)、ワイヤレスアプリケーションプロトコル(WAP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、伝送制御プロトコル/インタネットプロトコル(TCP/IP)、開放型システム間相互接続(OSI)モデルプロトコルの様々な部分、セッション開始プロトコル/リアルタイム転送プロトコル(SIP/RTP)、ショートメッセージサービス(SMS)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、或いは他の種々の通信プロトコル及び/又は技術のうちの様々なものを含めることができるが、これらに限定されない。
【0041】
様々な実施形態では、ネットワーク232の少なくとも一部は、様々な通信リンクによって接続可能なノード、リンク、パス、端末、ゲートウェイ、ルータ、スイッチ、ファイアウォール、負荷バランス装置、フォワーダ、リピータ、光電変換器などの自律システムとして配置することができる。これらの自律システムは、現在の動作状態及び/又はルールベースポリシーに基づいて自己組織化するように構成することができるので、ネットワークのネットワークトポロジは、変更することができる。
【0042】
図2Bは、ビーム222a、222b、222cを生成するHMA220a、220b、220cの別の配置を示し、ここでは、中央ビーム222bが他の2つのビーム222a、222cとはサイズ及び形状が実質的に異なっている。
図2Cは、2次元アレイを形成するHMA220a、220b、220c、220dのさらに別の配置を上面図で示している。
【0043】
また、幅広のビームパターン、幅狭のビームパターン、又は複合ビームパターンなどのビームパターンの1又は2以上の特定の形状は、様々な条件に対する様々な時間で多くの用途で望ましい場合があるが、単一のHMAを用いては実用的ではない又は利用できない場合もある。1又は2以上の実施形態では、HMAの複数のインスタンスをアレイ内に配置して、有意な相殺又は信号損失なしで、多種多様な複合ビームパターン、近接場ビームパターン、及び/又は遠方場ビームパターンを生成することができる。HMAの複数インスタンスの物体波は互いに干渉することができるので、特定ビームパターンの所望の形状に「より近い」ビームパターンを生成するためにそれら物体波に対する調整が望まれる場合がある。何らかの適切な方法論又は測定基準を用いて、所望のビームパターンに対するビームパターンの「近似度」を決定することができ、近似度は、ビームパターンの全体又はビームパターンの所定の部分に対する所望のビームパターンの平均偏差(又は全偏差又は偏差の大きさの合計)などを含むがこれらに限定されない。
【0044】
1又は2以上の実施形態では、HMAの物理的配置は既存のものとすること又は構築することができ、基準波供給源に結合させることができる。1又は2以上の実施形態では、ホログラム関数は、HMAの各々について計算すること、選択すること、或いは別の方法で提供又は決定することができる。HMAの各々は、基準波供給源からの基準波に対して調整可能な電磁応答を有する動的に調整可能な散乱素子のアレイを含む。HMA用のホログラム関数は、基準波に応答してHMAから放出される物体波を生成するために、HMAの散乱素子に対して電磁応答の調整を規定する。HMAによって生成された物体波を組み合わせて、複合ビームを生成することができる。
図2B及び2Cに示す例示的な複合ビームなどの複合ビームを生成するために、何らかの適切な方法又は技術を用いて、HMAの何らかの配置を決定又は提供することができる。
【0045】
図2Dは、3つの異なる位置にクラスタ化された、複数の3つのHMA220a、220b、220cの複数群の概観を示す。図示のように、航空機(乗り物)226は上空の進路に沿って移動しており、各位置のHMAは、航空機及びその乗客が使用する何らかの無線デバイスとの無線通信を改善する集束型無線信号波形221を提供する。1又は2以上の実施形態では、その波形を角度(θ)に亘って動的に動かすように集束させ、例えば上空の航空機を照らす集束型サーチライトビームに類似しており、航空機がその進路に沿って移動する際に航空機との強固な無線信号通信を提供することができる。
【0046】
また、1又は2以上の実施形態では、無線信号波形の構成は、航空機が上空を飛行している時に、その角度に亘って強固な無線信号通信を静的に提供するように構成することができる。一旦、航空機が、1又は2以上の選択されたHMAで現在の位置から集束型無線信号波形を提供できる角度を通り過ぎると、新たな位置にある1又は2以上の次のHMAが選択され、移動する航空機及びその乗客の無線デバイスとの改善された無線通信のために集束型無線信号波形を提供する。例示的な実施形態は、角度(θ)を通って移動する航空機との強固な無線信号通信を提供する集束型無線信号を示しているが、1又は2以上の別の実施形態では、集束型無線信号は角度を通ってリアルタイムで動き、空を横切って移動する航空機に追従することができる。加えて、1又は2以上の実施形態では、無線信号波形の構成を調整して、無線通信の品質を妨げる又は低下させる可能性のある、建物、樹木(図示せず)、丘(図示せず)などの物理的構造物240の存在を補償することができる。さらに、1又は2以上の実施形態では、無線信号波形の構成を調整して、無線通信と干渉する1又は2以上の他の表面散乱アンテナ240の存在を補償することができる。
【0047】
図2Eは、3つの異なる位置にクラスタ化された、複数の3つのHMA220a、220b、220cの複数群の概観を示す。図示のように、自動車(乗り物)226は地表の進路に沿って移動しており、各位置のHMAは、乗り物及びその乗客が使用する何らかの無線デバイスとの無線通信を改善する集束型無線信号波形221を提供する。1又は2以上の実施形態では、その波形を角度(θ)に亘って動的に動かすように集束させ、例えば地表の物体を照らす集束型サーチライトビームに類似しており、乗り物がその進路に沿って移動する際に乗り物との強固な無線信号通信を提供することができる。
【0048】
また、1又は2以上の実施形態では、無線信号波形の構成は、乗り物が進路を移動している時に、そのθ角度に亘って強固な無線信号通信を静的に提供するように構成することができる。一旦、乗り物が、1又は2以上の選択されたHMAで現在の位置から集束型無線信号波形を提供できる角度を通り過ぎると、新たな位置にある1又は2以上の次のHMAが選択され、移動する乗り物及びその乗客の無線デバイスとの改善された無線通信のために集束型無線信号波形を提供する。例示的な実施形態は、角度(θ)を通って移動する乗り物との強固な無線信号通信を提供する集束型無線信号を示しているが、1又は2以上の別の実施形態では、集束型無線信号は角度を通ってリアルタイムで動き、地表の進路を移動する乗り物に追従することができる。加えて、1又は2以上の実施形態では、無線信号波形の構成を調整して、無線通信の品質を妨げる又は低下させる可能性のある、建物(図示せず)、樹木、丘(図示せず)などの物理的構造物244の存在を補償することができる。さらに、1又は2以上の実施形態では、無線信号波形の構成を調整して、無線通信と干渉する1又は2以上の他の表面散乱アンテナ240の存在を補償することができる。
【0049】
図2Fは、3つの異なる位置にクラスタ化された、複数の3つのHMA220a、220b、220cの複数群の概観を示す。図示のように、1又は2以上の歩行者246は地表の進路に沿って移動しており、各位置のHMAは、歩行者が使用する何らかの無線デバイスとの無線通信を改善する集束型無線信号波形221を提供する。1又は2以上の実施形態では、その波形を角度(θ)に亘って動的に動かすように集束させ、例えば地表の物体を照らす集束型サーチライトビームに類似しており、歩行者がその進路に沿って移動する際に歩行者との強固な無線信号通信を提供することができる。
【0050】
また、1又は2以上の実施形態では、無線信号波形の構成は、無線デバイスを使用している歩行者が進路を移動している時に、そのθ角度に亘って強固な無線信号通信を静的に提供するように構成することができる。一旦、歩行者が、1又は2以上の選択されたHMAで現在の位置から集束型無線信号波形を提供できる角度を通り過ぎると、新たな位置にある1又は2以上の次のHMAが選択され、歩行者の無線デバイスとの改善された無線通信のために集束型無線信号波形を提供する。例示的な実施形態は、角度(θ)を通って移動する歩行者との強固な無線信号通信を提供する集束型無線信号を示しているが、1又は2以上の別の実施形態では、集束型無線信号は角度を通ってリアルタイムで動き、地表の進路を移動する無線デバイスを使用している歩行者に追従することができる。加えて、1又は2以上の実施形態では、無線信号波形の構成を調整して、1又は2以上の歩行者が使用する無線デバイスとの無線通信の品質を妨げる又は低下させる可能性のある、建物242、樹木244、丘249などの物理的構造物の存在を補償することができる。さらに、1又は2以上の実施形態では、無線信号波形の構成を調整して、無線通信と干渉する1又は2以上の他の表面散乱アンテナ240の存在を補償することができる。
【0051】
図2Gは、道路に沿って移動する比較的少数のエンジン付き乗り物(自動車246)の上面図を示す。また、例えば公園などの道路に隣接する位置に比較的少数のユーザ(歩行者248)が示されている。無線信号の1つの波形ビーム250Gは、道路上の乗り物の乗客が使用する無線デバイス(図示せず)に無線通信を提供するように示されている。無線信号の別の波形ビーム252Gは、道路に隣接して位置する歩行者が使用する無線デバイスとの無線通信を提供するように示されている。
【0052】
この例示的な実施形態では、別個の表面散乱アンテナ(図示せず)は、無線通信が提供される無線デバイスの数(負荷)が比較的バランスするように、無線通信のために道路に又は道路に隣接して2つの波形ビームを別々に提供している。加えて、1又は2以上の他の実施形態では、特定の地理的位置に無線通信を提供する2又は3以上の表面散乱アンテナの負荷能力は、異なることができる。この場合、各表面散乱アンテナに関する波形ビームは、無線デバイスとの無線通信を提供する各表面散乱アンテナの負荷能力に応じて、2又は3以上の表面散乱アンテナ間で負荷を比例的にバランスさせるように、変更することができる。
【0053】
図2Hは、道路に沿って移動する比較的多数のエンジン付き乗り物(自動車246)の上面図を示す。また、例えば公園などの道路に隣接する位置に比較的少数のユーザ(歩行者248)が示されている。
図2Gに示す波形ビームを継続する代わりに、道路上の乗り物の乗客が使用する無線デバイス(図示せず)の一部と、歩行者が使用する無線デバイス(図示せず)の一部とに無線通信を提供するために変更された、無線信号の1つの波形ビーム250Hが示されている。また、道路上の乗り物内の乗客の別部分が使用する無線デバイスと、歩行者が使用する無線デバイスの別部分との無線通信を提供するために変更された、無線信号の別の波形ビーム252Hが示されている。この例示的な実施形態では、別個の表面散乱アンテナ(図示せず)がその別個の波形ビームを変更して、別個の表面散乱アンテナの各々によって無線通信が提供される無線デバイスの数(負荷)を比較的均等にバランスさせるようになっている。
【0054】
加えて、1又は2以上の他の実施形態では、相対的に同じ位置にある無線デバイスに無線通信を提供する2又は3以上の表面散乱アンテナの負荷能力は、異なることができる。図示しないが、この場合、各表面散乱アンテナに関する波形ビームは、無線デバイスとの無線通信を提供する特定の表面散乱アンテナの負荷能力に応じて、2又は3以上の表面散乱アンテナ間で、無線通信が提供される無線デバイスの数(負荷)を比例的にバランスさせるように変更することができる。また、ユーザ(歩行者又は乗客)が使用する無線デバイスとの無線通信を提供する2又は3以上の表面散乱アンテナの波形ビームを変更することによって負荷のバランスを決定する際に、各無線デバイスが無線でやりとりするデータ量を考慮することもできる。例えば、一部の無線デバイスはビデオを常時ストリーミングしており、別の無線デバイスはテキストメッセージを時折やりとりするだけである場合がある。
【0055】
図2Iは、例えば公園などの道路に隣接する位置にいる比較的少数の無線デバイスユーザ(歩行者248)の上面図を示す以外は
図2Gに若干類似している。無線信号の1つの波形ビーム256Iは、歩行者が使用する無線デバイス(図示せず)に無線通信を提供するように示されている。また、無線信号の別の波形ビーム254Iは、道路上を移動する乗り物の乗客が使用する無線デバイスとの無線通信を提供するように示されている。この例示的な実施形態では、別個の表面散乱アンテナ(図示せず)は、その負荷が比較的バランスするような態様で、道路又は公園に対して無線通信のための2つの波形ビームを別々に提供している。
【0056】
図2Jは、例えば公園などの道路に隣接する位置にいる比較的多数の無線デバイスユーザ(歩行者248)の上面図を示す以外は
図2Hに若干類似している。また、道路上に比較的少数の乗り物(自動車248)が示されている。
図2Iに示す波形ビームを継続する代わりに、道路上の乗り物の乗客が使用する無線デバイス(図示せず)の一部と、歩行者が使用する無線デバイス(図示せず)の一部とに無線通信を提供するために変更された、無線信号の1つの波形ビーム254Jが示されている。また、道路上の乗り物内の乗客の別部分が使用する無線デバイスと、歩行者が使用する無線デバイスの別部分との無線通信を提供するために変更された、無線信号の別の波形ビーム256Jが示されている。この例示的な実施形態では、HMAなどの別個の表面散乱アンテナ(図示せず)がその別個の波形ビームを変更して、別個の表面散乱アンテナの各々によって無線通信が提供される無線デバイスの数(負荷)を比較的均等にバランスさせるようになっている。
【0057】
加えて、1又は2以上の他の実施形態では、相対的に同じ位置にある無線デバイスに無線通信を提供する2又は3以上の表面散乱アンテナの負荷能力は、異なることができる。図示しないが、この場合、各表面散乱アンテナに関する波形ビームは、無線デバイスとの無線通信を提供する特定の表面散乱アンテナの負荷能力に応じて、2又は3以上の表面散乱アンテナ間で、無線通信が提供される無線デバイスの数(負荷)を比例的にバランスさせるように変更することができる。また、ユーザ(歩行者又は乗客)が使用する無線デバイスとの無線通信を提供する2又は3以上の表面散乱アンテナの波形ビームを変更することによって負荷のバランスを決定する際に、各無線デバイスが無線でやりとりするデータ量も考慮することができる。例えば、一部の無線デバイスはビデオを常時ストリーミングしており、別の無線デバイスはテキストメッセージを時折やりとりするだけである可能性がある。
【0058】
例示的なネットワークコンピュータ
図3は、様々な実施形態の1又は2以上を実装する例示的なシステムに含めることのできる例示的なコンピュータデバイス300の1つの実施形態を示す。コンピュータデバイス300は、
図3に示すよりも多くの又は少ない構成要素を含むことができる。しかしながら、図示の構成要素は、これらの技術革新を実践する例示的な実施形態を開示するのに十分である。コンピュータデバイス300は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータなどを含むことができる。コンピュータデバイス300は、例えば、ラップトップコンピュータ、スマートフォン/タブレット、コンピュータデバイス、1又は2以上のHMAのコントローラ、携帯デバイスのうちの1又は2以上の一実施形態を表すことができ、又はネットワークオペレーションセンタの一部とすることができる。
【0059】
図3に示すように、コンピュータデバイス300は、バス306を介して1又は2以上のメモリ304と通信することのできる1又は2以上のプロセッサ302を含む。一部の実施形態では、1又は2以上のプロセッサ302は、1又は2以上のハードウェアプロセッサ、1又は2以上のプロセッサコア、或いは1又は2以上の仮想プロセッサで構成することができる。場合により、1又は2以上のプロセッサのうちの1又は2以上は、本明細書に記載するものなどの、1又は2以上の特殊なアクションを実行するように特に設計された特殊用途のプロセッサ又は電子回路とすることができる。また、コンピュータデバイス300は、電源308、ネットワークインタフェース310、データ及び命令を格納するための非一時的なプロセッサ可読固定記憶デバイス312、データ及び命令を格納するための非一時的なプロセッサ可読リムーバブル記憶デバイス314、入出力インタフェース316、GPSトランシーバ318、ディスプレイ320、キーボード322、オーディオインタフェース324、ポインティングデバイスインタフェース326、HSM328を含むが、コンピュータデバイス300は、
図3に示し本明細書に記載するものよりも少ない又は多くの構成要素を含むことができる。電源308は、コンピュータデバイス300に電力を供給する。
【0060】
ネットワークインタフェース310は、コンピュータデバイス300を1又は2以上の有線及び/又は無線のネットワークに接続するための回路を含み、開放型システム間相互接続モデル(OSIモデル)の様々な部分を実装するプロトコル及び技術、移動体通信用グローバルシステム(GSM)、符号分割多重アクセス(CDMA)、時分割多重アクセス(TDMA)、ロングタームエボリューション(LTE)、5G、4G、3G、2G、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、伝送制御プロトコル/インタネットプロトコル(TCP/IP)、ショートメッセージサービス(SMS)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、WAP、超広帯域(UWB)、IEEE 802.16 ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMax)、セッション開始プロトコル/リアルタイム転送プロトコル(SIP/RTP)、或いは他の種々の有線及び無線通信プロトコルのうちの様々なものを含むがこれらに限定されない、1又は2以上の通信プロトコル及び技術と共に使用するために構成される。ネットワークインタフェース310は、トランシーバ、送受信デバイス、又はネットワークインタフェースカード(NIC)として知られている場合がある。コンピュータデバイス300は、必要に応じて、リモート基地局(図示せず)と通信する又は別のコンピュータと直接通信することができる。
【0061】
オーディオインタフェース324は、人間の音声などのオーディオ信号を生成して受信するように構成される。例えば、オーディオインタフェース324は、他の人との遠距離通信を可能にするために及び/又は何らかのアクションに対する音声確認応答を生成するために、スピーカ及びマイクロフォン(図示せず)に接続することができる。また、オーディオインタフェース324内のマイクロフォンは、例えば音声認識を用いて、コンピュータデバイス300への入力又はその制御のために使用することができる。
【0062】
ディスプレイ320は、液晶ディスプレイ(LCD)、ガスプラズマ、電子インク、発光ダイオード(LED)、有機LED(OLED)、又はコンピュータと共に使用できる様々な他のタイプの光反射式又は光透過式ディスプレイとすることができる。ディスプレイ320は、壁又は他の物体に画像を投影することのできる携帯型プロジェクタ又はピコプロジェクタとすることができる。
【0063】
また、コンピュータデバイス300は、
図3に示されない外部デバイス又はコンピュータと通信するための入出力インタフェース316を備えることができる。入出力インタフェース316は、USB
TM、Firewire
TM、Wi-Fi、WiMax、Thunderbolt
TM、赤外線、Bluetoooth
TM、Zigbeee
TM、シリアルポート、パラレルポートなどの、1又は2以上の有線又は無線の通信技術を利用することができる。
【0064】
また、入出力インタフェース316は、ジオロケーション情報を求める(例えば、GPSトランシーバデバイス318)、電力状態を監視する(例えば、電圧センサ、電流センサ、周波数センサなど)、天候を監視する(例えば、サーモスタット、気圧計、風向風速計、湿度検出器、降水量計など)などのために、1又は2以上のセンサを含むことができる。センサは、コンピュータデバイス300の外部のデータを収集及び/又は測定する1又は2以上のハードウェアセンサとすることができる。ヒューマンインタフェース構成要素は、コンピュータデバイス300から物理的に離れることができ、コンピュータデバイス300へのリモート入力及び/又は出力を可能にする。例えば、ここで説明するようにディスプレイ320又はキーボード322などのヒューマンインタフェース構成要素を介して経路指定される情報は、代わりに、ネットワークインタフェース310を介して、ネットワーク上の他の場所に位置する適切なヒューマンインタフェース構成要素へ経路制御することができる。ヒューマンインタフェース構成要素は、コンピュータがその人間ユーザから入力を受け取ること又はそこに出力を送ることを可能にする様々な構成要素を含む。従って、マウス、スタイラス、トラックボールなどのポインティングデバイスは、ポインティングデバイスインタフェース326を介して通信して、ユーザ入力を受け取ることができる。
【0065】
GPSトランシーバ318は、地球表面上でのネットワークコンピュータ300の物理座標を決定することができ、典型的には、緯度値及び経度値として位置を出力する。また、GPSトランシーバ340は、三角測量、アシスト型GPS(AGPS)、強化型観測時間差(E-OTD)、セル識別子(CI)、サービスエリア識別子(SAI)、強化型タイミングアドバンス(ETA)、基地局サブシステム(BSS)などを含むがこれらに限定されない、他のジオポジショニング機構を用いて、地球表面上でのネットワークコンピュータ300の物理的な位置をさらに決定することができる。種々の条件下で、GPSトランシーバ318は、ネットワークコンピュータ300の物理的な位置を決定することができることを理解されたい。しかしながら、1又は2以上の実施形態では、ネットワークコンピュータ300は、他の構成要素を介して、クライアントコンピュータの物理的位置を決定するために使用できる、例えば、メディアアクセス制御(MAC)アドレス、IPアドレスなどを含む他の情報を提供することができる。
【0066】
様々な実施形態の少なくとも1つでは、オペレーティングシステム306、通信プラットフォームエンジン348などのアプリケーションは、ジオロケーション情報を使用するように構成され、時間帯、言語、休日、文化的考慮事項、宗教的考慮事項、通貨、通貨フォーマット、カレンダフォーマットなどの、1又は2以上のローカライゼーション(変更)特徴を個々のユーザのために選択することができる。これらの変更特徴は、文書、節、節メタデータ、ファイルシステム、ユーザインタフェース、レポート、テキスト評価器、意味評価器、並びに内部処理又はデータベースで使用することができる。様々な実施形態の少なくとも1つでは、ローカライゼーション情報を選択するために使用されるジオロケーション情報は、GPS318によって提供することができる。また、一部の実施形態では、ジオロケーション情報は、無線ネットワーク108又はネットワーク111などのネットワーク上で1又は2以上のジオロケーションプロトコルを用いて提供される情報を含むことができる。
【0067】
メモリ304は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、及び/又は他のタイプのメモリを含むことができる。メモリ304は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータなどの情報を格納するためのコンピュータ可読記憶媒体(デバイス)の一例を示す。メモリ304は、コンピュータデバイス300の低レベル動作を制御するための基本入出力システム(BIOS)330を格納する。また、メモリは、コンピュータデバイス300の動作を制御するためのオペレーティングシステム332も格納する。この構成要素は、UNIX又はLINUXTMの或るバージョンなどの汎用オペレーティングシステム、又はマイクロソフト社のWindows(登録商標)オペレーティングシステム、又はアップル社のIOS(登録商標)オペレーティングシステムなどの専用オペレーティングシステムを含み得ることを理解されたい。オペレーティングシステムは、Javaアプリケーションプログラムを用いてハードウェア構成要素及び/又はオペレーティングシステム動作の制御を可能にするJava仮想マシンモジュールを含むか又はそれとインタフェース接続することができる。同様に、他のランタイム環境を含むことができる。
【0068】
メモリ304は、1又は2以上のデータ記憶装置334をさらに含むことができ、コンピュータデバイス300はこれを利用して、とりわけ、アプリケーション336及び/又は他のデータを格納することができる。例えば、データ記憶装置334を用いて、コンピュータデバイス300の様々な能力を表す情報を格納することもできる。様々な実施形態の1又は2以上では、データ記憶装置334は、ホログラム関数情報335又はビーム形状情報337を格納することができる。その場合、ホログラム関数情報335又はビーム形状情報337は、通信中にヘッダの一部として送信されること、要求に応じて送信されることなどを含む種々の方法のうちの様々なものに基づいて、別のデバイス又はコンピュータに提供することができる。データ記憶装置334を用いて、アドレス帳、バディリスト、エイリアス、ユーザプロファイル情報などを含むソーシャルネットワーキング情報を格納することもできる。データ記憶装置334は、プロセッサ302などの1又は2以上のプロセッサが使用するためのプログラムコード、データ、アルゴリズムなどさらに含み、以下に説明するようなアクションなどのアクションを実行し遂行することができる。一実施形態では、データ記憶装置334の少なくとも一部はまた、非一時的なプロセッサ可読固定記憶デバイス内の非一時的媒体、プロセッサ可読リムーバブル記憶デバイス314、又はコンピュータデバイス300内の様々な他のコンピュータ可読記憶デバイスを含むがこれらに限定されない、コンピュータデバイス300の別の構成要素に、或いはコンピュータデバイス300の外部にさえも格納することができる。
【0069】
アプリケーション336は、コンピュータデバイス300によって実行されると、メッセージ(例えば、SMS、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、インスタントメッセージ(IMS)、電子メール、及び/又は他のメッセージ)、音声、ビデオを送信、受信、及び/又は別の方法で処理して、別のモバイルコンピュータの別のユーザとの遠距離通信を可能にするコンピュータ実行可能命令を含むことができる。アプリケーションプログラムの他の例には、カレンダ、検索プログラム、電子メールクライアントアプリケーション、IMアプリケーション、SMSアプリケーション、ボイスオーバインタネットプロトコル(VOIP)アプリケーション、コンタクトマネージャ、タスクマネージャ、トランスコーダ、データベースプログラム、文書処理プログラム、セキュリティアプリケーション、スプレッドシートプログラム、ゲーム、検索プログラムなどが含まれる。アプリケーション336は、以下でさらに説明するアクションを実行するホログラム関数エンジン346、位相角エンジン347、及び/又は通信プラットフォームエンジン348を含むことができる。様々な実施形態の1又は2以上では、アプリケーションの1又は2以上を別のアプリケーションのモジュール及び/又は構成要素として実装することができる。さらに、様々な実施形態の1又は2以上では、アプリケーションをオペレーティングシステム拡張機能、モジュール、プラグインなどとして実装することができる。
【0070】
さらに、様々な実施形態の1つ以上において、ホログラム関数エンジン346、位相角エンジン347、及び/又は通信プラットフォームエンジン348などの特殊なアプリケーションは、本明細書に記載された特殊な動作を実行するために、ネットワーク化されたコンピューティング環境で作動することができる。様々な実施形態の1又は2以上では、これらのアプリケーション及び他のアプリケーションは、ローカルネットワーク、広域ネットワーク、又はクラウドベースのコンピューティング環境などのネットワーク化環境で管理することのできる仮想マシン及び/又は仮想サーバの中で実行される場合がある。様々な実施形態の1又は2以上では、この観点から、アプリケーションは、クラウドコンピューティング環境によって自動的に管理されるパフォーマンス及びスケーリングの考慮に応じて、クラウドベース環境内の1つの物理的コンピュータデバイスから別の物理的コンピュータデバイスへと流れることができる。同様に、様々な実施形態の1又は2以上では、ホログラム関数エンジン346、位相角エンジン347、及び/又は通信プラットフォームエンジン348に専用の仮想マシン及び/又は仮想サーバは、自動的に利用可能にし、利用中止にすることができる。
【0071】
また、様々な実施形態の1又は2以上では、ホログラム関数エンジン346、位相角エンジン347、通信プラットフォームエンジン348などは、1又は2以上の特定の物理的コンピュータデバイスに関わるのではなく、ネットワーク化されたコンピューティング環境で動作する仮想サーバ内に置くことができる。
【0072】
さらに、コンピュータデバイス300は、鍵、デジタル証明書、パスワード、パスフレーズ、二要素認証情報などといったセキュリティ/暗号情報を生成、格納、及び/又は使用するために、付加的な耐タンパ性安全機能を提供するHSM328を備えることができる。一部の実施形態では、ハードウェアセキュリティモジュールは、1又は2以上の標準的な公開鍵基盤(PKI)をサポートするために用いること、及び鍵対などを生成、管理、及び/又は格納するために用いることができる。一部の実施形態では、HSM328は独立型コンピュータデバイスとすることができ、他の場合には、HSM328は、コンピュータデバイスに取付け可能なハードウェアカードとして設けることができる。
【0073】
加えて、1又は2以上の実施形態(図示せず)では、コンピュータデバイスは、1又は2以上のCPUの代わりに、1又は2以上の組込論理ハードウェアデバイス、例えば、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)、PAL(プログラマブル・アレイ・ロジック)、又はそれらの組み合わせを含むことができる。組込論理ハードウェアデバイスは、アクションを遂行するために組込論理を直接実行することができる。また、1又は2以上の実施形態(図示せず)では、コンピュータデバイスは、CPUの代わりに1又は2以上のハードウェアマイクロコントローラを含むことができる。1又は2以上の実施形態では、1又は2以上のマイクロコントローラは、自身の組込論理を直接実行してアクションを遂行し、自身の内部メモリ及び自身の外部入出力インタフェース(例えば、ハードウェアピン及び/又は無線トランシーバ)にアクセスして、システムオンチップ(SOC)などのようにアクションを遂行することができる。
【0074】
一般的動作
図4Aには、データセンタ及びネットワークオペレーションセンタなどの遠隔位置にあるコンピューティングリソースと、乗り物の乗客及び乗り物自体が制御する無線デバイスとの間の無線通信を提供するために、本発明を用いて、遠隔位置にある表面散乱アンテナと動いている乗り物との間で無線信号を伝達する方法が示されている。開始ブロックからブロック402に移ると、処理は、既知又は未知の進路とすることのできる進路に沿って移動している可能性のある移動乗り物(又は乗り物の乗客が使用する無線デバイス)によって提供される無線信号を検出するために、複数の表面散乱アンテナのうちの1又は2以上を用いる。
【0075】
ブロック404において、検出された無線信号及び他の情報を用いて複数の表面散乱アンテナのうちの1つを選択し、進路上の現在位置で乗り物及び/又はその乗客の無線デバイスと無線通信する。その他の情報には、無線デバイスを含み1又は2以上の進路を以前移動したことのある他の乗り物に基づく経験的知識、表面散乱アンテナの特性、速度、天候、事象、距離、事象、負荷バランス情報、複数の表面散乱アンテナのトポロジ、飛行計画、航路、GPS情報、飛行中の情報、高速道路地図、水深チャート、鉄道線路地図、選択された表面散乱アンテナが先に伝達した無線信号との検出された干渉、天候、メンテナンス事象、機械学習モデル、又は何らかの他の第三者の情報のうちの1又は2以上を含めることができる。
【0076】
ブロック406に移ると、選択された表面散乱アンテナと動いている乗り物の乗客が使用する無線デバイスとの間の無線通信を改善するために、選択された表面散乱アンテナに対して決定された波形が提供される。局所的に、選択された表面散乱アンテナは、決定された波形を用いて、動いている又はそうでない可能性のある乗り物の乗客が使用する無線デバイスに対して、選択された表面散乱アンテナが伝達する無線信号の形状、位相、又は方向のうちの1又は2以上を準備する。1又は2以上の実施形態では、各新しい波形の決定は、1又は2以上の表面散乱アンテナによって、又はネットワークを介してクラウドコンピューティングシステム、エッジコンピューティングリソース、リモートサーバコンピュータなどといったリモートリソースと組み合わせて、実行することができる。
【0077】
ブロック408で、選択された表面散乱アンテナは、決定された波形を用いて、動いている乗り物及び/又はその乗客の無線デバイスと無線通信する。次に、判定ブロック410において、選択された表面散乱アンテナによって検出された無線信号が閾値以下に低減したか否かが決定される。真の場合、処理はブロック402に戻り、新しい現在位置で動いている乗り物内の乗客の無線デバイスと無線信号をやりとりするために新しい表面散乱アンテナを選択し、再び実質的に同じアクションを実行する。しかしながら、判定ブロック410での決定が偽である場合、処理はブロック408にループバックして再び実質的に同じアクションを実行する。
【0078】
図4Bは、複数の表面散乱アンテナのうちの1又は2以上で無線通信を提供する際の問題を検出し、乗客、乗り物などが使用する無線デバイスに無線通信を提供する際の問題を少なくとも低減する是正を遠隔的に決定するための処理に関するフローチャートを示す。処理は開始ブロックから判定ブロック412に進み、無線デバイスとの無線通信のために選択できる複数の表面散乱アンテナのうちの1又は2以上について、低下した無線通信が問題であるか否かを決定する。
【0079】
判定ブロック412での決定が真である場合、処理はブロック414に進み、ここで、異なる種類の情報を遠隔的に使用して、無線通信の問題を補償するために複数の表面散乱アンテナのうちの1又は2以上に対して1又は2以上の新しい構成を決定する。異なる種類の情報には、相関関係、因果関係、並びに、表面散乱アンテナ性能の異常、休日、現在の事象、負荷バランス情報、複数の表面散乱アンテナのトポロジ、飛行計画、高速道路地図、鉄道線路地図、1又は2以上の表面散乱アンテナに関して先に検出された無線通信干渉、天候事象、メンテナンス事象、1又は2以上の表面散乱アンテナの損傷、又は何らかの他の第三者情報などの無線通信問題に関連する他のデータを含めることができる。新しい構成は、選択された表面散乱アンテナに対する新たに決定された波形を含み、動いている乗り物の乗客が使用する無線デバイス、動いている乗り物自体が使用する無線デバイスなどとの無線通信を提供するために、表面散乱アンテナのうちの1又は2以上が選択されないようにすることができる。
【0080】
ブロック416において、選択された表面散乱アンテナと乗り物との間に無線通信を提供する際の問題を是正するために、新しい構成が複数の表面散乱アンテナの少なくとも一部にダウンロードされる。次に、ブロック418において、システム管理者などのユーザに対し、問題が検出され、表面散乱アンテナのうちの1又は2以上に対する新しい構成がダウンロードされインストールされたというレポートが提供される。
【0081】
ブロック420では、その問題を修正するための推奨事項を作成するために評価が行われ、新しい構成がもはや必要とされないようにする。例えば、問題が停電であると決定された場合、構造物(建物、樹木)が特定の表面散乱アンテナの十分な動作を妨げている場合、又は鳥が表面散乱アンテナの表面に排便した場合などには、この種の問題を修正するために保守技術者を派遣するべきという勧告がシステム管理者に提供される。次に、処理は判定ブロック412に戻り、ここで実質的に同じアクションが再び実行される。
【0082】
加えて、1又は2以上の実施形態では、新しい構成の決定は、1又は2以上の表面散乱アンテナによって局所的に、或いはネットワークを介してクラウドコンピューティングシステム、エッジコンピューティングリソース、リモートサーバコンピュータなどといったリモートリソースと組み合わせて、実行することができる。
【0083】
図5Aには、遠隔位置にある表面散乱アンテナと、所定位置にいる1又は2以上の歩行者が使用する1又は2以上の無線デバイスとの間で無線信号をやりとりして、データセンタ及びネットワークオペレーションセンタなどの遠隔位置にあるコンピューティングリソース、並びに他の無線デバイスとの無線通信を無線デバイスに提供できるようにするために本発明を用いる方法が示されている。開始ブロックからブロック502に移ると、処理は、複数の表面散乱アンテナのうちの1又は2以上を用いて、その位置にいる1又は2以上の歩行者が使用する1又は2以上の無線デバイスによって提供された無線信号を検出する。
【0084】
ブロック504において、検出された無線信号及び他の情報を用いて複数の表面散乱アンテナのうちの1つを選択し、既知又は未知の位置とすることのできる現在位置にいる1又は2以上の歩行者が使用する1又は2以上の無線デバイスと無線通信する。その他の情報には、その位置に以前いたことのある1又は2以上の歩行者が使用した1又は2以上の他の無線デバイスに基づく経験的知識、表面散乱アンテナの特性、速度、天候、事象、距離、事象、負荷バランス情報、複数の表面散乱アンテナのトポロジ、飛行計画、航路、水深チャート、GPS情報、飛行中の情報、高速道路地図、鉄道線路地図、選択された表面散乱アンテナが以前伝達した無線信号との検出された干渉、天候、メンテナンス事象、機械学習モデル、又は何らかの他の第三者の情報のうちの1又は2以上を含めることができる。
【0085】
ブロック506に移ると、選択された表面散乱アンテナとその位置にいる1又は2以上の歩行者が使用する1又は2以上の無線デバイスとの間の無線通信を改善するために、選択された表面散乱アンテナに対して決定された波形が提供される。局所的に、選択された表面散乱アンテナは、決定された波形を用いて、選択された表面散乱アンテナによって歩行者が使用する無線デバイスとやりとりされる無線信号の形状、位相、又は方向のうちの1又は2以上を準備する。1又は2以上の実施形態では、各波形の決定は、選択された表面散乱アンテナによって、又はネットワークを介してクラウドコンピューティングシステム、リモートサーバコンピュータ、エッジコンピューティングリソースなどと組み合わせて、実行することができる。
【0086】
ブロック508において、選択された表面散乱アンテナは、決定された波形を使用して、1又は2以上の歩行者が使用する1又は2以上の無線デバイスと無線通信する。次に、判定ブロック510において、選択された表面散乱アンテナによって検出された無線信号がその位置で閾値以下に低下したか否かが決定される。真の場合、処理はブロック502に戻り、新しい現在位置へ移った可能性のある1又は2以上の歩行者が使用する1又は2以上の無線デバイスと無線信号をやりとりするために新しい表面散乱アンテナを選択し、再び実質的に同じアクションを実行する。しかしながら、判定ブロック510での決定が偽である場合、処理はブロック508にループバックして再び実質的に同じアクションを実行する。
【0087】
図5Bは、複数の表面散乱アンテナのうちの1又は2以上で無線通信を提供する際の問題を検出し、無線デバイスに無線通信を提供する際の問題を少なくとも低減する是正を遠隔的に決定するための処理に関するフローチャートを示す。処理は開始ブロックから判定ブロック412に進み、無線デバイスとの無線通信のために選択できる複数の表面散乱アンテナのうちの1又は2以上について、低下した無線通信が問題であるか否かを決定する。
【0088】
判定ブロック412での決定が真である場合、処理はブロック414に進み、ここで、異なる種類の情報を遠隔的に使用して、無線通信の問題を補償するために複数の表面散乱アンテナのうちの1又は2以上に対して1又は2以上の新しい構成を決定する。異なる種類の情報には、相関関係、因果関係、並びに、表面散乱アンテナ性能の異常、休日、現在の事象、負荷バランス情報、複数の表面散乱アンテナのトポロジ、飛行計画、高速道路地図、鉄道線路地図、1又は2以上の表面散乱アンテナに関して以前検出された無線通信干渉、天候事象、メンテナンス事象、1又は2以上の表面散乱アンテナの損傷、又は何らかの他の第三者情報などの無線通信問題に関連する他のデータを含めることができる。新しい構成は、選択された表面散乱アンテナに対する新たに決定された波形を含み、歩行者が使用する無線デバイスとの無線通信を提供するために、表面散乱アンテナのうちの1又は2以上が選択されないようにすることができる。
【0089】
ブロック516において、選択された表面散乱アンテナと進路上を動いている乗り物との間に無線通信を提供する際の問題を是正するために、新しい構成が複数の表面散乱アンテナの少なくとも一部にダウンロードされる。次に、ブロック518において、システム管理者などのユーザに対し、無線通信の問題が検出され、表面散乱アンテナのうちの1又は2以上に新しい構成がダウンロードされインストールされたというレポートが提供される。
【0090】
ブロック520では、その問題を修正するための推奨事項を作成するために評価が行われ、新しい構成がもはや必要とされないようにする。例えば、問題が停電であると決定された場合、構造物(建物、樹木)が特定の表面散乱アンテナの十分な動作を妨げている場合、又は鳥が表面散乱アンテナの表面に排便した場合などには、この種の問題を修正するために保守技術者を派遣するべきという勧告がシステム管理者に提供される。次に、処理は判定ブロック512に戻り、ここで実質的に同じアクションが再び実行される。
【0091】
加えて、1又は2以上の実施形態では、新しい構成の決定は、1又は2以上の表面散乱アンテナによって局所的に、或いはネットワークを介してクラウドコンピューティングシステム、エッジコンピューティングリソース、リモートサーバコンピュータなどといったリモートリソースと組み合わせて、実行することができる
【0092】
図6Aは、表面散乱アンテナと動いている乗り物との間の無線通信における干渉を決定するための処理に関するフローチャートを示す。処理は開始ブロックから判定ブロック602に進み、ここで、複数の表面散乱アンテナのうちの1又は2以上によって提供される無線通信における干渉が検出されたか否かの決定が行われる。真である場合、処理はブロック604に進み、ここで、第三者のアンテナ又は複数の表面散乱アンテナの別のものによる検出された無線信号の干渉が、選択された表面散乱アンテナの波形にヌル又は零点を作り出すことによって補償される。補償された波形により、選択された表面散乱アンテナは、その無線信号干渉の物理的位置を避ける無線信号の1又は2以上のビームで通信することが可能になる。また、決定された補償波形は、断続的、一時的、又は持続的な干渉の周りにヌルを作り出すために迅速に変化させることができる。さらに、1又は2以上の実施形態では、新しい構成の決定は、1又は2以上の表面散乱アンテナによって局所的に、或いはネットワークを介してクラウドコンピューティングシステム、エッジコンピューティングリソース、リモートサーバコンピュータなどといったリモートリソースと組み合わせて、実行することができる。
【0093】
次に、ブロック606において、補償された波形は、選択された表面散乱アンテナに提供され、選択された表面散乱アンテナによって局所的に使用されて、検出された別のアンテナによる干渉を是正するように構成された無線信号の1又は2以上の波形ビームを生成する。さらに、ブロック608において、検出された干渉と、1又は2以上の選択された表面散乱アンテナに提供された1又は2以上の補償波形が与えた是正とが、システム管理者に報告される。
【0094】
ブロック610では、例えば第三者のアンテナ又は複数の表面散乱アンテナのうちの1又は2以上の以上などの、1又は2以上の原因を有する可能性がある干渉を修正するために、1又は2以上の推奨事項について評価が行われる。また、推奨事項には、複数の表面散乱アンテナのトポロジを変えること、複数の表面散乱アンテナのうちの1又は2以上の物理的配置を変えること、又は複数の表面散乱アンテナのうちの1又は2以上にメンテナンスを施すことを含めることができる。加えて、1又は2以上の実施形態では、検出された干渉のうちの1又は2以上のマップをシステム管理者/ユーザに提供して、検出された干渉によって生じた問題の重大性の理解をさらに与えることができる。次に、処理は判定ブロック602にループバックし、ここで実質的に同じアクションが実行される。
【0095】
図6Bは、複数の表面散乱アンテナのうちの2又は3以上によって無線通信(負荷)が提供される複数の無線デバイスを管理するためのフローチャートを示す。これらの表面散乱アンテナの各々は、歩行者、乗客又は乗り物が使用する無線デバイスに無線通信を提供するために同じ又は異なる能力を有することができる。この能力は、例えば、帯域幅の量、接続タイプ、表面散乱アンテナ性能の1又は2以上の異常、表面散乱アンテナのタイプ及び/又はモデル、機械的損傷、電子的損傷、メンテナンス、天候、温度、アンテナの干渉などに基づくことができる。
【0096】
処理は開始ブロックから判定ブロック612に進み、ここで、表面散乱アンテナの1又は2以上が、無線通信が提供された無線デバイスの現在設定されている負荷を処理できなくなる可能性があるか又は現在処理できていないか否かについて、決定がなされる。決定が肯定的である場合、1又は2以上の表面散乱アンテナに関して、処理はブロック614に進み、ここで、無線デバイスの過負荷の一部又は全部を、現在過負荷ではない1又は2以上の他の表面散乱アンテナに移すという新しい構成が決定される。過負荷の無線デバイスに対する無線通信の提供を引き継ぐために、1又は2以上の負荷バランス方法を用いて、1又は2以上の他の表面散乱アンテナを選択することができる。
【0097】
ブロック616に移って、1又は2以上の過負荷の表面散乱アンテナと、1又は2以上の選択された他の負荷バランス用の表面散乱アンテナとの両方に、新しい構成が提供される。ブロック618に進むと、システム管理者などのユーザに対し、負荷バランス問題が検出され、表面散乱アンテナのうちの1又は2以上に対する新しい構成がインストールされたという、新しい負荷バランス構成に関するレポートが提供される。
【0098】
ブロック620では、負荷バランス問題を修正するための推奨事項を作成するために評価が行われ、新しい負荷構成がもはや必要とされないようにする。次に、処理は判定ブロック612に戻り、ここで実質的に同じアクションが再び実行される。
【0099】
加えて、1又は2以上の実施形態では、新しい負荷バランス構成の決定は、1又は2以上の表面散乱アンテナによって局所的に、或いはネットワークを介してクラウドコンピューティングシステム、エッジコンピューティングリソース、リモートサーバコンピュータなどといったリモートリソースと組み合わせて、実行することができる。
【0100】
例示的な論理システムアーキテクチャ
図7は、通信プラットフォームエンジン702が、クライアント(乗り物及び乗客のユーザデバイス)、ネットワークオペレーションセンタ、データセンタ、管理者及び他のクライアント間の改善された無線通信を提供することを可能にする、遠隔位置にある例示的なコンピューティングシステム700のブロック図を示す。1又は2以上の実施形態では、システム700は、複数の有線及び無線のネットワークを介してクライアントとの無線通信を管理するプライベート又はパブリックのクラウドベースシステムと統合することができる。
【0101】
例示的な通信プラットフォームエンジンは、インテークインタフェースモジュール、1又は2以上のデータベース、機械学習モジュール、クラウドコンピュータモジュール、及び認可モジュールを含む、複数のモジュールを含む。認可モジュールは、クライアント706、ネットワーク認可センタ704、システム管理者710、第三者のデータソース708などによって、通信プラットフォームへアクセスを制御するルールを使用する。例示的な通信プラットフォームエンジンは、動いている乗り物に無線通信を提供する表面散乱アンテナ間のハンドオフ、無線通信を改善するための波形最適化、波形ビーム干渉の是正、警報、通知、レポート、推奨事項、複数の表面散乱アンテナに関する負荷の負荷バランス、リアルタイムアクションのために待ち時間を低減し、非リアルタイムアクションのためにより大きな待ち時間を与えるためのコンピューティングリソースのオンデマンドシャーディングを管理するように動作可能である。
【0102】
1又は2以上の実施形態では、通信プラットフォームエンジンの複数のインスタンスを提供することができる。地域通信プラットフォームエンジンは、現在進路に沿って移動している移動乗り物との無線通信を改善するために選択された表面散乱アンテナのための特定の波形を決定するなどの、特定タイプのアクションに関する待ち時間を低減するために、移動乗り物が移動した複数の進路に物理的に近接してインスタンス化することができる。例えば、複数の表面散乱アンテナのうちの1又は2以上によって、航空機が無線通信信号を提供していることが検出されると、通信プラットフォームは、航空機の方向、距離、及び速度を特定し、次いで、航空機がその飛行進路上を平行に移動し続けると見込まれる地上の進路に沿って位置する選択された表面散乱アンテナに、決定された波形及びハンドオフ時間をダウンロードすることができる。
【0103】
また、1又は2以上の実施形態では、通信プラットフォームエンジンの他のインスタンスは、移動乗り物が移動する複数の進路に対して物理的に離れた位置にインスタンス化して、通信問題、無線信号干渉、複数の表面散乱アンテナが取り扱う無線通信の負荷バランス、複数の表面散乱アンテナに対するネットワークのトポロジの最適化、メンテナンス問題などを是正するための推奨事項など、特定種類の決定を提供することができる。
【0104】
1又は2以上の実施形態では、機械学習モジュールは、乗り物と複数の表面散乱アンテナとの間の無線通信を改善する第1の選択肢を迅速に特定するために、履歴データを用いて1又は2以上のモデルを最適化することができる。例えば、進路に沿って移動している移動乗り物との無線通信を提供するために、複数の表面散乱アンテナから第1の選択肢が選択されることになる。また、1又は2以上のモデルは、選択された表面散乱アンテナにもたらされる決定された波形に関する第1の選択肢を提供することができる。さらに、1又は2以上のモデルは、選択された表面散乱アンテナに第1選択肢の補償波形を与えて、無線信号の干渉を是正することができる。機械学習モジュールがより多くの履歴データを検証するに従って、複数の表面散乱アンテナと動いている乗り物との間の無線通信を改善するために、他の多くのタイプのモデルを作り出すことになることを理解されたい。
【0105】
フローチャート説明図の各ブロック、及びフローチャート説明図のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装できることが理解されよう。これらのプログラム命令をプロセッサに与えて、プロセッサ上で実行される命令が、フローチャートのブロック(複数可)で指定される動作を実施するための手段を生成するように、マシンを作り出すことができる。コンピュータプログラム命令は、プロセッサで実行して、プロセッサによって一連の動作ステップが実行されるようにして、プロセッサ上で実行される命令がフローチャートブロック(複数可)で指定されたアクションを実施するためのステップを提供するように、コンピュータ実装型処理を生成することができる。また、コンピュータプログラム命令は、フローチャートのブロックに示された動作ステップの少なくとも一部を並列で実行させることもできる。さらに、ステップの一部は、マルチプロセッサコンピュータシステムで起こる場合があるように、2以上のプロセッサにわたって実行することができる。加えて、フローチャート説明図の1又は2以上のブロック又はブロックの組み合わせは、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他のブロックと並行して又はブロックの組み合わせて、或いは説明図とは異なる順序で実行することができる。
【0106】
従って、フローチャート説明図のブロックは、特定のアクションを実行するための手段の組み合わせ、特定のアクションを実行するためのステップの組み合わせ、及び特定のアクションを実行するためのプログラム命令手段をサポートする。また、フローチャート説明図の各ブロック、及びフローチャート説明図内のブロックの組み合わせは、特定のアクション又はステップを実行する専用ハードウェアベースのシステム、或いは専用ハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせによって実装できることを理解されたい。前述の実施例は、限定的又は網羅的と解釈するのではなく、むしろ、本発明の様々な実施形態のうちの少なくとも1つの実施態様を示す例示的な使用事例と解釈するべきである。
【0107】
さらに、1又は2以上の実施形態(図示せず)では、例示的なフローチャートの論理は、CPUの代わりに、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルアレイロジック(PAL)など、又はそれらの組み合わせといった組込み論理ハードウェアデバイスを用いて実行することができる。組込み論理ハードウェアデバイスは、アクションを遂行するために組込み論理を直接実行することができる。少なくとも1つの実施形態では、マイクロコントローラは、自身の組込み論理を直接実行してアクションを遂行し、自身の内部メモリ及び自身の外部入出力インタフェース(例えば、ハードウェアピン又は無線トランシーバ)にアクセスして、システムオンチップ(SOC)などのようにアクションを遂行することができる。