(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】アンテナ装置、検出装置、開閉部制御システム、及び、乗員検知システム
(51)【国際特許分類】
H01Q 19/10 20060101AFI20240311BHJP
H01Q 1/32 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
H01Q19/10
H01Q1/32 Z
(21)【出願番号】P 2022581196
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(86)【国際出願番号】 JP2021042849
(87)【国際公開番号】W WO2022172553
(87)【国際公開日】2022-08-18
【審査請求日】2023-03-01
(31)【優先権主張番号】P 2021020998
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼岡 寛之
(72)【発明者】
【氏名】池田 友樹
(72)【発明者】
【氏名】ユータルビロフ ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】加藤 祐規
(72)【発明者】
【氏名】柴山 貴光
(72)【発明者】
【氏名】大瀧 幸夫
(72)【発明者】
【氏名】佐野 崇
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-060484(JP,A)
【文献】特開2019-097119(JP,A)
【文献】特表2020-513181(JP,A)
【文献】特開2004-282524(JP,A)
【文献】特開2000-082919(JP,A)
【文献】特開平08-320375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 19/10
H01Q 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の表面に配置されるアンテナと、
前記基板の前記表面に立設され、前記表面に沿って延在する反射器と
を含み、
前記反射器は、
所定の曲率で湾曲し、前記アンテナ側に突出し、前記アンテナが放射する電波を反射する凸湾曲面を有する湾曲部と、
前記凸湾曲面の両側部から前記基板の表面に沿って延設され、平面視で前記凸湾曲面とともにV字状をなし、前記アンテナが放射する電波を反射する第1反射面及び第2反射面をそれぞれ有する第1平面部及び第2平面部と
を有し、
前記凸湾曲面は、円筒の外周面のうちの円筒軸から所定の方位角に含まれる部分に相当する形状を有し、
前記凸湾曲面は、前記基板に対して前記アンテナ側に傾いており、前記円筒軸に平行な方向においては湾曲していない形状を有する、アンテナ装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のアンテナ装置と、
前記アンテナに送信信号を出力する送信回路と、
前記送信信号が検出対象で反射された反射波を受信する受信回路と、
前記受信回路によって受信された信号に基づいて、前記検出対象の存在又は動作の少なくともいずれか一方を検出する検出部と
を含む、検出装置。
【請求項13】
車両のドアの下部、車両のバンパーの内側、又は、車両の車室内に取り付け可能な取付部を有する筐体をさらに含み、
前記アンテナ装置、前記送信回路、前記受信回路、及び前記検出部は、前記筐体に収容されている、請求項10乃至12のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項15】
請求項14に記載の検出装置と、
前記検出部の検出結果に基づいて前記車両の開閉部の開閉制御を行う制御部と
を含む、開閉部制御システム。
【請求項16】
請求項14に記載の検出装置と、
前記検出部の検出結果に基づいて車室内の乗員の有無を検出する乗員検出部と
を含む、乗員検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置、検出装置、開閉部制御システム、及び、乗員検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ミリ波レーダと、ミリ波レーダの送受信波を反射する反射鏡とを備える車載レーダ装置がある。反射鏡は高さよりも半径が長い半切円錐体であり、半切円錐体の側面が反射面である。反射面は半切円錐体の母線を底面に向けて湾曲させた凹曲面である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、反射波の分布がより良くなるように反射面を設計する際に、従来の車載レーダ装置の反射鏡の反射面のように、半切円錐体の母線を底面に向けて湾曲させた反射面は、形状が複雑で設計が容易ではない。
【0005】
そこで、簡易な構成で設計が容易な反射器を有するアンテナ装置、検出装置、開閉部制御システム、及び、乗員検知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態のアンテナ装置は、基板と、前記基板の表面に配置されるアンテナと、前記基板の前記表面に立設され、前記表面に沿って延在する反射器とを含み、前記反射器は、所定の曲率で湾曲し、前記アンテナ側に突出し、前記アンテナが放射する電波を反射する凸湾曲面を有する湾曲部と、前記凸湾曲面の両側部から前記基板の表面に沿って延設され、平面視で前記凸湾曲面とともにV字状をなし、前記アンテナが放射する電波を反射する第1反射面及び第2反射面をそれぞれ有する第1平面部及び第2平面部とを有し、前記凸湾曲面は、円筒の外周面のうちの円筒軸から所定の方位角に含まれる部分に相当する形状を有し、前記凸湾曲面は、前記基板に対して前記アンテナ側に傾いている。
【発明の効果】
【0007】
簡易な構成で設計が容易な反射器を有するアンテナ装置、検出装置、開閉部制御システム、及び、乗員検知システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】検出装置100及びアンテナ装置100Aを示す図である。
【
図4】検出装置100及びアンテナ装置100Aを示す図である。
【
図5】検出装置100及びアンテナ装置100Aを示す図である。
【
図6】検出装置100及びアンテナ装置100Aを示す図である。
【
図10】検出装置100の評価座標系を示す図である。
【
図11】検出装置100の放射強度のシミュレーション結果を示す図である。
【
図12】検出装置100の放射強度のシミュレーション結果を示す図である。
【
図13】検出装置100の放射強度を示す図である。
【
図14】検出装置100の方位角に対する放射強度の特性の実測結果を示す図である。
【
図15】様々な動径Rと様々なV字の角度θとの組み合わせで得られたシミュレーション結果を示す図である。
【
図16】湾曲部131の幅Wと、幅W及び動径Rの関係とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明のアンテナ装置、検出装置、開閉部制御システム、及び、乗員検知システムを適用した実施形態について説明する。以下では、XYZ座標系を定義して説明する。X軸に平行な方向(X方向)、Y軸に平行な方向(Y方向)、Z軸に平行な方向(Z方向)は、互いに直交する。また、以下では、説明の便宜上、-Z方向側を下側又は下、+Z方向側を上側又は上と称す場合がある。また、平面視とはXY面視することをいう。また、以下では構成が分かり易くなるように各部の長さ、太さ、厚さ等を誇張して示す場合がある。また、平行、上下等の文言は、実施形態の効果を損なわない程度のずれを許容するものとする。
【0010】
<実施形態>
図1は、実施形態の検出装置100を示す図である。
図1には、ECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)300も示す。
図2は、検出装置100の分解図である。検出装置100は、下ケース10、上ケース20、基板110、送受信装置120、及び反射器130を含む。送受信装置120は、アンテナ121、送信回路122、受信回路123、及び制御部124を有する。
【0011】
検出装置100は、少なくとも基板110、送受信装置120、及び反射器130を含む。実施形態のアンテナ装置100Aは、少なくとも基板110、アンテナ121、及び反射器130を含む。このため、
図2において、基板110、アンテナ121、及び反射器130には括弧書きで符号100Aを記す。
【0012】
下ケース10及び上ケース20は、筐体の一例であり、位置合わせして係合されることによって、封止された内部空間を有するケースになる。下ケース10及び上ケース20で構成されるケースの内部空間には、基板110、送受信装置120、及び反射器130が収容される。このように、検出装置100は、基板110、送受信装置120、及び反射器130が、下ケース10及び上ケース20に収容されてパッケージ化されている。
【0013】
一例として、上ケース20は、係合部21、ネジ孔22、及びコネクタ23を有する。係合部21及びネジ孔22は、下ケース10及び上ケース20で構成されるケースを車両のドアの下部、バンパーの内側、又は、車両の車室内に取り付け可能な取付部の一例である。コネクタ23は、基板110を介して送受信装置120に接続される端子を有する。コネクタ23は、例えば、車両に搭載されるLIN(Local Interconnect Network)やCAN(Controller Area Network)を介して、車両のECU300に接続される。これにより、検出装置100はコネクタ23を介してECU300に接続される。
【0014】
このような検出装置100は、一例として、車両のトランクリッド、リアゲート、又はスライドドア等の開閉部の電動オープナの作動検出装置として用いることができる。この場合には、検出装置100は、リアバンパーの下における車両の利用者のつま先の存在又は動きを検出する。リアバンパーの下につま先を挿入する利用者は、車両の周囲にいる操作者の一例である。
【0015】
電動オープナは、ロックの解錠と、トランクリッド、リアゲート、又はスライドドア等の開閉部を開閉させるアクチュエータの駆動とを行う装置である。ここで、ECU300が、検出装置100の検出結果に基づいて車両の開閉部の開閉制御を行う制御部である場合には、検出装置100とECU300とを含むシステムは、開閉部制御システムである。また、ECU300が、検出装置100の検出結果に基づいて車室内の乗員の有無を検出する乗員検出部である場合には、検出装置100とECU300とを含むシステムは、乗員検知システムである。
【0016】
検出装置100は、車両のトランクリッド又はリアゲートの電動オープナの作動検出装置として用いられる場合には、一例として車両のリアバンパーの内側において、車両の幅方向の中央に設けられる。この場合には、+X方向が鉛直下方であり、-X方向が鉛直上方であり、+Y方向が車両の進行方向における右側であり、-Y方向が車両の進行方向における左側であり、+Z方向が車両の後方であり、+Z方向が車両の前方である。検出装置100は、+X方向に電波を放射し、反射波を受信して+X方向における検出対象の存在又は検出対象の動作を検出する。
【0017】
以下では、一例として、検出装置100が車両のリアバンパーの内側に設けられ、トランクリッド又はリアゲートの電動オープナを作動させようとする利用者のつま先の存在又は動きを検出する形態について説明する。すなわち、以下では、一例として検出装置100の検出対象は、利用者のつま先である。
【0018】
検出装置100は、+X方向に電波を放射し、反射波を受信することによって+X方向における検出対象の存在又は検出対象の動作を検出する。検出対象である利用者のつま先が検出装置100の下方に存在しない場合と、存在する場合とでは反射波を受信するタイミングが異なるため、検出装置100は、反射波を受信するタイミングに基づいて、つま先の存在、又は、つま先が検出装置100の下に挿入された動作の少なくともいずれか一方を検出する。
【0019】
次に、基板110、送受信装置120、及び反射器130の構成の詳細について説明する。ここでは、
図1及び
図2に加えて、
図3乃至
図6を用いて説明する。
図3乃至
図6は、検出装置100及びアンテナ装置100Aを示す図である。
図3乃至
図6には、基板110、送受信装置120、及び反射器130を示す。
【0020】
基板110は、
図2乃至
図4に示すように、下ケース10及び上ケース20の平面視での形状に合わせた形状を有する。基板110は、例えば、FR4(Flame Retardant type 4)規格等に準じた配線基板である。基板110の上面111には、送受信装置120及び反射器130が実装されている。送受信装置120の制御部124(
図2参照)は、基板110の配線を介してコネクタ23(
図1及び
図2参照)の端子に接続されている。基板110は、一例として上ケース20の内部にネジ等で固定される。
【0021】
送受信装置120は、
図2に拡大して示すように、アンテナ121、送信回路122、受信回路123、及び制御部124を有し、
図2乃至
図6に示すように、基板110の上面111に実装されている。送受信装置120のうちの送信回路122、受信回路123、及び制御部124の部分は、所謂IC(Integrated Circuit)チップで実現される。
【0022】
アンテナ121は、ICチップの上面に設けられており、送信回路122及び受信回路123に接続されている。アンテナ121は、一例としてパッチアンテナであり、電波を送信する送信アンテナと、電波を受信する受信アンテナとを兼ねたアンテナである。アンテナ121は、一例として、60.5GHzのミリ波を送受信可能である。
【0023】
送信回路122及び受信回路123は、ICチップに含まれるアナログ集積回路で一体的に構成されている。また、送信回路122及び受信回路123は、制御部124に接続されており、制御部124によって動作が制御される。送信回路122は、制御部124から出力される送信指令に従ってアンテナ121に送信信号を出力する。受信回路123は、送信信号が検出対象で反射された反射波を受信する。
【0024】
制御部124は、ICチップに含まれるコンピュータによって実現される機能を表したものである。制御部124は、受信回路123によって受信された信号に基づいて、検出対象の存在又は動作の少なくともいずれか一方を検出する検出部としての機能を有する。
【0025】
反射器130は、
図3乃至
図6に示すように、基板110の上面111に立設されている。上面111に立設されるとは、上面111上に起立した状態で設けられていること、又は、上面111上に立てた状態で設けられていることをいう。また、反射器130は、上面111に対して傾けて設けられている。この詳細については後述する。
【0026】
反射器130は、湾曲部131と、平板部132及び133と、固定部134と、係合部135とを有する。平板部132は第1平面部の一例であり、平板部133は第2平面部の一例である。湾曲部131と平板部132及び133とは、基板110の上面111に沿って延在している。反射器130は、アンテナ121が放射する電波を+X方向側に反射する。また、反射器130は、検出対象で反射された電波をアンテナ121に向けて反射する。
【0027】
反射器130は、車両のリアバンパーの内部において、車両の幅方向における中央に設けられるため、車両のリアバンパーの左斜め下方向と右斜め下方向に、より遠くまで反射波を到達可能であることが求められる。左右方向のより広い範囲で利用者のつま先を検出可能にするためである。
【0028】
反射器130からつま先までの距離は、つま先が真下に位置する場合よりも、つま先が左斜め下と右斜め下に位置する場合の方が長くなる。このため、反射器130は、+X方向における-Y方向側である左斜め下方向と、+X方向における+Y方向側である右斜め下方向とにおいて、より遠くまで電波を反射できるように構成される。
【0029】
+X方向における-Y方向側(左斜め下方向)と、+X方向における+Y方向側(右斜め下方向)とにおける反射波の到達距離を長くするためには、到達距離を伸ばすための精緻な設計が可能であることが求められる。これを実現するために、本実施形態のアンテナ装置100A及び検出装置100の反射器130は、比較的簡易な形状を有する。
【0030】
湾曲部131は、所定の曲率で湾曲し、アンテナ121(
図2参照)を有する送受信装置120側に突出する凸湾曲面131Sを有する。凸湾曲面131Sは、湾曲部131の反射面である。湾曲部131は、平板を湾曲させた形状を有し、凸湾曲面131Sは、円筒の外周面のうちの円筒軸から所定の方位角に含まれる部分に相当する形状を有する。湾曲部131は、基板110の上面111に対してアンテナ121(
図2参照)を有する送受信装置120側に傾いている。
【0031】
ここで、湾曲部131の形状を説明するために、
図3乃至
図6に加えて
図7乃至
図9を用いて説明する。
図7は、湾曲部131を示す図である。
図7には、反射器130のうちの湾曲部131のみを抜き出して示すとともに、湾曲部131を含む仮想的な円筒1を示す。
図8は、
図4のA-A矢視断面を示す図である。
図9は、
図4のB-B矢視断面を示す図である。
【0032】
図7(A)に示すように、湾曲部131は、動径がRで円筒軸Cを有する円筒1のうち、円筒軸Cに対する方位角φに含まれる部分である。方位角φは所定の方位角の一例である。湾曲部131は、凸湾曲面131Sの上端における円弧の頂点131A1と、凸湾曲面131Sの下端における円弧の頂点131A2と、頂点131A1及び頂点131A2を結ぶ直線131Bとを有する。直線131Bは凸湾曲面131S上に位置し、円筒軸Cに平行である。直線131Bは、円筒1の母線に相当する直線である。
【0033】
図7(B)に示すように、湾曲部131は、頂点131A1と頂点131A2とを結ぶ直線131BがXZ平面に平行で送受信装置120の上面の中心120Cを通る平面上に位置し、かつ、直線131Bが送受信装置120側に傾くように、上面111上に配置されている。直線131Bが送受信装置120側に傾いているため、凸湾曲面131Sが送受信装置120側に傾いている。中心120Cは、アンテナ121(
図2参照)の表面の中心に相当する。
【0034】
湾曲部131は、XZ平面に平行で送受信装置120の中心120Cを通る平面上において、頂点131A1及び頂点131A2を結ぶ直線131Bと、上面111とがなす角度がα度になるように傾けられている。凸湾曲面131Sは、円筒1の外周面のように、周方向には湾曲しているが、円筒軸C及び直線131Bに平行な方向には湾曲していない形状を有する。
【0035】
本実施形態では、
図8に示すように一例として角度αは52度である。このような湾曲部131は、設計が比較的容易である。湾曲部131は、平板を仮想的な円筒軸Cに沿って曲率半径Rで折り曲げることによって作製可能である。なお、角度αは52度に限られるものではない。角度αは鋭角(0度より大きく90度未満の角度)である。
【0036】
湾曲部131は、一例として、
図4に示すように平面視で送受信装置120と重なっている。ここでは、湾曲部131が平面視で送受信装置120の全体と重なる形態を示すが、湾曲部131は、平面視で送受信装置120の少なくとも一部と重なっていることが好ましい。送受信装置120のアンテナ121(
図2参照)から放射される電波を効率的に反射することができるからである。なお、例えば、アンテナ121が鉛直上方よりも湾曲部131側に向けて傾けて電波を放射するような場合には、湾曲部131は平面視で送受信装置120と重なっていなくてもよい。
【0037】
平板部132及び133は、ともに平板状(板状)の部分であり、
図3、
図5、及び
図6に示すように、+X方向側の表面132S及び133Sをそれぞれ有する。表面132S及び133Sは、平板部132及び133の反射面である。表面132Sは第1反射面の一例であり、表面133Sは第2反射面の一例である。
【0038】
表面132S及び133Sは、凸湾曲面131Sの周方向における両側部から基板110の上面111に沿って延設され、
図4に破線で示すように平面視で凸湾曲面131SとともにV字状をなしている。表面132S及び133SがなすV字の角度(内角)θは、一例として120度である。角度θは90度以上であることが好ましい。
【0039】
平板部132は、湾曲部131の周方向における-Y方向側の側部から連続的に設けられており、平板部133は、湾曲部131の周方向における+Y方向側の側部から連続的に設けられている。このため、表面132Sは、凸湾曲面131Sの-Y方向側の端部から連続する面であり、表面133Sは、凸湾曲面131Sの+Y方向側の端部から連続する面である。
【0040】
このため、
図9に示すように、XZ平面に平行な平面に沿って平板部132を切断した断面で見ると、表面132Sと上面111とがなす角度はαであり、湾曲部131の直線131Bと上面111とがなす角度αに等しい。XZ平面内において、平板部132は、上面111に対して湾曲部131と同じ角度で傾いているからである。ここでは、一例として角度αは52度である。
【0041】
また、平板部132と平板部133とは、湾曲部131の直線131Bを含みXZ平面に平行な平面に対して、互いに鏡像になる対称(面対称)な形状を有するため、XZ平面に平行な平面に沿って平板部133を切断した断面で見ると、表面133Sと上面111とがなす角度はαであり、湾曲部131の直線131Bと上面111とがなす角度αに等しい。
【0042】
2つの固定部134は、平板部132の-Y方向側の端部と、平板部133の+Y方向側の端部とから延設される部分であり、-X方向に延在している。固定部134は、反射器130を基板110の上面で安定的に固定するために設けられており、下方に突出する凸部134A(
図6参照)を有する。凸部134Aは、基板110を厚さ方向(Z方向)に貫通する貫通孔に挿入され、接着剤等で基板110に固定される。
【0043】
2つの係合部135は、平板部132と平板部133との下端から突出する部分であり、基板110を厚さ方向(Z方向)に貫通する貫通孔に挿入され、接着剤等で基板110に固定される。
【0044】
以上のような反射器130において、平面視において頂点131A1及び131A2から+X方向を見た方向は、反射器130の正面の方向であり、アンテナ装置100A及び検出装置100の正面の方向である。
【0045】
以上のように、湾曲部131と、平板部132及び133と、固定部134と、係合部135とを有する反射器130は、例えば、板金をパンチング処理で打ち抜いて得る金属板を仮想的な円筒軸Cに沿って曲率半径Rで折り曲げることによって作製可能である。金属板は、例えば、アルミニウム製であってよい。
【0046】
図10は、検出装置100の評価座標系を示す図である。検出装置100はアンテナ装置100Aを含むため、以下では検出装置100の評価結果について説明する。
図10に示すように、XYZ座標系は、
図1乃至
図9に示すXYZ座標系と同一であり、原点は送受信装置120の上面における中心120C(
図7(B)参照)に一致するものとして説明する。
【0047】
評価座標系は極座標系である。方位角は-Y方向を基準(0度)として矢印で示す方向の角度を示す。このため、+X方向の方位角は90度、+Y方向の方位角は180度である。-X方向の方位角は270度であるとともに-90度である。仰角は、+X方向を基準(0度)として矢印で示す方向の角度を示す。このため、+Z方向の仰角は90度、-Z方向の仰角は-90である。
【0048】
図11は、検出装置100の放射強度のシミュレーション結果を示す図である。
図11(A)~
図11(C)において、横軸は方位角(度)を示し、縦軸は仰角(度)を示す。
図11(A)~
図11(C)において明るいほど放射強度が高く、暗いほど放射強度が低いことを表す。また、
図11(C)の放射強度のシミュレーション結果の下側には、比較用の検出装置50を示す。比較用の検出装置50は、反射器130の湾曲部131の凸湾曲面131Sと平板部132及び133の表面132S及び133Sとに相当する反射面を放物線状の表面にした反射器53を有する。
【0049】
図12は、検出装置100の放射強度のシミュレーション結果を示す図である。
図12(A)~
図12(C)において、上段には仰角が10度の平面における方位角に対する放射強度(dB)の特性を示し、下段にはXZ平面における仰角に対する放射強度の特性を示す。XZ平面は方位角が90度の平面である。
【0050】
図11(A)及び
図12(A)には、湾曲部131の動径Rが7.5mmで反射器130のV字の角度θが120度のシミュレーションモデルについての放射強度を示す。
図11(B)及び
図12(B)には、湾曲部131の動径Rが7.5mmで反射器130のV字の角度θが150度のシミュレーションモデルについての放射強度を示す。また、
図11(C)及び
図12(C)には、比較用の検出装置50についてのシミュレーション結果による放射強度を示す。
【0051】
図11(A)及び
図12(A)と
図11(B)及び
図12(B)とを、
図11(C)及び
図12(C)と比べると、方位角については、40度から50度の範囲と、130度から140度の範囲において放射強度が向上していることが分かる。検出装置100は、車両のリアバンパーの内部において、車両の幅方向における中央に設けられるため、方位角が40度から50度の範囲と、130度から140度の範囲とは、それぞれ、車両のリアバンパーの左斜め下方向と右斜め下方向に相当する。方位角が40度から50度の範囲と、130度から140度の範囲とは、アンテナ121から放射され、反射器130によって反射される電波がXY平面内で伝搬する角度のうち、方位角が90度の方向に対する広角側の範囲である。方位角が90度の方向は、反射器130の正面の方向であり、広角側の範囲とは反射器130の正面の方向に対する角度が比較的大きい範囲である。
【0052】
また、仰角に対する特性については、
図12(A)、
図12(B)、及び
図11(C)の下段の特性から分かるように、検出装置100と比較用の検出装置50とは同等の放射強度を示した。
【0053】
このため、検出装置100は、比較用の検出装置50と比べて、車両のリアバンパーの左斜め下方向と右斜め下方向において、より遠くまで反射波を到達可能であることが分かった。検出装置100は、左右方向のより広い範囲で利用者のつま先を検出可能である。
【0054】
図13は、検出装置100の放射強度を示す図である。
図13では、実測結果をシミュレーション結果と比較するために、
図13(A)~
図13(C)の上段に
図11(A)~
図11(C)に示すシミュレーション結果を示し、下段に実測結果を示す。
【0055】
図13(A)~
図13(C)において、横軸は方位角(度)を示し、縦軸は仰角(度)を示す。
図13(A)~
図13(C)において明るいほど放射強度が高く、暗いほど放射強度が低いことを表す。
【0056】
図14は、検出装置100の方位角に対する放射強度の特性の実測結果を示す図である。
図14では、実測結果をシミュレーション結果と比較するために、
図14(A)~
図14(C)の上段に
図12(A)~
図12(C)に示す方位角に対する放射強度の特性のシミュレーション結果を示し、下段に実測結果を示す。実測結果は、シミュレーション結果と同様に、仰角が10度の平面における方位角に対する放射強度の特性である。
【0057】
図13(A)及び
図14(A)には、湾曲部131の動径Rが7.5mmで反射器130のV字の角度θが120度の検出装置100についての放射強度を示す。
図13(B)及び
図14(B)には、湾曲部131の動径Rが7.5mmで反射器130のV字の角度θが150度の検出装置100についての放射強度を示す。また、
図13(C)及び
図14(C)には、比較用の検出装置50についての放射強度を示す。
【0058】
図13(A)から
図13(C)の上段のシミュレーション結果と、下段の実測結果とを比較すると、V字の角度θが120度の検出装置100、V字の角度θが150度の検出装置100、及び、比較用の検出装置50のそれぞれにおいて、シミュレーション結果と実測結果が同様の結果を示していることが確認できる。
【0059】
また、
図13(A)及び
図14(A)と
図13(B)及び
図14(B)との実測結果を、
図13(C)及び
図14(C)の実測結果と比べると、方位角が40度から50度の範囲と、130度から140度の範囲において放射強度が向上していることが分かる。
【0060】
このような実測結果から、検出装置100は、比較用の検出装置50と比べて、車両のリアバンパーの左斜め下方向と右斜め下方向において、より遠くまで反射波を到達可能であることを確認できた。検出装置100は、左右方向のより広い範囲で利用者のつま先を検出可能であり、左右方向のより広い範囲で電動オープナを動作させることが可能であることが確認できた。
【0061】
図15は、様々な動径Rと様々なV字の角度θとの組み合わせで得られたシミュレーション結果を示す図である。
図15には、仰角が10度の平面における方位角に対する放射強度の特性のシミュレーション結果を示す。動径Rは、1mm、2.5mm、5.0mm、7.5mm、及び10mmに設定した。V字の角度θは、150度、140度、130度、120度、及び90度に設定した。
【0062】
車両のリアバンパーの左斜め下方向と右斜め下方向に相当する方位角が40度から50度の範囲と、130度から140度の範囲とのような広角側において、比較用の検出装置50の放射強度(
図12(C)の上段の特性参照)よりも放射強度が増大したのは、太線Aで囲む範囲内の組み合わせであった。なお、太線Aで囲む範囲内における空白の部分はシミュレーションを行っていない組み合わせを示す。また、ここでは、太線Aで囲む範囲外の組み合わせについての特性を省略する。
【0063】
図16は、湾曲部131の幅Wと、幅W及び動径Rの関係とを示す図である。
図16(A)に示すように、湾曲部131の幅Wは、Y方向において湾曲部131が存在する区間の長さによって表されることとする。このような幅Wを用いると、
図15において太線Aで囲む範囲内の組み合わせは、幅Wが送受信装置120の通信周波数における波長の1波長以下になる組み合わせであった。
【0064】
図16(B)に示すように、幅W及び動径Rの関係では、V字の角度θが大きいほど、幅Wの増大に対して動径Rが増大する傾向にある。幅Wが1波長に相当するのは60.5GHzにおいて5mmであり、幅W=5mmに示す太点線よりも左側における幅W及び動径Rの関係が、広角側において放射強度が増大する幅W及び動径Rの組み合わせを表している。このため、幅Wが送受信装置120の通信周波数である60.5GHzにおける波長の1波長以下になる湾曲部131を設計するには、例えば
図16(B)における幅Wが5mm以下になる幅W及び動径Rの組み合わせにすればよい。
【0065】
なお、幅Wが送受信装置120の通信周波数における波長の1波長よりも幅広い場合と、V字の角度θが150度よりも大きい場合と、V字の角度θが90度よりも小さい場合とでは、方位角が40度から50度の範囲と130度から140度の範囲とのような広角側において、比較用の検出装置50よりも放射強度が増大するケースは認められなかった。
【0066】
このような結果になったのは、幅Wが1波長以下の場合は湾曲部131が狭いため、平板部132及び133で電波が反射して広角側へ反射波が広がりやすくなるが、幅Wが1波長よりも広い場合には、湾曲部131によって反射される電波が多くなり、平板部132及び133で広角側へ反射される電波は少なくなり、広角側の電波の強度が低下するからである。また、V字の角度θが90度以下の場合は、平板部132及び133での反射する電波が+X方向側よりも-X方向に向くため、広角側へ反射される電波の強度が低下するからである。また、V字の角度θが150度以上の場合は、幅Wは1波長以下であっても湾曲部131が平面に近くなるため、広角側へ反射される電波の強度が低下するためである。
【0067】
このことから、車両のリアバンパーの左斜め下方向と右斜め下方向に相当する方位角が40度から50度の範囲と、130度から140度の範囲とのような広角側において放射強度を増大させるためには、V字の角度θが90度以上で、湾曲部131の幅Wが送受信装置120の通信周波数における波長の1波長以下であることが好ましいことが分かった。
【0068】
以上のように、反射器130は、湾曲部131と平板部132及び133とを有する。湾曲部131は、所定の曲率で湾曲し、アンテナ121側(アンテナ側)に突出し、アンテナ121が放射する電波を反射する凸湾曲面131Sを有する。凸湾曲面131Sは、円筒の外周面のうちの円筒軸Cから所定の方位角φに含まれる部分に相当する形状を有し、基板110の上面111に対してアンテナ121側に傾いている。
【0069】
また、平板部132及び133は、アンテナ121が放射する電波を反射する表面132S及び133Sをそれぞれ有する。表面132S及び133Sは、凸湾曲面131Sの周方向における両側部から基板110の上面111に沿って延設され、平面視で凸湾曲面131SとともにV字状をなす。凸湾曲面131Sと、表面132S及び133Sとは、反射器130の反射面である。
【0070】
このような凸湾曲面131Sを有する湾曲部131と、表面132S及び133Sを有する平板部132及び133とで構成される反射器130は、構成が簡易であり、容易に設計できる。
【0071】
したがって、簡易な構成で設計が容易な反射器130を有するアンテナ装置100A及び検出装置100を提供することができる。また、簡易な構成で設計が容易な反射器130を有するアンテナ装置100A及び検出装置100を含む、開閉部制御システム及び乗員検知システムを提供することができる。また、簡易な構成で設計が容易な反射器130を有するため、反射器130で反射された電波の到達距離を上述した広角側の範囲のような所望の方向において確実に伸ばすことができる。
【0072】
また、凸湾曲面131Sは、平面視で少なくとも一部がアンテナ121と重なるように基板110に対して傾いているので、アンテナ121が放射する電波を反射器130で確実に反射できるとともに、検出対象で反射された電波を反射器130で確実にアンテナ121に向けて反射できる。
【0073】
また、凸湾曲面131Sと、表面132S及び133Sとは、連続する面であるため、アンテナ121が放射する電波と、検出対象で反射された電波とを均等的に反射させることができる。また、より容易に反射器130の設計及び作製を行うことができる。
【0074】
湾曲部131は、平板を湾曲させた形状を有するので、より容易に湾曲部131の設計及び作製を行うことができる。
【0075】
また、湾曲部131になる平板は、湾曲部131になる部分の両側に平板部132及び133を有する平板であるので、より容易に反射器130の設計及び作製を行うことができる。
【0076】
また、平面視において湾曲部131と平板部132及び133とが配列される一軸方向の一例であるY軸方向における湾曲部131の幅Wは、アンテナの通信周波数における波長の1波長以下であるので、反射器130で反射された電波の到達距離を広角側の範囲においてより確実に伸ばすことができる。
【0077】
また、平面視において表面132S及び133Sがなす角度は90度以上であるので、反射器130で反射された電波の到達距離を広角側の範囲においてより確実に伸ばすことができる。
【0078】
また、アンテナ121は、電波を送信する送信アンテナと、電波を受信する受信アンテナとを兼ねたアンテナであるので、1つのアンテナ121で送受信を行うことができ、より容易に反射器130の設計及び作製を行うことができる。
【0079】
また、アンテナ121は、電波を送信する送信アンテナと、電波を受信する受信アンテナとを有し、送信アンテナと受信アンテナとは並べて配置されるので、送信アンテナと受信アンテナとが別々の構成において、より容易に反射器130の設計及び作製を行うことができる。
【0080】
また、検出装置100は、アンテナ装置100Aと、送信回路122と、受信回路123と、受信回路123によって受信された信号に基づいて検出対象の存在又は動作の少なくともいずれか一方を検出する検出部として機能する制御部124とを含む。このような検出装置100は、凸湾曲面131Sを有する湾曲部131と、表面132S及び133Sを有する平板部132及び133とで構成される反射器130を含むので、構成が簡易であり、容易に設計できる。
【0081】
また、送信回路122及び受信回路123が集積回路で一体的に構成されているので、構成が簡易な検出装置100を提供することができる。
【0082】
また、アンテナ121と、送信回路122及び受信回路123を実現する集積回路とが一体で構成されていて、構成がより簡易な検出装置100を提供することができる。
【0083】
車両のドアの下部、車両のバンパーの内側、又は、車両の車室内に取り付け可能な取付部を有する筐体を構成する下ケース10及び上ケース20をさらに含み、アンテナ装置100A、送信回路122、受信回路123、及び、検出部として機能する制御部124は、下ケース10及び上ケース20に収容されているので、反射器130の設計が容易で、パッケージ化された検出装置100を提供することができる。
【0084】
また、検出部として機能する制御部124は、車両の周囲における操作者の存在又は動作の少なくともいずれか一方を検出するので、車両の開閉部の電動オープナの作動検出装置として利用可能な検出装置100を提供することができる。
【0085】
なお、以上では、反射器130の湾曲部131と平板部132及び133とが一例として平板状の金属板を折り曲げることによって作製される形態について説明した。しかしながら、反射器130は平板状の金属板を折り曲げたものに限られるものではなく、樹脂製であってもよい。反射器130が樹脂製の場合には、樹脂成形で作製したものであってもよい。また、反射器130は上述のような平板状のものに限られるものではない。反射器130は、凸湾曲面131Sと表面132S及び133Sとを有する物体であれば、どのような形状を有していてもよく、例えば箱型等であってもよい。
【0086】
また、以上では、送受信装置120が送受信可能なアンテナ121を有する形態について説明したが、アンテナ121は、電波を送信する送信アンテナと、電波を受信する受信アンテナとを有し、送信アンテナと受信アンテナとが並べて配置される構成であってもよい。
【0087】
また、以上では、送受信装置120がアンテナ121を有する形態について説明したが、アンテナ121は、送受信装置120とは別に設けられていてもよい。送受信装置120が送信回路122、受信回路123、及び制御部124を有する形態について説明したが、送信回路122、受信回路123、及び制御部124は、別々に設けられていてもよく、送信回路122及び受信回路123と、制御部124とが分けられていてもよい。
【0088】
また、以上では、平板部132及び133が、湾曲部131の直線131Bを含みXZ平面に平行な平面に対して互いに鏡像になる対称(面対称)な形状を有する形態について説明した。しかしながら、平板部132と平板部133は、平面視でV字をなし、XZ平面に平行な平面で切断した際に角度αで傾く表面132S及び133Sを有していれば、互いに異なる形状を有していてもよい。
【0089】
以上、本発明の例示的な実施形態のアンテナ装置、検出装置、開閉部制御システム、及び、乗員検知システムについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【0090】
なお、本国際出願は、2021年2月12日に出願した日本国特許出願2021-020998に基づく優先権を主張するものであり、その全内容は本国際出願にここでの参照により援用されるものとする。
【符号の説明】
【0091】
100 検出装置
100A アンテナ装置
110 基板
120 送受信装置
120C 中心
121 アンテナ
122 送信回路
123 受信回路
130 反射器
131 湾曲部
131S 凸湾曲面
131A1 頂点
131A2 頂点
131B 直線
132、133 平板部
132S、133S 表面