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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】飼料を収容する容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/06 20060101AFI20240311BHJP
   A23K 10/00 20160101ALI20240311BHJP
【FI】
B65D1/06
A23K10/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021538927
(86)(22)【出願日】2019-09-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 EP2019074813
(87)【国際公開番号】W WO2020058243
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-08-23
(31)【優先権主張番号】18194772.2
(32)【優先日】2018-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521111180
【氏名又は名称】ラントゲノッセンシャフト エンシュタル ランデナ コマンティドゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ルードルファー
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】仏国特許出願公開第02639002(FR,A1)
【文献】特開2001-270935(JP,A)
【文献】特開2013-203455(JP,A)
【文献】特開昭64-037249(JP,A)
【文献】特表2002-505863(JP,A)
【文献】特開2015-030478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/06
A23K 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(1)と動物飼料を含む保存動物飼料であって、前記容器が底面(3)と、底面(3)の周まわりから立ち上がる側面(4)とを有するので、底面(3)と側面(4)によって形成される収容室(5)内に動物飼料が収容され、かつ側面(4)の、底面(3)とは逆の周まわりによって形成される開口部(6)を通して排出することができる、ものにおいて、
底面(3)が、底面(3)内の孔(10)を開放するための開放部材(9)と作用的に結合されており、
底面(3)が孔(10)を有し、孔(10)が、除去可能な開放部材(9)によって閉鎖されており、
前記動物飼料は前記容器の前記収容室内に含まれ、前記動物飼料は、実質的に空間的に分離された2つの成分からなり、前記2つの成分はペーストとソースであり、前記ペーストは前記開口部に近い領域に設けられ、前記ソースは前記底面に近い領域内に設けられる、ことを特徴とする飼料を収容するための保存動物飼料
【請求項2】
側面(4)が、容器(1)の排出方向(11)に拡大する横断面を有している、ことを特徴とする請求項に記載の保存動物飼料
【請求項3】
側面(4)と底面(3)が実質的に、円錐台の側面と天井面の形状を有している、ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の保存動物飼料
【請求項4】
底面(3)及び/又は側面(4)が、収容室(5)へ向いた側にインナーコーティング、好ましくは下塗り及び/又はノンスティックコーティングを有する、ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の保存動物飼料
【請求項5】
前記下塗りは、ポリエステル樹脂、特に改質かつ/又はアルミ顔料の付着したポリエステル樹脂を有し、かつ/又は9g/m 2 と10g/m 2 の間の面積密度を有し、かつ前記ノンスティックコーティングがポリエステル、フェノール樹脂及び/又はポリエステル-フェノール樹脂を有し、かつ/又は7g/m 2 kと9g/m 2 の間の面積密度を有している、ことを特徴とする請求項4に記載の保存動物飼料。
【請求項6】
底面(3)の部分面が、収容室(5)の方向の湾入部(8)を有し、湾入部(8)が開放すべき孔(10)を有し、かつ好ましくは開放部材(9)が湾入部(8)の内部に横たわり、かつ/又は排出方向(11)とは逆に、側面(4)の、排出方向(11)とは逆の一番前の点又は一番前の周よりも、小さい延びを有している、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の保存動物飼料
【請求項7】
開放部材(9)がフラップ(13)を有しており、フラップ(13)が、好ましくは湾入部(8)内に横たわっている、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の保存動物飼料
【請求項8】
開放部材(9)が、弾性又は粘弾性の材料、好ましくはポリ塩化ビニル-プラスチゾル、及び/又はシリコンを有している、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の保存動物飼料
【請求項9】
開放部材(9)が、
-底面(3)の収容室(5)とは逆の側に、又はこの底面(3)のアウターコーティングに、かつ
-底面(3)の収容室(5)へ向いた側に、又は底面(3)のこの側のインナーコーティングに、あるいは、開放すべき孔(10)の周まわりの、底面(3)のこの側に塗布された、場合によってはインナーコーティング上に塗布された、保護コーティング及び/又は付着コーティングに、
付着しており、保護コーティング及び/又は付着コーティングが、好ましくはアルミ顔料の付着したエポキシ樹脂を有し、かつ/又は7g/m2と9g/m2の間の面積密度を有している、
ことを特徴とする請求項2及び好ましくは請求項3から8のいずれか1項に記載の保存動物飼料
【請求項10】
底面(3)とは逆の側面(4)の周まわりによって形成された開口部(6)を閉鎖するための蓋が設けられており、蓋が好ましくは、側面(4)と堅固に結合された端縁セクションと、取り外し可能な引き剥がしセクションとを有し、前記引き剥がしセクションが前記端縁セクションと取り外し可能に結合されており、かつ好ましくはアルミニウム及び/又はブリキ及び/又はプラスチック及び/又は複合プラスチックを有している、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の保存動物飼料
【請求項11】
前記端縁セクションが開口部(6)へ向いた側において、排出方向(11)に側面(4)と正しく整合している、ことを特徴とする請求項10に記載の保存動物飼料
【請求項12】
底面(3)及び/又は側面(4)が、金属、特に金属シート、及び/又はプラスチック及び/又は複合プラスチックを有している、ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の保存動物飼料
【請求項13】
前記2つの成分は、前記収容室内の、前記底面に対して平行に方位づけされた領域に設けられる、請求項1から12のいずれか1項に記載の保存動物飼料。
【請求項14】
側面(4)と底面(3)の、収容室(5)へ向いた側にエアロゾルとして塗布された分離剤、好ましくは0.1と10質量パーセントの間のキサンタンと90質量パーセントと99.9質量パーセントの間のオイルから、特に好ましくは0.5質量パーセントと3質量パーセントの間のキサンタンと97質量パーセントと99.5質量パーセントの間のオイルからなる、さらに好ましくは実質的に1質量パーセントのキサンタンと99質量パーセントのオイルからなる混合物が、飼料を実質的に側面(4)及び底面(3)から分離する、ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の保存動物飼料
【請求項15】
記2つの成分のpH値が未満だけ、特に好ましくは0.5未満だけ、かつ/又は前記2つの成分の塩含有量がパーセント未満だけ、特に.5パーセント未満だけ、かつ/又は前記2つの成分の水分活性値が.2未満だけ、特に.1未満だけ、異なっている、ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の保存動物飼料
【請求項16】
容器(1)に動物飼料を充填する方法であって、
前記容器は、底面と、前記底面の周まわりから立ち上がる側面とを有するので、前記底面と前記側面によって形成される収容室内に前記動物飼料が収容され、かつ、前記動物飼料は、前記側面の、前記底面とは逆の周まわりによって形成される開口部を通して排出することができ、
前記底面が、該底面内の孔を開放するための開放部材と作用的に結合されており、
-側面(4)と底面(3)の、収容室(5)へ向いた側へ分離剤がエアロゾルとして塗布され、前記分離剤が好ましくは0.1と10質量パーセントの間のキサンタンと90質量パーセントと99.9質量パーセントの間のオイルから、特に好ましくは0.5質量パーセントと3質量パーセントの間のキサンタンと97質量パーセントと99.5質量パーセントの間のオイルからなる、さらに好ましくは実質的に1質量パーセントのキサンタンと99質量パーセントのオイルからなる混合物を有し、かつ
ソースである前記動物飼料の第1の成分が最初に収容室(5)に充填され、その後、ペーストである前記動物飼料の第2の成分が前記収容室に充填され、前記ペーストは前記開口部に近い領域に設けられ、前記ソースは前記底面に近い領域内に設けられる、容器に動物飼料を充填する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飼料、特にウェット飼料を収容するための容器に関するものであって、底面と、底面の周まわりから張り出す側面と、を有しているので、底面と側面とによって形成される収容室内に飼料を収容し、かつ側面の、底面とは逆の周まわりによって形成される開口部を通して空にすることができる。本発明はさらに、保存飼料(Konservenfutter)、飼料、特にウェット飼料を収容するための容器を形成する方法及び飼料、特にウェット飼料を収容するための容器を充填する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飼料、特に猫用飼料及び特にウェット飼料をケース又はアルミニウムシェル内に、たとえばポーションあたりの梱包単位で、梱包することが知られている。
【0003】
さらに、飼料ケースのためではないが、一般的にケースのために、蓋を介して通気を行うことが、知られている。
【0004】
すなわち特許文献1(米国特許出願公開第5439724(A)号明細書)は、容器を閉鎖するための蓋を示しており、その場合に蓋は、容器内に形成される真空によって容器に保持されている。この蓋は、圧力除去孔を有しており、それが接着剤によって閉鎖される。
【0005】
さらに特許文献2(米国特許出願第3462037号明細書)は、容器のための蓋を示しており、その蓋は負圧において保持され、第1の材料からなる壁と、クラスター内に配置された多数の開口部を有している;かつ第2の材料からなる閉鎖部材を示し、その閉鎖部材は壁の一方の側の上方で開口部の束の領域内に位置し、かつ多数のセクションを有しており、それらのセクションはそれぞれ開口部の1つ内に密に収容されており、材料の1つが弾性的に変形可能であって、その場合に閉鎖部材のセクションの各所望のセクションは、閉鎖部材へ必要な引き戻し力を加えることによって付属の開口部から除去することができ、それによって容器と周囲雰囲気との間に圧力補償が得られる。
【0006】
特許文献3(仏国特許出願公開第2639002(A1)号明細書)は、熱成型によって離型容器を形成する方法を示している。暖炉の上側にカバーが取り付けられ、カバーの除去が空気の流入を可能にする。
【0007】
特許文献4(独国実用新案登録第20117501(U)号明細書)は、プリンなどのような、ひっくり返して出す製品のための、杯の形状のポーション容器を示している。このポーション容器は底を有しており、その底に閉鎖可能かつ外部から開放すべき通気開口部が形成されている。移送状態においては、通気開口部は引き抜き可能なシールラベルによって閉鎖されている。
【0008】
特許文献5(米国特許出願公開第4154354(A)号明細書)は、容器からの食品の放出を改良するために、通気構造を有する熱可塑性容器を示している。その場合に深絞りされた突出部が設けられており、その突出部は、容器の底領域内に通気をもたらすために、指の爪又はフォークによって小孔をあけることができる。
【0009】
しかし、従来技術の飼料ケースによっては、工具を使わずに、もしくは手を汚さずに、中身全体をほぼ残りなく取り出すこと、もしくはそれができるように、飼料を詰め替えることは、不可能である。特に飼料は、取り出す際にその形状を維持しない。さらに現在普及している動物飼料の製造方法においては、被覆としての第2の成分を有する動物飼料ペーストを該当するケースから、特に見かけのよい製品が生じるように取り出すことは、不可能である。従来技術のケースの使用は、場合によっては不衛生である。というのは、飼料との接触を形成しなければならないからである。そして特に、従来の保存ケース内のウェット飼料の既知のポジティブな特性、特に動物による高い受け入れ、好ましくは少なくとも2年にわたって冷蔵せずに持つこと、重ねられること、及び梱包が丈夫であることを維持しなければならず、しかし梱包は容易に開放可能でなければならず、かつ大量技術的製造と充填もしくはシリーズ製造が可能でなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許出願公開第5439724(A)号明細書
【文献】米国特許出願第3462037号明細書
【文献】仏国特許出願公開第2639002(A1)号明細書
【文献】独国実用新案登録第20117501(U)号明細書
【文献】米国特許出願公開第4154354(A)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、従来技術の上述した欠陥の少なくとも1つを阻止し、あるいは減少させることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これは、冒頭で説明したような容器によって得られ、その場合に底面が、底面内の孔を開放するための開放部材と作用的に結合されている。さらにこれは、保存飼料によって得られ、その場合に飼料が容器の収容室内に説明したように収容される(保存飼料の代わりに保存食料及び飼料の代わりに食料であってもよい);説明されるように、容器を形成する方法によっても得られ、その場合に方法は以下のステップを有する:好ましくは側面と底面の収容室へ向いた側へインナーコーティングを塗布し、かつ底面を底面内の孔を開放するための開放部材と作用的に結合する;説明されるように、飼料、特にウェット飼料によって容器を充填する方法によって得られ、その場合に側面と底面の収容室へ向いた側に分離剤がエアロゾルとして塗布され、その場合に分離剤は好ましくは、0.1と10質量パーセントの間のキサンタンと90質量パーセントと99.9質量パーセントの間のオイルから、特に好ましくは0.5質量パーセントと3質量パーセントの間のキサンタンと97質量パーセントと99.5質量パーセントの間のオイルからなる、さらに好ましくは実質的に1質量パーセントのキサンタンと99質量パーセントのオイルからなる、混合物を有しており、そして次に飼料が収容室内へ充填され、あるいは飼料の第1の成分が、そしてその後に飼料の第2の成分が収容室内へ充填される。質量パーセントというのは、乾燥質量内の、すなわち水の割合を引いた後の、質量パーセントである。
【0013】
底面内の孔を開放するために、底面と作用的に結合された開放部材を設けることにより、もしくはしかるべき容器を形成する方法によって、容器もしくは保存飼料の底面を上面になるようにひっくり返すことが可能である。次に、開放部材によって底面内の孔を開放することができる。したがって容器から飼料を(ほぼ)すべて、かつ実質的に形状変化なしで、表面上へ滑らせることができる。というのは孔を通して空気が収容室内の飼料の上方へ吹き込むことができるからである。それによってさらに、飼料は、排出開口部が下を向いていても、孔が開放されるまでは、収容室内に保持することができる。側面と底面の収容室へ向いた側にインナーコーティングが効果的に塗布されていることによって、それぞれの面における飼料の付着を積極的に調節することができ、かつ飼料が簡単に滑り出ることができるように、調節することができる。インナーコーティングは、好ましくは2層で塗布される;まず下塗りが塗布されて、次にノンスティックコーティングが塗布される。同様に、好ましくは(それぞれの動物にとって)食べることのできる分離剤を、付着を積極的に調節するために用いることができる。
【0014】
容器の好ましい実施形態において、底面は孔を有しており、その場合に孔は、除去可能な開放部材によって閉鎖されている。したがって開放部材は、特に孔の除去可能なシールである。
【0015】
開放部材は、特にそれが、シールのように底面の孔を閉鎖するために用いられる場合に、高い滅菌温度に耐えなければならず、さらに保存期間にわたって密であり続けなければならず、この種の容器も通常、充填後(かつ場合によっては閉鎖後)にその高い滅菌温度にさらされる。したがって開放部材の材料として、特に弾性的もしくは粘弾性的な材料が適している。特に好ましくは開放部材は、ポリマー又は1つのプラスチゾル、たとえばPVCを含む材料又は複数のプラスチゾルあるいはシリコンを含む材料、あるいはそれらの組合せからなる。また、開放部材が他の材料(たとえばアルミニウム、プラスチック及び/又は複合プラスチックその他)から形成されることも、考えられる。
【0016】
さらに、開放すべき、かつ/又はすでに容器内に存在している孔は、一方でできる限り大きくして、それによって空気の通過をできる限り大きくし、他方ではできる限り小さくして、容器の閉鎖安全性と安定性を減少させないようにしなければならない。さらにオートクレーブプロセスの際に発生する圧力変動に耐えられるようにしなければならない。好ましくは孔は、実質的に円形である。孔直径あるいは容器を立てた位置において表面に対して平行の平均的な広がりは、0.5mmと10mmの間、好ましくは1.5mmと4mmの間、さらに好ましくは2mmから3mm、特に好ましくは2.5mmであると、好ましいことが明らかにされている。容器を立てた位置における表面に関して、孔直径又は容器を立てた位置における表面に対して平行な平均的な広がりが、表面に対して平行の底面の平均的な広がりの1と10パーセントの間、特に好ましくは3と6パーセントの間に相当すると、効果的である。
【0017】
立てた位置において、容器は底面を下にして立つ;側面は、実質的に上を向いている。この立てた位置において、容器は通常、充填される。容器を保管する場合に、底面は通常上を向いている;すなわち容器は、たとえば排出開口部を定める周まわりを下にして立つ。
【0018】
代替的に、たとえば底面にプレ刻印もしくは部分的な打ち抜きを設けることもでき、その場合に開放部材は、底面の適切に画成された部分を底面から除去して、孔を形成するために用いられる。その場合に開放部材は、特に突起、もしくはリフトフラップあるいはリフト突出部とすることができ、それによって底面から画成された/プレ刻印された部分を除去し、もしくは押し出すことができる。さらに開放部材としてフラップが考えられ、そのフラップによって底面の画成された/プレ刻印された部分を底面から引き出し、もしくは引きちぎることができる。
【0019】
側面が容器の排出方向に拡大する横断面を有していると、効果的である。したがって飼料は滑り出す際に即座に壁から離れ、かつ全体としてその形状をより良好に保つことができる。
【0020】
排出方向とは、底面に対して法線方向(あるいは、底面が実質的に平坦でない限りにおいて、容器を立てた位置において表面に対して法線方向)であり、かつ底面から、側面の底面とは逆の周まわりによって形成される開口部を指す方向であって、その開口部を通して飼料を排出することができる。
【0021】
好ましい実施形態において、側面と底面は、実質的に円錐台の側面と天井面の形状を有している。好ましくはそれは、まっすぐな円錐台であって、その天井面と底面は平行であり、かつその高さは天井面に対して法線方向である。好ましくは容器は、猫飼料のための通常のケースの形状を有している。
【0022】
飼料ができる限り簡単に残りなく、かつ実質的にすべてが容器から離れることができるようにするために、底面及び/又は側面が収容室へ向いた側に、好ましくは下塗り及び/又はノンスティックコーティングを有する、インナーコーティングを備えていると、効果的であって、その場合に好ましくは下塗りは、特に改質された、かつ/又はアルミ顔料の付着した、ポリエステル樹脂を有し、かつ/又は9g/m2と10g/m2の面積密度を有し、かつ好ましくはノンスティックコーティングがポリエステル、フェノール樹脂及び/又はポリエステル-フェノール樹脂を有し、かつ/又は7g/m2と9g/m2の間の面積密度を有している。特に、容器の内表面が滑らかであり、たとえば微視的に滑らかであると、効果的である。好ましくはインナーコーティングは、110℃を越える滅菌温度においても飼料が容器に付着しないようにするために、用いられる。さらに、インナーコーティングによる可能な効果をずっと高めるために、充填前に容器に種々のオイルと分離剤、たとえばオイルとキサンタンが噴霧されると、効果的である。
【0023】
好ましくは収容室内の底面上で、開放部材によって閉鎖されている孔上に保護コーティング及び/又は付着コーティングが塗布される。保護コーティング及び/又は付着コーティングは、腐食性のケース材料において孔領域内の腐食を阻止する。さらに、保護コーティング及び/又は付着コーティングは、底面における開放手段の付着を改良するために用いることができるので、たとえば放出する際に開放手段が飼料内へ、あるいは飼料上に移動することがない。
【0024】
好ましい実施形態において、底面の部分面が収容室の方向に湾入部を有しており、その場合に湾入部が開放すべき孔を有し、かつその場合に好ましくは開放部材は湾入部8の内部に横たわっており、かつ/又は排出方向とは逆に、側面の排出方向とは逆の一番前の点あるいは一番前の周よりも、小さい延びを有している。したがって、たとえば移送路上での、擦れ落ちを阻止することができる。
【0025】
開放部材は、たとえば利用者が指1本もしくは指の爪を底面に沿って移動させるだけで、開放部材をスライドさせ、あるいは持ち上げて、孔が開放されるように、底面と作用的に結合することができる。開放部材がフラップを有することができ、その場合にフラップは好ましくは、底面の湾入部内に横たわる。したがって利用者は、フラップを引っ張って、底面と作用的に結合されている開放部材によって底面に孔をあけることができる。たとえば、開放部材がフラップの形状を有することもできる。
【0026】
開放部材が弾性的又は粘弾性的な材料、好ましくはポリ塩化ビニル-プラスチゾル及び/又はシリコンを有していると、効果的である。これは特に、底面が開放部材によって閉鎖された孔を有しており、その孔がシールとしての開放部材によって閉鎖される場合に、効果的である。したがって形成は特に簡単であって、開放部材がたとえば打ち抜かれた孔上に、好ましくは収容室とは逆の側からも、収容室へ向いた側からも、設けられている。
【0027】
好ましい実施形態において、開放部材は、
-底面の収容室とは逆の側、あるいは底面の収容室とは逆の側のアウターコーティングに、かつ
-底面の収容室側又は底面の収容室側のインナーコーティングに、あるいは底面の開放すべき孔の周囲において、場合によってはインナーコーティング上に、塗布された保護コーティング及び/又は付着コーティングに、
付着し、その場合に保護コーティング及び/又は付着コーティングは好ましくはアルミ顔料の付着したエポキシド樹脂及び/又は7g/m2と9g/m2の間の面積密度を有する。
したがって孔を閉鎖する開放部材の密閉性を改良することができる。
【0028】
側面の底面とは逆の周まわりに形成された開口部を閉鎖するための蓋が設けられていると、効果的である。その場合に蓋は、側面と堅固に結合された端縁セクション(たとえばカバーリング)と取り外し可能な引き剥がしセクションとを有しており、その引き剥がしセクションは端縁セクションと取り外し可能に結合されており、かつ好ましくはアルミニウム及び/又はブリキ及び/又はプラスチック及び/又は複合プラスチックを有している。端縁セクションは、側面と永続的に、たとえば折りたたみ又はフランジ止めによって結合されている。取り外し可能な引き剥がしセクションは、たとえば端縁セクション上に接着し、もしくは密着させ、あるいはそれと一体とすることができ、その場合に部分的に打ち抜かれた引き剥がすべき箇所が設けられている。飼料を与える場合に、まず蓋を取り去って、ケースの底面を上にするので、飼料は容器から重力によってほぼ一体的に引き出される。
【0029】
引き剥がしセクションを除去した後にもたらされる開口部は、残りの側面と同一平面となり、したがって排出する際に飼料の障害となるものがない。したがって、端縁セクションが開放部材へ向いた側において排出方向に側面と正しく整合すると、効果的である。これは、側面の内壁、すなわち容器が充填された状態において飼料と接触する、側面の壁が、端縁セクションと正しく整合していることを、意味している。すなわち排出方向に見て、端縁セクションは側面の周まわりによって形成される、開口部の面内へ張り出さず、かつ排出する際に飼料の一部にとってじゃまにならない。したがって飼料は、実質的に全部、かつ形状変化なしで容器から排出することができる。たとえば、引き剥がしセクションが端縁セクションと接着結合され、もしくは密着している場合に、端縁セクションの、引き剥がしセクションが接着され/密着している載置面は、開口部から離れた方を向いている。引き剥がしセクションが、部分打ち抜きによって除去可能である限りにおいて、部分打ち抜きは実質的に、側面の開口部を形成する周まわりに従い、かつ/又は、それぞれ排出方向に考えて、その外部に位置するが、周まわりの内部に位置しない。
【0030】
通常、飼料容器、特に飼料ケースの側面の開口部を形成する周まわりは、たとえば安定性を向上させ、もしくは蓋との結合を可能にするために、端縁セクション、フランジ、リップ又は折りたたみを有している。したがって本発明においては、この種の装置が従来のケースにおいて一般的であるように、収容室の方向へ立っていないと、効果的である。したがって好ましい実施形態において、側面はその底面とは逆の周まわりから張り出す面を有しており、その面は開口部とは逆を向いている。この面は、特に、一方で側面と底面に全体として安定性を与えるために用いられ、他方では容器を蓋によって閉鎖するために用いられる。
【0031】
好ましい実施形態において、底面及び/又は側面は金属、たとえばアルミニウム、鉄、鋼又はそれらの混合物、特に、たとえば上述した基礎材料からなる金属シート及び/又はプラスチック及び/又は複合プラスチックを有している。
【0032】
本発明に係る保存飼料を参照して、容器の収容室内に飼料を収容することによって、ここで説明するように、飼料をほぼ残らず、全部かつ/又は補助手段を使用せずに、もしくは指を汚さずに、容器から排出し/滑り出させることができる。
【0033】
側面と底面の収容室へ向いた側にエアロゾルとして塗布される分離剤、好ましくは0.1と10質量パーセントの間のキサンタンと90質量パーセントと99.9質量パーセントの間のオイルから、特に好ましくは0.5質量パーセントと3質量パーセントの間のキサンタンと97質量パーセントと99.5質量パーセントの間のオイルからなる、さらに好ましくは実質的に1質量パーセントのキサンタンと99質量パーセントのオイルからなる混合物が、飼料を実質的に側面及び底面から分離すると、効果的である。この分離剤によって、特に容器における飼料の付着が減少されるので、飼料は容器からより容易に剥がれる。特に容器のインナーコーティングの効果も、改良することができる。分離剤は、好ましくは(容器の充填前に)細かく霧化されたエアロゾルとして塗布されるので、それによって、分離剤が飼料内に沈積することを阻止することができる。
【0034】
飼料が実質的に空間的に分離された(混合されていない)2つの成分からなり、その場合に2つの成分のpH値は、好ましくは少なくとも1未満だけ、好ましくは0.5未満だけ、かつ/又は2つの成分の塩含有量が、より低い塩含有量を有する成分の塩含有量の、好ましくは5パーセント未満だけ、特に好ましくは2.5パーセント未満だけ、異なり、かつ/又は2つの成分の水分活性値が0.2未満だけ、特に好ましくは0.1未満だけ異なっていると、効果的である。水分活性(aW-)値は、所定の温度-ここでは20℃-における純粋な水の飽和蒸気圧(P0)に対する食品内の水蒸気部分圧(P)の比として定められている;aW=P/P0。2つの成分を使用し、その場合に飼料を容器から放出した後に、一方の成分が好ましくは第2の成分を実質的に覆うように配置されていることによって、特に見た目のよい飼料を得ることができ、たとえば養うべき動物による受け入れを高めることができる。成分の組成に関する類似性によって、特に保管が長くなる場合に、2つの成分の混合もしくは2つの成分の間の材料移動がもたらされることを、阻止することができる。さらに、2つの成分の材質は似たものとされ、したがって飼料をあてがわれる動物をまごつかせることがない。
【0035】
好ましくは2つの成分は、好ましくはペーストとソースである。2つの成分は、特に収容室内の、底面/天井面に対して平行に方位づけされた領域内に設けられる。好ましくはペーストは天井近傍の領域内に、そしてソーは底近傍の領域内に設けられる。排出する際に、まずペーストが流出し、そのペーストのすぐ上に次に流れるソースが注がれる。飼料の全体積に関して、すなわち2つの成分の全体積に関して、第1の成分、好ましくはペーストが、少なくとも20体積パーセントかつ/又は他の成分、特にソースが、少なくとも20体積パーセントであると、好ましい。
【0036】
容器を形成するための本発明に係る方法に関して、側面と底面は、たとえば従来の方法によって形成することができ、その場合に次に好ましくは、側面と底面の収容室へ向いた側にインナーコーティングが塗布され、その後底面が底面内の孔を開放するための開放部材と作用的に結合される。
【0037】
この方法の好ましい実施形態において、底面内の孔を開放するための開放部材と底面を作用的に結合することは、以下のステップを有する:
-好ましくは、底面の収容室へ向いた側の孔の周囲に保護コーティング及び/又は付着コーティングを塗布し;
-底面に孔を打ち抜き;
-底面の収容室とは逆の側から開放部材の材料組成を塗布し;かつ
-底面の収容室へ向いた側から開放部材の材料組成を塗布する。
特に最後に挙げた2つのステップの順序は、入れ替えることもできる。方法のこの変形例は、底面内の孔を開放するための、底面と作用的に結合された開放部材を形成する、特に簡単な可能性を表す。さらに、両側から開放部材の材料組成を塗布することは、密閉性の改良をもたらす。
【0038】
これまで説明されたように、飼料によって容器を充填する方法に関して、分離剤を設けることによって、容器から飼料もしくは飼料の2つの成分を特に良好に剥がすことができる。
【0039】
以下、図を用いて本発明を説明し、その図は実施形態を示すものであって、保護領域を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1図1は、本発明に係る容器の実施形態を、容器を立てた位置で表面に対して法線方向に示す横断面図である。
図2図2は、図1と同じ実施形態の詳細を示している。
図3図3は、図1と同じ実施形態の底面を下から示す上面図である。
図4図4は、図1と同じ実施形態を、開放手段なしで斜め上から示している。
図5図5は、図1と同じ実施形態を、開放手段なしで斜め下から示している。
図6図6は、本発明に係る容器の実施形態を、持ち上げた蓋と共に斜め上から示している。
図7図7は、本発明に係る容器の実施形態を、持ち上げた蓋と共に斜め下から示している。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、本発明に係る容器1の好ましい実施形態を片側から、容器1を立てた位置で表面2に対して法線方向の横断面で示している。容器1は、底面3と底面3の周まわりから立ち上がる側面4とを有している。底面3と側面4が収容室5を形成し、その中に飼料を収容して、保存飼料を形成することができる。さらに側面4の、底面とは逆の周まわりが開口部6を形成し、その開口部を通して飼料を容器1から排出することができる。この実施形態において、開口部6は蓋7によって閉鎖されている。蓋7は、端縁セクション12と引き剥がしセクション14を有している。容器1の底面3と側面4は、実質的に円錐台の天井面と側面を形成しており、その場合に蓋7は、実質的に円錐台の底面に相当する。底面3は、収容室5の方向の湾入部8内に、取り外し可能な開放部材9によって閉鎖された孔10を有しており、底面3がその開放部材と作用的に結合されている。その場合に開放部材9は、底面3の収容室5へ向いた側にも、収容室とは逆の側にも付着している。開放部材9を除去することによって孔10を開放することができるので、孔10を通して空気が容器1内へ、特に底面3と容器1に充填することができる飼料との間に、達することができる。
【0042】
排出方向11が、一部破線の矢印で記入されている。側面4は、排出方向に拡大する横断面を有している。
【0043】
図2は、図1と同じ実施形態の側面4の、底面3とは逆の周まわりを詳細に示している。
【0044】
図3は、図1と同じ実施形態の底面3を、排出方向11に見た図である。その場合に切り欠き8内に、底面3と作用的に結合された開放部材9が横たわっており、その開放部材が孔10を閉鎖している。したがってここでは、開放部材9は、除去可能なシールであって、それが孔10を閉鎖している。さらに、開放部材9はフラップ13を有しており、その場合に開放部材9はフラップ13によって、あるいは簡単に逆方向/下方へ移動させることにより、除去可能とすることができる。
【0045】
容器1の代替的な実施形態において、ここでも底面3と底面3の周まわりから立ち上がる側面4が設けられている。底面3と側面4が収容室5を形成し、その中に飼料を収容することができる。さらに、側面4の、底面3とは逆の周まわりが開口部6を形成しており、その開口部を通して容器1から飼料を排出することができる。底面3内の孔10を開放するための開放部材9が、底面3と作用的に結合されている。この実施形態において、容器1は2つに分かれており、その場合に第1の部分が底面3と側面4によって形成される。第2の部分は実質的に、側面4の、底面3とは逆の周まわりの形状を有している。側面4が実質的に円錐台の側面の形状を有している限りにおいて、第2の部分は実質的に、側面4の底面3とは逆の周まわりと実質的に同一の直径を有するリングの形状を有している。その場合に第2の部分は、第1の部分と、たとえばフランジ止め、折りたたみ、接着又は溶接によって結合されている。第2の部分は、張り出した端縁を有することができ、その端縁が引き剥がし蓋7の載置面12として用いられる。代替的に、第2の部分はつながった面として形成することもでき、その場合に面の周まわりは実質的に側面4の、底面3とは逆の周まわりに相当する。その場合に第2の部分の面は、ループに沿って部分的なフライス削りを有することができ、その場合にフライス削りの内部の部分面は、たとえばシールリングによって引き剥がすことができる;したがって部分面は、この実施形態において、引き剥がし蓋7を形成する。
【0046】
図4は、図1と同じ容器1の実施形態を斜め上から示しており、その場合に開放手段9は取り除かれており、もしくは示されていない。図5は同様に図1と同じ実施形態を、開放手段なしで、斜め下から見て示している。特に孔10と切り欠き8(収容室5の方向に)が見られ、その孔は、開けられる前に開放手段9によって閉鎖され、かつ切り欠きの内部においては、容器1の底面3上に開放手段9(図示せず)が横たわっている。
【0047】
図6は、本発明に係る容器1の実施形態を、持ち上げた蓋7と共に斜め上から示している。図7は、図6と同じ実施形態を、持ち上げられた蓋7と共に斜め下から示している。蓋7は、端縁セクション12と引き剥がしセクション14とを有している。その場合に通常のように、端縁セクション12は側面4の、開口部6を形成する周まわりと、たとえば折りたたみ又はフランジ止めによって、堅固に結合され、もしくは結合されている。その場合に容器1は、引き剥がしセクション14が端縁セクション12から除去されることによって、開放することができる。開放手段9は、フラップ13によって除去することができ、その場合に底面3内に孔(見えない)が開放される。
なお、本開示の態様には以下のものも含まれる。
〔態様1〕
飼料、特にウェット飼料を収容するための容器(1)であって、底面(3)と、底面(3)の周まわりから立ち上がる側面(4)とを有するので、底面(3)と側面(4)によって形成される収容室(5)内に飼料が収容され、かつ側面(4)の、底面(3)とは逆の周まわりによって形成される開口部(6)を通して排出することができる、ものにおいて、
底面(3)が、底面(3)内の孔(10)を開放するための開放部材(9)と作用的に結合されている、ことを特徴とする飼料を収容するための容器(1)。
〔態様2〕
底面(3)が孔(10)を有し、孔(10)が、除去可能な開放部材(9)によって閉鎖されている、ことを特徴とする態様1に記載の容器(1)。
〔態様3〕
側面(4)が、容器(1)の排出方向(11)に拡大する横断面を有している、ことを特徴とする態様1又は2に記載の容器(1)。
〔態様4〕
側面(4)と底面(3)が実質的に、円錐台の側面と天井面の形状を有している、ことを特徴とする態様1から3のいずれか1つに記載の容器(1)。
〔態様5〕
底面(3)及び/又は側面(4)が、収容室(5)へ向いた側にインナーコーティング、好ましくは下塗り及び/又はノンスティックコーティングを有し、好ましくは下塗りは、特に改質かつ/又はアルミ顔料の付着した、ポリエステル樹脂を有し、かつ/又は9g/m 2 と10g/m 2 の間の面積密度を有し、かつ好ましくはノンスティックコーティングがポリエステル、フェノール樹脂及び/又はポリエステル-フェノール樹脂を有し、かつ/又は7g/m 2 kと9g/m 2 の間の面積密度を有している、ことを特徴とする態様1から4のいずれか1つに記載の容器(1)。
〔態様6〕
底面(3)の部分面が、収容室(5)の方向の湾入部(8)を有し、湾入部(8)が開放すべき孔(10)を有し、かつ好ましくは開放部材(9)が湾入部(8)の内部に横たわり、かつ/又は排出方向(11)とは逆に、側面(4)の、排出方向(11)とは逆の一番前の点又は一番前の周よりも、小さい延びを有している、ことを特徴とする態様1から5のいずれか1つに記載の容器(1)。
〔態様7〕
開放部材(9)がフラップ(13)を有しており、フラップ(13)が、好ましくは湾入部(8)内に横たわっている、ことを特徴とする態様1から6のいずれか1つに記載の容器(1)。
〔態様8〕
開放部材(9)が、弾性又は粘弾性の材料、好ましくはポリ塩化ビニル-プラスチゾル、及び/又はシリコンを有している、ことを特徴とする態様1から7のいずれか1つに記載の容器(1)。
〔態様9〕
開放部材(9)が、
-底面(3)の収容室(5)とは逆の側に、又はこの底面(3)のアウターコーティングに、かつ
-底面(3)の収容室(5)へ向いた側に、又は底面(3)のこの側のインナーコーティングに、あるいは、開放すべき孔(10)の周まわりの、底面(3)のこの側に塗布された、場合によってはインナーコーティング上に塗布された、保護コーティング及び/又は付着コーティングに、
付着しており、保護コーティング及び/又は付着コーティングが、好ましくはアルミ顔料の付着したエポキシ樹脂を有し、かつ/又は7g/m 2 と9g/m 2 の間の面積密度を有している、
ことを特徴とする態様2及び好ましくは態様3から8のいずれか1つに記載の容器(1)。
〔態様10〕
底面(3)とは逆の側面(4)の周まわりによって形成された開口部(6)を閉鎖するための蓋が設けられており、蓋が好ましくは、側面(4)と堅固に結合された端縁セクションと、取り外し可能な引き剥がしセクションとを有し、前記引き剥がしセクションが前記端縁セクションと取り外し可能に結合されており、かつ好ましくはアルミニウム及び/又はブリキ及び/又はプラスチック及び/又は複合プラスチックを有している、ことを特徴とする態様1から9のいずれか1つに記載の容器(1)。
〔態様11〕
前記端縁セクションが開口部(6)へ向いた側において、排出方向(11)に側面(4)と正しく整合している、ことを特徴とする態様10に記載の容器(1)。
〔態様12〕
底面(3)及び/又は側面(4)が、金属、特に金属シート、及び/又はプラスチック及び/又は複合プラスチックを有している、ことを特徴とする態様1から11のいずれか1つに記載の容器(1)。
〔態様13〕
保存飼料において、
飼料が、態様1から12のいずれか1つに記載の容器(1)の収容室(5)内に収容されている、ことを特徴とする保存飼料。
〔態様14〕
側面(4)と底面(3)の、収容室(5)へ向いた側にエアロゾルとして塗布された分離剤、好ましくは0.1と10質量パーセントの間のキサンタンと90質量パーセントと99.9質量パーセントの間のオイルから、特に好ましくは0.5質量パーセントと3質量パーセントの間のキサンタンと97質量パーセントと99.5質量パーセントの間のオイルからなる、さらに好ましくは実質的に1質量パーセントのキサンタンと99質量パーセントのオイルからなる混合物が、飼料を実質的に側面(4)及び底面(3)から分離する、ことを特徴とする態様13に記載の保存飼料。
〔態様15〕
飼料が、実質的に空間的に分離された2つの成分からなり、前記2つの成分のpH値が好ましくは1未満だけ、特に好ましくは0.5未満だけ、かつ/又は前記2つの成分の塩含有量が好ましくは5パーセント未満だけ、特に好ましくは2.5パーセント未満だけ、かつ/又は前記2つの成分の水分活性値が好ましくは0.2未満だけ、特に好ましくは0.1未満だけ、異なっている、ことを特徴とする態様13又は14に記載の保存飼料。
〔態様16〕
態様1から12のいずれか1つに記載の容器(1)を形成する方法であって、該方法が以下のステップ:
-好ましくは側面(4)と底面(3)の、収容室(5)へ向いた側にインナーコーティングを塗布するステップと、
-底面(3)を、底面(3)内の孔(10)を開放するための開放部材と作用的に結合するステップと、を有する、
容器(1)を形成する方法。
〔態様17〕
底面(3)を、底面(3)内の孔(10)を開放するための開放部材(9)と作用的に結合するステップが次のステップ:
-好ましくは保護コーティング及び/又は付着コーティングを、孔(10)の周まわり内で底面(3)の、収容室(5)へ向いた側へ塗布するステップと、
-底面(3)に孔(10)を打ち抜くステップと、
-底面(3)の、収容室(5)とは逆の側から開放部材(9)の材料組成を塗布するステップと、
-底面(3)の、収容室(5)へ向いた側から開放部材(9)の材料組成を塗布するステップと、を有する、
ことを特徴とする態様16に記載の容器(1)を形成する方法。
〔態様18〕
態様1から12のいずれか1つに記載の容器(1)を、飼料、特にウェット飼料で充填する方法において、
-側面(4)と底面(3)の、収容室(5)へ向いた側へ分離剤がエアロゾルとして塗布され、前記分離剤が好ましくは0.1と10質量パーセントの間のキサンタンと90質量パーセントと99.9質量パーセントの間のオイルから、特に好ましくは0.5質量パーセントと3質量パーセントの間のキサンタンと97質量パーセントと99.5質量パーセントの間のオイルからなる、さらに好ましくは実質的に1質量パーセントのキサンタンと99質量パーセントのオイルからなる混合物を有し、かつ
-次に、飼料が収容室(5)内へ充填され、あるいは飼料の第1の成分が、そしてその後に飼料の第2の成分が収容室(5)内へ充填される、
ことを特徴とする容器を充填する方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7