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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】殺菌剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20240311BHJP
   C11D 3/48 20060101ALI20240311BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20240311BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20240311BHJP
   C11D 1/75 20060101ALI20240311BHJP
   C11D 1/68 20060101ALI20240311BHJP
   C11D 1/90 20060101ALI20240311BHJP
   C11D 1/52 20060101ALI20240311BHJP
   C11D 1/42 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D3/48
C11D3/37
C11D1/72
C11D1/75
C11D1/68
C11D1/90
C11D1/52
C11D1/42
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022500867
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(86)【国際出願番号】 US2020070289
(87)【国際公開番号】W WO2021022290
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】19188867.6
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ヘイワード、アダム・サイモン
(72)【発明者】
【氏名】ペレス-プラート・ヴィヌエサ、エヴァ・マリア
【審査官】林 建二
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-100085(JP,A)
【文献】特開昭52-105228(JP,A)
【文献】特表2001-505552(JP,A)
【文献】国際公開第2014/151331(WO,A1)
【文献】特表2015-515447(JP,A)
【文献】特表2015-507676(JP,A)
【文献】特表2012-508725(JP,A)
【文献】国際公開第2018/095915(WO,A1)
【文献】特開2002-309292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00-19/00
A01N 1/00-65/48
A01P 1/00-23/00
A61L 9/00-9/22
C08K 3/00-13/08
C08L 1/00-101/14
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
四級アンモニウム抗菌活性物質を含まない、硬質表面用液体殺菌洗浄剤組成物であって、前記組成物が、
i)オクテニジンジヒドロクロリドであるビスピリジニウムアルカン抗菌活性物質と、
ii)トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロリド(MAPTAC)由来のモノマー単位と、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)由来のモノマー単位と、アクリル酸(AA)由来のモノマー単位と、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)由来のモノマー単位とを含む、ポリマーと、
iii)界面活性剤と、
iv)pH調整剤と、
v)水と、
を含む、硬質表面用液体殺菌洗浄剤組成物。
【請求項2】
前記ポリマーが、前記ポリマーの100重量%に基づいて、トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロリド(MAPTAC)由来のモノマー単位を25~45重量%、N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)由来のモノマー単位を40~70重量%、アクリル酸(AA)由来のモノマー単位を1~15重量%、及び2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)由来のモノマー単位を1~15重量%含有する、請求項に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物の0.1重量%~5重量%の前記ポリマーを含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物の0.05重量%~5重量%の前記ビスピリジニウムアルカン抗菌活性物質を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物の0.05重量%~5重量%の前記界面活性剤を含み、前記界面活性剤が、アルキルポリグルコシド、脂肪アルコールアルコキシレート、ベタイン、アルキルグルカミン、アルキルグルカミド、アミンオキシド、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物の0.1重量%~10重量%の前記pH調整剤を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
i)前記組成物の0.05重量%~2重量%のオクテニジンジヒドロクロリドと、
ii)前記組成物の0.1重量%~4重量%の前記ポリマーと、
iii)前記組成物の0.05重量%~2重量%の、アミンオキシド界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤と、
iv)前記組成物の0.2重量%~3重量%のpH調整剤と、
v)前記組成物の90重量%~99重量%の水と、を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、硬質表面に殺菌残留性を付与する、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、硬質表面に殺菌残留性を提供する、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項10】
請求項1~のいずれか一項に記載の組成物で処理された物品。
【請求項11】
前記物品が、ワイプの形態又は任意の使い捨て基材の形態である、請求項10に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌剤組成物、具体的には殺菌洗浄剤組成物の分野におけるものである。本組成物は、殺菌残留性を提供すると同時に、良好な洗浄及び光沢を提供する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2016/086012(A1)号に記載されているものなどの組成物は、長期間の殺菌効果を提供する。しかしながら、このような組成物で処理された表面は、光沢プロファイルが不良であり、乾燥速度が遅く、かつべたつき/粘着性の感触が残り、使用者にとって清浄性の欠如を伴う。
【0003】
国際公開第2013/098547(A1)号は、表面を清潔にする又は殺菌するための四級アンモニウム化合物を含む抗菌組成物を開示しているが、これらの化合物は、可視残留物として表面上に付着し、処理された表面が十分に洗浄されていないという印象を使用者に残す傾向がある。これは、表面が縞状に見え、光沢がよくないためである。更に、処理された表面は、わずかにべたつきを感じる場合があり、これが使用者に洗浄不良の印象を更に与える。更に、四級アンモニウム化合物は、典型的には、組成物中に存在する洗浄界面活性剤と相互作用する。その結果、組成物の抗菌効果が低下するか、又はより高い濃度の抗菌活性物質が存在する必要が生じる。洗浄製品中の高レベルの四級アンモニウム抗菌活性物質の使用は、環境上の理由で望ましくない可能性がある。別の欠点は、食品接触面に使用される製品においてそれらのレベルが制限されることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2016/086012(A1)号
【文献】国際公開第2013/098547(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、良好な洗浄、光沢、及び長期の殺菌を提供する殺菌剤組成物が依然として必要とされている。好ましくは、本組成物は、食品に接触する表面に好適である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、殺菌洗浄剤組成物が提供される。本組成物は、ビスピリジニウムアルカン抗菌活性物質及びポリマーを含む。本組成物は、殺菌残留性を提供する。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、表面、特に硬質表面に殺菌残留性を提供するための本発明の組成物の使用が提供される。
【0008】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様の組成物で処理された物品が提供される。本物品は、1つ以上の不織布層を含む使い捨て又は部分的に再利用可能な基材の形態である。本物品は、表面、特に硬質表面を清潔にする。本物品は、本明細書では「本明細書の物品」と呼ばれることがある。
【0009】
本発明の第1の態様に関連して説明される本発明の組成物の要素は、必要な変更を加えて、発明の他の態様にも適用される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で使用される百分率、比率、及び割合は全て、別段の指定がない限り、組成物の重量%である。全ての平均値は、別段の明示的な指示がない限り、組成物の「重量により」計算される。別段の指定がない限り、全ての比率は重量/重量レベルとして計算される。
【0011】
全ての測定は、別段の指定がないない限り、25℃で実施される。
【0012】
別段の注記がない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在する場合のある不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0013】
本明細書で使用される場合、「微生物」又は「微生物の」という用語は、微生物学者によって研究される微生物、又は処理された物品の使用環境に見られる微生物のいずれかを指すと解釈されるべきである。このような生物としては、細菌及び真菌、並びにカビ、白カビ、及び藻などの他の単細胞生物が挙げられるが、これらに限定されない。ウイルス粒子及び他の感染病原体もまた、微生物という用語に含まれる。
【0014】
「抗菌性」は、更に、殺微生物特性及び微生物静菌特性の両方の特性を包含すると理解されるべきである。すなわち、この用語は、微生物殺滅、それによる微生物の数の減少、及び微生物成長の遅延効果を包含し、ここで、その数は、おおむね一定のままであってもよい(しかしながら、わずかな増加/減少を許容する)。
【0015】
考察を容易にするために、本明細書は、抗菌性という用語を使用して、広域スペクトル活性(例えば、細菌及び真菌に対する)を表す。特定の微生物又は分類学的ランクに対する有効性について述べる場合、より重点的な用語が使用される(例えば、特に真菌成長に対する有効性を表す抗真菌性)。上記の例を使用して、真菌に対する有効性は、いかようにも、同じ抗菌組成物が別のクラスの微生物に対する有効性を示す可能性を排除するものではないと理解されるべきである。
【0016】
残留殺菌特性は、環境保護庁(EPA)により承認された、硬質の非多孔性表面上の乾燥生成物残基のための24時間の残留自己消毒(RSS)試験方法(EPA#01-1A)において少なくとも99.9%の微生物低減を達成することを指す。すなわち、残留殺菌特性を示す本発明の組成物は、12回の摩耗及び5回の再接種の24時間試験レジーム後に少なくとも99.9%の微生物減少を果たすことができる。
【0017】
殺菌剤組成物
本発明は、殺菌剤組成物に関する。本組成物は、ビスピリジニウムアルカン、好ましくはオクテニジンジヒドロクロリド及びポリマーを含む。
【0018】
本組成物は、他の成分の中でも、担体、好ましくは水、界面活性剤、pH調整剤、及び芳香剤を更に含んでもよい。好ましくは、本組成物は、液体形態、より好ましくは水溶液の形態であり、好ましくは、本組成物は、本組成物の80重量%超、より好ましくは90重量%超、特に95重量%~99重量%の水を含む。本組成物は、好ましくはアルカリ性であり、9~14、好ましくは10~13のpHを有する。
【0019】
本組成物は、EPA承認24時間RSS試験方法(EPA#01~1A)において少なくとも99.9%の微生物低減を果たすことにより、少なくとも24時間、表面殺菌及び残留殺菌特性を有するように配合されており、本組成物は、スプレー、ローリング、フォギング、ワイピング、又は他の手段によって表面に適用され得る。本組成物は、表面殺菌剤として作用し、少なくとも24時間表面に存在する感染微生物を殺滅する。
【0020】
乾燥させると、液体配合物は、表面上に残留保護フィルムを残す。残留フィルムは、殺菌特性を有し、その適用後に長期間にわたって、微生物汚染に対する表面の保護を維持することを可能にする。
【0021】
本殺菌剤組成物は、処理された表面上にフィルムを付着させた後少なくとも24時間、細菌及び他の病原菌を迅速に殺滅する能力を有するフィルムをもたらす。迅速な殺滅とは一般に、約30秒~約5分の時間を指す。フィルムは表面上に残り、表面の複数の接触及び摩擦に耐久性がある。組成物が表面に適用された後、表面は良好な光沢プロファイルを呈する。
【0022】
抗菌剤
本発明の組成物は、英国特許第1533952号に記載されているものなどのビスピリジニウムアルカンを含む。ビスピリジニウムアルカンという用語は、一般式(I)又は(II)のビス[4-(置換アミノ)-1-ピリジニウム]アルカンを含み、
【0023】
【化1】
式中、
Yは、4~18個の炭素原子を有するアルキレン又はアルキル基であり、
Rは、6~18個の炭素原子を有するアルキル基又は5~7個の炭素原子を有するシクロアルキル基又はハロゲン置換を有する若しくは含まないフェニル基を表し、Aは、1個のアニオン又は数個のアニオンである。
【0024】
Aは、一価、二価、又は多価アニオン、例えば、塩化物、臭化物、リン酸塩、又はオルトケイ酸塩であってもよい。Aはまた、式R4-COO~を有する有機酸であってもよく、式中、R4は、水素、ヒドロキシル、又はC1~C40アルキルである。
【0025】
本発明のビスピリジニウムアルカンは、例えば、英国特許第1533952号及び独国特許第19647692(A1)号に開示されているものなどの式(I)及び(II)の化合物の様々なプロトタイプを含む。
【0026】
他の好適なビスピリジニウムアルカンは、有機酸が、例えば国際公開第2014/100807号に記載されているものなど、約4~約30個の炭素原子を含有するビスピリジンアミンの有機酸塩を含む。好適な有機酸としては、例えば、ハロゲンによって非置換又は置換される(C1~C40)アルカンカルボン酸などのカルボン酸、(C1~C40)アルキルスルホン酸などの、アミノ酸などのヒドロキシカルボン酸などの飽和又は不飽和ジカルボン酸が挙げられるが、これらに限定されない。塩が由来することができる追加の有機酸には、例えば、酢酸、プロピオン酸、リン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、グリシルリジン酸、サリチル酸、ステアリン酸、ホスホン酸、トリフルオロ酢酸、シアノ酢酸、4-シアノ安息香酸、2-クロロ安息香酸、2-ニトロ安息香酸、フェノキシ酢酸、ベンゼンスルホン酸が挙げられる。ビスピリジニウムアルカンジステアレートなどのステアレートの塩が好ましい。
【0027】
好ましいビスピリジニウムアルカンは、オクテニジンジヒドロクロリド(R=n-オクチル、Y=n-デセニル、A=2×Cl、本明細書中以下において、「オクテニジン」CAS番号70775-75-6)である。
【0028】
抗菌剤は、本組成物の0.001重量%~1重量%未満ほどであり得る殺菌有効量でのみ存在する必要がある。より好ましい組成物では、洗浄剤組成物は、本組成物の約0.0025~約0.5重量%、より好ましくは0.005%~0.15重量%のレベルで抗微生物剤を含む。
【0029】
殺菌有効量の抗菌剤は、典型的には、EN13697(Chemical Disinfectants Bactericidal Activity Testing)の方法を使用して、5分間で黄色ブドウ球菌を少なくとも4log低減させる。
【0030】
ポリマー
本組成物は、好ましくは、本組成物の約0.0005重量%~約5重量%、好ましくは約0.001重量%~約4重量%のポリマーを含む。より好ましくは、本組成物の約0.05重量%~約3重量%のポリマー。ポリマーは、ポリエチレンイミン(polyethyleneimine、PEI)であるか、又は本明細書で以下に列挙されるモノマーのうちの少なくとも1つを含むかのいずれかである。ポリマーがPEIではない場合、ポリマーは、
a)ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(diallyldimethylammonium chloride、DADMAC)、四級化ビニルイミダゾール(quaternised vinyl imidazole、QVI)、四級化ビニルピリジニウム(quaternised vinyl pyridinium、QVPy)、及び式、
H2C=CR1-CO-NH-R2-N+R3R4R5X-
又は
H2C=CR1-CO-O-R2-N+R3R4R5X-
(式中、R1は、水素原子又は1~4個のC原子を有するアルキル基を表し、R2は、1~12個のC原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレン基を表し、R3、R4及びR5は、互いに独立して、水素原子、1~18個のC原子を有するアルキル基又はフェニル基を表し、Xは、ハロゲン、スルフェート若しくはアルキルスルフェート、水酸化物、ホスフェート、アセテート、ホルメート、又はアンモニウムの群からのアニオンを表す)のものから選択されるカオチン性モノマーからなる群から選択される少なくとも1つのモノマーを含む。特に好ましいのは、R1がメチル基を表し、R2がCH2-CH2-CH2基を表し、R3、R4及びR5が各々メチル基を表すタイプのモノマーである。X-は、ハライド、水酸化物、スルフェート、硫酸水素塩、ホスフェート、ホルメート、又はアセテート、好ましくはクロリドなどの好適な対イオンを表す。モノマー、3-トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロリド(MAPTAC)は特に好ましい。
b)2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(2-(dimethylamino)ethyl methacrylate、DMAEMA)、N-イソプロピルアクリルアミド(N-isopropylacrylamide、NIPAM)、2-ジエチルアミノエチルメタクリレート(2-diethylaminoethylmethacrylate、DEAEMA)、3-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(3-dimethylaminopropyl methacrylamide、DMAPMAm)、3-ジメチルアミノ-2,2-ジメチルプロピルアクリルアミド(3-dimethylamino-2,2-dimethylpropylacrylamide、DMADMPAm)、C1~C4アルキルアクリレートエステル、ビニルイミダゾール、及びビニルピリジンから選択される中性モノマーと、
c)スルホプロピルジメチルアンモニオエチルメタクリレート(sulfopropyldimethylammonioethyl methacrylate、SPE)、スルホプロピルジメチルアンモニオプロピルメタクリルアミド(sulfopropyldimethylammoniopropyl methacrylamide、SPP)、スルホヒドロキシルプロピルジメチルアンモニオプロピルメタクリルアミド(sulfohydroxylpropyldimethylammoniopropyl methacrylamid、SHPP)、スルホヒドロキシルプロピルジメチルアンモニオエチルメタクリルアミド(sulfohydroxylpropyldimethylammonioethyl methacrylamide、SHPE)から選択される双性イオン性モノマーと、
d)任意選択で、アクリル酸(acrylic acid、AA)、メタクリル酸(methacrylic acid、MA)、アクリルアミド、メタクリルアミド及び2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(2-acrylamido-2-methylpropane sulfonic acid、AMPS)から選択されるコモノマーと、
e)これらの混合物。
【0031】
好ましいポリマーは、3-トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロリド(MAPTAC)モノマーを含む。
【0032】
好ましくは、ポリマーは、a)~d)から選択される少なくとも2つ又は3つのモノマーを含む。好ましくは、本発明の組成物のポリマーは、4つのモノマーを含む。
【0033】
モノマー成分a)
このタイプのモノマーは、一般式:
H2C=CR1-CO-NH-R2-N+R3R4R5X-
(式中、R1は、水素原子又は1~4個のC原子を有するアルキル基を表し、R2は、1~12個のC原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキレン基を表し、R3、R4及びR5は、互いに独立して、水素原子、1~18個のC原子を有するアルキル基又はフェニル基を表し、Xは、ハロゲン、スルフェート若しくはアルキルスルフェート、水酸化物、ホスフェート、アセテート、ホルメート、又はアンモニウムの群からのアニオンを表す)に従う。特に好ましいのは、R1がメチル基を表し、R2がCH2-CH2-CH2基を表し、R3、R4及びR5が各々メチル基を表すタイプのモノマーである。X-は、ハライド、水酸化物、スルフェート、硫酸水素塩、ホスフェート、ホルメート、又はアセテート、好ましくはクロリドなどの好適な対イオンを表す。モノマー、3-トリメチルアミンモンプロピルメタクリルアミドクロリド(MAPTAC)は特に好ましい。
【0034】
モノマー成分b)
本発明によるポリマー中に含有される第2のモノマー構築ブロックは、以下の一般式:
H2C=CR6-CO-NR7R8
(式中、R6は、水素原子又は1~4個のC原子を有するアルキル基を表し、R7及びR8は、互いに独立して、水素原子、1~4個のC原子を有するアルキル基、又はC3~C6シクロアルキル基を表し、R7及びR8は、同時に水素を表すものではないという仕様である)の窒素含有エチレン性不飽和化合物である。モノマーb)は、いくつかのアクリルアミドを包含する。特に好ましいのは、NIPAMの略称でも知られている、N-イソプロピルアクリルアミドである。
【0035】
モノマー成分c)
第3の成分c)として、エチレン性不飽和酸及びアクリル酸又はメタクリル酸などのそれらの塩が好適である。アクリル酸(AA)は、本明細書で特に好ましいモノマーである。特に好適な塩は、アルカリ金属及びアンモニウム塩である。
【0036】
モノマー成分d)
このタイプのモノマーは、一般式:
H2C=CR-CO-NH-CR’R’’R’’’-SO3H
並びにその塩、特にアルカリ金属及びアンモニウム塩を伴い、式中、R、R’、R’’、及びR’’’は、互いに独立して、水素原子又は1~4個のC原子を有するアルキル(エン)基を表す。タイプd)のモノマー構築ブロックとして本明細書で特に好ましいのは、一般式又はH2C=CR-CO-NH-CR’R’’R’’’-SO3Hを有する分子であり、特に、誘導体である、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)が好適である。
【0037】
追加のモノマー構築ブロックは、前述のa)~d)に加えて、本発明によるポリマー中に存在してもよく、本明細書では、特に窒素含有モノマーが好ましい。例は、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド(DADMAC)、2-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート(2-dimethylaminoethyl(meth)acrylate、DMAE(M)A)、2-ジエチルアミノ-エチル(メタ)アクリレート、3-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド(DMAP(M)A)、3-ジメチル-アミノ-2,2-ジメチルプロピルアクリルアミド(DMADMPA)、及びプロトン化又は四級化によって得られるそれらの誘導体、特に2-トリメチル-アンモニウムメチル(メタ)アクリレートクロリド及び3-ジエチルメチルアミンモニウムプロピルアクリルアミドである。
【0038】
本発明によるポリマーは水溶性であり、すなわち、少なくとも0.1gのポリマーは20℃で100mlの水に可溶性である。ポリマーは、両性であり、すなわち、ポリマーは、酸及び塩基性親水性基の両方を有し、条件に応じて酸性又は塩基性の挙動を示す。本発明によるポリマーは、好ましくは、10,000~500,000Daの光散乱検出(SEC-MALLS)を有する水性ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPC)によって測定される平均分子量(重量平均分子量、molecular weight、Mw)を有する。好ましくは、ポリマーの分子量は、50,000~350,000Da、特に100,000~250,000Daである。特に好ましい範囲は、110,000~140,000Daに入ってもよい。
【0039】
様々なモノマー構築ブロックa)~d)は、好ましくは、ある特定の選択された定量的比率で互いに一緒に生じる。いずれの場合においても好ましいのは、成分a)及びc)と比較して、成分(b)を過剰に含有するポリマーである(モル基準及び成分の重量基準の両方で)。本明細書で好ましいのは、モノマーa)、b)、及びc)間のモル比が、1:10:1~5:10:5の範囲であり、好ましくは4:10:1~4.10:3の範囲、特に3:8:2~3:8:1の範囲であるポリマーである。特に好ましいのは、特に、成分a)とb)とのモル比が1:10~1:1、特に1:5~1:1であるポリマーである。
【0040】
それぞれのモノマーのモル%に基づいて、好ましくは、20~30%のモノマーa)、50~70%のモノマーb)、及び10~20%のモノマーc)が存在する。好ましくは、モノマー構築ブロックc)及びd)は、2:1~1:2のモル比で同時に存在するが、特に好ましくは1:1の比で存在する。4つの異なるモノマー構築ブロックを有する特に好ましいポリマーは、a):b):c):d)のモル比が2:4:1:1~1:10:1:1である。特に好ましい比は、3:8:1:1である。
【0041】
特に、好ましいポリマーは、モノマーa)が、一般式の化合物から選択されるものであり、R’が、メチル基を表し、R2が、3個のC原子を有するアルキレン基を表し、R3、R4及びR5が、それぞれ、メチル基を表し、Xが、クロリドを表し、モノマーb)が、一般式の化合物から選択されるものであり、R6及びR7が、水素原子を表し、R8が、イソプロピル基を表し、モノマーc)が、H2C=CR-CO-NH-CR’R’’R’’’-SO3H並びにその塩、特にアルカリ金属及びアンモニウム塩を表し、R、R’、R’’、及びR’’’が、互いに独立して、水素原子又は1~4個のC原子を有するアルキル(エン)基を表すものである。
【0042】
本発明によるこのようなポリマーは、様々な重合プロセスによって生成することができる。それらは、例えば、溶液重合又はバルク重合によって生成することができる。好ましくは、それらは溶液重合、したがって溶媒及び/又は水におけるモノマーの重合によって生成され、モノマー及びそれらから生じるポリマーの両方が可溶性である。更に、重合は、最初に、又はモノマー流入下、バッチ式、半連続的又は連続的にモノマーの総量を取ることによって実施することができる。好ましくは、重合は、モノマー流入を伴う又は伴わないバッチ重合として実施される。本発明の組成物のためのポリマーを生成するためのプロセスの詳細は、米国特許出願公開第2007/0179265(A1)号に見出される。
【0043】
本発明の特に好ましい、したがって別の態様は、4つの異なるモノマーa)、b)、c)、及びd)を含有する、20℃で水に可溶性であるポリマーであり、モノマーa)及びb)は、1:1~1:10のモル比で存在し、加えてモノマーc)及びd)が存在し、モノマーa)として3-トリメチルアンモニウムプロピル-メタクリルアミドクロリド(MAPTAC)が好ましく、モノマーb)としてN-イソプロピル-アクリルアミド(NIPAM)、モノマーc)としてアクリル酸(AA)及び/又はメタクリル酸(MA)、並びにモノマーd)として2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸(2-acrylamido-2-methyl-1-propanesulfonic acid、AMPS)が好ましく、モノマーc)が水溶性ポリマーの総重量に基づいて最大25重量%の量で水溶性ポリマー中に存在するという仕様である。モノマーc)の重量分率が15重量%未満、特に10重量%以下になる、前述の説明によるポリマーが好ましい。モノマーc)の好ましい重量範囲は、5~25である。
【0044】
好ましいポリマーは、20℃で水溶性であり、重量比25~45%MAPTAC、40~70%NIPAM、1~15%AA、及び1~15%AMPSのモノマーMAPTAC、NIPAM、AA、及びAMPSを含有し、これらのパーセンテージの合計は、100であるという仕様である。
【0045】
これらのポリマーについても、上述の好ましいモル比が適用可能であり、また、ポリマー内のモノマーの好ましい重量比、すなわち、モノマーa)、b)、及びc)又はd)の間のモル比も、1:10:1~5:10:5、好ましくは4:10:1~4:10:3の範囲、特に3:8:2~3:8:1の範囲内にある。特に好ましいポリマーは、モノマーa)、b)、c)、及びd)を3:8:1:1のモル比で含有する。
【0046】
ポリマーに基づく重量比は、結果的に、20~30重量%のモノマーa)、50~70重量%のモノマーb)、並びに10~20重量%のモノマーc)及び/又はd)になり、パーセンテージの合計が100であるという仕様である。モノマーc)及びd)は、ポリマー中に同時に存在する場合、好ましくは1:1の重量比で存在する。上で詳細に説明したように、選択されたポリマーの平均分子量は、好ましくは10,000~500,000の範囲である。
【0047】
あるいは、ポリマーは、ポリエチレンイミン(PEI)であり得、本明細書で使用するための好ましいPEIは、分子量が10,000~50,000、より好ましくは15,000~40,000Daの分子量を有する分岐状、未変性のPEIである。
【0048】
本発明の組成物における使用に好適なポリエチレンイミン(PEI)は、実際の式が正確に知られていないが、一般式
(-NHCH2CH2)x[-N(CH2CH2NH2)CH2CH2]yを有することができ、
式中、xは、1~120,000、好ましくは2~60,000、より好ましくは3~24,000の整数であり、yは、1~60,000、好ましくは2~30,000、より好ましくは3~12,000の整数である。ポリエチレンイミンの具体例は、PEI-700、PEI-800、PEI-1000、PEI-1500、PEI-1800、PEI-2000、PEI-2500、PEI-5000、PEI-10,000、PEI-25,000、PEI 50,000、PEI-70,000、PEI-500,000などであり、
式中、整数は、ポリマーの平均分子量を表す。そのように指定されるPEIは、Aldrichをとおして入手可能である。
【0049】
PEIは、BASF CorporationからLupasol(R)の商品名で市販されている(Polymin(R)としても販売されている)。これらの化合物は、広範囲の分子量及び生成物活性として調製することができる。PEIはまた、Polymer Enterprises又はNippon Shokubai(Japan)から商品名Epomin(R)で市販されている。
【0050】
本発明での使用に好適なPEIの他の頻繁に使用される商用商品名には、Polyazinidine(R)、Corcat(R)、Montek(R)、PolyminP(R)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0051】
界面活性剤
本発明の組成物は、本組成物の0.1重量%~5重量%の界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、洗浄される表面上の組成物の洗浄及び散布に寄与する。
【0052】
アルコールアルコキシ化非イオン性界面活性剤
好適なアルコールアルコキシル化非イオン性界面活性剤は、式:RO-(A)nHで表され、式中、Rが、C~C18、好ましくはC~C16、より好ましくはC~C14分岐鎖若しくは直鎖アルキル鎖、又はC~C28アルキルベンゼン鎖であり、Aは、エトキシ又はプロポキシ又はブトキシ単位、あるいはこれらの混合物であり、nは1~30、好ましくは1~15、より好ましくは3~12、更により好ましくは3~8である。本明細書における使用に好ましいR鎖は、C~C16直鎖又は分岐鎖アルキル鎖である。
【0053】
好適な分岐状アルコキシル化アルコールは、C~C10アルキル分岐状アルコキシル化アルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。分岐状アルコキシル化アルコールは、1つ以上のC~C分岐基を有するC~C10一級モノアルコールからなる群から選択されるC~C10アルキル分岐状アルコールのアルコキシル化に由来し得る。
【0054】
~C10一級モノ-アルコールは、一級モノ-アルコールの主鎖が、合計4~10個の炭素原子を有することを意味する。C~C10一級モノ-アルコールは、メチルブタノール、エチルブタノール、メチルペンタノール、エチルペンタノール、メチルヘキサノール、エチルヘキサノール、プロピルヘキサノール、ジメチルヘキサノール、トリメチルヘキサノール、メチルヘプタノール、エチルヘプタノール、プロピルヘプタノール、ジメチルヘプタノール、トリメチルヘプタノール、メチルオクタノール、エチルオクタノール、プロピルオクタノール、ブチルオクタノール、ジメチルオクタノール、トリメチルオクタノール、メチルノナノール、エチルノナノール、プロピルノナノール、ブチルノナノール、ジメチルノナノール、トリメチルノナノール、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0055】
~C10一級モノアルコールは、エチルヘキサノール、プロピルヘキサノール、エチルヘプタノール、プロピルヘプタノール、エチルオクタノール、プロピルオクタノール、ブチルオクタノール、エチルノナノール、プロピルノナノール、ブチルノナノール、及びこれらの混合物からなる群から選択することできる。
【0056】
好ましくは、C~C10一級モノアルコールは、エチルヘキサノール、プロピルヘキサノール、エチルヘプタノール、プロピルヘプタノール及びこれらの混合物からなる群から選択することできる。
【0057】
~C10一級モノアルコールは、最も好ましくはエチルヘキサノール及びプロピルヘプタノールである。
【0058】
分岐状アルコキシル化アルコールでは、1つ以上のC~C分岐基を、出発アルコールのヒドロキシル基から測定されるように、C1~C3位置、好ましくはC1~C2位置、より好ましくはC2位置でC~C10一級モノアルコールに置換することができる。
【0059】
分岐状アルコキシル化アルコールは、1~14、好ましくは2~7、より好ましくは4~6のエトキシレート単位、及び任意選択で、1~9、好ましくは2~7、より好ましくは4~6のプロポキシレート単位を含むことができる。
【0060】
分岐状アルコキシル化アルコールは、好ましくは、4~6の程度までエトキシル化された2-エチルヘキサン-1-オールであり、4~6の程度までプロポキシル化され、より好ましくは、アルコールは、最初にプロポキシル化され、次いでエトキシル化される。別の好ましい分岐状アルコキシル化アルコールは、1~14、好ましくは2~7、より好ましくは3~6のエトキシレート又はエトキシレート-プロポキシレート単位を有するアルコキシル化C10ゲルベアルコールなどの2-アルキル-1-アルカノールである。
【0061】
好適な分岐状アルコキシル化アルコールの非限定的な例は、例えば、DOWから市販されているEcosurf(登録商標)EH3、EH6、及びEH9、並びにBASFから入手可能なLutensol(登録商標)XPアルコキシル化ゲルベアルコール及びLutensol(登録商標)XLエトキシル化ゲルベアルコールである。
【0062】
本明細書で好ましい直鎖アルコールアルコキシル化非イオン性界面活性剤は、C、C10、C12、C~C10の混合物、C10~C12の混合物、C~C11の直鎖アルキル鎖及び8個以下のエトキシレート単位、好ましくは3~8個のエトキシレート単位を有するアルコキシル化非イオン性界面活性剤である。
【0063】
本明細書で使用するための好適な直鎖アルコキシル化非イオン性界面活性剤の非限定的な例は、Dobanol(登録商標)91-2.5(RはC~C11アルキル鎖の混合物であり、nは2.5である)、Dobanol(登録商標)91-5(RはC~C11アルキル鎖の混合物であり、nは5である)、Dobanol(登録商標)91-10(RはC~C11アルキル鎖の混合物であり、nは10である)、Greenbentine DE60(RはC10直鎖アルキル鎖であり、nは6である)、Marlipal 10-8(RはC10直鎖アルキル鎖であり、nは8である)、Neodol 91-8(RはC~C11アルキル鎖の混合物であり、nは8である)、Empilan(登録商標)KBE21(RはC12~C14アルキル鎖の混合物であり、nは21である)、Lutensol ON30(RはC10直鎖アルキル鎖であり、nは3である)、Lutensol ON50(RはC10直鎖アルキル鎖であり、nは5である)、Lutensol ON70(RはC10直鎖アルキル鎖であり、nは7である)、Novel 610-3.5(RはC~C10直鎖アルキル鎖の混合物であり、nは3.5である)、Novel 810FD-5(RはC~C10直鎖アルキル鎖の混合物であり、nは5である)、Novel 10-4(RはC10直鎖アルキルであり、nは4である)、Novel 1412-3(RはC12~C14直鎖アルキル鎖の混合物であり、nは3である)、Lialethl(登録商標)11-5(RはC11直鎖アルキル鎖であり、nは5である)、Lialethl(登録商標)11-21(Rは直鎖及び分岐鎖C11アルキル鎖の混合物であり、nは21である)、又はこれらの混合物である。
【0064】
アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、例えば、以下に示される一般式を有し、DOWによって市販されているTergitol(商標)-15-S界面活性剤などの二級アルコールエトキシレートであってもよい。
【0065】
【化2】
【0066】
好ましい二級アルコールエトキシレート界面活性剤は、3~9個のEO単位を有する。
【0067】
別の好適なエトキシル化アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、好ましくは分子のアルコキシ部分が、プロポキシ、又はブトキシ、又はプロポキシブトキシである、アルキルエトキシアルコキシアルコールである。より好ましいアルキルエトキシアルコキシアルコールは、式(II)のものであり、
【0068】
【化3】
式中、
Rは、8~16個の炭素原子を有する分岐鎖又は非分岐鎖アルキル基であり、
は、1~5個の炭素原子を有する分岐鎖又は非分岐鎖アルキル基であり、
nは1~10であり、mは6~35である。
【0069】
好ましくは、Rは、12~15個、好ましくは13個の炭素原子である。Rは、好ましくは、1~2個の炭素原子を有する分岐鎖アルキル基である。nは、好ましくは、1~5である。mは、好ましくは、8~25である。好ましくは、式(II)のエトキシル化アルコキシル化非イオン性界面活性剤の重量平均分子量は、500~2000g/モル、より好ましくは600~1700g/モル、最も好ましくは800~1500g/モルである。
【0070】
エトキシル化アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、ポリオキシアルキレンコポリマーであり得る。ポリオキシアルキレンコポリマーは、ブロック-ヘテリックエトキシル化アルコキシル化非イオン性界面活性剤であり得るが、ブロック-ブロック界面活性剤が好ましい。好適なポリオキシアルキレンブロックコポリマーとしては、式(III)のエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマー:
(EO)(PO)(EO)、又は
(PO)(EO)(PO)
が挙げられ、式中、EOが、エチレンオキシド単位を表し、POが、プロピレンオキシド単位を表し、x及びyが、生成物の各モルにおけるエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの平均数を詳述する数である。かかる物質は、殆どの非イオン性界面活性剤よりも高い分子量を有する傾向があり、そのため、1000~30000g/モルの範囲であり得るが、分子量は、本発明に従うものとするためには、2200超かつ好ましくは13000未満であるべきである。ポリマー非イオン性界面活性剤の分子量の好ましい範囲は、2400~11500ダルトンである。BASF(Mount Olive,N.J.)は、好適な一連の誘導体を製造し、それらをPluronicの商品名で販売している。これらの例は、それぞれ6600、2450、及び11400g/モルの分子量を有する、Pluronic(商標)F77、L62、及びF88である。
【0071】
他の好適なエトキシル化アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、Surfactant Science and Technology,Third Edition,Wiley Press,ISBN 978-0-471-68024-6の第7章に記載されている。
【0072】
最も好ましくは、アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、2-プロピルヘプチルEO8(Lutensol XL89-BASF)、2-プロピルヘプチルEO5(Lutensol XL50-BASF)、C10アルコールEO5(Lutensol ON 50-BASF)、C10-アルコールEO7(Lutensol ON 70-BASF)、C~C10 EO5(Novel 810 FD5 Sasol)、C10 EO4(Novel 10-4 Sasol)、Tergitol 15-S-3、Tergitol 15-S-5、Tergitol 15-S-7、及びエチルヘキサノールPO5EO6(Ecosurf EH6-Dow)からなる群から選択される。
【0073】
アルキルポリグルコシド
アルキルポリグリコシドは、当該技術分野において周知の生分解性非イオン性界面活性剤であり、本発明の組成物に使用することができる。好適なアルキルポリグリコシドは、一般式C2n+1O(C10Hを有することができ、式中、nは、好ましくは8~16、より好ましくは8~14であり、xは、少なくとも1である。好適なアルキルポリグルコシド界面活性剤の例は、DowからのTRITON(登録商標)アルキルポリグルコシド、BASFからのAgnique PG、Disponil APG、及びGlucoponアルキルポリグルコシドである。好ましいアルキルポリグルコシド界面活性剤は、nが8~12、より好ましくは8~10、例えばTriton CG50(Dow)などのものである。
【0074】
アミンオキシド
好適なアミンオキシド界面活性剤としては、RNOが挙げられ、式中、R、R、及びRの各々は、独立して、1~30個の炭素原子を有する飽和又は不飽和、置換又は非置換、直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖である。好ましいアミンオキシド界面活性剤は、以下の式:RNO(式中、R1は、1~30個、好ましくは6~20個、より好ましくは8~16個の炭素原子を含む炭化水素鎖であり、R及びRは、独立して、1~4個の炭素原子、好ましくは1~3個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、置換又は非置換、直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖であり、より好ましくはメチル基である)を有するアミンオキシドである。R1は、飽和又は不飽和、置換又は非置換、直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖であってよい。
【0075】
非常に好ましいアミンオキシドは、Cジメチルアミンオキシド、C10ジメチルアミンオキシド、C12ジメチルアミンオキシド、C14ジメチルアミンオキシド、及びこれらの混合物であり、Cジメチルアミンオキシドは、Clariantから商品名Genaminox(登録商標)OCで市販されており、C10ジメチルアミンオキシドは、Clariantから商品名Genaminox(登録商標)K-10で市販されており、C12ジメチルアミンオキシドは、Clariantから商品名Genaminox(登録商標)LA及びHuntsmanからEmpigen OBで市販されており、C14アミンオキシドは、HuntsmanからEmpigen OH25の商品名で市販されている。他の好適なアミンオキシド界面活性剤は、ClariantからGenaminox CHEの商品名で入手可能なココイルジエトキシアミンオキシド、及びHuntsmanからEmpigen OS/Aの商品名で市販されているコカミドプロピルアミンオキシドである。特に好ましいアミンオキシド界面活性剤は、Genaminox K-10などのC10ジメチルアミンオキシドである。
【0076】
アルキルグルカミド界面活性剤
本発明の組成物は、アルキルグルカミド界面活性剤を含んでもよい。グルカミド界面活性剤は、親水性部分(アミノ-糖誘導体)及び疎水性部分(脂肪酸)がアミド結合を介して連結している非イオン性界面活性剤である。これにより、アルカリ条件下で非常に安定である化学結合をもたらす。特に好ましいアルキルグルカミド界面活性剤は、式(I):
【0077】
【化4】
のN-アルキル-N-アシルグルカミドであり、式中、Raは、6~22個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基であり、Rbは、C~Cアルキル基である。特に好ましくは、式(I)中のRbは、メチル基である。これらのグルカミド界面活性剤の非限定的な例は、ClariantからGlucoPure Foamの商品名で入手可能なN-オクタノイル-N-メチルグルカミド、N-ノナノニル-N-メチルグルカミド、N-デカノイル-N-メチルグルカミド、N-ドデカノイル-N-メチルグルカミド、N-ココイル-N-メチルグルカミド、(ClariantからGlucoPure Degの商品名で入手可能なN-ラウロイル/ミリストイル-N-メチルグルカミド、及びClariantからGlucoPure Wetの商品名で入手可能なN-オクタノイル/デカノイル-N-メチルグルカミドである。
【0078】
アルキルグルカミン界面活性剤
本発明の組成物は、アルキルグルカミン界面活性剤を含んでもよい。
【0079】
これら界面活性剤は、欧州特許出願公開第16184415号及び米国特許出願公開第2019/0055496号に記載されている。
【0080】
双性イオン性及び/又は両性界面活性剤
硬質表面洗浄剤組成物は、両性界面活性剤、双性イオン界面活性剤、及びこれらの混合物を含んでもよい。好適な双性イオン性界面活性剤は、典型的には、使用pHにおいて電気的に中性になるように、実質的に等しい比率でカチオン性基及びアニオン性基を両方含有し、当該技術分野において周知である。双性イオン性界面活性剤のいくつかの一般的な例は、米国特許第2,082,275号、同第2,702,279号、及び同第2,255,082号に記載されている。
【0081】
好適な双性イオン界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミドアゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタイン)、並びにホスホベタインなどのベタインが挙げられる。
【0082】
好適なベタインは、式(Ia)のアルキルベタイン、式(Ib)のアルキルアミドベタイン、式(Ic)のスルホベタイン、及び式(Id)のアミドスルホベタインであり、
R1-N+(CH3)2-CH2COO- (Ia)
R1-CO-NH(CH2)3-N+(CH3)2-CH2COO- (Ib)
R1-N+(CH3)2-CH2CH(OH)CH2SO3- (Ic)
R1-CO-NH-(CH2)3-N+(CH3)2-CH2CH(OH)CH2SO3- (Id)
式中、R1は、飽和又は不飽和C~C22アルキル残基、好ましくはC~C18アルキル残基である。特に好ましいのは、例えば、HuntsmanによってEmpigen BBの商品名で販売されているもののようなN-アルキル-N-ジメチルベタインなどの式Iaのベタインである。
【0083】
好適なベタイン及びスルホベタインの例は、アーモンドアミドプロピルベタイン、アプリコットアミドプロピルベタイン、アボカドアミドプロピルベタイン、ババスアミドプロピルベタイン、ベヘナミドプロピルベタイン、ベヘニルベタイン、ベタイン、キャノーラミドプロピルベタイン、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、カルニチン、セチルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココベタイン、ココヒドロキシスルタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、ココスルタイン、デシルベタイン、ジヒドロキシエチルオレイルグリシネート、ジヒドロキシエチル大豆グリシネート、ジヒドロキシエチルステアリルグリシネート、ジヒドロキシエチルタローグリシネート、PG-ベタインのプロピルジメチコーン、エルカミドプロピルヒドロキシスルタイン、水素添加タローベタイン、イソステアラミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルスルタイン、ミルクアミドプロピルベタイン、ミンクアミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルタイン、オレイルベタイン、オリーブアミドプロピルベタイン、ヤシアミドプロピルベタイン、パルミタミドプロピルベタイン、パルミトイルカルニチン、ヤシ仁アミドプロピルベタイン、ポリテトラフルオロエチレンアセトキシプロピルベタイン、リシノール酸アミドプロピルベタイン、セサミドプロピルベタイン、ソイアミドプロピルベタイン、ステアラミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、タローアミドプロピルベタイン、タローアミドプロピルヒドロキシスルタイン、タローベタイン、タロージヒドロキシエチルベタイン、ウンデシレンアミドプロピルベタイン、及び小麦胚芽アミドプロピルベタインである[INCIに従って表記]。
【0084】
本組成物が双性イオン性界面活性剤を含む場合、好ましくは、Huntsman.アルキルジメチルベタインによってEmpigen BBの商品名で販売されているような、例えばN-アルキル-N-ジメチルベタインなどの式Iaのベタインである。
【0085】
両性界面活性剤は、組成物のpHに依存してカチオン性又はアニオン性のいずれかであり得る。好適な両性界面活性剤としては、ドデシルβ-アラニン、米国特許第2,658,072号に教示されているようにドデシルアミンをイセチオン酸ナトリウムと反応させることによって調製されるものなどのN-アルキルタウリン、米国特許第2,438,091号に教示されているものなどのN-高級アルキルアスパラギン酸が挙げられる。他の好適な両性界面活性剤は、例えば、ラウロアンホ酢酸ナトリウム(Miranol Ultra L-32E)、ステアロアンホ酢酸ナトリウム(Miranol DM)、ココアンホ二酢酸二ナトリウム(Miranol C2m濃度NP)、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム(Miranol BM濃度)、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム(Miranol JBS)、ナトリウム混合Cアンホカルボキシレート(Miranol JEM濃度)、及びナトリウムカプリロフィンヒドロキシプロピルスルホネート(Miranol JS)などのSolvay-Novecareによって商品名Miranolで販売される製品である。好適な両性界面活性剤の他の非限定的な例は、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム(Mackam 2CY 75-Solvay Novecare)、オクチルイミノジプロピオネート(Ampholak YJH40-Akzo Nobel)、ラウリンイミノ二プロピオン酸ナトリウム(Mirataine H2C-HA-Solvay Novecare)、及びラウロアンホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム(Mackam LS-Solvay Novecare)である。
【0086】
他の好適な追加の界面活性剤は、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers、North American Ed.1980に見出すことができる。
【0087】
アニオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤は、存在する場合、好ましくは、低レベル、すなわち組成物の0.05重量%未満で存在する。
【0088】
本明細書での使用に特に好ましい界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、特に分岐状アルコールアルコキシレート、更に特に4~6の程度までエトキシル化され、4~6の程度までプロポキシル化された2-エチルヘキサン-1-オール、より好ましくは、1~14、好ましくは2~8、より好ましくは3~6エトキシレート又はエトキシレート-プロポキシレート単位を有するアルコキシル化C10ゲルベアルコールなどの、アルコールが最初にプロポキシル化され、次いでエトキシル化された2-アルキル-1-アルカノールが挙げられる。他の特に好ましい非イオン性界面活性剤としては、C、C10、C12、C~C10の混合物、C10~C12の混合物、C~C11の直鎖アルキル鎖及び8個以下のエトキシレート単位、好ましくは3~8個のエトキシレート単位を有する直鎖アルコールアルコキシル化非イオン性界面活性剤が挙げられる。最も好ましくは、アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、2-プロピルヘプチルEO8(Lutensol XL89-BASF)、2-プロピルヘプチルEO5(Lutensol XL50-BASF)、C10アルコールEO5(Lutensol ON 50-BASF)、C10アルコールEO7(Lutensol ON 70-BASF)、C-C10アルコールEO5(Novel 810 FD5 Sasol)、C10アルコールEO4(Novel 10-4 Sasol)、及び2-エチル-ヘキサノールPO5EO6(Ecosurf EH6-Dow)からなる群から選択される。
【0089】
本明細書で使用するための他の特に好ましい界面活性剤としては、直鎖アミンオキシド界面活性剤、特にC~C12ジメチルアミンオキシド、更に特にC10ジメチルアミンオキシド、アルキルジメチルベタイン界面活性剤、更に特にN,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタイン(Empigen BB-Huntsman)、ClariantによってGlucoPure(登録商標)、GlucoTain(登録商標)、及びGlucoWet(登録商標)の名称で販売されている、N-アルキル-N-アシルグルカミド好ましくはN-デカノイル-N-メチルグルカミン、及びアルキルグルカミド界面活性剤などのアルキルグルカミド界面活性剤、アルキルポリグルコシド界面活性剤、より具体的には、C~C12アルキルポリグルコシド、より好ましくは、例えば、Triton CG50(Dow)などのC~C10アルキルポリグルコシドが挙げられる。
【0090】
pH調整剤
標的化用途に応じて、ホームケア使用のための本発明の液体配合物は、適切なpH条件を必要とし得る。例えば、液体製品がキッチン領域で使用される場合、領域に一般的に見られる油汚れを効果的に除去するために、高pH製品が望ましい場合がある。製品が浴室領域で使用される場合、石鹸かす及び硬水の堆積物は主な懸念であり得る。このような場合、このような目的のために低pH製品がより適切であり得る。本発明の液体組成物に添加することができるpH調整剤の種類に限定はない。使用することができるpH調整剤の例としては、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、クエン酸、酢酸、塩酸、スルファミン酸、硫酸などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
上記の成分以外の追加の機能性成分を本発明の組成物に含めることができる。追加の成分としては、キレート剤、相溶化剤、カップリング剤、腐食抑制剤、レオロジー調整剤、香料、着色剤、防腐剤、UV安定剤、光学増白剤、及び活性成分指標が挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
本明細書の好ましい組成物としては、
i)本組成物の約0.05重量%~約2重量%のオクテニジンジヒドロクロリドと、
ii)本組成物の0.1重量%~約4重量%のポリマーであって、好ましくは、ポリマーは、トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロリドのモノマー、N-イソプロピルアクリルアミドのモノマー、アクリル酸及び/又はメタクリル酸並びにそれらの塩、並びに2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、又は10,000~40,000Daの分子量を有するPEIを含む、ポリマーと、
iii)本組成物の0.05重量%~2重量%の、アミンオキシド界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物、好ましくはC10ジメチルアミンオキシドとエチルヘキサノールPO5EO6との混合物からなる群から選択される界面活性剤と、
iv)本組成物の約0.2重量%~約3重量%の塩基、好ましくはモノエタノールアミンと、
v)約95%~99%の水と、を含む組成物が挙げられる。
【0093】
本明細書の好ましい組成物としては、
i)本組成物の約0.05重量%~約2重量%のオクテニジンジヒドロクロリドと、
ii)本組成物の0.1重量%~約4重量%のポリマーであって、好ましくは、ポリマーは、トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロリドのモノマー、N-イソプロピルアクリルアミドのモノマー、アクリル酸及び/又はメタクリル酸並びにそれらの塩、並びに2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、又は10,000~40,000Daの分子量を有するPEIを含む、ポリマーと、
iii)本組成物の0.05重量%~2重量%の非イオン性界面活性剤と、
iv)本組成物の約0.2重量%~約3重量%の酸、好ましくはクエン酸と、
v)約95%~99%の水と、を含む組成物が挙げられる。
【0094】
本組成物の適用
本組成物は、様々な手段によって適用されてもよい。噴霧される場合、本組成物は、有利に、噴霧器を備えた従来のボトルで供給されてもよい。噴霧器は、トリガー噴霧器であり得る。トリガー噴霧器への選択肢として、エアロゾルを使用して、本液体配合物を表面に送達することもできる。追加の適用手段としては、フォギング、ローリング、ブラッシング、モッピング、及びワイプを様々な適用デバイスによって使用することが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の範囲内では、ワイプ製品はまた、例えば、市販の販売又は使用のために、本発明の殺菌剤配合物を含んで製造されるか、又は予め処理されてもよい。
【0095】
汚染された表面を殺菌するために、領域が完全に覆われるまで本液体配合物を噴霧する。続いて、湿潤配合物を乾燥布又は紙タオルで拭き取ることができる。
【0096】
本発明はまた、本発明の態様による殺菌剤配合物で処理された物品に関する。
【実施例
【0097】
実施例1:表1は、本発明による組成物(組成物A~F)を示す。本組成物は、硬質表面殺菌用洗浄剤として使用される。それらは、優れた洗浄及び良好な表面光沢の外観と組み合わせて、24時間の残留自己殺菌(residual self-sanitizing、RSS)性能を提供する。成分は、全組成物の重量パーセントとして表される。
【0098】
【表1】
【0099】
実施例2:1.0%活性で異なるポリマーを用いるオクテニジン含有組成物の性能(全ての他の組成物成分が一定に保たれる)。
【0100】
いずれのポリマーもない場合(ポリマー対照なし)、本組成物は、24時間のRSSを達成することができず、参照配合物と比べてより弱い洗浄性能をもたらす。
【0101】
本発明に基づくポリマーを含有する組成物は全て、24時間RSS試験に合格し、一方、ポリ(2-エチルオキサゾリン)(PEOX)などの本発明の範囲外のポリマーは、合格しない。
【0102】
3つ全ての性能属性(24時間RSS、光沢及び洗浄)にわたって最良の実行組成物は、ポリ(MAPTAC-AA-AMPS-NIPAM)を含有するものであった。
【0103】
【表2】
ビニルピロリドン
(1)試験生物としてEnterobacter aerogenes、試験表面としてガラスを使用したEPA01-1A(24時間残留自己膨潤、12回の摩耗サイクル)に基づくプロトコル。合格結果は、12の摩擦レジームの終わり時点での細菌における少なくとも99.9%低減(log3)を指す。
(2)製品適用及び拭き取り後の黒色の光沢のあるセラミックタイルの光沢グレード。パネリストは、以下のスケールに従って、乾燥したタイルのストリーキングの外観を視覚的に評価する。0=ストリークなし、1=ごくわずかなストリーク、2=わずかなストリーク、3=わずか~中程度のストリーク、4=中程度のストリーク、5=中~重度のストリーク、6=重度のストリーク
(3)エナメル表面上のベーク化/重合油の洗浄。配合物をスポンジに適用し、完全な汚れ除去のための拭き取りストロークの数を記録する。次いで、ストローク数は、標準的な硬質表面洗浄剤(指数100)に対して指数化され、指数が高いほど、より良好な洗浄を意味する。
【0104】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。