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  • 特許-船を回収するための装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】船を回収するための装置
(51)【国際特許分類】
   B63B 23/30 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
B63B23/30
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021526268
(86)(22)【出願日】2019-11-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 EP2019081548
(87)【国際公開番号】W WO2020099665
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-10-14
(31)【優先権主張番号】1871907
(32)【優先日】2018-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】511093144
【氏名又は名称】ナバル グループ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【氏名又は名称】板谷 一弘
(72)【発明者】
【氏名】エリク ジュビオン
(72)【発明者】
【氏名】ピエール-アラン ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】エリク ペロ
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第19500182(DE,A1)
【文献】米国特許第8821066(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第107757832(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0291779(US,A1)
【文献】国際公開第2017/068578(WO,A1)
【文献】仏国特許出願公開第2556309(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 23/30,27/36,35/40,21/04,
B63C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船を回収するための装置であって、回収装置は、船を受け入れて支持するように構成されたフローティングクレードルを備え、クレードルは、クレードルの後端に位置して、2つの側方部分の間で画定される、船のための入口を有し、クレードルは、2つの側方部分のうちの1つから後部に向かって延在する後方側方延長部を有するように構成されていて、他方の側方部分が後方側方延長部を有しない、回収装置。
【請求項2】
クレードルに取り外し可能に取り付けられるように構成された少なくとも1つの後方側方延長部を備える、請求項1に記載の回収装置。
【請求項3】
クレードルに取り外し可能に取り付けられるように構成された2つの後方側方延長部を備え、各後方側方延長部は、クレードルの入口を画定する2つの側方部分の各々の側方部分に取り付けられるように構成されている、請求項1または2に記載の回収装置。
【請求項4】
クレードルの入口を画定する2つの側方部分のうちの一方の側方部分上にまたは他方の側方部分上に選択的に、クレードルに取り外し可能に取り付けられるように構成された後方側方延長部を備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の回収装置。
【請求項5】
方側方延長部が、クレードルの長手方向軸に沿って取られた、クレードルの入口と前端との間で取られたクレードルの長さの1/6以上の長さを有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の回収装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の回収装置を備えた船舶。
【請求項7】
船は、後方側方延長部が配置され、船の船首が後方側方延長部と接触するようにクレードルに対して斜めに方向付けされ、後方側方延長部によってクレードルの入口に向かって偏向される側と反対側のクレードルの側部からクレードルの入口に向かって前進するように制御される、請求項1~5のいずれか1項に記載の回収装置を使用して船を回収するための方法。
【請求項8】
クレードルが、移動する船舶の隣の水中に配置される、請求項7に記載の回収方法。
【請求項9】
クレードルが船舶の右舷側の水中に配置され、後方側方延長部がクレードルの左舷側に配置され、船はクレードルの右舷側からクレードルに近づくように制御される、請求項8に記載の回収方法。
【請求項10】
クレードルが船舶の左舷側の水中に配置され、後方側方延長部がクレードルの右舷側に配置され、船はクレードルの左舷側からクレードルに近づくように制御される、請求項8に記載の回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船、例えば、無人自律船(UAV)とも呼ばれる無人水上船舶(USV)または無人水中船舶(UUV)を回収するための装置に関する。
【0002】
WO97/39940A1およびFR2556309A1は、水中に船を配置し、船を受け入れて支持するように構成されたフローティングクレードル(「フローティングケージ」または「フローティングドック」とも呼ばれる)を含む船を回収するための装置を提案し、フローティングクレードルは、船舶またはフローティングプラットフォームまたは固定設備に設けられた持ち上げ手段を使用して操作されるように構成され、船を水中に配置する、または船を回収するべく船舶、フローティングプラットフォームまたは固定設備に持ち上げるために、船舶、フローティングプラットフォームまたは、固定設備から水中に降ろされる。
【0003】
船の回収操作の間、フローティングクレードルは、水中に配置され、船はクレードルに再び入り、クレードルは船舶、フローティングプラットフォーム、または固定設備に持ち上げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、うねりに起因して、特に荒海において、及び/又は、移動している船舶に船を持ち上げる必要がある場合には、船舶、フローティングプラットフォーム、または固定設備、水中に配置されたクレードルと船との間の相対的な動きが避けられないため、船をクレードルに入れるのが難しい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの目的は、回収操作を容易にする、船を回収するための装置を提案することである。
【0006】
この目的のために、本発明は、船を回収するための装置を提案し、回収装置は、船を受け入れて支持するように構成されたフローティングクレードルを備え、クレードルは、クレードルの後方端部に位置し、2つの側方部分の間で画定された、船用の入口を有し、クレードルは、2つの側方部分のうちの1つから後方に向かって延在する後方側方延長部で構成されるか、または構成可能であり、他の側方部分は、後方側方延長部を有しない。
【0007】
クレードルの入口を画定する2つの側方部分のうちの1つから延在する後方側方延長部は、船がクレードルに斜めに接近することを可能にすることによって、クレードルに入ろうとする船の船首(またはステム)を案内することを可能にし、ステムは、後方側方延長部と接触して、クレードルの入口に向かって偏向される。
【0008】
船がクレードルに入ることができるように船の長手方向軸をクレードルの長手方向軸に合わせることは最早必要ではないので、船のクレードルへの進入はより容易である。
【0009】
特定の実施形態によれば、回復装置は、個別に、または技術的に可能なすべての組み合わせに従って考慮される、以下の任意選択的な特徴の1つまたは幾つかを備える。
【0010】
-それは、クレードルに取り外し可能に取り付けられるように構成された少なくとも1つの後方側方延長部を備える。
【0011】
-それは、クレードルに取り外し可能に取り付けられるように構成された2つの後方側方延長部を備え、各後方側方延長部は、クレードルの入口を画定する2つの側方部分の各側方部分に取り付けられるように構成される。
【0012】
-それは、クレードルに取り外し可能に、クレードルの入口を画定する2つの側方部分のうちの1つの側方部分に選択的にまたは他方の側方部分に取り付けられるように構成された後方側方延長部を備える。および、
【0013】
-前記または各後方側方延長部は、クレードルの長手方向軸に沿って、クレードルの入口と前端との間で測られたクレードルの長さの1/6以上の長さを有する。
【0014】
本発明は、上で定義されたような回収装置を備えた船舶にも関する。
【0015】
本発明は、上で定義されたような回収装置を使用して船を回収する方法にも関し、船は、後方側方延長部が配置されている側とは反対側のクレードルの側からクレードルの入口に向かって前進するように制御され、クレードルに対して相対的に斜めに方向付けられ、船の船首が後方側方延長部と接触し、後方側方延長部によってクレードルの入口に向けて偏向される。
【0016】
特定の実施形態によれば、回復方法は、個別に、または技術的に可能な任意の組み合わせに従って考慮される、以下の任意選択的な特徴のうちの1つまたは複数を含む。
【0017】
-クレードルは、移動している船舶の隣の水中に配置される。
【0018】
-クレードルは船舶の右舷側の水中に配置され、後方側方延長部はクレードルの左舷側に配置され、船はクレードルの右舷側を通ってクレードルに近づくように制御される。および、
【0019】
-クレードルは船舶の左舷側の水中に配置され、後方側方延長部はクレードルの右舷側に配置され、船はクレードルの左舷側を通ってクレードルに近づくように制御される。
【0020】
本発明およびその利点は、非限定的な例としてのみ提供され、添付の図面を参照して行われる以下の説明を読むことでよりよく理解され、唯一の図は、船を回収するための装置を備えた船舶の概略上面図であり、回収装置は第1の構成にある。
【0021】
図に示されている船舶2は、船6を船舶2上に持ち上げるために船6を回収することを可能にする回収装置4を備えている。回収装置は、船を船舶2から水中に配置するためにも有利に使用することができる。
【0022】
船舶2は図において部分的に示されている。右舷側8と船舶2の甲板10の一部のみが見える。船舶2は、例えば、前進の方向Eに沿った方向に移動している。
【0023】
船舶2は、船舶2から回収装置4を取り扱うことを可能にする持ち上げ手段12(図において点線で示される)を備えている。
【0024】
持ち上げ手段12は、例えば、船舶2の甲板10に取り付けられ、持ち上げ手段12が甲板10上の積荷を処理することを可能にする格納位置(図示せず)と、持ち上げ手段12が船べりを超えて船舶の外側に突き出て、船舶2の隣に位置する積荷を上下させる展開位置(図において点線で示される)との間で、水平軸Aを中心に傾斜している。
【0025】
図に示されるように、持ち上げ手段12は展開位置にあり、回収装置4は、船舶2の隣、右舷側の水中に配置されている。
【0026】
船6は、例えば、水上船または水中船であり、そのような水中船はまた、特に水中に配置するための操作または回収操作の間、水面上で浮遊および移動することもできる。
【0027】
船6は、例えば、無人船舶、特に、無人自律船(UAV)とも呼ばれる無人水上船舶(USV)または無人水中船舶(UUV)である。変形例において、船6は、有人水上船または有人水中船舶である。
【0028】
船6は、長手方向軸Bを有し、この長手方向軸Bに沿って間隔を置いて配置された船首6A(船6の前部)および船尾6B(船6の後部)を有する。
【0029】
船6は、好ましくは、船6の推進を確実にする推進システム14を備える。推進システム14は、例えば、1つまたは複数のエンジン及び/又は1つまたは複数のプロペラを備える。
【0030】
船6は、好ましくは、船6を操舵することを可能にする操舵システム16を備える。操舵システム16は、例えば、1つまたは複数の舵(かじ)を備える。変形例において、または任意追加として、操舵システム16は、推進システム14の少なくとも一部の方向付け、例えば、1つまたは複数のプロペラの方向付けを可能にするように構成される。
【0031】
回収装置4は、船6を受け入れ、それを支持するように構成されたクレードル18を備える。
【0032】
クレードル18は浮力がある。したがって、それは水中に置かれる場合に浮く。このようなフローティングクレードル18は、「フローティングケージ」または「フローティングドック」とも呼ばれる。
【0033】
船6がクレードル18に受け入れられる場合、クレードル18は、船6を水中から除去するか、または水中に置くために操作することができ、船6は、クレードル18によって運ばれる。
【0034】
クレードル18は、長手方向軸Cに沿って延在し、クレードル18のこの長手方向軸Cに沿って間隔を空けて配置された前端18Aおよび後端18Bを有する。
【0035】
クレードル18は、水面上の船6が、クレードル18の後端18Bを通って、すなわち、後方から前方に、水面に浮かぶクレードル18に入ることができるように構成される。
【0036】
クレードル18は、船6の長手方向軸Bがクレードル18の長手方向軸Cと実質的に整列された状態で船6を受け入れるように設けられ、船6の船首6Aは、クレードル18の前端18Aに隣接しており、船6の船尾6Bは、クレードル18の後端18Bに隣接している。
【0037】
クレードル18は、クレードル18が水に浮いている場合に船6がクレードル18に入ることを可能にする入口20を、後端18Bに、有する。
【0038】
クレードル18は、2つの側方部分22を有し、それらの間でクレードル18の入口20を画定する。2つの側方部分22は、特に、船6がクレードル18に入る場合に船6を横方向に案内することを可能にする。
【0039】
クレードル18は、入口20を画定する側方部分22のうちの1つのみから後方に向かって長手方向に延在する後方側方延長部24を有するように構成されるか、または構成することができる。
【0040】
後方側方延長部24は、実質的にクレードル18の長手方向軸Cに沿って、側方部分22の1つから後方に向かって延在する。
【0041】
1つの側方部分22は、後方側方延長部24を備えており、他方の側方部分22は、そのような後方側方延長部を有しない。
【0042】
後方側方延長部24は、入口20を越えて後部に向かって長手方向に延在する。
【0043】
後方側方延長部24は、それがクレードル18の後部に向かって配置されている側方部分22を、入口20から、延長する。
【0044】
図に示されるように、後方側方延長部24を備えたクレードル18は、上面図において、クレードル18の長手方向軸Cを通過する垂直正中面に対して非対称形状を有し、この非対称形状は、後方側方延長部24によって与えられる。
【0045】
側方部分22が後方側方延長部24を備えているクレードル18の側面は、後方側方延長部を奪われたクレードル18の側面よりもさらに後方に延在している。
【0046】
クレードル18の側方部分22は、正中面のいずれかの側で対称的に延在する。特に、側方部分22は、クレードル18の長手方向軸Cに沿って測られた、同じ長さを有する。
【0047】
クレードル18の非対称性は、後方側方延長部24によって与えられ、これは、側方部分22の1つをクレードル18の後部に向かって延ばすが、他の側方部分22は延長されていない。
【0048】
後方側方延長部24は、好ましくは、クレードル18の長手方向軸Cに沿って測られた、クレードル18の側方部分22の長さの1/6以上の長さを有する。クレードル18の側方部分22の長さは、クレードル18の長手方向軸Cに沿って、クレードル18の入口20と前端18Aとの間で取られる。
【0049】
クレードル18は、有利には、船6がクレードル18の前端18Aで出るのを防ぐように構成される。これを行うために、例えば、クレードル18は、その前端18Aに向かって狭くなり、及び/又はその前端18Aで閉じられる。
【0050】
有利には、クレードル18は、竜骨状であり、クレードル18の長手方向軸Cに沿って延在する船体を有する。このような船体は、クレードル18が水上を進む船舶2の側面の水中に配置された場合、クレードル18の前方移動に対する抵抗および航跡を減少させる。
【0051】
図に示されるように、後方側方延長部24は、クレードル18の左舷側側方部分22、すなわち、クレードル18の前部を向いた場合のクレードル18の左側に位置する側方部分22に設けられ、クレードル18は、船舶2の右舷側の水中に配置される。したがって、クレードル18の左舷側に配置された後部延長部24は、船舶2に隣接するクレードル18の入口20の側方部分22に配置されている。
【0052】
操作の間、船6を回収するために、クレードル18は、ここでは右舷側で、船舶2の隣の持ち上げ手段12を使用して水中に配置される。クレードル18は、例えば、持ち上げ手段12を使用して、および/または、例えばクレードル18の前端を船舶2に接続するケーブルを使用して、側面に保持される。
【0053】
クレードル18は、船舶2のルートをたどる。船6は、クレードル18のルートに収れんするルートをたどりつつ、(クレードル18の)右舷側から接近しながら、すなわち、クレードル18の方向と非ゼロ角度を形成する移動方向に沿って前進しつつ、船舶2に接近しながら、クレードル18の入口20に向かって操舵される。図において、船6の長手方向軸Bは、クレードル18の長手方向軸Cと非ゼロ角度αを形成する。特に、船6の推進システム14および操舵システム16は、水中に配置されたクレードル18に向かうこのような経路をたどるように操舵される。
【0054】
したがって、船6は、その船首6Aがクレードル18の後方側方延長部と接触するように、後方側方延長部24の反対側のクレードルの入口20の側において、クレードル18に対して後部から斜めに到着するように操舵される。次に、後方側方延長部24は、船6の船首6Aをクレードル18の入口20に向けて偏向させることによって船6を案内する。したがって、クレードル18の後方側方延長部24は、船6の船首6Aをクレードル18の入口20に向けて案内するように構成される。
【0055】
船6がクレードル18内に受け入れられると、船6を運ぶクレードル18は、水から持ち上げられ、持ち上げ手段12を使用して、船舶2上に、特に甲板10上に戻される。
【0056】
したがって、後方側方延長部24の存在は、船6の回収の間に船6がクレードル18に入るのを容易にする。
【0057】
船6がクレードル18に入ることは、特に荒海の場合に、予測および制御が困難な、船舶2、クレードル18および船6の相対的な動きを引き起こすうねりに起因して実際に困難になる可能性がある。
【0058】
さらに、船舶2の前進を妨げることなく船6を回収するためには、船舶2が前進しながら、船6を回収することが望ましい。さて、船舶2が前進している場合、それは船舶2の側部で近くにある浮遊物を船舶2の方向へ引き付ける傾向がある吸引を作る。したがって、移動する船舶2の側部から接近する船6は、船舶2に引き付けられる傾向がある。船舶2の側部のクレードル18に配置された後方側方延長部24は、船6が船舶2に向かうのを防ぎながら、船6を入口22に向けて案内することを可能にする。
【0059】
最後に、船舶2は、前進する場合、横波と発散波の円錐の形状をとる航跡(一般に”Kelvin”wakeと呼ばれる航跡)を作り、これは、船舶2の近くにある浮遊物を破壊させる傾向がある。船舶2の側部のクレードル18に配置された後方側方延長部24は、船舶2によって作られた破壊的な航跡のゾーンを回避するために、船舶2に対して船6の斜めの接近経路を採用することを可能にする。
【0060】
図において、船舶2の右舷側で船6の回収を行うために、クレードル18の左舷側に位置する側方部分22に後方側方延長部24が設けられている。
【0061】
別の例示的な実施形態においては、図において混合線で示されるように、クレードル18の後方側方延長部24は、クレードル18の右舷側に位置する側方部分22に設けられ、クレードル18は、クレードル18の左舷側に位置する側方部分22に後方側方延長部を有さず、例えば、船舶2の左舷側で船6の回収を実行する。
【0062】
1つの実施形態において、クレードル18は、クレードル18の左舷側に位置する側方部分22およびクレードル18の右舷側に位置する側方部分22の一方に取り外し不可能であるように取り付けられた後方側方延長部24を備えており、クレードル18のその反対側に位置する側方部分22は、後方側方延長部を有しない。
【0063】
図によって説明することができる第1の例示的な実施形態において、クレードル18は、クレードル18の左舷側に位置する側方部分22に取り外し不可能であるように取り付けられた後方側方延長部24を備えており、クレードル18の右舷側に位置する側方部分22は、後方側方延長部を有しない。
【0064】
図において混合線で示すことができる第2の例示的な実施形態において、クレードル18は、クレードル18の右舷側に位置する側方部分22に取り外し不可能であるように取り付けられた後方側方延長部24を備えており、クレードル18の左舷に位置する側方部分22は、後方側方延長部を有しない。
【0065】
別の例示的な実施形態において、クレードル18は、クレードル18上で取り外し可能であるように取り付けられた少なくとも1つの後方側方延長部24を備えている。取り外し可能な後方側方延長部24は、分解してクレードル18から取り外すことができる。
【0066】
次に、クレードル18は、各後方側方延長部24が、クレードル18に取り付けることができるか、またはクレードル18から分解することができるように構成可能である。
【0067】
1つの実施形態において、クレードル18は、クレードル18に取り外し可能に取り付けられた2つの後方側方延長部24、すなわち、左舷側後方側方延長部24および右舷側後方側方延長部24を有し、クレードル18は、例えば、前進する船舶2の一方の側または他方の側で船6を回収するために、クレードル18上の後方側方延長部24の1つを取り外し、他方を維持することによって構成される。
【0068】
1つの実施形態において、クレードル18は、クレードル18の左舷側に位置する側方部分22において、またはクレードル18の右舷側に位置する側方部分22において、選択的に取り外し可能に取り付けられるように構成された後方側方延長部24を有する。
【0069】
回収装置4は、特に船舶2が前進している際に船6を回収するための、船舶2上での使用において上記では説明されてきた。
【0070】
回収装置4は、船舶2が動いていないときに使用することができる。
【0071】
後方側方延長部24を提供することは、船6の長手方向軸Bとクレードル18の長手方向軸C18との間の角度が非ゼロで船6がクレードル18へ入ることを可能にすることによって、クレードル18が動かないときを含めて、船6が入ることを容易にする。
【0072】
回復装置4は、不動のフローティングプラットフォームまたは地面または海底に固定された固定設備で使用することもできる。
【0073】
回収装置4は、例えば、船舶、フローティングプラットフォーム、または固定設備から、船6を水中に配置するために使用することもできる。
【0074】
これを行うために、船6は、船舶またはフローティングプラットフォームまたは固定設備に取り付けられたクレードル18によって運ばれ、クレードル18は、水中に置かれ、船6は、クレードル18の入口20を通って、逆方向にクレードル18を離れるように操舵される。
【0075】
このような操作は、移動する船舶から行うことができる。
【0076】
したがって、回収装置は、船を回収するための、および/または船を水中に配置するための装置を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
(原文記載なし)
本発明の実施形態としては、以下の実施形態を挙げることができる。
(付記1)
船を回収するための装置であって、回収装置は、船を受け入れて支持するように構成されたフローティングクレードルを備え、クレードルは、クレードルの後端に位置して、2つの側方部分の間で画定される、船のための入口を有し、クレードルは、2つの側方部分のうちの1つから後部に向かって延在する後方側方延長部で構成されるか、または構成可能であり、他方の側方部分が後方側方延長部を有しない、回収装置。
(付記2)
クレードルに取り外し可能に取り付けられるように構成された少なくとも1つの後方側方延長部を備える、付記1に記載の回収装置。
(付記3)
クレードルに取り外し可能に取り付けられるように構成された2つの後方側方延長部を備え、各後方側方延長部は、クレードルの入口を画定する2つの側方部分の各々の側方部分に取り付けられるように構成されている、付記1または2に記載の回収装置。
(付記4)
クレードルの入口を画定する2つの側方部分のうちの一方の側方部分上にまたは他方の側方部分上に選択的に、クレードルに取り外し可能に取り付けられるように構成された後方側方延長部を備える、付記1~3のいずれか1項に記載の回収装置。
(付記5)
前記または各後方側方延長部が、クレードルの長手方向軸に沿って取られた、クレードルの入口と前端との間で取られたクレードルの長さの1/6以上の長さを有する、付記1~4のいずれか1項に記載の回収装置。
(付記6)
付記1~5のいずれか1項に記載の回収装置を備えた船舶。
(付記7)
船は、後方側方延長部が配置され、船の船首が後方側方延長部と接触するようにクレードルに対して斜めに方向付けされ、後方側方延長部によってクレードルの入口に向かって偏向される側と反対側のクレードルの側部からクレードルの入口に向かって前進するように制御される、付記1~5のいずれか1項に記載の回収装置を使用して船を回収するための方法。
(付記8)
クレードルが、移動する船舶の隣の水中に配置される、付記7に記載の回収方法。
(付記9)
クレードルが船舶の右舷側の水中に配置され、後方側方延長部がクレードルの左舷側に配置され、船はクレードルの右舷側からクレードルに近づくように制御される、付記8に記載の回収方法。
(付記10)
クレードルが船舶の左舷側の水中に配置され、後方側方延長部がクレードルの右舷側に配置され、船はクレードルの左舷側からクレードルに近づくように制御される、付記8または付記9に記載の回収方法。
図1