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▶ 清田 法博の特許一覧

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  • 特許-レインコート 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】レインコート
(51)【国際特許分類】
   A41D 3/04 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
A41D3/04 M
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023183049
(22)【出願日】2023-10-25
【審査請求日】2023-10-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523403966
【氏名又は名称】清田 法博
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】清田 法博
【審査官】冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-527311(JP,A)
【文献】米国特許第4291417(US,A)
【文献】特開2012-7279(JP,A)
【文献】特開2022-59379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D1/02-1/04、3/00-3/08、29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの顔部の外形に沿った形状を有する2つのフレームと、
前記2つのフレームの両端部に設けられ、前記2つのフレームを回動可能な状態で連結する回動軸部と、
前記2つのフレームに設けられ、前記ユーザの身体を覆うことが可能なレインコート本体部と、
を備え、
前記レインコート本体部は、
前記2つのフレームをそれぞれ覆うように設けられ、前記ユーザの前記顔部を雨から守る一対の顔保護部と、
前記2つのフレームのいずれか1つのフレームに設けられ、前記ユーザの上半身部を覆って前記雨から前記上半身部を守る上半身保護部と、
を有しており、
前記2つのフレームのうち前記1つのフレームとは異なる残りのフレームに回動可能な状態で連結され、所定の間隔をあけて設けられて倒伏又は起立可能な2つのリング部を備えることを特徴とするレインコート。
【請求項2】
請求項に記載のレインコートにおいて、
前記2つのリング部を連結する連結部を備えることを特徴とするレインコート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レインコートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々なタイプのレインコートが開発されている。本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、両袖部を有した柔軟素材で背部に紐引き出し孔を有するレインコート本体と、レインコート本体とは別体に形成した収納袋と両端をレインコート本体の両袖部に固定し中途部をレインコート本体の紐引き出し孔から外部に引き出した紐体よりなり、しかも紐体は収納袋の中を通って外部に引き出されているように構成したことを特徴とするレインコートが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、レインコートと、前記レインコートを収納する収納袋と、を備え、前記収納袋は、上向きに開口した袋本体と、前記開口を覆う蓋部と、リュックの肩ひもや斜め掛けバッグの肩ひもに、取り付けられる取付部と、前記蓋部の内側に雨具用のズボンを収容するズボン収容部と、を有し、前記レインコートの背部の内側と前記収納袋の内側とが取り付けられており、前記取付部は、前記リュックや斜め掛けバッグに面する前記収納袋の外面に設けられている、ことを特徴とする、雨具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6055145号公報
【文献】特許第7097116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レインコートは、傘と異なり手が自由に使えるため便利であるが、使用後の濡れた状態で、どのように収納するのかについて困ることがある。
【0006】
本発明の目的は、使用後の濡れた状態で簡便に収納することが可能なレインコートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るレインコートは、ユーザの顔部の外形に沿った形状を有する2つのフレームと、前記2つのフレームの両端部に設けられ、前記2つのフレームを回動可能な状態で連結する回動軸部と、前記2つのフレームに設けられ、前記ユーザの身体を覆うことが可能なレインコート本体部と、を備え、前記レインコート本体部は、前記2つのフレームをそれぞれ覆うように設けられ、前記ユーザの前記顔部を雨から守る一対の顔保護部と、前記2つのフレームのいずれか1つのフレームに設けられ、前記ユーザの上半身部を覆って前記雨から前記上半身部を守る上半身保護部と、を有しており、前記2つのフレームのうち前記1つのフレームとは異なる残りのフレームに回動可能な状態で連結され、所定の間隔をあけて設けられて倒伏又は起立可能な2つのリング部を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るレインコートにおいて、前記2つのリング部を連結する連結部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、使用後の濡れた状態で簡便に収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る実施形態のレインコートを示す図である。
図2】本発明に係る実施形態のレインコートにおいて、ユーザの顔部を保護する保護機構を示す図である。
図3】本発明に係る実施形態のレインコートを用いて、雨具として使用した後の収納の手順を示す図である。
図4】本発明に係る実施形態のレインコートの試作品を用いて、雨具として使用した後の収納の手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0013】
図1は、本発明に係る実施形態のレインコート10を示す図である。図1(a)は、本発明に係る実施形態のレインコート10の正面図であり、図1(b)は、本発明に係る実施形態のレインコート10の側面図である。
【0014】
図2は、本発明に係る実施形態のレインコート10において、ユーザの顔部を保護する保護機構12を示す図である。図2(a)は、保護機構12を折り畳んでいる様子を示す図であり、図2(b)は、展開された保護機構12の概略図であり、図2(c)は、展開状態から折り畳み状態に移行する様子を示す保護機構12の概略図である。
【0015】
図3は、本発明に係る実施形態のレインコート10を用いて、雨具として使用した後の収納の手順を示す図である。
【0016】
レインコート10は、使用後の濡れた状態で簡便に収納するための雨具である。レインコート10は、2つのフレーム14、回動軸部16、リング部18及び連結部20を有する保護機構12と、レインコート本体部26と、引掛け部28とを備えている。
【0017】
2つのフレーム14は、ユーザの顔部の外形に沿った形状を有する。各フレーム14は、板状の部材を図2(a)に示されるように略U字形状(図2(a)では逆Uの字)に曲げられて形成される。なお、ここでは、2つのフレームは板状の部材を曲げて構成するものとして説明したが、棒状の部材を曲げて形成してもよい。
【0018】
ここでは、略U字形状として説明するが、ユーザの顔部を覆うような形状であれば、その他の形状でも良く、底面側に切り欠きが形成される略矩形形状であってもよく、略V字(実際に装着する際は逆Vの字)形状でもよい。
【0019】
2つのフレーム14は、適度な強度を有する材質、例えば、ステンレスで構成されるが、もちろん、その他の材質、例えば、アルミニウムやスチールで構成されてもよい。
【0020】
回動軸部16は、2つのフレーム14の両端部に設けられ、2つのフレーム14を回動可能な状態で連結する。回動軸部16は、2つのフレーム14に形成される貫通孔を貫通して六角レンチで締結可能なヒンジピンであるものとして説明するが、その他のピンであってもよい。
【0021】
レインコート本体部26は、2つのフレーム14に設けられ、ユーザの身体を覆うことが可能である。レインコート本体部26は、2つのフレーム14をそれぞれ覆うように設けられ、ユーザの顔部を雨から守る一対の顔保護部24a,24bを有する。なお、顔保護部24aの中央部には、ユーザの顔が見えるように透明の窓が設けられている。
【0022】
各顔保護部24a,24bは、一方側がフレーム14に沿った曲部を有し、他方側が直線部を有する略矩形形状のシート部材で構成されている。各顔保護部24a,24bは、防水性の材質で構成されることが好ましく、例えば、PVC、EVA、PVCラミネート、PUコーティング、TPUラミネートなどを用いて構成することが出来る。
【0023】
レインコート本体部26は、2つのフレーム14のいずれか1つのフレームに設けられ、ユーザの上半身部を覆い、雨から上半身部を守る上半身保護部25を有する。上半身保護部25は、各顔保護部24a,24bと同様に、防水性の材質で構成されることが好ましく、例えば、PVC、EVA、PVCラミネート、PUコーティング、TPUラミネートなどを用いて構成することが出来る。
【0024】
上半身保護部25は、四角形又は円形の部材の真ん中に穴が形成されており、その穴にユーザの首を通し、かぶって着用するポンチョである。上半身保護部25は、ここでは、黒又はグレーに着色されているものとして説明するが、もちろん透明でもよい。
【0025】
上半身保護部25は、ユーザの腹部の近傍に円形かつ透明の覗き窓34が形成されている。これにより、ユーザがレインコート10を着用した状態でスマートフォンなどの画面を確認することが出来る。
【0026】
上半身保護部25は、覗き窓34の上部には紐部36が設けられている。この紐部36を引っ張ることで上半身保護部25の袖部が内側に引っ張られてコンパクトにまとめることが出来る。
【0027】
図1(a)に示されるように一対の顔保護部24aの下部にはマグネット30が設けられており、また、上半身保護部25の下部にもマグネット30に対応するマグネット32が設けられている。これにより、レインコート10の収納の際に、上半身保護部25の下部を持ち上げてマグネット32をマグネット30に磁着させてコンパクトに折り畳むことが出来る。
【0028】
引掛け部28は、レインコート10の天井部に設けられ、ユーザが手で持ったり、壁に設置されたフックなどに引掛けたりすることが出来る。
【0029】
2つのリング部18は、2つのフレーム14のうち1つのフレーム14とは異なる残りのフレーム14に回動可能な状態で連結され、所定の間隔をあけて設けられて倒伏又は起立可能な部材である。連結部20は、2つのリング部18を連結する。
【0030】
図2(a)は、保護機構12が折り畳まれた状態の正面図であり、略重畳された2つのフレーム14に対してリング部18が倒伏状態となっている。2つのリング部18は、それぞれ回動可能な状態でフレーム14に連結されている。
【0031】
また、2つのリング部18は、図2(a)に示されるように、上部同士が2か所において連結部20が連結され、下部同士も2か所においても連結部20が連結されている。連結部20は、一部にチェーン部を有しており、リング部18の起立状態又は倒伏状態に応じて長さが調整可能な緩衝部を有している。
【0032】
図2(b)は、2つのリング部18が起立状態となり、保護機構12が展開された状態である。このとき、レインコート10は、図1(a)(b)に示される状態となり、円筒形状を有する保護機構12によって顔を保護することが出来る。これにより、従来のようなレインコート(雨具)に雨が付着した際にレインコート(雨具)が顔にくっつくといった不快な状態を避けることが出来、快適に雨を避けることが出来る。
【0033】
図2(c)は、保護機構12が展開された状態からリング部18と倒伏させて折り畳み状態へと移行する際の状態である。
【0034】
続いて、上記構成のレインコート10の作用を示す図である。図3に示されるように、保護機構12を展開状態とし、レインコート本体部26を開くと、ユーザは頭からかぶって装着することができる。この状態はユーザの手足は自由であるため、自転車やバイクなどに乗って移動することも出来る。
【0035】
レインコート10によれば、保護機構12においてリング部18が起立した状態で円筒状の空間を確保することができるため、レインコート10が雨で濡れた状態でユーザの顔にくっついたりすることなく快適に雨に濡れてしまうことを防ぐことが出来る。
【0036】
雨の日にユーザがレインコート10を着用して自宅から最寄り駅まで自転車で移動し、その後電車に乗って通勤などする場合に、従来のレインコートであれば、濡れたままの状態で電車に乗ると他人に迷惑をかけることがあるため、収納に困ることがあり、例えば、自転車のカゴに入れて放置した状態で、電車に乗るといったことがなされていた。
【0037】
しかしながら、レインコート10によれば、雨に濡れたレインコート10を簡便に収納しつつ、他人に迷惑をかけることなく電車に乗ることができるという利点がある。この収納する手順を説明する。
【0038】
図3(a)に示されるように保護機構12の展開状態(リング部18の起立状態)から保護機構12の折り畳み状態(リング部18の倒伏状態)としてレインコート本体部26の厚みが無くなるように畳み、その後、図3(b)に示されるように、上半身保護部25のマグネット32をマグネット30に磁着するように折り畳む。
【0039】
その後、一対のフレーム14が離間するように力を加え、一対のフレーム14がそれぞれ上下方向に180°回転するように回動させる。これにより、上半身保護部25は、一対の顔保護部24a,24bに挟持され、図3(d)に示されるように鞄のような状態になる。このとき、引掛け部28は下方側に位置しているため、図3(e)に示されるように上方に向ける。
【0040】
レインコート10によれば、図3(a)~図3(e)のように折り畳むことができ、また、レインコート10の使用時に雨に濡れた上半身保護部25及び一対の顔保護部24a,24bの表面は内側に位置し、一対の顔保護部24a,24bの裏面が外側に露出するようになる。
【0041】
一対の顔保護部24a,24bの裏面は、レインコート10の使用時には内側に位置しているため、雨に濡れていない。これにより、レインコート10の収納時は雨に濡れた部分が全て覆われるため、このまま電車に乗っても他人に迷惑をかけることがなく通勤や通学をすることが出来るという顕著な効果を奏する。
【0042】
以上のように、図3(a)~図3(e)に示される手順により、レインコート10を収納することが出来るが、図4(a)~図4(f)では、レインコート10の試作品を用いて実際に収納する様子を示しているため、試作品を用いて、再びレインコート10を収納する手順について説明する。
【0043】
図4(a)は、レインコート10を展開して広げた状態を示す図であり、この状態から図4(b)に示されるように、紐部36を引っ張ることで上半身保護部25の左右両端部が内側に向かって収納される。
【0044】
次に、図4(c)に示されるように、上半身保護部25の下部に位置するマグネット32を持ち上げてマグネット30に磁着させてコンパクトに折り畳むことが出来る。この後、図4(d)に示されるように、一対のフレーム14が反対方向に移動するように回動させて180°回転させる。この際、図4(e)に示されるように、雨に濡れた上半身保護部25及び顔保護部24a,24bの表面が内側に位置するようになる。
【0045】
最後に、リング部18を完全な倒伏状態にすることによって厚みを薄くすることができ、リュックサックのような状態となる。これにより、雨に濡れた上半身保護部25及び顔保護部24a,24bの表面がリュックサックの内側に位置するとともに、雨に濡れていない顔保護部24a,24bの裏面が外側に位置するため、このまま電車などに乗っても他人に迷惑をかけることがないという利点がある。
【符号の説明】
【0046】
10 レインコート、12 保護機構、14 フレーム、16 回動軸部、18 リング部、20 連結部、24a,24b 顔保護部、25 上半身保護部、26 レインコート本体部、28 引掛け部、30 マグネット、32 マグネット、34 覗き窓、36 紐部。
【要約】
【課題】使用後の濡れた状態で簡便に収納することが可能なレインコートを提供することである。
【解決手段】レインコート10は、ユーザの顔部の外形に沿った形状を有する2つのフレーム14と、2つのフレーム14の両端部に設けられ、2つのフレーム14を回動可能な状態で連結する回動軸部16と、2つのフレーム14に設けられ、ユーザの身体を覆うことが可能なレインコート本体部26と、を備え、レインコート本体部26は、2つのフレーム14をそれぞれ覆うように設けられ、ユーザの顔部を雨から守る一対の顔保護部24a,24bと、2つのフレーム14のいずれか1つのフレームに設けられ、ユーザの上半身部を覆う上半身保護部25と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1



図1
図2
図3
図4