(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】高純度トリフルオロヨードメタンを生成するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
C07C 17/38 20060101AFI20240311BHJP
C07C 19/16 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
C07C17/38
C07C19/16
(21)【出願番号】P 2021530950
(86)(22)【出願日】2019-12-03
(86)【国際出願番号】 US2019064143
(87)【国際公開番号】W WO2020117745
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-11-25
(32)【優先日】2018-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】チュンゴン、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】メルケル、ダニエル シー.
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ハイユウ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、テリス
(72)【発明者】
【氏名】ボロメイ、パスカル
【審査官】奥谷 暢子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108675914(CN,A)
【文献】特開2008-179602(JP,A)
【文献】HWAHAK KONGHAK,2001年,39(2),144-149
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリフルオロヨードメタンを精製するための方法であって、
トリフルオロヨードメタン、有機不純物、及び酸不純物を含むプロセスストリームを提供することと、
前記プロセスストリームを塩基性水溶液と反応させることであって、前記塩基性水溶液が、水、並びにアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物の群から選択される少なくとも1つの塩基を含む、反応させることと、
前記プロセスストリームから前記有機不純物の少なくとも一部を分離することと、を含
み、
塩基性水溶液の総重量の百分率としてのアルカリ金属炭酸塩の濃度は、0.5重量%~5重量%であり、塩基性水溶液の総重量の百分率としてのアルカリ金属水酸化物の濃度は、0.01重量%~5重量%である、方法。
【請求項2】
前記反応工程において、前記少なくとも1つの塩基が、アルカリ金属炭酸塩を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記塩基性水溶液中の前記アルカリ金属炭酸塩の濃度が、0.5重量%~5重量%である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記アルカリ金属炭酸塩が、炭酸ナトリウムを含む、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記反応工程において、前記少なくとも1つの塩基が、アルカリ金属水酸化物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記塩基性水溶液中の前記アルカリ金属水酸化物の濃度が、0.01重量%~5重量%である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記塩基性水溶液中の前記アルカリ金属水酸化物の濃度が、0.5重量%~5重量%である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記反応工程の直後に前記プロセスストリームから前記水の少なくとも一部を除去するための追加の乾燥工程を更に含み、前記反応工程、前記乾燥工程、及び前記分離工程の後の前記プロセスストリームが、少なくとも
99重量%のトリフルオロヨードメタン、
50ppm未満のヨウ化メチル、
100ppm未満の水、及び
20ppm未満の酸不純物を含む、請求項
1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の方法に従ってトリフルオロヨードメタンを精製する工程を含む、トリフルオロヨードメタンを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、高純度トリフルオロヨードメタン(CF3I)を生成するためのプロセスに関する。具体的には、本開示は、トリフルオロヨードメタンを精製して、高収率の高純度トリフルオロヨードメタンをもたらすためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
ペルフルオロメチルヨージド、トリフルオロメチルヨージド、又はヨードトリフルオロメタンとしても知られる、トリフルオロヨードメタン(CF3I)は、例えば、冷媒又は火災抑制剤として商業用途において有用な化合物である。CF3Iは、ほぼゼロのオゾン破壊係数を有する低地球温暖化係数分子である。CF3Iは、環境的により害のある材料を置き換えることができる。
【0003】
CF3I、及びCF3Iを含む組成物を生成するためのいくつかの既知のプロセスが存在する。これらのプロセスの多くは、CF3基部分を含有する好適な前駆体化合物の直接触媒ヨウ化を伴う。これらのプロセスの多くでは、CF3Iを含む粗プロセスストリームはまた、有機不純物、酸不純物、及び水を含み得る。有機不純物としては、例えば、ペンタフルオロエタン(HFC-125)、ヘキサフルオロプロペン(HFO-1216)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea)、1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa)、及び/又はヨウ化メチル(CH3I)などのフッ化及びヨウ化炭化水素を挙げることができる。有機不純物としてはまた、二酸化炭素(CO2)を挙げることができる。有機不純物は、CF3Iの生成中に副生成物として形成され得る、及び/又はCF3Iを生成するために使用される反応物質若しくは他の出発物質中に存在し得る。
【0004】
米国農務省によると、CH3Iは、吸入及び摂取されると中~高程度の急性毒性を呈する。毒性評価では、高純度CF3I中のCH3Iが5ppm未満であることが必要とされると指定されている。粗プロセスストリーム中のCH3Iの濃度は、典型的には約1,000ppmであり得、5,000ppmほどの高さの場合もある。
【0005】
酸不純物としては、例えば、フッ化水素(hydrogen fluoride、HF)、塩化水素(hydrogen chloride、HCl)、ヨウ化水素(hydrogen iodide、HI)、及び/又はトリフルオロ酢酸(trifluoroacetic acid、TFA)を挙げることができる。酸不純物は、CF3Iの生成中に副生成物として形成され得る、及び/又はCF3Iを生成するために使用される反応物質若しくは他の出発物質中に存在し得る。粗プロセスストリーム中の酸不純物の濃度は、約20ppm~約100ppmの範囲であり得る。水はまた、CF3Iを生成するために使用される反応物質又は他の出発物質中に存在し得る。粗プロセスストリーム中の水の濃度は、約5ppm~約100ppmの範囲であり得る。粗プロセスストリーム中の酸不純物及び水の存在は、蒸留塔、ポンプ、配管、センサ、貯蔵タンクなどの下流処理設備に有害な影響を有し得る腐食媒体を作り出す。設備の交換及び/又は修理をもたらす腐食は、精製プロセスの全体的な効率を低減し得る。高純度CF3Iは、酸不純物が1ppm以下、及び水が10ppm以下である必要がある。
【0006】
したがって、高純度CF3Iを生成するために、有機不純物(特にCH3I)、酸不純物及び水を十分に除去する精製プロセスが必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、トリフルオロヨードメタン(CF3I)を精製して、高収率の高純度トリフルオロヨードメタンをもたらすためのプロセスを提供する。
【0008】
その一形態では、本開示は、トリフルオロヨードメタンを精製するための方法を提供する。方法は、トリフルオロヨードメタン、有機不純物、及び酸不純物を含むプロセスストリームを提供することと、プロセスストリームを塩基性水溶液と反応させることであって、塩基性水溶液が、水、並びにアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物の群から選択される少なくとも1つの塩基を含む、反応させることと、プロセスストリームから有機不純物の少なくとも一部を分離することと、を含む。
【0009】
反応工程において、少なくとも1つの塩基としては、アルカリ金属炭酸塩を挙げることができる。塩基性水溶液中のアルカリ金属炭酸塩の濃度は、約0.01重量%~約20重量%であり得る。塩基性水溶液中のアルカリ金属炭酸塩の濃度は、約0.5重量%~約5重量%であり得る。アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウムを挙げることができる。
【0010】
少なくとも1つの塩基としては、アルカリ金属水酸化物を挙げることができる。塩基性水溶液中のアルカリ金属水酸化物の濃度は、約0.01重量%~約20重量%であり得る。塩基性水溶液中のアルカリ金属水酸化物の濃度は、約0.5重量%~約1重量%であり得る。アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウムを挙げることができる。
【0011】
反応工程において、プロセスストリームの温度は約5℃~約80℃であり得、プロセスストリームの圧力は、約1psig~約100psigであり得る。
【0012】
提供工程における有機不純物としては、ヨウ化メチルを挙げることができる。反応工程によって、プロセスストリーム中のヨウ化メチルの濃度は、GC面積%で、全有機化合物の約1%~約70%低減することができる。反応工程は、分離工程よりも先行させてもよい。反応工程は、分離工程に続いてもよい。
【0013】
方法は、反応工程の直後に、プロセスストリームから水の少なくとも一部を除去するための、追加の乾燥工程を更に含み得る。反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームは、少なくとも約99重量%のトリフルオロヨードメタン、約50ppm未満のヨウ化メチル、約100ppm未満の水、及び約20ppm未満の酸不純物を含み得る。方法は、連続プロセスであり得る。
【0014】
その別の形態では、本開示は、トリフルオロヨードメタンを精製するための方法を提供する。方法は、トリフルオロヨードメタン、有機不純物、及び酸不純物を含むプロセスストリームを提供することと、プロセスストリームを酸反応剤と接触させることと、プロセスストリームから有機不純物の少なくとも一部を分離することと、を含む。
【0015】
酸反応剤としては、アルミナ吸着剤を挙げることができる。接触工程において、プロセスストリームは、液相であり得、プロセスストリームの温度は、約-50℃~約50℃であり得、プロセスストリームの圧力は、約1psig~約100psigであり得る。接触工程において、プロセスストリームは、気相であり得、プロセスストリームの温度は、約-20℃~約60℃であり得、プロセスストリームの圧力は、約1psig~約100psigであり得る。
【0016】
接触工程は、分離工程よりも先行させてもよい。接触工程は、分離工程に続いてもよい。
【0017】
方法は、接触工程の直後に、プロセスストリームから水の少なくとも一部を除去するための、追加の乾燥工程を更に含み得る。接触工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームは、少なくとも約99重量%のトリフルオロヨードメタン、約50ppm未満のヨウ化メチル、約100ppm未満の水、及び約20ppm未満の酸不純物を含み得る。
【0018】
添付の図面を考慮して、実施形態についての以下の記載を参照することによって、本開示の上述及び他の特性、並びにそれらを達成する様式がより明らかになり、より良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】高純度トリフルオロヨードメタンを生成するためのプロセスを示すプロセスフロー図である。
【0020】
【
図2】高純度トリフルオロヨードメタンを生成するための別のプロセスを示すプロセスフロー図である。
【0021】
【
図3】高純度トリフルオロヨードメタンを生成するための別のプロセスを示すプロセスフロー図である。
【0022】
【
図4】高純度トリフルオロヨードメタンを生成するための別のプロセスを示すプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は、粗トリフルオロヨードメタン(CF3I)を精製して、高収率のCF3Iをもたらすためのプロセスを提供する。CF3Iは、酸を中和するために典型的に使用される塩基性溶液と接触させると化学的に分解され、CF3I生成物の損失をもたらし得るので、CF3Iを含むプロセスストリームからの酸の中和は、特に困難であることが見出されている。
【0024】
塩基性水溶液を含有するスクラバーにプロセスストリームを通過させることによって、プロセスストリームから酸不純物を除去することができる。水及び定義された濃度範囲の少なくとも1つの塩基を含む塩基性水溶液を含有するスクラバーにCF3I及び酸不純物を含む粗プロセスストリームを通過させることによって、CF3Iを顕著に分解することなく、プロセスストリーム中の酸不純物を効果的に除去することができることが見出されている。塩基は、アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属水酸化物であり得る。
【0025】
塩基性水溶液は、水と、少なくとも1つの塩基と、から本質的になり得る。塩基性水溶液は、水と、少なくとも1つの塩基と、からなり得る。
【0026】
塩基は、アルカリ金属水酸化物を含み得る。塩基は、アルカリ金属水酸化物から本質的になり得る。塩基は、アルカリ金属水酸化物からなり得る。アルカリ金属水酸化物は、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、及び水酸化リチウム(LiOH)、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。好ましくは、アルカリ金属水酸化物は、水酸化カリウムを含み得る。より好ましくは、アルカリ金属水酸化物は、水酸化カリウムから本質的になり得る。最も好ましくは、アルカリ金属水酸化物は、水酸化カリウムからなり得る。アルカリ金属水酸化物は、水酸化ナトリウムから本質的になり得る。アルカリ金属水酸化物は、水酸化ナトリウムからなり得る。アルカリ金属水酸化物は、水酸化リチウムから本質的になり得る。アルカリ金属水酸化物は、水酸化リチウムからなり得る。
【0027】
粗プロセスストリームは、有機不純物も含み得る。塩基がアルカリ金属水酸化物を含む塩基性水溶液はまた、顕著な割合の有機不純物CH3Iを除去することができることが見出されている。プロセスストリーム中のCH3Iは、スクラバー内の塩基性水溶液中のアルカリ金属水酸化物と以下の等式1に従って反応して、メタノール及びヨウ化アルカリ塩を形成し得、
等式1: CH3I+XOH→CH3OH+XI、
式中、XIが、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、又はヨウ化リチウムである。メタノール及びヨウ化アルカリ塩は、塩基性水溶液に容易に可溶性であり、したがってプロセスストリームから容易に除去される。
【0028】
CH3Iは、等式1のこの反応をCF3Iよりも容易に受けることが見出されている。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、反応性の差は、CF3Iの水への可溶性よりも顕著に良好な、CH3Iの水への可溶性に少なくとも一部起因すると考えられる。
【0029】
プロセスストリーム中の有機化合物の組成は、ガスクロマトグラフィー(gas chromatography、GC)分析及びガスクロマトグラフィー質量分光(gas chromatography-mass spectroscopy、GC-MS)分析によって測定することができる。有機化合物の各々に対する全有機化合物のGC面積百分率(GC area percentage、GC面積%)をプロセスストリーム中の有機化合物の相対濃度の測定値として提供するために、有機化合物の各々に対してGC分析によって提供されるグラフ面積を組み合わせてもよい。
【0030】
塩基性水溶液が、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、若しくは約35%ほどの少なさ、又は約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、若しくは約80%ほどの多さであり得、又は例えば、約1%~約80%、約5%~約70%、約10%~約65%、約15%~約60%、約20%~約55%、約25%~約50%、約30%~約45%、若しくは約35%~約40%などの前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内のアルカリ金属水酸化物を含む反応工程によって、全有機化合物のプロセスストリーム中のCH3IのGC面積%での濃度を低減することができる。好ましくは、プロセスストリーム中のCH3Iの濃度は、反応工程によって約1%~約70%低減され得る。より好ましくは、プロセスストリーム中のCH3Iの濃度は、反応工程によって約5%~約50%低減され得る。最も好ましくは、プロセスストリーム中のCH3Iの濃度は、反応工程によって約5%~約30%低減され得る。
【0031】
CH3Iは、以下に記載されるように、蒸留によってプロセスストリームから効果的に除去することができるが、蒸留前に顕著な量のCH3Iを塩基性水溶液によって除去することによって、蒸留塔をより効率的に運転することを可能にすることができる。CH3Iは、プロセスストリーム中の有機不純物の最大の構成成分を代表し得る。蒸留塔よりも先に有機不純物の顕著な部分を除去することによって、蒸留塔を通るプロセスストリームの流量を増加させ、高純度CF3Iを生成することができる速度を増加させることができる。あるいは、又は加えて、蒸留塔よりも先に有機不純物を低減することによって、より小さい蒸留塔を使用して、高純度CF3Iの所望の生成速度を達成することを可能にすることができる。
【0032】
蒸留後の塩基性水溶液によって顕著な量のCH3Iを除去することによって、最終的に必要とされるほど純粋なCF3Iを生成するように蒸留塔を操作する必要がないであろうため、蒸留塔をより効率的に運転することを可能にすることもできる。蒸留後の有機不純物の顕著な部分を除去することによって、除去する必要がある有機不純物がより少ないので、蒸留塔を通るプロセスストリームの流量を増加させることができる。あるいは、又は加えて、蒸留塔の後に有機不純物を低減することによって、より小さい蒸留塔を使用して、高純度CF3Iの所望の生成速度を達成することを可能にすることができる。
【0033】
より高い濃度のアルカリ金属水酸化物では、CF3Iは、スクラバー内の塩基性水溶液中のアルカリ金属水酸化物と以下の等式2に従って反応し、分解されて、フッ化カルボニル、フッ化アルカリ塩、ヨウ化アルカリ塩、及び水を形成し得ることも見出されている:
等式2: CF3I+2XOH→CF2O+XI+XF+H2O
式中、XIが、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、又はヨウ化リチウムであり、XFが、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、又はフッ化リチウムである。したがって、塩基性水溶液中のアルカリ金属水酸化物の濃度を厳密に制御して、このCF3Iの分解を制限し、精製プロセスにおけるCF3Iの収率を維持する必要がある。
【0034】
塩基性水溶液の総重量の百分率としてのアルカリ金属水酸化物の濃度は、約0.01重量パーセント(重量%)、約0.02重量%、約0.05重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.5重量%、若しくは約1重量%ほどの少なさ、又は約2重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、若しくは約20重量%ほどの多さ、又は例えば、約0.01重量%~約20重量%、約0.02重量%~約15重量%、約0.05重量%~約12重量%、約0.1重量%~約10重量%、約0.2重量%~約5重量%、約0.5重量%~約2重量%、約0.5重量%~約5重量%、約0.05重量%~約1重量%、約0.5重量%~約1重量%、若しくは約0.1重量%~約5重量%などの前述の値のうちの任意の2つの間で定義される任意の範囲内であり得る。好ましくは、アルカリ金属水酸化物の濃度は、約0.1重量%~約5重量%であり得る。より好ましくは、アルカリ金属水酸化物の濃度は、約0.5重量%~約1重量%であり得る。最も好ましくは、アルカリ金属水酸化物の濃度は、約0.5重量%であり得る。
【0035】
塩基がアルカリ金属炭酸塩を含む塩基性水溶液は、顕著な割合の有機不純物CH3Iを除去しないが、CF3Iの顕著な分解をあまり引き起こさないことも見出されている。したがって、以下に記載されるように、塩基がアルカリ金属水酸化物ではなくアルカリ金属炭酸塩を含む塩基性水溶液を用いて、より多くのCF3Iを維持し、分離プロセスにのみ依存して、プロセスストリームからCH3Iを除去することが好ましい場合がある。
【0036】
塩基は、アルカリ金属炭酸塩を含み得る。塩基は、アルカリ金属炭酸塩から本質的になり得る。塩基は、アルカリ金属炭酸塩からなり得る。アルカリ金属炭酸塩は、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、及び炭酸リチウム(Li2CO3)、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。好ましくは、アルカリ金属炭酸塩は、炭酸ナトリウムを含み得る。より好ましくは、アルカリ金属炭酸塩は、炭酸ナトリウムから本質的になり得る。最も好ましくは、アルカリ金属炭酸塩は、炭酸ナトリウムからなり得る。アルカリ金属炭酸塩は、炭酸カリウムから本質的になり得る。アルカリ金属炭酸塩は、炭酸カリウムからなり得る。アルカリ金属炭酸塩は、炭酸リチウムから本質的になり得る。アルカリ金属炭酸塩は、炭酸リチウムからなり得る。
【0037】
塩基性水溶液の総重量の百分率としてのアルカリ金属炭酸塩の濃度は、約0.01重量パーセント(重量%)、約0.02重量%、約0.05重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.5重量%、若しくは約1重量%ほどの少なさ、又は約2重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、若しくは約20重量%ほどの多さ、又は例えば、約0.01重量%~約20重量%、約0.02重量%~約15重量%、約0.05重量%~約12重量%、約0.1重量%~約10重量%、約0.2重量%~約5重量%、約0.5重量%~約2重量%、若しくは約0.5重量%~約5重量%などの前述の値のうちの任意の2つの間で定義される任意の範囲内であり得る。好ましくは、アルカリ金属炭酸塩の濃度は、約0.1重量%~約10重量%であり得る。より好ましくは、アルカリ金属炭酸塩の濃度は、約0.5重量%~約5重量%であり得る。最も好ましくは、アルカリ金属炭酸塩の濃度は、約5重量%であり得る。
【0038】
プロセスストリームと塩基性水溶液との間の接触時間は特に重要ではなく、0.5秒ほどの短かさでもよい。接触時間は、はるかに長くてもよく、依然として、CF3Iの顕著な分解を引き起こさない。
【0039】
プロセスストリームは、スクラバーを通過するときに気相又は液相であり得る。スクラバーを通過するプロセスストリームの圧力及び温度を厳密に制御して、CF3Iに関連する望ましくない二次的反応を制限するべきである。
【0040】
スクラバーを通過するとき、プロセスストリームは、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、若しくは約30℃ほどの低さの、又は約40℃、約50℃、約60℃、約70℃若しくは約80℃ほどの高さの温度、又は例えば、約5℃~約80℃、約10℃~約70℃、約15℃~約60℃、約20℃~約50℃、約25℃~約40℃、若しくは約20℃~約40℃などの前述の値のうちの任意の2つの間で定義される任意の範囲内の任意の温度であり得る。好ましくは、スクラバー内のプロセスストリーム温度は、約10℃~約50℃であり得る。より好ましくは、スクラバー内のプロセスストリーム温度は、約20℃~約40℃であり得る。
【0041】
スクラバーを通過するとき、プロセスストリームは、約1psig、約2psig、約3psig、約5psig、約10psig、約20psig、約25psig、若しくは約30psigほどの低さの、又は約40psig、約50psig、約60psig、約70psig、約80psig、約90psig、若しくは約100psigほどの高さの圧力、又は例えば、約1psig~約100psig、約2psig~約90psig、約3psig~約80psig、約5psig~約70psig、約5psig~約60psig、約5psig~約50psig、約5psig~約40psig若しくは約5psig~約50psigなどの前述の値のうちの任意の2つの間で定義される任意の範囲内の任意の圧力であり得る。好ましくは、スクラバー内のプロセスストリーム圧力は、約3psig~約80psigであり得る。より好ましくは、スクラバー内のプロセスストリーム圧力は、約5psig~約50psigであり得る。
【0042】
あるいは、又は加えて、酸活性剤を含有する吸着塔にプロセスストリームを通過させることによって、プロセスストリームから酸不純物を除去することができる。酸活性剤は、酸を吸着する材料である。
【0043】
酸活性剤は、アルミナ、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、金属水酸化物、アルミノケイ酸塩鉱物、ジルコニア、及びシリカの群から選択される少なくとも1つの吸着剤を含み得る。酸活性剤は、アルミナ、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、金属水酸化物、アルミノケイ酸塩鉱物、ジルコニア、シリカ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される吸着剤であり得る。
【0044】
CF3Iの分解を開始又は優先しない酸活性剤を含有する吸着塔にCF3Iを含むプロセスストリームを通過させることによって、CF3Iの収率を顕著に低減することなく、プロセスストリーム中の酸不純物を効果的に除去することができることが見出されている。
【0045】
酸活性剤は、アルミナを含み得る。酸活性剤は、アルミナから本質的になり得る。酸活性剤は、アルミナからなり得る。アルミナは、1つ以上の種類のアルミナを含み得る。アルミナは、例えば、UOP LLC(Des Plaines、IL)から入手可能なP-188又はCLR-204、又はBASF(Iselin、NJ)からのHF-200XP、又はAlfa Aesar(Haverhill、MA)からの酸化アルミニウム触媒支持体などの活性アルミナであり得る。
【0046】
プロセスストリームと酸活性剤を含有する吸着塔との間の接触時間は特に重要ではなく、0.5秒ほどの短かさでもよい。接触時間は、はるかに長くてもよく、依然として、CF3Iの顕著な分解を引き起こさない。
【0047】
プロセスストリームは、酸活性剤を含む吸着塔を通過するとき、気相又は液相であり得る。
【0048】
液相で吸着塔を通過するとき、プロセスストリームは、約-50℃、約-45℃、約-40℃、約-35℃、約-30℃、約-25℃、約-20℃、若しくは約-15℃ほどの低さの、又は約-10℃、約-5℃、約0℃、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、若しくは約50℃ほどの高さの温度、又は例えば、約-50℃~約50℃、約-40℃~約45℃、約-30℃~約40℃、約-25℃~約35℃、約-10℃~約30℃、若しくは約0℃~約-25℃などの前述の値のうちの任意の2つの間で定義される任意の範囲内の任意の温度であり得る。好ましくは、吸着塔内のプロセスストリーム温度は、約0℃~約35℃であり得る。より好ましくは、吸着塔内のプロセスストリーム温度は、約10℃~約30℃であり得る。
【0049】
液相で吸着塔を通過するとき、プロセスストリームは、約1psig、約5psig、約10psig、約20psig、約25psig、若しくは約30psigほどの低さの、又は約40psig、約50psig、約60psig、約70psig、約80psig、約90psig、若しくは約100psigほどの高さの圧力、又は例えば、約1psig~約100psig、約5psig~約90psig、約10psig~約80psig、約15psig~約70psig、約20psig~約60psig、約25psig~約50psig、約30psig~約40psig、若しくは約20psig~約50psigなどの前述の値のうちの任意の2つの間で定義される任意の範囲内の任意の圧力であり得る。好ましくは、吸着塔内のプロセスストリーム圧力は、約10psig~約90psigであり得る。より好ましくは、吸着塔内のプロセスストリーム圧力は、約20psig~約50psigであり得る。
【0050】
気相で吸着塔を通過するとき、プロセスストリームは、約-20℃、約-15℃、約-10℃、約-5℃、約0℃、約5℃、約10℃、若しくは約15℃ほどの低さの、又は約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、若しくは約60℃ほどの高さの温度、又は例えば、約-20℃~約60℃、約-10℃~約50℃、約0℃~約40℃、約10℃~約30℃、約-5℃~約50℃、若しくは約15℃~約40℃などの前述の値のうちの任意の2つの間で定義される任意の範囲内の任意の温度であり得る。好ましくは、吸着塔内のプロセスストリーム温度は、約-5℃~約50℃であり得る。より好ましくは、吸着塔内のプロセスストリーム温度は、約15℃~約40℃であり得る。
【0051】
気相で吸着塔を通過するとき、プロセスストリームは、約1psig、約5psig、約10psig、約20psig、約25psig、若しくは約30psigほどの低さの、又は約40psig、約50psig、約60psig、約70psig、約80psig、約90psig、若しくは約100psigほどの高さの圧力、又は例えば、約1psig~約100psig、約5psig~約90psig、約10psig~約80psig、約15psig~約70psig、約20psig~約60psig、約25psig~約50psig、約30psig~約40psig、若しくは約20psig~約50psigなどの前述の値のうちの任意の2つの間で定義される任意の範囲内の任意の圧力であり得る。好ましくは、吸着塔内のプロセスストリーム圧力は、約10psig~約90psigであり得る。より好ましくは、吸着塔内のプロセスストリーム圧力は、約15psig~約80psigであり得る。
【0052】
水は、乾燥工程によってプロセスストリームから除去され得る。乾燥工程は、プロセスストリームを乾燥剤と接触させることを含み得る。乾燥剤は、無水塩化カルシウム、無水硫酸カルシウム、濃硫酸、シリカ、活性炭、及びゼオライトの群から選択される少なくとも1つの吸着剤を含み得る。乾燥剤は、無水塩化カルシウム、無水硫酸カルシウム、濃硫酸、シリカ、活性炭、ゼオライト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。乾燥剤は、好ましくは3A分子篩であり得る。3A分子篩は、CF3Iの分解を開始又は優先しないことが見出されている。
【0053】
乾燥工程は、プロセスストリームから酸不純物が除去された直後に行うことが好ましい。これは、塩基性水溶液を含有するスクラバーにプロセスストリームを通過させることによってプロセスストリームから酸不純物が除去されるとき、スクラバー内で捕捉された水、並びに粗CF3Iプロセスストリーム中に存在する任意の水分を除去することができるからである。
【0054】
また酸活性剤を含有する吸着塔にプロセスストリームを通過させることによってプロセスストリームから酸不純物が除去されるとき、プロセスストリームから酸不純物が除去された直後に乾燥工程を行うことが好ましい。これは、プロセスストリームから酸不純物が除去される際に生成される水分、並びに粗CF3Iプロセスストリーム中に存在する任意の水分を除去することができるからである。
【0055】
有機不純物は、分離工程によってプロセスストリームから除去され得る。分離工程は、プロセスストリームを蒸留することを含み得る。プロセスストリームを蒸留することは、第1の蒸留及び第2の蒸留を含み得る。第1の蒸留は、プロセスストリームから、CF3Iよりも低い沸点を有する有機不純物を除去することができる。そのような低沸点有機不純物としては、例えばCO2を挙げることができる。第2の蒸留は、CF3Iよりも高い沸点を有する有機不純物をプロセスストリームから除去することができる。そのような高沸点有機不純物としては、例えばCH3Iを挙げることができる。標準条件でのCH3Iの沸点が42℃であり、標準条件で-22℃であるCF3Iの沸点よりもはるかに高いので、CF3Iを含有するプロセスストリームからのCH3Iの蒸留による分離が好ましい場合がある。
【0056】
あるいは、又は加えて、蒸留プロセスは、CF3Iよりも低い沸点を有する有機不純物をオーバーヘッドストリームに通して除去し、続いてオーバーヘッドストリームに通したCF3Iを除去する単一の蒸留を含み得るが、リボイラ内の有機不純物は、CF3I濃縮物よりも高い沸点を有する。
【0057】
プロセスストリームの蒸留は、連続プロセス又はバッチプロセスのいずれかで行うことができる。単一の蒸留は、バッチプロセスにはより好適であり得るが、連続プロセスには、第1の蒸留及び第2の蒸留を含む蒸留プロセスがより好適であり得る。
【0058】
塩基性水溶液と反応させて、及び/又は酸活性剤と接触させて少なくとも一部の酸不純物を除去し、プロセスストリームを乾燥させて少なくとも一部の水を除去し、プロセスストリームから有機不純物の少なくとも一部を分離した後の精製したプロセスストリーム中のCF3Iの濃度は、約99重量%超であり得る。好ましくは、精製されたプロセスストリーム中のCF3Iの濃度は、約99.5重量%超であり得る。より好ましくは、精製されたプロセスストリーム中のCF3Iの濃度は、約99.9重量%超であり得る。最も好ましくは、精製されたプロセスストリーム中のCF3Iの濃度は、約99.99重量%超であり得る。
【0059】
塩基性水溶液と反応させて、及び/又は酸活性剤と接触させて少なくとも一部の酸不純物を除去し、プロセスストリームを乾燥させて少なくとも一部の水を除去し、プロセスストリームから有機不純物の少なくとも一部を分離した後の精製したプロセスストリーム中のCH3Iの濃度は、約50百万分率(parts per million、ppm)未満であり得る。好ましくは、精製されたプロセスストリーム中のCH3Iの濃度は、約20ppm未満であり得る。より好ましくは、精製されたプロセスストリーム中のCH3Iの濃度は、約10ppm未満であり得る。最も好ましくは、精製されたプロセスストリーム中のCH3Iの濃度は、約5ppm未満であり得る。
【0060】
塩基性水溶液と反応させて、及び/又は酸活性剤と接触させて少なくとも一部の酸不純物を除去し、プロセスストリームを乾燥させて少なくとも一部の水を除去し、プロセスストリームから有機不純物の少なくとも一部を分離した後の精製したプロセスストリーム中の酸不純物の濃度は、約20百万分率(ppm)未満であり得る。好ましくは、プロセスストリーム中の酸不純物の濃度は、約10ppm未満であり得る。より好ましくは、精製されたプロセスストリーム中の酸不純物の濃度は、約5ppm未満であり得る。最も好ましくは、精製されたプロセスストリーム中の酸不純物の濃度は、約1ppm未満であり得る。
【0061】
塩基性水溶液と反応させて、及び/又は酸活性剤と接触させて少なくとも一部の酸不純物を除去し、プロセスストリームを乾燥させて少なくとも一部の水を除去し、プロセスストリームから有機不純物の少なくとも一部を分離した後の精製したプロセスストリーム中の水の濃度は、約100百万分率(ppm)未満であり得る。好ましくは、プロセスストリーム中の水の濃度は、約50ppm未満であり得る。より好ましくは、精製されたプロセスストリーム中の水の濃度は、約30ppm未満であり得る。最も好ましくは、精製されたプロセスストリーム中の水の濃度は、約10ppm未満であり得る。
【0062】
上述のように生成された精製されたプロセスストリームは、高純度CF3I生成物をもたらすことができることが見出されている。プロセスは、良好なプロセス収率を生じ、商業的規模でのCF3Iの製造に適している。
【0063】
図1は、高純度CF
3Iを製造するためのプロセス10を示すプロセスフロー図である。
図1に示されるように、プロセス10は、スクラバー16に流入する、粗プロセスストリーム12と、塩基性水溶液14とを含み得る。粗プロセスストリーム12及び塩基性水溶液14は、上述のとおりであり得る。塩基性水溶液14は、スクラバー16内で粗プロセスストリーム12と反応して、粗プロセスストリーム12中に見出される酸不純物を中和及び溶解させて、第1の中間プロセスストリーム18を形成し得る。中和及び溶解された酸不純物を含む反応した塩基性水溶液14は、廃棄又は再利用のためにスクラバー廃棄物ストリーム20を通してスクラバーから流出し得る。
【0064】
第1の中間プロセスストリーム18は、吸着塔22に流れ得る。吸着塔22は、上述の乾燥剤のうちのいずれかを含有し得る。第1の中間プロセスストリーム18が吸着塔22内の乾燥剤と接触する際に、乾燥剤は、第1の中間プロセスストリーム18中の水を吸着して、乾燥した第2の中間プロセスストリーム24を生成する。
【0065】
第2の中間プロセスストリーム24は、第1の蒸留塔26に流れ得る。第1の蒸留塔26は、CF3Iよりも低い沸点を有する有機不純物を第2の中間プロセスストリーム24から分離するように構成され得る。CF3Iよりも低い沸点を有する分離された有機不純物は、揮発性有機オーバーヘッドストリーム30を通して除去され得る。CF3I及び残りの有機不純物は、第1の蒸留塔26の底部から流出して、第3の中間プロセスストリーム32を形成し得る。
【0066】
第3の中間プロセスストリーム32は、第2の蒸留塔34に流れ得る。第2の蒸留塔34は、CF3Iよりも高い沸点を有する有機不純物を第3の中間プロセスストリーム32から分離するように構成され得る。高純度CF3Iは、上述の生成物オーバーヘッドプロセスストリーム36から収集される。CH3Iなどの、CF3Iよりも高い沸点を有する有機不純物は、第2の蒸留塔34の底部から流出して不揮発性有機廃棄物ストリーム38を形成し得る。
【0067】
図2は、高純度CF
3Iを製造するための別のプロセス40を示すプロセスフロー図である。
図2に示されるように、プロセス40は、第1の蒸留塔44に流入する粗プロセスストリーム42を含み得る。粗プロセスストリーム42は、上述のとおりであり得る。第1の蒸留塔44は、CF
3Iよりも低い沸点を有する有機不純物を粗プロセスストリーム42から分離するように構成され得る。CF
3Iよりも低い沸点を有する分離された有機不純物は、揮発性有機オーバーヘッドストリーム46を通して除去され得る。CF
3I及び残りの有機不純物は、第1の蒸留塔44の底部から流出して、第1の中間プロセスストリーム48を形成し得る。
【0068】
第1の中間プロセスストリーム48は、第2の蒸留塔50に流れ得る。第2の蒸留塔50は、CF3Iよりも高い沸点を有する有機不純物を第1の中間プロセスストリーム48から分離して、第2の蒸留塔50のオーバーヘッドから第2の中間プロセスストリーム52を形成するように構成され得る。CH3Iなどの、CF3Iよりも高い沸点を有する有機不純物は、第2の蒸留塔50の底部から流出して不揮発性有機廃棄物ストリーム54を形成し得る。
【0069】
第2の中間プロセスストリーム52及び塩基性水溶液56は、スクラバー58に流入し得る。塩基性水溶液は、上述のとおりであり得る。塩基性水溶液56は、スクラバー58内で第2の中間プロセスストリーム52と反応して、第2の中間プロセスストリーム52中に見出される酸不純物を中和及び溶解させて、第3の中間プロセスストリーム60を形成し得る。中和及び溶解された酸不純物を含む反応した塩基性水溶液56は、廃棄又は再利用のためにスクラバー廃棄物ストリーム62を通してスクラバーから流出し得る。
【0070】
第3の中間プロセスストリーム60は、吸着塔64に流れ得る。吸着塔64は、上述の乾燥剤のうちのいずれかを含有し得る。第3の中間プロセスストリーム60が吸着塔64内の乾燥剤と接触する際に、乾燥剤は、第3の中間プロセスストリーム60中の水を吸着して、上述の乾燥した高純度CF3Iプロセスストリーム66を生成する。
【0071】
図3は、高純度CF
3Iを製造するための別のプロセス68を示すプロセスフロー図である。
図3に示されるように、プロセス68は、粗プロセスストリーム70、吸着塔72を含み得る。粗プロセスストリーム70は、上述のとおりであり得る。吸着塔72は、第1の酸活性剤74と、第2の酸活性剤76と、乾燥剤78と、を含み得る。第1の酸活性剤74は、例えば、アルミナP-188などの上述の酸活性剤のうちのいずれかであり得る。第2の酸活性剤76は、第1の酸活性剤74と異なる限り、上述の酸活性剤のうちのいずれかであり得る。第2の酸活性剤76は、例えば、アルミナCLR-204であり得る。異なる酸活性剤が異なる酸不純物に対してより高い親和性を有し得るので、2つ以上の酸活性剤の使用が好ましい場合がある。乾燥剤78は、例えば、3A分子篩などの上述の乾燥剤のうちのいずれかであり得る。
【0072】
粗プロセスストリーム70は、吸着塔72に流入し、第1の酸活性剤74に接触し、次いで第2の酸活性剤76に接触して、粗プロセスストリーム70から酸不純物の少なくとも一部を除去し得る。次いで、粗プロセスストリーム70は、乾燥剤78に接触して、粗プロセスストリーム70から水の少なくとも一部を除去して、第1の中間プロセスストリーム80を生成し得る。
【0073】
第1の中間プロセスストリーム80は、第1の蒸留塔82に流れ得る。第1の蒸留塔82は、CF3Iよりも低い沸点を有する有機不純物を第1の中間プロセスストリーム80から分離するように構成され得る。CF3Iよりも低い沸点を有する分離された有機不純物は、揮発性有機オーバーヘッドストリーム84を通して除去され得る。CF3I及び残りの有機不純物は、第1の蒸留塔82の底部から流出して、第2の中間プロセスストリーム86を形成し得る。
【0074】
第2の中間プロセスストリーム86は、第2の蒸留塔88に流れ得る。第2の蒸留塔88は、CF3Iよりも高い沸点を有する有機不純物を第2の中間プロセスストリーム86から分離するように構成され得る。高純度CF3Iは、上述の生成物オーバーヘッドプロセスストリーム90から収集される。CH3Iなどの、CF3Iよりも高い沸点を有する有機不純物は、第2の蒸留塔88の底部から流出して不揮発性有機廃棄物ストリーム92を形成し得る。
【0075】
図4は、高純度CF
3Iを製造するための別のプロセス94を示すプロセスフロー図である。
図4に示されるように、プロセス94は、第1の蒸留塔98に流入する粗プロセスストリーム96を含み得る。粗プロセスストリーム96は、上述のとおりであり得る。第1の蒸留塔98は、CF
3Iよりも低い沸点を有する有機不純物を粗プロセスストリーム96から分離するように構成され得る。CF
3Iよりも低い沸点を有する分離された有機不純物は、揮発性有機オーバーヘッドストリーム100を通して除去され得る。CF
3I及び残りの有機不純物は、第1の蒸留塔98の底部から流出して、第1の中間プロセスストリーム102を形成し得る。
【0076】
第1の中間プロセスストリーム102は、第2の蒸留塔104に流れ得る。第2の蒸留塔104は、CF3Iよりも高い沸点を有する有機不純物を第1の中間プロセスストリーム102から分離して、第2の蒸留塔104のオーバーヘッドから第2の中間プロセスストリーム106を形成するように構成され得る。CH3Iなどの、CF3Iよりも高い沸点を有する有機不純物は、第2の蒸留塔104の底部から流出して不揮発性有機廃棄物ストリーム108を形成し得る。
【0077】
第2の中間プロセスストリーム106は、吸着塔110に流入し得る。吸着塔110は、第1の酸活性剤112と、第2の酸活性剤114と、乾燥剤116と、を含み得る。第1の酸活性剤112は、例えば、アルミナP-188などの上述の酸活性剤のうちのいずれかであり得る。第2の酸活性剤114は、第1の酸活性剤112と異なる限り、上述の酸活性剤のうちのいずれかであり得る。第2の酸活性剤114は、例えば、アルミナCLR-204であり得る。乾燥剤116は、例えば、3A分子篩などの上述の乾燥剤のうちのいずれかであり得る。
【0078】
第2の中間プロセスストリーム106が吸着塔110に流入し、第1の酸活性剤112に接触し、次いで第2の酸活性剤114に接触する際に、第2の中間プロセスストリーム106から酸不純物の少なくとも一部が除去される。次いで、第2の中間プロセスストリーム106は、上述のように、乾燥剤116に接触して、第2の中間プロセスストリーム106から水の少なくとも一部を除去して、乾燥した高純度CF3Iプロセスストリーム118を生成することができる。
【0079】
本発明は、例示的な設計に対するものとして説明したが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正することができる。更に、本出願は、本発明が関連する技術分野における既知の又は慣習的な実践に属する本開示からのそのような逸脱を包含することが意図されている。
【0080】
本明細書で使用するとき、「前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内」という句は、それらの値が列挙のより低い部分にあるか又は列挙のより高い部分にあるかにかかわらず、任意の範囲がそのような句の前に列挙された値のうちのいずれかの2つから選択され得ることを意味する。例えば、1対の値は、2つのより低い値、2つのより高い値、又はより低い値及びより高い値から選択されてもよい。
【実施例】
【0081】
実施例1:粗CF3Iに対するアルカリ金属水酸化物濃度の影響
この実施例では、上述の等式1及び2に従った粗CF3Iに対するアルカリ金属水酸化物濃度の影響を実証する。99.88GC面積%のCF3I、0.08GC面積%のCH3I、及び0.04GC面積%の他の有機不純物からなる100gの量の粗出発物質を、室温で6つの150mlシリンダの各々に充填した。6つのシリンダを、粗出発物質で充填する前に排気した。0重量%~20重量%の変動する濃度の水酸化カリウムで、6つの異なる試験溶液を調製した。6つの試験溶液の各々のうちの異なる1つを、50mlの量で6つのシリンダの各々に添加した。試料シリンダの平均圧力は、室温で70psigであった。6つのシリンダを室温で5日間振盪させた。5日間は、典型的なプロセス接触時間よりもはるかに長いが、粗出発物質に対する水酸化カリウムの様々な濃度の相対的な影響の明確な指標を提供するために選択した。
【0082】
5日後、水層の試料及び有機層の試料を、6つのシリンダの各々から引き出した。イオンクロマトグラフィーによって6つの水層試料を分析して、粗CF3Iと6つの試験溶液との間の相互作用中に生成されたフッ化物の量を決定した。結果を以下の表1に示す。GCによって6つの有機層試料を分析して、CF3I、CH3I、及び他の有機不純物の濃度の変化を決定した。結果を表2に示す。
【0083】
表1は、水酸化カリウムの6つの濃度の各々について、粗CF
3Iの量に対して正規化したppmでのフッ化物濃度を列挙している。対照試料は、粗CF
3I中の全遊離フッ化物を示す。イオンクロマトグラフィーによって測定したフッ化物濃度を、GCによって測定した粗試料中のCF
3Iの総質量で除算することによって、各試料の正規化を行った。
【表1】
【0084】
表1に示されるように、約0.5重量%超の水酸化カリウム濃度では、フッ化物濃度は、水酸化カリウムに曝露させなかった対照試料よりも10ppm超上回って増加した。フッ化物の増加は、完全にCF3Iの分解に起因すると考えられる。したがって、精製プロセスを通したCF3I収率を高く維持するためには、水酸化カリウム濃度が約0.01重量%~約0.5重量%であることが好ましい場合がある。
【0085】
表2は、水酸化カリウムの6つの濃度の各々について、CF
3I、CH
3I、及び他の有機不純物の濃度を列挙している。
【表2】
【0086】
表2に示されるように、約1重量%超の水酸化カリウム濃度で、粗CF3I中に存在するCH3Iの顕著な部分が水酸化カリウム溶液によって除去される。したがって、顕著な量のCH3Iを除去するためには、水酸化カリウム濃度が約1重量%~約20重量%であることが好ましい場合がある。表1及び表2を一緒に考慮すると、CF3Iの維持とCH3Iの除去とのバランスを取ると、水酸化カリウム濃度が約0.5重量%~約5重量%であることが好ましい場合がある。
実施例2:粗CF3Iに対するアルカリ金属炭酸塩濃度の影響
【0087】
この実施例では、上述の等式1及び2に従った粗CF3Iに対するアルカリ金属炭酸塩濃度の影響を実証する。99.88GC面積%のCF3I、0.08GC面積%のCH3I、及び0.03GC面積%の他の有機不純物からなる100gの量の粗出発物質を、室温で6つの150mlシリンダの各々に充填した。6つのシリンダを、粗出発物質で充填する前に排気した。0重量%~20重量%の変動する濃度の炭酸ナトリウムで、6つの異なる試験溶液を調製した。6つの試験溶液の各々のうちの異なる1つを、50mlの量で6つのシリンダの各々に添加した。試料シリンダの平均圧力は、室温で70psigであった。6つのシリンダを室温で5日間振盪させた。5日間は、典型的なプロセス接触時間よりもはるかに長いが、粗出発物質に対する炭酸ナトリウムの様々な濃度の相対的な影響の明確な指標を提供するために選択した。
【0088】
5日後、水層の試料及び有機層の試料を、6つのシリンダの各々から引き出した。イオンクロマトグラフィーによって6つの水層試料を分析して、粗CF3Iと6つの試験溶液との間の相互作用中に生成されたフッ化物の量を決定した。結果を以下の表3に示す。
【0089】
表3は、炭酸ナトリウムの6つの濃度の各々について、粗CF
3Iの量に対して正規化したppmでのフッ化物濃度を列挙している。
【表3】
表3
【0090】
表3に示されるように、約5重量%~10重量%超の炭酸ナトリウム濃度では、フッ化物濃度は、炭酸ナトリウムに曝露させなかった対照試料よりも10ppm超上回って増加した。フッ化物の増加は、完全にCF3Iの分解に起因すると考えられる。したがって、精製プロセスを通したCF3I収率を高く維持するためには、炭酸ナトリウム濃度が約0.5重量%~約5重量%であることが好ましい場合がある。
【0091】
GCによって6つの有機層試料を分析して、CF3I、CH3I、及び他の有機不純物の濃度の変化を決定した。6つの有機層試料間に顕著な差は観察されなかった。したがって、炭酸ナトリウム溶液は、最大20重量%の濃度でもCH3I濃度に顕著な影響を有さなかった。理論に束縛されることを望むものではないが、CH3Iの除去に対する、反応性における水酸化カリウムと炭酸ナトリウムとの差は、水酸化物イオンが炭酸イオンよりも良好な求核性であり、CH3Iによる置換反応を容易に受けるという事実に起因し得ると考えられる。この同じ影響はまた、炭酸ナトリウムよりも低い濃度で水酸化カリウムがCF3Iを分解することが観察される理由も説明することができる。
実施例3:アルミナを使用した粗CF3Iからの酸不純物及び水の除去
【0092】
この実施例では、粗CF3Iからの酸不純物の除去におけるアルミナの有効性を実証する。P-188アルミナの層、CLR-204アルミナの層、及び3A分子篩の層を含めることによって調製した、長さ24インチ、直径4分の3インチのペルフルオロアルコキシアルカンポリマーチューブから吸着塔を作製した。各層は、長さ約8インチであった。3A分子篩層に無水硫酸カルシウムを示す追加の薄層を挿入して、3A分子層を使用したときを示す。カラムをホイルで包んで、光との相互作用を防止した。
【0093】
約30lbsの液相の粗CF3Iをカラムに通して循環させた。粗CF3Iは、2つのアルミナ層を通してカラムに入り、3A分子篩層を通って出る。粗CF3Iをカラムに通して7日間循環させた。7日間は、典型的なプロセス接触時間よりもはるかに長いが、粗出発物質に対する2つのアルミナ層の相対的な影響の明確な指標を提供するために選択した。
【0094】
7日後、粗CF
3Iの試料を、酸不純物濃度及び水濃度について分析した。酸-塩基滴定によって、酸不純物濃度を測定した。水濃度は、カールフィッシャー滴定によって測定した。結果を以下の表4に示す。
【表4】
表4
【0095】
GCによって粗CF
3Iの試料も分析して、CF
3I、CH
3I、及び他の有機不純物の濃度の変化を決定した。結果を表5に示す。
【表5】
表5
【0096】
表4及び5を一緒に考慮すると、アルミナ及び乾燥剤を含む吸着塔は、酸不純物及び水を顕著に低減したが、測定可能なCF3Iの分解を引き起こさなかった。
実施例4:粗CF3Iの蒸留
【0097】
この実施例では、粗CF3IからのCH3Iの除去における蒸留の有効性を実証する。蒸留塔のリボイラに、99.4GC面積%のCF3I、0.4GC面積%のCH3I、及び0.2GC面積%の他の有機不純物からなる180lbsの粗出発物質を充填した。蒸留塔を、60~80psigの範囲の圧力、30~40℃の範囲の温度、及び10~30インチの水の差圧で操作した。脱離速度は、0.5~3lbs/時間の範囲であった。
【0098】
約5~10lbsの非凝縮性ガス及び低沸点不純物、続いてCF3Iをオーバーヘッドストリームに通して除去した。CF3Iの純度は、5ppm未満のCH3Iレベルで99.99%超であった。蒸留の収率は、90~97%の範囲であった。リボイラ内でCH3I及び他の高沸点不純物を濃縮させた。蒸留後、約2~5lbsの有機不純物を、リボイラから収集した。
実施例5:粗CF3Iの精製プロセス
【0099】
この実施例では、精製プロセスの有効性を実証する。11,323lbsの量の粗供給材料を、1,382ポンドの0.52重量%のKOH水溶液に通してバブリングした。粗供給材料は、CF3I(99.78GC面積%)、CH3I(0.15GC面積%)、及び他(0.07GC面積%)からなり、総酸性度は50ppm、含水量は15ppmであった。差圧によって約5lbs/分の流量で、0.5重量%KOH溶液を含有する苛性タンクに粗供給材料を充填する際、粗供給材料を含有する原料タンクを30℃の温度で維持した。気体として粗供給材料を、0.5重量%のKOH溶液に通してバブリングした。任意の場合において、粗供給材料(気体)は、タンク内で0.5重量%のKOH溶液の約10%のみに接触すると仮定すると、約5lbs/分の流速は、約27.64分の接触時間に相当する。苛性タンクからの得られた流出ガスストリームを、3Å分子篩で充填した乾燥カラムに通過させ、次いで蒸留塔のリボイラで固化させた。
【0100】
蒸留塔での蒸留中、約2℃~5℃の冷却水を蒸留塔上部の凝縮器に通して循環させながら、リボイラの温度を約10℃~20℃に維持した。蒸留中、非凝縮ガス及び低沸点不純物、続いて、10,312lbsのCF3Iを、約250lbs/時間の速度で283lbsのオーバーヘッドストリームに通して除去した。得られたCF3IをGCによって測定し、99.99重量%超の純度、5ppm未満のCH3I濃度、0.1ppm未満の総酸濃度、及び5ppm未満の水分濃度を有することが見出された。約390lbsの高沸点不純物をリボイラから回収した。統合精製プロセスの材料バランスは約97%であり、収率は約91%であった。粗供給材料と接触させた後の0.5重量%KOH溶液のイオンクロマトグラフィー分析によって、約10ppmのフッ化物イオンの存在が明らかになった。これは、長い接触時間にもかかわらず、0.5重量%のKOH溶液を含有する苛性タンクでの酸除去工程中に、KOHと反応したCF3Iの量が顕著ではないことを示している。
態様
【0101】
態様1は、トリフルオロヨードメタンを精製するための方法であって、トリフルオロヨードメタン、有機不純物、及び酸不純物を含むプロセスストリームを提供することと、プロセスストリームを塩基性水溶液と反応させることであって、塩基性水溶液が、水、並びにアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物の群から選択される少なくとも1つの塩基を含む、反応させることと、プロセスストリームから有機不純物の少なくとも一部を分離することと、を含む、方法である。
【0102】
態様2は、塩基性水溶液が、水、並びにアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物の群から選択される少なくとも1つの塩基から本質的になる、態様1に記載の方法である。
【0103】
態様3は、塩基性水溶液が、水、並びにアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物の群から選択される少なくとも1つの塩基からなる、態様2に記載の方法である。
【0104】
態様4は、反応工程において、塩基が、アルカリ金属炭酸塩を含む、態様1~3のいずれかに記載の方法である。
【0105】
態様5は、反応工程において、塩基が、アルカリ金属炭酸塩から本質的になる、態様4に記載の方法である。
【0106】
態様6は、反応工程において、塩基が、アルカリ金属炭酸塩からなる、態様4に記載の方法である。
【0107】
態様7は、塩基性水溶液中のアルカリ金属炭酸塩の濃度が、約0.01重量%~約20重量%である、態様4~6のいずれかに記載の方法である。
【0108】
態様8は、塩基性水溶液中のアルカリ金属炭酸塩の濃度が、約0.1重量%~約10重量%である、態様4~6のいずれかに記載の方法である。
【0109】
態様9は、塩基性水溶液中のアルカリ金属炭酸塩の濃度が、約0.5重量%~約5重量%である、態様4~6のいずれかに記載の方法である。
【0110】
態様10は、塩基性水溶液中のアルカリ金属炭酸塩の濃度が、約5重量%である、態様4~6のいずれかに記載の方法である。
【0111】
態様11は、アルカリ金属炭酸塩が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、態様4~10のいずれかに記載の方法である。
【0112】
態様12は、アルカリ金属炭酸塩が、炭酸ナトリウムを含む、態様11に記載の方法である。
【0113】
態様13は、アルカリ金属炭酸塩が、炭酸カリウムを含む、態様11又は12のいずれかに記載の方法である。
【0114】
態様14は、アルカリ金属炭酸塩が、炭酸リチウムを含む、態様11~13のいずれかに記載の方法である。
【0115】
態様15は、アルカリ金属炭酸塩が、炭酸ナトリウムから本質的になる、態様11に記載の方法である。
【0116】
態様16は、アルカリ金属炭酸塩が、炭酸ナトリウムからなる、態様11に記載の方法である。
【0117】
態様17は、アルカリ金属炭酸塩が、炭酸カリウムから本質的になる、態様11に記載の方法である。
【0118】
態様18は、アルカリ金属炭酸塩が、炭酸カリウムからなる、態様11に記載の方法である。
【0119】
態様19は、アルカリ金属炭酸塩が、炭酸リチウムから本質的になる、態様11に記載の方法である。
【0120】
態様20は、アルカリ金属炭酸塩が、炭酸リチウムからなる、態様11に記載の方法である。
【0121】
態様21は、反応工程において、塩基が、アルカリ金属水酸化物を含む、態様1~3のいずれかに記載の方法である。
【0122】
態様22は、反応工程において、塩基が、アルカリ金属水酸化物から本質的になる、態様21に記載の方法である。
【0123】
態様23は、反応工程において、塩基が、アルカリ金属水酸化物からなる、態様21に記載の方法である。
【0124】
態様24は、塩基性水溶液中のアルカリ金属水酸化物の濃度が、約0.01重量%~約20重量%である、態様21~23のいずれかに記載の方法である。
【0125】
態様25は、塩基性水溶液中のアルカリ金属水酸化物の濃度が、約0.1重量%~約5重量%である、態様21~23のいずれかに記載の方法である。
【0126】
態様26は、塩基性水溶液中のアルカリ金属水酸化物の濃度が、約0.5重量%~約1重量%である、態様21~23のいずれかに記載の方法である。
【0127】
態様27は、塩基性水溶液中のアルカリ金属水酸化物の濃度が、約0.5重量%である、態様21~23のいずれかに記載の方法である。
【0128】
態様28は、アルカリ金属水酸化物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、態様21~27のいずれかに記載の方法である。
【0129】
態様29は、アルカリ金属水酸化物が、水酸化ナトリウムを含む、態様28に記載の方法である。
【0130】
態様30は、アルカリ金属水酸化物が、水酸化カリウムを含む、態様28又は29のいずれかに記載の方法である。
【0131】
態様31は、アルカリ金属水酸化物が、水酸化リチウムを含む、態様28~30のいずれかに記載の方法である。
【0132】
態様32は、アルカリ金属水酸化物が、水酸化ナトリウムから本質的になる、態様28に記載の方法である。
【0133】
態様33は、アルカリ金属水酸化物が、水酸化ナトリウムからなる、態様28に記載の方法である。
【0134】
態様34は、アルカリ金属水酸化物が、水酸化カリウムから本質的になる、態様28に記載の方法である。
【0135】
態様35は、アルカリ金属水酸化物が、水酸化カリウムからなる、態様28に記載の方法である。
【0136】
態様36は、アルカリ金属水酸化物が、水酸化リチウムから本質的になる、態様28に記載の方法である。
【0137】
態様37は、アルカリ金属水酸化物が、水酸化リチウムからなる、態様28に記載の方法である。
【0138】
態様38は、反応工程において、プロセスストリームの温度が、約5℃~約80℃である、態様1~37のいずれかに記載の方法である。
【0139】
態様39は、反応工程において、プロセスストリームの温度が、約10℃~約50℃である、態様1~37のいずれかに記載の方法である。
【0140】
態様40は、反応工程において、プロセスストリームの温度が、約20℃~約40℃である、態様1~37のいずれかに記載の方法である。
【0141】
態様41は、反応工程において、プロセスストリームの圧力が、約1psig~約100psigである、態様1~40のいずれかに記載の方法である。
【0142】
態様42は、反応工程において、プロセスストリームの圧力が、約3psig~約80psigである、態様1~40のいずれかに記載の方法である。
【0143】
態様43は、反応工程において、プロセスストリームの圧力が、約5psig~約50psigである、態様1~40のいずれかに記載の方法である。
【0144】
態様44は、方法が、連続プロセスである、態様1~43のいずれかに記載の方法である。
【0145】
態様45は、方法が、バッチプロセスである、態様1~43のいずれかに記載の方法である。
【0146】
態様46は、提供工程において、有機不純物がヨウ化メチルを含み、塩基がアルカリ金属水酸化物を含み、反応工程によって、プロセスストリーム中のヨウ化メチルの濃度が、全有機化合物のGC面積%で約1%~約70%低減される、態様1~45のいずれかに記載の方法である。
【0147】
態様47は、提供工程において、有機不純物がヨウ化メチルを含み、塩基がアルカリ金属水酸化物を含み、反応工程によって、プロセスストリーム中のヨウ化メチルの濃度が、全有機化合物のGC面積%で約5%~約50%低減される、態様1~45のいずれかに記載の方法である。
【0148】
態様48は、提供工程において、有機不純物がヨウ化メチルを含み、塩基がアルカリ金属水酸化物を含み、反応工程によって、プロセスストリーム中のヨウ化メチルの濃度が、全有機化合物のGC面積%で約5%~約30%低減される、態様1~45のいずれかに記載の方法である。
【0149】
態様49は、反応工程が、分離工程よりも先行する、態様1~46のいずれかに記載の方法である。
【0150】
態様50は、反応工程が、分離工程に続く、態様1~46のいずれかに記載の方法である。
【0151】
態様51は、反応工程の直後に、プロセスストリームから水の少なくとも一部を除去するための、追加の乾燥工程を更に含む、態様1~48のいずれかに記載の方法である。
【0152】
態様52は、乾燥工程が、プロセスストリームを乾燥剤と接触させることを含む、態様51に記載の方法である。
【0153】
態様53は、乾燥剤が、無水塩化カルシウム、無水硫酸カルシウム、濃硫酸、シリカ、活性炭、及びゼオライトの群から選択される少なくとも1つの吸着剤を含む、態様52に記載の方法である。
【0154】
態様54は、乾燥工程が、プロセスストリームを少なくとも1つの3A分子篩に通過させることを含む、態様51に記載の方法である。
【0155】
態様55は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、少なくとも約99重量%のトリフルオロヨードメタンを含む、態様1~54のいずれかに記載の方法である。
【0156】
態様56は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、少なくとも約99.5重量%のトリフルオロヨードメタンを含む、態様1~54のいずれかに記載の方法である。
【0157】
態様57は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、少なくとも約99.9重量%のトリフルオロヨードメタンを含む、態様1~54のいずれかに記載の方法である。
【0158】
態様58は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、少なくとも約99.99重量%のトリフルオロヨードメタンを含む、態様1~52のいずれかに記載の方法である。
【0159】
態様59は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約50ppm未満のヨウ化メチルを含む、態様1~58のいずれかに記載の方法である。
【0160】
態様60は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約20ppm未満のヨウ化メチルを含む、態様1~58のいずれかに記載の方法である。
【0161】
態様61は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約10ppm未満のヨウ化メチルを含む、態様1~58のいずれかに記載の方法である。
【0162】
態様62は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約5ppm未満のヨウ化メチルを含む、態様1~58のいずれかに記載の方法である。
【0163】
態様63は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約20ppm未満の酸不純物を含む、態様1~62のいずれかに記載の方法である。
【0164】
態様64は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約10ppm未満の酸不純物を含む、態様1~62のいずれかに記載の方法である。
【0165】
態様65は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約5ppm未満の酸不純物を含む、態様1~62のいずれかに記載の方法である。
【0166】
態様66は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約1ppm未満の酸不純物を含む、態様1~62のいずれかに記載の方法である。
【0167】
態様67は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約100ppm未満の水を含む、態様1~66のいずれかに記載の方法である。
【0168】
態様68は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約50ppm未満の水を含む、態様1~66のいずれかに記載の方法である。
【0169】
態様69は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約30ppm未満の水を含む、態様1~66のいずれかに記載の方法である。
【0170】
態様70は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約10ppm未満の水を含む、態様1~66のいずれかに記載の方法である。
【0171】
態様71は、分離工程が、プロセスストリームを蒸留することを含む、態様1~70のいずれかに記載の方法である。
【0172】
態様72は、プロセスストリームの蒸留において、CF3Iよりも低い沸点を有する有機不純物をプロセスストリームから除去する第1の蒸留と、CF3Iよりも高い沸点を有する有機不純物をプロセスストリームから除去する第2の蒸留と、を含む、態様71に記載の方法である。
【0173】
態様73は、プロセスストリームを蒸留することが、CF3Iよりも低い沸点を有する有機不純物をオーバーヘッドストリームに通して除去し、続いてオーバーヘッドストリームを通してCF3Iを得ることを含み、リボイラ内の有機不純物が、CF3I濃縮物よりも高い沸点を有する、態様71に記載の方法である。
【0174】
態様74は、トリフルオロヨードメタンを精製するための方法であって、トリフルオロヨードメタン、有機不純物、及び酸不純物を含むプロセスストリームを提供することと、プロセスストリームを酸反応剤と接触させることと、プロセスストリームから有機不純物の少なくとも一部を分離することと、を含む方法である。
【0175】
態様75は、酸反応剤が、アルミナ、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、金属水酸化物、アルミノケイ酸塩鉱物、ジルコニア、及びシリカの群から選択される少なくとも1つの吸着剤を含む、態様74に記載の方法である。
【0176】
態様76は、酸反応剤が、アルミナを含む、態様74に記載の方法である。
【0177】
態様77は、接触工程において、プロセスストリームが、液相であり、プロセスストリームの温度が、約-50℃~約50℃である、態様74~76のいずれかに記載の方法である。
【0178】
態様78は、接触工程において、プロセスストリームが、液相であり、プロセスストリームの温度が、約0℃~約35℃である、態様74~76のいずれかに記載の方法である。
【0179】
態様79は、接触工程において、プロセスストリームが、液相であり、プロセスストリームの温度が、約10℃~約30℃である、態様74~76のいずれかに記載の方法である。
【0180】
態様80は、接触工程において、プロセスストリームが、液相であり、プロセスストリームの圧力が、約1psig~約100psigである、態様74~79のいずれかに記載の方法である。
【0181】
態様81は、接触工程において、プロセスストリームが、液相であり、プロセスストリームの圧力が、約10psig~約90psigである、態様74~79のいずれかに記載の方法である。
【0182】
態様82は、接触工程において、プロセスストリームが、液相であり、プロセスストリームの圧力が、約20psig~約50psigである、態様74~79のいずれかに記載の方法である。
【0183】
態様83は、接触工程において、プロセスストリームが、気相であり、プロセスストリームの温度が、約-20℃~約60℃である、態様74~76のいずれかに記載の方法である。
【0184】
態様84は、接触工程において、プロセスストリームが、気相であり、プロセスストリームの温度が、約-5℃~約50℃である、態様74~76のいずれかに記載の方法である。
【0185】
態様85は、接触工程において、プロセスストリームが、気相であり、プロセスストリームの温度が、約15℃~約40℃である、態様74~76のいずれかに記載の方法である。
【0186】
態様86は、接触工程において、プロセスストリームが、気相であり、プロセスストリームの圧力が、約1psig~約100psigである、態様74~76及び83~85のいずれかに記載の方法である。
【0187】
態様87は、接触工程において、プロセスストリームが、気相であり、プロセスストリームの圧力が、約10psig~約90psigである、態様74~76及び83~85のいずれかに記載の方法である。
【0188】
態様88は、接触工程において、プロセスストリームが、気相であり、プロセスストリームの圧力が、約15psig~約80psigである、態様74~76及び83~85のいずれかに記載の方法である。
【0189】
態様89は、方法が、連続プロセスである、態様74~88のいずれかに記載の方法である。
【0190】
態様90は、方法が、バッチプロセスである、態様74~88のいずれかに記載の方法である。
【0191】
態様91は、接触工程が、分離工程よりも先行する、態様74~90のいずれかに記載の方法である。
【0192】
態様92は、接触工程が、分離工程に続く、態様74~90のいずれかに記載の方法である。
【0193】
態様93は、接触工程の直後に、プロセスストリームから水の少なくとも一部を除去するための、追加の乾燥工程を更に含む、態様74~92のいずれかに記載の方法である。
【0194】
態様94は、乾燥工程が、プロセスストリームを乾燥剤と接触させることを含む、態様93に記載の方法である。
【0195】
態様95は、乾燥剤が、無水塩化カルシウム、無水硫酸カルシウム、濃硫酸、シリカ、活性炭、及びゼオライトの群から選択される少なくとも1つの吸着剤を含む、態様94に記載の方法である。
【0196】
態様96は、乾燥工程が、プロセスストリームを少なくとも1つの3A分子篩に通過させることを含む、態様93に記載の方法である。
【0197】
態様97は、接触工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、少なくとも約99重量%のトリフルオロヨードメタン、約50ppm未満のヨウ化メチル、約100ppm未満の水、及び約20ppm未満の酸不純物を含む、態様74~96のいずれかに記載の方法である。
【0198】
態様98は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、少なくとも約99重量%のトリフルオロヨードメタンを含む、態様74~97のいずれかに記載の方法である。
【0199】
態様99は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、少なくとも約99.5重量%のトリフルオロヨードメタンを含む、態様74~97のいずれかに記載の方法である。
【0200】
態様100は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、少なくとも約99.9重量%のトリフルオロヨードメタンを含む、態様74~97のいずれかに記載の方法である。
【0201】
態様101は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、少なくとも約99.99重量%のトリフルオロヨードメタンを含む、態様74~97のいずれかに記載の方法である。
【0202】
態様102は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約50ppm未満のヨウ化メチルを含む、態様74~101のいずれかに記載の方法である。
【0203】
態様103は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約20ppm未満のヨウ化メチルを含む、態様74~101のいずれかに記載の方法である。
【0204】
態様104は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約10ppm未満のヨウ化メチルを含む、態様74~101のいずれかに記載の方法である。
【0205】
態様105は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約5ppm未満のヨウ化メチルを含む、態様74~101のいずれかに記載の方法である。
【0206】
態様106は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約20ppm未満の酸不純物を含む、態様74~105のいずれかに記載の方法である。
【0207】
態様107は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約10ppm未満の酸不純物を含む、態様74~105のいずれかに記載の方法である。
【0208】
態様108は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約5ppm未満の酸不純物を含む、態様74~105のいずれかに記載の方法である。
【0209】
態様109は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約1ppm未満の酸不純物を含む、態様74~105のいずれかに記載の方法である。
【0210】
態様110は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約100ppm未満の水を含む、態様74~109のいずれかに記載の方法である。
【0211】
態様111は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約50ppm未満の水を含む、態様74~109のいずれかに記載の方法である。
【0212】
態様112は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約30ppm未満の水を含む、態様74~109のいずれかに記載の方法である。
【0213】
態様113は、反応工程、乾燥工程、及び分離工程の後のプロセスストリームが、約10ppm未満の水を含む、態様74~109のいずれかに記載の方法である。
【0214】
態様114は、分離工程が、プロセスストリームを蒸留することを含む、態様74~113のいずれかに記載の方法である。
【0215】
態様115は、プロセスストリームの蒸留において、CF3Iよりも低い沸点を有する有機不純物をプロセスストリームから除去する第1の蒸留と、CF3Iよりも高い沸点を有する有機不純物をプロセスストリームから除去する第2の蒸留と、を含む、態様114に記載の方法である。
【0216】
態様115は、プロセスストリームを蒸留することが、CF3Iよりも低い沸点を有する有機不純物をオーバーヘッドストリームに通して除去し、続いてオーバーヘッドストリームを通してCF3Iを除去することを含み、リボイラ内の有機不純物が、CF3I濃縮物よりも高い沸点を有する、態様114に記載の方法である。
本発明は以下の態様を含む。
[1]
トリフルオロヨードメタンを精製するための方法であって、
トリフルオロヨードメタン、有機不純物、及び酸不純物を含むプロセスストリームを提供することと、
前記プロセスストリームを塩基性水溶液と反応させることであって、前記塩基性水溶液が、水、並びにアルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物の群から選択される少なくとも1つの塩基を含む、反応させることと、
前記プロセスストリームから前記有機不純物の少なくとも一部を分離することと、を含む、方法。
[2]
前記反応工程において、前記少なくとも1つの塩基が、アルカリ金属炭酸塩を含む、[1]に記載の方法。
[3]
前記塩基性水溶液中の前記アルカリ金属炭酸塩の濃度が、約0.01重量%~約20重量%である、[2]に記載の方法。
[4]
前記アルカリ金属炭酸塩が、炭酸ナトリウムを含む、[2]に記載の方法。
[5]
前記反応工程において、前記少なくとも1つの塩基が、アルカリ金属水酸化物を含む、[1]に記載の方法。
[6]
前記塩基性水溶液中の前記アルカリ金属水酸化物の濃度が、約0.01重量%~約20重量%である、[5]に記載の方法。
[7]
前記反応工程の直後に前記プロセスストリームから前記水の少なくとも一部を除去するための追加の乾燥工程を更に含み、前記反応工程、前記乾燥工程、及び前記分離工程の後の前記プロセスストリームが、少なくとも約99重量%のトリフルオロヨードメタン、約50ppm未満のヨウ化メチル、約100ppm未満の水、及び約20ppm未満の酸不純物を含む、[1]~[6]のいずれか一項に記載の方法。
[8]
トリフルオロヨードメタンを精製するための方法であって、
トリフルオロヨードメタン、有機不純物、及び酸不純物を含むプロセスストリームを提供することと、
前記プロセスストリームを酸反応剤と接触させることと、
前記プロセスストリームから前記有機不純物の少なくとも一部を分離することと、を含む、方法。
[9]
前記酸反応剤が、アルミナ吸着剤を含む、[8]に記載の方法。
[10]
前記接触工程の直後に前記プロセスストリームから前記水の少なくとも一部を除去するための追加の乾燥工程を更に含み、前記接触工程、前記乾燥工程、及び前記分離工程の後の前記プロセスストリームが、少なくとも約99重量%のトリフルオロヨードメタン、約50ppm未満のヨウ化メチル、約100ppm未満の水、及び約20ppm未満の酸不純物を含む、[8]又は[9]のいずれかに記載の方法。