(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】経歯槽骨歯科用インプラントのための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A61C 8/00 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
A61C8/00 Z
(21)【出願番号】P 2021523560
(86)(22)【出願日】2019-07-09
(86)【国際出願番号】 US2019041049
(87)【国際公開番号】W WO2020014259
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-07-05
(32)【優先日】2018-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521017479
【氏名又は名称】インディビジュアル・インプラント・ソリューションズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ヘイル、ロバート・ジー.
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-205523(JP,U)
【文献】特開平01-299563(JP,A)
【文献】国際公開第2017/108357(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0248441(US,A1)
【文献】特表2016-523160(JP,A)
【文献】米国特許第05201736(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0028213(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0349251(US,A1)
【文献】米国特許第4702697(US,A)
【文献】国際公開第2017/083922(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0049538(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面部と輪郭部とを有する骨プレートと、
ポストと、を具備する、歯科用インプラントであって、
前記ポストはポスト基部とポスト先端を備え、前記ポスト基部は支台歯を受けるように設計され、
前記骨プレートの前記平面部
に前記ポスト
先端が結合されて、骨切り用垂直スロット内に位置決めされ、
前記骨プレートの前記輪郭部の1つ以上の表面は、顔面頭蓋の骨の選択された表面に対して輪郭形成され、
前記骨プレートは、前記顔面頭蓋に結合されるように構成される、歯科用インプラント。
【請求項2】
前記骨プレートは、チタンで作製される、請求項1に記載の歯科用インプラント。
【請求項3】
前記骨プレートの前記輪郭部は、前記顔面頭蓋に結合されるように構成される、請求項1に記載の歯科用インプラント。
【請求項4】
前記顔面頭蓋の前記骨の前記選択された表面は、皮質骨の厚さの決定に基づいて選択される、請求項1に記載の歯科用インプラント。
【請求項5】
前記骨プレートは、前記歯科用インプラントを前記顔面頭蓋に固定するための複数の通し開口をさらに具備する、請求項1に記載の歯科用インプラント。
【請求項6】
前記ポストのポスト先端は、前記骨切り用垂直スロット内の前記骨プレートの前記平面部の表面に垂直に結合される、請求項1に記載の歯科用インプラント。
【請求項7】
前記垂直スロットによる骨切りは
、歯槽骨内で実行される、請求項1に記載の歯科用インプラント。
【請求項8】
前記骨プレートの外側角は、
前記平面部の長手軸に垂直な第1の平面における前記骨プレートの縦軸と前記骨プレートの前記輪郭部の軸との間の角度と定義されて、-60°~+60°である、請求項1に記載の歯科用インプラント。
【請求項9】
前記骨プレートの前側角は、
前記平面部の長手軸と前記骨プレートの縦軸とで形成される第2の平面における前記骨プレートの縦軸と前記骨プレートの前記輪郭部の軸との間の角度と定義されて、-60°~+60°である、請求項1に記載の歯科用インプラント。
【請求項10】
前記骨切り用垂直スロットは、コラーゲン膜により密封される、請求項1に記載の歯科用インプラント。
【請求項11】
処理回路
が、顔面頭蓋に対応する構造データを取得すること、
前記処理回路
が、皮質骨の厚さの決定に基づいて、前記顔面頭蓋の骨の表面を選択すること、
前記処理回路
が、前記顔面頭蓋の前記骨の前記表面の前記選択に基づいて、輪郭形成された表面を生成すること、及び
前記処理回路
が送信
した命令に基づいて、前記生成された輪郭形成された表面に基づいた骨プレートを作製すること、を含む、歯科用インプラントの製造方法であって、
前記骨プレートは、平面部と輪郭部とを具備し、
さらに、支台歯を受けるように設計されたポスト基部とポスト先端を備えるポストを具備し、前記骨プレートの前記平面部
に前記ポスト先端が結合されて、骨切り用垂直スロット内に位置決めされ、前記輪郭部は、前記顔面頭蓋の前記骨の前記選択された表面に近接して位置決めされ、
前記骨プレートは、前記顔面頭蓋に結合されるように構成される、歯科用インプラントの製造方法。
【請求項12】
前記骨プレートは、直接金属レーザ焼結法により作製される、請求項11に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示の分野
本開示は、口腔と顎顔面の外科手術の分野に関し、特に、歯列修復のための歯科用インプラント手術の分野に関する。
【0002】
先行技術の説明
部分無歯症、又は重症例における、完全無歯症、全歯の欠損は、咀嚼、発語、及び見栄えに重大な影響を有し得る。歯科用インプラント手術は、義歯又は架工義歯の代替手段として、歯根を金属製ポストで、損傷歯又は欠損歯は、自然歯に機能や見栄えが類似する義歯で置き換える。このような義歯は、自然歯と同様、骨性統合により固定を堅固にし、さらに荷重を分散させて、人工関節周囲骨の質を維持する、ポスト、又はねじ様構成要素により、歯槽骨に固定される。
【0003】
しかしながら、典型的な歯根形状の歯科用インプラントでは、骨性統合を促進し、適切な耐荷重性と機能を可能にするために、十分な歯槽骨を必要とする。歯槽骨が不十分な場合、重度の歯槽骨退縮又は骨格性疾病素質の結果として、成功率にばらつきがある上に時間を要することが多い、代替策を使用しなければならない。歯科再建術への確固たる方策は、いまだ開発されていない。
【0004】
上述の「背景技術」は、本開示の状況を概要で示す目的で記載される。発明者の発明は、本背景技術の項で記載された程度にまで、またそれ以外では、出願時に先行技術の資格を満たさない場合がある記載の態様と同様に、本発明に対する先行技術として、明示又は黙示いずれによっても許容されるものではない。
【発明の概要】
【0005】
1つの実施形態によれば、本開示は、平面部と輪郭部とを有する骨プレートと、ポストと、を具備する歯科用インプラントに関し、骨プレートの平面部とポストは、骨切り用垂直スロット内に位置決めされ、骨プレートの輪郭部の1つ以上の表面は、顔面頭蓋の骨の選択された表面に対して輪郭形成され、骨プレートは、顔面頭蓋に結合されるように構成される。
【0006】
1つの実施形態によれば、本開示は、処理回路により、顔面頭蓋に対応する構造データを取得すること、処理回路により、皮質骨の厚さの決定に基づいて、顔面頭蓋の骨の表面を選択すること、処理回路により、顔面頭蓋の骨の表面の選択に基づいて、輪郭形成された表面を生成すること、及び処理回路により送信された命令に基づいて、生成された輪郭形成された表面に基づいた骨プレートを作製すること、を含む、歯科用インプラントの製造方法にさらに関し、骨プレートは、平面部と輪郭部とを具備し、骨プレートの平面部は、骨切り用垂直スロット内に位置決めされ、輪郭部は、顔面頭蓋の骨の選択された表面に近接して位置決めされ、骨プレートは、顔面頭蓋に結合されるように構成される。
【0007】
1つの実施形態によれば、本開示は、顔面頭蓋の骨の選択された表面に対して輪郭形成された1つ以上の表面を有する骨プレートと、骨プレートからその下に延伸する突出部と、を具備する歯科用インプラントであって、突出部は、義歯に結合されるように構成され、骨プレートは、顔面頭蓋に結合されるように構成される、歯科用インプラントにさらに関する。
【0008】
上述の段落は、概要紹介を手段として提供されたものであって、以下の特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。記載の実施形態は、さらなる利点と併せて、添付図面に関連して記載する以下の詳細な説明を参照して、最良に理解されるであろう。
【0009】
本開示をより完全に理解し、その付随する利点の多くが容易に得られる一方、同様のことは、添付図面と併せて検討する場合、以下の詳細な説明を参照することで、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】
図1Aは、歯科用インプラントシステムの概略図である。
【
図1B】
図1Bは、生体内の歯科用インプラントシステムのX線写真である。
【
図2】
図2は、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、経歯槽骨歯科用インプラントの概略断面図である。
【
図3】
図3Aは、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、経歯槽骨歯科用インプラントの概略正面図である。
図3Bは、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、経歯槽骨歯科用インプラントの概略側面図である。
【
図4】
図4Aは、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、経歯槽骨歯科用インプラントの概略正面図である。
図4Bは、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、経歯槽骨歯科用インプラントの概略側面図である。
図4Cは、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、経歯槽骨歯科用インプラントの斜視図である。
【
図5】
図5は、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、経歯槽骨歯科用インプラントの作製フローチャートである。
【
図6】
図6は、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、経歯槽骨歯科用インプラントのインプラント埋入のフローチャートである。
【
図7】
図7は、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、前方斜視から1つ以上の埋入された経歯槽骨歯科用インプラントの生体外の図を示す。
【
図8】
図8は、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、内部斜視から1つ以上の埋入された経歯槽骨歯科用インプラントの生体外の図を示す。
【
図9】
図9は、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、側面斜視から1つ以上の埋入された経歯槽骨歯科用インプラントの生体外の図を示す。
【
図10】
図10は、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、データ処理装置のハードウェア記述である。
【
図11】
図11は、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、経前庭骨歯科用インプラントの概略断面図である。
【
図12】
図12Aは、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、経前庭歯科用インプラントの概略正面図である。
図12Bは、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、経前庭歯科用インプラントの概略斜視図である。
【
図13】
図13は、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、経前庭歯科用インプラントの概略断面図である。
【
図14】
図14は、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、経前庭歯科用インプラントのインプラント埋入のフローチャートである。
【
図15】
図15は、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、1つ以上の埋入された経前庭歯科用インプラントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で使用する用語「a」又は「an」は、1つ又は2つ以上と定義される。本明細書で使用する用語「複数の」は、2つ又は3つ以上と定義される。本明細書で使用する用語「別の」は、少なくとも第2又はそれ以上と定義される。本明細書で使用する用語「~を含む」及び/又は「~を有する」は、具備する(すなわち、非限定語)と定義される。出願書類全体にわたって、「1つの実施形態」、「特定の実施形態」、「1つの実施形態」、「1つの方法」、「1つの実施例」又は類似の用語に言及することは、本実施形態に関連して記載する特定の機構、構造体、又は特徴が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。このため、明細書全体にわたって様々な箇所において、このような用語を記載しても、必ずしもそのすべてが同一の実施形態に言及しない。さらに、特定の機構、構造、又は特徴は、限定なく、1つ以上の態様において、任意の適切な方法で組み合わせ可能である。
【0012】
歯根形状の歯科用インプラントは、
図1Aに記載の通り、歯槽骨が十分に存在する場合、歯科再建術には有効な対策である。歯で支持される橋架工義歯と比較すると、歯根形状の歯科用インプラントは、歯槽骨内に固定されて、骨負荷を保持することで、下層の骨の健康を維持可能である。
図1Aを参照すると、歯根形状の歯科用インプラントは、当初は、ポスト105、又は顔面頭蓋の歯槽骨内で固定された、ねじ様金属構成要素からなる。支台歯110は、歯冠150が後に追加されるプラットフォームとして機能し、ポスト106の基部に機械結合される。
図1Bに記載のX線写真では、ポスト105は、自然歯121の歯根120の配列と同様、歯槽骨内に堅固に固定される。ほとんどの場合、患者は、機能が整復して帰宅し、インプラントを一体化させる場合(4~12週)に恒久的な歯冠が整復されて、咀嚼、発語、及び見栄えが改善された通常機能に復帰することができる。
【0013】
しかしながら、骨が不適当な場合、骨委縮又は骨格性疾病素質の結果として、歯根形状の歯科用インプラントは、上述の通り、外科的選択肢ではない。このような場合、移植片の有無に関わらず、骨委縮を対象とする骨移植、歯槽骨仮骨延長法、骨充填による上顎洞の挙上、下顎骨神経の側性化、皮質骨切除術、及び肺胞拡張を含むがこれらに限定されない、特別な手法への依存を要する場合がある。上記の手法が特定の患者に希望を与えるものの、各々は、それぞれ一連の不具合を有する。一般的に、これらの手法により、患者の待ち時間が長くなり、義歯の適合に要する関連する実験ステップの数が増加する。具体的には、骨移植の場合と同様に、ドナー部位の病的状態のリスクと、歯科用インプラントのハードウェアのインプラント埋入前に時間がかかる回復期は、転帰の奏功に重大な課題を与える。
【0014】
この目的のために、経歯槽骨歯科用インプラントは、本開示に記載され
図2で紹介する通り、歯根形状の歯科用インプラントの利点を保持する一方で、代わりの対応策に関連する上述の不具合を緩和することで、骨が不十分な患者への治療を改善する。要約すると、本開示の経歯槽骨歯科用インプラント(TDI)は、歯槽骨の骨切り用垂直スロットを通過して、経歯槽骨に沿って、顔面頭蓋の隣接骨まで延伸する輪郭形成された骨プレートを具備し、このため、TDIに初期安定性を与える。歯槽骨の骨切り用垂直スロットは、新規に設置のポストにより、骨移植により充填されて、骨再生とポストの安定化を確実にする。4つのTDIが、歯列弓の周りで埋入される1つの実施例において、口蓋弓の人工器官は、即時機能用にTDIに結合可能である。
【0015】
本開示のより詳細な説明は、典型的な実施形態を含んで、以下に記載可能である。
【0016】
図2は、記述目的で模式化した透視図であって、本開示のTDI201を示す。TDI201は、歯槽骨として公知の顔面頭蓋の領域と、歯科歯根システムを支持する肥厚骨領域を対象とする。本開示のTDI201は、ポスト205を含む。ポスト205は、ポスト基部207とポスト先端206とを含む。ポスト基部207は、支台歯を受けるように設計される。ポスト先端206は、歯槽の先端の骨梁に結合されるのではなく、骨プレート215の面に結合される。骨プレート215は、2つの部分からなる。第1の部分は、ポスト先端206と結合し、骨切り器具の捕獲表面との物理的相互作用が意図されている平面部217であって、捕獲表面は、本開示の上歯列弓の実施形態において、骨切り器具の上部である。第2の部分は、輪郭部216である。輪郭部216は、固定用に十分な骨質であると判定された顔面頭蓋の選択された領域に対して、輪郭形成される。1つの実施形態において、輪郭部216の軸は、前側角213により、骨プレート215の縦軸211に関する場合がある。ロックねじ山を有し、適切なねじに係る大きさである、複数の通し開口218は、骨プレート215の輪郭部216の長さに沿って配置され、後面203により、顔面頭蓋までTDI201を固定するために、前面202から後面203まで通過する。別の実施形態において、ねじ山を有さず、適切なねじに係る大きさである、複数の通し開口218は、骨プレート215の輪郭部216の長さに沿って配置され得、後面203により、顔面頭蓋までTDI201を固定するために、前面202から後面203まで通過する。
【0017】
骨プレート215の輪郭部216を固定するのに必要な骨質は、固定用の選択されたねじに部分的に関し、所定の皮質骨の最小厚さに関連する。1つの実施例において、所定の皮質骨の最小厚さは、1.5mmである。別の実施例において、所定の皮質骨の最小厚さは、直径、ピッチ、及びねじの長さを含むがこれらに限定されない、選択されたねじの特性に基づく。
【0018】
TDI201の輪郭部216は、簡単に記載の通り、個々の患者の骨格構造を考慮して設計される。マイクロコンピュータ断層撮影、コーンビームコンピュータ断層撮影、高解像度磁気共鳴映像を含むがこれらに限定されない技術により、顔面頭蓋の骨のマクロ及びミクロ構造体を翻転する、処理回路を有するデータ処理装置により、医用画像を取得・再構成した後、顔面頭蓋の1つ以上の領域は、骨プレートの固定を受容するように選択される。1つの実施形態によれば、上述の通り、この判定は、局所性皮質骨の厚さに基づいて行われ、十分な皮質骨、骨の濃厚外面は、骨プレートの固定中に破損を防ぐよう求められる。領域の選択後、対象となる1つ以上の領域の再建モデルは、その後、当業者が理解するように、ソフトウェア(例:Mimics、SolidWorks)によりさらに処理され、製造用に作成される。1つの実施形態によれば、骨プレート215の後面203は、選択された顔面頭蓋の領域に対して輪郭形成され、骨プレート215の前面202は、略平面である。骨プレート215の前面202が、堅固な固定を、複数の通し開口218を通過するねじにより、実現可能なように、非限定の方法で、様々な輪郭であり得ることを理解すべきである。
【0019】
各骨プレート215を製造して、患者の顔面頭蓋に堅固な固定を可能にして、TDI201と人工関節周囲骨との間の骨性統合を促進する。この目的のために、1つの実施形態によれば、本開示のTDI201は、チタン、コバルト-クロム、コバルト-クロム-モリブデン、コバルト-クロム-ニッケル、コバルト-ニッケル-クロム-モリブデン-チタン、リン酸カルシウム-誘導体被覆金属、ジルコニア、ジルコニウム被覆金属、チタン被覆金属、及び他の生体適合性金属を含むがこれらに限定されない、材料の群の1つから製造可能である。1つの実施例において、TDI201の各構成要素に対し選択された材料は、同種である。さらに、1つの実施形態によれば、本開示のTDI201は、直接金属レーザ焼結法、射出成形、反復板材曲げ及びコンピュータ支援製造を含むがこれらに限定されない、様々な追加製造又は減法製造方法により製造可能である。別の実施形態において、骨プレート215とポスト205は、別々に製造され、骨プレート215は、上述の方法にしたがって作製され、ポスト205は、当業者が理解する方法にしたがって製造される。別の実施形態において、骨プレート215とポスト205は、3次元金属印刷により、ともに製造される。TDI201の2つの構成要素は、作製後に、骨プレート215の平面部217とポスト205のポスト先端206からなる連結部で結合可能である。該結合は、溶接、摩擦継手、及び構造用接着剤を含むがこれらに限定されない、様々な方法により形成可能である。本開示に関連して、ねじは、複数の通し開口218用に選択され、又は所定仕様にしたがって作製可能で、骨プレート215を顔面頭蓋に確実に堅固に固定する。
【0020】
さらに、1つの実施形態によれば、本開示のTDI201は、各患者の選択された骨格機構の物理的寸法にしたがって製造される。上述の通り、骨プレート215の輪郭部216は、各患者の選択された骨格領域と、それに依存する輪郭部216の寸法と、にしたがって製造される。同様に、通し開口218の数は、選択された骨格領域と必要なねじの最小数に依存して、骨プレート215を顔面頭蓋に固定する。1つの実施形態において、ポスト205及び骨プレート215の平面部217は、所定大きさの群と、その中で決定された寸法から選択可能である。別の実施形態において、ポスト216及び骨プレート215の平面部217は、患者のニーズにより特注製造可能で、骨プレート215の平面部217及びポスト216の寸法は、それに依存する。本開示は、上述の技術や手法を使用して、個々の患者のニーズに基づいて、TDI201を必要な寸法にて作製するための適応性の余地があることを理解すべきである。
【0021】
1つの実施形態によれば、骨プレート215の幅は、ポスト205の直径に等しい。骨プレート215の厚さは、骨プレート215の長さにより決定され、骨プレート215をより長く作製するには、ポスト205を支持して、余分な微動を防ぐために、骨プレート215の厚さを増やす必要がある。1つの実施例において、骨プレート215の厚さは、1.00mm~3.00mm、好ましくは1.25mm~2.00mmの範囲である。したがって、骨プレート215の長さは、局所的に十分な皮質骨により決定される。
【0022】
1つの実施形態によれば、骨プレート215の縦軸211を含む軸として定義される、骨プレート軸に沿ったポスト205及び骨プレート215の輪郭部216の相対位置は、十分な機械構造体をTDIに与えて、垂直荷重に耐えるように決定するべきである。1つの実施例において、プレート軸に沿ってポスト205と骨プレート215の輪郭部216との間の前側角213は、90°~180°、好ましくは、135°~180°の範囲である。
【0023】
1つの実施形態によれば、かつ歯根形状の歯科骨内インプラント及び歯科骨内支台歯に関する米国食品医薬品局のクラス2特別管理ガイダンスによれば、ポスト205の直径は、3.25mmほどの大きさの場合があり、ポストの長さは、7.00mmほどの大きさで、支台歯は、ポストの縦軸からわずか30°の補正を行っている。
【0024】
この目的のために、
図3Aと
図3Bは、本開示のTDIの典型的な実施形態である。
図3Aの正面図に示す通り、TDIは、選択された骨格機構に特有な輪郭部316を有する骨プレート315と、ポスト305と、を具備してよい。
図3Bの側面図に示す通り、TDIは、対応する複数の通し開口の寸法にしたがって構成された複数のねじ312をさらに具備してよい。1つの実施形態において、骨プレート322の平面部の厚さは、1.00mm~2.00mmであり得、骨プレート323の平面部の長さは、3.00mm~5.00mmであり得る。1つの実施例において、骨プレート322の平面部の長さは、2.00mmであり得、骨プレート323の平面部の長さは、4.00mmであり得る。別の実施形態において、上記で示唆した通り、ポスト308の長さは、7.00mm~12.00mmであり得る。1つの実施例において、ポスト308の長さは、8.00mmであり得る。
【0025】
さらに、骨プレート315の輪郭部316は、ポスト305に対して角度をつけてもよい。
図4A、
図4B、及び
図4Cは、骨プレートの輪郭部の様々な角度構成の図を示す。1つの実施形態において、
図4Aに示す通り、骨プレート415の輪郭部416の外側角414は、第1の平面において、骨プレート415の縦軸411に対して、-60°~+60°であり得る。別の実施形態において、骨プレート415の輪郭部416の外側角414は、-45°~+45°であり得る。別の実施形態において、骨プレート415の輪郭部416の外側角414は、+25°であり得る。別の実施形態において、
図4Bに示す通り、骨プレート415の輪郭部416の前側角413は、第2の平面において、骨プレート415の縦軸411に対して、-60°~+60°であり得る。別の実施形態において、骨プレート415の輪郭部416の前側角413は、-45°~+45°であり得る。1つの実施形態において、骨プレート415の輪郭部416の前側角413は、+15°であり得る。
図4Cは、本開示のTDIの概略斜視図であって、骨プレート415の輪郭部416の位置の範囲が視覚化可能である。1つの実施形態において、様々な前側角413と外側角414は、同時に実現可能である。
【0026】
1つの実施形態によれば、前側角413と外側角414の上述の範囲は、骨プレート415が、咀嚼を含む口の動きの間、通常のローディング力に耐えることができ、0°(又は異なる配向では180°)に近い前側角413と外側角414が荷重伝達に理想的であるように、決定される。
【0027】
典型的な実施形態に係る、TDIの製造を、
図5のフローチャートに記載する。最初に、顔面頭蓋(例:上顎骨、下顎骨)のコーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT又はC-アームCT)を実行する(S530)。近傍の構造体に対し最終修復を事前に目視するX線不透過性ステントを使用することで、CBCTの一助となり、詳細な外科手術計画が可能になる。X線不透過性ステントはまた、咬合の適切な垂直寸法により、顎を中心位に位置決めする。次に、仮の外科手術計画は、データ処理装置により実行され、近傍の顔面頭蓋の十分に厚い皮質骨に沿って、特注に輪郭形成された骨プレートのアラインメントにより、TDI位置を特定する(S531)。1つの実施形態によれば、近傍の顔面頭蓋は、鼻骨上顎柱と頬骨支えを含むがこれらに限定されない。対象の領域を選定後、データ処理装置により、3次元解剖学的データをソフトウェアに取り込んだ(S533)後、骨プレートの平面部と輪郭部は、上述の方法により製造可能である(S532)。1つの実施例において、骨プレートは、追加のチタンレーザ焼結により製造されて、骨性統合を促進する。組立(S534)中、ポストの縦軸が骨プレートの平面部の表面に垂直になるように、ポスト先端は、骨プレートの平面部の表面に溶接される。ポストは、ポスト先端から延伸し、歯槽骨の中央稜を通過して突出して、上述の方法により製造され、歯科用インプラント支台歯を受容する。骨プレートと関連するねじの両方は、ロッキング技術を提供し、装着中の緩みを防ぐ。TDIに加えて、ポリエチレンテンプレート、ドリルガイド、及びドリル停止ブッシングは、コンピュータ支援設計/コンピュータ支援機械加工技術により、骨切り器具をガイドするために製造可能である。例えば、上述のポリエチレンテンプレート、ドリルガイド、及びドリル停止ブッシングは、骨切り器具の角度、直径、及び深さが、個々の患者の骨格構造にしたがって制御されるように、特注製造可能である。1つの実施例において、骨切りは、追切及び前切外科用バーにより、実行される。
【0028】
1つの実施形態によれば、TDI製造中の対象領域は、皮質骨の最小厚さ等の骨格パラメータにしたがって、処理回路により選択可能である。別の実施形態において、TDI製造中の対象領域は、外科医により選択可能である。
【0029】
上述のTDIの形状は、
図5で製造される通り、いま一度
図2を参照すると、支台歯、及び引き続き歯冠が、通常の機能用の適切な位置に結合可能であるように、TDIを顔面頭蓋に堅固に固定可能で、ポストを歯槽骨の領域に近接して位置決めする。これを達成するために、本開示の1つの実施形態によれば、インプラント埋入は、
図6記載のフローチャートに従う。
【0030】
図6は、口蓋弓の歯科修復の方法を示す。本開示の1つの実施形態によれば、
図6が複数のTDIのインプラント埋入と口蓋弓(例:上又は下顎歯列弓)の修復を記載する一方、単一TDIのインプラント埋入は、必要な変更を加えて、同様に実行可能であることを理解すべきである。
【0031】
当初、
図6に記載の通り、本開示の1つの実施形態によれば、歯槽骨と顔面頭蓋は、中央稜、口蓋弓の歯肉切開及び粘膜歯肉の皮弁の翻転後に露出される(S640)。歯槽堤の作成後、4回の垂直スロットによる骨切りは、対応するテンプレートガイドで完了する(S641)。4つのTDIの各々は、それぞれの骨切り用垂直スロットに位置決めされ、顔面頭蓋の皮質骨に近接して位置決めされる(S642)。次に、歯列弓形状のチタン製アラインメントバーは、TDIのポスト基部上に配置され、支台歯ねじによりポストに固定されて、TDIを顔面頭蓋に最終アラインメントする(S643)。繋止自穿孔ねじは、その後、骨プレートの輪郭部の複数の通し開口を通過して固定可能で、TDIを、顔面頭蓋上の精密にアラインされた位置に固定する(S644)。骨切り用垂直スロットは、それから作製される皮質骨片で移植され、TDIのポストを埋入する。コラーゲン、又は他の許容可能な膜は、引き続き、移植部位上に配置されて、皮質骨片を閉じ込めて、骨再生を強化する(S645)。最後に、粘膜歯肉の皮弁は、骨の上で、ポストの周りに再位置決めされ、縫合され(S646)、ポスト基部をさらなる修正のために露出させる一方で、口腔環境を骨/インプラントのインターフェースから密封する。
【0032】
口蓋弓の歯科修復の1つの実施形態において、負荷分散とクロスアーチの安定性により、アラインメントバーは、TDIインプラント埋入の直後に人工器官でさらに装着される。1つの典型的な実施形態によれば、粘膜歯肉の皮弁の再位置決めの後、チタン製スリーブは、アラインメント用アーチバーと既製の(すなわち、ポリメタクリル酸メチル製の)圧延人工器官上に位置決めされ、口蓋のブレークアウト機構により、アラインメント用アーチバー及びスリーブに取り付けられる。スリーブは、その後、一般的な歯科用接着剤技術により、人工器官に取り付けられる。1つの実施形態において、歯科用接着剤が創傷環境に直接接しないようにするために、軟質の組織関門が含まれる。次に、人工器官と接続スリーブを取り外し、スリーブと人工器官の下面との間の空隙は、歯科材料で充填され、円滑になるまで仕上げをする(S648)。最後に、仕上げられた人工器官は、その後、機械装置又は接着剤でアラインメントバーに固定される。
【0033】
1つ以上の個々のTDIが口蓋弓に代わって埋入される、別の実施形態によれば、各TDIの安定性を手術後に評価し、インプラント固定の強度と直積の可能性の有無を決定する。インプラント安定性の評価に際に、ISQ、又はインプラント安定性の割合(Osstell)を決定するための様々な方法の1つを使用可能である。個々のTDIのISQが、適切なインプラント固定用の最小値以下である場合、治癒期間を4~12週間、要する場合がある。
【0034】
本開示の別の実施形態において、部分的には、以下の
図6のフローチャートにおいて、上述の経歯槽骨歯科用インプラントは、かつて骨内歯科用インプラントに不具合があった状況下では、必要な変更を加えて使用してよい。1つの典型的な実施形態において、口蓋弓の義歯を支持する、1つ以上の骨内歯科用インプラントは、不具合のある状態である。放射線インプラント適合によるインプラントの大きさ及びインプラントの種類の識別後、仮の外科手術計画とコンピュータ支援設計/コンピュータ支援製造は、本明細書で「救援」TDI(rTDI)の名称である、適切なTDI代替装置の設計・製造をするために使用される。
図6のフローチャートに類似して、粘膜歯肉の皮弁の翻転により、手術部位の露出後、不具合のある1つ以上の骨内の歯科用インプラントは、除去・創面切除された骨である。1つ以上の垂直スロットによる骨切りは、ブッシングを含む、テンプレートにより歯槽堤で実行され、正確な歯列弓位置に近接して配置される各rTDIに経路を提供する。精密にアラインされたrTDIは、人工器官の当初のハードウェアにrTDIのポストを係合することで実現される。本開示の上述の実施形態のアラインメントバーに類似して、各rTDIは、支台歯により人工器官に係合する際に、骨プレートの輪郭部の対応する複数の通し開口を通過して配置された複数のねじにより、顔面頭蓋に固定される。インプラントを顔面頭蓋に固定後、骨切り用垂直スロットの各々は、骨移植されて、密封され、口腔環境との望まない相互作用を防ぎ、各rTDIのポストとの骨性統合を促進する。粘膜歯肉の皮弁は、その後、再位置決めと縫合が可能で、各ポストの支台歯を、人工器官との結合のために露出状態とする。
【0035】
1つの実施形態によれば、上述のブッシング、関連するポリエチレンテンプレート、及びドリルガイドは、骨切り器具の角度、直径、及び深さが、個々の患者の骨格構造にしたがって制御されるように、特注製造可能である。
【0036】
【0037】
図7は、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、前方斜視から1つ以上の埋入されたTDIの生体外の図を示す。1つ以上の埋入されたTDIの各々に対して、骨プレート715は、骨プレート715の輪郭部の通し開口718に挿入されたねじにより、顔面頭蓋に固定される。ポスト705は、骨プレート715の平面部に結合され、歯槽堤725に骨切り用垂直スロットの深さを通過して延伸する。
【0038】
図8は、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、前方斜視から1つ以上の埋入されたTDIの生体外の図を示す。1つ以上の埋入されたTDIの各々に対して、骨プレート815は、骨プレート815の輪郭部の通し開口に挿入されたねじにより、顔面頭蓋に固定される。ポスト基部807を備えたポスト805は、骨プレート815の平面部に結合され、歯槽堤825に骨切り用垂直スロットの深さを通過して延伸する。下位斜視から、上歯列弓内の埋入されたTDIの近接する相対位置が、観察可能である。さらに、ポスト基部807、支台歯、アラインメントバー、及び最終的に人工器官用の結合は、観察可能で利用可能である。
【0039】
図9は、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、側面斜視から1つ以上の埋入されたTDIの生体外の図を示す。1つ以上の埋入されたTDIの各々に対して、骨プレート915は、骨プレート915の輪郭部の通し開口918に挿入されたねじにより、顔面頭蓋に固定される。ポスト905は、骨プレート915の平面部に結合され、歯槽堤925に骨切り用垂直スロット927の深さを通過して延伸する。側方斜視から、顔面頭蓋上の骨プレート915の輪郭部の相対寸法と位置は、1つの実施形態によれば、観察可能である。さらに、骨切り用垂直スロット927内のポスト905の相対的位置は、歯槽堤925の下部に対してポスト基部907の位置と同様、観察可能である。
【0040】
次に、典型的な実施形態に係る、データ処理装置のハードウェア記述を、
図10を参照して記載する。
図10において、データ処理装置は、上記及び下記のプロセスを実行するCPU1070を含む。プロセスのデータ及び命令は、メモリ1072に記憶可能である。これらのプロセス及び命令はまた、ハードディスク(HDD)又は携帯記憶媒体等の記憶媒体ディスク1074に記憶可能で、又は遠隔で記憶可能である。さらに、請求項に記載の利点は、発明に関するプロセスの命令を記憶する、コンピュータ可読媒体の形式に限定されない。例えば、命令は、CD、DVD、フラッシュメモリ、RAM、ROM、PROM、EPROM、EEPROM(登録商標)、ハードディスク、又はサーバ又はコンピュータ等のデータ処理装置が通信する他の任意の情報処理装置に記憶可能である。
【0041】
さらに、請求項に記載の利点は、実用用途、バックグラウンドデーモン、又はオペレーティングシステムの構成要素、又はそれらの組み合わせとして提供可能で、CPU1070や、Microsoft Windows(登録商標) 7、UNIX(登録商標)、Solaris、LINUX(登録商標)、Apple MAC-OS及び当業者に公知な他のシステム等のオペレーティングシステムと併用して動作する。
【0042】
データ処理装置を達成するためのハードウェア要素は、当業者に公知な様々な回路要素により実現可能である。例えば、CPU1070は、米国Intel社製のXenon又はCoreプロセッサ又は米国AMD社製のOpteronプロセッサ、又は当業者が認めるであろう他の種類のプロセッサでよい。代わりとして、CPU1070は、当業者が認める通り、FPGA、ASIC、PLDで、又は離散論理回路を使用して、実行可能である。さらに、CPU1070は、上述の発明に関するプロセスの命令の実行と平行して、協働で動作するマルチプロセッサとして実行可能である。
【0043】
図10のデータ処理装置はまた、ネットワーク1100との接続用の米国Intel社製のIntel Ethernet(登録商標) PROネットワークインターフェースカード等のネットワーク制御装置1076を含む。ネットワーク1100は、理解可能な通り、インターネット等の公共ネットワーク、又はLAN又はWANネットワーク等の私的ネットワーク、又はそれらの任意の組み合わせであり得、PSTN又はISDNサブネットワークも含むことができる。ネットワーク1100はまた、Ethernetネットワーク等の有線であり得、又はEDGE、3G及び4Gの無線セルラー方式システムを含むセルラー方式ネットワーク等の無線であり得る。無線ネットワークはまた、WiFi、Bluetooth(登録商標)、又は他の任意の公知の無線形式の通信であり得る。
【0044】
データ処理装置は、Hewlett Packard HPL2445w LCDモニタ等のディスプレー1080と接続するための米国NVIDIA社製のNVIDIA GeForce GTX又はQuadro画像アダプタ等のディスプレー制御装置1078をさらに含む。汎用I/Oインターフェース1082は、ディスプレー1080上又はそれから分離したタッチスクリーンパネル1086に加えて、キーボード及び/又はマウス1084と接続する。汎用I/Oインターフェース1082はまた、Hewlett Packard社製のOfficeJet又はDeskJet等のプリンタやスキャナを含む、様々な周辺装置1088に接続する。
【0045】
音声制御装置1090はまた、スピーカ1092又はマイクと接続するために、Creative社製のSound Blaster X-Fi チタン等のデータ処理装置に提供され、それによって、音声及び/又は音楽を提供する。
【0046】
汎用記憶制御装置1094は、記憶媒体ディスク1074を通信バス1096に接続し、通信バス1096は、データ処理装置のすべての構成要素を相互接続するためのISA、EISA、VESA、PCI、又は類似物であり得る。ディスプレー制御装置1078、記憶制御装置1094、ネットワーク制御装置1076、音声制御装置1090、及び汎用I/Oインターフェース1082に加えて、ディスプレー1080、キーボード及び/又はマウス1084の一般的な機構及び機能について、これらの機構が公知という理由で、本明細書においては、簡略化のため記載を省略する。
【0047】
義歯の直積が可能な、上述の口蓋弓の歯科修復に加えて、骨内歯科用インプラント又は軟質組織の再建の一時的な安定化が必要な状況が発生する。これらの例において、骨内歯科用インプラントから骨格(頬骨及び鼻骨上顎)固定点まで咬合荷重を伝達する必要がある場合、本開示のTDIは、変更例により、配置可能である。1つの実施形態において、本開示のTDIは、変更例により、経前庭歯科用インプラント(TVI)である。
【0048】
図11は、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、経前庭歯科用インプラントの概略断面図である。1つの実施形態において、経前庭歯科用インプラント(TVI)1151は、顔面頭蓋の皮質領域を対象とする。TVI1151は、骨プレート1115と突出部1155とを具備する。1つの実施例において、突出部1155は、義歯と結合するための長さとなる支持ロッド1156である。支持ロッド1156は、支持ロッド基部1157と支持ロッド先端1158とを含む。支持ロッド基部1157は、骨プレート1115の形状に構成される。骨プレート1115は、固定用に十分な骨質であると判定された顔面頭蓋の選択された領域に対して、輪郭形成される。支持ロッド先端1158は、義歯と結合するために構成可能である。1つの実施例において、支持ロッド先端1158は、接着剤、樹脂、又は機械的結合を含むがこれらに限定されない、様々な技術により義歯と結合可能である。
【0049】
1つの実施形態によれば、突出部1155の断面形状は、本開示の支持ロッド1156で記載の通り、円形である。代わりとして、支持ロッド1156の突出部1155の断面形状は、三角形、四角形、五角形、及び六角形を含むがこれらに限定されない、多角形群から選択される形状であり得る。1つの実施形態において、支持ロッド1156の断面寸法は、構造的又は機械的に十分な要件により決定される。支持ロッド1156の長さは、局所皮質骨の十分な要件と人工器官の軸位置により決定される。1つの典型的な実施形態において、支持ロッド1156は、1.50mm~2.50mmの直径を持つ円形断面と、15mm~40mmの長さとを有する。
【0050】
1つの実施形態によれば、ねじ山を有さず、適切なねじに係る大きさである、複数の通し開口1118は、骨プレート1115の長さに沿って配置され、後面1103により、顔面頭蓋までTVI1151を固定するために、前面1102から後面1103まで通過する。別の実施形態において、複数の通し開口1118は、適切なねじに係る大きさにねじ切りされ得、骨プレート1115の長さに沿って配置され得、後面1103により、顔面頭蓋までTVI1151を固定するために、前面1102から後面1103まで通過する。
【0051】
骨プレート1115の固定に要する骨質は、固定用の選択されたねじに部分的に関し、所定の皮質骨の最小厚さに関連する。1つの実施例において、所定の皮質骨の最小厚さは、1.5mmである。別の実施例において、所定の皮質骨の最小厚さは、直径、ピッチ、及びねじの長さを含むがこれらに限定されない、選択されたねじの特性に基づく。
【0052】
TVI1151の骨プレート1115は、簡単に記載の通り、個々の患者の骨格構造を考慮して設計される。マイクロコンピュータ断層撮影、コーンビームコンピュータ断層撮影、高解像度磁気共鳴映像を含むがこれらに限定されない技術により、顔面頭蓋の骨のマクロ及びミクロ構造体を翻転する、データ処理装置により、医用画像を取得・再構成した後、顔面頭蓋の1つ以上の領域は、骨プレートの固定を受容するように選択される。1つの実施形態によれば、上述の通り、この判定は、局所性皮質骨の厚さに基づいて行われ、十分な皮質骨、骨の濃厚外面は、骨プレートの固定中に破損を防ぐよう求められる。領域の選択後、対象となる1つ以上の領域の再建モデルは、その後、当業者が理解するように、ソフトウェア(例:Mimics、SolidWorks)によりさらに処理され、製造用に作成される。1つの実施形態によれば、骨プレート1115の後面1103は、選択された顔面頭蓋の領域に対して輪郭形成され、骨プレート1115の前面1102は、略平面である。骨プレート1115の前面1102が、堅固な固定を、複数の通し開口1118を通過するねじにより、実現可能なように、非限定の方法で、様々な輪郭であり得ることを理解すべきである。
【0053】
1つの実施形態によれば、TVI1151の突出部1155の長手方向形状は、直線であり得、本開示の
図2に記載で、又は顔面頭蓋の輪郭に近似的に従うために角度をつけて、ポストを翻転する。別の実施形態において、上述の骨プレート1115に類似の方法で、TVI1151の突出部1155は、個々の患者の骨格構造に関連して設計可能である。一般的に、TVI1151の突出部1155の寸法は、所定値で、機械的特性を最大限生かし、見栄えの不備を最小限にする。具体的には、本明細書記載の特注の手法により、TVI1151の突出部1155を患者特有に設計可能で、このため、人工器官の安定化の改善を達成する一方で、顔の見栄えを維持する。1つの実施例において、突出部115の患者特有の設計は、顔の見栄えに関連して、顔面頭蓋と義歯との間の隙間を、1.00mm~2.00mmの範囲に維持する。
【0054】
各骨プレート1115は、患者の顔面頭蓋に堅固に固定可能なように製造される。この目的のために、1つの実施形態によれば、本開示のTVI1151は、チタン、コバルト-クロム、コバルト-クロム-モリブデン、コバルト-クロム-ニッケル、コバルト-ニッケル-クロム-モリブデン-チタン、リン酸カルシウム-誘導体被覆金属、ジルコニア、ジルコニウム被覆金属、チタン被覆金属、及び他の生体適合性金属を含むがこれらに限定されない、材料の群の1つから作製可能である。別の実施形態によれば、本開示のTVI1151は、ユーザが、原位置で必要に応じて構造体を改変可能で、顔面頭蓋の輪郭を適合するように、曲げが可能な機械特性を有する材料から製造可能である。1つの実施例において、TVI1151の各構成要素に対し選択された材料は、同種である。さらに、1つの実施形態によれば、本開示のTVI1151は、直接金属レーザ焼結法、射出成形、反復板材曲げ及びコンピュータ支援製造を含むがこれらに限定されない、様々な追加製造又は減法製造方法により製造可能である。1つの実施例において、TVI1151は、単一の陽極酸化チタンロッドから製造され、骨プレート1115は、チタンロッドの型打ち又は圧延態様である。別の実施形態において、骨プレート1115と支持ロッド1156は、別々に製造され、骨プレート1115は、上述の方法により作製され、支持ロッド1156は、当業者が理解する方法により製造される。上述のTVI1151に加えて、アナログテンプレートTVI1151は、同様に製造可能である。TVI1151の2つの構成要素は、作製後に、骨プレート1115の端部を支持ロッド基部1157に接合する首部1154に結合可能である。該結合は、溶接、摩擦継手、及び構造用接着剤を含むがこれらに限定されない、様々な方法により形成可能である。本開示に関連して、ねじは、複数の通し開口1118用に選択され、又は所定仕様にしたがって作製可能で、骨プレート1115を顔面頭蓋に、確実に堅固に固定する。
【0055】
さらに、1つの実施形態によれば、本開示のTVI1151は、各患者の選択された骨格機構の物理的寸法にしたがって製造される。上述の通り、TVI1151の骨プレート1115と突出部1155は、各患者の選択された骨格領域、骨プレート1115の後方部分1103及びそれに依存する突出部1155の寸法にしたがって製造可能である。同様に、骨プレート1115の通し開口1118の数は、選択された骨格領域と、骨プレート1115を顔面頭蓋にしっかりと固定するために必要なねじの最小数に依存する。1つの実施形態において、上記で示唆した通り、支持ロッド1156及び骨プレート1115の前方部分1102は、所定大きさの群と、その中で決定された寸法から選択可能である。別の実施形態において、支持ロッド1156及び骨プレート1115の前方部分1102は、患者のニーズにしたがって特注製造可能で、骨プレート1115の前方部分1102及び支持ロッド1156の寸法は、それに依存する。本開示は、上述の技術や手法を使用して、個々の患者のニーズに基づいた寸法で、TVI1151を作製するための適応性の余地があることを理解すべきである。
【0056】
1つの実施形態によれば、骨プレート1115の幅は、選択されたねじの大きさにより決定される。骨プレート1115の長さは、局所皮質骨の十分な要件により決定される。骨プレート1115の厚さは、骨プレート1115の長さにより決定される。1つの典型的な実施形態において、骨プレート1115は、皮質骨の十分な要件によっては、3.00mm~5.00mmの幅と、1.50mm~3.50mmの厚さと、6.00mm~12.00mmの長さとを有する。
【0057】
歯の位置、局所皮質骨の十分な要件、及び予想咬合荷重を支持する他の骨内歯科用インプラントの安定性に基づいて、2つ以上のTVIは、義歯安定化に必要な場合がある。1つの実施形態において、4~6つのTVIは、歯列弓全体にわたって位置決めされ、口蓋弓の義歯を支持する。6つのTVIを使用する、1つの実施例において、歯列弓のいずれの側の歯列弓の中央に位置するTVIは、安定性を改善するために、対角に配向可能である。
【0058】
TVIの製造手法は、1つの典型的な実施形態によれば、必要な変更を加えて、本開示の
図5のフローチャートのTDI用の、上述した手法に略類似である。
【0059】
図12A及び
図12Bは、それぞれ、TVIの概略正面図と概略斜視図である。1つの実施形態において、
図12Aに示す通り、骨プレート1215の長さ1236は、15mm~40mmでよい。別の実施形態において、骨プレート1215の長さ1236は、15mm~25mmでよい。1つの実施例において、骨プレート1215の長さ1236は、20mmでよい。さらに、骨プレート1215の輪郭部1237の長さは、患者の選択された骨格機構の寸法により、10mm~15mmでよい。1つの実施例において、骨プレート1215の輪郭部1237の長さは、12mmでよい。さらに、骨プレート1215の輪郭部1239の幅は、患者の選択された骨格機構の寸法により、3.00mm~5.00mmでよい。1つの実施例において、骨プレート1239の輪郭部の幅は、4.00mmでよい。結果として、骨プレート1215の輪郭部の複数の通し開口1218の直径は、1.75mm~2.00mmでよい。1つの実施例において、骨プレート1215の輪郭部の複数の通し開口1218の各々の直径は、1.85mmでよい。
図12Bに示す通り、骨プレート1215は、各構成要素の厚さにより、さらに画成可能である。1つの実施形態において、支持ロッド1268の厚さ、又は、例えば、支持ロッド1268の直径は、2.00mm~2.50mmでよい。1つの実施例において、支持ロッド1268の厚さは、2.25mmでよい。別の実施形態において、骨プレート1238の輪郭部の厚さは、1.50mm~3.50mmでよい。1つの実施例において、骨プレート1238の輪郭部の厚さは、2.50mmでよい。
【0060】
1つの実施形態によれば、骨プレート415の輪郭部の上述の寸法は、患者の選択された骨格機構にしたがって、変更可能である。さらに、骨プレート415の輪郭部の上述の寸法は、局所的に変更可能で、骨プレートは、患者の顔面頭蓋の局所的機構に輪郭形成された。
【0061】
図13は、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、経前庭歯科用インプラントの概略断面図である。1つの実施形態において、
図11に示す通り、TVI1351は、骨プレート1315と突出部1355とを具備する。1つの実施例において、突出部1355は、義歯と結合するための長さとなる支持ロッド1356である。支持ロッド1356は、支持ロッド基部1357と支持ロッド先端1358とを含む。支持ロッド基部1357は、骨プレート1315の端部に結合するために構成される。骨プレート1315は、固定用に十分な骨質であると判定される顔面頭蓋の選択された領域に対して、輪郭形成される。支持ロッド先端1358は、義歯と結合するために構成される。1つの実施形態において、ねじ山を有さず、適切なねじに係る大きさである、複数の通し開口1318は、骨プレート1315の長さに沿って配置され、後面1303により、顔面頭蓋までTVI1351を固定するために、前面1302から後面1303まで通過する。別の実施形態において、複数の通し開口1318は、適切なねじに係る大きさにねじ切りされ得、骨プレート1315の長さに沿って配置され得、後面1303により、顔面頭蓋までTVI1351を固定するために、前面1302から後面1303まで通過する。
【0062】
上述のTVI1351は、初期インプラント安定時に、取外し可能な仮の装置であることが意図されている。1つの実施形態において、TVI1351は、逆外科処置により取外し可能で、TVI1351の完全ハードウェアを取り外す。別の実施形態において、
図13に記載の通り、支持ロッド1356は、付勢機構又は、例えば、骨プレート1315と支持ロッド1356との間の結合に近接する刻み目1359をさらに具備し得る。刻み目1359は、十分な力をかける際に、損傷し、そうならずとも変形して、支持ロッド1356が、TVI1351の首部1351で骨プレート1315から離脱する。この手法により、TVI1351のハードウェアが患者から完全に外れない一方で、外科的介入を追加で必要としない。1つの実施形態において、TVIの刻み目1359は、鉗子による手の力で、扱いが可能である。1つの実施例において、TVIの刻み目1359は、支持ロッド1356の周囲で延伸する、側面刻み目1359である。
【0063】
図14は、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、経前庭歯科用インプラントのインプラント埋入のフローチャートである。本開示の1つの実施形態によれば、
図14が複数のTVIのインプラント埋入と口蓋弓義歯(例:上又は下顎歯列弓)の安定化を記載する一方、単一TVIのインプラント埋入は、必要な変更を加えて、同様に実行可能であることを理解すべきである。
【0064】
骨内の歯科用インプラントに不具合がある場合、本開示のTVI等の安定化方法で使用するために当初の義歯を保持することは可能な場合がある。この目的のために、TVIのインプラント埋入は、上述のTDIのインプラント埋入手法に略類似である。当初、
図14に記載の通り、本開示の1つの実施形態によれば、歯槽骨と顔面頭蓋は、中央稜、口蓋弓の歯肉切開及び粘膜歯肉の皮弁の翻転後に露出される(S1461)。顔面頭蓋の作成後、4つのTVIの各々を顔面頭蓋の選択された皮質骨に近接して位置決めし(S1462)、骨プレートの後方部分を密封する。適切な場合、骨プレートは、骨プレートの後方部分を適切に設置するために、原位置でさらに成形可能である。TVIを顔面頭蓋に適切に設置する際に、骨プレートは、骨プレートの対応する複数の通し開口を通過して挿入された複数のねじにより、顔面頭蓋に固定される(S1463)。必要時には、突出部先端を一次義歯に結合するために、突出部をその後、成形可能である(S1464)。TVIの突出部を位置決めし、調整することは、当初の義歯の位置決めにより決定可能である。粘膜歯肉の皮弁は、調整され最終位置にあると、義歯の結合に必要な突出部の長さのみが、口腔で観察可能なように、骨プレートとTVIの突出部の周りに再位置決め・縫合可能である(S1465)。粘膜歯肉の皮弁が、縫合され、口腔環境が回復されると、当初の義歯は、上述の方法によりTVIに固定可能である。
【0065】
図15は、本開示の1つの典型的な実施形態に係る、1つ以上の埋入された経前庭歯科用インプラントの図である。1つ以上の埋入されたTVI1551の各々に対して、骨プレートは、骨プレートの通し開口に挿入されたねじにより、顔面頭蓋に固定される。支持ロッド1556は、骨プレートの端部に結合され、顔面頭蓋から義歯1500まで貫通して延伸する。記載の斜視から、顔面頭蓋上の骨プレートの相対寸法と位置は、1つの実施形態によれば、観察可能である。さらに、支持ロッド1556の構成は、調整された支持ロッド1560と同様に、観察可能で、顔面頭蓋の輪郭に従うために角度をつけている。
図15は、歯列弓の部分の2つのTVI1551の図であるが、類似の固定方法が、必要に応じて、歯列弓の残部に適用可能であることを理解すべきである。
【0066】
本開示の実施形態はまた、以下の挿入句で明記される場合がある。
【0067】
(1)平面部と輪郭部とを有する骨プレートと、ポストと、を具備する歯科用インプラントであって、骨プレートの平面部とポストは、骨切り用垂直スロット内に位置決めされ、骨プレートの輪郭部の1つ以上の表面は、顔面頭蓋の骨の選択された表面に対して輪郭形成され、骨プレートは、顔面頭蓋に結合されるように構成される、歯科用インプラント。
【0068】
(2)骨プレートは、チタンで作製される、(1)に記載の歯科用インプラント。
【0069】
(3)骨プレートの輪郭部は、顔面頭蓋に結合されるように構成される、(1)又は(2)のいずれかに記載の歯科用インプラント。
【0070】
(4)顔面頭蓋の骨の選択された表面は、皮質骨の厚さの決定に基づいて選択される、(1)~(3)のいずれか1つに記載の歯科用インプラント。
【0071】
(5)骨プレートは、歯科用インプラントを顔面頭蓋に固定するための複数の通し開口をさらに具備する、(1)~(4)のいずれか1つに記載の歯科用インプラント。
【0072】
(6)ポストのポスト先端は、骨切り用垂直スロット内の骨プレートの平面部の表面に垂直に結合される、(1)~(5)のいずれか1つに記載の歯科用インプラント。
【0073】
(7)垂直スロットによる骨切りは、歯槽骨内で実行される、(1)~(6)のいずれか1つに記載の歯科用インプラント。
【0074】
(8)骨プレートの外側角は、第1の平面における骨プレートの縦軸と骨プレートの輪郭部の軸との間の角度と定義されて、-60°~+60°である、(1)~(7)のいずれか1つに記載の歯科用インプラント。
【0075】
(9)骨プレートの前側角は、第2の平面における骨プレートの縦軸と骨プレートの輪郭部の軸との間の角度と定義されて、-60°~+60°である、(1)~(8)のいずれか1つに記載の歯科用インプラント。
【0076】
(10)骨切り用垂直スロットは、コラーゲン膜により密封される、(1)~(9)のいずれか1つに記載の歯科用インプラント。
【0077】
(11)処理回路により、顔面頭蓋に対応する構造データを取得すること、処理回路により、皮質骨の厚さの決定に基づいて、顔面頭蓋の骨の表面を選択すること、処理回路により、顔面頭蓋の骨の表面の選択に基づいて、輪郭形成された表面を生成すること、及び処理回路により送信された命令に基づいて、生成された輪郭形成された表面に基づいた骨プレートを作製すること、を含む、歯科用インプラントの製造方法であって、骨プレートは、平面部と輪郭部とを具備し、骨プレートの平面部は、骨切り用垂直スロット内に位置決めされ、輪郭部は、顔面頭蓋の骨の選択された表面に近接して位置決めされ、骨プレートは、顔面頭蓋に結合されるように構成される、歯科用インプラントの製造方法。
【0078】
(12)骨プレートは、直接金属レーザ焼結法により作製される、(11)に記載の製造方法。
【0079】
(13)垂直スロットによる骨切りは、1つ以上のテンプレートによって、顔面頭蓋の骨の選択された表面に基づいて、実行される、(11)又は(12)のいずれかに記載の製造方法。
【0080】
(14)顔面頭蓋の骨の選択された表面に対して輪郭形成された1つ以上の表面を有する骨プレートと、骨プレートからその下に延伸する突出部と、を具備する歯科用インプラントであって、突出部は、義歯に結合されるように構成され、骨プレートは、顔面頭蓋に結合されるように構成される、歯科用インプラント。
【0081】
(15)歯科用インプラントは、チタンで作製される、(14)に記載の歯科用インプラント。
【0082】
(16)歯科用インプラントの骨プレートは、顔面頭蓋に結合されるように構成される、(14)又は(15)のいずれかに記載の歯科用インプラント。
【0083】
(17)顔面頭蓋の骨の選択された表面は、皮質骨の厚さの決定に基づいて選択される、(14)~(16)のいずれか1つに記載の歯科用インプラント。
【0084】
(18)歯科用インプラントの骨プレートは、歯科用インプラントを顔面頭蓋に固定するための複数の通し開口をさらに具備する、(14)~(17)のいずれか1つに記載の歯科用インプラント。
【0085】
(19)突出態様は、歯科用インプラントの突出部と骨プレートとの間の結合に近接する付勢機構をさらに具備する、(14)~(18)のいずれか1つに記載の歯科用インプラント。
【0086】
(20)付勢機構は、歯科用インプラントの突出部にかかる力に応じて、損傷するように構成される、(14)~(19)のいずれか1つに記載の歯科用インプラント。
【0087】
明らかに、多くの変更例及び変形例は、上記記載を考慮すると可能である。したがって、本発明が、添付の特許請求の範囲内で、本明細書における特定な記載項目以外の形で実施可能であることを理解されたい。
【0088】
このため、上述の検討事項は、本発明の単なる典型的な実施形態を開示・記載している。本発明は、当業者が理解する通り、発明の意図又はその不可欠な特徴から逸脱することなく、他の特定の形式で表現可能である。したがって、本発明の開示は、例示目的であるが、他の請求項同様、発明の範囲を限定するものではない。本開示は、本発明に記載の任意の容易に識別可能な変形例を含み、発明の主題が公共に属さないように、部分的に、上述の特許請求の範囲の用語の範囲を定義する。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 平面部と輪郭部とを有する骨プレートと、
ポストと、を具備する、歯科用インプラントであって、
前記骨プレートの前記平面部と前記ポストは、骨切り用垂直スロット内に位置決めされ、
前記骨プレートの前記輪郭部の1つ以上の表面は、顔面頭蓋の骨の選択された表面に対して輪郭形成され、
前記骨プレートは、前記顔面頭蓋に結合されるように構成される、歯科用インプラント。
[2] 前記骨プレートは、チタンで作製される、[1]に記載の歯科用インプラント。
[3] 前記骨プレートの前記輪郭部は、前記顔面頭蓋に結合されるように構成される、[1]に記載の歯科用インプラント。
[4] 前記顔面頭蓋の前記骨の前記選択された表面は、皮質骨の厚さの決定に基づいて選択される、[1]に記載の歯科用インプラント。
[5] 前記骨プレートは、前記歯科用インプラントを前記顔面頭蓋に固定するための複数の通し開口をさらに具備する、[1]に記載の歯科用インプラント。
[6] 前記ポストのポスト先端は、前記骨切り用垂直スロット内の前記骨プレートの前記平面部の表面に垂直に結合される、[1]に記載の歯科用インプラント。
[7] 前記垂直スロットによる骨切りは、前記歯槽骨内で実行される、[1]に記載の歯科用インプラント。
[8] 前記骨プレートの外側角は、第1の平面における前記骨プレートの縦軸と前記骨プレートの前記輪郭部の軸との間の角度と定義されて、-60°~+60°である、[1]に記載の歯科用インプラント。
[9] 前記骨プレートの前側角は、第2の平面における前記骨プレートの縦軸と前記骨プレートの前記輪郭部の軸との間の角度と定義されて、-60°~+60°である、[1]に記載の歯科用インプラント。
[10] 前記骨切り用垂直スロットは、コラーゲン膜により密封される、[1]に記載の歯科用インプラント。
[11] 処理回路により、顔面頭蓋に対応する構造データを取得すること、
前記処理回路により、皮質骨の厚さの決定に基づいて、前記顔面頭蓋の骨の表面を選択すること、
前記処理回路により、前記顔面頭蓋の前記骨の前記表面の前記選択に基づいて、輪郭形成された表面を生成すること、及び
前記処理回路により送信された命令に基づいて、前記生成された輪郭形成された表面に基づいた骨プレートを作製すること、を含む、歯科用インプラントの製造方法であって、 前記骨プレートは、平面部と輪郭部とを具備し、前記骨プレートの前記平面部は、骨切り用垂直スロット内に位置決めされ、前記輪郭部は、前記顔面頭蓋の前記骨の前記選択された表面に近接して位置決めされ、
前記骨プレートは、前記顔面頭蓋に結合されるように構成される、歯科用インプラントの製造方法。
[12] 前記骨プレートは、直接金属レーザ焼結法により作製される、[11]に記載の製造方法。
[13] 前記垂直スロットによる骨切りは、1つ以上のテンプレートによって、前記顔面頭蓋の前記骨の前記選択された表面に基づいて、実行される、[11]に記載の製造方法。
[14] 顔面頭蓋の骨の選択された表面に対して輪郭形成された1つ以上の表面を有する骨プレートと、
前記骨プレートからその下に延伸する突出部と、を具備する歯科用インプラントであって、
前記突出部は、義歯に結合されるように構成され、
前記骨プレートは、前記顔面頭蓋に結合されるように構成される、歯科用インプラント。
[15] 前記歯科用インプラントは、チタンで作製される、[14]に記載の歯科用インプラント。
[16] 前記歯科用インプラントの前記骨プレートは、前記顔面頭蓋に結合されるように構成される、[14]に記載の歯科用インプラント。
[17] 前記顔面頭蓋の前記骨の前記選択された表面は、皮質骨の厚さの決定に基づいて選択される、[14]に記載の歯科用インプラント。
[18] 前記歯科用インプラントの前記骨プレートは、前記歯科用インプラントを前記顔面頭蓋に固定するための複数の通し開口をさらに具備する、[14]に記載の歯科用インプラント。
[19] 突出態様は、前記歯科用インプラントの前記突出部と前記骨プレートとの間の前記結合に近接する付勢機構をさらに具備する、[14]に記載の歯科用インプラント。
[20] 前記付勢機構は、前記歯科用インプラントの前記突出部にかかる力に応じて、損傷するように構成される、[19]に記載の歯科用インプラント。