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特許7451761混合接続電池充放電方法および混合接続電池システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】混合接続電池充放電方法および混合接続電池システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240311BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20240311BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20240311BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
H02J7/00 K
H02J7/02 H
H02J7/02 J
H01M10/44 P
H01M10/48 P
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022566723
(86)(22)【出願日】2021-05-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(86)【国際出願番号】 CN2021094921
(87)【国際公開番号】W WO2021249150
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2022-11-01
(31)【優先権主張番号】202010518584.7
(32)【優先日】2020-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】▲ゴン▼勇
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-063567(JP,A)
【文献】特開平10-302846(JP,A)
【文献】特開平06-253463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 7/02
H01M 10/44
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインボードに接続された混合接続電池であって、少なくとも2つの相互接続された電池を含む混合接続電池と、メインボードと、を含む混合接続電池システムに適用される混合接続電池充放電方法において、
充電または放電の要求タイプに応じて、混合接続電池における各電池の接続方式を確定および調整するステップと、
前記混合接続電池における各電池の接続方式に基づいて前記混合接続電池に対して充電または放電を行うステップと、を含み、
前記混合接続電池はバッテリーパック管理回路、第1セル、第2セル、第1保護回路、第2保護回路および第3保護回路を少なくとも含み、前記第1セル、前記第1保護回路および前記第2保護回路は同一の電池に属し、前記第2セルと前記第3保護回路は同一の電池に属し、
前記混合接続電池システムは、前記各電池の接続方式を調整するように配置されるスイッチをさらに含み、前記スイッチは前記混合接続電池内または前記メインボード上に設置される
混合接続電池充放電方法。
【請求項2】
前記スイッチは前記混合接続電池内に設置され、スイッチの第1端は第1セルの第1端と混合接続電池の第1正極端に接続され、スイッチの第2端は第2セルの第1端と混合接続電池の第2正極端に接続され、スイッチの第3端はバッテリーパック管理回路の第4端に接続され、
第1セルの第1端は混合接続電池の第1正極端、第1保護回路の第3端、第2保護回路の第3端、バッテリーパック管理回路の第3端にそれぞれ接続され、第1セルの第2端は第1保護回路の第1端と第2保護回路の第1端にそれぞれ接続され、
第2セルの第1端は第1保護回路の第2端、第3保護回路の第3端、混合接続電池の第2正極端、バッテリーパック管理回路の第5端にそれぞれ接続され、第2セルの第2端は第3保護回路の第1端に接続され、
バッテリーパック管理回路の第1端は第1保護回路の第4端に接続され、バッテリーパック管理回路の第2端は第2保護回路の第4端に接続され、バッテリーパック管理回路の第6端は混合接続電池の通信端に接続され、
第3保護回路の第2端は第2保護回路の第2端と混合接続電池の負極端にそれぞれ接続され、
前記メインボードは充放電管理回路を含み、前記充放電管理回路は前記混合接続電池の通信端に接続される
請求項に記載の混合接続電池充放電方法。
【請求項3】
前記スイッチは前記メインボード上に設置され、前記メインボードは充放電管理回路をさらに含み、スイッチの第1端は混合接続電池の第1正極端に接続され、スイッチの第2端は混合接続電池の第2正極端に接続され、スイッチの第3端は前記充放電管理回路の第1端に接続され、前記充放電管理回路の第2端は前記混合接続電池の通信端に接続され、
第1セルの第1端は混合接続電池の第1正極端、第1保護回路の第3端、第2保護回路の第3端、バッテリーパック管理回路の第3端にそれぞれ接続され、第1セルの第2端は第1保護回路の第1端と第2保護回路の第1端にそれぞれ接続され、
第2セルの第1端は第1保護回路の第2端、第3保護回路の第3端、混合接続電池の第2正極端、バッテリーパック管理回路の第5端にそれぞれ接続され、第2セルの第2端は第3保護回路の第1端に接続され、
バッテリーパック管理回路の第1端は第1保護回路の第4端に接続され、バッテリーパック管理回路の第2端は第2保護回路の第4端に接続され、バッテリーパック管理回路の第6端は混合接続電池の通信端に接続され、
第3保護回路の第2端は第2保護回路の第2端と混合接続電池の負極端にそれぞれ接続される
請求項に記載の混合接続電池充放電方法。
【請求項4】
前記混合接続電池における各電池の接続方式に基づいて前記混合接続電池に対して充電を行う前記ステップの前に、
各前記混合接続電池における各電池セルの電圧を検出して、電圧の最大値を確定するステップと、
前記混合接続電池における各電池セルと前記電圧の最大値に対応するセルとを1組としてそれぞれ分け、各組における2つのセルの電圧差をそれぞれ算出するステップと、
少なくとも1組のセルの電圧差が予め設定された第1閾値以上であれば、当該組のセルのうちの電圧が小さい方のセルに対してバランス予備充電を行い、バランス予備充電を行っているセルの電圧を検出し、その組における2つのセルの電圧差が第1閾値より小さくなったとき、前記セルに対するバランス予備充電を停止するステップと、
各組のセルの電圧差がいずれも前記第1閾値よりも小さい場合、前記混合接続電池における各電池の接続方式に基づいて、前記混合接続電池に対して充電を行うステップと、をさらに含む
請求項1~のいずれか1項に記載の混合接続電池充放電方法。
【請求項5】
前記混合接続電池における各電池の接続方式に基づいて前記混合接続電池に充電する過程において、前記混合接続電池における各電池セルの電圧を検出するステップと、
少なくとも1つのセルの電圧がカットオフ電圧に達し、且つ少なくとも1つのセルの電圧がカットオフ電圧に達していない場合、カットオフ電圧に達していないセルに対して単独で補償充電を行うステップと、をさらに含む
請求項1~のいずれか1項に記載の混合接続電池充放電方法。
【請求項6】
前記混合接続電池における各電池の接続方式が直列接続であり、前記混合接続電池充放電方法は、少なくとも1つのセルの電圧がカットオフ電圧に達し、且つ少なくとも1つのセルの電圧がカットオフ電圧に達していない場合は、カットオフ電圧に達していない前記セルの補償充電開始時の電圧と予め設定された第2閾値に基づいて、前記混合接続電池における各電池のセルが異常であるか否かを判断するステップをさらに含み、
前記混合接続電池における各電池の接続方式が並列接続である場合、カットオフ電圧に達していない前記セルに対して単独で補償充電を行った後に、前記混合接続電池における各電池セルの補償充電時間と予め設定された第3閾値に基づいて、前記混合接続電池において補償充電を行ったセルが異常であるか否かを判断するステップをさらに含む
請求項に記載の混合接続電池充放電方法。
【請求項7】
カットオフ電圧に達していない前記セルの補償充電開始時の電圧と予め設定された第2閾値に基づいて前記混合接続電池における各電池のセルが異常であるか否かを判断する前記ステップは、
カットオフ電圧に達していない前記セルの補償充電開始時の電圧と基準電圧との差分値を算出するステップと、
前記差分値が予め設定された第2閾値以上であり、且つカットオフ電圧に達していない前記セルの補償充電開始時の電圧が前記基準電圧よりも小さい場合、先にカットオフ電圧に達したセルは異常であると確定し、
前記差分値が予め設定された第2閾値以上であり、且つカットオフ電圧に達していない前記セルの補償充電開始時の電圧が前記基準電圧以上である場合、カットオフ電圧に達していないセルは異常であると確定し、
前記差分値が予め設定された第2閾値よりも小さい場合、前記混合接続電池における各電池のセルはいずれも正常であると確定する
というステップと、を含む
請求項に記載の混合接続電池充放電方法。
【請求項8】
前記基準電圧は、直近の予め設定された回数の、補償充電を行ったセルの補償充電開始時の平均電圧であり、前記補償充電したセルは正常なセルであり、且つ前記補償充電は電池の直列接続方式での補償充電であり、
前記混合接続電池充放電方法は、
前記差分値が予め設定された第2閾値よりも小さい場合、今回補償充電を行ったセルの補償充電開始時の電圧に基づいて前記基準電圧を更新するステップをさらに含む
請求項に記載の混合接続電池充放電方法。
【請求項9】
前記混合接続電池における各電池セルの補償充電時間と予め設定された第3閾値に基づいて前記混合接続電池において補償充電を行ったセルが異常であるか否かを判断する前記ステップは、
前記混合接続電池における各電池セルの補償充電時間と基準時間の差分値を算出するステップと、
前記差分値が予め設定された第3閾値以上であり、且つ前記補償充電時間が前記基準時間よりも短い場合、補償充電を行った対応するセルは異常であると確定し、
前記差分値が予め設定された第3閾値よりも小さい場合、前記混合接続電池において補償充電を行ったセルはいずれも正常であると確定する
というステップと、を含む
請求項に記載の混合接続電池充放電方法。
【請求項10】
前記基準時間は、直近の予め設定された回数の、セルが補償充電を行った平均時間であり、前記補償充電を行ったセルは正常なセルであり、且つ前記補償充電は電池の並列接続方式での補償充電であり、
前記混合接続電池充放電方法は、
前記差分値が予め設定された第3閾値よりも小さければ、今回補償充電を行ったセルの補償充電時間に基づいて前記基準時間を更新するステップをさらに含む
請求項に記載の混合接続電池充放電方法。
【請求項11】
前記放電の要求タイプは並列出力放電、複数回線独立出力放電、直列出力放電を含み、および/または
前記充電の要求タイプは並列充電、直列充電を含む
請求項1~のいずれか1項に記載の混合接続電池充放電方法。
【請求項12】
相互接続された混合接続電池とメインボードを含み、前記メインボードは充放電管理回路を含み、前記混合接続電池はバッテリーパック管理回路と少なくとも2つの相互接続された電池とを含み、前記充放電管理回路はバッテリーパック管理回路に接続され、充電または放電の要求タイプを確定して、前記充電または放電の要求タイプに応じて前記バッテリーパック管理回路へ対応する調整指令を送信するように配置され、
前記バッテリーパック管理回路は、前記調整指令に基づいて前記電池の接続方式を調整して、前記電池の接続方式に応じて充電または放電を行うように配置され
前記混合接続電池は第1セル、第2セル、第1保護回路、第2保護回路および第3保護回路を少なくともさらに含み、前記第1セル、前記第1保護回路、前記第2保護回路は同一の電池に属し、前記第2セルと前記第3保護回路は同一の電池に属し、
前記各電池の接続方式を調整するように配置されるスイッチをさらに含み、前記スイッチは前記混合接続電池内または前記メインボード上に設置される
混合接続電池システム。
【請求項13】
前記スイッチは前記混合接続電池内に設置され、スイッチの第1端は第1セルの第1端と混合接続電池の第1正極端に接続され、スイッチの第2端は第2セルの第1端と混合接続電池の第2正極端に接続され、スイッチの第3端はバッテリーパック管理回路の第4端に接続され、
第1セルの第1端は混合接続電池の第1正極端、第1保護回路の第3端、第2保護回路の第3端、バッテリーパック管理回路の第3端にそれぞれ接続され、第1セルの第2端は第1保護回路の第1端と第2保護回路の第1端にそれぞれ接続され、
第2セルの第1端は第1保護回路の第2端、第3保護回路の第3端、混合接続電池の第2正極端、バッテリーパック管理回路の第5端にそれぞれ接続され、第2セルの第2端は第3保護回路の第1端に接続され、
バッテリーパック管理回路の第1端は第1保護回路の第4端に接続され、バッテリーパック管理回路の第2端は第2保護回路の第4端に接続され、バッテリーパック管理回路の第6端は混合接続電池の通信端に接続され、
第3保護回路の第2端は第2保護回路の第2端と混合接続電池の負極端にそれぞれ接続され、
前記充放電管理回路は前記混合接続電池の通信端に接続される
請求項12に記載の混合接続電池システム。
【請求項14】
前記スイッチは前記メインボード上に設置され、スイッチの第1端は混合接続電池の第1正極端に接続され、スイッチの第2端は混合接続電池の第2正極端に接続され、スイッチの第3端は前記充放電管理回路の第1端に接続され、前記充放電管理回路の第2端は前記混合接続電池の通信端に接続され、
第1セルの第1端は混合接続電池の第1正極端、第1保護回路の第3端、第2保護回路の第3端、バッテリーパック管理回路の第3端にそれぞれ接続され、第1セルの第2端は第1保護回路の第1端と第2保護回路の第1端にそれぞれ接続され、
第2セルの第1端は第1保護回路の第2端、第3保護回路の第3端、混合接続電池の第2正極端、バッテリーパック管理回路の第5端にそれぞれ接続され、第2セルの第2端は第3保護回路の第1端に接続され、
バッテリーパック管理回路の第1端は第1保護回路の第4端に接続され、バッテリーパック管理回路の第2端は第2保護回路の第4端に接続され、バッテリーパック管理回路の第6端は混合接続電池の通信端に接続され、
第3保護回路の第2端は第2保護回路の第2端と混合接続電池の負極端にそれぞれ接続される
請求項12に記載の混合接続電池システム。
【請求項15】
前記充放電管理回路は、前記バッテリーパック管理回路が前記混合接続電池における各電池の接続方式に応じて前記混合接続電池に対して充電を行う前に、各前記混合接続電池における各電池セルの電圧を検出して、電圧の最大値を確定し、前記混合接続電池における各電池セルと前記電圧の最大値に対応するセルとを1組としてそれぞれ分け、各組における2つのセルの電圧差をそれぞれ算出し、少なくとも1組のセルの電圧差が予め設定された第1閾値以上である場合、当該組のセルにおける電圧が小さい方のセルに対してバランス予備充電を行って、バランス予備充電を行っているセルの電圧を検出し、その組における2つのセルの電圧差が第1閾値よりも小さくなったとき、前記セルへのバランス予備充電を停止し、各組のセルの電圧差がいずれも前記第1閾値よりも小さい場合、前記混合接続電池における各電池の接続方式に応じて前記混合接続電池に対して充電を行うように配置される
請求項1214のいずれか1項に記載の混合接続電池システム。
【請求項16】
前記充放電管理回路は、前記バッテリーパック管理回路が前記混合接続電池における各電池の接続方式に応じて前記混合接続電池に充電する過程において、前記混合接続電池における各電池セルの電圧を検出し、少なくとも1つのセルの電圧がカットオフ電圧に達し、且つ少なくとも1つのセルの電圧がカットオフ電圧に達していない場合、前記バッテリーパック管理回路がカットオフ電圧に達していないセルに対して単独で補償充電を行うように指示する
請求項15に記載の混合接続電池システム。
【請求項17】
前記混合接続電池における各電池の接続方式が直列接続である時、前記バッテリーパック管理回路は、少なくとも1つのセルの電圧がカットオフ電圧に達し、且つ少なくとも1つのセルの電圧がカットオフ電圧に達していない場合、カットオフ電圧に達していない前記セルの補償充電開始時の電圧と予め設定された第2閾値に基づいて前記混合接続電池における各電池のセルが異常であるか否かを判断するようにさらに配置され、
前記混合接続電池における各電池の接続方式が並列接続である時、前記充放電管理回路は、カットオフ電圧に達していない前記セルに対して単独で補償充電を行った後に、前記混合接続電池における各電池セルの補償充電時間と予め設定された第3閾値に基づいて前記混合接続電池において補償充電を行ったセルが異常であるか否かを判断するようにさらに配置される
請求項16に記載の混合接続電池システム。
【請求項18】
前記混合接続電池における各電池の接続方式が直列接続である時、前記バッテリーパック管理回路は、カットオフ電圧に達していない前記セルの補償充電開始時の電圧と基準電圧との差分値を算出し、前記差分値が予め設定された第2閾値以上であり、且つカットオフ電圧に達していない前記セルの補償充電開始時の電圧が前記基準電圧よりも小さい場合、先にカットオフ電圧に達したセルは異常であると確定し、前記差分値が予め設定された第2閾値以上であり、且つカットオフ電圧に達していない前記セルの補償充電開始時の電圧が前記基準電圧以上である場合、カットオフ電圧に達していないセルは異常であると確定し、前記差分値が予め設定された第2閾値よりも小さい場合、前記混合接続電池における各電池のセルはいずれも正常であると確定するように配置される
請求項17に記載の混合接続電池システム。
【請求項19】
前記基準電圧は、直近の予め設定された回数の、補償充電を行ったセルの補償充電開始時の平均電圧であり、前記補償充電を行ったセルは正常なセルであり、且つ前記補償充電は電池の直列接続方式での補償充電であり、
前記充放電管理回路は、前記差分値が予め設定された第2閾値よりも小さい場合、今回補償充電を行ったセルの補償充電開始時の電圧に基づいて前記基準電圧を更新するようにさらに配置される
請求項18に記載の混合接続電池システム。
【請求項20】
前記混合接続電池における各電池の接続方式が並列接続である時、前記バッテリーパック管理回路は、前記混合接続電池における各電池セルの補償充電時間と基準時間との差分値を算出し、前記差分値が予め設定された第3閾値以上であり、且つ前記補償充電時間が前記基準時間よりも短い場合、補償充電を行った対応セルが異常であると確定し、前記差分値が予め設定された第3閾値よりも短い場合、前記混合接続電池において補償充電を行ったセルはいずれも正常であると確定するように配置される
請求項17に記載の混合接続電池システム。
【請求項21】
前記基準時間は、直近の予め設定された回数の、セルが補償充電を行った平均時間であり、前記補償充電を行ったセルは正常なセルであり、且つ前記補償充電は電池の並列接続方式での補償充電であり、
前記充放電管理回路は、前記差分値が予め設定された第3閾値よりも小さい場合、今回補償充電を行ったセルの補償充電時間に基づいて前記基準時間を更新するようにさらに配置される
請求項20に記載の混合接続電池システム。
【請求項22】
前記放電の要求タイプは並列出力放電、複数回路独立出力放電、直列出力放電を含み、および/または
前記充電の要求タイプは並列充電、直列充電を含む
請求項1214のいずれか1項に記載の混合接続電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2020年6月9日に中国特許庁へ提出された第202010518584.7号特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容を参照により本願に援用する。
【0002】
本開示は電池技術分野に関わるがこれに限らない。
【背景技術】
【0003】
携帯電話等の端末はコミュニケーションインタラクション、デジタルエンターテインメントなど多方面の重要な生活ツールとなっており、大容量電池は端末のバッテリー駆動時間を高める主要な措置である。大容量電池と頻繁な使用方式により、急速充電がユーザのエクスペリエンスを向上させる重要な側面になっている。ケーブルの伝送電流制限が5A(アンペア)であるという制限を受けることと、充電効率を高め、電源伝送損失および電源変換損失を低減するために、高圧充電は既に主流の選択肢となっている。電圧を高め、電流を下げるという伝送方法は、回線の伝送損失を効果的に低減できるが、高電圧と電池の電圧が合致せず、電池に直接充電することはできない。5V(ボルト)の電源で充電する場合でも、同様に電源変換チップを介して5V電源を電池に適した電圧に変換して充電する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
一態様において、本開示は、メインボードに接続された混合接続電池であって、少なくとも2つの相互接続された電池を含む混合接続電池と、メインボードと、を含む混合接続電池システムに適用される混合接続電池充放電方法において、充電または放電の要求タイプに応じて、混合接続電池における各電池の接続方式を確定、調整するステップと、前記混合接続電池における各電池の接続方式に基づいて前記混合接続電池に対して充電または放電を行うステップと、を含む、混合接続電池充放電方法を提供する。
【0005】
別の態様において、本開示は、相互接続された混合接続電池とメインボードを含み、前記メインボードは充放電管理回路を含み、前記混合接続電池はバッテリーパック管理回路と少なくとも2つの相互接続された電池を含み、前記充放電管理回路はバッテリーパック管理回路に接続され、充電または放電の要求タイプを確定して、前記充電または放電の要求タイプに応じて前記バッテリーパック管理回路へ対応する調整指令を送信するように配置され、前記バッテリーパック管理回路は、前記調整指令に基づいて前記電池の接続方式を調整して、前記電池の接続方式に応じて充電または放電を行うように配置される、混合接続電池システムをさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は本開示が提供する混合接続電池の充放電方法のフロー概略図である。
図2a図2aは本開示が提供する混合接続電池システムの構造概略図である。
図2b図2b図2aの混合接続電池システムにおける混合接続電池の構造概略図である。
図3a図3aは本開示が提供する混合接続電池システムの構造概略図である。
図3b図3b図3aの混合接続電池システムにおける混合接続電池の構造概略図である。
図4図4は本開示が提供するバランス予備充電のフロー概略図である。
図5図5は本開示が提供する補償充電のフロー概略図である。
図6図6は本開示が提供する、電池直列接続方式においてセルが異常であると判断するフロー概略図である。
図7図7は本開示が提供する、電池並列接続方式においてセルが異常であると判断するフロー概略図である。
図8図8は本開示が提供する混合接続電池システムの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下では図面を参考にして例示的な実施例をより十分に説明するが、例示的な実施例は、異なる形式で体現することができ、本文で述べた実施例に限定されると解釈すべきではない。逆に、これらの実施例を提供する目的は、本開示を詳らかにかつ完全にし、当業者に本開示の範囲を十分に理解させることである。
【0008】
本文で使用する「および/または」という用語は1つまたは複数の関連列挙項目のいずれかとすべての組み合わせを含む。
【0009】
本文で使用する用語は特定の実施例を説明するためのものにすぎず、本開示を限定することを意図するものではない。前後の文で特に明瞭に指摘しない限り、本文で使用する「1つ」および「当該」という単数形も複数形を含むことを意図している。また、本明細書で「含む」および/または「……によって形成される」という用語を使用する場合は、前記特徴、全体、ステップ、操作、部材および/または構成要素が存在するが、1つまたは複数の他の特徴、全体、ステップ、操作、部材、構成要素および/またはそのグループの存在または追加を排除しないということを示す。
【0010】
本文に記載の実施例は、本開示の理想的な概略図を用いて平面図および/または断面図を参照して説明することができる。したがって、製造技術および/または許容範囲に基づいて例示的な図面を修正することができるため、実施例は図面に示す実施例に限らず、製造プロセスに基づいて形成された配置修正を含む。よって、図面に例示された領域は概略的な属性を有し、図面に示された領域の形状は部材の領域の具体的な形状を例示しているが、限定することを意図しない。
【0011】
特に限定しない限り、本文で使用するすべての用語(技術と科学用語を含む)の意味は、当業者が通常理解しているものと同じである。例えば、常用辞書において限定されているような用語は、その関連技術および本開示の背景での意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本文が明確にそのように限定しない限り、理想化されたものまたは過度な形式上の意味を有すると解釈されないとも理解される。
【0012】
現在、高電圧と電池の電圧を適合させる方案は、電池を直列接続するというものである。電池を直列接続して高電圧の入力に適合させると、電源変換による電力損失を低減することができるが、以下の欠陥がある。(1)回路システムは単電池の給電しかサポートしないため、電源チップは直列電池を電源に適合する出力に変換する必要があり、同様に一定の損失をもたらす。(2)直列電池の充電は通常の5V充電時に、昇圧回路を加えて直列電池充電に適合させる必要があり、昇圧変換効率も低い。(3)固定直列電池は充電損失を低減するが、放電損失ももたらし、第5世代移動通信技術(5G)等の普及に伴い、システム全体の電力は増加し、放電損失も明らかにバッテリー駆動時間を低下させる。
【0013】
したがって、本開示は混合接続電池充放電方法および混合接続電池システムを特別に提供し、関連技術の欠点と制限による問題における1つまたは複数を実質的に回避している。
【0014】
本開示は混合接続電池充放電方法を提供し、前記方法は図8に示す混合接続電池システムに用いられ、図8に示しているように、前記混合接続電池システムは混合接続電池とメインボードを含み、混合接続電池はメインボードに接続され、且つ混合接続電池は少なくとも2つの相互接続された電池(図示しない)を含む。
【0015】
本開示が提供する混合接続電池充放電方法は混合接続電池に対して充電または放電を行うためのものであり、以下では図8図1を組み合わせて前記混合接続電池充放電方法について詳細に説明する。
【0016】
図1、8を組み合わせて示されるように、本開示が提供する混合接続電池充放電方法は以下のステップS11とS12を含んでもよい。
【0017】
ステップS11では、充電または放電の要求タイプに応じて混合接続電池における各電池の接続方式を確定、調整する。
【0018】
一部の実施の形態において、充電要求タイプは並列充電、直列充電を含んでもよい。放電の要求タイプは並列出力放電、複数回路独立出力放電、直列出力放電を含んでもよい。
【0019】
本ステップにおいて、メインボードの充放電管理回路は充電または放電の要求タイプに応じて混合接続電池における各電池の接続方式を確定して、混合接続電池のバッテリーパック管理回路が各電池の接続方式を調整するように指示する。
【0020】
ステップS12では、混合接続電池における各電池の接続方式に応じて混合接続電池に対して充電または放電を行う。
【0021】
本ステップにおいて、混合接続電池のバッテリーパック管理回路は充放電管理回路の指示に基づいて各電池の接続方式を調整して、混合接続電池が調整後の接続方式で充電または放電を行うように制御する。例えば、混合接続電池に対して並列充電を行う必要がある場合、混合接続電池における各電池を並列接続方式として調整して、当該並列接続方式で当該混合接続電池に充電する。
【0022】
本開示が提供する混合接続電池充放電方法は、メインボードに接続された混合接続電池であって、少なくとも2つの相互接続された電池を含む混合接続電池と、メインボードと、を含む混合接続電池システムに適用される混合接続電池充放電方法において、充電または放電の要求タイプに応じて、混合接続電池における各電池の接続方式を確定、調整するステップと、前記混合接続電池における各電池の接続方式に基づいて前記混合接続電池に対して充電または放電を行うステップと、を含む。本開示は充放電需要に応じて混合接続電池における各電池のセルに対して直列または並列の接続方式を用い、従来の単電池給電システムとの比較において、電源チップを必要とせずに直列電池電圧を単電池電圧に変換することができ、放電効率を効果的に高めることができ、従来の固定直列充電との比較において、昇圧回路を加えて直列電池充電に適応させる必要がなく、充電効率を効果的に高めることができる。
【0023】
従来の直列充電並列放電の方案は、2つの直列電池の間に4つのスイッチの組み合わせを設け、異なる充電、放電の需要を満たすというものである。しかし、当該方案には以下の欠陥がある。(1)充電と放電の段階において、回路は2つのスイッチが動作し、スイッチのインピーダンス損失を増加させる。例えば、65W(ワット)充電の場合、電池に入る電流は5Aより大きく、10ミリオームのスイッチングインピーダンス損失も0.25Wより高いスイッチ導通損失をもたらす。(2)複数の電子スイッチ実現回路は、同時に大きな回路面積を占め、特にモバイル端末の回路の実現は困難である。
【0024】
上記課題を解決するために、本開示は、混合接続電池における各電池の接続方式を調整するためのスイッチを含む混合接続電池システムを提供し、スイッチは混合接続電池内またはメインボード上に設置されてもよい。そのうち、混合接続電池はバッテリーパック管理回路、第1セル、第2セル、第1保護回路、第2保護回路、第3保護回路を少なくとも含み、第1セル、第1保護回路と第2保護回路は同一の電池に属し(例えば第1電池)、第2セルと第3保護回路は同一の電池に属する(例えば第2電池)。
【0025】
1つの電池において、セルは電力を蓄え、保護回路はセルの両端の電圧と電流を検出することでセルに対して過充電と過放電保護を行う。第1保護回路または第2保護回路は第1セルと連携して第1電池の充電と放電を完成する。第2コアは第3保護回路と連携して第2電池の充電と放電を完成する。バッテリーパック管理回路は充放電管理回路により確定された充放電需要に応じてスイッチおよび各保護回路のオンまたはオフを制御し、各電池の直列または並列の組み合わせを実現する。もしくは、充放電管理回路はスイッチのオンまたはオフを制御し、各電池の直列または並列の組み合わせを実現する。
【0026】
本開示ではスイッチの数を減らしており、1つのスイッチを利用するだけで充電状態下の電池接続方式と放電状態下の電池接続方式の切り替えを実現でき、充放電回路上のインピーダンス損失を低減し、充放電効率をさらに向上させ、回路レイアウトを最適化することもでき、端末装置のさらなる軽量化に有利であり、コストを低減することができる。
【0027】
以下では図2a、2bと図3a、3bをそれぞれ組み合わせて、スイッチを混合接続電池内またはメインボード上に設置するという方案についてそれぞれ詳細に説明する。
【0028】
一部の実施の形態では、図2a、2bを組み合わせて示されるように、スイッチが混合接続電池内に設置され、スイッチの第1端は第1セルの第1端と混合接続電池の第1正極端に接続され、スイッチの第2端は第2セルの第1端と混合接続電池の第2正極端に接続され、スイッチの第3端はバッテリーパック管理回路の第4端に接続される。スイッチは第1正極端と第2正極端を導通するためのものであり、第1正極端と第2正極端は充電または放電に用いられ、第2正極端はデフォルトでメインボードへ単電池の給電電圧を提供する。第1セルの第1端は混合接続電池の第1正極端、第1保護回路の第3端、第2保護回路の第3端、バッテリーパック管理回路の第3端にそれぞれ接続され、第1セルの第2端は第1保護回路の第1端と第2保護回路の第1端にそれぞれ接続される。第2セルの第1端は第1保護回路の第2端、第3保護回路の第3端、混合接続電池の第2正極端、バッテリーパック管理回路の第5端にそれぞれ接続され、第2セルの第2端は第3保護回路の第1端に接続される。バッテリーパック管理回路の第1端は第1保護回路の第4端に接続され、バッテリーパック管理回路の第2端は第2保護回路の第4端に接続され、バッテリーパック管理回路の第6端は混合接続電池の通信端に接続される。第3保護回路の第2端は第2保護回路の第2端と混合接続電池の負極端にそれぞれ接続される。
【0029】
メインボードは充放電管理回路を含み、充放電管理回路は混合接続電池の通信端に接続される。
【0030】
混合接続電池は第1正極端、第2正極端、通信端、負極端を介してメインボードに接続される。第1正極端と負極端は電池充電または放電に用いられ、第2正極端と負極端は単電池の電圧放電を提供するためのものであり、通信端は、バッテリーパック管理回路がメインボードの充放電管理回路と通信するためのものである。スイッチは第1正極端と第2正極端との導通に用いられ、第1正極端と第2正極端は充電または放電に用いられ、第2正極端はデフォルトでメインボードへ単電池の給電電圧を提供する。
【0031】
一部の実施の形態において、図3a、3bを組み合わせて示されるように、スイッチがメインボード上に設置され、メインボードは充放電管理回路をさらに含み、スイッチの第1端は混合接続電池の第1正極端に接続され、スイッチの第2端は混合接続電池の第2正極端に接続され、スイッチの第3端は充放電管理回路の第1端に接続され、充放電管理回路の第2端は混合接続電池の通信端に接続される。第1セルの第1端は混合接続電池の第1正極端、第1保護回路の第3端、第2保護回路の第3端、バッテリーパック管理回路の第3端にそれぞれ接続され、第1セルの第2端は第1保護回路の第1端と第2保護回路の第1端にそれぞれ接続される。第2セルの第1端は第1保護回路の第2端、第3保護回路の第3端、混合接続電池の第2正極端、バッテリーパック管理回路の第5端にそれぞれ接続され、第2セルの第2端は第3保護回路の第1端に接続される。バッテリーパック管理回路の第1端は第1保護回路の第4端に接続され、バッテリーパック管理回路の第2端は第2保護回路の第4端に接続され、バッテリーパック管理回路の第6端は混合接続電池の通信端に接続される。第3保護回路の第2端は第2保護回路の第2端と混合接続電池の負極端にそれぞれ接続される。
【0032】
図3aと3bに示す方案は図2a、2bに示す方案との比較において、スイッチを混合接続電池内部からメインボード上に移しており、充放電管理回路によりスイッチのオフとオンを制御し、混合接続電池内部回路を簡潔化することができる。
【0033】
本開示実施の形態では、図2a、2bに示す方案を例として説明を行う。
【0034】
一部の実施の形態では、ステップS12において、混合接続電池のバッテリーパック管理回路は通信端を介してメインボードの充放電管理回路と通信し、充電または放電の需要に応じて第1セルと第2セルが直列または並列操作を行うように制御する。図2a、2bを組み合わせて示されるように、直列充電の需要であれば、バッテリーパック管理回路は第2保護回路とスイッチをオフにし、第1保護回路を有効にし、電源経路全体を、第1正極端から入り、第1セル、第1保護回路、第2セル、第3保護回路を経るものとし、2つのセルが直列接続された充電経路を構成する。並列充電の需要であれば、バッテリーパック管理回路は第1保護回路をオフにし、第2保護回路とスイッチを有効にし、電源経路全体を、第1正極端から入り、第1セルと第2保護回路をそれぞれ経るとするとともに、電源経路を、第2正極端から入り、スイッチ、第2セルと第3保護回路を経るものとすることで、2つのセルが並列接続された充電経路を構成する。
【0035】
一部の実施の形態では、図4に示すように、混合接続電池における各電池の接続方式に応じて、混合接続電池に対して充電を行う(即ち、ステップS12)前に、前記混合接続電池充放電方法は以下のステップS21~S24を含んでもよい。
【0036】
ステップS21では、混合接続電池における各電池セルの電圧を検出して、電圧の最大値を確定する。
【0037】
ステップS22では、混合接続電池における各電池セルと前記電圧の最大値に対応するセルとを1組としてそれぞれ分け、各組における2つのセルの電圧差をそれぞれ算出する。
【0038】
ステップS23では、少なくとも1組のセルの電圧差が予め設定された第1閾値以上であればステップS24を実行し、各組のセルの電圧差がいずれも前記第1閾値より小さければステップS12を実行する。
【0039】
一部の実施の形態において、第1閾値は0.02Vであってもよい。
【0040】
本ステップでは、2つのセルの電圧差が第1閾値以上であるという状況が存在する場合、まず前記2つのセルにおける電圧が小さい方のセルに対してバランス予備充電を行う。
【0041】
混合接続電池における任意2つのセルの電圧差がいずれも第1閾値よりも小さい場合、混合接続電池の充電段階に移行することができ、即ち、混合接続電池の各電池の接続方式に応じて混合接続電池に対して充電を行う。
【0042】
ステップS24では、当該組のセルにおける電圧が小さい方のセルにバランス予備充電を行って、バランス予備充電を行うセルの電圧を検出し、その組における2つのセルの電圧差が第1閾値よりも小さくなったとき、前記セルへのバランス予備充電を停止する。
【0043】
本ステップでは、バランス予備充電の過程において、バッテリーパック管理回路は、バランス予備充電を行っているセルの電圧をさらに検出する必要があり、当該組における2つのセルの電圧差を再度計算し、当該電圧差が依然として第1閾値以上である場合は引き続きバランス予備充電を行い、当該電圧差が第1閾値よりも小さい場合はバランス予備充電を停止する。
【0044】
図2bに示すように、第1セル電圧が低い場合、バッテリーパック管理回路は第1保護回路とスイッチをオフにし、第2保護回路を有効にし、第1セルに対してバランス予備充電を開始し、第2セル電圧が低い場合、バッテリーパック管理回路は第1保護回路と第2保護回路をオフにし、スイッチを有効にし、第2セルに対してバランス予備充電を行う。
【0045】
混合接続電池内の各組のセルはいずれも上記ステップに従ってバランス予備充電を行い、各組のセルの電圧差がいずれも第1閾値よりも小さい場合は、バランス予備充電段階を終了し、混合接続電池の充電段階に移行する。
【0046】
図2bに示す混合接続電池を例にすると、当該混合接続電池は2つの電池を含むため、電池の組が1つしかなく、バッテリーパック管理回路が第1セルと第2セルのうちのどちらのセルの電圧が低いか判断し、そのセルがバランス予備充電に移行するようにする。バランス予備充電の過程は単一のセルのみに充電するため、バッテリーパック管理回路は当該セルにバランス予備充電を行うように切り替える。第1セルの電圧が低い場合は、第1セルがバランス予備充電を行う必要があることを示し、バッテリーパック管理回路がスイッチと第1保護回路をオフにし、第2保護回路を有効にすれば、第1セルの単電池の充電を実現できる。第2セルの電圧が低い場合は、第2セルがバランス予備充電を行う必要があることを示し、バッテリーパック管理回路が第1保護回路と第2保護回路をオフにし、スイッチを有効にすれば、第2セルの単電池の充電を実現できる。メインボードの充放電管理回路は、セルの目下の電圧が位置する充電曲線範囲に応じて充電電流を制御し、バランス予備充電の過程において、バッテリーパック管理回路はバランス予備充電を行っているセルの電圧を検出し、第1セルと第2セルとの電圧差が第1閾値よりも小さい時に、バランス予備充電の過程が終了する。
【0047】
一部の実施の形態において、図5に示すように、前記混合接続電池充放電方法は以下のステップS31~S34を含んでもよい。
【0048】
ステップS31では、混合接続電池における各電池の接続方式に応じて混合接続電池に充電する過程において、混合接続電池における各電池セルの電圧を検出する。
【0049】
ステップS32では、少なくとも1つのセルの電圧がカットオフ電圧に達した場合にステップS33を実行し、そうでなければステップS31に戻る。
【0050】
本ステップでは、少なくとも1つのセルの電圧がカットオフ電圧に達すれば、混合接続電池におけるすべての電池セルの電圧がいずれもカットオフ電圧に達すると判断する(即ち、ステップS33を実行する)。混合接続電池における各電池セルがいずれもカットオフ電圧に達していない場合はステップS31に戻り、各電池のセルの電圧を引き続き検出する。
【0051】
ステップS33では、少なくとも1つのセルの電圧がカットオフ電圧に達していなければステップS34を実行し、そうでなければフローを終了する。
【0052】
ステップS34では、カットオフ電圧に達していないセルに対して単独で補償充電を行う。
【0053】
本ステップでは、複数のセルがカットオフ電圧に達していなければ、これらのセルに対して単独で補償充電を行う。
【0054】
なお、ステップS33およびステップS32においてセルの電圧がカットオフ電圧に達したと判断された時、カットオフ電圧に達したセルに対しても充電を終了する。
【0055】
図2bに示す混合接続電池を例にすると、第1セルがカットオフ電圧に達し、第2セルがカットオフ電圧に達していない場合、第2セルもカットオフ電圧に達するまで単独で第2セルに対して補償充電を行う。このような状況において、バッテリーパック管理回路は第1保護回路と第2保護回路をオフにし、スイッチを有効にし、第2セルは充電曲線に従って、第2セルがカットオフ電圧に達するまで単一のセルに充電する。第2セルがカットオフ電圧に達し、第1セルがカットオフ電圧に達していない場合、第1セルもカットオフ電圧に達するまで単独で第1セルに対して補償充電を行う。このような状況において、バッテリーパック管理回路は第1保護回路とスイッチをオフにし、第2保護回路を有効にし、第1セルは充電曲線に従って、第1セルがカットオフ電圧に達するまで単一のセルに充電する。
【0056】
本開示はカットオフ電圧に達していないセルに対して単独で補償充電を行うことができ、単電池に対する充電制御を実現しており、複数の電池のバランス充電過程において並列抵抗がその他の電池をバイパスするという方案との比較において、充電効率を高め、急速充電を実現することができ、抵抗バイパスを使用する必要はなく、これに応じてコストを節約する。また、補償充電機構を採用することにより、混合接続電池内の各電池の一貫性の要求を低くすることができ、これに応じてコストを節約することもできる。
【0057】
セルの補償充電過程はセルのバランス予備充電過程と類似し、主な相違点は、セルのバランス予備充電は充電開始時に、電圧が低いセルに対して予備充電を行うことで2つのセルの電圧を一致させるというものである。セルの補償充電過程は充電が終了する直前に、充電カットオフ電圧に達していないセルに対してカットオフ電圧に達するまで引き続き充電してから充電を終了する。
【0058】
一部の実施の形態において、混合接続電池の充電段階では混合接続電池における各セル状態が異常であるか否かを検出することもできる。
【0059】
混合接続電池における各電池の接続方式が直列接続であるという状況について、前記混合接続電池充放電方法は、少なくとも1つのセルの電圧がカットオフ電圧に達し、且つ少なくとも1つのセルの電圧がカットオフ電圧に達していない場合、カットオフ電圧に達していないセルの補償充電開始時の電圧と予め設定された第2閾値に基づいて、混合接続電池における各電池のセルが異常であるか否かを判断するというステップを含んでもよい。言い換えれば、セルが直列接続方式である場合の充電に関しては、補償充電を開始する前にまたは補償充電過程において、セルに異常が発生したか否かを確定できる。
【0060】
一部の実施の形態において、図6に示すように、カットオフ電圧に達していないセルの補償充電開始時の電圧と予め設定された第2閾値に基づいて、混合接続電池における各電池のセルが異常であるか否かを判断する前記ステップは、以下のステップS41~S43を含む。
【0061】
ステップS41では、カットオフ電圧に達していないセルの補償充電開始時の電圧と基準電圧との差分値を算出する。
【0062】
ステップS42では、差分値が予め設定された第2閾値以上である場合、ステップS43を実行し、そうでなければ、混合接続電池における各電池のセルがいずれも正常であると判定する。
【0063】
判断の正確性を保証するために、第2閾値は第1閾値よりも小さくあるべきである。
【0064】
本ステップにおいて、カットオフ電圧に達していないセルの補償充電開始時の電圧と基準電圧との差分値が第2閾値以上である場合は、セルの異常が存在することを示し、ステップS43をさらに実行することで、どのセルが異常であるか具体的に判断し、カットオフ電圧に達していないセルの補償充電開始時の電圧と基準電圧との差分値が第2閾値よりも小さい場合は、混合接続電池における各電池のセルがいずれも正常であることを示す。
【0065】
ステップS43では、カットオフ電圧に達していないセルの補償充電開始時の電圧が基準電圧よりも小さい場合、先にカットオフ電圧に達したセルが異常であると確定し、そうでなければ、カットオフ電圧に達していないセルが異常であると確定する。
【0066】
本ステップにおいて、カットオフ電圧に達していないセルの補償充電開始時の電圧が基準電圧よりも小さい場合は、カットオフ電圧に達していないセル(即ち、補償充電を行う必要があるセル)が正常であることを示し、先にカットオフ電圧に達したセルは尚早にカットオフ電圧に達し、その昇圧は速すぎ、異常が発生する。カットオフ電圧に達していないセルの補償充電開始時の電圧が基準電圧以上である場合は、カットオフ電圧に達していない当該セル(即ち、補償充電を行う必要があるセル)の昇圧が速すぎ、異常が発生したことを示す。
【0067】
セルに異常が発生したと判断した後に、バッテリーパック管理回路はメインボードへ警告を出すことができ、適時に電池交換するようユーザに通知する。
【0068】
一部の実施の形態において、基準電圧は、直近の予め設定された回数の、補償充電を行ったセルの補償充電開始時の平均電圧であってもよく、補償充電したセルは正常なセルであり、且つ補償充電は電池の直列接続方式での補償充電である。言い換えれば、基準電圧は先のn回の直列充電において、毎回の補償充電セル(当該セルに異常が発生していない)の補償充電開始時の電圧値の平均値であってもよい。例えば、n=10、先の10回の直列充電では、この10回の直列充電で各回の補償充電コアの補償充電開始時の電圧値をそれぞれ取って、これらの電圧値の平均値を計算する。なお、直列充電中にセル補償充電が予め設定された回数に達していなければ、基準電圧の計算時に、実際の補償充電の回数を予め設定された回数とすることができる。
【0069】
一部の実施の形態において、前記混合接続電池充放電方法は、カットオフ電圧に達していないセルの補償充電開始時の電圧と基準電圧との差分値が予め設定された第2閾値よりも小さい場合、今回補償充電を行ったセルの補償充電開始時の電圧に基づいて基準電圧を更新するというステップを含んでよい。言い換えれば、混合接続電池における各電池のセルがいずれも正常であると確定した後に、今回の直列充電過程において補償充電したセルの補償充電開始時の電圧(当該電圧値は最新の確かなデータである)を用いて基準電圧を更新する。即ち、補償充電したセルが正常である場合、基準電圧は今回補償充電したセル電圧値の平均値を含み、次回の補償充電時にセルが異常であるか否かを判断することに便宜を図る。セルに異常が見つかった場合は基準電圧を更新せず、このようにすることで基準電圧の正確性を確保することができる。
【0070】
基準電圧の動態更新は基準電圧の正確性を保証でき、セルの異常判定の正確性を高めることができる。
【0071】
混合接続電池における各電池の接続方式が並列であるという状況について、カットオフ電圧に達していないセルに対して単独で補償充電を行った(即ち、ステップS34)後に、前記混合接続電池充放電方法は、混合接続電池における各電池セルの補償充電時間と予め設定された第3閾値に基づいて混合接続電池において補償充電を行ったセルが異常であるか否かを判定するというステップをさらに含む。言い換えれば、セルが並列に接続されている方式での充電に関しては、補償充電が完了した後に、セルに異常が発生したか否かを確定することができる。なお、本開示に記載の補償充電時間は各セルの、同一の補償充電電流での補償充電時間を指す。
【0072】
混合接続電池における各電池の接続方式が並列であるという状況について、セルのカットオフ電圧が異なる場合に限って補償充電のフローに移行する。図2a、2bに示す混合接続電池を例にすれば、第1セルと第2セルは並列に接続されて充電し、第1セルがカットオフ電圧に達しておらず、第2セルがカットオフ電圧に達した場合、補償充電に移行する時に、バッテリーパック管理回路は第1セルを単一のセル充電に切り替え、第2セルのセルへの充電を停止するとともに、メインボードの充放電管理回路が第1セルの単一のセルに充電を行うように通知し、メインボードの充放電管理回路は第1セルの充電曲線に基づいて第1セルの充電が終了するまで制御するとともに、バッテリーパック管理回路は第1セルの補償充電全体の充電時間を記録する。
【0073】
一部の実施の形態において、図7に示すように、混合接続電池における各電池セルの補償充電時間と予め設定された第3閾値に基づいて混合接続電池において補償充電を行ったセルが異常であるか否かを判断する前記ステップは以下のステップS51~S53を含む。
【0074】
ステップS51では、混合接続電池における各電池セルの補償充電時間と基準時間との差分値を算出する。
【0075】
ステップS52では、差分値が予め設定された第3閾値以上である場合にステップS53を実行し、そうでなければ、混合接続電池において補償充電を行ったセルがいずれも正常であると確定する。
【0076】
本ステップにおいて、セルの補償充電時間と基準時間との差分値が第3閾値以上である場合は、補償充電を行ったセルに異常が存在することを示し、ステップS53をさらに実行することで、どのセルが異常であるか具体的に判断し、セルの補償充電時間と基準時間との差分値が第3閾値よりも小さい場合は、混合接続電池において補償充電を行ったセルがいずれも正常であることを示す。
【0077】
ステップS53では、補償充電時間が基準時間よりも短ければ、補償充電を行った対応するセルが異常であると判断し、そうでなければフローを終了する。
【0078】
本ステップにおいて、補償充電時間が基準時間よりも短い場合は、当該補償充電を行ったセルの容量が低くなり、異常が発生したことを示す。補償充電時間が基準時間以上である場合は、どのセルに異常が発生したかを確定できず、本フローを終了する。
【0079】
セルに異常が発生したと判断した後に、バッテリーパック管理回路はメインボードへ警告を出すことができ、適時に電池交換するようユーザに通知する。
【0080】
一部の実施の形態において、基準時間は、直近の予め設定された回数の、セルが補償充電を行った平均時間であってもよく、補償充電を行ったセルは正常なセルであり、且つ補償充電は電池の並列接続方式での補償充電である。言い換えれば、基準時間は先のm回の並列充電において、毎回の補償充電セル(当該セルに異常が発生していない)が補償充電を行った時間平均値であってもよい。例えば、m=10、先の10回の並列充電において、この10回の並列充電における各回の補償充電時間をそれぞれ取って、これら補償充電時間の平均値を算出する。なお、並列充電中にセル補償充電が予め設定された回数に達していなければ、基準時間の計算時に、実際の補償充電の回数を予め設定された回数とすることができる。
【0081】
一部の実施の形態において、前記混合接続電池充放電方法は、セルの補償充電時間と基準時間との差分値が予め設定された第3閾値よりも小さい場合、今回補償充電を行ったセルの補償充電時間に基づいて基準時間を更新するというステップを含んでもよい。言い換えれば、混合接続電池において補償充電を行ったセルがいずれも正常であると確定した後に、今回の並列充電過程において補償充電したセルの補償充電時間(当該時間は最新の確かなデータである)を用いて基準時間を更新してもよい。即ち、補償充電したセルが正常である場合、基準時間は今回の補償充電時間の平均値を含み、次回の補償充電時に、セルが異常であるか否かを判断することに便宜を図る。セルに異常が発生したことが見つかった場合は基準時間を更新せず、このようにすることにより基準時間の正確性を確保することができる。
【0082】
基準電圧の動態更新は基準時間の正確性を保証でき、セルの異常判定の正確性を高めることができる。
【0083】
本開示実施の形態が提供する混合接続電池充放電方法は、混合接続電池の複数類型の放電をさらに実現でき、例えば、並列出力放電、複数回路独立出力放電、直列出力放電である。
【0084】
一部の実施の形態において、図2a、2bを組み合わせて示すように、混合接続電池は放電需要に応じて、第1セルと第2セルによりそれぞれ異なる正極端を介してメインボードへ独立して給電してもよく(即ち、複数回路独立出力放電)、第1セルと第2セルにより並列出力放電してもよく、第1セルと第2セルにより直列出力放電してもよい。
【0085】
複数回路独立出力放電の状況において、バッテリーパック管理回路は第1保護回路とスイッチをオフにし、第2保護回路を有効にし、第1セルは第1正極端を介してメインボードへ給電し、第2セルは第2正極端を介してメインボードへ給電する。
【0086】
並列出力放電の状況において、バッテリーパック管理回路は第1保護回路をオフにし、第2保護回路とスイッチを有効にし、第1セルと第2セルにより第1正極端と第2正極端を介して(そのうち、第1正極端と第2正極端は接続されている)メインボードへ給電する。
【0087】
直列出力放電は、直列出力放電と単独放電を含んでもよい。図2a、2bを組み合わせて示されるように、直列出力放電と単独放電の状況において、バッテリーパック管理回路は第2保護回路とスイッチをオフにし、第1保護回路を有効にし、第1セルと第2セルにより第1正極端を介してメインボードへ給電し、第2セルにより第2正極端を介してメインボードへ給電する。第1の正極端は2つのセルが直列接続された高電圧を提供し、第2の正極端は単一のセルの低電圧を提供し、これにより高電圧の需要を満たし、低電圧から高電圧への部分的な変換損失を低減することができる。
【0088】
図3a、3bに示す実施の形態において、図2a、2bに示す実施の形態との相違点は、スイッチのオンとオフはメインボードの充放電管理回路により制御するという点であり、セルのバランス予備充電フロー、補償充電フロー、セル異常判断のフローはいずれも同一であるため、ここでは改めて説明しない。
【0089】
一部の実施の形態では、図3a、3bに示すように、充電の需要に応じて、第1セルと第2セルにより並列接続方式または直列接続方式で混合接続電池に充電することができる。直列接続の充電需要であれば、バッテリーパック管理回路は第2保護回路をオフにして第1保護回路を有効にし、充放電管理回路はスイッチをオフにし、電源経路全体を、第1正極端から入り、第1セル、第1保護回路、第2セル、第3保護回路を経るものとし、2つのセルが直列接続された充電経路を構成する。並列充電の需要であれば、バッテリーパック管理回路は第1保護回路をオフにして第2保護回路を有効にし、充放電管理回路はスイッチを有効にし、電源経路全体を、第1正極端から入り、第1セルと第2保護回路を経るとするともに、電源経路を、スイッチを経て第2正極端から入り、第2セル、第3保護回路を経るとすることで、2つのセルが並列接続された充電経路を構成する。
【0090】
一部の実施の形態において、図3a、3bに示すように、混合接続電池は放電需要に応じて、第1セルと第2セルによりそれぞれ異なる正極端を介してメインボードへ独立して給電してもよく(即ち、複数回路独立出力放電)、第1セルと第2セルにより並列出力放電してもよく、第1セルと第2セルにより直列出力放電してもよい。
【0091】
複数回路独立出力放電の状況において、バッテリーパック管理回路は第1保護回路をオフにし、第2保護回路を有効にし、充放電管理回路はスイッチをオフにし、第1セルは第1正極端を介してメインボードへ給電し、第2セルは第2正極端を介してメインボードへ給電する。
【0092】
並列出力放電の状況において、バッテリーパック管理回路は第1保護回路をオフにし、第2保護回路を有効にし、充放電管理回路はスイッチを有効にし、第1セルと第2セルにより第1正極端と第2正極端(そのうち、第1正極端と第2正極端は接続されている)を介してメインボードへ給電する。
【0093】
直列出力放電は、直列出力放電と単独放電を含んでもよく、直列出力放電と単独放電の状況において、バッテリーパック管理回路は第2保護回路をオフにし、第1保護回路を有効にし、充放電管理回路はスイッチをオフにし、第1セルと第2セルが直列接続されて第1正極端を介してメインボードへ給電し、さらに、第2セルにより第2正極端を介してメインボードへ給電する。第1正極端は2つのセルが直列接続された高電圧を提供し、第2正極端は単一のセルの低電圧を提供し、これにより高電圧の需要を満たし、低電圧から高電圧への部分的な変換損失を低減することができる。
【0094】
同一の技術思想に基づき、本開示実施の形態は混合接続電池システムをさらに提供する。図8に示すように、前記混合接続電池システムは相互接続された混合接続電池とメインボードを含み、前記メインボードは充放電管理回路を含み、前記混合接続電池はバッテリーパック管理回路と少なくとも2つの相互接続された電池を含み、前記充放電管理回路はバッテリーパック管理回路に接続され、充電または放電の要求タイプを確定して、前記充電または放電の要求タイプに応じて前記バッテリーパック管理回路へ対応する調整指令を送信するように配置され、前記バッテリーパック管理回路は前記調整指令に基づいて前記電池の接続方式を調整して、前記電池の接続方式に応じて充電または放電を行うように配置される。
【0095】
一部の実施の形態において、前記混合接続電池は第1セル、第2セル、第1保護回路、第2保護回路、第3保護回路をさらに少なくとも含み、前記第1セル、前記第1保護回路、前記第2保護回路は同一の電池に属し、前記第2セルと前記第3保護回路は同一の電池に属し、前記混合接続電池システムは前記各電池の接続方式を調整するためのスイッチをさらに含み、前記スイッチは前記混合接続電池内または前記メインボード上に設置される。
【0096】
一部の実施の形態において、前記スイッチは前記混合接続電池内に設置され、スイッチの第1端は第1セルの第1端と混合接続電池の第1正極端に接続され、スイッチの第2端は第2セルの第1端と混合接続電池の第2正極端に接続され、スイッチの第3端はバッテリーパック管理回路の第4端に接続され、第1セルの第1端は混合接続電池の第1正極端、第1保護回路の第3端、第2保護回路の第3端、バッテリーパック管理回路の第3端にそれぞれ接続され、第1セルの第2端は第1保護回路の第1端と第2保護回路の第1端にそれぞれ接続され、第2セルの第1端は第1保護回路の第2端、第3保護回路の第3端、混合接続電池の第2正極端、バッテリーパック管理回路の第5端にそれぞれ接続され、第2セルの第2端は第3保護回路の第1端に接続され、バッテリーパック管理回路の第1端は第1保護回路の第4端に接続され、バッテリーパック管理回路の第2端は第2保護回路の第4端に接続され、バッテリーパック管理回路の第6端は混合接続電池の通信端に接続され、第3保護回路の第2端は第2保護回路の第2端と混合接続電池の負極端にそれぞれ接続され、前記充放電管理回路は前記混合接続電池の通信端に接続される。
【0097】
一部の実施の形態において、前記スイッチは前記メインボード上に設置され、スイッチの第1端は混合接続電池の第1正極端に接続され、スイッチの第2端は混合接続電池の第2正極端に接続され、スイッチの第3端は前記充放電管理回路の第1端に接続され、前記充放電管理回路の第2端は前記混合接続電池の通信端に接続され、第1セルの第1端は混合接続電池の第1正極端、第1保護回路の第3端、第2保護回路の第3端、バッテリーパック管理回路の第3端にそれぞれ接続され、第1セルの第2端は第1保護回路の第1端と第2保護回路の第1端にそれぞれ接続され、第2セルの第1端は第1保護回路の第2端、第3保護回路の第3端、混合接続電池の第2正極端、バッテリーパック管理回路の第5端にそれぞれ接続され、第2セルの第2端は第3保護回路の第1端に接続され、バッテリーパック管理回路の第1端は第1保護回路の第4端に接続され、バッテリーパック管理回路の第2端は第2保護回路の第4端に接続され、バッテリーパック管理回路の第6端は混合接続電池の通信端に接続され、第3保護回路の第2端は第2保護回路の第2端と混合接続電池の負極端にそれぞれ接続される。
【0098】
一部の実施の形態において、前記充放電管理回路は、前記バッテリーパック管理回路が前記混合接続電池における各電池の接続方式に応じて、前記混合接続電池に対して充電を行う前に、各前記混合接続電池における各電池セルの電圧を検出して、電圧の最大値を確定し、前記混合接続電池における各電池セルと前記電圧の最大値に対応するセルとをそれぞれ1組として分けて、各組における2つのセルの電圧差をそれぞれ算出し、少なくとも1組のセルの電圧差が予め設定された第1閾値以上である場合、当該組のセルにおける電圧が小さい方のセルに対してバランス予備充電を行って、バランス予備充電を行っているセルの電圧を検出し、その組における2つのセルの電圧差が第1閾値よりも小さくなったとき、前記セルへのバランス予備充電を停止し、各組のセルの電圧差がいずれも前記第1閾値よりも小さい場合、前記混合接続電池における各電池の接続方式に応じて前記混合接続電に充電するようにさらに配置される。
【0099】
一部の実施の形態において、前記充放電管理回路は、前記バッテリーパック管理回路が前記混合接続電池における各電池の接続方式に応じて前記混合接続電池に充電する過程において、前記混合接続電池における各電池セルの電圧を検出し、少なくとも1つのセルの電圧がカットオフ電圧に達し、且つ少なくとも1つのセルの電圧がカットオフ電圧に達していない場合、前記バッテリーパック管理回路がカットオフ電圧に達していないセルに対して単独で補償充電を行うよう指示するようにさらに配置される。
【0100】
一部の実施の形態において、前記混合接続電池における各電池の接続方式が直列接続である時、前記バッテリーパック管理回路は、少なくとも1つのセルの電圧がカットオフ電圧に達し、且つ少なくとも1つのセルの電圧がカットオフ電圧に達していない場合、カットオフ電圧に達していない前記セルの補償充電開始時の電圧と予め設定された第2閾値に基づいて、前記混合接続電池における各電池のセルが異常であるか否かを判断するようにさらに配置され、前記混合接続電池における各電池の接続方式が並列接続である場合、前記充放電管理回路は、カットオフ電圧に達していない前記セルに対して単独で補償充電を行った後に、前記混合接続電池における各電池セルの補償充電時間と予め設定された第3閾値に基づいて前記混合接続電池において補償充電を行うセルが異常であるか否かを判断するようにさらに配置される。
【0101】
一部の実施の形態において、前記混合接続電池における各電池の接続方式が直列接続である時、前記バッテリーパック管理回路は、カットオフ電圧に達していない前記セルの補償充電開始時の電圧と基準電圧との差分値を算出し、前記差分値が予め設定された第2閾値以上であり、且つカットオフ電圧に達していない前記セルの補償充電開始時の電圧が前記基準電圧よりも小さい場合、先にカットオフ電圧に達したセルが異常であると確定し、前記差分値が予め設定された第2閾値以上であり、且つカットオフ電圧に達していない前記セルの補償充電開始時の電圧が前記基準電圧以上である場合、カットオフ電圧に達していないセルは異常であると確定し、前記差分値が予め設定された第2閾値よりも小さい場合、前記混合接続電池における各電池のセルはいずれも正常であると確定するように配置される。
【0102】
一部の実施の形態において、前記基準電圧は、直近の予め設定された回数の、補償充電を行ったセルの補償充電開始時の平均電圧であり、前記補償充電を行ったセルは正常なセルであり、且つ前記補償充電は電池の直列接続方式での補償充電であり、前記充放電管理回路は、前記差分値が予め設定された第2閾値よりも小さい場合、今回補償充電を行ったセルの補償充電開始時の電圧に基づいて前記基準電圧を更新するようにさらに配置される。
【0103】
一部の実施の形態において、前記混合接続電池における各電池の接続方式が並列接続である時、前記バッテリーパック管理回路は、前記混合接続電池における電池セルの補償充電時間と基準時間との差分値を算出し、前記差分値が予め設定された第3閾値以上であり、且つ前記補償充電時間が前記基準時間よりも短い場合、補償充電を行った対応するセルは異常であると確定し、前記差分値が予め設定された第3閾値よりも小さい場合、前記混合接続電池において補償充電を行ったセルはいずれも正常であると確定するように配置される。
【0104】
一部の実施の形態において、前記基準時間は、直近の予め設定された回数の、セルが補償充電を行った平均時間であり、前記補償充電を行ったセルは正常なセルであり、且つ前記補償充電は電池の並列接続方式での補償充電である。
【0105】
前記充放電管理回路は、前記差分値が予め設定された第3閾値よりも小さい場合、今回補償充電を行ったセルの補償充電時間に基づいて前記基準時間を更新するようにさらに配置される。
【0106】
一部の実施の形態において、前記放電の要求タイプは、並列出力放電、複数回路独立出力放電、直列出力放電を含む、および/または前記充電要求タイプは並列充電、直列充電を含む。
【0107】
本開示が提供する混合接続電池システムは、相互接続された混合接続電池とメインボードを含み、前記メインボードは充放電管理回路を含み、前記混合接続電池はバッテリーパック管理回路と少なくとも2つの相互接続された電池を含み、前記充放電管理回路はバッテリーパック管理回路に接続され、充電または放電の要求タイプを確定するためのものであり、前記充電または放電の要求タイプに応じて前記バッテリーパック管理回路へ対応する調整指令を送信するように配置され、前記バッテリーパック管理回路は前記調整指令に基づいて前記電池の接続方式を調整するためのものであり、前記電池の接続方式に応じて充電または放電を行い、充放電の需要に応じて混合接続電池における各電池セルが直列または並列の接続方式を用いるようにし、従来の単電池給電システムとの比較において、電源チップを必要とせずに直列電池電圧を単電池電圧に変換することででき、放電効率を効果的に高め、従来の固定直列充電との比較において、昇圧回路を加えることなく5Vの電源を直列電池充電に適応させ、充電効率を効果的に高めている。
【0108】
上文で開示した方法のすべてまたは一部のステップ、システム、装置における機能モジュール/手段はソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、およびこれらの適切な組み合わせとして実施することができると当業者は分かるはずである。ハードウェアの実施形態において、上記の説明で言及した機能モジュール/または手段との間の区分は必ずしも物理コンポーネントの区分に対応せず、例えば、1つの物理コンポーネントは複数の機能を有してもよく、あるいは1つの機能またはステップは若干のコンポーネントにより連携して実行することができる。一部の物理コンポーネントまたはすべての物理コンポーネントは、例えば、中央処理器、デジタル信号処理器またはマイクロプロセッサ等のプロセッサによって実行されるソフトウェアとして実施されるか、またはハードウェアとして実施されるか、あるいは専用集積回路のような集積回路として実施されてよい。このようなソフトウェアは、コンピュータ記憶媒体(または非一時的媒体)と通信媒体(または一時的媒体)とを含むことができるコンピュータ可読媒体に配置することができる。当業者が周知しているように、コンピュータ記憶媒体という用語は、情報(例えば、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータ)を記憶するための任意の方法または技術において実施される揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多機能ディスク(DVD)または他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶装置、または所望の情報を記憶するのに用いられ、且つコンピュータにてアクセスされ得る他の任意の媒体を含むが、これらに限らない。このほか、通信媒体は通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または搬送波または他の送信メカニズム類の変調データ信号内の他のデータを含み、任意の情報配信媒体を含むことができるということは当業者の公知事項である。
【0109】
本文では例示的な実施の形態を開示し、具体的な用語を採用しているが、これらは一般的な例示的な意味としてのみ使用、解釈すべきであり、かつ限定的な目的のためのものではない。一部の実例では、別途明確に指摘しない限り、特定の実施の形態を組み合わせて説明した特徴、特性および/または元素を単独で使用してもよく、または他の実施の形態を組み合わせて説明した特徴、特性および/または部材を組み合わせて使用してもよいことは、当業者にとって明らかである。したがって、添付の請求項に記載の本発明の範囲を逸脱しない限り、様々な形式および詳細に関する変更を行うことができると当業者は理解できる。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8