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特許7451752マルチ配膳ロボットの運用方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】マルチ配膳ロボットの運用方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/69 20240101AFI20240311BHJP
   G05D 1/43 20240101ALI20240311BHJP
【FI】
G05D1/69
G05D1/43
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022556489
(86)(22)【出願日】2021-03-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 KR2021003508
(87)【国際公開番号】W WO2021194194
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】10-2020-0036488
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0033120
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523277699
【氏名又は名称】ビー-ロボティクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ミョンシク
(72)【発明者】
【氏名】パク ジンソク
【審査官】今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-191715(JP,A)
【文献】特開2010-231698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/69
G05D 1/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配膳ロボットを運営するための方法であって、
マルチ配膳ロボットの運用システムが、配膳するテーブルそれぞれ毎の配膳スポットに関する配膳スポット情報、及び前記配膳ロボットが移動できる移動経路に基づいて予め設定された複数の配膳ゾーンそれぞれに関する配膳ゾーン情報(所定の方式でグループ化された複数の配膳スポットに関する情報を含む)を格納するステップと、
前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、前記配膳ゾーン情報に基づいて、前記配膳ロボットのうち複数の実行ロボットが同じ第1配膳ゾーンに配膳を行う同一ゾーン実行ロボットであるか否かを判断するステップと
前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、前記同一ゾーン実行ロボットの間の配膳順番に基づく配膳順番で配膳を行う場合、少なくとも1つの同一ゾーン実行ロボットに待機イベントが発生するか否かを判断するステップと、
前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、前記待機イベントが発生すると判断した場合、前記同一ゾーン実行ロボットの少なくとも1つの配膳テーブルを変更するか又は配膳順番を変更するステップと、
を含む、マルチ配膳ロボットの運用方法。
【請求項2】
前記配膳ゾーン情報は、
特定の配膳ゾーンに含まれたいずれか1つの第1配膳スポットで配膳が行われるときに移動に影響を受ける少なくとも1つの第2配膳スポットが存在する場合、前記第1配膳スポットと前記少なくとも1つの第2配膳スポットを含む配膳スポットがグループ化された情報である、請求項1に記載のマルチ配膳ロボットの運用方法。
【請求項3】
前記同一ゾーン実行ロボットの少なくとも1つの配膳テーブルを変更するか又は配膳順番を変更するステップは、
前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、配膳待機リストに含まれ、前記第1配膳ゾーンとは異なる他の配膳ゾーンに含まれる配膳案件である代替配膳案件を、前記同一ゾーン実行ロボットのいずれか1つである第1実行ロボットに代わりに割り当てるステップを含む、請求項1に記載のマルチ配膳ロボットの運用方法。
【請求項4】
前記マルチ配膳ロボットの運用方法は、
前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、前記第1実行ロボットに本来割り当てられ、元の割り当て配膳案件を前記配膳待機リストの優先順位配膳案件として登録するステップをさらに含む、請求項3に記載のマルチ配膳ロボットの運用方法。
【請求項5】
前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、配膳待機リストに含まれ、前記第1配膳ゾーンとは異なる他の配膳ゾーンに含まれる配膳案件である代替配膳案件を、前記同一ゾーン実行ロボットのいずれか1つである第1実行ロボットに代わりに割り当てるステップは、
前記配膳待機リストに他の配膳ゾーンに含まれる複数の代替候補配膳案件が存在する場合、優先順位又は配膳ゾーンの頻度に基づいて前記代替配膳案件を選択するステップを含む、請求項3に記載のマルチ配膳ロボットの運用方法。
【請求項6】
前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、前記待機イベントが発生すると判断した場合、前記同一ゾーン実行ロボットの少なくとも1つの配膳テーブルを変更するか又は配膳順番を変更するステップは、
前記同一ゾーン実行ロボットの間の配膳順番のうち後順位の配膳順番を有する第1同一ゾーン実行ロボットの配膳順番を、前記第1同一ゾーン実行ロボットよりも早い順位の配膳順番を有する少なくとも1つの第2同一ゾーン実行ロボットよりも早い配膳順番に変更するステップを含む、請求項1に記載のマルチ配膳ロボットの運用方法。
【請求項7】
前記マルチ配膳ロボットの運用方法は、
前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、配膳ゾーン毎に配膳ロボットが一時待機できる少なくとも1つの一時待機ゾーンに関する情報を維持するステップをさらに含み、
前記同一ゾーン実行ロボットの間の配膳順番のうち後順位の配膳順番を有する第1同一ゾーン実行ロボットの配膳順番を、前記第1同一ゾーン実行ロボットよりも早い順位の配膳順番を有する少なくとも1つの第2同一ゾーン実行ロボットよりも早い配膳順番に変更するステップは、
前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、前記第1配膳ゾーンに対応する少なくとも1つの第1一時待機ゾーンに前記第2同一ゾーン実行ロボットを移動させた後、前記第1同一ゾーン実行ロボットの配膳を行うように制御するステップを含む、請求項6に記載のマルチ配膳ロボットの運用方法。
【請求項8】
配膳ロボットを運営するための方法であって、
マルチ配膳ロボットの運用システムが、配膳するテーブルそれぞれ毎の配膳スポットに関する配膳スポット情報、及び前記配膳ロボットが移動できる移動経路に基づいて予め設定された複数の配膳ゾーンそれぞれに関する配膳ゾーン情報(前記配膳ゾーン情報は、特定の配膳ゾーンに含まれたいずれか1つの第1配膳スポットで配膳が行われるときに移動に影響を受ける少なくとも1つの第2配膳スポットが存在する場合、前記第1配膳スポットと前記少なくとも1つの第2配膳スポットが前記特定の配膳ゾーンに含まれることを識別できる情報を含む)を格納するステップと、
前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、前記配膳ゾーン情報に基づいて、前記配膳ロボットのうち複数の実行ロボットのそれぞれに対応する配膳ゾーンを確認するステップと、
前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、同一ゾーン実行ロボットの間の配膳順番に基づく配膳順番で配膳を行う場合、少なくとも1つの同一ゾーン実行ロボットに待機イベントが発生するか否かを判断するステップと、
前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、前記待機イベントが発生すると判断した場合、前記複数の実行ロボットの移動経路又は配膳順番のうち少なくとも一方を制御するステップと、
を含む、マルチ配膳ロボットの運用方法。
【請求項9】
データ処理装置にインストールされ、請求項1、請求項2、請求項3ないし請求項8のいずれか一項に記載の方法を行うためのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されたコンピュータプログラム。
【請求項10】
プロセッサと、
前記プロセッサによって駆動されるプログラムが記憶されるメモリと、
を含み、
前記プロセッサは、前記プログラムを駆動して、
配膳する各テーブル毎に配膳スポットに関する配膳スポット情報、及び配膳ロボットが移動できる移動経路に基づいて予め設定された複数の配膳ゾーンそれぞれに関する配膳ゾーン情報(所定の方式でグループ化された複数の配膳スポットに関する情報を含む)を格納し、
前記配膳ゾーン情報に基づいて、前記配膳ロボットのうち複数の実行ロボットが同じ第1配膳ゾーンに配膳を行う同一ゾーン実行ロボットであるか否かを判断し、
前記同一ゾーン実行ロボットの間の配膳順番に基づく配膳順番で配膳を行う場合、少なくとも1つの同一ゾーン実行ロボットに待機イベントが発生するか否かを判断し、
前記待機イベントが発生すると判断した場合、前記同一ゾーン実行ロボットの少なくとも1つの配膳テーブルを変更するか又は配膳順番を変更する、マルチ配膳ロボットの運用システム。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記プログラムを駆動して、
配膳待機リストに含まれ、前記第1配膳ゾーンとは異なる他の配膳ゾーンに含まれる配膳案件である代替配膳案件を、前記同一ゾーン実行ロボットのいずれか1つである第1実行ロボットに代わりに割り当てる、請求項10に記載のマルチ配膳ロボットの運用システム。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記プログラムを駆動して、
前記第1実行ロボットに本来割り当てられ、元の割り当て配膳案件を前記配膳待機リストの優先順位配膳案件として登録する、請求項11に記載のマルチ配膳ロボットの運用システム。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記プログラムを駆動して、
前記配膳待機リストに他の配膳ゾーンに含まれる複数の代替候補配膳案件が存在する場合、優先順位又は配膳ゾーンの頻度に基づいて前記代替配膳案件を選択する、請求項11に記載のマルチ配膳ロボットの運用システム。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記プログラムを駆動して、
前記同一ゾーン実行ロボットの間の配膳順番のうち後順位の配膳順番を有する第1同一ゾーン実行ロボットの配膳順番を、前記第1同一ゾーン実行ロボットよりも早い順位の配膳順番を有する少なくとも1つの第2同一ゾーン実行ロボットよりも早い配膳順番に変更する、請求項11に記載のマルチ配膳ロボットの運用システム。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記プログラムを駆動して、
配膳ゾーン毎に配膳ロボットが一時待機できる少なくとも1つの一時待機ゾーンに関する情報を維持し、前記第1配膳ゾーンに対応する少なくとも1つの第1一時待機ゾーンに前記第2同一ゾーン実行ロボットを移動させた後、前記第1同一ゾーン実行ロボットの配膳を行うように制御する、請求項14に記載のマルチ配膳ロボットの運用システム。
【請求項16】
プロセッサと、
前記プロセッサによって駆動されるプログラムが記憶されるメモリと、
を含み、
前記プロセッサは、前記プログラムを駆動して、
配膳するテーブルそれぞれ毎の配膳スポットに関する配膳スポット情報、及び配膳ロボットが移動できる移動経路に基づいて予め設定された複数の配膳ゾーンのそれぞれの配膳ゾーン情報(前記配膳ゾーン情報は、特定の配膳ゾーンに含まれたいずれか1つの第1配膳スポットで配膳が行われるときに移動に影響を受ける少なくとも1つの第2配膳スポットが存在する場合、前記第1配膳スポットと前記少なくとも1つの第2配膳スポットが特定の配膳ゾーンに含まれることを識別できる情報を含む)を格納し、
前記配膳ゾーン情報に基づいて、前記配膳ロボットのうち複数の実行ロボットのそれぞれに対応する配膳ゾーンを確認し、
同一ゾーン実行ロボットの間の配膳順番に基づく配膳順番で配膳を行う場合、少なくとも1つの同一ゾーン実行ロボットに待機イベントが発生するか否かを判断し、
前記待機イベントが発生すると判断した場合、前記複数の実行ロボットの移動経路又は配膳順番の少なくとも一方を制御する、マルチ配膳ロボットの運用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチ配膳ロボットの運用方法及びそのシステムに関し、より具体的には大型店舗のように複数の配膳ロボットを運用する必要がある場合、配膳ロボット間の移動経路の重なり及び衝突等を防止し、効率的に配膳ロボットを運用するための技術的思想に関する。
【背景技術】
【0002】
自律走行やロボット技術の発達とともに、飲食店等の店舗で料理の配膳を配膳ロボットで行うための研究が活発に行われている。
【0003】
配膳ロボットは、人に代わって店内で定められた経路に沿って走行したり、走行経路上の障害物等を認識して調理された料理を載せて顧客に配膳している。
【0004】
このような配膳ロボットは主に飲食店(以下、店舗という)に備えられ、定められた機能を行うことになるが、そのために配膳ロボットは、店舗内の移動動線を含む地図を生成し、配膳ロボットの停車位置と方向が予め指定されることになる。
【0005】
面積が広い大型店舗の場合、1つの配膳ロボットだけではその需要を満たすのは難しいため、複数台の配膳ロボットを運用する必要がある。
【0006】
面積が広いとしても、配膳ロボットが移動する移動経路は制限的であり、これによって配膳ロボットの移動のための空間の確保、配膳ロボット間の移動経路の重なり及び衝突等により効率が大きく低下する恐れがあるという問題点がある。
【0007】
したがって、従来、複数台の配膳ロボットが運用されるとき、先に移動した配膳ロボットの動作が全て終了するまで、残りの配膳ロボットが停止した状態で待機する方式が主に用いられている。このような例を図1から図3に示す。
【0008】
図1から図3は、従来、複数の配膳ロボットの移動経路が重なる場合における待機方法を説明するための図である。
【0009】
図1を参照すると、配膳ロボット1、2、3がそれぞれテーブルA、B、Cに配膳する場合が示されている。
【0010】
このとき、配膳ロボット1、2、3のそれぞれは、実線で示された移動経路上に移動するように設定されていてもよく、配膳ロボットの間には配膳順番が定められていてもよい。
【0011】
配膳順番は、移動経路がいずれか1つのロボットのみを移動できる場合に特に重要であり、例えば、キッチンから料理が出てくる順番、又は所定の方式で配膳順番が3、2、1の順番で定められてもよい。
【0012】
配膳順番は様々に定めることができる。例えば、配膳ロボットが料理をピックアップするピックアップポイントをテーブルゾーン毎に指定し、配膳ロボットが定められたゾーンに該当するピックアップポイントで待機し、料理をピックアップすることにより順番が定められてもよい。
【0013】
あるいは、配膳ロボットの配膳順番によって料理が自動的にキッチンからホールに移動され、店員は、料理が出てくる順番に従って料理を配膳ロボットに順に積載してもよい。
【0014】
様々な方法で配膳順番を決定することができ、図2に示すように、最も早い配膳順番を有する配膳ロボット3が最初にテーブルCに配膳を行い、その間に配膳ロボット1、2は、配膳ロボット3が配膳している間、配膳ロボット3によって移動経路が塞がれて待機しなければならない。
【0015】
また、図3に示すように、次に配膳ロボット2が配膳を行うようになり、このときも配膳ロボット2は自身の順番まで待機することになる。
【0016】
このように移動経路によって配膳ロボットが同時に移動できる配膳ロボットの数に制限がある場合は、配膳ロボット間の配膳順番、及び/又は配膳ロボットがどのテーブルに配膳するかによって全体の配膳時間に非常に大きな差があり得る。また、これらの配膳ロボットの配膳に対する運用が効率的でない場合、配膳するテーブルの待機時間が長くなり、配膳までの所要時間が増加して顧客の苦情を引き起こす恐れがあり、待機時間中に顧客に配膳される料理が冷めたり汚染される恐れがあり、サービスの質が低下する恐れがあるという問題がある。
【0017】
したがって、複数台の配膳ロボットをより効率的に運用できるようにする技術的思想が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【文献】韓国出願番号(1020190144402、「ロボットの移動経路を決定する方法、システム及び非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体」)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明が解決しようとする課題は、大型店舗内で同時に移動しなければならない複数の配膳ロボットを効率的に運用して全体の配膳時間を短縮できる技術的思想を提供することである。
【0020】
特に、移動経路の特性上、配膳を行っている配膳ロボットが存在すると、他の配膳ロボットがその位置を移動できない場合が存在するが、このような場合に複数の配膳ロボットを効率的に運用できる技術的思想を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記技術的課題を解決するための本発明の実施形態によるマルチ配膳ロボットの運用方法は、マルチ配膳ロボットの運用システムが、配膳するテーブルそれぞれ毎の配膳スポットに関する配膳スポット情報、及び前記配膳ロボットが移動できる移動経路に基づいて予め設定された複数の配膳ゾーンそれぞれに関する配膳ゾーン情報(所定の方式でグループ化された複数の配膳スポットに関する情報を含む)を格納するステップ、前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、前記配膳ゾーン情報に基づいて、前記配膳ロボットのうち複数の実行ロボットが同じ第1配膳ゾーンに配膳を行う同一ゾーン実行ロボットであるか否かを判断するステップ、及び前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、判断の結果、前記複数の実行ロボットが同一ゾーン実行ロボットの場合、前記同一ゾーン実行ロボットの少なくとも1つの配膳テーブルを変更するか又は配膳順番を変更するステップを含んでもよい。
【0022】
前記配膳ゾーン情報は、特定の配膳ゾーンに含まれたいずれか1つの第1配膳スポットで配膳が行われるときに移動に影響を受ける少なくとも1つの第2配膳スポットが存在する場合、前記第1配膳スポットと、前記少なくとも1つの第2配膳スポットを含む配膳スポットがグループ化された情報であってもよい。
【0023】
前記マルチ配膳ロボットの運用方法は、前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、前記同一ゾーン実行ロボットの間の配膳順番に基づく配膳順番で配膳を行う場合、少なくとも1つの同一ゾーン実行ロボットに待機イベントが発生するか否かを判断するステップをさらに含み、前記待機イベントが発生すると判断した場合、前記同一ゾーン実行ロボットの少なくとも1つの配膳テーブルを変更するか又は配膳順番を変更してもよい。
【0024】
前記同一ゾーン実行ロボットの少なくとも1つの配膳テーブルを変更するか又は配膳順番を変更するステップは、前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、配膳待機リストに含まれ、前記第1配膳ゾーンとは異なる他の配膳ゾーンに含まれる配膳案件である代替配膳案件を、前記同一ゾーン実行ロボットのいずれか1つである第1実行ロボットに代わりに割り当てることを含んでもよい。
【0025】
前記マルチ配膳ロボットの運用方法は、前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、前記第1実行ロボットに本来割り当てられ、元の割り当て配膳案件を前記配膳待機リストの優先順位配膳案件として登録するステップをさらに含んでもよい。
【0026】
前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、配膳待機リストに含まれ、前記第1配膳ゾーンとは異なる他の配膳ゾーンに含まれる配膳案件である代替配膳案件を、前記同一ゾーン実行ロボットのいずれか1つである第1実行ロボットに代わりに割り当てるステップは、前記配膳待機リストに他の配膳ゾーンに含まれる複数の代替候補配膳案件が存在する場合、優先順位又は配膳ゾーンの頻度に基づいて前記代替配膳案件を選択することを含んでもよい。
【0027】
前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、判断の結果、前記複数の実行ロボットが同一ゾーン実行ロボットである場合、前記同一ゾーン実行ロボットの少なくとも1つの配膳テーブルを変更するか又は配膳順番を変更するステップは、前記同一ゾーン実行ロボットの間の配膳順番のうち後順位の配膳順番を有する第1同一ゾーン実行ロボットの配膳順番を、前記第1同一ゾーン実行ロボットよりも早い順位の配膳順番を有する少なくとも1つの第2同一ゾーン実行ロボットよりも早い配膳順番に変更するステップを含んでもよい。
【0028】
前記マルチ配膳ロボットの運用方法は、前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、配膳ゾーン毎に配膳ロボットが一時待機できる少なくとも1つの一時待機ゾーンに関する情報を維持するステップをさらに含み、前記同一ゾーン実行ロボットの間の配膳順番のうち後順位の配膳順番を有する第1同一ゾーン実行ロボットの配膳順番を、前記第1同一ゾーン実行ロボットよりも早い順位の配膳順番を有する少なくとも1つの第2同一ゾーン実行ロボットよりも早い配膳順番に変更するステップは、前記マルチ配膳ロボットの運用システムが、前記第1配膳ゾーンに対応する少なくとも1つの第1一時待機ゾーンに前記第2同一ゾーン実行ロボットを移動させた後、前記第1同一ゾーン実行ロボットの配膳を行うように制御するステップを含んでもよい。
【0029】
本発明の他の一態様に係るマルチ配膳ロボット運用方法は、マルチ配膳ロボット運用システムが、配膳するテーブルそれぞれ毎の配膳スポットに関する配膳スポット情報、及び前記配膳ロボットが移動できる移動経路に基づいて予め設定された複数の配膳ゾーンそれぞれに関する配膳ゾーン情報(前記配膳ゾーン情報は、特定の配膳ゾーンに含まれたいずれか1つの第1配膳スポットで配膳が行われるときに移動に影響を受ける少なくとも1つの第2配膳スポットが存在する場合、前記第1配膳スポットと前記少なくとも1つの第2配膳スポットが前記特定配膳ゾーンに含まれることを識別できる情報を含む)を格納するステップ、前記マルチ配膳ロボット運用システムが、前記配膳ゾーン情報に基づいて前記配膳ロボットのうち複数の実行ロボットそれぞれに対応する配膳ゾーンを確認するステップ、及び前記マルチ配膳ロボット運用システムが、前記複数の実行ロボットそれぞれに対応する配膳ゾーンの確認結果に基づいて、適応的に前記複数の実行ロボットの移動経路又は配膳順番のうち少なくとも一方を制御するステップをを含んでもよい。
【0030】
上記の方法は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されたコンピュータプログラムによって実現されてもよい。
【0031】
本発明の他の態様に係るマルチ配膳ロボットの運用システムは、プロセッサ、前記プロセッサによって駆動されるプログラムが記憶されるメモリを含み、前記プロセッサは、前記プログラムを駆動して配膳するテーブルそれぞれ毎の配膳スポットに関する配膳スポット情報、及び前記配膳ロボットが移動できる移動経路に基づいて予め設定された複数の配膳ゾーンそれぞれに関する配膳ゾーン情報(所定の方式でグループ化された複数の配膳スポットに関する情報を含む)を格納し、前記配膳ゾーン情報に基づいて、前記配膳ロボットのうち複数の実行ロボットが同じ第1配膳ゾーンに配膳を行う同一ゾーン実行ロボットであるか否かを判断し、判断の結果、前記複数の実行ロボットが同一ゾーン実行ロボットである場合、前記同一ゾーン実行ロボットの少なくとも1つの配膳テーブルを変更するか又は配膳順番を変更してもよい。
【0032】
前記プロセッサは、前記プログラムを駆動して、前記同一ゾーン実行ロボットの間の配膳順番に基づく配膳順番で配膳を行う場合、少なくとも1つの同一ゾーン実行ロボットに待機イベントが発生するか否かを判断し、前記待機イベントが発生すると判断した場合、前記同一ゾーン実行ロボットの少なくとも1つの配膳テーブルを変更するか又は配膳順番を変更してもよい。
【0033】
前記プロセッサは、前記プログラムを駆動して、配膳待機リストに含まれ、前記第1配膳ゾーンとは異なる他の配膳ゾーンに含まれる配膳案件である代替配膳案件を、前記同一ゾーン実行ロボットのいずれか1つである第1実行ロボットに代替として割り当ててもよい。
【0034】
前記プロセッサは、前記プログラムを駆動して、前記第1実行ロボットに本来割り当てられ、元の割り当て配膳案件を前記配膳待機リストの優先順位配膳案件として登録してもよい。
【0035】
前記プロセッサは、前記プログラムを駆動して、前記配膳待機リストに他の配膳ゾーンに含まれる複数の代替候補配膳案件が存在する場合、優先順位又は配膳ゾーンの頻度に基づいて前記代替配膳案件を選択してもよい。
【0036】
前記プロセッサは、前記プログラムを駆動して、前記同一ゾーン実行ロボットの間の配膳順番のうち後順位の配膳順番を有する第1同一ゾーン実行ロボットの配膳順番を、前記第1同一ゾーン実行ロボットよりも早い順位の配膳順番を有する少なくとも1つの第2同一ゾーン実行ロボットよりも早い配膳順番に変更してもよい。
【0037】
前記プロセッサは、前記プログラムを駆動して、配膳ゾーン毎に配膳ロボットが一時待機できる少なくとも1つの一時待機ゾーンに関する情報を維持し、前記第1配膳ゾーンに対応する少なくとも1つの第1一時待機ゾーンに前記第2同一ゾーン実行ロボットを移動させた後、前記第1同一ゾーン実行ロボットの配膳を行うように制御してもよい。
【0038】
別の一態様によるマルチ配膳ロボットの運用システムは、プロセッサ、前記プロセッサによって駆動されるプログラムが記憶されるメモリを含み、前記プロセッサは、前記プログラムを駆動して、配膳するテーブルそれぞれ毎の配膳スポットに関する配膳スポット情報、及び前記配膳ロボットが移動できる移動経路に基づいて予め設定された複数の配膳ゾーンそれぞれに関する配膳ゾーン情報(前記配膳ゾーン情報は、特定の配膳ゾーンに含まれたいずれか1つの第1配膳スポットで配膳が行われるときに移動に影響を受ける少なくとも1つの第2配膳スポットが存在する場合、前記第1配膳スポットと前記少なくとも1つの第2配膳スポットが前記特定の配膳ゾーンに含まれることを識別できる情報を含む)を格納し、前記配膳ゾーン情報に基づいて前記配膳ロボットのうち複数の実行ロボットのそれぞれに対応する配膳ゾーンを確認し、前記複数の実行ロボットのそれぞれに対応する配膳ゾーンの確認結果に基づいて、適応的に前記複数の実行ロボットの移動経路又は配膳順番のうち少なくとも一方を制御してもよい。
【発明の効果】
【0039】
本発明の一実施形態によると、大型店舗内で同時に移動しなければならない複数の配膳ロボットの間に移動経路が重なるときに、配膳ロボットが効率的な配膳を行うことができるようにしてサービスの質が低下することを防止できる効果がある。
【0040】
特に移動経路の重なり、すなわち移動経路の特性上、配膳を行っている配膳ロボットが存在すると、他の配膳ロボットがその位置を移動できない場合でも、配膳ゾーンという概念により効果的な配膳ロボットの運用が可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本発明の詳細な説明で引用される図面をより十分に理解するために、各図面の簡単な説明が提供される。
図1】従来、複数の配膳ロボットの移動経路が重なっている場合を説明するための図である。
図2】従来、複数の配膳ロボットの移動経路が重なっている場合を説明するための図である。
図3】従来、複数の配膳ロボットの移動経路が重なっている場合を説明するための図である。
図4】本発明の実施形態によるマルチ配膳ロボットの運用方法を実現するためのシステムを例示的に説明するための図である。
図5】本発明の実施形態に係るマルチ配膳ロボットの運用システムの概略構成を説明するための図である。
図6】本発明の実施形態に係る配膳ゾーンの概念を説明するための図である。
図7】本発明の実施形態によって配膳テーブルを変更する概念を説明するための図である。
図8】本発明の実施形態によって配膳テーブルを変更する概念を説明するための図である。
図9】本発明の実施形態によって配膳テーブルを変更する概念を説明するための図である。
図10】本発明の実施形態によって配膳ロボット間の配膳順番を変更する概念を説明するための図である。
図11】本発明の実施形態によって配膳ロボット間の配膳順番を変更する概念を説明するための図である。
図12】本発明の実施形態によって配膳ロボット間の配膳順番を変更する概念を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明は、様々な変換を加えることができ、様々な実施形態を有することができるので、特定の実施形態を図面に示し、詳細な説明に詳しく説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に限定することを意図するものではなく、本発明の精神及び技術的範囲に含まれるすべての変換、等価物から代替物を含むものと理解されたい。本発明の説明において、関連する公知技術の具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0043】
第1、第2等の用語は様々な構成要素を説明するために使用することができるが、上記構成要素は上記用語によって限定されるべきではない。上記用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0044】
本出願で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定することを意図していない。単数の表現は、文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【0045】
本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は、本明細書に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はそれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであり、1つ又は複数の他の特徴、数、段階、動作、構成要素、部品、又はそれらを組み合わせたものの存在又は追加の可能性を事前に除外しないものと理解されたい。
【0046】
図4は、本発明の実施形態によるマルチ配膳ロボットの運用方法を実現するためのシステムを例示的に説明するための図である。
【0047】
図4を参照すると、本発明の実施形態によるマルチ配膳ロボットの運用方法を実現するために、マルチ配膳ロボットの運用システム100を備えることができる。
【0048】
マルチ配膳ロボットの運用システム100は、本発明の技術的思想によって、複数の配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))のそれぞれの移動経路、移動順番、及び/又は配膳するテーブルを制御することができる。
【0049】
このために、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))のそれぞれと所定の通信を行うことができ、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))に制御信号を伝送して、制御信号に対応するように配膳ロボットの配膳を制御することができる。
【0050】
また、配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))のそれぞれは、自身の状態、行っている配膳の進行状態等に関する情報を、マルチ配膳ロボットの運用システム100に伝送できることは言うまでもない。
【0051】
もちろん、実施形態によって、配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))の間でも通信を行うことができることは言うまでもない。
【0052】
マルチ配膳ロボットの運用システム100は、図4では、配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))とは別の物理装置(例えば、サーバ)で実現される場合を例示的に示すが、実施形態によっては、マルチ配膳ロボットの運用システム100が配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))のいずれか1つに搭載され、本発明の技術的思想が実現されることもできる。すなわち、配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))のうちの1つ又は複数がマルチ配膳ロボットの運用システム100の機能を行うこともできる。
【0053】
マルチ配膳ロボットの運用システム100は、本発明の技術的思想を実現するために、配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))それぞれが移動できる移動経路に関する情報を格納し、維持/管理することができる。
【0054】
移動経路は、配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))のそれぞれが移動できる空間上の経路を意味することができ、そのような移動経路に関する情報を表現できる様々な技術的思想が広く知られている。例えば、空間上の連続する座標値を移動経路に関する情報に設定することができるが、これに限定されない。
【0055】
また、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230)が配膳するテーブルに関する情報を格納し、維持/管理することができる。
【0056】
テーブルに関する情報は、テーブル毎の識別情報及び/又はテーブル毎の位置情報を含んでもよい。
【0057】
また、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、それぞれのテーブル毎の配膳スポットに関する情報を格納し、維持/管理することができる。
【0058】
配膳スポットは、テーブル毎に配膳ロボットが停車して配膳を行う位置を意味することができる。配膳スポットに関する情報は、配膳スポットの位置に関する情報を含み、実施形態によって、配膳スポットで所定の配膳ロボットが配膳を進行している場合、他の配膳ロボットが配膳スポットを経由して移動できるか否かに関する情報をさらに含んでもよい。
【0059】
例えば、図2において、配膳ロボット3がテーブルCに対応する配膳スポットで配膳を行っている場合、他の配膳ロボット1、2が配膳スポットを経由して移動できない場合が存在することがある。
【0060】
このような場合を本明細書では移動経路の重なりと定義し、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、配膳スポット毎に移動経路の重なりが発生するか否かに関する情報を別途に格納し、維持/管理するか、又は配膳スポットに関する情報を含めて維持/管理することができる。
【0061】
それによって、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、少なくとも1つの配膳ゾーンに関する情報を格納し、維持/管理することができる。
【0062】
配膳ゾーンは、所定の方式で配膳スポット(又はテーブル)をグループ化した情報であってもよい。
【0063】
例えば、配膳ゾーン情報は、配膳ロボットの移動に影響を与える配膳スポットをグループ化した情報であってもよい。
【0064】
例えば、特定の配膳ゾーンに含まれたいずれか1つの第1配膳スポットで配膳が行われるときに移動に影響を受ける少なくとも1つの第2配膳スポットが存在する場合、第1配膳スポットと少なくとも1つの第2配膳スポットが配膳ゾーンに含まれてもよい。
【0065】
ここで、移動に影響を受けるとは、上述したように移動経路が重なる場合を含んでもよい。
【0066】
実施形態によっては、必ずしも移動経路が重なっていないとしても(すなわち、いずれか1つの配膳ロボットが配膳中であっても他の配膳ロボットが当該地点を経由できる場合であっても)、配膳ロボットが配膳を行うために移動経路上の同一の特定の区間を必ず移動しなければならない配膳スポットが存在する場合、そのような配膳スポットは同じ配膳ゾーンにグループ化されてもよい。例えば、図2のテーブルA、B、Cのそれぞれに対応する配膳スポットは、たとえ移動経路が重ならないとしても、同じ移動経路区間を使用しなければ配膳できない位置であってもよく、これらの位置、すなわち配膳スポットは、同時に移動するときに移動に制約を受ける可能性がある位置であるため、1つの配膳ゾーンにグループ化されてもよい。
【0067】
いかなる場合でも、配膳ゾーンは、同時に配膳が行われるときにさらなる制御が必要であるか、又は配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))が密集可能な配膳スポットの集合として設定することができる。
【0068】
これによって、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、複数の配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))を効果的に運用するために配膳する全店舗で配膳ゾーンを特定し、特定した配膳ゾーンに関する情報に基づいて適応的に配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、・・・、R(230))の配膳を制御することができる。
【0069】
一例によると、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、複数の配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))が同時に又は一定時間内に順に配膳を行う必要がある場合、配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))が配膳するテーブル(又は配膳スポット)が同じ配膳ゾーンに含まれるか否かによって、適応的に配膳順番又は配膳するテーブルを決定することができる。適応的に配膳順番又は配膳するテーブルを決定するとは、所定の方式で既に決定された配膳順番又は配膳するテーブルを維持又は変更することを意味することができる。
【0070】
このために、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))の間に定められた配膳順番が存在し、配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))毎に配膳テーブルが割り当てられると、予め配膳をシミュレーションしてもよい。また、配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))の全部又は一部が同じ配膳ゾーンに配膳する場合であって、シミュレーションの結果、予め定められた状況が発生する場合(例えば、移動を停止して待機が行われるべき配膳ロボットが存在する場合)、配膳順番又は配膳するテーブルを適応的に変更してもよい。
【0071】
結局、本発明の技術的思想によると、配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))が配膳する全店舗に対して配膳ゾーンを効果的に設定し、設定された配膳ゾーンに基づいて効果的に複数の配膳ロボットの配膳を制御できる効果がある。
【0072】
このような技術的思想を実現するためのマルチ配膳ロボットの運用システム100の概略構成は、図5に示すようである。
【0073】
図5は、本発明の実施形態に係るマルチ配膳ロボットの運用システムの概略構成を説明するための図である。
【0074】
図5を参照すると、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、所定のデータ処理装置で実現することができる。
【0075】
上述のように、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230)と通信を行う別のサーバとして実現されてもよい。
【0076】
あるいは、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))のうち少なくとも1つに設けられてもよい。
【0077】
マルチ配膳ロボットの運用システム100は、図5に示すように、本明細書で定義される機能を実現するためのプロセッサ110及び記憶媒体(又はメモリ120)を含む。プロセッサ110は、所定のプログラム(ソフトウェアコード)を行うことができる演算装置を意味することができ、データ処理装置の実現例又はベンダ(Vendor)モバイルプロセッサ、マイクロプロセッサ、CPU、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ、GPU等、さまざまな名前で命名することができ、1つ以上のプロセッサで実現することができる。
【0078】
プロセッサ110は、プログラムを駆動して本発明の技術的思想に必要なデータ処理を行うことができることを本発明の技術分野の平均的な専門家は容易に推論することができるであろう。
【0079】
メモリ120は、本発明の技術的思想を実現するためのプログラムが記憶/インストールされる装置を意味することができる。実現例によって、メモリ120は複数の互いに異なる物理デバイスに分割されてもよく、実現例によって、メモリ120の一部はプロセッサ110の内部に存在してもよい。メモリ120は、実現例によって、ハードディスク、GPU、SSD(Solid State Disk)、光ディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び/又は他の様々な種類の記憶媒体で実現することができ、必要に応じてメモリ120に取り外し可能に実現することができる。
【0080】
マルチ配膳ロボットの運用システム100は、独立したサーバとして実現されてもよいが、これに限定されず、配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))と通信を行うと共に、プログラムを行うためのデータ処理能力を有する任意のデータ処理装置(例えば、コンピュータ、モバイル端末等)で実現することができる。
【0081】
また、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、プロセッサ110、メモリ120、及びマルチ配膳ロボットの運用システム100に備えられる各種周辺装置(例えば、入出力装置、表示装置、オーディオ装置等、140、141、及びこれらの装置を連結するための通信インターフェース(例えば、通信バス、130等)を備えることができることは、本発明の技術分野の平均的な専門家は容易に推論することができるであろう。
【0082】
一方、本発明の技術的思想によるマルチ配膳ロボットの運用システム100は、メモリ120に記憶されたプログラム(又はソフトウェア)とプロセッサ110とを有機的に結合して実現することができることは言うまでもなく、以下、本明細書において、マルチ配膳ロボットの運用システム100が行う機能及び/又は動作は、プログラムがプロセッサ110によって実行され得ることを、本発明の技術分野の平均的な専門家は容易に推論することができるであろう。
【0083】
マルチ配膳ロボットの運用システム100は、上述したように、配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))が配膳するテーブルそれぞれ毎の配膳スポットに関する配膳スポット情報、及び配膳ゾーンのそれぞれに関する配膳ゾーン情報を格納することができる。
【0084】
配膳ゾーンは、配膳を制御するために必要に応じて所定の方式で複数の配膳スポットがグループ化されたものであってもよい。
【0085】
本発明の一実施形態によると、配膳ゾーンは、特定の配膳ゾーンに含まれたいずれか1つの第1配膳スポットで配膳が行われるときに移動に影響を受ける少なくとも1つの第2配膳スポットが存在する場合、第1配膳スポットと少なくとも1つの第2配膳スポットを含む配膳スポットがグループ化されたものであってもよいことは前述の通りである。また、移動に影響を受ける少なくとも1つの第2配膳スポットは、第1配膳スポットで配膳が行われている場合に移動経路が重なる配膳スポットを意味することができる。
【0086】
しかし、実施形態によって様々に配膳ゾーンが設定されてもよいことは言うまでもない。
【0087】
図6は、本発明の実施形態に係る配膳ゾーンの概念を説明するための図である。
【0088】
図6に示すように、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、複数の配膳ゾーンS10、S20を設定し、これらの配膳ゾーンS10、S20のそれぞれに関する情報を格納し、維持/管理することができる。
【0089】
第1配膳ゾーンS10は、テーブルA、B、C(又はこれらに対応する配膳スポット)に設定されてもよい。また、第2配膳ゾーンS20は、テーブルD、E(又はこれらに対応する配膳スポット)に設定されてもよい。
【0090】
また、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、これらの配膳ゾーンS10、S20に関する情報を必要に応じて変更してもよい。例えば、管理者は、配膳ゾーンS10、S20の運営中、同時又は一定時間内に配膳が行われる場合、様々な理由(人の動線、混雑度等)の問題が生じると判断されるテーブルの集合を判断してもよく、これらのテーブルの集合を1つの配膳ゾーンとして設定してもよい。
【0091】
新たに設定された配膳ゾーンに関する情報をマルチ配膳ロボットの運用システム100に入力してもよく、これによって、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、新しい配膳ゾーンに関する情報を入力されて既存の配膳ゾーン情報を更新することができる。
【0092】
一方、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、後述するように所定の一時待機ゾーンT10に関する情報を格納し、維持/管理することができる。一時待機ゾーンT10は、配膳ゾーン毎に1つ又は複数設定されてもよい。
【0093】
一時待機ゾーンT10は、後述するように所定の配膳ゾーンに複数の実行ロボットが配膳を行う必要がある場合、そのうちの全部又は一部の実行ロボットが一時的に待機するために設定される領域であってもよい。
【0094】
一時待機ゾーンT10は、実行ロボットの配膳順番を変更する際に活用することができ、配膳ゾーン毎に適切な位置に設定することができる。
【0095】
このように、配膳ゾーンS10、S20に関する情報及び/又は一時待機ゾーンT10に関する情報が設定されている状態で、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))のうちの全部又は一部である複数の実行ロボットが配膳を開始するように制御することができる。
【0096】
このような場合、実行ロボットは、同時に配膳のための移動を開始するか、又は予め設定された時間間隔内に移動を開始する配膳ロボットであってもよい。
【0097】
実行ロボットは、上述のように配膳の順番を決定していてもよい。
【0098】
例えば、図1から図3で説明したように、配膳ロボットは、予め定められた所定の位置で料理が積載されるのを待機しているが、料理が積載されテーブルが割り当てられると実行ロボットと設定することができる。また、実行ロボットの間には、移動経路における位置(例えば、移動経路上の前にある順に)、料理の積載順番等によって配膳順番を自動的に又は人為的に設定されてもよい。例えば、図1から図3の場合は、配膳ロボット3、配膳ロボット2、配膳ロボット1の順に配膳順番が早くてもよい。
【0099】
マルチ配膳ロボットの運用システム100は、複数の配膳ロボット(例えば、R(200)、R(210)、R(220)、…、R(230))のうちで実行ロボットを特定してもよい。
【0100】
上述のように、実行ロボットは、同時に又は所定の時間内に配膳を開始する配膳ロボットであってもよく、少なくとも料理が積載されてテーブルが割り当てられた配膳ロボットであってもよい。
【0101】
テーブルの割り当ては、料理が出てくる順に配膳ロボットに割り当てられてもよく、配膳ロボットの待機位置によって順に割り当てられてもよい。
【0102】
様々な方法で配膳ロボットに料理の積載及びテーブルの割り当てが行われると、マルチ配膳ロボットの運用システム100は実行ロボットを特定し、実行ロボットが同じ配膳ゾーンに配膳する同一ゾーン実行ロボットであるか否かを判断することができる。実行ロボットが同じ配膳ゾーンに配膳する同一ゾーン実行ロボットであるか否かを判断するということは、実行ロボットのうちで同一ゾーン実行ロボットが何であるかを判断することを含む意味であってもよいことは言うまでもない。
【0103】
これによって、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、同一ゾーン実行ロボットに対して適応的に配膳戦略を選択することができる。適応的配膳戦略の選択は、同一ゾーン実行ロボットのうち少なくとも1つに対して現在設定されている配膳順番、及び/又は配膳テーブルを必要に応じて変更することを含む意味であってもよい。
【0104】
例えば、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、現在設定されている同一ゾーン実行ロボットの間の配膳順番にそれぞれ割り当てられたテーブルに配膳を行う場合、少なくとも1つの同一ゾーン実行ロボットに待機イベントが発生するか否かを予め判断することができる。
【0105】
待機イベントは、上述したように移動経路の重なりが発生して、実行ロボットが配膳する配膳スポットまで移動できず待機する場合を意味してもよい。
【0106】
これによって、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、待機イベントが発生すると判断した場合に、同一ゾーン実行ロボットの少なくとも1つの配膳テーブルを変更するか又は配膳順番を変更してもよい。
【0107】
同一ゾーン実行ロボットの少なくとも1つの配膳テーブルを変更する一例は、図7から図9を参照して説明する。
【0108】
図7から図9は、本発明の実施形態によって配膳テーブルを変更する概念を説明するための図である。
【0109】
まず図7を参照すると、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、配膳を待機している配膳待機リスト及び待機中の配膳ロボットのリストを維持することができる。また、配膳待機リストに含まれる配膳案件のいずれか1つが割り当てられると、実行ロボットになることができる。
【0110】
まず、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、所定の基準によって配膳待機リストに含まれる配膳案件T、T、T、Tのそれぞれを、待機中の配膳ロボットR、R、Rに割り当てることができる。このような割り当ては順に、配膳順番の早い配膳ロボットに、優先順位の早い配膳案件が割り当てられる方式であってもよいが、これに限定されず、様々な方法で配膳案件の割り当てが行われてもよい。
【0111】
さらに、配膳案件T、T、T、Tのそれぞれは、テーブルC、B、A、Dに配膳される案件であってもよい。
【0112】
これによって、図7に示すように、配膳案件Tは配膳ロボットRに、配膳案件Tは配膳ロボットRに、配膳案件Tは配膳ロボットRに割り当てられることができる。配膳案件Tは、待機中の配膳ロボットが存在しないため、割り当てられていないか、又は他の配膳ロボットに割り当てられることがある。以下では、説明の便宜のために3つの配膳ロボットが存在する場合を説明し、配膳案件Tはまだ割り当てられていない場合を説明するが、本発明の権利範囲はこれに限定されない。
【0113】
配膳案件が割り当てられて配膳を開始するために、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、実行ロボットR、R、Rが同一ゾーン実行ロボットであるか否かを判断してもよい。このために、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、実行ロボットR、R、Rのそれぞれに割り当てられた配膳案件の配膳テーブル及び配膳ゾーンに関する情報を確認することができる。
【0114】
また、実行ロボットR、R、Rが配膳する配膳案件T、T、Tの配膳テーブルは全て第1配膳ゾーンS10に対応するので、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、実行ロボットR、R、Rが同一ゾーン実行ロボットであることを確認することができる。
【0115】
これによって、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、同一ゾーン実行ロボットR、R、Rのいずれか1つ(例えば、R)の配膳テーブルを変更することができる。
【0116】
例えば、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、実行ロボットRの配膳テーブルをDに変更することができる。すなわち、本来割り当てられた配膳案件Tから配膳案件Tに配膳案件を代替することができる。
【0117】
このとき代替される配膳案件、すなわち代替配膳案件Tは、同一ゾーン実行ロボットR、R、Rが配膳する第1配膳ゾーンS10とは異なる他の配膳ゾーンに該当する配膳案件であってもよい。
【0118】
このために、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、配膳待機リストに含まれると共に、第1配膳ゾーンS10とは異なる第2配膳ゾーン(例えば、S20)に含まれる配膳案件のうちから代替配膳案件(例えば、T)を選択することができる。
【0119】
また、代替配膳案件(例えばT)を同一ゾーン実行ロボットのいずれか1つである第1実行ロボット(例えばR)に代わりに割り当てることができる。
【0120】
同一ゾーン実行ロボットR、R、Rのうちのどの実行ロボットに代替配膳案件を代わりに割り当てるかは、様々な実施形態が可能であり得る。
【0121】
例えば、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、代替配膳案件を配膳する実行ロボットを任意に選択して、代替割り当てを行った場合の配膳を再度シミュレーションしてみて、シミュレーションの結果、代替割り当てより待機時間が短くなるか、又は待機イベントが発生しなくなる場合になるか否かを判断する過程を順次進行することで、代替配膳案件を配膳する実行ロボットを決定してもよい。
【0122】
一方、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、代替配膳案件Tを配膳する第1実行ロボットRに本来割り当てられていた元の割り当て配膳案件Tを、再度割り当てされていない配膳待機リストに投入してもよい。
【0123】
このとき、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、図8に示すように、元の割り当て配膳案件Tを配膳待機リストの優先順位配膳案件として登録してもよい。
【0124】
すなわち、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、配膳待機リストに含まれる配膳案件の間に優先順位を付与することができ、元の割り当て配膳案件Tは、原則として優先的に配膳すべき配膳案件として登録することにより、元の割り当て配膳案件Tについては、次の配膳ロボットの配膳実行時に優先的に処理するようにしてもよい。
【0125】
図8には、配膳待機リストと優先順位配膳案件リストが別に維持/管理される場合を示しているが、実施形態によって配膳待機リストを1つだけ維持しながら優先順位に関する情報を記録できることは言うまでもない。
【0126】
一方、実行ロボットR、R、Rが同一ゾーン実行ロボットR、R、Rと判断された場合、同一ゾーン実行ロボットR、R、Rが配膳する配膳ゾーンS10とは異なる他の配膳ゾーンS20に対応する配膳案件、すなわち候補の代替配膳案件が複数存在してもよい。
【0127】
このような場合、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、複数の候補の代替配膳案件のうち、優先順位で登録された配膳案件を先に代替配膳案件として決定してもよい。
【0128】
あるいは、候補の代替配膳案件及び/又は現在の配膳案件のそれぞれがどの配膳ゾーンに含まれているかを判断し、判断の結果として導き出される配膳ゾーンの頻度によって代替配膳案件を選択してもよい。
【0129】
例えば、候補の代替配膳案件が複数存在し、候補の代替配膳案件のうち、第2配膳ゾーンに該当する配膳案件の数、第3配膳ゾーンに該当する配膳案件の数を判断してもよい。
【0130】
これによって、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、より高い頻度を有する配膳ゾーンに対応する候補の代替配膳案件のいずれか1つを代替配膳案件として選択し、次の配膳ステップでの配膳効率を高める戦略を選択することができる。
【0131】
あるいは、現在のステップで行われる配膳案件の配膳ゾーンの頻度を考慮して、現在のステップで行われる配膳案件がいずれか1つの配膳ゾーンに集中しないように代替配膳案件を選択してもよい。
【0132】
例えば、現在3つの配膳ゾーンが存在し、現在ステップの配膳で第1配膳ゾーンに該当する配膳案件が3つであり、第2配膳ゾーンに該当する配膳案件が2つあり、第3配膳ゾーンに該当する配膳案件がない場合がある。また、現在のステップで5つの実行ロボットがそれぞれ割り当てられた配膳案件を処理する場合、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、第1配膳ゾーンに配膳を行う同一ゾーン実行ロボットR、R、Rに対して配膳案件を代替してもよく、このとき候補の代替配膳案件には、第2配膳ゾーンに該当する案件と第3配膳ゾーンに該当する案件がそれぞれ存在してもよい。このような場合、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、第3の配膳ゾーンに対応する配膳案件を代替配膳案件として選択することにより、他の配膳ゾーンでの混雑又は待機イベントが発生するリスクを低減することができる。
【0133】
候補の代替配膳案件のうちでどの配膳案件を代替配膳案件として選択するかは、上述したように優先順位及び配膳ゾーンの頻度を共に考慮できることは言うまでもなく、様々な実施形態が可能であることを、本発明の技術分野の平均的な専門家は容易に推論することができるであろう。
【0134】
第1実行ロボットRに元の割り当て配膳案件Tの代わりに代替配膳案件Tが代替として割り当てられた場合、図9に示すように最も配膳順番の早い第3配膳ロボットRが配膳案件Tをサービスすることができる。また、次に配膳順番の早い第2配膳ロボットRは待機しなければならないが、最後の配膳順番である第1配膳ロボットRは代替配膳案件Tを処理することができる。
【0135】
このような場合、本来割り当てられた配膳案件を元の配膳順番に配膳することに比べて待機時間が短縮できるという効果がある。
【0136】
一方、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、同一ゾーン実行ロボットR、R、Rのうち少なくとも1つの配膳テーブル(配膳案件)を変更してもよいが、配膳順番を変更する戦略を選択してもよい。
【0137】
そのような一例は、図10から図12を参照して説明する。
【0138】
図10から図12は、本発明の実施形態による配膳ロボット間の配膳順番を変更する概念を説明するための図である。
【0139】
まず図10を参照すると、配膳案件Tは配膳ロボットRに、配膳案件Tは配膳ロボットRに、配膳案件Tは配膳ロボットRに割り当てられていてもよい。
【0140】
また、配膳案件が割り当てられた配膳ロボット、すなわち実行ロボットR、R、Rが同一ゾーン実行ロボットであるか否かを判断してもよい。判断の結果、同一ゾーン実行ロボットであるため、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、後順位の配膳順番を有する第1同一ゾーン実行ロボット(例えば、R)の配膳順番を、第1同一ゾーン実行ロボットよりも早い順位の配膳順番を有する少なくとも1つの第2同一ゾーン実行ロボット(例えば、R、R)よりも早い配膳順番に変更してもよい。
【0141】
また、第2実行ロボットRも第3実行ロボットRよりも早い配膳順番に変更してもよい。
【0142】
仮に、移動経路の制約条件がない場合、単に変更された順番で実行ロボットが順次配膳のための移動を開始するように制御することによって、マルチ配膳ロボットの運用システム100は配膳順番を変更してもよい。
【0143】
しかし、実施形態によって待機中の配膳ロボットそれぞれの待機位置と、それに対応する移動経路上で同時に移動できるロボットの数の制限によって、後で待機していた配膳ロボットが先に移動できない制約条件が存在してもよい。
【0144】
このような場合、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、配膳順番を変更するために、必要に応じてマルチ配膳ロボットの運用システム100は、配膳ゾーン毎に割り当てられた一時待機ゾーンT10を活用してもよい。
【0145】
例えば、図11に示すように、第1実行ロボットRが最も早い配膳順番を有するように配膳順番が変更された場合、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、配膳を行うべき第1配膳ゾーンS10に対応するように予め設定された一時待機ゾーンT10に、第3実行ロボットR、第2実行ロボットRを順に移動させることができる。
【0146】
その後、マルチ配膳ロボットの運用システム100は、第1実行ロボットRを先に配膳テーブルに移動し、次の配膳順番を有する第2実行ロボットRを配膳するテーブルに移動させ、最後に第3実行ロボットRを配膳するテーブルに移動させてもよい。
【0147】
これにより、図12に示すように、配膳順番の早い実行ロボットの配膳進行による待機イベントが発生することなく、実行ロボットR、R、Rが配膳を行うことができる。もちろん、一時待機ゾーンT10に入って配膳順番を変更する際に若干の待機が発生することがあるが、これは配膳スポットに到着して配膳を進行することで発生する待機時間に比べると非常に小さい程度であり得る。
【0148】
一時待機ゾーンT10は、配膳ゾーン毎に少なくとも1つずつ設定してもよく、進入後には配膳順番を変更できる所定の位置に設定してもよいことは言うまでもない。
【0149】
結局、本発明の技術的思想によると、複数の配膳ロボットが同時に又は順に配膳を行うために移動をしなければならない場合、配膳ゾーンという概念を適用し、これを活用することにより、効率的な配膳戦略を適応的に選択することができる効果がある。
【0150】
上述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態に容易に変形が可能であることが理解できるであろう。したがって、上記で説明した実施形態はすべての点で例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。例えば、単一の形態で説明されている各構成要素は分散して実施することができ、同様に分散されたものと記載されている構成要素も組み合わせた形で実施することができる。
【0151】
本発明の範囲は、上記の詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲及びその均等概念から導き出される全ての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本発明は、マルチ配膳ロボットの運用方法及びシステムに利用することができる。

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