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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】可動釣り針を有する人造えさ
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/00 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
A01K85/00 B
A01K85/00 301A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022551676
(86)(22)【出願日】2021-07-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 KR2021008707
(87)【国際公開番号】W WO2022045573
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】10-2020-0109970
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522338713
【氏名又は名称】ハン、ジョン オ
【氏名又は名称原語表記】HAN,Jeongo
【住所又は居所原語表記】714-1102(Jung Wangdong,Siheung Baegot SK View)27-7,Baegot 3-ro Siheung-si Gyeonggi-do 15036,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ジョン オ
【審査官】磯田 真美
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-354965(JP,A)
【文献】特開2005-245378(JP,A)
【文献】特開2003-125674(JP,A)
【文献】国際公開第2010/099570(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 83/00 - 87/08
A01K 91/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体の内部に位置する弾性部と、
前記弾性部に連結された状態で前記本体の内部に位置する釣り針部材と、
を備え、
前記釣り針部材は、
前記本体の内部の長手方向に沿って可動となるように位置するワイヤと、
前記本体の一方の端部を向くように位置する前記ワイヤの一側に前記本体の外部に突設される可動釣り針と、
前記本体の他方の端部を向くように位置する前記ワイヤの他側に前記本体の他方の端部を貫通するように突出して釣り糸に連結される連結部と、
を備え、
前記弾性部は、前記本体の内部の一方の端部または他方の端部に位置するが、前記ワイヤと連結された状態で前記可動釣り針が前記本体の一方の端部と近づく向きに弾性圧力を加えるように構成され、
前記弾性部の弾性圧力が前記ワイヤに伝えられれば、前記本体の外部に突出した前記可動釣り針が前記本体の一方の端部の向きに移動し、
前記弾性圧力よりも強い外部の圧力が前記連結部に加えられれば、前記本体の外部に突出した前記可動釣り針が前記本体の他方の端部の向きに移動することを特徴とする可動釣り針を有する人造えさ。
【請求項2】
前記本体は、長手方向の一方の端部から他方の端部の向きに沿って第1の凸部及び凹部がこの順に延設されるが、前記第1の凸部から前記凹部に向かって進むにつれて直径が次第に小さくなるように形成され、
前記第1の凸部の内部の長手方向に沿って前記ワイヤが可動となるように第1の摺動案内部が形成され、前記凹部の内部の長手方向に沿って前記ワイヤが可動となるように第2の摺動案内部が形成されるが、前記第1の摺動案内部と前記第2の摺動案内部とは互いに一体に連通し合うように構成され、
前記第1の凸部の内部において移動する前記可動釣り針の移動を案内するように前記第1の摺動案内部から前記第1の凸部の側部の向きに第1のガイド孔が形成されるが、前記第1のガイド孔の一側は前記第1の摺動案内部と連通し、他側は前記第1の凸部の側部の向きに貫通し、
前記凹部の内部において移動する前記可動釣り針の移動を案内するように前記第2の摺動案内部から前記凹部の側部の向きに第2のガイド孔が形成されるが、前記第2のガイド孔の一側は前記第2の摺動案内部と連通し、他側は前記凹部の側部の向きに貫通し、
前記弾性部の弾性圧力によって前記可動釣り針が前記第1の凸部方向に移動すれば、前記可動釣り針は前記第1のガイド孔の内部に位置し、
前記連結部に加えられる外部の圧力によって前記可動釣り針が前記凹部の向きに移動すれば、前記可動釣り針は前記第2のガイド孔の外部に突出することを特徴とする請求項1に記載の可動釣り針を有する人造えさ。
【請求項3】
前記凹部は、長手方向の中央に向かって進むにつれて直径が次第に小さくなるように形成され、
前記第2のガイド孔の一方の端部は前記第1の凸部と連結される前記凹部の長手方向の一方の端部に位置し、前記第2のガイド孔の他方の端部は前記凹部の長手方向の中央に位置し、
前記可動釣り針が前記凹部の向きに移動するように位置した状態で、前記可動釣り針は、前記ワイヤの端部から前記第2のガイド孔の他方の端部に引っ掛かった状態で前記凹部の外側に突出する突出部と、前記突出部の端部から前記凹部の長手方向の他方の端部の向きに傾いた状態で折り曲げられて形成される傾斜部と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の可動釣り針を有する人造えさ。
【請求項4】
前記第1の凸部の反対方向に位置する前記凹部の端部に第2の凸部が一体に延設され、
前記第2の凸部の内部の長手方向に沿って前記ワイヤが可動となるように凹状に第3の摺動案内部が形成されるが、前記第2の摺動案内部と前記第3の摺動案内部とは互いに一体に連通し合うように構成され、
前記第2の凸部の内部は前記第3の摺動案内部を中心として前記第2の凸部の内周縁に沿って第1の収容部、第2の収容部、第3の収容部及び第4の収容部がこの順に配備されるが、前記第1の収容部と前記第3の収容部とが互いに対向し、前記第2の収容部と前記第4の収容部とが互いに対向し、
前記第1の収容部と前記第3の収容部にそれぞれオモリが入り込み、
前記第2の収容部と前記第4の収容部にそれぞれ密閉された空き空間が形成されることを特徴とする請求項2に記載の可動釣り針を有する人造えさ。
【請求項5】
前記本体は、長手方向の一方の端部から他方の端部の向きに沿って第1の本体、長手方向に沿って長尺状に形成される可動本体及び第2の本体がこの順に延設され、
前記可動本体の内部の長手方向に沿って前記ワイヤが可動となるように第1の摺動案内部が形成され、前記第2の本体の内部の長手方向に沿って前記ワイヤが可動となるように第2の摺動案内部が形成されるが、前記第1の摺動案内部と前記第2の摺動案内部とは互いに一体に連通し合うように構成され、
前記可動本体の内部において移動する前記可動釣り針の移動を案内するように前記第1の摺動案内部から前記可動本体の側部の向きにガイド孔が形成されるが、前記ガイド孔の一側は前記第1の摺動案内部と連通し、他側は前記可動本体の側部の向きに貫通し、
前記弾性部の弾性圧力が前記ワイヤに伝えられれば、前記可動本体の外部に突出した前記可動釣り針が前記可動本体の一方の端部の向きに移動し、
前記弾性圧力よりも強い外部の圧力が前記連結部に加えられれば、前記可動本体の外部に突出した前記可動釣り針が前記可動本体の他方の端部の向きに移動することを特徴とする請求項に記載の可動釣り針を有する人造えさ。
【請求項6】
前記本体の内部の一方の端部または他方の端部に前記弾性部が収められるように空間部が形成されることを特徴とする請求項に記載の可動釣り針を有する人造えさ。
【請求項7】
前記可動釣り針は、前記ワイヤの一側に複数本が放射状に突設されることを特徴とする請求項に記載の可動釣り針を有する人造えさ。
【請求項8】
前記本体の端部に放射状に突設される複数本の補助釣り針をさらに備えることを特徴とする請求項に記載の可動釣り針を有する人造えさ。
【請求項9】
前記本体の内部に空き空間の浮力部が形成されることを特徴とする請求項に記載の可動釣り針を有する人造えさ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動釣り針を有する人造えさに係り、さらに詳しくは、水中においてイイダコもしくはコウイカなどの頭足類を釣り上げ易くする可動釣り針を有する人造えさに関する。
【背景技術】
【0002】
釣りは、漁業のための釣りとレクリエーションのための釣りとに大別できる。レクリエーション・フィッシングは遊漁としての釣りとも呼ばれ、近頃の所得レベルの向上、週5日勤務制、レジャー産業の発達に伴い、現代人が都市を離れて自然生態を単に見て楽しむような観光から逸脱して、河川、湖沼、沿岸生態系を対象として自ら体験し、しかも、冒険を楽しめるレジャー活動の一つとして位置づけられている。とりわけ、海釣りは、海水浴とともに、代表的な海洋観光活動であって、日常生活を営む中で感じる現代人のストレスを解消し、日常生活に活気を吹き込む創造的な余暇活動の機能及び体験の機能を併せ持つ。
【0003】
一方、頭足類は、コウイカ、イカ、イイダコ、タコなどをいうものであり、釣りをするとき、練り餌などのえさではなく、エギ(餌木)などの専用ルアーを使ってアワセをする。釣りでのアワセ(フッキング)は、使用者がルアーを海の中に投げ込んだ後、釣り糸を巻き上げたり捲り上げたりしてルアーの周りにいるイイダコなどの頭足類をルアーの釣り針に引っ掛けて釣るような釣りの技である。
【0004】
図1は、従来の頭足類の釣りに用いられる釣り道具を示す図である。図1を参照すると、従来の釣り道具は、人造えさ150から構成されるものであって、エビなど生物えさと略同じ形状に形成されるボディ12と、ボディ12の下部に連結されるシンカー(おもり)14と、本体の尻尾部分に設けられる複数本のカンナ(針)16と、を備える。このような人造えさ10を用いて頭足類を捕獲するためには、船上や海辺において人造えさを水の中に入れた状態で釣り竿を上下に移動させて人造えさが動くようにする。そして、イイダコなどが人造えさをエビと勘違いして人造えさを包み込んだ途端、アワセをしてイイダコが釣り針に引っかかって釣り上げられるようにする。
【0005】
このような従来の人造えさを用いて頭足類を釣り上げると、イイダコやタコは好奇心が高いため、人造えさに頻繁に引っかかってしまう。しかしながら、コウイカは用心深いため、人造えさをぽんぽんと触ってみた後、変な気配をしてこれを感じ取ると、直ちに逃げてしまうという習性があるため、初心者はアタリを感じてアワセをする瞬間、コウイカは既に逃げてしまった以降になって、熟練された専門家ではないからには、コウイカを釣り上げ難いという不都合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような従来の技術における不都合を解決するための本発明の目的は、水中においてイイダコもしくはコウイカなどの頭足類を釣り上げ易くする可動釣り針を有する人造えさを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、本体と、前記本体の内部に位置する弾性部と、前記弾性部に連結された状態で前記本体の内部に位置する釣り針部材と、を備え、前記釣り針部材は、前記本体の内部の長手方向に沿って可動となるように位置するワイヤと、前記本体の一方の端部を向くように位置する前記ワイヤの一側に前記本体の側部の向きに突設される可動釣り針と、前記本体の他方の端部を向くように位置する前記ワイヤの他側に前記本体の他方の端部を貫通するように突出して釣り糸に連結される連結部と、を備え、前記弾性部は、前記本体の内部の一方の端部または他方の端部に位置するが、前記ワイヤと連結された状態で前記可動釣り針が前記本体の一方の端部と近づく向きに弾性圧力を加えるように構成され、前記弾性部の弾性圧力が前記ワイヤに伝えられて、前記可動釣り針が前記本体の一方の端部の向きに移動すれば、前記可動釣り針は前記本体の内部に位置し、前記弾性圧力よりも強い外部の圧力が前記連結部に加えられて、前記可動釣り針が前記本体の他方の端部の向きに移動すれば、前記可動釣り針は前記本体の側部を貫通して外部に突出することを特徴とする可動釣り針を有する人造えさを提供する。
【0008】
また、前記本体は、長手方向の一方の端部から他方の端部の向きに沿って第1の凸部及び凹部がこの順に延設されるが、前記第1の凸部から前記凹部に向かって進むにつれて直径が次第に小さくなるように形成され、前記第1の凸部の内部の長手方向に沿って前記ワイヤが可動となるように第1の摺動案内部が形成され、前記凹部の内部の長手方向に沿って前記ワイヤが可動となるように第2の摺動案内部が形成されるが、前記第1の摺動案内部と前記第2の摺動案内部とは互いに一体に連通し合うように構成され、前記第1の凸部の内部において移動する前記可動釣り針の移動を案内するように前記第1の摺動案内部から前記第1の凸部の側部の向きに第1のガイド孔が形成されるが、前記第1のガイド孔の一側は前記第1の摺動案内部と連通し、他側は前記第1の凸部の側部の向きに貫通し、前記凹部の内部において移動する前記可動釣り針の移動を案内するように前記第2の摺動案内部から前記凹部の側部の向きに第2のガイド孔が形成されるが、前記第2のガイド孔の一側は前記第2の摺動案内部と連通し、他側は前記凹部の側部の向きに貫通し、前記弾性部の弾性圧力によって前記可動釣り針が前記第1の凸部方向に移動すれば、前記可動釣り針は前記第1のガイド孔の内部に位置し、前記連結部に加えられる外部の圧力によって前記可動釣り針が前記凹部の向きに移動すれば、前記可動釣り針は前記第2のガイド孔の外部に突出することを特徴とする請求項1に記載の可動釣り針を有する人造えさを提供する。
【0009】
さらに、前記凹部は、長手方向の中央に向かって進むにつれて直径が次第に小さくなるように形成され、前記第2のガイド孔の一方の端部は前記第1の凸部と連結される前記凹部の長手方向の一方の端部に位置し、前記第2のガイド孔の他方の端部は前記凹部の長手方向の中央に位置し、前記可動釣り針が前記凹部の向きに移動するように位置した状態で、前記可動釣り針は、前記ワイヤの端部から前記第2のガイド孔の他方の端部に引っ掛かった状態で前記凹部の外側に突出する突出部と、前記突出部の端部から前記凹部の長手方向の他方の端部の向きに傾いた状態で折り曲げられて形成される傾斜部と、を備えることを特徴とする可動釣り針を有する人造えさを提供する。
【0010】
さらにまた、前記第1の凸部の反対方向に位置する前記凹部の端部に第2の凸部が一体に延設され、前記第2の凸部の内部の長手方向に沿って前記ワイヤが可動となるように凹状に第3の摺動案内部が形成されるが、前記第2の摺動案内部と前記第3の摺動案内部とは互いに一体に連通し合うように構成され、前記第2の凸部の内部は前記第3の摺動案内部を中心として前記第2の凸部の内周縁に沿って第1の収容部、第2の収容部、第3の収容部及び第4の収容部がこの順に配備されるが、前記第1の収容部と前記第3の収容部とが互いに対向し、前記第2の収容部と前記第4の収容部とが互いに対向し、前記第1の収容部と前記第3の収容部にそれぞれオモリが入り込み、前記第2の収容部と前記第4の収容部にそれぞれ密閉された空き空間が形成されることを特徴とする請求項2に記載の可動釣り針を有する人造えさを提供する。
【0011】
また、本発明は、本体と、前記本体の内部に位置する弾性部と、前記弾性部に連結された状態で前記本体の内部に位置する釣り針部材と、を備え、前記釣り針部材は、前記本体の内部の長手方向に沿って可動となるように位置するワイヤと、前記本体の一方の端部を向くように位置する前記ワイヤの一側に前記本体の外部に突設される可動釣り針と、前記本体の他方の端部を向くように位置する前記ワイヤの他側に前記本体の他方の端部を貫通するように突出して釣り糸に連結される連結部と、を備え、前記弾性部は、前記本体の内部の一方の端部または他方の端部に位置するが、前記ワイヤと連結された状態で前記可動釣り針が前記本体の一方の端部と近づく向きに弾性圧力を加えるように構成され、前記弾性部の弾性圧力が前記ワイヤに伝えられれば、前記本体の外部に突出した前記可動釣り針が前記本体の一方の端部の向きに移動し、前記弾性圧力よりも強い外部の圧力が前記連結部に加えられれば、前記本体の外部に突出した前記可動釣り針が前記本体の他方の端部の向きに移動することを特徴とする可動釣り針を有する人造えさを提供する。
【0012】
さらに、前記本体は、長手方向の一方の端部から他方の端部の向きに沿って第1の本体、長手方向に沿って長尺状に形成される可動本体及び第2の本体がこの順に延設され、前記可動本体の内部の長手方向に沿って前記ワイヤが可動となるように第1の摺動案内部が形成され、前記第2の本体の内部の長手方向に沿って前記ワイヤが可動となるように第2の摺動案内部が形成されるが、前記第1の摺動案内部と前記第2の摺動案内部とは互いに一体に連通し合うように構成され、前記可動本体の内部において移動する前記可動釣り針の移動を案内するように前記第1の摺動案内部から前記可動本体の側部の向きにガイド孔が形成されるが、前記ガイド孔の一側は前記第1の摺動案内部と連通し、他側は前記可動本体の側部の向きに貫通し、前記弾性部の弾性圧力が前記ワイヤに伝えられれば、前記可動本体の外部に突出した前記可動釣り針が前記可動本体の一方の端部の向きに移動し、前記弾性圧力よりも強い外部の圧力が前記連結部に加えられれば、前記可動本体の外部に突出した前記可動釣り針が前記可動本体の他方の端部の向きに移動することを特徴とする可動釣り針を有する人造えさを提供する。
【0013】
さらにまた、前記本体の内部の一方の端部または他方の端部に前記弾性部が収められるように空間部が形成されることを特徴とする可動釣り針を有する人造えさを提供する。
【0014】
さらにまた、前記可動釣り針は、前記ワイヤの一側に複数本が放射状に突設されることを特徴とする可動釣り針を有する人造えさを提供する。
【0015】
さらにまた、前記本体の端部に放射状に突設される複数本の補助釣り針をさらに備えることを特徴とする可動釣り針を有する人造えさを提供する。
【0016】
さらにまた、前記本体の内部に空き空間の浮力部が形成されることを特徴とする可動釣り針を有する人造えさを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、アワセをする過程において本体の一方の端部にあった可動釣り針が本体の他方の端部の向きに移動するように構成されることから、本体の周りにいたコウイカは、本体は動かない状態でいきなり移動した可動釣り針に捕獲され易いという効果がある。
【0018】
また、アワセをする過程において本体の内部に隠れていた可動釣り針が第2のガイド孔に沿って移動しながら本体の外部に飛び出るように構成されることから、本体と隣り合うように位置したり、本体をそうっとそうっと触ったりしていたコウイカは、いきなり飛び出た可動釣り針に捕獲され易いという効果がある。
【0019】
さらに、可動釣り針の突出部が第2のガイド孔の端部に引っかかるように移動すれば、可動釣り針の傾斜部は第2のガイド孔の外部に最大限に多く突出されることから、傾斜部にコウイカがさらに捕獲され易いという効果がある。
【0020】
さらにまた、第1の凸部及び第2の凸部は浮力を有するように形成されることから、本体が水中に位置した状態で、本体の一側がいずれか片側に偏ることなく水平を保つという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】従来の頭足類の釣りに用いられる釣り道具を示す図である。
図2】本発明の好適な第1の実施形態に係る可動釣り針を有する人造えさを概略的に示す図である。
図3図2の垂直断面を示す図である。
図4図2の水平断面を示す図である。
図5】本発明の好適な第1の実施形態に係る可動釣り針を有する人造えさの可動釣り針が第2のガイド孔の外部に突出した状態を示す図である。
図6】本発明の好適な第1の実施形態に係る可動釣り針を有する人造えさの弾性部が第2の凸部に配備される状態を示す図である。
図7】本発明の好適な第1の実施形態に係る可動釣り針を有する人造えさの弾性部が外部の圧力によって縮まった状態を示す図である。
図8】本発明の好適な第2の実施形態に係る可動釣り針を有する人造えさを概略的に示す図である。
図9】本発明の好適な第2の実施形態に係る可動釣り針を有する人造えさの弾性部が外部の圧力によって縮まった状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る可動釣り針を有する人造えさは、下記のような構成を有する。
【0023】
本体と、前記本体の内部に位置する弾性部と、前記弾性部に連結された状態で前記本体の内部に位置する釣り針部材と、を備え、前記釣り針部材は、前記本体の内部の長手方向に沿って可動となるように位置するワイヤと、前記本体の一方の端部を向くように位置する前記ワイヤの一側に前記本体の側部の向きに突設される可動釣り針と、前記本体の他方の端部を向くように位置する前記ワイヤの他側に前記本体の他方の端部を貫通するように突出して釣り糸に連結される連結部と、を備え、前記弾性部は、前記本体の内部の一方の端部または他方の端部に位置するが、前記ワイヤと連結された状態で前記可動釣り針が前記本体の一方の端部と近づく向きに弾性圧力を加えるように構成され、前記弾性部の弾性圧力が前記ワイヤに伝えられて、前記可動釣り針が前記本体の一方の端部の向きに移動すれば、前記可動釣り針は前記本体の内部に位置し、前記弾性圧力よりも強い外部の圧力が前記連結部に加えられて、前記可動釣り針が前記本体の他方の端部の向きに移動すれば、前記可動釣り針は前記本体の側部を貫通して外部に突出することを特徴とする。
【0024】
本発明に係る可動釣り針を有する人造えさの他の実施形態によれば、本体と、前記本体の内部に位置する弾性部と、前記弾性部に連結された状態で前記本体の内部に位置する釣り針部材と、を備え、前記釣り針部材は、前記本体の内部の長手方向に沿って可動となるように位置するワイヤと、前記本体の一方の端部を向くように位置する前記ワイヤの一側に前記本体の外部に突設される可動釣り針と、前記本体の他方の端部を向くように位置する前記ワイヤの他側に前記本体の他方の端部を貫通するように突出して釣り糸に連結される連結部と、を備え、前記弾性部は、前記本体の内部の一方の端部または他方の端部に位置するが、前記ワイヤと連結された状態で前記可動釣り針が前記本体の一方の端部と近づく向きに弾性圧力を加えるように構成され、前記弾性部の弾性圧力が前記ワイヤに伝えられれば、前記本体の外部に突出した前記可動釣り針が前記本体の一方の端部の向きに移動し、前記弾性圧力よりも強い外部の圧力が前記連結部に加えられれば、前記本体の外部に突出した前記可動釣り針が前記本体の他方の端部の向きに移動することを特徴とする。
【0025】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好適な実施形態に係る可動釣り針を有する人造えさについてさらに詳しく説明する。
【0026】
図2は、本発明の好適な第1の実施形態に係る可動釣り針を有する人造えさを概略的に示す図であり、図3は、図2の垂直断面を示す図であり、図4は、図2の水平断面を示す図である。
【0027】
図2から図4を参照すると、本発明の好適な第1の実施形態に係る可動釣り針を有する人造えさ1000は、釣りに用いられる人造えさであって、例えば、頭足類、特に、用心深いコウイカを釣り上げるためのものであって、本体100と、弾性部140及び釣り針部材150を備える。
【0028】
本体100は、エビなど生物えさと略同じ形状に形成されてもよく、合成樹脂の材質から形成されてもよい。本体100の表面には、頭足類を誘うように夜光物質がコーティングされてもよい。このような本体100は、例えば、長手方向の一方の端部から他方の端部の向きに沿って第1の凸部110及び凹部120がこの順に延設されてもよく、第1の凸部110の反対方向に位置する凹部120の端部に第2の凸部130が一体に延設されて、全体的に長尺状の砂時計の形状に形成されてもよい。具体的に、第1の凸部110は、両側から中央に向かって進むにつれて内部の直径が次第に大きくなるように凸状に形成される。凹部120は、両側から中央に向かって進むにつれて内部の直径が次第に小さくなるように凹状に形成されて、第1の凸部110から凹部120に向かって進むにつれて内部の直径が次第に小さくなるように形成される。第2の凸部130は、両側から中央に向かって進むにつれて内部の直径が次第に大きくなるように形成されて、凹部120から第2の凸部130に向かって進むにつれて内部の直径が次第に大きくなるように形成される。
【0029】
そして、第1の凸部110の内部の長手方向に沿って後述するワイヤ152が可動となるように第1の摺動案内部112が形成され、凹部120の内部の長手方向に沿ってワイヤ152が可動となるように第2の摺動案内部122が形成され、第2の凸部130の内部の長手方向に沿ってワイヤ152が可動となるように凹状に第3の摺動案内部132が形成される。これらの第1の摺動案内部112と第2の摺動案内部122とは互いに一体に連通し合うように構成され、第2の摺動案内部122と第3の摺動案内部132とは互いに一体に連通し合うように構成される。
【0030】
そして、第1の凸部110の内部において移動する後述する可動釣り針154の移動を案内するように第1の摺動案内部112から第1の凸部110の側部、すなわち、外周縁の向きに第1のガイド孔114が形成されるが、第1のガイド孔114の一側は第1の摺動案内部112と連通し、他側は第1の凸部110の側部の向きに貫通する。そして、凹部120の内部において移動する可動釣り針154の移動を案内するように第2の摺動案内部122から凹部120の側部、すなわち、外周縁の向きに第2のガイド孔124が形成されるが、第2のガイド孔124の一側は第2の摺動案内部122と連通し、他側は凹部120の側部の向きに貫通する。これらの第1及び第2のガイド孔114、124は、可動釣り針154の本数に対応するように形成され、第1の凸部110の外周縁及び凹部120の外周縁に放射状に並べられてもよい。
【0031】
そして、第1の凸部110の内部には空き空間の浮力部116が形成されてもよい。すなわち、第1の凸部110の内部の中央には後述する空間部118が形成され、空間部118を中心としてその上部と下部にそれぞれ空き空間の浮力部116が形成されてもよい。そして、凹部120の反対方向に位置する第1の凸部110の端部に放射状に複数本の釣り針が形成される補助釣り針160が突設される。このような補助釣り針160は、一本から構成されてもよく、複数本が本体100の長手方向に沿って連続して形成されてもよい。補助釣り針160は固定されていて、コウイカはもとより、イイダコなどが釣り上げられるようにする。補助釣り針160は、一定の荷重を有するように形成されるが、第1の凸部110に浮力を有する浮力部116が配備されるので、本体100が水中に位置した状態で、補助釣り針160により第1の凸部110が下部に垂れ下がることなく水平を保つようにするという効果がある。
【0032】
そして、第2の凸部130の内部は、第3の摺動案内部132を中心として第2の凸部130の内周縁に沿って第1の収容部134a、第2の収容部134b、第3の収容部134c及び第4の収容部134dがこの順に配備される。第1の収容部134aと第3の収容部134cとが互いに対向し、第2の収容部134bと第4の収容部134dとが互いに対向する。そして、第1の収容部134aと第3の収容部134cにそれぞれオモリ136が入り込み、第2の収容部134bと第4の収容部134dにそれぞれ密閉された空き空間が形成される。第2の収容部134bと第4の収容部134dは浮力を有するように構成されて、本体100が水中において水平をなすように誘導するという効果がある。なお、第2の収容部134bと第4の収容部134dは、別途の隔壁を介して複数の空間に分割されてもよい。ちなみに、第2の凸部130の外部の両側には頭足類を誘うように羽毛139などが備配されてもよい。
【0033】
弾性部140は、ワイヤ152に弾性圧力を加えるものであって、コイルバネなどから構成され、本体100の内部の一方の端部に位置する。このために、第1の凸部110の一方の端部の中央には弾性部140が収められるように空間部118が形成される。このような弾性部140は、弾性連結部141によってワイヤ152と連結されて、後述する可動釣り針154が本体100の一方の端部、すなわち、第1の凸部110と近づく向きに弾性圧力を加えるように構成される。
【0034】
釣り針部材150は、ワイヤ152と、可動釣り針154及び連結部153を備える。ワイヤ152は、針金、ナイロンなどから長尺状に形成され、本体100内部の第1及び第2及び第3の摺動案内部112、122、132に沿って可動となるように位置する。可動釣り針154は、釣り針、フックなどの形状に形成され、本体100の一方の端部を向くように位置するワイヤ152の一側に本体100の側部の向きに突設される。可動釣り針154は、ワイヤ152の一側に複数本が放射状に突設されてもよい。連結部153は、本体100の他方の端部を向くように位置するワイヤ152の他側に本体100の他方の端部を貫通するように外部に突出して使用者の釣り糸に連結されるように構成される。
【0035】
図5は、本発明の好適な第1の実施形態に係る可動釣り針を有する人造えさの可動釣り針が第2のガイド孔の外部に突出した状態を示す図である。
【0036】
まず、図4を参照すると、第1の凸部110は、凸状に形成されるため、第1の凸部110の直径は相対的に大きめに形成される。これにより、弾性部140の弾性圧力によって可動釣り針154が本体100の一方の端部の向きに移動して第1の凸部110の第1のガイド孔114に位置すれば、可動釣り針154は、第1の凸部110の内部に隠れていることになる。このように、可動釣り針154が第1の凸部110の内部に隠れていると、頭足類、特に、コウイカにとっては、第1の凸部110の側部に可動釣り針154がないと捉え、本体100をぽんぽんと触ることになる。このとき、釣り人は、アタリを感じ、弾性部140の弾性圧力よりも強い力にてアワセをすることになる。
【0037】
すると、図5に示すように、本体100は、動かずにじっとしており、本体100の内部のワイヤ152がアワセによって連結部153に加えられる外部の圧力によって弾性部140から遠ざかるように移動し、可動釣り針154は、ワイヤ152に沿って第1の凸部110の第1のガイド孔114から凹部120の第2のガイド孔124へと移動する。このとき、凹部120の中央に向かって進むにつれて第1の凸部110よりも小さな直径を有するように形成されるため、第2のガイド孔124に移動する可動釣り針154は、第2のガイド孔124を貫通して外部に突出する。
【0038】
このように、本発明は、アワセをする過程において本体100の内部に隠れていた可動釣り針154が本体100の内部の第2のガイド孔124に沿って移動しながら、いきなり本体100の外部に飛び出るように構成されるので、本体100と隣り合うように位置したり、本体100をそうっとそうっと触ったりしていたコウイカは、本体100は動かない状態でいきなり飛び出た可動釣り針154によって逃げる間もなく捕獲され易いという効果がある。
【0039】
一方、アワセによって可動釣り針154が第1の凸部110から凹部120の向きに移動するように位置した状態で、凹部120は、長手方向の中央に向かって進むにつれて直径が次第に小さくなるように形成され、第2のガイド孔124の一方の端部は第1の凸部110と連結される凹部120の長手方向の一方の端部に位置し、第2のガイド孔124の他方の端部は凹部120の長手方向の中央に位置する。そして、可動釣り針154は、ワイヤ152の端部から第2のガイド孔124の他方の端部に引っ掛かった状態で凹部120の外側に突出する突出部154aと、突出部154aの端部から凹部120の長手方向の他方の端部の向きに傾いた状態で折り曲げられて形成される傾斜部154bと、を備える。このように、可動釣り針154が凹部120に移動すれば、可動釣り針154の突出部154aが第2のガイド孔124の他方の端部に引っかかるように位置するため、可動釣り針154は、それ以上移動することができなくなる。そして、第2のガイド孔124の他方の端部は凹部120の直径が最も小さなところであるため、傾斜部154bは、最大限に多く第2のガイド孔124の外部に突出する。すなわち、可動釣り針154の突出部154aが第2のガイド孔124の端部に引っかかるように移動すれば、可動釣り針154の傾斜部154bは第2のガイド孔124の外部に最大限に多く突出されるので、傾斜部154bにコウイカがさらに捕獲され易いという効果がある。
【0040】
図6は、本発明の好適な第1の実施形態に係る可動釣り針を有する人造えさの弾性部が第2の凸部に配備される状態を示す図であり、図7は、本発明の好適な第1の実施形態に係る可動釣り針を有する人造えさの弾性部が外部の圧力によって縮まった状態を示す図である。
【0041】
図6を参照すると、空間部138は、第2の凸部130の内部の端部に形成されて、第3の摺動案内部132が空間部138と連通するように形成され、弾性部142は、空間部138に弾性部142が位置する。そして、互いに向かい合うワイヤ152の端部と連結部153の端部が可動釣り針154を向く弾性部142の端部に一緒に連結される。この状態で、弾性部142は、可動釣り針154が本体100の一方の端部と近づく向きに弾性圧力を加えるように構成され、可動釣り針154は、本体100の内部の一方の端部、すなわち、第1の凸部110の内部に位置する。
【0042】
図7を参照すると、アワセなどによる外部の圧力が連結部153に加えられれば、連結部153が弾性部142を本体100の他方の端部の向きに移動させて弾性部142が縮まるようにする。すると、弾性部142と連結されたワイヤ152が本体100の他方の端部の向きに移動しながら、可動釣り針154を凹部120の向きに移動させて可動釣り針154が凹部120の外部に晒されるようにする。このように、本発明は、場合によって、弾性部142が本体100の内部の他方の端部に位置してもよい。
【0043】
図8は、本発明の好適な第2の実施形態に係る可動釣り針を有する人造えさを概略的に示す図であり、図9は、本発明の好適な第2の実施形態に係る可動釣り針を有する人造えさの弾性部が外部の圧力によって縮まった状態を示す図である。
【0044】
図8を参照すると、本発明の好適な第2の実施形態に係る可動釣り針254を有する人造えさは、釣りに用いられる人造えさであって、例えば、頭足類、特に、用心深いコウイカなどを釣り上げるためのものであって、本体200と、弾性部240及び釣り針部材250を備える。
【0045】
本体200は、エビなど生物えさと略同じ形状に形成されてもよく、合成樹脂の材質から形成されてもよい。本体200の表面には、頭足類を誘うように夜光物質がコーティングされてもよい。このような本体200は、例えば、長手方向の一方の端部から他方の端部の向きに沿って第1の本体210、可動本体220及び第2の本体230がこの順に延設されてもよい。
【0046】
第1及び第2の本体210、230は、それぞれ長手方向の中央に向かって進むにつれて直径が次第に大きくなる凸状に形成される。可動本体220は、長手方向に沿って長尺状に形成され、例えば、柱形状、円筒形状などに形成される。そして、可動本体220の内部の長手方向に沿ってワイヤ252が可動となるように第1の摺動案内部222が形成され、第2の本体230の内部の長手方向に沿ってワイヤ252が可動となるように第2の摺動案内部232が形成される。これらの第1の摺動案内部222と第2の摺動案内部232とは互いに一体に連通し合うように構成される。
【0047】
そして、可動本体220の内部において移動する可動釣り針254の移動を案内するように第1の摺動案内部222から可動本体220の側部、すなわち、外周縁の向きにガイド孔224が形成される。ガイド孔224の一側は第1の摺動案内部222と連通し、他側は可動本体220の側部の向きに貫通する。このようなガイド孔224は、可動釣り針254の本数に対応するように形成され、可動本体220の外周縁に放射状に並べられてもよい。
【0048】
そして、第1の本体210の内部には空き空間の第1の浮力部212が形成されてもよく、第2の本体230の内部の中央には弾性部240が案内されるための空き空間の弾性収容部236が形成され、弾性収容部236と第2の本体230の内周縁との間には空き空間の第2の浮力部234が形成されてもよい。第2の摺動案内部232は、弾性収容部236の長手方向の中央を貫通するように形成される。そして、可動本体220の反対方向に位置する第1の本体210の端部に放射状に複数本の釣り針が形成される補助釣り針260が突設される。釣り針部材250及び補助釣り針260は、一定の荷重を有するように形成されるが、第1及び第2の本体210、230に浮力を有する第1及び第2の浮力部212、234が配備されるので、本体200が水中に位置した状態で、第1及び第2の浮力部212、234によって本体200がいかなる端部にも垂れ下がることなく水平を保つようにするという効果がある。本体200が水平を保つと、コウイカなどの頭足類は本体200を生きているエビなどと捉える筈である。
【0049】
弾性部240は、ワイヤ252に弾性圧力を加えるものであって、コイルバネなどから構成され、本体200の内部の弾性収容部236に位置する。このような弾性部240は、ワイヤ252と連結されて、可動釣り針254が本体200の一方の端部、すなわち、第1の本体210と近づく向きに弾性圧力を加えるように構成される。一方、場合によって、弾性部は、図2に示すように、第1の本体210に位置してもよいということはいうまでもない。
【0050】
釣り針部材250は、ワイヤ252と、可動釣り針254及び連結部253を備える。ワイヤ252は、針金、ナイロンなどから長尺状に形成され、本体200の内部の第1及び第2の摺動案内部222、232に沿って可動となるように位置する。可動釣り針254は、釣り針、フックなどの形状に形成されるものであって、ワイヤ252の端部からガイド孔224を貫通して可動本体220の外側に突出する突出部254aと、突出部254aの端部から傾くように折り曲げられて形成される傾斜部254bと、を備える。このような可動釣り針254は、ワイヤ252の一側に複数本が放射状に突設されてもよい。
【0051】
連結部253は、長手方向に沿って長尺状に形成され、一方の端部は第2の本体230の第2の摺動案内部232に嵌入し、他方の端部は第2の本体230の他方の端部を貫通して第2の本体230の外部に晒されるように位置する。連結部253の他方の端部に釣り糸が連結される。第2の摺動案内部232は、弾性収容部236の長手方向の中央を通るように位置する。そして、互いに向かい合うワイヤ252の端部と連結部253の端部が可動釣り針254を向く弾性部240の端部に一緒に連結される。この状態で、弾性部240は、可動釣り針254が本体200の一方の端部と近づく向きに弾性圧力を加えるように構成されて、可動釣り針254は、可動本体220の一方の端部に位置する。そして、弾性部240の弾性圧力がワイヤ252に伝えられれば、可動本体220の外部に突出した可動釣り針254が可動本体220の一方の端部の向きに移動する。
【0052】
図9を参照すると、コウイカなどの頭足類が本体200をぽんぽんと触ると、釣り人はアタリを感じ、弾性部240の弾性圧力よりも強い力にてアワセをすることになる。すると、本体200は、動かずにじっとしており、本体200の内部のワイヤ252がアワセによって連結部253に加えられる外部の圧力によって第2の本体230の他方の端部の向きに移動し、可動釣り針254は、ワイヤ252に沿って可動本体220の一方の端部から他方の端部の向きに移動する。このとき、可動釣り針254は、可動本体220のガイド孔224を貫通して可動本体220の外部に位置した状態で移動するので、本体200と隣り合うように位置したり、本体200をそうっとそうっと触ったりしていたコウイカは、本体200は動かない状態でいきなり移動する可動釣り針254によって逃げる間もなく捕獲され易いという効果がある。
【0053】
本発明は、上記の実施形態において詳しく説明されたが、本発明をこれらにより限定しないということは当然のことであり、本発明の技術思想の範囲内において様々な変形及び修正が可能であるということは当業者にとって明らかであり、このような変形及び修正が特許請求の範囲の範ちゅうに属するものであれば、その技術思想もまた本発明に属するものとみなすべきである。
【産業上の利用可能性】
【0054】
釣りに利用される。
【符号の説明】
【0055】
100 本体
110 第1の凸部
112 第1の摺動案内部
114 第1のガイド孔
116 浮力部
118 空間部
120 凹部
122 第2の摺動案内部
124 第2のガイド孔
130 第2の凸部
132 第3の摺動案内部
134a 第1の収容部
134b 第2の収容部
134c 第3の収容部
134d 第4の収容部
136 オモリ
138 空間部
139 羽毛
140 弾性部
141 弾性連結部
142 弾性部
150 釣り針部材
152 ワイヤ
153 連結部
154 可動釣り針
154a 突出部
154b 傾斜部
160 補助釣り針
200 本体
210 第1の本体
212 第1の浮力部
220 可動本体
222 第1の摺動案内部
224 ガイド孔
230 第2の本体
232 第2の摺動案内部
234 第2の浮力部
236 弾性収容部
240 弾性部
250 釣り針部材
252 ワイヤ
253 連結部
254 可動釣り針
254a 突出部
254b 傾斜部
260 補助釣り針
1000 人造えさ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9