(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】大腿骨頸部のための補正ガイド
(51)【国際特許分類】
A61B 17/17 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
A61B17/17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022177215
(22)【出願日】2022-11-04
(62)【分割の表示】P 2020505136の分割
【原出願日】2018-07-26
【審査請求日】2022-11-04
(32)【優先日】2017-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham MA 02767-0350 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ロッチ・ミルコ
(72)【発明者】
【氏名】アエビ・ディス
(72)【発明者】
【氏名】オズワルド・マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ミューラー・デビッド
(72)【発明者】
【氏名】セルキック・ダーコ
【審査官】山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-016463(JP,A)
【文献】特開2016-179268(JP,A)
【文献】米国特許第02531734(US,A)
【文献】米国特許第09149286(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0157379(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨内のガイドワイヤの配置を補正するための装置であって、
近位端から遠位端まで延在する本体と、
中心軸に沿って前記本体を通って前記近位端から前記遠位端まで延在する中央チャネルであって、
第1ガイドワイヤを内部に摺動可能に受容できる寸法及び形状を有する中央チャネルと、
前記本体を通って前記近位端から前記遠位端まで延在する第1補正チャネルであって、前記中央チャネルの前記中心軸に対してある角度で、
第2ガイドワイヤを内部に受容できる寸法及び形状を有する第1補正チャネルと、を備え、
前記第1補正チャネルが、前記本体の前記近位端から前記遠位端に向かって先細状になり、
前記本体の前記近位端に位置する前記第1補正チャネルの近位開口部は、前記中央チャネルの前記中心軸に対して垂直な横方向において細長く、前記第1補正チャネルの前記横方向における幅は、前記本体の前記近位端から前記遠位端に向かって徐々に小さくなり、前記第1補正チャネルが、角形成の許容範囲内で、前記中心軸に対して角度をなす所望の挿入軸に沿って内部に
前記第2ガイドワイヤを受容するように構成されており、
前記本体の前記遠位端に枢動可能に結合された遠位端、及び、近位端を有するスライダであって、前記スライダの前記遠位端から前記近位端まで延在する細長い形状を有するスライダを更に備え、
前記スライダが、前記スライダの前記遠位端を中心として枢動した場合に、前記スライダの前記近位端が、前記第1補正チャネルの前記近位開口部内で、前記横方向に移動し、
前記スライダは、前記スライダの前記遠位端から前記近位端まで、前記スライダを貫通する孔を有し、前記スライダが、前記スライダの前記遠位端を中心として枢動し、前記スライダの前記近位端が、前記第1補正チャネルの前記近位開口部内で前記横方向に移動して位置決めされた際に、前記第2ガイドワイヤは、前記スライダの前記孔を通って、前記スライダの前記遠位端から出ることができる、装置。
【請求項2】
前記第1補正チャネルが、前記中心軸に対して角度をなす第1軸に沿って延在する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1軸が、前記中心軸に対して5~10度の範囲の角度をなす、請求項
2に記載の装置。
【請求項4】
前記本体を通って
前記本体の前記近位端から前記遠位端まで第2軸に沿って延在する第2補正チャネルを更に備え、前記第2補正チャネルは、前記第1補正チャネルに実質的に対向する前記本体の側を通って延在し、前記第2軸に沿って
第3ガイドワイヤを内部に受容できる寸法及び形状を有し、前記第2軸は、前記中心軸に対して角度をなす、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記本体を通って
前記本体の前記近位端から前記遠位端まで第3軸に沿って延在する第3補正チャネルを更に備え、前記第3補正チャネルは、前記第3軸に沿って
第4ガイドワイヤを内部に受容できる寸法及び形状を有し、前記第3軸が前記中心軸に平行に延在する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第3軸が、
5.0mmの距離だけ前記中心軸から離隔している、請求項
5に記載の装置。
【請求項7】
前記本体が、
前記本体の前記近位端から前記遠位端に向かって先細状になる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記本体の前記近位端から延在するハンドル部を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1補正チャネルを通る前記
第2ガイドワイヤの許容挿入角度を示すマーキングを前記本体上に更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
骨内のガイドワイヤの配置を補正するためのシステムであって、
近位端から遠位端まで延在する本体を含む装置であって、前記本体は、前記近位端から前記遠位端に向かって先細状になり、前記本体を通って前記近位端から前記遠位端まで延在する第1補正チャネルと、中央チャネルと、前記本体の前記近位端からその縦軸に対してある角度で延在するハンドル部と、を含む、装置と、
前記中央チャネルを通って挿入される寸法及び形状を有する第1ガイドワイヤと、
前記中央チャネルの中心軸に対してある角度で前記第1補正チャネルを通って挿入される寸法及び形状を有する第2ガイドワイヤと、を備え、
前記第1補正チャネルが、前記本体の前記近位端から前記遠位端に向かって先細状になり、
前記本体の前記近位端に位置する前記第1補正チャネルの近位開口部は、前記中央チャネルの前記中心軸に対して垂直な横方向において細長く、前記第1補正チャネルの前記横方向における幅は、前記本体の前記近位端から前記遠位端に向かって徐々に小さくなり、前記第1補正チャネルが、角形成の許容範囲内で、前記中心軸に対して角度をなす所望の挿入軸に沿って内部に
前記第2ガイドワイヤを受容するように構成されており、
前記本体の前記遠位端に枢動可能に結合された遠位端、及び、近位端を有するスライダであって、前記スライダの前記遠位端から前記近位端まで延在する細長い形状を有するスライダを更に備え、
前記スライダが、前記スライダの前記遠位端を中心として枢動した場合に、前記スライダの前記近位端が、前記第1補正チャネルの前記近位開口部内で、前記横方向に移動し、
前記スライダは、前記スライダの前記遠位端から前記近位端まで、前記スライダを貫通する孔を有し、前記スライダが、前記スライダの前記遠位端を中心として枢動し、前記スライダの前記近位端が、前記第1補正チャネルの前記近位開口部内で前記横方向に移動して位置決めされた際に、前記第2ガイドワイヤは、前記スライダの前記孔を通って、前記スライダの前記遠位端から出ることができる、システム。
【請求項11】
前記第1補正チャネルが、前記中心軸に対して角度をなす第1軸に沿って延在する、請求項
10に記載のシステム。
【請求項12】
前記本体を通って
前記本体の前記近位端から前記遠位端まで第2軸に沿って延在する第2補正チャネルを更に備え、前記第2補正チャネルは、前記第1補正チャネルに実質的に対向する前記本体の側を通って延在し、前記第2軸に沿って
第3ガイドワイヤを内部に受容できる寸法及び形状を有し、前記第2軸は、前記中心軸に対して角度をなす、請求項
10に記載のシステム。
【請求項13】
前記本体を通って
前記本体の前記近位端から前記遠位端まで第3軸に沿って延在する第3補正チャネルを更に備え、前記第3補正チャネルは、前記第3軸に沿って
第4ガイドワイヤを内部に受容できる寸法及び形状を有し、前記第3軸が前記中心軸に平行に延在する、請求項
10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
大腿骨頸部骨折は、インプラントが大腿骨頭部内に延在するように、大腿骨頸部の軸に沿って挿入されたインプラントで固定されてもよい。大腿骨インプラントは、大腿骨頸部の軸に沿って挿入されたガイドワイヤに沿って案内され得る。したがって、骨折を最適に固定するためには、ガイドワイヤの正確な配置が重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明は、骨内のガイドワイヤの配置を補正するための装置であって、近位端から遠位端まで延在する本体と、中心軸に沿って本体を通って近位端から遠位端まで延在する中央チャネルであって、ガイドワイヤを内部に摺動可能に受容できる寸法及び形状を有する中央チャネルと、本体を通って近位端から遠位端まで延在する第1補正チャネルであって、中央チャネルの中心軸に対してある角度で、ガイドワイヤを内部に受容できる寸法及び形状を有する第1補正チャネルと、を備える、装置に関する。
【0003】
本発明は更に、骨内のガイドワイヤの配置を補正するためのシステムであって、近位端から遠位端まで延在する本体を含む装置であって、本体は、近位端から遠位端に向かって先細状になり、本体を通って近位端から遠位端まで延在する第1補正チャネルと、中央チャネルと、本体の近位端からその縦軸に対してある角度で延在するハンドル部と、を含む、装置と、中央チャネルを通って挿入される寸法及び形状を有する第1ガイドワイヤと、中央チャネルの中心軸に対してある角度で第1補正チャネルを通って挿入される寸法及び形状を有する第2ガイドワイヤと、を備える、システムに関する。
【0004】
本発明は更に、骨内のガイドワイヤの配置を補正するための方法であって、第1ガイドワイヤを骨に挿入することと、骨を撮像して、第1ガイドワイヤの所望の補正配置を定めることと、装置の遠位端が骨の表面に当接するまで装置を第1ガイドワイヤに沿って摺動させることであって、装置は、第1ガイドワイヤが装置の中央チャネルの内部に、その中心軸に沿って受容されるように第1ガイドワイヤに沿って摺動される、ことと、装置の補正チャネルを通って第2ガイドワイヤを挿入することであって、補正チャネルは、第1ガイドワイヤの所望の補正配置に対応する軸に沿う第2ガイドワイヤの挿入を許容し、第2ガイドワイヤの挿入軸は中心軸に対して角度をなす、及び平行である、のうちの一方である、ことと、を含む、方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】第1及び第2ガイドワイヤが互いに対してある角度で骨に挿入されている、本開示の例示的実施形態によるシステムの斜視図を示す。
【
図2】第1及び第2ガイドワイヤが互いに平行に骨に挿入されている、
図1のシステムの別の斜視図を示す。
【
図5】
図1のシステムの装置の長手方向側面図を示す。
【
図6】
図1のシステムの装置の別の長手方向側面図を示す。
【
図7】本開示の別の例示的実施形態によるシステムの斜視図を示す。
【
図8】
図7に示されたシステムの更なる例示的実施形態によるシステムの斜視図を示す。
【
図9】
図8に示されたシステムの代替的実施形態による装置の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本実施形態は、以下の説明及び添付の図面を参照することによって理解することができるが、添付の図面において、類似の構成要素は同じ参照番号で指し示されている。本実施形態は骨折治療に関し、具体的には、大腿骨頸部骨折の骨折治療に関する。例示的実施形態では、それに沿ってガイドワイヤが大腿骨頸部に挿入される軸を補正するための装置を説明する。特に、大腿骨頸部インプラントを案内するために使用される場合、ガイドワイヤは、一般に、大腿骨頸部の中心軸に沿って大腿骨頭部内に挿入されるべきである。しかしながら、多くの場合、外科医はガイド装置を使用せずにガイドワイヤを大腿骨頭部内に挿入するため、ガイドワイヤの初期配置は補正が必要な場合がある。ガイドワイヤ(例えば、角度付きガイド)を挿入するための器具を使用する場合であっても、例えば患者間における解剖構造の差により、補正が必要となることがある。例示的実施形態では、大腿骨頸部を通って挿入されたガイドワイヤに用いられるものとして装置を説明しているが、当業者であれば、様々な骨のいずれかに挿入されたガイドワイヤの配置の補正に装置を使用できることを理解するはずである。例えば、例示の装置はまた、遠位大腿骨、近位上腕骨、遠位上腕骨内に配置されたガイドワイヤの補正、及び足手術中のガイドワイヤの配置に使用されてもよい。本明細書で使用するときの用語「近位」及び「遠位」は、装置のユーザ(例えば外科医)に向かう(近位)方向及びユーザから遠ざかる(遠位)方向を指すように意図することに注意されたい。
【0007】
図1~4に示されるように、本開示の例示的実施形態によるガイドワイヤの位置を補正するためのシステム100は、第2ガイドワイヤ106を、第1ガイドワイヤ104に対してある角度で、又は平行のいずれかで挿入することによって、第1ガイドワイヤ104の骨(例えば、大腿骨頸部)における配置を補正するための補正装置102を備える。装置102は、第1ガイドワイヤ104を受容するための中央チャネル110と、中央チャネル110に対してある角度で、本体を通って延在する第1補正チャネル112と、を含む本体108を備える。本体108は、中央チャネル110に対してある角度で、かつ、第1補正チャネル112と実質的に対向する本体102の側面に沿って、本体を通って延在する第2補正チャネル114を更に含んでもよい。第1及び第2補正チャネル112、114のそれぞれは、第2ガイドワイヤ106を受容できる寸法及び形状を有しており、それにより、第1ガイドワイヤ104が中央チャネル110内に受容されたとき、ユーザは、第2ガイドワイヤ106を挿入することが望ましい軸と整列される補正チャネルがいずれであるかに応じて、第1及び第2補正チャネル112、114のうちの一方を通って第2ガイドワイヤ106を挿入し得る。第3補正チャネル116は、第1補正チャネル110と略平行である本体108を通って延在し、第2ガイドワイヤ116が第1ガイドワイヤ104に平行に延在するが、第1ガイドワイヤ104から横方向にオフセットされるべきであるとユーザが判定を下したときに用いられる。装置102は、装置102の把持を容易にするために本体108から延在するハンドル部118を更に含む。使用中、第1ガイドワイヤ104の配置を補正すべきであると判定されると、装置102は、第1ガイドワイヤ104が中央チャネル110内に受容されている間に第1ガイドワイヤ104に沿って摺動され得る。次に、ガイドワイヤの所望の補正位置に応じて、第2ガイドワイヤ106は、第1、第2、及び第3チャネル112、114、116のうちの1つを通って骨内に挿入される。第2ガイドワイヤ106が所望の補正位置にある場合(例えば、大腿骨頸部の中心軸に沿っている場合)、第1ガイドワイヤ104及び装置102を取り除いて、第2ガイドワイヤ106を残してもよい。
【0008】
装置102の本体108は、近位端120から遠位端122まで延在する。中央チャネル110は、中心軸Cに沿って近位端120から遠位端122まで本体108を通って延在する。第1補正チャネル112は、中心軸Cに対してある角度で延在する第1軸Aに沿って近位端120から遠位端122まで本体108を通って延在する。第1軸A及び中心軸Cは、遠位端122の遠位の点で交差する。第2補正チャネル114は、第1補正チャネル112と実質的に対向する本体108の側面に沿って、近位端120から遠位端122まで本体108を通って延在する。第2補正チャネル114は、軸Bに沿って本体108を通って延在し、軸Bは中心軸Cに対してある角度で延在し、それにより、軸B及びCは、遠位端122の遠位の点で交差する。本体108は、中心軸Cに対する第1、第2、及び第3補正チャネル112、114、116のそれぞれの角形成を示すように標識を付けられてもよい。一例示的実施形態では、第1軸A及び第2軸Bのそれぞれは、中心軸Cに対して5°の角度をなしている。しかしながら、当業者であれば、中心軸Cに対する軸A及びBの角度は、ガイドワイヤの所望の補正程度に応じて変化し得ることを理解するはずである。例示的実施形態では、軸A及びBは、中心軸Cに対して最大20°の角度をなしてもよい。また、当業者であれば、第1軸A及び第2軸Bは、互いに異なる角を形成し得ることを理解するはずである。
【0009】
第3補正チャネル116は更に、第3軸Dに沿って近位端120から遠位端122まで本体108を通って延在する。第3軸Dは、中心軸Cに対して実質的に平行に延在する。第3軸Dは、中心軸Cから、例えば4.0mm~6.0mmの範囲の距離で離隔していてもよい。特定の一実施形態では、第3軸Dは、中心軸Cから5.0mmの距離だけ離隔していてもよい。しかしながら、当業者であれば、中心軸Cから軸Dまでの距離は、所望に応じて変化し得ることを理解するはずである。例えば、軸Dは、中心軸Cから最大15mmの距離だけ離隔していてもよい。
【0010】
中央チャネル110、並びに第1、第2、及び第3補正チャネル112、114、116のそれぞれは、ガイドワイヤを内部に受容できる寸法及び形状を有する。一実施形態では、チャネル110~116は、2.5mm~3.0mmの範囲の直径を有するガイドワイヤを受容できる寸法及び形状を有する。特定の実施形態では、チャネル110~116は、2.8mmの直径を有するガイドワイヤを受容できる寸法を有する。詳細は後述するが、装置102は、最初に挿入された第1ガイドワイヤ104に沿って、中央チャネル110内に受容された第1ガイドワイヤ104と共に摺動されてもよい。次に、第2ガイドワイヤ106を第1、第2、及び第3補正チャネル112、114、116のうちの1つに挿入し、第1ガイドワイヤ104の初期配置を補正してもよい。第1及び第2補正チャネル112、114は、本体108の対向側面に沿って延在し、それにより、第1ガイドワイヤ104に対する第2ガイドワイヤ106の角形成が所望される場合、ユーザは、第1ガイドワイヤ104に対する第2ガイドワイヤ106の角形成が望まれる方向を判定できる。
【0011】
本体108の寸法及び形状は、中央チャネル110を介して画定されてもよく、第1、第2、及び第3補正チャネル112、114、116は、近位端120から遠位端122に向かって先細状である。したがって、第1及び第2補正チャネル112、114のなす角度が小さいほど、先細状も小さくなり、なす角度が大きいほど、先細状も大きくなる。本体108の長さは、装置102が組織を介して生体内に挿入され得、遠位端122が骨と接触する間、近位端120に接続されたハンドル部118が生体の外側に延在し得るように選択されてもよい。更に、チャネル110~116は、軸A~Dに沿ったガイドワイヤの挿入中の精度を確保するのに十分な長さであるべきである。例示的実施形態では、本体108の長さは、100~200mmの範囲であってもよい。特定の実施形態では、補正装置102の本体108は、約142mmの長さを有してもよい。
【0012】
ハンドル部118は、任意選択的に、それぞれが本体108の近位端120から装置102の縦軸に対してある角度で横方向に延在する、第1及び第2翼状ハンドル124、126それぞれを含む。第1及び第2翼状ハンドル124、126は、本体108の実質的に対向する側面から延在する。一実施形態では、第1翼状ハンドル124は、第1補正チャネル112を含む本体108の側面から延在し、第2翼状ハンドル126は、第2補正チャネル114を含む本体108の側面から延在する。装置102の縦軸に対する第1及び第2翼状ハンドル124、126の角度は、第1及び第2ハンドル124、126のうちの少なくとも1つを容易に把持できるように選択される。したがって、骨に対する装置102の向きにかかわらず、ユーザは、第1、第2、及び第3補正チャネル112、114、116のうちの1つを通って第2ガイドワイヤ106を挿入している間に把持するための少なくとも1つのハンドルを有する。
【0013】
システム100を使用する外科的方法の例示によれば、第1ガイドワイヤ104は、大腿骨頸部の軸に沿って大腿骨頭部内に挿入される。第1ガイドワイヤ104は、大腿骨の縦軸に対して所定の角度で第1ガイドワイヤ104の挿入を可能にする角度付きガイドを用いて大腿骨頭部に挿入されてもよい。第1ガイドワイヤ104が骨に挿入されると、ユーザは、補正が必要か否かを判定するために、大腿骨の近位部の画像スキャン(例えば、X線)を行ってもよい。多くの場合、ガイドワイヤは、大腿骨頸部の中心軸に沿って挿入されることが望ましい。したがって、第1ガイドワイヤ104が所望通りに(例えば、大腿骨頸部及び頭部内の中央及びインラインに)位置付けられていないことが画像スキャンから分かる場合、ユーザは、補正が必要であると判定することができる。画像スキャンに基づいて、ユーザはまた、ガイドワイヤの所望の補正経路を判定することができる。例えば、ユーザは、最初に配置された第1ガイドワイヤ104に対して前方又は後方の方向にガイドワイヤの角を形成すべきか、又はガイドワイヤが最初に配置された第1ガイドワイヤ104に対して平行に延在するが、そこから横方向にオフセットすることが望ましいか否かを判定することができる。
【0014】
装置102は、第1ガイドワイヤ104に沿って摺動され、第1ガイドワイヤ104は、遠位端122が骨に接触するまで、中央チャネル110内に受容される。ユーザは、第2ガイドワイヤ106の入口点(例えば、第2ガイドワイヤ106が挿入される第1、第2、及び第3補正チャネル112、114、116のうちの選択された1つの遠位開口部)が所望の補正経路と整列するまで、装置102を第1ガイドワイヤ104の周りで回転させることができる。次に、ユーザは、第1、第2、及び第3補正チャネル112、114、116それぞれのうちの選択された1つを通って第2ガイドワイヤ106を挿入しながら、第1及び第2ハンドル124、126のうちの1つを把持して装置102を骨に対して所望の向きで押し付ける。当業者により理解されるように、ユーザは、判定された所望の補正経路に基づき、第1、第2、及び第3補正チャネル112、114、116から使用すべきものを判定する。第2ガイドワイヤ106は、第1、第2、及び第3軸A、B、Dのうちの1つと整列して、選択された補正チャネル、並びに所望の補正経路に沿った新しい入口点を通って骨に挿入される。当業者により理解されるように、第2ガイドワイヤ106を挿入した後、第1ガイドワイヤ104及び装置102を患者の体から取り除くことができる。
【0015】
所望される場合、第2ガイドワイヤが骨内の所望の位置にあることを確認するために、近位大腿骨に別の画像スキャンを行ってもよい。第2ガイドワイヤ106も補正を必要とする場合、第2ガイドワイヤ106が中央チャネル110内に受容されるように、装置102を第2ガイドワイヤ106上で摺動させることにより上記のプロセスを繰り返してもよい。第3ガイドワイヤは、所望の補正経路に沿って第1、第2、及び第3補正チャネル112、114、116のうちの1つを通って挿入されてもよい。
【0016】
あるいは、場合により、所望の補正経路は、第1ガイドワイヤ104に対してより大きな角度をなしてもよく、及び/又は装置102を介して許容されるより長い距離にあってもよい。例えば、所望の経路が第1ガイドワイヤ104に対して10°の角度をなす一方、軸A及びBは、軸Cに対して5°の角度で延在してもよい。このような場合、ガイドワイヤの挿入経路が所望の補正経路に実質的に対応するまで、追加のガイドワイヤを使用して上記のプロセスを繰り返してもよい。
【0017】
例示的実施形態では3つの補正チャネル112~116を説明及び示しているが、当業者であれば、装置102が追加の角形成及び/又は距離のオプションを提供する追加のチャネルを含み得ることを理解するはずである。しかしながら、追加のチャネルにより、装置102の本体108の寸法が増大することがある。
【0018】
図7に示されるように、本開示の別の例示的実施形態によるシステム200は、第1ガイドワイヤ204に対するある角度及び/又は第1ガイドワイヤ204からある距離での第2ガイドワイヤ206の挿入を可能にすることによって第1ガイドワイヤ204の初期配置を補正するための装置202を備えるシステムであり、システム100と実質的に同様であってもよい。装置202は、装置102と実質的に同様であってもよい。しかしながら、装置102は、それぞれが単一のガイドワイヤに対応するように寸法及び形状が具体的に決定されている複数の補正チャネル112~116を備え、それにより、第2ガイドワイヤ106は、第1ガイドワイヤ104に対して具体的かつ所定の角度/距離でのみ骨に挿入することができる。それに対して装置202は、角形成の許容範囲内で、装置202の中央チャネル210の軸Cに対して角度をなした軸に沿ってチャネルを通るガイドワイヤの挿入を可能にするスロット付き補正チャネル212を含む。
【0019】
具体的には、装置202は、近位端220から遠位端222まで延在する本体208と、本体208の近位端220から延在するハンドル部218と、を含む。装置202は、本体208を通って近位端220から遠位端222まで延在し、第1ガイドワイヤ204を受容する中央チャネル210を含む。スロット付き補正チャネル212は更に、本体208を通って近位端220から遠位端222まで延在する。スロット付き補正チャネル212は、近位端220から遠位端222に向かって先細状になっており、その結果、その近位開口部213はスロット付きに(つまり、細長く)なり、角形成の許容範囲内でチャネルを通る第2ガイドワイヤ206の挿入を可能にする。
【0020】
一実施例では、スロット付き補正チャネル212は、第2ガイドワイヤ206を中心軸Cに対して-10°~10°の範囲の角度でそれを通って挿入することを可能にし得る。しかしながら、当業者であれば、角形成の許容範囲が所望に応じて変化し得ることを理解するはずである。本体208は、ユーザが第2ガイドワイヤ206の所望の角形成を示す標識と整列してスロット付き補正チャネル212を通って第2ガイドワイヤ206を挿入することができるように、角形成の許容範囲の標識を付けられてもよい。第2ガイドワイヤ206は、第1ガイドワイヤ204に対してある角度で(中央チャネル210内に受容される)、又は第1ガイドワイヤ204に平行に骨に挿入されてもよい。ガイドワイヤ206を第1ガイドワイヤ204に平行に挿入するために、第2ガイドワイヤ206を、本体208上に示される0°のマーカと整列してスロット付きチャネル212を通って挿入してもよい。
【0021】
システム200の装置202は、単一のスロット付きチャネル212を含むものとして示され、説明されているが、当業者であれば、本開示による装置は、それを通って挿入されたガイドワイヤの所定の角形成の範囲を提供する2つ以上のスロット付きチャネルを含み得ることを理解するはずである。また、当業者であれば、本開示による装置は、装置202に関して上述したような少なくとも1つのスロット付きチャネルと、装置102に関して上述した補正チャネルのうちの少なくとも1つとの組み合わせも含み得ることを理解するはずである。
【0022】
システム200は、装置100と実質的に同様の方法で使用することができる。具体的には、装置202は、第1ガイドワイヤ204が中央チャネル210内に受容されるように、最初に配置された第1ガイドワイヤ204上を摺動することができる。近位大腿骨(又はガイドワイヤが挿入される骨の他の部分)の画像スキャンに基づいて、ユーザは、第2ガイドワイヤ206のための所望の補正経路を判定することができる。第2ガイドワイヤ206は、所望の補正経路に対応する標識と整列して、スロット付きチャネル212を通って骨内に挿入することができる。
【0023】
図8に示されるように、本開示の更なる例示的実施形態によるシステム300は、第1ガイドワイヤ304に対するある角度及び/又は第1ガイドワイヤ204からある距離での第2ガイドワイヤ306の挿入を可能にすることによって第1ガイドワイヤ304の初期配置を補正するための装置302を備えるシステムであり、上述のシステム200と実質的に同様であってもよい。装置202と同様に、装置302は、中央チャネル310と、装置302の本体308を通って本体308の近位端320から本体308の遠位端322まで長手方向に延在するスロット付きチャネル312と、を含む。スロット付きチャネル312は、スロット付きチャネル212と実質的に同様であり、第1ガイドワイヤ304が受容される中央チャネル310の中心軸Cに対する角形成の許容範囲内における所望の角度で、第2ガイドワイヤ306のチャネルを通る挿入を可能にする。しかしながら、装置302は、スロット付きチャネル312内に移動可能に受容されるスライダ330を更に含む。スライダ330は、スライダを通って長手方向に延在する開口部を含む。開口部は、その内部にガイドワイヤを受容できる寸法及び形状を有する。スライダ330は、スロット付きチャネル312内で横方向に移動されてもよく、それにより、スライダ330が角形成の許容範囲内で所望の角度(所望の補正経路に対応する)と整列して位置付けられてもよい。スライダ330は、所望の補正経路に沿って第2ガイドワイヤ306を挿入する際により高い精度を提供することができる。
【0024】
スライダ330は、スロット付きチャネル312と連通する本体308を通って横方向に延在する、対応の寸法及び形状を有する溝334内に摺動可能に収容されてもよい。溝334は、ユーザがスライダ330の一部にアクセスできてスライダ330を本体308に対して横方向に摺動させ、例えば、角形成の許容範囲内の所望の角度を示す標識と整列できるように、スライダ330を収容する。スライダ330は、スライダ330が第2ガイドワイヤ306の挿入中に移動することを防止する機構を含んでもよい。例えば、スライダ330は、溝334内に摩擦嵌合されてもよく、及び/又は、スライダ330が溝334の、対応の寸法及び形状を有する複数の係合機構のうちの所望の1つにクリック又はスナップ嵌めすることを可能にする係合機構を含んでもよい。対応の寸法及び形状を有する溝334の係合機構は、本体308に対してスライダ330を所望の位置に固定することを可能にしてもよい。
【0025】
代替的実施形態によれば、
図9に示されるように、横方向に延在する溝内に受容されたスライダの代わりに、装置302’は、スロット付きチャネル312’内に受容され、装置302’の本体308’の遠位端322’に枢動可能に結合された、長手方向に延在するスライダ330’を含んでもよい。スライダ330’は、それを通って長手方向に延在する整列チャネル332’を含み、整列チャネル332’は、ガイドワイヤをその中に受容できる寸法及び形状を有する。スライダ330’は、所望の補正経路に沿った挿入をより高い精度で実現するために、装置302’の中央チャネル310’の中心軸Cに対する角形成の許容範囲内で所望の角形成(所望の補正経路に対応する)を示す標識と整列するように枢動されてもよい。
【0026】
装置302、302’は、上述した装置102、202と実質的に同様の方法で使用することができる。特に、装置302(又は302’)は、最初に配置された第1ガイドワイヤ304に沿って摺動されてもよい。スライダ330は、第2ガイドワイヤ306がその開口部332を通って骨内に案内され得るように、ガイドワイヤの所望の補正経路と整列するように移動される。
【0027】
本発明の趣旨又は範囲から逸脱せずに本発明の構造及び方法に改変及び変更を加えることが可能であることを当業者は理解するであろう。したがって、本発明の改変及び変更が、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内に含まれるものであれば、本発明はそれらを包含するものとする。
【0028】
〔実施の態様〕
(1) 骨内のガイドワイヤの配置を補正するための装置であって、
近位端から遠位端まで延在する本体と、
中心軸に沿って前記本体を通って前記近位端から前記遠位端まで延在する中央チャネルであって、ガイドワイヤを内部に摺動可能に受容できる寸法及び形状を有する中央チャネルと、
前記本体を通って前記近位端から前記遠位端まで延在する第1補正チャネルであって、前記中央チャネルの前記中心軸に対してある角度で、ガイドワイヤを内部に受容できる寸法及び形状を有する第1補正チャネルと、を備える、装置。
(2) 前記第1補正チャネルが、前記中心軸に対して角度をなす第1軸に沿って延在し、前記第1軸及び前記中心軸は、前記本体の前記遠位端の遠位の点で交差する、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記第1軸が、前記中心軸に対して5~10度の範囲の角度をなす、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記本体を通って前記近位端から前記遠位端まで第2軸に沿って延在する第2補正チャネルを更に備え、前記第2補正チャネルは、前記第1補正チャネルに実質的に対向する前記本体の側を通って延在し、前記第2軸に沿ってガイドワイヤを内部に受容できる寸法及び形状を有し、前記第2軸は、前記中心軸に対して角度をなし、かつ前記本体の前記遠位端の遠位で前記中心軸と交差する、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記本体を通って前記近位端から前記遠位端まで第3軸に沿って延在する第3補正チャネルを更に備え、前記第3補正チャネルは、前記第3軸に沿ってガイドワイヤを内部に受容できる寸法及び形状を有し、前記第3軸が前記中心軸に平行に延在する、実施態様1に記載の装置。
【0029】
(6) 前記第3軸が、約5.0mmの距離だけ前記中心軸から離隔している、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記本体が、前記中央チャネル及び前記第1補正チャネルにより画定され、前記近位端から前記遠位端に向かって先細状になる、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記本体の前記近位端から延在するハンドル部を更に備える、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記ハンドル部が、前記本体の縦軸に対してある角度で前記近位端から横方向に延在する一対の羽根を含み、前記一対の羽根のそれぞれは、前記本体の対向側から延在する、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記第1補正チャネルが、前記本体の前記近位端から前記遠位端に向かって先細状になり、角形成の許容範囲内で、前記中心軸に対して角度をなす所望の挿入軸に沿って内部にガイドワイヤを受容するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
【0030】
(11) 前記第1補正チャネル内で移動できるように前記第1補正チャネルの内部に受容されるスライダを更に備え、前記スライダは前記スライダを通って延在する開口部を含み、それによって前記開口部の軸が前記第1補正チャネルを通る前記ガイドワイヤの前記所望の挿入軸と整列され得る、実施態様10に記載の装置。
(12) 前記スライダは、前記第1補正チャネルに対して横方向に移動できるように溝の内部に受容されている、実施態様11に記載の装置。
(13) 前記スライダが近位端から前記本体の前記遠位端に枢動可能に結合された遠位端まで縦方向に延在し、それによって前記スライダは枢動して前記所望の挿入軸と整列し得る、実施態様11に記載の装置。
(14) 前記第1補正チャネルを通る前記ガイドワイヤの許容挿入角度を示すマーキングを前記本体上に更に備える、実施態様1に記載の装置。
(15) 骨内のガイドワイヤの配置を補正するためのシステムであって、
近位端から遠位端まで延在する本体を含む装置であって、前記本体は、前記近位端から前記遠位端に向かって先細状になり、前記本体を通って前記近位端から前記遠位端まで延在する第1補正チャネルと、中央チャネルと、前記本体の前記近位端からその縦軸に対してある角度で延在するハンドル部と、を含む、装置と、
前記中央チャネルを通って挿入される寸法及び形状を有する第1ガイドワイヤと、
前記中央チャネルの中心軸に対してある角度で前記第1補正チャネルを通って挿入される寸法及び形状を有する第2ガイドワイヤと、を備える、システム。
【0031】
(16) 前記第1補正チャネルが、前記中心軸に対して角度をなす第1軸に沿って延在し、前記第1軸及び前記中心軸は、前記本体の前記遠位端の遠位の点で交差する、実施態様15に記載のシステム。
(17) 前記本体を通って前記近位端から前記遠位端まで第2軸に沿って延在する第2補正チャネルを更に備え、前記第2補正チャネルは、前記第1補正チャネルに実質的に対向する前記本体の側を通って延在し、前記第2軸に沿ってガイドワイヤを内部に受容できる寸法及び形状を有し、前記第2軸は、前記中心軸に対して角度をなし、かつ前記本体の前記遠位端の遠位で前記中心軸と交差する、実施態様15に記載のシステム。
(18) 前記本体を通って前記近位端から前記遠位端まで第3軸に沿って延在する第3補正チャネルを更に備え、前記第3補正チャネルは、前記第3軸に沿ってガイドワイヤを内部に受容できる寸法及び形状を有し、前記第3軸が前記中心軸に平行に延在する、実施態様15に記載のシステム。
(19) 前記第1補正チャネルが、前記本体の前記近位端から前記遠位端に向かって先細状になり、角形成の許容範囲内で、前記中心軸に対して角度をなす所望の挿入軸に沿って内部にガイドワイヤを受容するように構成されている、実施態様15に記載のシステム。
(20) 前記第1補正チャネル内で移動できるように前記第1補正チャネルの内部に受容されるスライダを更に備え、前記スライダは前記スライダを通って延在する開口部を含み、それによって前記開口部の軸が前記第1補正チャネルを通る前記ガイドワイヤの前記所望の挿入軸と整列され得る、実施態様19に記載のシステム。
【0032】
(21) 前記スライダは、前記第1補正チャネルに対して横方向に移動できるように溝の内部に受容されている、実施態様20に記載のシステム。
(22) 前記スライダが近位端から前記本体の前記遠位端に枢動可能に結合された遠位端まで縦方向に延在し、それによって前記スライダは枢動して前記所望の挿入軸と整列し得る、実施態様20に記載のシステム。
(23) 骨内のガイドワイヤの配置を補正するための方法であって、
第1ガイドワイヤを骨に挿入することと、
前記骨を撮像して、前記第1ガイドワイヤの所望の補正配置を定めることと、
装置の遠位端が前記骨の表面に当接するまで前記装置を前記第1ガイドワイヤに沿って摺動させることであって、前記装置は、前記第1ガイドワイヤが前記装置の中央チャネルの内部に、その中心軸に沿って受容されるように前記第1ガイドワイヤに沿って摺動される、ことと、
前記装置の補正チャネルを通って第2ガイドワイヤを挿入することであって、前記補正チャネルは、前記第1ガイドワイヤの前記所望の補正配置に対応する軸に沿う前記第2ガイドワイヤの挿入を許容し、前記第2ガイドワイヤの前記挿入軸は前記中心軸に対して角度をなす、及び平行である、のうちの一方である、ことと、を含む、方法。
(24) 前記補正チャネルが、前記中心軸に対して角度をなす第1軸に沿って前記装置を通って延在する第1チャネルと、前記中心軸に対して角度をなす第2軸に沿って前記第1チャネルと対向する前記装置の側を通って延在する第2チャネルと、前記中心軸に平行に前記装置を通って延在する第3チャネルのうちの1つである、実施態様23に記載の方法。
(25) 前記補正チャネルが前記装置の近位端から前記遠位端に向かって先細状になり、それによって、角形成の許容範囲内で、前記第2ガイドワイヤは前記中心軸に対して所望の角度で前記補正チャネルの内部に受容可能となる、実施態様23に記載の方法。
【0033】
(26) スライダを移動させ、前記スライダの開口部を、前記補正チャネルを通る前記第2ガイドワイヤの所望の挿入角度と整列させることを更に含む、実施態様25に記載の方法。