(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】固形物供給装置および固形物供給装置を備えた食品の製造装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/14 20060101AFI20240311BHJP
A21C 9/06 20060101ALI20240311BHJP
A23P 30/25 20160101ALI20240311BHJP
A23P 20/20 20160101ALI20240311BHJP
B65G 47/08 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
B65G47/14 102B
A21C9/06 A
A23P30/25
A23P20/20
B65G47/08 D
(21)【出願番号】P 2022550633
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(86)【国際出願番号】 JP2021034335
(87)【国際公開番号】W WO2022059781
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-04-11
(31)【優先権主張番号】P 2020157851
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000115924
【氏名又は名称】レオン自動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123607
【氏名又は名称】渡邊 徹
(72)【発明者】
【氏名】細谷 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】大久保 裕文
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-034854(JP,A)
【文献】実開昭54-034965(JP,U)
【文献】実開昭50-146992(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/08
B65G 47/14
A21C 9/06
A23P 30/25
A23P 20/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形物供給装置であって、
固形物を収容する複数の収容孔を含む回転盤を備え、前記複数の収容孔は、前記回転盤の周縁部の円周上に等間隔に配置され、
さらに、前記回転盤の下方に配置され、前記収容孔に収容される固形物を支持する支持部材と、
前記回転盤の周縁部の上方に配置されたガイド部材と、
前記回転盤を回転させる駆動装置と、を備え、
前記支持部材は、供給位置のところに、固形物が通過可能な開口を含み、
前記回転盤は、前記収容孔に収容された固形物を前記供給位置に移動させて、固形物を下方に供給するように構成され、
前記支持部材は、前記ガイド部材に対して上流側から下流側に連続する段差部と、前記段差部に対して上流側に位置する部分を含み、前記段差部における前記支持部材と前記回転盤の下面の第2の間隔は
、前記部分における前記支持部材と前記回転盤の下面の第1の間隔よりも大きいことを特徴とする固形物供給装置。
【請求項2】
前記第1の間隔は、固形物が前記回転盤の上面から突出するように定められる、請求項1に記載の固形物供給装置。
【請求項3】
前記段差部は、前記ガイド部材から上流側に向かって1番目の前記収容孔に対応する位置から延びる、請求項1に記載の固形物供給装置。
【請求項4】
前記回転盤は、前記供給位置が上方になるように傾斜して配置される、請求項1に記載の固形物供給装置。
【請求項5】
さらに、前記回転盤の中央から外周に向かって下方に傾斜する傾斜周面を含む中央突起部が前記回転盤の上面に配置され又は前記回転盤と一体に形成される、請求項1に記載の固形物供給装置。
【請求項6】
前記中央突起部は、前記複数の収容孔が配置された円環状の領域よりも内側に配置される、請求項5に記載の固形物供給装置。
【請求項7】
さらに、前記回転盤の上面
よりも上方の位置から上方に延びる外壁を前記回転盤の外周部の上方に備え、
前記ガイド部材は、前記外壁の内側と前記中央突起部の間に配置され、前記外壁の内部を、前記固形物を貯留する貯留部と前記供給位置を含む供給部とに区画する、請求項6に記載の固形物供給装置。
【請求項8】
さらに、前記回転盤の上面から上方に延びる外壁を前記回転盤の外周部に備え、
前記ガイド部材は、前記外壁の内側と前記中央突起部の間に配置され、前記外壁の内部を、前記固形物を貯留する貯留部と前記供給位置を含む供給部とに区画する、請求項6に記載の固形物供給装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の固形物供給装置を備えた食品の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形物供給装置、および、固形物供給装置を備えた固形物入り食品の製造装置に関する。さらに詳しくは、固形物を損傷させることなしに供給することができる固形物供給装置、および、かかる固形物供給装置を備えた固形物入り食品の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固形物を内包する包被食品は、例えば、蜜漬け一粒栗入り饅頭やヨーク(アヒルの卵を塩水に漬けたもの)入り月餅である。ヨーク入り月餅は、ハスの実餡や小豆餡等の餡を外皮で包み、さらに、1つのあるいは2つのヨークを餡の内部に内包した菓子である。このような固形物入り包被食品を製造する装置は、例えば、固形物供給装置を備えた包被食品の製造装置である。この製造装置は、例えば、包あん機と称される装置である。
【0003】
特許文献1に記載された包あん機は、外筒、内筒および中心筒を同心円状に構成した重合ノズルを備えており、重合ノズルの上部に、固形物供給装置を備えており、また、重合ノズルの下方に、包被切断装置を備えており、さらに、包被切断装置の下方に、ベルトコンベヤを搬送装置として備えている。
【0004】
この固形物供給装置は、回転盤と、回転盤を回転させる駆動機構を備え、回転盤は、その周縁部の円周上に、固形物を収容する複数の収容孔を等間隔に有し、且つ、収容孔に収容された固形物を供給位置で回転盤の下方へ供給するように構成される。固形物供給装置は、さらに、回転盤の中央において上方に突出する中央突起部と、回転盤の外側において回転盤の周縁部から上方に延びる外壁と、外壁の内側を、固形物を貯留する貯留部と上記供給位置を含む供給部とに区画するガイド部材を備える。
【0005】
1個の固形物を固形物供給装置から重合ノズルの中心筒に間欠的に供給する。そして、固形物と、固形物を被う内材と、内材を被う外皮材とからなる三層構造の棒状食品を重合ノズルから吐出させる。さらに、棒状食品を包被切断装置によって切断して、1個の固形物を内包する包被食品にする。
【0006】
特許文献2に記載された粒体整送装置は、水平に対して傾斜するように配置され且つ複数の収容孔を円周上に等間隔に有する回転盤と、回転盤の外周に沿って設けられた外壁と、回転盤を回転させる駆動装置を備える。
【0007】
この粒体整送装置において、板バネが、回転盤の上面にほぼ接触するように外壁に取り付けられる。板バネは、傾斜する回転盤の最下位置よりも上方に配置され、収容孔からはみ出した穀類などの粒体を下方へはじき飛ばす。
【0008】
特許文献1に記載された固形物供給装置では、ガイド部材は、貯留部に投入され且つ回転盤の上にある(収容孔に収容されていない)複数の固形物を供給部に移送することを防止している。しかし、固形物が収容孔からはみ出した状態で回転盤を回転させると、固形物がガイド部材と収容孔の上縁の間に挟まれ、固形物が破断される場合があった。特に、蜜漬け一粒栗やヨークなど、比較的に粘性があり、また、比較的に軟質である固形物において、そのような場合が生じやすかった。
【0009】
特許文献2に記載された粒体整送装置では、回転盤を傾斜するように配置することによって、収容孔に収容されない粒体を、回転盤の回転とともに上方へ移送することを防止している。さらに、バネ板は、収容孔に2つ目の粒体が入り込むことを防止している。しかし、比較的に粘性が高い固形物は、回転盤の回転とともに上方へ移送され、収容孔からはみ出した固形物が、バネ板と収容孔の間に挟まれて破断する(損傷させる)場合があった。
【0010】
破断された固形物は、小片部分と、小片部分が削り取られた不良固形物とに分離される。小片部分は、それと同じ収容孔に収容されている良品の固形物とともに供給位置に移送された後、食品の製造装置によって包被食品の内部に包まれる。また、不良固形物は、やがて収容孔に収容され、最終的には、包被食品の内部に包まれる。これらの包被食品は、規定外の固形物を内包した不良品になる。したがって、固形物を、損傷させることなしに供給することができる固形物供給装置が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2019-034854号公報
【文献】実開昭57-184813号公報
【文献】特開2010-148493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、固形物を損傷させることなしに安定して供給することのできる固形物供給装置およびかかる固形物供給装置を備えた食品の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、固形物を収容する複数の収容孔を周縁部の円周上に等間隔に備えた回転盤と、前記回転盤を回転する駆動装置と、前記収容孔に収容された前記固形物を前記回転盤の下方へ供給する供給位置を備えた固形物供給装置であって、前記回転盤の前記周縁部の上方に配置されるガイド部材と、前記回転盤の下方に配置され、前記収容孔に収容される前記固形物を支持するとともに前記供給位置にて前記固形物を下方に移動可能な開口が形成される支持部材を備え、前記支持部材は、前記固形物を支持する支持領域において、前記ガイド部材に対し回転上流側から回転下流側に渡り、前記回転盤の下面との間隔が他の支持領域よりも大きく形成される段差部を備える。
【0014】
例えば、前記段差部は、前記ガイド部材に対し回転上流側から回転下流側において前記収容孔が少なくとも前記ガイド部材の下方を通過する位置までの連続する支持領域に渡り前記支持部材に形成される。
【0015】
例えば、前記段差部は、前記ガイド部材に対し回転上流側に1つ目の前記収容孔に対応する降下開始位置から回転下流側において前記開口に連続する支持領域に渡り前記支持部材に形成される。
【0016】
例えば、前記回転盤は、前記段差部の始端である前記固形物の降下開始位置に対し前記供給位置が上方となるよう傾斜して配置される。
【0017】
例えば、前記回転盤は、前記回転盤の上面に前記回転盤の中央から外周に向かって下方に傾斜する傾斜周面が形成される中央突起部を備える。
【0018】
例えば、前記中央突起部は、前記収容孔が配置される円環状の領域より内側に備えられる。
【0019】
例えば、前記回転盤の外側に前記周縁部より上方に延在する外壁を備え、前記ガイド部材は、前記外壁の内側と前記中央突起部の間に配置され、前記固形物を貯留する貯留部と前記供給位置を含む供給部に区画する。
【0020】
例えば、前記回転盤の外周部に前記周縁部より上方に延在する外壁を備え、前記ガイド部材は、前記外壁の内側と前記中央突起部の間に配置され、前記固形物を貯留する貯留部と前記供給位置を含む供給部に区画する。
【0021】
本発明は前記固形物供給装置を備えた食品の製造装置をも含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、固形物供給装置において固形物を支持する支持部材が、ガイド部材の下方の支持領域に段差部を備え、段差部が、段差部と回転盤の下面との間隔が他の支持領域よりも大きいように形成されることにより、収容孔に収容すべき固形物以外の他の固形物が収容孔に入り込むことを防止できる。したがって、固形物が貯留部から供給部に移動する際、他の固形物がガイド部材と収容孔の間に挟まれて破損(損傷)することがなく又は防止され、固形物を収容孔に確実に収容することができるため、所定の固形物を固形物供給装置の供給位置から確実に供給することができる。
【0023】
また、多量の固形物を貯留部に一度に投入することができるため作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1の実施形態である固形物供給装置3を備えた包被食品の製造装置1を概略的に示した正面図である。
【
図2A】本発明の第1の実施形態である固形物供給装置3を備えた包被食品の製造装置1を概略的に示した側面図であり、その一部を断面図で示している。
【
図3】本発明の第1の実施形態である固形物供給装置3の回転盤65をその垂直方向から見て概略的に示した図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態である固形物供給装置3の支持部材を概略的に示した図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態である固形物供給装置3における固形物Sの移動を概略的に示す、
図3の線V-Vにおける断面図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態である固形物供給装置103を備えた包被食品の製造装置101を概略的に示した正面図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態である固形物供給装置103を概略的に示した上面図(平面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の第1の実施形態である固形物供給装置3を備えた包被食品の製造装置1を、
図1乃至
図5を参照して説明する。
図1に示すように、包被食品の製造装置1は、いわゆる包あん機であり、さらに、架台2と、架台2の上部に配置された内包材供給装置5および外皮材供給装置9と、架台2の正面側(
図1における手前側)に配置された重合ノズル13、包被切断装置15および搬送装置17と、各部の駆動を制御する制御装置19を備えている。
【0026】
内包材供給装置5は、食品材料である内包材Fを重合ノズル13に供給するように構成され、ホッパ6と、ホッパ6の底部に回転自在に配置されたスクリュー(図示省略)と、スクリューの先端側に配置されたポンプ7を含んでいる。また、外皮材供給装置9は、食品材料である外皮材Dを重合ノズル13に供給するように構成され、ホッパ10と、ホッパ10の底部に回転自在に配置されたスクリュー(図示省略)と、スクリューの先端側に配置されたポンプ11含んでいる。
【0027】
重合ノズル13は、内包材供給装置5と外皮材供給装置9との間に配置されている。重合ノズル13は、中心筒23を含み、固形物供給装置3から中心筒23に供給された固形物Sの外側を内包材Fによって被い、さらに、外皮材Dを内包材Fの外側に重合させることにより、三重構造の棒状生地DLを吐出するように構成される。重合ノズル13は、既知の構成であればよく、その詳細な説明を省略する。
【0028】
包被切断装置15は、複数のシャッタ片16を含むシャッタ装置であり、重合ノズル13の下方で昇降可能である。包被切断装置15は、棒状生地DLを切断し且つ包被して、固形物Sを内包した包被食品Pを形成するように構成される。
【0029】
搬送装置17は、ベルトコンベヤであり、包被切断装置15の下方に配置されている。搬送装置17は、無端状の平ベルトを含んでいる。平ベルトは、包被食品Pを搬送するコンベヤベルト17Aであり、駆動プーリ17Bなどに捲回され、間欠的に運行されるように構成される。
【0030】
本発明の第1の実施形態である固形物供給装置3は、重合ノズル13の上部に着脱自在に取り付けられ(載置され)ている。詳細には、
図2Aに示すように、固形物供給装置3は、ベース部59を備えている。ベース部59は、基端部59A(
図2Aにおける右側)と、ベースプレート60を含んでいる。固形物供給装置3は、ベース部59の基端部59A(
図2Aにおける右側)を止めねじ58で固定することによって、製造装置1の架台2に着脱可能に固定されている。ベース部59のベースプレート60は、製造装置1の架台2から手前側(
図1において紙面手前側、
図2Aにおいて右側から左側)に向かって下方に傾斜するように配置される。その傾斜角度は、例えば、水平に対して15度である。ベースプレート60は、重合ノズル13の中心筒23と同心の開口60Aを有している。
【0031】
固形物供給装置3は、さらに、ホッパ61を備えている。
図2Aおよび
図2Bに示すように、ホッパ61は、上側の上ホッパ62と下側の下ホッパ63によって構成される。ホッパ61(具体的には、下ホッパ63)は、ベースプレート60の上面に適当な部材を介してねじによって着脱可能に固定されている。ホッパ61の底面63BB(具体的には、下ホッパ63の底壁の上面)は、重合ノズル13の上方位置に、ベースプレート60の開口60Aと同心の開口61Aを有している。上ホッパ62は、下ホッパ63に着脱可能に固定される。
【0032】
固形物供給装置3は、さらに、中心軸線Cの周りに回転駆動される回転盤65を備えている。
図2Bに示すように、回転盤65は、ホッパ61の内側に配置される。回転盤65は、ベースプレート60と平行であり、即ち、水平に対して架台2から手前側に向かって下方に傾斜するように配置される。
図3に示すように、回転盤65は、複数の(本実施形態では24個の)収容孔66を円周CF上に等間隔に有している。本実施形態では、回転盤65は、収容孔66に対応する位置に装着孔(図示省略)を有し、管状の装着部材64を装着孔(図示省略)に着脱可能且つ交換可能に取り付けることによって、収容孔66を構成している。収容孔66は,回転盤65の上面65Dから下方に向かって曲面状に形成されたラッパ口形状の導入部66Aと、導入部66Aの下端に連続し回転盤65の下面65Eに向かって円筒状に形成された円筒部66Bを含んでいる(
図2B参照)。以下、回転盤65の上面に位置する導入部66Aの円周を、「収容孔66の最大外周縁66C」と称する。また24個の収容孔66の最大外周縁66Cに外接する円周を、「収容孔66の外接円CC」と称し、24個の収容孔66の最大外周縁66Cに内接する円周を、「収容孔66の内接円IC」と称する。また、収容孔66の外接円CCと収容孔66の内接円ICに囲まれた領域を、「収容孔が配置されている円環状の領域」と称する。また、収容孔66が重合ノズル13の中心筒23の上方に位置しているときの収容孔66の位置を、「(固形物Sの)供給位置E」と称する。
【0033】
図2Aおよび
図3に示すように、固形物供給装置3は、さらに、回転盤65の上面65Dの中央部において回転盤65に着脱可能に且つ交換可能に取り付けられた円錐形状の中央突起部67を備えている。中央突起部67は、収容孔66の内接円ICの内側に配置され、下方から上方に行くにしたがい回転盤65の中心軸線Cに向かって傾斜する側面67Aと、回転盤65の上面65Dに当接する底面67Bを含んでいる。以下、底面67Bの外周を、「中央突起部67の最大外周縁67C」と称する。また、回転盤65において、中央突起部67よりも外側の部分を、「回転盤65の周縁部65A」と称する。なお、回転盤65と中央突起部67を別個の部材として説明したけれども、両者を一体的に形成してもよい。
【0034】
固形物供給装置3は、さらに、ベースプレート60の下面に配置された駆動装置68を備え、駆動装置68は、回転盤65を矢印Tの回転方向に間欠的に(本実施形態では15度ずつ)回転駆動するように構成される。駆動装置68は、既知の機構で構成されるのがよく、例えば、サーボモータなどの電動モータやラチェット機構を含む。また、回転盤65は、駆動装置68の回転軸69に着脱可能に固定される。回転軸69は、ベースプレート60に対して垂直に配置される。
【0035】
また、
図2Aに示すように、固形物供給装置3は、さらに、回転盤65および重合ノズル13の上方に配置された押込装置71を備えている。押込装置71は、重合ノズル13内に供給された固形物Sを重合ノズル13の下方位置まで押し込むための装置である。押込装置71は、スタンド73を含み、スタンド73は、ホッパ61と止めねじ58の間においてベース部59に取り付けられ、スタンド73の長手方向は、鉛直方向に沿っている。押込装置71は、さらに、直動するアクチュエータであるロッドレスシリンダ75と、ロッド77と、ピストン78を含む。ロッドレスシリンダ75は、スタンド73の一側面に固定されている。ロッドレスシリンダ75は、スライダ75Aと、ホルダー75Bを含み、ロッド77は、ホルダー75Bを介してスライダ75Aに取り付けられている。ロッド77は、その長手方向が鉛直方向に沿うように配置されている。ピストン78は、ロッド77の下端部に螺合されている。ピストン78は、回転を停止させたときの回転盤65の収容孔66を挿通し、重合ノズル13の中心筒23の内部を昇降するように構成される。
【0036】
図2Bに示すように、上ホッパ62は、回転盤65の上方に配置された略環状の外壁62Aを含んでいる。略環状の外壁62Aは、回転盤65の外周65Cよりも内側に位置し且つ収容孔66の外接円CCの外側に位置し、回転盤65の上面65Dよりも少し上方の位置から上方に延び(延在し)ている。また、上ホッパ62の外壁62Aは、ベースプレート60および回転盤65の上面65Dに対して垂直に延びている。
【0037】
固形物供給装置3は、さらに、ガイド部材81を備えている。
図3に示すように、ガイド部材81は、板状の部材であり、回転盤65を上面65D側から見ると複数箇所で屈曲し、両端部である固定部82A、82Bのところで、上ホッパ62に着脱可能に固定されている。ガイド部材81は、第1ガイド部81Aと、第2ガイド部81Bと、第3ガイド部81Cを含み、これらのガイド部81A、81B、81Cは、上ホッパ62の外壁62Aの内側において回転盤65の周縁部65Aの上方に配置される。ガイド部材81(ガイド部81A、81B、81C)と回転盤65の上面65Dの間に僅かな隙間がある(
図5参照)。
【0038】
第1ガイド部81Aは、上ホッパ62の外壁62Aの内側に位置する一端(始端)81AEと、中央突起部67の最大外周縁67Cと収容孔66の内接円ICとの間に位置する他端81ABを含む。第1ガイド部81Aと中央突起部67の最大外周縁67Cとの間の最短距離L1は、固形物Sの外径よりも短いことが好ましく、固形物Sの半径(外径の半分)よりも長いことがさらに好ましい。以下、第1ガイド部81Aの一端81AEを、「ガイド部材81の始端」と称し、第1ガイド部81Aの他端81ABを、「ガイド部材81の第1屈曲縁」と称する。
【0039】
第2ガイド部81Bは、固形物Sの供給位置Eの近傍で中央突起部67の最大外周縁67Cと収容孔66の内接円ICの間に位置している。第2ガイド部81Bは、第1ガイド部81の他端(ガイド部材81の第1屈曲縁)81ABである一端と、他端81BCを含む。第2ガイド部81Bと中央突起部67の最大外周縁67Cとの間の最短距離L2は、固形物Sの半径(外径の半分)よりも長いことが好ましい。第2ガイド部81Bの他端81BCは、ガイド部材81の第2屈曲縁を構成する。
【0040】
第3ガイド部81Cは、第2ガイド部81Bの他端81BC(ガイド部材81の第2屈曲縁)である一端と、上ホッパ62の外壁62Aの内側に位置する他端(終端)81CEを含む。第3ガイド部81Cは、回転を停止させたときの回転盤65の互いに隣接した収容孔66の間に位置することが好ましい。第3ガイド部81Cの他端81CEを、「ガイド部材81の終端」と称する。
【0041】
ガイド部材81において、第1ガイド部81Aの一端81AE(ガイド部材81の始端)は、外壁62Aの内周に接するように配置され、第1ガイド部81Aの略中央と第2ガイド部81Bの略中央は、中央突起部67の最大外周縁67Cに近接するように配置され、第3ガイド部の他端81CE(ガイド部材81の終端)は、外壁62Aの内周に接するように配置され、それにより、回転盤65と上ホッパ62の外壁62Aによって包囲(形成)される空間を、貯留部83と供給部85に区画(分割)する。貯留部83は、一度に投入された多数の固形物Sが一時的に貯留される空間である。供給部85は、固形物Sの供給位置Eを含んでいる。
【0042】
図2B、
図4および
図5を参照して、下ホッパ63の構成を詳しく説明する。
図2Bおよび
図5に示すように、下ホッパ63は、たらい状の(底壁と側壁を有する)下ホッパ本体63Bと、下ホッパ本体63Bの底壁の上にそれと一体的に形成されたスペーサ63Cを含む。スペーサ63Cは、回転盤65とほぼ同径の略円盤であり、平らな上面63CAを含み、上面63CAと回転盤65の下面65Eとの間に僅かな間隔H1があるように配置される。また、
図4に示すように、スペーサ63Cは、略C字形状の周方向の切欠き部63Dを含む。切欠き部63Dの周方向面63DAの径は、例えば、収容孔66の内接円ICよりもやや小さいことが好ましい。
【0043】
回転盤65の回転方向Tに見たとき、切欠き部63Dの始端は、第1ガイド部81Aの上流側に位置し、さらに詳細には、第1ガイド部81Aから上流側に向かって1つ目の収容孔66(661)(本実施形態では、供給位置Eから時計回りに90度の位置にある収容孔66)のすぐ下流側に位置する。また、切欠き部63Dの終端は、第1ガイド部81Aの下流側に位置し、さらに詳細には、供給位置Eにある収容孔66のすぐ下流側に位置する。スペーサ63Cの厚さは、例えば4mmである。かくして、切欠き部63Dと下ホッパ本体63Bの底面63BB、即ち、下ホッパ本体63Bの底壁の上面とによって、段差部(段差空間)63Eが構成される。底面63BBと回転盤65の下面65Eの間隔H2は、スペーサ63Cの上面63CAと回転盤65の下面65Eの間隔H1よりも大きい(
図5参照)。
【0044】
また、このように構成された回転盤65を、回転軸69の回転により15度ずつ間欠的に一方向(矢印Tの方向、
図3においては左回転方向、即ち、反時計回り)に回転させることにより、収容孔66に収容された固形物Sを供給位置Eに移動させて、固形物Sを重合ノズル13内に間欠的に供給することが可能である。本実施形態では、供給位置Eは、収容孔66が最も上方に停止する位置に設定される。
【0045】
次に、
図1乃至
図5を参照して、本発明の第1の実施形態である固形物供給装置3を備えた包被食品の製造装置1を用いて包被食品Pを製造する工程を説明する。第1の実施形態では、包被食品Pは、三重構造の月餅であり、外皮材Dは、月餅用の菓子生地であり、内包材Fは、ハスの実餡であり、固形物Sは、ヨークである。
【0046】
多数の固形物Sを固形物供給装置3のホッパ61(上ホッパ62)の貯留部83に投入する。回転盤65の傾斜と中央突起部67の側面67Aの傾斜を利用して、投入した固形物Sを、左右方向および下方向に向かって転動させて、貯留部83内の各収容孔66に収容させる。収容孔66に収容されなかったその他の固形物Sを、ホッパ61(上ホッパ62)の外壁62Aによって保持し、回転盤65の上面65Dの上に互いに重なるように堆積させる。製造装置1を起動させると、制御装置19によって、固形物供給装置3も連動する。
【0047】
図5において、回転盤65が停止しているときのガイド部81から回転方向Tに対する上流側に向かって1番目および2番目の収容孔66をそれぞれ、単に「1番目の収容孔661」および「2番目の収容孔662」と称する。
図5に示すように、ホッパ61(上ホッパ62)の貯留部83において、1番目の収容孔661を除く収容孔66(例えば2つ目の収容孔662)に収容された固形物Sは、スペーサ63Cの上面63CAに支持されている。回転盤65を回転させて、固形物Sを1番目の収容孔661に到達させると、固形物Sは、段差部63E内に降下し、下ホッパ本体63Bの底面63BBに支持される。この固形物Sが降下する収容孔661の位置を「降下開始位置」と称する。さらに、回転盤65を回転させることにより、固形物Sを段差部63E内で移動させ、ホッパ61(下ホッパ63)の開口61Aに到達させると、固形物Sは、重合ノズル13内に落下する。このように、ホッパ61(具体的には、下ホッパ63のスペーサ63Cの上面63CAおよび下ホッパ本体63Bの底面63BB)は、固形物Sを支持する支持部材として機能する。以下、ホッパ61(下ホッパ63)が固形物Sを支持する略円環状の領域を「支持領域63A」と称する(
図4参照)。支持領域63Aは、例えば、回転盤65の収容孔66の内接円ICと収容孔66の外接円CCの間の領域に一致する。
【0048】
詳細には、
図5に示すように、貯留部83において、例えばガイド部材81の始端81AEから上流側に向かって2番目の収容孔662に収容されている固形物Sは、支持部材を構成するスペーサ63Cの上面63CAによって支持されている。このとき、固形物Sの頭頂部は、回転盤65の上面65Dから突出している。この突出により、他の固形物Sが2番目の収容孔662に入り込むことを防止する。
【0049】
回転盤65を矢印Tの回転方向に15度回転させ、一時的に停止させて、2番目の収容孔662に収容されていた固形物Sを1番目の収容孔661の位置(降下開始位置)に移動させる。それにより、固形物Sを、支持領域63Aの段差部63E内に降下させ、即ち、支持部材を構成するホッパ61(下ホッパ63)の底面63BBによって支持し、固形物Sの頭頂部を、回転盤65の上面65Dよりも下方に位置させる。このとき、移動させた固形物Sの上方に位置していた他の複数の固形物Sは、それらが互いに干渉しあうことにより、また、ヨーク(固形物S)の表面の粘性の影響により、1番目の収容孔661の位置に移動することが抑制される。
【0050】
回転盤65を搬送方向Tにさらに15度回転させ、再び停止させて、降下開始位置にあった収容孔661を供給部85側へ移動(回転)させる。それに伴い、第1ガイド部81Aの上流側で降下させた固形物Sを、第1ガイド部81Aの下方を通過するように移動させる。このとき、他の固形物Sが1番目の収容孔661に入り込まないので、他の固形物Sが第1ガイド部81Aと収容孔66の間に挟まれて破断されることが防止され又は破断されることが無い。さらに、ベースプレート60に固定された下ホッパ63および回転盤65が傾斜して配置され、供給位置Eが、切欠き部63D(段差部63E)の始端に対応する固形物Sの降下開始位置661に対して上方に配置されることにより、固形物Sを貯留部83から供給部85に安定して移動させることができる。
【0051】
第1ガイド部81A付近で堆積している他の複数の固形物Sは、傾斜している回転盤65の上面65Dや中央突起部67の傾斜している側面67Aの上に幾重にも重なるように堆積している。回転盤65を回転させて、他の複数の固形物Sを、第1ガイド部81Aの案内により、一端81AE側から他端81AB側へ移動させる。他の複数の固形物Sは、回転盤65や中央突起部67の側面67Aの傾斜により、下方に滑落あるいは転動し、下方に位置する回転盤65と外壁62の間に再び保持される。また、空の収容孔66に固形物Sが収容される。このように、収容孔66に収容されない他の複数の固形物Sは、貯留部83内を循環することができる。かくして、多量の固形物Sを貯留部83に一度に投入することができ、作業効率を向上させることができる。
【0052】
供給部85では、回転盤65の間欠的な回転により、1個の固形物Sを収容した収容孔66を供給位置Eに停止させると、固形物Sはもはやホッパ61の支持部材によって支持されない。それにより、固形物Sを、開口61A、60Aを通して重合ノズル13の中心筒23の内部(通路Q内)に落下させる。また、押込装置71のピストン78を通路Qの中に下降させ、固形物Sを、重合ノズル13から押し出した袋状の棒状生地DLの底部に押し付け、固形物Sの下方部分を内包材Fに密着させる。
【0053】
下降位置まで下降させたピストン78を上昇させる。包被切断装置15を動作させ、固形物Sが内在した三重構造の棒状生地DLから、固形物Sを内包した包被食品Pを製造する。なお、包あん機1を用いるとき、外皮材Dを用いることなしに、固形物Sを内包材Fのみで被覆して、二重構造の包被食品を製造してもよい。
【0054】
本発明の第2の実施形態である固形物供給装置103を備えた包被食品の製造装置101を、
図5乃至
図7を参照して説明する。なお、第1の実施形態に係る製造装置1と同様である第2の実施形態に係る製造装置103の構成に、製造装置1と同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、第1の実施形態の
図3の線V-Vに対応する位置における回転盤165(後述)及び下ホッパ63の部分断面図として、
図5を流用する。包被食品の製造装置101は、所定量の固形物Sをシート状の外皮材DDで包むように構成され、以下、包み込み装置101と称する。包み込み装置101は、架台102と、架台102の上部に昇降可能に配置された固形物供給装置103と、架台102の正面側(
図6における手前側)に配置された摺動コンベヤ112、封着装置115および搬送装置117と、各部の駆動を制御する制御装置19を備えている。包み込み装置101は、既知の構成を有し、例えば、特許文献1に記載の装置であるので、その詳細な説明を省略する。
【0055】
本発明の第2の実施形態である固形物供給装置103は、
図6に示すように、水平に配置されるベースプレート160と、その下面に取り付けられた4本の昇降シャフト121を備え、包み込み装置101の架台102に対して昇降可能に構成されている。ベースプレート160は、供給位置Eに位置する開口(図示省略)と、かかる開口と同心の中空の管部材123を含み、管部材123は、ベースプレート160の下面に取り付けられている。かくして、管部材123は、ベースプレート160の昇降動作に応じて、封着装置115に接近したりそれから離れたりするように構成される。また、固形物供給装置103は、供給位置Eの上方に配置された押込装置71を備えている。
【0056】
固形物供給装置103は、さらに、回転盤165と、外壁165Cと、下ホッパ63を備えており、第1の実施形態と異なり、上ホッパ62を備えていない。回転盤165は、ベースプレート160と平行であり、水平に配置される。外壁165Cは、回転盤165の周縁部165Aの上面(具体的には、収容孔66の外接円CCの外側の外周部)から上方に延び、好ましくは、回転盤165と一体に形成されている。
【0057】
固形物供給装置103は、さらに、ガイド部材181を備えている。
図7に示すように、ガイド部材181は、回転盤165と外壁165Cによって包囲される空間を、貯留部83と供給部85とに区画する。ガイド部材181は、板状の部材であり、平面視において、直線状の第1ガイド部181Aと、円弧状に湾曲した第2ガイド部181Bと、直線状の第3ガイド部181Cを含み、ベースプレート160に着脱可能に固定される。第1ガイド部181Aは、外壁165Cの内側に位置する一端(ガイド部材181の始端)181AEを有する。第2ガイド部181Bは、中央突起部67の最大外周縁67Cと同心に且つその僅かに外側に位置する。第3ガイド部181Cは、外壁165Cの内側に位置する他端(ガイド部材181の終端)181CEを有する。
【0058】
中央突起部67の最大外周縁67Cと収容孔66の内接円ICの間の距離は、固形物Sの半径(直径の半分)よりも短いことが好ましい。この距離は、固形物Sが中央突起部67の傾斜する側面67Aから滑落あるいは転動した際に回転盤165の上面165Dに留まることなく収容孔66に容易に落下するように定められるのがよい。
【0059】
図5に示すように、下ホッパ63は、第1の実施形態と同様、支持部材を構成するスペーサ63Cの上面63CAと下ホッパ63の底面63BBを含んでいる。支持部材は、支持領域63Aにおいて、ガイド部材181(第1ガイド部材181A)から上流側に向かって1番目(下降開始位置)の収容孔661からガイド部材181(第1ガイド部材181A)の下流側の供給位置Eに位置する収容孔66まで連続する段差部63Eを構成する。段差部63Eにおける下ホッパ63の底面63BBと回転盤165の下面165Eの間隔H2は、他の支持領域におけるスペーサ63Cの上面63CAと回転盤165の下面165Eの間隔H1よりも大きい。
【0060】
次に、
図5乃至
図7を参照して、本発明の第2の実施形態である固形物供給装置103を備えた包被食品の製造装置(包み込み装置)101の製造工程を説明する。第2の実施形態では、外皮材DDは、小麦粉を主原料とする混練生地であり、固形物Sは、蜜漬け一粒栗であり、包被食品Pは、所定量の固形物Sを外皮材DDによって内包する二重構造の食品である。
【0061】
多数の固形物Sを、固形物供給装置103の回転盤165の貯留部83に投入する。投入した固形物Sを、各収容孔66に収容させ、さらに、回転盤165の上面に重なるように堆積させる。製造装置101を起動させると、制御装置19によって、固形物供給装置103も連動する。
【0062】
固形物供給装置103を下降させ、回転盤165を回転方向Tに15度回転させた後、一時的に停止させる。ガイド部材181(第1ガイド部181A)から上流側に向かって1番目の収容孔661(下降開始位置)に移動した固形物Sは、段差部63Eに落下し、下ホッパ63の底面63BBに支持されると共に、固形物Sの頭頂部は、回転盤165の上面165Dよりも低く配置される。さらに、回転盤165を間欠的に回転させ、固形物Sを、ガイド部材181の下方を通過させ、供給部85に移動させる。このとき、固形物Sを収容している収容孔66に、他の固形物Sが入り込まず、他の固形物Sが第1ガイド部181Aと収容孔66との間に挟まれて破断することが無い又は防止される。
【0063】
供給部85において、回転盤165の間欠的な回転により、固形物Sを供給位置Eに停止させると、固形物Sは、管部材123の内部を落下し、載置部材41の上面に載置された外皮材DDの中央部に供給される。その後、製造装置101によって包被食品Pを製造する。
【0064】
供給部85に移動させられずに第1ガイド部181A付近で堆積していた他の固形物Sは、中央突起部67の傾斜する側面67A上に幾重にも重なるように堆積し、回転盤165の回転に伴い、第1ガイド部181Aおよび第2ガイド部181Bに案内されて、始端181AE側から下流側に移動する。そして、第2ガイド部181Bから解放された固形物Sは、側面67Aから回転盤165の周縁部165Aに向かって滑落あるいは転落することによって移動する。また、空の収容孔66に固形物Sが収容される。
【0065】
上記説明から理解できるように、本発明の実施形態に基づく固形物供給装置3、103は、回転盤65、165の収容孔66に収容される固形物Sを支持する支持部材を備え、支持部材は、固形物Sを支持する支持領域63Aにおいて、固形物Sを支持する高さ(位置)を回転盤65、165に対して低くするための段差部63Eを構成する。
【0066】
本発明の実施形態である固形物供給装置3、103およびかかる固形物供給装置を備えた食品の製造装置1、101の説明は概ね上記の通りであるが、本発明は、これに限られず、種々の変更が特許請求の範囲内で可能である。例えば、上記実施形態では、支持部材の段差部63Eは、固形物Sを支持する支持領域63Aにおいて、ガイド部材81、181(第1ガイド部材81A、181A)から上流側に向かって1番目の収容孔661に対応する位置から、ガイド部材81、181の下流側の供給位置Eにある収容孔66に対応する位置まで連続しているが、段差部63Eは、固形物Sが少なくとも第1ガイド部材81A、181Aの下方を通過する領域まで連続していればよい。
【0067】
また、固形物Sの降下開始位置となる段差部63Eの始端は、ガイド部材81、181から上流側に向かって1番目の収容孔661に対応する位置に限られず、回転盤65の傾斜の度合いやガイド部材81、181の位置に応じて、ガイド部材181の上流側の適宜の位置に設定されてもよい。また、上記実施形態では、支持部材がスペーサ63Dの上面65E、165Eとホッパ61(下ホッパ63)の底面63BBとで構成されていたが、支持部材は1つの部材から形成されていてもよい。
【0068】
また、中央突起部67の形状は、円錐形状に限られず、円錐台形状、球冠形状や球帯形状、あるいは、多角錐形状や多角錐台形状であってもよく、中央突起部67は、回転盤の中心軸線Cに対して傾斜する側面を備えるものであってもよい。中央突起部67を多角形状にすることで側面に屈曲縁が設けられ固形物Sを回転方向Tに導く推進力を向上させることができる。
【0069】
また、上記実施形態では、収容孔は、回転盤65、165の上面に対して垂直に見たとき、1つの円周上に等間隔に配置されているが、例えば、本特許出願人の出願による特許文献3に記載されたように、2つの円周上に収容孔が隣合わせに配置されてもよい。この場合であっても、ガイド部材から上流側に向かって1番目に停止した各円周上の収容孔が位置するところから連続する所要の領域までに段差部63Eを備えることにより、固形物を破損することなく確実に供給位置まで移動することができる。
【0070】
また、固形物供給装置3において、回転盤65の上面65Dに配置された中央突起部67を省略し、回転盤65の傾斜によって固形物Sを下方に滑落あるいは転動させてもよい。
【0071】
また、固形物供給装置を備えた食品の製造装置として、包被食品を製造する包あん機1と包み込み装置101を説明したが、これらの製造装置の各機構を組み合わせてもよい。例えば、包あん機1を用いて、1粒栗を餡などの食品材料で包んだ二重構造の包被食品を製造し、次いで、包み込み装置101を用いて、包被食品を摺動コンベヤ112上の平板状の外皮材DDの上面に載置し、シャッタ装置43で外皮材DDを包み込み成形することによって、三重構造の包被食品を製造してもよい。
【0072】
また、食品の製造装置は、包被食品を製造するだけでなく、固形物供給装置によって供給された固形物Sが食品生地の上面や容器の中に配置された食品を製造してもよい。
【符号の説明】
【0073】
1、101 製造装置(包あん機、包み込み装置)
2、102 架台
3、103 固形物供給装置
61 ホッパ
61A 開口
61B 外壁
62 上ホッパ
62B 外壁
63 下ホッパ(支持部材)
63BA 外壁
63BB 底面
63A 支持領域
63B 下ホッパ本体(支持部材)
63C スペーサ(支持部材)
63E 段差部
65、165 回転盤
66 収容孔
67 中央突起部
67A 側面
69 回転軸
81、181 ガイド部材
81A、181A 第1ガイド部
81AE、181AE 一端、始端
81B、181B 第2ガイド部
81C、181C 第3ガイド部
81CE、181CE 他端、終端
83 貯留部
85 供給部
165C (回転盤165の)外壁
C (回転盤の)中心
E 供給位置
P (包被)食品
S 固形物