(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】ディスプレイ装置及びディスプレイシステム
(51)【国際特許分類】
G02B 27/01 20060101AFI20240311BHJP
B60K 35/23 20240101ALI20240311BHJP
【FI】
G02B27/01
B60K35/23
(21)【出願番号】P 2022569016
(86)(22)【出願日】2021-05-10
(86)【国際出願番号】 CN2021092860
(87)【国際公開番号】W WO2021228051
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】202010412404.7
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】イェン,ユンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ティエンハイ
(72)【発明者】
【氏名】ホアン,ジヨン
【審査官】河村 麻梨子
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-261087(JP,A)
【文献】国際公開第2020/009217(WO,A1)
【文献】特開2002-214543(JP,A)
【文献】特表2017-524987(JP,A)
【文献】特開2006-047608(JP,A)
【文献】国際公開第02/056112(WO,A1)
【文献】特開2011-007995(JP,A)
【文献】特開2013-047698(JP,A)
【文献】特開2018-112628(JP,A)
【文献】特開平08-244495(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102007058295(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0278246(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01
G03B 21/56-21/625
B60K 35/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面が曲面である実像を生成するように構成された画像生成ユニットと、
前記実像に対してイメージングを行って、前記実像に対応する拡大虚像を生成するように構成された光学イメージングユニットであって、該拡大虚像の表示面は、前記実像の表示面に適合された曲面である、光学イメージングユニットと、
を含むディスプレイ装置
であって、
前記画像生成ユニットは、
支持構造体と、フレキシブルスクリーン本体と、温度調整装置とを含む拡散スクリーンであって、該拡散スクリーンの拡散面は曲面であり、該拡散スクリーンの拡散面は前記実像の表示面であり、該支持構造体は湾曲したシート様の構造体であり、該フレキシブルスクリーン本体は前記支持構造体の表面に取り付けられ且つ固定され、前記拡散スクリーンの拡散面は、前記フレキシブルスクリーン本体の、前記支持構造体から離れた側の面であり、前記支持構造体は、積み重ねられた第1の材料層及び第2の材料層を含み、該第1の材料層の熱膨張係数は該第2の材料層の熱膨張係数とは異なり、前記フレキシブルスクリーン本体は、前記第1の材料層の、前記第2の材料層から離れた側に位置し、該温度調整装置は、前記支持構造体の温度を調整するように構成されている、拡散スクリーンと、
前記拡散スクリーンの拡散面に結像面が適合されたイメージビームを生成するように構成された投影装置であって、該イメージビームは、前記実像を形成するために前記拡散スクリーンの拡散面に投影される、投影装置と、
を含む、ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記光学イメージングユニットは凹面リフレクタであり、該凹面リフレクタの反射凹面は前記実像の表示面に面する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記光学イメージングユニットはレンズ群であり、該レンズ群は少なくとも1つの積み重ねレンズを含み、該レンズ群の端面は、前記少なくとも1つの
積み重ねレンズの積み重ね方向に沿って前記実像の表示面に面する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記投影装置は、
結像面が平面なイメージビームを生成するように構成された投影ホストと、
空間光変調器であって、該空間光変調器は前記投影ホストの発光面の反対側にあり、該空間光変調器は、結像面が平面であるイメージビームの各光線の位相を調整して、前記拡散スクリーンの拡散面に適合された結像面を有するイメージビームを生成するように構成されている、空間光変調器と、
を含む、請求項
1乃至3のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記空間光変調器は液晶オンシリコン空間光変調器又はマイクロエレクトロメカニカルシステム空間光変調器である、請求項
4に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記画像生成ユニットは曲面ディスプレイスクリーン又は曲面ディスプレイスクリーンを有するディスプレイ装置である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記投影装置は、
第1のレンズであって、該第1のレンズは前記投影ホストと前記空間光変調器との間に位置し、前記投影ホストによって生成されるイメージビームを前記空間光変調器に収束させるように構成されている、第1のレンズ、
をさらに含む、請求項
4に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記投影装置は
第2のレンズであって、該第2のレンズは前記空間光変調器の発光側に位置し、前記空間光変調器によって変調されたイメージビームを前記拡散スクリーンに収束させるように構成されている、第2のレンズ、
をさらに含む、請求項
4に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記拡散スクリーンは透過表示型の拡散スクリーン又は反射表示型の拡散スクリーンである、請求項
1乃至
5のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
前記曲面上の実像と前記光学イメージングユニットとの間の距離は、前記光学イメージングユニットの等価焦点距離未満である、請求項1乃至
6のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【請求項11】
反射型ディスプレイウィンドウと、
請求項1乃至
10のいずれかに一項に記載のディスプレイ装置であって、該ディスプレイ装置の光学イメージングユニットの画像表面は前記反射型ディスプレイウィンドウに面し、ユーザは、前記反射型ディスプレイウィンドウを用いることにより、前記光学イメージングユニットによって生成される拡大虚像を見ることができる、ディスプレイ装置と、
を含むディスプレイシステム。
【請求項12】
前記反射型ディスプレイウィンドウは、コックピットの前のフロントガラス又は浴室の鏡である、請求項
11に記載のディスプレイシステム。
【請求項13】
前記ディスプレイ装置の画像生成ユニットによって生成される実像の表示面は、前記画像生成ユニットの内側に凹んだ凹円弧面であり、前記光学イメージングユニットによって生成される虚像の表示面の円中心線は、前記反射型ディスプレイウィンドウの前後方向に延びている、請求項
11又は
12に記載のディスプレイシステム。
【請求項14】
請求項1乃至
10のいずれか一項に記載のディスプレイ装置と、フロントガラスとを含む自動車であって、該フロントガラスは、該ディスプレイ装置によって生成されるイメージングビームを運転手の目に反射するように構成されている、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照によりその全体が本願に組み込まれる、2020年5月15日に中国国家知識産権局に出願された「ディスプレイ装置及びディスプレイシステム」と題する中国特許出願第202010412404.7号に対する優先権を主張する。
【0002】
本願はディスプレイ技術の分野に関し、とりわけ、ディスプレイ装置及びディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、既存の透明ガラス、半透明ガラス又は反射板を用いることにより表示画像を反射するディスプレイシステムでは、追加でディスプレイウィンドウを配置する必要はない。したがって、ディスプレイシステムは、壁面のスペースが狭く、透明ガラス、半透明ガラス又は反射板が配置されている場合に適用可能である。例えば、車両、航空機、列車等の装置のコクピットでは、運転速度、エンジンの回転数、ナビゲーション画像等に関する情報を表示するために、コクピットのフロントガラスが用いられ得る。別の例として、バスルームにおいて、当日の天気、空気の質等に関する情報を表示するためにバスルームの鏡が用いられ得る。画像を表示するように構成されたフロントガラス、バスルームの鏡等は、まとめて反射型ディスプレイウィンドウと呼ばれ得る。技術が発展するにつれて、画像を表示するために、これらの反射型ディスプレイウィンドウを用いることによってもたらされる現在の視覚体験は、ユーザにとって十分ではなく、ユーザはより優れた臨場感及び没入感を必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願は、反射型ディスプレイウィンドウを用いることにより画像を表示する際に生じる視覚体験を向上させ、臨場感及び没入感を改善するためにディスプレイ装置及びディスプレイシステムを提供する。
【0005】
上記の目的を実現するために、本願の実施形態では以下の技術的解決策が用いられる。
【0006】
第1の態様によれば、本願の一部の実施形態はディスプレイ装置を提供し、ディスプレイ装置は画像生成ユニット及び光学イメージングユニットを含む。画像生成ユニットは、表示面が曲面である実像を生成するように構成され、光学イメージングユニットは前記実像に対してイメージングを行って、前記実像に対応する拡大虚像を生成するように構成され、該虚像の表示面は、前記実像の表示面に適合された曲面である。
【0007】
本願で提供されるディスプレイ装置は画像生成ユニット及び光学イメージングユニットを含む。画像生成ユニットは、表示面が曲面である実像を生成するように構成され、光学イメージングユニットは実像に対してイメージングを行って、実像に対応する拡大虚像を生成するように構成され、該虚像の表示面は、実像の表示面に適合された曲面である。したがって、ディスプレイ装置がディスプレイシステムに適用された場合、ディスプレイ装置の光学イメージングユニットの画像表面は反射型ディスプレイウィンドウの反対側にある。光学イメージングユニットの画像表面から放射されるイメージングビームは、反射型ディスプレイウィンドウに入射し、反射型ディスプレイウィンドウによってユーザの目へと反射されるため、ユーザは、光学イメージングユニットによって生成された拡大虚像を反射型ディスプレイウィンドウ上で見ることができる。虚像の表示面は曲面であり、曲面画像は平面画像よりも優れた視覚体験をもたらすことができるため、臨場感及び没入感が改善される。
【0008】
可能な実施では、光学イメージングユニットはレンズ群である。該レンズ群は少なくとも1つの積み重ねレンズを含み、該レンズ群の端面は、少なくとも1つのレンズの積み重ね方向に沿って実像の表示面に面する。このように、本願の実施形態で提供されるディスプレイ装置がディスプレイシステムに適用された場合、光学イメージングユニットは、画像生成ユニットと反射型ディスプレイウィンドウとの間に位置する。光学イメージングユニットは、入射したイメージビームのみを送信し、送信されたイメージングビームの光軸は、光学イメージングユニットに入射するイメージビームの光軸と同一線上にある。したがって、画像生成ユニットと反射ディスプレイウィンドウとの間の光路が偏向されないため、画像生成ユニット、光学イメージングユニット及び反射型ディスプレイウィンドウの間の相対位置を特定するのに役立つ。
【0009】
可能な実施では、光学イメージングユニットは凹面リフレクタであり、該凹面リフレクタの反射凹面は実像の表示面に面する。このように、本願の実施形態で提供されるディスプレイ装置がディスプレイシステムに適用される場合、画像生成ユニットによって生成される実像光は、光学イメージングユニットの反射を介して一度偏向され、その後に反射型ディスプレイウィンドウに入射する。画像生成ユニット及び光学イメージングユニットの配置方向と光学イメージングユニット及び反射型ディスプレイウィンドウの配置方向は特定の角度を形成するため、光学イメージングユニット及び反射型ディスプレイウィンドウの配置方向におけるディスプレイ装置のサイズの低減に役立つ。光学イメージングユニット及び反射型ディスプレイウィンドウの配置方向におけるディスプレイ装置のサイズは、ディスプレイシステムにおけるディスプレイ装置が占有する高さである。したがって、これは、ディスプレイシステムにおけるディスプレイ装置の高さを低減するのに役立つ。
【0010】
可能な実施では、画像生成ユニットは曲面ディスプレイスクリーン又は曲面ディスプレイスクリーンを有するディスプレイ装置である。この構造は単純で実施が容易である。
【0011】
可能な実施では、画像生成ユニットはフレキシブル曲面を有するディスプレイスクリーンであり、実像の表示面の曲率を調整するのに役立つ。
【0012】
可能な実施では、画像生成ユニットは拡散スクリーン及び投影装置を含む。拡散スクリーンの拡散面は曲面であり、該拡散スクリーンの拡散面は実像の表示面である。投影装置は、拡散スクリーンの拡散面に結像面が適合されたイメージビームを生成するように構成され、該イメージビームは、実像を形成するために拡散スクリーンの拡散面に投影される。この構造は簡素で実施が容易である。
【0013】
可能な実施では、投影装置は投影ホスト及び空間光変調器を含む。投影ホストは結像面が平面なイメージビームを生成するように構成されている。空間光変調器は投影ホストの発光面の反対側にあり、該空間光変調器は、結像面が平面であるイメージビームの各光線の位相を調整して、拡散スクリーンの拡散面に適合された結像面を有するイメージビームを生成するように構成されている。この構造は簡素で実施が容易である。
【0014】
可能な実施では、空間光変調器は液晶オンシリコン空間光変調器又はマイクロエレクトロメカニカルシステム空間光変調器である。
【0015】
可能な実施では、第1のレンズが投影ホストと空間光変調器との間に配置され、第1のレンズは、投影ホストによって生成されたイメージビームを収束するように構成されているため、全てのイメージビームが空間光変調器に可能な限り投影されるため、光路損失が回避される。
【0016】
可能な実施では、第2のレンズが空間光変調器の発光側に配置され、第2のレンズは空間光変調器によって変調されたイメージビームを収束するように構成されているため、全てのイメージビームが空間光変調器に可能な限り投影されるため、光路損失が回避される。
【0017】
可能な実施では、拡散スクリーンは支持構造体及びフレキシブルスクリーン本体を含む。支持構造体は湾曲したシート様の構造体である。フレキシブルスクリーン本体は、支持構造体の表面に取り付けられ且つ固定されている。拡散スクリーンの拡散面は、スクリーン本体の、支持構造体から離れた側の面である。このように、支持構造体はスクリーン本体を支持するため、スクリーン本体の平坦性を確保できる。
【0018】
可能な実施では、支持構造体は曲げ可能な構造体であり得る。このように、支持構造体に取り付けられ且つ固定されるスクリーン本体の曲率が調整され、実像の表示面の曲率が調整され得る。
【0019】
可能な実施では、支持構造体は、積み重ねられた第1の材料層及び第2の材料層を含む。第1の材料層の熱膨張係数と第2の材料層の熱膨張係数とは異なる。スクリーン本体は、第1の材料層の、第2の材料層から離れた側に位置する。拡散スクリーンは、支持構造体の温度を調整するように構成された温度調整装置を含む。このように、支持構造体の温度を変化させるために温度調整装置が用いられ得る。第1の材料層の熱膨張係数と第2の材料層の熱膨張係数とは異なるため、支持構造体の温度が調整されると、支持構造体の曲げ曲率に特定の変化が起こる。そのため、支持構造体を曲げることができる。このように、支持構造体の曲率調整が自動で制御される。
【0020】
可能な実施では、画像生成ユニットによって生成される実像の表示面は、画像生成ユニットの内側に凹んだ凹円弧面である。
【0021】
第2の態様によれば、本願の一部の実施形態はディスプレイシステムを提供し、ディスプレイシステムは、反射型ディスプレイウィンドウと、前述の技術的解決策のいずれかに係るディスプレイ装置とを含む。ディスプレイ装置の光学イメージングユニットの画像表面は、反射型ディスプレイウィンドウに面するため、ユーザは、反射型ディスプレイウィンドウを用いることにより、光学イメージングユニットによって生成される拡大虚像を見ることができる。
【0022】
本願のこの実施形態で提供されるディスプレイシステムは、本願の実施形態で提供されるディスプレイ装置を含む。したがって、本願のこの実施形態で提供されるディスプレイシステム及び本願の実施形態で提供されるディスプレイ装置は、同じ技術的課題を解決し、同じ期待される効果を得ることができる。
【0023】
可能な実施では、反射型ディスプレイウィンドウはコクピットの前のフロントガラスである。
【0024】
可能な実施では、ディスプレイ装置の画像生成ユニットによって生成される実像の表示面は、画像生成ユニットの内側に凹んだ凹円弧面であり、光学イメージングユニットによって生成される虚像の表示面の円中心線は、反射型ディスプレイウィンドウの前後方向に延びる。このように、反射型ディスプレイウィンドウ上でユーザによって見られる虚像の表示面の輪郭線は、水平面上にあり、ユーザの円周方向を中心に延びる円弧線である。したがって、ユーザは視線を動かさずに表示画面の端で画像情報を見ることができるため、視覚体験が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本願の一部の実施形態に係るディスプレイシステムの構造の概略図である。
【
図2】
図2は、本願の一部の他の実施形態に係るディスプレイシステムの構造の概略図である。
【
図3】
図3は、本願の一部の実施形態に係るディスプレイ装置の構造の概略図である。
【
図4】
図4は、本願の一部の他の実施形態に係るディスプレイ装置の構造の概略図である。
【
図5】
図5は、本願の一部の実施形態に係るディスプレイ装置の拡散スクリーンの構造の概略図である。
【
図6】
図6は、本願の一部の他の実施形態に係るディスプレイ装置の拡散スクリーンの構造の概略図である。
【
図7】
図7は、本願の一部の実施形態に係るディスプレイ装置の投影装置の構造の概略図である。
【
図8】
図8は、本願の一部の他の実施形態に係るディスプレイ装置の構造の概略図である。
【
図9】
図9は、本願の一部の他の実施形態に係るディスプレイシステムの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本願の実施形態における「第1」及び「第2」という用語は説明を目的を意図したものにすぎず、相対的な重要性の表示若しくは暗示又は示された技術的特徴の量の暗黙の表示として理解すべきでない。したがって、「第1」又は「第2」によって制限される特徴は、明示的に又は暗黙的に1つ以上の特徴を含み得る。
【0027】
現在、フロントガラス又はバスルームの鏡等の反射型ディスプレイウィンドウを用いることにより画像を表示するディスプレイシステムでは、反射型ディスプレイウィンドウに表示される画像は通常平面画像である。平面画像は、ユーザの視覚感覚にほとんど影響を与えないため、臨場感及び没入感が相対的に悪く、ディスプレイシステムを長時間用いた後に視覚疲労が現れ、快適感が相対的に低下する。
【0028】
前述の課題を解決するために、本願はディスプレイシステムを提供し、ディスプレイシステムは、限定されないが、コクピットのフロントガラスディスプレイシステム及びバスルームの鏡のディスプレイシステムを含む。ディスプレイシステムは、ディスプレイ装置及び反射型ディスプレイウィンドウを含む。ディスプレイ装置は、画像を生成するように構成されている。反射型ディスプレイウィンドウは、限定されないが、コクピットのフロントガラス及びバスルームの鏡を含む。反射型ディスプレイウィンドウは、ディスプレイ装置によって生成されたイメージングビームをユーザの目に反射するように構成されているため、ユーザは、反射型ディスプレイウィンドウを用いることにより、ディスプレイ装置によって生成された画像を見ることができる。
【0029】
図1は、本願の一部の実施形態に係るディスプレイシステムの構造の概略図である。ディスプレイシステムは、コクピットのフロントガラスディスプレイシステムである。具体的には、ディスプレイシステムは、車両、航空機、列車等のコクピットのフロントガラスディスプレイシステムである。
図1に示すように、コクピットのフロントガラスディスプレイシステムは、コクピット100のダッシュボードに配置されたディスプレイ装置1と、コクピット100の前に位置するフロントガラス2とを含む。ディスプレイ装置1は画像を生成するように構成され、その画像は、走行速度、エンジンの回転速度又はナビゲーション画像を表示できる。フロントガラス2は透明ガラスである。コクピット100にいる運転手は、フロントガラス2を用いることによりコクピット100外の環境状況を見ることができ、フロントガラス2は、ディスプレイ装置1によって生成されるイメージングビームを運転手の目に反射することができるため、運転手は、フロントガラス2を用いることにより、ディスプレイ装置1によって生成される画像を見ることができる。
【0030】
図2は、本願の一部の他の実施形態に係るディスプレイシステムの構造の概略図である。ディスプレイシステムはバスルームの鏡のディスプレイシステムである。具体的には、ディスプレイシステムは、家又は公衆バスルームの鏡のディスプレイシステムであり得る。
図2に示すように、バスルームの鏡のディスプレイシステムはディスプレイ装置1及びバスルームの鏡3を含む。ディスプレイ装置1は画像を生成するように構成され、画像は時間、天気又は空気の状態を表示し得る。バスルームの鏡3は平面リフレクタであり、ユーザは、バスルームの鏡3を用いることにより外観を確認できる。加えて、バスルームの鏡3は、ディスプレイ装置1で生成された画像ビームを利用者の目に反射させることができるため、ディスプレイ装置1で生成された画像をバスルームの鏡3を用いて見ることができる。
【0031】
本願はさらにディスプレイ装置を提供する。ディスプレイ装置は、前述のディスプレイシステムにおけるディスプレイ装置であり、ディスプレイ装置は画像生成ユニット及び光学イメージングユニットを含む。画像生成ユニットは、表示面が曲面である実像を生成するように構成されている。光学イメージングユニットは、実像に対してイメージングを行って、実像に対応する拡大虚像を生成するように構成されている。虚像の表示面は、実像の表示面に適合された曲面である。光学イメージングユニットは透過型イメージング素子であり得るか又は反射型イメージング素子であり得るが、本願では特に限定されない。
【0032】
図3は、本願の一部の実施形態に係るディスプレイ装置の構造の概略図である。ディスプレイ装置は、
図1に示すコクピットのフロントガラスディスプレイシステムにおけるディスプレイ装置1の一例である。
図3に示すように、ディスプレイ装置1は、画像生成ユニット11及び光学イメージングユニット12を含む。画像生成ユニット11は実像aを生成し、実像aの表示面は曲面である。光学イメージングユニット12は透過型イメージング素子である。具体的には、光学イメージングユニット12はレンズ群である。レンズ群は少なくとも1つの積み重ねレンズを含み、レンズ群の端面は、少なくとも1つのレンズの積み重ね方向に沿って実像aの表示面に面する。実像aによって生成される実像光は、光学イメージングユニット12に入射し、光学イメージングユニット12によって透過される。光学イメージングユニット12によって透過されたビームはイメージングビームである。イメージングビームの逆延長線上に実像aに対応する拡大虚像bが形成される。虚像bの表示面は、実像aの表示面に適応する曲面である。ディスプレイ装置1が
図1に示すコクピットのフロントガラスディスプレイシステムに適用された場合、光学イメージングユニット12の画像表面121はフロントガラス2の内面と反対側にある。このように、イメージングビームはフロントガラス2の内面に入射し、フロントガラス2の内面によって運転手の目に反射される。したがって、フロントガラス2は拡大虚像bに対するイメージングを行って、フロントガラス2の外側に虚像bと同サイズの仮想像cが形成される。このように、運転手はフロントガラス2上の虚像cを見ることができる。なお、本実施形態では、イメージングビームの逆延長線上に拡大虚像bを形成するために、光学イメージングユニット12と、画像生成ユニット11によって生成される実像a上の各点との間の距離が、光学イメージングユニット12の等価焦点距離未満である必要がある。
【0033】
このように、光学イメージングユニット12は、画像生成ユニット11とフロントガラス2との間に位置する。光学イメージングユニット12は入射したイメージビームのみを透過し、透過されたイメージビームの光軸は、光学イメージングユニット12に入射するイメージビームの光軸と同一線上にある。したがって、画像生成ユニット11とフロントガラス2との間の光路が偏ることがなく、画像生成ユニット11、光学イメージングユニット12及びフロントガラス2の間の相対位置を特定するのに役立つ。
【0034】
光学イメージングユニット12はレンズ群であり、レンズ群は1つのレンズを含み得るか又は複数のレンズを含み得るが、本願では具体的に限定されない。
図3は、レンズ群が1つの凸レンズを含む例のみを示すが、これは、レンズ群の特定の構造に対する限定をなすものではない。
【0035】
なお、画像生成ユニット11によって生成される実像aの表示面は、凹円弧面、凸円弧面、波状曲面等であってもよく、本願では特に限定されない。
図3は、実像aの表示面が画像生成ユニット11の内側に凹んだ凹円弧面である例のみを示すが、これは、実像aの表示面の屈曲形状に対する制限をなすものではない。
【0036】
画像生成ユニット11は、曲面ディスプレイスクリーンであり得る。具体的には、曲面ディスプレイスクリーンは、曲面液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)スクリーン、曲面有機発光ダイオード(organic light emitting diode、OLED)ディスプレイスクリーン、曲面マイクロ発光ダイオード(micro light emitting diode、Micro-LED)ディスプレイスクリーン等であり得る。画像生成ユニット11は、代替的に、携帯電話又はタブレットコンピュータ等の曲面ディスプレイスクリーンを備えたディスプレイ装置であり得る。画像生成ユニット11は、曲面拡散スクリーンを含む投影ディスプレイ装置であり得る。これは、本願では具体的に限定されない。画像生成ユニット11が曲面ディスプレイスクリーンの場合、具体的には、画像生成ユニット11がフレキシブル曲面ディスプレイスクリーンであり、フレキシブル曲面ディスプレイスクリーンの曲率が変化され得るため、実像aの表示面の曲率調整が促進される。
図3は、画像生成ユニット11がフレキシブル曲面ディスプレイスクリーンである例のみを示すが、これは、画像生成ユニット11の構造に対する限定をなすものではない。
【0037】
画像生成ユニット11の別の例では、
図4に示すように、画像生成ユニット11は拡散スクリーン111及び投影装置112を含む。拡散スクリーン111の拡散面は曲面であり、拡散スクリーン111の拡散面は実像aの表示面である。投影装置112は、拡散スクリーン111の拡散面に像面が適合されたイメージビームを生成し、イメージビームは、実像aを形成するために拡散スクリーン111の拡散面に投影される。この構造は簡素で実施が容易である。
【0038】
図4に示す実施形態では、拡散スクリーン111は透過表示型の拡散スクリーンであり得るか、反射表示型の拡散スクリーンであり得るが、これは、本願では具体的に限定されない。
図4は拡散スクリーン111が反射表示型の拡散スクリーンである例のみを示すが、これは、拡散スクリーン111の構造に対する限定であるとみなすべきでない。
【0039】
拡散スクリーン111は、拡散材料で作られた一体構造部品であり得るか又は支持構造体と、支持構造体上に支持されたフレキシブル拡散スクリーン本体とを含み得るが、これは、本願では具体的に限定されない。
【0040】
図5は、本願の一部の実施形態に係るディスプレイ装置の拡散スクリーンの構造の概略図である。
図5に示すように、拡散スクリーン111は支持構造体1111及びフレキシブルスクリーン本体1112を含む。支持構造体1111は特定の硬さを有し、支持構造体1111の材料は、限定されないが、プラスチック及び金属を含み、支持構造体1111は湾曲したシート様の構造体である。スクリーン本体1112は、支持構造体1111の表面に取り付けられ且つ固定され、拡散スクリーン111の拡散面は、支持構造体1111の、スクリーン本体1112から離れた側の面である。このように、支持構造体1111はスクリーン本体1112を支持し、スクリーン本体1112の平坦性を確実にできる。
【0041】
支持構造体1111は、剛性構造であり得るか又は曲げることができない構造体であってもよく、これは、本願では具体的に限定されない。一部の実施形態では、支持構造体1111は曲げ可能な構造体であるため、支持構造体に取り付けられ且つ固定されたスクリーン本体1112の曲率を調整して、実像aの表示面の曲率を調整できる。
【0042】
支持構造体1111を曲げることができるようにするために、一部の実施形態では、支持構造体1111は、銅や鉄等の延性及び可鍛性を有する材料で作られている。延性及び可鍛性を有する材料は特有の柔軟性を有し、曲げることができる。この構造は簡素で実施が容易である。
【0043】
一部の他の実施形態では、
図6に示すように、支持構造体1111は、積み重ねられた第1の材料層1111a及び第2の材料層1111bを含む。第1の材料層1111aの熱膨張係数は第2の材料層1111bの熱膨張係数とは異なる。スクリーン本体1112は、第1の材料層1111aの、第2の材料層1111bから離れた側に位置する。拡散スクリーン111は温度調整装置
(図示せず)をさらに含む。温度調整装置には、限定されないが、加熱装置及び冷却装置を含み、温度調整装置は支持構造体1111の温度を調整するように構成されている。このように、支持構造体1111の温度を変えるために温度調整装置が用いられ得る。第1の材料層1111aの熱膨張係数は第2の材料層1111bの熱膨張係数とは異なるため、支持構造体1111の温度が調整された場合、支持構造体1111の曲げ曲率に特定の変化が起こるため、支持構造体1111を曲げることができる。このように、支持構造体1111の曲率調整が自動的に制御される。
【0044】
第1の材料層1111aの熱膨張係数は、第2の材料層1111bの熱膨張係数より大きくてもいいし、第2の材料層1111bの熱膨張係数より小さくてもよい。第1の材料層1111aの熱膨張係数は第2の材料層1111bの熱膨張係数が異なっていればこれは本願では具体的に限定されず、支持構造体1111の曲げ曲率を温度調整装置の温度調整範囲で効果的に調整することができる。
【0045】
投影装置112が拡散スクリーン111の拡散面に適合された結像面を有するイメージビームを生成できるようにするため、
図7は、本願の一部の実施形態に係るディスプレイ装置の投影装置の構造の概略図である。
図7に示すように、投影装置112は投影ホスト1121及び空間光変調器1122を含む。投影ホスト1121は、結像面が平面であるイメージビームを生成するように構成されている。投影ホスト1121は、複数種類の構造形態を有する。例えば、投影ホスト1121は、レーザー光源及びデジタルミラー装置(digital mirror device、DMD)1121aを含み得る。レーザー光源はDMD1121aに照明ビームを照射し、DMD1121aは照明ビームに基づいて結像面が平面のイメージビームを生成する。空間光変調器1122は、投影ホスト1121の発光面の反対側にあり、空間光変調器1122は、投影ホスト1121によって生成され、結像面が平面なイメージビームの各光線の位相を調整して、結像面が拡散スクリーンの拡散面に適合されたイメージビームを生成するように構成されている。この構造は簡素であり、実施が容易である。
【0046】
前述の実施形態では、空間光変調器1122は、限定されないが、液晶オンシリコン(liquid crystal on silicon、LCoS)空間光変調器及びマイクロエレクトロメカニカルシステム(micro electro mechanical system、MEMS)空間光変調器を含む。
【0047】
投影ホスト1121によって生成されたイメージビームの全てを空間光変調器1122に投影するために、一部の実施形態では、
図7に示すように、第1のレンズ1123が投影ホスト1121と空間光変調器1122との間に配置されている。第1のレンズ1123は、全てのイメージビームが可能な限り空間光変調器1122に投射されるように投影ホスト1121によって生成されたイメージビームを収束させるように構成されているため、光路損失が回避される。
【0048】
空間光変調器1122によって変調されたイメージビームの全てを拡散スクリーンに投射するために、一部の実施形態では、
図7に示すように、空間光変調器1122の発光側に第2のレンズ1124が配置されている。第2のレンズ1124は、全てのイメージビームが可能な限り拡散スクリーンに投射されるように、空間光変調器1122によって変調されたイメージビームを収束させるように構成されているため、光路損失が回避される。
【0049】
図8は、本願の一部の他の実施形態に係るディスプレイ装置の構造の概略図である。ディスプレイ装置は、
図1に示すコクピットのフロントガラスディスプレイシステムにおけるディスプレイ装置1の別の例である。
図8に示すように、ディスプレイ装置1は、画像生成ユニット11及び光学イメージングユニット12を含む。画像生成ユニット11は実像aを生成し、実像aの表示面は曲面である。光学イメージングユニット12は反射型イメージング素子である。具体的には、光学イメージングユニット12は凹面リフレクタであり、凹面リフレクタの反射凹面は実像aの表示面に面する。実像aによって生成される実像光は、光学イメージングユニット12に入射し、光学イメージングユニット12によって反射される。光学イメージングユニット12によって反射されたビームはイメージングビームである。実像aに対応する拡大虚像bがイメージングビームの逆延長線上に形成される。虚像bの表示面は、実像aの表示面に適合された曲面である。ディスプレイ装置1が
図1に示すコクピットのフロントガラスディスプレイシステムに適用された場合、光学イメージングユニット12の画像表面(つまり、反射凹面)はフロントガラス2の内面と反対になる。このように、イメージングビームはフロントガラス2の内面に入射し、フロントガラス2の内面によって運転手の目に反射される。したがって、フロントガラス2は拡大された虚像bに対してミラーイメージングを行い、フロントガラス2の外側に虚像bと同じサイズの虚像cが形成される。このように、運転手は、フロントガラス2上の虚像cを見ることができる。なお、この実施形態では、イメージングビームの逆延長線上に拡大虚像bを形成するために、光学イメージングユニット12と、画像生成ユニット11によって生成される実像a上の各点との間の距離は、光学イメージングユニット12の等価焦点距離未満である必要がある。
【0050】
このように、画像生成ユニット11によって生成される実像aの実像光は、光学イメージングユニット12の反射により一度偏向され、その後にフロントガラス2に入射する。画像生成ユニット11及び光学イメージングユニット12の配置方向と、光学イメージングユニット12及びフロントガラス2の配置方向とが特定の角度を形成するため、光学イメージングユニット12及びフロントガラス2の配置方向におけるディスプレイ装置1のサイズの低減に役立つ。光学イメージングユニット12及びフロントガラス2の配置方向におけるディスプレイ装置1のサイズは、ディスプレイシステムにおいてディスプレイ装置1が占める高さである。したがって、これは、ディスプレイシステムにおいてディスプレイ装置1によって占められる高さを低減するのに役立つ。
【0051】
なお、画像生成ユニット11によって生成される実像aの表示面は、凹円弧面、凸円弧面、波状曲面等であってもよく、これは、本願では具体的に限定されない。
図8は、実像aの表示面が画像生成ユニット11の内側に凹んだ凹円弧面である例のみを示しており、これは、実像aの表示面の曲げ形状に対する限定をなすものではない。
【0052】
図8の実施形態では、画像生成ユニット11は、
図3又は
図4に示す実施形態の画像生成ユニットと同一であってもよく、詳細についてはここでは再度説明しない。
【0053】
本願で提供されるディスプレイ装置は、画像生成ユニット及び光学イメージングユニットを含む。画像生成ユニットは、表示面が曲面の実像を生成するように構成され、光学イメージングユニットは、実像に対してイメージングを行って、実像に対応する拡大虚像を生成するように構成され、虚像の表示面は実像の表示面に適合された曲面である。したがって、ディスプレイ装置が前述のディスプレイシステムに適用された場合、ディスプレイ装置の光学イメージングユニットの画像表面は反射型ディスプレイウィンドウの反対側にある。光学イメージングユニットの画像表面から放射されるイメージングビームは、反射型ディスプレイウィンドウに入射し、反射型ディスプレイウィンドウによってユーザの目に反射されるため、ユーザは、反射型ディスプレイウィンドウ上で光学イメージングユニットによって生成された拡大虚像を見ることができる。虚像の表示面は曲面であり、曲面画像は平面画像よりも良好な視覚体験をもたらすことができるため、臨場感及び没入感が改善される。
【0054】
本願で提供するディスプレイシステムは、本願で提供されるディスプレイ装置を含む。したがって、本願で提供されるディスプレイシステム及び本願で提供されるディスプレイ装置は同じ技術的課題を解決でき、同じ期待される効果を実現できる。
【0055】
ディスプレイシステムでは、人々が大きな画像の表示を求めるにつれて、反射型ディスプレイウィンドウに表示される画像はますます大きくなる。ユーザが表示画像の端で画像情報を見る必要がある場合、ユーザは画像情報を見るために特定の振幅で視線を動かす必要があり、視覚体験が比較的悪い。特に、ディスプレイシステムがコクピットのフロントガラスディスプレイシステムの場合、運転手が運転中に視線を動かすと、運転の安全性が大幅に低下し、交通事故の確率が大幅に上昇する。この問題を回避するために、一部の実施形態では、
図9に示すように、ディスプレイ装置1の画像生成ユニット11によって生成される実像aの表示面は、画像生成ユニット11の内側に凹んだ凹円弧面である。光学イメージングユニット12によって生成される虚像bの表示面の円中心線Oは、フロントガラス2の前後方向に延びる。このように、
図9に示すように、運転手によってフロントガラス2上で見られる虚像cの表示面は、水平方向に沿って運転手を中心に延びる円弧線である。このように、運転中に、運転手は、視線を動かすことなく、表示画像の端で画像情報を見ることができるため、運転の安全性及び視覚体験が改善される。
【0056】
本明細書の説明では、特定の特徴、構造、材料又は特性は、1つ以上の実施形態又は例において適切な方法で組み合わされ得る。
【0057】
最後に、前述の実施形態は、本願の技術的解決策を説明することを意図したものであり、本願を限定するためのものではないことに留意すべきである。本願は、前述の実施形態を参照して詳細に説明してきたが、本願の実施形態の技術的解決策の範囲から逸脱することなく、前述の実施形態で説明した技術的解決に変更を加えるか又はその技術的特徴の一部に対して同等な置き換えを行うことができ得ることを当業者は理解すべきである。