(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】無線撮像システム
(51)【国際特許分類】
A61B 1/07 20060101AFI20240311BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20240311BHJP
A61B 1/06 20060101ALI20240311BHJP
G02B 23/26 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
A61B1/07 734
A61B1/00 682
A61B1/00 712
A61B1/00 718
A61B1/06 530
G02B23/26 D
(21)【出願番号】P 2023036323
(22)【出願日】2023-03-09
(62)【分割の表示】P 2020186909の分割
【原出願日】2018-02-14
【審査請求日】2023-04-06
(32)【優先日】2017-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518054261
【氏名又は名称】ラズライト ホールディングス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Lazurite Holdings LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】マリンスキー,ユージン
(72)【発明者】
【氏名】マリンスキー,イリア
(72)【発明者】
【氏名】ダッドリー,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】フェイン,ハワード
(72)【発明者】
【氏名】ロスコフ,ブラッド
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-165362(JP,A)
【文献】特開平10-155739(JP,A)
【文献】特開2011-239989(JP,A)
【文献】特開2005-205195(JP,A)
【文献】特開2009-195629(JP,A)
【文献】特表2012-533406(JP,A)
【文献】特表2010-509990(JP,A)
【文献】特開2006-271697(JP,A)
【文献】特開2007-220326(JP,A)
【文献】特開2011-005022(JP,A)
【文献】特開2006-061685(JP,A)
【文献】特表2005-538753(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0171693(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
G02B 23/24-23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線撮像システムであって、
ヘッドユニットであって、
第1の端部と、前記第1の端部と反対側の第2の端部と、前記第2の端部で開口し、取り外し可能なバッテリを収容するように構成された外側空洞を画定する外面と、内側空洞を画定する内面と、前記第1の端部で前記外面に配置された、前記外側空洞と反対側の平面状の前面と、第1の開口部および第2の開口部であって、前記第2の開口部が前記第1の開口部と同一平面になるように、それぞれ前記平面状の前面を通って延びる第1の開口部および第2の開口部とを備えるヘッドユニットケース、
前記内側空洞に配置され、前記第2の開口部を介して前記ヘッドユニットに伝送された画像を検出するように構成された画像センサ、
前記第1の開口部に近接して前記ヘッドユニットの前記内側空洞に配置された無線送受信機、ならびに
前記外面に配置されたユーザ入力構成要素を備える、ヘッドユニットと、
撮像スコープを前記第1の開口部に結合するように構成されたコネクタであって、
前記第1の開口部で前記ヘッドユニットに結合された電気連結器、
前記電気連結器に結合され、前記コネクタに長手方向に配置された電力ケーブル、および
前記電力ケーブルに結合された集積光源を備え、前記電気連結器、前記電力ケーブル、および前記集積光源が直列に接続されたコネクタとを備え、
前記第1の開口部は、前記コネクタを収容するように構成され、前記第2の開口部は、前記撮像スコープが前記第2の開口部から延びるように、前記撮像スコープを収容するように構成される、無線撮像システム。
【請求項2】
前記集積光源は、連続するスペクトル光を生成することができる固体光源を備え、および/または
前記集積光源の出力は、名目上480nmから775nmのスペクトル幅を有する、請求項1に記載の無線撮像システム。
【請求項3】
前記集積光源は、前記コネクタを撮像スコープに接続することによって、光が前記集積光源から前記撮像スコープの中へと、すなわち対象の領域に伝送されることにより前記対象の領域に照明を提供するように構成される、請求項1に記載の無線撮像システム。
【請求項4】
前記コネクタは、保護筐体をさらに備えており、前記保護筐体は、前記集積光源を取り囲み、開口を有しており、前記集積光源は、前記開口を通して光を伝送するように構成される、請求項3に記載の無線撮像システム。
【請求項5】
前記コネクタは、前記コネクタを前記撮像スコープと結合するアダプタをさらに備え、前記アダプタは、前記保護筐体に組み込まれている、請求項4に記載の無線撮像システム。
【請求項6】
前記アダプタは、前記コネクタが前記撮像スコープに接続されている間、前記撮像スコープに対する前記アダプタおよび前記コネクタの回転を可能にするようにさらに構成される、請求項5に記載の無線撮像システム。
【請求項7】
前記コネクタは、光ファイバケーブルを備えていない、請求項1に記載の無線撮像システム。
【請求項8】
前記ヘッドユニットの前記無線送受信機は、リモートレシーバユニットの無線送受信機との間で、画像センサデータ、コマンドおよび制御信号を送受信するように構成される、請求項1に記載の無線撮像システム。
【請求項9】
前記ヘッドユニットの前記無線送受信機は、超広帯域(UWB)通信様式を含む、請求項1に記載の無線撮像システム。
【請求項10】
前記ヘッドユニットの前記無線送受信機は、再プログラムする、または再設計する必要なしに、医療撮像システムの管理のために、前記画像センサからのデータならびにコマンドおよび制御信号を外部システムに転送するように構成される、請求項1に記載の無線撮像システム。
【請求項11】
前記第2の開口部は、撮像スコープを前記ヘッドユニットケースに接続するように構成された第2の開口部コネクタを備える、請求項1に記載の無線撮像システム。
【請求項12】
前記ヘッドユニットは、前記ヘッドユニットの前記内側空洞の中にヒートシンクを備えていない、請求項1に記載の無線撮像システム。
【請求項13】
前記ヘッドユニットは、窓をさらに備え、前記窓は、前記第2の開口部の中に配置され、前記画像がそこを通過することを可能にするように構成される、請求項1に記載の無線撮像システム。
【請求項14】
前記外側空洞に配置され、前記集積光源、前記画像センサ、前記無線送受信機、および前記内側空洞に配置された中央処理装置のうちの1つまたは複数に電力を提供するように構成された外部バッテリをさらに備える、請求項1に記載の無線撮像システム。
【請求項15】
前記外部バッテリは、取り外し可能な再充電式バッテリである、請求項14に記載の無線撮像システム。
【請求項16】
前記外部バッテリは取り外しできない再充電式バッテリである、請求項14に記載の無線撮像システム。
【請求項17】
(i)レシーバユニットケースと、(ii)リモートレシーバ無線送受信機と、(iii)リモートレシーバ中央処理装置と、(iv)通信インターフェースとを備えるリモートレシーバユニットをさらに備え、前記レシーバユニットケースは、前記リモートレシーバユニットの前記リモートレシーバ無線送受信機、前記リモートレシーバユニットの前記リモートレシーバ中央処理装置、および前記通信インターフェース、を収容する内側空洞を有する、請求項1に記載の無線撮像システム。
【請求項18】
前記ヘッドユニットは、内部再充電式バッテリおよびバッテリ管理システムをさらに備え、前記ヘッドユニットの前記内部再充電式バッテリおよび前記バッテリ管理システムは、節電のために、前記集積光源、前記画像センサ、前記無線送受信機、および前記内側空洞に配置された中央処理装置がより低い電力モードに切り替わることを可能にする、請求項1に記載の無線撮像システム。
【請求項19】
前記コネクタは、前記ヘッドユニットに結合された第1の端部と、前記撮像スコープに結合された第2の端部と含み、前記第2の端部は、前記集積光源を含む、請求項1に記載の無線撮像システム。
【請求項20】
前記電気連結器、前記電力ケーブル、および前記集積光源は、動作可能に直列に接続され、
前記集積光源は、
第1のスペクトルを有する放射性線源と、
前記放射性線源からの放射を誘導するように設置された光学素子と、
前記放射性線源から誘導された放射を前記第1のスペクトルとは異なる第2のスペクトルを有する放射に変換するように設置されたボリューメトリックスペクトル変換器と、
出力フィルタと、
前記ボリューメトリックスペクトル変換器の放射を前記出力フィルタに向けて反射するように設置された光学反射器とを備え、
前記集積光源は、前記出力フィルタを通して前記コネクタからの光を伝送するように構成されている、請求項1に記載の無線撮像システム。
【請求項21】
前記放射性線源は、400nmから480nmの範囲内で動作する、請求項20に記載の無線撮像システム。
【請求項22】
前記出力フィルタは、前記ボリューメトリックスペクトル変換器によって変換されていない前記放射性線源からの放射を除去するとともに、任意選択で、第2のスペクトルを有する放射をさらに調整する、請求項20に記載の無線撮像システム。
【請求項23】
無線撮像システムであって、
ヘッドユニットであって、
第1の端部と、前記第1の端部と反対側の第2の端部と、前記第2の端部で開口し、取り外し可能なバッテリを収容するように構成された外側空洞を画定する外面と、内側空洞を画定する内面と、前記第1の端部で前記外面に配置された、前記外側空洞と反対側の平面状の前面と、第1の開口部および第2の開口部であって、前記第2の開口部が前記第1の開口部と同一平面になるように、それぞれ前記平面状の前面を通って延びる第1の開口部および第2の開口部とを備えるヘッドユニットケース、
前記第1の開口部に結合されたヘッドユニット電気コネクタ、
前記内側空洞に配置され、前記第2の開口部を介して前記ヘッドユニットに伝送された画像を検出するように構成された画像センサ、
前記第1の開口部に近接して前記ヘッドユニットの前記内側空洞に配置された無線送受信機、ならびに
前記外面に配置されたユーザ入力構成要素を備える、ヘッドユニットと、
前記第1の開口部に結合された第1の端部と、撮像スコープに結合された第2の端部とを備えるコネクタであって、
前記コネクタの前記第1の端部に配置され、前記第1の開口部を介して前記ヘッドユニット電気コネクタに動作可能に結合された電気連結器、
前記電気連結器に結合され、前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記コネクタに長手方向に配置された電力ケーブル、および
前記コネクタの前記第2の端部に配置された集積光源を備える、コネクタとを備え、
前記電気連結器、前記電力ケーブル、および前記集積光源は、動作可能に直列に接続され、
前記集積光源は、
第1のスペクトルを有する放射性線源と、
前記放射性線源からの放射を誘導するように設置された光学素子と、
前記放射性線源から誘導された放射を前記第1のスペクトルとは異なる第2のスペクトルを有する放射に変換するように設置されたボリューメトリックスペクトル変換器と、
出力フィルタと、
前記ボリューメトリックスペクトル変換器の放射を前記出力フィルタに向けて反射するように設置された光学反射器とを備え、
前記集積光源は、前記出力フィルタを通して光を伝送するように構成され、
前記第1の開口部は、前記コネクタを収容するように構成され、前記第2の開口部は、前記撮像スコープが前記第2の開口部から延びるように、前記撮像スコープを収容するように構成される、無線撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2017年2月15日に出願された米国仮出願第62/459,306号の利益を主張し、これによりその全開示は参照により本明細書に組み込まれている。
【技術分野】
【0002】
[0002]本発明は、医療撮像システムに関し、より詳細には、無線医療撮像システムであって、(a)ヘッドユニットであって、(i)ヘッドユニットケース、(ii)ヘッドユニット電気コネクタ、(iii)画像センサ、(iv)無線送受信機、(v)中央処理装置、および(vi)ユーザ入力構成要素を備える、ヘッドユニットと、(b)光ケーブルであって、(i)光ケーブル電気コネクタ、(ii)電力ケーブル、および(iii)集積光源(integrated light source)を備える、光ケーブルとを備え、集積光源は、(1)第1のスペクトルを有する放射性線源(emissive radiation source)と、(2)放射性線源からの放射を誘導するように設置された光学素子と、(3)放射性線源から誘導された放射を第1のスペクトルとは異なる第2のスペクトルを有する放射に変換するように設置されたボリューメトリックスペクトル変換器(volumetric spectrum converter)と、(4)変換器の周りに設置された光学反射器と、(5)出力フィルタとを備え、反射器は、変換器の放射を出力フィルタに向けて反射するように設置されており、集積光源は、例えば内視鏡、関節鏡ならびに他の外科用光学撮像器具およびシステムと共に使用するために、光ケーブルからの光を出力フィルタを通して伝送するように構成されている。
【背景技術】
【0003】
[0003]内視鏡手術には、例えば関節の内側、気道、硬膜上腔など患者の体内にある中空の器官または空洞の内部を視覚化するために、最小限の侵襲性の外科的処置での複雑な光学器具システムの使用が伴う。内視鏡処置は、中でもとりわけ診断検査、焼灼法、再建、および靱帯修復を含めた様々な理由のために行われる。このような処置は、病院、手術センター、外来患者センター、または診察室で行うことができ、今では軍による使用を含め、診断分野の研究のために採用されている。
【0004】
[0004]内視鏡手術は、1800年の始めに最初に開発され、着実にではあるが、ゆっくりと長い時間をかけて発展してきた。最初の処置は、小さい管とレンズ、すなわち簡素な内視鏡を患者に挿入して用いることを要し、照明するためにろうそくの火を使用しながら、医師がそれを通して観察していた。このような初期の処置は、画期的であり、人体の理解を著しく拡大したが、このような処置は、複雑さおよび技術的な制限を伴っていた。
【0005】
[0005]照明の必要性は、内視鏡手術の発端からの重大な問題であった。ろうそくから始まり、光源は、中でもとりわけ、例えば使い易さ、火のリスク、および光の出力の低さに関連する多くの難題を提示してきた。技術が進歩すると、より優れた光源が採用され、初歩的な電球によって始まった。産業界は、キセノンおよびLEDなどの現代的な照明方法へと発達してきたが、上記のような難題はなくなってはいない。
【0006】
[0006]内視鏡に関する別の根本的な難題は、どのように医師が内視鏡を視覚化するかであった。最初の内視鏡は、手持ち式であり、外科医がスコープの中、およびスコープの長さの先に直接の視線を有することが要求された。このことは、外科医が手術位置をはっきりと見ることを可能にしたが、それは、外科医が、スコープを使用するために極めて正確
な位置を維持することが要求されることを意味する。加えて、スコープを通して視覚を維持することは、外科医が器具があった場所を見ずに器具を操作する必要があるため、効果的なまたは複雑な手術に必要とされる他の器具を使用する厄介な時間を有することも意味している。しかしながら光源のように、スコープの使用に関連する技術は、光科学の進歩、ならびに光ファイバおよび精密なロッドとレンズなどの新たな製造技術の採用、を含め改良を続けてきた。最も最近では、安価で精密な画像カメラセンサの到来が内視鏡処置が行われる方法をさらに劇的に転換させた。デジタルカメラおよび外部ディスプレイの利用は、外科医がレンズの中を直接見る必要なしに内視鏡を使用することを可能にし、ましてやしたがって、このような開発は、最小の侵襲性の手術を行いつつ、さらに大きな制御量および柔軟性も提供する。
【0007】
[0007]現在の最新技術の内視鏡手術器具システムは、何年にもわたって開発された一連の技術的改良の集積に基づいている。このようなシステムは、内視鏡に接続されたカメラヘッドユニットと、シェーバーまたはアブレータなどの電動手術器具と、例えば光源ユニット、カメラ制御ユニット、カラープリンタ、患者のデータ管理デバイス、手術器具制御システム、流体管理システムおよびポンプ、多数の電源、デジタルモニタおよび電力およびデータ伝送のための複数のケーブルを含めた、多数のスマートデバイスを支持する内視鏡検査用カートとを含む。内視鏡検査用カートをカメラヘッドユニットおよび内視鏡に接続する少なくとも2つの主要なケーブルも存在しており、一方のケーブルは、外部の光ファイバ光ケーブルの経路を介して光源から内視鏡に光を伝送し、別のケーブルは、電力およびデータ信号をカメラヘッドユニットに、およびカメラヘッドユニットから伝送する。
【0008】
[0008]現代の内視鏡手術処置は、迅速かつ簡素であると一般に考えられているが、実際には必要な器具を準備するのに非常に長い術前の時間を必要とし、患者の上に落下することが多く、外科医およびそのスタッフの邪魔をする恐れのあるいくつかのワイヤおよびケーブルの使用も必要とする。さらに、最新技術のLEDによるシステムは、1000ワットを超える電力を使用し得るこれより古いキセノン照明装置と比べて効率的であるが、このようなより新しい光源ユニットはなおも極めて電力集約的であり、300ワット以上を必要とし、そのほとんどは熱として消費されるか、または外部の光ケーブルからの光の漏出によって失われてしまう。加えてケーブルが誤って患者の上に落下した場合、または加熱された内視鏡が可燃物質と接触した場合、廃熱は、手術室の火事の火元として度々言及されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
[0009]よって、エネルギー効率、操作性、多用性および安全性のこのような問題に対処する無線医療撮像システムに対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[0010]無線医療撮像システムが提供される。無線医療撮像システムは、(a)ヘッドユニットであって、(i)ヘッドユニットケース、(ii)ヘッドユニット電気コネクタ、(iii)画像センサ、(iv)無線送受信機、(v)中央処理装置、および(vi)ユーザ入力構成要素を備える、ヘッドユニットを備える。無線医療撮像システムはまた、(b)光ケーブルであって、(i)光ケーブル電気コネクタ、(ii)電力ケーブル、および(iii)集積光源を備える、光ケーブルも備える。ヘッドユニットケースは、外側空洞を画定する外面と、内側空洞を画定する内面と、第1の開口部(aperture)と、第2の開口部とを有する。ヘッドユニット電気コネクタは、第1の開口部を介して光ケーブル電気コネクタと動作可能に接続するように構成される。光ケーブル電気コネクタ、電力ケーブル、および集積光源は、動作可能に直列に接続される。集積光源は、(1)第1のスペクトルを有する放射性線源、(2)放射性線源からの放射を誘導するように設置された光学素子、(3)放射性線源から誘導された放射を第1のスペクトルとは異なる第2のスペクトルを有する放射に変換するように設置されたボリューメトリックスペクトル変換器、(4)変換器の周りに設置された光学反射器、および(5)出力フィルタを備え、反射器は、変換器の放射を出力フィルタに向けて反射するように設置されており、集積光源は、光ケーブルからの光を出力フィルタを通して伝送するように構成されている。画像センサ、無線送受信機、および中央処理装置は、内側空洞に配置される。画像センサは、第2の開口部を介してヘッドユニットに伝送された画像を検出するように構成される。外側空洞は、外部バッテリを収容するように構成される。ユーザ入力構成要素は外面に配置される。
【0011】
[0011]一部の例では、集積光源は、連続スペクトル光を生成することができる固体光源を備え、および/または集積光源の出力は、名目上480nmから775nmのスペクトル幅を有する。また一部の例では、放射性線源は、400nmから480nmの範囲内で動作する。また一部の例では、光学素子は、放射性線源の放射を変換器に対して、平行にする(collimate)、収束するように焦点を合わせる(convergently focus)、または発散するように焦点を合わせる(divergently focus)ことができる。また一部の例では、光学反射器は、無指向性の光を所望される光学経路へと向け直す。また一部の例では、変換器は、放射性線源からの放射を非干渉性放射の異なる波長の放射に、すなわちより狭域のスペクトルまたはより広域のスペクトルの放射に変換する。また一部の例では、フィルタは、変換器によって変換されていない放射性線源からの放射を除去するとともに、任意選択で、放射された光をさらに調整する。また一部の例では、集積光源から放射された放射線スペクトルの放射性の幾何学形状は、好適な光学構成要素を含むことによってさらに調整される、誘導される、焦点を合わせられる、平行にされる、反射される、屈折される、回折される、またはそれ以外の方法で変更されることができる。
【0012】
[0012]一部の例では、集積光源は、光ケーブルを医療撮像スコープに接続することによって、光が集積光源から医療撮像スコープの中へと伝送される、すなわち対象の領域に伝送されることにより対象の領域に照明を提供するように構成される。これらの例の一部の実施形態では、光ケーブルは、保護筐体をさらに備えており、保護筐体は、集積光源を取り囲み、開口を有しており、集積光源は、この開口を通して光ケーブルから光を伝送するように構成される。またこれらの例の一部の実施形態では、光ケーブルは、光ケーブルと医療撮像スコープの接続をもたらすように構成されたアダプタをさらに備える。またこれらの例の一部の実施形態では、アダプタは、保護筐体に組み込まれて統合設計を可能にする。またこれらの例の一部の実施形態では、アダプタは、光ケーブルが医療撮像スコープに接続されている間、医療撮像スコープに対するアダプタおよび光ケーブルの回転を可能にするようにさらに構成されている。
【0013】
[0013]一部の例では、光ケーブルは、電力ケーブルを取り囲む可撓性の被覆をさらに備える。また一部の例では、光ケーブルは、光ファイバケーブルを備えていない。また一部の例では、画像センサは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)チップ、サイエンティフィック相補型金属酸化膜半導体(sCMOS:scientific CMOS)チップ、電荷結合素子(CCD)チップ、またはそれらの組み合わせを備える。
【0014】
[0014]一部の例では、ヘッドユニットの無線送受信機は、リモートレシーバユニットの無線送受信機との間で、画像センサデータ、にコマンドおよび制御信号を送受信するように構成される。また一部の例では、ヘッドユニットは、ヘッドユニットとリモートレシーバユニットが互いから30メートルの範囲に位置するとき、ヘッドユニットの無線送受信機とリモートレシーバユニットの無線送受信機との間に接続を確立するように構成される。また一部の例では、ヘッドユニットの無線送受信機は、超広帯域(UWB)通信様式を使用することができる。また一部の例では、ヘッドユニットの無線送受信機は、再プログラムする、または再設計する必要なしに、医療撮像システムの管理のために、画像センサからのデータならびにコマンドおよび制御信号を外部システムに転送するように構成される。
【0015】
[0015]一部の例では、中央処理装置は、集積光源、画像センサ、または無線送受信機のうちの少なくとも1つを管理する。また一部の例では、ヘッドユニットは、画像センサが中央処理装置のために画像を変換するのを助けるコプロセッサをさらに備える。また一部の例では、ユーザ入力構成要素は、画像センサの機能を制御するように構成されたボタンを備える。また一部の例では、第2の開口部は、医療撮像スコープをヘッドユニットケースに接続するように構成された第2の開口部コネクタを備える。
【0016】
[0016]一部の例では、ヘッドユニットケースは、300から800cm3の容積を有する。また一部の例では、ヘッドユニット電気コネクタおよび画像センサは、互いから1から6cmの範囲内に配置される。また一部の例では、ヘッドユニットは、ヘッドユニットの内側空洞の中にヒートシンクを備えていない。また一部の例では、ヘッドユニットは、窓をさらに備え、窓は、第2の開口部の中に配置され、画像がそこを通過することを可能にするように構成される。
【0017】
[0017]一部の例では、無線医療撮像システムは、外部バッテリをさらに備え、外部バッテリは、外側空洞に配置され、集積光源、画像センサ、無線送受信機、または中央処理装置のうちの1つまたは複数に電力を提供する。このような例の一部の実施形態では、外部バッテリは、取り外し可能な再充電式バッテリである。このような例の一部では、無線医療撮像システムは、取り外し可能な再充電式バッテリのための取り外し可能な筐体をさらに備え、取り外し可能な筐体は、取り外し可能な再充電式バッテリを備え、外側空洞は、取り外し可能な筐体を外側空洞に係止することによって取り外し可能な再充電式バッテリを収容するように構成されている。またこのような実施形態の一部では、取り外し可能な筐体は、バッテリ管理システムをさらに備える。またこのような実施形態の一部では、バッテリ管理システムは、(a)取り外し可能な再充電式バッテリからの電力出力を調整する、(b)取り外し可能な再充電式バッテリの充電レベルを報告する、および(c)故障に対して保護するように構成される。またこのような例の一部の実施形態では、外部バッテリは取り外しできない再充電式バッテリである。またこのような例の一部の実施形態では、外部バッテリは、大容量を有し、集積光源、画像センサ、および無線送受信機を作動させるために適切な電力を提供することができる。このような実施形態の一部では、外部バッテリは3,000ミリアンペア時間(mAh)を超える容量を有する。またこのような例の一部の実施形態では、ヘッドユットは、外部バッテリによって供給される電力を制御し、集積光源、画像センサ、無線送受信機、または中央処理装置のうちの1つまたは複数に電力を分配するように構成された電力管理システムをさらに備える。
【0018】
[0018]一部の例では、無線医療撮像システムは、リモートレシーバユニットをさらに備える。これらの例によると、リモートレシーバユニットは、(i)レシーバユニットケースと、(ii)無線送受信機と、(iii)中央処理装置と、(iv)通信インターフェースとを備える。またレシーバユニットケースは、リモートレシーバユニットの無線送受信機、リモートレシーバユニットの中央処理装置、および通信インターフェース、を収容する内側空洞を有する。これらの例の一部の実施形態では、リモートレシーバユニットの無線送受信機は、ヘッドユニットの無線送受信機との間で、画像センサデータ、コマンドおよび制御信号を送受信するように構成される。またこれらの例の一部の実施形態では、リモートレシーバユニットの中央処理装置は、リモートレシーバユニットの無線送受信機または通信インターフェースのうちの1つまたは複数を管理し、それらに関するデータ処理を実行することができる。またこれらの例の一部の実施形態では、通信インターフェースは、再プログラミングまたは再設計の必要なしに、複数のタイプの外部のカメラ管理システムと通信するように構成される。
【0019】
[0019]一部の例では、ヘッドユニットは、内部再充電式バッテリをさらに備える。このような例によると、内側空洞は、内部再充電式バッテリをさらに収容する。これらの例の一部の実施形態では、内部再充電式バッテリは、外部バッテリが電力を供給するのを止めたとき、または外部バッテリが切り離されたときに二次バッテリシステムとして使用されるように構成される。またこのような例の一部の実施形態において、ヘッドユニットは、内部再充電式バッテリを管理するように構成されたバッテリ管理システムをさらに備える。これらの実施形態の一部では、ヘッドユニットの内部再充電式バッテリおよびバッテリ管理システムは、節電のために、集積光源、画像センサ、無線送受信機、および中央処理装置がより低い電力モードに切り替わることを可能にする。またこれらの例の一部の実施形態では、内部再充電式バッテリは、外部バッテリからの容量まで充電することができる。またこれらの実施形態の一部の例では、内部再充電式バッテリは、外部バッテリの存在に応じて別個の電力またはバッテリ管理システムによって外部から制御されるように構成される。またこれらの例の一部の実施形態では、内部再充電式バッテリは、無線医療撮像システムの作動のために電力を提供するのに十分である。
【0020】
[0020]次に、同様の参照符号が全体を通して対応する部分を表している図面を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】[0021]この例ではヘッドユニット、光ケーブル、取り外し可能な再充電式バッテリを備える取り外し可能な筐体、およびリモートレシーバユニットを備える本明細書に開示されるような一例の無線医療撮像システムを示しており、取り外し可能な再充電式バッテリを備える取り外し可能な筐体はヘッドユニットに装着されており、ヘッドユニットは、内視鏡に相当する医療撮像スコープに装着されており、リモートレシーバユニットは、最新技術の内視鏡検査システムに装着されるのを示す斜視図である。
【
図2】[0022]
図1の無線医療撮像システムのヘッドユニット、および取り外し可能な再充電式バッテリを備える取り外し可能な筐体を示す分解組み立て斜視図である。
【
図3】[0023]
図1の一例の無線医療撮像システムのヘッドユニットを示す前方図である。
【
図4】[0024]
図3のヘッドユニットを示す背面図である。
【
図5】[0025]
図3のヘッドユニットを示す側面図である。
【
図6】[0026]
図3のヘッドユニットの一実施形態を示す断面図である。
【
図7】[0027]ヘッドユニットが、内部再充電式バッテリをさらに備える、
図3のヘッドユニットの別の実施形態を示す断面図である。
【
図8】[0028]斜視図での
図1の一例の無線医療撮像システムの光ケーブルと、伝送される光(L)を示す図である。
【
図9】[0029]
図1の一例の無線医療撮像システムのヘッドユニット、光ケーブル、および取り外し可能な再充電式バッテリを備える取り外し可能な筐体を示しており、取り外し可能な再充電式バッテリを備える取り外し可能な筐体がヘッドユニットに装着され、ヘッドユニットが、内視鏡に対応する医療撮像スコープに装着されるのを示す前方図である。
【
図10】[0030]
図9の一例の無線医療撮像システムのヘッドユニット、光ケーブル、および取り外し可能な再充電式バッテリを備える取り外し可能な筐体を示しており、ヘッドユニットが、内部再充電式バッテリをさらに備え、取り外し可能な再充電式バッテリを備える取り外し可能な筐体がヘッドユニットに装着され、ヘッドユニットが、内視鏡(内視鏡は一部分のみ示されている)に対応する医療撮像スコープに装着されるのを示す断面図である。
【
図11】[0031]断面図での
図9の光ケーブルと、伝送される光(L)を示す断面図である。
【
図12】[0032]
図1の一例の無線医療撮像システムの取り外し可能な再充電式バッテリを備える取り外し可能な筐体を示す前方図である。
【
図13】[0033]
図12の取り外し可能な再充電式バッテリを備える取り外し可能な筐体を示す側面図である。
【
図14】[0034]
図12の取り外し可能な再充電式バッテリを備える取り外し可能な筐体の一実施形態を示す断面図である。
【
図15】[0035]
図1のヘッドユニット、および取り外し可能な再充電式バッテリを備える取り外し可能な筐体を示しており、取り外し可能な再充電式バッテリを備える取り外し可能な筐体がヘッドユニットに装着されているのを示す側面図である。
【
図16】[0036]
図3のヘッドユニットの一実施形態示しており、ヘッドユニットが内部再充電式バッテリをさらに備え、
図12の取り外し可能な再充電式バッテリを備える取り外し可能な筐体がヘッドユニットに装着されているのを示す断面図である。
【
図17】[0037]本明細書に開示されるような一例の無線医療撮像システムのヘッドユニットおよび取り外しできない再充電式バッテリを示しており、取り外しできない再充電式バッテリがヘッドユニットに装着されているのを示す側面図である。
【
図18】[0038]
図1の一例の無線医療撮像システムのリモートレシーバユニットを示す前方図である。
【
図19】[0039]
図18のリモートレシーバユニットを示す背面図である。
【
図20】[0040]
図18のリモートレシーバユニットを示す側面図である。
【
図21】[0041]
図19のリモートレシーバユニットを示す断面図である。
【
図22】[0042]本明細書に開示されるような基本的な固体集積光源の概略図である。
【
図23】[0043]本明細書に開示されるような、光源の効率および安全性を高めるために複数の部品を使用する別の集積光源の概略図である。
【
図24】[0044]
図23の集積光源を使用し、システム内の光のための可能なビーム経路を例示する概略図である。
【
図25】[0045]燐光体がコーティングされた変換器の作動の概略図である。
【
図26】[0046]本明細書に開示される集積光源の一態様による一例のボリューメトリックスペクトル変換器の作動の概略図である。
【
図27】[0047]最新技術の3つのLEDシステムの一例のスペクトル(Y軸:強度、X軸:の波長(nm))(点線)と、本明細書に開示される集積光源(実線)を比較するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[0048]以下の記載において、無線医療撮像システムの種々の実施形態が記載されている。他の実施形態が使用される場合もあり、その構造的な変更は、無線医療撮像システムの範囲から逸脱することなく行われてよいことを理解されたい。またそうでないことが指摘されなければ、無線医療撮像システムは、特定の材料、寸法、製造工程などに限定されず、故に変動する場合があることも理解されたい。
【0023】
[0049]
図1~
図21および
図23に示されるように、無線医療撮像システム31が開示されている。
図1~
図6に示されるように、無線医療撮像システム31は、(i)ヘッドユニットケース33と、(ii)ヘッドユニット電気コネクタ34と、(iii)画像センサ35と、(iv)無線送受信機36と、(v)中央処理装置37と、(vi)ユーザ入力構成要素38とを備える(a)ヘッドユニット32を備える。
図8~
図11に示されるように、無線医療撮像システム31はまた、(i)光ケーブル電気コネクタ40、(ii)電力ケーブル41、および(iii)集積光源42とを備える(b)光ケーブル39も備える。
図3および
図6に示されるように、ヘッドユニットケース33は、外側空洞4
4を画定する外面43と、内側空洞46を画定する内面45と、第1の開口部47と、第2の開口部48とを有する。
図10に示されるように、ヘッドユニット電気コネクタ34は、第1の開口部47を通して光ケーブル電気コネクタ40を動作可能に接続するように構成されている。光ケーブル電気コネクタ40、電力ケーブル41、および集積光源42は、動作可能に直列に接続される。
図11および
図23に示されるように、集積光源42は、(1)第1のスペクトルを有する放射性線源202と、(2)放射性線源202からの放射を誘導するように設置された光学素子204と、(3)放射性線源202から誘導された放射を第1のスペクトルとは異なる第2のスペクトルを有する放射に変換するように設置されたボリューメトリックスペクトル変換器205と、(4)変換器205の周りに設置された光学反射器206と、(5)出力フィルタ207とを備え、反射器206は、変換器205の放射を出力フィルタ207に向けて反射するように設置されており、集積光源42は、光ケーブル39からの光を出力フィルタ207を通して伝送するように構成されている。
図6に示されるように、画像センサ35、無線送受信機36、および中央処理装置37は、内側空洞46に配置される。画像センサ35は、第2の開口部48を介してヘッドユニット32に伝送された画像を検出するように構成される。
図10に示されるように、外側空洞44は、外部バッテリ49を収容するように構成される。ユーザ入力構成要素38は、外面43に配置される。
【0024】
[0050]
図1、
図9、および
図10に示されるように無線医療撮像システム31は、以下のように作動させることができる。ヘッドユニットケース電気コネクタ34と光ケーブル電気コネクタ40の機能的な接続に基づいて、ヘッドユニット32と光ケーブル39を接続することができる。光ケーブル39は、医療撮像スコープ50、例えば内視鏡、関節鏡、および別の医療撮像システムに接続させることができる。医療撮像スコープ50はまた、例えばヘッドユニット32の第2の開口部48においてヘッドユニット32に接続させることができる。ヘッドユニット32は、例えば外部バッテリおよび/または内部バッテリなどのバッテリから、ヘッドユニット電気コネクタ34、光ケーブル電気コネクタ40、および電力ケーブル41を介して集積光源42に電力を供給することができる。集積光源42は、光が集積光源42から医療撮像システム50の中へと伝送される、すなわち対象の領域に伝送されるように、例えば人または動物である患者の内部の手術位置などの対象の領域に照明を提供することができる。画像センサ35はその後、第2の開口部48を介してヘッドユニット32に伝送された画像を検出することができる。
図1、
図10、および
図21に示されるように、ヘッドユニット32の無線送受信機36は、例えばリモートレシーバユニット52の無線送受信機51との間で、画像センサデータ、コマンドおよび制御信号を送受信することができる。ユーザ入力構成要素38は、集積光源42および/または画像センサ35を制御するのに使用することができる。
【0025】
[0051]
図10を参照して最初にヘッドユニット32を考察すると、指摘されるように無線医療撮像システム31は、(i)ヘッドユニットケース33と、(ii)ヘッドユニット電気コネクタ34と、(iii)画像センサ35と、(iv)無線送受信機36と、(v)中央処理装置37と、(vi)ユーザ入力構成要素38とを備える(a)ヘッドユニット32を備える。
【0026】
[0052]ヘッドユニットケース33は、他の技術の中でも鋳造、鋳込み成形および/または3D印刷によって作製することができる。ヘッドユニットケース33は、中でもとりわけ、例えばプラスチック、ステンレス鋼および/またはチタンなどの材料で作製することができる。ヘッドユニットケース33は、画像センサ35、無線送受信機36、および中央処理装置37のための筐体として機能し、例えば手術中などの使用中、および例えば滅菌中などの清掃中に例えば保護を提供することができる。ヘッドユニットケース33はまた、外部バッテリ49を収容することができる構造体としても機能することができ、使用中の、例えば手術中の外部バッテリ49の装着、支持、および/または迅速な交換の場所
を例えば提供する。
【0027】
[0053]ヘッドユニット電気コネクタ34は、例えばプラグとソケットのコネクタのうちのプラグまたはソケット構成要素などの標準的な電気コネクタである場合、あるいは他のタイプの中でも特注の電気コネクタである場合もある。ヘッドユニット電気コネクタ34は、例えば外部バッテリおよび/または内部バッテリなどのバッテリに動作可能に接続させることができる。ヘッドユニット電気コネクタ34はまた、以下で考察されるように光源ドライバ53に動作可能に接続させることもできる。好適なヘッドユニット電気コネクタ34には、例えばピンとソケットのコネクタ、精密なガス密結合コネクタ、Mill-Maxコネクタ、単一のピンとブーツのコネクタ、MT接続コネクタ、貫通接続ピンコネクタ、バレル型コネクタ、ばね荷重(pogo)コネクタ、および接触コネクタが含まれる。
【0028】
[0054]次に再び
図10を参照して光ケーブル39に目を向けると、指摘されるように無線医療撮像システム31はまた、(i)光ケーブル電気コネクタ40、(ii)電力ケーブル41、および(iii)集積光源42を備える光ケーブル39を備える。光ケーブル39は、以下に記載されるように特注の集積光源42と合わせて、様々な製造元から入手可能な標準的な電気コネクタおよび電力ケーブルから特注で作製することができる。光ケーブル39はまた、例えば耐久性の増大、滅菌のし易さなどの様々な向上によって改善することもできる。
【0029】
[0055]光ケーブル電気コネクタ40、電力ケーブル41、および集積光源42は、動作可能に直列に接続される。これにより光ケーブル39は、光ケーブル電気コネクタ40および電力ケーブル41を介して集積光源42に電力を供給することができる。
【0030】
[0056]光ケーブル電気コネクタ40は、例えばプラグとソケットのコネクタのうちのプラグまたはソケット構成要素などの標準的な電気コネクタである場合、あるいは他のタイプの中でも特注の電気コネクタである場合もある。指摘されるように、ヘッドユニット電気コネクタ34は、第1の開口部47を介して光ケーブル電気コネクタ40と動作可能に接続するように構成されている。機能的な接続は、光ケーブル39の集積光源42をバッテリ、例えば外部バッテリおよび/または内部バッテリに接続する電気回路を形成することができる。機能的な接続は、一対の合致する電気コネクタ、例えばプラグとソケットのコネクタの対に対応するヘッドユニット電気コネクタ34と光ケーブル電気コネクタ40に基づいて直接的であってよい。機能的な接続はまた、ヘッドユニット電気コネクタ34と光ケーブル電気コネクタ40を接続するためのアダプタの利用に基づいて間接的である場合もある。第1の開口部47を介する機能的な接続は、ヘッドユニット電気コネクタ34と光ケーブル電気コネクタ40の接続がヘッドユニット32の内側空洞46内で生じるように、例えばヘッドユニット電気コネクタ34がヘッドユニット32の内側空洞46内に配置され、光ケーブル電気コネクタ40が第1の開口部47を介して挿入されることに基づいて達成することができる。第1の開口部47を介する機能的な接続はまた、ヘッドユニット電気コネクタ34と光ケーブル電気コネクタ40の接続がヘッドユニット32の外側で生じるように、ヘッドユニット電気コネクタ34がヘッドユニット32の外面43に配置され、ヘッドユニット電気コネクタ34が、第1の開口部47を介して、例えば外部バッテリまたは内部バッテリなどのバッテリに動作可能に接続されることに基づいて達成される場合もある。第1の開口部47を介する機能的な接続はまた、例えばヘッドユニット電気コネクタ34と光ケーブル電気コネクタ40の接続が第1の開口部47それ自体の中で生じるように、他の方法で達成される場合もある。いずれのケースでも、第1の開口部47を介する機能的な接続は、第1の開口部47が、接続時に、例えば第1の開口部47における光ケーブル39とヘッドユニットケース33との間の密閉接触に基づいて有効に密閉されるように達成することができる。ヘッドユニット電気コネクタ34の場合のように、好適な光ケーブル電気コネクタ40には、例えばピンとソケットのコネクタ、精密なガス密結合コネクタ、Mill-Maxコネクタ、単一のピンとブーツのコネクタ、MT接続コネクタ、貫通接続ピンコネクタ、バレル型コネクタ、ばね荷重(pogo)コネクタ、および接触コネクタが含まれる。
【0031】
[0057]光ケーブル39の電力ケーブル41は、とりわけ導体54を含む標準的な電力ケーブルであってよい。好適な電力ケーブル41には、例えば銅、アルミニウム、および固体導体が含まれる。
【0032】
[0058]
図11および
図23を参照して上記で指摘したように、集積光源42は、(1)第1のスペクトルを有する放射性線源202と、(2)放射性線源202からの放射を誘導するように設置された光学素子204と、(3)放射性線源202から誘導された放射を第1のスペクトルとは異なる第2のスペクトルを有する放射に変換するように設置されたボリューメトリックスペクトル変換器205と、(4)変換器205の周りに設置された光学反射器206と、(5)出力フィルタ207とを備え、反射器206は、変換器205の放射を出力フィルタ207に向けて反射するように設置されており、集積光源42は、光ケーブル39からの光を出力フィルタ207を通して伝送するように構成されている。よって集積光源42は、例えば種々の構成要素が区別されたままである、例えば容易に着脱可能および/または相互に交換可能のままである光源とは対照的に、光源の種々の構成要素が、例えば一体型の形態に統合されている光源であり得る。集積光源42は、集積光源の他のタイプの中でも、例えば発光ダイオード、レーザダイオード、または有機発光ダイオードであってよい。一部の例では、集積光源42は、連続スペクトル光を生成することができる固体光源56を備え、および/または集積光源42の出力は、名目上480nmから775nmのスペクトル幅を有する。また一部の例では、集積光源42は、調整可能な光のスペクトルを生成する場合もある。また一部の例では、無線医療撮像システム31は、複数の集積光源42を備える。集積光源42は、以下に詳細に記載される。
【0033】
[0059]
図8~
図11を参照すると、一部の例では、光ケーブル39を医療撮像スコープ50に接続することによって光が集積光源42から医療撮像スコープ50の中へと伝送される、すなわち対象の領域に伝送されることにより、例えば人または動物である患者の内部の手術位置などの対象の領域に照明を提供するように構成される。例えば集積光源42は、光を医療撮像スコープ50の中へと伝送する、すなわち対象の領域に伝送するような向きで光ケーブル39内またはその端部57に位置決めすることができる。これは、例えば、集積光源42が位置決めされる光ケーブル39の端部57と医療撮像スコープ50の光ポスト59の端部58との接続に基づいてよい。この接続は、例えば光ケーブル39の端部57と光ポスト59の端部58との間の直接的な接触によって直接的である場合、または以下で考察するように、例えば光ケーブル39の端部57と光ポスト59の端部58との間でアダプタ60を使用することによって間接的な接続である場合もある。
【0034】
[0060]一部の例では、光ケーブル39は、保護筐体61をさらに備える。保護筐体61は、他の成形された筐体の中でもとりわけ、例えば円筒形の筐体であってよく、他の材料の中でもとりわけ、例えばチタンなどの金属から作製することができる。このような例によると、保護筐体61は、集積光源42を取り囲み、これにより例えば他の物体との物理的な接触による損傷からの集積光源42に対する保護を提供する、また例えば使用中に集積光源42によって発生する熱を吸収することによって集積光源42のためのヒートシンクとして機能する場合もある。保護筐体61はまた、開口62を有しており、これにより集積光源42が保護筐体61を超えて光を伝送することを可能にする。これらの例によると、集積光源42は光ケーブル39から開口62を通して光を伝送するように構成される。例えば集積光源42は、集積光源42が出力フィルタを通して光を伝送する場合、この場合も光が保護筐体61の開口62を通過することができるように保護筐体61内に位置決めすることができる。
【0035】
[0061]一部の例では、光ケーブル39は、光ケーブル39と医療撮像スコープ50の接続を形成するように構成されたアダプタ60をさらに備える。アダプタ60は、他のアダプタの種類の中でもとりわけ、例えば汎用端部のためのアダプタであってよい。これらの例によると、光ケーブル39の保護筐体61の端部63などの光ケーブル39の端部57は、他の方法の中でもとりわけ、例えば一体式に、または一時的な取り付けによってそこに接続されたアダプタ60を有することができる。よって一部の例では、アダプタは、保護筐体の中に組み込まれて一体式の設計を可能にする。また一部の例では、アダプタは、保護筐体に一時的に取り付けられる。アダプタ60の使用は、光ケーブル39を、様々な異なるタイプの医療撮像スコープ50の光ポスト59の多様な異なる標準的な端部に接続することを可能にし得る。好適なアダプタ60の例には、例えばACMI LUXTEC端部、ACMI SNAP-ONFEMALE端部、ACMI-LONG端部、DESIGNS FOR VISION HEADLIGHT端部、PILLING端部、STORZ OLYMPUS端部、LUXTEC ULTRALITE HEADLIGHT端部、LUXTEC HEADLIGHT端部、WOLF MALE端部、WOLF FEMALE DYONICS端部、ZEISS HEADLIGHT端部、およびUNIVERSAL端部などの器具の端部用、ならびにACMI LUXTEC端部、ACMI-LONG STRYKER端部、DESIGNS FOR VISIONS端部、OLYMPUS端部、PILLING端部、LUXTEC ULTRALITE端部、STORZ端部、WOLF DYONICS端部、ZEISS-SMALL端部、およびUNIVERSAL端部などの光源の端部用の標準的なアダプタ端部を有するアダプタが含まれる。好適なアダプタ60には、例えばねじ式コネクタ、磁気コネクタ、およびばねコネクタも含まれる。
【0036】
[0062]また一部の例では、アダプタ60は、光ケーブル39が医療撮像スコープ50に接続されている間、アダプタ60および光ケーブル39の医療撮像スコープ50に対する回転を可能にするようにさらに構成される。そのようなアダプタ60は、回転コネクタとして機能することができる。一例の好適な回転コネクタには、中でもとりわけ、ピンとリングのコネクタおよび2つのリングのコネクタが含まれる。ピンとリングのコネクタは、コネクタの一方の側に中心の円形ポートと、共通半径のリングとを含み、コネクタの他方の側に中心ピンと、オフセットピンとを含むことができる。中心ピンは、中心ポートに嵌合し、オフセットピンはこのとき共通半径のリングに沿って摺動することができる。このような接続は、金属製のピンとリングを用いて行われることで、アダプタ60と光ポスト59の相対的な位置に関係なく電気が流れることができる。2リングシステムは、中心ピンとポートが、第1のリングと同じように作用する第2のリングに置き換えられること以外は事実上同じである。
【0037】
[0063]また一部の例では、光ケーブル39は、電力ケーブル41を取り囲む可撓性の被覆55をさらに備える。可撓性の被覆55は、光ケーブル39の電力ケーブル41を保護し絶縁することができる。可撓性の被覆55は、他の構成要素および構造体の中でもとりわけ、例えば内側の金属被覆64と、外側のプラスチック被覆65とを含むことができる。
【0038】
[0064]また一部の例では、光ケーブル39は、光ファイバケーブルを備えていない。光ファイバケーブルの代わりに、電力ケーブル41と、集積光源42とを含む光ケーブル39を使用することは、以下で考察されるように光ケーブル39の機能性および耐久性を大いに増大させる。
【0039】
[0065]ヘッドユニット32に戻り、
図10を参照すると、指摘されるように画像センサ
35は、例えば第2の開口部48において接続された医療撮像スコープ50によって伝送される画像など、第2の開口部48を介してヘッドユニット32に伝送される画像を検出するように構成される。好適な画像センサ35は既知であり、商業的に入手可能な、例えばON Semiconductor AR0230CSである。一部の例では、画像センサ35は、相補形金属酸化物半導体(CMOS)チップ、サイエンティフィック相補型金属酸化膜半導体(sCMOS)チップ、電荷結合素子(CCD)チップ、またはそれらの組み合わせを備える。また一部の例では、ヘッドユニット32は、画像センサ35が中央処理装置37のために画像を変換するのを助けるコプロセッサ66をさらに備える。このような例では、コプロセッサ66は、画像センサ35と接続することができる。例えばコプロセッサ66は、画像センサ35から生画像データの形態で入力を受け取り、この生画像データを、大抵の一般的な画像処理用のハードウェアおよび/またはソフトウェアによって圧縮可能であり読み取り可能な形式に変換することができる。好適なコプロセッサ66は、既知であり、商業的に入手可能な、例えばON Semiconductor AP0202ATである。
【0040】
[0066]一部の例では、ヘッドユニットケース33は、300~800cm3の容積を有し、例えば350から750cm3、400から700cm3、450から650cm3、または500から600cm3の容積を有する。また一部の例では、ヘッドユニット電気コネクタ34および画像センサ35は、ヘッドユニットケース33の中で互いから1から6cmの範囲内に、例えば互いから1.5から5.5cm、2から5cm、2.5から4.5cm、または3から4cmの範囲内に配置される。このような例によって、ヘッドユニットケース33は、コンパクトな形状を有することができる。
【0041】
[0067]指摘されるように、光ケーブル39は、集積光源42を備える。光ケーブル39が集積光源42を含むことが理由で、光ケーブル39は、内視鏡検査用カートから伸びる必要がなく、またこれにより内視鏡検査において従来より使用される光ケーブルに対して短くすることができる。例えば光ケーブル39は、他の長さの中でもとりわけ3から30cm、4から20cm、または5から15cmの長さを有することができる。
【0042】
[0068]
図3、
図6、および
図10を参照すると、一部の例では、第2の開口部48は、医療撮像スコープ50をヘッドユニットケース33に接続するように構成された第2の開口部コネクタ67を備える。第2の開口部コネクタ67は、第2の開口部48がねじ山付きの空洞に相当するように、例えばねじ山を備えることができる。ねじ山は、大抵の一般的な医療撮像スコープが、それ自体によって、または産業標準のCマウント連結器を利用して正確に連結することを可能にすることができる。
【0043】
[0069]
図1、
図10、および
図21を参照すると、ヘッドユニット32の無線送受信機36は、無線医療撮像システム31から送信された信号、および無線医療撮像システム31によって受信された信号を制御し誘導する。一部の例では、ヘッドユニット32の無線送受信機36は、以下で考察するように、リモートレシーバユニット52の無線送受信機51との間で、例えばビデオデータなどの画像センサデータ、コマンドおよび制御信号を送受信するように構成される。これらの例の一部の実施形態では、ヘッドユニット32は、ヘッドユニット32とリモートレシーバユニット52が互いから30メートルの範囲に位置するとき、ヘッドユニット32の無線送受信機36とリモートレシーバユニット52の無線送受信機51との間に接続を確立するように構成される。また一部の例では、ヘッドユニット32の無線送受信機36は、超広帯域(UWB)通信様式を使用する。また一部の例では、ヘッドユニット32の無線送受信機36は、例えば再プログラミング、再設計、または更新などのいかなる変更も必要とせずに、外部の医療撮像システムまたは管理システムに画像センサデータならびにコマンドおよび制御信号を転送するように構成される。一部の例では、無線送受信機36は、アンテナ68を備え、および/またはアンテナ68と接続している。アンテナ68は、リモートレシーバユニット52および/または例えば標準的な内視鏡検査用カート上のカメラ制御ユニットなどの医療撮像システムとの間で、画像センサデータを保持する無線信号および/またはコマンドおよび制御信号を送受信することを可能にすることができる。好適な無線送受信機36は、既知であり、商業的に入手可能な、例えばStarix Technology STX1101である。
【0044】
[0070]上記で指摘されるように、一部の例では、ヘッドユニットケース33は、300から800cm3の容積、例えば350から750cm3、400から700cm3、450から650cm3、または500から600cm3の容積を有する。このような範囲内の容積を有するヘッドユニットケース33は、手持ち式であってよい。したがってヘッドユニット32の無線送受信機36は、ヘッドユニット32を手に持った状態で、リモートレシーバユニット52の無線送受信機51との間で、例えばビデオデータなどの画像センサデータ、コマンドおよび制御信号を送受信することができる。
【0045】
[0071]
図10を参照すると、中央処理装置37は、無線医療撮像システム31の1つまたは複数の機能を実行および/または制御することができる。一部の例では、中央処理装置37は、以下の、集積光源42、画像センサ35、または無線送受信機36のうちの少なくとも1つを管理する。このような例の一部の実施形態では、中央処理装置37は、中でもとりわけ、例えば上記で考察したように画像センサ35からのビデオ信号をエンコードする、無線送受信機36からの送信をデコードする、および/または集積光源42の明るさを制御するなどの機能を実行することができる。また一部の実施形態では、中央処理装置37は、以下で考察するようにバッテリシステム69と接続することで、中でもとりわけ、例えば集積光源42、画像センサ35および/または無線送受信機36などの無線医療撮像システム31の一部または全ての構成要素に電力を分配することができる。また一部の実施形態では、中央処理装置37は、メモリモジュール70と接続することができる。メモリモジュール70は、無線医療撮像システム31の構成要素の一部または全てによって送信された、またはそれらに対して送信されたデータ、命令および/またはコマンド信号の格納および取り出しを可能にすることができる。また一部の実施形態では、中央処理装置37は、光源ドライバ53と接続することができる。光源ドライバ53は、以下で考察するようにバッテリシステム69によって供給される電力を受け取ることができ、集積光源42を効率的に作動させることができるようなやり方で電力を変換し成形することができる。好適な中央処理装置37は、既知であり、商業的に入手可能であり、例えばNXP SCM-i.MX 6Dualである。
【0046】
[0072]
図1、
図2、および
図10を参照すると、ユーザ入力構成要素38は、ユーザが集積光源42および/または画像センサ35と接続することを可能にする制御面71に相当し得る。ユーザ入力構成要素38は、例えばゴム製ボタン、静電容量性ボタン、スクロールホイール、静電容量性スクリーン、および/またはスイッチを備えることができ、これらは、集積光源42および/または画像センサ35に動作可能に接続させることができる。インターフェース接続は、例えば電力および/または強度などの集積光源42の特徴を制御することを含むことができる。これは、例えば集積光源42のダイオードに直接の電力を供給することによって、および/または全体の電力消費を低下させ、かつ人の目またはカメラで見るよりも速い速度でダイオードを明滅させるデューティサイクルを集積光源42のダイオードに課すことによって行うことができる。インターフェース接続はまた、中でもとりわけ、例えばホワイトバランス、輝度、ズーム、および/または画像キャプチャなどの画像センサ35の特徴を制御することも含むことができる。
【0047】
[0073]したがって一部の例では、ユーザ入力構成要素38は、集積光源42の機能を制御するように構成されたボタンを備える。
[0074]また一部の例では、ユーザ入力構成要素38は、画像センサ35の機能を制御す
るように構成されたボタンを備える。
【0048】
[0075]
図10を参照すると、ヘッドユニット32は、ヘッドユニット32の内側空洞46の中にヒートシンクを任意選択で含む場合がある。けれどもヒートシンクは、ヘッドユニット32の内側空洞46内に不可欠ではない。これは、ヘッドユニット32は集積光源42を中に含んでおらず、そのため集積光源42からの熱を吸収するためにヘッドユニット32の内側空洞46にヒートシンクを含む必要がないためである。これはまた、ヘッドユニット32の他の構成要素のいずれも、内側空洞46にヒートシンクを必要とするほど十分な熱を使用中に生成しないことがその理由でもある。
【0049】
[0076]したがって一部の例では、ヘッドユニット32は、ヘッドユニット32の内側空洞46内にヒートシンクを備える。このような例によると、ヒートシンクは、使用中にヘッドユニット32の任意の構成要素によって生成され得る熱を吸収することができる。ヒートシンクは、例えばヒートシンク/熱パイプ構造を含めた多様な構造を有することができる。好適なヒートシンクは、ヘッドユニットケース33に嵌合するように特注で作製される場合もある。
【0050】
[0077]また一部の例では、ヘッドユニット32は、ヘッドユニット32の内側空洞46内にヒートシンクを備えていない。このことは、ヒートシンクを備えるヘッドユニット32に対して、より簡素な構造、より低いコスト、およびより軽い重量を含めた利点を提供することができる。
【0051】
[0078]また一部の例では、ヘッドユニット32がヘッドユニット32の内側空洞46内にヒートシンクを備えていようと、なかろうと、ヘッドユニットケース33自体がヒートシンクとして機能する場合もある。例えばチタンから作製されたヘッドユニットケース33は、使用中ヘッドユニット32の任意の構成要素によって生成された熱を吸収することができ、これによりそれ自体がヒートシンクとして機能する場合がある。
【0052】
[0079]
図2、
図3、および
図10を参照すると、一部の例では、ヘッドユニット32は窓73をさらに備える。このような例によると、窓73は、第2の開口部48の中に配置され、画像が邪魔されずにそこを通過するのを可能にするように構成される。窓73は、中でもとりわけ、例えばサファイアガラス、プラスチック、および/またはアクリル樹脂などの材料で作製することができる。窓73はまた、中でもとりわけ、例えば反射防止コーティング、傷防止コーティング、および/または赤外フィルタコーティングなどのコーティングによって被覆される場合もある。
【0053】
[0080]これらの例の一部では、第2の開口部48は、上記で考察されるように医療撮像スコープ50または連結器をヘッドユニットケース33に接続するように構成された、上記で考察されるような第2の開口部コネクタ67、例えばねじ山を備える第2の開口部コネクタ67を備える。このような例では、窓73は、第2の開口部48において、例えばねじ山付きの穴に相当する第2の開口部48において接続された医療撮像スコープ50によって伝送される画像がヘッドユニットケース33の中に進むことを可能にすることができる。
【0054】
[0081]
図10を参照すると、指摘されるように、ヘッドユニット電気コネクタ34は、第1の開口部47を介して光ケーブル電気コネクタ40と動作可能に接続するように構成される。また第1の開口部47を介する機能的接続は、例えば第1の開口部47における光ケーブル39とヘッドユニットケース33との間の密閉接続に基づいて第1の開口部47が有効に密閉されるように達成することができる。一部の例では、窓73は、第2の開口部48の中に配置され、これもまた第2の開口部48を有効に密閉する。このような例では、ヘッドユニット32は、第1の開口部47を介して集積光源42に電力を提供するように構成されており、窓73は、第2の開口部48において接続された医療撮像スコープ50によって伝送される画像が、ヘッドユニットケース33の滅菌のための気密の完全性および/または適合性を損なうことなくヘッドユニットケース33の中に進むことを可能にすることができる。このような例では、ヘッドユニット32は、手術の前に滅菌することができ、ヘッドユニットケース33の内側空洞46は、手術中およびその後もヘッドユニット32の使用の間滅菌された状態であり得る。
【0055】
[0082]窓73は、例えば第2の開口部48の中に位置決めされ、その中に密閉されることによるなど多様な手法によって第2の開口部48の中に配置することができる。
[0083]一部の例では、無線医療撮像システム31は、プリント回路基板74をさらに備える。プリント回路基板74は、ヘッドユニットケース33の内側空洞46に配置することができる。プリント回路基板74は、これらもまたヘッドユニットケース33の内側空洞46に配置される画像センサ35、無線送受信機36、および中央処理装置37のうちの1つまたは複数をサポートし、位置付けることができる。プリント回路基板74は、中でもとりわけ例えば、銅、プラスチック、ファイバガラス、および/または樹脂などの材料で作製することができる。プリント回路基板74は、安定性および/または配置のためにヘッドユニットケース33の内面45に取り付けることができる。好適なプリント回路基板74は特注で作製することができる。
【0056】
[0084]
図10および
図12~
図17を参照すると、一部の例では、無線医療撮像システム31は、ヘッドユニットケース33の外側空洞44に配置され、また集積光源42、画像センサ35、無線送受信機36、または中央処理装置37のうちの1つまたは複数に電力を提供する外部バッテリ49をさらに備える。外部バッテリ49は、1つまたは複数の電池75を備えることができる。電池75は、中でもとりわけ、例えばリチウムイオン、ニッケルカドミウム、またはリチウムポリマーなどの化学的性質を有することができる。好適な電池75は、既知であり、商業的に入手可能な、例えばLG 18650MJ1である。
【0057】
[0085]このような例の一部の実施形態では、外部バッテリ49は、取り外し可能な再充電式バッテリ76である。このような実施形態では、無線医療撮像システム31は、取り外し可能な再充電式バッテリ76のための取り外し可能な筐体77をさらに備える場合がある。取り外し可能な筐体77は、中でもとりわけ、例えばプラスチック、ステンレス鋼、および/またはチタンなどの材料で作製することができる。取り外し可能な筐体77は、取り外し可能な再充電式バッテリ76を備えることができる。したがって取り外し可能な筐体77は、手術および/または滅菌中に取り外し可能な再充電式バッテリ76を保護することができる。外側空洞44は、取り外し可能な筐体77を外側空洞44に係止することによって取り外し可能な再充電式バッテリ76を収容するように構成することができる。例えば取り外し可能な筐体77は、ヘッドユニットケース33の外側空洞44からの取り外し可能な筐体77およびその中の取り外し可能な再充電式バッテリ76の迅速な取り出しおよび交換を可能にするラッチ機構を含むことができる。
【0058】
[0086]取り外し可能な筐体77はまた、バッテリ管理システム78をさらに備えることができる。バッテリ管理システム78は、1つまたは複数の機能を果たすことができる。例えば、バッテリ管理システム78は、(a)取り外し可能な再充電式バッテリ76からの電力出力を調整する、(b)取り外し可能な再充電式バッテリ76の充電レベルを報告する、および(c)故障に対して保護するように構成されてよい。あるいはおよび/または追加として、バッテリ管理システム78は、充電サイクルの回数、独自の識別子などの取り外し可能な再充電式バッテリ76を識別する情報を保存するように構成することもできる。好適なバッテリ管理システム78は、特注で作製することができる。
【0059】
[0087]
図17を参照すると、このような例の一部の実施形態では、外部バッテリ49は、取り外しできない再充電式バッテリ89である。
[0088]
図10を参照すると、このような例の一部の実施形態では、外部バッテリ49は大容量を有し、集積光源42、画像センサ35、中央処理装置37、および無線送受信機36を作動させるために適切な電力を提供することができる。例えば外部バッテリ49は、3,000ミリアンペア時間(mAh)を超える容量を有することができる。
【0060】
[0089]またこのような例の一部の実施形態では、ヘッドユニット32は、外部バッテリ49によって供給される電力を制御し、集積光源42、画像センサ35、無線送受信機36、または中央処理装置37のうちの1つまたは複数に電力を分配するように構成された電力管理システ79をさらに備える。好適な電力管理システム79は、Texas Instruments TPS63020DSJを含め、商業的に入手可能な構成要素から作製することができる。
【0061】
[0090]
図1、および
図18~
図21を参照すると、一部の例では、無線医療撮像システム31は、リモートレシーバユニット52をさらに備える。リモートレシーバユニット52は、レシーバユニットケース80、無線送受信機51、中央処理装置81、および通信インターフェース82を備える。レシーバユニットケース80は、リモートレシーバユニット52の無線送受信機51、リモートレシーバユニット52の中央処理装置81、および通信インターフェース82を中に収容する内側空洞83を有する。レシーバユニットケース80は、中でもとりわけ、例えばプラスチック、ステンレス鋼、および/またはチタンなどの材料で作製することができる。したがって、レシーバユニットケース80は、リモートレシーバユニット52の無線送受信機51、リモートレシーバユニット52の中央処理装置81、および通信インターフェース82ならびにレシーバユニットケース80の内部の任意の他の構成要素を、例えば手術および/または清掃中、レシーバユニットケース80の内側空洞83の中で保護することができる。
【0062】
[0091]このような例の一部の実施形態では、リモートレシーバユニット52の無線送受信機51は、ヘッドユニット32の無線送受信機36との間で、画像センサデータ、コマンドおよび制御信号を送受信するように構成される。例えばリモートレシーバユニット52は、他の機能の中でもとりわけ、アンテナ機能、データ伝送および/または送電などの機能のための接続を提供する第1の外部接続部84を含むことができる。リモートレシーバユニット52はまた、例えば種々の既存の最新技術の内視鏡検査システムのうちのいずれかを含めた、内視鏡検査システムにリモートレシーバユニット52を接続するのに使用することができる第2の外部接続部85を含む場合もある。
【0063】
[0092]またこれらの例の一部の実施形態では、リモートレシーバユニット52の中央処理装置81は、リモートレシーバユニット52の無線送受信機51または通信インターフェース82のうちの1つまたは複数を管理し、必要であればデータ処理を行うことができる。例えばリモートレシーバユニット52は、中でもとりわけ、例えば電力制御、無線信号処理、演算、ならびに/またはビデオ圧縮および復元などの機能のために使用することができる複数のプリント回路組立体を備える場合もある。
【0064】
[0093]またこれらの例の一部の実施形態では、通信インターフェース82は、再プログラミング、再設計、または更新などのいかなる変更も必要とせずに複数のタイプの外部のカメラ管理システムと通信するように構成される。
【0065】
[0094]リモートレシーバユニット52の好適な無線送受信機51は、例えば上記で考察されるように既知であり、商業的に入手可能である。リモートレシーバユニット52の好
適な中央処理装置81は、例えば上記で考察されるように既知であり、商業的に入手可能である。リモートレシーバユニット52の好適な通信インターフェース82は、既知であり、商業的に入手可能であり、例えばHDMI(登録商標)またはDVI通信インターフェースである。
【0066】
[0095]
図7および
図10を参照すると、一部の例では、ヘッドユニット32は、内部再充電式バッテリ86をさらに備える。内側空洞46は、内部再充電式バッテリ86もさらに収容する。
【0067】
[0096]またこのような例の一部の実施形態では、内部再充電式バッテリ86は、外部バッテリ49が電力を供給するのを止めたとき、または取り外されたとき二次バッテリシステム87として使用されるように構成される。
【0068】
[0097]またこのような例の一部の実施形態では、ヘッドユニット32は、内部再充電式バッテリ86を管理するように構成されたバッテリ管理システム88をさらに備える。例えば、ヘッドユニット32の内部再充電式バッテリ86およびバッテリ管理システム88は、集積光源42、画像センサ35、無線送受信機36、および中央処理装置37が節電のためにより低い電力状態に切り換わることを可能にする。
【0069】
[0098]またこのような例の一部の実施形態では、内部再充電式バッテリ86は、外部バッテリ49からの容量まで充電することができる。
[0099]またこのような例の一部の実施形態では、内部再充電式バッテリ86は、外部バッテリ49の存在に応じて別個の電力またはバッテリ管理システムによって制御されるように構成される。
【0070】
[00100]またこのような例の一部の実施形態では、内部再充電式バッテリ86は、無線
医療撮像システム31の作動のために電力を提供するのに十分である。
[00101]好適な内部再充電式バッテリは、例えば外部バッテリに関して上記で考察した
ように既知であり、商業的に入手可能である。好適なバッテリ管理システム88もまた、例えば上記で考察したように既知であり、商業的に入手可能である。
【0071】
[00102]無線医療撮像システム31は有利には、最新技術の内視鏡検査システムに匹敵
するのに十分高い光の出力を提供する一方で、そのようなシステムに従来より使用される光源よりも少ない電力を使用し、少ない熱を生成する集積光源42を備える。
【0072】
[00103]
図23を参照して、以下でより詳細に説明されるように、集積光源42をより
詳細に考慮すると、一部の例では、集積光源42は、第1のスペクトルを有する放射性線源202と、放射性線源202からの放射を誘導するように設置された光学素子204と、放射性線源202から誘導された放射を第1のスペクトルとは異なる第2のスペクトルを有する放射に変換するように設置されたボリューメトリックスペクトル変換器205と、変換器205の周りに設置された光学反射器206と、出力フィルタ207とを備え、反射器206は、変換器205の放射を出力フィルタ207に向けて反射するように設置されている集積光源200である。これらの例では、上記で考察されるような光ケーブル39は、放射性線源202、光学素子204、変換器205、反射器206、およびフィルタ207を収容している。集積光源200は、光ケーブル39から出力フィルタ207を介して光を伝送するように構成される。
【0073】
[00104]このような例の一部の実施形態では、放射性線源202は、400nmから4
80nmの範囲内で動作する。光学素子204は、放射性線源の放射を変換器205対して、平行にする、収束するように焦点を合わせる、または発散するように焦点を合わせる
ことができる。光学反射器206は、無指向性の光を所望される光学経路へと向け直す。変換器205は、放射性線源202からの放射を非干渉性の放射の異なる波長の放射に変換する、すなわちより狭域のスペクトルまたはより広域のスペクトルの放射に変換する。フィルタ207は、変換器205によって変換されていない放射性線源202からの放射を除去するとともに、任意選択で、放射された光をさらに調整する。集積光源200から放射された放射線スペクトルの放射性の幾何学形状は、好適な光学構成要素を含むことによってさらに調整される、誘導される、焦点を合わせられる、平行にされる、反射される、屈折される、回折される、またはそれ以外の方法で変更されることができる。
【0074】
[00105]光源200は、燐光体が容積測定式に配置された媒体を励起する固体発光デバ
イスを利用する。発光デバイスは、燐光体へと誘導され、その後所望される波長の広域または狭域スペクトル光に変換される光のビームを生成する。容積測定式に配置された燐光体を使用することによって、入射する光のより高い割合を変換し、これによりシステムの効率および安全性を高めることができる。このような変換後の光はその後、最終的な光の出力を正確に制御するために、所望される光学経路にわたって送ることができる。
【0075】
[00106]光源は、基板に燐光性物質を容積測定式に配置する方法に基づいている。容積
測定式に配置された基板は、例えば薄いコーティングを用いる現行のシステムに対して利点を提供する。1つの利点は、レーザ光の非干渉性の光への変換の拡大であり、これは光の変換に利用できる燐光体の量に由来している。現行の燐光体の薄い表面コーティングは、事前に変換された光によって急速に飽和してしまい、一度に少量の光しか変換することができず、システムの効率を大いに低下させる可能性がある。現行の燐光体の薄い表面コーティングを用いて、光を変換する燐光体の量を増大させようとすることは、干渉性の光は一方向にしか進まないため、よって燐光体の層が厚さを増大させることを要求し、このことは伝送を妨害し、それゆえ効果も妨げることになるか、または法外に大きな領域にわたって分散されることを要求するため、極めて難しくなる。容積測定式の堆積方法は、干渉性の光のより大きな放射ビームの必要性を生むことなく、より多量の燐光体が干渉性の光を変換するのに使用されることを可能にする。変換に使用される燐光体の量の増大は、より多くの非干渉性の光が同一の入力によって生成されることを意味しており、故にシステムはより効率的であることを意味している。加えて、より多くの干渉性の光が非干渉性の光に変換されるため、最終的な光源システムから生じる危険な干渉性のレーザ光が存在する可能性も低下する。
【0076】
[00107]
図22を参照して光源をより詳細に考慮すると、一例の固体集積光源100が
例示されている。集積光源100は、標準的な電子構成要素パッケージの内部に配置された半導体レーザの形態でレーザダイオード101を含む。レーザダイオード101は、パッケージを出る電力ピン102を有する。レーザダイオード101は、例えば400から480nm、好ましくは430から470nmの範囲内の干渉性の光を提供してよい。ビーム103は、レーザダイオード101が生成するレーザ光の干渉性のビームである。ビーム103は、ボリューメトリックスペクトル変換器104(例えば燐光体の粒子と共に容積測定式に配置されたPMMA)にぶつかり、これと共に相互に作用する。変換器104はこうして、入射する干渉性のレーザビーム103を出射する広域スペクトル光105に変換する。光105は、例えば限定するものではないが白などの任意の指定された色であってよく、変換器104の媒体中に配置された燐光体の化学組成によって決められる。
【0077】
[00108]
図23を参照すると、上記で考察される集積光源200が例示されている。集
積光源200は、例えば標準的な電子構成要素パッケージの内部に配置された半導体レーザダイオードの形態で、第1の出力スペクトルを有する放射性線源202を含む。レーザダイオードは、パッケージを出る電力ピン203を有する。放射性線源202の放射側の前方には、レーザダイオード202から放射された干渉性のレーザ光を特有の領域に誘導
する例えばレンズまたはレンズのシステムで構成された光学素子204が据えられている。光学素子204は、例えばボリューメトリックスペクトル変換器205による変換のために、放射性線源202の放射を平行にする、収束するように焦点を合わせる、または発散するように焦点を合わせることができる。ボリューメトリックスペクトル変換器205は、放射性線源202からの放射を第1のスペクトルとは異なる第2のスペクトルを有する放射に変換する。ボリューメトリックスペクトル変換器205は、この実施形態では、限定するものではないが変換器205によって変換された光を指定された方向に向けて、このケースでは、出力フィルタ207に向けて前方に誘導する放物線状の固体である幾何学的光学反射器206の内側に配置される。光が光学反射器206によって前方に誘導された後、光は、変換器205の変換媒体によって非干渉性の光に変換されなかったいかなる干渉性の光も取り除くフィルタ207と相互に作用する。この後、このようなフィルタリングされた非干渉性の光のみが光源200を出ていくことができ、放射された光を多様な環境で使用するのに安全なものにする。光源200を参照すると、全ての上記で挙げた構成要素は、パッケージ本体201から削り取られた内側空洞208に中に位置しており、このパッケージ本体は、限定するものではないがアルミニウム、スチール、または銅などの一片の固体材料であってよい。
【0078】
[00109]
図24を参照すると、
図23に見られる光源を用いる可能な光路が例示されて
いる。光源300は、
図23の光源200に匹敵するものであり、
図23のパッケージ本体201に匹敵するパッケージ本体301を含む。光源300の内部には、標準的な電子構成要素パッケージの内部に配置された半導体レーザの形態でレーザダイオード302が位置決めされている。レーザダイオード302は、干渉性の光のビーム307を放射し、これは前に進んで光学素子303と相互に作用する。光学素子303は、干渉性のビーム307をより正確な経路308に誘導し直し、これは、干渉性のビーム307が、ボリューメトリックスペクトル変換器304とより有効に相互に作用することを可能にする。変換器304は、干渉性の光308と変換器304内に存在する容積測定式に配置された燐光体との内部の物理的な相互作用を介して干渉性の光308を非干渉性の光309に変換する。その後非干渉性の光309が、変換器304から複数の方向に放射される。非干渉性の光309はその後、幾何学的光学反射器305と相互に作用する。光学反射器305は、非干渉性の多方向の光309を反射し、それを前方に向け直す310。向け直された光310のほとんどはフィルタ306を通過し、光源300を出て行く311。向け直された光310の一部は、フィルタ306と相互に作用し、設計および安全性の仕様などの理由のためにデバイスを出て行かないようにされる312。
【0079】
[00110]
図25は、燐光体がコーティングされた変換器を図示する。部分401は、基
板400上に薄く堆積された燐光体のコーティングである。薄い燐光体のコーティング401は、コーティング内に配置された燐光体の粒子402を有する。粒子402は、右側403から入射する光を異なる波長の光404に変換する。コーティング層401は薄いことが理由で、入射光403を変換することができる燐光体粒子402の量は制限される。故に入射光403の大部分は変換されず、影響を受けずに基板を出て行く405。
【0080】
[00111]
図26は、
図25におけるコーティングとは対照的なボリューメトリックスペ
クトル変換器を例示している。このケースでは、燐光体501は、基板500内に容積測定式に配置される。このことは、入射光503と相互に作用することができ、それ故光の変換に寄与することができる燐光体の粒子502がより多くなることにつながる。ここでは、所望される波長に変換される504入射光503の量はかなり大きくなる。ボリューメトリックスペクトル変換器の使用は、燐光体がコーティングされた変換器より性能が優れている。
【0081】
[00112]明確にするために簡素化されていることに留意されたい。放射された光は必ず
しも一度に全て前方から出て行く必要はない。それは一般には無指向式に散乱され、光を同一方向に進ませるのは光源の反射性放物面(例えば206、305)である。
【0082】
[00113]光学反射器は、例えばPMMA、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエス
テル、コポリマー、または上記に挙げた材料の組み合わせの混合物などの光学材料の例えば、成形された、機械加工された、3Dプリントされた、またはそれ以外の方法で作製された部品であってよい。それは、無指向性の光を所望される光学経路へと向け直すように設計される。それは、例えば幾何学的な面の中実の幾何学的形状、中空の幾何学的形状、または他の組み合わせであってよい。それは有利には、光を向け直すその能力を高める反射材料の層を含む場合もある。この層は、例えば外面、内面、または面の組み合わせであってよい。
【0083】
[00114]変換器(例えば205、304)は、放射性線源からの放射(例えば青色また
は紫色の光)を、非干渉性放射の別の波長の放射に、例えば狭域または広域スペクトルの放射に変換するように選択されてよい。それは、例えば燐光性物質、蛍光性物質、または他の放射変換物質あるいはこれらの物質の組み合わせを含み得る変換物質を用いておこなわれてよい。変換物質は、事実上均質の複合物を創り出すために、例えばPMMA、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、コポリマー、または上記に挙げた材料の組み合わせの混合物を含み得る基板に容積測定式に配置される。このプロセスには、例えば押し出し成形、コーティング、積層、配合、混合、または懸濁が含まれてよい。
【0084】
[00115]変換器を作製する特定の例は、配合された、および/または重層化された固体
複合物としての変換物質と共に基板を押し出し成形することである。詳細には、固体複合物は、指定されたエンドユーザの性能メトリクスに合わせて調整することができる2から500,000の層で作製することができる。変換器にとって、例えば空隙、閉じ込められた気体、気泡、意図的に所望されるもの以外の何らかの物質の品質を低下させる粒子、あるいは蒸気または液体状態のいずれかであり、1ミクロンを超える任意の種類の閉じ込められた液体など、いかなる欠陥もないことが望ましい。
【0085】
[00116]変換器は、指定されたエンドユーザの性能メトリクスに合わせて調整すること
ができる、基板に対して特定の比率の変換物質または複数の材料の組み合わせを有することができる。
【0086】
[00117]好ましい一実施形態では、変換物質は、特定の粒子サイズを有する単一の燐光
体であってよい、あるいは不変のおよび/または可変の波長のいずれかである放射物の放射を行う同様のまたは異なる粒子サイズのいずれかを有する燐光体の粉体の混合物であってもよい。放射される放射物は、例えば白い光であり得る。
【0087】
[00118]別の好ましい一実施形態では、変換器は、5%から15%の変換物質と基板の
比率を有する。
[00119]また、変換器の厚さおよび直径を変えることによって、指定されたエンドユー
ザの性能メトリクスに合わせて変換器を調整することも可能である。例えば好ましい一実施形態は、0.5mmから5mmの厚さおよび0.5mmから5mmの半径を有する変換器を含む。
【0088】
[00120]出力フィルタ(例えば207、306)は、例えば光学的に透明な窓である場
合もあるが、好ましい一実施形態では、それは、変換器によって変換されない放射性線源から放射されたいかなる放射も除去する。それはまた、放射された光をさらに調整するために、放射の波長をさらに透過させる、または遮断するための、例えばロングパス、ショートパス、バンドパス、またはバンドストップフィルタであってもよい。
【0089】
[00121]デバイスから放射された放射スペクトルの放射性の幾何学形状は、好適な光学
構成要素を含むことによってさらに調整される、向け直される、焦点を合わせられる、平行にされる、反射される、屈折される、回折される、またはそれ以外の方法で変更されることができることにさらに留意されたい。
【0090】
[00122]重要なことには、本明細書に開示される集積光源42は、人の目および現代の
カメラシステムの両方に有益な太陽光に等しい連続スペクトルを提供するのに使用することができ、その一方で同時に、より低い電力要件で現行のシステムのものに等しい総体的な光の強度を実現することができる。例えば
図27に示されるように、これは最新技術の3つのLEDシステム(点線)の一例のスペクトルと、本明細書に開示される集積光源(実線)を比較するグラフであり、最新技術の3つのLEDシステムなどの現行のシステムは、使用される3つのLEDの色に相当する3つのピークを有する。人の目は、これらを一緒に加え、白い光の適切な近似値を感知することができるが、現代のカメラシステムは、より高感度であり、特定のスペクトルに切れ目がある不備を示す場合がある。太陽光に等しい連続スペクトルを提供することによって、本明細書に開示される光源は、そのような不備を克服し、またより低い電力要件で同等の総体的な光の強度(2つのグラフの全体は似ている)を提供しつつそのようにする。
【0091】
[00123]本明細書に開示される無線医療撮像システムは、以下を含めた多くの利点を提
供する。
[00124]無線医療撮像システムは、従来の内視鏡検査システムに関連する多くのケーブ
ルの必要性をなくす。無線医療撮像システムは、集積光源、取り外し可能でホットスワップ可能なバッテリシステム、およびデータ伝送のためにFCCに準拠した、FDAに準拠した、およびHIPAAに準拠した無線様式を含む光ケーブルを提供することができる。無線医療撮像システムは、現代の内視鏡検査システム、手術の作業の流れおよび手術室に容易に組み込むことができ、さらには一時的に適合できるようにすることもできる。
【0092】
[00125]外部バッテリは、電池パックの形態であってよく、完全に充電されたとき、交
換する必要なしに、完全な手術の平均の長さを通して持続することができる十分な数の電池で作製することができる。また電池パックが手術の前に十分に充電されなかった場合、または電池の充電が持続するよりも手術が長くかかった場合、この場合手術の成果および時間に対する混乱が最小限であるようにして電池パックをホットスワップすることができる。
【0093】
[00126]集積光源は、特定の範囲の様式であってよく、最新技術の内視鏡検査システム
に匹敵するのに十分な明るさの光の出力を提供することができ、また無線医療撮像システムの光ケーブルの内部に配置されるのに十分に小さい。このことは、内視鏡検査用カートから延びる長い外部の光伝送ケーブルに対する必要性をなくし、また外部の光ケーブルを通して失われる光の量を補償するための関連する必要性もなくす。これはまた、ヘッドユニットからのいっそう短い光ファイバケーブルに沿った光の伝送の必要性もなくすが、その理由は、集積光源が、ヘッドユニットではなく、光ケーブルの構成要素であるためであり、また光ケーブル電気コネクタ、電力ケーブル、および集積光源は、動作可能に直列に接続されており、これにより集積光源は、光ケーブルの端部に、または端部付近に位置決めすることができるためである。このことは、光源が、より少ない電力を使用し、より少ない廃熱を放射しつつ、最新技術の内視鏡検査システムによって提供される光の量に匹敵する、またはさらにはそれを超える量の光を手術領域に提供することを可能にする。加えて、長い光伝送ケーブルがないことは、外科医が、内視鏡を操作する際、はるかに高い度合いの自由度を有することを可能にする。これは、外部の光ケーブルが生み出すトリッピングの危険をなくし、より容易な、およびより広範囲にわたる滅菌を実現する。光ファイ
バケーブルの代わりに、電力ケーブルと、集積光源とを含む光ケーブルの使用はまた、電力ケーブルが一般に光ファイバケーブルより薄く、かつより柔軟に作製され得ることを考えると、光ケーブルの機能性および耐久性を大いに増大させ、これによりヘッドユニットの操作に関してより際だった使い易さを医師に提供し、また例えば、ねじれなどによる光ケーブル自体に対する損傷のリスクも低減させる。集積光源はまた、より少ない熱しか発生させず、手術室にある物質が高温のケーブルおよび/または他の高温の/放熱する構成要素から引火する可能性も低下させる。
【0094】
[00127]増大した微光の感度、低下した電力要件、増大した解像度、ならびにスマート
機能、例えば自動ホワイトバランス、自動露出、および自動階調補正などに関するいくつかの改良点を有する最新技術の画像センサを使用することができる。このことは、画像の品質を低下させることなく手術領域を適切に照明するのに集積光源から必要とされる光の出力のさらなる低下を可能にし、これによりシステムをよりエネルギー効率の高いものにし、さらに外科医に対して明瞭で実用的な画像を提供する。
【0095】
[00128]ヘッドユニットは、そこに取り付けられたデータケーブルなしで作動させるこ
とができる。最新技術の内視鏡検査システムは、カメラのヘッドユニットから内視鏡検査用カートに設置されたカメラの制御ユニットまで画像を伝送するのにデータケーブルを使用する。このようなデータケーブルは通常、外部の光ケーブルより厚みが薄く、より可撓性であるが、このデータケーブルは、動きの制限、トリッピングの問題、および滅菌の難しさの同様の問題を提示する。上記に記載した医療撮像システムは、関連する法律および規則に準拠する方法で、レイテンシフリーのリアルタイムビデオならびにコマンドおよび制御信号に必要とされる大量のデータを伝送することができる無線送信様式を含む。必要とされる速度でデータ量を伝送する能力を有する多くの無線送信様式が存在するが、手術室で使用するのにFDAまたはFCC認可されたものは極めて少ない。同様に、手術室で使用するのに認可された様式のほとんどは、送信タスクを達成する、例えば1080pまたはこれより高いビデオデータを毎秒30フレームの最小値で伝送するのに必要な帯域が欠如している。手術室での使用が認可され、かつ必要とされる性能パラメータの範囲内でビデオデータを伝送するのに適切な帯域の最大限度を有するわずかな様式に関して、本明細書に開示されるように、手術用デバイスからモニタまたはコントローラへの全二重伝送のためにこれまで使用されたものは1つもないと考えられている。
【0096】
[00129]無線医療撮像システムはまた、最も一般的に使用される他の内視鏡検査システ
ムと一時的に適合できるように設計される場合もあり、これにより手術室における無線医療撮像システムの容易な採用を可能にする。
【0097】
[00130]このような改良点は、手術室に関する準備時間の短縮、手術室の中での安全性
の拡大、簡素化され、さらにはより有効な滅菌、ならびに処置の間の外科医にとっての操作性および自由度の改善につながるはずである。組み合わせの中で、これらの進歩は、例えばより短く安全な手術、改善された患者の成果、ならびに病院および手術センターに対するリスクおよびコストの低下、人および/または動物の患者に関する広い範囲の外科的および/または獣医学的な応用を可能にするはずである。
【0098】
[00131]本開示は、一例であり、本開示に含まれる教示の公正な範囲から逸脱すること
なく詳細を加える、変更するまたは削除することによって種々の改変を行うことができることは明白であるはずである。本発明は故に、以下の特許請求の範囲が必然的にそのように限定される範囲を除いて本開示の特定の詳細に限定されるものではない。