(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】イヤホン
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
H04R1/10 104Z
(21)【出願番号】P 2022549732
(86)(22)【出願日】2021-04-25
(86)【国際出願番号】 CN2021089713
(87)【国際公開番号】W WO2021218871
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】202020720094.0
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020720106.X
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010367108.X
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514156013
【氏名又は名称】深▲セン▼市韶音科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SHOKZ CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Floors 1-4,Factory Building 26,Shancheng Industrial Park,Shiyan Street,Bao’an District,Shenzhen,Guangdong 518108,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】王 真
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 志青
(72)【発明者】
【氏名】王 永根
(72)【発明者】
【氏名】毛 辛男
(72)【発明者】
【氏名】游 芬
【審査官】金子 秀彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0147971(US,A1)
【文献】特開2004-235699(JP,A)
【文献】特開2009-027568(JP,A)
【文献】特開2009-290727(JP,A)
【文献】特表2009-538030(JP,A)
【文献】特開2008-283398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアモジュールを含むイヤホンであって、前記コアモジュールは、コアハウジング及びコアを含み、
前記コアハウジングは、底壁及び環状周壁を含み、ユーザが前記イヤホンを着用するとき、前記底壁は、前記ユーザの頭部に対向し、前記環状周壁の一端は、前記底壁と一体に接続され、前記環状周壁の前記底壁から離れる一端は、開口し、前記コアは、前記開口により前記コアハウジング内に設置され、
前記コアは、磁性体を含み、前記磁性体は、前記コアモジュールを前記底壁の一側により磁性物体に吸着させるように配置されることを特徴とする、イヤホン。
【請求項2】
前記磁性体は、円柱体であり、前記磁性体の直径は、10.5mm~11.5mmの範囲内にあり、前記磁性体の厚さは、3.0mm~4.0mmの範囲内にあることを特徴とする、請求項1に記載のイヤホン。
【請求項3】
前記コアは、
底板と、前記底板と一体に接続された環状側板とを含み、前記磁性体が前記環状側板内に設置されかつ前記底板に固定される磁束伝導カバーと、
前記磁性体の前記底板から離れる側に固定された磁束伝導プレートと、
前記磁性体と前記環状側板との間の磁気ギャップ内に設置されたコイルとをさらに含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のイヤホン。
【請求項4】
前記磁束伝導プレートの直径は、前記磁性体の直径と等しく、前記磁束伝導プレートの厚さは、前記磁束伝導カバーの厚さと等しく、前記磁束伝導カバーの厚さは、0.4mm~0.8mmの範囲内にあることを特徴とする、請求項3に記載のイヤホン。
【請求項5】
前記環状側板の高さは、3.4mm~4.0mmの範囲内にあり、
前記磁性体と前記環状側板との間の磁気ギャップは、1.0mm~1.5mmの範囲内にあることを特徴とする、請求項3又は4に記載のイヤホン。
【請求項6】
前記コアモジュールは、コアブラケットをさらに含み、前記コアブラケットは、前記コアハウジング内に設置され、前記コイルは、前記コアブラケットに固定されることを特徴とする、請求項3~5のいずれか一項に記載のイヤホン。
【請求項7】
一端が前記コアモジュールに接続された耳掛けアセンブリをさらに含み、前記耳掛けアセンブリは、耳掛けハウジングを含み、前記耳掛けハウジングは、
電池又は主制御回路基板を収容する收容キャビティと、
前記コアを収容するキャビティを形成するように、前記コアハウジングの開口端に覆設された固定部と、
前記收容キャビティと前記固定部を接続し、人の耳の外側に掛けられるように折り曲げ状に設置された折り曲げ遷移部とを含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のイヤホン。
【請求項8】
前記コアハウジングの弾性率は、前記耳掛けハウジングの弾性率より大きいことを特徴とする、請求項7に記載のイヤホン。
【請求項9】
前記固定部に補強構造が設置され、前記補強構造により、前記底壁の剛性と前記固定部の剛性との差と、前記底壁の剛性との比は、所定比率閾値以下であることを特徴とする、請求項7又は請求項8に記載のイヤホン。
【請求項10】
前記補強構造は、前記固定部に設置された補強リブを含み、前記補強構造は、金属製品を含み、前記補強構造と前記固定部とは、アウトサート成形により一体成形された構造部材であることを特徴とする、請求項9に記載のイヤホン。
【請求項11】
前記コアモジュールは、カバープレートをさらに含み、前記カバープレートは、前記コアハウジングの前記環状周壁の開口に覆設され、前記固定部は、前記カバープレートの前記コアハウジングから離れる側に覆設されることを特徴とする、請求項7~10のいずれか一項に記載のイヤホン。
【請求項12】
前記カバープレートの弾性率は、前記耳掛けハウジングの弾性率より大きく、かつ前記コアハウジングの弾性率以下であることを特徴とする、請求項11に記載のイヤホン。
【請求項13】
前記耳掛けアセンブリは、装飾ブラケットをさらに含み、
前記折り曲げ遷移部に第一溝が設置され、前記装飾ブラケットは、配線通路を形成し、さらに導線が前記コアモジュール内から前記配線通路を介して前記收容キャビティ内に延在することを可能にするように、前記第一溝内に嵌め込んで固定され、
前記固定部にボタン嵌合孔が設置され、前記ボタン嵌合孔は、前記第一溝の一端と連通し、
前記耳掛けアセンブリは、ボタンをさらに含み、前記ボタンは、前記耳掛けハウジングの前記装飾ブラケットから離れる他側に設置され、前記ボタン嵌合孔を介して露出し、
前記装飾ブラケットは、前記ボタン嵌合孔を介して露出した前記ボタンの上方にカンチレバーの形で延在し、外力の押圧で前記ボタンをトリガすることができることを特徴とする、請求項7~12のいずれか一項に記載のイヤホン。
【請求項14】
前記コアモジュールの数は、二つであり、前記イヤホンが非着用状態にあるとき、前記二つのコアモジュールが互いに吸着できるように、前記二つのコアモジュールの磁性体の、前記コアハウジングの底壁に近い側の極性が異なることを特徴とする、請求項7~13のいずれか一項に記載のイヤホン。
【請求項15】
前
記耳掛けアセンブリの数は、二つであり、前記イヤホンは、前記ユーザの頭部の後側に巻き掛けられた後掛けアセンブリをさらに含み、前記後掛けアセンブリの両端は、それぞれ前記二つの耳掛けアセンブリの二つの收容キャビティに接続されることを特徴とする、請求項14に記載のイヤホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、音響の分野に関し、具体的には、イヤホンに関する。
【0002】
[参照による援用]
本願は、2020年4月30日に提出された中国特許出願第202020720094.0号の優先権、2020年4月30日に提出された中国特許出願第202020720106.X号の優先権、及び2020年4月30日に提出された中国特許出願第202010367108.X号の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0003】
音響出力技術の発展に伴い、例えばイヤホンなどの音響出力装置は非常に広く応用されている。従来のインナーイヤー型イヤホン及びヘッドホンに比べて、オープンイヤー型イヤホンは、外耳道を塞がずかつ覆わないという特徴を有し、特定の範囲内で音響伝導を実現する携帯型オーディオ出力装置である。骨伝導イヤホンを例にすると、骨伝導は音声伝導方式であり、すなわち電気信号を機械的振動に変換して、機械的振動が人の頭蓋骨、骨迷路、内耳のリンパ液、ラセン器、聴覚神経、大脳皮質の聴覚中枢の経路を通って音波の伝達を実現する。骨伝導イヤホンは骨伝導技術を利用して受話を行い、頭蓋骨に密着させると、音波を外耳道及び鼓膜を通過せずに骨を介して聴覚神経に直接伝達することができ、両耳を「解放」することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施例の一つは、コアモジュールを含んでもよいイヤホンを提供する。前記コアモジュールは、コアハウジング及びコアを含んでもよい。前記コアハウジングは、底壁及び環状周壁を含んでもよい。ユーザが前記イヤホンを着用するとき、前記底壁は、前記ユーザの頭部に対向してもよく、前記環状周壁の一端は、前記底壁と一体に接続されてもよく、前記環状周壁の前記底壁から離れる一端は開口し、前記コアは、前記開口により前記コアハウジング内に設置されてもよい。前記コアは、磁性体を含んでもよく、前記磁性体は、前記コアモジュールを前記底壁の一側により磁性物体に吸着させるように配置されてもよい。
【0005】
いくつかの実施例において、前記磁性体は、円柱体であってもよく、前記磁性体の直径は、第一直径以上かつ第二直径以下であってもよく、前記磁性体の厚さは、第一厚さ以上かつ第二厚さ以下であってもよい。
【0006】
いくつかの実施例において、前記磁性体の直径は、10.8mmであってもよく、前記磁性体の厚さは、3.5mmであってもよい。
【0007】
いくつかの実施例において、前記コアは、磁束伝導カバー、磁束伝導プレート及びコイルをさらに含んでもよい。前記磁束伝導カバーは、底板と、前記底板と一体に接続された環状側板とを含み、前記磁性体は、前記環状側板内に設置されかつ前記底板に固定される。前記磁束伝導プレートは、前記磁性体の前記底板から離れる側に固定されてもよい。前記コイルは、前記磁性体と前記環状側板との間の磁気ギャップ内に設置されてもよい。
【0008】
いくつかの実施例において、前記磁束伝導プレートの直径は、前記磁性体の直径と等しくてもよく、前記磁束伝導プレートの厚さは、前記磁束伝導カバーの厚さと等しくてもよい。
【0009】
いくつかの実施例において、前記磁束伝導カバーの厚さは、第三厚さ以上かつ第四厚さ以下であってもよい。
【0010】
いくつかの実施例において、前記磁束伝導カバーの厚さは、0.5mmであってもよい。
【0011】
いくつかの実施例において、前記環状側板の高さは、第一高さ以上かつ第二高さ以下であってもよい。
【0012】
いくつかの実施例において、前記環状側板の高さは、3.7mmであってもよい。
【0013】
いくつかの実施例において、前記コアモジュールは、コアブラケットをさらに含んでもよい。前記コアブラケットは、前記コアハウジング内に設置されてもよく、前記コイルは、前記コアブラケットに固定されてもよい。
【0014】
いくつかの実施例において、前記磁性体と前記環状側板との間の磁気ギャップは、第一ギャップ以上かつ第二ギャップ以下であってもよい。
【0015】
いくつかの実施例において、前記イヤホンは、一端が前記コアモジュールに接続されてもよい耳掛けアセンブリをさらに含んでもよい。
【0016】
いくつかの実施例において、前記耳掛けアセンブリは、耳掛けハウジングを含んでもよい。前記耳掛けハウジングは、收容キャビティ、固定部及び折り曲げ遷移部を含んでもよい。前記收容キャビティは、電池又は主制御回路基板を収容してもよい。前記固定部は、前記コアを収容するキャビティを形成するように、前記コアハウジングの開口端に覆設されてもよく、前記折り曲げ遷移部は、前記收容キャビティと前記固定部を接続し、人の耳の外側に掛けられるように折り曲げられた状態で設置されてもよい。
【0017】
いくつかの実施例において、前記コアハウジングの弾性率は、前記耳掛けハウジングの弾性率より大きくてもよい。
【0018】
いくつかの実施例において、前記固定部に補強構造が設置されてもよく、前記補強構造により、前記底壁の剛性と前記固定部の剛性との差と、前記底壁の剛性との比は、所定比率閾値以下であることが可能になる。
【0019】
いくつかの実施例において、前記補強構造は、前記固定部に設置された補強リブを含んでもよい。
【0020】
いくつかの実施例において、前記補強構造は、金属製品を含んでもよい。前記補強構造と前記イヤホン固定部は、アウトサート成形により一体成形された構造部材であってもよい。
【0021】
いくつかの実施例において、前記コアモジュールは、カバープレートをさらに含んでもよい。前記カバープレートは、前記コアハウジングの前記環状周壁の開口に覆設されてもよく、前記固定部は、前記カバープレートの前記コアハウジングから離れる側に覆設されてもよい。
【0022】
いくつかの実施例において、前記カバープレートの弾性率は、前記耳掛けハウジングの弾性率より大きくてもよい。
【0023】
いくつかの実施例において、前記カバープレートの弾性率は、前記コアハウジングの弾性率以下であってもよい。
【0024】
いくつかの実施例において、前記耳掛けアセンブリは、装飾ブラケットをさらに含んでもよい。前記折り曲げ遷移部に第一溝が設置されてもよい。前記装飾ブラケットは、配線通路を形成し、さらに導線が前記コアモジュール内から前記配線通路を介して前記收容キャビティ内に延在することを可能にするように、前記第一溝内に嵌め込んで固定されてもよい。
【0025】
いくつかの実施例において、前記イヤホン固定部にボタン嵌合孔が設置されてもよく、前記ボタン嵌合孔は、前記第一溝の一端と連通してもよい。前記耳掛けアセンブリは、ボタンをさらに含んでもよい。前記ボタンは、前記耳掛けハウジングの前記装飾ブラケットから離れる他側に設置され、前記ボタン嵌合孔を介して露出してもよい。
【0026】
いくつかの実施例において、前記装飾ブラケットは、前記ボタン嵌合孔を介して露出した前記ボタンの上方にカンチレバーの形で延在してもよく、外力の押圧で前記ボタンをトリガすることができる。
【0027】
いくつかの実施例において、前記コアモジュールの数は、二つであってもよい。前記イヤホンが非着用状態にあるとき、前記二つのコアモジュールが互いに吸着できるように、前記二つのコアモジュールの磁性体の、前記コアハウジングの底壁に近い側の極性が異なってもよい。
【0028】
いくつかの実施例において、前記二つの耳掛けアセンブリの数は、二つであってもよい。前記イヤホンは、前記ユーザの頭部の後側に巻き掛けられた後掛けアセンブリをさらに含んでもよい。前記後掛けアセンブリの両端は、それぞれ前記二つの耳掛けアセンブリの二つの收容キャビティに接続されてもよい。
【0029】
付加的な特徴は以下の説明において部分的に説明され、当業者であれば、以下の内容及び図面を参照することにより明らかになり、又は実施例の生成又は操作により理解することができる。本発明の特徴は実践、又は以下の詳細な実施例に記載の方法、工具及び様々な態様の組み合わせを使用することにより実現及び取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
例示的な実施例によって本願をさらに説明し、これらの例示的な実施例を、図面を参照して詳細に説明する。これらの実施例は限定的ではなく、これらの実施例において、同じ番号は同じ構造を示す。
【0031】
【
図1】本願のいくつかの実施例に係る骨伝導イヤホンの分解構造の概略図である。
【
図2】本願のいくつかの実施例に係る、
図1における耳掛けアセンブリの分解構造の概略図である。
【
図3】本願のいくつかの実施例に係る、
図2における耳掛けハウジングの構造概略図である。
【
図4】本願のいくつかの実施例に係る、
図1における耳掛けアセンブリの別の分解構造の概略図である。
【
図5】本願のいくつかの実施例に係る、
図4における耳掛けハウジングの構造概略図である。
【
図6】本願のいくつかの実施例に係る、
図4における装飾ブラケットの耳掛けハウジングに近い側の構造概略図である。
【
図7】本願のいくつかの実施例に係る、
図4における装飾ブラケットによってボタンをトリガする原理の概略図である。
【
図8】本願のいくつかの実施例に係る、
図1におけるコアモジュールの分解構造の概略図である。
【
図9】本願のいくつかの実施例に係る骨伝導イヤホンの周波数応答曲線の概略図である。
【
図10】本願のいくつかの実施例に係る、
図8における耳掛けハウジングに設置された補強構造の断面構造の概略図である。
【
図11】本願のいくつかの実施例に係る、
図8における耳掛けハウジングに設置された補強構造の平面構造の概略図である。
【
図12】本願のいくつかの実施例に係る、
図10及び
図11における補強構造に対応する周波数応答曲線の概略図である。
【
図13】本願のいくつかの実施例に係る、
図8におけるコアモジュールを組み立てた後のI-I方向に沿う断面構造の概略図である。
【
図14】本願のいくつかの実施例に係る、
図8におけるコアブラケットの構造概略図である。
【
図15】本願のいくつかの実施例に係る、
図8におけるコアモジュールを組み立てた後の平面構造の概略図である。
【
図16】本願のいくつかの実施例に係る、
図1におけるコアモジュールの分解構造の概略図である。
【
図17】本願のいくつかの実施例に係る、
図14における耳掛けアセンブリとカバープレートとの間にタイプの異なる接着剤が設置された構造に対応する周波数応答曲線の概略図である。
【
図18】本願のいくつかの実施例に係る、
図16におけるコアモジュールを組み立てた後のII-II方向に沿う断面構造の概略図である。
【
図19】本願のいくつかの実施例に係る、
図16におけるカバープレートのコアハウジングに近い側の構造概略図である。
【
図20】本願のいくつかの実施例に係る、
図19におけるカバープレートの平面構造の概略図である。
【
図21】本願のいくつかの実施例に係る、
図16におけるコアモジュールの別の視角での分解構造の概略図である。
【
図22】本願のいくつかの実施例に係る、
図21におけるカバープレートの平面構造の概略図である。
【
図23】本願のいくつかの実施例に係るコアの原理概略図である。
【
図24】本願のいくつかの実施例に係る、
図23における磁性体と力係数BLとの関係概略図である。
【
図25】本願のいくつかの実施例に係る、
図23における磁束伝導カバー及び磁束伝導プレートの厚さと力係数BLとの間の関係概略図である。
【
図26】本願のいくつかの実施例に係る、
図23における磁束伝導カバーの高さと力係数BLとの間の関係概略図である。
【
図27】本願のいくつかの実施例に係る、
図1における骨伝導イヤホンが非着用状態にあるときの状態概略図である。
【
図28】本願のいくつかの実施例に係る、
図1における後掛けアセンブリのIII-III方向に沿う断面構造の概略図である。
【
図29】本願のいくつかの実施例に係る後掛けアセンブリの加工方法の例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、単に本願の例又は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて本願を他の類似するシナリオに適用することもできる。理解されるように、これらの例示的な実施例は、当業者が本発明をよりよく理解して実施することを可能にするためにのみ与えられ、いかなる方法で本発明の範囲を限定するものではない。言語環境から明らかではないか又は明記しない限り、図面において同じ符号は同じ構造又は操作を表す。
【0033】
本願及び特許請求の範囲に示すように、文脈が明確に別段の指示をしない限り、「一つ」、「一個」、「一種」及び/又は「該」などの用語は、特に単数形を指すものではなく、複数形を含んでもよい。一般的には、用語「含む」及び「含有」は明確に特定されたステップ及び要素を含むことのみを提示し、これらのステップ及び要素は、排他的な羅列を構成せず、方法又は装置も他のステップ又は要素を含む可能性がある。用語「に基づく」とは、「少なくとも部分的に基づく」ことである。用語「一つの実施例」は、「少なくとも一つの実施例」を表す。用語「別の実施例」は、「少なくとも一つの別の実施例」を表す。その他の用語の関連定義については後述する。以下、一般性を失うことなく、本発明における伝導関連技術を説明する場合、「音響出力装置」又は「イヤホン」の説明を採用する。該説明は単に伝導適用の一形態にすぎず、当業者であれば、「音響出力装置」又は「イヤホン」は、例えば「スピーカ」、「発音装置」、「補聴器」又は「スピーカ装置」などの他の同様の単語に置き換えることもできる。実際に、本発明における様々な実装は、非スピーカタイプの聴覚装置に容易に適用することができる。例えば、当業者は、イヤホンの基本原理を理解した後、この原理から逸脱することなく、イヤホンを実装する具体的な方法及びステップの形態及び詳細に様々な修正及び変更を行うことができ、特に、環境音のピックアップ及び処理機能をイヤホンに追加することにより、該イヤホンが補聴器の機能を実現することができる。例えば、マイクロフォンなどの伝声器は、ユーザ/着用者の周囲環境の音声をピックアップし、特定のアルゴリズムで処理された音声(又は生成された電気信号)を音響出力部分に伝送することができる。すなわち、イヤホンは、環境音のピックアップ機能を追加して、特定の信号処理後に音響出力モジュールにより音声をユーザ/着用者に伝達することにより、音響出力装置と従来の音響出力装置の機能を同時に実現するように変更してもよい。例として、ここで説明するアルゴリズムは、ノイズ除去、自動利得制御、音響フィードバック抑制、ワイドダイナミックレンジ圧縮、能動的環境識別、能動的騒音防止、指向処理、耳鳴防止処理、マルチチャネルワイドダイナミックレンジ圧縮、能動的ハウリング抑制、音量制御などの一種又は複数種の組み合わせを含んでもよい。
【0034】
本願におけるイヤホンは単独で、直接使用可能なイヤホンであってもよく、電子機器に挿着されるか又は電子機器の一部として使用されるイヤホンであってもよい。説明のみを目的として、以下、骨伝導イヤホンに基づいてさらに説明する。なお、以下に説明する内容は同様に空気伝導イヤホンにも適用することができる。
【0035】
図1は、本願のいくつかの実施例に係る骨伝導イヤホンの分解構造の概略図である。
図2は、本願のいくつかの実施例に係る、
図1における耳掛けアセンブリの分解構造の概略図である。
図3は、本願のいくつかの実施例に係る、
図2における耳掛けハウジングの構造概略図である。
図4は、本願のいくつかの実施例に係る、
図1における耳掛けアセンブリの別の分解構造の概略図である。
図5は、本願のいくつかの実施例に係る、
図4における耳掛けハウジングの構造概略図である。
図1~
図5に示すように、骨伝導イヤホン10は、二つのコアモジュール20、二つの耳掛けアセンブリ30、後掛けアセンブリ40、主制御回路基板50及び電池60を含んでもよい。二つの耳掛けアセンブリ30の一端は、それぞれ対応するコアモジュール20に接続され、後掛けアセンブリ40の両端は、それぞれ、二つの耳掛けアセンブリ30の端部のうちコアモジュール20から離れる他端に接続される。さらに、二つの耳掛けアセンブリ30は、それぞれユーザの両耳の外側に掛けられ、後掛けアセンブリ40は、ユーザの頭部の後側に巻き掛けられ、それによりユーザが骨伝導イヤホン10を着用するニーズを満たす。このように設置すると、骨伝導イヤホン10が着用状態にあるとき、二つのコアモジュール20は、それぞれユーザの頭部の左側と右側とに位置し、二つの耳掛けアセンブリ30と後掛けアセンブリ40との協力作用で、二つのコアモジュール20は、ユーザの頭部を挟持してユーザの皮膚に接触することができ、さらに骨伝導技術に基づいて音声の伝達を実現することができる。
【0036】
なお、骨伝導イヤホン10のステレオ音響効果を実現することにより、骨伝導イヤホン10に対するユーザの好感度を向上させるように、本願に記載のコアモジュール20は二つ設置され、二つのコアモジュール20はいずれも発音することができる。いくつかの実施例において、コアモジュール20の数は二つに限定されなくてもよい。例えば、骨伝導イヤホン10には、三つ以上のコアモジュール20が設置されてもよい。また例えば、難聴患者の補聴、生放送時の司会者への補助などのようなステレオへの要件が特に高くない一部の応用シーンでは、骨伝導イヤホン10には、コアモジュール20が一つだけ設置されてもよい。さらに例えば、上記イヤホンはさらに、一つのコアモジュール20が設置された空気伝導イヤホン(例えば、片耳式の空気伝導イヤホン)を含んでもよく、上記空気伝導イヤホンは、固定アセンブリ(例えば、耳掛けアセンブリ)によりユーザの耳介に掛けられ、一つ又は複数の音導孔により音声信号をユーザに伝達することができる。
【0037】
いくつかの実施例において、主制御回路基板50及び電池60は、同じ耳掛けアセンブリ30内に設置されてもよく、それぞれ二つの耳掛けアセンブリ30内に設置されてもよく、具体的な構造については後で詳細に説明する。主制御回路基板50及び電池60は、いずれも導体(
図1~
図5のいずれにも示されていない)により二つのコアモジュール20に接続することができ、主制御回路基板50は、コアモジュール20の発音を制御することができ(例えば、電気信号を機械的振動に変換する)、電池60は、骨伝導イヤホン10(具体的には、二つのコアモジュール20であってもよい)に電気エネルギーを提供することができる。いくつかの実施例において、本願に記載の骨伝導イヤホン10はさらに、伝声器(例えば、マイクロフォン、ピックアップなど)、通信素子(例えば、ブルートゥース(登録商標)など)などのアセンブリを含んでもよく、また、これらのアセンブリは、対応する機能を実現するために、導線を介して主制御回路基板50、電池60などに接続されてもよい。
【0038】
いくつかの実施例において、上記導体は、導線を含んでもよく、上記導線は、骨伝導イヤホン10の各電子素子の間に電気的接続を実現するために用いることができ、複数の回路を電気的に接続する必要がある場合、それに応じて導体を複数本設置してもよく、さらに上記導体を複数本の導線として簡単に理解することができる。
【0039】
図2に示すように、耳掛けアセンブリ30は、耳掛けハウジング31及び装飾部材32を含んでもよく、両者は、接着、係止、ねじ接続などの組み立て方法のうちの一種又はそれらの組み合わせにより接続することができる。装飾部材32が耳掛けハウジング31を装飾することにより、骨伝導イヤホン10の見栄えを向上させるように、骨伝導イヤホン10が着用状態にあるとき、装飾部材32は、耳掛けハウジング31のコアモジュール20から離れる側に位置し、すなわち骨伝導イヤホン10の外側に位置する。いくつかの実施例において、装飾部材32は、耳掛けハウジング31から突出してもよく、耳掛けハウジング31に嵌め込まれてもよい。いくつかの実施例において、装飾部材32は、ステッカー、プラスチック製品、金属製品などを含んでもよく、その上に幾何学的パターン、漫画パターン、logoパターンなどを印刷してもよく、蛍光材料、反射材料などを塗布してもよく、それにより対応する装飾効果を実現する。
【0040】
図2及び
図3に示すように、耳掛けハウジング31は、順に接続されたイヤホン固定部311、折り曲げ遷移部312及び收容キャビティ313を含んでもよい。イヤホン固定部311は、コアモジュール20を固定し、両者の係合関係については後で詳細に説明する。折り曲げ遷移部312は、收容キャビティ313とイヤホン固定部311とを接続し、人の耳の外側に掛けられるように折り曲げられた状態で設置される。いくつかの実施例において、收容キャビティ313のイヤホン固定部311から離れる一端は、耳掛けアセンブリ30と後掛けアセンブリ40との間の組み立てを実現するために、接着、係止、ねじ接続などの組み立て方法のうちの一種又はそれらの組み合わせにより後掛けアセンブリ40に接続されてもよい。收容キャビティ313の一端は、主制御回路基板50又は電池60を収容するために開口するように設置される。このとき、耳掛けハウジング31は、收容キャビティ本体カバー314をさらに含んでもよく、收容キャビティ本体カバー314は、收容キャビティ313の開口端に覆設される。
【0041】
いくつかの実施例において、骨伝導イヤホン10は、ボタンモジュール、インタフェースモジュールなどをさらに含んでもよい。例えば、收容キャビティ313が主制御回路基板50を収容する場合、
図2に示すように、耳掛けアセンブリ30はさらに制御ボタン33及びTYPE-C(USB)インタフェース34を含んでもよい。制御ボタン33及びTYPE-C(USB)インタフェース34は、主制御回路基板50と接続して、さらに配線距離を短縮するように、收容キャビティ313に設置されてもよい。このとき、制御ボタン33及びTYPE-C(USB)インタフェース34は、ユーザが対応する操作を行うように、耳掛けハウジング31の外部に部分的に露出してもよい。このように設置すると、制御ボタン33は、骨伝導イヤホン10のオン/オフ、音量の調整などの機能を実現することができ、TYPE-C(USB)インタフェース34は、データ伝送、充電などの機能を実現することができる。また、耳掛けアセンブリ30は、指示ランプ35をさらに含んでもよい。指示ランプ35は、主制御回路基板50と接続して、さらに配線距離を短縮するように、收容キャビティ313に設置されてもよい。いくつかの実施例において、
図2に示すように、指示ランプ35は、耳掛けハウジング31の外部に部分的に露出してもよく、具体的には、耳掛けハウジング31内に内蔵されたLED光源と、耳掛けハウジング31の外部に部分的に露出した導光部材(
図2及び
図3のいずれにも示されていない)とを含んでもよい。このように設置すると、指示ランプ35は、骨伝導イヤホン10の充電、残量不足などの状況で提示することができる。
【0042】
いくつかの実施例において、骨伝導イヤホン10が着用状態にあるとき、骨伝導イヤホン10は、人の耳の外側に掛けられる。具体的には、コアモジュール20は、一般的に人の耳の前側に位置し、主制御回路基板50又は電池60は、一般的に人の耳の後側に位置する。このとき、人の耳は、支点として骨伝導イヤホン10を支持するため、骨伝導イヤホン10の重量の大部分を受ける。骨伝導イヤホン10を長時間着用すると、ユーザは不快に感じる可能性がある。このため、耳掛けハウジング31(特に折り曲げ遷移部312)は、骨伝導イヤホン10の着用快適性を向上させるように、一般的に軟質な材質を選択して製造される。いくつかの実施例において、耳掛けハウジング31の材質は、ポリカーボネート(Polycarbonate、PC)、ポリアミド(Polyamides、PA)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(Acrylonitrile Butadiene Styrene、ABS)、ポリスチレン(Polystyrene、PS)、耐衝撃性ポリスチレン(High Impact Polystyrene、HIPS)、ポリプロピレン(Polypropylene、PP)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate、PET)、ポリ塩化ビニル(Polyvinyl Chloride、PVC)、ポリウレタン(Polyurethanes、PU)、ポリエチレン(Polyethylene、PE)、フェノール樹脂(Phenol Formaldehyde、PF)、尿素-ホルムアルデヒド樹脂(Urea-Formaldehyde、UF)、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂(Melamine-Formaldehyde、MF)、シリコーンゴムなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、耳掛けハウジング31の材質が柔らかいため、耳掛けハウジング31は、剛性が不十分であり、その構造を外力作用で維持することが困難であり、さらに強度が不十分で破断するリスクさえ存在する。このため、耳掛けハウジング31の強度を向上させ、さらに耳掛けハウジング31の信頼性を向上させるように、耳掛けハウジング31(少なくとも折り曲げ遷移部312)に弾性ワイヤ(
図3に示されていない)が内蔵されてもよい。弾性ワイヤの材質は、ばね鋼、チタン合金、チタンニッケル合金、クロムモリブデン鋼など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、耳掛けハウジング31は、アウトサート成形により一体成形された構造部材であってもよい。
【0043】
上記詳細な説明によると、コアモジュール20が耳掛けアセンブリ30の一端(具体的には、イヤホン固定部311が位置する一端であってもよい)に設置され、主制御回路基板50又は電池60が耳掛けアセンブリ30の他端(具体的には、收容キャビティ313が位置する他端であってもよい)に設置されるため、コアモジュール20を導線を介して主制御回路基板50及び電池60に接続する場合、導線は、少なくとも折り曲げ遷移部312の位置する領域を通過する必要がある。一般的に、骨伝導イヤホン10の見栄えのために、導線は、耳掛けハウジング31の外部に露出せず、耳掛けハウジング31内に挿入することにより、少なくとも折り曲げ遷移部312が導線を被覆する。しかしながら、導線の材質が一般的に柔らかいため、耳掛けハウジング31内に導線を挿入することは非常に難しい。このため、いくつかの実施例において、
図2~
図5に示すように、耳掛けハウジング31は、少なくとも折り曲げ遷移部312に第一溝315が形成され、第一溝315は、耳掛けハウジング31内に導線を挿入する難易度を下げるために、配線のために用いることができる。第一溝315は、具体的に、耳掛けハウジング31の装飾ブラケット321に近い側に設置されてもよい。このとき、装飾部材32は、配線通路(
図2及び
図4に示されていない)を形成し、さらに導線がコアモジュール20内から配線通路を介して收容キャビティ313内に延在するように、折り曲げ遷移部312に対応する第一溝315内に嵌め込んで固定されてもよく、それにより導線によるコアモジュール20と主制御回路基板50及び電池60との接続を容易にする。このように設置すると、導線が第一溝315を介して耳掛けハウジング31に挿入される場合、装飾部材32は、導線が耳掛けハウジング31の外部に露出することを回避するように導線を被覆することができる。このとき、装飾部材32は、耳掛けハウジング31を装飾するだけでなく、導線を遮蔽することができ、それにより装飾部材32の「二つの用途」を実現することができる。
【0044】
図2に示すように、装飾部材32は、装飾ブラケット321及び装飾ストリップ322を含んでもよい。装飾ブラケット321は、折り曲げ遷移部312に対応して折り曲げられた状態で設置され、それにより装飾ブラケット321が折り曲げ遷移部312に対応する第一溝315に嵌め込んで固定される場合、装飾ブラケット321は、導線がコアモジュール20内から配線通路を介して收容キャビティ313内に延在することを可能にするように、折り曲げ遷移部312上の第一溝315と係合して配線通路を形成する。さらに、装飾ストリップ322は、第一溝315に嵌め込まれ、装飾ブラケット321と貼り合わされて固定される。このとき、装飾ブラケット321は、プラスチック製品であってもよく、接着及び/又は係止の方法により耳掛けハウジング31と組み立てることができる。装飾ストリップ322は、ステッカーであってもよく、接着の方法により装飾ブラケット321に貼り付けることができる。このように設置すると、ユーザは、装飾部材32の装飾効果を変更しようとする場合、装飾ストリップ322を交換すればよく、装飾部材32全体を耳掛けハウジング31から取り外す必要がない。
図6は、本願のいくつかの実施例に係る、
図4における装飾ブラケット321の耳掛けハウジング31に近い側の構造概略図である。いくつかの実施例において、装飾ブラケット321が第一溝315に嵌め込んで固定される場合、第二溝3211が第一溝315に合わせて、配線通路を形成するように、
図6に示すように、装飾ブラケット321の耳掛けハウジング31に向かう側に第二溝3211がさらに形成されてもよい。
【0045】
いくつかの実施例において、第一溝315の底部の装飾ストリップ322の端部に近い位置に凹み316が設置されてもよく、それによりユーザは装飾ストリップ322を凹み316に押し込んで、装飾ストリップ322の端部が第一溝315から浮き上がることを可能にし、装飾ストリップ322の交換を容易にする。このとき、第一溝315はさらに收容キャビティ313に延在することができ、凹み316は、收容キャビティ313に設置することができる。凹み316は、第一溝315における装飾ブラケット321によって被覆された領域以外の領域に位置し、装飾ストリップ322は、装飾ブラケット321に貼り合わされて固定され、凹み316を被覆する。このとき、装飾ストリップ322全体の長さは、装飾ブラケット321全体の長さより大きくてもよい。
【0046】
いくつかの実施例において、装飾ブラケット321と装飾ストリップ322とは、一体成形された構造部材であってもよい。装飾ブラケット321の材質と装飾ストリップ322の材質とは異なってもよく、両者は、装飾ブラケット321が支持の役割を果たし、装飾ストリップ322が装飾の役割を果たすことができるように二色射出成形されてもよい。このとき、装飾ストリップ322全体の長さは、装飾ブラケット321全体の長さ以上であってもよい。
【0047】
図3に示すように、第一溝315は、折り曲げ遷移部312に位置する第一サブ溝部分3151と、イヤホン固定部311に位置する第二サブ溝部分3152と、收容キャビティ313に位置する第三サブ溝部分3153とに分割されてもよい。第一サブ溝部分3151の深さが第二サブ溝部分3152及び第三サブ溝部分3153の深さより大きいことにより、第一サブ溝部分3151は、装飾ブラケット321を収容しかつ配線を実現することができ、第二サブ溝部分3152及び第三サブ溝部分3153は、装飾ストリップ322を収容することができる。換言すれば、第一サブ溝部分3151内に位置する以外、装飾ストリップ322は、さらに、第二サブ溝部分3152及び第三サブ溝部分3153内に延在してもよい。このとき、凹み316は、第三サブ溝部分3153に設置されてもよい。さらに、第二サブ溝部分3152の深さは、第三サブ溝部分3153の深さと等しくてもよく、装飾ブラケット321が第一サブ溝部分3151に嵌め込んで固定されると、装飾ブラケット321の耳掛けハウジング31から離れる面は、装飾ストリップ322をイヤホン固定部311、装飾ブラケット321及び收容キャビティ313に平らに貼り付けることができるように、第二サブ溝部分3152及び第三サブ溝部分3153の溝底部と略面一であってもよい。
【0048】
いくつかの実施例において、装飾ストリップ322と装飾ブラケット321との間の貼り合わせ強度は、装飾ブラケット321と折り曲げ遷移部312との間の固定強度より小さくてもよい。装飾ストリップ322と装飾ブラケット321とを接着する場合、該貼り合わせ強度は、両者の間の接着強度を指してもよい。このとき、該貼り合わせ強度の大きさは、装飾ブラケット321と装飾ストリップ322との貼り合わせ表面の粗さに依存してもよく、及び/又は、装飾ストリップ322と装飾ブラケット321との間の接着剤の使用量(及び/又は粘着性)に依存してもよい。いくつかの実施例において、装飾ブラケット321が折り曲げ遷移部312に係止される場合、該固定強度は、両者の間の係止強度を指してもよい。このとき、該固定強度は、装飾ブラケット321と折り曲げ遷移部312との間の係合ギャップに依存してもよく、及び/又は、両者の係止深さに依存してもよい。このように設置すると、装飾ブラケット321と耳掛けハウジング31とが係止方法により組み立てられる場合、装飾ストリップ322については、両端をそれぞれ收容キャビティ313とイヤホン固定部311とに接着し、装飾ブラケット321をさらに固定する役割を果たすことができ、装飾ストリップ322を交換して装飾部材32の装飾効果を変更する場合、装飾ブラケット321は、装飾ストリップ322との間の貼り合わせ強度が大きすぎるために持ち上げられることもない。
【0049】
いくつかの実施例において、
図2に示す收容キャビティ313が主制御回路基板50を収容する場合、
図4に示す收容キャビティ313は、電池60を収容してもよい。このとき、
図2に示す耳掛けアセンブリ30が骨伝導イヤホン10の左耳掛けに対応する場合、
図4に示す耳掛けアセンブリ30は、骨伝導イヤホン10の右耳掛けに対応してもよく、逆に、
図2に示す耳掛けアセンブリ30が骨伝導イヤホン10の右耳掛けに対応する場合、
図4に示す耳掛けアセンブリ30は、骨伝導イヤホン10の左耳掛けに対応してもよい。換言すれば、主制御回路基板50と電池60は、それぞれ二つの耳掛けアセンブリ30内に設置されてもよい。このように設置すると、電池60の容量を増加させて、骨伝導イヤホン10の耐久性を改善するだけでなく、骨伝導イヤホン10の重量を均一にして、骨伝導イヤホン10の着用快適性を向上させることができる。このとき、主制御回路基板50と電池60とは、後掛けアセンブリ40に内蔵された導線を介して接続することができ、具体的な構造は後で詳細に説明する。いくつかの実施例において、左耳掛け(又は右耳掛け)及び/又は後掛けアセンブリ40を省略してもよく、骨伝導イヤホン10には、一つの耳掛けが設置されてもよく、上記耳掛けの收容キャビティ313は、主制御回路基板50及び電池60を同時に収容することができる。
【0050】
図4に示すように、耳掛けアセンブリ30はさらにボタン36を含んでもよく、耳掛けハウジング31にボタン嵌合孔317がさらに形成される。装飾ブラケット321は、耳掛けハウジング31の一側に組み立てられて固定され、ボタン36は、耳掛けハウジング31の装飾ブラケット321から離れる他側に設置され、ボタン嵌合孔317を介して露出し、装飾ブラケット321はさらに、ボタン嵌合孔317を介して露出したボタン36の上方にカンチレバーの形で延在し、外力の押圧でボタン36をトリガすることができる。このように設置すると、上記制御ボタン33をボタン36に置き換えて骨伝導イヤホン10の構造を簡略化することができ、また、上記制御ボタン33と組み合わせてもよく、再生/一時停止、AIウェイクアップなどの機能を実現して、骨伝導イヤホン10のインタラクティブ能力を拡張することができる。
【0051】
いくつかの実施例において、ユーザがイヤホン固定部311でボタン36を押圧することができるように、ボタン嵌合孔317は、イヤホン固定部311に形成されてもよい。このとき、耳掛けアセンブリ30は、ボタン36とイヤホン固定部311との間に設置された密封部材37をさらに含んでもよい。密封部材37の材質は、シリコーンゴム、ゴムなどを含んでもよい。このように設置すると、イヤホン固定部311のボタン36が位置する領域での防水性能を向上させるだけでなく、ボタン36の押圧感触を改善することができる。
【0052】
同様に、コアモジュール20が耳掛けアセンブリ30の一端(具体的には、イヤホン固定部311が位置する一端であってもよい)に設置され、電池60が耳掛けアセンブリ30の他端(具体的には、收容キャビティ313が位置する他端であってもよい)に設置される場合、コアモジュール20が導線を介して電池60に接続されるように、導線は、少なくとも折り曲げ遷移部312が位置する領域を通過する必要がある。このため、
図4に示すように、耳掛けハウジング31には、少なくともイヤホン固定部311及び折り曲げ遷移部312の装飾ブラケット321に近い側に第一溝315が形成され、第一溝315は、耳掛けハウジング31内に導線を挿入する難易度を下げるために、配線のために用いることができる。さらに、第一溝315の一端がボタン嵌合孔317に連通し、それにより装飾ブラケット321が第一溝315に嵌め込んで固定される場合、ボタン36をトリガするように、装飾ブラケット321は、さらにボタン嵌合孔317を被覆してもよい。
【0053】
上記方法により、装飾部材32は、耳掛けハウジング31を装飾しかつ導線を遮蔽するだけでなく、ボタン36を遮蔽しかつトリガすることができ、それにより装飾部材32は「四つの用途」を実現することができる。
【0054】
図5に示すように、第一溝315は、折り曲げ遷移部312に位置する第一サブ溝部分3151と、イヤホン固定部311に位置する第二サブ溝部分3152とに分割されてもよい。第一サブ溝部分3151の深さが第二サブ溝部分3152の深さより大きいことにより、第一サブ溝部分3151は、配線を実現することができ、第二サブ溝部分3152は、第一サブ溝部分3151と共に装飾ブラケット321を収容する。このとき、ボタン嵌合孔317は、第二サブ溝部分3152に設置されてもよく、すなわち、イヤホン固定部311上の両者の投影は、少なくとも部分的に重なり合う。さらに、第一溝315は、收容キャビティ313に位置する第三サブ溝部分3153にさらに分割されてもよく、第三サブ溝部分3153には、凹み316がさらに設置されてもよい。第三サブ溝部分3153が装飾ストリップ322を収容することができるように、第二サブ溝部分3152の深さは、第三サブ溝部分3153の深さより大きくてもよい。換言すれば、第一サブ溝部分3151及び第二サブ溝部分3152内に位置する以外、装飾ストリップ322はさらに、第三サブ溝部分3153内に延在してもよい。このとき、装飾ブラケット321が第一サブ溝部分3151に嵌め込んで固定されると、装飾ブラケット321の耳掛けハウジング31から離れる面は、装飾ストリップ322をイヤホン固定部311、装飾ブラケット321及び收容キャビティ313に平らに貼り付けることができるように、第三サブ溝部分3153の溝底部と略面一であり、さらに、装飾ブラケット321は、第二サブ溝部分3152のボタン嵌合孔317に対応する箇所にカンチレバーを形成することができる。
【0055】
図6に示すように、装飾ブラケット321は、第一サブ溝部分3151に対応する固定部3212と、第二サブ溝部分3152に対応する押圧部3213とを含んでもよい。固定部3212の厚さが押圧部3213の厚さより大きいことにより、固定部3212は、装飾ブラケット321と耳掛けハウジング31との間の組み立てを実現することができ、押圧部3213は、ボタン36をトリガすることができる。さらに、装飾ブラケット321の耳掛けハウジング31に向かう側に第二溝3211が形成される場合、第二溝3211は、固定部3212に設置されてもよい。
【0056】
図7は、本願のいくつかの実施例に係る、
図4における装飾ブラケット321がボタン36をトリガする原理の概略図である。
図6及び
図7に示すように、装飾ブラケット321は、固定部3212と押圧部3213との間に接続された接続部3214をさらに含んでもよい。接続部3214は、固定部3212より、耳掛けハウジング31から離れる側に折り曲げて延在し、押圧部3213は、接続部3214より、耳掛けハウジング31に近い側に折り曲げて延在する。このとき、接続部3214により、押圧部3213は、固定部3212に対して宙吊り状態にあり、押圧部3213と固定部3212との間に一定の距離を有する。該距離は、ボタン36のトリガストローク以上であってもよい。このように設置すると、ユーザが装飾ブラケット321の一端(具体的には、押圧部3213が位置する一端であってもよい)を押圧すると、装飾ブラケット321の他端が浮き上がるという問題を効果的に解決することができる。
【0057】
いくつかの実施例において、押圧部3213の耳掛けハウジング31に近い側にボタン突起3215がさらに設置されてもよく、それにより押圧部3213が外力によって押圧されると、ボタン突起3215はボタン36をトリガすることができる。ボタン突起3215とボタン36とのイヤホン固定部311への投影は、少なくとも部分的に重なり合い、ボタン突起3215とボタン36とが接触する有効面積は、押圧部3213とボタン36とが接触する有効面積より小さい。このように設置すると、特にボタン36とイヤホン固定部311との間に密封部材37が設置される場合、ボタン36をトリガする難易度を下げることができ、ボタン36をトリガするために、まず密封部材37を変形させる必要があることからである。関係式F∝ε・Sに基づいて、ユーザが印加する外力Fが同じである場合、密封部材37の変形する必要がある領域の有効面積Sが小さいほど、密封部材37に発生する変形εが大きくなり、ボタン36のトリガがさらに容易になる。明らかに、押圧部3213に比べて、ボタン突起3215は上記有効面積を減少させることができる。
【0058】
いくつかの実施例において、装飾ブラケット321のイヤホン固定部311に近い端部にストッパ部3216がさらに設置されてもよい。ストッパ部3216は、特に外力作用で、装飾ブラケット321の端部が第一溝315から浮き上がることを防止するように、イヤホン固定部311の装飾ブラケット321から離れる内表面と共にストッパを形成する。
図7に示すように、具体的には、ストッパ部3216は、押圧部3213の固定部3212から離れる一端に設置されてもよい。このとき、ストッパ部3216とイヤホン固定部311との間のストッパ作用で、装飾ブラケット321は、外力の押圧で変形してボタン36をトリガした後、弾性回復が大きすぎることにより浮き上がることがない。
【0059】
図2又は
図6に示すとおり、装飾ブラケット321の收容キャビティ313に近い一端(すなわち押圧部3213から離れる他端)に当接部3217がさらに設置されてもよい。耳掛けハウジング31の補強構造(具体的には、折り曲げ遷移部312と收容キャビティ313との間に位置する)を構造的に避けるように、当接部3217の厚さは、固定部3212の厚さより小さい。
【0060】
図8は、本願のいくつかの実施例に係る、
図1におけるコアモジュール20の分解構造の概略図である。
図8に示すように、コアモジュール20は、コアハウジング21及びコア22を含んでもよい。コアハウジング21の一端が開口し、耳掛けハウジング31(具体的には、イヤホン固定部311であってもよい)は、コアハウジング21の開口端に覆設されることにより、コア22を収容するキャビティ構造を形成する。このとき、耳掛けハウジング31は、コアハウジング21のカバーに相当する。このように設置すると、関連技術における耳掛け構造とコア構造の挿着組み立て方法に比べて、本願の実施例における耳掛けハウジング31とコアハウジング21との覆設組み立て方法は、関連技術における耳掛け構造とコア構造の挿着箇所での応力問題を解決し、さらに骨伝導イヤホン10の信頼性を向上させることができる。
【0061】
なお、
図8に示す耳掛けハウジングは、耳掛けハウジングとコアハウジングとの間の相対的な位置関係の説明を容易にし、さらに耳掛けハウジングとコアハウジングとの間の可能な組み立て方法を暗黙的に示すためのものである。
【0062】
いくつかの実施例において、コア22が電気信号の励起作用で振動し、コアハウジング21がコア22と共に振動するように駆動するように、コア22は、コアハウジング21内に直接的又は間接的に固定されてもよい。いくつかの実施例において、ユーザが骨伝導イヤホン10を着用するとき、上記振動を人の頭蓋骨を介して聴覚神経に伝達し、さらにユーザが骨伝導イヤホン10で再生している音声を聞くことができるように、コアハウジング21の皮膚接触領域(すなわち、後述する底壁211)は、ユーザの皮膚に接触してもよい。いくつかの実施例において、ユーザが上記イヤホンを着用するとき、コアハウジング21の一側(例えば、後述する底壁211)はユーザの頭部に対向してもよい。例えば、上記イヤホンは、空気伝導イヤホンをさらに含む。上記空気伝導イヤホンの一側に一つ又は複数の音導孔が設置されてもよく、ユーザが上記空気伝導イヤホンを着用するとき、上記一つ又は複数の音導孔が設置された一側はユーザの外耳道に対向してもよい。上記イヤホンで生成された音声信号は、空気伝導の方式でユーザに伝達することができる。任意選択的又は付加的に、上記一つ又は複数の音導孔は、異なる音声伝達効果を実現するように、上記イヤホンの異なる側壁に設置されてもよい。例えば、上記イヤホンのユーザの頭部に対向する底壁に第一音導孔が設置されてもよく、上記第一音導孔は、ユーザの外耳道に第一音声信号を伝達することができる。上記底壁と異なる他の側壁に第二音導孔が設置されてもよく、上記第二音導孔は、第二音声信号を伝達することができる。上記第二音声信号は、コアハウジング21の音漏れを低減するという効果を達成するように、コアハウジング21の振動により生成される音漏れ音波と互いに重畳してもよい。いくつかの実施例において、コアモジュール20は、コア22をコアハウジング21内に固定するコアブラケット23をさらに含んでもよい。
【0063】
一般的に、低周波数は、周波数が500Hzより小さい音声を指し、中間周波数は、周波数範囲が500~4000Hz内にある音声を指し、高周波数は、周波数が4000Hzより大きい音声を指す。
図9は、本願のいくつかの実施例に係る骨伝導イヤホンの周波数応答曲線の概略図である。
図9に示すように、横軸は振動の周波数(単位はHz)であり、縦軸は振動の強度(単位はdB)であり、高周波数領域(周波数が4000Hzより大きい範囲)は、第一高周波数ディップV、第一高周波数ピークP1及び第二高周波数ピークP2を有する。第一高周波数ディップV及び第一高周波数ピークP1は、高周波数でのコアハウジング21の非皮膚接触領域(すなわち、後述する環状周壁212)の変形によって生成されてもよく、第二高周波数ピークP2は、高周波数でのコアハウジング21の皮膚接触領域の変形によって生成されてもよい。いくつかの実施例において、周波数範囲が500~6000Hz内にある周波数応答曲線は、骨伝導イヤホンに対して特に重要である。ここで、この周波数範囲内に、鋭いピークとディップが現れることは望ましくなく、周波数応答曲線が平坦であるほど、骨伝導イヤホンの音質がよくなる。一般的に、構造(例えば、コアハウジング21)の剛性が大きいほど、上記構造が力を受けたときに発生する変形が小さくなり、より高い周波数の共振を生成することに役立つ。したがって、多くの場合、製品メーカーは、コアハウジング21の剛性を増加させることによって、第一高周波数ディップV、第一高周波数ピークP1及び第二高周波数ピークP2をより高い周波数の領域に移動させる。換言すれば、よりよい音質を得るために、コアハウジング21の剛性を可能な限り大きくしてもよい。このため、いくつかの実施例において、コアハウジング21の材質は、ポリカーボネート、ポリアミド、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体などの材料とガラス繊維又は炭素繊維との混合物を含んでもよい。いくつかの実施例において、コアハウジング21の材質は、炭素繊維とポリカーボネートを一定の比率で混合して製造されてもよく、ガラス繊維とポリカーボネートを一定の比率で混合して製造されてもよく、さらにガラス繊維とポリアミドを一定の比率で混合して製造されてもよい。他のいくつかの実施例において、コアハウジング21の材質は、炭素繊維、ガラス繊維及びポリカーボネートを一定の比率で混合して製造されてもよい。異なる比率の炭素繊維及び/又はガラス繊維を添加すれば、材料の弾性率が異なり、製造されたコアハウジング21の剛性も異なる。例えば、ポリカーボネートに20%~50%のガラス繊維を添加する場合、材料の弾性率は6~8GPaに達することができる。
【0064】
上記詳細な説明によると、一方では、耳掛けハウジング31(特にイヤホン固定部311)は、コアモジュール20の一部の構造として、コア22を収容するキャビティ構造を形成し、他方では、本願の実施例において、骨伝導イヤホン10の着用快適性を向上させるために、耳掛けハウジング31は、一般的に軟質な材質を選択して製造されることにより、剛性が小さくなる。このように設置すると、耳掛けハウジング31がコアハウジング21に覆設されてコア22を収容するキャビティ構造を形成する場合、耳掛けハウジング31(特にイヤホン固定部311)の剛性がコアハウジング21の剛性より小さいため、骨伝導イヤホンに音漏れの不良現象が発生しやすく、さらに骨伝導イヤホンに対するユーザの好感度に影響を与える。
【0065】
一般的に、構造の共振周波数は構造の剛性に関連し、質量が同じである場合、構造の剛性が大きいほど、その共振周波数も高くなる。構造の剛性Kは、その材料(具体的には、弾性率と表現される)、具体的な構造形式などの要因に関連する。一般的に、材料の弾性率Eが大きいほど、構造の剛性Kが大きくなり、構造の厚さtが大きいほど、構造の剛性Kが大きくなり、構造の面積Sが小さいほど、構造の剛性Kが大きくなる。このとき、上記関係は、関係式K∝(E・t)/Sで簡単に記述することができる。したがって、材料の弾性率Eの増加、構造の厚さtの増加、構造の面積Sの減少などの方法のうちの一種又はそれらの組み合わせは、いずれも構造の剛性Kを増加させ、さらに構造の共振周波数を増加させることができる。
【0066】
いくつかの実施例において、耳掛けハウジング31は、一般的に軟質な材質(すなわち、ポリカーボネート、ポリアミドなどの弾性率が小さい材料であり、その弾性率は2~3GPaであることが多い)を選択して製造されるが、コアハウジング21は、一般的に硬質な材質(すなわち、弾性率が大きい材料であり、例えば、ポリカーボネートに20%~50%のガラス繊維を添加すると、材料の弾性率が6~8GPaなどに達することができる)を選択して製造される。明らかに、弾性率の違いにより、耳掛けハウジング31の剛性とコアハウジング21の剛性も一致せず、上記音漏れが発生しやすい。また、耳掛けハウジング31がコアハウジング21に接続されると、構造は、両者の剛性が一致しないため、比較的低い周波数で共振を生成しやすい。このため、いくつかの実施例において、コアハウジング21の弾性率が耳掛けハウジング31の弾性率より大きい場合、イヤホン固定部311に補強構造318が設置されることにより、コアハウジング21の皮膚接触領域の剛性K1とイヤホン固定部311の剛性K2との間の差と、コアハウジング21の皮膚接触領域の剛性K1との比を、第一所定比率閾値以下にすることができる。いくつかの実施例において、上記第一所定比率閾値は、10%であってもよい。すなわち、(K1~K2)/K1≦10%、又はK2/K1≧90%。このように設置すると、コアハウジング21が十分な剛性を有し、その共振周波数が可能な限り高い高周波数の領域にあることを保証するだけでなく、イヤホン固定部311とコアハウジング21との間の剛性の差を減少させて構造の共振周波数を増加させ、上記音漏れを改善することができる。
【0067】
図10は、本願のいくつかの実施例に係る、
図8における耳掛けハウジングに設置された補強構造の断面構造の概略図である。いくつかの実施例において、
図10に示すように、コアハウジング21は、底壁211及び環状周壁212を含んでもよい。底壁211は、コアハウジング21の皮膚接触領域であり、環状周壁212の一端は、底壁211と一体に接続される。換言すれば、底壁211は、ユーザの皮膚に接触するか又はユーザの頭部(例えば、ユーザの外耳道)に対向する。いくつかの実施例において、イヤホン固定部311は、折り曲げ遷移部312に接続された固定本体3111と、固定本体3111と一体に接続されかつコアハウジング21に延在する環状フランジ3112とを含んでもよい。環状フランジ3112と環状周壁212の底壁211から離れる他端とは互いに当接し、両者は、接着、又は接着と係止との組み合わせ方法により接続することができる。
【0068】
なお、本願の実施例において、底壁211は、矩形、正方形、円形、楕円形、略楕円形(
図11に示すイヤホン固定部311の形状に類似する)などの形状のうちのいずれか一種の形状であってもよい。いくつかの実施例において、環状周壁212は、底壁211に垂直であってもよく、すなわち、コアハウジング21の開口端の面積は、底壁211の面積と等しい。いくつかの実施例において、環状周壁212は、底壁211に対して外向きにある角度(例えば30°以下の傾斜角)を成して傾斜してもよく、すなわち、コアハウジング21の開口端の面積は底壁211の面積より大きい。本実施例において、底壁211が略楕円形であり、環状周壁212が底壁211に対して外向きに10°傾斜することを例として例示的に説明する。このように設置すると、一定の着用快適性を保証する前提で(底壁211は、コアハウジング21の皮膚接触領域としてユーザの皮膚に接触するため、その面積が小さすぎることは好ましくない)、底壁211の面積を減少させることにより、コアハウジング21の共振周波数を増加させることができる。
【0069】
図10(a)に示すように、補強構造318は、固定本体3111と環状フランジ3112との間に設置された円弧状構造であってもよく、すなわち面取り(Fillet)処理が行われたものであってもよい。いくつかの実施例において、環状フランジ3112のイヤホン固定部311の厚さ方向におけるサイズが一般的に小さいため、環状フランジ3112と上記円弧状構造とを一体化することができる。このとき、イヤホン固定部311について、その構造は、固定本体3111及び円弧状構造の補強構造318のみを含んでもよい。このように設置すると、上記円弧状構造により、イヤホン固定部311の有効面積を減少させ、イヤホン固定部311の剛性を増加させ、さらにイヤホン固定部311とコアハウジング21との間の剛性の差を減少させることができる。なお、上記円弧状構造のサイズは、イヤホン固定部311の剛性の要求に応じて合理的に設計されてもよいが、これに限定されない。
【0070】
図10(b)に示すように、補強構造318は、固定本体3111と一体に設置された増肉層であってもよく、すなわち、増肉(Thicken)処理が行われたものであってもよい。増肉層の材質は、耳掛けハウジング31の材質と同じであってもよく、例えば、増肉層の材質もポリカーボネート、ポリアミド、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体のうちのいずれか一種である。なお、補強構造318は、固定本体3111のコアハウジング21に近い側に位置してもよく、固定本体3111のコアハウジング21から離れる他側に位置してもよく、当然のことながら固定本体3111の両側に位置してもよい。いくつかの実施例において、環状フランジ3112のイヤホン固定部311の厚さ方向におけるサイズが一般的に小さいため、環状フランジ3112と上記増肉層を一体化することができる。このとき、イヤホン固定部311については、その構造は、固定本体3111及び増肉層の設置された補強構造318のみを含んでもよい。このように設置すると、上記増肉層により、イヤホン固定部311の有効厚さを増加させ、イヤホン固定部311の剛性を増加させ、さらにイヤホン固定部311とコアハウジング21との間の剛性の差を減少させることができる。なお、上記増肉層のサイズは、イヤホン固定部311の剛性の要求に応じて合理的に設計されてもよいが、これに限定されない。
【0071】
いくつかの実施例において、補強構造318は金属製品であってもよい。金属製品の材質は、アルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金、ニッケル合金、クロムモリブデン鋼、ステンレス鋼など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。このとき、補強構造318とイヤホン固定部311とは、アウトサート成形により一体成形された構造部材であってもよい。このように設置すると、金属製品は、イヤホン固定部311の剛性を効果的に増加させ、さらにイヤホン固定部311とコアハウジング21との間の剛性の差を減少させることができる。なお、上記補強構造318の材質、サイズなどのパラメータは、イヤホン固定部311の剛性の要求に応じて合理的に設計されてもよいが、これに限定されない。
【0072】
図11は、本願のいくつかの実施例に係る、
図8における耳掛けハウジング31に設置された補強構造318の平面構造の概略図である。いくつかの実施例において、
図11に示すように、補強構造318は、イヤホン固定部311に設置された補強リブであってもよい。上記補強リブは、イヤホン固定部311のコアハウジング21に近い側に分布してもよい。いくつかの実施例において、補強リブの数は複数であってもよい。いくつかの実施例において、上記複数の補強リブは、
図11(a)及び
図11(b)に示すような並列状、又は
図11(c)に示すような格子状に設置されてもよい。いくつかの実施例において、上記複数の補強リブは、イヤホン固定部311上の所定の基準点を中心として、
図11(d)に示すような放射状に設置されてもよい。いくつかの実施例において、補強リブの材質は、耳掛けハウジング31の材質と同じであってもよく、例えば、補強リブの材質もポリカーボネート、ポリアミド、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体のうちのいずれか一種である。このように設置すると、イヤホン固定部311に金属製品を射出成形して設置するか、又はイヤホン固定部311に対して増肉加工を直接行うなどの方法に比べて、イヤホン固定部311に補強リブを設置することにより、イヤホン固定部311の剛性を増加させるだけでなく、イヤホン固定部311の重量との両立を図ることもできる。
【0073】
いくつかの実施例において、
図11に示すように、イヤホン固定部311は、長軸方向(
図11における一点鎖線Xで示す方向)及び短軸方向(
図11における一点鎖線Yで示す方向)を有してもよい。イヤホン固定部311の長軸方向に沿うサイズは、その短軸方向に沿うサイズより大きくてもよい。以下、補強リブの分布について例示的に説明する。
【0074】
図11(a)に示すように、複数の補強リブは、長尺状の方式で長軸方向に沿って延在し、短軸方向に沿って並設されてもよい。このとき、補強構造318は、イヤホン固定部311の長辺補強リブ(Long-Side)と単純に見なされてもよい。
【0075】
図11(b)に示すように、複数の補強リブは、長尺状の方式で短軸方向に沿って延在し、長軸方向に沿って並設されてもよい。このとき、補強構造318は、イヤホン固定部311の短辺補強リブ(Short-Side)と単純に見なされてもよい。
【0076】
図11(c)に示すように、複数の補強リブは、それぞれ長軸方向及び短軸方向に沿って設置されて格子状を形成してもよい。このとき、補強構造318は、イヤホン固定部311の交差した補強リブ(Cross)と単純に見なされてもよい。
【0077】
図11(d)に示すように、複数の補強リブの互いに近い一端は、間隔を隔てて設置されてもよく、複数の補強リブの延長線は、所定の基準点(
図11における中実点Oに示す)に交差してもよい。このとき、補強構造318は、イヤホン固定部311の放射状の補強リブ(Radiational)と単純に見なされてよい。
【0078】
いくつかの実施例において、補強リブとイヤホン固定部311とが所定のサイズ関係を満たす場合、イヤホン固定部311の剛性を効果的に増加させるだけでなく、イヤホン固定部311の重量との両立を好適に図ることができる。いくつかの実施例において、補強リブの厚さとイヤホン固定部311の厚さとの比は、第一比範囲内にあってもよい。例えば、上記第一比範囲は、0.8~1.2であってもよい。いくつかの実施例において、補強リブの幅とイヤホン固定部311の厚さとの比は、第二比範囲内にあってもよい。例えば、上記第二比範囲は、0.4~0.6であってもよい。いくつかの実施例において、補強リブの間隔とイヤホン固定部311の厚さとの比は、第三比範囲内にあってもよい。例えば、上記第三比範囲は、1.6~2.4であってもよい。いくつかの実施例において、補強リブの厚さは、イヤホン固定部311の厚さと同じであってもよく、補強リブの幅は、イヤホン固定部311の厚さの半分であってもよく、補強リブの間隔は、イヤホン固定部311の厚さの二倍であってもよい。単なる例として、本実施例において、イヤホン固定部311の厚さが0.8mm、補強リブの厚さ、幅及び間隔がそれぞれ0.8mm、0.4mm及び1.6mmであることを例示的に説明する。
【0079】
なお、
図10及び
図11に示す様々な補強構造は、イヤホン固定部311の剛性の要求に応じて合理的に組み合わせることができるが、これに限定されない。
【0080】
図12は、本願のいくつかの実施例に係る、
図10及び
図11における補強構造318に対応する周波数応答曲線の概略図である。
図12に示すように、曲線(A+B)は、イヤホン固定部311の材質とコアハウジング21の材質とが異なり(例えば、前者の弾性率が後者の弾性率より小さい)、イヤホン固定部311に対して、いかなる構造的改良が行われていない場合のイヤホンの周波数応答曲線を表すことができ、曲線(B+B)は、イヤホン固定部311の材質とコアハウジング21の材質とが同じであり(例えば、両者の弾性率が等しい)、イヤホン固定部311がコアハウジング21と構造的に類似する(例えば、両者の厚さが等しく、イヤホン固定部311の面積も底壁211の面積と等しい)場合のイヤホンの周波数応答曲線を表すことができる。Aは、イヤホン固定部311に対応してもよく、Bは、底壁211(すなわち、コアハウジング21の皮膚接触領域)に対応してもよく、(A+B)及び(B+B)は、構造的に耳掛けハウジング31(具体的には、イヤホン固定部311であってもよい)に対応し、コアハウジング21に覆設されてもよい。
【0081】
図12から、以下の内容が明らかになる。構造(A+B)の場合、その共振ディップ(上記第一高周波数ディップVに対応してもよい)は、約5500Hzの周波数で現れ、構造(B+B)の場合、その共振ディップ(上記第一高周波数ディップVに対応してもよい)は、約8400Hzの周波数で現れる。明らかに、構造(A+B)を構造(B+B)に改良すれば、構造の共振周波数を効果的に増加させることができる。
【0082】
さらに、構造(A+B)の場合、イヤホン固定部311に、
図10(a)に示すような面取り(Fillet)、
図10(b)に示すような増肉(Thicken)、
図11(a)に示すような長辺補強リブ(Long-Side)、
図11(b)に示すような短辺補強リブ(Short-Side)、
図11(c)に示すような交差した補強リブ(Cross)、
図11(d)に示すような放射状の補強リブ(Radiational)などの補強構造318を設置すると、(A+B+補強構造)の共振ディップは、いずれも5500~8400Hzの周波数範囲内に現れる。換言すれば、イヤホン固定部311に補強構造318を設置することは、確かに構造の共振周波数を増加させることに役立ち、すなわち、イヤホン固定部311とコアハウジング21との間の剛性の差を減少させることに役立ち、さらに上記音漏れを改善することに役立つ。なお、補強構造318の構造が異なり、共振周波数の増加効果がそれぞれ異なり、すなわち、音漏れの改善程度がそれぞれ異なる。単なる例として、補強構造318の共振周波数に対する増加効果を降順に順序付けると、該順序は、十字状補強リブ>短辺補強リブ>放射状補強リブ>増肉>長辺補強リブ>面取りである。
【0083】
上記詳細な説明によると、コア22は、電気信号の励起作用で振動し、コアハウジング21がコア22と共に振動するように駆動する。ユーザが骨伝導イヤホン10を着用するとき、上記振動を人の頭蓋骨を介して聴覚神経に伝達し、さらにユーザが骨伝導イヤホン10で再生している音声を聞くことができるように、コアハウジング21の底壁211(すなわち、皮膚接触領域)は、ユーザの皮膚に接触してもよい。このとき、振動伝達過程の信頼性を保証するために、少なくともコアハウジング21がコア22と共に振動できる必要がある。したがって、コア22をコアハウジング21内に固定する必要がある。
【0084】
図13は、本願のいくつかの実施例に係る、
図8におけるコアモジュールを組み立てた後のI-I方向に沿う断面構造の概略図である。
図13及び
図8に示すように、コアハウジング21の一端(例えば、上記底壁211から離れる一端)は開口し、コアブラケット23及びコア22がコアハウジング21内に収容される。コアブラケット23は、コア22をコアハウジング21内に固定する。
図14は、本願のいくつかの実施例に係る、
図8におけるコアブラケット23の構造概略図である。
図14に示すように、コアブラケット23は、環状のブラケット本体231と、ブラケット本体231に設置された位置制限構造とを含んでもよい。コア22は、コアハウジング21に固定接続されるように、ブラケット本体231に掛けられる。
図13に示すように、コアブラケット23がブラケット本体231の周方向(
図14における矢印Cで示す方向)に沿ってコアハウジング21に相対的に固定されるように、位置制限構造とコアハウジング21とが締まり嵌めしてもよい。ブラケット本体231が位置する平面は、底壁211が位置する平面に平行であってもよく、それにより両者の間の貼り合わせ度を増加させ、さらに上記振動の伝達効果を向上させる。このとき、ブラケット本体231と底壁211との間に、構造用接着剤、ホットメルト接着剤、瞬間接着剤などの接着剤(
図13に示されていない)がさらに設置されてもよい。このように設置すると、コアブラケット23とコアハウジング21とを、係止と接着の組み合わせ方法により組み立てることができ、さらにコアブラケット23とコアハウジング21との間の自由度を効果的に制限することができる。いくつかの実施例において、コアブラケット23とコアハウジング21とを、接着の方法により直接固定してもよい。例えば、ブラケット本体231と底壁211との間に、構造用接着剤、ホットメルト接着剤、瞬間接着剤などの接着剤(
図13に示されていない)を設置することにより、同様にコアブラケット23とコアハウジング21との間の自由度を効果的に制限することができ、さらにコアハウジング21の構造を簡略化することができる。
【0085】
図13に示すように、コアハウジング21は、底壁211又は環状周壁212に接続された位置決めポスト213をさらに含んでもよい。
図14に示すように、位置制限構造は、第一位置制限構造232を含んでもよい。第一位置制限構造232に挿入孔233が設置される。位置決めポスト213は、挿入孔233内に挿入される。このように設置すると、コアブラケット23とコアハウジング21との間の組み立て精度を効果的に向上させることができる。このとき、ブラケット本体231と底壁211との間に上記接着剤がさらに設置されてもよい。
【0086】
いくつかの実施例において、
図14に示すように、位置制限構造は、第二位置制限構造234をさらに含んでもよい。第二位置制限構造234は、ブラケット本体231の周方向(
図14における矢印Cで示す方向)に沿って、第一位置制限構造232と間隔を隔てて設置される。第二位置制限構造234は、環状周壁212と当接することができ、後で詳細に説明する。このように設置すると、第二位置制限構造234と第一位置制限構造232とはそれぞれ、コアハウジング21上の対応する構造と係合することにより、コアブラケット23とコアハウジング21とは相対的な固定状態を保持し、すなわち、コアブラケット23とコアハウジング21との間の自由度が効果的に制限される。
【0087】
図8に示すように、環状周壁212の開口端は、長軸方向(
図8における一点鎖線Xで示す方向)及び短軸方向(
図8における一点鎖線Yで示す方向)を有する。環状周壁212の開口端の長軸方向に沿うサイズは、その短軸方向に沿うサイズより大きくてもよい。さらに、
図15は、本願のいくつかの実施例に係る、
図8におけるコアモジュールを組み立てた後の平面構造の概略図である。
図15に示すように、第一位置制限構造232及び第二位置制限構造234は、長軸方向に沿ってブラケット本体231の対向する両側に間隔を隔てて設置され、環状周壁212の開口端が位置する基準平面(
図15における破線矩形枠で示す平面)上の第一位置制限構造232及び第二位置制限構造234の投影は、少なくとも部分的にブラケット本体231の基準平面への投影の外側に位置する。このように設置すると、第一位置制限構造232と位置決めポスト213との係合、第二位置制限構造234と環状周壁212との係合が容易となる。
【0088】
図14に示すように、第一位置制限構造232は、第一軸方向延在部2321及び第一径方向延在部2322を含んでもよい。第一軸方向延在部2321は、ブラケット本体231に接続され、ブラケット本体231の軸方向(
図14における一点鎖線Zで示す方向)に沿って、コア22が位置する一側に延在し、第一径方向延在部2322は、第一軸方向延在部2321に接続され、ブラケット本体231の径方向(すなわち、ブラケット本体231の直径が位置する方向)に沿って、ブラケット本体231の外側に延在する。このとき、挿入孔233は、
図13~
図15に示すように、第一位置制限構造232と位置決めポスト213とが係合するように、第一径方向延在部2322に設置される。さらに、
図14に示すように、第二位置制限構造234は、第二軸方向延在部2341及び第二径方向延在部2342を含んでもよい。第二軸方向延在部2341は、ブラケット本体231に接続され、ブラケット本体231の軸方向に沿って、コア22が位置する一側に延在する。第二径方向延在部2342は、第二軸方向延在部2341に接続され、ブラケット本体231の径方向に沿って、ブラケット本体231の外側に延在する。このとき、第二径方向延在部2342が環状周壁212と当接し、
図13及び
図15に示すように、例えば、両者は、第二位置制限構造234が環状周壁212と当接するように、係止される。このように設置すると、
図13に示すように、コア22は第一軸方向延在部2321と第二軸方向延在部2341との間に位置する。
【0089】
なお、
図13~
図15に示すように、コア22を参考として、第一軸方向延在部2321と第二軸方向延在部2341との間の領域がブラケット本体231の内側である場合、該内側以外の領域はすなわちブラケット本体231の外側である。
【0090】
図13を参照すると、環状周壁212はさらに、第一位置制限構造232に対応し、底壁211に対して傾斜して設置された傾斜領域214を含んでもよい。位置決めポスト213は、傾斜領域214に設置されてもよい。このように設置すると、第一径方向延在部2322と底壁211との間の有効距離を縮小することができ、すなわち、位置決めポスト213の高さを減少させ、さらに位置決めポスト213(特に傾斜領域214に接続された根元部)のコアハウジング21上の構造強度を増加させることにより、骨伝導イヤホン10が落下したり衝突したりするなどの極端な状況が発生するときに、位置決めポスト213が破断したり脱落したりするという不良現象の発生を回避することができる。
【0091】
図15を参照すると、第二位置制限構造234は、短軸方向に沿って、間隔を隔てて二つ設置されてもよい。第一位置制限構造232の基準平面への投影と、二つの第二位置制限構造234の基準平面への投影は、順に結ばれて鋭角三角形(
図15における破線三角形で示す)を形成する。このとき、該鋭角三角形は、具体的に、鋭角二等辺三角形であってもよく、正三角形であってもよい。このように設置すると、コアブラケット23とコアハウジング21との間の相互作用点を可能な限り対称的に設置し、さらにコアブラケット23とコアハウジング21との組み立ての信頼性を向上させる。
【0092】
いくつかの実施例において、ブラケット本体231の外輪郭は円形に設置されてもよく、環状周壁212には、短軸方向に沿って二つの円弧状凹領域2121が対向して設置されてもよい。ブラケット本体231の外輪郭は、それぞれ二つの円弧状凹領域2121に嵌め込まれる。このように設置すると、さらにコアブラケット23とコアハウジング21との間の自由度を制限することができる。
【0093】
上記詳細な説明によると、コアハウジング21の弾性率が耳掛けハウジング31の弾性率より大きい場合、耳掛けハウジング31とコアハウジング21とを接続すると、上記構造(A+B)が形成され、剛性の違いにより、(
図12における曲線(A+B)で示すように)構造(A+B)の共振周波数が低くなる可能性があり、上記音漏れも発生しやすい。構造(A+B)を構造(B+B)に改良すると、(
図12における曲線(B+B)で示すように)構造の共振周波数を効果的に増加させることができる。これに基づいて、本実施例において、コアモジュール20の関連構造を改良する。
【0094】
図16は、本願のいくつかの実施例に係る、
図1におけるコアモジュール20の分解構造の概略図である。
図16に示すように、コアモジュール20は、カバープレート24をさらに含んでもよい。コアハウジング21の一端が開口し、カバープレート24は、コアハウジング21の開口端に覆設されることにより、コア22を収容するキャビティ構造を形成する。換言すれば、カバープレート24は、環状周壁212の底壁211から離れる他端に覆設され、底壁211に対向して設置される。このとき、カバープレート24とコアハウジング21とは、接着、又は係止と接着の組み合わせ方法により接続されてもよい。さらに、耳掛けハウジング31は、カバープレート24に接続され、例えば、イヤホン固定部311は、完全被覆又は半分被覆の方式で、カバープレート24のコアハウジング21から離れる側に被覆される。本実施例において、イヤホン固定部311がカバープレート24を完全に被覆することを例として例示的に説明する。このとき、耳掛けハウジング31とコアハウジング21とを、依然として接着、又は係止と接着の組み合わせ方法により接続することができる。
【0095】
なお、
図16に示す耳掛けハウジングは、耳掛けハウジングとカバープレートとの間の相対的な位置関係の説明を容易にし、さらに耳掛けハウジングとカバープレートとの間の可能な組み立て方法を暗黙的に示すためのものである。
【0096】
いくつかの実施例において、コアハウジング21の弾性率は、耳掛けハウジング31の弾性率より大きく、カバープレート24の弾性率は、耳掛けハウジング31の弾性率より大きい。このとき、本実施例において、イヤホン固定部311の代わりにカバープレート24をコアハウジング21に接続することにより、コアハウジング21の開口端に位置する構造(具体的には、カバープレート24及びイヤホン固定部311であってもよい)の剛性を増加させることに役立ち、さらにコアハウジング21の底壁211の剛性と、その開口端の構造の剛性との間の差を減少させることに役立つ。このように設置すると、コアハウジング21が十分な剛性を有し、その共振周波数が可能な限り高い高周波数の領域に位置することを保証できるだけでなく、構造(コアハウジング21+カバープレート24+イヤホン固定部311)の共振周波数を増加させることに役立ち、上記音漏れを改善することに役立つ。
【0097】
いくつかの実施例において、カバープレート24の弾性率は、コアハウジング21の弾性率以下であってもよい。例えば、カバープレート24の弾性率は、コアハウジング21の弾性率と等しい。このとき、カバープレート24とコアハウジング21とを接続すると、上記構造(B+B)と類似する構造を形成することができる。このように設置すると、底壁211の剛性K1とカバープレート24の剛性K3との間の差と、底壁211の剛性K1との比を、第二所定比率閾値以下にすることができる。いくつかの実施例において、上記第二所定比率閾値は、10%であってもよい。すなわち、(K1-K3)/K1≦10%、又はK3/K1≧90%。
【0098】
いくつかの実施例において、底壁211の面積は、カバープレート24の面積以下であり、底壁211の厚さは、カバープレート24の厚さ以下である。上記詳細な説明によると、一定の着用快適性を保証する前提で、底壁211の面積を減少させることにより、コアハウジング21の共振周波数を増加させることができる。したがって、本実施形態では、コアハウジング21が十分な剛性を有し、その共振周波数が可能な限り高い高周波数の領域に位置することを保証することを考慮し、底壁211の面積をカバープレート24の面積以下にし、すなわち、コアハウジング21の開口端の面積を底壁211の面積より大きくする。いくつかの実施例において、上記関係式K∝(E・t)/Sに基づいて、カバープレート24の弾性率がコアハウジング21の弾性率以下であり、底壁211の面積がカバープレート24の面積以下である場合、上記関係式(K1-K3)/K1≦10%を満たすために、底壁211の厚さがカバープレート24の厚さ以下である必要がある。
【0099】
いくつかの実施例において、カバープレート24の材質は、コアハウジング21と同じであってもよく、例えば、カバープレート24の材質はポリカーボネートとガラス繊維及び/又は炭素繊維との混合物である。いくつかの実施例において、上記関係式K∝(E・t)/Sに基づいて、上記関係式K3/K1≧90%を満たすために、カバープレート24の厚さと面積の比と、底壁211の厚さと面積の比との間の比が、90%以上である必要がある。単なる例として、底壁211の厚さと面積の比は、カバープレート24の厚さと面積の比と等しくてもよい。
【0100】
なお、上記関係式K∝(E・t)/Sに基づいて、上記関係式(K1-K3)/K1≦10%を満たすために、カバープレート24及びコアハウジング21の材質に基づいてカバープレート24及びコアハウジング21の構造パラメータ(例えば厚さ、面積及びその割合)を設計してもよく、カバープレート24及びコアハウジング21の構造パラメータに基づいてカバープレート24及びコアハウジング21の材質を選択してもよい。したがって、上記実施形態は、単に例として二つの可能な設計解決手段を提供する。
【0101】
上記詳細な説明によると、イヤホン固定部311の代わりにカバープレート24をコアハウジング21に接続すると、依然としてカバープレート24のコアハウジング21から離れる側にイヤホン固定部311を接続する必要があり、例えばイヤホン固定部311がカバープレート24を完全に被覆する。
【0102】
いくつかの実施例において、耳掛けハウジング31とカバープレート24とがいずれもプラスチック製品であり、前者の弾性率が後者の弾性率より小さい場合、二色射出成形により両者を一体構造部材として形成することができる。耳掛けハウジング31がプラスチック製品であり、カバープレート24が金属製品であり、前者の弾性率が後者の弾性率より小さい場合、両者は、アウトサート成形により一体構造部材を形成することができる。このとき、耳掛けハウジング31及びカバープレート24は、一体として、コアハウジング21に接続される。このように設置すると、耳掛けハウジング31とカバープレート24との振動上の一致性を良好に保証することができる。しかしながら、耳掛けハウジング31とカバープレート24との間に、上述したボタン、後述する第二伝声器などを設置することも困難である。
【0103】
いくつかの実施例において、イヤホン固定部311とカバープレート24とは、接着、又は係止と接着の組み合わせ方法により接続される。このとき、耳掛けハウジング31とカバープレート24との間に、上述したボタン、後述する第二伝声器などがさらに設置され、具体的な構造は後で詳細に説明する。いくつかの実施例において、イヤホン固定部311とカバープレート24との間に設置された接着剤(
図16に示されていない)の充填度は可能な限り大きい必要があり、例えば該充填度は90%以上である。これは、イヤホン固定部311とカバープレート24との間に設置された接着剤の充填度が小さい場合、イヤホン固定部311とカバープレート24との接続強度を保証することが困難であるだけでなく、両者の振動にも大きなヒステリシスという問題が存在する可能性があり、さらに両者の間に空気が混入する可能性があり、構造の共振周波数に悪影響を与え、すなわち、上述した構造(A+B)の構造(B+B)への改良による有益な効果を保証することが困難であり、振動する過程で構造に雑音の問題が発生する可能性もある。
【0104】
図17は、本願のいくつかの実施例に係る、
図14における耳掛けアセンブリ30とカバープレート24との間にタイプの異なる接着剤が設置された構造に対応する周波数応答曲線の概略図である。
図17に示すように、イヤホン固定部311とカバープレート24との間にタイプの異なる接着剤(例えば構造用接着剤、ホットメルト接着剤、瞬間接着剤、シリコーン粘着剤など)を設置することは、構造の共振周波数にも大きな影響を与える。
図17から以下の内容が明らかになる。タイプの異なる接着剤は、構造の共振周波数に確かに影響を与え、上記接着剤の共振周波数に対する有利な効果を降順に順序付けると、該順序は、構造用接着剤>ホットメルト接着剤>瞬間接着剤>シリコーン粘着剤である。なお、シリコーン粘着剤の材質は一般的に柔らかいため、構造の共振周波数に対する有利な効果が最も低い。したがって、構造の共振周波数を考慮する場合、イヤホン固定部311とカバープレート24との間に硬度の大きい接着剤を設置することができる。
【0105】
上記詳細な説明によると、一方では、コアブラケット23は、コア22によりコアハウジング21が振動するように駆動する信頼性を向上させるように、コア22をコアハウジング21内に固定することができ、他方では、カバープレート24は、コアハウジング21の底壁211の剛性とその開口端の構造の剛性との間の差を減少させるように、コアハウジング21の開口端に位置する構造(具体的には、カバープレート24及びイヤホン固定部311であってもよい)の剛性を増加させることができる。(特に上記Z方向における)コアブラケット23とコアハウジング21との間の係合については、ブラケット本体231と底壁211との間の接着、及び/又は、位置制限構造と環状周壁212との間の係止により実現することができる。さらに、本実施例において、カバープレート24に基づいて、(特に上記Z方向における)コアブラケット23とコアハウジング21との間の係合について、別の発明構造が提供される。
【0106】
図18は、本願のいくつかの実施例に係る、
図16におけるコアモジュール20を組み立てた後のII-II方向に沿う断面構造の概略図である。
図19は、本願のいくつかの実施例に係る、
図16におけるカバープレート24のコアハウジング21に近い側の構造概略図である。
図18及び
図19に示すように、カバープレート24はコアハウジング21の開口端に覆設されるだけでなく、カバープレート24のコアハウジング21に向かう側に押し当て構造がさらに設置される。押し当て構造は、コアブラケット23をコアハウジング21内に押し当てて固定する。このように設置すると、カバープレート24は、コアハウジング21の開口端に位置する構造(具体的には、カバープレート24及びイヤホン固定部311であってもよい)の剛性を増加させるだけでなく、コアブラケット23をコアハウジング21内に押し込んで設置することができることにより、カバープレート24の「二つの用途」を実現することができる。
【0107】
図19に示すように、カバープレート24は、カバープレート本体241と、カバープレート本体241と一体に接続された押し当て構造とを含んでもよい。押し当て構造は、第一押し当てポスト242及び第二押し当てポスト243を含んでもよく、第一押し当てポスト242及び第二押し当てポスト243は、カバープレート本体241の周方向に沿って間隔を隔てて設置され、コアブラケット23と当接する。いくつかの実施例において、カバープレート本体241が位置する平面は、底壁211が位置する平面に平行であってもよく、それによりカバープレート本体241が位置する平面は、ブラケット本体231が位置する平面に平行であってもよく、さらに第一押し当てポスト242及び第二押し当てポスト243の延在方向はいずれもブラケット本体231が位置する平面に垂直であってもよく、すなわち、第一押し当てポスト242及び第二押し当てポスト243の延在方向はいずれも上記Z方向に平行であってもよい。このように設置すると、特に上記Z方向における、コアブラケット23とコアハウジング21との間の自由度を効果的に制限することができる。
【0108】
図20は、本願のいくつかの実施例に係る、
図19におけるカバープレートの平面構造の概略図である。
図20に示すように、カバープレート24は、長軸方向(
図20に一点鎖線Xで示す方向)及び短軸方向(
図20に一点鎖線Yで示す方向)を有してもよい。カバープレート24の長軸方向に沿うサイズは、その短軸方向に沿うサイズより大きくてもよい。このとき、第一押し当てポスト242と第二押し当てポスト243とは、長軸方向に沿って間隔を隔てて設置される。このように設置すると、カバープレート24によりコアブラケット23をコアハウジング21内に押し込んで設置する信頼性を向上させる。
【0109】
いくつかの実施例において、第二押し当てポスト243は、短軸方向に沿って、間隔を隔てて二つ設置されてもよい。第一押し当てポスト242のカバープレート本体241への投影と、二つの第二押し当てポスト243のカバープレート本体241への投影は、順に結ばれて鋭角三角形(
図20における破線三角形で示す)を形成する。このとき、該鋭角三角形は、具体的に、鋭角二等辺三角形であってもよく、正三角形であってもよい。このように設置すると、カバープレート24とコアブラケット23との間の相互作用点を可能な限り対称的に設置し、さらにカバープレート24によりコアブラケット23をコアハウジング21内に押し込んで設置する信頼性を向上させる。
【0110】
図18を参照すると、第一押し当てポスト242は、第一位置制限構造232に接触し当接し、第二押し当てポスト243は、第二位置制限構造234に接触し当接する。このとき、第二位置制限構造232と環状周壁212とは、第二位置制限構造232の加工精度を低下させ、さらにコアブラケット23の製造コストを節約するために、
図13に示すような当接係合関係を形成しなくてもよい。
【0111】
同様に、
図14に示すように、第一位置制限構造232は、第一軸方向延在部2321及び第一径方向延在部2322を含んでもよい。第一軸方向延在部2321は、ブラケット本体231に接続され、ブラケット本体231の軸方向(
図14における一点鎖線Zで示す方向)に沿って、コア22が位置する一側に延在する。第一径方向延在部2322は、第一軸方向延在部2321に接続され、ブラケット本体231の径方向(すなわち、ブラケット本体231の直径が位置する方向)に沿って、ブラケット本体231の外側に延在する。このとき、挿入孔233は第一径方向延在部2321に設置され、第一押し当てポスト242は、第一径方向延在部2321に当接し、すなわち、第一押し当てポスト242により第一径方向延在部2321が押し当てられる。さらに、
図14に示すように、第二位置制限構造234は、第二軸方向延在部2341及び第二径方向延在部2342を含んでもよい。第二軸方向延在部2341は、ブラケット本体231に接続され、ブラケット本体231の軸方向に沿って、コア22が位置する一側に延在し、第二径方向延在部2342は、第二軸方向延在部2341に接続され、ブラケット本体231の径方向に沿って、ブラケット本体231の外側に延在する。このとき、第二押し当てポスト243は、第二径方向延在部2342に当接し、すなわち、両者が接触して押し当てられる。
【0112】
なお、第二押し当てポスト243が、短軸方向に沿って、間隔を隔てて二つ設置され、第一押し当てポスト242のカバープレート本体241への投影と、二つの第二押し当てポスト243のカバープレート本体241への投影とが順に結ばれて鋭角三角形を形成する場合、第二位置制限構造234も、短軸方向に沿って、間隔を隔てて二つ設置されてもよく、それぞれは第二押し当てポスト243に対応して設置される。このように設置すると、第一押し当てポスト242が第一位置制限構造232(具体的には、第一径方向延在部2322であってもよい)に当接する場合、二つの第二押し当てポスト243はそれぞれ第二位置制限構造234(具体的には、第二径方向延在部2342であってもよい)に当接し、さらにカバープレート24によりコアブラケット23をコアハウジング21内に押し込んで設置する信頼性を向上させることができる。
【0113】
なお、
図18に示すように、第一軸方向延在部2321及び第二軸方向延在部2341がカバープレート24に近い方向に向かって延在するため、第一押し当てポスト242及び第二押し当てポスト243もコアハウジング21に近い方向に向かって延在し、それにより、第一位置制限構造232及び第二位置制限構造234のブラケット本体231に対する高さ、及び第一押し当てポスト242及び第二押し当てポスト243のカバープレート本体241に対する高さは、いずれもカバープレート本体241とブラケット本体231との間の距離の半分であってもよい。このように設置すると、骨伝導イヤホン10が落下したり衝突したりするなどの極端な状況が発生するときに、第一位置制限構造232及び第二位置制限構造234は、ブラケット本体231に対する高さが大きすぎるため、破断したり脱落したりするという不良現象の発生を回避し、或いは、骨伝導イヤホン10が落下したり衝突したりするなどの極端な状況が発生するときに、第一押し当てポスト242及び第二押し当てポスト243は、カバープレート本体241に対する高さが大きすぎるため、破断したり脱落したりするという不良現象の発生を回避し、さらに、第一位置制限構造232及び第二位置制限構造234のブラケット本体231上の構造強度と、第一押し当てポスト242及び第二押し当てポスト243のカバープレート本体241上の構造強度とを両立させる。
【0114】
図19を参照すると、第一押し当てポスト242は、管状に設置される。このとき、
図18に示すように、位置決めポスト213は、コアブラケット23とコアハウジング21との間の組み立て精度を向上させるように、挿入孔233内に挿入されるだけでなく、カバープレート24とコアハウジング21との間の組み立て精度を向上させるように、第一押し当てポスト242内にも挿入される。
【0115】
図21は、本願のいくつかの実施例に係る、
図16におけるコアモジュールの別の視角での分解構造の概略図である。
図21に示すように、コアモジュール20は、第一伝声器25及び第二伝声器26をさらに含んでもよい。カバープレート24がコアハウジング21の開口端に覆設されると、両者はコア22を収容するキャビティ構造を形成する。このとき、カバープレート24により第一伝声器25と第二伝声器26とを分離し、さらに両者(特に両者の後部音室)の間の干渉の発生を回避するように、第一伝声器25は、コアハウジング21内に収容されてもよく、第二伝声器26は、コアハウジング21外に設置されてもよい。このように設置すると、カバープレート24は、コアハウジング21の開口端に位置する構造(具体的には、カバープレート24及びイヤホン固定部311であってもよい)の剛性を増加させ、コアブラケット23をコアハウジング21内に押し込んで設置するだけでなく、第一伝声器25と第二伝声器26とを分離することができることにより、カバープレート24の「三つの用途」を実現することができる。さらに、耳掛けハウジング31がカバープレート24に覆設される場合、すなわち、イヤホン固定部311がカバープレート24のコアハウジング21から離れる側に覆設される場合、第二伝声器26は、カバープレート24とイヤホン固定部311との間に設置されてもよい。
【0116】
いくつかの実施例において、第一伝声器25及び第二伝声器26は、音声を処理した後に主制御回路基板50に伝送するように、主制御回路基板50に接続されてもよい。第一伝声器25及び第二伝声器26は、電動式、静電容量式、圧電式、カーボン式、半導体式などのタイプのうちのいずれか一種又はそれらの組み合わせであってもよく、具体的には、エレクトレットピックアップ又はシリコンピックアップであってもよく、その具体的な構造は当業者の理解範囲内であるため、本明細書では詳述されない。このとき、第一伝声器25及び第二伝声器26は、骨伝導イヤホン10がノイズ低減処理を行って、骨伝導イヤホン10に対するユーザの好感度をさらに向上させるように、着用者が位置する環境の音声をピックアップすることができ、また、骨伝導イヤホン10がスピーカ機能を実現すると共にマイクロフォン機能を実現して、骨伝導イヤホン10の適用範囲を拡大するように、着用者の音声をピックアップすることができる。当然のことながら、第一伝声器25及び第二伝声器26は、骨伝導イヤホン10がマイクロフォン機能を実現すると共にノイズ低減処理を行って、骨伝導イヤホン10に対するユーザの好感度を向上させるように、着用者の音声と着用者の位置する環境の声とを同時にピックアップすることができる。
【0117】
図21に示すように、環状周壁212の内側に環状フランジ215が設置され、第一伝声器25は、環状フランジ215内に嵌め込んで固定されてもよい。カバープレート24(具体的には、カバープレート本体241であってもよい)のコアハウジング21から離れる側に伝声器収容溝244が凹設され、第二伝声器26は、カバープレート24とイヤホン固定部311との間に第二伝声器26を設置した後の全体的な厚さを低減し、さらに三者の構造上の実現可能性及び信頼性を向上させるように、伝声器収容溝244内に設置され、イヤホン固定部311で被覆されてもよい。換言すれば、第一伝声器25は、環状周壁212に固定され、第二伝声器26は、カバープレート24に固定される。このとき、第一伝声器25及び第二伝声器26が着用者の音声及び/又は着用者の位置する環境の声をピックアップするように、環状周壁212上の第一伝声器25に対応する位置に一般的に収音孔(図示せず)が形成され、イヤホン固定部311上の第二伝声器26に対応する位置にも一般的に収音孔(図示せず)が形成される。第一伝声器25の音声入力方向は、カバープレート24に平行であってもよく、カバープレート24に対して傾斜して設置されてもよく、第二伝声器26の音声入力方向は、カバープレート24に垂直であってもよい。このように設置すると、第一伝声器25及び第二伝声器26は、異なる方向からの音声をピックアップすることにより、骨伝導イヤホン10のノイズ低減効果及び/又はマイクロフォン効果を向上させ、さらに骨伝導イヤホン10に対するユーザの好感度を向上させることができる。
【0118】
なお、第一伝声器25の音声入力方向は、環状周壁212に垂直である。上記詳細な説明によると、カバープレート24(具体的には、カバープレート本体241であってもよい)が位置する平面は、底壁211が位置する平面に平行であってもよく、環状周壁212は、底壁211に垂直であってもよく、底壁211に対して外向きにある角度(例えば30°以下の傾斜角)を成して傾斜してもよい。したがって、環状周壁212が底壁211に垂直である場合、第一伝声器25の音声入力方向はカバープレート24に平行であり、環状周壁212が底壁211に対して外向きにある角度を成して傾斜する場合、第一伝声器25の音声入力方向は、カバープレート24に対して傾斜して設置され、両者の傾斜角度はほぼ等しくてもよい。
【0119】
いくつかの実施例において、第二伝声器26のカバープレート24への投影と、第一伝声器25のカバープレート24への投影とが、互いにずれてもよい。このように設置すると、第一伝声器25及び第二伝声器26は、異なる方向からの音声をピックアップすることにより、骨伝導イヤホン10のノイズ低減効果及び/又はマイクロフォン効果を向上させ、さらに骨伝導イヤホン10に対するユーザの好感度を向上させることができる。第二伝声器26のカバープレート24への投影は、第一伝声器25のカバープレート24への投影よりも折り曲げ遷移部312の近くに設置されてもよい。このように設置すると、第一伝声器25と第二伝声器26との間の相対距離を増加させ、さらに第一伝声器25及び第二伝声器26が異なる方向からの音声をピックアップすることができる。いくつかの実施例において、該相対距離が大きいほど好ましい。
【0120】
なお、
図21に示す視角で、第一伝声器25と第二伝声器26とは、それぞれカバープレート24の対向する両側に位置し、第一伝声器25は、カバープレート24の背面に位置するため、第一伝声器25のカバープレート24への投影が実質的に見えない。したがって、対応する説明を容易にするために、ここで第一伝声器25及び第二伝声器26がカバープレート24の同じ側に位置すると単純に見なされ、第一伝声器25のカバープレート24への投影を破線枠で代替する。
【0121】
図22は、本願のいくつかの実施例に係る、
図21におけるカバープレートの平面構造の概略図である。
図22に示すように、カバープレート24は、長軸方向(
図22における一点鎖線Xで示す方向)及び短軸方向(
図22における一点鎖線Yで示す方向)を有してもよい。カバープレート24の長軸方向に沿うサイズは、その短軸方向に沿うサイズより大きくてもよい。このとき、第二伝声器26のカバープレート24への投影と第一伝声器25のカバープレート24への投影とを結ぶ線(
図22に示す破線)と、長軸方向との間の夾角は45°より小さい。例えば、該夾角は10°以下である。さらに例えば、第二伝声器26のカバープレート24への投影と第一伝声器25のカバープレート24への投影とを結ぶ線は、長軸方向と重なる。このように設置すると、第二伝声器26のカバープレート24への投影と第一伝声器25のカバープレート24への投影とを、互いにずらすだけでなく、両者の間の相対距離を増加させることができ、さらに第一伝声器25及び第二伝声器26が異なる方向からの音声をさらにピックアップすることができる。第二伝声器26のカバープレート24への投影は、第一伝声器25のカバープレート24への投影よりも折り曲げ遷移部312の近くに設置されてもよい。
【0122】
上記詳細な説明に基づいて、コア22及び第一伝声器25は、コアハウジング21内に設置されてもよく、カバープレート24は、コアハウジング21の開口端に覆設されてもよく、配線を容易にするために、対応する貫通孔及び溝をカバープレート24に形成することができる。
図21及び
図16に示すように、カバープレート24に導線通し孔245がさらに形成される。第二伝声器26のカバープレート24への投影は、第一伝声器25のカバープレート24への投影よりも折り曲げ遷移部312の近くに設置してもよいため、導線通し孔245を第一伝声器25の近くに設置してもよい。このように設置すると、第一伝声器25と主制御回路基板50を接続する導線(
図21及び
図16のいずれにも示されていない)が、コアハウジング21内から導線通し孔245を介してカバープレート24のコアハウジング21から離れる側に延在し、さらに折り曲げ遷移部312内の配線通路を介して收容キャビティ313内に延在することを可能にする。このとき、イヤホン固定部311がカバープレート24を被覆すると、導線も少なくとも部分的に(その長さが少なくとも導線通し孔245の第二伝声器26に対する直線距離であってもよい)カバープレート24とイヤホン固定部311との間に位置する。
【0123】
いくつかの実施例において、
図21及び
図16に示すように、カバープレート24のコアハウジング21から離れる側に線受け溝246がさらに凹設されてもよい。線受け溝246の一端は導線通し孔245に連通し、上記導線はさらに線受け溝246に沿って延在することができる。このように設置すると、カバープレート24とイヤホン固定部311との間に一部の導線を設置した後の全体的な厚さを低減し、さらに三者の構造上の実行可能性及び信頼性を向上させる。
【0124】
なお、コアハウジング21内から導線通し孔245及び線受け溝246を介して導線を配線した後、さらに、少なくとも線受け溝246の両端に接着剤を塗布することにより、導線とカバープレート24を相対的に固定して、カバープレート24、イヤホン固定部311及び導線の構造上のコンパクト性を向上させることができる。特に導線通し孔245に接着剤を塗布することにより、さらにコアモジュール20の気密性を高めることができる。
【0125】
いくつかの実施例において、
図21に示すように、環状周壁212の内側に二つの線受け溝216がさらに並設されてもよく、二つの線受け溝216は、環状フランジ215の近くに設置されてもよい。正負の外部導線(
図21に示されていない)とコア22の正負の端子(
図21に示されていない)との間に形成された二つの溶接部は、それぞれ二つの線受け溝216内に収容される。このように設置すると、コア22の正負の端子と上記導線の正負極とを溶接するときに、短絡などの不良現象が発生することを回避し、さらにコア22の配線信頼性を向上させる。
【0126】
いくつかの実施例において、骨伝導イヤホン10に
図4に示すようなボタン36がさらに設置される場合、カバープレート24のコアハウジング21から離れる側にボタン収容溝(
図1に示されているが、表記されていない)がさらに設置されてもよい。ボタン36は、ボタン収容溝内に設置され、イヤホン固定部311により被覆される。このように設置すると、カバープレート24とイヤホン固定部311との間にボタン36を設置した後の全体的な厚さを低減し、さらに三者の構造上の実行可能性及び信頼性を向上させる。このとき、ボタン収容溝は、上記伝声器収容溝244と類似する。
【0127】
なお、
図2に示す收容キャビティ313は、主制御回路基板50を収容することができるが、
図4に示す收容キャビティ313は、電池60を収容することができる。したがって、第一伝声器25及び第二伝声器26は、主制御回路基板50と接続し、さらに配線距離を短縮するように、具体的に
図2に示す耳掛けアセンブリ30に対応してもよい。また、コアモジュール20及び耳掛けアセンブリ30の体積が限られるため、ボタン36と第一伝声器25及び第二伝声器26とを一体に設置すると、三者は、構造的干渉が発生する可能性がある。したがって、ボタン36は、具体的に、
図4に示す耳掛けアセンブリ30に対応してもよい。換言すれば、ボタン36が骨伝導イヤホン10の左耳掛けに対応する場合、第一伝声器25及び第二伝声器26は、骨伝導イヤホン10の右耳掛けに対応してもよく、逆に、ボタン36が骨伝導イヤホン10の右耳掛けに対応する場合、第一伝声器25及び第二伝声器26は、骨伝導イヤホン10の左耳掛けに対応してもよい。いくつかの実施例において、
図8に示すようなコアモジュール20について、
図16に示すようなコアモジュール20のカバープレート24を備えていないため、上記第一伝声器25、第二伝声器26及びボタン36などの関連構造に対して、対応して調整する必要がある可能性がある。例えば、骨伝導イヤホン10は、第一伝声器25又は第二伝声器26を一つだけ含み、或いは、骨伝導イヤホン10は、依然として第一伝声器25及び第二伝声器26を含み、第一伝声器25及び第二伝声器26のうちのいずれか一方が骨伝導イヤホン10の左耳掛けに対応する場合、他方が骨伝導イヤホン10の右耳掛けに対応する。さらに例えば、ボタン36は具体的に、イヤホン固定部311のコアハウジング21に近い側に固定される。
【0128】
図23は、本願のいくつかの実施例に係るコアの原理概略図である。
図23に示すように、コア22は、磁束伝導カバー221、磁性体222、磁束伝導プレート223及びコイル224を含んでもよい。磁束伝導カバー221は、底板2211と、底板2211と一体に接続された環状側板2212とを含んでもよい。さらに、磁性体222は、環状側板2212内に設置され、底板2211に固定されてもよく、磁束伝導プレート223は、磁性体222の底板2211から離れる側に固定されてもよい。コイル224は、磁性体222と環状側板2212との間の磁気ギャップ225内に設置され、コアブラケット23に固定されてもよい。いくつかの実施例において、磁性体222と環状側板2212との間の磁気ギャップは、mであってもよく、mは、コイル224の運動の要求及びコア22のコンパクト性を両立させるように、第一ギャップ以上かつ第二ギャップ以下であってもよい。例えば、1.0mm≦m≦1.5mmである。
【0129】
なお、
図23に示すコアは、
図8に示すコアモジュールに適用されてもよく、
図16に示すコアモジュールに適用されてもよい。
図23に示すコアブラケットは、コアブラケットとコアとの間の相対的な位置関係の説明を容易にし、さらにコアブラケットとコアとの間の可能な組み立て方法を暗黙的に示すためのものである。
【0130】
いくつかの実施例において、磁性体222は、金属合金磁石、フェライトなどを含んでもよい。具体的には、金属合金磁石は、ネオジム-鉄-ホウ素、サマリウムコバルト、アルニコ、鉄-クロム-コバルト、アルミニウム-鉄-ホウ素、鉄-炭素-アルミニウムなどのうちのいずれか一種又はその組み合わせを含んでもよく、フェライトは、バリウムフェライト、鋼フェライト、マグネシウムマンガンフェライト、リチウムマンガンフェライトなどのうちのいずれか一種又はその組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、磁性体222は、比較的安定した磁界を形成するように磁化方向を有する。
【0131】
磁束伝導カバー221と磁束伝導プレート223とは、互いに係合し、磁性体222が生成した磁界を調整して、該磁界の利用率を増加させる。磁束伝導カバー221及び磁束伝導プレート223は、金属材料、金属合金、金属酸化物材料、非晶質金属材料などの軟磁性材料で加工して製造されてもよい。具体的には、上記軟磁性材料は、鉄、鉄シリコン系合金、鉄アルミニウム系合金、ニッケル鉄系合金、鉄コバルト系合金、低炭素鋼、シリコン鋼板、シリコン鋼板、フェライトなどを含んでもよい。
【0132】
このように設置すると、コイル224は、磁性体222、磁束伝導カバー221及び磁束伝導プレート223によって形成された磁界内に位置し、電気信号の励起作用でアンペール力の作用を受ける。コイル224は、アンペール力による駆動でコア22を機械的に振動させ、コア22は、コアハウジング21がコア22と共に振動できるように、コアブラケット23によりコアハウジング21内に固定されてもよい。本実施例において、コイル224の抵抗は、アンペール力の発生の要件及びコア22の回路構造を両立させるように、8Ωなどの所定の抵抗値であってもよい。
【0133】
上記詳細な説明によると、コアハウジング21の容積は常に限られ、少なくともコア22、コアブラケット23及び第一伝声器25などの構造部材を収容して設置する必要がある。コア22を増大させる(例えば、磁性体222の体積を増大させ、及び/又はコイル224の巻数を増加させる)方法によって、より大きなアンペール力を取得し、さらにコアハウジング21をよりよく駆動することができるが、このようにすると、コアモジュール20の重量及び体積を増加させて、コアモジュール20の軽量化に不利である。このため、いくつかの実施例において、アンペール力公式F=BILsinθに基づいてコア22を研究し、その設計を最適化することができる。パラメータBは、磁性体222、磁束伝導カバー221及び磁束伝導プレート223によって形成された磁界の強度を表すことができ、パラメータLは、コイル224の上記磁界における有効長さを表すことができ、パラメータθは、両者の夾角(ここで、θ=90°)を表すことができ、パラメータIは、ある時刻のコイル224の電流を表すことができる。明らかに、設計、製造及び組み立てが完了したコア22について、パラメータB及びLは常に比較的確定した数値であるが、パラメータIは、コア22に入力された電気信号の変化に伴って変化する。したがって、コア22に対する最適化設計は、力係数BLに対する最適化設計と単純に見なされてもよく、さらに、パラメータB及びLは、磁性体222、磁束伝導カバー221及び磁束伝導プレート223の形状、サイズなどの構造パラメータに依存してもよい。
【0134】
以下、磁性体222、磁束伝導カバー221及び磁束伝導プレート223の形状、サイズなどの構成パラメータの、力係数BLに対する影響について詳細に説明する。いくつかの実施例において、磁性体222は、円柱体であってもよい。
図24は、本願のいくつかの実施例に係る、
図23における磁性体と力係数BLとの関係概略図である。
図24に示すように、横軸は、磁性体222の直径φであり、縦軸は、磁性体222の厚さt1である。
図24から以下の内容が明らかになる。磁性体222の直径φが大きいほど、力係数BLの数値は大きくなる。磁性体222の厚さt1が大きいほど、力係数BLの数値も大きくなる。いくつかの実施例において、骨伝導イヤホン10が十分な音量を生成することを可能にし、すなわち、コイル224を駆動するのに十分なアンペール力を生成して、コアハウジング21が振動するように駆動することを可能にするために、一般的には、力係数BLの数値が力係数の閾値より大きい必要がある。単に例として、上記力係数の閾値は、1.3であってもよい。いくつかの実施例において、コアモジュール20(具体的には、コア22であってもよい)の重量及び体積を総合的に考慮すると、磁性体222の直径φは、第一直径以上かつ第二直径以下であってもよい。例えば、10.5mm≦φ≦11.5mm。別の例として、磁性体222の直径φは、10.8mmであってもよい。いくつかの実施例において、磁性体222の厚さt1は、第一厚さ以上かつ第二厚さ以下であってもよい。例えば、3.0mm≦t1≦4.0mm。別の例として、厚さt1は、3.5mmであってもよい。
【0135】
いくつかの実施例において、磁束伝導プレート223の直径は、磁性体222の直径と等しくてもよく、磁束伝導プレート223の厚さは、磁束伝導カバー221の厚さと等しくてもよく、磁束伝導プレート223及び磁束伝導カバー221は、同じ材質で製造されてもよい。
図25は、本願のいくつかの実施例に係る、
図23における磁束伝導カバー及び磁束伝導プレートの厚さと力係数BLとの間の関係概略図である。
図25に示すように、横軸は、磁束伝導カバー221の厚さt2であり、縦軸は、力係数BLである。
図25から以下の内容が明らかになる。一定の範囲内で、力係数BLの数値は、厚さt2の増加に伴って増加するが、t2>0.8mmの場合、力係数BLの数値の変化は明らかではなく、すなわち、t2>0.8mmである場合、厚さt2を増加し続けても、効果が低すぎるだけでなく、コア22の重量も増加させる。したがって、力係数BLの数値(少なくとも1.3より大きい)とコアモジュール20(具体的には、コア22であってもよい)の重量及び体積を総合的に考慮すると、磁束伝導プレート223及び/又は磁束伝導カバー221の厚さt2は、第三厚さ以上かつ第四厚さ以下であってもよい。例えば、0.4mm≦t2≦0.8mm。さらに例えば、厚さt2は、0.5mmであってもよい。
【0136】
いくつかの実施例において、環状側板2212は、円柱状であってもよく、その直径Dは、磁性体222の直径φと磁気ギャップmの二倍との和、すなわち、D=φ+2mであってもよい。
図26は、本願のいくつかの実施例に係る、
図23における磁束伝導カバーの高さと力係数BLとの間の関係概略図である。
図26に示すように、横軸は、磁束伝導カバー221(具体的には、環状側板2212であってもよい)の高さhであり、縦軸は、力係数BLである。
図26から以下の内容が明らかになる。一定の範囲内で、力係数BLの数値は、磁束伝導カバー221の高さhの増加に伴って増加するが、h>4.2mmの場合、力係数BLの数値は逆に小さくなる。したがって、力係数BLの数値(少なくとも1.3より大きい)とコアモジュール20(具体的には、コア22であってもよい)の重量及び体積を総合的に考慮すると、磁束伝導カバー221の高さhは、第一高さ以上かつ第二高さ以下であってもよい。例えば、3.4mm≦h≦4.0mm。さらに例えば、磁束伝導カバー221の高さhは、3.7mmであってもよい。
【0137】
図1を参照すると、骨伝導イヤホン10は、二つのコアモジュール20を含んでもよい。二つのコアモジュール20のうちのいずれか一方は、
図8に示すコアモジュールに対応してもよく、他方は、
図16に示すコアモジュールに対応してもよい。なお、各コアモジュール20の具体的な構造は、上記いずれか一つの実施例と同じであるか又は類似してもよく、上記いずれか一つの実施例の詳細な説明を参照することができ、ここで説明を省略する。いくつかの実施例において、コアモジュール20の数は二つに限定されなくてもよい。例えば、骨伝導イヤホン10には、三つ以上のコアモジュール20が設置されてもよい。また例えば、難聴患者の補聴、生放送時の司会者への補助などのようなステレオへの要件が特に高くない一部の応用シーンでは、骨伝導イヤホン10には、コアモジュール20が一つだけ設置されてもよい。さらに例えば、上記イヤホンはさらに、一つのコアモジュール20が設置された空気伝導イヤホン(例えば、片耳式の空気伝導イヤホン)を含んでもよく、上記空気伝導イヤホンは、固定アセンブリ(例えば、耳掛けアセンブリ)によりユーザの耳介に掛けられ、一つ又は複数の音導孔により音声信号をユーザに伝達することができる。
【0138】
いくつかの実施例において、磁性体222はさらに、上記コアモジュール20を磁性物体に吸着させるように配置されてもよい。例えば、磁性体222は、コアモジュール20が底壁211に近い側に磁性を有することにより、底壁211の一側により磁性物体に吸着されるように、コアハウジング21の底壁211の近くに設置されてもよい。上記磁性物体は、磁性体222に吸着された金属製品(例えば、ブラケット)、移動装置(例えば、携帯電話)、充電装置(例えば、磁気吸着充電装置)、別のコアモジュール(例えば、
図27に示すような互いに吸着された二つのコアモジュール20)など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0139】
磁性物体を充電装置とすることを例として、コアハウジング21の底壁211に磁気吸着コネクタが設置されてもよい。イヤホンを充電するとき、上記磁気吸着コネクタと充電器の対応する電源インタフェースとはシステムを構成し、両者は構造的に互いに一致するため、一体に吸着することができ、さらに電気的接続を確立してイヤホンを充電する。例えば、磁性体222は、上記磁気吸着コネクタが充電装置の電源インタフェースに吸着できるように、上記磁気吸着コネクタの一部として底壁211の内側(すなわち、底壁211のユーザの頭部から離れる側)に設置されてもよい。底壁211の外側(すなわち、底壁211のユーザの頭部に対向する側)に充電端が設置されてもよく、上記充電端は、上記電源インタフェースと協働してイヤホンを充電するように、一側が充電装置の電源インタフェースと電気的に接続されてもよく、他側が(例えば、導線を介して)イヤホンの電池60と接続されてもよい。いくつかの実施例において、上記充電端を省略してもよく、上記イヤホンは、ワイヤレス充電を行うように磁性体222により充電装置に直接吸着されてもよい。例示的なワイヤレス充電方法は、電磁誘導式ワイヤレス充電、磁界共鳴ワイヤレス充電、無線電波式ワイヤレス充電、太陽エネルギー充電など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例において、上記充電装置は、固定充電装置、移動充電装置などを含んでもよい。
【0140】
いくつかの実施例において、骨伝導イヤホン10は、二つのコアモジュール20を含んでもよい。磁性体222は、二つのコアモジュール20に互いに吸着させるように構成されてもよい。
図27は、本願のいくつかの実施例に係る、
図1における骨伝導イヤホンが非着用状態にあるときの状態概略図である。
図27に示すように、骨伝導イヤホン10が非着用状態にあるとき、二つのコアモジュール20が互いに吸着できるように、二つのコアモジュール20の磁性体222の、それぞれの位置するコアハウジング21の底壁211に近い側の極性が互いに異なる。このように設置すると、ユーザが骨伝導イヤホン10を収納することが容易になる。なお、磁性体222は、コイル224が電気信号の励起作用で振動できるように、磁界の形成にも用いられる。コイル224の振動は骨伝導及び/又は空気伝導の方式により人の耳の聴覚神経に伝達されることができ、それにより人は音声を聞くことができる。このとき、磁性体222の「二つの用途」を実現することができる。
【0141】
いくつかの実施例において、コアモジュール20を組み立てる前に、磁性体222を予め着磁しなくてもよく、コアモジュール20を組み立てた後に、コアモジュール20を一体として着磁装置に入れて着磁処理を行うことにより、磁性体222は磁性を有する。上記着磁処理後、二つのコアモジュール20の磁性体222の磁界方向は
図27に示すとおりである。このように設置すると、組み立てる前に磁性体222は磁性を帯びていないため、コアモジュール20の組み立てが磁力の干渉を受けず、それにより、コアモジュール20の組み立て効率及び歩留まりを向上させ、さらに骨伝導イヤホン10の生産能力及び利益を向上させる。
【0142】
図28は、本願のいくつかの実施例に係る、
図1における後掛けアセンブリ40のIII-III方向に沿う断面構造の概略図である。
図28に示すように、後掛けアセンブリ40は、弾性ワイヤ41と、導線42と、弾性ワイヤ41及び導線42を被覆する弾性被覆体43とを含んでもよい。弾性被覆体43及び導線42は、押出成形された一体構造部材である。被覆体43にワイヤ通し通路(
図28に示されていない)がさらに形成され、弾性ワイヤ41がワイヤ通し通路内に挿入される。例えば、ワイヤ通し通路は、該押出成形プロセス中に形成される。いくつかの実施例において、後掛けアセンブリ40の着用時の快適性及び構造の剛性を両立させるために、弾性ワイヤ41の材質は、ばね鋼、チタン合金、チタンニッケル合金、クロムモリブデン鋼などを含んでもよく、弾性被覆体43の材質は、ポリカーボネート、ポリアミド、シリコーンゴム、ゴムなどを含んでもよい。
【0143】
なお、弾性ワイヤ41がワイヤ通し通路を介して被覆体43内に挿入されるため、
図28における弾性ワイヤ41の位置する領域は、被覆体43内のワイヤ通し通路と単純に見なされてもよい。
【0144】
いくつかの実施例において、ワイヤ通し通路の自然状態での直径は、弾性金属ワイヤ41の直径より小さくてもよく、それにより、ワイヤ通し通路に挿入された後、弾性金属ワイヤ41は、弾性被覆体43との固定を保持することができ、特にユーザが後掛けアセンブリ40を押圧する場合、弾性被覆体43と弾性金属ワイヤ41との間のギャップが大きすぎるために後掛けアセンブリ40に「くぼみ」の不良現象が発生することを回避し、さらに後掛けアセンブリ40の構造上のコンパクト性を向上させることができる。
【0145】
いくつかの実施例において、導線42の数は、少なくとも二本であってもよい。各導線42は、金属線と、金属線を被覆する絶縁層(
図28に示されていない)とを含んでもよく、絶縁層は、金属線の間に電気絶縁を実現する。
【0146】
いくつかの実施例において、
図1、
図2、
図4、
図8及び
図16に示すように、主制御回路基板50と電池60は、それぞれ二つの耳掛けアセンブリ30内に設置してもよく、
図2及び
図4に示す耳掛けアセンブリ30は、それぞれ骨伝導イヤホン10の左耳掛けと右耳掛けに対応してもよいため、主制御回路基板50と電池60とを、後掛けアセンブリ40に内蔵された導線42を介して接続する必要があるだけでなく、
図1における(左側)耳掛けアセンブリ30に対応するコアモジュール20(具体的には、そのコア22であってもよい)及びボタン36と、
図1における(右側)耳掛けアセンブリ30に対応する主制御回路基板50とを、さらに後掛けアセンブリ40に内蔵された導線42を介して接続する必要があり、また、
図1における(右側)耳掛けアセンブリ30に対応するコアモジュール20(具体的には、そのコア22、第一伝声器25及び第二伝声器26であってもよい)と、
図1における(左側)耳掛けアセンブリ30に対応する電池60とを、さらに後掛けアセンブリ40に内蔵された導線42を介して接続する必要がある。したがって、導線42により、少なくとも上記三つの回路の接続を実現する必要がある。
【0147】
図29は、本願のいくつかの実施例に係る後掛けアセンブリの加工方法の例示的なフローチャートである。上記詳細な説明によると、本願の実施例の後掛けアセンブリ40は、以下のプロセスフロー2900に従って加工して製造することができる。
【0148】
ステップS2910、押出成形装置及び導線を提供する。一方では、弾性被覆体43を成形する原料を押出成形装置に添加してもよい。押出成形の過程において、弾性被覆体43の原料は、少なくとも溶融可塑化、ヘッド口金からの押出、成形、冷却、牽引などの段階を経る。他方では、骨伝導イヤホン10の各電子素子間の接続を実現するように、導線42の数は少なくとも二本であってもよい。いくつかの実施例において、各導線42は、金属線と、金属線を被覆する絶縁層とを含んでもよく、絶縁層は、金属線間の電気絶縁を実現する。
【0149】
ステップS2920、導線を押出成形装置に入れて、弾性被覆体の原料と導線を押出成形する過程によって、対応する第一半製品を得ることができる。押出成形装置は、導線42を牽引することにより、押出成形の過程において、弾性被覆体43で導線42を被覆することができる。いくつかの実施例において、押出成形装置のヘッド部に中子を設置してもよく、それにより押出成形の過程において、さらに弾性被覆体43の内部に上記ワイヤ通し通路を同時に形成することができる。したがって、上記第一半製品は、具体的に、弾性被覆体43と導線42との一体構造部材であってもよく、被覆体43の内部に、その軸線方向に略沿って延在するワイヤ通し通路がある。
【0150】
ステップS2930、後掛けアセンブリの使用上の要求に応じて、上記第一半製品を、対応する長さを有する第二半製品にさらに切断する。第二半製品の実際の長さは、後掛けアセンブリ用の使用長さより僅かに大きくてもよく、すなわち、後続の加工プロセスを実行しやすくするために、このとき、第二半製品はさらに一定の余裕を持つ。
【0151】
ステップS2940、弾性ワイヤを第二半製品のワイヤ通し通路内に挿入して、後掛けアセンブリを製造する。ステップS2940の後に、ユーザの頭部後側に適合するように、後掛けアセンブリを一定の形状を有する湾曲構造に成形する必要があるだけでなく、耳掛けアセンブリとの構造上の固定接続、及び上記主制御回路基板、電池、ボタン、コア、第一及び第二伝声器の間の回路接続を実現するように、後掛けアセンブリの両端に対して対応する処理を行う必要もある。したがって、ステップS2940で製造された後掛けアセンブリも実質的には半製品にすぎない。
【0152】
上記方法では、押出成形プロセスにより、非常に長い半製品(具体的には、弾性被覆体43と導線42との一体構造部材であってもよい)を一回で製造するだけでなく、同時に、被覆体43の内部に、その軸線方向に略沿って延在するワイヤ通し通路を形成することができ、この後、後続の加工プロセスを行うために該半製品を対応する長さの小さな部品に切断することにより、後掛けアセンブリの製造効率を効果的に向上させることができる。
【0153】
本願の実施例がもたらす可能性のある有益な効果は次を含むが、これらに限定されない。(1)装飾部材は、耳掛けハウジングを装飾すると同時に、導線を遮蔽し、ボタンを遮蔽し、ボタンをトリガする機能を有し、装飾部材の「四つの用途」を実現する。(2)磁性体を設計することにより、イヤホンが非着用状態にあるとき、コアモジュールが互いに吸着することができ、ユーザの収納が容易になる。(3)磁性体及び関連するアセンブリの形状、サイズなどのパラメータを合理的に設定し、コアモジュールの振動発音と軽量化の要件とを両立させる。なお、異なる実施例の達成可能な有益な効果が異なり、異なる実施例において、達成可能な有益な効果は、以上の任意の一種又は複数種の組み合わせであってもよく、他の任意の達成可能な有益な効果であってもよい。
【0154】
上記で基本概念を説明してきたが、当業者にとっては、上記発明の開示は、単なる例として提示されているにすぎず、本願を限定するものではないことは明らかである。本明細書において明確に記載されていないが、当業者は、本願に対して様々な変更、改良及び修正を行うことができる。これらの変更、改良及び修正は、本願によって示唆されることが意図されているため、本願の例示的な実施例の精神及び範囲内にある。
【0155】
さらに、本願の実施例を説明するために、本願において特定の用語が使用されている。例えば、「一つの実施例」、「一実施例」、及び/又は「いくつかの実施例」は、本願の少なくとも一つの実施例に関連した特定の特徴、構造又は特性を意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「一実施例」又は「一つの実施例」又は「一つの代替的な実施例」の二つ以上の言及は、必ずしもすべてが同一の実施例を指すとは限らないことを強調し、理解されたい。また、本願の一つ以上の実施例における特定の特徴、構造、又は特性は、適切に組み合わせられてもよい。
【0156】
さらに、当業者には理解されように、本願の各態様は、任意の新規かつ有用なプロセス、機械、製品又は物質の組み合わせ、又はそれらへの任意の新規かつ有用な改善を含む、いくつかの特許可能なクラス又はコンテキストで、例示及び説明され得る。よって、本願の各態様は、完全にハードウェアによって実行されてもよく、完全にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)によって実行されてもよく、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせによって実行されてもよい。以上のハードウェア又はソフトウェアは、いずれも「データブロック」、「モジュール」、「エンジン」、「ユニット」、「アセンブリ」又は「システム」と呼ばれてもよい。さらに、本願の各態様は、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードを含む一つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を取ることができる。
【0157】
さらに、特許請求の範囲に明確に記載されていない限り、本願の処理要素又はシーケンスの列挙した順序、英数字の使用、又は他の名称の使用は、本願の手順及び方法の順序を限定するものではない。上記開示において、発明の様々な有用な実施例であると現在考えられるものを様々な例を通して説明しているが、そのような詳細は、単にその目的のためであり、添付の特許請求の範囲は、開示される実施例に限定されないが、反対に、本願の実施例の趣旨及び範囲内にある全ての修正及び等価な組み合わせをカバーするように意図されることが理解されよう。例えば、上述したシステムアセンブリは、ハードウェアデバイスにより実装されてもよいが、ソフトウェアのみのソリューション、例えば、既存のサーバ又は移動装置に説明されたシステムをインストールすることにより実装されてもよい。
【0158】
同様に、本願の実施例の前述の説明では、本開示を簡略化して、一つ以上の発明の実施例への理解を助ける目的で、様々な特徴が一つの実施例、図面又はその説明にまとめられることがあることが理解されるであろう。しかしながら、このような開示方法は、特許請求される主題が各請求項で列挙されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、実施例は、前述の単一の開示された実施例のすべての特徴より少ない場合がある。
【0159】
いくつかの実施例において成分及び属性の数を説明する数字が使用されており、このような実施例を説明するための数字は、いくつかの例において修飾語「約」、「ほぼ」又は「実質的」などによって修飾されるものとして理解されるべきである。特に明記しない限り、「約」、「ほぼ」又は「実質的」は、数字が説明する値の±20%の変動が許容されることを示す。よって、いくつかの実施例において、明細書及び特許請求の範囲において使用されている数値データは、いずれも特定の実施例に必要な特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施例において、数値データについては、規定された有効桁数を考慮すると共に、通常の丸め手法を適用するべきである。本願のいくつかの実施例におけるその範囲を決定するための数値範囲及びデータは近似値であるにもかかわらず、特定の実施例において、このような数値は可能な限り正確に設定される。
【符号の説明】
【0160】
10 イヤホン
20 コアモジュール
21 コアハウジング
211 底壁
212 環状周壁
22 コア
221 磁束伝導カバー
2211 底板
2212 環状側板
222 磁性体
223 磁束伝導プレート
224 コイル
225 磁気ギャップ
23 コアブラケット
24 カバープレート
25 第一伝声器
26 第二伝声器
30 耳掛けアセンブリ
31 耳掛けハウジング
311 イヤホン固定部
3111 固定本体
3112 環状フランジ
312 折り曲げ遷移部
315 第一溝
313 收容キャビティ
317 ボタン嵌合孔
318 補強構造
32 装飾部材
321 装飾ブラケット
33 制御ボタン
34 TYPE-C(USB)インタフェース
40 後掛けアセンブリ
41 弾性ワイヤ
42 導線
43 弾性被覆体
50 主制御回路基板
60 電池