(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】ランダムアクセス方法及び機器
(51)【国際特許分類】
H04W 74/08 20240101AFI20240311BHJP
H04W 28/084 20230101ALI20240311BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20240311BHJP
H04W 72/23 20230101ALI20240311BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W28/084
H04W72/0453 110
H04W72/23
(21)【出願番号】P 2022556639
(86)(22)【出願日】2021-04-01
(86)【国際出願番号】 CN2021084962
(87)【国際公開番号】W WO2021197431
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-09-20
(31)【優先権主張番号】202010256292.0
(32)【優先日】2020-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】文 鳴
(72)【発明者】
【氏名】ブバカール,キンバ ディト アダモウ
【審査官】本橋 史帆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0174536(US,A1)
【文献】特表2020-505890(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03343980(EP,A1)
【文献】Ericsson,Email discussion [107bis#40][IAB] SI Broadcast, barring, Initial access, Connection setup[online],3GPP TSG RAN WG2 #108 R2- 1915478,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_108/Docs/R2-1915478.zip>,2019年11月15日
【文献】Xiaomi,PRACH partitioning, access and congestion control Consideration for Network Slicing[online],3GPP TSG RAN WG2 #97 R2-1700998,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_97/Docs/R2-1700998.zip>,2017年02月03日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末機器によって実行されるランダムアクセス方法であって、
セルからのシステム情報ブロックSIBメッセージを受信するステップであって、前記SIBメッセージは、前記セルのスライス情報、及び前記スライス情報と物理ランダムアクセスチャネルPRACHリソース、プリアンブルのうちの少なくとも1つとのマッピング関係を含むステップと、
前記スライス情報に基づいてスライスを選択するステップと、
前記マッピング関係に従って、前記スライスに対応するプリアンブル及びPRACHリソースを選択してランダムアクセス手順を開始するステップと、を含
み、
前記セルからのマスタ情報ブロックMIBメッセージを受信するステップをさらに含み、セルからのSIBメッセージを受信する前記ステップは、
前記MIBメッセージに、前記端末機器でサポートされるスライスの識別子が含まれることを満たす場合、前記セルからのSIBメッセージを受信するステップを含む、ランダムアクセス方法。
【請求項2】
前記マッピング関係は、
複数の前記スライス情報と複数の異なるプリアンブルとのマッピング関係と、
複数の前記スライス情報と複数の異なるPRACH時間周波数リソースブロックとのマッピング関係と、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複数の前記スライス情報は、複数の異なる公衆陸上移動体ネットワークPLMNでのスライス情報を含む、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
無線リソース制御RRC専用メッセージを受信するステップであって、前記RRC専用メッセージは1つ又は複数のプリアンブルを含み、1つの前記プリアンブルは専用スライスに対応付けられるステップと、
前記専用スライスを1つ選択し、前記専用スライスに対応するプリアンブル及びPRACHリソースを選択してランダムアクセス手順を開始するステップと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記RRC専用メッセージは、
複数の前記専用スライスと複数の異なるプリアンブルとのマッピング関係と、
複数の前記専用スライスと複数の異なるPRACH時間周波数リソースブロックとのマッピング関係と、のうちの少なくとも1つを含む、請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
ネットワーク機器によって実行されるランダムアクセス方法であって、
SIBメッセージを送信するステップであって、前記SIBメッセージは、セルのスライス情報、及び前記スライス情報と、PRACHリソース、プリアンブルのうちの少なくとも1つとのマッピング関係を含み、前記スライス情報は、端末機器がスライスを選択するために用いられ、前記マッピング関係は、前記端末機器が前記スライスに対応するプリアンブル及びPRACHリソースを選択してランダムアクセス手順を開始するために用いられるステップを含
み、
MIBメッセージを送信するステップをさらに含み、
前記MIBメッセージに、前記端末機器でサポートされるスライスの識別子が含まれる、ランダムアクセス方法。
【請求項7】
前記マッピング関係は、
複数の前記スライス情報と複数の異なるプリアンブルとのマッピング関係と、
複数の前記スライス情報と複数の異なるPRACH時間周波数リソースブロックとのマッピング関係と、のうちの少なくとも1つを含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
複数の前記スライス情報は、複数の異なるPLMNでのスライス情報を含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
RRC専用メッセージを送信するステップであって、前記RRC専用メッセージは1つ又は複数のプリアンブルを含み、1つの前記プリアンブルは専用スライスに対応付けられ、前記RRC専用メッセージは、前記端末機器が前記専用スライスを1つ選択し、前記専用スライスに対応するプリアンブル及びPRACHリソースを選択してランダムアクセス手順を開始するために用いられるステップをさらに含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項10】
前記RRC専用メッセージは、
複数の前記専用スライスと複数の異なるプリアンブルとのマッピング関係と、
複数の前記専用スライスと複数の異なるPRACH時間周波数リソースブロックとのマッピング関係と、のうちの少なくとも1つを含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され且つ前記プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムとを備え、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されると、請求項1から
5のいずれか1項に記載のランダムアクセス方法を実現する、端末機器。
【請求項12】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され且つ前記プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムとを備え、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されると、請求項
6から
10のいずれか1項に記載のランダムアクセス方法を実現する、ネットワーク機器。
【請求項13】
端末機器のプロセッサによって実行されると、請求項1から
5のいずれか1項に記載のランダムアクセス方法を実現し、又は、ネットワーク機器のプロセッサによって実行されると、請求項
6から
10のいずれか1項に記載のランダムアクセス方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年4月2日に中国特許局に提出された、出願番号202010256292.0、発明の名称「ランダムアクセス方法及び機器」の中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が参照によって本願に組み込まれる。
【0002】
本発明の実施例は、通信分野に関し、特に、ランダムアクセス方法及び機器に関する。
【背景技術】
【0003】
ネットワークスライス(slice)技術を使用することで、1つのハードウェアインフラストラクチャ上で複数の「仮想」エンドツーエンド型ネットワークを切り出すことができる。切り出した各仮想ネットワークは、端末機器からアクセスネットワークまで、アクセスネットワークからコアネットワークまで、コアネットワークから伝送ネットワークまで、いずれも論理的に完全に分離されており、それぞれのサービスの技術要件に適合する。
【0004】
ネットワークスライス技術は、完全に「カスタマイズ可能」である特徴により、オペレータに幅広い業界応用スペースを提供する。また、上位層のアプリケーションサービスプロバイダーにとって、ネットワークスライス技術を用いてよりパーソナライズされたサービスを提供することもできる。
【0005】
しかしながら、関連技術において、端末機器はランダムアクセスを行う時にセルのsliceを考慮していない。このようなメカニズムの欠如により、端末機器はセルに効果的かつ迅速にアクセスすることができない。従って、迅速なランダムアクセスメカニズムを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施例の目的は、端末機器がランダムアクセス手順においてセルのsliceを考慮していないため、セルに効果的かつ迅速にアクセスできないという問題を解決するために、ランダムアクセス方法及び機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様において、端末機器によって実行されるランダムアクセス方法であって、セルからのシステム情報ブロックSIBメッセージを受信するステップであって、前記SIBメッセージは、前記セルのスライス(以下、sliceと称する)情報、及び前記slice情報と物理ランダムアクセスチャネルPRACHリソース、プリアンブル(以下、preambleと称する)のうちの少なくとも1つとのマッピング関係を含むステップと、前記slice情報に基づいてsliceを選択するステップと、前記マッピング関係に従って、前記sliceに対応するpreamble及びPRACHリソースを選択してランダムアクセス手順を開始するステップと、を含む、ランダムアクセス方法を提供する。
【0008】
第2態様において、ネットワーク機器によって実行されるランダムアクセス方法であって、SIBメッセージを送信するステップであって、前記SIBメッセージは、セルのslice情報、及び前記slice情報と、PRACHリソース、preambleのうちの少なくとも1つとのマッピング関係を含み、前記slice情報は、端末機器がsliceを選択するために用いられ、前記マッピング関係は、前記端末機器が前記sliceに対応するpreamble及びPRACHリソースを選択してランダムアクセス手順を開始するために用いられるステップを含む、ランダムアクセス方法を提供する。
【0009】
第3態様において、セルからのSIBメッセージを受信するための受信モジュールであって、前記SIBメッセージは、前記セルのスライス(slice)情報、及び前記slice情報と物理ランダムアクセスチャネルPRACHリソース、preambleのうちの少なくとも1つとのマッピング関係を含む受信モジュールと、前記slice情報に基づいてsliceを選択するためのスライス選択モジュールと、前記マッピング関係に従って、前記sliceに対応するpreamble及びPRACHリソースを選択してランダムアクセス手順を開始するための送信モジュールと、を含む、端末機器を提供する。
【0010】
第4態様において、SIBメッセージを送信するための送信モジュールであって、前記SIBメッセージは、セルのslice情報、及び前記slice情報と、PRACHリソース、preambleのうちの少なくとも1つとのマッピング関係を含み、前記slice情報は、端末機器がsliceを選択するために用いられ、前記マッピング関係は、前記端末機器が前記sliceに対応するpreamble及びPRACHリソースを選択してランダムアクセス手順を開始するために用いられる送信モジュールを含む、ネットワーク機器を提供する。
【0011】
第5態様において、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され且つ前記プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムとを備え、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されると、第1態様に記載のランダムアクセス方法のステップを実現する、端末機器を提供する。
【0012】
第6態様において、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され且つ前記プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムとを備え、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されると、第2態様に記載のランダムアクセス方法を実現する、ネットワーク機器を提供する。
【0013】
第7態様において、プロセッサによって実行されると、第1態様と第2態様のいずれか1態様に記載のランダムアクセス方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施例において、SIBメッセージは、セルのslice情報、及びslice情報とPRACHリソース、preambleのうちの少なくとも1つとのマッピング関係を含む。こうして、端末機器は、ランダムアクセス手順において、preamble又はpreambleを送信するPRACHリソースを用いて異なるsliceを区別し、sliceに基づくランダムアクセス手順を迅速に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本明細書で説明される図面は本願をより良く理解するためのものであり、本願の一部を構成する。本願の例示的な実施例及びその説明は本願を解釈するためのものであり、本願を不適切に限定する意図がない。図面の説明を次に記載する。
【
図1】本発明の一実施例によるランダムアクセス方法の模式的なフローチャートである。
【
図2】本発明の一実施例による複数のsliceが1つのPRACH時間周波数リソースブロックを共有する場合の模式図である。
【
図3】本発明の一実施例による複数のsliceがそれぞれ異なるPRACH時間周波数リソースブロックを使用する場合の模式図である。
【
図4】本発明の別の実施例によるランダムアクセス方法の模式的なフローチャートである。
【
図5】本発明のさらに別の実施例によるランダムアクセス方法の模式的なフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施例による端末機器の構造模式図である。
【
図7】本発明の一実施例によるネットワーク機器の構造模式図である。
【
図8】本発明の別の実施例による端末機器の構造模式図である。
【
図9】本発明の別の実施例によるネットワーク機器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下に本願の具体的な実施例及び対応する図面を参照しながら、本願の技術的解決手段を明確に、完全に説明する。当然ながら、説明される実施例は本願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく、得られた他の全ての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。本明細書の各実施例における「及び/又は」は前後両者のうちの少なくとも1つを意味する。
【0017】
本発明の実施例の技術的解決手段は様々な通信システム、例えば、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution,LTE)システム、LTE周波数分割複信(Frequency Division Duplex,FDD)システム、LTE時分割複信(Time Division Duplex,TDD)、ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunication System,UMTS)又はワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(Worldwide Interoperability for Microwave Access,WiMAX)通信システム、5Gシステム、又は新しい無線(New Radio,NR)システム、又は将来発展型通信システムに応用可能であることを理解すべきである。
【0018】
本発明の実施例において、端末機器は、移動局(Mobile Station,MS)、モバイル端末(Mobile Terminal)、モバイル電話(Mobile Telephone)、ユーザ機器(User Equipment,UE)、ハンドセット(handset)及び携帯機器(portable equipment)、車両(vehicle)等を含んでもよいが、それらに限定されず、該端末機器は無線アクセスネットワーク(Radio Access Network,RAN)によって1つ又は複数のコアネットワークと通信可能であり、例えば、端末機器は、モバイル電話(又は「セルラー」電話と呼ばれ)及び無線通信機能を有するコンピュータ等であってもよく、端末機器は携帯型、ポータブル型、ハンドヘルド型、コンピュータ内蔵又は車載のモバイル装置であってもよい。
【0019】
本発明の実施例において、ネットワーク機器は、無線アクセスネットワークに配置されて端末機器に無線通信機能を提供するための装置である。前記ネットワーク機器は基地局であってもよい。前記基地局は、様々な形態のマクロ基地局、マイクロ基地局、中継局、アクセスポイント等を含んでもよい。異なる無線アクセス技術を採用したシステムにおいて、基地局機能を有する機器は名称が異なる場合がある。例えば、LTEネットワークでは、発展型ノードB(Evolved NodeB,eNB又はeNodeB)と呼ばれ、第3世代(3rd Generation,3G)ネットワークでは、ノードB(Node B)と呼ばれ、5Gシステムでは、次世代ノードB(gNB)と呼ばれ、又は、将来発展型通信システムでは、ネットワーク機器と呼ばれる等々。しかし、これらの用語は限定するためのものではない。
【0020】
図1に示すように、本発明の一実施例は、ランダムアクセス方法100を提供する。該方法は端末機器によって実行可能であり、つまり、該方法は、端末機器にインストールされているソフトウェア又はハードウェアによって実行可能であり、該方法は以下のステップを含む。
【0021】
S102で、セルからのシステム情報ブロック(System Information Block,SIB)メッセージを受信し、該SIBメッセージは、セルのスライス(以下、sliceと称する)情報、及び該slice情報と物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel,PRACH)リソース、プリアンブル(以下、preambleと称する)のうちの少なくとも1つとのマッピング関係を含む。
【0022】
該実施例において、SIBメッセージにおけるセルのslice情報は、sliceがサポートされているか否かを指示するための情報を含んでもよい。sliceがサポートされているか否かを指示するための情報が、sliceがサポートされている情報である場合、セルのslice情報には、サポートされているsliceの識別情報がさらに含まれてもよい。該sliceの識別情報は、slice識別子(ID)、sliceタイプ(type)、テナントタイプ、テナント識別子、ネットワーク機能識別子等のうちの少なくとも1つを含んでもよい。具体的に実現する際に、sliceの識別情報が存在することによって、該セルにおいてsliceがサポートされていることを端末機器に指示することができる。
【0023】
SIBメッセージにおけるslice情報は1つ又は複数であってもよく、一実施例において、上記マッピング関係は、以下の1)と2)のうちの少なくとも1つを含む。
【0024】
1)複数のslice情報と複数の異なるpreambleとのマッピング関係。
【0025】
該例において、複数の異なるsliceは複数の異なるpreamble範囲に対応してもよく、選択的に、これらの複数の異なるsliceのうちいずれか2つのsliceに対応するpreamble範囲は異なり、該例では、異なるpreamble(又は異なる範囲のpreambleと呼ばれる)によって異なるsliceを区別することができる。
【0026】
該例は、具体的には、例えば、slice1がpreamble0からpreamble31に対応し、slice2がpreamble32からpreamble63に対応し、slice1及びslice2に対応するpreamble範囲が異なる。
【0027】
選択的に、上記複数のsliceは同じPRACH時間周波数リソースブロックを共有してもよく、例えば、上記例におけるslice1及びslice2は同じPRACH時間周波数リソースブロックを共有してもよい。
【0028】
選択的に、上記複数のsliceは異なるPRACH時間周波数リソースブロックを用いてもよく、例えば、上記例におけるslice1及びslice2は異なるPRACH時間周波数リソースブロックを用いてもよい。
【0029】
2)複数のslice情報と複数の異なるPRACH時間周波数リソースブロックとのマッピング関係。
【0030】
該例において、複数の異なるsliceは複数の異なるPRACH時間周波数リソースブロックに対応してもよく、選択的に、これらの複数の異なるsliceのうちいずれか2つのsliceに対応するPRACH時間周波数リソースブロックは異なり、該例では、異なるPRACH時間周波数リソースブロックによって異なるsliceを区別することができる。
【0031】
該例は、具体的には、例えば、slice1がPRACH時間周波数リソースブロック1に対応し、slice2がPRACH時間周波数リソースブロック2に対応し、slice1及びslice2に対応するPRACH時間周波数リソースブロックが異なる。
【0032】
選択的に、上記複数のsliceは同じpreamble範囲を共有してもよく、例えば、上記例におけるslice1及びslice2は同じpreamble範囲を共有してもよい。
【0033】
選択的に、上記複数のsliceは異なるpreamble範囲を用いてもよく、例えば、上記例におけるslice1及びslice2は異なるpreamble範囲を用いてもよい。
【0034】
選択的に、上記複数の例において言及した「異なるslice」とは、同一の公衆陸上移動体ネットワーク(Public Land Mobile Network,PLMN)での異なるsliceであってもよく、異なるPLMNでの異なるsliceであってもよい。
【0035】
S104で、前記slice情報に基づいてsliceを選択する。
【0036】
S106で、マッピング関係に従って、sliceに対応するpreamble及びPRACHリソースを選択してランダムアクセス手順を開始する。
【0037】
該実施例において、端末機器は、SIBメッセージにおけるセルのslice情報から自身がサポートし、且つセルに使用可能なsliceを1つ選択してもよい。
【0038】
sliceを選択した後に、端末機器はさらに、上記マッピング関係に従って、該sliceに対応するpreamble及びPRACHリソースを選択してランダムアクセス手順を開始してもよい。
【0039】
具体的には、例えば、上記マッピング関係がsliceとpreambleとのマッピング関係を含む場合、端末機器は、該マッピング関係に基づいてsliceに対応するpreambleを決定し、且つ適切なPRACHリソース上でMsg1(4-step RACH)又はMsgA(2-step RACH)を送信し、後続のランダムアクセス手順を行うことができる。
【0040】
上記マッピング関係がsliceとPRACHリソースとのマッピング関係を含む場合、端末機器は、preambleを決定し、上記マッピング関係に基づいてsliceに対応するPRACHリソースを決定し、且つ該PRACHリソース上でMsg1(4-step RACH)又はMsgA(2-step RACH)を送信し、後続のランダムアクセス手順を行うことができる。
【0041】
上記マッピング関係がsliceとPRACHリソースとのマッピング関係及びsliceとpreambleとのマッピング関係を含む場合、端末機器は、上記マッピング関係に基づいてpreambleを決定し、上記マッピング関係に基づいてsliceに対応するPRACHリソースを決定し、且つ該PRACHリソース上でMsg1(4-step RACH)又はMsgA(2-step RACH)を送信し、後続のランダムアクセス手順を行うことができる。
【0042】
本発明の実施例によって提供されるランダムアクセス方法によれば、SIBメッセージは、セルのslice情報、及びslice情報とPRACHリソース、preambleのうちの少なくとも1つとのマッピング関係を含む。こうして、端末機器は、ランダムアクセス手順において、preamble又はpreambleを送信するPRACHリソースを用いて異なるsliceを区別し、sliceに基づくランダムアクセス手順を迅速に実現することができる。
【0043】
選択的に、実施例100の102の前に、セルからのマスタ情報ブロック(Master Information Block,MIB)メッセージを受信するステップをさらに含んでもよく、セルからのSIBメッセージを受信する前記ステップは、1)MIBメッセージにおいて、セルのセル状態が非禁止であると示されることと、2)MIBメッセージに、前記端末機器でサポートされるsliceの識別子が含まれることと、のうちの少なくとも1つを満たす場合、前記セルからのSIBメッセージを引き続き受信するステップを含む。
【0044】
該例において、端末が複数のセルのMIBメッセージを同時に読み取ることをサポートすると、端末機器は、複数のセルのMIBメッセージに基づき、どのセルを選択してアクセスするかを概略判断することができ、即ち、端末機器は、MIBメッセージを読み取るだけで、あるセルを選択してアクセスするか否かを知ることができ、それにより端末機器はセルに効果的かつ迅速にアクセスすることができる。当然ながら、他の例において、slice情報がSIBメッセージでのみ運ばれていると、端末機器はSIBメッセージを引き続き読み取ることで、セルのslice情報を読み取ることができる。
【0045】
以上の各実施例において説明されたのは競合ベースのランダムアクセス手順であり、他の実施例では、ネットワーク機器は無線リソース制御(Radio Resource Control,RRC)専用シグナリング(dedicated signalling)によって専用のslice情報を端末機器に送信してもよい。端末機器はランダムアクセスを行う前に、RRC専用メッセージを受信すると、該RRC専用メッセージに基づいてランダムアクセスを行うことができる。
【0046】
1つの具体的な実施例において、端末機器はRRC専用メッセージを受信してもよく、該RRC専用メッセージは1つ又は複数のpreambleを含み、各preambleは専用sliceに対応付けられる。
【0047】
こうして、端末機器は専用sliceを1つ選択し、該専用sliceに対応するpreamble及びPRACHリソースを選択してランダムアクセス手順を開始することができる。
【0048】
具体的には、例えば、端末機器は、得られた専用sliceからサポート可能なsliceを1つ選択し、該sliceに対応するpreambleを選択し、それに対応するPRACH時間周波数リソースブロック上でMsg1(4-step RACH)又はMsgA(2-step RACH)を送信する。
【0049】
選択的に、一実施例において、上記RRC専用メッセージは、以下の1)と2)のうちの少なくとも1つを含む。
【0050】
1)複数の専用slice情報と複数の異なるpreambleとのマッピング関係。
【0051】
該例において、複数の異なる専用sliceは複数の異なるpreamble範囲に対応してもよく、選択的に、これらの複数の異なる専用sliceのうちいずれか2つの専用sliceに対応するpreamble範囲は異なり、該例では、異なるpreamble(又は異なる範囲のpreambleと呼ばれる)によって異なる専用sliceを区別することができる。
【0052】
該例は、具体的には、例えば、専用slice1がpreamble0からpreamble31に対応し、専用slice2がpreamble32からpreamble63に対応し、専用slice1及び専用slice2に対応するpreamble範囲が異なる。
【0053】
選択的に、上記複数の専用sliceは同じPRACH時間周波数リソースブロックを共有してもよく、例えば、上記例における専用slice1及び専用slice2は同じPRACH時間周波数リソースブロックを共有してもよい。
【0054】
選択的に、上記複数の専用sliceは異なるPRACH時間周波数リソースブロックを用いてもよく、例えば、上記例における専用slice1及び専用slice2は異なるPRACH時間周波数リソースブロックを用いてもよい。
【0055】
2)複数の専用slice情報と複数の異なるPRACH時間周波数リソースブロックとのマッピング関係。
【0056】
該例において、複数の異なる専用sliceは複数の異なるPRACH時間周波数リソースブロックに対応してもよく、選択的に、これらの複数の異なる専用sliceのうちいずれか2つの専用sliceに対応するPRACH時間周波数リソースブロックは異なり、該例では、異なるPRACH時間周波数リソースブロックによって異なるsliceを区別することができる。
【0057】
該例は、具体的には、例えば、専用slice1がPRACH時間周波数リソースブロック1に対応し、専用slice2がPRACH時間周波数リソースブロック2に対応し、専用slice1及び専用slice2に対応するPRACH時間周波数リソースブロックが異なる。
【0058】
選択的に、上記複数の専用sliceは同じpreamble範囲を共有してもよく、例えば、上記例における専用slice1及び専用slice2は同じpreamble範囲を共有してもよい。
【0059】
選択的に、上記複数の専用sliceは異なるpreamble範囲を用いてもよく、例えば、上記例における専用slice1及び専用slice2は異なるpreamble範囲を用いてもよい。
【0060】
本発明の上記実施例によって提供されるランダムアクセス方法を詳しく説明するために、以下において、2つの具体的な実施例を参照しながら説明する。
実施例1
【0061】
該実施例1において説明されたのは競合ベースの4ステップのランダムアクセス手順(4-step CBRA)であり、以下のステップを含む。
【0062】
ステップ1で、端末機器は、ランダムアクセスを開始する前に、まずセルからの、MIBメッセージ及びSIBメッセージを含むシステムメッセージを読み取り、以下の2ステップのうちの少なくとも1つを実行することができ、つまり、ステップ1.1のみを実行してもよく、ステップ1.2のみを実行してもよく、ステップ1.1を実行すると共に、ステップ1.2を実行してもよく、ここで、該実施例のステップ1.1とステップ1.2の順序は限定されない。
【0063】
ステップ1.1で、端末機器はMIBメッセージ及びSIBメッセージを解析し、MIBメッセージにおいて「セル状態」が「非禁止」(not barred)であると示され、且つSIBメッセージにおいて「セル状態」が「オペレータ使用のために予約されていない」(「not reserved」 for operator use)で、且つ「その他の用途が真実でない」(「not true」for other use)と示される場合、現在のセルが候補セルとみなすことができることは明らかである。
【0064】
ステップ1.2で、セルのMIBメッセージは、該セルにおいてサポートされている全てのslice情報を示し、且つ端末機器は複数のセルのMIBメッセージを同時に読み取ることをサポートし、端末機器が、あるセルにおいて自身がサポートできるslice情報が存在すると読み取った場合、現在のセルが候補セルとみなすことができることは明らかである。
【0065】
ステップ2で、端末機器は該セルのSIBメッセージを引き続き読み取る。
【0066】
該実施例において、端末機器は、SIBメッセージにおいて、slice情報とPRACHリソース、preambleの両者の少なくとも1つとのマッピング関係がa)及びb)に示すとおりであると読み取る。
【0067】
a)異なるsliceは異なるpreamble範囲に対応するが、全てのsliceは同じPRACH時間周波数リソースブロックを共有する。
【0068】
例えば、あるセルが64個のpreamble、8種の異なるタイプのsliceをサポートすると、各sliceは8つのpreambleに対応でき、例えば、slice1はpreamble0-7に対応し、slice2はpreamble8-15に対応し……等である。このようにして、ネットワーク機器は、受信したMsg1におけるpreamble情報に基づき、該preambleによってsliceのタイプを決定することができる。
【0069】
選択的に、同じタイムスロット(slot)で、異なる端末機器によって送信されたMsg1は同じPRACH時間周波数リソースブロック上にある。具体的には、
図2に示すように、
図2においてUE1からUE8によって送信されたMsg1は、同じPRACH時間周波数リソースブロック上にある。
【0070】
b)異なるsliceは同じpreamble範囲を有する(例えば、セルにおいてサポートされている全てのsliceは同じpreamble範囲を共有する)が、異なるsliceは異なるPRACH時間周波数リソースブロックを有する。
【0071】
例えば、あるセルが64個のpreamble、3種の異なるタイプのslice即ちslice1、slice2及びslice3をサポートすると、これらの3つのsliceについて、サポートするpreambleの数はいずれも64である。
【0072】
選択的に、異なるsliceは異なるPRACH時間周波数リソースブロックに対応する。具体的には、
図3に示すように、
図3においてPRACH1、PRACH2及びPRACH3の3つの異なるPRACH時間周波数リソースブロックが示されており、slice1はPRACH1に対応し、slice2はPRACH2に対応し、及びslice3はPRACH3に対応する。
【0073】
上記各例において言及した「異なるslice」とは、同一のPLMNでの異なるsliceであってもよく、異なるPLMNでの異なるsliceであってもよい。
【0074】
ステップ3で、端末機器は候補sliceからサポート可能なsliceを1つ選択し、該sliceに対応するpreambleを選択し、それに対応するPRACH時間周波数リソースブロック上でMsg1を送信する。
【0075】
ネットワーク機器は、端末機器によって送信されたMsg1を受信した後に、ランダムアクセス応答(Random Access Response,RAR)メッセージを返信し、該RARメッセージはMsg2とも呼ばれる。
【0076】
ステップ4で、端末機器は、物理ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel,PDCCH)をブラインド検出し、且つ対応する物理ダウンリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel,PDSCH)で運ばれるRARデータを復号し、割り当てられた一時セル無線ネットワーク一時識別子(Temporary Cell-Radio Network Temporary Identifier,TC-RNTI)をMsg3のスクランブリングコードとして用いて、Msg3をネットワーク機器に送信する。
【0077】
続いて、ネットワーク機器はMsg4を端末機器に送信し、端末機器がPDCCHの検出に成功し且つ対応するPDSCHの復号に成功し、そしてマッチングする競合解決(Contention Resolution)媒体アクセス制御-制御要素(Medium Access Control- Control Element,MAC CE)が存在すると、該端末機器がアクセスに成功したことが分かる。
【0078】
ステップ5で、端末機器は、ハイブリッド自動再送要求確認応答(Hybrid Automatic Repeat request ACKnowledge,HARQ ACK)をネットワーク機器に送信し、ネットワーク機器は確認メッセージ(ACK)を返信し、ランダムアクセス手順は終了する。
実施例2
【0079】
該実施例2において説明されたのは非競合ベースの2ステップのランダムアクセス手順(2-step CFRA)であり、
図4に示すように、以下のステップを含む。
【0080】
ステップ1で、端末機器は接続状態になると、ネットワーク機器側が下り配信したRRC専用シグナリングを受信する。
【0081】
該RRC専用シグナリング(dedicated signalling)にはpreamble(1つ又は複数)が含まれ、各preambleは1つの専用sliceに対応付けられている。
【0082】
また、RRC専用シグナリングには、MsgAを送信するために必要なPRACH時間周波数リソースの位置も含まれる。
【0083】
ステップ2で、端末機器は、得られた専用sliceからサポート可能なsliceを1つ選択し、該sliceに対応するpreambleを選択し、それに対応するPRACH時間周波数リソースブロック上でMsgAを送信する。
【0084】
ステップ3で、ネットワーク機器は、端末機器によって送信されたMsgAを受信した後に、MsgBメッセージを返信し、ランダムアクセスは完了する。
【0085】
以上において、
図1を参照しながら、本発明の実施例によるランダムアクセス方法を詳しく説明した。以下において、
図5を参照しながら、本発明の別の実施例によるランダムアクセス方法を詳しく説明する。ネットワーク機器側から説明されたネットワーク機器と端末機器との対話は、
図1に示される方法における端末機器側からの説明と同じであることが理解可能であり、繰り返して説明することを回避するために、関連する説明を適宜省略する。
【0086】
図5は本発明の実施例のランダムアクセス方法を実現する流れの模式図であり、該方法はネットワーク機器側に応用可能である。
図5に示すように、該方法500は以下のステップを含む。
【0087】
S502で、SIBメッセージを送信し、該SIBメッセージは、セルのslice情報、及びslice情報とPRACHリソース、preambleのうちの少なくとも1つとのマッピング関係を含む。
【0088】
上記slice情報は、端末機器がsliceを選択するために用いられ、上記マッピング関係は、端末機器が前記sliceに対応するpreamble及びPRACHリソースを選択してランダムアクセス手順を開始するために用いられる。
【0089】
本発明の実施例において、SIBメッセージは、セルのslice情報、及びslice情報とPRACHリソース、preambleのうちの少なくとも1つとのマッピング関係を含む。こうして、端末機器は、ランダムアクセス手順において、preamble又はpreambleを送信するPRACHリソースを用いて異なるsliceを区別し、sliceに基づくランダムアクセス手順を迅速に実現することができる。
【0090】
選択的に、一実施例として、前記方法は、MIBメッセージを送信するステップをさらに含む。
【0091】
前記MIBメッセージにおいて、前記セルのセル状態が非禁止であると示され、及び/又は前記MIBメッセージに、前記端末機器でサポートされるsliceの識別子が含まれる。
【0092】
選択的に、一実施例として、前記マッピング関係は、複数の前記slice情報と複数の異なるpreambleとのマッピング関係と、複数の前記slice情報と複数の異なるPRACH時間周波数リソースブロックとのマッピング関係と、のうちの少なくとも1つを含む。
【0093】
選択的に、一実施例として、複数の前記slice情報は複数の異なるPLMNでのslice情報を含む。
【0094】
選択的に、一実施例として、前記方法は、RRC専用メッセージを送信するステップをさらに含み、前記RRC専用メッセージは1つ又は複数のpreambleを含み、1つの前記preambleは専用sliceに対応付けられ、前記RRC専用メッセージは、前記端末機器が前記専用sliceを1つ選択し、前記専用sliceに対応するpreamble及びPRACHリソースを選択してランダムアクセス手順を開始するために用いられる。
【0095】
選択的に、一実施例として、前記RRC専用メッセージは、複数の前記専用sliceと複数の異なるpreambleとのマッピング関係と、複数の前記専用sliceと複数の異なるPRACH時間周波数リソースブロックとのマッピング関係と、のうちの少なくとも1つを含む。
【0096】
以上において、
図1から
図5を参照しながら本発明の実施例によるランダムアクセス方法を詳細に説明した。以下において、
図6を参照しながら本発明の実施例による端末機器を詳細に説明する。
【0097】
図6は本発明の実施例による端末機器の構造模式図である。
図6に示すように、端末機器600は以下のモジュールを含む。
【0098】
受信モジュール602であって、セルからのSIBメッセージを受信するために用いることができ、前記SIBメッセージは、前記セルのスライスslice情報、及び前記slice情報とPRACHリソース、preambleのうちの少なくとも1つとのマッピング関係を含む。
【0099】
スライス選択モジュール604であって、前記slice情報に基づいてsliceを選択するために用いることができる。
【0100】
送信モジュール606であって、前記マッピング関係に従って、前記sliceに対応するpreamble及びPRACHリソースを選択してランダムアクセス手順を開始するために用いることができる。
【0101】
本発明の実施例において、SIBメッセージは、セルのslice情報、及びslice情報とPRACHリソース、preambleのうちの少なくとも1つとのマッピング関係を含む。こうして、端末機器は、ランダムアクセス手順において、preamble又はpreambleを送信するPRACHリソースを用いて異なるsliceを区別し、sliceに基づくランダムアクセス手順を迅速に実現することができる。
【0102】
選択的に、一実施例として、受信モジュール602は、前記セルからのマスタ情報ブロックMIBメッセージを受信するために用いることができ、前記セルのセル状態が非禁止であると示されることと、前記MIBメッセージに、前記端末機器でサポートされるsliceの識別子が含まれることと、の少なくとも1つを満たす場合、前記セルからのSIBメッセージを受信するために用いることができる。
【0103】
選択的に、一実施例として、前記マッピング関係は、複数の前記slice情報と複数の異なるpreambleとのマッピング関係と、複数の前記slice情報と複数の異なるPRACH時間周波数リソースブロックとのマッピング関係と、のうちの少なくとも1つを含む。
【0104】
選択的に、一実施例として、複数の前記slice情報は複数の異なる公衆陸上移動体ネットワークPLMNでのslice情報を含む。
【0105】
選択的に、一実施例として、受信モジュール602は、RRC専用メッセージを受信するために用いることができ、前記RRC専用メッセージは1つ又は複数のpreambleを含み、1つの前記preambleは専用sliceに対応付けられ、スライス選択モジュール604は、前記専用sliceを1つ選択し、前記専用sliceに対応するpreamble及びPRACHリソースを選択するために用いることができ、これにより、ランダムアクセス手順を開始するための送信モジュール606は、ランダムアクセス手順を開始することができる。
【0106】
選択的に、一実施例として、前記RRC専用メッセージは、複数の前記専用sliceと複数の異なるpreambleとのマッピング関係と、複数の前記専用sliceと複数の異なるPRACH時間周波数リソースブロックとのマッピング関係と、のうちの少なくとも1つを含む。
【0107】
本発明の実施例による端末機器600については本発明の実施例の方法100に対応する手順を参照すればよく、また、該端末機器600における各ユニット/モジュールと上記他の操作及び/又は機能はそれぞれ方法100における対応する手順を実現するためのものであり、同じ又は同等な技術的効果を達成でき、簡素化するために、ここで詳細な説明を省略する。
【0108】
図7は本発明の実施例によるネットワーク機器の構造模式図である。
図7に示すように、ネットワーク機器700は以下のモジュールを含む。
【0109】
送信モジュール702であって、SIBメッセージを送信するために用いることができ、前記SIBメッセージは、セルのslice情報、及び前記slice情報と、PRACHリソース、preambleのうちの少なくとも1つとのマッピング関係を含み、前記slice情報は、端末機器がsliceを選択するために用いられ、前記マッピング関係は、前記端末機器が前記sliceに対応するpreamble及びPRACHリソースを選択してランダムアクセス手順を開始するために用いられる。
【0110】
本発明の実施例において、SIBメッセージは、セルのslice情報、及びslice情報とPRACHリソース、preambleのうちの少なくとも1つとのマッピング関係を含む。こうして、端末機器は、ランダムアクセス手順において、preamble又はpreambleを送信するPRACHリソースを用いて異なるsliceを区別し、sliceに基づくランダムアクセス手順を迅速に実現することができる。
【0111】
選択的に、一実施例として、送信モジュール702は、MIBメッセージを送信するために用いることができ、前記MIBメッセージにおいて、前記セルのセル状態が非禁止であると示され、及び/又は前記MIBメッセージに、前記端末機器でサポートされるsliceの識別子が含まれる。
【0112】
選択的に、一実施例として、前記マッピング関係は、複数の前記slice情報と複数の異なるpreambleとのマッピング関係と、複数の前記slice情報と複数の異なるPRACH時間周波数リソースブロックとのマッピング関係と、のうちの少なくとも1つを含む。
【0113】
選択的に、一実施例として、複数の前記slice情報は複数の異なるPLMNでのslice情報を含む。
【0114】
選択的に、一実施例として、送信モジュール702は、RRC専用メッセージを送信するために用いることができ、前記RRC専用メッセージは1つ又は複数のpreambleを含み、1つの前記preambleは専用sliceに対応付けられ、前記RRC専用メッセージは、前記端末機器が前記専用sliceを1つ選択し、前記専用sliceに対応するpreamble及びPRACHリソースを選択してランダムアクセス手順を開始するために用いられる。
【0115】
選択的に、一実施例として、前記RRC専用メッセージは、複数の前記専用sliceと複数の異なるpreambleとのマッピング関係と、複数の前記専用sliceと複数の異なるPRACH時間周波数リソースブロックとのマッピング関係と、のうちの少なくとも1つを含む。
【0116】
本発明の実施例によるネットワーク機器700については本発明の実施例の方法500に対応する手順を参照すればよく、また、該ネットワーク機器700における各ユニット/モジュールと上記他の操作及び/又は機能はそれぞれ方法500における対応する手順を実現するためのものであり、同じ又は同等な技術効果を達成でき、簡素化するために、ここで詳細な説明を省略する。
【0117】
本明細書における各実施例は漸進的に説明されたが、各実施例において重点として説明したのは一般に他の実施例との相違点であり、各実施例間の同じまたは類似的な部分については互いに参照すればよい。機器実施例については、方法実施例に基本的に類似するので、説明は比較的簡単であり、関連部分については方法実施例の説明の一部を参照すればよい。
【0118】
図8は本発明の別の実施例による端末機器のブロック図である。
図8に示される端末機器800は、少なくとも1つのプロセッサ801、メモリ802、少なくとも1つのネットワークインタフェース804及びユーザインタフェース803を含む。端末機器800における各コンポーネントがバスシステム805によって接続される。バスシステム805がこれらのコンポーネント間の接続通信を実現するためのものであることが理解可能である。バスシステム805はデータバスに加えて、さらに電源バス、制御バス及び状態信号バスを含む。ただし、説明を明瞭にするために、
図8において各種のバスが全てバスシステム805とされている。
【0119】
そのうち、ユーザインタフェース803は、ディスプレイ、キーボード、ポインティング装置(例えば、マウス、トラックボール(trackball))、タッチパッド又はタッチパネル等を備えてもよい。
【0120】
本発明の実施例におけるメモリ802は揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってもよく、あるいは揮発性及び不揮発性メモリの両方を含んでもよいことが理解可能である。不揮発性メモリは、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory,ROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(Programmable ROM,PROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(Erasable PROM,EPROM)、電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(Electrically EPROM,EEPROM)又はフラッシュメモリであってもよい。揮発性メモリはランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)であってもよく、外部キャッシュとして用いられる。例示的なものであり限定する意図がない説明によれば、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(Static RAM,SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic RAM,DRAM)、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(Synchronous DRAM,SDRAM)、ダブルデータレート同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(Double Data Rate SDRAM,DDRSDRAM)、強化型同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(Enhanced SDRAM,ESDRAM)、シンクリンクダイナミックランダムアクセスメモリ(Synchlink DRAM,SLDRAM)及びダイレクトラムバスランダムアクセスメモリ(Direct Rambus RAM,DRRAM)のような多くの形のRAMが使用可能である。本発明の実施例に記載のシステム及び方法に係るメモリ802はこれらのメモリ及び他のいかなる適切なメモリを含むが、それらに限定されないよう意図される。
【0121】
いくつかの実施形態において、メモリ802は、実行可能モジュール又はデータ構造、又はそれらの部分集合、又はそれらの上位集合としてのオペレーティングシステム8021及びアプリケーション8022のような要素を記憶している。
【0122】
オペレーティングシステム8021は、各種のシステムプログラム、例えば、フレームワーク層、コアライブラリ層、ドライバ層等を含み、各種の基本サービスの実現、及びハードウェアベースのタスクの処理に用いられる。アプリケーション8022は、各種のアプリケーション、例えば、メディアプレーヤー(Media Player)、ブラウザ(Browser)等を含み、各種のアプリケーションサービスの実現に用いられる。本発明の実施例の方法を実現するプログラムはアプリケーション8022に含まれてもよい。
【0123】
本発明の実施例において、端末機器800は、メモリ802に記憶され且つプロセッサ801上で実行可能なコンピュータプログラムをさらに含み、コンピュータプログラムがプロセッサ801によって実行されると、以下の方法実施例100のステップを実現する。
【0124】
上記の本発明の実施例で開示された方法は、プロセッサ801に応用することができ、又はプロセッサ801によって実現することができる。プロセッサ801は信号処理能力を有する集積回路チップであり得る。実施過程では、上記方法の各ステップはプロセッサ801におけるハードウェアの集積論理回路又はソフトウェア形態の命令によって完了可能である。上記プロセッサ801は共通プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor,DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array,FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、離散ゲート又はトランジスタロジックデバイス、離散ハードウェアコンポーネントであってもよい。本発明の実施例で開示された各方法、ステップ及び論理ブロック図を実現又は実行することができる。共通プロセッサは、マイクロプロセッサ又は任意の一般的なプロセッサ等であってもよい。本発明の実施例に基づいて開示された方法のステップは、ハードウェア復号プロセッサによって実行して遂行し、又は復号プロセッサ内のハードウェアとソフトウェアモジュールを組み合せて実行して遂行するように直接体現してもよい。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ、プログラマブル読み取り専用メモリ又は電気的消去可能なプログラマブルメモリ、レジスタ等、本分野でよく用いられているコンピュータ可読記憶媒体に位置してもよい。該コンピュータ可読記憶媒体はメモリ802に位置し、プロセッサ801はメモリ802中の情報を読み取り、そのハードウェアと連携して上記方法のステップを遂行する。具体的には、該コンピュータ可読記憶媒体に、プロセッサ801により実行されると、上記の方法実施例100の各ステップを実現するコンピュータプログラムが記憶されている。
【0125】
本発明の実施例に記述したこれらの実施例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード又はそれらの組合せによって実現できることが理解可能である。ハードウェアによる実現について、処理ユニットは、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuits,ASIC)、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processing,DSP)、デジタル信号処理装置(DSP Device,DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device,PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array,FPGA)、共通プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本願に記載の機能を実行するための他の電子ユニット又はそれらの組合せにおいて実現することができる。
【0126】
ソフトウェアによる実現について、本発明の実施例に記載の機能を実行するためのモジュール(例えば、プロセス、関数等)によって本発明の実施例に記載の技術を実現することができる。ソフトウェアコードはメモリに記憶しプロセッサによって実行することができる。メモリはプロセッサ内又はプロセッサの外部で実現することができる。
【0127】
端末機器800は上記実施例における端末機器が実現する各手順を実現でき、且つ同じ又は同等な技術的効果を達成でき、繰り返して説明することを回避するために、ここで詳細な説明を省略する。
【0128】
図9を参照すると、
図9は本発明の実施例が応用されるネットワーク機器の構造模式図であり、それは方法実施例500の詳細を実現し、且つ同じ効果を達成することができる。
図9に示すように、ネットワーク機器900は、プロセッサ901、送受信機902、メモリ903及びバスインタフェースを含む。
【0129】
本発明の実施例において、ネットワーク機器900は、メモリ903に記憶され且つプロセッサ901上で実行可能なコンピュータプログラムをさらに含み、コンピュータプログラムがプロセッサ901によって実行されると、方法実施例500のステップを実現する。
【0130】
図9において、バスアーキテクチャは相互に接続されている任意数のバス及びブリッジを含んでもよく、具体的にはプロセッサ901を代表とした1つ又は複数のプロセッサ及びメモリ903を代表としたメモリの様々な回路によって一体に接続する。バスアーキテクチャはさらに、周辺機器、電圧レギュレータ及び電力管理回路等のような様々な他の回路を一体に接続することができ、これらはいずれも本分野に周知のことであるため、本明細書ではさらに説明しない。バスインタフェースはインタフェースを提供する。送受信機902は複数の部材としてもよく、即ち、送信機及び受信機を含み、伝送媒体で様々な他の装置と通信するためのユニットを提供する。
【0131】
プロセッサ901はバスアーキテクチャの管理と通常の処理を担当し、メモリ903はプロセッサ901が操作を実行する時に使用するデータを記憶することができる。
【0132】
本発明の実施例は、プロセッサにより実行されると、上記の方法実施例100と方法実施例500のうちのいずれか1つの方法実施例の各手順を実現するコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、且つ同じ技術的効果を達成することができ、繰り返して説明することを回避するために、ここで詳細な説明を省略する。前記のコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、磁気ディスク又は光ディスク等である。
【0133】
説明すべきことは、本明細書において、用語「含む」、「からなる」又はその他のあらゆる変形は、非排他的包含を含むように意図され、それにより一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素のみならず、明示されていない他の要素、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素をも含む点である。特に断らない限り、語句「1つの……を含む」により限定される要素は、該要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に別の同じ要素がさらに存在することを排除するものではない。
【0134】
以上の実施形態に対する説明によって、当業者であれば上記実施例の方法がソフトウェアと必要な共通ハードウェアプラットフォームとの組合せという形態で実現できることを明確に理解可能であり、当然ながら、ハードウェアによって実現してもよいが、多くの場合において前者はより好ましい実施形態である。このような見解をもとに、本発明の技術的解決手段は実質的に又は従来技術に寄与する部分はソフトウェア製品の形で実施することができ、該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体(例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、端末(携帯電話、コンピュータ、サーバ、エアコン、又はネットワーク機器等であってもよい)に本発明の各実施例に記載の方法を実行させる複数の命令を含む。
【0135】
以上、図面を参照しながら本発明の実施例を説明したが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されず、上記の具体的な実施形態は例示的なものに過ぎず、限定的なものではなく、本発明の示唆をもとに、当業者が本発明の趣旨及び特許請求の保護範囲から逸脱することなくなし得る多くの形態は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。