(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】鉛筆受入装置及びこの鉛筆受入装置を備えた鉛筆削り器
(51)【国際特許分類】
B43L 23/04 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
B43L23/04 Z
B43L23/04 C
(21)【出願番号】P 2023087912
(22)【出願日】2023-05-29
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】513070978
【氏名又は名称】堡勝企業股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】周 俊斌
(72)【発明者】
【氏名】黄 上芸
(72)【発明者】
【氏名】蔡 登傳
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特許第7201305(JP,B1)
【文献】再公表特許第2012/029463(JP,A1)
【文献】特開2021-178473(JP,A)
【文献】特開2010-162893(JP,A)
【文献】中国実用新案第206242767(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43L 23/00-23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の軸線を中心とする鉛筆受入孔が形成される前側蓋を有する筐体と、前記筐体内に取り付けられる鉛筆削り手段と、前記筐体外に露出して前記鉛筆削り手段が有するブレード台を駆動するクランクと、を有する鉛筆削り器に取り付けられるのに適する鉛筆受入装置であって、
フロント面と、リア面と、前記フロント面から前記リア面まで延伸する外周壁と、前記外周壁の内側において前記フロント面から前記リア面まで延伸し、且つ、前記軸線に沿って延伸する通孔を囲む内周壁と、前記内周壁から前記外周壁へ延伸し、且つ、前記フロント面と前記リア面に連通する少なくとも2つの径方向案内溝と、を有するように形成されて前記前側蓋の後ろ側に配置固定される保持台と、
各前記径方向案内溝にそれぞれスライド可能に配置されるスライダーと、前記スライダーの2つの反対する側面からそれぞれ外へ延伸してから前記軸線に向かうように曲がって延伸する第1の保持ブロック及び第2の保持ブロックとを有するように、各前記径方向案内溝にそれぞれスライド可能に配置される少なくとも2つの前案内台を有する連動ユニットと、
各前記前案内台にそれぞれ取り付けられる少なくとも2つの鉛筆挟持アセンブリを有する鉛筆挟持ユニットと、
各前記前案内台に対して常に前記軸線に向かって移動させる力を与える付勢ユニットと、
前記ブレード台に接続されて前記ブレード台により回転駆動される回転盤を有する回転ユニットと、を備え、
各前記スライダーには、それぞれ前記軸線に向かって開口する円弧面が形成され、各前記円弧面は前記鉛筆受入孔の後方において共に前記軸線を囲むフロント案内孔を形成し、
各鉛筆挟持アセンブリは、いずれも、前記第1の保持ブロック及び前記第2の保持ブロックに回転可能に取り付けられる回転軸と、前記第1の保持ブロックの外側において前記回転軸に取り付けられる従動歯車と、前記第1の保持ブロックと前記第2の保持ブロックとの間において、前記回転軸に取り付けられる鉛筆挟持ホイールとを有し、各鉛筆挟持アセンブリがそれぞれ有する各前記鉛筆挟持ホイールは互いに対応して前記フロント案内孔の後方において前記軸線を囲む鉛筆挟持孔を形成し、
前記回転ユニットが有する前記回転盤が有するフロント盤面には、それぞれ各前記従動歯車と噛み合う少なくとも2つの駆動歯車が配置される、ことを特徴とする鉛筆受入装置。
【請求項2】
各前記径方向案内溝は前が広くて後ろが狭い構造に形成され、前記スライダーは前幅広部と後幅狭部とを更に有し、前記円弧面は前記前幅広部に配置され、
前記第1の保持ブロックは第1の挟持溝を有し、前記第2の保持ブロックは第2の挟持溝を有し、前記回転軸は前記第1の挟持溝及び前記第2の挟持溝の中に取り付けられて保持されていることを特徴とする請求項1に記載の鉛筆受入装置。
【請求項3】
前記付勢ユニットは、各前記スライダーと各前記保持台との間に配置される少なくとも2つの第1の付勢手段を有することを特徴とする請求項1に記載の鉛筆受入装置。
【請求項4】
前記付勢ユニットは更に少なくとも2つの第2の付勢手段を有し、
各前記第2の付勢手段は各前記スライダーと前記鉛筆削り手段との間に配置されることにより、前記軸線に向かって移動させる力を常に各前記前案内台に与え、
前記鉛筆削り手段は前記前側蓋の後方に位置する前固定座と、前記軸線を囲む内歯歯車が形成され、且つ、前記前固定座と間を開けて配置されるように前記筐体に固定される後固定台と、を更に有し、前記クランクに接続される前記ブレード台は前記前固定座と前記後固定台との間に取り付けられており、
前記前記ブレード台にスパイラルブレードが回転可能に取り付けられると共に、前記内歯歯車と噛み合う回転歯車が前記スパイラルブレードに接続されており、
前記前固定座は少なくとも2つの突起柱を有し、各前記第2の付勢手段はねじりばねであり、各前記第2の付勢手段は各前記スライダー及び前記前固定座に当接するように各前記突起柱にそれぞれ取り付けられることを特徴とする請求項3に記載の鉛筆受入装置。
【請求項5】
所定の軸線を中心とする鉛筆受入孔が形成される前側蓋を有する筐体と、前記筐体内に取り付けられる鉛筆削り手段と、前記筐体外に露出して前記鉛筆削り手段が有するブレード台を駆動するクランクと、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の鉛筆受入装置と、を有し、
前記鉛筆削り手段は前記前側蓋の後方に位置する前固定座と、前記軸線を囲む内歯歯車が形成され、且つ、前記前固定座と間を開けて配置されるように前記筐体に固定される後固定台と、を更に有し、前記クランクに接続される前記ブレード台は前記前固定座と前記後固定台との間に取り付けられており、
前記前記ブレード台にスパイラルブレードが回転可能に取り付けられると共に、前記内歯歯車と噛み合う回転歯車が前記スパイラルブレードに接続されていることを特徴とする鉛筆削り器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鉛筆削り器に関し、特に、鉛筆受入装置及びこの鉛筆受入装置を備えた鉛筆削り器に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示されるように、特許文献1に記載される鉛筆受入フレーム1は、フレームアセンブリ11と、回転装置15と、保持装置16とを有する。フレームアセンブリ11には鉛筆受入孔が設けられ、且つ、フレーム12と、フレーム12に取り付けられるブレードフレーム固定台13と、ブレードフレーム固定台13に取り付けられる回転円盤14と、を備える。フレーム12には4本のフレームレッグ121が設けられ、回転円盤14は円盤歯車141を有する。回転装置15は、2本の回転棒151と、2個のゴムリング152と、2個の回転歯車153とを有し、各回転棒151は対応する2つのフレームレッグ121に取り付けられ、且つ、各回転棒151にゴムリング152と回転歯車153が一つずつ取り付けられ、回転歯車153は円盤歯車141と噛み合う。保持装置16は前端がフレーム12の前端に取り付けられ、後端は回転装置15の上部にまで延伸して左右兩端が開口する円形構造161が形成される。
【0003】
上記鉛筆受入フレーム1は、鉛筆の受け入れ、排出、落下防止機能を持つ一方、保持装置16及び回転装置15は移動できないため、決まった直径の鉛筆にしか適用できない問題点もある。また、鉛筆を受け入れる際、鉛筆が各ゴムリング152に直接にぶつかるので、各ゴムリング152が極めて壊れやすくなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】中国実用新案登録第206242767U号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明は従来の技術問題を解決できる鉛筆受入装置及びこの鉛筆受入装置を備えた鉛筆削り器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、本発明は、所定の軸線を中心とする鉛筆受入孔が形成される前側蓋を有する筐体と、前記筐体内に取り付けられる鉛筆削り手段と、前記筐体外に露出して前記鉛筆削り手段が有するブレード台を駆動するクランクと、を有する鉛筆削り器に取り付けられるのに適する鉛筆受入装置であって、
フロント面と、リア面と、前記フロント面から前記リア面まで延伸する外周壁と、前記外周壁の内側において前記フロント面から前記リア面まで延伸し、且つ、前記軸線に沿って延伸する通孔を囲む内周壁と、前記内周壁から前記外周壁へ延伸し、且つ、前記フロント面と前記リア面に連通する少なくとも2つの径方向案内溝と、を有するように形成されて前記前側蓋の後ろ側に配置固定される保持台と、
各前記径方向案内溝にそれぞれスライド可能に配置されるスライダーと、前記スライダーの2つの反対する側面からそれぞれ外へ延伸してから前記軸線に向かうように曲がって延伸する第1の保持ブロック及び第2の保持ブロックとを有するように、各前記径方向案内溝にそれぞれスライド可能に配置される少なくとも2つの前案内台を有する連動ユニットと、
各前案内台にそれぞれ取り付けられる少なくとも2つの鉛筆挟持アセンブリを有する鉛筆挟持ユニットと、
各前記前案内台に対して常に前記軸線に向かって移動させる力を与える付勢ユニットと、
前記ブレード台に接続されて前記ブレード台により回転駆動される回転盤を有する回転ユニットと、を備え、
各前記スライダーには、それぞれ前記軸線に向かって開口する円弧面が形成され、各前記円弧面は前記鉛筆受入孔の後方において共に前記軸線を囲むフロント案内孔を形成し、
各鉛筆挟持アセンブリは、いずれも、前記第1の保持ブロック及び前記第2の保持ブロックに回転可能に取り付けられる回転軸と、前記第1の保持ブロックの外側において前記回転軸に取り付けられる従動歯車と、前記第1の保持ブロックと前記第2の保持ブロックとの間において、前記回転軸に取り付けられる鉛筆挟持ホイールとを有し、各鉛筆挟持アセンブリがそれぞれ有する各前記鉛筆挟持ホイールは互いに対応して前記フロント案内孔の後方において前記軸線を囲む鉛筆挟持孔を形成し、
前記回転ユニットが有する前記回転盤が有するフロント盤面には、それぞれ各前記従動歯車と噛み合う少なくとも2つの駆動歯車が配置される、ことを特徴とする鉛筆受入装置を提供する。
【0007】
また、本発明は、所定の軸線を中心とする鉛筆受入孔が形成される前側蓋を有する筐体と、前記筐体内に取り付けられる鉛筆削り手段と、前記筐体外に露出して前記鉛筆削り手段が有するブレード台を駆動するクランクと、上記鉛筆受入装置と、を有し、前記鉛筆削り手段は前記前側蓋の後方に位置する前固定座と、前記軸線を囲む内歯歯車が形成され、且つ、前記前固定座と間を開けて配置されるように前記筐体に固定される後固定台と、を更に有し、前記クランクに接続される前記ブレード台は前記前固定座と前記後固定台との間に取り付けられており、前記前記ブレード台にスパイラルブレードが回転可能に取り付けられると共に、前記内歯歯車と噛み合う回転歯車が前記スパイラルブレードに接続されていることを特徴とする鉛筆削り器をも提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、各前記前案内台のスライダーが各前記径方向案内溝の中で移動することにより、各前記鉛筆挟持アセンブリを動かして前記フロント案内孔及び前記鉛筆挟持孔の開口径を変更することができるので、異なる直径を持つ鉛筆に対応することが可能となり、そして受け入れた鉛筆の各前記鉛筆挟持ホイールへの直撃を避けられるので、鉛筆挟持ホイールの故障率を効果的に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】引用文献1に記載される鉛筆受入フレームの分解斜視図である。
【
図2】本発明の鉛筆受入装置を有する鉛筆削り器の実施例の前側の斜視図である。
【
図4】同実施例の前側蓋と鉛筆削り手段と鉛筆受入装置とが示される一部分解斜視図である。
【
図5】同実施例の鉛筆受入装置と前固定座とブレード台とが示される一部分解斜視図である。
【
図6】同実施例の鉛筆受入装置の分解斜視図である。
【
図8】同実施例の鉛筆受入装置の連動ユニットと鉛筆挟持ユニットとが示される前側の斜視図である。
【
図9】同実施例の連動ユニットと鉛筆挟持ユニットとが示される後側の斜視図である。
【
図10】同実施例の前案内台と鉛筆挟持アセンブリとが示される分解斜視図である。
【
図11】同実施例の前案内台と鉛筆挟持アセンブリとのもう1つの分解斜視図である。
【
図12】同実施例の鉛筆受入装置の鉛筆を受け入れる前の状態が示される前側の斜視図である。
【
図14】
図12に対応し、鉛筆を受け入れた後の状態が示される前側の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
具体的説明に入る前に、以下の説明において用いられる「前」、「後」、「フロント」、「リア」などの用語は図面を及び通常の使用状態を基準としたものであり、本願発明の範囲を限定する意味として用いられていないことに留意されたい。
【0011】
以下は図面を参照して本発明の連動装置の各実施形態について詳しく説明する。
【0012】
図2~
図5に示されるように、本発明の鉛筆受入装置を有する鉛筆削り器の実施例は、筐体2と、鉛筆削り手段3と、クランク4と、鉛筆受入装置5とを有する。
【0013】
筐体2は、所定の軸線Iを中心とする鉛筆受入孔211が形成される前側蓋21と、取り外し可能に前側蓋21の後側に取り付けられる後ケース部(図示せず)と、鉛筆受入孔211の外周において前記軸線Iを囲みながら、後端側へ延伸する突起リング212と、突起リング212の内側において後端へ延伸する3つの第1の挿入柱213と、を有する。
【0014】
鉛筆削り手段3は、前固定座31と、後固定台32と、ブレード台33と、スパイラルブレード34と、回転歯車35と、を有する。前固定座31は前側蓋21の後方において軸線Iを囲む貫通孔311が形成されていると共に、前方へ延伸し、且つ、軸線Iの周りに同じ角度間隔で設けられる3つの第2の挿入柱312と、軸線Iの周りに同じ角度間隔で設けられる3つの突起柱313と、を有する。後固定台32は前記後ケース部に固定されていると共に、前固定座31から適度な距離を置いて軸線Iを囲む内歯歯車321を有する。ブレード台33は軸線Iに沿って延伸すると共に、貫通孔311内に挿入する鉛筆スリーブ331と、鉛筆スリーブ331の反対側において後固定台32を挿通する接続端部332と、を有する。スパイラルブレード34は回転可能にブレード台33に取り付けられる。回転歯車35はスパイラルブレード34に接続されていると共に、後固定台32の内歯歯車321と噛み合う。
【0015】
クランク4は、後固定台32の後側においてブレード台33の接続端部332に接続される。
【0016】
クランク4を回すと、ブレード台33の軸線Iを中心とする回転が駆動されると共に、回転歯車35及び内歯歯車321が連動して回転(すなわち、回転歯車35の内歯歯車321に沿った公転と、自身の自転)することにより、スパイラルブレード34を回転駆動して鉛筆スリーブ331内に挿入される鉛筆を削ることができる。
【0017】
図3~
図7に示されるように、鉛筆受入装置5は前側蓋21と前固定座31とブレード台33との間に取り付けられ、且つ、保持台50と、連動ユニット60と、鉛筆挟持ユニット70と、付勢ユニット80と、回転ユニット90と、を有する。
【0018】
保持台50は、フロント面51と、リア面52と、フロント面51からリア面52まで延伸する外周壁53と、外周壁53の内側においてフロント面51からリア面52まで延伸し、且つ、軸線Iに沿って延伸する通孔541を囲む内周壁54と、内周壁54から外周壁53へ延伸し、且つ、フロント面51とリア面52に連通する少なくとも2つの径方向案内溝55と、第1の挿入柱213に対応してフロント面51から前へ延伸する3つの前挿入スリーブ56と、各第2の挿入柱312に対応してリア面52から後へ延伸する3つの後挿入スリーブ57と、リア面52に配置される6つの固定ブロック58と、を有する。各径方向案内溝55は軸線Iの周りに同じ角度間隔で設けられ、各径方向案内溝55は概ねT字形を呈し、且つ、前が広くて後ろが狭い構造になっている。各前挿入スリーブ56が各第1の挿入柱213に挿入して結合することにより、保持台50を前側蓋21の突起リング212の内側に固定し、且つ、通孔541を軸線Iに沿って鉛筆受入孔211の後方に位置させる。各前記後挿入スリーブ57は各前記第2の挿入柱312に挿入して結合することにより、前記前固定座31を前記前側蓋21の後方に配置させ、且つ、前記貫通孔311を前記軸線Iに沿って前記通孔541の後方に位置させる。各固定ブロック58は、2つを一つの対として、1つの径方向案内溝55の両側に位置し、且つ、各固定ブロック58はいずれも径方向案内溝55に向かって開口する挿入溝581を有する。
【0019】
図6、
図8~
図11に示されるように、連動ユニット60は各径方向案内溝55にそれぞれスライド可能に配置される3つの前案内台61を有し、各前案内台61は、各径方向案内溝55にスライド可能に配置され且つ概ねT字形を呈するスライダー62と、第1の保持ブロック63と、第2の保持ブロック64と、を有する。スライダー62は前幅広部621と、後幅狭部622と、前幅広部621に配置されると共に軸線Iに向かって開口する円弧面623と、を有する。各前案内台61の円弧面623は、互いに対応して軸線Iを囲むフロント案内孔65を画成する。第1の保持ブロック63は、後幅狭部622の左側面624から外側へ延伸してから軸線Iへ曲がるように延伸し、且つ、前幅広部621に向かって開口する第1の挟持溝631を有する。第2の保持ブロック64は後幅狭部622の右側面625から外側へ延伸してから前記軸線Iへ曲がるように延伸し、且つ、軸線Iに向かって開口する第2の挟持溝641を有する。
【0020】
鉛筆挟持ユニット70は3つの鉛筆挟持アセンブリ71を有し、各鉛筆挟持アセンブリ71は回転軸72と、回転軸72に取り付けられる従動歯車73と、鉛筆挟持ホイール74とを有する。回転軸72は第1の挟持溝631及び第2の挟持溝641の内側において回転可能に保持される。従動歯車73は第1の保持ブロック63の外側に位置し、鉛筆挟持ホイール74は第1の保持ブロック63と第2の保持ブロック64との間に配置されると共に、各鉛筆挟持アセンブリ71の鉛筆挟持ホイール74は互いに対応しあって、フロント案内孔65の後方において軸線Iを囲む鉛筆挟持孔75を画成する。
【0021】
図3、
図5~
図7に示されるように、付勢ユニット80は3つの第1の付勢手段81と3つの第2の付勢手段82とを有する。第1の付勢手段81は各スライダー62と2つの固定ブロック58との間に取り付けられることにより、前案内台61に対して常に軸線Iに向かって移動させる力を与える。各第2の付勢手段82は各スライダー62と前固定座31との間に取り付けられることにより、前案内台61に対して常に軸線Iに向かって移動させる力を与える。
【0022】
この実施例において第1の付勢手段81は線バネであり、その中間部はスライダー62内を挿通し、両端は各固定ブロック58の挿入溝581内に挿し込まれる。第2の付勢手段82はねじりばねであり、その本体部は前固定座31の突起柱313に取り付けられ、両方の端部はスライダー62と前固定座31とにそれぞれ当接する。本発明では、各前案内台61に良好な位置復帰機能が備わると共に各鉛筆挟持ホイール74に良好な挟持効果を持たせることが可能であれば、第1の付勢手段81と第2の付勢手段82はいずれか一方を省略してもよく、本実施例のように両方とも用いてもよい。
【0023】
図5と
図6と
図13に示されるように、回転ユニット90は、鉛筆挟持ユニット70と前固定座31との間に位置する回転盤91と、3つの駆動歯車92と、接続アセンブリ93とを有する。回転盤91はフロント盤面911と、リア盤面912と、リア盤面912から後端へ延伸して前固定座31の貫通孔311内に挿入する挿入スリーブ913と、を有する。挿入スリーブ913は軸線Iを囲んで連通孔914を形成する内周面915を有し、連通孔914は軸線Iに沿って鉛筆挟持孔75と鉛筆スリーブ331とに連通する。挿入スリーブ913は貫通孔311内に挿入し、鉛筆スリーブ331は挿入スリーブ913内に挿入する。各駆動歯車92は、各前記従動歯車73に対応してフロント盤面911に配置され、各前記従動歯車73と噛み合う。接続アセンブリ93は挿入スリーブ913の内周面915と鉛筆スリーブ331との間に位置し、この実施例において、接続アセンブリ93はインターナルスプラインであり、本発明は接続アセンブリ93により、鉛筆スリーブ331と回転盤91とが取り外し可能に組み立てられ、鉛筆スリーブ331は回転ユニット90を回転駆動する。
【0024】
使用される際は、
図3、
図6、
図12、
図13に示されるように、本発明が鉛筆を受け入れる前の状態では、連動ユニット60及び鉛筆挟持ユニット70は付勢ユニット80からの力によって軸線Iに接近する位置にあり、そして
図2~
図5、
図14、
図15に示されるように、鉛筆を削りたいときは、まずは鉛筆を前側蓋21の鉛筆受入孔211に挿入し、鉛筆を挿入し続けると、鉛筆はフロント案内孔65の中に入る共に各前案内台61を押しのけて各前案内台61を軸線Iから離れる方向に移動させ、これにより各前案内台61が各鉛筆挟持アセンブリ71を軸線Iから離れる方向に移動させることで、鉛筆挟持孔75の開口径を広くすることができる。この際、各第1の付勢手段81及び各第2の付勢手段82は変形して復帰力を蓄えるようになり、鉛筆が鉛筆挟持孔75内に進入すると、各鉛筆挟持ホイール74で鉛筆を挟んで保持することが出来、その後、クランク4が回されると、ブレード台33が回転駆動されて鉛筆スリーブ331が回転ユニット90を回転駆動すると共に、各駆動歯車92が各従動歯車73を回転駆動することで、各鉛筆挟持ホイール74を回転させて鉛筆を鉛筆スリーブ331内に押し込んで鉛筆削り作業を行うことができる。
【0025】
鉛筆削り作業が終了すると、クランク4を逆方向に回すことにより、各鉛筆挟持ホイール74を逆方向に回転させて鉛筆を排出することができる。鉛筆が各前案内台61から離れると、各前案内台61は付勢ユニット80によって自動的に元の位置に戻るようになって、再び鉛筆を受け入れる前の状態になる。この実施例においては、径方向案内溝55と前案内台61と鉛筆挟持アセンブリ71と第1の付勢手段81と第2の付勢手段82とがいずれも3つ設けられる構成になっているが、これらの構成の数については2個であっても4個であっても可能である。
【0026】
以上の説明をまとめると、本発明の鉛筆受入装置及びこの鉛筆受入装置を備えた鉛筆削り器は以下の利点がある。
【0027】
本発明は各前案内台61のスライダー62がそれぞれの径方向案内溝55の中で移動することにより、各鉛筆挟持アセンブリ71を動かしてフロント案内孔65及び鉛筆挟持孔75の開口径を変更することができるので、異なる直径を持つ鉛筆に対応することが可能となる。
【0028】
本発明は各前案内台61のスライダー62がそれぞれの径方向案内溝55の中で移動することにより、各鉛筆挟持アセンブリ71を動かすことができるので、鉛筆を受け入れる際、鉛筆がまず各前案内台61を押しのけることで各前案内台61が各鉛筆挟持アセンブリ71を動かして鉛筆挟持孔75の開口徑を受け入れる鉛筆に対応して広げてから、各鉛筆挟持ホイール74で鉛筆を挟んで保持するので、鉛筆の各鉛筆挟持ホイール74への直撃が避けられ、各鉛筆挟持ホイール74の故障率を効果的に抑えることができる。
【0029】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【符号の説明】
【0030】
2 筐体
21 前側蓋
211 鉛筆受入孔
212 突起リング
213 第1の挿入柱
3 鉛筆削り手段
31 前固定座
311 貫通孔
312 第2の挿入柱
313 突起柱
32 後固定台
321 内歯歯車
33 ブレード台
331 鉛筆スリーブ
332 接続端部
34 スパイラルブレード
35 回転歯車
4 クランク
5 鉛筆受入装置
50 保持台
51 フロント面
52 リア面
53 外周壁
54 内周壁
541 通孔
55 径方向案内溝
56 前挿入スリーブ
57 後挿入スリーブ
58 固定ブロック
581 挿入溝
60 連動ユニット
61 前案内台
62 スライダー
621 前幅広部
622 後幅狭部
623 円弧面
624 左側面
625 右側面
63 第1の保持ブロック
631 第1の挟持溝
64 第2の保持ブロック
641 第2の挟持溝
65 フロント案内孔
70 鉛筆挟持ユニット
71 鉛筆挟持アセンブリ
72 回転軸
73 従動歯車
74 鉛筆挟持ホイール
75 鉛筆挟持孔
80 付勢ユニット
81 第1の付勢手段
82 第2の付勢手段
90 回転ユニット
91 回転盤
911 フロント盤面
912 リア盤面
913 挿入スリーブ
914 連通孔
915 内周面
92 駆動歯車
93 接続アセンブリ
I 軸線
【要約】
【課題】異なる直径を持つ鉛筆に対応可能であり、且つ、故障率を抑えられる鉛筆受入装置及びこの鉛筆受入装置を備えた鉛筆削り器を提供する。
【解決手段】複数の径方向案内溝55を有する保持台50と、各径方向案内溝55にそれぞれスライド可能に配置されて軸線Iを囲むフロント案内孔を画成する複数の前案内台61を有する連動ユニット60と、各前案内台61に取り付けられる複数の鉛筆挟持アセンブリ71を有する鉛筆挟持ユニット70と、各前案内台61に軸線Iに移動させる力を常に与える付勢ユニット80と、回転ユニット90とを有し、各鉛筆挟持アセンブリ71は従動歯車と互いに対応しあってフロント案内孔の後方にある鉛筆挟持孔を画成する鉛筆挟持ホイールとを有し、回転ユニット90は各従動歯車と噛み合う駆動歯車92を有する。
【選択図】
図6