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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240311BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240311BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20240311BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20240311BHJP
【FI】
G09F9/30 309
G09F9/00 348A
G09F9/30 308Z
G09F9/30 310
G09F9/30 365
H10K50/10
H10K59/10
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022163643
(22)【出願日】2022-10-12
(65)【公開番号】P2023061373
(43)【公開日】2023-05-01
【審査請求日】2022-10-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0139772
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】クウォン ホイヨン
(72)【発明者】
【氏名】ソン ジフン
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-211191(JP,A)
【文献】特開2013-045522(JP,A)
【文献】特開2015-166862(JP,A)
【文献】特開2016-110640(JP,A)
【文献】特開2017-054112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30
G09F 9/00
H10K 50/10
H10K 59/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域、及び前記表示領域から延びて、パッド領域を含む非表示領域を含み、透明伝導性酸化物と酸化物半導体のいずれか一つからなる基板と、
前記基板上に配置された複数の無機絶縁層と、
第1端部が前記パッド領域上に配置され、第2端部が前記基板の外側に配置されたダム部材と
前記ダム部材を覆うように配置され、第1端部が前記パッド領域に配置された複数のフレキシブルフィルムと
前記パッド領域で前記ダム部材と前記表示領域との間に配置された複数のパッドと、
前記複数のパッドと前記複数のフレキシブルフィルムそれぞれの間に配置された複数の導電性接着部材と
を含
前記複数の導電性接着部材のエッジは、前記基板の外側で前記ダム部材上に配置された、
表示装置。
【請求項2】
前記複数のフレキシブルフィルム上で前記パッド領域を覆うシール部材をさらに含み、
前記複数の導電性接着部材及び前記シール部材は、一部分が前記基板の外側に配置されて前記ダム部材を覆う、請求項に記載の表示装置。
【請求項3】
前記ダム部材上に配置された前記シール部材のエッジは、前記複数の導電性接着部材のエッジより前記基板の内側に隣接するように配置される、請求項に記載の表示装置。
【請求項4】
前記ダム部材は、
前記パッド領域上に配置された第1の端部を有する第1ダムと、
前記パッド領域上に配置され、前記第1ダム上に配置された第1の端部を有する第2ダムと
を含み、
前記第1ダムは、前記第2ダムとは異なる物質からなる、請求項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記複数の導電性接着部材は、前記第1ダム及び前記第2ダムの一端を覆う、請求項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2ダムと前記複数のフレキシブルフィルムそれぞれの間に配置された複数のテープをさらに含む、請求項に記載の表示装置。
【請求項7】
表示領域、及び前記表示領域から延びて、パッド領域を含む非表示領域を含み、透明伝導性酸化物と酸化物半導体のいずれか一つからなる基板と、
前記基板上に配置された複数の無機絶縁層と、
第1端部が前記パッド領域上に配置され、第2端部が前記基板の外側に配置されたダム部材と、
前記ダム部材を覆うように配置され、第1端部が前記パッド領域に配置された複数のフレキシブルフィルムと
を含み、
前記ダム部材の下面は、前記基板の上面より上側に配置される
示装置。
【請求項8】
表示領域、及び前記表示領域から延びて、パッド領域を含む非表示領域を含み、透明伝導性酸化物と酸化物半導体のいずれか一つからなる基板と、
前記基板上に配置された複数の無機絶縁層と、
第1端部が前記パッド領域上に配置され、第2端部が前記基板の外側に配置されたダム部材と、
前記ダム部材を覆うように配置され、第1端部が前記パッド領域に配置された複数のフレキシブルフィルムと、
前記表示領域で前記複数の無機絶縁層上に配置され、アノード、発光層及びカソードを含む発光ダイオードと、
前記表示領域で前記アノードと前記発光層との間に配置されたバンクと
を含み、
前記ダム部材は、少なくとも一部分が前記バンクと同じ物質からなる
示装置。
【請求項9】
複数のパッドが配置された複数の第1領域及び前記複数の第1領域の間の複数の第2領域を含み、透明伝導性酸化物と酸化物半導体のいずれか一つからなる基板と、
前記基板と前記複数のパッドとの間に配置された複数の無機絶縁層と、
前記複数の第1領域及び前記複数の第2領域で前記基板のエッジを覆うダム部材と、
前記ダム部材上に配置され、前記複数のパッドと電気的に連結された複数のフレキシブルフィルムと、
前記複数のパッドと前記複数のフレキシブルフィルムとの間に配置された複数の導電性接着部材と
前記基板上に配置されたバンクと、
前記バンクと前記複数の無機絶縁層との間に配置された平坦化層と
を含み、
前記ダム部材の一部分は、前記基板上に配置され、前記ダム部材の残りの部分は、前記基板の外側に配置され
前記基板の外側に配置された前記ダム部材の下面の一部分は、前記基板より高く配置される、
表示装置。
【請求項10】
前記複数のフレキシブルフィルム上で前記複数の第1領域及び前記複数の第2領域を覆うシール部材をさらに含み、
前記シール部材は、前記複数の第2領域で前記複数の無機絶縁層を覆う、請求項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記複数の導電性接着部材のエッジは、前記シール部材のエッジの外側に配置された、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記ダム部材は、前記バンクと同じ物質からなり、
前記基板の外側に配置された前記ダム部材の一部分の厚さは、前記バンクの厚さより厚い、請求項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記ダム部材は、
前記バンクと同じ物質からなる第1ダムと、
前記第1ダム上に配置され、前記第1ダムとは異なる物質からなる第2ダムとを含む、請求項に記載の表示装置。
【請求項14】
前記基板の外側に配置された前記第1ダムの一部分の厚さは、前記バンクの厚さと同一である、請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第2ダムと前記複数のフレキシブルフィルムそれぞれの間に貼り付けられた複数のテープをさらに含む、請求項13に記載の表示装置。
【請求項16】
透明伝導性酸化物と酸化物半導体のいずれか一つからなり、表示領域および前記表示領域から延び、パッド領域を含む非表示領域を含む基板と、
前記基板上に配置された複数の無機絶縁層と、
前記パッド領域に配置された複数のフレキシブルフィルムと、
前記パッド領域に配置された複数のパッドと、
前記複数のパッドと前記複数のフレキシブルフィルムとの間に配置された複数の導電性接着部材と、
少なくとも第1部分および第2部分を含むダム部材と
を含
前記第1部分は、前記パッド領域において前記無機絶縁層の少なくとも1つから離れて第1方向に延在し、前記第2部分は、前記第1方向と交差する第2方向に前記第1部分及び前記パッドから離れて延在
前記ダム部材は、
第1ダムと、
前記第1ダム上に配置される第2ダムと
を含み、
前記第1ダムは、前記第2ダムとは異なる物質からなる、
表示装置。
【請求項17】
前記導電性接着部材は、前記ダム部材上に配置される、請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
透明伝導性酸化物と酸化物半導体のいずれか一つからなり、表示領域および前記表示領域から延び、パッド領域を含む非表示領域を含む基板と、
前記基板上に配置された複数の無機絶縁層と、
前記パッド領域に配置された複数のフレキシブルフィルムと、
前記パッド領域に配置された複数のパッドと、
前記複数のパッドと前記複数のフレキシブルフィルムとの間に配置された複数の導電性接着部材と、
少なくとも第1部分および第2部分を含むダム部材と、
前記ダム部材と前記複数のフレキシブルフィルムのうちの対応するフレキシブルフィルムとの間に配置されるテープ
を含み、
前記第1部分は、前記パッド領域において前記無機絶縁層の少なくとも1つから離れて第1方向に延在し、前記第2部分は、前記第1方向と交差する第2方向に前記第1部分及び前記パッドから離れて延在する、
示装置。
【請求項19】
透明伝導性酸化物と酸化物半導体のいずれか一つからなり、表示領域および前記表示領域から延び、パッド領域を含む非表示領域を含む基板と、
前記基板上に配置された複数の無機絶縁層と、
前記パッド領域に配置された複数のフレキシブルフィルムと、
前記パッド領域に配置された複数のパッドと、
前記複数のパッドと前記複数のフレキシブルフィルムとの間に配置された複数の導電性接着部材と、
少なくとも第1部分および第2部分を含むダム部材と、
を含み
前記第1部分は、前記パッド領域において前記無機絶縁層の少なくとも1つから離れて第1方向に延在し、前記第2部分は、前記第1方向と交差する第2方向に前記第1部分及び前記パッドから離れて延在し、
前記ダム部材の前記第2部分の下面は、前記基板の上面よりも高い位置に配置される
示装置。
【請求項20】
前記複数のフレキシブルフィルム上の前記パッド領域を覆うシール部材をさらに含み、前記シール部材は、前記ダム部材の第2部分よりも短く前記第2方向に延びる、請求項16に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、より詳細には、プラスチック基板を除去してフレキシビリティを向上させながらパッド領域の信頼性を向上させた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータのモニタやTV、携帯電話等に使用される表示装置には、自ら光を発光する有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display;OLED)等と、別途の光源を要する液晶表示装置(Liquid Crystal Display;LCD)等がある。
【0003】
表示装置は、コンピュータのモニタ及びTVだけではなく、個人携帯機器までその適用範囲が多様になっており、広い表示面積を有しながらも減少した体積及び重さを有する表示装置についての研究が進行している。
【0004】
また、近年は、フレキシブル(flexible)な基板に表示素子、配線等を形成して、折り畳まれるまたは巻き取られても画像表示が可能に製造されるフレキシブル表示装置が次世代の表示装置として注目を集めている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、プラスチック基板の代わりに透明伝導性酸化物層または酸化物半導体層を基板として使用した表示装置を提供することである。
【0006】
本発明が解決しようとする他の課題は、パッド領域で複数の無機絶縁層のクラック発生を最小化した表示装置を提供することである。
【0007】
本発明が解決しようとするさらに他の課題は、パッド領域におけるシール部材の未硬化部分を除去した表示装置を提供することである。
【0008】
本発明が解決しようとするさらに他の課題は、パッド領域における基板の飛散を最小化した表示装置を提供することである。
【0009】
本発明が解決しようとするさらに他の課題は、表示装置の製造時、基板の下部に貼り付けられた仮基板と基板を容易に分離可能な表示装置を提供することである。
【0010】
本発明が解決しようとするさらに他の課題は、表示装置の製造時、基板の外側にオーバーフローされたシール部材及び導電性接着部材により仮基板と基板のLLO工程不良を最小化した表示装置を提供することである。
【0011】
本発明が解決しようとするさらに他の課題は、プラスチック基板を除去して工程を単純化し、製造コスト節減が可能な表示装置を提供することである。
【0012】
本発明の課題は、以上において言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために、本発明の一実施例に係る表示装置は、表示領域、及び表示領域から延びて、パッド領域を含む非表示領域を含み、透明伝導性酸化物と酸化物半導体のいずれか一つからなる基板、基板上に配置された複数の無機絶縁層、一端がパッド領域上に配置され、他端が基板の外側に配置されたダム部材、及びダム部材を覆うように配置され、一端がパッド領域に配置された複数のフレキシブルフィルムを含む。従って、パッド領域を覆うダム部材を形成して、基板のエッジで複数の無機絶縁層のクラックを最小化することができる。
【0014】
上述した課題を解決するために、本発明の他の実施例に係る表示装置は、複数のパッドが配置された複数の第1領域及び複数の第1領域の間の複数の第2領域を含み、透明伝導性酸化物と酸化物半導体のいずれか一つからなる基板、基板と複数のパッドとの間に配置された複数の無機絶縁層、複数の第1領域及び複数の第2領域で基板のエッジを覆うダム部材、ダム部材上に配置され、複数のパッドと電気的に連結された複数のフレキシブルフィルム、及び複数のパッドと複数のフレキシブルフィルムとの間に配置された複数の導電性接着部材を含み、ダム部材の一部分は、基板上に配置され、ダム部材の残りの部分は、基板の外側に配置される。従って、基板のエッジを覆うダム部材を形成して、パッド領域に位置した複数の無機絶縁層を支持することができる。
【0015】
上述した課題を解決するために、本発明のさらに他の実施例に係る表示装置は、透明伝導性酸化物と酸化物半導体のいずれか一つからなり、表示領域および表示領域から延び、パッド領域を含む非表示領域を含む基板と、基板上に配置された複数の無機絶縁層と、パッド領域に配置された複数のフレキシブルフィルムと、パッド領域に配置された複数のパッドと、複数のパッドと前記複数のフレキシブルフィルムとの間に配置された複数の導電性接着部材と、少なくとも第1部分および第2部分を含むダム部材とを含む表示装置であって、第1部分は、パッド領域において前記無機絶縁層の少なくとも1つから離れて第1方向に延在し、第2部分は、第1方向と交差する第2方向に第1部分及びパッドから離れて延在する。
【0016】
その他の実施例の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、表示装置の製造時、導電性接着部材がパッド領域を覆うように導電性接着部材をオーバーフローさせてパッド領域上に配置された複数の無機絶縁層を支持し、クラック不良を最小化することができる。
【0018】
本発明によれば、表示装置の製造時、シール部材がパッドの間の領域を全て覆うようにシール部材をオーバーフローさせてパッドの間の領域で複数の無機絶縁層を支持し、クラック不良を最小化することができる。
【0019】
本発明によれば、オーバーフローされた導電性接着部材及びシール部材と仮基板との間にダムを形成して基板と仮基板を容易に分離することができる。
【0020】
本発明によれば、パッド領域の外側に突出したダムを配置して、基板の外側に配置された複数のフレキシブルフィルムを支持することができる。
【0021】
本発明によれば、シール部材及び導電性接着部材から露出された基板の一部分を事前に除去して基板が飛散する不具合を最小化することができる。
【0022】
本発明によれば、パッド領域全体を覆うシール部材を形成してパッド領域で反りやクラック不良を最小化することができる。
【0023】
本発明によれば、導電性接着部材を基板の外側にシール部材より多くオーバーフローさせてシール部材が複数のフレキシブルフィルムの下部の空いた空間に浸透して未硬化される不良を最小化することができる。
【0024】
本発明によれば、複数のフレキシブルフィルムとダムとの間の空いた空間にテープを形成してシール部材が複数のフレキシブルフィルムの下部の空いた空間に浸透して未硬化される不良を最小化することができる。
【0025】
本発明によれば、薄い透明伝導性酸化物層及び酸化物半導体層を表示装置の基板として使用して表示装置のフレキシビリティを向上させることができる。
【0026】
本発明によれば、透明伝導性酸化物層及び酸化物半導体層を表示装置の基板として使用して表示装置の構造を簡素化し、製造コストを節減できる。
【0027】
本発明によれば、透明伝導性酸化物層及び酸化物半導体層を表示装置の基板として使用して基板で静電気の発生を低減でき、表示品質を向上させることができる。
【0028】
本発明によれば、表示装置の基板は真空環境で蒸着工程によって製造され、基板の製造時間を短縮することができ、基板に異物が形成されること及びそれによる不良を最小化することができる。
【0029】
本発明に係る効果は、以上において例示された内容により限定されず、さらに多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施例に係る表示装置の平面図である。
図2】本発明の一実施例に係る表示装置のサブ画素の断面図である。
図3図1のIII-III’に沿った断面図である。
図4図1のIV-IV’に沿った断面図である。
図5A】本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を説明するための工程図である。
図5B】本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を説明するための工程図である。
図5C】本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を説明するための工程図である。
図5D】本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を説明するための工程図である。
図5E】本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を説明するための工程図である。
図5F】本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を説明するための工程図である。
図5G】本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を説明するための工程図である。
図6】本発明の他の実施例に係る表示装置の断面図である。
図7】本発明のさらに他の実施例に係る表示装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるだろう。しかし、本発明は、以下において開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現される。本実施例は、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が発明の範囲を完全に理解できるように単なる例として提供される。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0032】
本発明の実施例を説明するための図面に開示された形状、面積、比率、角度、個数等は、例示的なものであるので、本発明は、図示された事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって、同じ参照符号は、同じ構成要素を指す。また、本発明を説明するにあたって、関連した公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすることを避けるために、その詳細な説明は省略する。本明細書において「含む」、「有する」、「なされる」等が使用される場合、「~だけ」が使用されない以上、他の部分が加えられ得る。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り、当該構成要素が複数である場合を含む。
【0033】
構成要素を解釈するにあたって、別途の明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0034】
位置関係についての説明である場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~隣に」等と二部分の位置関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」が使用されない以上、二部分の間に一つ以上の他の部分が位置してもよい。
【0035】
ある要素または層が他の要素または層の「上(on)」と称されるものは、他の要素のすぐ上または中間に他の層または他の要素を介在した場合をいずれも含む。
【0036】
また、「第1」、「第2」等の用語が多様な構成要素を述べるために使用されるが、これらの構成要素は、これらの用語により限定されない。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用するものである。したがって、以下において言及される第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であってもよい。
【0037】
明細書全体にわたって、同じ参照符号は、同じ構成要素を指す。
【0038】
図面で示された各構成要素の面積及び厚さは、説明の便宜のために示されたものであり、本発明は、図面で示された構成の面積及び厚さに必ずしも限定されるものではない。
【0039】
本発明の様々な実施例のそれぞれの特徴は、部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に多様な連動及び駆動が可能であり、各実施例が互いに独立して実施可能であってもよく、互いに関連して実施してもよい。
【0040】
以下においては、添付の図面を参照して、本発明の多様な実施例を詳細に説明する。
【0041】
図1は、本発明の一実施例に係る表示装置の平面図である。図1においては、説明の便宜のために、表示装置100の多様な構成要素のうち基板110、ダム部材130、導電性接着部材140及び複数のフレキシブルフィルム150のみが図示されている。
【0042】
図1を参照すると、基板110は、表示装置100の他の構成要素を支持するための支持部材である。基板110は、透明伝導性酸化物と酸化物半導体のいずれか一つからなり得る。例えば、基板110は、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide;ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide;IZO)、インジウムスズ亜鉛酸化物(Indium Zinc Tin Oxide;ITZO)等のような透明伝導性酸化物(Transparent Conducting Oxide;TCO)からなり得る。
【0043】
また、基板110は、インジウム及びガリウム(Ga)からなる酸化物半導体物質、例えば、インジウムガリウム亜鉛酸化物(Indium gallium zinc oxide;IGZO)、インジウムガリウム酸化物(Indium gallium Oxide;IGO)、インジウムスズ亜鉛酸化物(Indium Tin Zinc Oxide;ITZO)等の透明な酸化物半導体からなり得る。ただし、透明伝導性酸化物及び酸化物半導体の物質種類は例示的なものであり、本明細書に記載されていない他の透明伝導性酸化物及び酸化物半導体物質で基板110を形成でき、これに限定されない。
【0044】
一方、基板110は、透明伝導性酸化物または酸化物半導体を非常に薄い厚さに蒸着して形成することができる。そこで、基板110は、非常に薄い厚さに形成されることでフレキシビリティ(flexibility)を有することができる。そして、フレキシビリティを有する基板110を含む表示装置100は、折り畳まれるか巻き取られても画像表示ができるフレキシブルな表示装置100に実現され得る。例えば、表示装置100が折り畳み可能な表示装置である場合、折り畳み軸を中心に基板110を折り畳むか広げることができる。他の例として、表示装置100が巻取り可能な表示装置である場合、表示装置100をローラーに巻き取られて保管できる。従って、本発明の一実施例に係る表示装置100は、フレキシビリティを有する基板110を使用して折り畳み可能な表示装置または巻取り可能な表示装置のようにフレキシブルな表示装置100として実現され得る。
【0045】
また、本発明の一実施例に係る表示装置100は、透明伝導性酸化物または酸化物半導体で形成された基板110を使用して、LLO(Laser Lift Off)工程を行う。LLO工程は、表示装置100の製造過程で基板110の下部の仮基板を基板110からレーザを使用して分離する工程を意味する。そこで、基板110は、より容易なLLO工程のための層であり、機能性薄膜、機能性薄膜層、機能性基板等とも称され得る。LLO工程についてのより詳細な説明は後述する。
【0046】
基板110は、表示領域AA及び非表示領域NAを含む。
【0047】
表示領域AAは、画像を表示する領域である。表示領域AAには、画像を表示するために、複数のサブ画素SPが配置され得る。例えば、表示領域AAは、発光ダイオード及び駆動回路を含む複数のサブ画素SPから構成され、画像を表示することができる。
【0048】
非表示領域NAは、画像が表示されない領域であり、表示領域AAに配置されたサブ画素SPを駆動するための多様な配線、駆動IC等が配置される領域である。例えば、非表示領域NAには、ゲートドライバIC、データドライバICのような多様な駆動IC等が配置され得る。図1においては、非表示領域NAが表示領域AAを囲むものと示したが、非表示領域NAは、表示領域AAの一部分から延びてもよく、これに限定されない。
【0049】
非表示領域NAは、複数の第1領域A1及び複数の第2領域A2を含むパッド領域PAを含む。パッド領域PAは、複数のフレキシブルフィルム150が接着されるように複数のパッドが配置される非表示領域NAである。
【0050】
パッド領域PAの複数の第1領域A1は、複数のパッドが配置される領域である。複数の第1領域A1は、複数のフレキシブルフィルム150が接着され、複数のフレキシブルフィルム150と重なる領域である。
【0051】
パッド領域PAの複数の第2領域A2は、複数の第1領域A1の間の領域である。複数の第2領域A2は、複数のパッドの間の領域であり、かつ複数のフレキシブルフィルム150の間の領域である。
【0052】
一方、図1においては、パッド領域PAが表示領域AAの一辺に対応する非表示領域NAであるものと示したが、パッド領域PAの個数及び位置は、設計によって多様に変更され得るため、これに限定されない。
【0053】
基板110上に複数のフレキシブルフィルム150が配置される。基板110のパッド領域PAに配置された複数のパッド上に複数のフレキシブルフィルム150の一端が接着される。複数のフレキシブルフィルム150は、延性を有するベースフィルムに各種の部品が配置され、表示領域AAに信号を供給するためのフィルムである。複数のフレキシブルフィルム150は、基板110の非表示領域NAに一端が配置され、データ電圧等を表示領域AAに供給できる。なお、図面においては、複数のフレキシブルフィルム150が2個であるものと示したが、複数のフレキシブルフィルム150の個数は、設計によって多様に変更され得るため、これに限定されるものではない。
【0054】
一方、複数のフレキシブルフィルム150には、ゲートドライバIC、データドライバICのような駆動ICが配置され得る。駆動ICは、画像を表示するためのデータとそれを処理するための駆動信号を処理する部品である。駆動ICは、実装される方式によってチップオングラス(Chip On Glass;COG)、チップオンフィルム(Chip On Film;COF)、テープキャリアパッケージ(Tape Carrier Package;TCP)等の方式で配置され得る。本明細書においては、説明の便宜のために、駆動ICが複数のフレキシブルフィルム150上に実装されたチップオンフィルム方式であるものと説明したが、これに限定されるものではない。
【0055】
複数のフレキシブルフィルム150と基板110との間に導電性接着部材140が配置される。複数のフレキシブルフィルム150及び複数のパッドは、導電性接着部材140を通して電気的に連結され得る。導電性接着部材140は、導電性接着層であってよく、例えば、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)であってよいが、これに限定されない。
【0056】
このとき、導電性接着部材140は、基板110から外側にオーバーフローされて一部分がダム部材130上に配置される。導電性接着部材140の一端は、複数の第1領域A1を覆い、他端は、基板110の外側に配置されたダム部材130の一部分を覆い得る。導電性接着部材140は、基板110の外側にオーバーフローされて基板110の外側に配置されたダム部材130の一部分を覆い得る。
【0057】
複数のフレキシブルフィルム150の下にダム部材130が配置される。ダム部材130は、一端が基板110のパッド領域PA上に配置され、他端は基板110の外側に配置されて、複数のフレキシブルフィルム150及び導電性接着部材140の一部分を支持することができる。ダム部材130は、表示装置100の製造過程において、オーバーフローされるシール部材160が複数のフレキシブルフィルム150の下部に浸透して未硬化されることを最小化し、パッド領域PA上に配置された複数の無機絶縁層がクラックされることを防止することができる。これについて図5A乃至図5Gを参照して後述する。
【0058】
一方、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、複数のフレキシブルフィルム150と導電性接着部材140を支持する絶縁層がダム部材130と称したが、ダム部材130は、第1ダム等とも称することができ、これに限定されない。
【0059】
図2は、本発明の一実施例に係る表示装置のサブ画素の断面図である。図3は、図1のIII-III’に沿った断面図である。図4は、図1のIV-IV’に沿った断面図である。図2においては、説明の便宜のために、封止部120の図示は省略している。図2乃至図4を参照すると、本発明の一実施例に係る表示装置100は、基板110、複数の無機絶縁層IL、ゲート絶縁層GI、平坦化層114、バンク115、トランジスタTR、発光ダイオードOLED、リンク配線LL、パッドPE、封止部120、ダム部材130、導電性接着部材140、フレキシブルフィルム150及びシール部材160を含む。
【0060】
図2及び図3を参照すると、基板110上に複数の無機絶縁層ILが配置される。複数の無機絶縁層ILは、第1無機絶縁層111、第2無機絶縁層112及び第3無機絶縁層113を含む。
【0061】
基板110上に第1無機絶縁層111が配置される。第1無機絶縁層111は、基板110の外側から浸透した水分および/または酸素が拡散されることを防止できる。第1無機絶縁層111の厚さや積層構造を制御して表示装置100の透湿特性を制御できる。また、第1無機絶縁層111は、透明伝導性酸化物または酸化物半導体からなる基板110がトランジスタTRや各種の配線等に接してショート不良が発生することを防止できる。第1無機絶縁層111は、無機物質から形成されてもよく、例えば、シリコン酸化物(SiOx)またはシリコン窒化物(SiNx)の単層や複層で構成され得るが、これに限定されるものではない。
【0062】
第1無機絶縁層111上に第2無機絶縁層112が配置される。第2無機絶縁層112は、基板110を通した水分または不純物の浸透を低減できる。この場合、第2無機絶縁層112は、バッファ層とも称され得る。例えば、第2無機絶縁層112は、シリコン酸化物(SiOx)またはシリコン窒化物(SiNx)の単一層または複層で構成され得るが、これに限定されない。また、第2無機絶縁層112は、基板110の種類やサブ画素SPの構成によって省略されてもよく、これに限定されない。
【0063】
第2無機絶縁層112上に第3無機絶縁層113が配置される。第3無機絶縁層113は、表示領域AAに配置される複数の構成を絶縁させるために配置され得る。例えば、表示領域AAには、複数のトランジスタTRが配置されてもよく、第3無機絶縁層113は、複数のトランジスタTRのゲート電極GEとアクティブ層ACTまたはゲート電極GEとソース電極SE及びドレイン電極DEを絶縁させるために配置されるか、複数の配線と各種の電極を絶縁させるために配置され得る。この場合、第3無機絶縁層113は、層間絶縁層、パッシベーション層とも称され得る。例えば、第3無機絶縁層113は、シリコン酸化物(SiOx)またはシリコン窒化物(SiNx)の単一層または複層で構成され得るが、これに限定されない。
【0064】
一方、本明細書においては、複数の無機絶縁層ILが第1無機絶縁層111、第2無機絶縁層112及び第3無機絶縁層113を含むものと説明したが、複数の無機絶縁層ILは、第1無機絶縁層111、第2無機絶縁層112及び第3無機絶縁層113以外に他の無機絶縁層、例えば、トランジスタTRと平坦化層114との間に配置された無機絶縁層をさらに含んでもよく、これに限定されない。
【0065】
第1無機絶縁層111上に遮光層LSが配置される。遮光層LSは、トランジスタTRのアクティブ層ACTと重畳するように配置され、アクティブ層ACTに入射する光を遮断することができる。仮に、アクティブ層ACTに光が照射されると漏れ電流が発生するので、トランジスタTRの信頼性が低下し得る。このとき、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(Cr)またはこれに対する合金等の不透明な導電性物質で構成された遮光層LSをアクティブ層ACTに重畳するように配置されるとよい。これにより、基板110の下部でアクティブ層ACTに入射する光を遮断することができるので、トランジスタTRの信頼性を向上させることができる。ただし、遮光層LSは、トランジスタTRの種類によって省略されてもよく、これに限定されない。また、遮光層LSが単層であるものと示したが、遮光層LSは、複数の無機絶縁層ILを挟んで重畳する複数の層に形成されてもよい。
【0066】
第2無機絶縁層112上にトランジスタTRが配置される。複数のサブ画素SPそれぞれに配置されたトランジスタTRは、表示装置100の駆動素子として使用され得る。トランジスタTRは、例えば、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)、N型金属酸化膜半導体(N-channel Metal Oxide Semiconductor;NMOS)トランジスタ、P型金属酸化膜半導体(P-channel Metal Oxide Semiconductor;PMOS)トランジスタ、相補性金属酸化膜半導体(Complementary Metal Oxide Semiconductor;CMOS)トランジスタ、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor;FET)等であってよいが、これに限定されるものではない。以下においては、複数のトランジスタTRが薄膜トランジスタであるものと仮定して説明するが、これに限定されるものではない。
【0067】
トランジスタTRは、アクティブ層ACT、ゲート電極GE、ソース電極SE及びドレイン電極DEを含む。
【0068】
まず、第2無機絶縁層112上にアクティブ層ACTが配置される。アクティブ層ACTは、酸化物半導体、非晶質シリコンまたはポリシリコン等のような半導体物質からなり得るが、これに限定されない。
【0069】
アクティブ層ACT上にゲート絶縁層GI及びゲート電極GEが配置される。ゲート絶縁層GIは、ゲート電極GEとアクティブ層ACTを絶縁させるための絶縁層であり、絶縁物質からなり得る。例えば、ゲート絶縁層GIは、シリコン酸化物(SiOx)またはシリコン窒化物(SiNx)の単一層または複層で構成され得るが、これに限定されない。
【0070】
一方、図2においては、ゲート絶縁層GIがゲート電極GEの下部にのみ配置されたものと示したが、ゲート絶縁層GIは、複数の無機絶縁層ILのように基板110の全面に配置されてもよく、これに限定されない。
【0071】
ゲート絶縁層GI上にゲート電極GEが配置される。ゲート電極GEは、導電性物質、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(Cr)またはこれらの合金で構成され得るが、これに限定されない。
【0072】
ゲート電極GE及びアクティブ層ACT上に第3無機絶縁層113が配置され、第3無機絶縁層113上にソース電極SE及びドレイン電極DEが配置される。ソース電極SE及びドレイン電極DEは、第3無機絶縁層113に形成されたコンタクトホールを通してアクティブ層ACTと電気的に連結され得る。ソース電極SE及びドレイン電極DEは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(Cr)またはこれに対する合金で構成され得るが、これに限定されない。
【0073】
本明細書においては、トランジスタTRがアクティブ層ACT上にゲート電極GEが配置され、ゲート電極GE上にソース電極SE及びドレイン電極DEが配置された構造であるものと説明したが、ゲート電極GE、ソース電極SE及びドレイン電極DEは、同じ層で同じ物質からなってもよく、トランジスタTRの構造は、これに限定されない。
【0074】
トランジスタTR上に平坦化層114が配置される。平坦化層114は、トランジスタTRを含む基板110の上部を平坦化できる。平坦化層114は、表示領域AA全体及び非表示領域NAの一部に配置され得る。平坦化層114は、有機物質からなり得、例えば、平坦化層114は、アクリル(acryl)系有機物質の単層または複層からなり得るが、これに限定されるものではない。
【0075】
平坦化層114上に発光ダイオードOLEDが配置される。発光ダイオードOLEDは、光を発光する自発光素子であり、複数のサブ画素SPそれぞれに配置され、トランジスタTRにより駆動され得る。発光ダイオードOLEDは、アノードAN、発光層EL及びカソードCAを含む。
【0076】
アノードANは、発光層ELに正孔を供給でき、仕事関数の高い導電性物質からなり得る。例えば、アノードANは、表示装置100が発光素子OLEDで発光された光が発光素子OLEDの下部に放出されるボトムエミッション(bottom emission)方式である場合、スズ酸化物(Tin Oxide;TO)、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide;ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide;IZO)、インジウムスズ亜鉛酸化物(Indium Zinc Tin Oxide;ITZO)等からなり得るが、これに限定されるものではない。また、アノードANは、表示装置100が発光ダイオードOLEDで発光された光を発光ダイオードOLEDの上部に放出するトップエミッション(top emission)方式である場合、反射層をさらに含んでもよい。
【0077】
アノードAN上にバンク115が配置される。バンク115は、表示領域AAでアノードANのエッジを覆うように配置される。バンク115は、互いに隣接したサブ画素SP間の境界に配置され、複数のサブ画素SPそれぞれの発光素子OLEDから発光された光の混色を低減できる。バンク115は、絶縁物質からなり得、例えば、ポリイミド(polyimide)からなり得るが、これに限定されるものではない。
【0078】
バンク115から露出されたアノードAN上に発光層ELが配置される。発光層ELは、アノードANから正孔の供給を受け、カソードCAから電子の供給を受けて発光できる。発光層ELは、種類によって、赤色光、緑色光、青色光または白色光等を発光でき、白色光を発光する場合、多様な色相のカラーフィルタ等が共に配置され得る。
【0079】
発光層EL上にカソードCAが配置される。カソードCAは、少なくとも表示領域AAの全面に配置され得る。カソードCAは、発光層ELに電子を供給でき、仕事関数の低い導電性物質からなり得る。例えば、トップエミッション方式である場合、カソードCAは、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide、ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide、IZO)等のような透明導電性物質またはイッテルビウム(Yb)合金で形成され得る。また、カソードCAは、ボトムエミッション方式である場合、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)等のような金属及びこれらの合金からなる群から選択されたいずれか一つ以上からなり得るが、これに限定されるものではない。
【0080】
図3を参照すると、バンク115上に封止部120が配置される。封止部120は、発光ダイオードOLEDが配置された表示領域AAを覆うように配置され、外部の湿気、酸素、衝撃等から発光ダイオードOLEDを保護することができる。このとき、封止部120は、多様な方式で構成され得る。
【0081】
例えば、封止部120は、複数の無機物層と複数の有機物層が交互に積層されて形成された薄膜封止(Thin Film Encapsulation;TFE)で構成され得る。無機物層は、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸化物(SiOx)、アルミニウム酸化物(AlOx)等のような無機物からなり得、有機物層は、エポキシ(Epoxy)系列またはアクリル(Acryl)系列のポリマーが使用され得るが、これに限定されるものではない。
【0082】
また、封止部120は、フェイスシール(Face Seal)方式で構成されてもよい。例えば、紫外線または熱硬化性シーラントを表示領域AAの全面に形成して封止部120を形成することができる。
【0083】
そして、封止部120は、金属材質からなる基板110形態に構成されてもよい。例えば、封止部120は、約200~900MPaの高いモジュラスを有する物質から形成されてもよく、耐腐食性が強く、ホイル(foil)あるいは薄膜形態に加工が容易なアルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉄(Fe)とニッケルの合金材質等の金属材質からなり得る。そこで、封止部120を金属材質で形成することで超薄膜形態に封止部120の実現が可能であり、外部の衝撃及びスクラッチに強い耐保護性が提供され得る。
【0084】
封止部120は、薄膜封止、フェイスシール、薄膜基板110等を組み合わせて構成されてもよく、上述した構造の他にも多様な方式及び物質で形成でき、これに限定されない。
【0085】
図3を参照すると、非表示領域NAのパッド領域PAで第2無機絶縁層112と第3無機絶縁層113との間にリンク配線LLが配置される。リンク配線LLは、複数のパッドPEと表示領域AAを連結する配線であり、パッドPEに印加される各種の信号は、リンク配線LLを通して表示領域AAの複数のサブ画素SPに伝達され得る。ただし、リンク配線LLは、第1無機絶縁層111と第2無機絶縁層112との間または第3無機絶縁層113上に配置されてもよく、これに限定されない。
【0086】
リンク配線LL上に複数のパッドPEが配置される。複数のパッドPEは、複数のフレキシブルフィルム150と電気的に連結され、複数のフレキシブルフィルム150から信号を表示領域AAに伝達するための電極である。複数のパッドPEは、平坦化層114及び第3無機絶縁層113に形成されたコンタクトホールを通してリンク配線LLに連結され得る。
【0087】
複数のパッドPE上に導電性接着部材140が配置される。導電性接着部材140は、ダム部材130とバンク115との間の空いた空間を満たすように配置され得る。導電性接着部材140は、パッド領域PA上に配置されたダム部材130の一端と複数のパッドPEを覆うように配置され得る。
【0088】
導電性接着部材140上に複数のフレキシブルフィルム150が配置され、複数のフレキシブルフィルム150上にシール部材160が配置される。シール部材160は、表示領域AAを囲むように配置される。シール部材160は、非表示領域NAに沿って配置され、表示領域AAを囲むことができる。シール部材160の平面形状は、額縁のような形状になされ得る。シール部材160は、表示領域AAの封止部120の側面を覆うように配置され、表示領域AAに水分及び酸素が浸透することを最小化することができる。
【0089】
そして、図4を参照すると、パッドPEが配置されていない複数の第2領域A2では、シール部材160が封止部120の側面と封止部120の外側に配置されたバンク115、平坦化層114及びダム部材130を覆うように配置され得る。
【0090】
シール部材160は、表示領域AAの側面を密封すると同時に表示装置100の側面の剛性を補強できるように弾性を有する非電導性物質からなり得る。また、シール部材160は、接着性を有する物質からなってもよい。そして、シール部材160は、外部から水分及び酸素等を吸収して表示装置100の側部を通した透湿を最小化するように吸湿剤をさらに含むことができる。例えば、シール部材160は、ポリイミド(PI)、ポリウレタン(Poly Urethane)、エポキシ(Epoxy)、アクリル(Acryl)系列の物質からなり得るが、これに制限されない。
【0091】
また、シール部材160は、約200MPa以上のモジュラスを有する物質からなり得る。仮に、シール部材160が200MPa以下のモジュラスを有する物質からなる場合、パッド領域PAが反るかしわの寄るように変形されることもあり得る。従って、シール部材160は、200MPa以上のモジュラスを有する物質で形成され、表示装置100の外郭部分が変形されないように支持することができる。
【0092】
一方、ダム部材130は、シール部材160より高いモジュラスを有する物質からなり得る。パッド領域PAに接着された複数のフレキシブルフィルム150を支持するダム部材130は、高いモジュラスを有する物質からなり、パッド領域PAの剛性を向上させることができる。例えば、ダム部材130は、バンク115と同じ物質、例えば、ポリイミド(polyimide)から形成されてもよく、シール部材160より高いモジュラスを有し得る。
【0093】
一方、図面に示されてはいないが、基板110の下に偏光板及びバリアフィルムが配置され得る。偏光板は、選択的に光を透過させ、基板110に入射する外部光の反射を低減させることができる。具体的には、表示装置100は、半導体装置、配線、発光ダイオードOLED等に適用される多様な金属物質が基板110上に形成される。そこで、基板110側に入射した外光は、金属物質から反射され、外光の反射によって表示装置100の視認性が低減され得る。このとき、外光の反射を防止する偏光板を基板110の下に配置して、表示装置100の屋外視認性を高めることができる。ただし、偏光板は、表示装置100の具現例によって省略されてもよい。
【0094】
バリアフィルムは、基板110の外側の水分、酸素が基板110に浸透することを最小化して、表示領域AAの発光ダイオードOLEDを保護することができる。ただし、バリアフィルムは、表示装置100の具現例によって省略されてもよく、これに限定されない。
【0095】
以下においては、図5A乃至図5Gを参照して、本発明の一実施例に係る表示装置100の製造方法を説明する。
【0096】
図5A乃至図5Gは、本発明の一実施例に係る表示装置の製造方法を説明するための工程図である。図5A乃至図5Cは、ダム部材130及び導電性接着部材140の形成過程を説明するための工程図であり、図5D及び図5Eは、複数のフレキシブルフィルム150の接着及びシール部材160の形成過程を説明するための工程図である。図5F及び図5Gは、LLO工程を説明するための工程図である。
【0097】
図5Aを参照すると、基板110の下に犠牲層SLが形成された仮基板SUBを貼り付けて表示装置100の製造工程を行う。
【0098】
仮基板SUBは、表示装置100の製造過程で基板110及び基板110上に配置される構成要素を支持するための基板110である。仮基板SUBは、剛性を有する物質からなり得る。例えば、仮基板SUBは、ガラスからなり得るが、これに限定されない。
【0099】
犠牲層SLは、仮基板SUBと基板110を容易に分離させるために形成される層である。仮基板SUBの下部で犠牲層SLにレーザLSを照射して、犠牲層SLを脱水素化させることができ、仮基板SUB及び犠牲層SLと基板110を分離することができる。例えば、犠牲層SLは、水素化された非晶質シリコン、または水素化処理され、不純物がドーピングされた非晶質シリコン等が使用され得る。
【0100】
このとき、透明伝導性酸化物及び酸化物半導体は、犠牲層SL及び仮基板SUBとのLLO工程が可能な物質であるので、基板110を透明伝導性酸化物や酸化物半導体のいずれか一つで形成しても基板110と仮基板SUBを容易に分離することができる。従って、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、基板110がLLO工程が可能な透明伝導性酸化物層または酸化物半導体のうち一つで構成されるため、既存の工程及び設備でも表示装置100を容易に製造できる。
【0101】
次に、仮基板SUBが貼り付けられた状態の基板110上に複数の無機絶縁層IL、平坦化層114、バンク115、トランジスタTR、発光ダイオードOLED、封止部120、リンク配線LL及び複数のパッドPEを形成する。
【0102】
次いで、基板110の外側に突出した仮基板SUB上にダム部材130を形成することができる。このとき、仮基板SUBと同じ大きさに基板110や複数の無機絶縁層IL等を形成した後、複数のパッドPEに隣接した基板110及び複数の無機絶縁層ILの一部分をパターニングし、基板110及び複数の無機絶縁層ILがパターニングされた領域上に有機絶縁層OL及びダム部材130を形成して図5Aに示された構造を形成してもよい。即ち、有機絶縁層OL及びダム部材130が形成される領域と対応する領域で基板110及び複数の無機絶縁層ILをパターニングして犠牲層SLを露出させた状態で有機絶縁層OL及びダム部材130を形成することができる。ただし、最初から基板110より大きな大きさを有する仮基板SUBを貼り付けて工程を進行して図5Aに示された構造を形成してもよく、これに限定されない。
【0103】
次いで、仮基板SUB上に有機絶縁層OL及びダム部材130を形成する。有機絶縁層OLは、表示装置100を製造する間、ダム部材130と仮基板SUBとの間の段差を補償する構成である。有機絶縁層OLは、平坦化層114と同じ物質からなり得、例えば、アクリル(acryl)系有機物質の単層または複層からなり得るが、これに限定されるものではない。
【0104】
有機絶縁層OL上にダム部材130が形成される。ダム部材130は、バンク115と同じ物質から形成されてもよく、例えば、ポリイミド(polyimide)からなり得るが、これに制限されるものではない。ただし、ダム部材130がバンク115と同じ物質からなっても、ダム部材130の厚さはバンク115よりさらに厚く形成されるため、バンク115とは互いに異なる工程で形成され得る。
【0105】
そして、有機絶縁層OLによりダム部材130の下面は基板110の上面より上側に位置できる。基板110は、犠牲層SL上に配置され、ダム部材130は、犠牲層SL及び有機絶縁層OL上に配置されるので、基板110の外側に配置されたダム部材130の一部分の下面が基板110より上部に配置され得る。
【0106】
次いで、図5Bを参照すると、パッド領域PAの複数の第1領域A1で複数のパッドPE上に導電性接着部材140を形成する。導電性接着部材140は、複数の第1領域A1で少なくとも複数のパッドPEを完全に覆うように形成され得る。そして、導電性接着部材140は、一部分がダム部材130上に配置されるように形成され得る。導電性接着部材140の一端は、後に形成されるシール部材160の外側に配置されるように形成され、詳細は後述するが、シール部材160が導電性接着部材140の下に浸透することを防止できる。
【0107】
一方、導電性接着部材140は、複数の第1領域A1に配置された複数の無機絶縁層IL及びダム部材130の上部を覆うように基板110から外側にオーバーフローすることができる。そこで、導電性接着部材140は、オーバーフローされて複数の第1領域A1で複数の無機絶縁層IL全てに重畳するように配置されてもよく、複数の無機絶縁層ILでクラック不良が発生しないように複数の無機絶縁層ILを支持することができる。導電性接着部材140がオーバーフローされず、基板110の内側にのみ配置される場合、複数の第1領域A1で導電性接着部材140に重畳しない複数の無機絶縁層ILの一部分は仮基板SUBの分離後に支持する構成がなく、クラックや破れ不良が発生する可能性が高い。それゆえ、導電性接着部材140を基板110の外側にオーバーフローさせて複数の第1領域A1に形成された複数の無機絶縁層IL全てを支持することができ、クラック発生を低減できる。
【0108】
一方、ダム部材130及び有機絶縁層OLを形成した状態で導電性接着部材140をオーバーフローさせるので、表示装置100の製造が完了した後、基板110と仮基板SUBを容易に分離することができる。ダム部材130及び有機絶縁層OLなしに導電性接着部材140をオーバーフローさせた場合、導電性接着部材140は、仮基板SUBの上部や側面にまでオーバーフローされることもあり得る。この場合、導電性接着部材140が基板110と仮基板SUBの両方に貼り付けられ、基板110と仮基板SUBの分離が難しくなり得る。それゆえ、基板110から露出している仮基板SUBの上部に有機絶縁層OL及びダム部材130を形成して、基板110の外側にオーバーフローされた導電性接着部材140が仮基板SUBと貼り付けられることを防止できる。
【0109】
次に、図5Cを参照すると、有機絶縁層OL及びダム部材130にレーザLSを照射して有機絶縁層OLとダム部材130を二部分に分離するオープン領域OAを形成する。オープン領域OAの位置によってダム部材130の大きさを調節できる。例えば、ダム部材130の大きさを減少させようとした場合、オープン領域OAを基板110に隣接するように形成することができる。
【0110】
また、オープン領域OAは、以後、仮基板SUBと基板110を分離する過程でダム部材130が有機絶縁層OL及び仮基板SUBから容易に分離されるようにすることができる。仮に、オープン領域OAが形成されなければ、ダム部材130の大きさが過度に大きくなる場合もあり、ダム部材130が仮基板SUBの側面等に接するように形成された場合、ダム部材130が仮基板SUBから分離されにくいこともあり得る。そこで、ダム部材130の中間にオープン領域OAを形成し、ダム部材130の大きさを調節し、ダム部材130が有機絶縁層OL及び仮基板SUBと容易に分離することができる。
【0111】
次いで、図5Dを参照すると、複数のパッドPE上に複数のフレキシブルフィルム150を接着する。複数のフレキシブルフィルム150は、一端が導電性接着部材140上に配置され、他端が基板110の外側に配置されるように接着され得る。このとき、複数のフレキシブルフィルム150の接着時に加えられる圧力により導電性接着部材140がさらにオーバーフローされることもあり得る。
【0112】
図5D及び図5Eを共に参照すると、複数のフレキシブルフィルム150上にシール部材160を形成することができる。シール部材160は、非表示領域NAで封止部120の側面及び複数のフレキシブルフィルム150を覆うように形成され得る。シール部材160は、一部分が基板110の外側にオーバーフローされてダム部材130上に配置され、複数の第1領域A1及び複数の第2領域A2に配置された複数の無機絶縁層IL全てと重畳し得る。シール部材160及び導電性接着部材140をいずれも基板110の外側にオーバーフローさせてパッド領域PAの複数の無機絶縁層IL全てを支持することができ、複数の無機絶縁層ILでクラック不良を低減できる。
【0113】
このとき、シール部材160のエッジは、導電性接着部材140のエッジよりも封止部120から遠ざかる方向に突出され得る。ダム部材130上に配置された導電性接着部材140のエッジは、シール部材160のエッジの外側に配置され得る。導電性接着部材140をシール部材160より基板110の外側にさらに多くオーバーフローさせて、シール部材160が複数のフレキシブルフィルム150の下部の空間に浸透して未硬化されることを防止できる。仮に、シール部材160を導電性接着部材140よりさらに多くオーバーフローさせる場合、導電性接着部材140が形成されていない複数のフレキシブルフィルム150とダム部材130との間の空いた空間にシール部材160が浸透する場合もあり、複数のフレキシブルフィルム150の下部の空いた空間に浸透したシール部材160は未硬化されることもあり得る。それゆえ、シール部材160が複数のフレキシブルフィルム150とダム部材130との間の空いた空間に浸透できないように、シール部材160より導電性接着部材140を基板110の外側にさらに多くオーバーフローさせることができる。従って、シール部材160のエッジは、導電性接着部材140のエッジより内側に配置され得る。
【0114】
次いで、図5F及び図5Gを参照すると、LLO工程を通して基板110と仮基板SUBを分離することができる。犠牲層SLは、水素化された非晶質シリコン、または水素化処理され、不純物がドーピングされた非晶質シリコン等が使用されてもよく、仮基板SUBの下部から仮基板SUB及び犠牲層SLに向かってレーザLSを照射すると、犠牲層SLの水素が脱水素化され、犠牲層SL及び仮基板SUBが基板110から分離され得る。
【0115】
そして、導電性接着部材140を通して複数のフレキシブルフィルム150及び基板110に貼り付けられたダム部材130は、LLO工程で仮基板SUB上の有機絶縁層OLと分離され得る。
【0116】
このとき、有機絶縁層OLは、LLO工程で使用されるレーザLS光波長帯域の透過率が高い物質からなり、ダム部材130は、レーザLS光波長帯域の透過率が低い物質からなり得る。例えば、LLO工程で使用されるレーザLSの光波長が約308nm~343nmである場合、有機絶縁層OLは、該当波長と対応する光を透過させ、ダム部材130は、波長と対応する光を吸収し得る。そこで、LLO工程時、レーザLSが光を透過させる有機絶縁層OLと光を吸収するダム部材130との間の界面に向かうことができ、有機絶縁層OLとダム部材130の界面が容易に分離され得る。例えば、有機絶縁層OLは、レーザLSの光波長と対応する光を透過させるアクリル系列の物質からなり、レーザLSの光波長と対応する光を吸収するダム部材130は、ポリイミド系列の物質からなって、LLO工程時、有機絶縁層OLとダム部材130が容易に分離され得る。
【0117】
そして、ダム部材130は、導電性接着部材140及びシール部材160を通して複数のフレキシブルフィルム150及び基板110に固定されており、有機絶縁層OLは、仮基板SUB上に形成されているが、導電性接着部材140やシール部材160には接触しない。それゆえ、仮基板SUBと基板110を分離する過程で基板110と固定されたダム部材130は有機絶縁層OLから分離され得る。この場合、オープン領域OAの外側に形成されたダム部材130は、基板110と連結されていないので、仮基板SUB上にそのまま残り得る。
【0118】
本発明の一実施例に係る表示装置100及びその製造方法においては、基板110を透明伝導性酸化物及び酸化物半導体のいずれか一つで形成して表示装置100の厚さを減らすことができる。従来、表示装置100の基板110としてプラスチック基板を主に使用したが、プラスチック基板は、高温で基板物質をコーティング及び硬化する方式で形成されるので、時間が長くかかり、厚さを一定水準以下に薄く形成しにくい問題点がある。一方、透明伝導性酸化物及び酸化物半導体は、スパッタリング(Sputtering)等の蒸着工程を通して非常に薄い厚さに形成が可能である。そこで、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、表示装置100の様々な構成を支持する基板110を透明伝導性酸化物層または酸化物半導体層で構成して、表示装置100の厚さを減らすことができ、スリムなデザインを実現できる。
【0119】
一方、従来の技術によれば、ガラス基板より相対的にフレキシブルなプラスチック基板に発光素子及び駆動回路を形成してフレキシブルな表示装置を形成した。ただし、表示装置を過度に変形する場合、変形時に発生した応力により表示装置が損傷されることもあり得る。そこで、表示装置の応力を緩和するようにフレキシビリティをさらに向上させるためには表示装置の厚さを減らすことがさらに有利であるが、上述したようにプラスチック基板を一定水準以下の厚さに形成することが困難であった。
【0120】
そこで、本発明の一実施例に係る表示装置100及びその製造方法においては、基板110を透明伝導性酸化物または酸化物半導体で形成して表示装置100のフレキシビリティを向上させ、表示装置100の変形時に発生する応力を低減できる。具体的には、基板110を透明伝導性酸化物層や酸化物半導体で構成する場合、基板110を非常に薄い薄膜に形成可能である。この場合、基板110を透明薄膜層とも称し得る。そこで、基板110を含む表示装置100は、高いフレキシビリティを有することができ、表示装置100を容易に曲げるか巻き取ることができる。そこで、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、基板110を透明伝導性酸化物層と酸化物半導体層のいずれか一つで形成して、表示装置100のフレキシビリティが向上して表示装置100の変形時に発生する応力もまた緩和され得るので、表示装置100にクラック等が発生することを最小化することができる。
【0121】
一方、従来のフレキシブルな表示装置は、ガラス基板の代わりにプラスチック基板を使用して実現されていたが、プラスチック基板は、ガラス基板より静電気の発生可能性が高い。このような静電気は、プラスチック基板上の各種の配線と駆動素子に影響を及ぼし、一部の構成が損傷されるか、表示装置の表示品質が低下し得る。それゆえ、プラスチック基板を使用する表示装置では、静電気の遮断及び排出のために別途の構成がさらに必要であった。
【0122】
本発明の一実施例に係る表示装置100及びその製造方法においては、基板110を透明伝導性酸化物層及び酸化物半導体層のいずれか一つで形成して、基板110で静電気の発生可能性を下げることができる。基板110がプラスチックからなって静電気が発生する場合、静電気によって基板110上の各種の配線及び駆動素子が損傷されるか、駆動に影響を与えて表示品質が低下し得る。その代わりに基板110が透明伝導性酸化物層や酸化物半導体層で形成される場合、基板110で静電気が発生することを最小化でき、静電気の遮断及び排出のための構成を簡素化できる。従って、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、基板110を静電気の発生可能性が低い透明伝導性酸化物層や酸化物半導体層のいずれか一つで形成して、静電気による損傷や表示品質の低下を最小化することができる。
【0123】
一方、従来の表示装置の基板としてプラスチック基板を使用する場合、プラスチック基板の形成過程で異物が発生し得る。例えば、プラスチック基板を形成するために、基板物質をコーティング及び硬化時に異物が発生し得る。そして、このような異物によって表示装置の内部に水分及び酸素が浸透しやすくなる場合があり、異物そのものにより基板上の様々な構成が不均一に形成されることもあり得る。従って、コーティング及び硬化方式で形成されるプラスチック基板では、異物によって表示装置の内部の発光素子が劣化するかトランジスタの特性が低下し得る。
【0124】
これに対し、本発明の一実施例に係る表示装置100及びその製造方法においては、基板110を透明伝導性酸化物と酸化物半導体のうち一つで形成して、基板110を通して外部の水分や酸素等が表示装置100の内部に浸透することを最小化することができる。透明伝導性酸化物層や酸化物半導体で基板110を形成する場合、基板110を真空環境で形成するので異物発生の可能性が顕著に低い。また、異物が発生しても異物の大きさが非常に小さいため表示装置100の内部に水分及び酸素が浸透することを最小化することができる。従って、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、基板110を異物発生の可能性が低く、透湿性能に優れた透明伝導性酸化物や酸化物半導体で形成して、有機物質を含む発光素子OLED及び表示装置100の信頼性を向上させることができる。
【0125】
そして、本発明の一実施例に係る表示装置100及びその製造方法においては、基板110を透明伝導性酸化物や酸化物半導体のいずれか一つで形成して、基板110の下部に薄く、安価なバリアフィルムを貼り付けて使用することができる。基板110が透湿性能の低い物質、例えば、プラスチック等からなる場合、厚く高価な高性能のバリアフィルムを貼り付けて透湿性能を補完し得る。しかし、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、基板110を透湿性能に優れた透明伝導性酸化物または酸化物半導体で形成するため、基板110の下部に厚さが薄く安価なバリアフィルムの貼り付けが可能である。従って、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、基板110を透湿性能に優れた透明伝導性酸化物や酸化物半導体のいずれか一つで構成して、表示装置100の製造コストを節減できる。
【0126】
本発明の一実施例に係る表示装置100及びその製造方法においては、基板110を透明伝導性酸化物や酸化物半導体のいずれか一つで形成して、LLO(Laser Lift Off)工程を遂行することができる。表示装置100の製造時、基板110の下に犠牲層SLが形成された仮基板SUBを貼り付けた後、基板110上に表示装置100の構成を形成することができる。犠牲層SLは、例えば、水素化非晶質シリコン、または水素化処理され、不純物がドーピングされた非晶質シリコン等が使用され得る。そして、表示装置100の製造が完了した後、仮基板SUBの下部でレーザLSを照射すると、犠牲層SLの水素が脱水素化されて犠牲層SL及び仮基板SUBが基板110から分離され得る。このとき、透明伝導性酸化物及び酸化物半導体は、犠牲層SL及び仮基板SUBとのLLO工程が可能な物質であるので、基板110を透明伝導性酸化物や酸化物半導体のいずれか一つで形成しても基板110と仮基板SUBを容易に分離することができる。従って、本発明の一実施例に係る表示装置100においては、基板110がLLO工程が可能な透明伝導性酸化物層または酸化物半導体のうち一つで構成されるため、既存の工程及び設備でも表示装置100を容易に製造できる。
【0127】
一方、パッド領域で複数の無機絶縁層のクラック不良を低減するために別途の有機絶縁層やダム部材なしに導電性接着部材及びシール部材をオーバーフローさせてもパッド領域で複数の無機絶縁層のクラック不良を低減できる。ただし、基板の外側にオーバーフローされた導電性接着部材及びシール部材が仮基板に接して基板と仮基板のLLO工程不良が発生する場合もあり、シール部材がフレキシブルフィルムの下部に浸透して未硬化される不良が発生することもあり得る。
【0128】
そこで、基板をオーバーフローされる導電性接着部材及びシール部材より長く延ばして導電性接着部材及びシール部材が安着される利用可能な空間を確保した。しかし、基板と仮基板を分離した以後には、導電性接着部材及びシール部材の外側に延びた基板の一部分を支持する構成がなく、基板が損傷され、飛散する不良が発生し得る。
【0129】
基板の一部分が飛散しないように導電性接着部材及びシール部材の外側に延びた基板の一部分を覆う有機絶縁層を追加した。しかし、基板と仮基板を分離するLLO工程で有機絶縁層と基板との間が剥離され、基板が圧力に脆弱な問題点があった。
【0130】
そこで、本発明の一実施例に係る表示装置100及びその製造方法においては、基板110の一部が導電性接着部材140及びシール部材160の外側に延びて導電性接着部材140及びシール部材160から露出している状態で、基板110のエッジを覆う有機絶縁層OL及びダム部材130を形成し、後続工程を進行する。したがって、LLO工程で基板110が飛散することを最小化することができる。具体的には、図5Aを参照すると、導電性接着部材140及びシール部材160の外側に延びた基板110を除去し、基板110が除去されて露出された仮基板SUBの上部に有機絶縁層OL及びダム部材130を形成することができる。したがって、導電性接着部材140及びシール部材160またはダム部材130から露出される基板110の一部分を除去して基板110がクラック及び飛散する可能性を遮断することができる。また、導電性接着部材140及びシール部材160が基板110の外側までオーバーフローされて基板110のエッジ部分を全て覆うことができるので、仮基板SUBを分離した状態でも基板110を支持することができる。従って、本発明の一実施例に係る表示装置100及びその製造方法においては、導電性接着部材140及びシール部材160とダム部材130から露出される基板110の一部分を事前に除去した状態で工程を進行される。このようにして、基板110が飛散することを防止できる。
【0131】
本発明の一実施例に係る表示装置100及びその製造方法においては、導電性接着部材140及びシール部材160を基板110の外側にオーバーフローさせてパッド領域PA上の複数の無機絶縁層ILを支持することができ、パッド領域PAでクラックを低減できる。複数の第1領域A1のうち複数のパッドPEと対応する一部の領域にのみ導電性接着部材140を形成する場合、複数のパッドPEと複数のフレキシブルフィルム150を電気的に連結させることができる。ただし、導電性接着部材140がオーバーフローされず導電性接着部材140が配置されていない第1領域A1の一部分が存在する場合、仮基板SUBと基板110を分離した後、このような第1領域A1の一部分を支持する構成がなく、複数の無機絶縁層IL等でクラックや破れ不良が発生し得る。これと同様に、シール部材160がパッド領域PAの複数の第2領域A2を全て覆わない場合、シール部材160から露出されたパッド領域PAの一部分を支持する構成がなく、クラック等の不良が発生し得る。そこで、本発明の一実施例に係る表示装置100及びその製造方法においては、基板110の外側に導電性接着部材140及びシール部材160をオーバーフローさせて、パッド領域PA上に配置された複数の無機絶縁層IL全てを覆い、支持することができる。このとき、ダム部材130が基板110の外側にオーバーフローされた導電性接着部材140及びシール部材160を支持するので、導電性接着部材140及びシール部材160は、仮基板SUBが分離された以後にもパッド領域PAを支持することができ、特に複数の無機絶縁層ILでクラックが発生することを低減できる。
【0132】
本発明の一実施例に係る表示装置100及びその製造方法は、基板110のエッジから基板110の外側まで有機絶縁層OL及びダム部材130を形成して基板110の外側にオーバーフローされた導電性接着部材140及びシール部材160を支持することができ、仮基板SUBと基板110を容易に分離することができる。パッド領域PAで複数の無機絶縁層ILのクラックを低減するために、パッド領域PA全体を覆うように導電性接着部材140及びシール部材160を基板110の外側にオーバーフローさせることができる。このとき、基板110の外側にオーバーフローされた導電性接着部材140及びシール部材160が仮基板SUBに接して仮基板SUBと基板110のLLO工程不良が発生することもあり得る。それゆえ、基板110から露出された仮基板SUB上に有機絶縁層OL及びダム部材130を形成して、オーバーフローされた導電性接着部材140及びシール部材160と基板110を離隔させることができ、基板110と仮基板SUBを容易に分離することができる。
【0133】
本発明の一実施例に係る表示装置100及びその製造方法は、導電性接着部材140をシール部材160より基板110の外側にさらに多くオーバーフローさせて複数のフレキシブルフィルム150の下部にシール部材160が浸透して未硬化される不良を最小化することができる。シール部材160が導電性接着部材140より多くオーバーフローされる場合、シール部材160は、導電性接着部材140で満たされていない複数のフレキシブルフィルム150とダム部材130との間の空間に浸透し得る。そして、UVを照射してシール部材160を硬化する方式の場合、UV光が複数のフレキシブルフィルム150の下部にまで照射されにくく、複数のフレキシブルフィルム150の下部に浸透したシール部材160は硬化されないことがあり得る。従って、本発明の一実施例に係る表示装置100及びその製造方法は、導電性接着部材140をシール部材160より基板110の外側に多くオーバーフローさせてシール部材160が複数のフレキシブルフィルム150とダム部材130との間の空いた空間に浸透できないようにすることができ、シール部材160の未硬化不良を最小化することができる。
【0134】
図6は、本発明の他の実施例に係る表示装置の断面図である。図6の表示装置600は、図1乃至図4の表示装置100と比較してダム部材630が第1ダム631及び第2ダム632からなる点が異なるだけで、他の構成は実質的に同一であるので、重複した説明は省略する。
【0135】
図6を参照すると、複数のフレキシブルフィルム150の下に第1ダム631及び第2ダム632を含むダム部材630が配置される。ダム部材630の第1ダム631及び第2ダム632は、一端がパッド領域PA上に配置され、他端が基板110の外側に配置され得る。
【0136】
第1ダム631は、バンク115と同じ物質及び同じ工程で形成され得る。例えば、仮基板SUB及び基板110上に平坦化層114及び有機絶縁層OLが形成された状態で第1ダム631及びバンク115を同じ工程で形成することができる。そこで、第1ダム631及びバンク115は同じ物質からなり、第1ダム631の上面は、バンク115の上面と同じ平面上に配置され得る。従って、第1ダム631をバンク115と同じ工程で形成して第1ダム631の形成工程を簡素化できる。
【0137】
第1ダム631上に第2ダム632が配置される。第2ダム632は、第1ダム631と複数のフレキシブルフィルム150との間の段差を緩和できる。第1ダム631をバンク115と同じ工程で形成する場合、厚さを厚く形成しにくい。この場合、第1ダム631上に第2ダム632をさらに形成して、第1ダム631とフレキシブルフィルム150との間の段差を補償でき、ダム部材630が容易に複数のフレキシブルフィルム150を支持することができる。
【0138】
このとき、第2ダム632は、第1ダム631とは異なる物質からなり得る。例えば、第2ダム632は、アクリル樹脂(acryl resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリシロキサン(Polysiloxane)のような有機物質からなり得るが、これに限定されない。そして、有機物質の種類によって硬化工程をさらに進行して第2ダム632を形成することもできるが、これに限定されるものではない。
【0139】
本発明の他の実施例に係る表示装置600においては、複数のフレキシブルフィルム150の下部に第1ダム631及び第2ダム632を含むダム部材630を形成して、複数のフレキシブルフィルム150を支持し、基板110の外側にオーバーフローされた導電性接着部材140及びシール部材160を支持することができる。第1ダム631は、バンク115と同じ工程で形成され、上面がバンク115の上面と同じ平面上に配置され得る。ただし、第1ダム631をバンク115と同じ工程で形成する場合、第1ダム631の厚さをバンク115よりさらに厚く形成することができないので、第1ダム631と複数のフレキシブルフィルム150との間の空いた空間が増加し得る。そこで、第1ダム631上に第2ダム632を追加形成して、複数のフレキシブルフィルム150と第2ダム632との間の空間を最小化することができる。従って、本発明の他の実施例に係る表示装置600においては、バンク115と同じ工程で形成された第1ダム631上に第2ダム632を追加形成して、第1ダム631と複数のフレキシブルフィルム150間の段差を補完でき、複数のフレキシブルフィルム150、基板110の外側にオーバーフローされた導電性接着部材140及びシール部材160を容易に支持することができる。
【0140】
図7は、本発明のまた他の実施例に係る表示装置の断面図である。図7の表示装置700は、図6の表示装置100と比較してテープ770をさらに含むだけで、他の構成は実質的に同一であるので、重複した説明は省略する。
【0141】
図7を参照すると、ダム部材630の第2ダム632と複数のフレキシブルフィルム150との間にテープ770が形成される。テープ770は、第2ダム632の上面中、導電性接着部材140の外側に形成され得る。導電性接着部材140は、テープ770の側面、第2ダム632の上面及び複数のフレキシブルフィルム150の下部の間の空間にオーバーフローされ、導電性接着部材140のエッジは、テープ770と接触し得る。従って、複数のフレキシブルフィルム150とダム部材630との間の空いた空間は、テープ770及びテープ770に接触するようにオーバーフローされた導電性接着部材140で満たされ得る。
【0142】
従って、本発明のまた他の実施例に係る表示装置700においては、複数のフレキシブルフィルム150とダム部材630との間にテープ770を配置して、複数のフレキシブルフィルム150の下部にシール部材160が浸透することを最小化し、第2ダム632と複数のフレキシブルフィルム150を固定及び支持することができる。仮に、シール部材160が導電性接着部材140より外側にオーバーフローされる場合、シール部材160は、導電性接着部材140で満たされていない複数のフレキシブルフィルム150と第2ダム632との間の空いた空間に浸透することもあり得る。この場合、複数のフレキシブルフィルム150の下部に浸透したシール部材160が未硬化されることもあり得る。しかし、複数のフレキシブルフィルム150とダム部材630に貼り付けられたテープ770とテープ770のエッジまでオーバーフローされた導電性接着部材140により複数のフレキシブルフィルム150と第2ダム632との間の空いた空間が最小化され、シール部材160が複数のフレキシブルフィルム150の下部に浸透することを最小化することができる。従って、本発明のまた他の実施例に係る表示装置700においては、複数のフレキシブルフィルム150とダム部材630との間の空いた空間にテープ770をさらに形成して、シール部材160が複数のフレキシブルフィルム150の下部に浸透して未硬化される不良を最小化することができる。
【0143】
本発明の実施態様は、下記のように記載することもできる。
【0144】
本発明の態様によれば、表示装置は、表示領域、及び表示領域から延びて、パッド領域を含む非表示領域を含み、透明伝導性酸化物と酸化物半導体のいずれか一つからなる基板、基板上に配置された複数の無機絶縁層、一端がパッド領域上に配置され、他端が基板の外側に配置されたダム部材、及びダム部材を覆うように配置され、一端がパッド領域に配置された複数のフレキシブルフィルムを含む。
【0145】
パッド領域でダム部材と表示領域との間に配置された複数のパッド、及び複数のパッドと複数のフレキシブルフィルムそれぞれの間に配置された複数の導電性接着部材をさらに含み、複数の導電性接着部材のエッジは、基板の外側でダム部材上に配置され得る。
【0146】
複数のフレキシブルフィルム上でパッド領域を覆うシール部材をさらに含み、複数の導電性接着部材及びシール部材は、一部分が基板の外側に配置されてダム部材を覆うことができる。
【0147】
ダム部材上に配置されたシール部材のエッジは、複数の導電性接着部材のエッジより基板の内側に隣接するように配置され得る。
【0148】
ダム部材は、一端がパッド領域上に配置された第1ダム、及び一端がパッド領域上に配置され、第1ダム上に配置された第2ダムを含み、第1ダムは、第2ダムとは異なる物質からなり得る。
【0149】
複数の導電性接着部材は、第1ダム及び第2ダムの一端を覆うことができる。
【0150】
第2ダムと複数のフレキシブルフィルムそれぞれの間に配置された複数のテープをさらに含むことができる。
【0151】
ダム部材の下面は、基板の上面より上側に配置され得る。
【0152】
表示領域で複数の無機絶縁層上に配置され、アノード、発光層及びカソードを含む発光素子、及び表示領域でアノードと発光層との間に配置されたバンクをさらに含み、ダム部材は、少なくとも一部分がバンクと同じ物質からなり得る。
【0153】
本発明の他の態様によれば、表示装置は、複数のパッドが配置された複数の第1領域及び複数の第1領域の間の複数の第2領域を含み、透明伝導性酸化物と酸化物半導体のいずれか一つからなる基板、基板と複数のパッドとの間に配置された複数の無機絶縁層、複数の第1領域及び複数の第2領域で基板のエッジを覆うダム部材、ダム部材上に配置され、複数のパッドと電気的に連結された複数のフレキシブルフィルム、及び複数のパッドと複数のフレキシブルフィルムとの間に配置された複数の導電性接着部材を含み、ダム部材の一部分は、基板上に配置され、ダム部材の残りの部分は、基板の外側に配置される。
【0154】
複数のフレキシブルフィルム上で複数の第1領域及び複数の第2領域を覆うシール部材をさらに含み、シール部材は、複数の第2領域で複数の無機絶縁層を覆うことができる。
【0155】
複数の導電性接着部材のエッジは、シール部材のエッジの外側に配置され得る。
【0156】
基板上に配置されたバンク、及びバンクと複数の無機絶縁層との間に配置された平坦化層をさらに含み、基板の外側に配置されたダム部材の下面の一部分は、基板より高く配置され得る。
【0157】
ダム部材は、バンクと同じ物質からなり、基板の外側に配置されたダム部材の一部分の厚さは、バンクの厚さより厚くてよい。
【0158】
ダム部材は、バンクと同じ物質からなる第1ダム、及び第1ダム上に配置され、第1ダムとは異なる物質からなる第2ダムを含むことができる。
【0159】
基板の外側に配置された第1ダムの一部分の厚さは、バンクの厚さと同一であってよい。
【0160】
第2ダムと複数のフレキシブルフィルムそれぞれの間に貼り付けられた複数のテープをさらに含むことができる。
【0161】
以上、添付の図面を参照して、本発明の実施例をさらに詳細に説明したが、本発明は、必ずしもこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想を外れない範囲内で多様に変形実施され得る。従って、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を制限するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が制限されるものではない。それゆえ、以上において記述した実施例は、全ての面で例示的なものであり、制限的ではないものと理解すべきである。本発明の保護範囲は、下記の請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0162】
100 表示装置
110 基板
120 封止部
130 ダム部材
140 導電性接着部材
150 フレキシブルフィルム
160 シール部材
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6
図7