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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】色相調整剤を含む組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/40 20060101AFI20240311BHJP
   C11D 3/26 20060101ALI20240311BHJP
   C11D 3/34 20060101ALI20240311BHJP
   C09B 67/20 20060101ALI20240311BHJP
   C09B 69/10 20060101ALI20240311BHJP
   C09B 29/09 20060101ALI20240311BHJP
   D06M 13/248 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
C11D3/40
C11D3/26
C11D3/34
C09B67/20 K
C09B69/10 A
C09B29/09 A
D06M13/248
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022552377
(86)(22)【出願日】2021-02-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 US2021016544
(87)【国際公開番号】W WO2021178100
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-08-30
(31)【優先権主張番号】62/983,880
(32)【優先日】2020-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/156,814
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599060788
【氏名又は名称】ミリケン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Milliken & Company
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】フロイント、ウェスリー・エー.
(72)【発明者】
【氏名】ローソン、リチャード
(72)【発明者】
【氏名】デイ、サンジーブ・ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ピービィ、ノーラン
【審査官】柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-500350(JP,A)
【文献】特表2014-501802(JP,A)
【文献】特表2014-520177(JP,A)
【文献】特表2015-500888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D
C09B
D06M 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)重量の大部分を占めるセルロース繊維と
(b)(i)洗濯物ケア用原料成分;および(ii)0.0001重量%~1.0重量%の式III:
【化1】
の構造を有する重合体チオフェン色相調整剤を含む洗濯物ケア用組成物と
を含有する、織物品。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本出願は、2020年3月2日に出願された「色相調整剤を含む組成物」という表題の米国仮特許出願第62/983,880号の優先権を主張するものであり、その全体を参照によりここで援用する。
【技術分野】
【0002】
[0002]本発明は、洗濯物ケア用原料成分および重合体チオフェン色相調整剤を含む洗濯物ケア用組成物に関する。
背景
[0003]消費者は洗濯に対し、省エネルギー化のためにより低温でより短時間の洗浄サイクルを求めつつあるが、洗濯物ケア用組成物の洗浄効率は、高温で長時間の洗浄時間の場合ほど効果的とはならない可能性がある。したがって、洗濯物ケア用組成物における色相調整剤の使用は、洗浄温度が低くサイクル時間が短くても汚れた織物品(たとえば、衣類および他の装飾品)に増白の恩恵を与え、これらをより明るくより白く見えるようにする技術となる。強すぎる漂白化学物質の使用はまた、織物品のライフサイクルを縮め、環境に優しくない可能性があるため、望ましくない。さらに一部の例では、生地の黄ばみを隠蔽する場合、消費者は衣服上においてより赤みがかった青紫色のシェードの色相を好むが、これは漂白剤調合物では得られないものである。結果的に、色相調整剤を含有する洗濯物ケア用組成物で処理した織物品の増白効果を改善するニーズが存在し続けている。本発明は、織物品、たとえば、セルロース含有生地を増白させることが実証された重合体チオフェン色相調整剤を含む洗濯物ケア用組成物を提供する。この色相調整剤を洗濯物ケア用組成物中に組み込むことで、織物基材上への沈着に対する実現可能で好結果を与える1つの送達機構がもたらされる。織物基材が洗浄される度、色相調整剤が織物基材上に沈着する。よって、織物基材は頻繁に増白され、物品のライフサイクルが延長され得る。
簡単な概要
[0004]一側面において、本発明は、洗濯物ケア用原料成分および0.0001重量%~1.0重量%の式I:
【0003】
【化1】
【0004】
[式中、
各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、およびポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーからなる群から独立に選択され、各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、またはポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーの1~20個の繰返し単位の範囲で独立に存在し;
各々のRは、H、C1~4アルキル、アルコキシアルキル、ハロゲン、アリール、置換アルキルまたは置換アリール、-COR、-CHCOH、-COOR、-COOH、-SOH、-CHCOOH、-CHCHCl、-CH=CH、-CHCH(OH)、およびこれらの塩から独立に選択され;各々のRは、C1~18アルキル、アリール、置換アリール、および置換アルキルから独立に選択される]
の構造を有する重合体チオフェン色相調整剤を含む、水性洗濯物ケア用組成物に関する。
【0005】
[0005]別の側面において、本発明は、洗濯物ケア用原料成分および0.0001重量%~1.0重量%の式I:
【0006】
【化2】
【0007】
[式中、
各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、およびポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーからなる群から独立に選択され、各々のAは、1~5個のポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、またはポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマー繰返し単位の範囲で独立に存在し;
各々のRは、HおよびC1~4アルキルから独立に選択される]
の構造を有する重合体チオフェン色相調整剤を含む、水性洗濯物ケア用組成物に関する。
【0008】
[0006]さらなる側面において、本発明は、洗濯物ケア用原料成分および0.0001重量%~1.0重量%の式II:
【0009】
【化3】
【0010】
[式中、
各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、およびポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーからなる群から独立に選択され、各々のAは、1~5個のポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、またはポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマー繰返し単位の範囲で独立に存在する]
の構造を有する重合体チオフェン色相調整剤を含む、水性洗濯物ケア用組成物に関する。
【0011】
[0007]なおさらなる側面において、本発明は、塩基性条件下、たとえば、pH>9でニトリルの加水分解によってアミドが形成される、アミド含有重合体チオフェン色相調整剤を作製するための方法に関する。
【0012】
[0008]別の側面において、本発明は、(1)洗濯物ケア用原料成分と;(2)0.0001重量%~1.0重量%の式I:
【0013】
【化4】
【0014】
[式中、
各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、およびポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーからなる群から独立に選択され、各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、またはポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーの1~20個の繰返し単位の範囲で独立に存在し;
各々のRは、H、C1~4アルキル、アルコキシアルキル、ハロゲン、アリール、置換アルキルまたは置換アリール、-COR、-CHCOH、-COOR、-COOH、-SOH、-CHCOOH、-CHCHCl、-CH=CH、-CHCH(OH)、およびこれらの塩から独立に選択され;
各々のRは、C1~18アルキル、アリール、置換アリール、および置換アルキルから独立に選択される]
の構造を有する重合体チオフェン色相調整剤と;(3)0.0001重量%~1.0重量%の式X:
【0015】
【化5】
【0016】
[式中、
各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、およびポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーからなる群から独立に選択され、各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、またはポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーの1~20個の繰返し単位の範囲で独立に存在し;
各々のRは、H、C1~4アルキル、アルコキシアルキル、ハロゲン、アリール、置換アルキルまたは置換アリール、-COR、-CHCOH、-COOR、-COOH、-SOH、-CHCOOH、-CHCHCl、-CH=CH、-CHCH(OH)、およびこれらの塩から独立に選択され;各々のRは、C1~18アルキル、アリール、置換アリール、および置換アルキルから独立に選択される]
の構造を有する重合体チオフェン色相調整剤とを含む、洗濯物ケア用組成物に関する。
【0017】
[0009]さらなる側面において、本発明は、(i)洗濯物ケア用原料成分と;(ii)0.0001重量%~1.0重量%の式I:
【0018】
【化6】
【0019】
[式中、
各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、およびポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーからなる群から独立に選択され、各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、またはポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーの1~20個の繰返し単位の範囲で独立に存在し;
各々のRは、H、C1~4アルキル、アルコキシアルキル、ハロゲン、アリール、置換アルキルまたは置換アリール、-COR、-CHCOH、-COOR、-COOH、-SOH、-CHCOOH、-CHCHCl、-CH=CH、-CHCH(OH)、およびこれらの塩から独立に選択され;各々のRは、C1~18アルキル、アリール、置換アリール、および置換アルキルから独立に選択される]
の構造を有する重合体チオフェン色相調整剤とを含む、洗濯物ケア用組成物に関し;洗濯物ケア用組成物は、該洗濯物ケア用組成物で処理されたポリエステル含有織物品よりも測定可能に大きい増白効果をセルロース含有織物品に付与し、増白効果は各織物品上での白色度指数によって測定される。
【0020】
[0010]別の側面において、本発明は、セルロース含有織物品に対する増白効果を測定可能に改善するための方法であって、改善がポリエステル含有織物品において観察される量より大きい量で存在し、方法が、(a)セルロース含有織物基材を準備する工程と、(b)ポリエステル含有織物基材を準備する工程と、工程(a)および(b)の織物基材を、(i)洗濯物ケア用原料成分;および(ii)0.0001重量%~1.0重量%の式I:
【0021】
【化7】
【0022】
[式中、
各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、およびポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーからなる群から独立に選択され、各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、またはポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーの1~20個の繰返し単位の範囲で独立に存在し;
各々のRは、H、C1~4アルキル、アルコキシアルキル、ハロゲン、アリール、置換アルキルまたは置換アリール、-COR、-CHCOH、-COOR、-COOH、-SOH、-CHCOOH、-CHCHCl、-CH=CH、-CHCH(OH)、およびこれらの塩から独立に選択され;各々のRは、C1~18アルキル、アリール、置換アリール、および置換アルキルから独立に選択される]
の構造を有する重合体チオフェン色相調整剤で構成される洗濯物ケア用組成物に曝露する工程と、(d)各織物品の白色度指数の評価によって増白効果を測定する工程とを含む、方法に関する。
【0023】
[0011]別の側面において、本発明は、(a)重量の大部分を占めるセルロース繊維と、(b)(i)洗濯物ケア用原料成分;および(ii)0.0001重量%~1.0重量%の式III:
【0024】
【化8】
【0025】
の構造を有する重合体チオフェン色相調整剤を含む洗濯物ケア用組成物とを含有する、織物品に関する。
詳細な説明
[0012]ここで記載される本発明は、洗濯物ケア用原料成分および重合体チオフェン色相調整剤を含む洗濯物ケア用組成物である。本発明の一側面において、標準的な洗濯過程中に、洗濯物ケア用組成物を介して重合体チオフェン色相調整剤を織物品に添加する。重合体チオフェン色相調整剤を含有する洗濯物ケア用組成物を洗濯機に添加し、これにより、当該分子を織物品に直接接触させることができる。したがって、洗濯過程中に重合体チオフェン色相調整剤が織物品の少なくとも1つの表面上に沈着し、処理された織物品に対する増白の改善が実現される。
【0026】
[0013]ここで使用される場合、「アルコキシ」という用語は、C~Cアルコキシおよび繰返し単位、たとえば、ブチレンオキシド、グリシドールオキシド、エチレンオキシド、またはプロピレンオキシドを有するポリオールのアルコキシ誘導体を含むことが意図される。
【0027】
[0014]ここで使用される場合、別段の規定がなされない限り、「アルキル」および「アルキルでキャップされた」という用語は、C~C100アルキル基、C~C50アルキル基、C~C25アルキル基、またはさらにはC10~C20アルキル基を含むことが意図される。
【0028】
[0015]ここで使用される場合、別段の規定がなされない限り、「アリール」という用語は、C~C12アリール基を含むことが意図される。
【0029】
[0016]ここで使用される場合、別段の規定がなされない限り、「アリールアルキル」という用語は、C~C18アルキル基および、一側面においては、C~Cアルキル基を含むことが意図される。
【0030】
[0017]ここで使用される場合、別段の規定がなされない限り、「アルカノイル」という用語は、式-C(O)R(式中、Rはアルキル基、好ましくはC~C29アルキルである)である一価の基を指す。
【0031】
[0018]ここで使用される場合、別段の規定がなされない限り、「アルケニル」という用語は、非環式オレフィン型炭化水素より任意の炭素原子から水素原子を除去することで得られる、一価の基を指す。本定義の文脈において、「非環式オレフィン型炭化水素」という用語は、1つ以上の炭素-炭素二重結合を含む非環式炭化水素を指す。
【0032】
[0019]「エチレンオキシド」、「プロピレンオキシド」、および「ブチレンオキシド」という用語は、それぞれ、「EO」、「PO」、および「BO」というこれらの典型的な名称によりここで示される場合がある。
【0033】
[0020]別段の指示がなされない限り、すべての百分率および比は重量によって計算される。別段の指示がなされない限り、すべての百分率および比は全組成物を基準にして計算される。
【0034】
[0021]本発明における使用に好適な重合体チオフェン色相調整剤は、様々な基、たとえば、そのオキシアルキル化、アシル化、アルキル化、カルボニル化、およびオレフィン化誘導体等(このような基を個別に、選択的に、および/または組み合わせて導入することにより調製され、たとえば、このような基を付加する順序を変更すること、ならびにこのような基を付加する数および順序を増加させること等によって調製された誘導体を含む)を含んでいてもよい。
【0035】
[0022]一側面において、本発明は、洗濯物ケア用原料成分および0.0001重量%~1.0重量%の式I:
【0036】
【化9】
【0037】
[式中、
各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、およびポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーからなる群から独立に選択され、各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、またはポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーの1~20個の繰返し単位の範囲で独立に存在し;
各々のRは、H、C1~4アルキル、アルコキシアルキル、ハロゲン、アリール、置換アルキルまたは置換アリール、-COR、-CHCOH、-COOR、-COOH、-SOH、-CHCOOH、-CHCHCl、-CH=CH、-CHCH(OH)、およびこれらの塩から独立に選択され;各々のRは、C1~18アルキル、アリール、置換アリール、および置換アルキルから独立に選択される]
の構造を有する重合体チオフェン色相調整剤を含む、水性洗濯物ケア用組成物である。
【0038】
[0023]さらなる側面において、本発明は、洗濯物ケア用原料成分および0.0001重量%~1.0重量%の式I:
【0039】
【化10】
【0040】
[式中、
各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、およびポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーからなる群から独立に選択され、各々のAは、1~5個のポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、またはポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマー繰返し単位の範囲で独立に存在し;
各々のRは、HおよびC1~4アルキルから独立に選択される]
の構造を有する重合体チオフェン色相調整剤を含む、水性洗濯物ケア用組成物である。
【0041】
[0024]なおさらなる側面において、本発明は、洗濯物ケア用原料成分および0.0001重量%~1.0重量%の式II:
【0042】
【化11】
【0043】
[式中、
各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、およびポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーからなる群から独立に選択され、各々のAは、1~5個のポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、またはポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマー繰返し単位の範囲で独立に存在する]
の構造を有する重合体チオフェン色相調整剤を含む、水性洗濯物ケア用組成物である。
【0044】
[0025]重合体チオフェン色相調整剤は、1ppm~10000ppmの範囲の量、または1ppm~500ppmの範囲の量で洗濯物ケア用組成物中に存在していてもよい。
【0045】
[0026]洗濯物ケア用組成物は、洗濯物ケア用組成物の総重量基準で3%~97%の範囲、または洗濯物ケア用組成物の総重量基準で10%~90%の範囲、またはさらには洗濯物ケア用組成物の総重量基準で25%~75%の範囲の量の水を含んでいてもよい。
【0046】
[0027]本発明の水性洗濯物ケア用組成物は、液体形態、一回量包装形態、または多区画一回量包装形態で存在していてもよい。
【0047】
[0028]また、色相調整剤中の不純物が存在していてもよい。当業者であれば、アゾ染料を作製する場合に、位置異性体、不完全な反応、またはジアゾニウム塩のカップリング剤への二重カップリングと関連する不純物が生じる可能性があることを認識する。不純物には、たとえば、チオフェン部分に存在する、カルボン酸、ビスアミド、位置異性体アミド、またはカルボン酸、エステル、ニトリル、およびアミドの混合物が含まれる可能性がある。よって、水性洗濯物ケア用組成物は、以下の構造:
【0048】
【化12】
【0049】
のうちの少なくとも1つまたはその塩をさらに含有していてもよい。
【0050】
[0029]本発明の一側面において、水性洗濯物ケア用組成物は、カチオン性ポリマー、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染阻害剤、分散剤、酵素および酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素の供給源、予備形成された過酸、ポリマー分散剤、粘土・土汚れ除去/再沈着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、顔料、着色剤、香料、香料送達系、構造可塑剤、生地柔軟剤、担体、ハイドロトロープ、ならびに加工助剤からなる群から選択される洗濯物ケア用原料成分を含有する。
【0051】
[0030]本発明の洗濯物ケア用組成物で織物品を処理してもよい。この結果として、処理された織物品はここで記載されるような重合体チオフェン色相調整剤を含有していてもよい。本発明の一側面において、織物品はセルロース含有繊維で構成される。織物品は生地の形態であってもよい。よって、本発明は、ここで記載されるような重合体チオフェン色相調整剤を含有するセルロース含有生地を含む。
【0052】
[0031]織物品を処理して物品の外観を改善する方法は、(1)織物品を準備する工程と(2)織物品をここで記載されるような重合体チオフェン色相調整剤を含有する洗濯物ケア用組成物に曝露する工程とを含む。織物品を処理する方法は、(i)織物品をここで記載されるような水性または非水性洗濯物ケア用組成物で処理する工程と(ii)処理された織物品のすすぎおよび乾燥を行う工程とをさらに含んでいてもよい。本発明の洗濯物ケア用組成物で織物品を処理する方法は、水性であれ非水性であれ、漂白剤不使用であってもよい。
【0053】
[0032]本発明のアミド含有重合体チオフェン色相調整剤を作製するための方法は、塩基性条件下、たとえば、pH>9である条件下でニトリルの加水分解によってアミドを形成することを含んでいてもよい。塩基性条件は、炭酸塩、重炭酸塩、アミン、水酸化物、アルコキシド、およびこれらの混合物のうちの少なくとも1つの存在下で形成されてもよい。
【0054】
[0033]重合体チオフェン色相調整剤を含有する水性洗濯物ケア用組成物は、相対色相角>270、または270~310の範囲の相対色相角、または290~310の範囲の相対色相角で織物品に所望の色相を与えてもよい。
【0055】
[0034]本発明のなお別の側面において、(1)洗濯物ケア用原料成分と;(2)0.0001重量%~1.0重量%の式I:
【0056】
【化13】
【0057】
[式中、
各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、およびポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーからなる群から独立に選択され、各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、またはポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーの1~20個の繰返し単位の範囲で独立に存在し;
各々のRは、H、C1~4アルキル、アルコキシアルキル、ハロゲン、アリール、置換アルキルまたは置換アリール、-COR、-CHCOH、-COOR、-COOH、-SOH、-CHCOOH、-CHCHCl、-CH=CH、-CHCH(OH)、およびこれらの塩から独立に選択され;各々のRは、C1~18アルキル、アリール、置換アリール、および置換アルキルから独立に選択される]
の構造を有する重合体チオフェン色相調整剤と;(3)0.0001重量%~1.0重量%の式X:
【0058】
【化14】
【0059】
[式中、
各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、およびポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーからなる群から独立に選択され、各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、またはポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーの1~20個の繰返し単位の範囲で独立に存在し;
各々のRは、H、C1~4アルキル、アルコキシアルキル、ハロゲン、アリール、置換アルキルまたは置換アリール、-COR、-CHCOH、-COOR、-COOH、-SOH、-CHCOOH、-CHCHCl、-CH=CH、-CHCH(OH)、およびこれらの塩から独立に選択され;各々のRは、C1~18アルキル、アリール、置換アリール、および置換アルキルから独立に選択される]
の構造を有する重合体チオフェン色相調整剤とを含む、洗濯物ケア用組成物が存在する。
【0060】
[0035]本発明のさらなる側面において、(1)洗濯物ケア用原料成分と;(2)0.0001重量%~1.0重量%の式III:
【0061】
【化15】
【0062】
の構造を有する重合体チオフェン色相調整剤と;(3)0.0001重量%~1.0重量%の式Y:
【0063】
【化16】
【0064】
の構造を有する重合体チオフェン色相調整剤とを含む、洗濯物ケア用組成物が存在する。
【0065】
[0036]各々の重合体チオフェン色相調整剤は、1ppm~10000ppmの範囲の量、またはさらには1ppm~500ppmの範囲の量で組成物中に独立に存在する。式Iの重合体チオフェン色相調整剤および式Xの重合体チオフェン色相調整剤は、1:200~200:1の比、1:100~100:1の比、またはさらには1:3~3:1の比で存在する。本発明の別の側面において、式IIIの重合体チオフェン色相調整剤および式Yの重合体チオフェン色相調整剤は、1:200~200:1の比、1:100~100:1の比、またはさらには1:3~3:1の比で存在する。
【0066】
[0037]洗濯物ケア用組成物は、粉末形態、液体形態、一回量包装形態、または多区画一回量包装形態で存在していてもよい。
【0067】
[0038]また、色相調整剤中の不純物が存在していてもよい。不純物には、たとえば、チオフェン部分に存在する、カルボン酸、ビスアミド、位置異性体アミド、またはカルボン酸、エステル、ニトリル、およびアミドの混合物が含まれる可能性がある。よって、水性洗濯物ケア用組成物は、以下の構造:
【0068】
【化17】
【0069】
のうちの少なくとも1つまたはその塩をさらに含有していてもよい。
【0070】
[0039]洗濯物ケア用原料成分は、カチオン性ポリマー、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染阻害剤、分散剤、酵素および酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素の供給源、予備形成された過酸、ポリマー分散剤、粘土・土汚れ除去/再沈着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、顔料、着色剤、香料、香料送達系、構造可塑剤、生地柔軟剤、担体、ハイドロトロープ、ならびに加工助剤からなる群から選択されてもよい。
【0071】
[0040]洗濯物ケア用組成物は、210~345の範囲、または270~300の範囲の相対色相角を有し、これにより処理した織物品に所望の色相を与えてもよい。
【0072】
[0041]本発明のさらなる側面は、(i)洗濯物ケア用原料成分と;(ii)0.0001重量%~1.0重量%の式I:
【0073】
【化18】
【0074】
[式中、
各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、およびポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーからなる群から独立に選択され、各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、またはポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーの1~20個の繰返し単位の範囲で独立に存在し;
各々のRは、H、C1~4アルキル、アルコキシアルキル、ハロゲン、アリール、置換アルキルまたは置換アリール、-COR、-CHCOH、-COOR、-COOH、-SOH、-CHCOOH、-CHCHCl、-CH=CH、-CHCH(OH)、およびこれらの塩から独立に選択され;各々のRは、C1~18アルキル、アリール、置換アリール、および置換アルキルから独立に選択される]
の構造を有する重合体チオフェン色相調整剤とを含む、洗濯物ケア用組成物を含み;洗濯物ケア用組成物は、該洗濯物ケア用組成物で処理されたポリエステル含有織物品よりも測定可能に大きい増白効果をセルロース含有織物品に付与し、増白効果は各織物品上の白色度指数によって測定される。
【0075】
[0042]重合体チオフェン色相調整剤は、1ppm~10000ppmの範囲の量、または1ppm~500ppmの範囲の量で存在していてもよい。
【0076】
[0043]セルロース含有織物品は、洗濯物ケア用組成物で処理されたポリエステル含有織物基材より少なくとも2倍大きい増白効果を呈する可能性がある。セルロース含有織物品は、洗濯物ケア用組成物で処理されたポリエステル含有織物基材より少なくとも5倍大きい増白効果をさらに呈する可能性がある。
【0077】
[0044]重合体チオフェン色相調整剤はまた、ポリエステル含有織物品と比較した場合にセルロース含有織物品上で以下の式:
増白バイアス=(セルロース含有織物品の白色度の変化/ポリエステル含有織物品の白色度の変化)
によって測定される増白バイアスを生じ、増白効果は各織物品の白色度指数によって測定される。
【0078】
[0045]セルロース含有織物品は、綿、リネン、レーヨン、ジュート、麻、竹、およびこれらの混紡物からなる群から選択される繊維で構成されていてもよい。セルロース含有織物品は、重量の大部分を占める綿繊維で構成されていてもよい。セルロース含有織物品は、100%綿繊維で構成されていてもよい。ポリエステル含有織物品は、重量の大部分を占めるポリエステル繊維で構成されていてもよい。ポリエステル含有織物品は、100%ポリエステル繊維で構成されていてもよい。
【0079】
[0046]式Iの存在によりセルロース含有織物品に色相が与えられ、色相は相対色相角の測定によって決定される。本発明の洗濯物ケア用組成物で処理されたセルロース含有織物品は、280~345の範囲、または290~320の範囲の相対色相角を呈する可能性がある。
【0080】
[0047]また、色相調整剤中の不純物が存在していてもよい。不純物には、たとえば、チオフェン部分に存在する、カルボン酸、ビスアミド、位置異性体アミド、またはカルボン酸、エステル、ニトリル、およびアミドの混合物が含まれる可能性がある。よって、水性洗濯物ケア用組成物は、以下の構造:
【0081】
【化19】
【0082】
のうちの少なくとも1つまたはその塩をさらに含有していてもよい。
【0083】
[0048]洗濯物ケア用原料成分は、カチオン性ポリマー、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染阻害剤、分散剤、酵素および酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素の供給源、予備形成された過酸、ポリマー分散剤、粘土・土汚れ除去/再沈着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、顔料、着色剤、香料、香料送達系、構造可塑剤、生地柔軟剤、担体、ハイドロトロープ、ならびに加工助剤からなる群から選択されてもよい。
【0084】
[0049]本発明は、(i)織物品をここで記載されるような洗濯物ケア用組成物で処理する工程と(ii)処理された織物品のすすぎおよび乾燥を行う工程とを含む、織物品に対する増白効果/指数を増加させる方法も包含する。織物品を処理する工程は漂白剤不使用であってもよい。
【0085】
[0050]セルロース含有織物品に対する増白効果を測定可能に改善するための方法であって、改善がポリエステル含有織物品において観察される量より大きい量で存在し、方法が、(a)セルロース含有織物基材を準備する工程と、(b)ポリエステル含有織物基材を準備する工程と、工程(a)および(b)の織物基材を、(i)洗濯物ケア用原料成分;および(ii)0.0001重量%~1.0重量%の式I:
【0086】
【化20】
【0087】
[式中、
各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、およびポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーからなる群から独立に選択され、各々のAは、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、またはポリエチレンオキシ/ポリプロピレンオキシコポリマーの1~20個の繰返し単位の範囲で独立に存在し;
各々のRは、H、C1~4アルキル、アルコキシアルキル、ハロゲン、アリール、置換アルキルまたは置換アリール、-COR、-CHCOH、-COOR、-COOH、-SOH、-CHCOOH、-CHCHCl、-CH=CH、-CHCH(OH)、およびこれらの塩から独立に選択され;各々のRは、C1~18アルキル、アリール、置換アリール、および置換アルキルから独立に選択される]
の構造を有する重合体チオフェン色相調整剤で構成される洗濯物ケア用組成物に曝露する工程と、(d)各織物品の白色度指数の評価によって増白効果を測定する工程とを含む、方法もまたここで包含される。
【0088】
[0051]本発明の別の側面において、(a)重量の大部分を占めるセルロース繊維と(b)(i)洗濯物ケア用原料成分;および(ii)0.0001重量%~1.0重量%の式III:
【0089】
【化21】
【0090】
の構造を有する重合体チオフェン色相調整剤を含む洗濯物ケア用組成物とを含有する、織物品が存在する。
【0091】
[0052]本発明の一側面において、重合体チオフェン色相調整剤は任意の好適なアルキレンオキシ基を含むことができる。好適なアルキレンオキシ基としては、以下の式(C):
【0092】
【化22】
【0093】
のものが挙げられる。
【0094】
[0053]式(C)の構造および以下のアルキレンオキシ構造において、R101に結合している炭素原子はアミン基の窒素原子にも結合している。式(C)の構造において、各々のR101およびR102基は、水素、アルキル、アリール、アルコキシアルキル、およびアリールオキシアルキルからなる群から独立に選択される。R105はオキシアルキレンの末端基であり、水素、アルキル基(たとえば、C~Cアルキル基)、およびアリール基からなる群から選択することができ、水素が好ましい。好ましくは、各々のR101およびR102基は、水素およびアルキル(たとえば、C~Cアルキル)からなる群から独立に選択される。変数aは1以上(たとえば、1~100)の整数である。アルキレンオキシ基における各モノマー単位について、R101およびR102基は言及された基から独立に選択される。よって、変数aが1より大きい場合、アルキレンオキシ基は、共有結合してアルキレンオキシ基を形成する2つ以上のモノマー単位、またはさらには3つ以上のモノマー単位で構成することができる。アルキレンオキシ基が2つ以上のモノマー単位(またはさらには3つ以上のモノマー単位)を含む場合、これらのモノマー単位はブロック構成またはランダム構成の何れかで配置することができるが、ブロック構成が一般により好ましい。好ましい態様において、アルキレンオキシ基は、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、およびブチレンオキシからなる群から独立に選択されるモノマー単位を含む。このようなアルキレンオキシ基の好適な一例は、以下の式(CI):
【0095】
【化23】
【0096】
である。
【0097】
[0054]式(CI)の構造において、変数x、y、およびzは、0および正の整数(たとえば、1~約100の正の整数)からなる群から独立に選択される。好ましくは、x、y、およびzの和は、2以上または3以上(たとえば、2~約300、3~約300、2~約200、3~約200、2~約100、3~約100、2~約50、3~約50、2~約30、3~約30、2~約25、3~約25、2~約20、3~約20、2~約15、3~約15、2~約10、または3~約10)である。R105はオキシアルキレンの末端基であり、水素、アルキル基(たとえば、C~Cアルキル基)、およびアリール基からなる群から選択することができ、水素が好ましい。ある特定の好ましい可能性のある態様において、アルキレンオキシ基は、ブロック構成で配置されたエチレンオキシおよびプロピレンオキシモノマー単位を含む。このようなアルキレンオキシ基の好適な例としては、以下の式(CII)および(CIII):
【0098】
【化24】
【0099】
のものが挙げられる。
【0100】
[0055]式(CII)および(CIII)の構造において、変数t、u、v、q、r、およびsは、0および正の整数(たとえば、1~約100の正の整数)からなる群から独立に選択される。好ましくは、t、u、およびvならびにq、r、およびsの和は2以上または3以上(たとえば、2~約300、3~約300、2~約200、3~約200、2~約100、3~約100、2~約50、3~約50、2~約30、3~約30、2~約25、3~約25、2~約20、3~約20、2~約15、3~約15、2~約10、または3~約10)である。R105はオキシアルキレンの末端基であり、水素、アルキル基(たとえば、C~Cアルキル基)、およびアリール基からなる群から選択することができ、水素が好ましい。
【0101】
[0056]アルコキシ化は当業者に周知の手順で実施される(たとえば、米国特許第4,137,243号;第5,082,938号;第5,135,972号;第5,591,833号;第6,593,483号;第7,587,857号;第9,056,963号;および第9,068,081号を参照)。好適なC~Cアルコキシまたは繰返し単位を有するポリオールのアルコキシ誘導体としては、アルキレンオキシドが挙げられる。アルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、およびこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。アルキレンオキシド基は、ポリアルキレンオキシ鎖として知られるポリマー鎖の形態であってもよい。「ポリアルキレンオキシ」という用語は、ここで使用される場合、以下の繰返し単位を含む分子構造を一般に指す:-CHCHO-、CHCHCHO-、-CHCHCHCHO-、-CHCH(CH)O-、-CHCH(CHCH)O- CHCHCH(CH)O-、およびこれらの任意の組合せ。このような基の典型は重合体エポキシド、たとえば、ポリアルキレンオキシドおよびこれらのコポリマーである。典型的なポリアルキレンオキシドおよびそのコポリマーとしては、2~20個の炭素原子、またはより好ましくは2~6個の炭素原子を含むアルキレンオキシドモノマーから作製されたものが挙げられる。例としては、ポリエチレンオキシド;ポリプロピレンオキシド;ポリブチレンオキシド;オキセタン;テトラヒドラフラン;ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、およびポリブチレンオキシドのコポリマー;ならびにポリマー置換基の大部分がポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、および/またはポリブチレンオキシドであるブロックコポリマーをはじめとした他のコポリマーが挙げられる。さらに、このようなポリアルキレンオキシ基は約132~約10,000、好ましくは約176~約5000の範囲の平均分子量を有していてもよい。
【0102】
[0057]典型的には、アルコキシ分子は重合体チオフェン色相調整剤を構成する鎖の末端のキャップを形成する。したがって、結果的に生じるアルコキシ化重合体チオフェン色相調整剤は、0.5~50、または1~50、または1~30、または1~20、または1~10、または2~50、または2~30、または2~20、または2~10、または3~50、または3~30、または3~20、または3~10、または4~50、または4~30、または4~20、または4~10の平均アルコキシ化度を有していてもよい。
【0103】
[0058]本発明の重合体チオフェン色相調整剤(複数可)で構成される洗濯物ケア用組成物(複数可)で処理された織物基材は、合成繊維、天然繊維、または合成繊維と天然繊維の組合せで構成されていてもよい。合成繊維としては、たとえば、ポリエステル、アクリル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアラミド、ポリウレタン、再生セルロース(すなわち、レーヨン)、およびこれらの混紡物が挙げられる。「ポリアミド」という用語は、ポリマー鎖の不可欠な部分として、反復するアミド基(-NH-CO-)を有する任意の長鎖ポリマーを記述することが意図される。ポリアミドの例としては、ナイロン6;ナイロン6,6;ナイロン1,1;およびナイロン6,10が挙げられる。「ポリエステル」という用語は、反復するエステル基(-C(O)-O-)を有する任意の長鎖ポリマーを記述することが意図される。ポリエステルの例としては、芳香族ポリエステル、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、およびポリトリフェニレンテレフタレート、ならびに脂肪族ポリエステル、たとえば、ポリ乳酸(PLA)が挙げられる。「ポリオレフィン」としては、たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレン、およびこれらの組合せが挙げられる。「ポリアミド」としては、たとえば、ポリ-p-フェニレンテラフタルアミド(すなわち、Kevlar(登録商標))、ポリ-m-フェニレンテラフタルアミド(すなわち、Nomex(登録商標))、およびこれらの組合せが挙げられる。天然繊維としては、たとえば、羊毛、綿、亜麻、およびこれらの混紡物が挙げられる。
【0104】
[0059]織物基材は、マイクロデニール繊維および紡績糸(1フィラメント当たり1デニール未満の繊維または紡績糸)を含む、任意のサイズの繊維または紡績糸から形成されていてもよい。繊維または紡績糸は1フィラメント当たり約1デニール未満~1フィラメント当たり約2000デニール、またはより好ましくは1フィラメント当たり約1デニール未満~1フィラメント当たり約500デニール、またはさらにより好ましくは1フィラメント当たり約1デニール未満~1フィラメント当たり約300デニールの範囲のデニール数を有していてもよい。
【0105】
[0060]さらに、織物基材は複数成分または二成分の繊維または紡績糸で部分的にまたは全体として構成されていてもよく、これは分離可能であってもよく、または化学的もしくは機械的作用によって長さ方向に部分的にもしくは完全に分離している。織物基材は繊維、たとえば、短繊維、長繊維、紡糸繊維、またはこれらの組合せで構成されていてもよい。
【0106】
[0061]織物基材は何れの種類のものであってもよく、それらとしては、織布、編物、不織布、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。織物基材は様々な染色技法、たとえば、分散染料を用いた高温ジェット染色、建染め、サーモゾル染色、パッド染色、転写印刷、シルクスクリーン、または同等の織物製品のための当技術分野において一般的な他の任意の技法によって、任意に着色されていてもよい。織物基材を構成する紡績糸または繊維は、生地を形成する前に、好適な方法、たとえば、パッケージ染色または溶液染色によって任意に染色されていてもよい。
【0107】
[0062]織物基材としては、たとえば、服飾の物品、たとえば、外衣(たとえば、雨具)、仕事着(たとえば、制服)、ファッション服飾品(たとえば、シャツ、パンツ、および他の衣服);飾り布;家庭用リネン製品(たとえば、食卓用リネン類およびナプキン);住居用室内装飾品;業務用室内装飾品;自動車用車内装飾品;壁紙;床敷設用物品(たとえば、カーペット、敷物、およびマット);人間用の寝床(たとえば、マットレス、マットレスカバー等);ペット用の寝床;アウトドア用の生地(たとえば、アウトドア用の家具、天幕、ボートカバー、およびグリルカバー);医療用包帯(たとえば、創傷のケアにおいて使用するための生地);および脱色を処理(前記脱色を制御(たとえば、防止する、除去する、および/または改善する)ことが望ましい)することができる、他の任意の物品が挙げられる。
【0108】
[0063]本発明の重合体チオフェン色相調整剤を洗濯物ケア用組成物中に組み込んでもよく、洗濯物ケア用組成物としては、洗濯用洗剤および生地処理用組成物が挙げられるがこれらに限定されない。ここで使用される場合、「洗濯物ケア用組成物」という用語は、別段の指示がなされない限り、顆粒状、粉末状、液状、ゲル状、ペースト状、一回量包装棒状形態および/またはフレーク型の洗浄剤および/または生地処理用組成物を含む。ここで使用される場合、「生地処理用組成物」という用語は、別段の指示がなされない限り、生地柔軟仕上げ組成物、生地強化組成物、生地再生組成物、およびこれらの組合せを含む。このような組成物はすすぎ剤添加組成物であってもよいが、そうである必要はない。
【0109】
[0064]本発明の洗濯物ケア用組成物は、重合体チオフェン色相調整剤の1つ以上および洗濯物ケア用原料成分を含む。重合体チオフェン色相調整剤を様々な応用技法を使用して物品に添加してもよい。織物品に適用するためには、重合体チオフェン色相調整は好ましくは添加物として洗濯用洗剤中に含まれる。したがって、消費者が洗濯用洗剤を洗濯機に添加する場合に織物品への適用が実際に発生する。同様に、典型的な洗濯過程において、洗剤溶液を使用しすすぎ溶液で置きかえた後のすすぎサイクル中に、すすぎ剤添加生地柔軟仕上げ(「RAFS」:rinse added fabric softening)組成物が一般的に添加される。
【0110】
[0065]重合体チオフェン色相調整剤は、洗濯物ケア用組成物(たとえば、洗濯用洗剤組成物)中に組成物の約0.0001重量%~約10重量%、より好ましくは組成物の約0.0001重量%~約5重量%、さらにより好ましくは組成物の約0.0001重量%~約1重量%の量で存在していてもよい。
【0111】
[0066]洗濯用洗剤組成物は、所望の洗浄特性を与えるのに十分な量の界面活性剤を含む。一態様において、洗濯用洗剤組成物は、約5重量%~約90重量%、より具体的には約5重量%~約70重量%、さらにより具体的には約5重量%~約40重量%の界面活性剤を含む。界面活性剤は、アニオン、非イオン、カチオン、双性イオン、および/または両性界面活性剤を含んでいてもよい。より具体的な態様において、洗剤組成物は、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、またはこれらの混合物を含む。
【0112】
[0067]ここで有用な好適なアニオン界面活性剤は、液体洗剤製品中に典型的に使用される通常のアニオン界面活性剤の種類の何れかを含むことができる。それらとしては、アルキルベンゼンスルホン酸およびこれらの塩、ならびにアルコキシ化または非アルコキシ化アルキルサルフェート材料が挙げられる。
【0113】
[0068]代表的なアニオン界面活性剤は、C10~16アルキルベンゼンスルホン酸、好ましくはC11~14アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩である。好ましくは、アルキル基は直鎖状であり、このような直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩は「LAS」として知られる。アルキルベンゼンスルホン酸塩、特にLASは、当技術分野において周知である。このような界面活性剤およびそれらの調製物は、たとえば、米国特許第2,220,099号および第2,477,383号に記載されている。とりわけ好ましいのは、アルキル基中の炭素原子の平均数が約11~14である、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびカリウムである。C11~C14、たとえば、C12、LASナトリウムは、このような界面活性剤の具体例である。
【0114】
[0069]別の代表的な種類のアニオン界面活性剤は、エトキシ化アルキルサルフェート界面活性剤を含む。このような物質はアルキルエーテルサルフェートまたはアルキルポリエトキシレートサルフェートとしても知られ、式R’-O-(CO)-SOM(式中、R’はC~C20アルキル基であり、nは約1~20であり、Mは塩形成カチオンである)に相当する物質である。具体的な態様において、R’はC10~C18アルキルであり、nは約1~15であり、Mはナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウム、またはアルカノールアンモニウムである。より具体的な態様において、R’はC12~C16であり、nは約1~6、またはさらには約1~3もしくは約1~1.5であり、Mはナトリウムである。
【0115】
[0070]アルキルエーテルサルフェートは一般に、様々なR’鎖長および様々なエトキシ化度を含む混合物の形態で使用される。多くの場合、このような混合物は、いくつかの非エトキシ化アルキルサルフェート物質、すなわち、上記のエトキシ化アルキルサルフェートの式でn=0の界面活性剤もまた不可避的に含有する。また、非エトキシ化アルキルサルフェートを本発明の組成物に別個に添加し、存在していてもよい何れかのアニオン界面活性剤成分として、またはその中において使用してもよい。非アルコキシ化、たとえば、非エトキシ化アルキルエーテルサルフェート界面活性剤の具体例は、高級C~C20脂肪アルコールのサルフェート化によって生成されるものである。通常の第一級アルキルサルフェート界面活性剤は一般式:ROSO-M(式中、Rは典型的には直鎖状C~C20炭化水素基であり、これは直鎖でも分枝鎖でもよく、Mは水可溶化カチオンである)を有する。具体的な態様において、RはC10~C15アルキルであり、Mはアルカリ金属であり、より具体的には、RはC12~C14であり、Mはナトリウムである。
【0116】
[0071]ここで有用なアニオン界面活性剤の具体的で非限定的な例としては、a)C11~C18アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS);b)C10~C20第一級分枝鎖ランダムアルキルサルフェート(AS);c)C10~C18第二級(2,3)アルキルサルフェート;d)C10~C18アルキルアルコキシサルフェート(AES)(式中、好ましくは、xは1~30である);e)好ましくは1~5個のエトキシ単位を含むC10~C18アルキルアルコキシカルボキシレート;f)米国特許第6,020,303号および米国特許第6,060,443号で解説されているような、中鎖分枝アルキルサルフェート;g)米国特許第6,008,181号および米国特許第6,020,303号で解説されているような、中鎖分枝アルキルアルコキシサルフェート;h)WO99/05243、WO99/05242、WO99/05244、WO99/05082、WO99/05084、WO99/05241、WO99/07656、WO00/23549、およびWO00/23548で解説されているような、変性アルキルベンゼンスルホン酸塩(MLAS);i)メチルエステルスルホネート(MES);ならびにj)アルファ-オレフィンスルホネート(AOS)が挙げられる。
【0117】
[0072]ここで有用な好適な非イオン界面活性剤は、液体洗剤製品中に典型的に使用される通常の非イオン界面活性剤の種類の何れかを含むことができる。それらとしては、アルコキシ化脂肪アルコールおよびアミンオキシド界面活性剤が挙げられる。ここで液体洗剤製品中での使用に好ましいものは、通常は液体である非イオン界面活性剤である。
【0118】
[0073]ここでの使用に適した好適な非イオン界面活性剤としては、アルコールアルコキシレート非イオン界面活性剤が挙げられる。アルコールアルコキシレートは、一般式:R(C2mO)OH(式中、RはC~C16アルキル基であり、mは2~4であり、nは約2~12の範囲である)に相当する物質である。好ましくは、Rは、約9~15個の炭素原子、より好ましくは約10~14個の炭素原子を含むアルキル基であり、これは第一級であっても第二級であってもよい。一態様において、アルコキシ化脂肪アルコールは、1分子当たり約2~12個のエチレンオキシド部分、より好ましくは1分子当たり約3~10個またはさらには約7~9個のエチレンオキシド部分を含む、エトキシ化物質でもある。
【0119】
[0074]ここでの液体洗剤製品において有用であるアルコキシ化脂肪アルコール物質は、多くの場合、約3~17の範囲の親水性-親油性比(HLB)を有する。より好ましくは、この物質のHLBは約6~15の範囲であり、より好ましくは約8~15の範囲である。アルコキシ化脂肪アルコール非イオン界面活性剤は、NeodolおよびDobanolの商品名でShell Chemical Companyより販売されている。
【0120】
[0075]ここで有用な別の好適な種類の非イオン界面活性剤は、アミンオキシド界面活性剤を含む。アミンオキシドは、当技術分野において「半極性」非イオン性物質と称されることが多い。アミンオキシドは、式:R(EO)(PO)(BO)N(O)(CHR’)・qHOを有する。この式中、Rは、飽和または不飽和、直鎖状または分枝状であり得、8~20個、好ましくは10~16個の炭素原子を含むことができ、より好ましくはC12~C16第一級アルキルである、相対的に長鎖の炭化水素部分である。R’は、好ましくは水素、メチル、および--CHOHから選択される、短鎖部分である。x+y+zが0とは異なる場合、EOはエチレンオキシであり、POはプロピレンネオキシであり、BOはブチレンオキシである。アミンオキシド界面活性剤としては、C12~14アルキルジメチルアミンオキシドが挙げられる。
【0121】
[0076]非イオン界面活性剤の非限定的な例としては、a)C12~C18アルキルエトキシレート、たとえば、ShellによるNEODOL(登録商標)非イオン界面活性剤;b)アルコキシレート単位がエチレンオキシおよびプロピレンオキシ単位の混合物である、C6~12アルキルフェノールアルコキシレート;c)エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとのC12~C18アルコールおよびC~C12アルキルフェノール縮合物、たとえば、BASFによるPluronic(登録商標);d)米国特許第6,150,322号で解説されているような、C14~C22中鎖分枝状アルコール、BA;e)米国特許第6,153,577号、米国特許第6,020,303号、および米国特許第6,093,856号で解説されているような、C14~C22中鎖分枝状アルキルアルコキシレート、BAE(式中、xは1~30である);f)1986年1月26日に発行されたLlenadoの米国特許第4,565,647号で解説されているような、アルキル多糖;具体的には、米国特許第4,483,780号および米国特許第4,483,779号で解説されているような、アルキルポリグリコシド;g)米国特許第5,332,528号、WO92/06162、WO93/19146、WO93/19038、およびWO94/09099で解説されているような、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド;ならびにh)米国特許第6,482,994号およびWO01/42408で解説されているような、エーテルキャッピングポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。
【0122】
[0077]ここでの洗濯用洗剤組成物において、洗浄性界面活性剤成分は、アニオン界面活性剤物質と非イオン界面活性剤物質の組合せを含んでいてもよい。この場合、アニオン性物質と非イオン性物質との重量比は、典型的には10:90~90:10、より典型的には30:70~70:30である。
【0123】
[0078]カチオン界面活性剤は当技術分野において周知であり、それらの非限定的な例としては、26個以下の炭素原子を有し得る第四級アンモニウム界面活性剤が挙げられる。さらなる例としては、a)米国特許第6,136,769号で解説されているような、アルコキシ化第四級アンモニウム(AQA)界面活性剤;b)米国特許第6,004,922号で解説されているような、ジメチルヒドロキシエチル第四級アンモニウム;c)WO98/35002、WO98/35003、WO98/35004、WO98/35005、およびWO98/35006で解説されているような、ポリアミンカチオン界面活性剤;d)米国特許第4,228,042号、第4,239,660号 第4,260,529号、および米国特許第6,022,844号で解説されているような、カチオンエステル界面活性剤;ならびにe)米国特許第6,221,825号およびWO00/47708で解説されているような、アミノ界面活性剤、具体的には、アミドプロピルジメチルアミン(APA)が挙げられる。
【0124】
[0079]双性イオン界面活性剤の非限定的な例としては、第二級および第三級アミンの誘導体、複素環式第二級および第三級アミンの誘導体、または第四級アンモニウム、第四級ホスホニウム、もしくは第三級スルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。1975年12月30日に発行されたLaughlinらの米国特許第3,929,678号、たとえば、双性イオン界面活性剤の19欄38行~22欄48行を参照されたい;アルキルジメチルベタインおよびココジメチルアミドプロピルベタイン、C~C18(好ましくはC12~C18)アミンオキシド、ならびにスルホおよびヒドロキシベタイン、たとえば、アルキル基がC~C18、好ましくはC10~C14であり得るN-アルキル-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパンスルホネートを含む、ベタイン。
【0125】
[0080]両性イオン界面活性剤の非限定的な例としては、第二級または第三級アミンの脂肪族誘導体、または脂肪族ラジカルが直鎖もしくは分枝鎖であり得る複素環式第二級および第三級アミンの脂肪族誘導体が挙げられる。脂肪族置換基の1つは少なくとも約8個の炭素原子、典型的には約8~約18個の炭素原子を含み、少なくとも1つはアニオン性水可溶化基、たとえば、カルボキシ、スルホネート、サルフェートを含む。1975年12月30日に発行されたLaughlinらの米国特許第3,929,678号、たとえば、両性イオン界面活性剤の19欄18~35行を参照されたい。
【0126】
[0081]注記したように、組成物は、粒子、フレーク等を含むがこれらに限定されない、錠剤もしくは粒子状形態のいずれかの形態である、固体の形態であってもよく、または組成物は液体の形態であってもよい。液体洗剤組成物は、水性非界面活性液体担体を含む。一般に、ここで組成物中に利用される水性非界面活性液体担体の量は、組成物の成分を可溶化、懸濁、または分散するのに有効である。たとえば、組成物は、約5重量%~約90重量%、より具体的には約10重量%~約70重量%、さらにより具体的には約20重量%~約70重量%の水性非界面活性液体担体を含んでいてもよい。
【0127】
[0082]最も対費用効果の高い種類の水性非界面活性液体担体は、当然のことながら、水それ自体である。したがって、一般に、水性非界面活性液体担体成分は、完全にではないがほとんどが水で構成される。しかしながら、他の種類の水混和性液体、たとえば、アルカノール、ジオール、他のポリオール、エーテル、アミン等、およびこれらの混合物もまた、水に加えてまたは水の代わりに、共溶媒または安定剤として液体洗剤組成物に添加してもよい。したがって、一般に、液体洗剤組成物の水性非界面活性液体担体成分は、組成物の約5重量%~約90重量%、より好ましくは組成物の約20重量%~約70重量%の範囲の濃度で存在する。
【0128】
[0083]洗剤組成物はまた、漂白剤を含有していてもよい。好適な漂白剤としては、たとえば、過酸化水素の供給源、たとえば、ここで援用されるKirk Othmer’s Encyclopedia of Chemical Technology、第4版(1992、John Wiley & Sons)、4巻、271~300頁「Bleaching Agents(Survey).」に詳細に記載されているものが挙げられる。これらの過酸化水素源としては種々の形態の過ホウ酸ナトリウムおよび過炭酸ナトリウムが挙げられ、これらの化合物の被覆および改変された形態を含む。
【0129】
[0084]ここで使用される好ましい過酸化水素の供給源は、過酸化水素それ自体を含む、任意の好都合な供給源とすることができる。たとえば、過ホウ酸塩、たとえば、過ホウ酸ナトリウム(任意の水和物だが好ましくは一または四水和物)、炭酸ナトリウム過酸化水素化物もしくは等価な過炭酸塩、ピロリン酸ナトリウム過酸化水素化物、尿素過酸化水素化物、または過酸化ナトリウムをここで使用することができる。利用可能な酸素の供給源、たとえば、過硫酸塩漂白剤(たとえば、DuPont製のOXONE)もまた有用である。過ホウ酸ナトリウム一水和物および過炭酸ナトリウムが特に好ましい。任意の好都合な過酸化水素源の混合物を使用することもできる。
【0130】
[0085]好適な過炭酸塩漂白剤は約500マイクロメートル~約1,000マイクロメートルの範囲の平均粒径を有する乾燥粒子を含み、粒子の約10重量%以下が約200マイクロメートルより小さく、粒子の約10重量%以下が約1,250マイクロメートルより大きい。過炭酸塩は、ケイ酸塩、ホウ酸塩、または水溶性界面活性剤で任意に被覆することができる。過炭酸塩は種々の供給業者、たとえば、FMC、Solvay、およびTokai Denkaから入手可能である。
【0131】
[0086]本発明の組成物はまた、漂白剤として、塩素系漂白物質を含んでいてもよい。このような薬剤は当技術分野において周知であり、たとえば、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(「NaDCC」)が挙げられる。しかしながら、塩素系漂白剤は酵素を含む組成物にとってあまり好ましくない。
【0132】
[0087](a)漂白活性化剤-好ましくは、組成物中の過酸素漂白剤成分が活性化剤(過酸前駆体)と配合される。活性化剤は、組成物の約0.01重量%から、好ましくは約0.5重量%から、より好ましくは約1重量%~約15重量%まで、好ましくは約10重量%まで、より好ましくは約8重量%までのレベルで存在する。漂白活性化剤は、ここで使用される場合、過酸化水素と共に使用されると供給源が漂白活性化剤に対応する過酸のインサイチュー生成を生じさせる、任意の化合物である。活性化剤の様々な非限定的な例は、米国特許第5,576,282号;第4,915,854号、および第4,412,934号に開示されている。ここで有用な他の典型的な漂白剤および活性化剤については、米国特許第4,634,551号も参照されたい。
【0133】
[0088]好ましい活性化剤は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、ベンゾイルカプロラクタム(BzCL)、4-ニトロベンゾイルカプロラクタム、3-クロロベンゾイルカプロラクタム、ベンゾイルオキシベンゼンスルホネート(BOBS)、ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)、安息香酸フェニル(PhBz)、デカノイルオキシベンゼンスルホネート(C10-OBS)、ベンゾイルバレロラクタム(BZVL)、オクタノイルオキシベンゼンスルホネート(C-OBS)、過加水分解性エステル、およびこれらの混合物、最も好ましくは、ベンゾイルカプロラクタムおよびベンゾイルバレロラクタムからなる群から選択される。約8~約11のpH範囲における特に好ましい漂白活性化剤は、OBSまたはVL脱離基を有するものから選択される。
【0134】
[0089]好ましい疎水性漂白活性化剤としては、ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS);4-[N-(ノナノイル)アミノヘキサノイルオキシ]-ベンゼンスルホネートナトリウム塩(NACA-OBS)この例は、米国特許第5,523,434号に記載されている;ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート(LOBSまたはC12-OBS);10-ウンデセノイルオキシベンゼンスルホネート(UDOBSまたは10位に不飽和を有するC11-OBS);およびデカノイルオキシ安息香酸(DOBA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0135】
[0090]好ましい漂白活性化剤は、Burnsらの米国特許第5,998,350号;Christieらの米国特許第5,698,504号;Christieらの米国特許第5,695,679号;Willeyらの米国特許第5,686,401号;Hartshornらの米国特許第5,686,014号;Willeyらの米国特許第5,405,412号;Willeyらの米国特許第5,405,413号;Mitchelらの米国特許第5,130,045号;およびChungらの米国特許第4,412,934、ならびに同時係属中の特許出願番号第08/064,564号に記載されているものであり、これらのすべては参照によりここで援用される。
【0136】
[0091]本発明における過酸素源(AvOとして)と漂白活性化剤とのモル比は、一般に、少なくとも1:1から、好ましくは約20:1から、より好ましくは約10:1から、約1:1まで、好ましくは約3:1までの範囲である。
【0137】
[0092]また、第四級置換漂白活性化剤が含まれていてもよい。本発明の洗濯用組成物は、好ましくは、第四級置換漂白活性化剤(QSBA)または第四級置換過酸(QSP、好ましくは第四級置換過カルボン酸または第四級置換ペルオキシイミド酸)を含み;より好ましくは、前者を含む。好ましいQSBA構造は、Willeyらの米国特許第5,686,015号;Taylorらの米国特許第5,654,421号;Gosselinkらの米国特許第5,460,747号;Miracleらの米国特許第5,584,888号;およびTaylorらの米国特許第5,578,136号にさらに記載されており;これらのすべては参照によりここで援用される。
【0138】
[0093]ここで有用な大いに好ましい漂白活性化剤は、各々がここで上記において引用されている、米国特許第5,698,504号;第5,695,679号;および第5,686,014号に記載されているように、アミドで置換されている。このような漂白活性化剤の好ましい例としては、(6-オクタンアミドカプロイル)オキシベンゼンスルホネート、(6-ノナンアミドカプロイル)オキシベンゼンスルホネート、(6-デカンアミドカプロイル)オキシベンゼンスルホネート、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0139】
[0094]他の有用な活性化剤は、各々がここで上記において引用されている、米国特許第5,698,504号;第5,695,679号;および第5,686,014号、ならびにHodgeらの米国特許第4,966,723号に開示されている。これらの活性化剤としては、ベンゾオキサジン型活性化剤、たとえば、1,2位において-C(O)OC(R)=N-部分が縮合したC環が挙げられる。
【0140】
[0095]ニトリル、たとえば、アセトニトリルおよび/またはアンモニウムニトリルならびに他の第四級窒素含有ニトリルは、ここで有用なもう1つのクラスの活性化剤である。このようなニトリル漂白活性化剤の非限定的な例は、米国特許第6,133,216号;第3,986,972号;第6,063,750号;第6,017,464号;第5,958,289号;第5,877,315号;第5,741,437号;第5,739,327号;および第5,004,558号;ならびに欧州特許第790 244号、第775 127号、第1 017 773号、および第1 017 776号;ならびにWO99/14302、WO99/14296、およびWO96/40661に記載されており、これらのすべては参照によりここで援用される。
【0141】
[0096]活性化剤および詳細な用途に応じて、使用時のpHが約6~約13、好ましくは約9.0~約10.5である漂白系から、良好な漂白結果を得ることができる。たとえば、中性付近または中性未満のpH範囲に対しては、典型的には電子吸引性部分を有する活性化剤が使用される。アルカリおよび緩衝剤を使用してそのようなpHを確保することができる。
【0142】
[0097]各々がここで上記において引用されている、米国特許第5,698,504号;第5,695,679号、および第5,686,014号に記載されているような、アシルラクタム活性化剤、とりわけアシルカプロラクタム(たとえば、WO94-28102Aを参照)およびアシルバレロラクタム(参照によりここで援用される、Willeyらの米国特許第5,503,639号を参照)がここで非常に有用である。
【0143】
[0098](b)有機過酸化物、とりわけジアシルペルオキシド-これらは、Kirk Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology、17巻、John Wiley and Sons、1982 27~90頁、特に63~72頁において重点的に説明されており、すべてが参照によりここで援用される。ジアシルペルオキシドが使用される場合、これは、好ましくは、色のケアをはじめとした生地のケアに対して最小限の悪影響を与えるものである。
【0144】
[0099](c)金属含有漂白触媒-本発明の組成物および方法はまた、金属含有漂白触媒、好ましくはマンガンおよびコバルト含有漂白触媒を任意に含むことができる。
【0145】
[00100]金属含有漂白触媒の一種は、決まった漂白触媒活性を有する遷移金属カチオン(たとえば、銅、鉄、チタン、ルテニウム タングステン、モリブデン、またはマンガンカチオン)、漂白触媒活性をほとんどまたはまったく有さない補助的金属カチオン(たとえば、亜鉛またはアルミニウムカチオン)、ならびに触媒および補助的金属カチオンに対して決まった安定度定数を有する封鎖剤、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、およびこれらの水溶性塩を含む、触媒系である。このような触媒は、Braggの米国特許第4,430,243号に開示されている。
【0146】
[00101]マンガン金属錯体-所望であれば、ここでの組成物をマンガン化合物によって触媒することができる。このような化合物および使用の程度は当技術分野において周知であり、たとえば、米国特許第5,576,282号;第5,246,621号;第5,244,594号;第5,194,416号;および第5,114,606号;ならびに欧州特許出願公開番号第549,271A1号;第549,272A1号;第544,440A2号;および第544,490A1号に開示されているマンガン系触媒が挙げられる。これらの触媒の好ましい例としては、MnIV (u-O)(1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン)-(PF、MnIII (u-O)(u-OAc)(1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン)(ClO、MnIV (u-O)(1,4,7-トリアザシクロノナン)(ClO、MnIIIMnIV (u-O)(u-OAc)-(1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン)(ClO、MnIV(1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン)-(OCH(PF)、およびこれらの混合物が挙げられる。他の金属系漂白触媒としては、米国特許第4,430,243号および第5,114,611号に開示されているものが挙げられる。漂白を強化するために種々の錯体配位子と共にマンガンを使用することは、以下においても報告されている:米国特許第4,728,455号;第5,284,944号;第5,246,612号;第5,256,779号;第5,280,117号;第5,274,147号;第5,153,161号;および第5,227,084号。
【0147】
[00102]コバルト金属錯体-ここで有用なコバルト漂白触媒は公知であり、たとえば、米国特許第5,597,936号;第5,595,967号;および第5,703,030号;ならびにM.L.Tobe、「Base Hydrolysis of Transition-Metal Complexes」、Adv.Inorg.Bioinorg.Mech.、(1983)、2、1~94頁に記載されている。ここで有用な最も好ましいコバルト触媒は式[Co(NHOAc]Ty(式中、「OAc」はアセテート部分を表し、「Ty」はアニオンを表す)を有するコバルトペンタアミンアセテート塩、とりわけ、コバルトペンタアミンアセテートクロリド[Co(NHOAc]Cl;ならびに[Co(NHOAc](OAc);[Co(NHOAc](PF;[Co(NHOAc](SO);[Co(NHOAc](BF;および[Co(NHOAc](NO(ここでは「PAC」)である。
【0148】
[00103]これらのコバルト触媒は公知の手順によって、たとえば、米国特許第6,302,921号;第6,287,580号;第6,140,294号;第5,597,936号;第5,595,967号;および第5,703,030号;Tobeの論文およびそこで引用されている参考文献;ならびに米国特許第4,810,410号;J.Chem.編(1989)、66(12)、1043~45;The Synthesis and Characterization of Inorganic Compounds、W.L.Jolly(Prentice-Hall;1970)、461~3頁;Inorg. Chem.、18、1497~1502(1979);Inorg. Chem.、21、2881~2885(1982);Inorg. Chem.、18、2023~2025(1979);Inorg.Synthesis、173~176頁(1960);ならびにJournal of Physical Chemistry、56、22~25(1952)で教示されているように、容易に調製される。
【0149】
[00104]マクロ多環式リジッド配位子の遷移金属錯体-ここでの組成物はまた、好適には、マクロ多環式リジッド配位子の遷移金属錯体を漂白触媒として含んでいてもよい。使用される量は触媒有効量であり、好適には約1ppb以上、たとえば、約99.9%以下、より典型的には約0.001ppm以上、好ましくは約0.05ppm~約500ppmである(「ppb」は10億分の1重量部を表し、「ppm」は100万分の1重量部を表す)。
【0150】
[00105]本発明の組成物における使用に好適な大環状リジッド配位子の遷移金属漂白触媒としては一般に公知の化合物を挙げることができるが、これらはここでの定義、より好ましくは、本発明の洗濯または洗濯用途のために意図して設計された多数の新規化合物の何れかに従い、以下の何れかが非限定的に挙げられる:
ジクロロ-5,12-ジメチル-1,5,8,12-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)
ジクロロ-5,12-ジエチル-1,5,8,12-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)
ジアコ-5,12-ジメチル-1,5,8,12-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)ヘキサフルオロホスフェート
ジアコ-5,12-ジエチル-1,5,8,12-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)ヘキサフルオロホスフェート
アコ-ヒドロキシ-5,12-ジメチル-1,5,8,12-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(III)ヘキサフルオロホスフェート
ジアコ-5,12-ジメチル-1,5,8,12-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)テトラフルオロボレート
ジクロロ-5,12-ジメチル-1,5,8,12 テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(III)ヘキサフルオロホスフェート
ジクロロ-5,12-ジエチル-1,5,8,12-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(III)ヘキサフルオロホスフェート
ジクロロ-5,12-ジ-n-ブチル-1,5,8,12-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)
ジクロロ-5,12-ジベンジル-1,5,8,12-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)
ジクロロ-5-n-ブチル-12-メチル-1,5,8,12-テトラアザ-ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)
ジクロロ-5-n-オクチル-12-メチル-1,5,8,12-テトラアザ-ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)
ジクロロ-5-n-ブチル-12-メチル-1,5,8,12-テトラアザ-ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンマンガン(II)
[00106]実際問題として、また、限定としてではなく、ここでの組成物および方法を調整して、親油性流体および漂白系を含む組成物中で活性漂白触媒種を少なくとも1億分の1のオーダーとすることができ、親油性流体および漂白系を含む組成物中で好ましくは約0.01ppm~約25ppm、より好ましくは約0.05ppm~約10ppm、最も好ましくは約0.1ppm~約5ppmの活性漂白触媒種を生じる。
【0151】
[00107](d)漂白増強化合物-ここでの組成物は、1つ以上の漂白増強化合物を含んでいてもよい。漂白増強化合物は、低温での用途において漂白の有効性を増大させる。漂白増強剤は、通常の過酸素漂白源と共に作用して、漂白の有効性を増大させる。通常、これは活性酸素移動剤、たとえば、ジオキシラン、オキサジリジン、またはオキサジリジニウムのインサイチュー生成によって達成される。あるいは、予備形成されたジオキシラン、オキサジリジン、およびオキサジリジニウムを使用してもよい。
【0152】
[00108]約+3~約-3の正味電荷を有する、カチオン性イミン、双性イオン性イミン、アニオン性イミン、および/またはポリイオン性イミン、ならびにこれらの混合物が、本発明に従う使用に好適な漂白増強化合物に含まれる。これらの本発明のイミン漂白増強化合物としては、一般構造式:
【0153】
【化25】
【0154】
[式中、
~Rは、水素、またはフェニル、アリール、複素環式環、アルキル、およびシクロアルキルラジカルからなる群から選択される無置換もしくは置換ラジカルであってもよい]
のものが挙げられる。
【0155】
[00109]双性イオン漂白増強剤が好ましい漂白増強化合物に含まれ、これらは米国特許第5,576,282号および第5,718,614号に記載されている。他の漂白増強化合物としては、米国特許第5,360,569号;第5,442,066号;第5,478,357号;第5,370,826号;第5,482,515号;および第5,550,256号;ならびにWO95/13351、WO95/13352、およびWO95/13353に記載されているカチオン漂白増強剤が挙げられる。
【0156】
[00110]過酸素源は当技術分野において周知であり、本発明で利用される過酸素源はこれら周知の過酸素源の何れかを含んでいてもよく、それらとしては、過酸素源化合物に加えて、消費者による使用条件下でインサイチューで有効量の過酸素を生じる化合物が挙げられる。過酸素源は、過酸化水素の供給源、過酸化水素源と漂白活性化剤の反応による過酸アニオンのインサイチュー生成、予備形成された過酸化合物、または好適な過酸素源の混合物を含んでいてもよい。当然ながら、当業者は他の過酸素の供給源を本発明の範囲から逸脱することなく利用してもよい点を認識する。漂白増強化合物は、存在する場合、好ましくは本発明の漂白系において過酸素源と共に利用される。
【0157】
[00111](e)予備形成された過酸-予備形成された過酸もまた漂白剤として好適である。予備形成された過酸化合物は、ここで使用される場合、安定であって消費者による使用条件下で有効量の過酸または過酸アニオンを生じる、任意の好都合な化合物である。予備形成された過酸化合物は、過カルボン酸およびその塩、過炭酸およびその塩、過イミド酸およびその塩、ペルオキシ一硫酸およびその塩、ならびにこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。これらの化合物の例は、Miracleらの米国特許第5,576,282号に記載されている。
【0158】
[00112]好適な有機ペルオキシカルボン酸の1つのクラスは、一般式:
【0159】
【化26】
【0160】
[式中、
Rは、1~約22個の炭素原子を含むアルキレンもしくは置換アルキレン基、またはフェニレンもしくは置換フェニレン基であり、
Yは、水素、ハロゲン、アルキル、アリール、-C(O)OH、または-C(O)OOHである]
を有する。
【0161】
本発明における使用に好適な有機ペルオキシ酸は、1つまたは2つのペルオキシ基を含むことができ、脂肪族でも芳香族でもあり得る。有機ペルオキシカルボン酸が脂肪族である場合、無置換過酸は一般式:
【0162】
【化27】
【0163】
[式中、
Yは、たとえば、H、CH、CHCl、C(O)OH、またはC(O)OOHであり得;
nは0~20の整数である]
を有する。有機ペルオキシカルボン酸が芳香族である場合、無置換過酸は一般式:
【0164】
【化28】
【0165】
[式中、
Yは、たとえば、水素、アルキル、アルキルハロゲン、ハロゲン、C(O)OH、またはC(O)OOHであり得る]
を有する。
【0166】
[00113]ここで有用な典型的なモノペルオキシ酸としては、アルキルおよびアリールペルオキシ酸、たとえば、
(i)ペルオキシ安息香酸および環置換ペルオキシ安息香酸、たとえば、ペルオキシ-a-ナフトエ酸、モノペルオキシフタル酸(マグネシウム塩六水和物)、ならびにo-カルボキシベンズアミドペルオキシヘキサン酸(ナトリウム塩);
(ii)脂肪族、置換脂肪族、およびアリールアルキルモノペルオキシ酸、たとえば、ペルオキシラウリン酸、ペルオキシステアリン酸、N-ノナノイルアミノペルオキシカプロン酸(NAPCA)、N,N-(3-オクチルスクシノイル)アミノペルオキシカプロン酸(SAPA)、およびN,N-フタロイルアミノペルオキシカプロン酸(PAP);
(iii)アミドペルオキシ酸、たとえば、ペルオキシコハク酸(NAPSA)またはペルオキシアジピン酸(NAPAA)のモノノニルアミド
が挙げられる。
【0167】
[00114]ここで有用な典型的なジペルオキシ酸としては、アルキルジペルオキシ酸およびアリールジペルオキシ酸、たとえば、
(i)1,12-ジペルオキシドデカン二酸;
(ii)1,9-ジペルオキシアゼライン酸;
(iii)ジペルオキシブラッシル酸;ジペルオキシセバシン酸、およびジペルオキシイソフタル酸;
(iv)2-デシルジペルオキシブタン-1,4-二酸;
(v)4,4’-スルホニルビスペルオキシ安息香酸
が挙げられる。
【0168】
[00115]このような漂白剤は、Hartmanの米国特許第4,483,781号およびBurnsらの第4,634,551号;Banksらの欧州特許出願第0,133,354号;ならびにChungらの米国特許第4,412,934号に開示されている。供給源には、Burnsらの米国特許第4,634,551号に記載されているような、6-ノニルアミノ-6-オキソペルオキシカプロン酸も含まれる。過硫酸塩化合物、たとえば、E.I.DuPont de Nemours of Wilmington、DEにより製造され市販されているOXONEを、ペルオキシ一硫酸の好適な供給源として利用することもできる。PAPは、たとえば、米国特許第5,487,818号;第5,310,934号;第5,246,620号;第5,279,757号、および第5,132,431号に開示されている。
【0169】
[00116](f)光漂白剤-本発明の組成物の処理における使用に好適な光漂白剤としては、米国特許第4,217,105号および第5,916,481号に記載されている光漂白剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0170】
[00117](g)酵素漂白-酵素系を漂白剤として使用してもよい。また、過酸化水素は、過酸化水素を生成することが可能な酵素系(すなわち、酵素およびそれに対する基質)を洗浄および/またはすすぎ過程の開始時または最中に添加することで存在していてもよい。このような酵素系は、1991年10月9日に出願された欧州特許出願第91202655.6号に開示されている。
【0171】
[00118]本発明の組成物および方法は、別の漂白系、たとえば、オゾンおよび二酸化塩素等を活用してもよい。オゾンを用いた漂白は、生地に接触させる溶液中に、約20~約300g/mのオゾン含有量を有するオゾン含有ガスを導入することにより達成してもよい。溶液中の気体:液体比は、1:2.5~約1:6に維持すべきである。米国特許第5,346,588号はオゾンを従来の漂白系の代替として活用するための方法を記載しており、参照によりここで援用される。
【0172】
[00119]本発明の洗剤組成物はまた、任意の数のさらなる任意の原料成分を含んでいてもよい。それらとしては、通常の洗濯用洗剤組成物成分、たとえば、非着色性染料、洗浄性ビルダー、酵素、酵素安定剤(たとえば、プロピレングリコール、ホウ酸、および/またはホウ砂)、泡抑制剤、土汚れ懸濁剤、土汚れ剥離剤、他の生地ケア有益剤、pH調整剤、キレート化剤、スメクタイト粘土、溶媒、ハイドロトロープおよび相安定剤、構造化剤、移染阻害剤、不透明化剤、蛍光増白剤、香料、および着色剤が挙げられる。種々の任意の洗剤組成物原料成分は、ここでの組成物に存在する場合、それらの組成物または洗濯作業に対する望ましい寄与をもたらすために通常利用される濃度において活用されなければならない。多くの場合、このような任意の洗剤組成物原料成分の総量は、組成物の約0.01重量%~約50重量%、より好ましくは約0.1重量%~約30重量%の範囲であり得る。
【0173】
[00120]液体洗剤組成物は、組成物の通常は液体である成分、たとえば、液体アルコールエトキシレート非イオン性物質、水性液体担体、および他の何れかの通常は液体である任意の原料成分と組み合わせた、界面活性剤、重合体チオフェン色相調整剤、およびある特定の他の任意の原料成分(これらの一部は通常は固体形態であってもよい)の、水溶液または均一な分散液もしくは懸濁液の形態である。このような溶液、分散液、または懸濁液は許容可能な程度に相安定であり、典型的には約100~600cps、より好ましくは約150~400cpsの範囲の粘度を有する。本発明の目的のためには、#21スピンドルを使用したBrookfield LVDV-II+粘度測定装置を用いて粘度を測定する。
【0174】
[00121]ここでの液体洗剤組成物は、これらの成分を任意の好都合な順序で組み合わせ、得られた成分の組合せを混合、たとえば、撹拌して、相安定な液体洗剤組成物を形成することによって調製することができる。このような組成物を調製するための好ましい過程では、少なくとも大部分の割合、好ましくは実質的にすべてである液体成分、たとえば、非イオン界面活性剤、非界面活性液体担体、および他の任意の液体成分を含有する液体マトリックスが形成され、これらの液体成分は、剪断撹拌をこの液体の組合せに印加することにより徹底的に混合されている。たとえば、メカニカルスターラーを用いた迅速なかき混ぜを有効に利用することができる。剪断撹拌が維持されている間、何れのアニオン界面活性剤および固体形態の原料成分も、その実質的にすべてを添加することができる。混合物の撹拌を継続し、必要であれば、液相中の不溶性固相微粒子による溶液または均一な分散液を形成するために、この時点で混合物の撹拌を強めることができる。固体形態の材料の一部またはすべてをこの撹拌された混合物に添加した後、含まれる対象である何れかの酵素物質の粒子、たとえば、酵素の小球が取り込まれる。ここまでで記載した組成物調製手順の変形形態として、液体成分の1つ以上の微量部分と予備混合された粒子の溶液またはスラリーである撹拌された混合物に、固体成分の1つ以上を添加してもよい。組成物成分のすべてを添加した後、混合物の撹拌を、要求された粘度および相安定性特性を有する組成物を形成するのに十分な時間継続する。多くの場合、これは約30~60分間の撹拌を伴う。
【0175】
[00122]液体洗剤組成物を形成するための代替の態様において、重合体チオフェン色相調整剤を最初に1つ以上の液体成分と組み合わせて重合体チオフェン色相調整剤予備混合物を形成し、この予備混合物を実質的な部分、たとえば、50重量%超、より具体的には70重量%超、なおより具体的には90重量%超である洗濯用洗剤組成物の成分の残部を含有する組成物調合物に添加する。たとえば、上記で記載した方法論において、重合体チオフェン色相調整剤予備混合物と酵素成分の両方を成分添加の最終段階で添加する。さらなる態様において、重合体チオフェン色相調整剤を洗剤組成物への添加の前にカプセル化し、カプセル化された重合体チオフェン色相調整剤を構造化された液体中に懸濁し、懸濁液を、洗濯用洗剤組成物の成分の残部の実質的な部分を含有する組成物調合物に添加する。
【0176】
[00123]ここまでで記載したように調製された本発明の組成物を使用して、織物基材、たとえば、生地の洗濯において使用するための水性洗浄溶液を形成することができる。一般に、有効量のこのような組成物を、好ましくは通常の生地洗濯用自動洗濯機中の水に添加して、このような水性洗濯溶液を形成する。次いで、このように形成された洗浄用水溶液を、好ましくは撹拌下で生地と接触させて、これにより生地の洗濯を行う。洗濯用水溶液を形成するために水に添加された有効量のここでの液体洗剤組成物は、洗浄水溶液中に約500~7,000ppmの組成物を形成するのに十分な量を含み得る。より好ましくは、約1,000~約3,000ppmのここでの洗剤組成物が洗浄水溶液中に生じる。
【0177】
[00124]生地処理組成物/すすぎ剤添加生地柔軟仕上げ組成物
[00125]別の具体的な態様において、本発明の重合体チオフェン色相調整剤は生地処理組成物中に含まれていてもよい。生地処理組成物は、少なくとも1つの重合体チオフェン色相調整剤およびすすぎ剤添加生地柔軟仕上げ組成物(「RAFS:rinse added fabric softening composition」、すすぎ剤添加生地コンディショニング組成物としても知られる)で構成されていてもよい。典型的なすすぎ剤添加生地柔軟仕上げ組成物の例は、2004年10月8日に出願された米国仮特許出願番号第60/687582号に見出すことができる。本発明のすすぎ剤添加生地柔軟仕上げ組成物は、(a)生地柔軟仕上げ活性剤(「FSA:fabric softening active」)および(b)重合体チオフェン色相調整剤を含んでいてもよい。すすぎ剤添加生地柔軟仕上げ組成物は、約1重量%~約90重量%のFSA、より好ましくは約5重量%~約50重量%のFSAを含んでいてもよい。重合体チオフェン色相調整剤は、すすぎ剤添加生地柔軟仕上げ組成物中に約0.5ppb~約50ppm、より好ましくは約0.5ppm~約30ppmの量で存在していてもよい。
【0178】
[00126]本発明の一態様において、生地柔軟仕上げ活性剤は、すすぎ工程において生地を柔軟仕上げするのに好適な第四級アンモニウム化合物である。一態様において、FSAは、モノ、ジ、および、一態様において、トリエステル化合物の混合物を得る、脂肪酸とアミノアルコールの反応製品から形成される。別の態様において、FSAは1つ以上の柔軟剤第四級アンモニウム化合物、たとえば、限定されないが、モノアルキ第四級アンモニウム化合物、ジアミド第四級化合物、およびジエステル第四級アンモニウム化合物、またはこれらの組合せを含む。
【0179】
[00127]本発明の一側面において、FSAは、ジエステル第四級アンモニウム(以下、「DQA」)化合物組成物を含む。本発明のある特定の態様において、DQA化合物組成物は、ジアミドFSAおよび上述のジエステル結合だけでなくアミド結合とエステル結合が混合されたFSAの記載も包含し、これらすべてをDQAと称する。
【0180】
[00128]FSAとして好適なDQAの第1の種類(「DQA(1)」)としては、式:
{R4-m-N-[(CH-Y-R}X
[式中、
各々のR置換基は、水素、短鎖C~C、好ましくはC~Cアルキル、またはヒドロキシアルキル基、たとえば、メチル(最も好ましい)、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル等、ポリ(C2~3アルコキシ)、好ましくはポリエトキシ、基、ベンジル、またはこれらの混合物であり、
各々のmは2または3であり;
各々のnは1~約4、好ましくは2であり;
各々のYは-O-(O)C-、-C(O)-O-、-NR-C(O)-、または-C(O)-NR-であり、各々のYは同一でも異なっていてもよく;
各々のRにおける炭素の合計(Yが-O-(O)C-または-NR-C(O)-である場合は1を足す)は、C12~C22、好ましくはC14~C20であり、各々のRはヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビル基であり;Rは不飽和または飽和で分枝状または直鎖状であってもよく、好ましくは直鎖状であり;各々のRは同一であっても異なっていてもよく、好ましくはこれらは同一であり;
は、柔軟剤に適合した任意のアニオン、好ましくは、塩化物イオン、臭化物イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、および硝酸イオン、より好ましくは塩化物イオンまたはメチル硫酸イオンとすることができる]
を含む化合物が挙げられる。好ましいDQA化合物は、典型的にはアルカノールアミン、たとえば、MDEA(メチルジエタノールアミン)およびTEA(トリエタノールアミン)と脂肪酸を反応させることによって作製される。このような反応から典型的に得られる一部の物質には塩化N,N-ジ(アシル-オキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウムまたはメチル硫酸N,N-ジ(アシル-オキシエチル)-N,N-メチルヒドロキシエチルアンモニウムが含まれ、ここでアシル基は、動物脂肪、不飽和およびポリ不飽和脂肪酸、たとえば、タロウ、硬化タロウ、オレイン酸、ならびに/または植物油由来の部分硬化脂肪酸および/もしくは部分硬化植物油、たとえば、キャノーラ油、紅花油、落花生油、ヒマワリ油、コーン油、大豆油、トール油、米油、パーム油等に由来する。
【0181】
[00129]好適な脂肪酸の非限定的な例は、米国特許第5,759,990号の4欄45~66行に列挙されている。一態様において、FSAは、DQA(1)またはDQAに加えて他の活性剤を含む。なお別の態様において、FSAはDQA(1)またはDQAのみを含み、他の第四級アンモニウム化合物または他の活性剤をいずれも含まないまたは本質的に含まない。なお別の態様において、FSAはDQAを生成するために使用される前駆体アミンを含む。
【0182】
[00130]本発明の別の側面において、FSAは式:
[R4-m-N(+)-R ]A
[式中、
各々のmは2または3であり、
各々のRは、C~C22(好ましくはC14~C20だが、1つ以下が約C12未満であり、他が少なくとも約16である)ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビル置換基、好ましくはC10~C20アルキルまたはアルケニル(ポリ不飽和アルキルを含む不飽和アルキル、「アルキレン」と称することもある)、最も好ましくはC12~C18アルキルまたはアルケニルであり、分枝状または非分枝状である]
を含む、DTTMACとして識別される化合物を含む。一態様において、FSAのヨウ素価(IV)は約1~70であり;各々のRは、Hまたは短鎖C~C、好ましくはC~Cアルキルまたはヒドロキシアルキル基、たとえば、メチル(最も好ましい)、エチル、プロピル、およびヒドロキシエチル等、ベンジル、または(RO)2~4H(式中、各々のRはC1~6アルキレン基である)であり;Aは、柔軟剤に適合したアニオン、好ましくは、塩化物イオン、臭化物イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、または硝酸イオンであり;より好ましくは塩化物イオンまたはメチル硫酸イオンである。
【0183】
[00131]これらのFSAの例としては、ジアルキジメチルアンモニウム塩およびジアルキレンジメチルアンモニウム塩、たとえば、ジタロウジメチルアンモニウムおよびジタロウジメチルアンモニウムメチルサルフェートが挙げられる。本発明において使用可能な市販のジアルキレンジメチルアンモニウム塩の例は、Degussaより商品名Adogen(登録商標)442およびAdogen(登録商標)470でそれぞれ入手可能な、二水素化タロウジメチルアンモニウムクロリドおよびジタロウジメチルアンモニウムクロリドである。一態様において、FSAはDTTMACに加えて他の活性剤を含む。なお別の態様において、FSAはDTTMACの化合物のみを含み、他の第四級アンモニウム化合物または他の活性剤をいずれも含まないまたは本質的に含まない。
【0184】
[00132]一態様において、FSAは、2004年10月14日に公開されたCoronaらの米国特許出願公開第2004/0204337A1号の30~79段落に記載されているFSAを含む。別の態様において、FSAは、2005年11月18日に公開されたSmithらの米国特許出願公開第2004/0229769A1号の26~31段落;または米国特許第6,494,920号の1欄51行(「esterquat」、すなわち四級化された脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩の詳細を参照)に記載されているものである。
【0185】
[00133]一態様において、FSAは以下のうちの少なくとも1つから選択される:ジタロオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、二水素化タロオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、ジタロウジメチルアンモニウムクロリド、ジタロオイルオキシエチルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、二水素化タロオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、二水素化タロオイルオキシエチルジメチルアンモニウムクロリド、またはこれらの組合せ。
【0186】
[00134]一態様において、FSAはまた、アミド含有化合物組成物を含んでいてもよい。ジアミドを含む化合物の例としては、メチル-ビス(タロウアミドエチル)-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート(DegussaよりVarisoft110およびVarisoft222の商品名で入手可能)が挙げられるが、これに限定されない。アミドエステル含有化合物の一例は、N-[3-(ステアロイルアミノ)プロピル]-N-[2-(ステアロイルオキシ)エトキシ)エチル)]-N-メチルアミンである。
【0187】
[00135]本発明の別の具体的な態様は、カチオン性デンプンをさらに含むすすぎ剤添加生地柔軟仕上げ組成物を提供する。カチオン性デンプンは、US2004/0204337A1に開示されている。一態様において、すすぎ剤添加生地柔軟仕上げ組成物は、生地柔軟仕上げ組成物の約0.1重量%~約7重量%のカチオン性デンプンを含む。一態様において、カチオン性デンプンはNational StarchによるHCP401である。
【0188】
[00136]好適な洗濯物ケア用原料成分
[00137]本発明の目的にとって必須ではないが、以下で示す洗濯物ケア用原料成分の非限定的な一覧は洗濯物ケア用組成物における使用に好適であり、本発明のある特定の態様において、望ましくは、これを組み込んで、たとえば、洗浄する基材の処理のために性能を補助もしくは増強する、または香料、着色料、もしくは染料等の場合と同様に組成物の美観を改変してもよい。このような原料成分が何れかの特定の態様に関して先に列挙した化合物に対して追加的なものである点は理解される。このような補助剤の総量は、洗濯物ケア用組成物の約0.1重量%~約50重量%、またはさらには約1重量%~約30重量%の範囲であってもよい。
【0189】
[00138]これらの追加的な成分の正確な性質およびこれらを組み込む程度は、組成物の物理的な形態およびそれが使用される操作の性質に依存する。好適な洗濯物ケア用原料成分としては、ポリマー、たとえば、カチオン性ポリマー、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染阻害剤、分散剤、酵素および酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、ポリマー分散剤、粘土・土汚れ除去/再沈着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、さらなる香料および香料送達系、構造可塑剤、生地柔軟剤、担体、ハイドロトロープ、加工助剤ならびに/または着色剤が挙げられるが、これらに限定されない。以下の開示に加え、このような他の補助剤および使用の程度の好適な例は、参照により援用される米国特許第5,576,282号、第6,306,812B1号、および第6,326,348B1号に見出される。
【0190】
[00139]述べたように、洗濯物ケア用原料成分は出願人らによる洗濯物ケア用組成物に必須ではない。したがって、出願人らによる組成物のある特定の態様は、以下の補助剤材料のうちの1つ以上を含有しない:漂白活性化剤、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染阻害剤、分散剤、酵素および酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー分散剤、粘土および土汚れ除去/再沈着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、さらなる香料および香料送達系、構造可塑剤、生地柔軟剤、担体、ハイドロトロープ、加工助剤、ならびに/または着色剤。ただし、1つ以上の補助剤が存在する場合、そのような1つ以上の補助剤は以下で詳述されるように存在していてもよい。
【0191】
[00140]界面活性剤-本発明に係る組成物は、界面活性剤または界面活性剤系を含むことができ、界面活性剤は、非イオンおよび/もしくはアニオンおよび/もしくはカチオン界面活性剤ならびに/または両性および/もしくは双性イオンおよび/もしくは半極性非イオン界面活性剤から選択することができる。界面活性剤は、典型的には、洗浄組成物の約0.1重量%、約1重量%、またはさらには約5重量%から洗浄組成物の約99.9重量%、約80重量%、約35重量%、またはさらには約30重量%までのレベルで存在する。
【0192】
[00141]ビルダー-本発明の組成物は1つ以上の洗剤用ビルダーまたはビルダー系を含むことができる。存在する場合、組成物は、典型的には、少なくとも約1重量%のビルダー、または約5重量%もしくは10重量%から約80重量%、50重量%、もしくはさらには30重量%までのビルダーを含む。ビルダーとしては、ポリホスフェートのアルカリ金属、アンモニウム、およびアルカノールアンモニウム塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ土類およびアルカリ金属炭酸塩、アルミノケイ酸塩ビルダーポリカルボン酸塩化合物、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸とエチレンまたはビニルメチルエーテルのコポリマー、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン-2,4,6-トリスルホン酸およびカルボキシメチルオキシコハク酸、ポリ酢酸の様々なアルカリ金属塩、アンモニウム塩、および置換アンモニウム塩、たとえば、エチレンジアミン四酢酸およびニトリロ三酢酸、ならびにポリカルボキシレート、たとえば、メリト酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5-トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、およびこれらの可溶性塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0193】
[00142]キレート化剤-ここでの組成物はまた、1つ以上の銅、鉄、および/またはマンガンキレート化剤を任意に含んでいてもよい。利用する場合、キレート化剤は一般に、ここでの組成物の約0.1重量%~約15重量%、またはさらにはここでの組成物の約3.0重量%~約15重量%を構成する。
【0194】
[00143]移染阻害剤-本発明の組成物はまた、1つ以上の移染阻害剤を含んでいてもよい。好適なポリマー移染阻害剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドンとN-ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドンおよびポリビニルイミダゾール、またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。ここでの組成物中に存在する場合、移染阻害剤は、洗浄組成物の約0.0001重量%、約0.01重量%、約0.05重量%から洗浄組成物の約10重量%、約2重量%、またはさらには約1重量%までのレベルで存在する。
【0195】
[00144]分散剤-本発明の組成物は分散剤を含有することもできる。好適な水溶性有機材料はホモポリマー酸もしくはコポリマー酸またはこれらの塩であり、ここでポリカルボン酸は、2つ以下の炭素原子により互いに隔てられた少なくとも2つのカルボキシルラジカルを含んでいてもよい。
【0196】
[00145]酵素-組成物は、洗浄性能および/または生地ケア有益性を与える1つ以上の洗剤用酵素を含むことができる。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、およびアミラーゼ、またはこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組合せは、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、および/またはセルラーゼ等の通常の適用可能な酵素とアミラーゼを組み合わせたカクテルである。
【0197】
[00146]酵素安定剤-組成物、たとえば、洗剤において使用するための酵素は、様々な技法によって安定化することができる。ここで利用される酵素は、完成後の組成物中においてカルシウムおよび/またはマグネシウムイオンの水溶性供給源の存在によって安定化することができ、その際、完成後の組成物はこれらのイオンを酵素に与える。
【0198】
[00147]触媒金属錯体-出願人らによる組成物は触媒金属錯体を含んでいてもよい。金属含有漂白触媒の一種は、決まった漂白触媒活性を有する遷移金属カチオン、たとえば、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、またはマンガンカチオン、漂白触媒活性をほとんどまたはまったく有さない補助的金属カチオン、たとえば、亜鉛またはアルミニウムカチオン、ならびに触媒および補助的金属カチオンに対して決まった安定度定数を有する封鎖剤、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、およびこれらの水溶性塩を含む、触媒系である。このような触媒は、米国特許第4,430,243号に開示されている。
【0199】
[00148]所望であれば、ここでの組成物をマンガン化合物によって触媒することができる。このような化合物および使用の程度は当技術分野において周知であり、たとえば、米国特許第5,576,282号に開示されているマンガン系触媒が挙げられる。
【0200】
[00149]ここで有用なコバルト漂白触媒は公知であり、たとえば、米国特許第5,597,936号および第5,595,967号に記載されている。このようなコバルト触媒は公知の手順によって、たとえば、米国特許第5,597,936号および第5,595,967号で教示されているように、容易に調製される。
【0201】
[00150]ここでの組成物はまた、好適には、マクロ多環式リジッド配位子(「MRL:macropolycyclic rigid ligand」と略される)の遷移金属錯体を含んでいてもよい。実際問題として、また、限定としてではなく、ここでの組成物および洗浄過程を調整して、水性洗浄媒体中で有益剤であるMRL種を少なくとも1億分の1のオーダーとすることができ、洗浄液中で約0.005ppm~約25ppm、約0.05ppm~約10ppm、またはさらには約0.1ppm~約5ppmのMRLを生じてもよい。
【0202】
[00151]当該の遷移金属漂白触媒中の好ましい遷移金属としては、マンガン、鉄、およびクロムが挙げられる。ここでの好ましいMRLは、特別な種類の架橋されている超リジッド配位子、たとえば、5,12-ジエチル-1,5,8,12-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンである。好適な遷移金属MRLは公知の手順によって、たとえば、WO00/32601および米国特許第6,225,464号で教示されているように、容易に調製される。
【0203】
[00152]例示的な洗濯物ケア用組成物調合物:
液体洗剤調合物:
表Aは、少なくとも1つの本発明の重合体チオフェン色相調整剤を含む液体洗剤調合物の例を示す。
【0204】
【表1】
【0205】
顆粒洗剤調合物:
表Bは、少なくとも1つの本発明の重合体チオフェン色相調整剤を含む顆粒洗剤調合物の例を示す。
【0206】
【表2】
【0207】
生地処理組成物:
表Cは、少なくとも1つの本発明の重合体チオフェン色相調整剤を含む液体生地処理組成物の例を示す。
【0208】
【表3】
【0209】
[例]
[00153]以下の例は、上述の主題をさらに説明するが、当然のことながら、決してその範囲を限定するものと解釈されてはならない。
【0210】
[00154]式Iの重合体チオフェン色相調整剤を合成し、洗浄サイクル中でのその沈着について、洗濯用洗剤および生地柔軟仕上げ組成物中でのいくつかの濃度において試験した。綿およびポリエステル含有生地に対して洗浄を実施した。合成および試験結果の詳細を以下でより詳細に報告する。
【0211】
[00155]試験手順:
[00156]相対色相角(AATCC対照に対する)を決定するための方法(参考:WO2019075142A1):
[00157]以下に記載する方法Iに従って処理した綿生地に対して色相調整剤が与える相対色相角を、以下のように決定した:
a)各溶液から得られた4枚の生地見本のaおよびb値を平均し、以下の式を使用してAaおよびAbを決定した:
Aa=a -a およびAb=b -b
[式中、
下付き文字cおよびsは、増白剤不含AATCC強力液体洗剤(対照)で洗浄された生地および色相調整剤を含有する洗濯物ケア用組成物(試料)中で洗浄された生地をそれぞれ指す。];
b)AaとAbの両方の絶対値が<0.25である場合、相対色相角(RHA)を計算した。AaまたはAbの何れかの絶対値が>0.25である場合、以下の式のうちの1つを使用してRHAを決定した:
Ab>0の場合、RHA=ATAN2(Aa,Ab
Ab<0の場合、RHA=360+ATAN2(Aa,Ab
[00158]ΔWIを決定するための方法:
[00159]各洗浄溶液について、生地見本のWI CIE値を以下の等式を使用して計算した:
ΔWI=WI CIE(洗浄後)-WI CIE(洗浄前)
[00160]ΔEを計算するための方法:
[00161]L、a、b値をとり、洗浄後の測定値と色相調整剤で洗浄していない同じ白い布についての測定値との間におけるL、a、およびbの差を計算し、次いで等式:
【0212】
【数1】
【0213】
を適用することによって、デルタE値へと変換した。
【0214】
[00162]綿に対するバイアスを以下の等式によって決定する。
【0215】
[00163]
【0216】
【数2】
【0217】
[00164]方法I:増白を決定するための洗浄試験法
[00165]試験生地の調製:
[00166]試験生地(Testfabrics,Inc.から購入)は、漂白綿tシャツ生地60”拡布形式番号437W-60、ポリエステルスムースニット織り生地形式番号730、およびナイロン6,6ストレッチ生地ダブルニット織り形式番号314を含んでいた。各試料を16cm×16cmの大きさに切断した。使用前に生地を増白剤不含のAATCC液体洗濯用洗剤中で1回の完全なサイクルで洗浄することによって調製し、次いで、乾燥前に2回すすぎを行った。
【0218】
[00167]色相調整染料を含有する洗浄水溶液の調製
[00168]室温で液体または粉末の増白剤不含洗剤を1リットル当たり1グラムの濃度で水道水中に溶解させることにより、該洗剤を含有する十分な体積の洗浄水を調製した。次いで、比較色相調整剤1と本発明の色相調整剤1の両方を、各洗浄溶液において同じ吸光率を与える量で洗浄水に添加した。各実験におけるこの量の色相調整剤は、洗浄水中約3ppmに相当する。複数回洗浄実験の場合、色相調整剤は洗浄水中に1ppmで存在していた。
【0219】
[00169]洗浄手順:
[00170]ターゴトメーターを使用して洗浄試験を完遂した。各洗浄に対して、63%の綿、25%のポリエステル、および12%のナイロンで構成される生地混合物を使用した。洗浄水中の全生地は、25:1の液:生地比に相当していた。生地を220rpmで15分間撹拌した。洗浄後、各々の生地の組に対して水道水で2回すすぎを行った。すすぎ後、すべての生地を乾燥機中で1時間乾燥させた。乾燥後、生地試料に対してX-Rite Color i7分光光度計を使用して読取りを行った。各洗浄条件における各生地型についての全試料の平均反射率を使用して、L、a、b、およびWI-CIE値を計算した。
【0220】
例1
[00171]以下に記載の手順に従い、重合体チオフェン色相調整剤を作製した。
【0221】
[00172]米国特許第4,912,203号の例3に従ってm-トルイジン5EOを用いて調製した比較色相調整剤1を塩基性条件下(pH>9)で処理して、本発明の色相調整剤1を形成した。驚くべきことに、比較色相調整剤を塩基で処理すると、アゾ着色料の分解が観察されなかった。代わりに、アミドに対する1つのニトリル結合の選択的加水分解が達成されて、本発明の色相調整剤1を得られた可能性がある。これら2つの色相調整剤を互いに比較する目的で試験した。
【0222】
【化29】
【0223】
[00173]丸底フラスコに、米国特許第4,912,203号の例3に従って調製した13gの比較色相調整剤1(25mmol)、水(33mL)、および50%水酸化ナトリウム水溶液(25mmol)を含有するポリエチレングリコール200溶液を投入した。pHは>9であった。混合物を90℃に1時間加熱し、これによりUPLCは反応の完了を示した。溶液を酢酸でpH7に中和した。3.5重量%の溶解した本発明の色相調整剤1を含有する、赤みがかった青紫色の溶液が得られた。
【0224】
[00174]上記で挙げた試験条件を使用して、本発明の色相調整剤1を比較色相調整剤1と比較した。表1は、洗浄水添加量中3ppmにおいて綿生地上での本発明の色相調整剤1または対する比較色相調整剤1を含有する組成物で処理した際の、綿生地とポリエステル生地の両方における増白の改善および色相角の変化を示す。
【0225】
【表4】
【0226】
[00175]綿生地上での試験結果は、比較色相調整剤1に対して本発明の色相調整剤1の増白性能がほぼ3単位改善したことを示している。加えて、本発明の色相調整剤1で処理した生地上の色相角はより赤みがかったシェードにシフトしていたが、これは一部の用途において消費者に好まれる。
【0227】
[00176]上記の等式を使用して増白バイアスを計算したところ、本発明の色相調整剤1で処理した綿上での増白の改善は、ポリエステル生地の場合の5倍であった。比較すると、比較色相調整剤1で処理した場合、実際上のバイアスはなかった。綿生地は光、空気、および汚染物質に曝露されると合成生地よりも経時的に黄ばむ傾向があるので、ポリエステルよりも綿を標的とする色相調整剤が必要とされることは非常に重要である。
【0228】
[00177]さらに、本発明の色相調整剤1を含有する組成物はレベリング効果を示し、複数回の洗浄後に本発明の色相調整染料を用いずに洗浄した生地と比較して、生地のΔEは変化しなかった。この結果は、その後の洗浄を通じて沈着する染料の量がその洗浄中に生地から除去される染料と等しくなる、平衡色相調整点に達したことを示す。したがって、本発明のもう1つの利点は、生地を汚すことなく生地上での最適なレベルの色相調整が達成された点である。試験結果を表2に示す。
【0229】
【表5】
【0230】
[00178]また、増白の効果を色相調整剤同士の混合物を使用して評価した。本発明の色相調整剤1と色相調整剤2との比を変えながら、ここで記載される洗浄法に従って(3ppmの色相調整染料総添加量)生地を洗浄した。色相調整剤2は式Yによって表される。試験結果を表3および4に提示する。試験結果は生地上の相対色相角の変動を示すが、世界では地域ごとに生地上において様々な色相が好まれることから、これは望ましい可能性がある。よって、色相角を調整することにより知覚される増白の有益性を適合させることができることは、重要である。この結果は、2つの色相調整剤(本発明の色相調整剤1および色相調整剤2)の比を変えて、綿生地とポリエステル生地の両方において270~300の所望の色相角を標的とすることができることをさらに示している。色相調整剤単独だと、所望の色相角(洗剤および生地に依存する)よりやや外側の範囲となる可能性がある。
【0231】
【表6】
【0232】
【表7】
【0233】
[00179]さらなる試験を行って、1ppmの添加量レベルにおいて本発明の色相調整剤1と色相調整剤2の各々を綿生地上で比較した。試験結果を表5に提示する。試験結果は、ΔEによって測定すると、何れの色相調整剤も生地上で発現するが、ある一定回数の洗浄後に頭打ちになることを示している。このことは、色相調整剤は生地を汚さないが、十分な色相調整をもたらして汚れた生地から黄ばみを取り除く点で有利である。
【0234】
[00180]
【0235】
【表8】
【0236】
[00181]多くの従来の染料とは異なり、本発明の重合体チオフェン色相調整剤およびこれを含有する洗濯物ケア用組成物は、生地に対する色相調整のし過ぎに起因する余剰を取り除くために漂白剤を含める必要がない点に留意されたい。本発明の色相調整剤および組成物は、所望の量で生地上で自然に発現し頭打ちとなることで、生地を染めてしまう(たとえば、色相調整がされ過ぎる)ことなく所望の増白効果を消費者に与える。
【0237】
[00182]ここで引用される出版物、特許出願、および特許を含めたすべての参考文献は、各々の参考文献が参照により援用されるように個別および具体的に指示されその全体がここで記載されるのと同程度に、参照によりここで援用される。
【0238】
[00183]「a」および「an」および「the」という用語の使用、ならびに本出願の主題を記載する文脈における(とりわけ、以下の特許請求の範囲の文脈における)類似の指示物は、ここで別段の指示がなされるまたは文脈により明確に否定されることがない限り、単数形と複数形の両方を包含するものと解釈される。「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「含む・含有する(containing)」という用語は、別段の注記がなされない限り、オープンエンドの用語(すなわち、「・・・を含むが、これらに限定されない」を意味する)として解釈される。ここで、値の範囲についての言及は、ここで別段の指示がなされない限り、その範囲に収まる各々の別個の値を個別に指す簡潔な方法として機能するように意図されているにすぎず、各々の別個の値は、ここで個別に言及されているかのように本明細書に組み込まれる。ここで記載されるすべての方法は、ここで別段の指示がなされるまたは別途文脈により明確に否定されることがない限り、任意の好適な順序で行うことができる。あらゆるすべての例、またはここで提示される例示の文言(たとえば、「such as」)は、本出願の主題をより明らかにすることを意図しているにすぎず、別段の特許請求がなされない限り、主題の範囲の限定を提起するものではない。本明細書中の文言は何れも、何れかの特許請求されていない要素がここで記載される主題の実践に必須であることを示していると解釈されてはならない。
【0239】
[00184]特許請求された主題を実施するための本発明者らが知る最良の形態を含め、本出願の主題の好ましい態様をここで記載する。それらの好ましい態様の変形形態は、前述の記載を読めば当業者には明らかとなるであろう。熟練者はこのような変形形態を適宜に利用すると本発明者らは予測し、本発明者らは、ここで記載される主題がここで具体的に記載されるものと異なる形で実践されることを意図している。したがって、本開示は、ここに添付される特許請求の範囲で言及される主題のすべての改変形態および等価形態を、適用法により許容されるものとして含む。さらに、ここで別段の指示がなされるまたは別途文脈により明確に否定されることがない限り、それらのあらゆる可能な変形形態における上述の要素のあらゆる組合せが本開示に包含される。