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特許7451530漏れ防止を有するエアロゾル発生システム用のカートリッジ組立品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】漏れ防止を有するエアロゾル発生システム用のカートリッジ組立品
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20240311BHJP
【FI】
A24F40/42
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021532382
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 EP2019085744
(87)【国際公開番号】W WO2020127338
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】18213174.8
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】ブレットラー オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】シルヴェストリーニ パトリック チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ストール ドミニク ポール ガブリエル
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/129617(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/129616(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0317558(US,A1)
【文献】国際公開第2013/184951(WO,A2)
【文献】国際公開第2019/081384(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00 - 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システム用のカートリッジであって、前記カートリッジが、
少なくとも1つのカートリッジ空気吹出し口を含む、カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体内の貯蔵容器であって、液体エアロゾル形成基体の供給源を収容する、貯蔵容器と、
前記カートリッジ本体の第1の端部に配置された発熱体であって、前記貯蔵容器と流体連絡している、発熱体と、
カートリッジキャップであって、
少なくとも1つのカートリッジ空気吸込み口と、
前記カートリッジ本体の前記第1の端部および前記発熱体を覆うように構成された上部と、
前記カートリッジキャップの上部から前記カートリッジ本体の側面部の一部にわたって延在している、側面部と、を含み、
前記カートリッジキャップが、少なくとも1つのカートリッジ空気吸込み口を含み、前記カートリッジ本体が、少なくとも1つのカートリッジ空気吹出し口を含み、
前記カートリッジキャップの側面部が、前記カートリッジ本体の対応する部分と解放可能に係合するように構成されている、係合部分を含み、
前記係合部分が前記カートリッジ本体から係合解除されたときに、前記カートリッジキャップが、
前記カートリッジキャップおよび前記カートリッジ本体のうちの一方または両方が、前記発熱体を介して、前記カートリッジ空気吸込み口から前記カートリッジ空気吹出し口への空気の流れを遮断する、第1の位置と、
気流流路が、前記発熱体を介して、前記カートリッジ空気吸込み口から前記カートリッジ空気吹出し口まで存在する、第2の位置との間で、前記カートリッジ本体に対して移動するように構成されている、カートリッジキャップと、を含む、カートリッジ。
【請求項2】
前記係合部分が、前記カートリッジ本体の側面壁上の係合突起部と解放可能に係合するように構成された偏向可能な部材を含む、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記偏向可能な部材が、前記カートリッジキャップが前記第1の位置にあるときに前記係合突起部が延在する穴またはノッチを含む、請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記カートリッジキャップの上部が、前記発熱体と重なり合うように配設された一対のアパーチャを含む、請求項2または3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記発熱体が、前記カートリッジのヒーター組立品の一部を形成し、前記ヒーター組立品が、
前記発熱体を支持する、ヒーター組立品基部と、
前記ヒーター組立品基部および前記発熱体と重なり合うヒーター組立品カバーであって、前記ヒーター組立品カバーが、前記カートリッジキャップの下にある、ヒーター組立品カバーと、を含む、請求項1~4のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記ヒーター組立品カバーが、
前記発熱体の中央部分と重なり合う、第1のアパーチャと、
一対の第2のアパーチャであって、各々が前記発熱体の端部分と重なり合う、一対の第2のアパーチャと、
前記ヒーター組立品カバーの周辺領域内に位置付けられ、かつ前記発熱体と重なり合っていない、第3のアパーチャと、のうちの1つ以上を含む、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記カートリッジ本体が、2つの部分、すなわち、前記貯蔵容器を画定する第1の部分と、前記第1の部分に接続するように構成された第2の部分と、を含み、その結果、前記カートリッジ本体の前記第1の部分および前記第2の部分が共に、前記カートリッジ内の気流流路の少なくとも一部分を画定する、請求項1~6のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記カートリッジ本体の前記第2の部分が、前記カートリッジ本体の前記第1の部分の側面に沿って延在して、側面気流チャネルを画定するように配設されている側面カバー部分を含み、前記側面気流チャネルが、前記側面カバー部分の内側表面と前記カートリッジ本体の前記第1の部分の外側表面との間に画定され、前記側面気流チャネルが、前記カートリッジ内の前記気流流路の一部を形成する、請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記カートリッジ本体の前記第2の部分が、前記側面カバー部分の一方の端部に取り付けられるノズル部分をさらに含み、前記ノズル部分が、カートリッジ空気吹出し口を画定する、請求項8に記載のカートリッジ。
【請求項10】
請求項6に従属、前記ヒーター組立品カバーの前記第3のアパーチャが、前記側面気流チャネルの一方の端に配置されている、請求項8または9に記載のカートリッジ。
【請求項11】
エアロゾル発生システム用のカートリッジ組立品であって、
請求項1~10のいずれかに記載のカートリッジと、
口側端およびエアロゾル発生装置に接続するように構成された対向する装置端を有するハウジングであって、少なくとも1つのハウジング空気吹出し口が、前記ハウジングの前記口側端に提供されており、少なくとも1つのハウジング空気吸込み口が、前記ハウジング空気吹出し口の上流に提供されている、ハウジングと、を含み、
前記カートリッジが前記ハウジング内に配置されているときに、前記カートリッジキャップが、
前記カートリッジキャップおよび前記カートリッジ本体のうちの一方または両方が、前記発熱体を介して、前記カートリッジ空気吸込み口から前記カートリッジ空気吹出し口への空気の流れを遮断する、第1の位置と、
気流流路が、前記カートリッジ空気吸込み口、前記発熱体、および前記カートリッジ空気吹出し口を介して、前記ハウジング空気吸込み口から前記ハウジング空気吹出し口まで存在する、第2の位置との間で、前記カートリッジ本体に対して移動するように構成されている、カートリッジ組立品。
【請求項12】
前記カートリッジが前記ハウジング内に受容されたときに、前記カートリッジおよび前記ハウジングが、前記ハウジングに対する前記カートリッジの回転移動が前記カートリッジ本体に対する前記カートリッジキャップの長手方向移動を引き起こし、前記長手方向移動が前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記カートリッジ本体に対する前記カートリッジキャップの前記移動に対応するように、互いに係合するように配設されている、請求項11に記載のカートリッジ組立品。
【請求項13】
前記カートリッジ本体が、少なくとも1つのガイド突起部を含み、前記ハウジングが、前記少なくとも1つのガイド突起部のためのガイドトラックを画定する、請求項12に記載のカートリッジ組立品。
【請求項14】
前記ハウジングの前記ガイドトラックに沿った前記ガイド突起部の移動が、第1の取り付け位置と第2の部分的な取り付け位置との間の前記カートリッジ本体に対する前記カートリッジキャップの移動を引き起こすように構成されている、請求項13に記載のカートリッジ組立品。
【請求項15】
請求項2に従属、前記ハウジングが、前記ハウジング内に配置されたリムをさらに含み、前記リムが、前記カートリッジが前記ハウジング内で回転するにつれて、前記カートリッジ本体の前記偏向可能な部材と係合するように構成されており、
前記リムが前記偏向可能な部材と係合するときに、前記偏向可能な部材が、前記カートリッジ本体の前記係合突起部から係合解除される、請求項11~14のいずれかに記載のカートリッジ組立品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は手持ち式の電気的に作動するエアロゾル発生システムなどのエアロゾル発生システムに関する。特に本発明は、エアロゾル形成基体の供給源およびヒーター組立品を収容するエアロゾル発生システム用のカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
電池および制御電子回路を備える装置部分と、貯蔵部分内に保持されたエアロゾル形成基体の供給源および気化器として作用する電気的に作動するヒーター組立品を備えるカートリッジ部分とからなる、手持ち式の電気的に作動するエアロゾル発生システムが知られている。貯蔵部分内に保持されるエアロゾル形成基体の供給源と気化器の両方を含むカートリッジはときに、「カトマイザー」と呼ばれる。ヒーター組立品は、貯蔵部分内に保持されたエアロゾル形成基体と直接的または間接的のいずれかで接触する発熱体を含んでもよい。一部の配設では、発熱体は、流体透過性発熱体であり、液体エアロゾル形成基体は、基体が気化され得るように、発熱体の細孔または穴を通過する。
【0003】
特に、カートリッジが、貯蔵部分内に保持された液体エアロゾル形成基体を含む場合、その基体が貯蔵部分を離れ得るときを制御することが望ましい場合がある。例えば、輸送中またはユーザがカートリッジを使用する準備ができるまで、貯蔵部分からの基体の移動を防止することが望ましい場合がある。また、カートリッジの外部への基体の漏れを軽減または防止することが望ましい場合がある。
【0004】
したがって、一部の先行技術のカートリッジには、ユーザがカートリッジを使用する準備が整ったときに除去または破損することができる、1つ以上の取り外し可能なまたは壊れやすいバリアが提供されている。しかしながら、こうした配設は、いくつかの欠点を有し得る。例えば、このようなバリアが除去されるかまたは破損されると、カートリッジを再密封することは不可能であり、特に、液体エアロゾル形成基体をカートリッジの貯蔵部分内に再密封することは不可能であり得る。これは、液体エアロゾル形成基体のその後の漏出をもたらし得る。これにより、システムの電気構成要素に干渉するか、消費者に不便をもたらすか、またはその両方を引き起こす可能性がある。さらに、こうした配設は、消費者が取り扱うことが困難であり得、または製造することが困難であり得、またはその両方であり得る。
【0005】
より頑丈でかつより漏れが少ないカートリッジ組立品を提供することが望ましい。また、再使用可能なハウジングを有するカートリッジ組立品を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、エアロゾル発生システム用のカートリッジが提供されており、カートリッジは、カートリッジ本体と、カートリッジ本体内の貯蔵容器であって、液体エアロゾル形成基体の供給源を収容する、貯蔵容器と、カートリッジ本体の第1の端部に配置された発熱体であって、貯蔵容器と流体連絡している発熱体と、カートリッジ本体の第1の端部に接続されており、カートリッジ本体の第1の端部を覆う、カートリッジキャップと、を含む。カートリッジキャップは、少なくとも1つのカートリッジ空気吸込み口を含み、カートリッジ本体は、少なくとも1つのカートリッジ空気吹出し口を含む。カートリッジキャップは、カートリッジキャップおよびカートリッジ本体のうちの一方または両方が、発熱体を介してカートリッジ空気吸込み口からカートリッジ空気吹出し口への空気の流れを遮断する、第1の位置と、気流流路が、発熱体を介してカートリッジ空気吸込み口からカートリッジ空気吹出し口まで存在する、第2の位置との間で、カートリッジ本体に対して移動するように構成されている。一部の実施形態では、カートリッジキャップおよびカートリッジ本体の両方は、一緒に作用して、カートリッジ空気吸込み口からカートリッジ空気吹出し口への空気の流れを遮断する。特に、それらは、カートリッジ空気吸込み口で密封係合を形成することによって、カートリッジ空気吸込み口を介してカートリッジ内に空気が流れるのを遮断し得る。密封係合は、カートリッジキャップが第1の位置にあるときに、カートリッジキャップの表面とカートリッジ本体の表面との間の当接によって形成され得る。以下でより詳細に説明するように、一部の実施形態では、カートリッジ本体の表面は、カートリッジ本体のヒーター組立品カバーの表面などの、カートリッジ本体のヒーター組立品の表面であってもよい。
【0007】
本発明の第1の態様の一部の実施形態では、カートリッジは、少なくとも1つのカートリッジ空気吹出し口を含むカートリッジ本体と、カートリッジ本体内の貯蔵容器であって、液体エアロゾル形成基体の供給源を収容する、貯蔵容器と、カートリッジ本体の第1の端部に配置された発熱体であって、貯蔵容器と流体連絡している発熱体と、カートリッジキャップであって、少なくとも1つのカートリッジ空気吸込み口と、カートリッジ本体の第1の端部および発熱体を覆うように構成された上部と、カートリッジキャップの上部からカートリッジ本体の側面部の一部にわたって延在している側面部と、を含み、カートリッジキャップの側面部が、カートリッジ本体の対応する部分と解放可能に係合するように構成されている、係合部分を含み、係合部分がカートリッジ本体から係合解除されたときに、カートリッジキャップは、カートリッジキャップおよびカートリッジ本体のうちの一方または両方が、発熱体を介して、カートリッジ空気吸込み口からカートリッジ空気吹出し口への空気の流れを遮断する、第1の位置と、気流流路が、発熱体を介して、カートリッジ空気吸込み口からカートリッジ空気吹出し口まで存在する、第2の位置との間で、カートリッジ本体に対して移動するように構成されている、カートリッジキャップと、を含む。
【0008】
そのようなカートリッジキャップを第1の位置と第2の位置との間で移動可能であるように配設することにより、発熱体を横切る気流流路が選択的に開閉され得る。したがって、消費者は、例えばエアロゾル発生システム内の組立品を使用したい場合に、気流流路を開くかどうか、または、例えばエアロゾル発生システム内の組立品を使用したくない場合に、気流流路を閉じるかどうかを選択し得る。気流流路を閉じるように配置することにより、組立品を使用しないときに流体が組立品から偶発的に漏れる可能性が低減され得る。さらに、気流流路が閉鎖されるように配設することによって、組立品が使用されていないときに、発熱体の外部環境条件への不必要な曝露を最小限にすることができる。
【0009】
本発明の第1の態様の配設はまた、発熱体および液体エアロゾル形成基体が密封され、かつカートリッジの外部環境から保護されている状態で、カートリッジを消費者に供給することを可能にすることができる。これは、発熱体および液体エアロゾル形成基体のうちの一方または両方をより良好に保護または保存するのに役立ち得る。
【0010】
カートリッジキャップは、第1の位置と第2の位置との間を移動するように構成されている。カートリッジキャップが第1の位置にあるときに、カートリッジキャップは、発熱体のための密封筐体を提供することができる。その結果、第1の位置にあるときに、カートリッジキャップは、発熱体と、カートリッジ空気吸込み口、カートリッジ空気吹出し口、またはその両方との間に空気が流れることを遮断するのに役立ち得る。しかしながら、カートリッジキャップが第2の位置にあるときに、空気は、発熱体と、カートリッジ空気吸込み口、カートリッジ空気吹出し口、またはその両方との間を流れ得る。カートリッジキャップは、カートリッジキャップとカートリッジ本体との間のスナップ嵌合係合によって、第1の位置と第2の位置との間で移動することができる。少なくとも1つのカートリッジ空気吸込み口は、カートリッジキャップの少なくとも1つの開口部の形態で提供され得る。少なくとも1つのカートリッジ空気吹出し口は、カートリッジの本体の少なくとも1つの開口部の形態で提供され得る。
【0011】
以下でより詳細に説明するように、本発明の第2の態様によれば、エアロゾル発生システム用のカートリッジ組立品が提供されており、組立品は、カートリッジと、カートリッジを受容するように構成されたハウジングと、を含む。カートリッジは、カートリッジ本体と、カートリッジ本体内の貯蔵容器であって、液体エアロゾル形成基体の供給源を収容する、貯蔵容器と、カートリッジ本体の第1の端部に配置された発熱体であって、貯蔵容器と流体連絡している発熱体と、カートリッジ本体の第1の端部に接続されており、カートリッジ本体の第1の端部を覆う、カートリッジキャップと、を含む。カートリッジキャップは、少なくとも1つのカートリッジ空気吸込み口を含み、カートリッジ本体は、少なくとも1つのカートリッジ空気吹出し口を含む。
【0012】
ハウジングは、口側端およびエアロゾル発生装置に接続するように構成された対向する装置端を有しており、少なくとも1つのハウジング空気吹出し口は、ハウジングの口側端に提供されており、少なくとも1つのハウジング空気吸込み口は、ハウジング空気吹出し口の上流に提供されている。ハウジング空気吸込み口は、ハウジングの装置端に提供されてもよい。
【0013】
カートリッジがハウジング内に配置されているときに、カートリッジキャップは、カートリッジキャップおよびカートリッジ本体のうちの一方または両方が、発熱体を介してカートリッジ空気吸込み口からカートリッジ空気吹出し口への空気の流れを遮断する、第1の位置と、気流流路が、発熱体を介してカートリッジ空気吸込み口からカートリッジ空気吹出し口まで存在する、第2の位置との間で、カートリッジ本体に対して移動するように構成されている。カートリッジがハウジングから取り外されたときに、カートリッジキャップは、第1の位置に存在するように構成されることが好ましい。
【0014】
本発明の第2の態様の配設は、有利には、カートリッジの内部、特に、発熱体を収容するカートリッジの内部領域が、カートリッジがハウジング内に挿入されたときに、外部気流にのみ曝露されることを意味する。これは、カートリッジが移送される、取り扱われる、またはその両方を行われるときに、液体エアロゾル形成基体がカートリッジから漏れること防止することを意味する。したがって、本発明は、先行技術のカートリッジ組立品よりも堅牢で信頼性の高い配設を提供し得る。
【0015】
カートリッジは、ハウジングから取り外し可能であってもよい。カートリッジをハウジングから取り外し可能なように配置することによって、カートリッジの廃棄後にハウジングを再使用することが可能である。具体的には、液体エアロゾル形成基体の供給源が完全に消費されると、カートリッジがハウジングから取り外されて廃棄され得る。その後、同じハウジングを新しいカートリッジで再使用することができる。
【0016】
本発明の第2の態様のカートリッジ組立品は、予め組み立てられた構成で供給され得る。この構成では、カートリッジは既にハウジング内に配置されている。この構成では、カートリッジは、ハウジングに一時的に固定されて、カートリッジがハウジングから偶発的に取り外されることが防止され得る。
【0017】
予め組み立てられた構成で供給される代わりに、カートリッジ組立品は組み立てられていない構成で供給されてもよい。この場合、カートリッジは、ハウジングの外側に配置されてもよいが、例えば、消費者によってハウジング内に挿入されるように構成されてもよい。カートリッジは、ハウジングの装置端の開口部を通してハウジング内に挿入されるように構成されてもよい。したがって、本発明の第3の態様によれば、エアロゾル発生システムのためのキット、具体的には、エアロゾル発生システムのカートリッジ組立品のためのキットが提供されている。キットは、口側端およびエアロゾル発生装置に接続するように構成された対向する装置端を有し、少なくとも1つのハウジング空気吹出し口がハウジングの口側端に提供されており、少なくとも1つのハウジング空気吸込み口がハウジング空気吹出し口の上流に提供されている、ハウジングと、ハウジング内に挿入されるように構成されたカートリッジと、を含む。カートリッジは、本発明の第1の態様のカートリッジを含む。
【0018】
カートリッジキャップは、カートリッジ本体の第1の端部の端面に重なり合うように構成された上部と、カートリッジキャップの上部から、かつカートリッジ本体の側面部の一部にわたって延在している側面部と、を含んでもよい。カートリッジキャップの上部は、実質的に平面であってもよい。カートリッジキャップの上部は、ディスク状であってもよい。
【0019】
カートリッジキャップの側面部は、側面壁を含んでもよい。カートリッジキャップの側面壁は、単一の壁であってもよく、または複数の壁であってもよい。カートリッジの側面壁(複数可)は、カートリッジ本体の第1の端部で側面壁(複数可)の外周全体の周りに、かつそれにわたって延在していることが好ましい。これは、カートリッジ本体の第1の端部に効果的なシールを提供するのに役立ち得る。
【0020】
カートリッジキャップの側面部は、カートリッジキャップが第1の位置と第2の位置との間で移動するときに、カートリッジ本体の対応する部分と選択的に係合および係合解除する、係合部分を含んでもよい。例えば、カートリッジキャップの側面部は、カートリッジ本体の側面壁上の係合突起部と解放可能に係合するように構成された偏向可能な部材を含んでもよい。偏向可能な部材は、カートリッジキャップの上部から直接的に延在してもよい。キットは、口側端およびエアロゾル発生装置に接続するように構成された対向する装置端を有し、少なくとも1つのハウジング空気吹出し口がハウジングの口側端に提供されており、少なくとも1つのハウジング空気吸込み口がハウジング空気吹出し口の上流に提供されている、ハウジングと、ハウジング内に挿入されるように構成されたカートリッジと、を含む。偏向可能な部材は、カートリッジ本体の第2の端部に向かって延在している遠位端と、カートリッジキャップの残りの部分に取り付けられた近位端と、を有し得る。カートリッジ本体の第2の端部は、カートリッジ本体の第1の端部に対向してもよい。
【0021】
偏向可能な部材は、カートリッジキャップが第1の位置にあるときに係合突起部が延在する穴またはノッチを含んでもよい。これは、カートリッジキャップが第1の位置にあるときに、カートリッジ本体に対してカートリッジキャップを所定の位置にしっかりと保持するのに役立ち得る。カートリッジキャップが第2の位置に移動することを可能にするために、係合突起部が穴またはノッチ内にもはや延在しないように、偏向可能な部材を係合突起部から離れるように偏向させることができる。
【0022】
カートリッジキャップの上部は、発熱体と重なり合うように配設された一対のアパーチャを含んでもよい。こうしたアパーチャは有利には、電子エアロゾル発生装置上の電気接点が発熱体と電気的接続を形成することを可能にし得る。一対のアパーチャの各アパーチャは、発熱体の対応する端部分の上に配設されることが好ましい。これは、電流が発熱体を横切って通過することを可能にし得る。
【0023】
発熱体は、カートリッジのヒーター組立品の一部であってもよい。ヒーター組立品は、カートリッジ本体の第1の端部に配置されてもよい。ヒーター組立品は、カートリッジ本体の第1の端部の開口部を充填してもよい。したがって、ヒーター組立品は、カートリッジキャップの下側にある。開口部は、カートリッジ本体内の貯蔵容器の開放端であってもよい。
【0024】
ヒーター組立品は、カートリッジキャップが第1の位置にあるときに、カートリッジ空気吸込み口からカートリッジ空気吹出し口への空気の流れを遮断することに寄与する、カートリッジ本体の一部であってもよい。特に、カートリッジキャップが第1の位置にあるときに、ヒーター組立品の少なくとも一部は、カートリッジ空気吸込み口と整列されてもよく、その結果、そのヒーター組立品の少なくとも一部は、カートリッジ空気吸込み口を閉塞し、カートリッジ空気吸込み口を介してカートリッジ内に空気が流れることを遮断する。例えば、第1の位置では、ヒーター組立品の上面は、カートリッジキャップの底面に当接してもよい。これは、カートリッジ空気吸込み口から発熱体に空気が流れるのを防止するための密封係合を提供するのに役立ち得る。
【0025】
ヒーター組立品は、ヒーター組立品基部を含み得る。ヒーター組立品基部は、カートリッジ本体の第1の端部の開口部を充填するヒーター組立品の一部分であってもよい。ヒーター組立品は、第1および第2のヒーター組立品基部の開口部を有する中空体を含んでもよく、ここで第1のヒーター組立品基部の開口部は、第2のヒーター組立品基部の開口部に対して、中空体の反対側の端にある。ヒーター組立品基部は、発熱体を支持し得る。例えば、発熱体は、第1のヒーター組立品基部の開口部を横切って発熱体が延在するように、ヒーター組立品基部上に装着されてもよい。
【0026】
毛細管材料は、ヒーター組立品基部の中空体内に配置され得る。液体エアロゾル形成基体を保持するための液体保持材料は、ヒーター組立品基部の中空体内に配置され得る。毛細管材料および液体保持材料の両方が提供されている場合、毛細管材料は、発熱体と液体保持材料との間に位置付けられてもよい。
【0027】
ヒーター組立品は、ヒーター組立品基部と重なり合うヒーター組立品カバーをさらに含んでもよい。ヒーター組立品カバーは、発熱体と概して重なり合うカバー部分を含み得る。カバー部分は実質的に平面であってもよい。カバー部分はディスク状であってもよい。
【0028】
ヒーター組立品カバーは、カートリッジキャップが第1の位置にあるときに、カートリッジ空気吸込み口からカートリッジ空気吹出し口への空気の流れを遮断することに寄与する、カートリッジ本体の一部であってもよい。特に、カートリッジキャップが第1の位置にあるときに、ヒーター組立品カバーの少なくとも一部は、カートリッジ空気吸込み口と整列されてもよく、その結果、そのヒーター組立品カバーの少なくとも一部は、カートリッジ空気吸込み口を閉塞し、カートリッジ空気吸込み口を介してカートリッジ内に空気が流れることを遮断する。例えば、第1の位置では、ヒーター組立品カバーの上面は、カートリッジキャップの底面に当接してもよい。これは、カートリッジ空気吸込み口から発熱体に空気が流れるのを防止するための密封係合を提供するのに役立ち得る。ヒーター組立品カバーは、カートリッジ本体の第1の端部と係合するように構成された1つ以上の部分を有してもよい。例えば、ヒーター組立品カバーは、ヒーター組立品カバーのカバー部分から延在している一対の接続アームを含んでもよい。接続アームは、カートリッジ本体の第1の端部の外側表面のそれぞれの対応する部分とのスナップ嵌合係合を形成するように構成され得る。各接続アームは、実質的にT字形状であってもよい。カートリッジ本体の第1の端部の外側表面の対応する部分は、ヒーター組立品カバーの接続アームの形状に対応するように成形されたくぼみの形態であってもよい。
【0029】
ヒーター組立品カバーは、発熱体の中央部分と重なり合う第1のアパーチャを含み得る。第1のアパーチャは、正方形であってもよい。第1のアパーチャは、ヒーター組立品カバー上に中央に位置してもよい。
【0030】
ヒーター組立品カバーは、一対の第2のアパーチャを含んでもよく、その各々は、発熱体の端部分と重なり合う。第2のアパーチャの対は、円形状であってもよい。ヒーター組立品カバー上の第2のアパーチャの対は、カートリッジキャップ上の対応するアパーチャの対の下に配設され得る。こうした配設は、カートリッジキャップおよびヒーター組立品カバーを通って延在し、発熱体との電気的接続を形成するための、電子エアロゾル発生装置上の電気接点を可能にし得る。
【0031】
ヒーター組立品カバーは、ヒーター組立品カバーの周辺領域内に位置付けられ、かつ発熱体と重なり合っていない、第3のアパーチャを含み得る。したがって、第3のアパーチャは、発熱体との相互作用のために提供されない。代わりに、第3のアパーチャは、気流の出口点を提供し得る。特に、カートリッジキャップが第2の位置にあるときに、気流チャンバーは、カートリッジキャップとヒーター組立品カバーとの間に存在する空間によってカートリッジ内に画定され得る。こうした構成では、空気は、カートリッジ空気吸込み口から気流チャンバー内に流れることができる。次に、空気は、ヒーター組立品カバーの上部を横切って、かつヒーター組立品カバーの中の第1のアパーチャを横切って流れて、その後、第3のアパーチャを介して気流チャンバーから出る。ヒーター組立品カバーの第1のアパーチャは、カートリッジ空気吸込み口とヒーター組立品カバーの第3のアパーチャとの間に位置付けられることが好ましい。これは、カートリッジ空気吸込み口からの気流が、ヒーター組立品カバーの第3のアパーチャの出口点に到達する前に、外部ヒーターの第1のアパーチャ、およびそれゆえ発熱体の露出した部分を通過することを促進し得る。第3のアパーチャは、弓状形状であってもよい。
【0032】
カートリッジキャップが第1の位置にあるときに、カートリッジキャップおよびカートリッジ本体のうち一方または両方は、ヒーター組立品カバーの第1のアパーチャとヒーター組立品カバーの第3のアパーチャとの間の空気の流れを遮断し得る。例えば、カートリッジキャップが第1の位置にあるときに、カートリッジキャップの底面および上面ヒーター組立品カバーは、ヒーター組立品カバーの第1および第3のアパーチャの間に密封係合を形成し得る。これは、液体エアロゾル形成基体が、カートリッジ空気吹出し口に向かって、およびカートリッジ空気吹出し口から漏れる可能性を防止するのに役立ち得る。
【0033】
カートリッジ本体は、細長くてもよい。カートリッジ本体は、実質的に円筒形であってもよい。カートリッジ本体は、カートリッジ本体の第1の端部と対向する第2の端部を有してもよい。第2の端部は、先細であってもよい。
【0034】
貯蔵容器は、カートリッジ本体内に配置される1つ以上の別個の部品から形成され得る。別の方法として、貯蔵容器は、カートリッジ本体内に一体的に形成され得る。この場合、カートリッジ本体の内側表面は、貯蔵容器の境界の少なくとも一部分を画定し得る。カートリッジ本体および貯蔵容器は、ポリプロピレン(PP)またはポリエチレンテレフタラート(PET)などの成型可能プラスチック材料で形成されてもよい。
【0035】
カートリッジ本体は、単一の構成要素として形成され得る。あるいは、カートリッジ本体は、複数の構成要素から形成されてもよい。例えば、カートリッジ本体は、2つの部分、すなわち、貯蔵容器を画定する第1の部分と、第1の部分に接続するように構成された第2の部分とを含んでもよい。カートリッジ本体の第1の部分および第2の部分は、カートリッジ内の気流流路の少なくとも一部分を集合的に画定し得る。カートリッジ内の気流流路の少なくとも一部分は、カートリッジ本体の第1の端部からカートリッジ本体の第2の対向する端部まで延在し得る。気流流路のこの部分は、側面気流流路と称され得る。カートリッジ本体の第2の部分は、スナップ嵌合係合によってカートリッジ本体の第1の部分に取り付けられ得る。
【0036】
カートリッジ本体の第2の部分は、カートリッジ本体の第1の部分の側面に沿って延在して、側面気流チャネルを画定するように配設されている側面カバー部分を含んでもよく、側面気流チャネルは、側面カバー部分の内側表面とカートリッジ本体の第1の部分の外側表面との間に画定され、側面気流チャネルはカートリッジ内の気流流路の一部を形成する。側面カバー部分は、湾曲したパネルを含んでもよい。
【0037】
カートリッジ本体の第2の部分は、側面カバー部分の一方の端部に取り付けられるノズル部分をさらに含んでもよく、ノズル部分は、カートリッジ空気吹出し口を画定する。ノズルは、中空円錐であってもよい。ノズルは、カートリッジ本体の第1の部分の遠位端を受容し、かつ係合するように配設されている第1の開口部と、ノズルの遠位端に第2の開口部と、を有してもよい。ノズルの第2の開口部は、カートリッジ空気吹出し口を画定してもよい。
【0038】
カートリッジ本体が上述の側面カバー部分を有し、カートリッジが第3のアパーチャを有する上述のヒーター組立品カバーを含む場合、カートリッジは、ヒーター組立品カバーの第3のアパーチャが側面気流チャネルの一方の端に配置されるように配設されることが好ましい。この配設では、空気は、ヒーター組立品カバーの第3のアパーチャによってカートリッジ本体の第1の端部で気流チャンバーを出て、その後、最終的にノズル内のカートリッジ空気吹出し口によってカートリッジを出るまで、側面気流チャネルによってカートリッジを通って流れ続けることができる。
【0039】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様によるカートリッジおよびカートリッジを受容するためのハウジングを含む、カートリッジ組立品を提供する。ハウジングは、カートリッジ組立品が組み立てられたときに、カートリッジ組立品の外側表面を提供し得る。ハウジングは、エアロゾル発生装置のマウスピースを形成することを意図してもよい。ハウジングは概して管状であってもよい。ハウジングは、エアロゾル発生装置の装置部分に接続するように構成された装置端と、ユーザの口内への挿入のために構成された対向する口側端と、を有してもよい。ユーザは、ハウジングの口側端を吸って、カートリッジ内で発生したエアロゾルをユーザの口の中へと引き出してもよい。ハウジングは、カートリッジを受容するためのその装置端に開口部を有してもよい。ハウジングは、ハウジング空気吹出し口を提供するために、その口側端に開口部を有してもよい。
【0040】
ハウジングは、その装置端に接続部分を含んでもよい。接続部分はスナップ嵌めまたはねじ結合などの機械的な相互係止構造を含んでもよく、これはエアロゾル発生装置上の対応する相互係止構造と係合するように構成される。相互係止構造は、装置に対するハウジングの少なくとも一部の回転を許容し得るが、装置に対するハウジングの軸方向移動は防止し得る。
【0041】
ハウジングおよびカートリッジは、カートリッジがハウジング内に受容されたときに、ハウジングに対するカートリッジの回転移動がカートリッジ本体に対するカートリッジキャップの長手方向の移動を引き起こすように、互いに係合するように配設されていることが好ましい。カートリッジ本体に対するカートリッジキャップのこの長手方向の移動は、第1の位置と第2の位置との間のカートリッジ本体に対するカートリッジキャップの移動に対応する。第1の位置は、気流が防止されるため閉鎖位置とみなされてもよく、第2の位置は、気流が許容されているため開放位置とみなされてもよい。
【0042】
こうした配設は有利には、カートリッジが使用中または使用間近になるまで、カートリッジを容易に開けることができないことを意味する。すなわち、こうした配設は、有利なことに、カートリッジが、移送および貯蔵のうちの一方または両方の間に簡単には開かないことを意味し得る。代わりに、ユーザは、カートリッジをハウジング内に挿入した後にのみ、カートリッジを開くことが可能になり得る。例えば、ユーザは、カートリッジを使用する準備ができたら、カートリッジをハウジング内に挿入し、時計回りの回転など前方の回転をかけてカートリッジを開ける。ユーザがカートリッジの使用を終了し、カートリッジを閉じ、場合によってはカートリッジをハウジングから取り外すことを望む場合、ユーザは、カートリッジを閉じ、ハウジングからの取り外しを可能にするために、逆時計回りの回転などの逆回転を行う。
【0043】
こうした配設を促進するために、一部の実施形態では、カートリッジ本体は、少なくとも1つのガイド突起部を含んでもよく、ハウジングは、少なくとも1つのガイド突起部用のガイドトラックを提供し得る。組立品は、カートリッジがハウジング内に挿入されるときにガイド突起部がガイドトラック内に受容されるように構成され得る。特に、ハウジングは、ガイド突起部がガイドトラックに入ることを可能にするための受容部分を提供し得る。受容部分は、ガイド突起部がガイドトラックに入る前に通過しなければならない空間を画定し得る。これは、カートリッジが、1つまたは2つの予め画定された配向など、限定された数の配向のうちの1つでのみ、ハウジング内に完全に挿入され得ることを確実にするのに役立つ場合がある。
【0044】
カートリッジは、ハウジングのガイドトラックに沿ったガイド突起部の移動が、第1の取り付け位置と第2の部分的な取り付け位置との間のカートリッジ本体に対するカートリッジキャップの移動を引き起こすように構成されるように構成されてもよい。例えば、ガイドトラック内に一旦受容されると、カートリッジ組立品は、ハウジングに対するカートリッジの回転移動により、ガイド突起部がガイドトラックに沿って摺動することを引き起こすように構成されてもよい。ガイドトラックは、ガイドトラックに沿ったガイド突起部の前方移動がカートリッジ本体をハウジング内にさらに引き込むことを引き起こすように、ハウジングの長手方向軸に対して角度付けられてもよい。カートリッジとハウジングとの間の係合は、ガイド突起部がガイドトラックに沿って前方に移動しているときに、カートリッジキャップがハウジング内にさらに引き込まれることをも防止するように構成されていることが好ましい。
【0045】
カートリッジが、カートリッジキャップをカートリッジ本体にしっかりと固定するための機構(偏向可能な部材および係合突起部など)を含む場合、ハウジングは、カートリッジキャップがカートリッジ本体とともにハウジング内にさらに引き込まれないように、こうした取り付けを一時的に係合解除するための機構を含むことが好ましい。例えば、ハウジングは、その内部内に配置されたリムをさらに含んでもよく、リムは、カートリッジがハウジング内で回転するにつれて、カートリッジ本体の偏向可能な部材と係合するように配設されてもよい。特に、リムの偏向可能な部材との係合は、偏向可能な部材をカートリッジ本体の係合突起部から係合解除させ得る。これにより、カートリッジキャップがカートリッジ本体から一時的に着脱されることを引き起こし、したがって、またカートリッジキャップをハウジング内にさらに引き込むことなく、カートリッジ本体をハウジング内にさらに引き込むことが可能になり得る。これにより、カートリッジ本体が、カートリッジキャップから離れる方向に長手方向に移動して、したがって、カートリッジキャップの下側とカートリッジ本体の第1の端部との間のカートリッジ内の気流チャンバーを形成することがもたらされる。
【0046】
ハウジングのリムの縁部は、傾斜していてもよく、偏向可能な部材の縁部は、傾斜していてもよく、またはその両方であってもよい。これは、偏向可能な部材とのリムの係合を容易にし、かつその対応する係合突起部から離れるように偏向可能な部材を持ち上げるのを容易にするのに役立つ場合がある。
【0047】
ユーザがカートリッジを閉めたいとき、またはカートリッジをハウジングから取り外したいとき、または両方を望むとき、ユーザは、カートリッジ本体の係合突起部がハウジングのガイドトラックに沿って逆に移動するように、カートリッジおよびハウジングに逆回転を適用し得る。ガイドトラックは、こうした逆方向の移動により、カートリッジ本体がハウジングの装置端の開口部に向かって押し出されることを引き起こすように構成されてもよい。これは、カートリッジ本体がカートリッジキャップに向かって長手方向に移動することを引き起こし、偏向可能な部材からのリムの係合解除および偏向可能な部材との係合突起部の再係合を可能にし得る。これは、カートリッジが固定された閉位置に戻ることを引き起こし得る。
【0048】
本発明の第2の態様のハウジングは、単一の構成要素として提供されてもよい。あるいは、ハウジングは、2つ以上の構成要素を含んでもよい。
【0049】
ハウジングは、外側ハウジングと、外側ハウジングに挿入されるように構成された挿入部材と、を含むことが好ましい。挿入部材は、外側ハウジングの装置端の開口部を通して挿入されてもよい。挿入部材は、例えば、スナップ嵌合係合によって、外側ハウジングの内側表面に固定されてもよい。挿入部材は、外側ハウジングに取り外し可能に固定されてもよい。挿入部材は、外側ハウジングに永久的に固定されてもよい。当然のことながら、挿入部材に関して好ましい特徴が以下に記載される場合、こうした特徴はまた、ハウジングが単一の構成要素である実施形態にも適用可能であり得る。すなわち、当然のことながら、以下に記載される挿入部材は、外側ハウジングの一体部分であってもよい。
【0050】
挿入部材は有利なことに、本発明によるカートリッジを先行技術の外側ハウジングを含むある範囲の異なる外側ハウジングに接続することを可能にし得る。すなわち、挿入部材は、本発明によるカートリッジが先行技術の外側ハウジングを含むある範囲の異なる外側ハウジングに接続できるように、アダプターとして機能し得る。挿入部材は、概して輪形状であってもよい。
【0051】
本発明の第2の態様による外側ハウジングおよび挿入部材の複合使用は、有利には、組立品の構成要素において複雑な形状を形成することを可能にする一方で、その構成要素の効率的な大量生産を可能にすることができる。これは、ハウジングが、ガイドトラック、受容部分、およびリムなどの、カートリッジと相互作用するよう設計された機能的構成要素を含む場合に特に有益であり得る。
【0052】
したがって、一部の好ましい実施形態では、ハウジングのリムは、挿入部材によって提供される。一部の好ましい実施形態では、ハウジングのガイドトラックの受容部分は、挿入部材によって少なくとも部分的に提供される。
【0053】
一部の好ましい実施形態では、ハウジングのガイドトラックの少なくとも一部分は、挿入部材によって提供される。例えば、ガイドトラックは、挿入部材によって画定される第1のガイド表面または上部ガイド表面、および外側ハウジングによって画定される第2のガイド表面または下部ガイド表面を含んでもよい。各ガイド表面は、傾斜部分と、非傾斜部分と、を含み得る。非傾斜部分に沿ったガイド突起部の移動は、ハウジングに対するカートリッジ本体の長手方向の移動を引き起こさない。一方で、傾斜部分に沿ったガイド突起部の移動は、ハウジングに対するカートリッジ本体の長手方向の移動を引き起こす。傾斜は、ハウジングの長手方向軸に対して画定される。
【0054】
ハウジングは、ハウジングをエアロゾル発生装置の装置部分に一時的に固定するためのバヨネット式係止システムなどの係止システムを含み得る。係止システムは、装置部分に対するハウジングの軸方向の移動を制限するが、装置部分に対するハウジングの少なくとも一部の半径方向の移動を許容し得る。例えば、ハウジングが係止システムによって装置部分に固定されると、ハウジングは装置部分に対して最大90度まで自由に回転し得る。こうした回転は、ハウジングの長手方向軸を中心として生じる。
【0055】
係止システムは、装置部分の外側表面にガイドトラックを含み得る。ハウジング内の突起部は、ハウジングが最初に装置部分に向かって運ばれるときに、ガイドトラック内に位置し得る。ガイドトラックの第1の部分は、ハウジングが装置部分に接続されるのにつれてそれに沿って突起部が摺動し得る、軸方向に延在する細片を画定する。ハウジングの装置部分に向かう十分な軸方向移動の後、突起部は、ガイドトラックの第1の部分の端面に達する。端面は、装置部分に対するハウジングのさらなる軸方向移動を防止し得る。この時点で、ガイドトラックの第2の部分は、装置部分の周りに横方向に延在し、したがって、ハウジングが装置部分に対して回転することを可能にする。突起部がガイドトラックの第2の部分に位置するときに、ハウジングが装置部分に対して軸方向に移動することが防止される。これにより、ハウジングが、ハウジングおよび装置部分の軸方向分離を妨げるため、ハウジングを装置部分へ一時的に固定することが可能になる。
【0056】
カートリッジキャップは、エアロゾル発生装置の装置部分上の対応する表面と係合するように構成された、隆起部分などの一部分を含み得る。こうした係合は、カートリッジが装置部分に対して回転係止されることを確実にし得る。これは、装置部分の回転が、対応するカートリッジの回転を引き起こすことを意味し得る。換言すると、ハウジングが装置部分に対して回転する場合、装置部分とカートリッジキャップとの間の係合はまた、ハウジングがカートリッジに対して回転することを意味する。
【0057】
発熱体は、流体透過性発熱体であり得る。発熱体は、カートリッジ本体の貯蔵容器内に保持された液体エアロゾル形成基体の供給部と流体連通する。発熱体は、貯蔵容器内の開口部を横切って位置付けられ得る。流体透過性発熱体は実質的に平坦であってもよい。発熱体は、第1のヒーターキャップ開口部を横切って発熱体が延びるように、ヒーターキャップ上に取り付けられてもよい。ヒーターキャップは、発熱体が貯蔵容器の開放端を横切って延びるように貯蔵容器の開放端に連結されてもよい。発熱体は、カートリッジ内のヒーター組立品の一部であってもよい。ヒーター組立品は、発熱体に接続された電気接点パッドを含んでもよい。
【0058】
本明細書で使用される「導電性」は、1×10-4オームメートル以下の比抵抗を有する材料で形成されていることを意味する。本明細書で使用される「電気絶縁性」は1×104オームメートル以上の比抵抗を有する材料で形成されていることを意味する。本明細書においてヒーター組立品との関連で使用される「流体透過性」という用語は、エアロゾル形成基体(気相であるが、液相である可能性もある)が、ヒーター組立品の発熱体を簡単に通過できることを意味する。
【0059】
ヒーター組立品は、単純な製造を可能にするために実質的に平坦な発熱体を含んでもよい。幾何学的には、「実質的に平坦」な導電性発熱体という用語は、実質的に二次元の位相幾何学的マニホールドの形態である導電性フィラメント配列を意味するために使用される。したがって、実質的に平坦な導電性発熱体は、三次元よりも実質的に大きい表面に沿って二次元的に延びる。特に、その表面内での二次元の実質的に平坦な発熱体の寸法は、表面に垂直な第三次元の寸法より少なくとも5倍である。実質的に平坦な発熱体の例は、2つの実質的に平行な仮想表面間の構造であって、これらの2つの仮想表面間の距離はその表面内の延長よりも実質的に小さい。一部の実施形態において、実質的に平坦な発熱体は平面状である。その他の実施形態において、実質的に平坦な発熱体は1つ以上の寸法に沿って湾曲していて、例えばドーム形状またはブリッジ形状を形成する。
【0060】
「フィラメント」という用語は本明細書全体を通して、2つの電気接点間に配設された電気的な経路を指すために使用される。フィラメントは恣意的に、いくつかの経路またはフィラメントへとそれぞれ枝分かれおよび分岐させてもよく、またはいくつかの電気的な経路から1つの経路に合流させてもよい。フィラメントは丸型、正方形型、平坦型、または任意の他の形態の断面を有してもよい。フィラメントは、真っ直ぐな様式で配列されてもよく、または湾曲した様式で配置されてもよい。
【0061】
発熱体は、例えば相互に平行に配置されたフィラメントのアレイであってもよい。好ましくは、フィラメントがメッシュを形成し得る。メッシュは織られていてもよく、または不織であってもよい。メッシュは、異なるタイプの織り構造または格子構造を使用して形成されてもよい。別の方法として、導電性発熱体は、フィラメントのアレイまたはフィラメントの織物からなる。導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物はまた、液体を保持するその能力によっても特徴付けられる場合がある。
【0062】
好ましい実施形態では、実質的に平坦な発熱体は、ワイヤメッシュへと形成されたワイヤで構築されてもよい。メッシュは平織の設計を有することが好ましい。発熱体は、メッシュ細片から作製されたワイヤグリルであることが好ましい。
【0063】
導電性フィラメントはフィラメント間の隙間を画定する場合があり、また隙間は10マイクロメートル~100マイクロメートルの幅を有してもよい。使用時に気化されることになる液体が隙間の中へと引き出されるように、フィラメントは隙間内で毛細管作用を生じさせることが好ましく、発熱体と液体エアロゾル形成基体との間の接触面積を増大する。
【0064】
導電性フィラメントは、1センチメートル当たりのフィラメント数が60~240個(±10パーセント)のサイズのメッシュを形成してもよい。メッシュ密度は、1センチメートル当たりのフィラメント数が100~140個(±10パーセント)であることが好ましい。メッシュ密度は、1センチメートル当たりのフィラメント数がおよそ115個であることがより好ましい。隙間の幅は100マイクロメートル~25マイクロメートルであってもよく、80マイクロメートル~70マイクロメートルであることが好ましく、およそ74マイクロメートルであることがより好ましい。メッシュの総面積に対する隙間の面積の比であるメッシュの開口面積の割合は、40パーセント~90パーセントであってもよく、85パーセント~80パーセントであることが好ましく、およそ82パーセントであることがより好ましい。
【0065】
導電性フィラメントは8マイクロメートル~100マイクロメートルの直径を有してもよく、10マイクロメートル~50マイクロメートルであることが好ましく、12マイクロメートル~25マイクロメートルであることがより好ましく、およそ16マイクロメートルであることが最も好ましい。フィラメントは丸い断面を有してもよく、または扁平な断面を有してもよい。
【0066】
導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物の面積は小さくてもよく、例えば50平方ミリメートル以下であってもよく、25平方ミリメートル以下であることが好ましく、およそ15平方ミリメートルであることがより好ましい。サイズは、発熱体を手持ち式システムの中に組み込むように選ばれる。導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物のサイズ設定を50平方ミリメートル以下にすることは、導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物を加熱するのに必要な総電力量を低減する一方で、導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物が液体エアロゾル形成基体に十分に接触していることを依然として確保する。導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物は、例えば長方形であってもよく、また2ミリメートル~10ミリメートルの長さ、および2ミリメートル~10ミリメートルの幅を有してもよい。メッシュは、およそ5ミリメートル×3ミリメートルの寸法を有することが好ましい。
【0067】
発熱体のフィラメントは、適切な電気特性を有する任意の材料で形成されてもよい。適切な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とで作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。
【0068】
適切な合金の例としては、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金、鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals Corporationの登録商標である。フィラメントは1つ以上の絶縁体で被覆されていてもよい。導電性フィラメント用の好ましい材料はステンレス鋼および黒鉛であり、AISI 304、316、304L、316Lなどの300シリーズのステンレス鋼であることがより好ましい。追加的に、導電性発熱体は上記の材料の組み合わせを含んでもよい。実質的に平坦な発熱体の抵抗の制御を改善するために、材料の組み合わせが使用されてもよい。例えば、固有抵抗が高い材料を、固有抵抗が低い材料と組み合わせてもよい。これは、材料のうちの1つが他の観点、例えば価格、機械加工性、またはその他の物理的および化学的パラメータの観点から、より有益である場合に、有利である場合がある。有利なことに、増加した抵抗を有する実質的に平坦なフィラメント配設は、寄生損失を低減する。有利なことに、抵抗が高いヒーターは、電池エネルギーのより効率的な使用を可能にする。
【0069】
フィラメントはワイヤで作製されていることが好ましい。ワイヤは金属で作製されることがより好ましく、ステンレス鋼で作製されることが最も好ましい。
【0070】
発熱体の導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物の電気抵抗は、0.3オーム~4オームであってもよい。電気抵抗は0.5オーム以上であることが好ましい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物の電気抵抗は、0.6オーム~0.8オームであることがより好ましく、約0.68オームであることが最も好ましい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイ、または織物の電気抵抗は、導電性接点区域の電気抵抗よりも少なくとも1桁大きいことが好ましく、また少なくとも2桁大きいことがより好ましい。これは、発熱体に電流を通過させることによって発生した熱が、導電性フィラメントのメッシュまたはアレイに局在化されることを確実にする。システムが電池によって電力供給される場合、発熱体に対する全体抵抗が低いことは有利である。低抵抗で大電流のシステムは、発熱体に高電力を送達することを可能にする。これは、発熱体が導電性フィラメントを望ましい温度に素早く加熱することを可能にする。
【0071】
カートリッジ本体の貯蔵容器は、液体エアロゾル形成基体を保持するための液体保持材料を含み得る。液体保持材料は発泡体、および繊維の収集物の海綿体状物であってもよい。液体保持材料はポリマーまたはコポリマーで形成されてもよい。一実施形態において、液体保持材料は紡糸ポリマーである。
【0072】
貯蔵容器は、液体エアロゾル形成基体を発熱体に移動するために毛細管材料を保持することが好ましい。毛細管材料は発熱体と接触して提供されてもよい。毛細管材料は発熱体と保持材料の間に配設されていることが好ましい。
【0073】
毛細管材料は、発熱体の表面の少なくとも一部分と接触する液体エアロゾル形成基体があることを保証する能力のある材料で作製され得る。毛細管材料は、フィラメント間の隙間の中へと延びてもよい。発熱体は、毛細管作用によって液体エアロゾル形成基体を隙間の中へと引き出してもよい。
【0074】
毛細管材料は、材料の一方の端から別の端に液体を能動的に運ぶ材料である。毛細管材料は繊維状または海綿体状の構造を有してもよい。毛細管材料は一束の毛細管を含むことが好ましい。例えば、毛細管材料は複数の繊維もしくは糸、またはその他の微細チューブを含んでもよい。繊維または糸は、液体エアロゾル形成基体を発熱体に向かって運ぶために概して整列していてもよい。別の方法として、毛細管材料は海綿体様または発泡体様の材料を含んでもよい。毛細管材料の構造は複数の小さい穴または管を形成し、これを通して液体エアロゾル形成基体を毛細管作用によって搬送することができる。毛細管材料は任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例は、海綿体もしくは発泡体材料、繊維もしくは焼結粉末の形態のセラミック系またはグラファイト系の材料、発泡性の金属材料もしくはプラスチック材料、繊維質材料、例えば紡糸繊維または押出成形繊維(セルロースアセテート、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレンもしくはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)で作製された繊維質材料である。毛細管材料は、異なる液体物理特性で使用されるように、任意の適切な毛細管現象および空隙率を有してもよい。液体エアロゾル形成基体は、毛細管作用によって毛細管媒体を通して液体エアロゾル形成基体を搬送することを可能にする粘度、表面張力、密度、熱伝導率、沸点、および蒸気圧を含む物理特性(しかし、これらに限定されない)を有する。
【0075】
エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体である。揮発性化合物はエアロゾル形成基体の加熱によって放出されてもよい。
【0076】
エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はたばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化した植物系材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は少なくとも1つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。
【0077】
発熱体は、少なくとも2つの導電性接触パッドを有してもよい。導電性接点パッドは、発熱体の縁の区域に位置付けられてもよい。少なくとも2つの導電性接点パッドは、発熱体の先端に位置付けられ得ることが好ましい。導電性接触パッドは、導電性フィラメントに直接固定されてもよい。導電性接点パッドは、スズのパッチを含んでもよい。別の方法として、導電性接触パッドは導電性フィラメントと一体型にされてもよい。
【0078】
カートリッジは、カートリッジの液体貯蔵部分が空になるか、またはカートリッジ内の液体の量が最小容積閾値より低くなると、新しいカートリッジと取り替えられる使い捨て物品であってもよい。カートリッジは、液体エアロゾル形成基体が予め充填されていることが好ましい。
【0079】
本発明の第4の態様によると、本発明の第1または第2の態様によるカートリッジまたはカートリッジ組立品と、電源および制御電子回路を含むエアロゾル発生装置とを備えるエアロゾル発生システムが提供されており、カートリッジまたはカートリッジ組立品はエアロゾル発生装置に接続するように構成されている。カートリッジまたはカートリッジ組立品がエアロゾル発生装置に接続されたときに、発熱体は電源に電気的に接続されてもよい。
【0080】
エアロゾル発生装置は、カートリッジまたはカートリッジ組立品上の対応する接続部分との係合のための接続部分を含んでもよい。
【0081】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置がカートリッジ組立品に接続されたときに発熱体に電気的接続を提供するように構成された少なくとも1つの電気接点要素を含んでもよい。電気接点要素は細長くてもよい。電気接点要素は、ばね式であってもよい。電気接点要素はカートリッジ組立品内の電気接点パッドに接触してもよい。
【0082】
電源は有利なことに、リチウムイオン電池などの電池であってもよい。代替として、電源は別の形態の電荷蓄積装置(コンデンサーなど)であってもよい。電源は再充電を必要とする場合がある。例えば、電源は約6分間、または6分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定回数の吸煙、またはヒーター組立品の不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0083】
制御電子回路はマイクロコントローラーを含んでもよい。マイクロコントローラーはプログラム可能なマイクロコントローラーであることが好ましい。電気回路はさらなる電子構成要素を含んでもよい。電気回路はヒーター組立品への電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力はシステムの起動後、ヒーター組立品に連続的に供給されてもよく、または断続的に(例えば、吸煙するごとに供給)供給されてもよい。電力は、電流パルスの形態でヒーター組立品に供給されてもよい。
【0084】
エアロゾル発生システムは手持ち式システムであることが好ましい。エアロゾル発生システムは携帯型であることが好ましい。エアロゾル発生システムは従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有してもよい。エアロゾル発生装置システムは、およそ30ミリメートル~およそ150ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生装置システムは、およそ5ミリメートル~およそ30ミリメートルの外径を有してもよい。
【0085】
用語「上流」および「下流」は、カートリッジまたはカートリッジ組立品を通して引き出される空気またはエアロゾルの流れの方向に関連して記載される、カートリッジまたはカートリッジ組立品の要素の相対的な位置を指す。したがって、最も上流の点は、空気が最初にカートリッジまたはカートリッジ組立品に入る点である。最も下流の点は、空気またはエアロゾルがカートリッジまたはカートリッジ組立品から終端する点である。
【0086】
当然のことながら、本発明の一態様に関して上述した好ましい特徴は、本発明の他の態様にも適用されてもよい。
【0087】
ここで本発明の実施形態を、以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるが説明する。
【図面の簡単な説明】
【0088】
図1】先行技術のカートリッジ組立品およびエアロゾル発生装置を有するエアロゾル発生システムの斜視図を示している。
図2図1のカートリッジ組立品の分解斜視図を示している。
図3図1の装置の斜視図を示している。
図4図1のカートリッジ組立品の断面図を示している。
図5】本発明の第1の実施形態によるカートリッジ組立品の分解斜視図を示している。
図6図5のカートリッジ組立品の部分的に透明な図を示している。
図7】本発明の第1の実施形態によるカートリッジの分解斜視図を示している。
図8】ヒーター組立品の分解斜視図を示している。
図9】カートリッジ本体およびヒーター組立品の分解斜視図を示している。
図10A-10D】図7のカートリッジの様々な斜視図を示している。
図11A】第1の位置にある第1の実施形態のカートリッジアセンブリの図を示している。
図11B】第2の位置にある第1の実施形態のカートリッジアセンブリの図を示している。
図12A-12B】図11Aおよび図11Bのカートリッジ組立品の断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0089】
図1は、一緒に結合された、先行技術のカートリッジ組立品20とエアロゾル発生装置40とを備えるエアロゾル発生システム10の斜視図である。
【0090】
図2は、図1に示す先行技術のカートリッジ組立品20の分解組立図を示している。カートリッジ組立品20は、システムのためのマウスピースを形成するハウジング22を備える。ハウジング内には液体エアロゾル形成基体26を保持する貯蔵容器24がある。貯蔵容器24は装置端で開口している。ヒーターキャップ33上に保持された平坦な液体透過性メッシュ発熱体28を含むヒーター組立品は、貯蔵容器24の開口した装置端を覆うように配置される。液体保持32材料がキャップ内に位置付けられている。毛細管材料31は、ヒーター組立品と保持材料32の間に位置付けられている。保護カバーまたはキャップ30はハウジングに嵌合されて、ヒーター組立品を貯蔵容器24に対して固定位置に保持する。保護カバーはまた、発熱体28を覆い、損傷から保護する。
【0091】
図3は、エアロゾル発生装置40の斜視図を示している。装置部分40は、リチウムイオン電池および制御回路の形態の電源を保持するハウジング46を備える。装置はまた、カートリッジ内のヒーター組立品上の電気接点パッドに接触するように構成された、ばね式の電気接点要素45を備える。図3の特定の実施例では、電気接点要素45は、ポゴピンの形態である。しかし、当然のことながら、他の形態の接触要素がまた本開示内で予期されている。接点要素45は、カートリッジ組立品20が装置40に接続されたときに、電力がカートリッジ組立品20内のメッシュ発熱体28に供給され得るように、電源に電気的に結合される。
【0092】
制御回路内のスイッチを作動させて装置を起動するボタン41が提供されている。装置が起動されると、制御回路は電池からカートリッジ内のヒーターに電力を供給する。制御回路は起動後に、当該技術分野で既知の数多くの異なる方法でヒーターへの電力供給を制御するように構成されてもよい。例えば、制御回路は、ヒーターの温度、システムを通る検出された気流、起動後の時間、判定または推定されたカートリッジ内の液体量、カートリッジの特性、および周囲条件のうちの1つ以上に基づいてヒーターに供給される電力を制御するように構成されてもよい。
【0093】
カートリッジ20および装置40は、例えば、押し嵌めによって互いに結合するように配設される。カートリッジハウジング22は、2つの向きのみで装置40に結合することを可能するような形状であり、これは、ばね式の電気接点要素45がカートリッジ24の保護カバー30内の開口部を介してヒーター組立品の接触パッドと接触し得ることを確実にする。装置部分の接続リブ48は、ハウジング22上のくぼみと係合して、カートリッジと装置部分を一緒に保持する。
【0094】
図4から最もよく分かる通り、先行技術のカートリッジ組立品20は、液体エアロゾル形成基体の供給源24およびヒーター組立品を備える。装置は、液体エアロゾル形成基体を気化するために電力を先行技術のカートリッジ組立品20内のヒーター組立品に供給するように機能する。気化されたエアロゾル形成基体はシステムを通る気流中に同伴され、気流はユーザが先行技術のカートリッジ組立品20のマウスピース23で吸煙することでもたらされる。気化されたエアロゾル形成基体は気流中で冷やされ、ユーザの口の中へと引き出される前にエアロゾルを形成する。
【0095】
図4において、気流流路が矢印によって図示される。具体的には、ユーザがハウジング22の口側端23を吸うと、空気が上流ハウジング空気吸込み口22aでカートリッジ組立品内に引き出される。空気は次に、保護キャップ30の空気吸込み口30aを通過し、液体透過性発熱体28を通過する。次に、気化されたエアロゾル形成基体は、ハウジング22の口側端23のハウジング空気吹出し口22bで最終的に組立品20を出る前に、流路に沿って、保護キャップ30の空気吹出し口30bを通して引き出される。この先行技術の配置では、ハウジング空気吸込み口22aおよびハウジング空気吹出し口22bの一方または両方を通して、液体がカートリッジ組立品20から漏れ出る可能性がある。
【0096】
図5図12Bは、本発明の一実施形態によるカートリッジおよびカートリッジ組立品の様々な図を示している。
【0097】
図5から始めると、カートリッジ430およびカートリッジハウジング431を含むカートリッジ組立品を見ることができる。カートリッジハウジング431は、外側ハウジング422と、外側ハウジング422の開放端を通して外側ハウジング422内に挿入されるように構成された挿入部材470と、を含む。外側ハウジング422は、外側ハウジング空気吸込み口422aおよび外側ハウジング空気吹出し口422bを有する。挿入部材470は、概して輪形状であり、挿入部材470が外側ハウジング422内に挿入されるときに、外側ハウジング422の内側表面の一部分とスナップ嵌合係合を形成するように構成されている。挿入部材470は、有利には、カートリッジ430を既存の外側ハウジングまたはレガシー外側ハウジング設計とともに使用することを可能にし得る。すなわち、挿入部材470は、カートリッジ430とともに使用するために、既存の外側ハウジングまたはレガシー外側ハウジング設計を適合させるために有利に使用され得る。さらに、外側ハウジング422および挿入部材470との2部品配設の採用は、有利にも、例えば、鋳型成形などの効率的な製造技術を使用して形成されるガイドトラック(以下に説明するような)などのより複雑な形状の特徴を許容し得る。挿入部材470および外側ハウジング422は、この特定の実施形態では2部品配設として記載されているが、当然のことながら、カートリッジハウジング431が単一の構成要素のみからなるように、代わりに互いに一体的に提供され得る。
【0098】
図6から最もよく分かるように、挿入部材470および外側ハウジング422は一緒に、カートリッジ430がカートリッジハウジング431内に受容されたときに、そのカートリッジ430のガイド突起部439を受容するのに適したガイドトラックを画定する。ガイドトラックは、挿入部材470によって画定される第1のまたは上部ガイド表面479と、外側ハウジング422によって画定される第2のまたは下部ガイド表面429と、を含む。各ガイド表面は、外側ハウジング422の長手方向軸に対して実質的に垂直に延在する平面内に完全に存在する少なくとも1つの非傾斜部分429a、479aを含む。各ガイド表面はまた、外側ハウジング422の長手方向軸に対して実質的に垂直な平面に対してある角度で延在する傾斜部分429b、479bを含む。以下でより詳細に説明するように、ガイド表面の傾斜部分429b、479bは、カートリッジのガイド突起部439と係合して、第1の閉鎖状態と第2の開放状態との間のカートリッジの移動を促進するように構成されている。
【0099】
カートリッジ430のガイド突起部439がガイドトラック内に受容されることを可能にするために、挿入部材470は、挿入部材470のガイドトラック部分から放射状に外側に延在して、カートリッジのガイド突起部439の通過のための空間を画定する受容部分476を含む。
【0100】
挿入部材470は、ガイド表面479を含む挿入部材の部分から離れて延在するリム475をさらに含む。挿入部材470が外側ハウジング422内に挿入されると、リム475は、外側ハウジング422の装置端に向かって延在する。以下でより詳細に説明するように、カートリッジ430が外側ハウジング422内に挿入されるとき、挿入部材470のリム475は、カートリッジ430の偏向可能な部材438と係合して、第1の閉鎖状態と第2の開放状態との間のカートリッジ430の移動を促進するように構成されている。
【0101】
図7に示すように、カートリッジ430は、カートリッジ本体434と、カートリッジ本体434の第1の端部に接続して、第1の端部を覆うように構成されたカートリッジキャップ435と、を含む。カートリッジ430はまた、カートリッジ本体434の第1の端部に配置され、カートリッジキャップ435の下にある、ヒーター組立品133を含む。特に、カートリッジ本体434は、液体エアロゾル形成基体を保持するための貯蔵容器424を形成する、中空内部部分を有する。貯蔵容器424は、ヒーター組立品133によって充填される、カートリッジ本体434の第1の端部に開口部を有する。
【0102】
ヒーター組立品133は、ヒーター組立品基部433上に保持された平坦な液体透過性メッシュ発熱体128を含む。ヒーター組立品133はまた、ヒーター組立品基部433内に位置付けられた液体保持材料32を含む。毛細管材料は、発熱体128と保持材料32との間に位置付けられてもよい。
【0103】
図8で最もよく分かるように、ヒーター組立品133は、発熱体128およびヒーター組立品基部433の周りにかつその上に延在する、ヒーター組立品カバー410をさらに含む。ヒーター組立品カバー410は、発熱体128と重なり合うように配設されたディスク状のカバー部分411を含む。カバー部分411は、発熱体128の中央部分と重なり合うように配設された第1の正方形のアパーチャ412を含む。カバー部分411はまた、発熱体128のそれぞれの端部分と重なり合うように配設された一対の円形状のアパーチャ413a、413bを含む。カバー部分は、カバー部分411の周方向の外周部の一部分の周りに配設される弓状形状のアパーチャ414をさらに含む。
【0104】
円形形状の開口413a、413bの対は、エアロゾル発生装置40上の発熱体128の端部分とそれぞれの接触要素45との間の電気的接続を促進するために配設されている。第1の正方形のアパーチャ412は、発熱体128によって気化されるエアロゾル形成基体がカートリッジ430を通る気流に混入されるように配設されている。発熱体128およびヒーター組立品基部433と重なり合わないように、弓状形状のアパーチャ414は位置付けられているが、代わりに、発熱体128およびヒーター組立品基部433を超えて放射状に延在するカバー部分411の一部分に存在する。弓状形状のアパーチャ414は、発熱体128によって気化されるエアロゾル形成基体が、その経路でユーザに通過することができるアパーチャを提供する。
【0105】
ヒーター組立品カバー410はまた、ヒーター組立品基部433の側面に沿ってカバー部品411から延在する一対の接続アーム412a、412bを含む。接続アーム412a、412bは、カートリッジ430の本体434の装置端とのスナップ嵌合係合を形成するように構成されている。これは、カートリッジの本体とヒーター組立品との間に緊密なシールが形成されることを可能にし得る。これは、エアロゾル形成基体が、第1の正方形のアパーチャ412を介してカートリッジ本体434の貯蔵容器424から出ることのみ可能にすることを確実にするのを助けることができる。
【0106】
カートリッジ430の本体434はまた、カートリッジ本体434と称され得る。図9から最もよく分かるように、カートリッジ本体434は、2つの部分、すなわち、液体エアロゾル形成基体を保持するための貯蔵容器424を画定する第1の部分4341、および第1の部分に接続するように構成された第2の部分4342を含む。カートリッジ本体434の第1の部分4341は、概して中空および細長いものであり、ヒーター組立品133が取り付けられる第1の開放端を有する。使用時に、第1の開放端は、エアロゾル発生装置40に向かって配向される。液体エアロゾル形成基体の貯蔵部がカートリッジ本体434の第1の部分4341内に収容され得るように、カートリッジ本体434の第1の部分4341の第2の端部は閉じている。
【0107】
カートリッジ本体434の第1の部分および第2の部分4341、4342は、カートリッジ内の気流流路の少なくとも一部分を集合的に画定する。より具体的には、カートリッジ本体434の第2の部分4342は、カートリッジ本体434の第1の部分の陥凹側であってもよい側面4341aに沿って延伸して、側面気流チャネルを画定するように配設された側面カバー部分4342aを含む。側面気流チャネルは、側面カバー部分4342aの内側表面と、カートリッジ本体434の第1の部分の側面4341aの外側表面との間に画定される。
【0108】
カートリッジ本体434の第2の部分4342はまた、カートリッジ本体434の第1の部分4341の第2の閉じた端部の上に嵌合するように配設されたノズル部分4342bを含む。ノズル4342bは、カートリッジ空気吹出し口430bを画定し、側面カバー部分4342aの一方の端に接続される。側面カバー部分4342aの他方の端は、弓状形状のアパーチャ414を含むヒーター組立品カバー410の部分に接続するように配設されている。
【0109】
したがって、カートリッジ本体のヒーター組立品133ならびに第1の部分および第2の部分4341、4342がすべて互いに接続されているとき、カートリッジ430は、ノズル4342bによって画定されるカートリッジ空気吹出し口430bへの側面気流チャネルに沿った、弓状形状のアパーチャ414から延在する気流流路を画定する。
【0110】
図10A図10Dは、カートリッジキャップ435を有する、または有さないカートリッジ430の異なる斜視図を示している。カートリッジキャップ435は、カートリッジ本体434に接続されて流体透過性発熱体128を覆うように構成されている。特に、カートリッジキャップ435は、ヒーター組立品カバー410のディスク状のカバー部分411と完全に重なり合う上部436を含み、側面壁437は、カートリッジ本体434の側面壁の一部の上に延在する。カートリッジキャップ435の上部は、ヒーター組立品の円形状のアパーチャ413a、413bの対と重なり合うように配設された、一対の円形状のアパーチャ435a、435bを含む。これにより、エアロゾル発生装置40上のそれぞれの接触要素45が、カートリッジキャップ435およびヒーター組立品カバー410を通過し、発熱体128と電気的接続を形成することが可能になる。カートリッジキャップ435の側面壁は、少なくとも1つのカートリッジ空気吸込み口430aを含む。
【0111】
カートリッジキャップの側面壁はまた、偏向可能な部材438を含む。カートリッジキャップは、偏向可能な部材438とカートリッジ本体434の第1の部分の側面壁の上部上に配置された係合突起部440との間の係合を介して、カートリッジ本体434に接続される。特に、偏向可能な部材438は、カートリッジキャップ435がカートリッジ本体434の上に嵌合されるときに係合突起部440が延在する穴またはノッチを有する。この係合は、カートリッジキャップ435を、カートリッジ本体に対して、カートリッジ空気吸込み口430aから発熱体128へと空気が流れるのを遮断される位置に適所に係止する。
【0112】
ここで、図11Aおよび図11Bを参照されたい。図11Aは、カートリッジキャップ435が第1の位置に配置された状態で、ハウジング内に挿入されたときのカートリッジ430を示している。図11Bは、カートリッジキャップ435が第2の位置に配置された状態で、ハウジング内に配置されたときのカートリッジ430を示している。明確にするために、外側ハウジング422は示されておらず、挿入部材470のみが可視的である。
【0113】
図11Aおよび図11Bを参照すると、カートリッジ430がハウジング431に挿入されたときに、カートリッジキャップ435は、外側ハウジング空気吸込み口422aからの空気が、カートリッジ空気吸込み口430a、流体透過性発熱体128、およびカートリッジ空気吹出し口430bを経由してハウジング空気吹出し口422bへと流れることが遮断される、第1の位置と、ハウジング空気吸込み口から、カートリッジ空気吸込み口430a、流体透過性発熱体128、およびカートリッジ空気吹出し口430bを経由してハウジング空気吹出し口へと延びる気流流路が存在する、第2の位置との間で、カートリッジ本体434に対して移動するように構成されている。特に、カートリッジ430が最初にカートリッジハウジング431内に挿入されるときに、カートリッジおよびハウジングの幾何学的形状は、カートリッジのガイド突起部439を、挿入部材470の受容部分476と整列させる(図11Aを参照)。これは、カートリッジがハウジング431内にさらに移動するときに、ガイド突起部439が、挿入部材470の受容部分476によって画定される空間を通過し、ガイドトラック内に入り得ることを意味する。ガイド突起部439がガイドトラック内に通過すると、ハウジング431のガイド表面の非傾斜部分429aは、カートリッジ430のハウジング431内へのさらなる移動を防止する。しかしながら、この時点で、カートリッジおよびハウジングの幾何学的形状は、ハウジング431に対するカートリッジ430の回転移動を可能にする。こうした回転は、挿入部材470の傾斜部分479bと係合するまで、ガイド突起部439がガイドトラックに沿って移動することをもたらす。この位置では、カートリッジキャップ435の偏向可能な部材438は、挿入部材470のリム475と係合し始めたばかりである。
【0114】
この位置からのハウジング431に対するカートリッジ430のさらなる回転移動は、2つの結果をもたらす。第1に、挿入部材470の傾斜部分479bは、ガイド突起部439と係合し、カートリッジ本体434をハウジング431内にさらに押し込むことを引き起こす。これは、ハウジング431のガイド表面の対応する部分429bがまた傾斜しているため、カートリッジ本体434のハウジング内へのこうしたさらなる移動に抵抗しないため、許容可能である。
【0115】
第2の結果は、挿入部材470のリム475が、偏向可能な部材438の遠位端と完全に係合し、偏向可能な部材438を係合突起部440から離して持ち上げることを引き起こすことである(図11Bを参照)。これにより、カートリッジキャップ435がカートリッジ本体434から分離される。さらに、カートリッジキャップ435上のフランジ4351のハウジング上の対応するフランジ4221との係合は、カートリッジキャップがハウジング431内にさらに移動できないことを意味する。したがって、カートリッジキャップ435は、カートリッジ本体434がハウジング431内にさらに移動する際に、ハウジング431に対して適所に保持される。カートリッジキャップ435およびカートリッジ本体434のこうした部分的分離は、空間またはチャンバー428が発熱体128の上方のカートリッジ430内に生成されることを意味する。この空間またはチャンバー428は、図11Bのカートリッジの断面図を示す、図12Bから最もよく見える。
【0116】
このチャンバーの提供は、障害のない気流流路がカートリッジ430内に存在し得ることを意味する。気流流路は、カートリッジ空気吸込み口430aから、発熱体128の上部を横切って、弓状アパーチャ414を通って、側面気流チャネルに沿って、ノズル部分4342bのカートリッジ空気吹出し口430bまで全面的に延在している。したがって、この開位置では、ユーザは、外側ハウジング422の口側端を引き出して、カートリッジ430からエアロゾルを受けることができる。
【0117】
ユーザがカートリッジ430の使用を終了すると、ユーザは、カートリッジを、カートリッジを開くために使用した方向と反対の方向に回転させることができる。例えば、時計回りの回転を使用して、カートリッジ430を開いた場合、反時計回りの回転を使用して、カートリッジを閉じることができる。こうした反対方向に回転するときに、ハウジング431の傾斜部分429bは、ガイド突起部439と係合し、カートリッジ本体434をハウジング431から押し離すことを引き起こす。カートリッジキャップ435は、接続されたエアロゾル発生装置40によってハウジング431に対して所定の場所に固定されたままである。回転により組立品が図11Aに示す位置に近づくと、偏向可能な部材438は、挿入部材470のリム475から係合し始め、カートリッジ本体434の係合突起部440と再び係合する。したがって、カートリッジキャップ435およびカートリッジ本体434は、互いに再接続し、それによって、発熱体128の上方の空間を閉鎖する。これは密封係合を形成し、それによって、空気はカートリッジ空気吸込み口430aから発熱体128へ流れることができない。こうした密封係合は、図11Aのカートリッジの断面図を示す、図12Aから最もよく見える。この密封係合は、発熱体128およびカートリッジ空気吸込み口430aを介して、カートリッジ430から液体が漏れ出すのを防止し得る。特に、図12Aから分かるように、カートリッジキャップが第1の位置にあるときに、ヒーター組立品カバー410は、カートリッジ空気吸込み口430aと整列し、その結果、ヒーター組立品カバー410は、カートリッジ空気吸込み口430aを閉塞し、カートリッジ空気吸込み口430aを介してカートリッジ組立品内に空気が流れることを遮断する。この第1の位置では、ヒーター組立品カバー410の上面はまた、カートリッジキャップ435の上部436の下面に当接している。これは、カートリッジ空気吸込み口430aから発熱体128に空気が流れるのを防止するための密封係合を提供する。
【0118】
カートリッジ430は、その後、カートリッジ430のガイド突起部439が挿入部材470の受容部分476と整列するまで、ハウジング431に対してさらに回転され得る。この回転位置では、カートリッジ430は、次にハウジングから取り外され、カートリッジ430はその閉鎖状態で取り除かれる。
【0119】
明確にするために、新しい設計の挿入部材470、カートリッジ430、および外側ハウジング422の特徴は、単一のガイドトラック、単一のリム、単一のガイド突起部、単一の係合突起部、単一の偏向可能な部材等を参照して上述されている。しかしながら、図から理解されるように、挿入部材470、カートリッジ430、および外側ハウジング422は、一部の実施形態では、実際には、互いに正反対に配置されたこれらの特徴の各々2つを含み得る。これは有利には、カートリッジ組立品全体の信頼性を改善するのに役立ち得る、バランスのとれた配設を提供し得る。
【0120】
図面に関連して上述した実施形態において、発熱体への気流が選択的に遮断または開口され得るように、カートリッジキャップを第1の位置から第2の位置に移動させる能力は、発熱体からカートリッジ組立品の外部への液体エアロゾル形成基体の漏れを低減し得ることを意味する。これは、カートリッジ組立品がエアロゾルを発生するために使用されていないときに、液体エアロゾル形成基体の漏れがないことを消費者がより確信できることを意味する。ただし、消費者がエアロゾル発生システムを使用する準備ができているときに、発熱体が気流に晒され、その結果消費者に放出され得るエアロゾルを発生することができるように、消費者はカートリッジキャップを容易に移動することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図12A
図12B